JP2023164210A - 不織布 - Google Patents

不織布 Download PDF

Info

Publication number
JP2023164210A
JP2023164210A JP2022076188A JP2022076188A JP2023164210A JP 2023164210 A JP2023164210 A JP 2023164210A JP 2022076188 A JP2022076188 A JP 2022076188A JP 2022076188 A JP2022076188 A JP 2022076188A JP 2023164210 A JP2023164210 A JP 2023164210A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
fibers
width
underwear
sanitary absorbent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022076188A
Other languages
English (en)
Inventor
拓登 梅村
Takuto Umamura
広樹 深澤
Hiroki Fukazawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Publication of JP2023164210A publication Critical patent/JP2023164210A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具、そして、当該衛生吸収具を実現可能な、当該衛生吸収具の表面シートの構成部材として用いる不織布の提供を課題とする。【解決手段】「主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さが、0.0N/50mm幅よりも高く6N/50mm幅未満であって、層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高い」という構成を有する不織布によって、使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できることを見出した。本願発明にかかる構成を有する不織布によって、使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具、そして、当該衛生吸収具を実現可能な、当該衛生吸収具の表面シートに用いる不織布を提供できる。【選択図】 なし

Description

本願発明は、下着に固定して使用する衛生吸収具の表面シートに用いる、不織布に関する。
近年、例えば、おりもの吸収シート、生理用ナプキン、軽失禁パッド、母乳吸収パッドなどの体液を吸収する目的で使用される衛生吸収具について、使用時に人体と触れる側の表面を構成するシート(以降、表面シートと称する)の構成部材に不織布が採用されている。
例えば、特表平10-508225号公報(特許文献1)には、使用中下着に接着される伸縮性吸収製品のトップシートに、一方向または二方向へ弾性的に伸縮可能な不織布材料などのポリマー材料を採用できることが開示されている。なお、特許文献1では、伸縮性吸収製品の長手方向(特許文献1の図1~図2における、伸縮性吸収製品の紙面上の上下方向)における可撓性は、伸びの少ない横方向(特許文献1の図1~図2における、伸縮性吸収製品の紙面上の左右方向)よりも高いことが開示されている。そして、特許文献1の発明にかかる伸縮性吸収製品は、その長手方向と人の前後方向とを平行あるいは略平行にして、下着に固定し使用される。
特表平10-508225号公報(特許請求の範囲、発明の分野、図1~図2など)
本願出願人は従来技術を参照し、構成部材に不織布を採用してなる表面シートを備えた、下着に固定して使用する衛生吸収具について検討を行った。しかし、当該衛生吸収具を下着に固定して使用したところ、当該表面シートによって使用者が不快感を感じることがあった。
本願発明では、使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具、そして、当該衛生吸収具を実現可能な、当該衛生吸収具の表面シートの構成部材として用いる不織布(以降、不織布と略すことがある)の提供を課題とする。
本願発明は、
「(請求項1)
下着に固定して使用する衛生吸収具の表面シートに用いる、不織布であって、
主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さが、0.0N/50mm幅よりも高く6N/50mm幅未満であって、
層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高い、
不織布。
(請求項2)
請求項1に記載の不織布を表面シートの構成部材として用いてなる、下着に固定して使用する衛生吸収具。」
である。
本願出願人は検討を続けた結果、「主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さが、0.0N/50mm幅よりも高く6N/50mm幅未満であって、層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高い」という構成を有する不織布によって、使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できることを見出した。
この理由は完全に明らかにできていないが、以下の効果が発揮されているためだと考えられる。
本願出願人は検討の結果、使用者の運動(例えば、歩行する、着席/離席するなど)の間、使用者が装着している下着はその運動に合わせて、人の左右方向へひねるように動かされ人の左右方向へ10%程度伸びることがあることを見出した。
特許文献1に開示されているような、不織布を表面シートの構成部材に用いてなる衛生吸収具を下着に固定し使用する場合、当該不織布の主面上における伸度の最も高い方向に直交する方向と、人の左右方向とが平行あるいは略平行になる。
このとき、使用者に不快感を与えないようにするためには、使用者が運動して下着が人の左右方向へ伸びる(10%程度伸びる)際に、下着の伸びに追従し易い物性を有する不織布を表面シートの構成部材に用いてなる衛生吸収具を提供する必要があることを見出した。
例えば、主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時の引張り強さが高い不織布を、衛生吸収具の表面シートの構成部材として採用した場合、当該不織布の存在によって、使用者の運動に伴う下着の伸びが阻害される結果、使用者に衛生吸収具が自身の体に強く擦れているという不快感や、衛生吸収具が自身の体に追従していないと感じさせ不快感を与えるという問題が生じた。特に、かぶれやかゆみなどが発生し易い生理後に性器へ当て使用するおりもの吸収シートや生理用ナプキンにおいては、軽失禁パッドや母乳吸収パッドなどに比べて、衛生吸収具が使用者へ上述した不快感を与え易いという問題が生じた。
なお、この問題は後述する実施例からも明らかな通り、例えば、不織布の10%伸長回復率(%)や50%伸長回復率(%)に強く影響を受けるものではなく、不織布の主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さ(N/50mm幅)に強く影響を受けるものであった。
そこで、本願出願人は、主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向に対し弱い力で10%伸長可能な不織布、具体的には「主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さが、0.0N/50mm幅よりも高く6N/50mm幅未満」の不織布を、下着に固定して使用する衛生吸収具の表面シートの構成部材として採用することに想到した。
また、特許文献1にも開示されているように、下着に固定して使用する衛生吸収具の表面シートに用いる不織布には、伸長性に富む不織布が採用される。しかし、本願出願人は検討の結果、伸長性に富む不織布は柔軟で変形し易い性質を有すると共に、形状安定性に劣る不織布でもあることを見出した。そして、形状安定性に劣る不織布を表面シートの構成部材として備えてなる衛生吸収具を下着に固定して使用した場合には、着用者の肌と擦れることで当該表面シート(不織布)の内部に層間剥離が発生し易い、および/または、当該表面シート(不織布)の表面にももけが発生し易いことを見出した。
その結果、層間剥離やももけが発生するなど形状が変化すると、衛生吸収具が下着にしっかりと固定されていないという感覚や、衛生吸収具が自身の体にフィットしていないという感覚、ももけた部分が肌と接触して違和感を与えるなど、使用者へ不快感を与えるという問題が生じた。また、層間剥離の発生によって、衛生吸収具の性能が意図せず低下するという問題も生じる恐れがあった。
この問題の発生をうけ本願出願人は検討を続けた結果、内部での層間剥離が発生し難い不織布は形状安定性に富むことを見出した。つまり、不織布の層間剥離強度と不織布の形状安定性は相関関係を有しており、層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高い不織布は形状安定性に富み、当該物性を有する不織布を採用することで、上述した問題が発生するのを防止できることを見出した。
以上から、本願発明にかかる構成を有する不織布によって、使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具、そして、当該衛生吸収具を実現可能な、当該衛生吸収具の表面シートに用いる不織布を提供できる。
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。なお、本発明で説明する各種測定は特に記載や規定のない限り、常圧のもと25℃温度条件下で測定を行った。そして、本発明で説明する各種測定結果は特に記載や規定のない限り、求める値よりも一桁小さな値まで測定で求め、当該値を四捨五入することで求める値を算出した。具体例として、小数第一位までが求める値である場合、測定によって小数第二位まで値を求め、得られた小数第二位の値を四捨五入することで小数第一位までの値を算出し、この値を求める値とした。また、本発明で例示する各上限値および各下限値は、任意に組み合わせることができる。
本発明の不織布とは、繊維同士が絡み合い構成されたシート状の繊維集合体を指す。
不織布の構成繊維(以降、構成繊維と称することがある)をなす成分は適宜選択でき、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をニトリル基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など公知のポリマーを採用できる。なお、これらのポリマーは、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、またポリマーがブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、またポリマーの立体構造や結晶性の有無がいかなるものでもよい。更には、多成分の樹脂を混ぜ合わせたものでも良い。
構成繊維は、一種類の成分から構成されてなるものでも、複数種類の成分から構成されてなるものでも構わない。複数種類の成分から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
また、構成繊維は綿や麻など天然繊維や再生セルロース繊維などを含んでいてもよい。構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
構成繊維は上述した成分以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、染料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤などの添加剤を含有していてもよい。顔料が含有されていることによって、肌の色をイメージした色(例えば、薄いオレンジ色など)の繊維など、原着繊維であることができる。また、染料を用いて繊維を染色してもよい。
更に、構成繊維は、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理、放電処理、界面活性剤付与処理、或いは親水性樹脂付与処理等により、親水性を向上することができる。理由は定かではないが、界面活性剤付与処理において、イオン性の異なる2種類以上の界面活性剤が付与された繊維は、体液等に含まれる様々なイオン成分とイオン的に馴染みやすいためか、血液や体液等を保持し易く好適である。界面活性剤はイオン性が異なるアニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性イオン系の中から選ばれる界面活性剤を1種類、又は2種類以上組み合わせて構成繊維へ付与することができる。
不織布は構成繊維として捲縮繊維を含んでいるのが好ましい。ここでいう捲縮繊維とは、例えば、クリンプを有する繊維や潜在捲縮繊維の捲縮が発現してなる複合繊維(例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型などの複合繊維など)であり、捲縮繊維を含んでいることによって、本発明にかかる物性を満足すると共に、より使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供でき好ましい。特に、本発明にかかる物性を満足すると共に、更に使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供でき好ましいことから、不織布の構成繊維は捲縮繊維のみであるのが好ましい。
不織布は捲縮繊維以外にも、単繊維や接着繊維(全溶融型の接着繊維や、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの一部溶融型の接着繊維)など、他の繊維を含有していても良い。これらの捲縮繊維以外の繊維は、捲縮繊維と同様の樹脂で構成でき、繊維長や繊度も捲縮繊維と同様の構成とすることができる。
不織布を構成する繊維の質量に占める捲縮繊維の質量割合は適宜調整するものであるが、より使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できるよう、30質量%以上であるのが好ましく、50質量%以上であるのが好ましく、70質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのが好ましく、構成繊維が捲縮繊維のみであるのがより好ましい。
構成繊維の繊度も適宜選択でき、より使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できるよう、例えば0.01~100dtexであることができ、0.1~50dtexであることができ、0.5~30dtexであることができ、1~10dtexであることができる。
また、構成繊維の繊維長は適宜選択でき、特定長にカットされた短繊維や長繊維、連続繊維(直接紡糸法を用いて調製された特定長にカットされていない繊維など)であることができるが、より使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できるよう、特定長にカットされた繊維であるのが好ましい。繊維長は、特に乾式法を用いてウェブを作成する場合には、20~150mmであることができ、25~100mmであることができ、30~90mmであることができ、40~80mmであることができる。また、特に湿式法を用いてウェブを作成する場合には1~30mmであることができ、3~20mmであることができ、5~15mmであることができる。なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c 直接法(C法)に則って測定された繊維長をいう。
構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
なお、不織布は一方向ウェブやクロスレイウェブまたはランダムウェブ、あるいは、これらのウェブを積層してなるクリスクロスウェブを用いて調製された不織布であることができる。
更に、これらのウェブへ水流やニードルを作用させたウェブ(水流絡合ウェブやニードルパンチウェブ)を用いて調製された不織布であることができる。水流やニードルを作用させてなるウェブを用いることで、構成繊維が強く絡合して層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高い不織布を提供でき好ましい。また、カレンダーロールなど加熱加圧処理を施された不織布であることができる。加熱加圧処理を施されることで、構成繊維同士の間隔が狭まり繊維接着することで、層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高い不織布を提供でき好ましい。
本発明にかかる不織布は、主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向(以降、方向Aと称することがある)の10%伸長時強さが、0.0N/50mm幅よりも高く6N/50mm幅未満であることを特徴としている。なお、不織布が上述した構成を満足するものであるか否かは、以下の方法で確認できる。
(不織布の、主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向(方向A)の確認方法)
(1)測定対象物(例えば、不織布)の主面上におけるある一方向と、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を採取する。
(2)定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、チャック間の距離(つかみ間隔):200mm、引張速度:500mm/分)へ試験片を供し、試験片が破断するまでチャック間の距離を離す(試験片が破断するまで試験片をその長さ方向へ伸長させる)。
そして、試験片が破断した時点のチャック間距離(C、単位:mm)を測定し、以下計算式へ代入することで、試験片における長さ方向の破断伸度(単位:%)を算出する。
破断伸度(単位:%)=100×(C-200)/200
(3)上述した(1)で使用した測定対象物の主面上における様々な方向と、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から別の試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を複数採取する。
(4)採取した各別の試験片を上述した(2)の測定へ供し、各試験片における長さ方向の破断伸度(単位:%)を各々算出する。
(5)測定された破断伸度(単位:%)うち、最も高い値を示した試験片の長さ方向を、測定対象物の主面上における伸度の最も高い方向(以降、方向Bと略すことがある)と判断する。そして、測定対象物の主面上における当該方向と直交する方向(測定対象物の主面上において、方向Bと90°をなす直線が伸びる方向)を、測定対象物の主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向(方向A)とする。
(方向Aの10%伸長時強さ(N/50mm幅)の測定方法)
(1)測定対象物(例えば、不織布)の方向Aと、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を採取する。
(2)定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、チャック間の距離(つかみ間隔):200mm、引張速度:500mm/分)へ試験片を供し、チャック間の距離を220mmになるまで離すことで試験片を長さ方向へ20mm延伸する(試験片をその長さ方向へ延伸させる)。そして、試験片を20mm延伸した時にチャックへ作用する応力を測定する。
(3)測定された応力を、測定対象物の主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さ(単位:N/50mm幅)とする。
なお、測定対象物(例えば、不織布)の方向Bと、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を採取し、当該試験片を工程(2)へ供することで、測定対象物の主面上における方向Bの破断伸度(単位:%)を求めることができる。
本願出願人は検討を続けた結果、「主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さが、0.0N/50mm幅よりも高く6N/50mm幅未満」であるという構成を有する不織布を表面シートの構成部材に用いることによって、使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できることを見出した。より使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できるよう、当該値の上限値は5N/50mm幅以下であるのが好ましく、4N/50mm幅以下であるのが好ましく、3N/50mm幅以下であるのが好ましい。なお、下限値は適宜調整可能であるが、0.4N/50mm幅より大きいのが現実的であり、0.5N/50mm幅以上であるのがより現実的である。
なお、不織布の主面上における伸度の最も高い方向(方向B)の10%伸長時強さは、適宜調整できる。例えば、0.0N/50mm幅よりも高く8N/50mm幅未満であることができ、0.5N/50mm幅以上6N/50mm幅未満であることができ、0.5N/50mm幅以上4N/50mm幅以下であることができる。
更に、使用方向を問わず、使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できることから、不織布における方向Aおよび方向Bはともに、10%伸長時強さが、0.0N/50mm幅よりも高く6N/50mm幅未満であるのが好ましい。
更に、本発明にかかる不織布は、層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高いことを特徴としている。なお、不織布が上述した構成を満足するものであるか否かは、以下の方法で確認できる。
(不織布における、層間剥離強度の確認方法)
(1)粘着テープ(一例として、積水化学工業株式会社製 商品名:ビニクロステープ No.750、長辺:220mm、短辺:50mmを使用する)を用意し、粘着テープにおける一方の長辺方向端部からもう一方の長辺方向端部へ向かう70mmまでの範囲において、粘着面を間に介するようにして重ね合わせることで掴み部を形成し、測定用粘着テープ(長辺:185mm、短辺:50mm)を調製する。なお、測定用粘着テープにおける、露出している粘着面の大きさは長辺150mmであり短辺50mmであって、掴み部の大きさは当該長辺方向の長さが35mmであり当該短辺方向の長さが50mmである
(2)同様にして、測定用粘着テープを6枚調製する。
(3)測定対象物(例えば、不織布)から3枚の試験片(長辺:150mm、短辺:50mm)を採取し、各試験片における両主面の各々に測定用粘着テープの露出している粘着面すべてを貼り付ける。このとき、試験片へ貼り付けられている両測定用粘着テープの掴み部同士が最短距離をなすようにして、測定対象物(例えば、不織布)へ貼り付ける。このようにして、測定用粘着テープ-測定対象物(例えば、不織布)-測定用粘着テープの順で積層してなる積層体を、合計3枚調製する。
(4)積層体をマングル機(加工速度:2.0m/min.、圧力:2.0kgf、加工回数:1回)へ供し、積層体の両主面間へ圧力を作用させる。
(5)定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、測定開始時のチャック間の間隔:50mm)に、積層体を成す両測定用粘着テープの各掴み部を固定する。その後、チャック間の長さが合計200mmとなるまで、積層体から測定用粘着テープを剥がす。
(6)項目5で説明したチャック間の長さが、合計100mmとなった時に測定される強度の値、合計120mmとなった時に測定される強度の値、合計140mmとなった時に測定される強度の値、合計160mmとなった時に測定される強度の値の、強度平均値を算出する。
(7)調製した3枚の積層体を以上の測定へ供し得られた各強度平均値を求め、さらにそれら各強度平均値の平均値を求める。このようにして求められた平均値を、測定対象物の剥離強度(単位:N/50mm幅)とする。
なお、不織布と他部材の積層体における当該不織布の諸物性を測定する場合には、当該積層体から他部材を除去するなどして得られた不織布を上述した測定へ供することで、不織布の諸物性を確認できる。
より使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できるよう、不織布の層間剥離強度は、15N/50mm幅以上であるのが好ましく、20N/50mm幅以上であるのが好ましく、23N/50mm幅以上であるのが好ましく、25N/50mm幅以上であるのが好ましく、30N/50mm幅以上であるのが好ましく、33N/50mm幅以上であるのが好ましい。なお、上限値は適宜調整可能であるが、100N/50mm幅以下であるのが現実的である。
不織布は機能性成分を含んでいてもよい。機能性成分の種類は求められる機能によって適宜選択できるため、限定されるものではないが、例えば、抗菌剤や殺菌剤、抗ウイルス剤、抗カビ剤、触媒(例えば、酸化チタンや二酸化マンガンあるいは白金担持アルミナなど)、調湿剤(例えば、シリカゲルやシリカマイクロカプセルなど)、活性炭やカーボンブラックなどの脱臭剤、顔料、芳香剤、陽イオン交換樹脂や陰イオン交換樹脂、薬効成分や美容成分、吸液性ポリマーなどを挙げることができる。
そして、機能性成分は不織布の構成繊維の表面および/または内部に粒子状、あるいは、不織布の構成繊維表面の一部または全部を被覆するように皮膜状で存在していることができる。不織布へ機能性成分を担持する方法は適宜選択できるが、例えば、機能性成分の溶液や分散液、あるいはバインダを含んだ機能性成分の溶液や分散液を、不織布あるいは不織布を構成可能な繊維ウェブにおける一方の主面あるいは両主面へ、噴霧あるいは既知のコーティング方法(例えば、グラビアロールを用いたキスコーティング法、ダイコーティング法など)を用いて担持した後、溶媒や分散媒を除去する方法や、不織布あるいは不織布を構成可能な繊維ウェブを上述の溶液や分散液に浸漬し引き上げた後、溶媒や分散媒を除去する方法などを採用できる。
特に、不織布に繊維油剤や機能性成分を付与することで、不織布の親水性や疎水性を調整できる。このような不織布を採用することによって、親水性や疎水性が調整された下着に固定して使用する衛生吸収具の表面シートを実現でき好ましい。
例えば、親水性に富む不織布を構成部材に採用してなる表面シートを備えた、下着に固定して使用する衛生吸収具では、表面シートに触れた体液が衛生吸収具へ素早く吸収され易い。その結果、使用中の不快感を感じ難い衛生吸収具を提供できる。また、疎水性に富む不織布を構成部材に採用してなる表面シートを備えた、下着に固定して使用する衛生吸収具では、衛生吸収具内部に吸収された体液が表面シートを通過し難い。その結果、表面がさらりとした感触を維持でき、使用中の不快感を感じ難い衛生吸収具を提供できる。
不織布の目付や厚さなどの諸構成や諸物性は適宜調整できる。目付は5~1000g/mであることができ、10~500g/mであることができ、20~200g/mであることができ、30~100g/mであることができる。そして、厚さは0.05~5mmであることができ、0.1~3mmであることができ、0.5~2mmであることができる。なお、本発明でいう「目付」とは主面における面積1mあたりの質量をいい、主面とは面積が最も広い面をいう。また、本発明でいう「厚さ」は、高精度デジタル測長機(株式会社ミツトヨ社製ライトマチック(登録商標))により計測した値であり、具体的には測定対象物の主面に対して5cmの荷重領域に100gfの荷重をかけた際の前記領域における厚さの値をいう。
本発明にかかる不織布を表面シートの構成部材として用いることによって、使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を提供できる。衛生吸収具の構成は適宜調整するが、剥離紙-粘着剤層-液体不透過性のフィルム層-吸液性ポリマーなど吸液材料層-本発明にかかる不織布を構成部材として備えた表面シート、の順で積層した構造を有する衛生吸収具であることができる。このような構成を有する衛生吸収具を使用する際には、当該衛生吸収具から剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層を下着に接着することで、表面シートが下着の着用者(衛生吸収具の使用者)に接触する状態にして使用できる。
本発明にかかる不織布は、単体で表面シートとして用いることができるものであるが、他の布帛(例えば、メッシュ、織物、編物、不織布、繊維ウェブなど)あるいは通気性を有するフィルムや発泡体などの他の部材を、更に積層してもよい。他の部材を積層させる方法は適宜選択できるが、ただ積層しただけの態様であっても、パウダーバインダ、スプレーバインダ、ホットメルトウェブなどのバインダにより接着して積層一体化した態様であっても、接着繊維など構成成分の溶融により接着して積層一体化した態様であってもよい。なお、他の部材の素材、目付や厚さなどの諸構成は、求められる態様に合わせ適宜調整あるいは選択できる。
しかし、より使用者に不快感を与えることが防止できるよう、本発明にかかる不織布のみを表面シートとして用いてなる、下着に固定して使用する衛生吸収具であるのが好ましい。
本発明の不織布の製造方法について、一例を挙げ説明する。本発明の不織布の調製方法は適宜選択できるが、例えば、以下の工程を経て調製できる。
(1)潜在捲縮繊維を含んだウェブを用意する工程。
(2)ウェブを繊維絡合工程へ供する工程、
(3)繊維絡合工程へ供した後のウェブを、加熱処理へ供することで潜在捲縮繊維の捲縮を発現させて、不織布を調製する工程、
を採用できる。
上述した工程(1)において、一例としてクロスレイウェブを採用して不織布を製造できるが、ウェブは、例えば、次のようにして調製できる。潜在捲縮繊維を含む繊維群をカード機またはエアレイ機などへ供することにより、一方向繊維ウェブを調製する。そして、調製した一方向繊維ウェブをクロスラッパー等へ供することで一方向繊維ウェブを折り重ね、当該一方向繊維ウェブが積層している部分を有する繊維ウェブを調製する。このとき、積層している各一方向繊維ウェブ部分における各構成繊維が配向している方向が、生産方向と平行を成すことなく互いに異なり、主面方向内で少なくとも二方向性の繊維配向を有するように調整する。
上述した工程(2)において、ウェブの構成繊維を絡合させる方法は適宜選択でき、繊維絡合工程としてニードルパンチ処理へ供する方法や、水流絡合処理へ供する方法などを採用できる。特に、本発明にかかる物性を満足する不織布を提供し易いことから、水流絡合処理へ供することでウェブの構成繊維を絡合させるのが好ましい。
上述した工程(3)において、加熱処理の方法は適宜選択できるが、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている有機樹脂を加熱する方法などを用いることができる。
また、加熱温度はウェブを構成する潜在捲縮繊維の捲縮が発現する温度であるが、ウェブの構成成分(構成繊維、バインダ、機能性成分など)に意図しない変性が発生しない温度に調整するのが好ましい。なお、本工程においてバインダを溶融させる、および/または、接着繊維による繊維接着機能を発揮させることで、ウェブの構成繊維同士を接着一体化してもよい。
更に、カレンダーロールなど加熱加圧処理を施してもい。加熱加圧処理を施されることで、構成繊維同士の間隔が狭まり繊維接着することで、層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高い不織布を提供でき好ましい。
そして、上述の工程を経たウェブを、放冷あるいは冷却することで不織布を製造できる。
本発明の不織布は、他の布帛(例えば、メッシュ、織物、編物、不織布、繊維ウェブなど)あるいは通気性を有するフィルムや発泡体などの他の部材を、更に積層してもよい。また、本発明の不織布をリライアントプレス処理などの、表面を平滑とするために加圧処理する工程へ供してもよい。また、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜いた後に加熱成形する工程や、機能性成分を担持する工程、薬剤との親和性を向上するための親水化処理工程など、各種二次加工工程へ供してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
(比較例1)
サイドバイサイド型に構成されたポリエステル系樹脂の潜在捲縮繊維A(繊維の断面形状:円形、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)80質量%と、ポリエステル系樹脂繊維(繊維の断面形状:円形、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)20質量%を混綿しカード機へ供しウェブを調製した後、ニードルパンチ装置へ供することで構成繊維を絡合させた。その後、オーブンへ供することで、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させた。このようにして、不織布を調製した。
(実施例1)
サイドバイサイド型に構成されたポリエステル系樹脂の潜在捲縮繊維A(繊維の断面形状:円形、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)のみをカード機へ供しウェブを調製した後、水流絡合装置へ供することで構成繊維を絡合させた。その後、オーブンへ供することで、潜在捲縮繊維の捲縮を発現させた。このようにして、不織布を調製した。
(実施例2)
潜在捲縮繊維Aの代わりに、サイドバイサイド型に構成されたポリエステル系樹脂の潜在捲縮繊維B(繊維の断面形状:円形、繊度:1.3dtex、繊維長:44mm)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、不織布を調製した。
(実施例3)
実施例2で調製した不織布をリライアントプレス機へ供することで、厚みを変更し、不織布を調製した。
(実施例4)
カード機へ供する繊維量を増量したこと以外は、実施例1と同様にして、不織布を調製した。
(比較例2)
ポリプロピレン系樹脂で構成されたメルトブロー不織布(平均繊維径:4μm、連続繊維)を用意した。
上述のようにして製造した不織布の各物性は、以下方法を用いて測定した。
(破断強度(N/50mm幅)の測定方法)
(1)測定対象物(例えば、不織布)の方向Aと、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を採取する。
(2)定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン、チャック間の距離(つかみ間隔):200mm、引張速度:500mm/分)へ試験片を供し、試験片が破断するまでチャック間の距離を離す(試験片が破断するまで試験片をその長さ方向へ伸長させる)。試験片が破断するまでの間に測定された応力の最大値を、測定対象物の方向Aにおける破断強度(単位:N/50mm幅)とする。
(3)測定対象物(例えば、不織布)の方向Bと、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を採取する。
(4)当該試験片を工程(2)へ供し、測定対象物の方向Bにおける破断強度(単位:N/50mm幅)を算出する。
(10%伸長回復率(%)の測定方法)
(1)測定対象物(例えば、不織布)の方向Aと、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を採取する。
(2)定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片を両チャック間(チャック間の距離(つかみ間隔):200mm)に固定する。このつかみ間隔200mmの位置を始点とし、試験片をその長さ方向へ伸長させ、始点から20mmの位置、即ち10%伸長位置(L10=20mm)まで速度500mm/分で引張った後、同速度で始点まで戻す。この引張時に試料片の引張応力が0.05Nになったときのつかみ間隔の長さから初期つかみ間隔の長さ(200mm)を引いた長さ(Lf)、及び、戻す時に試料片の引張応力が0.05Nになったときのつかみ間隔の長さから初期つかみ間隔の長さ(200mm)を引いた長さ(Lb)を測定する。次の式から算出される数値を10%伸長回復率とする。
10%伸長回復率(%)=〔[(L10-Lf)―(Lb-Lf)]/(L10-Lf)〕×100
(3)測定対象物(例えば、不織布)の方向Bと、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を採取する。
(4)当該試験片を工程(2)へ供し、測定対象物の方向Bにおける10%伸長回復率(単位:%)を算出する。
(50%伸長回復率(%)の測定方法)
(1)測定対象物(例えば、不織布)の方向Aと、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を採取する。
(2)定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、試料片を両チャック間(チャック間の距離(つかみ間隔):200mm)に固定する。このつかみ間隔200mmの位置を始点とし、試験片をその長さ方向へ伸長させ、始点から100mmの位置、即ち50%伸長位置(L50=100mm)まで速度500mm/分で引張った後、同速度で始点まで戻す。この引張時に試料片の引張応力が0.05Nになったときのつかみ間隔の長さから初期つかみ間隔の長さ(200mm)を引いた長さ(Lf)、及び、戻す時に試料片の引張応力が0.05Nになったときのつかみ間隔の長さから初期つかみ間隔の長さ(200mm)を引いた長さ(Lb)を測定する。次の式から算出される数値を50%伸長回復率とする。
50%伸長回復率(%)=〔[(L50-Lf)―(Lb-Lf)]/(L50-Lf)〕×100
(3)測定対象物(例えば、不織布)の方向Bと、試験片の長さ方向とが平行を成すようにして、測定対象物から試験片(長さ:250mm、幅:50mm)を採取する。
(4)当該試験片を工程(2)へ供し、測定対象物の方向Bにおける50%伸長回復率(単位:%)を算出する。
上述のようにして製造した各不織布を表面シートとして用いてなる、下着に固定して使用する衛生吸収具を調製した。具体的には、剥離紙-粘着剤層-液体不透過性のフィルム層-吸液性ポリマーなど吸液材料層-不織布(表面シート)の順で積層した構造を有する衛生吸収具を調製した。
次いで、衛生吸収具から剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層を下半身用下着の股間部に接着した。このとき、不織布の方向Aが、人の左右方向と平行を成すようにして、衛生吸収具を接着した。そして、当該衛生吸収具が固定された下着を被験者に装着させ、装着中(使用中)に以下の不快感Aならびに不快感Bを感じるか否かを評価させた。
(不快感A)
比較例2で調製した不織布を表面シートとして用いてなる衛生吸収具を使用している際に感じた、衛生吸収具が自身の体に強く擦れているという不快感、および/または、衛生吸収具が自身の体に追従していないと感じる不快感を基準とし、当該不織布を「×」と評価した。
一方、「×」と評価した不織布を表面シートとして用いてなる衛生吸収具よりも、不快感を感じなかった衛生吸収具が備える不織布(表面シート)を「○」と評価した。
(不快感B)
比較例1で調製した不織布を表面シートとして用いてなる衛生吸収具を使用している際に感じた、衛生吸収具が下着にしっかりと固定されていないという感覚、衛生吸収具が自身の体にフィットしていないという感覚、ももけた部分が肌と接触するため違和感を覚えるなどして、感じた不快感を基準とし、当該不織布を「×」と評価した。
一方、「×」と評価した不織布を表面シートとして用いてなる衛生吸収具よりも、不快感を感じなかった衛生吸収具が備える不織布(表面シート)を「○」と評価した。
なお、不快感Bの評価において「○」と評価された不織布を表面シートとして用いてなる衛生吸収具では、使用後の衛生吸収具における表面シート(不織布)の内部に層間剥離、および、表面にももけは発生していなかった。一方、不快感Bの評価において「×」と評価された不織布を表面シートとして用いてなる衛生吸収具では、使用後の衛生吸収具における表面シート(不織布)の内部に層間剥離、および、表面にももけが発生していた。
調製した各不織布の諸物性を評価し、表1にまとめた。なお、比較例2の不織布は測定中に破断を生じたため、全種類の測定結果を得ることができなかった。得ることができなかった測定結果については、表中に「-」印を記載した。
Figure 2023164210000001
以上の結果から、「主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さが、0.0N/50mm幅よりも高く6N/50mm幅未満であって、層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高い」という構成を満足する不織布を表面シートに用いることで、使用者に不快感を与えることが防止された、下着に固定して使用する衛生吸収具を実現できるものであった。
また、不快感Aや不快感Bの有無や程度は、例えば、不織布の10%伸長回復率(%)や50%伸長回復率(%)に強く影響を受けるものではなく、不織布の主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さ(N/50mm幅)に強く影響を受けるものであった。
本発明の不織布は、下着に固定して使用する衛生吸収具の表面シートの構成部材として用いることができる。

Claims (2)

  1. 下着に固定して使用する衛生吸収具の表面シートに用いる、不織布であって、
    主面上における伸度の最も高い方向と直交する方向の10%伸長時強さが、0.0N/50mm幅よりも高く6N/50mm幅未満であって、
    層間剥離強度が10N/50mm幅よりも高い、
    不織布。
  2. 請求項1に記載の不織布を表面シートの構成部材として用いてなる、下着に固定して使用する衛生吸収具。
JP2022076188A 2022-04-29 2022-05-02 不織布 Pending JP2023164210A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022075554 2022-04-29
JP2022075554 2022-04-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023164210A true JP2023164210A (ja) 2023-11-10

Family

ID=88651751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022076188A Pending JP2023164210A (ja) 2022-04-29 2022-05-02 不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023164210A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6633783B2 (ja) 伸張性不織布
RU2368501C2 (ru) Способ производства многофункционального эластичного слоистого материала
US10759141B2 (en) Stretchable laminated sheet
US7078089B2 (en) Low-cost elastic laminate material
JP4026926B2 (ja) 紙おむつ用トップシートおよび紙おむつ用多層不織布
RU2724844C1 (ru) Впитывающее изделие
CN107411884A (zh) 包括流体处理区的吸收制品
KR20160130784A (ko) 화장료 함침 피부 피복 시트용 부직포 및 그 제조 방법
JP5324403B2 (ja) 化粧料含浸用皮膚被覆シート及びその製造方法、並びにこれを用いたフェイスマスク
RU2713963C1 (ru) Многослойный нетканый материал, способ его изготовления, впитывающее изделие и потовпитывающий лист
JP2021525596A (ja) 吸収性物品向けの流体分配材料
US10052840B2 (en) Laminated non-woven fabric, and manufactured article using the same
JPH0288058A (ja) 衛生用品の表面材
JP2005139594A (ja) 不織布およびその製造方法
JP2023164210A (ja) 不織布
RU2735657C1 (ru) Впитывающее изделие
JP7420649B2 (ja) 積層体不織布
JP2012197539A (ja) 多層繊維構造物
JP4013346B2 (ja) 不織布およびこれを用いた吸収性物品
TW202122257A (zh) 積層伸縮不織布、衛生材料、及積層伸縮不織布之製造方法
JP2023177824A (ja) 伸縮性繊維シート
JP2020105084A (ja) 貼付薬用基材
JP2020203421A (ja) 積層体、および、当該積層体を備えた貼付剤
JP2024039890A (ja) 不織布、マスク用口元材およびマスク
JP2021094072A (ja) 伸縮性繊維シート