JP2023157402A - 作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業機の性能を向上させる。【解決手段】空気圧縮機は、電動モータと、往復動するピストン部と、前記ピストン部を収容するケース部30と、を有する。ケース部30は、クランク室29が形成されるクランクケース24と、前記ピストン部とともに圧縮室を画定するシリンダ部と、前記圧縮室とケース部30の外部とを連通する吸気通路31と、を含む。前記シリンダ部は、クランクケース24の外周部から立設されるとともに筒形状であり、吸気通路31は、前記シリンダ部に設けられ、外部と接続される吸気口31aと、前記シリンダ部に設けられ、吸気口31aとクランク室29とを連通する第1通路31bと、前記シリンダ部に設けられ、クランク室29と前記圧縮室とを連通する第2通路31cと、を有する。【選択図】図9
Description
本発明は、空気圧縮機などの作業機に関する。
作業機の一例として、圧縮された空気を外部に排出可能な空気圧縮機が知られている。このような空気圧縮機として、駆動源と、該駆動源の駆動力によって往復運動して空気を圧縮するピストンと、該ピストンを往復運動可能な状態で収容するシリンダと、を有し、カバー外部から取り込んだ空気をクランク室へ流入させ、その後、シリンダ側面に設けられた吸気通路を通ってシリンダヘッド内部の圧縮室へ空気を供給する空気圧縮機が、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載された空気圧縮機では、シリンダ側面の吸気通路を通ることでシリンダの熱を奪って温度上昇した空気が、そのまま圧縮室に供給されるため、圧縮室内の空気の温度は上昇する。この状態で空気の圧縮が行われるため圧縮室の空気の温度はさらに上昇し、圧縮室は、内側から温められてしまう。
その結果、シリンダの冷却性を高めることができず、空気圧縮機の圧縮性能を高められなかった。そこで、シリンダの冷却性を向上させることで、空気圧縮機の圧縮性能を向上させながら、それに伴う発熱を低減することで空気圧縮機の耐久性を向上させることが望まれていた。
本発明の目的は、性能を向上させた作業機を提供することにある。
一実施の形態の作業機は、駆動軸を有する駆動部と、前記駆動軸の回転力を往復動力に変換する往復動変換部と、前記往復動変換部の往復動力を受けて往復動するピストン部と、前記往復動変換部及び前記ピストン部を内部に収容するケース部と、を有し、前記ケース部は、前記往復動変換部を収容する収容室が形成される収容部と、前記収容部の外周部から立設され、内部を前記ピストン部が往復動可能な筒形状であり、かつ、前記ピストン部とともに圧縮室を画定するシリンダ部と、前記圧縮室と前記ケース部の外部とを連通する吸気通路と、を含み、前記吸気通路は、前記シリンダ部に設けられ、外部と接続される吸気口と、前記シリンダ部に設けられ、前記吸気口と前記収容室とを連通する第1通路と、前記シリンダ部に設けられ、前記収容室と前記圧縮室とを連通する第2通路と、を有する。
本発明によれば、作業機の性能を向上させることができる。
本実施の形態の作業機について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本実施形態1では、作業機の一例として、空気圧縮機10を取り上げて説明する。空気圧縮機10の一例が、図1~図4に示されている。なお、各図に示される同一の要素、または同等の要素には、それぞれ同一の符号を付してある。空気圧縮機10は、金属製のフレーム11、カバー12、電動モータ13、第1圧縮部14、第2圧縮部15、制御部16及び空気タンク17,18を有する。空気タンク17,18は金属製である。空気タンク17,18は、共に筒形状であり、かつ、圧縮された空気を貯溜する。空気タンク17の中心線A1と、空気タンク18の中心線A2とが、略平行に配置されている。空気タンク17,18に複数の脚部19がそれぞれ取り付けられている。複数の脚部19は、空気圧縮機10の設置場所20に接触する。
本実施形態1では、作業機の一例として、空気圧縮機10を取り上げて説明する。空気圧縮機10の一例が、図1~図4に示されている。なお、各図に示される同一の要素、または同等の要素には、それぞれ同一の符号を付してある。空気圧縮機10は、金属製のフレーム11、カバー12、電動モータ13、第1圧縮部14、第2圧縮部15、制御部16及び空気タンク17,18を有する。空気タンク17,18は金属製である。空気タンク17,18は、共に筒形状であり、かつ、圧縮された空気を貯溜する。空気タンク17の中心線A1と、空気タンク18の中心線A2とが、略平行に配置されている。空気タンク17,18に複数の脚部19がそれぞれ取り付けられている。複数の脚部19は、空気圧縮機10の設置場所20に接触する。
フレーム11は、空気タンク17から空気タンク18に亘って取り付けられている。フレーム11は、電動モータ13、第1圧縮部14、第2圧縮部15を支持している。複数のブラケット71が、空気タンク17,18にそれぞれ設けられている。複数のブラケット71は、中心線A1,A2に沿った方向に間隔をおいて設けられている。
カバー12は、一例として合成樹脂製である。カバー12は、重力の作用方向である鉛直方向において、空気タンク17,18の上部に取り付けられている。具体的には、カバー12は、複数のブラケット71に対して固定要素、例えば、ねじ部材93によって固定されている。
グリップ22,23が、外部に露出して設けられている。グリップ22,23は、中心線A1,A2に沿った方向に間隔をおいて設けられている。空気圧縮機10は可搬式であり、作業者はグリップ22,23を両手で掴んで空気圧縮機10を持ち上げ、かつ、運搬することができる。
電動モータ13、第1圧縮部14及び第2圧縮部15は、カバー12の内部に設けられている。つまり、電動モータ13、第1圧縮部14及び第2圧縮部15は、カバー12によって覆われている。さらに、カバー12の内部にはクランクケース(収容部)24が設けられ、該クランクケース24は、フレーム11に固定されている。図3に示されるように、クランクケース24は、中心線A1,A2に沿った方向で第1圧縮部14と第2圧縮部15との間に設けられている。
クランクケース24は金属製であり、回転軸25がクランクケース24の内部から外部に亘って配置されている。中心線B1は、回転軸25の回転中心(軸線)を表す仮想線である。空気圧縮機10を平面断面視すると、中心線B1は、中心線A1,A2に対して所定角度で交差、例えば、略90度の角度で交差している。
駆動部である電動モータ13は、固定子26及び回転子27を有する。固定子26はクランクケース24に対して回転しないように設けられている。回転子27は、駆動軸である回転軸25に取り付けられている。電動モータ13は、例えば、3相交流型の電動ブラシレスモータである。電動モータ13は、電力が供給されると回転子27が回転し、これによって回転軸25が回転する。
冷却ファン28が回転軸25に取り付けられている。冷却ファン28は、カバー12の内部に設けられている。冷却ファン28は、例えば、軸流ファンである。冷却ファン28は、図3に示されるように、複数の羽根28aを有する。複数の羽根28aは、中心線B1を中心として冷却ファン28の回転方向に間隔をおいて設けられている。冷却ファン28は、電動モータ13の駆動力により回転し、冷却風28b(後述する図6参照)を生成する。つまり、冷却ファン28が回転されると空気の流れが生成される。
図3に示されるように、冷却ファン28、電動モータ13、クランクケース24及び制御部16は、中心線B1に沿った方向で互いに異なる位置に配置されている。
空気圧縮機10が設置場所20に置かれた状態、つまり、図2のように複数の脚部19が設置場所20に接触した状態において、設置場所20の表面が略水平であると、中心線A1,B1は、略水平である。また、冷却ファン28、電動モータ13、クランクケース24、第1圧縮部14及び第2圧縮部15は、重力の作用方向、つまり、鉛直方向で空気タンク17,18より上方に位置する。
図3に示されるように、中心線A1,A2に沿った方向で、グリップ22とグリップ23との間に、カバー12、冷却ファン28、電動モータ13、クランクケース24、第1圧縮部14及び第2圧縮部15が配置されている。
第1圧縮部14は、第1シリンダ(シリンダ部)36、第1シリンダヘッド37、第1コネクティングロッド39、第1ピストン(ピストン部)40、第1圧縮室41及び第1排気室42を有する。第1ピストン40は、電動モータ13の駆動力により回転する回転軸25の回転によって往復動し、筒状の第1シリンダ36は、第1ピストン40を中心軸C1(後述する図9参照)方向に往復動可能な状態で収容する。第1シリンダ36及び第1シリンダヘッド37は、クランクケース24に固定されている。第1コネクティングロッド39の一方の端部は、回転軸25に連結されている。第1ピストン40は、第1コネクティングロッド39の他方の端部に設けられている。第1ピストン40は、第1シリンダ36内で作動可能である。
第2圧縮部15は、第2シリンダ(シリンダ部)45、第2シリンダヘッド46、第2コネクティングロッド48、第2ピストン(ピストン部)49、第2圧縮室50及び第2排気室51を有する。第2ピストン49は、電動モータ13の駆動力により回転する回転軸25の回転によって往復動し、筒状の第2シリンダ45は、第2ピストン49を中心軸C2方向に往復動可能な状態で収容する。第2シリンダ45及び第2シリンダヘッド46は、クランクケース24に固定されている。第2ピストン49は、第2シリンダ45内に作動可能に設けられている。第2コネクティングロッド48の一方の端部は、回転軸25に対して回転可能に連結されている。第2コネクティングロッド48の他方の端部は、第2ピストン49に連結されている。
つまり、第1圧縮部14においては、電動モータ13の回転軸25の回転運動を第1ピストン40の往復運動に変換するために、第1ピストン40には、第1コネクティングロッド39の一方の端部が結合されており、第1コネクティングロッド39の他方の端部は、回転軸25上に設けられた偏心カム39bに回転可能に結合されている。言い換えると、第1コネクティングロッド39は、クランクケース24と第1シリンダ36とに跨り、回転軸25と第1ピストン40とを連結している。
また、第2圧縮部15においては、電動モータ13の回転軸25の回転運動を第2ピストン49の往復運動に変換するために、第2ピストン49には、第2コネクティングロッド48の一方の端部が結合されており、第2コネクティングロッド48の他方の端部は、回転軸25上に設けられた偏心カム48bに回転可能に結合されている。言い換えると、第2コネクティングロッド48は、クランクケース24と第2シリンダ45とに跨り、回転軸25と第2ピストン49とを連結している。
以上により、電動モータ13の回転軸25の回転運動は、上記偏心カムや第1コネクティングロッド39などからなる往復動変換部39a、及び上記偏心カムや第2コネクティングロッド48などからなる往復動変換部48aによって往復運動に変換されて第1ピストン40及び第2ピストン49に伝達される。言い換えれば、電動モータ13から出力される回転軸25の駆動力(回転力)は、往復動変換部39a及び往復動変換部48aによって往復動力に変換され、ピストン部である第1ピストン40及び第2ピストン49に入力される。つまり、第1ピストン40及び第2ピストン49は、往復動変換部39a及び往復動変換部48aの往復動力を受けて往復動する。この結果、第1ピストン40及び第2ピストン49は、それぞれ回転軸25の方向と交差する中心軸C1及び中心軸C2に沿った方向に往復動する。
また、図4に示される接続管(連通路)60の一方の端部が、図3に示される第1排気室42に接続され、接続管60の他方の端部が第2圧縮室50に接続されている。接続管60は、一例として金属製である。接続管60は湾曲されており、電動モータ13及び冷却ファン28の上方を迂回するように配置されている。
図3に示されるように、第2排気室51は、空気タンク17,18に接続されている。2つの空気タンク17,18内は図示せぬ連通管で接続されており、内部の空気圧は同じである。
また、空気タンク17,18内の圧力を検出して信号を出力する圧力センサ74が設けられている。圧力センサ74は、空気タンク17の上端から上に向けて突出されている。供給管76は、減圧バルブ75を介して空気タンク17に接続されている。減圧バルブ75は、空気タンク17の上端から上に向けて突出されている。操作ノブ75aが減圧バルブ75に取り付けられており、作業者は、操作ノブ75aを操作可能である。減圧バルブ75は、空気タンク17から供給管76へ送られる空気の圧力を調整、具体的には、減圧する。
また、供給管76内の空気圧を表示する圧力計77が、図2に示されるように設けられている。カプラ78が供給管76に取り付けられている。カプラ78は、エアホースに取り付け及び取り外しが可能である。カプラ78はエアホースを介して他の作業機に接続される。
供給管80は、減圧バルブ79を介して空気タンク18に接続されている。操作ノブ79aが減圧バルブ79に取り付けられており、作業者は、操作ノブ79aを操作可能である。減圧バルブ79は、空気タンク18から供給管80へ送られる空気の圧力を調整、具体的には、減圧する。また、供給管80内の空気圧を表示する圧力計81が、図1に示されるように設けられている。操作ノブ75a,79a及び圧力計77,81は、カバー12の外部に露出して配置されている。カプラ82が供給管80に取り付けられている。カプラ82は、エアホースに取り付け及び取り外しが可能である。カプラ82はエアホースを介して他の作業機に接続される。
図1に示されるように、カバー12の天板86に操作部83が設けられており、操作部83は、電源スイッチ、表示パネル等を有する。図3に示される制御部16は、電動モータ13の作動及び停止を制御する機構である。制御部16は、入力インタフェース、出力インタフェース、中央演算処理部及び記憶部を有するマイクロコンピュータである。
インバータ回路がカバー12の内部に設けられている。制御部16はインバータ回路を制御する。カバー12の内部に、電動モータ13の回転方向の位相を検出するセンサ、電動モータ13の回転数を検出するセンサが設けられている。圧力センサ74、電源スイッチ及び各種のセンサの信号は制御部16に入力される。なお、制御部16がインバータ回路を含む構成でもよい。
次に、作業者が空気圧縮機10の使用する例を説明する。作業者が操作部83の電源スイッチをオンすると、制御部16はインバータ回路を制御し、電動モータ13の回転子27が回転する。回転子27及び回転軸25が一体回転すると、回転軸25のトルクで第1ピストン40及び第2ピストン49が、それぞれ往復動される。
第1ピストン40が作動されると、カバー12の外部の空気は、第1圧縮部14の第1圧縮室41に吸入され、第1圧縮室41で空気が圧縮される。第1圧縮室41で圧縮された空気は、第1排気室42へ排出される。第2ピストン49が作動されると、第1排気室42の空気は、接続管60を通って第2圧縮部15の第2圧縮室50に吸い込まれる。第2圧縮室50は、空気を更に圧縮し、第2圧縮室50で圧縮された空気は、第2排気室51を経由して空気タンク17,18へ送られる。なお、第2圧縮室50から吐出される空気圧は、第1圧縮室41から吐出される空気圧よりも高い。
このように空気圧縮機10は、空気を2段階で圧縮する。作業者は、空気タンク17,18内の空気を、減圧バルブ75により減圧して供給管76に送ること、減圧バルブ79により減圧して供給管80に送ること、のうち少なくとも一方を行うことが可能である。
制御部16は、圧力センサ74の信号を処理して空気タンク17,18内の空気圧を検出する。制御部16は、記憶部に記憶されているデータに基づいて、電動モータ13の回転、停止、回転数及びトルクを制御する。制御部16は、電源スイッチがオンされていると、空気タンク17,18内の空気圧が、目標圧力まで上昇するように電動モータ13の回転数、トルクを制御する。制御部16は、空気タンク17,18内の空気圧が目標圧力になると、電動モータ13を停止させる。
また、冷却ファン28は回転軸25と共に回転する。冷却ファン28が回転すると、カバー12の外の空気は、図1及び図2に示す複数の通気路34を通って内部へ吸い込まれる。吸い込まれた空気は、カバー12内で第2圧縮部15の第2シリンダ45に当たるように流れる。電動モータ13、第1圧縮部14、第2圧縮部15、クランクケース24及び制御部16の熱は、冷却ファン28から供給されて内部を流れる空気(図6に示される冷却風28b)に伝達される。内部を流れた空気は、通気路34と反対側に設けられた通気路から外部へ排出される。
なお、図5に示されるように、第1シリンダ36にはその外周部に複数のフィン36aが設けられている。また、図7に示されるように、第2シリンダ45にもその外周部に複数のフィン45aが設けられている。したがって、図6及び図8に示されるように、冷却ファン28から供給された空気(冷却風28b)がフィン36aやフィン45aの表面を通過するため、第1シリンダ36及び第2シリンダ45は冷却される。
しかしながら、第1シリンダ36及び第2シリンダ45と冷却ファン28との配置により、冷却ファン28から供給される空気(冷却風28b)は、第1シリンダ36及び第2シリンダ45それぞれの冷却ファン28側の側面には当たるものの、冷却ファン28と反対側(冷却ファン28から遠い側)のシリンダ側面には当たり難い状態となっている。すなわち、第1シリンダ36及び第2シリンダ45において冷却ファン28から遠い側の側面には空気(冷却風28b)が当たり難く、シリンダが熱くなり易い。言い換えると、第1シリンダ36及び第2シリンダ45の冷却が十分には行われていない。特に、本実施形態1の空気圧縮機10のように低圧側と高圧側の2段圧縮式の圧縮機の場合には、その高圧側のシリンダ(第2シリンダ45)がより熱くなり易い。
そこで、本実施形態1の空気圧縮機10では、第1シリンダ36及び第2シリンダ45の冷却効率をさらに高めるために、第1シリンダ36及び第2シリンダ45それぞれの側面に吸気通路31が設けられている。
次に、空気圧縮機10における吸気通路31及びその周辺の詳細構造について説明する。空気圧縮機10は、図9に示されるように、往復動変換部39aと往復動変換部48a及びシリンダ部を有するケース部30を有している。具体的には、ケース部30は、往復動変換部39a及び往復動変換部48aを収容するクランク室(収容室)29が形成されるクランクケース(収容部)24と、第1ピストン40及び第2ピストン49とともに圧縮室を画定するシリンダ部と、前記圧縮室とクランクケース24の外部とを連通する吸気通路31と、を含んでいる。
前記シリンダ部は、中心軸C1に沿った方向(第1方向)の一方側に向かってクランクケース24の外周部から立設される低圧側の第1シリンダ36と、中心軸C1に沿った方向の他方側に向かってクランクケース24の外周部から立設される高圧側の第2シリンダ45と、を含んでいる。なお、第1シリンダ36及び第2シリンダ45は、筒形状であるとともに、その内部を第1ピストン40及び第2ピストン49が往復動可能である。
また、前記圧縮室は、第1シリンダ36に設けられる低圧側の第1圧縮室41と、第2シリンダ45に設けられる高圧側の第2圧縮室50と、を含んでいる。さらに、ケース部30は、第1圧縮室41から排気された空気を第2圧縮室50へと供給する接続管(連通路)60を有している。
そして、吸気通路31は、第2シリンダ(シリンダ部)45に設けられ、かつ、外部と接続される吸気口31aと、第2シリンダ(シリンダ部)45に設けられ、かつ、吸気口31aとクランク室29とを連通する第1通路31bと、第1シリンダ(シリンダ部)36に設けられ、かつ、クランク室29と第1圧縮室41とを連通する第2通路31cと、を有している。
また、吸気口31aには図示しないホースが接続され、該ホースの先端が図1に示されるフィルタカバー12aの内側に接続されている。そして、低圧側の第1シリンダヘッド37は台座36bを介して第1シリンダ36に設けられており、台座36bには一方向への空気の流れを許容する弁部材44a,44bが設けられている。同様に、高圧側の第2シリンダヘッド46は台座45bを介して第2シリンダ45に設けられており、台座45bには一方向への空気の流れを許容する弁部材44c,44dが設けられている。
したがって、空気圧縮機10の外部からフィルタカバー12a及び上記ホースを介して取り込まれた空気(E1)は、吸気口31aを介して第2シリンダ45の側面の第1通路31bを通った後、クランク室29内に送られる(E2)。そして、クランク室29の内部を通った後、第1シリンダ36の側面の第2通路31cを通り(E3、E4)、その後、低圧側の第1圧縮室41へ送られる。さらに、第1圧縮室41で圧縮された空気は、第1排気室42を介して(E5)接続管60を通り(E6、E7)、第2圧縮室50へ送られ、第2圧縮室50で高圧に圧縮される。そして、高圧に圧縮された空気(E8)は、第2排気室51を介してタンクへ送られる(E9)。なお、第1通路31bを通って温度上昇してクランク室29内に送られた空気は、クランク室29で撹拌されて一旦冷やされた後、第2通路31cを通って低圧側の第1圧縮室41へ送られる。
つまり、本実施形態1の空気圧縮機10では、外部から取り込んだ空気を高圧側のシリンダ側面に通して高圧側のシリンダを冷却し、この高圧側のシリンダの冷却により温められた空気をクランク室29内に送る。さらに、温められた空気をクランク室29で撹拌して一旦冷やし、その後、温度が下がった空気を低圧側のシリンダ側面に通して低圧側のシリンダを冷却してから低圧側の圧縮室へ送る。すなわち、高圧側のシリンダを冷却しつつ、低圧側のシリンダも熱くならないようにするものである。
なお、第1通路31b及び第2通路31cのうちの何れか一方は、図3に示される回転軸25の中心線(軸線)B1方向において、冷却ファン28と反対側のシリンダ部の側面に設けられる。本実施形態1の空気圧縮機10では、図10及び図11に示されるように、第1通路31bが、回転軸25の中心線B1方向において、冷却ファン28と反対側の高圧側の第2シリンダ45の側面に設けられている。一方、第2通路31cは、低圧側の第1シリンダ36の上面に設けられている。さらに、第1通路31b及び第2通路31cは、図9に示されるシリンダ部の中心軸(軸線)C1及び中心軸C2方向に沿って直線状に形成されている。すなわち、第1通路31b及び第2通路31cは、両方ともシリンダ側面もしくはシリンダ上面において直線状に形成されている。具体的には、第1通路31bは、第2シリンダ45の側面、台座45b、及びクランクケース24に嵌合されるブッシュ24bに形成され、直線状に連なっている。一方、第2通路31cは、第1シリンダ36の上面、台座36b、及びクランクケース24に形成され、直線状に連なっている。
また、吸気口31aは、シリンダ部の中心軸C1方向において、第2シリンダ45のクランクケース24と反対側の端部に設けられている。詳細には、吸気口31aは、シリンダ部の中心軸C1方向において、台座45bを介して第2シリンダ45に接続される第2シリンダヘッド46に設けられており、第1通路31bに繋がっている。これにより、吸気口31aから取り込まれた空気は、台座45b、第2シリンダ45及びブッシュ24bそれぞれの第1通路31bを直線状に進んだ後、クランク室29に送られる。
また、図11に示されるように、クランクケース24は、シリンダ部の中心軸C1方向と交差する方向(図3に示される回転軸25が延びる中心線B1に沿った方向)に延びる筒形状であるとともに、冷却ファン28と反対側には複数のリブ33を備えたクランクキャップ32が設けられている。そして、図9に示される往復動変換部39a,48aは、回転軸25からクランクケース24の径方向L1に沿って突出する突出部を有している。例えば、前記突出部は、図10に示されるような金属製のバランサ24aである。バランサ24aは往復動変換部39a,48aによるアンバランスを低減するための部材であり、クランクケース24内を回転する。また、クランクケース24内には第1コネクティングロッド39や第2コネクティングロッド48のような金属製の前記突出部が複数設けられており、第1ピストン40や第2ピストン49を往復動させるために往復動している。したがって、クランク室29内は、バランサ24aや第1コネクティングロッド39、第2コネクティングロッド48が駆動している間はこれらによって撹拌される。その際、バランサ24aや第1コネクティングロッド39、第2コネクティングロッド48、クランクケース24が金属製であるため、クランク室29に送られた空気の熱を奪い取り、該空気の温度を下げることができる。すなわち、吸気口31aから取り込まれ、第2シリンダ45の第1通路31bを通ることで温度上昇してクランク室29に送られた空気は、クランク室29内でバランサ24aや第1コネクティングロッド39、第2コネクティングロッド48等の突出部によって撹拌され、かつ、金属製のバランサ24aや第1コネクティングロッド39、第2コネクティングロッド48、クランクケース24に熱を奪われて一旦冷やされる。そして、クランク室29で一旦冷やされた空気が第1シリンダ36の第2通路31cを通った後に第1圧縮室41に送られる。
これにより、本実施形態1の空気圧縮機10では、高圧側の第2シリンダ45を冷却しつつ、低圧側の第1シリンダ36も熱くならないように冷やすことができる。このように第1シリンダ36及び第2シリンダ45の冷却性を向上させることで、空気圧縮機10の圧縮性能を向上させることができる。すなわち、空気圧縮機10の性能を向上させることができる。また、空気圧縮機10の圧縮に伴う発熱を低減することができるため、空気圧縮機10の耐久性を向上させることができる。特に高圧側の第2シリンダ45は高温になり易いため、高圧側の第2シリンダ45の冷却性を高められることは、空気圧縮機10の耐久性を向上させるためにより有効である。
また、第1通路31b及び第2通路31cのそれぞれが直線状に設けられていることにより、空気を滑らかに通すことができ、第1シリンダ36及び第2シリンダ45それぞれの冷却効果をさらに高めることができる。また、第1シリンダ36及び第2シリンダ45に対して直線状の穴を追加工するだけで第1通路31b及び第2通路31cを成形できるため、製造コストを低減できる。
また、カバー12の一部にフィルタカバー12aが設けられ、吸気口31aとフィルタカバー12aとがホースを介して接続されることで、カバー12の外部の低温の空気を防塵した上で取り込むことができ、空気圧縮機10の性能をさらに向上させることができる。また、カバー12の一部にフィルタカバー12aが設けられていることで、フィルタにアプローチし易くなり、空気圧縮機10のメンテナンス性を向上できる。
(実施形態2)
図12~図14を用いて実施形態2について説明する。本実施形態2は、図1に示されるカバー12の内部において、図12に示される冷却ファン28の回転によって発生した空気の気流を吸気口31aから取り込む構造を示している。本実施形態2の構造では、図14に示されるように、第2シリンダヘッド46に複数の吸気口31aが形成されている。そして、これら複数の吸気口31aが、第2シリンダ45の第1通路31bに連通するように設けられている。さらに、図13及び図14に示されるように、複数の吸気口31aに対して、吸気通路31に粉塵が進入することを抑制するフィルタ部43aが装着されている。なお、フィルタ部43aはフィルタカバー43によって覆われている。
図12~図14を用いて実施形態2について説明する。本実施形態2は、図1に示されるカバー12の内部において、図12に示される冷却ファン28の回転によって発生した空気の気流を吸気口31aから取り込む構造を示している。本実施形態2の構造では、図14に示されるように、第2シリンダヘッド46に複数の吸気口31aが形成されている。そして、これら複数の吸気口31aが、第2シリンダ45の第1通路31bに連通するように設けられている。さらに、図13及び図14に示されるように、複数の吸気口31aに対して、吸気通路31に粉塵が進入することを抑制するフィルタ部43aが装着されている。なお、フィルタ部43aはフィルタカバー43によって覆われている。
このように第2シリンダヘッド46に形成された吸気口31aにフィルタ部43aが装着されることにより、シリンダ部では電動モータ13の回転力やピストンの往復動に起因する振動が発生するため、該振動によってフィルタ部43aに付着した粉塵を脱落させて取り除くことができる。これにより、フィルタ部43aの除塵効果を高めて空気圧縮機10の性能を向上させることができる。また、実施形態1の空気圧縮機10と同様に、高圧側の第2シリンダ45を冷却しつつ、低圧側の第1シリンダ36も熱くならないように冷やすことができ、その結果、空気圧縮機10の圧縮性能を向上させることができる。
(実施形態3)
本実施形態3は、シリンダ部として、単一のシリンダを有する場合を示すものである。図15に示されるように、クランクケース24に第1シリンダ36のみが接続されている。そして、第1シリンダ36に台座36bを介して第1シリンダヘッド37が接続されており、この第1シリンダヘッド37に吸気口31aが設けられている。
本実施形態3は、シリンダ部として、単一のシリンダを有する場合を示すものである。図15に示されるように、クランクケース24に第1シリンダ36のみが接続されている。そして、第1シリンダ36に台座36bを介して第1シリンダヘッド37が接続されており、この第1シリンダヘッド37に吸気口31aが設けられている。
本実施形態3の構造においても、第1シリンダ36と冷却ファン28との配置により、図16及び図17に示されるように、冷却ファン28から供給される空気(冷却風28b)は、第1シリンダ36の冷却ファン28側の側面には当たるものの、冷却ファン28と反対側(冷却ファン28から遠い側)のシリンダ側面には当たり難い状態となっている。すなわち、第1シリンダ36において冷却ファン28から遠い側の側面には空気(冷却風28b)が当たり難く、第1シリンダ36が熱くなり易い状態である。
そこで、本実施形態3においても第1シリンダ36の冷却効率をさらに高めるために、第1シリンダ36の側面に吸気通路31が設けられている。詳細には、図18に示されるように、ケース部30は、往復動変換部39aを収容するクランク室29が形成されるクランクケース24と、第1ピストン40とともに第1圧縮室41を画定する第1シリンダ36と、第1圧縮室41とクランクケース24の外部とを連通する吸気通路31と、を含んでいる。
そして、吸気通路31は、第1シリンダヘッド37に設けられ、かつ、外部と接続される吸気口31aと、第1シリンダ36に設けられ、かつ、吸気口31aとクランク室29とを連通する第1通路31bと、第1シリンダ36に設けられ、かつ、クランク室29と第1圧縮室41とを連通する第2通路31cと、を有している。
また、吸気口31aには図示しないホースが接続され、該ホースの先端が図1に示されるフィルタカバー12aの内側に接続されている。また、台座36bには一方向への空気の流れを許容する弁部材44e,44fが設けられている。これにより、図18~図20に示されるように、外部から取り込まれた空気(F1)は、吸気口31aを介して第1シリンダ36の側面の第1通路31bを通った後、クランク室29内に送られる(F2)。そして、クランク室29の内部を通った後、第1シリンダ36の底面の第2通路31cを通り(F3、F4)、その後、第1圧縮室41へ送られる。さらに、第1圧縮室41で圧縮された空気(F5)は、第1排気室42を介して外部へ送られる(F6)。ここでも、第1通路31bを通って温度上昇してクランク室29内に送られた空気は、クランク室29で撹拌されて一旦冷やされた後、第2通路31cを通って第1圧縮室41へ送られる。
つまり、本実施形態3の構造においても、外部から取り込んだ空気をシリンダ側面に通して第1シリンダ36を冷却し、この第1シリンダ36の冷却により温められた空気をクランク室29内に送る。さらに、温められた空気をクランク室29で撹拌して一旦冷やし、その後、温度が下がった空気を再びシリンダ底面に通して第1シリンダ36を冷却してから第1圧縮室41へ送る。
これにより、第1シリンダ36をより冷やすことで第1シリンダ36の冷却性を向上させることができ、空気圧縮機の圧縮性能を向上させることができる。すなわち、空気圧縮機の性能を向上させることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施形態3の構造において、実施形態2の構造を採用してもよい。すなわち、第1シリンダヘッド37に複数の吸気口31aが形成され、これら複数の吸気口31aが第1通路31bに連通するように設けられており、さらに、複数の吸気口31aに対してフィルタ部43aが装着された構造であってもよい。
10…空気圧縮機(作業機)、11…フレーム、12…カバー、12a…フィルタカバー、13…電動モータ(駆動部)、14…第1圧縮部、15…第2圧縮部、16…制御部、17,18…空気タンク、19…脚部、20…設置場所、22,23…グリップ、24…クランクケース(収容部)、24a…バランサ(突出部)、24b…ブッシュ、25…回転軸(駆動軸)、26…固定子、27…回転子、28…冷却ファン(ファン)、28a…羽根、28b…冷却風、29…クランク室(収容室)、30…ケース部、31…吸気通路、31a…吸気口、31b…第1通路、31c…第2通路、32…クランクキャップ、33…リブ、34…通気路、36…第1シリンダ(シリンダ部)、36a…フィン、36b…台座、37…第1シリンダヘッド、39…第1コネクティングロッド(突出部)、39a…往復動変換部、39b…偏心カム、40…第1ピストン(ピストン部)、41…第1圧縮室、42…第1排気室、43…フィルタカバー、43a…フィルタ部、44a,44b,44c,44d,44e,44f…弁部材、45…第2シリンダ(シリンダ部)、45a…フィン、45b…台座、46…第2シリンダヘッド、48…第2コネクティングロッド(突出部)、48a…往復動変換部、48b…偏心カム、49…第2ピストン(ピストン部)、50…第2圧縮室、51…第2排気室、60…接続管(連通路)、71…ブラケット、74…圧力センサ、75…減圧バルブ、75a…操作ノブ、76…供給管、77…圧力計、78…カプラ、79…減圧バルブ、79a…操作ノブ、80…供給管、81…圧力計、83…操作部、86…天板、93…ねじ部材、A1,A2…中心線、B1…中心線(軸線)、C1,C2…中心軸(軸線)、E1~E9…空気の流れ、F1~F6…空気の流れ、L1…径方向
Claims (10)
- 駆動軸を有する駆動部と、
前記駆動軸の回転力を往復動力に変換する往復動変換部と、
前記往復動変換部の往復動力を受けて往復動するピストン部と、
前記往復動変換部及び前記ピストン部を内部に収容するケース部と、
を有し、
前記ケース部は、
前記往復動変換部を収容する収容室が形成される収容部と、
前記収容部の外周部から立設され、内部を前記ピストン部が往復動可能な筒形状であり、かつ、前記ピストン部とともに圧縮室を画定するシリンダ部と、
前記圧縮室と前記ケース部の外部とを連通する吸気通路と、
を含み、
前記吸気通路は、
前記シリンダ部に設けられ、外部と接続される吸気口と、
前記シリンダ部に設けられ、前記吸気口と前記収容室とを連通する第1通路と、
前記シリンダ部に設けられ、前記収容室と前記圧縮室とを連通する第2通路と、
を有する、作業機。 - 前記シリンダ部は、第1方向の一方側に向かって前記収容部の外周部から立設される第1シリンダと、前記第1方向の他方側に向かって前記収容部の外周部から立設される第2シリンダと、を含み、
前記第1通路は、前記第2シリンダに設けられ、
前記第2通路は、前記第1シリンダに設けられる、請求項1に記載の作業機。 - 前記圧縮室は、前記第1シリンダに設けられる第1圧縮室と、前記第2シリンダに設けられる第2圧縮室と、を含み、
前記ケース部は、前記第1圧縮室から排気された空気を前記第2圧縮室へと供給する連通路を有し、
前記吸気口は、前記第2シリンダに設けられ、
前記第2通路は、前記収容室と前記第1圧縮室とを連通する、請求項2に記載の作業機。 - 前記シリンダ部は、単一のシリンダを有する、請求項1に記載の作業機。
- 前記駆動軸を回転軸として回転可能なファンを有し、
前記第1通路及び前記第2通路の少なくとも一方は、前記駆動軸の軸線方向において前記ファンと反対側の前記シリンダ部の側面に設けられる、請求項1乃至4の何れか一項に記載の作業機。 - 前記第1通路は、前記駆動軸の軸線方向において前記ファンと反対側の前記シリンダ部の側面に設けられる、請求項5に記載の作業機。
- 前記収容部は、前記シリンダ部の軸線方向と交差する方向に延びる筒形状であり、
前記往復動変換部は、前記駆動軸から前記収容部の径方向に沿って突出する突出部を有する、請求項1に記載の作業機。 - 前記吸気口は、前記シリンダ部の軸線方向において前記シリンダ部の前記収容部と反対側の端部に設けられる、請求項1に記載の作業機。
- 前記吸気口に装着され、前記吸気通路に粉塵が進入することを抑制するフィルタ部が設けられる、請求項8に記載の作業機。
- 前記第1通路及び前記第2通路は、前記シリンダ部の軸線方向に沿って直線状に形成される、請求項1に記載の作業機。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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JP2022067296A Pending JP2023157402A (ja) | 2022-04-15 | 2022-04-15 | 作業機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023157402A (ja) |
-
2022
- 2022-04-15 JP JP2022067296A patent/JP2023157402A/ja active Pending
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