JP2023158414A - モータ制御装置、電動コンプレッサ、モータ制御方法、及びモータ制御プログラム - Google Patents

モータ制御装置、電動コンプレッサ、モータ制御方法、及びモータ制御プログラム Download PDF

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和彦 芹澤
Kazuhiko Serizawa
哲 春原
Satoru Haruhara
清隆 角藤
Kiyotaka Kadofuji
健志 清水
Kenji Shimizu
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Abstract

【課題】損失低減及びモータの動作安定化を行うことのできるモータ制御装置、電動コンプレッサ、モータ制御方法及びモータ制御プログラムを提供する。【解決手段】モータ制御装置10は、交流モータのモータ電流iu、iv、iwの位相θ0を所定の進角量θ進めた進角位相θtと、交流モータのトルク指令値N*とを用いて、正弦波の電圧指令vu*、vv*、vw*を生成する指令生成部11と、電圧指令における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間として設定し、マスク期間以外の期間に、電圧指令に基づく電圧を用いて交流モータのPWM信号を生成するPWM制御部25とを備える。【選択図】図3

Description

本開示は、モータ制御装置、電動コンプレッサ、モータ制御方法、及びモータ制御プログラムに関するものである。
空気調和機(空調機)には、圧縮機のモータを駆動するための負荷(モータ)駆動用交流電力を生成するインバータ装置が搭載されている。良く知られているインバータ装置は、商用電源(例えば、AC200V三相交流電源)から入力された三相交流電圧を、一旦、整流回路(コンバータ)を通じて直流電圧に変換し、インバータ装置で当該直流電力を所望するモータ駆動用交流電力に変換する。このようなインバータ装置として、v/f制御方式で出力制御を行うものやベクトル制御方式で出力制御を行うものが知られている。
特許文献1では、インバータ装置におけるスイッチング損失を低減するために、一定の期間(マスク期間)の間、PWM制御のパルス信号を停止させる制御(以下「部分2相通電制御」という)を行っている。この部分2相通電制御は、特許文献2及び特許文献3にも開示されている。
特開2018-164347号公報 特開2019-004616号公報 特開2019-004617号公報
しかしながら、部分2相通電制御を行うにあたり、マスク期間を設けると、スイッチング素子の制御の急停止及び急開始を伴うため、モータへ供給される三相交流電圧波形が歪み、モータのトルクに影響を及ぼす可能性がある(トルクショック等)。このような場合には、振動や騒音、脱調、効率悪化といった異常状態が発生してモータの動作安定性が低下する可能性がある。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、モータトルクの低減の抑制及びモータの動作安定化を図ることのできるモータ制御装置、電動コンプレッサ、モータ制御方法、及びモータ制御プログラムを提供することを目的とする。
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係るモータ制御装置は、交流モータのモータ電流の位相を所定の進角量進めた進角位相と、交流モータのトルク指令値とを用いて、正弦波の電圧指令を生成する指令生成部と、電圧指令における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間として設定し、マスク期間以外の期間に、電圧指令に基づく電圧を用いて交流モータのPWM信号を生成するPWM制御部とを備える。
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係るモータ制御方法は、交流モータのモータ電流の位相を所定の進角量進めた進角位相と、交流モータのトルク指令値とを用いて、正弦波の電圧指令を生成する指令生成工程と、電圧指令における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間として設定し、マスク期間以外の期間に、電圧指令に基づく電圧を用いて交流モータのPWM信号を生成するPWM制御工程と、を有する。
本開示の幾つかの実施形態における一態様に係るモータ制御プログラムは、コンピュータを上記モータ制御装置として機能させる。
本開示によれば、モータトルクの低減の抑制及びモータの動作安定化を図ることができるという効果を奏する。
本開示の一実施形態に係るインバータ装置の全体図である。 本開示の一実施形態の制御装置のハードウェア構成の一例を示した図である。 本開示の一実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。 位相の進角量とモータ電流との関係を示した図である。 位相の進角量とモータ電流との関係をマスク期間の幅毎に示した図である。 本開示の一実施形態に係るモータ制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。
以下に、本開示に係るモータ制御装置、電動コンプレッサ、モータ制御方法、及びモータ制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、空気調和機に搭載される圧縮機の回転数制御に用いられる場合を例示するが、本開示に係るモータ制御装置は、この例に限られない。すなわち、本実施形態に係るモータ制御装置は、直流電圧を交流電圧に変換し、この交流電圧によって駆動される交流モータに広く適用可能である。
(インバータ装置の回路構成)
図1は、本開示の一実施形態に係るインバータ装置の回路構成の一例を示す図である。
図1に示すように、電動コンプレッサ90は、インバータ装置1と、モータ(交流モータ)80と、圧縮機81とを備えている。
電動コンプレッサ90は、例えば、空気調和機の室外機に搭載される。圧縮機81は、空気調和機の冷媒回路に設けられ、冷媒を圧縮して出力する。インバータ装置1は、圧縮機81を駆動するためのモータ80に対し、別途入力されるトルク指令値に応じた三相交流電圧を出力する。本実施形態ではモータ80として三相交流モータを例示して説明するが、この例に限られない。例えば、モータ80は、3相に限られず、2相交流モータ等の交流モータであってもよい。インバータ装置1から出力される三相交流電圧に基づいてモータ80が回転駆動されることにより、その駆動力が圧縮機81に伝達されて、圧縮機81が回転駆動される。
インバータ装置1は、制御装置(モータ制御装置)10と、インバータ主回路20とを備える。
インバータ装置1は、直流電源PSから供給される直流電圧VdcをU相交流電圧、V相交流電圧及びW相交流電圧の3相の交流電圧に変換する。
インバータ装置1からモータ80に接続されている3相の各配線には、電流検出部30が設けられている。電流検出部30は、インバータ装置1からモータ80に出力される3相の印加電圧(交流電圧vu、vv、vw)に関連してモータ80に流れるU相、V相、W相の各電流iu、iv、iwを検出し、各電流iu、iv、iwの検出結果を制御装置10に通知する。なお、モータ電流の検出についてはこの例に限られず、公知の検出手法を適宜適用することが可能である。
(インバータ主回路)
インバータ主回路20は、例えば、スイッチング素子群21と、正極DC端子Qaと、負極DC端子Qbとを備える。
正極DC端子Qa及び負極DC端子Qbは、直流電圧Vdcが入力される端子である。
正極DC端子Qa、負極DC端子Qbは、直流電源PSの正極、負極にそれぞれ接続されている。
スイッチング素子群21は、直流電圧Vdcの間に直列に接続された2つのスイッチング素子の対を3対備える。ここで、スイッチング素子とは、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)等のパワートランジスタである。上記直列接続されたスイッチング素子の各対は、三相交流モータ(モータ80)を回転駆動させるための3つの相のそれぞれに対応して設けられる。各スイッチング素子には、還流ダイオードが並列接続されている。
図1に示すように、スイッチング素子群21は、直流電圧Vdcが入力される正極DC端子Qaから負極DC端子Qbへ直列に接続された上アームのスイッチング素子21UH及び下アームのスイッチング素子21ULの対を有する。
さらに、スイッチング素子群21は、正極DC端子Qaから負極DC端子Qbへ直列に接続された上アームのスイッチング素子21VH及び下アームのスイッチング素子21VLの対を有する。
さらに、スイッチング素子群21は、正極DC端子Qaから負極DC端子Qbへ直列に接続された上アームのスイッチング素子21WH及び下アームのスイッチング素子21WLの対を有する。
上アームのスイッチング素子21UH及び下アームのスイッチング素子21ULの対は、後述するPWM制御部25から出力されるゲート信号によりスイッチングされ、U相の交流電圧vuを発生させる。上アームのスイッチング素子21UH及び下アームのスイッチング素子21ULの対は、例えば、ゼロ電圧領域RGZを除く領域において、交互にスイッチングされる。
同様に、上アームのスイッチング素子21VH及び下アームのスイッチング素子21VLの対は、PWM制御部25から出力されるゲート信号によりスイッチングされ、V相の交流電圧vvを発生させる。上アームのスイッチング素子21VH及び下アームのスイッチング素子21VLの対は、例えば、ゼロ電圧領域RGZを除く領域において、交互にスイッチングされる。
同様に、上アームのスイッチング素子21WH及び下アームのスイッチング素子21WLの対は、PWM制御部25から出力されるゲート信号によりスイッチングされ、W相の交流電圧vwを発生させる。上アームのスイッチング素子21WH及び下アームのスイッチング素子21WLの対は、例えば、ゼロ電圧領域RGZを除く領域において、交互にスイッチングされる。
(制御装置のハードウェア構成図)
図2は、本実施形態に係る制御装置10のハードウェア構成の一例を示した図である。
図2に示すように、制御装置10は、例えば、マイクロプロセッサ等のコンピュータであり、例えば、CPU(プロセッサ)110と、補助記憶装置120と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)130と、ネットワーク等に接続するための通信部140とを備えている。これら各部は、バス180を介して接続されている。補助記憶装置120の一例として、半導体メモリ等が挙げられる。
後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、例えば、プログラムの形式で補助記憶装置120に記録されており、このプログラムをCPU110がRAM130等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。なお、プログラムは、補助記憶装置120に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、半導体メモリ等である。
(制御装置の機能ブロック)
図3は、本開示の一実施形態に係る制御装置の機能構成を示す図である。図3に示すように、制御装置10は、指令生成部11と、PWM制御部25とを備えている。
指令生成部11は、モータ80のモータ電流iu、iv、iwの位相θ0を所定の進角量θ進めた進角位相θtと、モータ80のトルク指令値N*とを用いて、正弦波の電圧指令vu*、vv*、vw*を生成する。
PWM制御部25は、指令生成部11から出力される電圧指令vu*、vv*、vw*における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間として設定し、マスク期間以外の期間に、電圧指令vu*、vv*、vw*に基づく電圧を用いて交流モータのPWM信号を生成する。
指令生成部11は、例えば、3相/2相変換部14と、電流制御部13と、2相/3相変換部15とを備えている。更に、指令生成部11は、位相推定部50と、速度制御部12とを備えている。
位相推定部50は、位相進角司令部51を備える。位相進角司令部51は、例えば、トルク指令値N*と進角量θとが関連付けられた情報を用いて、トルク指令値N*に応じた進角量θを特定する。なお、進角量θの詳細については、後述する。
位相推定部50は、後述するPWM信号生成部22が生成したPWM信号及び電流検出部30によって検出されたモータ80の3相の交流電流iu、iv、iwに基づいて、モータ80の位相θ0を推定し、3相/2相変換部14及び速度制御部12へ出力する。また、位相推定部50は、推定したモータ80のモータ電流iu、iv、iwの位相θ0に位相進角司令部51によって特定された進角量θを与えることにより、位相θ0を進角量θ進めた進角位相θtを2相/3相変換部15へ出力する。
3相/2相変換部14は、位相推定部50から出力された位相θ0を用いて、電流検出部30によって検出された3相のモータ電流iu、iv、iwを2相のモータ電流id、iqに変換する。そして、3相/2相変換部14は、2相の交流電流であるd軸電流id、q軸電流iqを電流制御部13へ出力する。
速度制御部12は、例えば、位相推定部50から出力される位相θ0を用いて、モータ80の回転速度を表すモータ回転速度ωを演算する。なお、この例に限られず、速度制御部12には、位相推定部50から進角位相θtが出力される構成とし、速度制御部12は、進角位相θtを用いてモータ回転速度ωを演算することとしてもよい。
電流制御部13は、例えば、速度制御部12からのモータ回転速度ωと、トルク指令値N*とに基づいて、d軸電流指令id*及びq軸電流指令iq*を生成する。そして、d軸電流指令id*及びq軸電流指令iq*と、3相/2相変換部14から出力されるd軸電流id、q軸電流iqとを用いて、d軸電圧指令vd*とq軸電圧指令vq*とを生成する。
電流制御部13は、例えば、d軸電流指令id*とd軸電流idとの偏差がゼロとなるようなd軸電圧指令vd*を、トルク指令値N*を用いて生成する。また、電流制御部13は、例えば、q軸電流指令iq*とq軸電流iqとの偏差がゼロとなるようなq軸電圧指令vq*を、トルク指令値N*を用いて生成する。ここでは、例えば、PI制御等の制御方式を用いればよい。なお、電圧指令の生成手法については、様々な公知の技術が提案されており、それらの一つを適宜採用すればよい。
2相/3相変換部15は、位相推定部50から出力された進角位相θtを用いて、電流制御部13から出力されたd軸電圧指令vd*、q軸電圧指令vq*を3相の交流電圧の各々に対応する交流電圧指令vu*、vv*、vw*に変換する。これにより、モータ80のトルク指令値N*に応じた正弦波の電圧指令が生成される。
PWM制御部25は、交流電圧指令vu*、vv*、vw*に基づいて、部分2相通電制御を行う。例えば、PWM制御部25は、PWM信号生成部22と、マスク期間司令部60と、マスク期間設定部61とを備えている。
PWM信号生成部22は、2相/3相変換部15から出力された交流電圧指令vu*、vv*、vw*と、基準となるキャリア信号(例えば、三角波またはのこぎり形状波)の電圧波形とを比較してPWM信号を生成する。なお、所望の正弦波の電圧指令に基づいてPWM信号が生成されれば、上記の構成に限定されず用いることが可能である。
マスク期間司令部60は、交流電圧指令vu*、vv*、vw*における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間(ゼロ電圧領域RGZ)として設定する。角度範囲は、任意に設定可能であるが、本実施形態では、例えば60°(例えば、振幅がゼロとなる点を中心に±30°)とする。
マスク期間設定部61は、PWM信号生成部22によって生成されたPWM信号において、マスク期間司令部60によって設定されたマスク期間のPWM信号をゼロに設定することにより、PWM信号を補正する。
PWM制御部25によって生成されたマスク期間が設けられたPWM信号は、スイッチング素子群21を構成する各スイッチング素子のゲート信号として与えられる。これにより、スイッチング素子21UH、スイッチング素子21UL、スイッチング素子21VH、スイッチング素子21VL、スイッチング素子21WH、スイッチング素子21WLの各ゲートに対して、ゲート信号SG(21UH)、ゲート信号SG(21UL)、ゲート信号SG(21VH)、ゲート信号SG(21VL)、ゲート信号SG(21WH)、ゲート信号SG(21WL)がそれぞれ出力され、部分2相通電制御が実現される。
(進角量の設定方法)
次に、本実施形態に係る進角量θの設定方法について説明する。
上述したように、本実施形態に係る制御装置10は、部分2相通電制御を採用する。部分2相通電制御は、マスク期間(PWM停止期間)を設け、スイッチングを停止する期間を設けることにより、スイッチング損失を低減するものである。しかしながら、マスク期間を設けることにより、モータ80の平均トルクが低下してしまうという弊害がある。
ここで、発明者らは、モータ80の位相に進角を加えることでトルク低減を抑制でき、効率の改善を図ることができるという知見を得た。この進角量θを適切な値に設定することで、トルク低減を効果的に抑制することが可能となる。以下、事前にシミュレーションを行い、適切な進角量θの範囲について検討した。
(比較例1:通常制御)
まず、比較例1として、部分2相通電制御を行わずに、すなわち、マスク期間を設けずにPWM制御を行う場合を考える。
まず、平均トルクを算出するために、モータ80の3相の交流電流を2相の交流電流に変換し、さらに座標系の変換を行うことによりd軸電流及びq軸電流を算出する。そして、d軸電流Id及びq軸電流Iqを用いることにより平均トルクが算出される。ここで、d軸電流Idはd軸交流電流idのRMS値(実効値)であり、q軸電流Iqはq軸交流電流iqのRMS値である。
部分2相通電制御を行わずに通常制御により運転する場合の平均トルクT1は、電機子鎖交磁束をφm、極対数をP、d軸インダクタンスをLd、q軸インダクタンスをLq、通常制御時のd軸電流をId1、通常制御時のq軸電流をIq1とすると、以下の(1)式のように表される。
T1=P×φm×Iq1+P×(Lq-Ld)×Id1×Iq1 (1)
ここで、通常制御時のd軸電流Id1は、実際にはId1≠0ではなく、MTPA(Maximum Torque per Ampere)軌跡により少し進角した値となっており、通常制御時のq軸電流Iq1を用いて以下の(2)式のように表される。
Id1=Iq1×tan(θ0) (2)
したがって、式(2)より、式(1)は以下の(3)式のように変形できる。
T1=P×φm×Iq1+P×(Lq-Ld)×Iq1×tan(θ0)×Iq1 (3)
(比較例2:部分2相通電制御+進角量ゼロ)
次に、比較例2として、部分2相通電制御において、進角量を用いずに運転する場合を考える。
この場合の平均トルクT2は、以下の通りである。
平均トルクT1と同様に平均トルクT2は、電機子鎖交磁束をφm、極対数をP、d軸インダクタンスをLd、q軸インダクタンスをLq、部分2相通電制御時のd軸電流をId2、部分2相通電制御時のq軸電流をIq2すると、以下の(4)式のように表される。
T2=P×φm×Iq1+P×(Lq-Ld)×Id2×Iq2 (4)
なお、部分2相通電制御はマスク期間を設けているため、比較例1の通常制御と比べて各相の電流値が低下する。したがって、Iq1>Iq2であり、T1>T2となる。
そして、通常制御時と同様に、部分2相通電制御時のd軸電流Id2は以下の(5)式のように表される。
Id2=Iq2×tan(θ0) (5)
したがって、式(5)より、式(4)は以下の(6)式のように変形できる。
T2=P×φm×Iq2+P×(Lq-Ld)×Iq2×tan(θ0)×Iq2 (6)
(本件:部分2相通電制御+進角量考慮)
次に、本件として、部分2相通電制御において、モータ電流の位相θ0を所定の進角量θ進めて運転する場合を考える。
この場合の平均トルクT3は以下の通りである。
平均トルクT1及び平均トルクT2と同様に平均トルクT3は、電機子鎖交磁束をφm、極対数をP、d軸インダクタンスをLd、q軸インダクタンスをLq、部分2相通電制御時のd軸電流をId3、部分2相通電制御時のq軸電流をIq3すると、以下の(7)式のように表される。
T3=P×φm×Iq3+P×(Lq-Ld)×Id3×Iq3 (7)
ここで、部分2相通電制御においてモータ電流の位相を所定の進角量θ進めた場合のd軸電流Id3は、q軸電流Iq3を用いて、以下の(8)式のように表される。
Id3=Iq3×tan(θ0+θ) (8)
したがって、式(8)より、式(7)は以下の(9)式のように変形することができる。
T3=P×φm×Iq3+P×(Lq-Ld)×Iq3×tan(θ0+θ)×Iq3 (9)
そして、本件の平均トルクT3と各比較例1、2の平均トルクT1、T2とを比較することにより、モータ80の運転効率を改善する進角量θの範囲を特定することができる。
例えば、比較例1と本件との平均トルクが同じ値(T3=T1)になるような進角量θとすることで、通常運転と同等のトルクで効率よく動作させることができる。すなわち、T3=T1とし、θについて解くと、以下の(10)式が得られる。
このθを進角量として用いることで、部分2相通電制御を行う場合でも、部分2相通電制御を行わない通常運転とほぼ同様のトルクを得ることが可能となる。そして、上記計算をモータ80に与えられるトルク指令値N*の範囲においてそれぞれ行うことにより、各トルク指令値N*に対応する進角量θの最適値が得られることとなる。そして、トルク指令値N*と進角量θとが対応付けられた情報を予め用意し、位相進角司令部51に与えておくことで、トルク指令値N*に応じた最適な進角量θを用いてPWM制御を行うことが可能となる。なお、トルク指令値N*と進角量θとが対応付けられた情報は、例えば、テーブルとして与えられてもよいし、トルク指令値N*をパラメータとして含み、トルク指令値N*から進角量θを導出する関数として与えられてもよい。
上記情報は、例えば、位相進角司令部51がアクセス可能なメモリ領域に格納されており、位相進角司令部51がこの情報を用いてトルク指令値N*に応じた進角量θを取得する構成とされていればよい。
また、進角量θとして、上述のように最適値を採用する他、以下のような手法によって進角量θを設定することも可能である。
例えば、進角量θをゼロとして部分2相通電制御を行う場合(比較例2)のトルクT2と、進角量θを用いて部分2相通電制御を行う場合(本件)のトルクT3とを比較する。この場合、T3>T2となる進角量θの範囲であれば、位相を進角させることによるトルクの低減抑制効果が得られこととなる。
すなわち、T3=T2とし、θについて解くと、以下の(11)式が得られる。
つまり、T3=T2を満たす進角量θの値が、進角量θの取り得る範囲の境界値となる。
図4は、進角量θとモータ電流との関係を示した図である。このグラフは、上述した(9)式に基づいて得られた関係である。図4において、横軸は進角量θ、縦軸はモータ電流を示している。ここで、モータ電流が小さいほど、モータ効率が良いことを示している。図4に示すように、進角量θを変化させると、モータ電流が変化することがわかる。具体的には、進角量θ=θ1で最小値(最適進角量)を取り、その点を境にモータ電流が増加する傾向を示している。
図4において、最適進角量θ=θ1は、例えば、上述したT3=T1となる進角量θである。すなわち、上記(10)式を満たす進角量θの値である。また、進角量θ=0,最大進角量θ2の値は、上述したT3=T2を満たす進角量θである。すなわち、上記(11)式を満たす進角量θの値である。
これより、進角量θを0<θ<θ2の範囲におけるいずれかの値に設定することで、部分2相通電制御を行う場合において、モータ効率の低下を抑制することが可能となる。
なお、最適進角量θ1は、T3=T1となる進角量であると同時に、T3とT2との差分が最も大きくなる値である。また、最適進角量θ1は、T1、T2との比較を行うことなく、例えば、モータ電流と進角量θとの関係を示した図4のグラフから得ることとしてもよい。すなわち、モータ電流が最小となる進角量が最適進角量となる。
また、図4から0<θ≦θ1の範囲と、θ1≦θ<θ2の範囲とで、モータ電流の値は同じである。このことから、進角量θの取り得る範囲として、0<θ≦θ1を設定すればよいことがわかる。すなわち、進角量θは、0<θ≦θ1の範囲から適宜設定すればよい。
図5は、位相の進角量θに対するモータ電流の関係をマスク期間の幅毎に示すグラフである。図5において、横軸は進角量θ、縦軸はモータ電流である。図5は、マスク期間の幅を10deg、15deg、20degとして、位相の進角量θに対するモータ電流の変化を示す。図5より、マスク期間の幅がいずれの場合においても、位相の進角量θが0から最適進角量θ1までの期間において、モータ電流が低下している。したがって、進角量θは、マスク期間の幅に関わらず、0<θ≦θ1の範囲から適宜設定すればよいことがわかる。
(制御装置の制御の流れ)
次に上述の制御装置10によるモータ制御方法の一例について図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係るモータ制御方法の手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す制御装置10の制御の流れにおいて、直交座標系と回転座標系の両座標系間の変換は適宜行われているものとする。
まず、制御装置10は、PWM制御部25によって生成されたPWM信号に基づいてスイッチング素子群21を駆動する。これにより、モータ80が回転駆動され、圧縮機81が駆動させられる。モータ80に流れる3相の交流電流iu、iv、iwは電流検出部30によって検出され、3相/2相変換部14、位相推定部50へ出力される(S101)。
位相推定部50は、電流検出部30により検出されたモータ80の3相の交流電流iu、iv、iw及びPWM信号生成部22から出力されたPWM信号を受け付け、モータ電流の位相θ0を推定する。また、位相進角司令部51は、トルク指令値N*に対応する進角量θを特定する(S102)。
位相推定部50は、位相進角司令部51によって特定された進角量θを用いて位相θ0を進角させた進角位相θtを、2相/3相変換部15へ出力する。また、位相推定部50は、位相θ0を3相/2相変換部14及び速度制御部12へ出力する(S103)。
3相/2相変換部14は、位相推定部50から出力された位相θ0を用いて、電流検出部30によって検出された3相の交流電流iu、iv、iwを、2相の交流電流id、iqに変換する(S104)。そして、3相/2相変換部14は、2相の交流電流id、iqを電流制御部13へ出力する。
速度制御部12は、位相推定部50から出力された位相θ0を用いてモータ80の回転速度を表すモータ回転速度ωを演算し、モータ回転速度ωを電流制御部13へ出力する(S105)。
電流制御部13は、速度制御部12から出力されたモータ回転速度ω及びトルク指令値N*に基づいてd軸電流指令id*及びq軸電流指令iq*を生成する。そして、d軸電流指令id*及びq軸電流指令iq*と、3相/2相変換部14から出力されるd軸電流id、q軸電流iqとを用いて、d軸電圧指令vd*とq軸電圧指令vq*とを生成する(S106)。そして、電流制御部13は、生成されたd軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を2相/3相変換部15へ出力する。
2相/3相変換部15は、位相推定部50から出力された進角位相θtを用いて、d軸電圧指令vd*及びq軸電圧指令vq*を交流電圧指令vu*、vv*、vw*に変換する(S107)。そして、2相/3相変換部15は、生成した3相の交流電圧指令vu*、vv*、vw*をPWM信号生成部22へ出力する。
PWM信号生成部22は、3相の交流電圧指令vu*、vv*、vw*を用いて、PWM信号を生成する(S108)。そして、PWM信号生成部22は、生成したPWM信号をマスク期間設定部61へ出力する。
マスク期間設定部61は、PWM信号生成部22から出力されたPWM信号及びマスク期間司令部60から出力された指令値に基づいて、PWM信号に対するマスク期間を設定し、PWM信号を補正する(S109)。そして、マスク期間が生成されたPWM信号によってスイッチング信号がスイッチング素子群21へ出力され、各スイッチング素子がオンオフされる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る制御装置10、電動コンプレッサ90、モータ制御方法、及びモータ制御プログラムによれば、指令生成部11は、モータ80のモータ電流iu、iv、iwの位相θ0を所定の進角量θ進めた進角位相θtと、モータ80のトルク指令値N*とを用いて、正弦波の電圧指令vu*、vv*、vw*を生成する。そして、PWM制御部25がこの電圧指令vu*、vv*、vw*における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間として設定し、マスク期間以外の期間に、電圧指令vu*、vv*、vw*に基づく電圧を用いてモータ80のPWM信号を生成する。このように交流モータのモータ電流iu、iv、iwの位相θ0を所定の進角量θを用いて進角させるため、マスク期間を設けることによって生じる電流の歪みを抑制することができる。したがって、モータ80のトルク低減を抑制することができ、モータ効率を改善することが可能となる。
以上、本開示について実施形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施形態で説明したモータ制御方法の処理の流れも一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
上述した実施形態では、交流電圧指令vu*、vv*、vw*に基づいてPWM信号を生成した後に、PWM信号に対してマスク期間を設けていたがこの例に限られない。例えば、交流電圧指令vu*、vv*、vw*に対してマスク期間を設け、マスク期間が設けられた交流電圧指令vu*、vv*、vw*とキャリア信号との比較によってPWM信号を生成することとしてもよい。
また、交流電圧指令vu*、vv*、vw*がそれぞれ正弦波である場合、当該正弦波でそのままPWM制御を行うと、スイッチング素子群21におけるスイッチング損失が大きい場合がある。このため、2アーム方式の制御を更に組み合わせてPWM信号を生成することとしてもよい。2アーム方式の制御は、各スイッチング素子をそれぞれ、所定期間の間オンさせる制御である。具体的には、3相の交流電圧の各相電圧(の絶対値)の大きな領域(ピーク電圧領域RGP)で、上アームのスイッチング素子21UH、21VH、21WH、及び下アームのスイッチング素子21UL、21VL、21WLをそれぞれ、PWM周期の複数周期の領域全てに亘ってオン(ベタオン)させる。
以上説明した各実施形態に記載のモータ制御装置、電動コンプレッサ、モータ制御方法、及びモータ制御プログラムは例えば以下のように把握される。
本開示の第1態様に係るモータ制御装置(10)は、交流モータ(80)のモータ電流(iu、iv、iw)の位相(θ0)を所定の進角量(θ)進めた進角位相(θt)と、前記交流モータのトルク指令値(N*)とを用いて、正弦波の電圧指令(vu*、vv*、vw*)を生成する指令生成部(11)と、前記電圧指令における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間として設定し、前記マスク期間以外の期間に、前記電圧指令に基づく電圧を用いて前記交流モータのPWM信号を生成するPWM制御部(25)とを備える。
本開示に係るモータ制御装置によれば、指令生成部は、交流モータのモータ電流の位相を所定の進角量進めた進角位相と、交流モータのトルク指令値とを用いて、正弦波の電圧指令を生成する。そして、PWM制御部がマスク期間を設けたPWM信号を生成し、部分2相通電制御を行う。このように、進角位相を用いてモータ電流を所定量進角させ、そのモータ電流とトルク指令値とを用いて生成された電圧指令に基づいて部分2相通電制御のためのPWM信号を生成するので、マスク期間を設けることによって生じる電流の歪みを抑制することができる。これにより、交流モータのトルク低減を抑制することができ、モータの動作安定化を図ることができる。
本開示の第2態様に係るモータ制御装置は、前記第1態様において、前記指令生成部は、前記位相を用いて、3相のモータ電流(iu、iv、iw)を2相のモータ電流(id、iq)に変換する3相/2相変換部(14)と、前記交流モータのトルク指令値と2相変換後のモータ電流とを用いて、電圧指令を生成する電流制御部(13)と、前記電圧指令と前記進角位相とを用いて、正弦波の前記電圧指令を生成する2相/3相変換部(15)を備えることとしてもよい。
本開示に係るモータ制御装置によれば、指令生成部は、交流モータの3相のモータ電流から変換された2相のモータ電流を電流制御部へ出力する3相/2相変換部と、交流モータのトルク指令値と2相のモータ電流に基づいて電圧指令を生成し、電圧指令を2相/3相変換部へ出力する電流制御部と、電圧指令と進角位相とを用いて、正弦波の電圧指令を生成する2相/3相変換部とを備える。このように、正弦波の電圧指令が進角位相を用いて生成されるため、マスク期間を設けることによって生じる電流の歪みを抑制することができる。したがって、交流モータのトルク低減を抑制することができ、モータの動作安定化を図ることができる。
本開示の第3態様に係るモータ制御装置は、前記第1態様又は前記第2態様において、前記所定の進角量は、前記交流モータのモータ電流の位相を進角させて正弦波の前記電圧指令を生成した場合の前記交流モータのトルク(T3)が、前記交流モータのモータ電流の位相を進角させずに正弦波の前記電圧指令を生成した場合の前記交流モータのトルク(T2)以上となる第1進角範囲(0<θ≦θ2)に設定されていることとしてもよい。
本開示に係るモータ制御装置によれば、所定の進角量は、交流モータのモータ電流の位相を進角させて正弦波の電圧指令を生成した場合の交流モータのトルクが、交流モータのモータ電流の位相を進角させずに正弦波の電圧指令を生成した場合の交流モータのトルク以上となる進角範囲に設定されている。このような範囲で進角量が設定されることにより、モータ効率の低下を効果的に抑制することができる。
本開示の第4態様に係るモータ制御装置は、前記第3態様において、前記所定の進角量は、前記第1進角範囲内であって、かつ、前記交流モータのモータ電流の位相を進角させて正弦波の前記電圧指令を生成した場合の前記交流モータのトルクが最大となる最適進角量(θ1)以下の第2進角範囲(0<θ≦θ1)に設定されていることとしてもよい。
本開示に係るモータ制御装置によれば、所定の進角量は、第1進角範囲内であって、かつ、交流モータのモータ電流の位相を進角させて正弦波の電圧指令を生成した場合の交流モータのトルクが最大となる最適進角量以下の第2進角範囲に設定されている。これにより、交流モータのトルクに対応する進角量の位相範囲をより適切な範囲に規定することができる。
本開示の第5態様に係るモータ制御装置は、前記第1態様から前記第4態様のいずれかにおいて、前記所定の進角量は、トルク指令値に応じてそれぞれ設けられており、前記指令生成部は、前記トルク指令値に対応する所定の進角量を特定することとしてもよい。
本開示に係るモータ制御装置によれば、トルク指令値に応じた適切な進角量を特定することが可能となる。これにより、トルク指令値が変化する場合でも、交流モータの実トルクをトルク指令値に近づけることが可能となる。
本開示の第6態様に係る電動コンプレッサは、前記第1態様から前記第5態様のいずれかに記載のモータ制御装置と、前記モータ制御装置によって駆動される複数のスイッチング素子(21)と、前記スイッチング素子により生成された交流電圧により駆動される交流モータ(80)と、前記交流モータによって駆動される圧縮機(81)と、を備える。
本開示の第7態様に係るモータ制御方法は、交流モータのモータ電流の位相を所定の進角量進めた進角位相と、前記交流モータのトルク指令値とを用いて、正弦波の電圧指令を生成する指令生成工程と、前記電圧指令における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間として設定し、前記マスク期間以外の期間に、前記電圧指令に基づく電圧を用いて前記交流モータのPWM信号を生成するPWM制御工程と、を有する。
本開示の第8態様に係るモータ制御プログラムは、コンピュータを前記第1態様から前記第5態様のいずれかに記載のモータ制御装置として機能させる。
1 :インバータ装置
10 :制御装置
11 :指令生成部
12 :速度制御部
13 :電流制御部
14 :3相/2相変換部
15 :2相/3相変換部
20 :インバータ主回路
21 :スイッチング素子群
22 :PWM信号生成部
25 :PWM制御部
30 :電流検出部
50 :位相推定部
51 :位相進角司令部
60 :マスク期間司令部
61 :マスク期間設定部
80 :モータ
81 :圧縮機
90 :電動コンプレッサ
110 :CPU
120 :補助記憶装置
130 :RAM
140 :通信部
180 :バス
θ0 :位相
θ :進角量
θt :進角位相
θ1 :最適進角量
θ2 :最大進角量

Claims (8)

  1. 交流モータのモータ電流の位相を所定の進角量進めた進角位相と、前記交流モータのトルク指令値とを用いて、正弦波の電圧指令を生成する指令生成部と、
    前記電圧指令における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間として設定し、前記マスク期間以外の期間に、前記電圧指令に基づく電圧を用いて前記交流モータのPWM信号を生成するPWM制御部と
    を備えるモータ制御装置。
  2. 前記指令生成部は、
    前記位相を用いて、3相のモータ電流を2相のモータ電流に変換する3相/2相変換部と、
    前記交流モータのトルク指令値と2相変換後のモータ電流とを用いて、電圧指令を生成する電流制御部と、
    前記電圧指令と前記進角位相とを用いて、正弦波の前記電圧指令を生成する2相/3相変換部と
    を備える請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記所定の進角量は、前記交流モータのモータ電流の位相を進角させて正弦波の前記電圧指令を生成した場合の前記交流モータのトルクが、前記交流モータのモータ電流の位相を進角させずに正弦波の前記電圧指令を生成した場合の前記交流モータのトルク以上となる第1進角範囲に設定されている請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. (進角量の範囲0<θ≦θ1)
    前記所定の進角量は、前記第1進角範囲内であって、かつ、前記交流モータのモータ電流の位相を進角させて正弦波の前記電圧指令を生成した場合の前記交流モータのトルクが最大となる最適進角量以下の第2進角範囲に設定されている請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記所定の進角量は、トルク指令値に応じてそれぞれ設定されており、前記指令生成部は、前記トルク指令値に対応する前記所定の進角量を特定する請求項1に記載のモータ制御装置。
  6. 請求項1に記載のモータ制御装置と、
    前記モータ制御装置で生成された信号に基づいて駆動される複数のスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子により生成された交流電圧により駆動される交流モータと、
    前記交流モータによって駆動される圧縮機と
    を備える電動コンプレッサ。
  7. 交流モータのモータ電流の位相を所定の進角量進めた進角位相と、前記交流モータのトルク指令値とを用いて、正弦波の電圧指令を生成する指令生成工程と、
    前記電圧指令における振幅が零となる電気角を含む所定の角度範囲をマスク期間として設定し、前記マスク期間以外の期間に、前記電圧指令に基づく電圧を用いて前記交流モータのPWM信号を生成するPWM制御工程と、
    を有するモータ制御方法。
  8. コンピュータを請求項1に記載のモータ制御装置として機能させるためのモータ制御プログラム。
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