JP2023167312A - 無線通信制御装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

無線通信制御装置および方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】データ伝送をより確実に実施できるようにする無線通信制御装置及び方法並びにプログラムを提供する。【解決手段】無線通信システムにおいて、タイミングt13におけるアクセスポイント(AP)によるRadio 1を使用したデータ伝送(第1の情報)の終了後、通信端末(EMLSR STA)は、他のリンク(Radio 2とRadio 3)の利用状況を検出し、利用可能なリンク(Radio 2)に関する情報(第2の情報)を生成し、タイミングt14においてACK Frame(S)に含めてAPに送信する。【選択図】図4

Description

本技術は、無線通信制御装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、データ伝送をより確実に実施できるようにした無線通信制御装置および方法、並びにプログラムに関する。
現在、IEEE作業部会においては、技術議論が、IEEE802.11ax規格の後継としてのIEEE802.11be規格に向けて進められており、その中でEMLSR(Extended Multi-Link Single Radio)の動作が定義されつつある。
EMLSRは、予め設定されたリンク(Pre-Configure Link)のすべてにおいて独立して動作を行うMulti-Link Multi Radioの動作を簡素化する手法である。
すなわち、EMLSRにおいては、制御フレームの交換がMulti RadioのLinkで実施され、実際のデータ送受信にかかる動作がSingle RadioのLinkで実施される。なお、EMLSRについては、特許文献1に記載されている。
EMLSRをIEEE802.11be規格の初期バージョンであるRelease1として採用することにより、回路規模を当初の計画から縮小させて実装できるメリットや、これらの技術を搭載した製品を早期に市場投入できるメリットが認められている。
しかしながら、EMLSRを採用した場合、新たに定義されるSingle Radioで動作する部分が、IEEE802.11be規格化の当初に本来想定されていたMulti Radioの構成に比べて多く存在するため、そのアクセス制御方法やデータの送受信に関する制約が存在してしまう。
特開2021-150786号公報
EMLSRに対応する通信端末(EMLSR STA)は、データの受信を一旦終了すると、Pre-Configure Linkのすべてにおいてアクセスポイント(AP)などから送られてくる制御フレーム(Multi-STA RTS)を待ち受ける必要があった。その後、EMLSR STAは、応答する制御フレーム(CTS)をMulti-STA RTSを受信したリンクで返送し、次に動作するSingle Radioを特定し、特定したSingle Radioに遷移する。
すなわち、EMLSR STAは、Pre-Configure LinkのどのリンクにおいてもMulti-STA RTSを検出できない場合、次に動作するSingle Radioのリンクを特定することが難しかった。
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、データ伝送をより確実に実施できるようにするものである。
本技術の一側面の無線通信制御装置は、無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置から第1の情報を受信し、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を送信する制御を行う通信制御部を備える。
本技術の他の側面の無線通信制御装置は、無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置に対して第1の情報を送信する制御を行い、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を取得し、前記第2の情報に基づいて、前記第2の情報の受信の後に行う通信に利用するリンクを特定する通信制御部を備える。
本技術の一側面においては、無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置から第1の情報を受信し、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を送信する制御が行われる。
本技術の他の側面においては、無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置に対して第1の情報を送信する制御が行われ、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報が取得され、前記第2の情報に基づいて、前記第2の情報の受信の後に行う通信に利用するリンクが特定される。
本技術の第1の実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 EMLSRに対応する装置のブロック毎の動作例を示す図である。 従来のAPとEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。 本技術の第1の実施の形態におけるAPとEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。 無線通信装置の構成例を示すブロック図である。 図5の無線通信モジュールの構成例を示すブロック図である。 図5の無線通信モジュールの他の構成例を示すブロック図である。 本技術の第1の実施の形態のフレームの構成例を示す図である。 Single Radio Block ACK Frameの第1の構成例を示す図である。 Single Radio Block ACK Frameの第2の構成例を示す図である。 Bitmap形式の情報を記載する場合に交換が必要なリンク識別子(Link ID)を含んだケーパビリティ情報の構成を示す図である。 Single Radio Block ACK Frameの第3の構成例を示す図である。 第1の実施の形態におけるデータ送信処理を説明するフローチャートである。 データ送信処理を説明する、図13に続くフローチャートである。 第1の実施の形態におけるEMLSR STAのデータ受信処理を説明するフローチャートである。 EMLSR STAのデータ受信処理を説明する、図15に続くフローチャートである。 本技術の第1の実施の形態におけるデータ送信側の通信装置(AP)とEMLSR STAの他の動作シーケンスを示す図である。 本技術の第2の実施の形態におけるデータ送信側の通信装置(AP)とEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。 本技術の第2の実施の形態のフレームの構成例を示す図である。 本技術の第2の実施の形態のA-MPDUフレームの第1の構成例を示す図である。 本技術の第2の実施の形態のA-MPDUフレームの第2の構成例を示す図である。 任意のフレームのA-Controlフィールドの第1の構成例を示す図である。 任意のフレームのA-Controlフィールドの第2の構成例を示す図である。 アグリゲーションフレームの構成例を示す図である。 本技術の第2の実施の形態におけるデータ送信側の通信装置(AP)のデータ送信処理を説明するフローチャートである。 データ送信側の通信装置(AP)のデータ送信処理を説明する、図25に続くフローチャートである。 本技術の第2の実施の形態におけるEMLSR STAのデータ受信処理を説明するフローチャートである。 EMLSR STAのデータ受信処理を説明する、図27に続くフローチャートである。 本技術の第3の実施の形態におけるAPとEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。 Single Radio Block ACK Frameの第4の構成例を示す図である。 本技術の第3の実施の形態におけるEMLSR STAのデータ受信処理を説明するフローチャートである。 EMLSR STAのデータ受信処理を説明する、図31に続くフローチャートである。 本技術の第4の実施の形態におけるEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。 本技術の第4の実施の形態におけるAPの動作シーケンスを示す図である。 Quick Reserve Single Radio Control Frameの構成例を示す図である。 Open Reserve Single Radio Control Frameの構成例を示す図である。 本技術の第4の実施の形態のフレームの構成例を示す図である。 Single Radio Block ACK Frameの第4の構成例を示す図である。 本技術の第4の実施の形態のA-MPDUフレームの構成例を示す図である。 本技術の第4の実施の形態におけるデータ送信側の通信装置(AP)のデータ送信処理を説明するフローチャートである。 データ送信側の通信装置(AP)のデータ送信処理を説明する、図40に続くフローチャートである。 本技術の第4の実施の形態におけるEMLSR STAのデータ受信処理を説明するフローチャートである。 EMLSR STAのデータ受信処理を説明する、図42に続くフローチャートである。 EMLSR STAのデータ受信処理を説明する、図42に続くフローチャートである。 コンピュータの構成例を示すブロック図である。 本技術を適用するスマートフォンの概略的な構成例を示すブロック図である。 本技術を適用する車載装置の概略的な構成例を示すブロック図である。 本技術を適用する無線APの概略的な構成例を示すブロック図である。
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(Available Single Radio Link情報)
2.第2の実施の形態(Next Single Radio Link情報)
3.第3の実施の形態(第1の実施の形態と第2の実施の形態の組み合わせ)
4.第4の実施の形態(Quick Reserve Single Radio Control Frame)
5.その他
<<1.第1の実施の形態(Available Single Radio Link情報)>>
<無線LANシステムの構成>
図1は、本技術の第1の実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図1の無線通信システムは、ベーシックサービスセット(BSS)として1つの無線LAN(Local Area Network)のネットワークを形成するAP、EMLSR STA、隠れ端末(Hidden STA)からなる。
図1において、AP、EMLSR STA、Hidden STAは、電波到達範囲内に存在する通信装置と通信が可能な状態である。電波到達範囲は、AP、EMLSR STA、Hidden STAを表すマークを中心とした破線の楕円で示されている。
APは、アクセスポイントとして動作する装置である。EMLSR STAは、EMLSRに対応する端末として動作する装置である。APとEMLSR STAは、データ伝送を白矢印で示されるように実施する。
Hidden STAは、端末として動作する装置であり、EMLSR STAに対して隠れてしまう位置に存在する。Hidden STAは、データ伝送を黒矢印で示されるようにAPと実施する。
EMLSR STAの周囲には、他の通信ネットワーク(O(Overlap)BSS)を形成しているSTAであるOBSS STAが存在している。OBSS STAは、端末として動作する装置であり、一点鎖線の楕円で示された電波到達範囲内に存在する通信装置(図1の場合、EMLSR STA)と通信を行うことができる。
したがって、EMLSR STAは、破線矢印で示されるように、OBSS STAからの信号を検出した場合、APからのRTSなどの制御フレームを正しく検出できなくなってしまう。
<EMLSRに対応する装置の動作>
図2は、EMLSRに対応する装置のブロック毎の動作例を示す図である。
図2の上段においては、右側に示されるMU RTSやCTSなどの制御フレームを交換する場合において動作するブロックが、実線で示されている。なお、図2において動作しないブロックは、破線で示されている。
制御フレームの交換は、複数のRadioで実施される。Multi Radio、例えば5GHz帯と6GHz帯を用いて動作する場合に、5GHz帯のリンク(Radio)を用いて動作する高周波処理部(RF)と、RFに対して制御フレームを処理できるブロック(Small)が構成される。同様に、6GHz帯のリンク(Radio)を用いて動作するRFと、RFに対して制御フレームを処理できるSmallが構成される。したがって、複数のRadioは、制御フレームを受信できる状態にある。
図2の下段においては、右側に示されるDataフレームを送受信する場合において動作するブロックが実線で示されている。
Dataフレームの送受信においては、 Single Radio、例えば、6GHz帯のRadioを用いた動作のみが可能となる。6GHz帯のRadioを用いて動作する場合に、2つのRFは、6GHz帯のRadioで動作し、2つのRFを介したデータの送受信は、物理層ブロック(PHY)と媒体制御ブロック(MAC)にて行われる。
なお、図2においては、最低限のEMLSR動作を説明するために簡素なブロック構成が示されており、本技術による無線通信装置のブロック構成は、このブロック構成に限定されるものではない。
<従来のAPとEMLSR STAの動作>
図3は、従来のAPとEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。
なお、EMLSR STAは、制御フレームを交換する際に、Multi Radioを用いて動作して、制御フレームの交換の後、Single Radioを用いて動作する、EMLSR動作を行う。
図3においては、Multi-Link Multi-Radioの動作を行うAPまたは通信装置(図中、APとする)と、Multi-Link Single Radioの動作を行うEMLSR STAとが所定のデータを交換し、予め設定されたリンクであるPre-Configure Link(Radio1乃至Radio3)を用いて動作することが想定されている状態にあるものとする。
また、図3において、実線矢印は、信号の送信を表し、横軸上の矩形は、送信(TX)されている信号を表し、横軸下の矩形は、受信(RX)されている信号を表す。
タイミングt1において、APは、例えば制御フレームとして、Multi-User RTSフレーム(以下、RTSフレーム(図中、R)とする)を、例えば、Radio1を用いて送信して、データ伝送の開始をEMLSR STAに通知する。EMLSR STAは、RTSフレームを受信する。
タイミングt2において、EMLSR STAは、RTSフレームに応答する場合、CTSフレーム(図中、C)をAPに返送する。APは、CTSフレームを受信する。
タイミングt3において、APは、データ(図中、DATA)伝送を開始する。EMLSR STAは、データ受信を開始する。
データ伝送の終了後、タイミングt4において、EMLSR STAは、データの受信確認の応答フレームであるACK Frame(図中、A)を必要に応じて送信する。APは、ACK Frameを受信する。これにより、Radio1におけるデータ伝送が終了となる。
なお、通信装置は、各Radioを所定の時間しか占有できないため、同じRadioを利用するには所定のバックオフに基づく期間の利用ができない。したがって、所定の時間内にデータ伝送が完了しない場合や未達データが存在する場合、通信装置は、データ伝送を継続する必要がある。
ここで、APによるデータ伝送を継続するために、タイミングt5において、APは、RTSフレームを、例えばRadio2を用いて送信する。しかしながら、EMLSR STAは、信号が他の通信装置からRadio2を用いて送信されているためにBUSY状態であり、信号の干渉を受けてしまい、RTSフレームを正しく受信できない。
この場合、このRTSに応答するCTSフレームがEMLSR STAからAPに返送されない。APは、STAからのCTSフレームが届かないことから、Pre-Configureリンクのうちの他のリンクを選択してRTSフレームを再送する。
図3においては、タイミングt6において、APは、RTSフレームの送信をRadio3を用いてEMLSR STAに行う。
Radio3を用いてRTSフレームを正しく受信できた場合、EMLSR STAは、タイミングt7において、CTSフレームをAPに返送する。
APは、STAから送信されてきたCTSフレームをRadio3を用いて受信することで、タイミングt8において、データ伝送を実施することができる。また、EMLSR STAもデータ受信をRadio3を用いて行う。
データ伝送の終了後、タイミングt9において、EMLSR STAは、ACK Frameを必要に応じて送信する。APは、ACK Frameを受信する。これにより、Radio3を用いたデータ伝送が終了となる。
同様に、Radio3を用いたデータ伝送の後も、APがEMLSR STA宛てのデータ伝送を実施したい場合、APは、タイミングt10において、RTSフレームを、利用可能なリンクとなるRadio2を用いてEMLSR STAに送信する。
ここで、EMLSR STAが、他の通信装置からの信号などによってBUSY状態であり、RTSフレームをRadio2を用いて正しく復号することができないため、EMLSR STAは、CTSフレームを返送することができない。
EMLSR STAからのCTSフレームの返送がないことから、他のPre-Configure Link(Radio1)を利用するため、タイミングt11において、APは、RTSフレームをRadio1を用いて送信する。
RTSフレームをRadio1を用いて正しく受信できた場合、タイミングt12において、EMLSR STAは、CTSフレームをAPに返送する。
APは、STAからのCTSフレームをRadio1を用いて検出することで、タイミングt13において、データ送信をRadio1を用いて実施することができ、EMLSR STAもデータ受信をRadio1を用いて行うことができる。
以上のように、EMLSR STAは、RTSフレームをPre-Configure Linkを用いて検出できなければ、次に動作するSingle Radioのリンクを特定することが難しい。
また、あるPre-Configure LinkでCTSフレームの応答がなければ、そのチャネルの利用が難しいために、APは、RTSフレームを他のPre-Configure Linkを用いて再度送信しなければならない。このため、RTSフレームの再度送信にかかるアクセス制御遅延が発生して、データ伝送の実施までに時間がかかってしまう。
<本技術の第1の実施の形態におけるAPとEMLSR STAの動作>
図4は、本技術の第1の実施の形態におけるAPまたはデータ送信側の通信装置(図中、APとする)とEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。
図4のタイミングt11乃至13は、図3のタイミングt1乃至t3と同じ処理であるので、その説明については省略する。
なお、図4において、実線矢印は、信号の送信を表し、破線矢印は、リンク間での制御信号の送信を表す。
図4の場合、タイミングt13におけるデータ伝送の終了後に、タイミングt14において、EMLSR STAは、Pre-Configure Linkの利用状況を検出し、Pre-Configure Linkのうち、利用可能なリンクに関する情報(Available Single Radio Link情報)を生成し、ACK Frame(図中、S)に含めてAPに送信する。Available Single Radio Link情報が含まれるACKフレームを、以下、Single Radio Block ACK Frameと称する。
具体的には、Radio1を用いたデータ伝送が終了したタイミングにおいて、EMLSR STAは、所定のノイズレベルが存在するなど、他のOBSS STAからの干渉を受けているRadio3の利用を控え、ノイズレベルが所定のレベル以下であるRadio2を利用可能と判定する。
データ伝送の直後のタイミングt14において、EMLSR STAは、Available Single Radio Link情報が含まれたSingle Radio Block ACK FrameをAPに送信することで、利用可能なリンクの情報をAPに通知することができる。
一方、APは、例えばAvailable Single Radio Link情報が含まれたSingle Radio Block ACK Frameを受信した場合、EMLSR STAが、Radio2を現在利用可能な状態にあることを把握することができる。
タイミングt15において、APは自身もRadio2の利用が可能であって、EMLSR STA宛ての送信データを有する場合、EMLSR STAに対するデータ伝送をRadio2を用いて再び実施することができる。
同様に、Radio2を用いたデータ伝送が終了した場合、タイミングt16において、EMLSR STAは、次の送信タイミング(タイミングt17)におけるRadio3の利用が難しく、Radio1の利用が可能であると判定し、Available Single Radio Link情報をSingle Radio Block ACK Frameに含めてAPに送信する。
APは、Available Single Radio Link情報が含まれているSingle Radio Block ACK Frameを受信し、EMLSR STAがRadio1を利用可能な状態にあることを把握する。
タイミングt17において、APは自身もRadio1の利用が可能であって、EMLSR STA宛ての送信データを有する場合、EMLSR STAに対するデータ伝送をRadio1を用いて再び実施する。
同様に、Radio1を用いたデータ伝送が終了した場合、タイミングt18において、EMLSR STAは、次の送信タイミング(タイミングt19)におけるRadio2の利用が難しく、Radio3の利用が可能であると判定し、Available Single Radio Link情報をSingle Radio Block ACK Frameに含めてAPに送信する。
APは、Available Single Radio Link情報が含まれているSingle Radio Block ACK Frameを受信し、EMLSR STAがRadio3を利用可能な状態にあることを把握する。
タイミングt19において、APは自身もRadio3の利用が可能であって、EMLSR STA宛ての送信データを有する場合、EMLSR STAに対するデータ伝送をRadio3を用いて再び実施する。
以上のように、最新のPre-Configure Linkの利用状況に基づくAvailable Single Radio Link情報が含まれているフレームをデータ受信側の装置から送信するようにしたので、データ受信側の装置は、次に行うデータ伝送を待ち受けするリンクを特定することができ、冗長な情報交換を低減できる。ここで、本技術において、次に行うとは、Available Single Radio Link情報の送信の時間的に後に行うことを意味し、そのタイミングは、Available Single Radio Link情報の送信のすぐ後でもよいし、時間的に後であれば、すぐ後ではなくてもよい。
具体的には、制御フレームの1つであるBlock ACKフレームを利用して、Pre-Configure Linkのうちの利用可能なリンクの情報であるAvailable Single Radio Link情報が送信される。なお、利用されるフレームは、制御フレームに限らず、データフレームや他のフレームであってもよい。
また、EMLSR STAが、新たなフレームを構築して、構築したフレームにAvailable Single Radio Link情報を含めて、Block ACK Frameの返送タイミングの直前、あるいは直後に送信するようにしてもよい。
Available Single Radio Link情報においては、予め設定されたPre-Configureリンクの中から選択された、干渉を受けるノイズレベルが最も低いリンクを示す情報が4bit程度で表現される。
あるいは、Available Single Radio Link情報は、予め設定されたPre-Configureリンクの中から利用可能と判定された、干渉を受けるノイズレベルが所定の閾値以下のリンクを示す情報がビットマップ形式を用いて含まれるようにしてもよい。
上記説明を踏まえて、以下、本技術の第1の実施の形態についての詳細を説明する。
<無線通信装置の構成>
図5は、本技術の無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
図5の無線通信装置1は、APやSTAとして動作する無線通信装置である。
無線通信装置1は、インターネット接続モジュール11、情報入力モジュール12、機器制御モジュール13、情報出力モジュール14、および無線通信モジュール15から構成される。
なお、無線通信装置は、必要とされるモジュールだけで構成されてもよい。
インターネット接続モジュール11は、APとして、機器制御モジュール13の制御に従って動作する場合、インターネット網に接続するための通信モデムなどの機能を実装するように構成される。インターネット接続モジュール11は、公衆通信回線とインターネットサービスプロバイダを介してインターネットとの接続を実施する。
情報入力モジュール12は、ユーザにより入力される指示を伝える情報を、機器制御モジュール13に出力する。情報入力モジュール12は、押しボタンやキーボード、タッチパネルなどで構成される。
機器制御モジュール13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。機器制御モジュール13は、ROMなどに記憶されているプログラムを実行し、上位層でアプリケーションを機能させ、APまたはSTAとして動作させる制御を行う。
情報出力モジュール14は、機器制御モジュール13から供給される、無線通信装置1の動作状態に関する情報、またはインターネットを介して得られた情報を出力する。情報出力モジュール14は、LED(Light Emitting Diode)や液晶パネルや有機ディスプレイなどの表示素子、または、音声や音楽を出力するスピーカなどからなる。情報出力モジュール14は、必要とされる情報の表示や通知をユーザに向けて行う。
無線通信モジュール15は、無線通信を行うことにより、機器制御モジュール13から供給されるデータを、他の無線通信装置1に送信する。無線通信モジュール15は、無線通信を行うことにより、他の無線通信装置1から送信されてくるデータを受信し、受信したデータを機器制御モジュール13に出力する。
<無線通信モジュールの構成>
図6は、APとして動作する場合の無線通信モジュール15の構成例を示すブロック図である。
図6の無線通信モジュール15の構成は、例えば、EMLSR STAが存在するネットワークにおけるAPの構成、または、EMLMR(Extended Multi-Link Multi Radio)に対応したマルチリンクデバイスのSTAの構成である。
無線通信モジュール15は、Data Buffer21、データ構築部22、Multi-Link制御部23、Multi-Link MAC処理部24-1および24-2、Multi-Link PHY処理部25-1および25-2、Multi-Link RF信号処理部26-1および26-2を含むように構成される。これら各ブロックはマルチリンクで構成可能なRadio数に相当する数が構成されるが、ここでは説明を簡素化するため、最低限の2つのブロックとして記述する。
また、無線通信モジュール15は、Multi-Link RF検出部27-1および27-2、Multi-Link PHY受信部28-1および28-2、Multi-Link MAC判定部29-1および29-2、データ処理部30、Pre-Configure Link判定部31を含むように構成される。
Data Buffer21は、送信データを機器制御モジュール13から受け取り、一時的に格納する。
データ構築部22は、データ伝送時に処理するデータを構築する。すなわち、図6の無線通信モジュール15は、それぞれのRadioのデータ送信ブロックに対して送信するデータをデータ構築部22が受け渡すことで、マルチリンクで動作可能に構成されている。
Multi-Link制御部23は、マルチリンク対応の無線通信モジュール15のデータ伝送時に各Radioを用いた通信制御を実施する。
Multi-Link MAC処理部24-1、Multi-Link PHY処理部25-1、Multi-Link RF信号処理部26-1は、Radio1を用いて処理する第1のデータ送信ブロックとして構成される。Multi-Link MAC処理部24-2、Multi-Link PHY処理部25-2、Multi-Link RF信号処理部26-2は、Radio2を用いて処理する第2のデータ送信ブロックとして構成される。
以下、Multi-Link MAC処理部24-1および24-2、Multi-Link PHY処理部25-1および25-2、Multi-Link RF信号処理部26-1および26-2を、特に区別する必要がない場合、Multi-Link MAC処理部24、Multi-Link PHY処理部25、Multi-Link RF信号処理部26と称する。
Multi-Link MAC処理部24は、送信するデータのアクセス制御を実施する。
Multi-Link PHY処理部25は、送信データをベースバンド信号に変換する。
Multi-Link RF信号処理部26は、Multi-Link PHY処理部25により変換されたベースバンド信号を高周波処理してアンテナから送信する。
Multi-Link RF検出部27-1、Multi-Link PHY受信部28-1、Multi-Link MAC判定部29-1は、Radio1で処理する第1のデータ受信ブロックとして構成される。Multi-Link RF検出部27-2、Multi-Link PHY受信部28-2、Multi-Link MAC判定部29-2は、Radio2で処理する第2のデータ受信ブロックとして構成される。
以下、Multi-Link RF検出部27-1および27-2、Multi-Link PHY受信部28-1および28-2、Multi-Link MAC判定部29-1および29-2を、特に区別する必要がない場合、Multi-Link RF検出部27、Multi-Link PHY受信部28、Multi-Link MAC判定部29と称する。
Multi-Link RF検出部27は、アンテナで受信した信号から受信データ部分の波形を検出する。
Multi-Link PHY受信部28は、Multi-Link RF検出部27により検出された波形からベースバンド信号を抽出する。
Multi-Link MAC判定部29は、Multi-Link PHY受信部28により抽出されたベースバンド信号から、チャネルにおける所定のフレームを検出してアクセス制御を実施する。
データ処理部30は、各Radioのデータ受信ブロックにより受信されたデータを一元的に処理する。
Pre-Configure Link判定部31は、EMLSR STAと通信を実施する場合、通信に利用するRadioの設定を制御する。Pre-Configure Link判定部31は、各Radioのリンクにおいて、例えば受信電界強度の情報や個々のリンクのノイズレベルの値などを収集することで、そのリンクの利用の可否を判定する。Pre-Configure Link判定部31は、リンクの利用の可否の判定結果を、Multi-Link制御部23に出力する。
なお、本技術の第1の実施の形態において、Single Radio Block ACK Frameを受信する処理は、例えば、Single Radio Block ACK FrameがRadio1のリンクで受信された場合、第1のデータ受信ブロックにより行われる。
この場合、信号の波形がMulti-Link RF検出部27-1により検出され、検出された波形からベースバンド信号がMulti-Link PHY受信部28-1より抽出され、ベースバンド信号のチャネルにおける所定のフレームがMulti-Link MAC判定部29-1により検出される。以上の処理により、制御フレームの1つとしてSingle Radio Block ACK Frameを受信したことがMulti-Link制御部23において認識される。
また、Single Radio Block ACK FrameにAvailable Single Radio Linkの情報が含まれている場合、Pre-Configure Link判定部31を介してその旨がMulti-Link制御部23に通知される。Multi-Link制御部23においては、EMLSR STAが利用可能なリンク(Radio)が特定され、そのリンク(Radio)での通信が制御される。
<無線通信モジュールの他の構成>
図7は、無線通信モジュール15の他の構成例を示すブロック図である。
図7の無線通信モジュール15は、例えば、EMLSRに対応した無線通信装置1の無線通信モジュールである。
無線通信モジュール15は、Data Buffer51、Single Radioデータ処理部52、Single Radio MAC処理部53、Single Radio PHY送信部54、Single Radio RF信号処理部55、Single Radio制御部56、Single Radio MAC判定部57、Single Radio PHY受信部58、Single Radio RF検出部59を含むように構成される。
また、無線通信モジュール15は、Radio RF検出部60-1および60-2、Radio PHY受信部61-1および61-2、Radio MAC判定部62-1および62-2を含むように構成される。無線通信モジュール15において、各ブロックはマルチリンクで構成可能なRadio数に相当する数が構成されるが、ここでは説明を簡素化するため、最低限の2つのブロックとして記述する。さらに、無線通信モジュール15は、制御情報処理部63、Pre-Configure Link判定部64を含むように構成される。
Data Buffer51は、送信するデータを機器制御モジュール13から受け取り、一時的に格納する。
Single Radioデータ処理部52は、データ伝送時にデータを処理する。
Single Radio MAC処理部53、Single Radio PHY送信部54、Single Radio RF信号処理部55は、データ送信ブロックとして構成される。
Single Radio MAC処理部53は、送信するデータのアクセス制御を実施する。
Single Radio PHY送信部54は、送信データをベースバンド信号に変換する。
Single Radio RF信号処理部55は、Single Radio PHY送信部54により変換されたベースバンド信号を高周波処理してアンテナから送信する。
Single Radio制御部56は、無線通信モジュール15におけるデータ伝送時に各Radioを用いた通信制御を実施する。
Single Radio MAC判定部57、Single Radio PHY受信部58、Single Radio RF検出部59は、データ受信ブロックとして構成される。
Single Radio MAC判定部57は、Single Radio PHY受信部58により抽出されたベースバンド信号のチャネルにおける所定のフレームを検出してアクセス制御を実施する。
Single Radio PHY受信部58は、Single Radio RF検出部59により検出された波形からベースバンド信号を抽出する。
Single Radio RF検出部59は、アンテナで受信した信号から受信データ部分の波形を検出する。
Radio RF検出部60-1、Radio PHY受信部61-1、Radio MAC判定部62-1は、RTSフレームなどの制御情報をRadio1で処理する第1の制御情報受信ブロックとして構成される。Radio RF検出部60-2、Radio PHY受信部61-2、Radio MAC判定部62-2は、制御情報をRadio2で処理する第2の制御情報受信ブロックとして構成される。
以下、Radio RF検出部60-1および60-2、Radio PHY受信部61-1および61-2、Radio MAC判定部62-1および62-2を特に区別する必要がない場合、Radio RF検出部60、Radio PHY受信部61、Radio MAC判定部62と称する。
Radio RF検出部60は、RF信号の波形を検出する。
Radio PHY受信部61は、検出した波形からベースバンド信号を抽出する。
Radio MAC判定部62は、抽出されたベースバンド信号から、所定の制御フレームを検出してアクセス制御を実施する。
制御情報処理部63は、複数のRadioにおいて検出された制御フレームの制御情報を収集し、どのRadioのリンクにおいて、例えば自身宛ての制御フレームを受信したかを逐次判定する。制御情報処理部63は、自身宛ての制御フレームの制御情報をPre-Configure Link判定部64に出力する。
Pre-Configure Link判定部64は、各Radioのリンクにおいて、例えば、受信電界強度の情報や個々のリンクのノイズレベルの値などを収集することで、そのリンクの利用の可否を判定する。Pre-Configure Link判定部64は、リンクの利用の可否の判定結果をSingle Radio制御部56に出力する。
なお、本技術の第1の実施の形態において、Single Radio Block ACK Frameを送信する処理は、Single Radio制御部56による制御を受けてデータ送信ブロックにより実行される。
すなわち、送信データは、Single Radio MAC処理部53によりControl Frameとして構築され、Single Radio PHY送信部54によりベースバンド信号に変換され、Single Radio RF信号処理部55により高周波処理されてアンテナから送信される。
同様にして、A-MPDUフレームを受信する処理は、Single Radio制御部56による制御を受けてデータ受信ブロックにより実行される。
すなわち、アンテナで受信した信号から受信データ部分の波形がSingle Radio RF信号検出部69により検出され、検出した波形から抽出されたベースバンド信号に対して、Single Radioのチャネルにおける所定のA-MPDUフレームの受信処理がSingle Radio PHY受信部68により実行される。その後、Single Radio MAC判定部67によりデリミタの情報が解析されてMPDU部分が分離される。
なお、図6および図7においては、説明を簡素化するため、リンクがRadio1とRadio2の2つのブロックから構成される例を示しているが、実際には、EMLSRにおいて同時に処理できるリンク数に対応する数のRadioのブロックが用意される。
<第1の実施の形態のフレームの構成>
図8は、本技術の第1の実施の形態のフレーム構成例を示す図である。
図8においては、本技術による変更および追加部分がハッチングにより示されている。これ以降の図においても同様である。
図8のフレームは、利用可能なリンクの情報を通知するシーケンスに対応していることを示すアクションフレームまたはマネジメントフレームとして構成されるフレームである。
なお、図8のフレームは、EML Operation Mode Notification Frameとして規定されている。また、図8のフレームは、EMLSR STAがアソシエーション動作をAPと行う場合などに適宜送信される。
図8において、EML Operation Mode Notification Frameは、Category、EHT Action、Dialog Token、EML Control Fieldを含むように構成される。
EML Control Fieldは、EMLSR Modeビット(第0ビット)、EMLMR Modeビット(第1ビット)、EMLSR Link Bitmapビット(第2ビット乃至第17ビット)、Reservedビット(第18ビット乃至第22ビット)、Single Radio BAビット(第23ビット)を含むように構成される。
Single Radio BAビットは、本技術による利用可能なリンクの情報の通知の可否を示すビットである。
なお、Single Radio BAビットが含まれるフレームの構成は、図8のフレームの構成に限らない。例えば、Single Radio BAビットは、アクションフレームまたはマネジメントフレーム以外のフレームに、必要に応じて設定されてもよい。
<Single Radio Block Acknowledgement(ACK) Frameの第1のフレーム構成>
図9は、Single Radio Block ACK Frameの第1の構成例を示す図である。
図9のSingle Radio Block ACK Frameは、Frame Control、Duration、RA(Recierved Address)、TA(Transport Address)、BA Control、BA Information、FCS(File Check Sequence)の各Fieldを含むように構成される。
Frame Controlは、フレームの種類や形式を示す情報である。
Durationは、フレームの持続時間を示す情報である。
RAは、受信側の装置を識別する識別情報である。
TAは、送信側の装置を識別する識別情報である。
BA Control Fieldは、BA ACK Policyビット(第0ビット)、BA Typeビット(第1ビット乃至第4ビット)、Available Single Linkビット(第5ビット乃至第8ビット)、Reservedビット(第9ビット乃至第11ビット)、TID_INFOビット(第12ビット乃至第15ビット)を含むように構成される。
BA Control Fieldに含まれるAvailable Single Linkビットは、利用可能なリンクを示すAvailable Single Radio Link情報である。
BA Informationは、BAに関する情報である。
FCSは、誤り検出のフレームチェックシーケンスである。
すなわち、図9のSingle Radio Block ACK Frameは、従来のBlock ACK Frameのフォーマットのままで、BA ControlフィールドのReservedビットとされていた第5ビット乃至第8ビットをAvailable Single Linkビットとして用いて、利用可能なリンクを1つ指定することができるように構成されている。Reservedビットは、802.11規格上で特定の情報を表すビットとして定義されていないビットである。
なお、図9においては、BA Control FieldのReservedビットとされていた第5ビット乃至第8ビットがAvailable Single Linkビットとして用いられているが、他のReservedビットが用いられるようにしてもよい。
<Single Radio Block ACK Frameの第2の構成>
図10は、Single Radio Block ACK Frameの第2のフレーム構成例を示す図である。
図10のSingle Radio Block ACK Frameは、BA Control Fieldの構成が、図9のSingle Radio Block ACK Frameと異なっている。
図10において、BA Control Fieldは、BA ACK Policyビット(第0ビット)、BA Typeビット(第1ビット乃至第4ビット)、Available Single Link Bitmapビット(第5ビット乃至第11ビット)、TID_INFOビット(第12bit乃至第15ビット)を含むように構成される。
BA Control Fieldに含まれるAvailable Single Link Bitmapビットが、利用可能なリンクを示す情報である。
すなわち、図10のSingle Radio Block ACK Frameは、従来のBlock ACK Frameのフォーマットのままで、BA ControlフィールドのReservedビットとされていた第5ビット乃至第11ビットを用いて、現在のリンクを除いた、利用可能なリンクの全てをBitmap形式で指定することができるように構成されている。
ここで、図10に示されるように、利用可能なリンクを示す情報をBitmap形式の情報として記載する場合、例えば、アソシエーション処理を実行する際に、図11に示されるケーパビリティ情報の交換が必要となる。なお、図10以降において、他の情報がBitmap形式により記載される場合についても同様である。
<Bitmap形式の情報>
図11は、利用可能なリンクとしてBitmap形式の情報を記載する場合に交換が必要なリンク識別子(Link ID)を含んだケーパビリティ情報の構成を示す図である。
図11において、ケーパビリティ情報は、Frame Control、Duration、…、複数のElement、Request Element、Probe Multi-Link elementを含むように構成されている。
Probe Multi-Link elementは、Element ID、Lgngth、Element ID Extension、Multi-Link Control、複数のPre-STA Profileを含むように構成される。
各Pre-STA Profileは、Subelemnt ID、Length、Dataを含むように構成される。
Dataには、STA Controlが含まれる。なお、Dataには、Request elementが含まれてもよい。
STA Controlは、リンク識別子であるLink ID、リンクの属性情報であるComplete Profile、…が含まれるように構成される。
以上のように構成されるケーパビリティ情報において、マルチリンクを用いて動作するための周波数チャネルの情報などが、リンク識別子(Link ID)毎に個々のリンクの属性情報(Complete Profile)として記載される。
したがって、図11のケーパビリティ情報を交換することにより、マルチリンクを用いて動作するための周波数チャネルの情報などがリンク識別子(Link ID)毎に取得される。これにより、図10のBitmap形式の情報においては、リンク識別子(Link ID)に基づいて各ビットを割当てて記載することができる。
例えば、図10のBitmap形式の情報においては、リンク識別子(Link ID)の小さい数値から第1のビットが割当てられ、リンク識別子(Link ID)の大きい数値のものが最終ビットに割当てられる。この場合、リンク識別子(Link ID)には、自身の通信装置が対応するマルチリンクの個数に応じて必要なビットサイズが設定されるようにしてもよい。
なお、マルチリンクで動作する各リンクで利用される周波数チャネルや帯域幅の情報などは、リンク識別子(Link ID)によってそれぞれが規定されるようにしてもよい。また、1つのリンクが利用中であるか否かの判定は、リンクの属性情報に基づいて行われるようにしてもよい。
<Single Radio Block ACK Frameの第3の構成>
図12は、Single Radio Block ACK Frameの第3のフレーム構成例を示す図である。
図12のSingle Radio Block ACK Frameは、新たなフィールドであるEML Control Fieldが追加されている点が、図9のSingle Radio Block ACK Frameと異なっている。
EML Control Fieldは、802.11be規格の既存の領域(図12の場合、BA information)よりも後に送信される領域である。EML Control Fieldには、利用可能なリンクを示す情報およびEMLSRモードでの動作の可否を示す情報などが含まれる。
すなわち、図12のSingle Radio Block ACK Frameは、従来のBlock ACK Frameのフォーマットに加えて、利用可能なリンクを示す情報およびEMLSRモードでの動作の可否を示す情報を含めて通知することができるように構成されている。
<第1の実施の形態におけるAPの処理>
図13および図14は、第1の実施の形態におけるデータ送信処理を説明するフローチャートである。
図13および図14においては、EMLSR STAが接続するAPにおける動作として説明するが、図13および図14のデータ送信処理は、利用可能なリンクをEMLSR STAに対して送信するデータのある通信装置(STA)が判定して、データを送信する場合にも適用することができる。
また、図13および図14においては、例えば所定のアクションフレームをEMLSR STAと交換することで、Pre-Configure Linkとして予め設定されたリンクが特定されているものとする。
ステップS11において、データ構築部22(図6)は、Data Buffer21を介して、EMLSR STA宛ての送信データを機器制御モジュール13から受け取る。
ステップS12において、Multi-Link制御部23は、EMLSR STAのPre-Configure Linkにおける利用状況を把握するための検出設定を行う。
ステップS13において、Multi-Link制御部23は、データを送信するSingle Radioにおける送信機会の獲得状況や1回のアクセス制御で送信可能な時間から、アグリゲートするMPDUの数(A-MPDU数)を取得する。
ステップS14において、データ構築部22は、MPDUのサブフレームを取得する。
ステップS15において、データ構築部22は、A-MPDUフレームを構築する。
ステップS16において、データ構築部22は、取得したA-MPDU数に基づいて、A-MPDU(フレーム)の末尾であるか否かを判定する。A-MPDUの末尾ではないとステップS16において判定された場合、ステップS14に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS16において、A-MPDUの末尾であると判定された場合、処理は、ステップS17に進む。
Multi-Link制御部23は、所定のA-MPDU数に至るまで、A-MPDUをまとめてA-MPDU Frameとし、第1のデータ送信ブロックまたは第2のデータ送信ブロックを制御して送信させる。
A-MPDU Frameの送信後、ステップS17において、Multi-Link制御部23は、ACKフレームの返送があるか否かを判定する。ACKフレームの返送がないと判定された場合、APのデータ送信処理は終了となる。
ステップS17において、ACKフレームの返送があると判定された場合、処理は、図14のステップS18に進む。
ステップS18において、Multi-Link制御部23は、Block ACKフレームを待ち受ける。
ステップS19において、Multi-Link制御部23は、Block ACKフレームを受信したか否かを判定する。Block ACKフレームを受信していないとステップS19において判定された場合、ステップS18に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
第1のデータ受信ブロックまたは第2のデータ受信ブロックにおいてBlock ACKフレームが受信された場合、ステップS19において、Block ACKフレームを受信したと判定され、処理は、ステップS20に進む。
ステップS20において、Multi-Link制御部23は、第1のデータ受信ブロックまたは第2のデータ受信ブロックにおいて受信されたBlock ACKフレームから、Block ACK情報を取得する。
ステップS21において、Multi-Link制御部23は、取得したBlock ACK情報に、利用可能なリンクを示すAvailable Single Radio Link(ASRL)情報が記載されているか否かを判定する。Available Single Radio Link情報が記載されていると、ステップS21において判定された場合、処理は、ステップS22に進む。
ステップS22において、Pre-Configure Link判定部31は、Available Single Radio Link情報から、自身のPre-Configure Linkの検出状況を取得する。
ステップS23において、Multi-Link制御部23は、Pre-Configure Linkの検出状況に基づいて、Available Single Radio Link情報に記載のAvailable Single Radio Linkの利用が可能であるか否かを判定する。Linkの利用が可能であるとステップS23において判定された場合、処理は、ステップS24に進む。
ステップS24において、Multi-Link制御部23は、Available Single Radio Link情報に記載されているAvailable Single Radio Linkに遷移し、データ伝送を継続して実施する。なお、本明細書において、特定したRadio(Link)に遷移するとは、特定したRadioを、動作を行うリンクとして設定するということと同義である。
ステップS21において、Available Single Radio Link情報が記載されていないと判定された場合、ステップS22乃至S24の処理はスキップされ、ステップS25に進む。
また、ステップS23において、Available Single Radio Link情報に記載のAvailable Single Radio Linkの利用が可能ではないと判定された場合、ステップS24の処理はスキップされ、ステップS25に進む。
ステップS25において、Multi-Link制御部23は、未達データがあるか否かを、ステップS20で取得したBlock ACK情報に基づいて判定する。未達データがあると、ステップS25において判定された場合、処理は、ステップS26に進む。
ステップS26において、Multi-Link制御部23は、未達MPDUを特定する。その後、図13のステップS12に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS25において、未達データがないと判定された場合、図13および図14のAPのデータ送信処理は終了となる。
<EMLSR STAの処理>
図15および図16は、第1の実施の形態におけるEMLSR STAのデータ受信処理を説明するフローチャートである。
図15および図16においては、EMLSR STAにおける動作として説明するが、利用可能なリンクをAPまたはデータ送信側の通信装置(STA)が判定して、利用可能なリンクの情報を通知する場合にも、図15および図16の処理は適用することができる。
ステップS41において、EMLSR STAのSingle Radio制御部56(図7)は、例えば、所定のアクションフレームをAPなどと交換することで、Pre-Configure Linkとして規定されたリンクを動作させて、Single Radioの受信動作を設定する。
ステップS42において、Single Radioデータ処理部52は、A-MDPUを受信したか否かを判定する。A-MDPUを受信していないとステップS42において判定された場合、ステップS41に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS42において、A-MDPUを受信したと判定された場合、ステップS43に進む。
ステップS43において、Single Radioデータ処理部52は、個々のMDPUを正常に受信したか否かを判定する。個々のMDPUを正常に受信したとステップS43において判定された場合、処理は、ステップS44に進む。
ステップS44において、Single Radioデータ処理部52は、正常に受信したMDPUをData Buffer51に格納する。
ステップS45において、Single Radioデータ処理部52は、正常に受信したMDPUのACKシーケンス番号を記憶する。
ステップS46において、Single Radioデータ処理部52は、MPDUの末尾が到来したか否かを判定する。MPDUの末尾が到来していないとステップS46において判定された場合、ステップS43に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS46において、MPDUの末尾が到来したと判定された場合、処理は、ステップS47に進む。
ステップS47において、Single Radioデータ処理部52は、記憶しているACKシーケンス番号を取得し、Block ACKフレームを構築する。その後、処理は、ステップS48に進む。
ステップS43において、個々のMDPUを正常に受信していないと判定された場合、ステップS44乃至S47の処理はスキップされ、ステップS48に進む。
ステップS48において、Single Radio制御部56は、利用可能リンク情報の付加が必要か否かを判定する。利用可能リンク情報の付加が必要であるとステップS48において判定された場合、処理は、図16のステップS49に進む。
ステップS49において、Pre-Configure Link判定部64は、Pre-Configure linkの現時点での受信電界強度やノイズレベルなどに基づいて、利用可能なAvailable Linkの状況を取得する。
ステップS50において、Pre-Configure Link判定部64は、候補のリンクがあるか否かを判定する。候補のリンクがあるとステップS50において判定された場合、処理は、ステップS51に進む。
ステップS51において、Pre-Configure Link判定部64は、複数の候補のリンクがあるか否かを判定する。複数の候補のリンクがあるとステップS51において判定された場合、処理は、ステップS52に進む。
ステップS52において、Single Radio制御部56は、複数の候補のリンクに関する情報を、Bitmapで(Bitmap形式により)通知するか否かを判定する。複数の候補のリンクに関する情報を、Bitmapで通知しないとステップS52において判定された場合、処理は、ステップS53に進む。
ステップS53において、Pre-Configure Link判定部64は、Available Single Radio Linkとして動作を希望するリンクを1つ選択する。この場合、Single Radio制御部56は、ステップS54において、希望するリンクを示す情報を記載したAvailable Single Radio Link情報を設定する。
ステップS51において、複数の候補がないと判定された場合、ステップS52およびS53の処理をスキップし、処理は、ステップS54に進む。この場合、Single Radio制御部56は、ステップS54において、候補のリンクを示す情報を記載したAvailable Single Radio Link情報を設定する。
ステップS52において、Bitmapで通知すると判定された場合、処理は、ステップS54に進む。Single Radio制御部56は、ステップS54において、Bitmap形式のAvailable Single Radio Link情報を設定する。
ステップS55において、Single Radio制御部56は、Single Radioの動作を行うために、Available Single Radio Link情報に記載されたリンクに遷移して、Single Radioを用いた待ち受けを設定する。すなわち、Available Single Radio Link情報に記載されたリンクが、Single Radioを用いたデータフレームの待ち受けを行うリンクとして設定される。
ステップS56において、Single Radio制御部56は、利用可能なリンクを示す情報(Available Single Radio Link情報)が付加されたBlock ACKフレームを送信する。
ステップS48において、利用可能なリンクを示す情報の付加が必要ではないと判定された場合、または、ステップS50において、候補のリンクがないと判定された場合、処理は、ステップS56に進む。この場合、Single Radio制御部56は、ステップS56において、通常のBlock ACKフレームを送信する。
ステップS56の処理の後、図15および図16のEMLSRのSTAの処理は終了となる。
<変形例>
図17は、本技術の第1の実施の形態におけるAPまたはデータ送信側の通信装置(図中、APとする)とEMLSR STAの他の動作シーケンスを示す図である。
図17のタイミングt51乃至55は、図4のタイミングt1乃至t5と同じ処理であるので、その説明については省略する。
図17の場合、タイミングt55におけるRadio2を用いたデータ伝送の終了後に、タイミングt56において、EMLSR STAは、次の送信タイミング(タイミングt57)におけるRadio3の利用が難しく、Radio1の利用が可能であると判定し、Available Single Radio Link情報をSingle Radio Block ACK Frameに含めてAPに送信する。
APは、Available Single Radio Link情報が含まれているSingle Radio Block ACK Frameを受信し、EMLSR STAが、Radio1が利用可能な状態にあることを把握する。
例えば、APからEMLSR STA宛てのデータ伝送の必要がなく、かつ、EMLSR STAからAP宛に、Radio1を用いたデータ伝送が必要な場合、ここで所定のアクセス制御手順に基づいて、EMLSRからAP宛てのデータ伝送を実施することができるため、APは、STAからのデータをRadio1を用いて待ち受ける。
なお、APからの未達データ、または、EMLSR STAが送信するデータがあるか否かをEMLSR STAが判定し、この判定結果としてどちらか一方のデータが“ある”と判定した場合に、EMLSR STAが、Available Single Radio Link情報をAPに送信するようにしてもよい。このとき、APからの未達データがあるか否か、または、EMLSR STAが送信するデータがあるか否かのどちらか一方だけをEMLSR STAが判定するようにしてもよい。
所定のアクセス制御手順の経過後のタイミングt57において、EMLSR STAは、AP宛てのデータ送信をRadio1を用いて実施する。Radio1を用いたデータ伝送が終了した場合、タイミングt58において、APは、次の送信タイミング(タイミングt59)におけるRadio2の利用が難しく、Radio3の利用が可能であると判定し、Available Single Radio Link情報をSingle Radio Block ACK Frameに含めてRadio1を用いてEMLSR STAに送信する。
EMLSR STAは、Available Single Radio Link情報が含まれているSingle Radio Block ACK Frameを受信し、APが、Radio3が利用可能な状態にあることを把握する。
タイミングt59において、APは、EMLSR STA宛てのデータ伝送の必要がある場合、同様に所定のアクセス制御手順に基づいて、EMLSR STA宛てのデータ伝送をRadio3を用いて再び実施する。
以上のように、例えば、APからEMLSR STA宛てのデータ伝送の必要性が発生した場合、APはデータをRadio3を用いて伝送することができるので、Block ACK Frameの受信後に、データを送信することができる。
すなわち、APからAvailable Single Radio Link情報を受け取ったEMLSR STAは、Available Single Radio Link情報に記載のRadio3を用いて待ち受けることにより、APからのデータをより確実に受信および送信することができる。
<第1の実施の形態の効果>
以上のように、本技術の第1の実施の形態においては、EMLSRのSTAがAvailable Single Radio Link情報を通知することで、待ち受けするリンクを特定することができ、冗長な情報交換を低減することができる。
特に、Block ACK Frameを返送するタイミングで、最新の伝送路の状況を即座に通知することができる。
すなわち、Block ACK FrameにAvailable Radio Linkの情報を記載することで、情報の通知のために、他のFrameを用いる必要がなくなる。
また、安定して通信ができる最適なリンクをデータ受信側で選択することで、従来のようにデータ送信側からのRTS Frameを待ち受けることなく、リンクを即座に指定することができる。
EMLSRの通信を継続するリンクをデータ受信側から選択できるので、データ伝送を確実に実施することができる。
複数の利用可能なリンクを示すAvailable Single Radio Link情報が存在する場合には、Single Radio Block ACK Frameにビットマップ形式の情報を含めることで、複数のリンクの情報を通知することができる。これにより、データ伝送側にも選択の余地を与えることができ、利用がより確実なリンクを選択することができる。
従来方式のEMLSRのデータ伝送シーケンスにかかる冗長なRTSフレームとCTSフレームの交換にかかる時間を省くことができるので、RTSフレームとCTSフレームの交換にかかる時間をデータ伝送のための送信機会(TXOP)に有効活用することができる。
あるリンクで限られたTXOPの中でA-MPDUのアグリゲート数を最適化することができる。
また、未達データ(すなわち、再送データ)がある場合や継続してデータの受信が必要な場合に、1つのリンクのTXOPにおいてすべてのデータ伝送が完了しないときであっても、他のリンクに即座に切り替えることができる。これにより、シームレスなデータ伝送を実施することができる。
さらに、EMLSR STAからAPに対する送信データがある場合にもAvailable Single Radio Linkを通知することで、双方向のデータ伝送を短時間で実施することができる。
以上のように、複数のリンクを連続的に利用することができるので、Real-Time Applicationのデータをシームレスに伝送することができる。
<<2.第2の実施の形態>>
第1の実施の形態においては、データ伝送に利用可能なリンク情報がデータ受信側のEMLSR STAから通知される例を説明したが、次に、第2の実施の形態として、次のデータ伝送に利用可能なリンク情報がデータ送信側の通信装置(AP)から通知される例を説明する。
なお、第2の実施の形態のシステム構成は、第1の実施の形態のシステム構成と同様である。したがって、以下、第2の実施の形態のシステム構成としても、図1を参照して上述した第1の実施の形態のシステム構成が用いられる。
<本技術の第2の実施の形態におけるAPとEMLSR STAの動作>
図18は、本技術の第2の実施の形態におけるAPまたはデータ送信側の通信装置(図中、APとする)とEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。
なお、図18において、実線の矢印は、信号の後方のデリミタに含まれる制御情報の送信を表し、一点鎖線の矢印は、信号のPaddingに含まれる制御情報の送信を表す。
図18のタイミングt101の処理は、図3のタイミングt3の処理と同じである。すなわち制御フレームとして、例えばMulti-User RTSフレーム(以下、RTSフレーム)およびCTSフレームの交換が行われて、タイミングt101において、APは、データ伝送を開始する。EMLSR STAは、データ受信を開始する。
APは、Radio1を用いたデータ伝送を終了する前に、Pre-Configure Linkの利用状況を把握するなどして、A-MPDUの伝送終了直前のリンクの状態を取得して、次のデータ伝送において利用可能なリンクを判定する。
図18においては、Radio3が他の伝送において利用中(BUSY状態)であり、Radio2を用いたデータ伝送が実施可能である。このとき、データ伝送中のA-MPDUの末尾でPaddingが利用可能であれば、APは、次のデータ伝送において利用可能なリンクを示すNext Single Radio Link情報をPaddingに含めて、一点鎖線の矢印に示されるように送信する。
なお、Next Single Radio Link情報がPaddingに含まれていることは、データ内の後方のデリミタに記載されて、実線の矢印に示されるように送信される。
例えば、マルチリンクで動作可能な送信側のAPにおいては、他のSTA宛ての伝送をいずれかのリンクで実施している可能性があり、その場合、EMLSR STA宛てに送信することが難しくなるため、BUSY状態であるとしてEMLSR STA宛てに予め通知する必要がある。
また、データ受信側のEMLSR STAは、受信したA-MPDUの末尾(Paddingなど)にNext Single Radio Link情報が含まれている場合、次に行うデータ伝送に用いられるリンク(Radio2)をNext Single Radio Link情報に基づいて特定できる。これにより、データ受信側のEMLSR STAは、例えばRTSフレームを、設定したRadio2のリンクを用いて待ち受けることができる。ここで、次に行うとは、Next Single Radio Link情報の受信の時間的に後に行うことを意味し、そのタイミングは、Next Single Radio Link情報の受信のすぐ後でもよいし、時間的に後であれば、すぐ後ではなくてもよい。
データ伝送の終了後、EMLSR STAは、タイミングt102において、ACKフレームをRadio1を用いて送信する。APは、ACKフレームをRadio1を用いて受信する。
タイミングt103において、APは、RTSフレームをRadio2を用いて送信してデータ伝送の開始をEMLSR STAに通知する。EMLSR STAは、RTSフレームを、Next Single Radio Link情報に基づくRadio2を用いて待ち受けており、RTSフレームを受信する。
タイミングt104において、EMLSR STAは、APに対して、CTSフレームをRadio2を用いて返送する。APは、CTSフレームをRadio2を用いて受信する。
これより、APは、タイミングt105において、EMLSR STA宛てのデータ送信を、Radio2を利用して継続できる。EMLSR STAは、データ受信をRadio2を利用して継続する。
APは、Radio2でのデータ送信の終了前に、Pre-Configure Linkの利用状況を把握し、A-MPDUの伝送終了直前の各リンクの状態を取得して、次のデータ伝送に利用可能なリンクを判定する。
ここで、Radio1が他の伝送により利用中(BUSY状態)であり、Radio3を利用してのデータ伝送が実施可能である。このとき、APは、EMLSR STAに対して送信するデータを有しており、データ伝送中のA-MPDUの末尾でPaddingが利用可能である場合、Next Single Radio Link情報をPaddingに含めて、一点鎖線の矢印に示されるように送信する。
EMLSR STAは、受信したA-MPDUの末尾(Padding)にNext Single Radio Link情報が含まれている場合、引き続きデータ伝送が行われるリンク(Radio3)をNext Single Radio Link情報に基づいて特定できる。したがって、EMLSR STAは、例えばRTSフレームをRadio3のリンクを用いて待ち受けることができる。
データ伝送の終了後、EMLSR STAは、タイミングt106において、ACKフレームをRadio2を用いて送信する。APは、ACKフレームをRadio2を用いて受信する。
タイミングt107において、APは、RTSフレームをRadio3を用いて送信してデータ伝送の開始をEMLSR STAに通知する。EMLSR STAは、RTSフレームを、Next Single Radio Link情報に基づくRadio3を用いて待ち受けており、RTSフレームを受信する。
タイミングt108において、EMLSR STAは、APに対して、CTSフレームをRadio3で返送する。APは、CTSフレームをRadio3で受信する。
これより、APは、タイミングt109において、EMLSR STA宛てのデータ送信をリンク(Radio3)を利用して継続できる。EMLSR STAは、データ受信をRadio3を利用して継続する。
APは、Radio3を用いたデータ送信の終了前に、Pre-Configureリンクの利用状況を把握し、A-MPDUの伝送終了直前の各リンクの状態を取得して、次のデータ伝送に利用可能なリンクを判定する。
ここで、Radio2が他の伝送により利用中(BUSY状態)であり、Radio1を利用してのデータ伝送が実施可能である。このとき、データ伝送中のA-MPDUの末尾でPaddingが利用可能であれば、Next Single Radio Link情報をPaddingに含めて、一点鎖線の矢印に示されるように送信する。
EMLSR STAは、そのA-MPDUの末尾(Padding)にNext Single Radio Link情報が含まれている場合、Next Single Radio Link情報に基づいて、引き続きデータ伝送が行われるリンク(Radio1)を特定できる。したがって、EMLSR STAは、例えばRTSフレームをRadio1のリンクを用いて待ち受ける。
データ伝送の終了後、EMLSR STAは、タイミングt110において、ACKフレームをRadio3を用いて送信する。APは、ACKフレームをRadio3を用いて受信する。
タイミングt111において、APは、RTSフレームをRadio1を用いて送信して、データ伝送の開始をEMLSR STAに通知する。EMLSR STAは、RTSフレームを、Next Single Radio Link情報に基づくRadio1を用いて待ち受けており、RTSフレームを受信する。
タイミングt112において、EMLSR STAは、APに対して、CTSフレームをRadio1を用いて返送する。APは、CTSフレームをRadio1を用いて受信する。
APは、タイミングt113において、EMLSR STA宛てのデータ送信をリンク(Radio1)を利用して継続できる。EMLSR STAは、データ受信をRadio1を利用して継続する。
このようにして、次の伝送に利用可能なリンクをデータ伝送中に特定することを継続することで、リアルタイムデータを伝送する場合に、伝送路をシームレスに利用することができる。
以上のように、データ送信中に、最新のPre-Configure Linkの利用状況に基づくNext Single Radio Link情報をデータ送信側の装置が通知するようにしたので、データ受信側の装置は、以降のSingle Radioでの通信が継続できるPre-Configure Linkを把握することができる。これにより、次に(時間的に後に)データ伝送を実施するリンク(Radio)を用いてデータ伝送を実施することができる。
例えば、送信しているデータ(A-MPDU)フレームに、Pre-Configure Linkのうち、データ送信側の装置においてその時点で利用可能なNext Single Radio Link情報が送信される。
また、例えば、ヘッダにNext Single Radio Link情報を含むように制御フレームを構築して、任意のタイミングで最新の状況を送信するようにしてもよい。
このNext Single Radio Link情報は、予め設定されたPre-Configure Linkの中から選択された、干渉を受けるノイズレベルが最も低いリンクを示す情報が4bit程度で表現される。
あるいは、このNext Single Radio Link情報は、予め設定されたPre-Configureリンクの中から利用可能と判定された、干渉を受けるノイズレベルが所定の閾値以下のリンクを示す情報がビットマップ形式により含まれるようにしてもよい。
上記説明を踏まえて、以下、本技術の第2の実施の形態についての詳細を説明する。
<無線通信装置の構成>
第2の実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態の装置構成と同様である。したがって、以下、第2の実施の形態の装置構成としても、図5、図6および図7を参照して上述した第1の実施の形態の装置構成が用いられる。
なお、本技術の第2の実施の形態のデータ送信側の通信装置(AP)として動作する装置の無線通信モジュールの構成(図6)において、特に、Block ACK Frameを受信する処理は、例えば、Block ACK FrameがRadio1のリンクで受信された場合に、第1のデータ受信ブロックにより行われる。
この場合、信号の波形がMulti-Link RF検出部27-1により検出され、検出された波形からベースバンド信号がMulti-Link PHY受信部28-1より抽出され、ベースバンド信号のチャネルにおける所定のフレームがMulti-Link MAC判定部29-1により検出される。以上の処理により、制御フレームの1つとしてBlock ACK Frameを受信したことがMulti-Link制御部23において認識される。
A-MPDUフレームのPaddingにNext Single Radio Link情報を含める場合、Multi-Link制御部23は、Pre-Configure Link判定部31から供給される利用可能なリンクの情報に基づいて、Next Single Radio Link情報を構築(生成)して、Paddingを置き換えて送信する。
また、A-MPDUフレームの最後のデリミタに、Next Single Radio Link情報がPaddingに含まれていることを示す情報を記載する場合、Multi-Link制御部32は、Next Single Radio Link情報がPaddingに含まれていることを示す情報を構築して、最後のデリミタを置き換えて送信する。
特に、本技術の第2の実施の形態のEMLSR STAとして動作する装置の無線通信モジュールの構成(図7)において、Block ACK Frameを送信する処理は、Single Radio制御部56による制御を受けてデータ送信ブロックにより実行される。
すなわち、送信データは、Single Radio MAC処理部53によりControl Frameとして構築され、Single Radio PHY送信部54によりベースバンド信号に変換され、Single Radio RF信号処理部55により高周波処理されてアンテナから送信される。
A-MPDUフレームを受信する処理は、Single Radio制御部56による制御を受けてデータ受信ブロックにより実行される。
すなわち、アンテナで受信した信号から受信データ部分の波形がSingle Radio RF信号検出部69により検出され、検出した波形から抽出されたベースバンド信号に対して、Single Radioのチャネルにおける所定のA-MPDUフレームの受信処理がSingle Radio PHY受信部68により実行される。そして、Single Radio MAC判定部67によりデリミタの情報が解析されてMPDU部分が分離される。
ここで、APから送信されてくるデリミタやPaddingの中に、Next Single Radio Link情報が含まれている場合、Next Single Radio Link情報は、Single Radio制御部56に供給される。
<第2の実施の形態のフレームの構成>
図19は、本技術の第2の実施の形態のフレームの構成例を示す図である。
図19のフレームは、利用可能なリンクの情報を通知するシーケンスに対応していることを示すアクションフレームまたはマネジメントフレームとして構成されるフレームである。
なお、図19のフレームは、EML Operation Mode Notification Frameとして規定されている。また、図19のフレームは、EMLSRに対応するEMLSR STAがAPにアソシエーション動作を行う場合などに適宜通信される。
図19において、EML Operation Mode Notification Frameは、Category、EHT Action、Dialog Token、EML Control Fieldを含むように構成される。
EML Control Fieldは、EMLSR Modeビット(第0ビット)、EMLMR Modeビット(第1ビット)、EMLSR Link Bitmapビット(第2ビット乃至第17ビット)、Reservedビット(第18ビット乃至第22ビット)、Next Single Radio Linkビット(第23ビット)を含むように構成される。
EML Control Fieldに含まれるNext Single Radio Linkビットが、本技術による次のデータ送信に利用可能なリンク情報の通知の可否を示すビットである。
なお、Next Single Radio Linkビットが含まれるフレームの構成は、図19のアクションフレームの構成に限らない。例えば、Next Single Radio Linkビットは、必要に応じて、図19のフレーム以外のフレームにおいて設定されてもよい。
<A-MPDUフレームの第1の構成>
図20は、本技術の第2の実施の形態のA-MPDUフレームの第1の構成例を示す図である。
図20のA-MPDUフレームは、フレームの境界を示すデリミタ(Delimiter)と、実際のデータが含まれるMAC Protocol Data Unit(MPDU)を交互にアグリゲート(連結)して、末尾にPaddingを付加して構成される。
デリミタは、EOFビット(第0ビット)、After Infoビット(第1ビット)、MPDU Lengthビット(第2ビット乃至第14ビット)、CRCビット(第16ビット乃至第23ビット)、Delimiter Signatureビット(第24bit乃至第31ビット)を含むように構成される。
After Infoビットは、従来のデリミタにおいてReservedとされている部分であり、以降のPaddingに、Next Single Radio Link情報が含まれることを識別する情報である。
すなわち、データ受信側の装置は、このAfter Infoビットが1になっていることで、PaddingにNext Single Radio Link情報が含まれていることを把握することができる。
なお、After Infoビットが含まれるデリミタは、図20に示されるように、最後のMDPUの手前のデリミタ(すなわち、最後のデリミタ)であるのが好ましいが、After Infoビットは、他の位置のデリミタに含まれてもよい。
従来からのA-MPDUフレームが4Byte単位でアラインされる必要があることから、Paddingは、0Byte乃至3ByteでA-MPDUの末尾に付加される構成になっている。
本技術による新たなPadding部分の構成としては、Next Single Radio Linkビット(第0ビット乃至第3ビット)、CRCビット(第4ビット乃至第7ビット)、さらに必要に応じてPaddingビット(第8ビット乃至第23ビット)を含むように構成される。
Next Single Radio Linkビットが、Next Single Radio Link情報である。
CRCは、Next Single Radio Link情報を確実に送るために必要に応じて付加されてもよい。
通常のPaddingは、上述したように0Byte乃至3Byteの長さになるが、従来のPaddingが0Byteまたは1Byteの場合には、MPDU Lengthを調整して、Paddingの長さを延ばし、本技術によるNext Single Radio Link情報が含まれるようにしてもよい。
また、Next Single Radio Linkビットは、Paddingではなく、最後のデリミタに含まれるようにしてもよい。
<A-MPDUフレームの第2の構成>
図21は、本技術の第2の実施の形態のA-MPDUフレームの第2の構成例を示す図である。
図21のA-MPDUフレームは、Paddingの構成が、図20のA-MPDUフレームと異なっている。
図21において、Paddingは、Next Single Radio Link Bitmapビット(第0ビット乃至第15ビット)、CRCビット(第16ビット乃至第23ビット)を含むように構成される。
図21のNext Single Radio Link Bitmapビットは、ビットマップ形式のNext Single Radio Link情報であり、最大で16のリンクまでデータ受信側に通知することができる。
すなわち、図21の構成によれば、Pre-Configureリンクのすべての状態をビットマップ形式で通知することができるので、Next Single Radio Link情報を受け取る、データ受信側の装置は、リンクの選択を最適に行うことができる。
なお、図20の例と同様に、図21のNext Single Radio Link情報を確実に送るために、必要に応じてCRCが付加されてもよい。
また、Next Single Radio Link情報とCRCを含めると、計24ビット(3Byte)情報として構成される。この情報長が従来のPaddingのビット長よりも長い、すなわち、従来のPaddingが含まれない場合と、Paddingが1Byteから2Byteである場合、デリミタのMPDU Lengthを加算して、Next Single Radio Link情報とCRCがPaddingに納まるようにしてもよい。
<任意のフレームのA-Controlフィールドの第1の構成>
図22は、任意のフレームのA-Controlフィールドの第1の構成例を示す図である。
図22においては、Next Single Radio Link情報を、A-MPDUフレーム以外の、制御情報などを含んだ任意のフレームで通知を行う場合のフレームの構成例が示されている。
図22のフレームは、Frame Control、Duration/ID、Address1乃至Address4、Sequence Control、QoS Control、HT Control、Frame Body、FCSの各フィールドを含むように構成される。Frame Control、Duration/ID、Address1乃至Address4、Sequence Control、QoS Control、HT Controlの各フィールドが、MACヘッダ部である。
Frame Controlフィールドは、フレームの種類を示す情報である。
Duration/IDフィールドは、フレームの持続時間や識別子を示す情報である。
Address1乃至Address4フィールドは、送信元や受信先を示す複数のアドレスフィールドである。
Sequence Controlフィールドは、フレームのシーケンス番号を示す情報である。
QoS Controlフィールドは、QoS保証のための制御パラメータである。
HT Controlフィールドは、高いスループットのための制御パラメータである。
HT Controlフィールドは、第0ビット、第1ビット、A-Controlビット(第2ビット乃至第31ビット)を含むように構成される。
A-Controlフィールドは、将来の拡張のためにHT Controlフィールドに定義されており、第0ビットと第1ビットが1の場合、第2ビット乃至第31ビットをA-Controlフィールドとして利用することができる。
A-Controlフィールドは、Control IDビット(第0ビット乃至第3ビット)、Next Single Radio Linkビット(第4ビット乃至第7ビット)、Reservedビット(第8ビット乃至第31ビット)を含むように構成される。
Control IDビットは、Next Single Radio Link情報が含まれることを示す情報である。
Next Single Radio Linkビットは、Next Single Radio Link情報である。
なお、これら以外の部分であるReservedビット(第8ビット乃至第31ビット)は、現時点では将来の拡張のための予約領域である。
<任意のフレームのA-Controlフィールドの第2の構成>
図23は、任意のフレームのA-Controlフィールドの第2の構成例を示す図である。
図23の任意のフレームは、A-Controlフィールドの構成が、図22の任意のフレームと異なっている。
図23において、A-Controlフィールドは、Control IDビット(第0ビット乃至第3ビット)、Next Single Radio Link Bitmapビット(第4ビット乃至第19ビット)、Reservedビット(第20ビット乃至第31ビット)を含むように構成される。
Control IDビットは、Next Single Radio Link情報が含まれることを示す情報である。
Next Single Radio Link Bitmapビットは、Bitmap形式のNext Single Radio Link情報である。
なお、図23のReservedビット(第20ビット乃至第31ビット)は、現時点では将来の拡張のための予約領域である。
<第2の実施の形態のアクションフレームの構成>
図24は、本技術の第2の実施の形態のアグリゲーションフレームの構成例を示す図である。
図24においては、任意のフレーム(Previous Frame)に対して、例えば、アクションフレーム(Action Frame)が付加されたAggregation Frameの構成例が示されている。
アクションフレームは、任意のフレームに対して付加されている。図24のフレームは、例えば、従来からの制御フレーム(Control Frame)に、例えば、EML Control Fieldと、本技術のNext Single Radio Link情報を含むアクションフレームを併せたアグリゲーションフレームとして構成されている。
アクションフレームは、Frame Control、Duration、TA、RA、EML Control field、新たなフィールドであるNext Single Radio Link、CRCの各フィールドから構成される。
Frame Control、Duration、TA、RAは、図9のSingle Radio Block ACK Frameに含まれるFrame Control、Duration、TA、RAと同様である。
EML Control fieldには、EMLSRのPre-Configure Linkの情報が含まれる。
Next Single Radio Linkは、本技術のNext Single Radio Link情報である。
CRCは、誤り検出符号である。
なお、図24のNext Single Radio Link情報は、上述したように、1つのリンクを指定するフォーマットとして通知されてもよいし、またはビットマップ形式により利用可能なすべてのリンクが通知されるようにしてもよい。
あるいは、最有力候補の1つのリンクの情報と、それ以外の利用可能なリンクを示すビットマップ形式の情報とを併せたNext Single Radio Link情報として通知されるようにしてもよい。
なお、図24の例以外にも、必要とされる情報が適宜付加されてアクションフレームとして構成されていてもよい。
また、図24のAggregation Frameは、制御フレームに付加されるのではなく、A-MPDUを含むデータフレームにアクションフレームの形式で付加されるようにしてもよい。さらに、図24に示されるようにアクションフレームを任意のフレームに付加することなしに、アクションフレームが、Next Single Radio Link情報を単独で通知するようにしてもよい。
<第2の実施の形態におけるAPの処理>
図25および図26は、本技術の第2の実施の形態におけるデータ送信側の通信装置(AP)のデータ送信処理を説明するフローチャートである。
ステップS111において、データ構築部22は、Data Buffer21を介して、EMLSR STA宛ての送信データを機器制御モジュール13から受け取る。
ステップS112において、Multi-Link制御部23は、EMLSR STAのPre-Configure Linkにおける利用状況を把握するための検出設定を行う。
ステップS113において、Multi-Link制御部23は、データ送信のために、現在のリンクでの送信機会(TXOP)の状況を取得し、取得したリンクを用いて送信可能な持続時間を特定する。
ステップS114において、Multi-Link制御部23は、アグリゲートするMPDUの数であるA-MPDU数を取得する。
ステップS115において、Multi-Link制御部23は、本技術のNext Single Radio Link(NSRL)情報を付加するか否かを判定する。Next Single Radio Link情報を付加するとステップS115において判定された場合、処理は、ステップS116に進む。
ステップS116において、データ構築部22は、従来のデリミタでReservedとされているビットをAfter Infoビットとして設定してデリミタに追加する。
ステップS117において、データ構築部22は、Paddingが付加できるか否かを判定する。Paddingが付加できないとステップS117において判定された場合、処理は、ステップS118に進む。
ステップS118において、データ構築部22は、MPDUのLengthを調整して、Next Single Radio Link情報をフレームに含められるようにする。その後、処理は、ステップS119に進む。
また、ステップS115において、Next Single Radio Link情報を付加しないと判定された場合、または、ステップS117においてPaddingが付加できると判定された場合も、処理は、ステップS119に進む。
ステップS119において、データ構築部22は、1つのMPDUサブフレームを取得する。
ステップS120において、データ構築部22は、A-MPDUフレームを構築する。その後、処理は、図26のステップS121に進む。
ステップS121において、データ構築部22は、A-MPDU数に基づいて、A-MPDU(フレーム)の末尾であるか否かを判定する。A-MPDUの末尾ではないとステップS121において判定された場合、ステップS115に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS121において、A-MPDUの末尾であると判定された場合、処理は、ステップS122に進む。
ステップS122において、Pre-Configure Link判定部31は、自身のPre-Configure Linkの検出状況を取得する。
ステップS123において、Multi-Link制御部23は、自身のPre-Configure Linkの検出状況に基づいて、複数のSingle Radio Linkの利用が可能であるか否かを判定する。複数のSingle Radio Linkの利用が可能であるとステップS123において判定された場合、処理は、ステップS124に進む。
ステップS124において、Multi-Link制御部23は、複数のSingle Radio Linkの利用を通知する情報をBitmap形式で記載するか否かを判定する。複数のSingle Radio Linkの利用を通知する情報をBitmap形式で記載しないとステップS124において判定された場合、処理は、ステップS125に進む。
ステップS125において、Multi-Link制御部23は、1つのNext Single Radio Linkを選択する。この場合、Multi-Link制御部23は、ステップS126において、選択したリンクを示す情報を記載したNext Single Radio Link情報を設定する。
ステップS123において、複数のリンクが利用可能ではないと判定された場合、ステップS124およびS125の処理をスキップし、処理は、ステップS126に進む。この場合、Multi-Link制御部23は、ステップS126において、1つのリンクを示す情報を記載したNext Single Radio Link情報を設定する。
ステップS124において、複数のSingle Radio Linkの利用を通知する情報を、Bitmap形式で記載すると判定された場合、処理は、ステップS126に進む。この場合、Multi-Link制御部23は、ステップS126において、Bitmap形式のNext Single Radio Link情報を設定する。
ステップS127において、データ構築部22は、A-MPDUの末尾に4バイトアラインのためのPaddingが必要か否かを判定する。Paddingが必要であるとステップS127において判定された場合、処理は、ステップS128に進む。
ステップS128において、データ構築部22は、アラインの長さを満たすようにPaddingを追加する。
ステップS127において、Paddingが必要ではないと判定された場合、ステップS128の処理はスキップされ、ステップS129に進む。
ステップS129において、Multi-Link制御部23は、第1のデータ送信ブロックまたは第2のデータ送信ブロックを制御して、構築したA-MPDUフレームの送信を行い、その後、図25および図26のAPのデータ送信処理は終了となる。
<EMLSR STAの処理>
図27および図28は、本技術の第2の実施の形態におけるEMLSR STAのデータ受信処理を説明するフローチャートである。
ステップS141において、EMLSR STAのSingle Radio制御部56は、例えば、所定のフレームをデータ送信側の通信装置(AP)と交換することで、Pre-Configure Linkとして規定されたリンクを動作させて、Single Radioの受信動作を設定する。
ステップS142において、Single Radio制御部56は、いずれかのPre-Configureリンクで、自身宛ての制御フレームとして、Multi-User RTSフレーム(以下、RTSフレーム)を受信したか否かを判定する。自身宛てのRTSフレームを受信していないとステップS142において判定された場合、ステップS141に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS142において、自身宛てのRTSフレームを受信したと判定された場合、処理は、ステップS143に進む。
ステップS143において、Single Radio制御部56は、RTSフレームを受信したSingle Radioのリンクを用いてのデータ受信が可能であるか否かを判定する。データ受信可能ではないとステップS143において判定された場合、ステップS141に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS143において、データ受信が可能であると判定された場合、処理は、ステップS144に進む。
ステップS144において、Single Radio制御部56は、制御フレーム(CTSフレーム)を、RTSフレームを受信したSingle Radioのリンクを用いて送信する。
ステップS145において、Single Radio制御部56は、Single Radioのリンクを用いてデータを待ち受ける。
ステップS146において、Single Radioデータ処理部52は、Single Radioのリンクを用いてMPDUサブフレームを受信する。
ステップS147において、Single Radio制御部56は、デリミタの位置であるか否かを判定する。デリミタの位置であるとステップS147において判定された場合、処理は、ステップS148に進む。
ステップS148において、Single Radio制御部56は、After Infoビットがデリミタにあるか否かを判定する。After InfoビットがデリミタにあるとステップS148において判定された場合、処理は、ステップS149に進む。
ステップS149において、Single Radioデータ処理部52は、Single Radio Linkのキャリア検出など、伝送路の利用状況を把握するための設定を行う。その後、ステップS146に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS148において、After Infoビットがデリミタにないと判定された場合も、ステップS146に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
一方、ステップS147において、デリミタの位置ではないと判定された場合、処理は、図28のステップS150に進む。
ステップS150において、Single Radio制御部56は、Paddingの位置であるか否かを判定する。Paddingの位置ではないとステップS150において判定された場合、ステップS146に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS150において、Paddingの位置であると判定された場合、処理は、ステップS151に進む。
ステップS151において、Single Radio制御部56は、Next Single Radio Link(NSRL)情報がPaddingにあるか否かを判定する。Next Single Radio Link情報がPaddingにあるとステップS151において判定された場合、処理は、ステップS152に進む。
ステップS152において、Single Radio制御部56は、Next Single Radio Link情報を参照して、複数の候補があるか否かを判定する。例えば、Next Single Radio Link情報がBitmap形式で記載されているなど、複数の候補があるとステップS152において判定された場合、処理は、ステップS153に進む。
ステップS153において、Pre-Configure Link判定部64は、自身のSingle Radio リンクのキャリア検出結果を取得する。その後、処理は、ステップS154に進む。
ステップS152において、複数の候補がないと判定された場合も、処理は、ステップS154に進む。
ステップS154において、Single Radio制御部56は、最適なSingle Radio Linkを選択し、選択したSingle Radio Linkの利用の可否を自身のSingle Radio リンクのキャリア検出結果に基づいて判定する。なお、ビットマップ形式ではなく特定のリンクが指定されている場合も、指定されているSingle Radio Linkの利用の可否が判定される。
ステップS155において、Single Radio制御部56は、Single Radio Link(SRL)が利用可能であるか否かを判定する。Single Radio Linkが利用可能であるとステップS155において判定された場合、処理は、ステップS156に進む。
ステップS156において、利用可能であるSingle Radio Linkを用いてデータを継続して受信する設定を行う。
また、ステップS155において、Single Radio Linkが利用可能ではないと判定された場合、ステップS157に進む。
ステップS157において、Single Radio制御部56は、現在のSingle Radio Linkを用いたデータの継続受信の設定を暫定的に行い、所定のアクセス制御手順に基づいて、次のデータ伝送に備える。
ステップS156またはS157の後、図27および図28のデータ受信処理は終了となる。
<第2の実施の形態の効果>
以上のように、本技術の第2の実施の形態においては、Next Single Radio Link情報をEMLSRのSTAに対して通知することで、EMLSRのSTAが待ち受けするLinkを特定でき、冗長な情報交換を低減できる。
特に、A-MPDU Frameの送信中のタイミングにNext Single Radio Link情報が含まれるようにすることで、最新の伝送路の状況をデータ受信側のEMLSRのSTAに即座に通知することができる。
A-MPDU FrameのデリミタやPaddingにNext Single Radio Link情報を含めることで、利用可能なリンクの通知に対して他のフレームを用いる必要がなく、またデータ伝送中に通知することができる。
また、MACヘッダのA-Controlフィールドを用いて、Next Single Radio Link情報を通知することにより、任意のフレームの返送タイミングで、最新の伝送路の的確な状況を即座に通知することができる。
複数の利用可能なリンク(Next Single Radio Link)が存在する場合には、ビットマップ形式の情報を含めることで、データ受信側にも選択の余地を与えることができ、利用が確実なリンクを選択することができる。
従来方式にEMLSRのデータ伝送シーケンスにかかる冗長なRTSフレームとCTSフレームの交換にかかる時間を省くことができるので、省いた時間をデータ伝送のための送信機会(TXOP)に有効活用することができる。
さらに、あるリンクで限られたTXOPの中でA-MPDUのアグリゲート数を最適化することができる。
また、再送データがある場合や、継続してデータの受信が必要な場合に、1つのリンクのTXOPではすべてのデータ伝送が完了しない場合でも、他のリンクに即座に切り替えることで、シームレスなデータ伝送を実施することができる。
このように、Multi-Linkを連続的に利用することで、Real-Time Applicationのデータをシームレスに伝送することができる。
<<3.第3の実施の形態>>
次に、第3の実施の形態として、上述した第1の実施の形態と第2の実施の形態の組み合わせた例について説明する。
<システムの構成>
第3の実施の形態のシステム構成は、第1の実施の形態のシステム構成と同様である。したがって、以下、第3の実施の形態のシステム構成としても、図1を参照して上述した第1の実施の形態のシステム構成が用いられる。
<本技術の第3の実施の形態におけるAPとEMLSR STAの動作>
図29は、本技術の第3の実施の形態におけるAPまたはデータ送信側の通信装置(図中、APとする)とEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。
なお、図29において、図18と同様に、実線の矢印は、信号の後方のデリミタに含まれる制御情報の送信を表し、一点鎖線の矢印は、信号の末尾のPaddingに含まれる制御情報の送信を表す。
図29のタイミングt151の処理は、図18のタイミングt101の処理と同じである。すなわち、APは、A-MPDUの伝送終了直前のリンクの状態をRadio1を用いたデータ伝送中に取得して、次のデータ伝送において利用可能なリンクを判定する。APは、次のデータ伝送に利用可能なリンク情報であるNext Single Radio Link情報を伝送中のデータに記載して送信する。
データをRadio1で受信しているEMLSR STAは、データの受信中、またはデータを受信した直後において、Pre-Configureリンクの利用状況の検出結果に基づいて、自身の利用可能なリンクを判定する。なお、自身の利用可能なリンクの判定に、データに含まれているNext Single Radio Link情報も参照されてもよい。EMLSR STAは、例えば、Radio2とRadio3での利用が可能であると判定した場合、タイミングt152において、Radio2とRadio3を利用可能なリンクとして示すAvailable Single Radio Link情報が含まれるBlock ACKフレームをAPに送信する。
Block ACKフレームを受信したAPは、Block ACKフレームに含まれるAvailable Single Radio Link情報と、自身のNext Single Radio Link情報とを考慮して、次に遷移すべきリンク(Radio2)を特定する。
これより、APにおいては、データ受信側であるEMLSR STAが確実に遷移可能なリンクの情報が得られ、データの伝送をより確実に実施することができる。
同様に、EMLSR STAにおいても、データ送信側であるAPのNext Single Radio Link情報と、自身のAvailable Single Radio Link情報に基づいて、引き続きデータ伝送が行われるべきリンク(Radio2)を特定することができ、例えばRTSフレームをRadio2のリンクを用いて待ち受けることができる。
タイミングt153において、APは、制御フレームとして、Multi-User RTSフレーム(以下、RTSフレーム)をRadio2のリンクを用いて送信する。
RTSフレームを受信したEMLSR STAは、タイミングt154において、従来方式と同様にCTSフレームをAPに返送する。これにより、APは、RTSフレームを受信したリンク(Radio2)を利用してEMLSR STA宛てのデータ送信を継続できる。
CTSフレームを受信したAPは、タイミングt155において、データの伝送を開始する。APは、次のデータ伝送に利用可能なリンク情報であるNext Single Radio Link情報を伝送中のデータに含めて送信する。
データをRadio2で受信しているEMLSR STAは、データの受信中、またはデータを受信した直後において、自身の利用可能なリンクを判定する。EMLSR STAは、例えば、Radio1とRadio3での利用が可能であると判定した場合、タイミングt156において、Radio1とRadio3を利用可能なリンクとして示すAvailable Single Radio Link情報が含まれるBlock ACKフレームをAPに送信する。
Block ACKフレームを受信したAPは、Block ACKフレームに含まれるAvailable Single Radio Link情報と、自身のNext Single Radio Link情報とを考慮して、次に遷移すべきリンク(Radio3)を特定する。
タイミングt157において、APは、RTSフレームをRadio3のリンクを用いて送信する。
RTSフレームを受信したEMLSR STAは、タイミングt158において、従来方式と同様にCTSフレームをAPに返送する。これにより、APは、RTSフレームを受信したリンク(Radio3)を利用してEMLSR STA宛てのデータ送信を継続できる。
CTSフレームを受信したAPは、タイミングt159において、データの伝送を開始する。APは、次のデータ伝送に利用可能なリンク情報であるNext Single Radio Link情報を伝送中のデータに含めて送信する。
データをRadio2で受信しているEMLSR STAは、データの受信中、またはデータを受信した直後において、自身の利用可能なリンクを判定する。EMLSR STAは、例えば、Radio1とRadio3での利用が可能であると判定した場合、タイミングt160において、Radio1とRadio3を利用可能なリンクとして示すAvailable Single Radio Link情報が含まれるBlock ACKフレームをAPに送信する。
Block ACKフレームを受信したAPは、Block ACKフレームに含まれるAvailable Single Radio Link情報と、自身のNext Single Radio Link情報とを考慮して、次に遷移すべきリンク(Radio1)を特定する。
タイミングt161において、APは、RTSフレームをRadio1のリンクを用いて送信する。
RTSフレームを受信したEMLSR STAは、タイミングt162において、従来方式と同様にCTSフレームをAPに返送する。これにより、APは、RTSフレームを受信したリンク(Radio1)を利用してEMLSR STA宛てのデータ送信を継続できる。
CTSフレームを受信したAPは、タイミングt163において、データの伝送を開始する。APは、次のデータ伝送に利用可能なリンク情報であるNext Single Radio Link情報を伝送中のデータに含めて送信する。
以上のように、データ送信側とデータ受信側の双方で利用可能なリンク情報を共有することで、遷移すべきリンクをより確実に特定することができる。
そして、APは、双方で利用可能なリンクにおいて、例えばRTSフレームを送信することができる。またEMLSR STAは、例えばCTSフレームを返送することで、RTSフレームを受信したリンクにおいて、データ伝送を継続することができる。
このような動作を繰り返すことで、例えば未達データの再送が必要になった場合においても、データの再送を、次に利用可能となったリンクを用いて即座に実施することができる。
なお、ここでは、制御情報として、RTSフレームおよびCTSフレームを交換する実施例を記載してあるが、データ送信側とデータ受信側で確実なリンクを特定した場合には、これらの制御フレームの交換することなしに、データ送信を実施するようにしてもよい。
上記説明を踏まえて、以下、本技術の第3の実施の形態についての詳細を説明する。
<無線通信装置の構成>
第3の実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態の装置構成と同様である。したがって、以下、第3の実施の形態の装置構成としても、図5、図6、および図7を参照して上述した第1の実施の形態の装置構成が用いられる。
なお、本技術の第3の実施の形態のデータ送信側の通信装置(AP)として動作する装置の無線通信モジュールの構成(図6)において、特に、Single Radio Block ACK Frameを受信する処理は、例えば、Single Radio Block ACK FrameがRadio1のリンクを用いて受信された場合、第1のデータ受信ブロックにより行われる。
この場合、信号の波形がMulti-Link RF検出部27-1により検出され、検出された波形からベースバンド信号がMulti-Link PHY受信部28-1より抽出され、ベースバンド信号のチャネルにおける所定のフレームがMulti-Link MAC判定部29-1により検出される。以上の処理により、制御フレームの1つとしてSingle Radio Block ACK Frameを受信したことがMulti-Link制御部23において認識される。
また、Single Radio Block ACK FrameにAvailable Single Linkの情報が含まれている場合、Pre-Configure Link判定部31によりその旨がMulti-Link制御部23に通知されて、Multi-Link制御部23により、EMLSR STAが利用可能なリンク(Radio)が特定され、特定されたリンク(Radio)での通信が制御される。
Next Single Radio Link情報をA-MPDUフレームのPaddingに含める場合、Multi-Link制御部23は、Pre-Configure Link判定部31から供給される利用可能なリンクの情報に基づいて、Next Single Radio Link情報を構築して、Paddingを置き換えて送信する。
また、Next Single Radio Link情報がPaddingに記載されていることを示す情報をA-MPDUフレームの最後のデリミタに含める場合、Multi-Link制御部32は、Next Single Radio Link情報がPaddingに含まれていることを示す情報を構築して、最後のデリミタを置き換えて送信する。
特に、本技術の第3の実施の形態のEMLSR STAとして動作する装置の無線通信モジュールの構成(図7)において、Single Radio Block ACK Frameを送信する処理は、Single Radio制御部56による制御を受けてデータ送信ブロックにより実行される。
すなわち、送信データは、Single Radio MAC処理部53によりControl Frameとして構築され、Single Radio PHY送信部54によりベースバンド信号に変換され、Single Radio RF信号処理部55により高周波処理されてアンテナから送信される。
A-MPDUフレームを受信する処理は、Single Radio制御部56による制御を受けてデータ受信ブロックにより実行される。
すなわち、アンテナで受信した信号から受信データ部分の波形がSingle Radio RF信号検出部69により検出され、検出した波形から抽出されたベースバンド信号に対して、Single Radioのチャネルにおける所定のA-MPDUフレームの受信処理がSingle Radio PHY受信部68により実行され、Single Radio MAC判定部67によりデリミタの情報が解析されてMPDU部分が分離される。
ここでAPから送信されてくるデリミタに、Next Single Radio Link情報が含まれている場合、Next Single Radio Link情報は、Single Radio制御部56に供給される。
<Single Radio Block ACK Frameの第4の構成>
図30は、Single Radio Block ACK Frameの第4の構成例を示す図である。
図30のSingle Radio Block ACK Frameは、BA Control Fieldの構成が、図9のSingle Radio Block ACK Frameと異なっている。
BA Control Fieldは、BA ACK Policyビット(第0ビット)、BA Typeビット(第1ビット乃至第4ビット)、Single Radio Link Grantビット(第5ビット)、Available Single Linkビット(第6ビット乃至第9ビット)、Reservedビット(第10ビットおよび第11ビット)、TID_INFOビット(第12bit乃至第15ビット)を含むように構成される。
Single Radio Link Grantビットは、データ送信側のAPから通知を受けたNext Single Radio Linkに対しての要否を示す情報である。なお、Block ACKフレームが必要最低限の構成である場合、Block ACKフレームには、上記Single Radio Link Grantビットさえあればよいが、Available Single Linkビットが含まれてもよい。
Available Single Linkビットが、利用可能なリンクを示すAvailable Single Radio Link情報である。
すなわち、Available Single Linkビットにより、データ送信側のAPから、次のデータフレームに利用可能なリンクが複数指定されてきた場合、データ受信側のEMLSR STAにおいても利用可能なリンクを考慮して、双方で合意可能なリンクをAvailable Single Radio Linkとして1つのリンクを通知することができる。
<APの処理>
本技術の第3の実施の形態におけるAPのデータ送信処理は、図25および図26を参照して上述した第2の実施の形態におけるAPのデータ送信処理と基本的に同様であるので、その説明を省略する。
<STAの処理>
図31および図32は、本技術の第3の実施の形態におけるEMLSR STAのデータ受信処理を説明するフローチャートである。
なお、図31乃至図32のステップS171乃至S180の処理は、図27および図28のステップS141乃至S150の処理と同様であるので、その説明については省略する。
図32のステップS181において、Pre-Configure Link判定部64は、自身のSingle Radio Linkのキャリア検出結果を取得する。
ステップS182において、Single Radio制御部56は、Next Single Radio Link情報がPaddingにあるか否かを判定する。Next Single Radio Link情報がPaddingにあるとステップS182において判定された場合、処理は、ステップS183に進む。
ステップS183において、Single Radio制御部56は、Next Single Radio Link情報を参照して、複数の候補があるか否かを判定する。例えば、Next Single Radio Link情報がBitmap形式で記載されているなど、複数の候補があるとステップS183において判定された場合、処理は、ステップS184に進む。
ステップS184において、Pre-Configure Link判定部64は、最適なSingle Radio Linkを選択し、選択したSingle Radio Linkの利用の可否を判定する。その後、処理は、ステップS185に進む。
ステップS183において、複数の候補がないと判定された場合も、ステップS185に進む。
ステップS185において、Pre-Configure Link判定部64は、利用可能なリンクがあるか否かを判定する。なお、ビットマップ形式ではなく特定のリンクが指定されている場合も、指定されているSingle Radio Linkの利用の可否が判定される。利用可能なリンクがあるとステップS185において判定された場合、処理は、ステップS186に進む。
ステップS186において、Single Radio制御部56は、利用可能なリンクをACKに含んで通知するか否かを判定する。ACKで通知するとステップS186において判定された場合、処理は、ステップS187に進む。
ステップS187において、Single Radio制御部56は、ACKに含んで通知するためにAvaileble Single Radio Link情報を取得する。その後、処理は、ステップS188に進む。
ステップS182において、Next Single Radio Link情報がPaddingにないと判定された場合、ステップS182乃至S187の処理はスキップされ、ステップS188に進む。
ステップS185において、利用可能なリンクがないと判定された場合、または、ステップS186において、ACKに含んで通知しないと判定された場合も、処理は、ステップS188に進む。
ステップS188において、Single Radio制御部56は、Block ACKフレームを送信する。なお、Availeble Single Radio Link情報がステップS187において取得された場合、送信されるBlock ACKフレームには、Block ACKフレームが含まれる。
ステップS189において、Single Radio制御部56は、Single Radio Linkを、データ受信リンクとして設定する。
なお、利用可能なリンクが設定された場合は、設定されたリンクに遷移して、遷移したリンクを用いてデータ伝送の待ち受けを行ってもよく、また、現在利用していたリンクを用いてデータ伝送の待ち受けを行ってもよい。あるいは、任意のリンクを用いてデータ伝送の待ち受けを行ってもよい。その後、図31および図32のデータ受信処理は終了となる。
<第3の実施の形態の効果>
以上のように、本技術の第3の実施の形態においては、第1の実施の形態における技術と第2の実施の形態における技術とが組み合わせられる。
これにより、上述した第1の実施の形態の効果および第2の実施の形態の効果と同様の効果が得られる。
その上で、データ送信側とデータ受信側の双方で利用可能なリンク情報が共有されるので、遷移すべきリンクをより確実に特定することができる。
<<4.第4の実施の形態(Quick Reserve Single Radio Control Frame)>>
次に、第4の実施の形態として、データ受信側のEMLSR STAから、送信機会を予め確保する情報が利用可能なリンクで通知される例について説明する。
<システムの構成>
第4の実施の形態のシステム構成は、第1の実施の形態のシステム構成と同様である。したがって、以下、第4の実施の形態のシステム構成としても、図1を参照して上述した第1の実施の形態のシステム構成が用いられる。
<本技術の第4の実施の形態におけるEMLSR STAの動作>
図33は、本技術の第4の実施の形態におけるEMLSR STAの動作シーケンスを示す図である。
図33において、APの動作タイミングは、括弧書きで示されている。なお、図33におけるEMLSR STAの動作の説明においては、図34に示されるデータ送信側の通信装置(AP)の動作タイミングが適宜参照される。
タイミングt201において、EMLSR STAは、APがRadio1を用いて送信してくる制御フレームとして、Multi-User RTSフレーム(以下、RTSフレーム)を受信する。タイミングt202において、EMLSR STAは、CTSフレームをRadio1を用いてAPに送信する。
タイミングt203において、EMLSR STAは、APがRadio1を用いて送信してくるデータを受信し始める。
データの受信後、タイミングt204において、EMLSR STAは、Block ACK FrameをRadio1を用いて送信する。
このとき、EMLSR STAは、データ受信を継続したい場合、タイミングt205において、利用機会を予め確保したいリンク(Radio2)に遷移し、Radio2において利用機会を予め確保するための利用予約情報を含むQuick Reserve Single Radio Control Frame(図中、Q)をRadio2を用いて送信する。利用機会を予め確保したいリンクとは、すなわち、利用機会を予め確保することが利用予約情報により示されるリンクのことである。
なお、Quick Reserve Single Radio Control Frameの送信に先立ち、EMLSR STAが利用機会を予め確保したいリンクであるRadio2で動作することを示すQuick Reserve Single Radio情報を、Radio1を用いて返送されるBlock ACK Frameに付加して、データを送信してきたAPに通知するようにしてもよい。
ここで、データ送信側のAPがマルチリンクで動作をしている場合、任意のリンク(Radio)で受信が可能であるため、APは、Quick Reserve Single Radio Control Frameをどのリンクを用いても受信することができる。
これにより、データ送信側のAPは、EMLSR STAによるSingle Radioの動作が、EMLSR STAが利用機会を予め確保したいリンク(Radio2)を用いて継続されることから、制御フレームの交換をすることなく、タイミングt206において、A-MPDUのデータフレームを送信することができる。
なお、上述したように、Quick Reserve Single Radio情報が含まれるBlock ACK Frameを予め受信することで、APは、EMLSR STAがSingle Radioで動作するリンク(Radio)を前もって把握することが可能になる。
一方、EMLSR STAは、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信した後に、A-MPDUフレームを、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信したリンクと同じリンクを用いて受信することができる。これにより、従来方式で必要であったRTSフレームとCTSフレームによる制御フレームの交換にかかる時間を短縮することができる。
また、データ送信側のAPから送信されてくるA-MPDUフレームにおいては、末尾のMPDUのデリミタなどに、Useful Single Radio Link(USRL)情報が含まれている。
EMLSR STAは、Useful Single Radio Link情報を取得することで、Useful Single Radio Link情報を取得した時点で有効なSingle RadioのLink情報を判定できる。すなわち、EMLSR STAは、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信すべきリンク(Radio)をUseful Single Radio Link情報により特定することができる。
データの受信後、タイミングt207において、EMLSR STAはBlock ACK FrameをRadio2を用いてAPに送信する。
Radio2を用いた動作後に、Radio3に遷移してデータ伝送を継続することが可能であることが、Useful Single Radio Link情報に基づいて把握できるので、EMLSR STAは、タイミングt208において、Quick Reserve Single Radio Control FrameをRadio3を用いて送信する。
しかしながら、データ送信側のAPの送信直前に、他の通信装置がデータ送信をRadio3を用いて開始して、APがBUSY状態となってしまった場合、APはQuick Reserve Single Radio Control Frameを正しく受信できない。したがって、データであるA-MPDUフレームがAPから送信されなくなってしまう。
EMLSR STAは、上述したQuick Reserve Single Radio Control Frameにおいて、Open Duration情報を予め定義している。Open Duration情報は、利用機会の有効期間を示す情報である。
EMLSR STAは、Open Duration情報が示す有効期間までにA-MPDUフレームが送信されなければ、タイミングt209において、Radio3の利用のキャンセルを示すOpen Reserve Single Radio Control Frame(図中、O)を生成し、Radio3を用いてAPに送信する。これにより、Radio3のリンクの利用機会を開放することができる。
このとき、他のリンク(Radio1)の利用が可能であれば、EMLSR STAは、Radio1に遷移して、タイミングt210において、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信する。
これより、データ送信側のAPは、EMLSR STAによるSingle Radioの動作が別のリンク(Radio1)で継続されることから、制御フレームの交換をせずに、タイミングt211において、データフレームであるA-MPDUフレームを送信することができる。
EMLSR STAは、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信した直後に、A-MPDUフレームをRadio1を用いて受信し、タイミングt212において、Block ACK FrameをRadio1を用いて送信する。
A-MPDUフレームの受信後に、データ送信側のAP宛てにデータ送信を実施する場合、EMLSR STAは、タイミングt213において、Quick Reserve Single Radio Control FrameをRadio1を用いて送信し、その後のタイミングt214において、A-MPDUフレームをRadio1を用いて送信することもできる。
この場合、データ受信後のタイミングt215において、APは、Block ACK FrameをRadio1を用いてEMLSR STAに送信する。
<本技術の第4の実施の形態におけるデータ送信側の通信装置(AP)の動作>
図34は、図33のEMLSR STAの動作シーケンスに対応する、本技術の第4の実施の形態におけるデータ送信側の通信装置(AP)の動作シーケンスを示す図である。
図34において、EMLSR STAの動作タイミングは、括弧書きで示されている。なお、図34におけるAPの動作の説明においては、図33に示されるEMLSR STAの動作タイミングが参照される。
タイミングt201において、APは、制御フレームとして、Multi-User RTSフレーム(以下、RTSフレーム)をEMLSR STAにRadio1を用いて送信する。タイミングt202において、APは、EMLSR STAから送信されてくるCTSフレームをRadio1を用いて受信する。
タイミングt203において、APは、データフレームであるA-MPDUフレームをEMLSR STAに対してRadio1を用いて送信し始める。
データの送信後、APは、タイミングt204においてEMLSR STAから送信されてくるBlock ACK FrameをRadio1を用いて受信する。
ここで、EMLSR STAから送信されたBlock ACK Frameに、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信するリンクの情報(Quick Reserve Single Radio情報)が含まれていた場合、APは、引き続きデータ伝送がリンク(Radio2)を用いて行われることを把握する。
これより、データ送信側のAPは、タイミングt205において、EMLSR STAから送信されてくるQuick Reserve Single Radio Control FrameをRadio2を用いて受信し、タイミングt206において、A-MPDUフレームをRadio2を用いて送信することができる。
これにより、従来方式で必要であった、RTSフレームとCTSフレームによる制御フレームを交換することなしに、データ伝送を即座に継続することができる。これにより、オーバヘッド時間を短縮することができる。
データの送信後、APは、タイミングt207においてEMLSR STAから送信されてくるBlock ACK FrameをRadio2を用いて受信する。
ここで、EMLSR STAから送信されたBlock ACK Frameに、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信するリンクの情報(Quick Reserve Single Radio情報)が含まれていた場合、APは、引き続きデータ伝送がリンク(Radio3)を用いて行われることを把握する。
しかしながら、Quick Reserve Single Radio Control Frameの受信の直前に他の通信装置によるデータ送信が始まり、APがBUSY状態になってしまうことがある。この場合、EMLSR STAから送信されてくるQuick Reserve Single Radio Control Frameを受信できないことから、APは、A-MPDUフレームをRadio3を用いて送信することができない。
一方、このA-MPDUフレームの送信が開始されない状況をEMLSR STAでも把握できるため、タイミングt209においてOpen Reserve Single Radio Control Frame(図中、O)がEMLSR STAにより送信される。そして、タイミングt210においてQuick Reserve Single Radio Control FrameがEMLSR STAにより他のリンク(Radio1)を用いて送信される。
ここで、データ送信側のAPがマルチリンクで動作をしている場合、任意のリンク(Radio)で受信が可能なため、APは、Quick Reserve Single Radio Control Frameをどのリンクを用いても受信することができる。
これにより、データ送信側のAPは、EMLSR STAによるSingle Radioの動作が他のリンク(Radio1)を用いて継続されることから、タイミングt211において、従来の制御フレームの交換をせず、A-MPDUフレームをRadio1を用いて送信することができる。
APは、A-MPDUフレームをリンク(Radio1)で送信後、タイミングt212においてEMLSR STAから送信されてくるBlock ACK Frameを受信する。さらに、EMLSR STAが引き続き利用するリンクの希望がある場合、EMLSR STAは、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信するリンクの情報(Quick Reserve Single Radio情報)をこのBlock ACK Frameに含める。
すなわち、EMLSR STAが、引き続き他のリンク(Radio3)の利用を希望していることがQuick Reserve Single Radio情報に基づいてわかるので、APは、タイミングt213においてEMLSR STAからRadio3を用いて送信されたQuick Reserve Single Radio Control Frameを受信する。
そして、データ送信側のAPが送信データを有していない場合、APは、タイミングt214においてEMLSR STAから送信されてくるA-MPDUフレームを引き続き受信する。
この場合、APは、タイミングt215において、EMLSRから送信されたA-MPDUフレームに対応する受信確認の応答フレームであるBlock ACK Frameを送信する。
以上のように、Quick Reserve Single Radio Control Frameの送受信によって、EMLSR STAは、引き続き伝送に利用するリンク(Radio)の利用機会を確保することができる。
すなわち、データ受信側の装置が、自身宛てデータの受信終了直後に利用可能なPre-Configure Linkの1つに遷移しておき、新たなリンクでデータ送信側の装置から制御フレームが送られてくる以前に、利用機会を予め確保することを示す制御フレームを送信しておく。これにより、Single Radioとして利用するリンクを予め確保することができる。
なお、所望のPre-Configure Linkで、所定の時間が経過するまでもデータ伝送が行われない場合には、予め確保されたSingle RadioのLinkを開放する制御フレームがデータ受信側の装置から送信される。
すなわち、利用機会を予め確保する制御フレームおよび確保した利用機会を開放する制御フレームを受信した周囲の通信装置は、Single Radioの受信が行われることを把握すると共に、Single Radioの受信が終了または中断したことを把握することができる。
さらに、利用可能なPre-Configure Linkの1つを選択する場合、データ送信中の装置が、次のSingle Radioの伝送に利用するRadioを示す情報を、送信中のデータフレームに含めるようにしてもよい。
上記説明を踏まえて、以下、本技術の第4の実施の形態についての詳細を説明する。
<無線通信装置の構成>
第4の実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態の装置構成と同様である。したがって、以下、第4の実施の形態の装置構成としても、図5、図6、および図7を参照して上述した第1の実施の形態の装置構成が用いられる。
なお、本技術の第4の実施の形態のデータ送信側の通信装置(AP)として動作する装置の無線通信モジュールの構成(図6)において、特に、Quick Reserve Single Radio Control Frameを受信する処理は、伝送路がBUSY状態でない限りどのリンクでも行うことができる。例えば、Quick Reserve Single Radio Control FrameがRadio1のリンクで受信された場合、第1のデータ受信ブロックにより行われる。
この場合、信号の波形がMulti-Link RF検出部27-1により検出され、検出された波形からベースバンド信号がMulti-Link PHY受信部28-1より抽出され、ベースバンド信号のチャネルにおける所定のフレームがMulti-Link MAC判定部29-1により検出される。以上の処理により、制御フレームの1つとしてQuick Reserve Single Radio Control Frameを受信したことがMulti-Link制御部23において認識される。
また、Block ACK FrameにQuick Reserve Single Radioの情報が含まれている場合、Pre-Configure Link判定部31によりその旨がMulti-Link制御部23に通知されて、Multi-Link制御部23により、EMLSR STAが利用可能なリンク(Radio)が特定され、そのリンク(Radio)での通信が制御される。
A-MPDUフレームの最後のデリミタに、Useful Single Radio Link情報を含める場合、Multi-Link制御部32は、Pre-Configure Link判定部31から供給される利用可能なリンクの情報に基づいて、この情報を構築して、最後のデリミタを置き換えて送信する。
また、本技術の第4の実施の形態のEMLSR STAとして動作する装置の無線通信モジュールの構成(図7)において、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信する処理は、Single Radio制御部56による制御を受けてデータ送信ブロックにより実行される。
すなわち、Single Radio制御部56による制御により、送信データは、Single Radio MAC処理部53によりControl Frameとして構築され、Single Radio PHY送信部54によりベースバンド信号に変換され、Single Radio RF信号処理部55により高周波処理されてアンテナから送信される。
A-MPDUフレームを受信する処理は、Single Radio制御部56による制御を受けてデータ受信ブロックにより実行される。
すなわち、アンテナで受信した信号から受信データ部分の波形がSingle Radio RF信号検出部69により検出され、検出した波形から抽出されたベースバンド信号に対して、Single Radioのチャネルにおける所定のA-MPDUフレームの受信処理がSingle Radio PHY受信部68により実行される。その後、Single Radio MAC判定部67によりデリミタの情報が解析されてMPDU部分が分離される。
ここでAPから送信されてくるデリミタに、Useful Single Radio Link情報が含まれている場合、Useful Single Radio Link情報は、Single Radio制御部56に供給される。Single Radio制御部56において、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信するリンクを判定する制御が必要に応じて行われる。
<Quick Reserve Single Radio Control Frameの構成>
図35は、本技術の第4の実施の形態のQuick Reserve Single Radio Control Frameの構成例を示す図である。
図35のQuick Reserve Single Radio Control Frameは、Frame Control、Reserve Duration、RA、TA、Open Duration、Multi-Link Parameter、FCSを含むように構成される。
Frame Controlは、フレームの種類や形式を示す情報である。
Reserve Durationは、このリンクにおける最大利用可能時間を示す情報である。
RAは、受信側の装置を識別する識別情報である。
TAは、送信側の装置を識別する識別情報である。
Open Durationは、このリンクを利用することなく開放の判定をするまでの期間を示す利用機会の有効期間を示す情報である。
Multi-Link Parameterは、Multi-Link動作に必要とされるパラメータである。
FCSは、誤り検出のフレームチェックシーケンスである。
なお、Quick Reserve Single Radio Control Frameにおいては、Frame Control乃至TAが基本的なパラメータであり、Open DurationおよびMulti-Link Parameterは、必要に応じてQuick Reserve Single Radio Control Frameに含められる。また、Quick Reserve Single Radio Control Frameには、その他のパラメータが含められてもよい。
さらに、RAおよびTAには、基本的に、この制御フレームのRAおよびTAを識別する識別情報が記載されるが、次に送信されるデータフレームのRAおよびTAを識別する識別情報が記載されるようにしてもよい。また、RAおよびTAには、この制御フレームのRAおよびTAの識別情報が記載されるようにして、次に送信されるデータフレームのRAおよびTAの識別情報については、Multi-Link Parameterに記載されるようにしてもよい。
次に送信されるフレームのRAおよびTAの識別情報がMulti-Link Parameterに記載される場合、Multi-Link Parameterには、次に送信されるフレームのRAおよびTAの識別情報として、例えば、RAおよびTAと同じ伝送方向であるか、逆の伝送方向であるかを示す情報が記載されてもよい。また、Multi-Link Parameterには、例えば、次に送信されるフレームのRAおよびTAの識別情報がそのまま記載されてもよい。記載方法は、特に限定されない。
<Open Reserve Single Radio Control Frameの構成>
図36は、Open Reserve Single Radio Control Frameの構成例を示す図である。
図36のOpen Reserve Single Radio Control Frameの構成は、Reserve DurationがNull Durationと入れ替わり、Open DurationがReservedと入れ替わった点が図35のQuick Reserve Single Radio Control Frameの構成と異なるだけであり、その他の点は、基本的に同じである。
Null Durationは、このリンクが開放状態であることを示す情報である。
Reservedは、将来のための予約領域である。
<第4の実施の形態のフレームの構成>
図37は、本技術の第4の実施の形態のフレームの構成例を示す図である。
図37のフレームは、利用機会を予め確保しておくためにQuick Reserve Control Frameを送信する動作に対応していることを示すアクションフレームまたはマネジメントフレームとして構成されるフレームである。
図37のEML Operation Mode Notification Frameは、EML Control Fieldの構成が、図8のフレームと異なっている。
このEML Control Fieldは、EMLSR Modeビット(第0ビット)、EMLMR Modeビット(第1ビット)、EMLSR Link Bitmapビット(第2ビット乃至第17ビット)、Quick Reserve Single Radioビット(第18ビット)、Quick Reserve Single Radio Information ビット(第19ビット乃至第22ビット)、Single Radio BAビット(第23ビット)を含むように構成される。
Quick Reserve Single Radioビットは、利用機会を予め確保するQuick Reserve Control Frameの送信の可否を示すビットである。
Quick Reserve Single Radio Informationビットは、送信すべきリンク(Radio)を示す情報である。
なお、このアクションフレーム以外にも、利用機会を予め確保しておくためにQuick Reserve Control Frameの送信の可否を示すQuick Reserve Single Radioビットと、送信するリンク(Radio)を示す情報であるQuick Reserve Single Radio Informationが、APとEMLSR STAとの間で、必要に応じて交換されてもよい。
<Single Radio Block ACK Frameの第4の構成>
図38は、Single Radio Block ACK Frameの第4の構成例を示す図である。
図38のSingle Radio Block ACK Frameは、BA Control Fieldの構成が、図9のSingle Radio Block ACK Frameと異なっている。
BA Control Fieldは、BA ACK Policyビット(第0ビット)、BA Typeビット(第1ビット乃至第4ビット)、Quick Reserve Single Radio Informationビット(第5ビット乃至第8ビット)、Reservedビット(第9ビット乃至第11ビット)、TID_INFOビット(第12bit乃至第15ビット)を含むように構成される。
Available Single Linkビットは、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信するリンクを指定する情報である。
すなわち、図38のSingle Radio Block ACK Frameは、従来のBlock ACK Frameのフォーマットのままで、BA ControlフィールドのReservedビットとされていた第5ビット乃至第8ビットをQuick Reserve Single Radio Informationビットとして用いて、Control Frameを送信するリンクを指定することができるように構成されている。
<A-MPDUフレームの構成>
図39は、本技術の第4の実施の形態のA-MPDUフレームの構成例を示す図である。
図39のA-MPDUフレームは、図20のA-MPDUフレームと同様に、フレームの境界を示すデリミタ(Delimiter)と、実際のデータが含まれるMAC Protocol Data Unit(MPDU)を交互にアグリゲートして、末尾にPaddingを付加して構成される。
ただし、図39のA-MPDUフレームは、最後のMPDUにかかるデリミタ(図中、Changed Delimiter)の構成が異なっている。
すなわち、先頭乃至最後の1つ手前のデリミタは、従来と同様に、EOFビット(第0ビット)、Reservedビット(第1ビット)、MPDU Lengthビット(第2ビット乃至第14ビット)、CRCビット(第16ビット乃至第23ビット)、Delimiter Signatureビット(第24ビット乃至第31ビット)を含むように構成される。
Changed Delimiterは、EOFビット(第0ビット)、Changed Signatureビット(第1ビット)、MPDU Lengthビット(第2ビット乃至第14ビット)、CRCビット(第16ビット乃至第23ビット)、Useful Single Radio Link Informationビット(第24ビット乃至第27ビット)、Info CRC(第28ビット乃至第31ビット)を含むように構成される。
Changed Signatureビットは、Changed Delimiterにおいて従来のDelimiterのDelimiter Signatureに対応する部分に、Useful Single Radio Link Informationが含まれることを示す情報である。
Useful Single Radio Link Informationビットは、利用可能なリンクの情報を通知する情報である。
Info CRCは、Useful Single Radio Link Informationを確実に送るために必要に応じて付加される情報である。
すなわち、データを受信したEMLSR STAは、このChanged Signatureフィールドが1になっていることで、付加情報である、Useful Single Radio Link Informationが最後のDelimiter Signature部分に含まれていることを把握できる。
なお、図39においては、最後のデリミタに、Useful Single Radio Link Informationビットが含まれる例が示されているが、Useful Single Radio Link Informationビットが他のデリミタに含まれてもよい。
<本技術の第4の実施の形態におけるデータ送信側の通信装置(AP)の処理>
図40および図41は、本技術の第4の実施の形態におけるデータ送信側の通信装置(AP)のデータ送信処理を説明するフローチャートである。
ステップS211において、データ構築部22は、Data Buffer21を介して、EMLSR STA宛ての送信データを機器制御モジュール13から受け取る。
ステップS212において、Multi-Link制御部23は、Single Rasio STAのPre-Configure Linkにおける利用状況を把握するための検出設定を行う。
ステップS213において、Multi-Link制御部23は、現在のリンクでの送信機会(TXOP)の状況などに基づいて、現在のリンクで送信可能な持続時間を特定し、A-MPDUフレームを構築するためのパラメータ情報を算出する。パラメータ情報は、A-MPDUとしてアグリゲーション可能な数などである。
ステップS214において、データ構築部22は、各MPDUのLength情報を取得する。
ステップS215において、データ構築部22は、取得したLength情報に基づいて、デリミタ情報を構築する。
ステップS216において、データ構築部22は、いま処理しているMPDUが、A-MPDUを構成する最後のMPDUであるか否かを判定する。A-MPDUを構成する最後のMPDUであると、ステップS216において判定された場合、処理は、ステップS217に進む。
ステップS217において、データ構築部22は、Usage Single Radio Link(USRL)情報を付加するか否かを判定する。Usage Single Radio Link情報を付加しないとステップS217において判定された場合、処理は、ステップS218に進む。
ステップS216において、A-MPDUを構成する最後のMPDUではないと判定された場合も、処理は、ステップS218に進む。
ステップS218において、データ構築部22は、MPDU情報を構築する。ステップS219において、Multi-Link制御部23は、データ構築部22により構築されたMPDUをA-MPDUのサブフレームとした送信処理を、第1または第2の送信ブロックに逐次実施させる。
その後、ステップS220において、Multi-Link制御部23は、A-MPDUフレームの末尾まで送信した否かを判定する。A-MPDUフレームの末尾まで送信したとステップS220において判定された場合、処理は終了となる。
ステップS220において、A-MPDUフレームの末尾まで送信していないと判定された場合、処理は、ステップS214に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS217において、Usage Single Radio Link情報を付加すると判定された場合、処理は、図41のステップS221に進む。
ステップS221において、Pre-Configure Link判定部31は、自身のPre-Configure Linkの検出状況を取得する。
ステップS222において、Pre-Configure Link判定部31は、自身のPre-Configure Linkの検出状況などに基づいて、ノイズレベルの強弱などから利用可能なリンクを設定する。
ステップS223において、Multi-Link制御部23は、Usage Single Radio Link(USRL)情報の付加が可能であるか否かを判定する。Usage Single Radio Link情報の付加が可能であるとステップS223において判定された場合、処理は、ステップS224に進む。
ステップS224において、データ構築部22は、Usage Single Radio Link情報を構築する。
ステップS225において、データ構築部22は、構築したUsage Single Radio Link情報を用いてデリミタを差し替える。その後、処理は、ステップS226に進む。
ステップS223において、Usage Single Radio Link情報の付加が可能ではないと判定された場合、ステップS224およびS225の処理はスキップされ、処理は、ステップS226に進む。
ステップS226において、データ構築部22は、MPDU情報を構築する。
ステップS227において、データ構築部22は、Paddingが必要であるか否かを判定する。4オクテッドにアラインされていない場合、Paddingが必要であるとステップS226において判定され、処理は、ステップS228に進む。
ステップS228において、データ構築部22は、Paddingをデータの末尾に付加する。その後、処理は、ステップS229に進む。
ステップS227においてPaddingが必要ではないと判定された場合、ステップS228の処理はスキップされ、処理は、ステップS229に進む。
ステップS229において、Multi-Link制御部23は、データ構築部22により構築されたMPDUをA-MPDUのサブフレームとした送信処理を、第1または第2の送信ブロックに逐次実施させる。その後、図40および図41のAPのデータ送信処理は終了となる。
<EMLSR STAの処理>
図42乃至図43は、本技術の第4の実施の形態におけるEMLSR STAのデータ受信処理を説明するフローチャートである。
ステップS241において、EMLSR STAのSingle Radio制御部56は、例えば、所定のアクションフレームをAPと交換することで、Pre-Configure Linkとして規定されたリンクを動作させて、Single Radioの受信動作を設定する。
ステップS242において、Single Radio制御部56は、データ受信を開始するか否かを判定する。
ステップS242において、Single Radio制御部56は、データ受信を開始するまで待機している。Single Radio制御部56が、任意のPre-Configure Linkで制御フレーム(RTSフレーム)を受信した後に、CTSフレームを送信した場合、ステップS242において、データ受信を開始すると判定され、処理は、ステップS243に進む。
ステップS243において、Single Radio制御部56は、A-MPDUフレームを受信して、デリミタ情報を取得する。
ステップS244において、Single Radio制御部56は、Single Radioを用いてA-MPDUの受信処理を行う。
ステップS245において、Single Radio制御部56は、A-MPDUのサブフレーム(MPDU)を受信する毎に、最後のMPDUであるか否かを判定する。最後のMPDUではないとステップS245において判定された場合、処理は、ステップS243に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS245において、最後のMPDUであると判定された場合、処理は、ステップS246に進む。
ステップS246において、未達データがあるか否かを判定する。未達データがないとステップS246において判定された場合、処理は、ステップS247に進む。
ステップS247において、Single Radio制御部56は、受信済のACKシーケンス番号(S/N)情報を取得する。
ステップS248において、データ構築部22は、取得した受信済のACKシーケンス番号情報に基づいて、Block ACKフレームを構築する。
ステップS249において、データ構築部22は、構築したBlock ACKフレームを送信する。
ステップS250において、Single Radio制御部56は、伝送路の利用を終了するか否かを判定する。伝送路の利用を終了するとステップS250において判定された場合、図42乃至図44のEMLSR STAのデータ受信処理は終了となる。
一方、ステップS246において、未達データがないと判定された場合、処理は、図43のステップS251に進む。
ステップS251において、Pre-Configure Link判定部64は、Pre-Configure Linkの利用状況を取得する。
ステップS252において、Pre-Configure Link判定部64は、Pre-Configure linkの現時点での受信電界強度やノイズレベルなどに基づいて、利用可能なリンクがあるか否かを判定する。利用可能なリンクがあるとステップS252において判定された場合、処理は、ステップS253に進む。
ステップS253において、Single Radio制御部56は、Quick Reserve Single Radioとして動作するリンクを選択する。
ステップS254において、Single Radio制御部56は、BA(Block ACK)を用いて通知をするか否かを判定する。BAを用いて通知をするとステップS254において判定された場合、処理は、ステップS255に進む。
ステップS255において、データ構築部22は、Quick Reserve Single Radio Link情報をBAに付加する。その後、処理は、図42のステップS247に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS252において、利用可能なリンクがないと判定された場合、または、ステップS254において、BAを用いて通知をしないと判定された場合も、図42のステップS247に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
また、ステップS250において、伝送路の利用を終了しないと判定された場合、処理は、図44のステップS256に進む。
ステップS256において、Single Radio制御部56は、Quick Reserve Single RadioLinkとして設定したリンクに遷移する。
ステップS257において、Single Radio制御部56は、Quick Reserve Single Radio Control Frameを送信する。
ステップS258において、所定のOpen Durationの到来時間内にA-MPDUフレームを検出したか否かを判定する。所定のOpen Durationの到来時間内にA-MPDUフレームを検出したとステップS258において判定した場合、図42のステップS243に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS258において、所定のOpen Durationの到来時間内にA-MPDUフレームを検出していないと判定された場合、処理は、ステップS259に進む。
ステップS259において、Single Radio制御部56は、Open Reserve Single Radio Control Frameを送信する。
ステップS260において、Single Radio制御部56は、その時点におけるPre-Configure Linkの利用状況を取得し、新たに利用可能なQuick Reserve Single Radio Linkを選択する。その後、処理は、ステップS256に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
<第4の実施の形態の効果>
以上のように、本技術の第4の実施の形態においては、EMLSR STAが次に利用するリンクにおいて、利用機会を予め確保する制御フレーム(Quick Reserve Single Radio Control Frame)が送信される。
これにより、他の通信装置が、Pre-Configure Linkのうち利用可能なリンクを利用する前に、データを送受信することが可能となる。
すなわち、利用機会を予め確保する制御フレーム(Quick Reserve Single Radio Control Frame)を受信した周囲の通信装置に、EMLSR STAが伝送路を利用することを事前に通知することができるので、制約のある通信装置の利用機会を確保することが可能となる。
また、利用機会を予め確保する制御フレーム(Quick Reserve Single Radio Control Frame)を送信したリンクでデータ受信を行わない場合、利用機会を開放する制御フレーム(Open Single Radio Control Frame)が送信される。これにより、そのリンクにおいて他の通信装置の利用を可能とし、伝送路が不用意に占有されることがなくなる。
また、利用機会を確保する制御フレーム(Quick Reserve Single Radio Control Frame)に、自身の通信装置を特定し得る情報とデータの送信先を特定し得る情報を含み、必要とされる利用機会を確保しておく時間の情報が含まれる。これにより、通信装置間で必要な伝送路の占有時間を通知できる。
データ送信側のAPから、A-MPDUフレームなどによって送信されるEMLSR STAで利用するリンクの状況を通知する情報から、EMLSR STAで利用するPre-Configure Linkが選択される。これにより、データの送受信を実施する通信装置間で確実なリンクを選択することができる。
特に、A-MPDUフレームのデリミタを利用することで、データフレームの送信中においてその時点で最適なリンクを選択することができる。
さらに、利用機会を確保する制御フレーム(Quick Reserve Single Radio Control Frame)を送信するリンクの情報を、データ受信直後に返送するBlock ACKフレームに記載することで、EMLSR STAが遷移するリンクを特定することができる。
すなわち、双方の装置で遷移するリンクの情報を共有することができるので、リンクを遷移するためにかかる時間において他の装置に利用機会を獲得されることを防ぐことができる。
これより、EMLSR STAにおける制約のあるデータ送受信に対して、優先的に送信を認めることで、マルチリンク動作時に、伝送路をシームレスに利用することができる。
<<6.その他>>
<変形例>
なお、上記説明においては、Multi-Link Multi-Radioの動作を行うAPと、EMLSRの動作を行うSTAとのデータ伝送を例に説明したが、Multi-Link Multi-Radioの動作を行うSTAと、EMLSRの動作を行うAPとのデータ伝送でもあってもよい。
すなわち、上記説明においては、データ送信側の装置が、Multi-Link Multi-Radioの動作を行うAPである例を説明したが、データ送信側の装置は、Multi-Link Multi-Radioの動作を行うSTAであってもよいし、さらに、EMLSRの動作を行うAPまたはSTAであってもよい。
また、上記説明においては、データ受信側の装置が、EMLSRの動作を行うSTAである例を説明したが、データ受信側の装置は、EMLSRの動作を行うAPであってもよいし、Multi-Link Multi-Radioの動作を行うAPまたはSTAであってもよい。
<コンピュータの構成例>
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
図45は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303は、バス304により相互に接続されている。
バス304には、さらに、入出力インタフェース305が接続されている。入出力インタフェース305には、キーボード、マウスなどよりなる入力部306、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部307が接続される。また、入出力インタフェース305には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部308、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部309、リムーバブルメディア311を駆動するドライブ310が接続される。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU301が、例えば、記憶部308に記憶されているプログラムを入出力インタフェース305及びバス304を介してRAM303にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
CPU301が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア311に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部308にインストールされる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
<応用例>
本技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、図5の無線通信装置1は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末、もしくは、デジタルカメラなどのモバイル端末、テレビジョン受像機、プリンタ、デジタルスキャナ、もしくは、ネットワークストレージなどの固定端末、またはカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、無線通信装置1は、スマートメータ、自動販売機、遠隔監視装置、またはPOS(Point Of Sale)端末などの、M2M(Machine To Machine Communication)端末として実現されてもよい。さらに、無線通信装置1は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
一方、例えば、無線通信装置1は、ルータ機能を有し、またはルータ機能を有しない無線LANのAP(無線基地局)として実現されてもよい。また、無線通信装置1は、モバイル無線LANルータとして実現されてもよい。さらに、無線通信装置1は、これら装置に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってよい。
<スマートフォンの構成例>
図46は、本技術を適用するスマートフォンの概略的な構成例を示すブロック図である。
スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、および表示デバイス910を備える。また、スマートフォン900は、スピーカ911、無線通信インタフェース913、アンテナスイッチ914、アンテナ915、バス917、バッテリー918、および補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えば、CPUまたはSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤおよびその他のレイヤの機能を制限する。
メモリ902は、RAMおよびROMを含み、プロセッサ901により実行されるプログラムおよびデータを記憶する。
ストレージ903は、半導体メモリまたはハードディスクなどの記憶媒体を含む。
外部接続インタフェース904は、メモリーカードまたはUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。
センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、および加速度センサなどのセンサ群を含む。
マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。
入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン、またはスイッチなどを含み、ユーザからの操作または情報入力を受け付ける。
表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース913は、IEEE802.11a、11b、11g、11ac、および11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。
無線通信インタフェース913は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANのAPを介して通信する。また、無線通信インタフェース913は、アドホックモードまたはWi-Fi Directなどのダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信する。
なお、Wi-Fi Directでは、アドホックモードとは異なり、2つの端末の一方がAPとして動作するが、通信はそれら端末間で直接的に行われる。
無線通信インタフェース913は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF(Radio Frequency)回路およびパワーアンプなどを含む。無線通信インタフェース913は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサおよび関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。
無線通信インタフェース913は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式、または、セルラー通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてよい。
アンテナスイッチ914は、無線通信インタフェース913に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ915の接続先を切り替える。
アンテナ915は、単一のまたは複数のアンテナ素子(例えば、MIMO(Multiple Input Multiple Output)アンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース913による無線信号の送信および受信のために使用される。
なお、スマートフォン900は、図46の例に限定されず、複数のアンテナ(例えば、無線LAN用のアンテナおよび近接無線通信方式のアンテナなど)を備えていてもよい。その場合、アンテナスイッチ914は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913、および補助コントローラ919を互いに接続する。
バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図46に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図46に示したスマートフォン900において、図6または図7を参照して上述された無線通信モジュール15は、無線通信インタフェース913において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ901または補助コントローラ919において実装されてもよい。
なお、スマートフォン900は、プロセッサ901がアプリケーションレベルでAP機能を実行することにより、無線AP(ソフトウェアAP)として動作してもよい。また、無線通信インタフェース913が無線AP機能を有していてもよい。
さらに、スマートフォン900は、生体認証部(指紋認証、掌形認証、音声認証、血管認証、顔認証、虹彩認証、網膜認証)を備えるようにしてもよい。その際、図6または図7を参照して上述された無線通信モジュール15が実装される無線通信インタフェース913は、表示デバイス910、スピーカ911、および生体認証部の少なくともいずれか1つと、同じバッテリー918から電源供給を受けるように構成される。
また、スマートフォン900においては、無線通信インタフェース913による外部装置との通信に基づいて、表示デバイス910およびスピーカ911の少なくともどちらかから情報が表示される。その際、情報として、本技術による同期の結果が、表示デバイス910およびスピーカ911の少なくともどちらから出力されるようにしてもよい。
<車載装置の構成例>
図47は、本技術を適用する車載装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
車載装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928を含むように構成される。また、車載装置920は、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、アンテナスイッチ934、アンテナ935、およびバッテリー938を含むように構成される。
プロセッサ921は、例えば、CPUまたはSoCであってよく、車載装置920のナビゲーション機能およびその他の機能を制御する。また、プロセッサ921は、本技術に基づく通信を通して得られる情報に基づいて、ブレーキ、アクセルまたはステアリングなどの車両の駆動系を制御することも可能である。
メモリ922は、RAMおよびROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラムおよびデータを記憶する。
GNSSモジュール924は、GNSS衛星から受信されるGNSS信号を用いて、車載装置920の位置(例えば、緯度、経度、および高度)を測定する。
センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ、および、気圧センサなどのセンサ群を含む。
データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車載データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CDまたはDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。
入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上のタッチを検出するタッチセンサ、ボタン、またはスイッチなどを含み、ユーザからの操作または情報入力を受け付ける。
表示デバイス930は、LCDまたはOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能または再生されるコンテンツの画像を表示する。
スピーカ931は、ナビゲーション機能または再生されるコンテンツの音声を出力する。
なお、車載装置920において、ナビゲーション機能やコンテンツプレーヤ927による機能は、オプションである。ナビゲーション機能やコンテンツプレーヤ927は、車載装置920の構成から外されてもよい。
無線通信インタフェース933は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac、および11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANのAPを介して通信する。また、無線通信インタフェース933は、アドホックモードまたはWi-Fi Directなどのダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信する。
無線通信インタフェース933は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路およびパワーアンプなどを含む。無線通信インタフェース933は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサまたは関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式、またはセルラー通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてよい。
アンテナスイッチ934は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路の間でアンテナ935の接続先を切り替える。
アンテナ935は、単一のまたは複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送信および受信のために使用される。
なお、車載装置920は、図47の例に限定されず、複数のアンテナ935を備えていてもよい。その場合に、アンテナスイッチ934は、車載装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図47に示した車載装置920において、図6または図7を参照して上述された無線通信モジュール15は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。
また、無線通信インタフェース933は、上述した無線通信装置1として動作し、車両に乗るユーザが有する端末に無線接続を提供してもよい。
また、本技術は、上述した車載装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と車両側モジュール942とを含む車載システム(または車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数、または故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941に出力する。
<無線APの構成例>
図48は、本技術を適用する無線AP950の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
無線AP950は、コントローラ951、メモリ952、入力デバイス954、表示デバイス955、ネットワークインタフェース957、無線通信インタフェース963、アンテナスイッチ964、およびアンテナ965を備える。
コントローラ951は、例えば、CPUまたはDSP(Digital Signal processor)であってよく、無線AP950のIP(Internet Protocol)レイヤおよびより上位のレイヤの様々な機能(例えば、アクセス制限、ルーティング、暗号化、ファイアウォール、およびログ管理など)を動作させる。
メモリ952は、RAMおよびROMを含み、コントローラ951により実行されるプログラム、および様々な制御データ(例えば、端末リスト、ルーティングテーブル、暗号鍵、セキュリティ設定、およびログなど)を記憶する。
入力デバイス954は、例えば、ボタンおよびスイッチなどを含み、ユーザからの操作を受け付ける。
表示デバイス955は、LEDランプなどを含み、無線AP950の動作ステータスを表示する。
ネットワークインタフェース957は、無線AP950が有線通信ネットワーク958に接続するための有線通信インタフェースである。ネットワークインタフェース957は、複数の接続端子を有してもよい。有線通信ネットワーク958は、イーサネット(登録商標)などのLANであってもよく、またはWAN(Wide Area Network)であってもよい。
無線通信インタフェース963は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac、および11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、近傍の端末へのAPとして無線接続を提供する。
無線通信インタフェース963は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路およびパワーアンプなどを含む。
無線通信インタフェース963は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサまたは関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。
アンテナスイッチ964は、無線通信インタフェース963に含まれる複数の回路の間でアンテナ965の接続先を切り替える、アンテナ965は、単一のまたは複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース963による無線信号の送信および受信のために使用される。
図48に示した無線AP950において、図6または図7を参照して上述された無線通信モジュール15は、無線通信インタフェース963においても実装されてもよい。また、これらの機能の少なくとも一部は、コントローラ951において実装されてもよい。
なお、上述の実施の形態は、本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をこのコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体としてとらえてもよい。
この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disc)、メモリーカード、ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標)Disc)などを用いることができる。
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
<構成の組み合わせ例>
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1)
無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置から第1の情報を受信し、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を送信する制御を行う通信制御部を備える
無線通信制御装置。
(2)
前記通信制御部は、データフレームに対応する受信確認の応答フレームに前記第2の情報を含めて送信する制御を行う
前記(1)に記載の無線通信制御装置。
(3)
前記第1の情報は、データフレームであり、
前記通信制御部は、前記第1の情報に対応する前記受信確認の応答フレームに前記第2の情報を含めて送信する制御を行う
前記(2)に記載の無線通信制御装置。
(4)
前記通信制御部は、前記第2の情報を、前記受信確認の応答フレームのリザーブドビット領域に含める
前記(3)に記載の無線通信制御装置。
(5)
前記通信制御部は、前記第2の情報を、前記受信確認の応答フレーム中のBA information領域よりも後に送信するように制御する
前記(3)に記載の無線通信制御装置。
(6)
前記通信制御部は、利用可能なリンクが複数ある場合、前記第2の情報を、ビットマップ形式で前記受信確認の応答フレームに含める
前記(3)に記載の無線通信制御装置。
(7)
前記通信制御部は、利用可能なリンクが複数ある場合、1つのリンクを選択して、前記第2の情報を、前記受信確認の応答フレームに含める
前記(3)に記載の無線通信制御装置。
(8)
前記通信制御部は、利用可能なリンクが複数ある場合、前記第2の情報としての、複数のリンクを示す情報を送信する制御を行う
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の無線通信制御装置。
(9)
前記第2の情報に示されるリンクを、前記第1の情報の受信に利用するリンクとして設定して前記第1の情報を待ち受ける通信部をさらに備える
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の無線通信制御装置。
(10)
前記通信制御部は、前記無線通信装置からの未達データ、または、自身が送信するデータがある場合、前記第2の情報を生成する
前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の無線通信制御装置。
(11)
前記複数のリンクの利用状況を検出するリンク利用状況検出部をさらに備え、
前記通信制御部は、検出された前記複数のリンクの利用状況に基づいて、前記第2の情報を生成する
前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の無線通信制御装置。
(12)
前記第1の情報は、前記無線通信装置の利用可能なリンクの情報である第3の情報に基づいて、前記第2の情報を生成する
前記(11)に記載の無線通信制御装置。
(13)
前記通信制御部は、前記第1の情報の受信に先立ち、前記第2の情報の送信能力に関する情報を送信する制御を行う
前記(1)乃至(12)のいずれかに記載の無線通信制御装置。
(14)
前記無線通信制御装置は、EMLSR(Extended Multi-Link Single Radio)に対応する動作を行う装置である
前記(1)乃至(13)のいずれかに記載の無線通信制御装置。
(15)
無線通信制御装置が、
無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置から第1の情報を受信し、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を送信する制御を行う
無線通信制御方法。
(16)
無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置から第1の情報を受信し、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を送信する制御を行う通信制御部と
してコンピュータを機能させるプログラム。
(17)
無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置に対して第1の情報を送信する制御を行い、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を取得し、前記第2の情報に基づいて、前記第2の情報の受信の後に行う通信に利用するリンクを特定する通信制御部を備える
無線通信制御装置。
(18)
無線通信制御装置が、
無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置に対して第1の情報を送信する制御を行い、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を取得し、前記第2の情報に基づいて、前記第2の情報の受信の後に行う通信に利用するリンクを特定する
無線通信制御方法。
(19)
無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置に対して第1の情報を送信する制御を行い、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を取得し、前記第2の情報に基づいて、前記第2の情報の受信の後に行う通信に利用するリンクを特定する通信制御部と
してコンピュータを機能させるプログラム。
1 無線通信装置, 11 インターネット接続モジュール, 12 情報入力モジュール, 13 機器制御モジュール, 14 情報出力モジュール, 15 無線通信モジュール, 21 Data Buffer, 22 データ構築部, 23 Multi-Link制御部,24 Multi-Link MAC処理部, 25 Multi-Link PHY処理部, 26 Multi-Link RF信号処理部,27 Multi-Link RF検出部, 28 Multi-Link PHY受信部, 29 Multi-Link MAC判定部, 30 データ処理部, 31 Pre-Configure Link判定部, 51 Data Buffer,52 Single Radioデータ処理部, 53 Single Radio MAC 処理部, 54 Single Radio PHY信号処理部, 55 Single Radio RF信号処理部, 56 Single Radio制御部, 57 Single Radio MAC判定部, 58 Single Radio PHY受信部, 59 Single Radio RF検出部

Claims (19)

  1. 無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置から第1の情報を受信し、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を送信する制御を行う通信制御部を備える
    無線通信制御装置。
  2. 前記通信制御部は、データフレームに対応する受信確認の応答フレームに前記第2の情報を含めて送信する制御を行う
    請求項1に記載の無線通信制御装置。
  3. 前記第1の情報は、データフレームであり、
    前記通信制御部は、前記第1の情報に対応する前記受信確認の応答フレームに前記第2の情報を含めて送信する制御を行う
    請求項2に記載の無線通信制御装置。
  4. 前記通信制御部は、前記第2の情報を、前記受信確認の応答フレームのリザーブドビット領域に含める
    請求項3に記載の無線通信制御装置。
  5. 前記通信制御部は、前記第2の情報を、前記受信確認の応答フレーム中のBA information領域よりも後に送信するように制御する
    請求項3に記載の無線通信制御装置。
  6. 前記通信制御部は、利用可能なリンクが複数ある場合、前記第2の情報を、ビットマップ形式で前記受信確認の応答フレームに含める
    請求項3に記載の無線通信制御装置。
  7. 前記通信制御部は、利用可能なリンクが複数ある場合、1つのリンクを選択して、前記第2の情報を、前記受信確認の応答フレームに含める
    請求項3に記載の無線通信制御装置。
  8. 前記通信制御部は、利用可能なリンクが複数ある場合、前記第2の情報としての、複数のリンクを示す情報を送信する制御を行う
    請求項1に記載の無線通信制御装置。
  9. 前記第2の情報に示されるリンクを、前記第1の情報の受信に利用するリンクとして設定して前記第1の情報を待ち受ける通信部をさらに備える
    請求項1に記載の無線通信制御装置。
  10. 前記通信制御部は、前記無線通信装置からの未達データ、または、自身が送信するデータがある場合、前記第2の情報を生成する
    請求項1に記載の無線通信制御装置。
  11. 前記複数のリンクの利用状況を検出するリンク利用状況検出部をさらに備え、
    前記通信制御部は、検出された前記複数のリンクの利用状況に基づいて、前記第2の情報を生成する
    請求項1に記載の無線通信制御装置。
  12. 前記第1の情報は、前記無線通信装置の利用可能なリンクの情報である第3の情報に基づいて、前記第2の情報を生成する
    請求項11に記載の無線通信制御装置。
  13. 前記通信制御部は、前記第1の情報の受信に先立ち、前記第2の情報の送信能力に関する情報を送信する制御を行う
    請求項1に記載の無線通信制御装置。
  14. 前記無線通信制御装置は、EMLSR(Extended Multi-Link Single Radio)に対応する動作を行う装置である
    請求項1に記載の無線通信制御装置。
  15. 無線通信制御装置が、
    無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置から第1の情報を受信し、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を送信する制御を行う
    無線通信制御方法。
  16. 無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置から第1の情報を受信し、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を送信する制御を行う通信制御部と
    してコンピュータを機能させるプログラム。
  17. 無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置に対して第1の情報を送信する制御を行い、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を取得し、前記第2の情報に基づいて、前記第2の情報の受信の後に行う通信に利用するリンクを特定する通信制御部を備える
    無線通信制御装置。
  18. 無線通信制御装置が、
    無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置に対して第1の情報を送信する制御を行い、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を取得し、前記第2の情報に基づいて、前記第2の情報の受信の後に行う通信に利用するリンクを特定する
    無線通信制御方法。
  19. 無線通信装置との間に予め設定された複数のリンクのうちの1のリンクを介して、前記無線通信装置に対して第1の情報を送信する制御を行い、前記複数のリンクのうちの利用可能なリンクを示す第2の情報を取得し、前記第2の情報に基づいて、前記第2の情報の受信の後に行う通信に利用するリンクを特定する通信制御部と
    してコンピュータを機能させるプログラム。
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