JP2023181081A - エッチング方法及びプラズマ処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エッチングの選択比を改善する技術を提供する【解決手段】チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法が提供される。この方法は、(a)エッチング対象膜と、エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む工程と、(b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、エッチング対象膜をエッチングする工程と、を含む。【選択図】図2

Description

本開示の例示的実施形態は、エッチング方法及びプラズマ処理システムに関する。
特許文献1には、シリコン含有膜上にポリシリコンマスクが形成された基板をエッチングする方法が開示されている。
特開2016-21546号公報
本開示は、エッチングの選択比を改善する技術を提供する。
本開示の一つの例示的実施形態において、チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、(a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む工程と、(b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする工程とを含むエッチング方法が提供される。
本開示の一つの例示的実施形態によれば、エッチングの選択比を改善する技術を提供することができる。
例示的なプラズマ処理システムを概略的に示す図である。 本処理方法の一例を示すフローチャートである。 基板Wの断面構造の一例を示す図である。 工程ST12の終了時の基板Wの断面構造の一例を示す図である。 本処理方法の他の例を示すフローチャートである。 基板W1の断面構造の一例を示す図である。 実験1の結果を示す図である。 エッチング後のマスクMKの形状を示す平面図である。
以下、本開示の各実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態において、チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、(a)エッチング対象膜と、エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む工程と、(b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、エッチング対象膜をエッチングする工程と、を含むエッチング方法が提供される。
一つの例示的実施形態において、マスクは、金属の炭化物又はケイ化物を含む。
一つの例示的実施形態において、マスクは、Ru、WSi、TiN、Mo及びInGaZnOからなる群から選択される少なくとも1つを含む。
一つの例示的実施形態において、マスクは、シリコン、カーボン及び窒素からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む。
一つの例示的実施形態において、処理ガスは、リン含有ガスをさらに含む。
一つの例示的実施形態において、リン含有ガスは、ハロゲン化リンガスを含む。
一つの例示的実施形態において、リン含有ガスは、フッ素及び塩素の少なくともいずれかを含むガスである。
一つの例示的実施形態において、処理ガスは、不活性ガスを除き、フッ化水素ガスの流量が最も多い。
一つの例示的実施形態において、処理ガスは、タングステン含有ガス、チタン含有ガス、及びモリブデン含有ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスをさらに含む。
一つの例示的実施形態において、(b)の工程において、基板を支持する基板支持部の温度は0℃以下に設定される。
一つの例示的実施形態において、エッチング対象膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びポリシリコン膜並びにこれらの少なくとも2つの膜を含む積層膜からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
一つの例示的実施形態において、エッチング対象膜は、シリコン含有膜、炭素含有膜又は金属酸化物膜である。
一つの例示的実施形態において、エッチング対象膜は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを含む積層膜であり、(b)の工程は、(b1)シリコン酸化膜をエッチングする工程と、(b2)シリコン窒化膜をエッチングする工程と、を含み、(b2)の工程における基板の温度が、(b1)の工程における基板の温度より高くなるように温度制御を行う。
一つの例示的実施形態において、温度制御は、(I)チャンバに供給するソースRF信号のデューティ比が(b1)の工程よりも(b2)の工程において大きくなるようにする制御、(II)基板を支持する基板支持部に供給するバイアス信号のデューティ比が(b1)の工程よりも(b2)の工程において大きくなるようにする制御、(III)基板と基板支持部との間に供給する伝熱ガスの圧力が(b1)の工程よりも(b2)の工程において小さくなるようにする制御、(IV)基板支持部の静電チャックへ供給する電圧が(b1)の工程よりも(b2)の工程において小さくなるようにする制御、及び、(V)基板支持部内の流路に供給する伝熱流体の温度が(b1)の工程よりも(b2)の工程において高くなるようにする制御の少なくとも一つの制御を含む。
一つの例示的実施形態において、伝熱流体の温度は、(b1)の工程と(b2)の工程とで同一であり、温度制御は、(I)乃至(IV)の少なくとも一つの制御を含む。
一つの例示的実施形態において、チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、(a)エッチング対象膜と、エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛から選択される少なくとも1種を含む工程と、(b)HF種を含むプラズマを用いて、エッチング対象膜をエッチングする工程と、を含むエッチング方法が提供される。
一つの例示的実施形態において、HF種は、フッ化水素ガス又はハイドロフルオロカーボンガスの少なくとも1種のガスから生成される。
一つの例示的実施形態において、HF種は、炭素数が2以上のハイドロフルオロカーボンガスから生成される。
一つの例示的実施形態において、HF種は、水素源及びフッ素源を含む混合ガスから生成される。
一つの例示的実施形態において、チャンバを有するプラズマ処理装置と制御部とを備え、制御部は、(a)エッチング対象膜と、エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する制御であって、マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む制御と、(b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、エッチング対象膜をエッチングする制御とを実行するプラズマ処理システムが提供される。
以下、図面を参照して、本開示の各実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一または同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づいて上下左右等の位置関係を説明する。図面の寸法比率は実際の比率を示すものではなく、また、実際の比率は図示の比率に限られるものではない。
<プラズマ処理システムの構成例>
以下に、プラズマ処理システムの構成例について説明する。図1は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
プラズマ処理システムは、容量結合型のプラズマ処理装置1及び制御部2を含む。容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10sに供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
基板支持部11は、本体部111及びリングアセンブリ112を含む。本体部111は、基板Wを支持するための中央領域111aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域111bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部111の環状領域111bは、平面視で本体部111の中央領域111aを囲んでいる。基板Wは、本体部111の中央領域111a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部111の中央領域111a上の基板Wを囲むように本体部111の環状領域111b上に配置される。従って、中央領域111aは、基板Wを支持するための基板支持面とも呼ばれ、環状領域111bは、リングアセンブリ112を支持するためのリング支持面とも呼ばれる。
一実施形態において、本体部111は、基台1110及び静電チャック1111を含む。基台1110は、導電性部材を含む。基台1110の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック1111は、基台1110の上に配置される。静電チャック1111は、セラミック部材1111aとセラミック部材1111a内に配置される静電電極1111bとを含む。セラミック部材1111aは、中央領域111aを有する。一実施形態において、セラミック部材1111aは、環状領域111bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック1111を囲む他の部材が環状領域111bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック1111と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF(Radio Frequency)電源31及び/又はDC(Direct Current)電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材1111a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号及び/又はDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台1110の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極1111bが下部電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つの下部電極を含む。
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
また、基板支持部11は、静電チャック1111、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路1110a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路1110aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路1110aが基台1110内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック1111のセラミック部材1111a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域111aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する1又はそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ処理チャンバ10において1又はそれ以上の処理ガスからプラズマを生成するように構成されるプラズマ生成部の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のバイアスDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及び通信インターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、通信インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。通信インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
<プラズマ処理方法の一例>
図2は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理方法(以下「本処理方法」ともいう。)の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、本処理方法は、基板を提供する工程ST11と、エッチングをする工程ST12とを含む。各工程における処理は、図1に示すプラズマ処理システムで実行されてよい。以下では、制御部2がプラズマ処理装置1の各部を制御して、基板Wに対して本処理方法を実行する場合を例に説明する。
(工程ST11:基板の提供)
工程ST11において、基板Wは、プラズマ処理装置1のプラズマ処理空間10s内に提供される。基板Wは、基板支持部11の中央領域111aに提供される。そして、基板Wは、静電チャック1111により基板支持部11に保持される。
図3は、工程ST11で提供される基板Wの断面構造の一例を示す図である。基板Wは、エッチング対象膜としてのシリコン含有膜SFと、シリコン含有膜SF上に形成されたマスクMKとを有している。シリコン含有膜SFは、下地膜UF上に形成されてよい。基板Wは、半導体デバイスの製造に用いられてよい。半導体デバイスは、例えば、DRAM、3D-NANDフラッシュメモリ等の半導体メモリデバイスを含む。
下地膜UFは、一例では、シリコンウェハやシリコンウェハ上に形成された有機膜、誘電体膜、金属膜、半導体膜等である。一実施形態において、下地膜UFはエッチングストップ膜であってよい。一実施形態において、エッチングストップ膜は、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む。エッチングストップ膜は、例えば、タングステン、モリブデン及びチタンの炭化物又はケイ化物を含んでよい。エッチングストップ膜は、例えば、タングステン含有膜でよい。エッチングストップ膜は、タングステンと、シリコン、カーボン及び窒素からなる群から選択される少なくとも1種とをさらに含んでよい。一例では、エッチングストップ膜は、WC(タングステンカーバイド)、WSi(タングステンシリサイド)、WSiN及びWSiCからなる群から選択される少なくとも1種を含む。エッチングストップ膜は、例えば、Ru、WSi、TiN、Mo及びInGaZnOからなる群から選択される少なくとも1つを含んでよい。下地膜UFは、複数の膜が積層されて構成されてよい。下地膜UFが複数の膜から構成される場合、エッチングストップ膜は、下地膜UFの最上層に形成されてよい。すなわち、シリコン含有膜SFは、エッチングストップ膜に接して形成され得る。
シリコン含有膜SFは、本処理方法によるエッチングの対象となるエッチング対象膜である。シリコン含有膜SFは、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン炭窒化膜、多結晶シリコン膜又は炭素含有シリコン膜でよい。シリコン含有膜SFは、複数の膜が積層されて構成されてよい。例えば、シリコン含有膜SFは、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが交互に積層されて構成されてよい。例えば、シリコン含有膜SFは、シリコン酸化膜と多結晶シリコン膜とが交互に積層されて構成されてよい。例えば、シリコン含有膜SFは、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜及び多結晶シリコン膜を含む積層膜でもよい。例えば、シリコン含有膜SFは、シリコン酸化膜とシリコン炭窒化膜とが積層されて構成されてよい。例えば、シリコン含有膜SFは、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン炭窒化膜を含む積層膜でもよい。一実施形態において、基板Wは、シリコン含有膜SFに代えて炭素含有膜又は金属酸化物膜を有してよい。この場合、炭素含有膜又は金属酸化物膜が、本処理方法によるエッチングの対象となる膜である。エッチング対象膜は、ホウ素、窒素、リンなどの不純物を含んでいてもよい。
マスクMKは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む。マスクMKは、例えば、タングステン、モリブデン及びチタンの炭化物又はケイ化物を含んでよい。マスクMKは、例えば、タングステン含有膜でよい。マスクMKは、タングステンと、シリコン、カーボン及び窒素からなる群から選択される少なくとも1種とをさらに含んでよい。一例では、マスクMKは、WC(タングステンカーバイド)、WSi(タングステンシリサイド)、WSiN及びWSiCからなる群から選択される少なくとも1種を含む。マスクMKは、例えば、Ru、WSi、TiN、Mo及びInGaZnOからなる群から選択される少なくとも1つを含んでよい。マスクMKは、1つの層からなる単層マスクでよく、また2つ以上の層からなる多層マスクであってもよい。
図3に示すとおり、マスクMKは、シリコン含有膜SF上において少なくとも一つの開口OPを規定する。開口OPは、シリコン含有膜SF上の空間であって、マスクMKの側壁に囲まれている。すなわち、シリコン含有膜SFの上面は、マスクMKによって覆われた領域と、開口OPの底部において露出した領域とを有する。
開口OPは、基板Wの平面視、すなわち、基板Wを図3の上から下に向かう方向に見た場合において、任意の形状を有してよい。当該形状は、例えば、円、楕円、矩形、線やこれらの1種類以上を組み合わせた形状であってよい。マスクMKは、複数の側壁を有し、複数の側壁が複数の開口OPを規定してもよい。複数の開口OPは、それぞれ線形状を有し、一定の間隔で並んでライン&スペースのパターンを構成してもよい。また、複数の開口OPは、それぞれ孔形状を有し、アレイパターンを構成してもよい。
基板を構成する各膜(下地膜UF、シリコン含有膜SF又はマスクMK)は、それぞれ、CVD法、ALD法、スピンコート法等により形成されてよい。マスクMKは、リソグラフィによって形成されてもよい。またマスクMKの開口OPは、マスクMKをエッチングすることで形成されてよい。各膜は、それぞれ、平坦な膜であってよく、また凹凸を有する膜であってもよい。なお、基板Wは、下地膜UFの下に他の膜をさらに有してよい。この場合、シリコン含有膜SF及び下地膜UFに開口OPに対応する形状の凹部を形成し、当該他の膜をエッチングするためのマスクとして用いてもよい。
基板Wの各膜を形成するプロセスの少なくとも一部は、プラズマ処理チャンバ10の空間内で行われてよい。一例では、マスクMKをエッチングして開口OPを形成する工程は、プラズマ処理チャンバ10で実行されてよい。すなわち、開口OP及び後述するシリコン含有膜SFのエッチングは、同一のチャンバ内で連続して実行されてよい。また、基板Wの各膜の全部又は一部がプラズマ処理装置1の外部の装置やチャンバで形成された後、基板Wがプラズマ処理装置1のプラズマ処理空間10s内に搬入され、基板支持部11の中央領域111aに配置されることで、基板Wが提供されてもよい。
基板Wを基板支持部11の中央領域111aに提供後、基板支持部11の温度が温調モジュールにより設定温度に調整される。設定温度は、例えば、0℃以下、-10℃以下、-20℃以下、-30℃以下、-40℃以下、-50℃以下、-60℃以下又は-70℃以下でよい。一例では、基板支持部11の温度を調整又は維持することは、流路1110aを流れる伝熱流体の温度やヒータ温度を設定温度にすること、又は、設定温度と異なる温度にすることを含む。なお、流路1110aに伝熱流体が流れ始めるタイミングは、基板Wが基板支持部11に載置される前でも後でもよく、また同時でもよい。また、基板支持部11の温度は、工程ST11の前に設定温度に調整されてよい。すなわち、基板支持部11の温度が設定温度に調整された後に、基板支持部11に基板Wを提供してよい。
(工程ST12:エッチング)
工程ST12において、処理ガスから生成したプラズマを用いて、シリコン含有膜SFがエッチングされる。まず、ガス供給部20から処理ガスがプラズマ処理空間10s内に供給される。工程ST12における処理の間、処理ガスに含まれるガスや各ガスの流量(分圧)は、変更されてよく、また変更されなくてもよい。例えば、シリコン含有膜SFが異なる種類のシリコン含有膜からなる積層膜で構成される場合、処理ガスの構成や各ガスの流量(分圧)は、エッチングの進行に伴って又はエッチングする膜の種類に応じて変更されてよい。工程ST12における処理の間、基板支持部11の温度は、工程ST11で調整した設定温度に維持されてよく、またエッチングの進行に伴って又はエッチングする膜の種類に応じて変更されてもよい。
次に、基板支持部11の下部電極及び/又はシャワーヘッド13の上部電極にソースRF信号が供給される。これにより、シャワーヘッド13と基板支持部11との間で高周波電界が生成され、プラズマ処理空間10s内の第1の処理ガスから第1のプラズマが生成される。また、基板支持部11の下部電極にバイアス信号が供給されて、プラズマと基板Wとの間にバイアス電位が発生する。バイアス電位によって、プラズマ中のイオン、ラジカル等の活性種が基板Wに引きよせられる。これにより、シリコン含有膜SFのうち、マスクMKにより覆われていない部分(開口OPにおいて露出した部分)がエッチングされる。
工程ST12において、バイアス信号は、第2のRF生成部31bから供給されるバイアスRF信号であってよい。またバイアス信号は、DC生成部32aから供給されるバイアスDC信号であってもよい。ソースRF信号及びバイアス信号は、双方が連続波又はパルス波でよく、また一方が連続波で他方がパルス波でもよい。ソースRF信号及びバイアス信号の双方がパルス波である場合、双方のパルス波の周期は同期してよく、また同期しなくてもよい。ソースRF信号及び/又はバイアス信号パルス波のデューティ比は適宜設定してよく、例えば、1~80%でよく、また5~50%でよい。なお、デューティ比は、パルス波の周期における、電力又は電圧レベルが高い期間が占める割合である。またバイアス信号として、バイアスDC信号を用いる場合、パルス波は、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせの波形を有してよい。バイアスDC信号の極性は、プラズマと基板との間に電位差を与えてイオンを引き込むように基板Wの電位が設定されれば、負であっても正であってもよい。
工程ST12において、処理ガスに含まれるHFガスは、処理ガス(処理ガスが不活性ガスを含む場合は当該不活性ガスを除く全てのガス)中で最も流量(分圧)が大きくてよい。一例では、HFガスの流量は、処理ガスの総流量(処理ガスが不活性ガスを含む場合は当該不活性ガスを除く全てのガスの流量、以下、本明細書において同様である)に対して、50体積%以上、60体積%以上、70体積%以上、80体積%以上、90体積%以上又は95体積%以上でよい。HFガスの流量は、処理ガスの総流量に対して、100体積%未満、99.5体積%以下、98体積%以下又は96体積%以下でよい。一例では、HFガスの流量は、処理ガスの総流量に対して、70体積%以上96体積%以下に調整される。
処理ガスは、リン含有ガスをさらに含んでよい。リン含有ガスは、リン含有分子を含むガスである。リン含有分子は、十酸化四リン(P410)、八酸化四リン(P48)、六酸化四リン(P46)等の酸化物であってもよい。十酸化四リンは、五酸化二リン(P25)と呼ばれることがある。リン含有分子は、三フッ化リン(PF3)、五フッ化リン(PF5)、三塩化リン(PCl3)、五塩化リン(PCl5)、三臭化リン(PBr3)、五臭化リン(PBr5)、ヨウ化リン(PI3)のようなハロゲン化物(ハロゲン化リン)であってもよい。すなわち、リン含有分子は、フッ化リン等、ハロゲン元素としてフッ素を含んでもよい。或いは、リン含有分子は、ハロゲン元素としてフッ素以外のハロゲン元素を含んでもよい。リン含有分子は、フッ化ホスホリル(POF3)、塩化ホスホリル(POCl3)、臭化ホスホリル(POBr3)のようなハロゲン化ホスホリルであってよい。リン含有分子は、ホスフィン(PH3)、リン化カルシウム(Ca32等)、リン酸(H3PO4)、リン酸ナトリウム(Na3PO4)、ヘキサフルオロリン酸(HPF6)等であってよい。リン含有分子は、フルオロホスフィン類(HgPFh)であってよい。ここで、gとhの和は、3又は5である。フルオロホスフィン類としては、HPF2、H2PF3が例示される。処理ガスは、少なくとも一つのリン含有分子として、上記のリン含有分子のうち一つ以上のリン含有分子を含み得る。例えば、処理ガスは、少なくとも一つのリン含有分子として、PF3、PCl3、PF5、PCl5、POCl3、PH3、PBr3、又はPBr5の少なくとも一つを含み得る。なお、処理ガスに含まれる各リン含有分子が液体又は固体である場合、各リン含有分子は、加熱等によって気化されてプラズマ処理空間10s内に供給され得る。
リン含有ガスは、PClab(aは1以上の整数であり、bは0以上の整数であり、a+bは5以下の整数である)ガス又はPCcde(d、eはそれぞれ1以上5以下の整数であり、cは0以上9以下の整数である)ガスであってよい。
PClabガスは、例えば、PClF2ガス、PCl2Fガス及びPCl23ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスでよい。
PCcdeガスは、例えば、PF2CH3ガス、PF(CH32ガス、PH2CF3ガス、PH(CF32ガス、PCH3(CF32ガス、PH2Fガス及びPF3(CH32ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスでよい。
リン含有ガスは、PClcdef(c、d、e及びfはそれぞれ1以上の整数である)ガスであってよい。またリン含有ガスは、P(リン)、F(フッ素)及びF(フッ素)以外のハロゲン(例えば、Cl、Br又はI)を分子構造に含むガス、P(リン)、F(フッ素)、C(炭素)及びH(水素)を分子構造に含むガス、又は、P(リン)、F(フッ素)及びH(水素)を分子構造に含むガスであってもよい。
リン含有ガスは、ホスフィン系ガスを用いてよい。ホスフィン系ガスとしては、ホスフィン(PH3)、ホスフィンの少なくとも1つの水素原子を適当な置換基により置換した化合物、及びホスフィン酸誘導体が挙げられる。
ホスフィンの水素原子を置換する置換基としては、特に限定されず、例えばフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;並びにヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基等が挙げられ、一例では、塩素原子、メチル基、及びヒドロキシメチル基が挙げられる。
ホスフィン酸誘導体としては、ホスフィン酸(H32P)、アルキルホスフィン酸(PHO(OH)R)、及びジアルキルホスフィン酸(PO(OH)R2)が挙げられる。
ホスフィン系ガスとしては、例えば、PCH3Cl2(ジクロロ(メチル)ホスフィン)ガス、P(CH32Cl(クロロ(ジメチル)ホスフィン)ガス、P(HOCH2)Cl2(ジクロロ(ヒドロキシルメチル)ホスフィン)ガス、P(HOCH22Cl(クロロ(ジヒドロキシルメチル)ホスフィン)ガス、P(HOCH2)(CH32(ジメチル(ヒドロキシルメチル)ホスフィン)ガス、P(HOCH22(CH3)(メチル(ジヒドロキシルメチル)ホスフィン)ガス、P(HOCH23(トリス(ヒドロキシルメチル)ホスフィン)ガス、H32P(ホスフィン酸)ガス、PHO(OH)(CH3)(メチルホスフィン酸)ガス及びPO(OH)(CH32(ジメチルホスフィン酸)ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスを用いてよい。
処理ガスに含まれるリン含有ガスの流量は、処理ガスの総流量のうち、20体積%以下、10体積%以下、5体積%以下でよい。
処理ガスは、タングステン含有ガスをさらに含んでよい。タングステン含有ガスは、タングステンとハロゲンとを含有するガスでよく、一例では、WFxClyガスである(x及びyはそれぞれ0以上6以下の整数であり、xとyとの和は2以上6以下である)。具体的には、タングステン含有ガスとしては、2フッ化タングステン(WF2)ガス、4フッ化タングステン(WF4)ガス、5フッ化タングステン(WF5)ガス、6フッ化タングステン(WF6)ガス等のタングステンとフッ素とを含有するガス、2塩化タングステン(WCl2)ガス、4塩化タングステン(WCl4)ガス、5塩化タングステン(WCl5)ガス、6塩化タングステン(WCl6)ガス等のタングステンと塩素とを含有するガスであってよい。これらの中でも、WF6ガス及びWCl6ガスの少なくともいずれかのガスであってよい。タングステン含有ガスの流量は、処理ガスの総流量のうち5体積%以下でよい。なお、処理ガスは、タングステン含有ガスに代えて又は加えて、チタン含有ガス及びモリブデン含有ガスの少なくとも一つを含んでよい。
処理ガスは、炭素含有ガスをさらに含んでよい。炭素含有ガスは、例えば、フルオロカーボンガス及びハイドロフルオロカーボンガスのいずれかまたは両方でよい。一例では、フルオロカーボンガスは、CF4ガス、C22ガス、C24ガス、C36ガス、C38ガス、C46ガス、C48ガス及びC58ガスからなる群から選択される少なくとも1種でよい。一例では、ハイドロフルオロカーボンガスは、CHF3ガス、CH22ガス、CH3Fガス、C2HF5ガス、C224ガス、C233ガス、C242ガス、C3HF7ガス、C322ガス、C324ガス、C326ガス、C335ガス、C426ガス、C455ガス、C428ガス、C526ガス、C5210ガス及びC537ガスからなる群から選択される少なくとも1種でよい。また、炭素含有ガスは、不飽和結合を有する直鎖状のものであってよい。不飽和結合を有する直鎖状の炭素含有ガスは、例えば、C36(ヘキサフルオロプロぺン)ガス、C48(オクタフルオロ-1-ブテン、オクタフルオロ-2-ブテン)ガス、C324(1,3,3,3-テトラフルオロプロペン)ガス、C426(トランス-1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン)ガス、C48O(ペンタフルオロエチルトリフルオロビニルエーテル)ガス、CF3COFガス(1,2,2,2-テトラフルオロエタン-1-オン)、CHF2COF(ジフルオロ酢酸フルオライド)ガス及びCOF2(フッ化カルボニル)ガスからなる群から選択される少なくとも1種でよい。
処理ガスは、酸素含有ガスを更に含んでよい。酸素含有ガスは、例えば、O2、CO、CO2、H2O及びH22からなる群から選択される少なくとも1種のガスでよい。一例では、酸素含有ガスは、H2O以外の酸素含有ガス、例えばO2、CO、CO2及びH22からなる群から選択される少なくとも1種のガスでよい。酸素含有ガスの流量は、炭素含有ガスの流量に応じて調整されてよい。
処理ガスは、フッ素以外のハロゲン含有ガスをさらに含んでよい。フッ素以外のハロゲン含有ガスは、塩素含有ガス、臭素含有ガス及び/又はヨウ素含有ガスでよい。塩素含有ガスは、一例では、Cl2、SiCl2、SiCl4、CCl4、SiH2Cl2、Si2Cl6、CHCl3、SO2Cl2、BCl3、PCl3、PCl5及びPOCl3からなる群から選択される少なくとも1種のガスでよい。臭素含有ガスは、一例では、Br2、HBr、CBr22、C25Br、PBr3、PBr5、POBr3及びBBr3からなる群から選択される少なくとも1種のガスでよい。ヨウ素含有ガスは、一例では、HI、CF3I、C25I、C37I、IF5、IF7、I2、PI3からなる群から選択される少なくとも1種のガスでよい。一例では、フッ素以外のハロゲン含有ガスは、Cl2ガス、Br2ガス及びHBrガスからなる群から選択される少なくとも1種でよい。一例では、フッ素以外のハロゲン含有ガスは、Cl2ガス又はHBrガスである。
処理ガスは、不活性ガスをさらに含んでよい。不活性ガスは、一例では、Arガス、Heガス、Krガス等の貴ガス又は窒素ガスでよい。
なお、処理ガスは、HFガスの一部又は全部に代えて、プラズマ中にフッ化水素種(HF種)を生成可能なガスを含んでよい。HF種は、フッ化水素のガス、ラジカル及びイオンの少なくともいずれかを含む。
HF種を生成可能なガスは、例えば、ハイドロフルオロカーボンガスでよい。ハイドロフルオロカーボンガスは、炭素数が2以上、3以上又は4以上でもよい。ハイドロフルオロカーボンガスは、一例では、CH22ガス、C324ガス、C326ガス、C335ガス、C426ガス、C455ガス、C428ガス、C526ガス、C5210ガス及びC537ガスからなる群から選択される少なくとも1種である。ハイドロフルオロカーボンガスは、一例では、CH22ガス、C324ガス、C326ガス及びC426ガスからなる群から選択される少なくとも1種である。
HF種を生成可能なガスは、例えば、水素源及びフッ素源を含む混合ガスでよい。水素源は、例えば、H2ガス、NH3ガス、H2Oガス、H22ガス及びハイドロカーボンガス(CH4ガス、C36ガス等)からなる群から選択される少なくとも一種でよい。フッ素源は、例えば、NF3ガス、SF6ガス、WF6ガス又はXeF2ガスのように炭素を含まないフッ素含有ガスでよい。またフッ素源は、フルオロカーボンガス及びハイドロフルオロカーボンガスのように炭素を含むフッ素含有ガスでもよい。フルオロカーボンガスは、一例では、CF4ガス、C22ガス、C24ガス、C36ガス、C38ガス、C46ガス、C48ガス及びC58ガスからなる群から選択される少なくとも1種でよい。ハイドロフルオロカーボンガスは、一例では、CHF3ガス、CH22ガス、CH3Fガス、C2HF5ガス及びCを3つ以上含むハイドロフルオロカーボンガス(C324ガス、C326ガス、C426ガス等)からなる群から選択される少なくとも1種でよい。
工程ST12によるエッチングにより、マスクMKの開口OPの形状に基づいてシリコン含有膜SFに凹部が形成される。そして、所与の停止条件が満たされると、工程ST12によるエッチングが停止され、本処理方法が終了する。停止条件は、例えば、エッチング時間や凹部の深さ等に基づいて設定されてよい。
図4は、工程ST12の終了時の基板Wの断面構造の一例を示す図である。図4に示すように、工程ST12における処理により、シリコン含有膜SFのうち、開口OPにおいて露出した部分が深さ方向(図4で上から下に向かう方向)にエッチングされ、凹部RCが形成される。図4は、工程ST12によるエッチングにより、凹部RCの底部が下地膜UFに到達し、下地膜UFが露出した例である。この状態における凹部RCのアスペクト比は、例えば、20以上でよく、30以上、40以上、50以上、又は100以上でもよい。
本処理方法によれば、基板WのマスクMKは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む。これらの金属は、工程ST12のエッチングで生成されるHF種を含むプラズマに対するエッチング耐性が高い。そのため、工程ST12において、HF種を含むプラズマを用いてシリコン含有膜SFをエッチングする際に、マスクMKのエッチングを抑制することができる。これにより、マスクMKに対するシリコン含有膜SFのエッチングの選択比を改善することができる。基板Wがシリコン含有膜SFに代えて炭素含有膜又は金属酸化物膜を有する場合(エッチング対象膜が炭素含有膜又は金属酸化物膜である場合)も同様である。すなわち、本処理方法によれば、マスクMKに対するエッチング対象膜の選択比を改善することができる。また基板Wが下地膜UFとして、上記金属を含むエッチングストップ膜を有する場合、工程ST12において下地膜UFがエッチングされてしまうことを抑制できる。
図5は、本処理方法の他の例を示すフローチャートである。本例は、基板W1を提供する工程ST21と、第1のエッチング工程ST22と、第2のエッチング工程ST23とを備える。本例では、第1のエッチング工程ST22と第2のエッチング工程ST23とを異なる条件で行う。
例えば、DRAM等の半導体メモリデバイスを製造する場合、工程ST22と工程ST23において、基板W1の温度が異なるように温度制御を行ってよい。以下、この点を中心に説明し、図2に示すフローチャートと同様の点については、説明は省略する。
図6は、工程ST21で提供される基板W1の断面構造の一例を示す図である。基板W1は、下地膜UF上に、シリコン含有膜SFとマスクMKとがこの順で積層されている。シリコン含有膜SFは、第2のシリコン含有膜SF2と、第2のシリコン含有膜上に形成された第1のシリコン含有膜SF1とで構成されている。
第1のシリコン含有膜SF1と第2のシリコン含有膜SF2とは、互いに異なる種類の膜である。例えば、第1のシリコン含有膜SF1は、シリコン窒化膜であり、第2のシリコン含有膜SF2は、シリコン酸化膜でよい。また例えば、第1のシリコン含有膜SF1は、シリコン炭窒化膜であり、第2のシリコン含有膜SF2は、シリコン酸化膜でよい。
本例では、基板W1を基板支持部11に提供した後、第1のエッチング工程ST22において、フッ化水素ガスを含む処理ガスを用いて第1のシリコン含有膜SF1をエッチングする。そして、第2のエッチング工程ST23においてフッ化水素ガスを含む処理ガスを用いて第2のシリコン含有膜SF2をエッチングする。工程ST22及び工程ST23で用いる処理ガスの構成や各ガスの流量(分圧)は同一でも異なっていてもよい。
本例では、工程ST22において基板W1が第1の温度となるように温度制御し、工程ST23において基板W1が第1の温度と異なる第2の温度となるように温度制御する。第1の温度及び第2の温度は、第1のシリコン含有膜SF1の材料と、第2のシリコン含有膜SF2の材料によって適宜設定してよい。例えば、第1のシリコン含有膜SF1がシリコン窒化膜であり、第2のシリコン含有膜SF2がシリコン酸化膜である場合、第2の温度を第1の温度よりも低くなるように制御してよい。この場合、第1の温度を-20℃以上30℃以下に温度制御し、第2の温度を-70℃以上-30℃以下に制御してよい。第1の温度と第2の温度との温度差は、10℃以上50℃以下としてよく、20℃以上40℃以下としてよい。このように第1の温度と第2の温度とを制御することにより、シリコン酸化膜のエッチングレートを高めることができる。シリコン酸化膜は、シリコン窒化膜に比べてより低い温度域において、エッチャント(フッ化水素種)の吸着が促進されるためである。
温度制御は、例えば、工程ST22及び工程ST23において、以下の(I)乃至(V)のいずれか一つ以上の制御により行ってよい。すなわち、(I)プラズマ処理チャンバ10の上部電極及び/下部電極に供給するソースRF信号のデューティ比を変更する。(II)下部電極に供給するバイアス信号(バイアスRF信号やバイアスDC信号)のデューティ比を変更する。(III)静電チャック1111と基板W1の裏面との間の伝熱ガス(例えばHe)圧力を変更する。(IV)静電チャック1111へ供給する電圧(吸着電圧)を変更する。(V)流路1110aを流れる伝熱流体の温度を変更する。
上記(I)及び(II)の各信号のデューティ比や上記(IV)の伝熱流体の温度の値が大きくなると、基板W1への入熱量が増加して基板W1の温度が上昇する。また上記(III)の伝熱ガスの圧力や上記(IV)の吸着電圧の値が小さくなると、基板Wの吸熱量(基板支持部11への伝熱量)が抑制され、基板W1の温度が上昇する。そこで、例えば、工程ST23における基板W1の温度が、工程ST22における基板W1の温度と比べて高くなるようにするには、工程ST23において、以下のいずれか一つ以上の制御を行えばよい。すなわち(I)ソースRF信号のデューティ比を大きくする。(II)バイアス信号のデューティ比を大きくする。(III)伝熱ガスの圧力を小さくする。(IV)吸着電圧を小さくする。(V)伝熱流体の温度を高くする。これらの温度制御は、その応答性(基板W1の温度が実際に変化するまでの時間)に基づいて選択されてよい。例えば、(V)の温度制御の応答性がその余の制御の応答性に比べて低い場合は、(V)の温度制御は行わず(伝熱流体の温度は一定としつつ)、その余の(I)~(IV)の制御を行うようにしてよい。
なお、工程ST22及び工程ST23における基板W1の温度制御は、基板W1への入熱及び/又は吸熱を調整できれば、上記温度制御に限られない。例えば、ソースRF信号やバイアス信号の電力又は電圧を増減させることで基板W1の温度制御を行ってよい。また、温調モジュールにおける温度設定を一定に維持する温度制御を行ってよい。
本例によれば、第1のシリコン含有膜SF1及び第2のシリコン含有膜SF2を、それぞれ、エッチャント(HF種)の吸着がより促進され得る温度域でエッチングし得る。これにより、シリコン含有膜SFのエッチングレートが向上し得る。他方、マスクMKは、上述のとおり、HF種を含むプラズマに対するエッチング耐性が高く、マスクMKのエッチングは抑制される。以上より、本例によれば、マスクMKに対するシリコン含有膜SFのエッチングの選択比を改善することができる。
なお、本例において、工程ST22と工程ST23とで変更する条件は、基板W1の温度に限らない。例えば、3D-NAND等の半導体メモリデバイスの製造では、工程ST23と工程ST22とで処理ガスに含まれるガスの分圧を変更する制御を行ってもよい。例えば、処理ガスがリン含有ガスを含む場合、工程ST22と工程ST23とでリン含有ガスの分圧を変更してもよく、工程ST23におけるリン含有ガスの分圧が、工程ST22におけるリン含有ガスの分圧よりも低くなるよう制御してもよい。例えば、処理ガスが、タングステン含有ガス、チタン含有ガス、ルテニウム含有ガス及びモリブデン含有ガスからなる群から選択される少なくとも1種の金属含有ガスを含む場合、工程ST22と工程ST23とで金属含有ガスの分圧を変更してもよく、工程ST23における金属含有ガスの分圧が、工程ST22における金属含有ガスの分圧よりも低くなるよう制御してもよい。例えば、処理ガスが炭素含有ガスを含む場合、工程ST22と工程ST23とで炭素含有ガスの分圧を変更してもよく、工程ST23における炭素含有ガスの分圧が、工程ST22における炭素含有ガスの分圧よりも低くなるよう制御してもよい。各例において、工程ST22と工程ST23とを繰り返しもよい。また、凹部RCのアスペクト比に応じて、工程ST22の条件から工程ST23の条件に段階的に又は連続的に変更してもよい。
以上の各実施形態は種々の変形をなし得る。一実施形態において、本処理方法は、容量結合型のプラズマ処理装置1以外にも、誘導結合型プラズマやマイクロ波プラズマ等、任意のプラズマ源を用いたプラズマ処理装置を用いて実行されてよい。
一実施形態において、エッチング対象膜(シリコン含有膜SF、炭素含有膜、金属酸化物膜等)のエッチング中に、ガス供給部20からデクロッキングガスがプラズマ処理空間10s内に供給されてよい。デクロッキングガスは、マスクMKの開口閉塞の抑制に寄与するガスである。一実施形態において、デクロッキングガスは、水素、窒素、酸素、ハロゲン、及び貴ガスから選択される少なくとも1つのガスを含んでよい。一実施形態において、デクロッキングガスは、リンと反応して揮発性化合物を生成するガスでよい。一実施形態において、デクロッキングガスは、H2ガス、HBrガス、CB22ガス、Cl2ガス、BCl3ガス、SiClガス、COガス、CF4ガス、CH4ガス、CH22ガス、C324ガス、N2ガス、NF3ガス及びO2ガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスであってよい。これらのガスから生成したプラズマ中の活性種は、リンと反応して揮発性化合物を生成し得る。これにより、エッチング中にマスクMKの側壁にリン含有堆積物が形成され、開口OPが閉塞することが抑制され得る。一実施形態において、デクロッキングガスは、当該ガスから生成したプラズマによるマスクMKのエッチングが進みにくいガスであってよい。このようなデクロッキングガスとしては、例えば、H2ガス、CF4ガス、CH22ガス又はC324ガスが挙げられる。一実施形態において、デクロッキングガスは、硫黄(S)を含有ガスしないガスであってよい。
一実施形態において、デクロッキングガスは、エッチングの処理ガスの一部としてプラズマ処理空間10sに供給されてよい。例えば、工程ST12、工程ST22、工程ST23で用いる処理ガスとして、デクロッキングガスが含まれてよい。この場合、処理ガスに含まれるデクロッキングガスの流量は、エッチング中に一定であってよく、またエッチングの進行に伴って増減されてもよい。一例では、処理ガスは、エッチングのある期間においてデクロッキングガスを含み、エッチングの別のある期間においてデクロッキングガスを含まなくてよい。一例では、処理ガスは、エッチングのある期間において第1の流量のデクロッキングガスを含み、エッチングの別のある期間において、第1の流量より小さい第2の流量のデクロッキングガスを含んでよい。
一実施形態において、デクロッキングガスは、エッチングの処理ガスとは別にプラズマ処理空間10sに供給されてよい。例えば、本処理方法のエッチング工程は、リンとハロゲンを含む処理ガスから第1のプラズマを生成することによりエッチング対象膜をエッチングする第1工程と、デクロッキングガスから第2のプラズマを生成することにより、マスクの側壁に形成されるリン含有堆積物を除去する第2工程と、を含んでよい。一実施形態において、第1工程と第2工程とは複数回繰り返し実行されてよい。
以下、本処理方法を評価するために行った実験1について説明する。本開示は、以下の実験1によって何ら限定されるものではない。
実験1では、プラズマ処理装置1を用いて、HFガスを含む処理ガスから生成したプラズマに対する各種膜のエッチング耐性を評価した。具体的には、評価する各種膜がそれぞれ形成された基板を基板支持部11に提供し、処理ガスからプラズマを生成して当該膜をエッチングしてそのエッチングレートを測定した。エッチング処理中、基板支持部11の温度は-70℃に設定した。
図7は、実験1の結果を示す図である。図7において、横軸は、実験1で評価した各種膜であり、「ACL」はアモルファスカーボン膜、「B」はボロン膜、「BSi」はボロンドープシリコン膜、「Poly」はポリシリコン膜、「TiN」は窒化チタン膜、「W」はタングステン膜、「WC」はタングステンカーバイド膜を示す。縦軸(ER)は、各種膜のエッチングレート[nm/min]である。「Gas A」は、HFガス、フルオロカーボンガス及び酸素ガスからなる処理ガスAを用いてプラズマを生成した場合のエッチングレートである。また「Gas B」は、HFガスからなる処理ガスBを用いてプラズマを生成した場合のエッチングレートである。
図7に示すとおり、処理ガスAからプラズマを生成した場合、タングステン膜及びタングステンカーバイド膜は、その他の膜に比べて、エッチングレートが低く抑えられおり、エッチング耐性が高かった。また、処理ガスBからプラズマを生成した場合、窒化チタン膜、タングステン膜及びタングステンカーバイド膜は、その他の膜に比べて、エッチングレートが低く抑えられおり、エッチング耐性が高かった。このことから、タングステン又はタングステンカーバイドを含むマスクMKは、処理ガスA又はBを用いたシリコン含有膜SFのエッチングにおいて、アモルファスカーボン膜等のマスクに比べて選択比を改善し得ることが分かる。また、窒化チタンを含むマスクMKは、処理ガスBを用いたシリコン含有膜SFのエッチングにおいて、アモルファスカーボン等のマスクに比べ選択比を改善し得ることが分かる。
<実施例>
次に、本処理方法の実施例について説明する。本開示は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、プラズマ処理装置1を用いて、図2で説明したフローチャットに沿って、基板Wをエッチングした。マスクMKとしては、孔状の開口パターンを有するタングステンシリサイド膜を用いた。シリコン含有膜SFとしては、シリコン酸化膜と、当該シリコン酸化膜上に形成されたシリコン窒化膜とからなる積層膜を用いた。工程ST12においては、はじめに、HFガス、C48ガス及び酸素ガスからなる処理ガスから生成したプラズマを用いてシリコン窒化膜をエッチングした。次に、HFガスからなる処理ガスから生成したプラズマを用いてシリコン酸化膜をエッチングした。工程ST12において、基板支持部11の温度は、-70℃に設定された。
(実施例2)
実施例2は、工程ST12において、HFガス及びリン含有ガスからなる処理ガスから生成したプラズマを用いてシリコン酸化膜をエッチングしたことを除き、実施例1と同様である。リン含有ガスの流量は、処理ガスの総流量に対して2体積%であった。
表1に、実施例1及び実施例2にかかるエッチング結果を示す。表1において、「対マスク選択比」は、シリコン含有膜SFのマスクMKに対する選択比である。MK ER」及び「SF ER」は、それぞれ、マスクMK及びシリコン含有膜SFのエッチングレートである。
表1に示すとおり、実施例1及び実施例2いずれにおいても、マスクMKのエッチングレートは抑制されており、対マスク選択比は良好なものであった。実施例2、すなわちリン含有ガスを処理ガスとして含む場合、実施例1に比べてマスクMKのエッチングレートがさらに抑えられるとともに、シリコン含有膜SFのエッチングレートはさらに高くなった。そのため、実施例2は、実施例1に比べて対マスク選択比がさらに向上していた。また実施例1及び実施例2ともにエッチングによる開口OPや凹部RCの形状異常は観察されなかった。
図8は、エッチング後のマスクMKの形状を示す平面図である。図8に示すように、実施例2では、実施例1に比べて、エッチング後のマスクMKの開口形状が真円により近く、エッチングによる形状異常がより抑制されていた。
(実施例3)
実施例3では、プラズマ処理システム1を用いて、図2で説明したフローチャットに沿って、基板Wをエッチングした。マスクMKとしては、孔状の開口パターンを有するタングステンシリサイド膜を用いた。シリコン含有膜SFとしては、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜が交互に繰り返し積層された積層膜を用いた。工程ST12においては、HFガス及びリン含有ガスからなる処理ガスから生成したプラズマを用いてエッチングを行った。工程ST12におけるエッチング処理中、基板支持部11の温度は、-20℃に設定された。リン含有ガスの流量は、処理ガスの総流量に対して3体積%であった。
参考例1では、実施例3のマスクMKをアモルファスカーボンマスクに変更した基板を、実施例3と同一の条件でエッチングした。
表2に、実施例3及び参考例1にかかるエッチング結果を示す。表2において、「対マスク選択比」は、シリコン含有膜SFのマスクMK又はアモルファスカーボンマスクに対する選択比である。「MK ER」は、マスクMK又はアモルファスカーボンマスクのエッチングレートである。「SF ER」は、シリコン含有膜SFのエッチングレートである。「ボーイングCD」は、エッチングによりシリコン含有膜SFに形成された凹部RCの最大開口幅である。「TBバイアス」は、当該凹部RCの最大開口幅と、凹部RCの頂部(マスクMK又はアモルファスカーボンマスクとの境界部分)における開口幅との差である。
表2に示すとおり、実施例3は、シリコン含有膜SFのエッチングは高いが、マスクMKのエッチングレートは低く抑えられており、対マスク選択比は、顕著に高くなっていた。これに対し、参考例1では、シリコン含有膜SFのエッチングレートは、実施例3と同程度であるものの、アモルファスカーボンマスクのエッチングレートも高くなっており、対マスク選択比は、実施例3の4分の1程度であった。また、実施例3ではボーイングCD及びTBバイアスともに低く抑えられ、ボーイングが抑制されていた。これに対し、参考例1では、ボーイングCD及びTBバイアスともに大きく、ボーイングが抑制できていなかった。
(実施例4)
実施例4では、プラズマ処理システム1を用いて、図2で説明したフローチャットに沿って、基板Wをエッチングした。マスクMKとしては、孔状の開口パターンを有するタングステンシリサイド膜を用いた。シリコン含有膜SFとしては、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜が交互に繰り返し積層された積層膜を用いた。工程ST12においては、HFガス及びリン含有ガスからなる処理ガスから生成したプラズマを用いてエッチングを行った。エッチング処理中、基板支持部11の温度は、-50℃に設定された。
(実施例5~11)
実施例5~11は、処理ガスに表3に示すガスをそれぞれ添加した点を除き実施例4と同一の条件で、実施例4と同一の構成の基板Wをエッチングした。
表3は、実施例4~11のエッチング結果を示す。表3において、「添加ガス」は、処理ガスに添加したガスである。「対マスク選択比」は、シリコン含有膜SFのマスクMKに対する選択比である。「ネッキングCD」は、マスクMKの開口OPの最小開口幅である。
表3に示すとおり、いずれの実施例も対マスク選択比は良好なものであった。また処理ガスに添加ガスとして、H2ガス、CH4ガス、C324ガス、CF4ガス、NF3ガス又はO2ガスを添加した実施例5~10は、実施例4に比べて、ネッキングCDが大きく、マスクMKの開口閉塞が抑制されていた。処理ガスとしてH2ガス、CH4ガス、C324ガスを添加した実施例5~7は、対マスク選択比も実施例4と比べて遜色はなかった。処理ガスとしてCOSガスを添加した実施例11は、実施例4に比べて、対マスク選択比が低下し、かつ、ネッキングCDも小さくなっていた。
(実施例12)
実施例12では、プラズマ処理システム1を用いて、図2で説明したフローチャットに沿って、基板Wをエッチングした。マスクMKとしては、孔状の開口パターンを有するルテニウム膜を用いた。シリコン含有膜SFとしては、シリコン酸化膜を用いた。工程ST12においては、HFガスからなる処理ガスから生成したプラズマを用いてエッチングを30秒行った。エッチング処理中、基板支持部11の温度は、-70℃に設定された。
(実施例13)
実施例13では、処理ガスがさらにリン含有ガスを含む点を除いて、実施例12と同一の条件で、実施例12と同一の構成の基板Wをエッチングした。
表4は、実施例12及び実施例13のエッチング結果を示す。「対マスク選択比」は、シリコン含有膜SFのマスクMKに対する選択比である。「MK ER」は、マスクMKのエッチングレートである。「SF ER」は、シリコン含有膜SFのエッチングレートである。「ボーイングCD」は、エッチングによりシリコン含有膜SFに形成された凹部RCの最大開口幅である。
表4に示すように、実施例12では、シリコン含有膜SFのエッチング中、マスクMK(ルテニウム膜)はほとんどエッチングがされなかった。結果として、対マスク選択比が十分に大きくなった。プラズマ中のHF種によりシリコン含有膜SFのエッチングが促進される一方で、ルテニウム膜からなるマスクMKは当該HF種に対する耐性が高くほとんどエッチングがされなかったと考えられる。実施例13は、実施例12よりもさらにこの傾向が高まった。すなわち実施例13は、実施例12に比べてシリコン含有膜SFのエッチングレートがさらに大きくなる一方で、マスクMKのエッチングレートがさらに小さくなった。結果として対マスク選択比が顕著に大きくなった。実施例13は、実施例12に比べて、ボーイングCDも改善した。
本開示の実施形態は、以下の態様をさらに含む。
(付記1)
チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、
(a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む工程と、
(b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、を含むエッチング方法。
(付記2)
前記マスクは、前記金属の炭化物又はケイ化物を含む、付記1に記載のエッチング方法。
(付記3)
前記マスクは、Ru、WSi、TiN、Mo及びInGaZnOからなる群から選択される少なくとも1つを含む、付記1に記載のエッチング方法。
(付記4)
前記マスクは、シリコン、カーボン及び窒素からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む、付記3に記載のエッチング方法。
(付記5)
前記処理ガスは、リン含有ガスをさらに含む、付記1乃至付記4のいずれか一つに記載のエッチング方法。
(付記6)
前記リン含有ガスは、ハロゲン化リンガスを含む、付記5に記載のエッチング方法。
(付記7)
前記リン含有ガスは、フッ素及び塩素の少なくともいずれかを含むガスである、付記5又は付記6に記載のエッチング方法。
(付記8)
前記処理ガスは、不活性ガスを除き、前記フッ化水素ガスの流量が最も多い、付記1乃至付記7のいずれか一つに記載のエッチング方法。
(付記9)
前記処理ガスは、タングステン含有ガス、チタン含有ガス、及びモリブデン含有ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスをさらに含む、付記1乃至付記8のいずれか一つに記載のエッチング方法。
(付記10)
前記(b)の工程において、前記基板を支持する基板支持部の温度は0℃以下に設定される、付記1乃至付記9のいずれか一つに記載のエッチング方法。
(付記11)
前記エッチング対象膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びポリシリコン膜並びにこれらの少なくとも2つの膜を含む積層膜からなる群から選択される少なくとも1種を含む、付記1乃至付記10のいずれか一つに記載のエッチング方法。
(付記12)
前記エッチング対象膜は、シリコン含有膜、炭素含有膜又は金属酸化物膜である、付記1乃至付記10のいずれか一つに記載のエッチング方法。
(付記13)
前記エッチング対象膜は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを含む積層膜であり、前記(b)の工程は、(b1)前記シリコン酸化膜をエッチングする工程と、(b2)前記シリコン窒化膜をエッチングする工程と、を含み、
前記(b2)の工程における前記基板の温度が、前記(b1)の工程における前記基板の温度より高くなるように温度制御を行う、付記1乃至付記10のいずれか一つに記載のエッチング方法。
(付記14)
前記温度制御は、
(I)前記チャンバに供給するソースRF信号のデューティ比が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において大きくなるようにする制御、
(II)前記基板を支持する基板支持部に供給するバイアス信号のデューティ比が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において大きくなるようにする制御、
(III)前記基板と前記基板支持部との間に供給する伝熱ガスの圧力が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において小さくなるようにする制御、
(IV)前記基板支持部の静電チャックへ供給する電圧が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において小さくなるようにする制御、及び、
(V)前記基板支持部内の流路に供給する伝熱流体の温度が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において高くなるようにする制御の少なくとも一つの制御を含む、付記13に記載のエッチング方法。
(付記15)
前記伝熱流体の温度は、前記(b1)の工程と前記(b2)の工程とで同一であり、前記温度制御は、前記(I)乃至(IV)の少なくとも一つの制御を含む、付記14に記載のエッチング方法。
(付記16)
チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、
(a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛から選択される少なくとも1種を含む工程と、
(b)HF種を含むプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、を含むエッチング方法。
(付記17)
前記HF種は、フッ化水素ガス又はハイドロフルオロカーボンガスの少なくとも1種のガスから生成される、付記16に記載のエッチング方法。
(付記18)
前記HF種は、炭素数が2以上のハイドロフルオロカーボンガスから生成される、付記16に記載のエッチング方法。
(付記19)
前記HF種は、水素源及びフッ素源を含む混合ガスから生成される、付記16に記載のエッチング方法。
(付記20)
チャンバを有するプラズマ処理装置と制御部とを備え、
前記制御部は、
(a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する制御であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む制御と、
(b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする制御と、を実行するプラズマ処理システム。
(付記21)
前記マスクは、タングステンを含む、付記1から付記19のいずれか一つに記載のエッチング方法。
(付記22)
前記エッチング対象膜は、シリコン含有膜である、付記1から付記19のいずれか1つに記載のエッチング方法。
(付記23)
前記シリコン含有膜は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを含む積層膜である、請求項22に記載のエッチング方法。
(付記24)
チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるデバイス製造方法であって、
(a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む工程と、
(b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、を含むデバイス製造方法。
(付記25)
チャンバを有するプラズマ処理装置と制御部とを備えるプラズマ処理システムのコンピュータに、
(a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する制御であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む制御と、
(b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする制御と、を実行させるプログラム。
(付記26)
付記25に記載のプログラムを格納した、記憶媒体。
(付記27)
チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、
(a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、及びチタン、インジウム、ガリウム、及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む工程と、
(b)リンとハロゲンを含む第1のガスと、リンと反応して揮発性化合物を生成する第2のガスと、を含む処理ガスから生成されるプラズマを前記基板に供給することにより、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、
を含む、エッチング方法。
(付記28)
チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、
(a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、前記マスクは、前記エッチング対象膜上に開口を規定する側壁を有し、かつ、タングステン、モリブデン、ルテニウム、及びチタン、インジウム、ガリウム、及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む工程と、
(b)リンとハロゲンを含む第1のガスから生成される第1のプラズマを前記基板に供給することにより、前記エッチング対象膜をエッチングする工程であって、前記マスクの前記側壁にリン含有堆積物が形成される工程と、
(c)水素、窒素、酸素、ハロゲン、及び貴ガスからなる群から選択される少なくとも1つのガスを含む第2のガスから生成される第2のプラズマを前記基板に供給することにより、前記リン含有堆積物を除去する工程と、を含むエッチング方法。
(付記29)
前記(b)と前記(c)とを交互に繰り返す、付記28に記載のエッチング方法。
(付記30)
前記第1のガスは、フッ化水素ガスを含む、付記27から付記29のいずれか1つに記載のエッチング方法。
(付記31)
前記第2のガスは、水素含有ガスである、付記27から付記29のいずれか1つに記載のエッチング方法。
(付記32)
前記水素含有ガスは、H2ガス、CH4ガス、CH22ガス、C324ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスを含む、付記31に記載のエッチング方法。
(付記33)
前記第2のガスは、窒素含有ガスである、付記27から付記29のいずれか1つに記載のエッチング方法。
(付記34)
前記窒素含有ガスは、N2ガス及びNF3ガスの少なくともいずれかである、付記33に記載のエッチング方法。
(付記35)
前記第2のガスは、硫黄を含まない、付記27から付記29のいずれか1つに記載のエッチング方法。
(付記36)
チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、
(a)エッチングストップ膜と、前記エッチングストップ膜上のエッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、前記エッチングストップ膜は、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム、亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む工程と、
(b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、を含むエッチング方法。
(付記37)
前記エッチングストップ膜は、Ru、WSi、TiN、Mo及びInGaZnOからなる群から選択される少なくとも1つを含む、付記36に記載のエッチング方法。
以上の各実施形態は、説明の目的で記載されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。以上の各実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく種々の変形をなし得る。例えば、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態に追加することができる。また、ある実施形態における一部の構成要素を、他の実施形態の対応する構成要素と置換することができる。
1……プラズマ処理装置、2……制御部、10……プラズマ処理チャンバ、10s……プラズマ処理空間、11……基板支持部、13……シャワーヘッド、20……ガス供給部、31a……第1のRF生成部、31b……第2のRF生成部、32a……第1のDC生成部、SF……シリコン含有膜、MK……マスク、OP……開口、RC……凹部、UF……下地膜、W、W1……基板

Claims (20)

  1. チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、
    (a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む工程と、
    (b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、を含むエッチング方法。
  2. 前記マスクは、前記金属の炭化物又はケイ化物を含む、請求項1に記載のエッチング方法。
  3. 前記マスクは、Ru、WSi、TiN、Mo及びInGaZnOからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエッチング方法。
  4. 前記マスクは、シリコン、カーボン及び窒素からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む、請求項3に記載のエッチング方法。
  5. 前記処理ガスは、リン含有ガスをさらに含む、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  6. 前記リン含有ガスは、ハロゲン化リンガスを含む、請求項5に記載のエッチング方法。
  7. 前記リン含有ガスは、フッ素及び塩素の少なくともいずれかを含むガスである、請求項5に記載のエッチング方法。
  8. 前記処理ガスは、不活性ガスを除き、前記フッ化水素ガスの流量が最も多い、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  9. 前記処理ガスは、タングステン含有ガス、チタン含有ガス、及びモリブデン含有ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスをさらに含む、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  10. 前記(b)の工程において、前記基板を支持する基板支持部の温度は0℃以下に設定される、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  11. 前記エッチング対象膜は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びポリシリコン膜並びにこれらの少なくとも2つの膜を含む積層膜からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  12. 前記エッチング対象膜は、シリコン含有膜、炭素含有膜又は金属酸化物膜である、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  13. 前記エッチング対象膜は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを含む積層膜であり、前記(b)の工程は、(b1)前記シリコン酸化膜をエッチングする工程と、(b2)前記シリコン窒化膜をエッチングする工程と、を含み、
    前記(b2)の工程における前記基板の温度が、前記(b1)の工程における前記基板の温度より高くなるように温度制御を行う、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  14. 前記温度制御は、
    (I)前記チャンバに供給するソースRF信号のデューティ比が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において大きくなるようにする制御、
    (II)前記基板を支持する基板支持部に供給するバイアス信号のデューティ比が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において大きくなるようにする制御、
    (III)前記基板と前記基板支持部との間に供給する伝熱ガスの圧力が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において小さくなるようにする制御、
    (IV)前記基板支持部の静電チャックへ供給する電圧が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において小さくなるようにする制御、及び、
    (V)前記基板支持部内の流路に供給する伝熱流体の温度が前記(b1)の工程よりも前記(b2)の工程において高くなるようにする制御の少なくとも一つの制御を含む、請求項13に記載のエッチング方法。
  15. 前記伝熱流体の温度は、前記(b1)の工程と前記(b2)の工程とで同一であり、前記温度制御は、前記(I)乃至(IV)の少なくとも一つの制御を含む、請求項14に記載のエッチング方法。
  16. チャンバを有するプラズマ処理装置において実行されるエッチング方法であって、
    (a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する工程であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛から選択される少なくとも1種を含む工程と、
    (b)HF種を含むプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする工程と、を含むエッチング方法。
  17. 前記HF種は、フッ化水素ガス又はハイドロフルオロカーボンガスの少なくとも1種のガスから生成される、請求項16に記載のエッチング方法。
  18. 前記HF種は、炭素数が2以上のハイドロフルオロカーボンガスから生成される、請求項16に記載のエッチング方法。
  19. 前記HF種は、水素源及びフッ素源を含む混合ガスから生成される、請求項16に記載のエッチング方法。
  20. チャンバを有するプラズマ処理装置と制御部とを備え、
    前記制御部は、
    (a)エッチング対象膜と、前記エッチング対象膜上のマスクとを有する基板をチャンバ内に提供する制御であって、前記マスクは、タングステン、モリブデン、ルテニウム、チタン、インジウム、ガリウム及び亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む制御と、
    (b)フッ化水素ガスを含む処理ガスから生成したプラズマを用いて、前記エッチング対象膜をエッチングする制御と、を実行するプラズマ処理システム。
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