JP2023169715A - 遠隔操作システム及び遠隔オペレータ端末 - Google Patents

遠隔操作システム及び遠隔オペレータ端末 Download PDF

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Abstract

【課題】遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作において、通信遅延や通信中の情報欠落の影響を抑制すること。【解決手段】遠隔操作システムは、遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と、遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末とを備える。遠隔オペレータ端末は、所定空間における移動体を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに行うシミュレータを備え、シミュレーションの結果を表示するように構成されている。シミュレーションの実行と平行して、遠隔オペレータ端末は、物体群の位置を少なくとも示す物体情報を受信し、受信した物体情報の遅延を補償することによって補正物体情報を取得する。更に、遠隔オペレータ端末は、シミュレーション内での物体情報であるシミュレーション物体情報を補正物体情報に基づいて補正する。【選択図】図3

Description

本開示は、遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作を支援する技術に関する。
特許文献1は、操作対象物を遠隔から操作するための制御装置を開示している。制御装置は、情報提供手段と通信を行い、操作対象物の周囲に存在するオブジェクトの種類及び位置の情報を取得する。更に、制御装置は、取得したオブジェクトの種類及び位置の情報に基づいて、オブジェクトを表すための仮想オブジェクトを決定する。そして、制御装置は、オブジェクトの地理的位置に対応する表示位置に仮想オブジェクトを表示する。このとき、制御装置は、通信遅延を考慮してオブジェクトの将来の位置を推定し、仮想オブジェクトの表示位置を補正する。
特許文献2は、不慣れな操作者でも移動体を容易に遠隔操作できる遠隔操作システムを開示している。
また、計測の分野において、カルマンフィルター(Kalman filter)が一般的に知られている。カルマンフィルターは、計測データからシステムの状態を推定する。但し、データ計測タイミングとカルマンフィルターの作動タイミングとの間にはズレが存在し、そのズレが大きくなると推定精度が低下する。
非特許文献1及び非特許文献2は、遅延を含む計測データに対しても適用可能な「ディレイドカルマンフィルター(Delayed Kalman Filter)」を開示している。ディレイドカルマンフィルターは、OOSM (Out-of-Sequence Measurement)とも呼ばれる。
特開2020-167551号公報 特開2010-128935号公報
Yaakov Bar-Shalom, "Update with Out-of-Sequence Measurements in Tracking: Exact Solution," IEEE Transactions on Aerospace and Electronic Systems, VOL. 38, No.3, pp.769-778, July 2002. Keshu Zhang et al., "Optimal Update with Out-of-Sequence Measurements," IEEE Transactions on Signal Processing, Vol. 53, No.6, pp.1992-2004, June 2005.
遠隔オペレータによる移動体(例:車両、ロボット)の遠隔操作について考える。遠隔操作の最中、移動体と遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末とは互いに通信を行うが、その通信には通信遅延が伴う。通信遅延は、遠隔オペレータの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等の原因となる。場合によっては、移動体が蛇行してしまう。よって、遠隔操作において通信遅延の影響を抑制することは重要である。
また、移動体から遠隔オペレータ端末に送信される情報が通信経路上で欠落する可能性もある。通信中の情報欠落も、遠隔オペレータの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等の原因となる。よって、遠隔操作において情報欠落の影響を抑制することも重要である。
本開示の1つの目的は、遠隔オペレータによる移動体の遠隔操作において、通信遅延や通信中の情報欠落の影響を抑制することができる技術を提供することにある。
第1の観点は、遠隔操作システムに関連する。
遠隔操作システムは、
遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と、
遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末と
を備える。
遠隔オペレータ端末は、所定空間における移動体を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに行うシミュレータを備え、シミュレーションの結果を表示するように構成されている。
シミュレーションの実行と平行して、遠隔オペレータ端末は、更に、次のような処理を行う。
遠隔オペレータ端末は、少なくとも移動体と通信を行い、物体群の位置を少なくとも示す物体情報を受信する。遠隔オペレータ端末は、受信した物体情報の遅延を補償することによって補正物体情報を取得する遅延補償処理を実行する。更に、遠隔オペレータ端末は、シミュレーション内での物体情報であるシミュレーション物体情報を補正物体情報に基づいて補正する同期処理を実行する。
第2の観点は、移動体の遠隔操作を行う遠隔オペレータによって使用される遠隔オペレータ端末に関連する。
遠隔オペレータ端末は、1又は複数のプロセッサを備える。
1又は複数のプロセッサは、所定空間における移動体を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに実行し、シミュレーションの結果を表示するように構成されている。
シミュレーションの実行と平行して、1又は複数のプロセッサは、更に、次のような処理を行う。
1又は複数のプロセッサは、少なくとも移動体と通信を行い、物体群の位置を少なくとも示す物体情報を受信する。1又は複数のプロセッサは、受信した物体情報の遅延を補償することによって補正物体情報を取得する遅延補償処理を実行する。更に、1又は複数のプロセッサは、シミュレーション内での物体情報であるシミュレーション物体情報を補正物体情報に基づいて補正する同期処理を実行する。
本開示によれば、遠隔オペレータ端末は、遠隔操作の対象である移動体を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに行う。遠隔オペレータ端末は、そのシミュレーション結果を表示する。遠隔オペレータは、表示されたシミュレーション結果を参照して、移動体の遠隔操作を行うことができる。
遠隔オペレータ端末内で行われるシミュレーションは、移動体と遠隔オペレータ端末との間の通信状態には依存しない。よって、遠隔オペレータは、通信遅延や情報欠落の影響を受けることなく、移動体の遠隔操作を行うことが可能となる。その結果、遠隔オペレータの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等が抑制される。すなわち、遠隔オペレータは、移動体の遠隔操作をより滑らかに、より安全に行うことが可能となる。
更に、遠隔オペレータ端末は、シミュレーションの実行と平行して、シミュレーション対象である物体群に関する物体情報を受信する。物体情報は、物体群の位置を少なくとも示す。遠隔オペレータ端末は、受信した物体情報の遅延を補償することによって補正物体情報を取得する。更に、遠隔オペレータ端末は、補正物体情報に基づいてシミュレーション物体情報を補正する。これにより、シミュレーション精度が確保され、遠隔操作の精度も確保される。
本開示の実施の形態に係る遠隔操作システムの構成例を示す概略図である。 本開示の実施の形態に係る遠隔操作システムの第1モードを説明するためのブロック図である。 本開示の実施の形態に係る遠隔操作システムの第2モードを説明するためのブロック図である。 本開示の実施の形態における表示装置に表示されるシミュレーション結果画面の例を示す概略図である。 本開示の実施の形態に係る車両の構成例を示すブロック図である。 本開示の実施の形態に係る遠隔オペレータ端末の構成例を示すブロック図である。 本開示の実施の形態に係るシミュレータを説明するためのブロック図である。 本開示の実施の形態に係る第2モードにおける遠隔オペレータ端末の機能構成例を示すブロック図である。 遠隔操作システムにおける遅延を説明するための概念図である。 遅延補償処理を説明するための概念図である。 遅延補償処理及びアップサンプリング処理を説明するための概念図である。 本開示の実施の形態に係る遠隔オペレータ端末における遅延補償部の第1の例を示すブロック図である。 本開示の実施の形態に係る遠隔オペレータ端末における遅延補償部の第2の例を示すブロック図である。 本開示の実施の形態に係る遠隔オペレータ端末における切替処理を説明するためのブロック図である。 本開示の実施の形態に係る車両における遅延補償処理に関連する機能構成例を示すブロック図である。 本開示の実施の形態に係る車両における遅延補償部の構成例を示すブロック図である。
添付図面を参照して、本開示の実施の形態を説明する。
1.遠隔操作システムの概要
移動体の遠隔操作(遠隔運転)について考える。遠隔操作の対象である移動体としては、車両、ロボット、飛翔体、等が例示される。車両は、自動運転車両であってもよいし、ドライバが運転する車両であってもよい。ロボットとしては、物流ロボット、作業ロボット、等が例示される。飛翔体としては、飛行機、ドローン、等が例示される。
一例として、以下の説明においては、遠隔操作の対象である移動体が車両である場合について考える。一般化する場合には、以下の説明における「車両」を「移動体」で読み替えるものとする。
図1は、本実施の形態に係る遠隔操作システム1の構成例を示す概略図である。遠隔操作システム1は、車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300を含んでいる。車両100は、遠隔操作の対象である。遠隔オペレータ端末200は、遠隔オペレータOが車両100を遠隔操作する際に使用する端末装置である。遠隔オペレータ端末200を遠隔操作HMI(Human Machine Interface)と言うこともできる。管理装置300は、遠隔操作システム1の管理を行う。典型的には、管理装置300は、クラウド上の管理サーバである。管理サーバは、分散処理を行う複数のサーバにより構成されていてもよい。
車両100、遠隔オペレータ端末200、及び管理装置300は、通信ネットワークを介して互いに通信可能である。車両100と遠隔オペレータ端末200は、管理装置300を介して互いに通信可能である。また、車両100と遠隔オペレータ端末200は、管理装置300を介さずに直接通信を行ってもよい。
車両100には、カメラを含む各種センサが搭載されている。カメラは、車両100の周囲の状況を示す画像情報を取得する。センサ検出情報SENは、各種センサにより得られる情報を含む。センサ検出情報SENは、少なくとも、カメラにより得られる画像情報を含む。センサ検出情報SENは、車両100の位置及び状態(例:速度、舵角、等)を含んでいてもよい。車両100は、センサ検出情報SENを遠隔オペレータ端末200に送信する。
遠隔オペレータ端末200は、車両100から送信されたセンサ検出情報SENを受け取る。遠隔オペレータ端末200は、センサ検出情報SENを遠隔オペレータOに提示する。具体的には、遠隔オペレータ端末200は、表示装置を備えており、画像情報等を表示装置に表示する。遠隔オペレータOは、表示された情報をみて、車両100の周囲の状況を認識し、車両100の遠隔操作を行う。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる遠隔操作に関する情報である。例えば、遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる操作量を含む。遠隔オペレータ端末200は、遠隔操作情報OPEを車両100に送信する。
車両100は、遠隔オペレータ端末200から送信された遠隔操作情報OPEを受け取る。車両100は、受け取った遠隔操作情報OPEに従って車両走行制御を行う。このようにして、車両100の遠隔操作が実現される。
2.遠隔操作システムの複数のモード
遠隔操作システム1(特に遠隔オペレータ端末200)の動作モードとして、以下の「第1モード」と「第2モード」の2種類を考える。
2-1.第1モード
図2は、第1モードを説明するためのブロック図である。第1モードは、一般的なモードである。
車両100は、センサにより得られるセンサ検出情報SENを遠隔オペレータ端末200に送信する。センサ検出情報SENは、車両100に搭載されたカメラにより得られる画像情報IMGを含んでいる。遠隔オペレータ端末200は、車両100から送信されるセンサ検出情報SENを受け取り、画像情報IMG等を表示装置202に表示する。遠隔オペレータOは、表示された情報を見ながら、遠隔操作部材203を操作して車両100の遠隔操作を行う。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる遠隔操作部材203の操作量を反映した情報を含んでいる。遠隔オペレータ端末200は、遠隔操作情報OPEを車両100に送信する。車両100は、遠隔オペレータ端末200から受け取る遠隔操作情報OPEに従って車両走行制御を行う。
このように、第1モードでは、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信を含む「第1ループLOOP-1」が形成される。
但し、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信には通信遅延が伴う。通信遅延は、遠隔オペレータOの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等の原因となる。場合によっては、車両100が蛇行してしまう。よって、遠隔操作において通信遅延の影響を抑制することは重要である。
また、車両100から遠隔オペレータ端末200に送信される情報が通信経路上で欠落する可能性もある。通信中の情報欠落も、遠隔オペレータOの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等の原因となる。よって、遠隔操作において情報欠落の影響を抑制することも重要である。
2-2.第2モード
図3は、第2モードを説明するためのブロック図である。第2モードは、通信遅延や通信中の情報欠落の影響を抑制することができるモードである。
より詳細には、第2モードでは、遠隔オペレータ端末200に搭載された「シミュレータ240」が利用される。シミュレータ240は、所定空間における車両100を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに行う。典型的には、所定空間は、一定エリアの空間である。例えば、所定空間は、スマートシティ等の“1つの街”である。シミュレーション対象の物体群は、車両100に加えて、車両100の周囲の障害物500を含んでいてもよい。特に、物体群は、移動する障害物500を含んでいてもよい。障害物500としては、他車両(先行車両、並走車両、後続車両、等)、二輪車、自転車、歩行者、等が例示される。このようなシミュレータ240は、例えば、デジタルツイン(Digital Twin)技術によって実現される。
センサ検出情報SENは、シミュレーション対象である物体群に関する「物体情報OBJ」を含んでいる。物体情報OBJは、物体群に含まれる各物体の位置(所定空間内の実位置)を少なくとも示す。物体情報OBJは、物体群に含まれる各物体の状態(例:速度、舵角、等)を示していてもよい。
より詳細には、物体情報OBJは、車両100に関する「車両情報VCL」を含んでいる。車両情報VCLは、所定空間内の車両100の位置を少なくとも示す。車両情報VCLは、車両100の状態(例:速度、舵角、等)を示していてもよい。このような車両情報VCLは、車両100に搭載されたセンサによって得られ、車両100から遠隔オペレータ端末200に提供される。
物体情報OBJは、車両100の周囲の障害物500の各々に関する「障害物情報OBS」を含んでいてもよい。障害物情報OBSは、所定空間内の障害物500の位置を少なくとも示す。障害物情報OBSは、障害物500の状態(例:速度、舵角、等)を示していてもよい。このような障害物情報OBSは、例えば、車両100に搭載されたセンサによって観測され、車両100から遠隔オペレータ端末200に提供される。他の例として、障害物情報OBSは、所定空間に配置されたインフラセンサ400(例:インフラカメラ)によって観測され、インフラセンサ400から遠隔オペレータ端末200に提供されてもよい。
車両100の遠隔操作の最中、遠隔オペレータ端末200は、シミュレータ240によって、所定空間における物体群のシミュレーションを行う。より詳細には、シミュレーションにおける各物体の初期値は、上記のセンサ検出情報SENに含まれる物体情報OBJに基づいて設定される。初期設定の後、遠隔オペレータ端末200は、所定空間における物体群のシミュレーションをリアルタイムに行い、物体情報OBJを推定(予測)する。そして、遠隔オペレータ端末200は、シミュレーション結果を表示装置202にリアルタイムに表示する。
図4は、表示装置202に表示されるシミュレーション結果画面の例を示している。シミュレーション結果画面は、所定空間における物体群(車両100や障害物500)を視覚的に表す。例えば、シミュレーション結果画面は、所定空間における物体群及び背景を3次元的に表す。シミュレーション結果画面は、車両100から見た景色を再現して表してもよい。シミュレーション周期毎にシミュレーション結果画面は更新される。
遠隔オペレータOは、表示装置202にリアルタイムに表示されるシミュレーション結果画面を見ながら、遠隔操作部材203を操作して車両100の遠隔操作を行う。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる操作量を反映した情報を含んでいる。遠隔操作情報OPEは、車両100に送信され、車両走行制御に反映される。それに加え、遠隔操作情報OPEは、シミュレータ240にもフィードバックされる。シミュレータ240は、遠隔オペレータOによる操作量をシミュレーションに反映する。すなわち、シミュレータ240は、遠隔オペレータOによる操作量をシミュレーション内の物体情報OBJ(特に車両情報VCL)に反映させながら、シミュレーションを行う。
以上に説明されたように、第2モードでは、遠隔操作の対象である車両100を含む物体群のシミュレーションが遠隔オペレータ端末200の内部で行われる。そのシミュレーション結果は表示装置202に表示され、遠隔オペレータOによる操作量はシミュレーションにフィードバックされる。つまり、遠隔オペレータ端末200内のシミュレータ240と遠隔オペレータOとの間で「第2ループLOOP-2」が形成される(図3参照)。この第2ループLOOP-2には、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信は含まれていない。よって、第2ループLOOP-2に基づく遠隔操作は、通信状態に依存せず、通信遅延や情報欠落の影響を受けない。
但し、シミュレータ240によるシミュレーションにはシミュレーション誤差が伴う。そのシミュレーション誤差を補正するために、上述の第1ループLOOP-1、すなわち、センサ検出情報SENが用いられる。より詳細には、センサ検出情報SENは、シミュレーション対象である物体群に関する物体情報OBJを含んでいる。物体情報OBJは、物体群に含まれる各物体の位置(所定空間内の実位置)を少なくとも示す。物体情報OBJは、物体群に含まれる各物体の状態(例:速度、舵角、等)を示していてもよい。そのような物体情報OBJにシミュレーション結果を同期させることによって、シミュレーション誤差を解消することができる。つまり、遠隔オペレータ端末200は、シミュレーションの実行と平行して、通信を介して受信する物体情報OBJに基づいてシミュレーション結果を補正する。これにより、シミュレーション精度が確保され、遠隔操作の精度も確保される。
尚、センサ検出情報SENの通信周期は、遠隔オペレータ端末200におけるシミュレータ240のシミュレーション周期よりも長い。言い換えれば、遠隔オペレータ端末200におけるシミュレータ240のシミュレーション周波数は、センサ検出情報SENの通信周波数よりも高い。従って、遠隔オペレータ端末200は、基本的には、センサ検出情報SENを用いることなく第2ループに基づいてシミュレーションを繰り返し実行する。そして、通信を介してセンサ検出情報SENを受信すると、遠隔オペレータ端末200は、受信したセンサ検出情報SEN(物体情報OBJ)に基づいてシミュレーション結果を適宜補正する。
2-3.効果
本実施の形態によれば、上述の第2モードが優先的に使用される。これにより、次のような効果が得られる。
遠隔オペレータ端末200は、遠隔操作の対象である車両100を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに行うシミュレータ240を備えている。遠隔オペレータ端末200は、そのシミュレーション結果を表示装置202に表示する。遠隔オペレータOは、表示されたシミュレーション結果を参照して、車両100の遠隔操作を行うことができる。
遠隔オペレータ端末200内で行われるシミュレーション(第2ループLOOP-2)は、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信状態には依存しない。よって、遠隔オペレータOは、通信遅延や情報欠落の影響を受けることなく、車両100の遠隔操作を行うことが可能となる。その結果、遠隔オペレータOの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等が抑制される。すなわち、遠隔オペレータOは、車両100の遠隔操作をより滑らかに、より安全に行うことが可能となる。
更に、本実施の形態によれば、遠隔オペレータ端末200は、シミュレーションの実行と平行して、シミュレーション対象である物体群に関する物体情報OBJを受信する。物体情報OBJは、物体群の位置を少なくとも示す。遠隔オペレータ端末200は、そのような物体情報OBJに基づいてシミュレーション結果を補正する。これにより、シミュレーション精度が確保され、遠隔操作の精度も確保される。
3.車両の例
3-1.構成例
図5は、車両100の構成例を示すブロック図である。車両100は、通信装置101、センサ群102、走行装置103、及び制御装置105を備えている。
通信装置101は、車両100の外部と通信を行う。例えば、通信装置101は、遠隔オペレータ端末200や管理装置300と通信を行う。
センサ群102は、認識センサ、車両状態センサ、位置センサ、等を含んでいる。認識センサは、車両100の周辺の状況を認識(検出)する。認識センサとしては、カメラ、LIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)、レーダ、等が例示される。車両状態センサは、車両100の状態を検出する。車両状態センサは、速度センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、舵角センサ、等を含んでいる。位置センサは、車両100の位置及び方位を検出する。例えば、位置センサは、GNSS(Global Navigation Satellite System)を含んでいる。
走行装置103は、操舵装置、駆動装置、及び制動装置を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。例えば、操舵装置は、パワーステアリング(EPS: Electric Power Steering)装置を含んでいる。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジン、電動機、インホイールモータ、等が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。
制御装置105は、車両100を制御するコンピュータである。制御装置105は、1又は複数のプロセッサ106(以下、単にプロセッサ106と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置107(以下、単に記憶装置107と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ106は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ106は、CPU(Central Processing Unit)を含んでいる。記憶装置107は、プロセッサ106による処理に必要な各種情報を格納する。記憶装置107としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、等が例示される。制御装置105は、1又は複数のECU(Electronic Control Unit)を含んでいてもよい。
車両制御プログラムPROG1は、プロセッサ106によって実行されるコンピュータプログラムである。プロセッサ106が車両制御プログラムPROG1を実行することにより、制御装置105の機能が実現される。車両制御プログラムPROG1は、記憶装置107に格納される。あるいは、車両制御プログラムPROG1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。
3-2.運転環境情報
制御装置105は、センサ群102を用いてセンサ検出情報SENを取得する。センサ検出情報SENは、記憶装置107に格納される。
センサ検出情報SENは、認識センサによる認識結果を示す周辺状況情報を含む。例えば、周辺状況情報は、カメラによって撮像される画像情報IMGを含む。周辺状況情報は、車両100の周辺の物体に関する情報を含んでいてもよい。車両100の周辺の物体としては、障害物500、白線、信号、標識、路側構造物、等が例示される。障害物500としては、他車両(先行車両、並走車両、後続車両、等)、二輪車、自転車、歩行者、等が例示される。車両100の周辺の物体に関する情報は、車両100に対する物体の相対位置及び相対速度を示す。
また、センサ検出情報SENは、車両状態センサによって検出される車両状態を示す車両状態情報を含む。
更に、センサ検出情報SENは、車両100の位置及び方位を示す車両位置情報を含む。車両位置情報は、位置センサにより得られる。地図情報と周辺状況情報(物体情報)を用いた自己位置推定処理(Localization)により、高精度な車両位置情報が取得されてもよい。
3-3.車両走行制御
制御装置105は、車両100の走行を制御する車両走行制御を実行する。車両走行制御は、操舵制御、駆動制御、及び制動制御を含む。制御装置105は、走行装置103(操舵装置、駆動装置、及び制動装置)を制御することによって車両走行制御を実行する。
制御装置105は、センサ検出情報SENに基づいて自動運転制御を行ってもよい。より詳細には、制御装置105は、センサ検出情報SENに基づいて、車両100の走行プランを生成する。更に、制御装置105は、センサ検出情報SENに基づいて、車両100が走行プランに従って走行するために必要な目標トラジェクトリを生成する。目標トラジェクトリは、目標位置及び目標速度を含んでいる。そして、制御装置105は、車両100が目標トラジェクトリに追従するように車両走行制御を行う。
3-4.遠隔操作に関連する処理
車両100の遠隔操作が行われる場合、制御装置105は、通信装置101を介して遠隔オペレータ端末200と通信を行う。
制御装置105は、センサ検出情報SENの少なくとも一部を遠隔オペレータ端末200に送信する。特に、遠隔オペレータ端末200に送信されるセンサ検出情報SENは、シミュレーション対象である物体群に関する物体情報OBJを含んでいる。
より詳細には、物体情報OBJは、車両100に関する車両情報VCLを含んでいる。車両情報VCLは、車両位置情報を少なくとも含んでいる。車両情報VCLは、車両状態情報(例:速度、舵角、等)を含んでいてもよい。
物体情報OBJは、車両100の周囲の障害物500の各々に関する障害物情報OBSを含んでいてもよい。障害物情報OBSは、障害物500の位置を少なくとも示す。障害物500の位置は、車両100の位置と車両100に対する障害物500の相対位置に基づいて算出可能である。障害物情報OBSは、障害物500の状態(例:速度、舵角、等)を示していてもよい。例えば、障害物500の速度は、障害物500の位置の履歴に基づいて算出可能である。障害物500の舵角は、障害物500の位置の履歴に基づいて推定可能である。障害物500(他車両)の位置及び状態は、車車間通信により取得されてもよい。
遠隔オペレータ端末200に送信されるセンサ検出情報SENは、カメラにより得られた画像情報IMGを含んでいてもよい。
また、制御装置105は、遠隔操作情報OPEを遠隔オペレータ端末200から受信する。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる遠隔操作に関する情報である。例えば、遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる操作量を含む。制御装置105は、受信した遠隔操作情報OPEに従って車両走行制御を行う。
4.遠隔オペレータ端末の例
4-1.構成例
図6は、遠隔オペレータ端末200の構成例を示すブロック図である。遠隔オペレータ端末200は、通信装置201、表示装置202、遠隔操作部材203、及び制御装置205を含んでいる。
通信装置201は、車両100及び管理装置300と通信を行う。また、通信装置201は、インフラセンサ400(図3参照)と通信を行う。
表示装置202は、各種情報を表示することにより、各種情報を遠隔オペレータOに提示する。
遠隔操作部材203は、遠隔オペレータOが車両100を遠隔操作する際に操作する部材である。遠隔操作部材は、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、方向指示器、等を含んでいる。
制御装置205は、遠隔オペレータ端末200を制御する。制御装置205は、1又は複数のプロセッサ206(以下、単にプロセッサ206と呼ぶ)と1又は複数の記憶装置207(以下、単に記憶装置207と呼ぶ)を含んでいる。プロセッサ206は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ206は、CPUを含んでいる。記憶装置207は、プロセッサ206による処理に必要な各種情報を格納する。記憶装置207としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、SSD、等が例示される。
遠隔操作制御プログラムPROG2は、プロセッサ206によって実行されるコンピュータプログラムである。プロセッサ206が遠隔操作制御プログラムPROG2を実行することにより、制御装置205の機能が実現される。遠隔操作制御プログラムPROG2は、記憶装置207に格納される。あるいは、遠隔操作制御プログラムPROG2は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。遠隔操作制御プログラムPROG2は、ネットワーク経由で提供されてもよい。
制御装置205は、通信装置201を介して、車両100と通信を行う。制御装置205は、車両100から送信されるセンサ検出情報SENを受信する。
また、制御装置205は、通信装置201を介して、インフラセンサ400(図3参照)と通信を行ってもよい。インフラセンサ400(例:インフラカメラ)は、車両100の周囲の障害物500に関する障害物情報OBSを取得する。制御装置205は、インフラセンサ400から送信される障害物情報OBSを受信する。
遠隔オペレータOは、遠隔操作部材203の遠隔操作部材を操作する。遠隔操作部材の操作量は、遠隔操作部材に設置されたセンサにより検出される。制御装置205は、遠隔オペレータOによる遠隔操作部材の操作量を反映した遠隔操作情報OPEを生成する。そして、制御装置205は、その遠隔操作情報OPEを通信装置201を介して車両100に送信する。
4-2.シミュレータ
本実施の形態に係る遠隔オペレータ端末200は、シミュレータ240を備えている。シミュレータ240は、遠隔操作プログラムPROG2を実行するプロセッサ206と記憶装置207との協働により実現される。
図7は、シミュレータ240を説明するためのブロック図である。シミュレータ240は、シミュレータコア241を含んでいる。シミュレータコア241は、所定空間における車両100を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに行う。典型的には、所定空間は、一定エリアの空間である。例えば、所定空間は、スマートシティ等の“1つの街”である。シミュレーション対象の物体群は、車両100に加えて、車両100の周囲の障害物500を含んでいてもよい。
空間構成情報CONFは、所定空間の3次元構成を示す。特に、空間構成情報CONFは、所定空間における障害物500以外の背景の3次元構成を示す。背景は、道路、白線、信号機、標識、路側構造物、建物、等を含む。
シミュレーション物体情報OBJ-Sは、シミュレーション内での物体情報OBJである。シミュレーション物体情報OBJ-Sは、シミュレーション内での車両情報VCLである「シミュレーション車両情報VCL-S」を含んでいる。シミュレーション物体情報OBJ-Sは、更に、シミュレーション内での障害物情報OBSである「シミュレーション障害物情報OBS-S」を含んでいてもよい。
シミュレータ240(シミュレータコア241)は、空間構成情報CONFとシミュレーション物体情報OBJ-Sに基づいてシミュレーションを行い、次のサイクルのシミュレーション物体情報OBJ-Sを推定する。このようなシミュレータ240は、例えば、デジタルツイン(Digital Twin)技術によって実現される。
制御装置205は、シミュレータ240によるシミュレーション結果を表示装置202に表示する(図4参照)。
5.第2モードにおける遠隔オペレータ端末の処理
5-1.機能構成例
図8は、第2モードにおける遠隔オペレータ端末200の機能構成例を示すブロック図である。遠隔オペレータ端末200は、機能ブロックとして、受信部210、遅延補償部220、同期処理部230、シミュレータ240、及び表示部250を含んでいる。これら機能ブロックは、通信装置201、表示装置202、及び制御装置205により実現される。
受信部210は、車両100の遠隔操作の最中、外部との通信を介して物体情報OBJを受信する。物体情報OBJは、車両100から遠隔オペレータ端末200に送信される。物体情報OBJは、インフラセンサ400から遠隔オペレータ端末200に送信されてもよい。受信部210は、物体情報OBJの受信結果に基づいて、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信状態を把握する。通信状態としては、遅延量DL、通信速度、電波受信強度、等が例示される。
遅延補償部220は、「遅延補償処理」を行う。具体的には、遅延補償部220は、受信部210から、物体情報OBJと遅延量DLの情報を取得する。遅延量DLは、一定ではなく、通信状態に応じて変動する。遅延補償部220は、遅延量DLに基づいて、受信した物体情報OBJの遅延を補償する。遅延が補償された物体情報OBJを、以下、「補正物体情報OBJ-C」と呼ぶ。遅延補償部220は、遅延量DLに基づいて物体情報OBJの遅延を補償することによって補正物体情報OBJ-Cを算出すると言える。補正物体情報OBJ-Cは、遅延が補償された車両情報VCLである「補正車両情報VCL-C」を含んでいる。補正物体情報OBJ-Cは、遅延が補償された障害物情報OBSである「補正障害物情報OBS-C」を含んでいてもよい。遅延補償処理の具体例は、次のセクション5-2において説明する。
シミュレータ240は、上述の通り、所定空間における物体群のシミュレーションをリアルタイムに行う。シミュレーションにおける各物体の初期値は、最初の補正物体情報OBJ-Cに基づいて設定される。シミュレーション物体情報OBJ-Sは、シミュレーション内での物体情報OBJである。シミュレーション物体情報OBJ-Sは、シミュレーション内での車両情報VCLであるシミュレーション車両情報VCL-Sを含んでいる。シミュレーション物体情報OBJ-Sは、更に、シミュレーション内での障害物情報OBSであるシミュレーション障害物情報OBS-Sを含んでいてもよい。
同期処理部230は、「同期処理」を行う。具体的には、同期処理部230は、シミュレーション物体情報OBJ-Sを補正物体情報OBJ-Cに基づいて補正する。典型的には、同期処理部230は、補正物体情報OBJ-Cに一致(同期)するようにシミュレーション物体情報OBJ-Sを補正する。例えば、同期処理部230は、補正車両情報VCL-Cに一致(同期)するようにシミュレーション車両情報VCL-Sを補正する。同期処理部230は、補正障害物情報OBS-Cに一致(同期)するようにシミュレーション障害物情報OBS-Sを補正してもよい。
シミュレーション物体情報OBJ-Sの補正の結果、シミュレーション物体情報OBJ-Sが急変する可能性がある。例えば、シミュレーション内における車両100の位置が不連続的にジャンプする可能性がある。他の例として、シミュレーション内における車両100が急加速する可能性がある。このようなシミュレーション物体情報OBJ-Sの急変化を抑制するために、フィルタ処理が行われてもよい。具体的には、同期処理部230は、シミュレーション物体情報OBJ-Sの急変化を抑えるためのフィルタを含んでいる。フィルタとしては、ローパスフィルタ等の1次遅れフィルタが例示される。同期処理部230は、シミュレーション物体情報OBJ-Sにフィルタを適用することによって、補正物体情報OBJ-Cに一致するようにシミュレーション物体情報OBJ-Sを徐々に変化させる。
尚、物体情報OBJの通信周期は、シミュレータ240のシミュレーション周期よりも長い。言い換えれば、シミュレータ240のシミュレーション周波数は、物体情報OBJの通信周波数よりも高い。従って、基本的には、シミュレーション物体情報OBJ-Sはシミュレーションだけによって更新される。但し、遠隔オペレータ端末200が物体情報OBJを受信すると、補正物体情報OBJ-Cが更新され、最新の補正物体情報OBJ-Cに基づいてシミュレーション物体情報OBJ-Sが補正される。
表示部250は、シミュレータ240によるシミュレーションの結果を表示装置202に表示する(図4参照)。表示装置202に表示されるシミュレーション結果画面は、所定空間における物体群(車両100や障害物500)を視覚的に表している。例えば、シミュレーション結果画面は、所定空間における物体群及び背景を3次元的に表す。シミュレーション結果画面は、車両100から見た景色を再現して表してもよい。シミュレーション周期毎にシミュレーション結果画面は更新される。
遠隔オペレータOは、表示装置202に表示されるシミュレーション結果画面を見ながら、遠隔操作部材203を操作して車両100の遠隔操作を行う。遠隔操作情報OPEは、遠隔オペレータOによる操作量を反映した情報を含んでいる。遠隔操作情報OPEは、車両100に送信され、車両走行制御に反映される。それに加え、遠隔操作情報OPEは、シミュレータ240にもフィードバックされる。シミュレータ240は、遠隔オペレータOによる操作量をシミュレーションに反映する。すなわち、シミュレータ240は、遠隔オペレータOによる操作量が反映されるようにシミュレーション物体情報OBJ-S(特にシミュレーション車両情報VCL-S)を算出する。言い換えれば、シミュレータ240は、遠隔オペレータOによる操作量をシミュレーション車両情報VCL-Sに反映しながら、シミュレーションを行う。
5-2.遅延補償処理
図9は、遠隔操作システム1における遅延を説明するための概念図である。横軸は時間を表し、縦軸は車両100と遠隔オペレータ端末200との間で通信される「情報X」を表している。図9中の上段は、送信側の情報Xの時間変化を示している。上段中の丸印は、送信側から送信される情報Xとその送信タイミングを示している。一方、下段は、受信側において用いられる情報Xの時間変化を示している。下段中の丸印は、受信側が受信する情報Xとその受信タイミングを示している。
車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信には通信遅延が伴う。その遅延量DLは、一定ではなく、通信状態に応じて変動する。図9に示されるように、受信側の情報Xは、遅延量DLの分だけ、送信側の情報Xから遅延する。
また、一般的には、図9に示されるように、情報Xの通信周期は、受信側の制御周期よりも長い。言い換えれば、制御周波数は、情報Xの通信周波数よりも高い。そのため、受信側において制御に用いられる情報Xは、送信側における実際の情報Xから乖離する。通信周期と制御周期との差が大きくなるほど、情報Xの乖離は大きくなる。また、通信の遅延量DLが大きくなるほど、情報Xの乖離は大きくなる。
図10は、「遅延補償処理」を説明するための概念図である。受信側は、送信側から受信する情報Xの遅延を補償する。この処理が、遅延補償処理である。より詳細には、受信側は、送信側からの情報Xの受信結果に基づいて、通信の遅延量DLの情報を取得する。そして、受信側は、その遅延量DLに基づいて、情報Xの遅延を補償する。
図11は、「アップサンプリング処理」を説明するための概念図である。受信側は、サンプリングの無い期間における情報Xを推定(予測)することによって、情報Xのサンプリング周波数(サンプリングレート)を増加させてもよい。この処理が、アップサンプリング処理である。特に、受信側は、情報Xのサンプリング周期(サンプリング周波数)と制御周期(制御周波数)との間の差が、通信周期(通信周波数)と制御周期(制御周波数)との間の差よりも小さくなるように、アップサンプリング処理を行う。例えば、受信側は、情報Xのサンプリング周期(サンプリング周波数)と制御周期(制御周波数)が一致するように、アップサンプリング処理を行う。
遠隔オペレータ端末200における遅延補償処理の場合、情報Xは、物体情報OBJである。遠隔オペレータ端末200の遅延補償部220は、遅延量DLに基づいて物体情報OBJの遅延を補償し、補正物体情報OBJ-Cを算出する。以下、遠隔オペレータ端末200の遅延補償部220の例を説明する。
5-2-1.第1の例
図12は、遅延補償部220の第1の例を示すブロック図である。第1の例における遅延補償部220は、アップサンプリング処理を行いつつ遅延補償処理を行うように構成されている。より詳細には、遅延補償部220は、補正部221及び推定部222を含んでいる。
補正部221は、受信部210から物体情報OBJ(実際値)と遅延量DLの情報を取得する。補正部221は、補正物体情報OBJ-Cを出力する。
補正物体情報OBJ-Cは、推定部222にフィードバックされる。推定部222は、補正物体情報OBJ-Cに基づいて、サンプリングの無い期間における補正物体情報OBJ-Cを推定(予測)する。つまり、推定部222は、アップサンプリング処理を行う。例えば、推定部222は、物体の運動を表す運動方程式を保持している。推定部222は、運動方程式と補正物体情報OBJ-Cの前回値に基づいて、次のタイミングの補正物体情報OBJ-Cを推定(予測)する。
推定部222によって推定される補正物体情報OBJ-Cを、便宜上、「補正物体情報OBJ-C’」と呼ぶ。推定部222によって推定された補正物体情報OBJ-C’は、補正部221に入力される。補正部221は、基本的に、補正物体情報OBJ-C’を補正物体情報OBJ-Cとして出力する。その補正物体情報OBJ-Cがまた推定部222にフィードバックされる。
但し、推定部222により推定される補正物体情報OBJ-C’は推定誤差を含む。そこで、補正部221は、その補正物体情報OBJ-C’の推定誤差を適宜補正する。より詳細には、補正部221は、受信部210から物体情報OBJ(実際値)と遅延量DLの情報を取得する。補正部221は、物体情報OBJ(実際値)と遅延量DLに基づいて、遅延を補償しながら補正物体情報OBJ-C’の推定誤差を補正する。これにより、遅延が補償され、また、推定誤差が補正された補正物体情報OBJ-Cが得られる。その補正物体情報OBJ-Cがまた推定部222にフィードバックされる。
尚、物体情報OBJの通信周期は遅延補償部220の制御周期よりも長いため、物体情報OBJは、補正物体情報OBJ-C’よりも低い頻度で補正部221に入力される。従って、補正部221は、基本的には、補正物体情報OBJ-C’を補正物体情報OBJ-Cとして出力する。そして、物体情報OBJが更新されると、補正部221は、最新の物体情報OBJと遅延量DLに基づいて、補正物体情報OBJ-C’の推定誤差を補正し、補正物体情報OBJ-Cを取得する。
このように、図12に示される遅延補償部220は、アップサンプリング処理を行いつつ遅延補償処理を行う。アップサンプリング処理と遅延補償処理を行う遅延補償部220は、例えば、ディレイドカルマンフィルター(Delayed Kalman Filter)を利用することにより実現可能である。ディレイドカルマンフィルターは、OOSM (Out-of-Sequence Measurement)とも呼ばれる。ディレイドカルマンフィルターの詳細については、非特許文献1、非特許文献2を参照されたい。ディレイドカルマンフィルターは、遅延量DLが変動する物体情報OBJに対しても適用可能である。遅延補償部220は、遅延量DLが変動する物体情報OBJにディレイドカルマンフィルターを適用することによって、アップサンプリング処理及び遅延補償処理を実行する。
5-2-2.第2の例
図13は、遅延補償部220の第2の例を示すブロック図である。遅延補償部220は、位置予測部223を含んでいる。位置予測部223は、受信部210から物体情報OBJと遅延量DLの情報を取得する。物体情報OBJは、物体の位置、速度、及び舵角を含んでいる。位置予測部223は、その物体情報OBJに基づいて、物体の将来の軌道を予測する。そして、位置予測部223は、物体の将来の軌道と遅延量DLに基づいて、遅延量DLの分だけ物体の位置を先読みする。すなわち、位置予測部223は、物体情報OBJで示される物体の位置の遅延を補償して、補正物体情報OBJ-Cを取得する。
5-3.効果
以上に説明されたように、遠隔オペレータ端末200は、遠隔操作の対象である車両100を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに行うシミュレータ240を備えている。遠隔オペレータ端末200は、そのシミュレーション結果を表示装置202に表示する。遠隔オペレータOは、表示されたシミュレーション結果を参照して、車両100の遠隔操作を行うことができる。
遠隔オペレータ端末200内で行われるシミュレーション(第2ループLOOP-2)は、車両100と遠隔オペレータ端末200との間の通信状態には依存しない。よって、遠隔オペレータOは、通信遅延や情報欠落の影響を受けることなく、車両100の遠隔操作を行うことが可能となる。その結果、遠隔オペレータOの判断遅れ、ぎこちない遠隔操作、等が抑制される。すなわち、遠隔オペレータOは、車両100の遠隔操作をより滑らかに、より安全に行うことが可能となる。
更に、本実施の形態によれば、遠隔オペレータ端末200は、シミュレーションの実行と平行して、シミュレーション対象である物体群に関する物体情報OBJを受信する。物体情報OBJは、物体群の位置を少なくとも示す。遠隔オペレータ端末200は、受信した物体情報OBJの遅延を補償することによって補正物体情報OBJ-Cを取得する「遅延補償処理」を実行する。更に、遠隔オペレータ端末200は、補正物体情報OBJ-Cに基づいてシミュレーション物体情報OBJ-Sを補正する「同期処理」を実行する。これにより、シミュレーション精度が確保され、遠隔操作の精度も確保される。
同期処理は、補正物体情報OBJ-Cに一致するようにシミュレーション物体情報OBJ-Sを徐々に変化させるフィルタ処理を含んでいてもよい。これにより、シミュレーション物体情報OBJ-Sの急変が抑制される。例えば、シミュレーション内における車両100の位置が不連続的にジャンプすることが抑制される。
6.切替処理
車両100の挙動が複雑に変わるようなシーンにおいて、車両100の挙動の予測精度が低くなる可能性がある。予測精度が低い場合、第2モードを一時的に停止してもよい。この場合、遠隔操作システム1(遠隔オペレータ端末200)の動作モードは、「一時モード」に切り替えられる。この処理を、以下、「切替処理」と呼ぶ。
図14は、切替処理を説明するためのブロック図である。遠隔オペレータ端末200は、図8で示された構成に加えて、更に、切り替え部260を含んでいる。
切り替え部260は、遅延補償部220から補正物体情報OBJ-Cを受け取り、シミュレータ240からシミュレーション物体情報OBJ-Sを受け取る。切り替え部260は、補正物体情報OBJ-Cとシミュレーション物体情報OBJ-Sとの間の乖離度を算出する。例えば、切り替え部260は、シミュレーション対象の物体毎に、補正物体情報OBJ-Cとシミュレーション物体情報OBJ-Sとの間のパラメータ毎の差分の絶対値を算出する。そして、切り替え部260は、物体毎及びパラメータ毎の差分の絶対値の総和を乖離度として算出する。
更に、切り替え部260は、算出した乖離度が閾値を超える状態が一定時間以上継続するか判定する。乖離度が閾値を超える状態が一定時間以上継続した場合、切り替え部260は、物体情報OBJをシミュレータ240に提供する。シミュレータ240は、補正物体情報OBJ-Cではなく物体情報OBJをシミュレーション物体情報OBJ-Sとして設定する。
切替処理を行った場合、遠隔オペレータ端末200は、車両100に対して減速を指示してもよい。車両100は、遠隔オペレータ端末200からの指示に従って減速する。これにより、車両100の挙動の予測精度が向上することが期待される。
乖離度が閾値以下となる状態が一定時間以上継続した場合、切り替え部260は、物体情報OBJをシミュレータ240に提供することを停止する。遠隔操作システム1(遠隔オペレータ端末200)の動作モードは、第2モードに復帰する。
7.車両側の遅延補償処理
遠隔オペレータ端末200は、遠隔オペレータOによる操作量を含む遠隔操作情報OPEを車両100に送信する。車両100の制御装置105は、遠隔オペレータ端末200から送信される遠隔操作情報OPEを受信する。この遠隔操作情報OPEの遅延も補償することによって、遠隔オペレータOは、車両100の遠隔操作を更に滑らかに行うことが可能となる。
図15は、車両100における遅延補償処理に関連する機能構成例を示すブロック図である。車両100は、機能ブロックとして、受信部110、遅延補償部120、及び制御部130を含んでいる。これら機能ブロックは、通信装置101及び制御装置105により実現される。
受信部110は、車両100の遠隔操作の最中、遠隔オペレータ端末200から送信される遠隔操作情報OPEを受信する。受信部110は、遠隔操作情報OPEの受信結果に基づいて、遠隔オペレータ端末200との通信状態を把握する。通信状態としては、遅延量DL、通信速度、電波受信強度、等が例示される。
遅延補償部120は、遅延補償処理を行う。具体的には、遅延補償部120は、受信部110から、遠隔操作情報OPEと遅延量DLの情報を取得する。遅延量DLは、一定ではなく、通信状態に応じて変動する。遅延補償部120は、遅延量DLに基づいて遠隔操作情報OPEの遅延を補償する。遅延が補償された遠隔操作情報OPEを、以下、「補正遠隔操作情報OPE-C」と呼ぶ。遅延補償部120は、遅延量DLに基づいて遠隔操作情報OPEの遅延を補償することによって補正遠隔操作情報OPE-Cを算出すると言える。
制御部130は、遅延補償処理後の補正遠隔操作情報OPE-Cを受け取る。制御部130は、その補正遠隔操作情報OPE-Cに従って車両走行制御を行う。
図16は、遅延補償部120の例を示すブロック図である。図16に示される遅延補償部120は、アップサンプリング処理を行いつつ遅延補償処理を行うように構成されている(図10、図11参照)。より詳細には、遅延補償部120は、補正部121及び推定部122を含んでいる。
補正部121は、受信部210から遠隔操作情報OPE(実際値)と遅延量DLの情報を取得する。補正部121は、補正遠隔操作情報OPE-Cを出力する。
補正遠隔操作情報OPE-Cは、推定部122にフィードバックされる。推定部122は、補正遠隔操作情報OPE-Cに基づいて、サンプリングの無い期間における補正遠隔操作情報OPE-Cを推定(予測)する。つまり、推定部122は、アップサンプリング処理を行う。例えば、推定部122は、車両100の運動を表す運動方程式を保持している。推定部122は、運動方程式と補正遠隔操作情報OPE-Cの前回値に基づいて、次のタイミングの補正遠隔操作情報OPE-Cを推定(予測)する。
推定部122によって推定される補正遠隔操作情報OPE-Cを、便宜上、「補正遠隔操作情報OPE-C’」と呼ぶ。推定部122によって推定された補正遠隔操作情報OPE-C’は、補正部121に入力される。補正部121は、基本的に、補正遠隔操作情報OPE-C’を補正遠隔操作情報OPE-Cとして出力する。その補正遠隔操作情報OPE-Cがまた推定部122にフィードバックされる。
但し、推定部122により推定される補正遠隔操作情報OPE-C’は推定誤差を含む。そこで、補正部121は、その補正遠隔操作情報OPE-C’の推定誤差を適宜補正する。より詳細には、補正部121は、受信部210から遠隔操作情報OPE(実際値)と遅延量DLの情報を取得する。補正部121は、遠隔操作情報OPE(実際値)と遅延量DLに基づいて、遅延を補償しながら補正遠隔操作情報OPE-C’の推定誤差を補正する。これにより、遅延が補償され、また、推定誤差が補正された補正遠隔操作情報OPE-Cが得られる。その補正遠隔操作情報OPE-Cがまた推定部122にフィードバックされる。
尚、遠隔操作情報OPEの通信周期は遅延補償部120の制御周期よりも長いため、遠隔操作情報OPEは、補正遠隔操作情報OPE-C’よりも低い頻度で補正部121に入力される。従って、補正部121は、基本的には、補正遠隔操作情報OPE-C’を補正遠隔操作情報OPE-Cとして出力する。そして、遠隔操作情報OPEが更新されると、補正部121は、最新の遠隔操作情報OPEと遅延量DLに基づいて、補正遠隔操作情報OPE-C’の推定誤差を補正し、補正遠隔操作情報OPE-Cを取得する。
このように、図16に示される遅延補償部120は、アップサンプリング処理を行いつつ遅延補償処理を行う。アップサンプリング処理と遅延補償処理を行う遅延補償部120は、例えば、ディレイドカルマンフィルター(Delayed Kalman Filter)を利用することにより実現可能である(非特許文献1、非特許文献2参照)。ディレイドカルマンフィルターは、遅延量DLが変動する遠隔操作情報OPEに対しても適用可能である。遅延補償部120は、遅延量DLが変動する遠隔操作情報OPEにディレイドカルマンフィルターを適用することによって、アップサンプリング処理及び遅延補償処理を実行する。
推定部122による補正遠隔操作情報OPE-C’の推定精度を向上させるために、補足情報SUPが用いられてもよい。例えば、補足情報SUPは、車両100が移動する道路の形状を含む。例えば、車両100がカーブ路を走行する場合、そのようなカーブ路の形状の情報が、将来の操作量の推定に利用される。道路形状は、例えば周辺状況情報から得られる。あるいは、道路形状は、車両位置情報と地図情報から取得されてもよい。補足情報SUPは、車両100の走行装置103(アクチュエータ)の制御量である車両走行制御量を含んでいてもよい。車両走行制御量も、推定部122による推定処理に有用である。このような補足情報SUPは、制御部130から遅延補償部120に提供される。推定部122は、補足情報SUPも考量して補正遠隔操作情報OPE-C’を推定(予測)する。これにより、補正遠隔操作情報OPE-C’の推定精度が更に向上する。
1 遠隔操作システム
100 車両
200 遠隔オペレータ端末
201 通信装置
202 表示装置
203 遠隔操作部材
205 制御装置
206 プロセッサ
207 記憶装置
210 受信部
220 遅延補償部
230 同期処理部
240 シミュレータ
250 表示部
260 切り替え部
300 管理装置
400 インフラセンサ
500 障害物
DL 遅延量
LOOP-1 第1ループ
LOOP-2 第2ループ
OBJ 物体情報
OBJ-C 補正物体情報
OBJ-S シミュレーション物体情報
OPE 遠隔操作情報
OPE-C 補正遠隔操作情報
SEN センサ検出情報

Claims (11)

  1. 遠隔オペレータによる遠隔操作の対象である移動体と、
    前記遠隔オペレータ側の遠隔オペレータ端末と
    を備え、
    前記遠隔オペレータ端末は、所定空間における前記移動体を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに行うシミュレータを備え、前記シミュレーションの結果を表示するように構成され、
    前記シミュレーションの実行と平行して、前記遠隔オペレータ端末は、更に、
    少なくとも前記移動体と通信を行い、前記物体群の位置を少なくとも示す物体情報を受信し、
    受信した前記物体情報の遅延を補償することによって補正物体情報を取得する遅延補償処理を実行し、
    前記シミュレーション内での前記物体情報であるシミュレーション物体情報を前記補正物体情報に基づいて補正する同期処理を実行する
    ように構成された
    遠隔操作システム。
  2. 請求項1に記載の遠隔操作システムであって、
    前記シミュレータは、前記遠隔オペレータによる操作量が反映されるように前記シミュレーション物体情報を算出する
    遠隔操作システム。
  3. 請求項1に記載の遠隔操作システムであって、
    前記同期処理は、前記補正物体情報に一致するように前記シミュレーション物体情報を補正することを含む
    遠隔操作システム。
  4. 請求項3に記載の遠隔操作システムであって、
    前記同期処理は、前記補正物体情報に一致するように前記シミュレーション物体情報を徐々に変化させるフィルタ処理を含む
    遠隔操作システム。
  5. 請求項1に記載の遠隔操作システムであって、
    前記遅延補償処理は、
    前記補正物体情報を推定することと、
    受信した前記物体情報と前記移動体から前記遠隔オペレータ端末への通信の遅延量に基づいて、前記遅延を補償しながら前記補正物体情報の推定誤差を補正することによって前記補正物体情報を取得することと
    を含む
    遠隔操作システム。
  6. 請求項5に記載の遠隔操作システムであって、
    前記遠隔オペレータ端末は、前記物体情報にディレイドカルマンフィルターを適用することによって前記遅延補償処理を実行する
    遠隔操作システム。
  7. 請求項1に記載の遠隔操作システムであって、
    前記物体群は、前記移動体に加えて、前記移動体の周囲の障害物を含む
    遠隔操作システム。
  8. 請求項1に記載の遠隔操作システムであって、
    前記遠隔オペレータ端末は、更に、
    前記シミュレーション物体情報と前記補正物体情報との間の乖離度が閾値を超える状態が一定時間以上継続する場合、通信を介して得られる前記物体情報を前記シミュレーション物体情報として設定する
    ように構成された
    遠隔操作システム。
  9. 請求項8に記載の遠隔操作システムであって、
    前記遠隔オペレータ端末は、更に、
    前記シミュレーション物体情報と前記補正物体情報との間の前記乖離度が前記閾値を超える場合、前記移動体に減速を指示する
    ように構成された
    遠隔操作システム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の遠隔操作システムであって、
    前記移動体は、
    前記遠隔オペレータ端末から前記遠隔オペレータによる操作量を含む遠隔操作情報を受信し、
    受信した前記遠隔操作情報の遅延を補償することによって補正遠隔操作情報を取得し、
    前記補正遠隔操作情報に従って前記移動体を制御する
    ように構成された
    遠隔操作システム。
  11. 移動体の遠隔操作を行う遠隔オペレータによって使用される遠隔オペレータ端末であって、
    所定空間における前記移動体を含む物体群のシミュレーションをリアルタイムに実行し、前記シミュレーションの結果を表示するように構成された1又は複数のプロセッサを備え、
    前記シミュレーションの実行と平行して、前記1又は複数のプロセッサは、更に、
    少なくとも前記移動体と通信を行い、前記物体群の位置を少なくとも示す物体情報を受信し、
    受信した前記物体情報の遅延を補償することによって補正物体情報を取得する遅延補償処理を実行し、
    前記シミュレーション内での前記物体情報であるシミュレーション物体情報を前記補正物体情報に基づいて補正する同期処理を実行する
    ように構成された
    遠隔オペレータ端末。
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