JP2023155992A - 推定装置、推定方法、およびプログラム - Google Patents

推定装置、推定方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】運転者の応答を通じて運転者の状態を推定するために出力する情報の、自由度を高めることが一例として挙げられる。【解決手段】推定装置10は、出力部120、検出部140および推定部160を備える。出力部120は、移動体の運転者に対して応答を求める要応答情報を出力する。検出部140は、要応答情報に対する運転者の応答を検出する。推定部160は、応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて運転者の状態を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は、推定装置、推定方法、およびプログラムに関する。
車両等の運転者の眠気や疲労度等を予測して、必要に応じた警告等を行う技術がある。
特許文献1には、食事や睡眠に関する質問への回答内容に基づいて運転者の眠気リスクを予測することが記載されている。
特開2019-61480号公報
しかしながら、特許文献1の技術によれば、ドライバは、運転者支援装置により毎回繰り返される同じ質問に、その都度答えることとなる。その結果、運転者が質問に飽きてしまったり、毎回決まったパターンの回答をしてしまったりして、予測制度が低下する可能性があった。
本発明が解決しようとする課題としては、運転者の応答を通じて運転者の状態を推定するために出力する情報の、自由度を高めることが一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、
移動体の運転者に対して応答を求める要応答情報を出力する出力部と、
前記要応答情報に対する前記運転者の応答を検出する検出部と、
前記応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて前記運転者の状態を推定する推定部と、を備える
推定装置である。
請求項13に記載の発明は、
一以上のコンピュータにより実行される推定方法であって、
移動体の運転者に対して応答を求める要応答情報を出力する出力ステップと、
前記要応答情報の出力に対する前記運転者の応答を検出する検出ステップと、
前記応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて前記運転者の状態を推定する推定ステップとを含む
推定方法である。
請求項14に記載の発明は、
請求項13に記載の推定方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
実施形態に係る推定装置の機能構成を例示するブロック図である。 実施形態に係る推定方法の流れを例示するフローチャートである。 推定装置を実現するための計算機を例示する図である。 運転負荷と、推定装置で行われる処理との関係の第1例を示す図である。 運転負荷と、推定装置で行われる処理との関係の第2例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る推定装置10の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態に係る推定装置10は、出力部120、検出部140および推定部160を備える。出力部120は、移動体の運転者に対して応答を求める要応答情報を出力する。検出部140は、要応答情報に対する運転者の応答を検出する。推定部160は、応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて運転者の状態を推定する。
本実施形態において、移動体は特に限定されないが、たとえば、車両、飛行体、または船である。車両としては列車、四輪車、二輪車等が挙げられる。飛行体としてはドローン、航空機等が挙げられる。移動体の運転者はその移動体に搭乗していてもよいし、遠隔で移動体を運転していてもよい。本実施形態に係る推定装置10は、移動体に搭載されてもよいし、移動体に搭載されていなくてもよい。
要応答情報は、たとえば運転者への問いかけである。問いかけの例としては、質問、提案、呼びかけが挙げられる。要応答情報に対する運転者の応答は、質問等への回答であってもよいし、相槌であってもよい。質問等への回答としては、「はい」、「うん」等の肯定を示す回答、「いいえ」、「いや」等の否定を示す回答、肯定否定以外の回答が挙げられる。要応答情報に対する運転者の応答としては、発声など音による応答、うなずきなど体の動きによる応答等が挙げられる。
要応答情報の出力はたとえば、スピーカーからの音声出力、またはディスプレイによる画像出力である。
検出部140は、マイクロフォンを用いた音検出、カメラ等を用いた画像検出、センサ等を用いた動き検出等により、運転者の応答を検出できる。
推定部160は、応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて運転者の状態を推定する。したがって、要応答情報の自由度が高く、バリエーションに富んだ問いかけ等を通じて、運転者の状態を推定できる。
運転者の状態とは、たとえば運転者の疲労度または余裕度である。疲労度には眠気の強さが含まれうる。以下においては、疲労度に関する説明の高低を反転させることで、余裕度に関する説明に読み替えることができる。
図2は、本実施形態に係る推定方法の流れを例示するフローチャートである。本実施形態に係る推定方法は、一以上のコンピュータにより実行される。本推定方法は、出力ステップS10、検出ステップS20、および推定ステップS30を含む。出力ステップS10では、移動体の運転者に対して応答を求める要応答情報が出力される。検出ステップS20では、要応答情報の出力に対する運転者の応答が検出される。推定ステップS30では、応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて運転者の状態が推定される。
本実施形態に係る推定方法は、本実施形態に係る推定装置10によって実行されうる。
以上、本実施形態によれば、推定部160は、応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて運転者の状態を推定する。したがって、バリエーションに富んだ問いかけ等を通じて、運転者の状態を推定できる。
(実施例1)
実施例1に係る推定装置10は、実施形態に係る推定装置10と同様の構成を有する。本実施例に係る推定装置10において、推定部160は、少なくとも応答のタイミングに基づいて運転者の状態を推定する。本実施例に係る推定装置10の機能構成は、図1で例示される。以下に詳しく説明する。
本実施例において推定部160は、応答のタイミングに基づいて要応答情報の出力に対する応答時間を特定する。そして推定部160は、応答時間に基づいて運転者の状態を推定する。
応答時間はたとえば、出力部120が要応答情報を出力してから、検出部140が運転者の応答を検出するまでの時間である。要応答情報が音声出力される場合、応答時間は具体的には、問いかけ等の出力が終了してから、運転者の応答が始まるまでの時間である。応答時間は、応答の声が発せられるまでの時間であるほか、うなずき等のアクションが開始されるまでの時間でありうる。
推定部160は、応答時間が所定の時間Tより長い場合に、運転者が疲労していると判断する。推定部160はさらに、応答時間が、時間Tを大きく超過するほど、運転者の疲労度が高いと推定する。時間Tは特に限定されないが、たとえば0秒以上10秒以下である。推定部160はたとえば、運転者が疲労状態であるか否かを示す情報、運転者の疲労度、および運転者の余裕度のうち一以上を推定結果として出力することができる。疲労度は、疲労の強さを示す数値や記号等であり得る。余裕度は、余裕の大きさを示す数値や記号等であり得る。
なお、推定部160は、複数の応答時間の平均を用いて運転者の状態を判定してもよい。すなわち、出力部120が複数の要応答情報を出力し、検出部140が各要応答情報に対する運転者の応答を検出し、推定部160が各応答についての応答時間を特定する。そして、推定部160は、特定した複数の応答時間の平均を算出し、平均と時間Tを比較することで、運転者の状態を推定する。
推定部160は、応答時間または応答時間の平均と疲労度との関係を示す参照情報を用いて、疲労度を特定してもよい。参照情報は予め記憶部100に保持されており、推定部160がそれを読み出して用いる事ができる。参照情報はテーブルまたは数式等でありうる。推定部160は、特定した応答時間または応答時間の平均に対応する疲労度を参照情報から抽出し、抽出された疲労度をその運転者の疲労度とする。なお、記憶部100は推定装置10に備えられていてもよいし、推定装置10の外部に設けられていてもよい。記憶部100が推定装置10の内部に設けられる場合、例えば記憶部100は、後述するストレージデバイス1080を用いて実現される。
たとえば出力部120は、要応答情報として質問を出力する。それに対して運転者が考え込んでしまいすぐに答えられない場合、疲労度が高いと判定される。その場合、出力部120はさらに運転者に休憩を促す出力を行う。一方、運転者がすぐに答えられた場合、疲労度は高くないと判定される。その場合、たとえば回答内容に応じた会話が、出力部120による出力によって続けられてもよい。たとえば出力部120が「昨日の夜何食べましたか?」という質問を要応答情報として出力し、運転者が「オムライスだった。」とすぐに回答したとする。その場合、推定部160が疲労度は高くないと判定し、回答内容に含まれるキーワードに基づいて、出力部120が「オムライスといえばおすすめ店は・・・」といった情報提示等の出力をさらに行ってもよい。また、推定部160が疲労度は高くないと判定した場合、出力部120は、運転者のニーズやパーソナリティを特定するための質問や会話を継続してもよい。推定装置10によれば、このように推定装置10と運転者との自然な会話のようなやり取りを通じて、運転者の状態を推定することが可能である。推定部160は、出力部120の出力に対する運転者の応答を検出部140が検知する度に、運転者の状態を推定してもよい。ただし、推定部160は、出力部120の出力に対する運転者の応答を、検出部140が検知しても、運転者の状態を推定しないことがあってもよい。
推定装置10のハードウエア構成について以下に説明する。推定装置10の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、推定装置10の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
図3は、推定装置10を実現するための計算機1000を例示する図である。計算機1000は任意の計算機である。例えば計算機1000は、SoC(System On Chip)、Personal Computer(PC)、サーバマシン、タブレット端末、又はスマートフォンなどである。計算機1000は、推定装置10を実現するために設計された専用の計算機であってもよいし、汎用の計算機であってもよい。
計算機1000は、バス1020、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120を有する。バス1020は、プロセッサ1040、メモリ1060、ストレージデバイス1080、入出力インタフェース1100、及びネットワークインタフェース1120が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1040などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ1040は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ1060は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス1080は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
入出力インタフェース1100は、計算機1000と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース1100には、キーボード、マイクロフォン、カメラ、センサなどの入力装置や、ディスプレイ、スピーカーなどの出力装置が接続される。入出力インタフェース1100が入力装置や出力装置に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
ネットワークインタフェース1120は、計算機1000をネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えば LAN(Local Area Network)や WAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1120がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
ストレージデバイス1080は、推定装置10の各機能構成部を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1040は、これら各プログラムモジュールをメモリ1060に読み出して実行することで、各プログラムモジュールに対応する機能を実現する。
以下に本実施例に係る推定装置10の各機能構成部について詳しく説明する。
出力部120は、出力する要応答情報を、現在の移動体の位置、天候、日付、時刻、および目的地の少なくとも一つに基づいて決定する。出力部120は、出力部120からアクセス可能な記憶部100に予め保持された複数の要応答情報から、移動体の位置、天候、日付、時刻、および目的地の少なくとも一つに基づいて、出力する要応答情報を選択してもよい。この場合、複数の要応答情報のそれぞれは、特定の位置、特定の天候、特定の日付、特定の時刻、および特定の目的地のうちの一つまたは二つ以上の組み合わせと、予め関連付けられている。出力部120は、要応答情報を出力する際の、移動体の位置、天候、日付、時刻、および目的地のうちの一つまたは二つ以上の組み合わせに対応する要応答情報を、複数の要応答情報から抽出する。そうすることで、出力する要応答情報を特定する。
または、出力部120は、移動体の位置、天候、日付、時刻、および目的地の少なくとも一つを入力とし、要応答情報を出力とするモデルを用いて出力する要応答情報を決定してもよい。このモデルは、たとえば機械学習による学習済みモデルであり、ニューラルネットワークを含む。要応答情報は、モデルによって生成されうる。
出力部120が出力する要応答情報は、現在の移動体の位置、天候、日付、時刻、および目的地の少なくとも一つに関連する情報とすることができる。たとえば出力部120は、現在および過去の天候に基づき、「こんなにいい天気は久しぶりですよね?」等の要応答情報を選択する。たとえば出力部120は、現在の日付および気温に基づき、「すっかり寒くなりましたね。冬は好きですか?」等の要応答情報を選択する。たとえば出力部120は、現在の時刻に基づき、「お腹が空いてきてませんか?」等の要応答情報を選択する。たとえば出力部120は、現在の移動体の位置に基づき、「この先右側にあるレストランに入りませんか?」等の要応答情報を選択する。たとえば出力部120は、目的地に基づき、「目的地のレストランで何を食べますか?」等の要応答情報を選択する。ただし、出力部120は、「昨夜は何を食べましたか?」等、現在の移動体の位置、天候、日付、時刻、および目的地のいずれにも関連しない要応答情報を出力してもよい。要応答情報は、たとえば「犬と猫ではどちらが好きですか?」、「うどんとラーメンではどちらをよく食べますか?」等の、運転者のパーソナリティを推定するための質問であってもよい。また、出力部120は、複数の質問等を組み合わせて要応答情報を生成してもよい。
出力部120は、現在の移動体の位置を示す情報を、移動体に搭載されたGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機から取得することができる。出力部120は、過去および現在の天候情報、および将来の天候の予報情報をたとえば天候情報を提供するサーバから、通信ネットワークを通じて取得することができる。移動体がある目的地に向かってナビゲートされている場合、出力部120は、移動体の目的地を示す情報を、移動体のナビゲーションシステム、または自動運転システム等から取得する事ができる。
出力部120が、出力する要応答情報を、現在の移動体の位置、天候、日付、時刻、および目的地の少なくとも一つに基づいて決定することにより、バリエーションに富んだ質問を出力する事ができる。したがって、質問に対する飽きや、回答のパターン化による推定精度低下を避けることができる。
出力部120は、要応答情報を出力する。出力部120はたとえば、推定装置10に接続されたスピーカーに対し、要応答情報を音声出力させるための音データを出力する。または出力部120は、推定装置10に接続されたディスプレイに対し、要応答情報を表示させるための画像データを出力する。なお、画像データは静止画のデータであってもよいし、動画を構成するデータであってもよい。これらのスピーカーおよびディスプレイは、運転者に出力情報を認識させることができるよう設けられている。たとえばスピーカーおよびディスプレイは移動体内に設置されている。
出力部120はさらに、運転者の応答の内容に基づき、出力すべき広告情報を特定し、推定された運転者の状態が所定の条件を満たすとき、特定した広告情報を出力してもよい。応答の内容は、たとえばパーソナリティを特定するための質問に対する回答内容である。パーソナリティには、好みや得意不得意なこと等が含まれる。または、応答の内容は、直近の要応答情報に対する回答内容であり、空腹であることや、やりたいこと等、運転者の気分や状態を示す内容でありうる。所定の条件を満たすときとは、たとえば、運転者の疲労度が高くないときであり、具体的には、推定部160が、運転者が疲労状態でないと判定したとき、推定された運転者の疲労度が所定の疲労度未満であるとき、または推定された運転者の余裕度が所定の余裕度以上であるときである。
たとえば記憶部100に予め保持された複数の広告情報のそれぞれに、予め特定のパーソナリティを示す情報が関連付けられている。出力部120は、運転者からの応答の内容に基づいて推定したパーソナリティに対応する、広告情報を抽出する。このようにして出力部120は、複数の広告情報のうちから、運転者の好みに応じた広告情報を選択して出力することができる。または、出力部120は、さらに移動体の位置に基づいて広告情報を特定して出力してもよい。その他、出力部120は、地図情報等に基づき広告情報を生成して出力してもよい。
広告情報の出力は、要応答情報の出力と同様、たとえば、スピーカーからの音声出力、またはディスプレイによる画像出力である。
検出部140は、運転者の応答を検出する。検出部140は、運転者の応答として、質問等への回答を検出してもよいし、要応答情報に対する運転者の相槌を検出してもよい。検出部140は、推定装置10に接続されたマイクロフォンから、運転者の発声等を含む音データを取得することができる。このマイクロフォンはたとえば移動体の運転席のダッシュボード、ステアリングホイール等に設けられる。検出部140は、取得した音データを既存の技術を用いて解析することにより、要応答情報に対する運転者の応答を検出できる。
そのほか、検出部140は、推定装置10に接続されたカメラから運転者の少なくとも一部を含む画像データを取得してもよい。この画像データは、動画を構成しうる。検出部140は、取得した画像データを既存の技術を用いて解析する事により、運転者の挙動を認識する。検出部140は、運転者のうなずく挙動や首を横に振る挙動を、要応答情報に対する応答として検出する。
移動体には運転者以外の登場者がいる場合がある。検出部140が運転者からの応答であることの特定方法について、以下に説明する。検出部140は、たとえば画像により運転席に座っている人物の口の動きの有無を検出する。そして、運転席に座っている人物の口が動いているときに得られる音データを特定する。そして、その音データに運転者の声が含まれるとみなす。また、検出部140は、このように特定した運転者の発声に基づいて、運転者の声紋を特定してもよい。そうすれば、以後は画像を用いずに音データから運転者の声を特定できる。そのほか、検出部140は、複数のマイクロフォンの音データにより声の発生位置を特定することで、運転者の声を特定してもよい。たとえば複数のマイクロフォンのうち、運転席により近いマイクロフォンで得られた音データにおいて、より大きく取得された声を、運転者の声として特定できる。
検出部140は、音声での応答が検出できない場合にのみ画像でうなずきを検出してもよい。また、要応答情報の出力後、所定の時間以内に検出部140が運転者の応答が検出できない場合、出力部120は再度、同一の要応答情報または、「聞いてる?」等、別の要応答情報を出力して、運転者の応答を促してもよい。または、要応答情報の出力後、所定の時間以内に検出部140が運転者の応答が検出できない場合、推定部160は運転者の疲労度が高いと判定してもよい。この場合、推定部160は、予め定められた疲労度を、運転者の疲労度とする。
推定部160は、要応答情報の出力タイミングと、その要応答情報に対する運転者の応答タイミングに基づいて、応答時間を特定する。応答時間については上述したとおりである。要応答情報の出力タイミングを示す信号は出力部120から取得できる。その他、要応答情報が音声出力される場合には、検出部140を通じてマイクロフォンの音データから、要応答情報の出力タイミングが特定されうる。要応答情報が画像出力される場合には、検出部140を通じてカメラの画像データから、要応答情報の出力タイミングが特定されうる。一方、推定部160は、検出部140の検出結果に基づいて、運転者の応答タイミングを特定する。推定部160は、要応答情報の出力タイミングから、その要応答情報に対する運転者の応答タイミングまでの時間を応答時間として特定する。
推定部160は、上述した通り、特定した応答時間と所定の時間Tを比較することにより、運転者の状態を推定する。または、160は、特定した応答時間と上述した参照情報を用いて運転者の状態を推定する。推定部160の推定結果に応じて、出力部120がさらに運転者に対し、「休憩して下さい」等、休憩を促す情報を出力してもよい。たとえば、推定部160が、運転者が疲労状態であると判定した場合、運転者の疲労度が所定の疲労度以上である場合、または運転者の余裕度が所定の余裕度以下である場合、出力部120が休憩を促す情報を出力する。一方、推定部160が、運転者が疲労状態でないと判定した場合、運転者の疲労度が所定の疲労度未満である場合、または運転者の余裕度が所定の余裕度超過である場合、出力部120は休憩を促す情報を出力しない。
休憩を促す情報の出力は、要応答情報の出力と同様、たとえば、スピーカーからの音声出力、またはディスプレイによる画像出力である。
<出力タイミングおよび推定タイミング>
推定装置10では、移動体の現在の位置、移動体の周囲の状況、移動体内の状況、および移動体の動作のうち少なくとも一つに基づいて、出力部120が要応答情報を出力するタイミングおよび推定部160が運転者の状態を推定するタイミングの少なくとも一方が決定されてもよい。具体例としては、移動体の現在の位置、移動体の周囲の状況、移動体内の状況、および移動体の動作のうち少なくとも一つに基づいて、運転負荷の大きさが特定される。そして、運転負荷の大きさに基づいて、出力部120が要応答情報を出力するタイミングおよび推定部160が運転者の状態を推定するタイミングの少なくとも一方が決定される。
図4は運転負荷と、推定装置10で行われる処理との関係の第1例を示す図である。運転者の運転中、運転負荷が大きい時に要応答情報が出力されると、運転者の疲労以上に運転負荷の影響で応答の遅れ等が生じる可能性がある。そのような影響を抑制するために、出力部120は運転負荷が小さい期間中にのみ要応答情報を出力することが好ましい。または、出力部120は、運転負荷が中程度の期間中には要応答情報を出力する一方、推定部160はその要応答情報への応答を用いた運転者の状態推定を行わないことが好ましい。
本図の例では、出力部120は、運転負荷の指数またはレベルが第2閾値未満である時、要応答情報を出力する。そして、推定部160は、その要応答情報に対する運転者の応答に基づいて、運転者の状態を推定する。出力部120は、運転負荷の指数またはレベルが第2閾値以上かつ第1閾値未満である時には要応答情報を出力しない。または、出力部120は、運転負荷の指数またはレベルが第2閾値以上かつ第1閾値未満である時に要応答情報を出力してもよいが、その場合、推定部160はその要応答情報への応答を用いた、運転者の状態推定は行わない。そして、出力部120は、運転負荷の指数またはレベルが第1閾値以上である時には要応答情報を出力しない。このように、運転負荷に応じて、出力部120による要応答情報の出力タイミングや、その要応答情報を用いた推定部160による推定タイミングを決定することが好ましい。
運転負荷の特定方法について以下に説明する。以下では、出力部120が運転負荷を特定する例について説明するが、運転負荷の特定は、出力部120が行ってもよいし、推定部160が同様の方法で行ってもよい。
出力部120は、移動体の現在の位置、移動体の周囲の状況、移動体内の状況、および移動体の動作のうち少なくとも一つに基づいて、運転負荷を特定できる。運転負荷はたとえば運転の困難さと言い換えることもできる。
出力部120は、以下のように移動体の現在の位置に基づいて運転負荷を特定できる。出力部120は、たとえば記憶部100から移動体周辺の地図情報を取得する。また、出力部120は、移動体に搭載されたGNSSの受信機から、移動体のその時の現在位置を取得する。そして、出力部120は、現在位置と地図情報を照らし合わせることにより、移動体がどのような場所を移動しているかを特定する。そして、出力部120は、移動体が位置する場所に応じて運転負荷を判定する。たとえば移動体が車両である場合、交差点、高速道路、車線数が多い道、道幅が狭い道、カーブ、繁華街、駐車場、および料金所の少なくともいずれかに位置するときには、それ以外の場所に位置するときよりも運転負荷が大きいと判定される。
出力部120は、以下のように移動体の周囲の状況に基づいて運転負荷を特定できる。出力部120は移動体に搭載されたカメラやセンサ(ミリ波センサやLiDAR等)から、移動体の周囲の状況を示す情報を取得する。そして、移動体の周囲が混雑している場合、路面の凹凸が大きい場合、路面が濡れている場合等に、それ以外の場合よりも運転負荷が大きいと判定する。また、出力部120は過去および現在の天候情報を、天候情報を提供するサーバから取得する。または、出力部120は移動体に設けられたセンサ等から得られる情報から、現在の天候を特定する。そして、雨、雪、みぞれ等が現在降っている場合、霧が発生している場合等に、その他の場合よりも運転負荷が大きいと判定する。出力部120は、降雨量または降雪量等に応じて運転負荷の大きさを特定してもよい。その他、出力部120は、現在の時刻に基づき、夜、夕方、明け方等、周囲が暗い時刻においてはそれ以外の時刻よりも運転負荷が大きいと判定する。出力部120は暗さに応じて運転負荷の大きさを特定してもよい。
出力部120は、以下のように移動体内の状況に基づいて運転負荷を特定できる。出力部120は、移動体内を撮像するよう設けられたカメラや、移動体内の音を取得するマイクロフォン等から、車内の状況を示す情報を取得する。そして、出力部120は、たとえば移動体内で会話が行われている時には、それ以外の時よりも運転負荷が大きいと判定する。
出力部120は、以下のように移動体の動作に基づいて運転負荷を特定できる。ナビゲーション装置等が交差点における右左折の案内を開始してから、移動体が右左折を終了するまでの期間や、移動体の速度が所定の速度以上である期間は、それ以外の期間よりも運転負荷が大きいと判定してもよい。出力部120は、たとえば移動体のステアリングの状態や速度を示す情報を、移動体の制御装置や各種センサ等から取得できる。
運転負荷はたとえば、負荷の大きさを示すレベルや指数によって示される。たとえば以上に説明したような複数の要素(移動体の現在の位置、移動体の周囲の状況、移動体内の状況、および移動体の動作等)の組み合わせに基づいて運転負荷のレベルや指数を算出することもできる。たとえば出力部120は、要素ごとに運転負荷の高さを示すスコアを算出し、算出された複数のスコアを用いて得られる演算値(たとえば和、重み付け和、または平均として得られる値)を運転負荷の指数とする。また、指数の属する範囲に基づいてレベル分けすることで、運転負荷の指数を運転負荷のレベルに変換してもよい。
推定装置10では、運転者の生体情報を用いて、出力部120が要応答情報を出力するタイミングおよび推定部160が運転者の状態を推定するタイミングの少なくとも一方が決定されてもよい。生体情報には脈拍、目の動き、まばたき、表情、体の動き等を示す情報が含まれる、生体情報に基づくタイミングで要応答情報の出力等を行うことで、運転者への不要な問いかけを減らし、効果的に状態推定ができる。
たとえば、運転座席やステアリングホイール等のハンドル等には、運転者の生体情報を取得するための一以上のセンサ(脈拍センサや振動センサ等)が設けられている。また、運転席の周囲には、運転者の顔や目を撮影するカメラが設けられている。そのほか、運転者が運転中に生体情報を取得するためのデバイス(リストバンドやゴーグル等のウェアラブルデバイス)を装着するようにしてもよい。出力部120はこれらのセンサ、カメラ、デバイス等から、運転者の生体情報を取得することができる。そして、出力部120は取得した生体情報を解析し、たとえば疲労が疑われたことをトリガーとして要応答情報を出力する。疲労が疑われるときの例としては、運転開始直後の所定期間内の平均脈拍数に対して、直近の平均脈拍数が所定値以上変化したとき、目がきょろきょろしたとき、まばたきが所定の頻度以上であるとき、疲れた表情であるとき、体を動かす頻度が所定の頻度以上であるとき等が挙げられる。なお、疲れた表情の検知は、顔の画像を既存の技術で解析することで行える。また、出力部120は、解析された運転者の状態に応じて、要応答情報の内容を変化させて出力させてもよい。たとえば、運転者が眠気を催していると解析された場合は、「眠くなっていませんか?」と問いかけてもよいし、運転者が緊張していると解析された場合は、「深呼吸してみませんか?」と問いかけるようにしてもよい。
たとえば出力部120は、運転者が運転を開始して以降、所定の周期で要応答情報の出力の可否を判定する。そして、上述した方法に従い、要応答情報の出力が可能である場合には、出力部120は要応答情報を出力する。
<応答時間の補正>
推定部160は、移動体の現在の位置、移動体の周囲の状況、移動体内の状況、および移動体の動作のうち少なくとも一つに基づいて応答時間を補正し、補正された応答時間に基づいて運転者の状態を推定してもよい。具体例としては、推定部160は、移動体の現在の位置、移動体の周囲の状況、移動体内の状況、および移動体の動作のうち少なくとも一つに基づいて、運転負荷の大きさを特定する。また、推定部160は、運転負荷の大きさに基づいて、応答時間を補正する。そして推定部160は、補正された応答時間に基づいて運転者の状態を推定する。運転負荷の特定方法は上述した通りである。
運転負荷が大きいときには、通常以上に応答に時間を要することが想定される。そのため、運転負荷の重さに応じ、応答時間を補正したうえで、運転者の状態を推定することにより、推定精度を向上させることができる。
図5は、運転負荷と、推定装置10で行われる処理との関係の第2例を示す図である。本図の例では、出力部120は、運転負荷の指数またはレベルが第2閾値未満である時に、要応答情報を出力する。そして、推定部160はその要応答情報に対する応答時間に基づいて、上述した通り運転者の状態を推定する。このとき、運転負荷に基づく応答時間の補正は行われない。また、出力部120は運転負荷の指数またはレベルが第2閾値以上かつ第1閾値未満である時には要応答情報を出力する。そして推定部160はその要応答情報に対する応答時間を特定し、さらにその応答時間を補正する。例として推定部160は、特定した応答時間に補正係数を乗ずることで補正を行う。推定部160は、補正後の応答時間と所定の時間Tを比較することにより運転者の状態を推定する。補正係数はたとえば0.5以上0.8以下である。補正係数は、所定の固定値であってもよいし、運転負荷の大きさに応じた値であってもよい。出力部120は、運転負荷の指数またはレベルが第1閾値以上である時には要応答情報を出力しない。
その他、推定部160は、運転負荷に応じて推定に用いる時間Tまたは参照情報を変えてもよい。この場合、記憶部100に予め運転負荷ごとの時間Tを示す情報または運転負荷ごとの参照情報が保持される。そして推定部160が運転不可に応じた時間Tまたは参照情報を記憶部100から読み出して推定に用いる。
その他、推定部160は要応答情報の内容ごとに応答時間を補正してもよい。問いかけの内容によっては考える時間に差が出て標準的な応答時間がバラつく可能性があるからである。たとえば予め要応答情報の内容ごとに複数の運転者の応答時間の統計値(たとえば偏差)を取得し、記憶部100に保持させておく。そして、推定部160は、この統計値に基づいて、要応答情報の内容ごとに応答時間を補正する。推定部160は補正後の応答時間と所定の時間Tを比較することにより運転者の状態を推定する。
<基準時間T
問いかけ等への応答時間には、ある程度の個人差があると考えられる。そこで推定部160は、運転者の過去の応答時間に基づく基準時間Tと、運転者の今回の応答時間との比較に基づいて、運転者の状態を推定してもよい。基準時間Tはたとえば、過去に運転者が移動体の運転を開始してから所定時間が経過するまでの間において、検出部140により検出された応答のタイミングに基づいて特定された時間である。所定時間はたとえば5分以上30分以下である。運転を開始してから長時間経過していない間は、運転者が疲労していない状態であるとみなせる。したがって、そのような期間における応答時間を基準時間Tとして用いることで、推定精度を向上させることができる。
運転者により運転が開始されると、所定時間が経過するまでに、出力部120は第1回目の要応答情報を出力する。そして推定部160はその要応答情報に対する応答時間を特定し、基準時間Tとして記憶する。その後、その運転者が運転を続けている間、応答時間を特定する度に、推定部160は特定した応答時間から基準時間Tを差し引く。そうすることで推定部160は応答時間と基準時間Tとの差を算出する。推定部160は、算出された差が大きいほど運転者の疲労度が高いと推定する。なお、基準時間Tを、上述した所定の時間Tとして用いてもよい。
他の例として、基準時間Tは、移動体の位置ごと、時刻ごと、または移動体の位置と時刻との組み合わせごとの、運転者の過去の応答時間の統計値であってもよい。統計値はたとえば平均値である。
たとえば運転者が移動体に搭乗してよく通る位置がある場合、その位置において出力部120が要応答情報を出力するようにしておく。そして、推定部160は、応答時間を特定すると、その応答時間を位置に対応付けて記憶部100に記憶させる。また、推定部160は、その位置で得られた複数の応答時間の平均値をその位置についての基準時間Tとして算出する。そして、次にその位置で要応答情報が出力され、応答時間が特定された時、推定部160は、上述したのと同様に、特定された応答時間と、その位置についての基準時間Tとを比較し、運転者の状態を推定する。同じ位置においては運転負荷が同じである可能性が高いため、このような方法によって推定精度を向上させることができる。
たとえば運転者が日常的に移動体に搭乗していることが多い時間帯がある場合、その時間帯において出力部120が要応答情報を出力するようにしておく。なお、時間帯とは、ある時刻からある時刻までの間の期間を意味する。そして、推定部160は、応答時間を特定すると、その応答時間を時間帯に対応付けて記憶部100に記憶させる。また、推定部160は、その時間帯に得られた複数の応答時間の平均値をその時間帯についての基準時間Tとして算出する。そして、次にその時間帯で要応答情報が出力され、応答時間が特定された時、推定部160は、上述したのと同様に、特定された応答時間と、その時間帯についての基準時間Tとを比較し、運転者の状態を推定する。同じ時間帯においては運転負荷が同じである可能性が高いため、このような方法によって推定精度を向上させることができる。
たとえば通勤や通学等のために、同じ時刻に同じ位置を通ることが多い場合、その時間帯および位置において出力部120が要応答情報を出力するようにしておく。そして、推定部160は、応答時間を特定すると、その応答時間を時間帯と位置との組み合わせに対応付けて記憶部100に記憶させる。また、推定部160は、その時間帯かつその位置で得られた複数の応答時間の平均値をその時間帯と位置との組み合わせについての基準時間Tとして算出する。そして、次にその時間帯かつその位置で要応答情報が出力され、応答時間が特定された時、推定部160は、上述したのと同様に、特定された応答時間と、その時間帯と位置との組み合わせについての基準時間Tとを比較し、運転者の状態を推定する。同じ時間帯かつ同じ位置においては運転負荷が同じである可能性が高いため、このような方法によって推定精度を向上させることができる。
なお、記憶部100には、運転者ごとに特定された基準時間Tの統計値が保持されてもよい。たとえば記憶部100には個人識別子と声紋を示す情報とが関連付けられてさらに保持されており、運転者が誰であるかはその声紋により、特定される。声紋の代わりに顔認証により個人が特定されてもよい。たとえば運転者が移動体を運転する度に上記のように基準時間Tが特定される。そして、記憶部100に保持されたその運転者の個人識別子の基準時間Tの統計値が、新たに特定された基準時間Tを用いて更新される。推定部160は、その運転者の基準時間Tの統計値を、基準時間Tの代わりに用い、上述した方法と同様にして運転者の状態を推定できる。
その他、推定部160は、運転者の生体情報をさらに用いて、運転者の状態を推定してもよい。生体情報については上述した通りである。たとえば推定部160は、応答時間を用いて疲労度または余裕度を示す第1スコアを算出し、生体情報を用いて疲労度または余裕度を示す第2スコアを算出する。そして、第1スコアと第2スコアとを用いて得られる演算値(たとえば和、重み付け和、または平均として得られる値)を推定結果としてもよい。たとえば推定部160は、上述したように疲労が疑われるときにおいて、それ以外のときよりも第2スコアを高くする。
推定部160は、運転継続時間や、運転負荷を示す指標の積算値等をさらに用いて運転者の状態を推定してもよい。推定部160は、運転継続時間が長いほど、疲労度が高いと推定する。また、運転開始からの運転負荷を示す指標の積算値が大きいほど、疲労度が高いと推定する。運転負荷を示す指標は、運転者が運転をしている間、出力部120または推定部160が所定の周期で算出する。
本実施例によれば、実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(実施例2)
実施例2に係る推定装置10は、実施形態に係る推定装置10の構成を有する。本実施例に係る推定装置10は、以下に説明する点を除いて実施例1に係る推定装置10と同じである。本実施例に係る推定装置10において推定部160は応答の適正さに基づいて運転者の状態を推定する。ここで、応答の適正さとは、たとえば応答のスムーズさおよび応答の正しさの少なくとも一方である。応答のスムーズさとは、たとえば、言いよどみの有無、および言い直しの有無である。応答の正しさとは、たとえば正答か誤答かである。
応答のスムーズさに基づく推定について、以下に説明する。実施例1において説明したのと同様に、出力部120は要応答情報を出力する。すると検出部140はマイクロフォンから取得した音データを用いて、運転者の応答を検出する。ここで、検出部140はさらに、運転者の言いよどみの有無を検出する。言いよどみには「あー」、「うー」、「うーん」、「えー」、「えっと」等の発声が含まれる。また、検出部140は、運転者が応答する際の言い直しの有無を検出する。検出部140は既存の技術を用いて音データを解析することで言いよどみの有無および言い直しの有無を検出できる。
推定部160は、検出部140から言いよどみの有無を示す情報および言い直しの有無を示す情報を取得する。そして、推定部160は、検出部140から取得した情報に基づき、言いよどみがないと特定した場合よりも、言いよどみがあると特定した場合に、運転者の疲労度が高いと推定する。また推定部160は、検出部140から取得した情報に基づき、言い直しがないと特定した場合よりも、言い直しがあると特定した場合に、運転者の疲労度が高いと推定する。
応答の正しさに基づく推定について、以下に説明する。応答の正しさに基づく推定が行われる場合、出力部120は、要応答情報として正しい答えが既知である質問を出力する。出力部120が出力する要応答情報の例としては「12ひく4はいくつですか?」、「今日は何曜日ですか?」「あなたの携帯電話の番号を答えて下さい。」、「この車の車検月を答えてください。」等が挙げられる。要応答情報はたとえば、推定装置10に予め登録されている情報を問う質問や、一般的に答えが定まる問題である。推定装置10に予め登録されている情報には、運転者に関する情報や移動体に関する情報が含まれる。
出力部120が予め記憶部100に保持された複数の要応答情報から選択した要応答情報を出力する場合、各要応答情報には予め正答が関連付けられている。また、要応答情報が出力部120で生成される場合、要応答情報の正答も合わせて生成される。なお、一つの要応答情報に対して複数の正答が存在してもよい。
出力部120が要応答情報を出力すると、検出部140は、その要応答情報に対する運転者による応答を検出する。そのとき、検出部140は、応答の内容をあわせて特定する。検出部140は、たとえばマイクロフォンから取得した運転者の声を既存の技術を用いて解析することで、回答内容を特定することができる。推定部160は、検出部140から回答内容を示す情報を取得する。そして、推定部160は、回答内容が出力された要応答情報の正答に一致するか否かを判定する。回答内容が出力された要応答情報の正答に一致する場合、推定部160は、応答が正しいと特定する。回答内容が出力された要応答情報の正答に一致しない場合、推定部160は、応答が正しくないと特定する。推定部160は、応答が正しいと特定した場合よりも、正しくないと特定した場合に、運転者の疲労度が高いと推定する。
なお、本実施例に係る推定装置10は、さらに実施例1で説明した応答時間等に基づいて運転者の状態を推定してもよい。たとえば推定部160は、応答時間T、運転開始からの運転継続時間T、運転開始からの運転負荷の積算値R、言いよどみスコアS、言い直しスコアS、正誤スコアSを特定する。言いよどみがある場合、S=1であり、言いよどみがない場合、S=0である。言い直しがある場合、S=1であり、言い直しがない場合、S=0である。応答が正しくない場合、S=1であり、応答が正しい場合、S=0である。そして、推定部160は、「疲労度指数=a×T+b×T+c×R+d×S+e×S+f×S」で示される関係を用いて疲労度指数を算出する。ここで、a、b、c、d、e、およびfはそれぞれ予め定められた定数である。定数としてゼロ、または正の実数を任意に適用することができる。その他、推定部160は、実施例1で説明した生体情報等をさらに用いて運転者の状態を推定してもよい。
本実施例によれば、実施形態と同様の作用および効果が得られる。
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 移動体の運転者に対して応答を求める要応答情報を出力する出力部と、
前記要応答情報に対する前記運転者の応答を検出する検出部と、
前記応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて前記運転者の状態を推定する推定部と、を備える
推定装置。
2. 1.に記載の推定装置において、
前記出力部は、出力する前記要応答情報を、現在の前記移動体の位置、天候、日付、時刻、および目的地の少なくとも一つに基づいて決定する
推定装置。
3. 1.または2.に記載の推定装置において、
前記推定部は、前記応答のタイミングに基づいて前記要応答情報の出力に対する応答時間を特定し、
前記応答時間に基づいて前記運転者の状態を推定する
推定装置。
4. 3.に記載の推定装置において、
前記検出部は、前記運転者の応答として、前記要応答情報に対する前記運転者の相槌を検出する
推定装置。
5.3.または4.に記載の推定装置において、
前記推定部は、
前記移動体の現在の位置、前記移動体の周囲の状況、前記移動体内の状況、および前記移動体の動作のうち少なくとも一つに基づいて、前記応答時間を補正し、
補正された前記応答時間に基づいて前記運転者の状態を推定する
推定装置。
6. 3.~5.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記推定部は、前記運転者の過去の前記応答時間に基づく基準時間と、前記運転者の今回の前記応答時間との比較に基づいて、前記運転者の状態を推定する
推定装置。
7. 6.に記載の推定装置において、
前記基準時間は、過去に前記運転者が前記移動体の運転を開始してから所定時間が経過するまでの間において、前記検出部により検出された前記応答のタイミングに基づいて特定された時間である
推定装置。
8. 6.に記載の推定装置において、
前記基準時間は、前記移動体の位置ごと、時間帯ごと、または前記移動体の位置と時間帯との組み合わせごとの、前記運転者の過去の前記応答時間の統計値である
推定装置。
9. 1.~8.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記推定部は前記応答の適正さに基づいて前記運転者の状態を推定し、
前記応答の適正さは、前記応答のスムーズさおよび前記応答の正しさの少なくとも一方である
推定装置。
10. 1.~9.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記移動体の現在の位置、前記移動体の周囲の状況、前記移動体内の状況、および前記移動体の動作のうち少なくとも一つに基づいて、前記出力部が前記要応答情報を出力するタイミングおよび前記推定部が前記運転者の状態を推定するタイミングの少なくとも一方を決定する
推定装置。
11. 1.~10.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記運転者の生体情報を用いて、前記出力部が前記要応答情報を出力するタイミングおよび前記推定部が前記運転者の状態を推定するタイミングの少なくとも一方を決定する、
推定装置。
12. 1.~11.のいずれか一つに記載の推定装置において、
前記出力部は、
前記応答の内容に基づき、出力すべき広告情報を特定し、
推定された前記運転者の状態が所定の条件を満たすとき、特定した前記広告情報を出力する
推定装置。
13. 一以上のコンピュータにより実行される推定方法であって、
移動体の運転者に対して応答を求める要応答情報を出力する出力ステップと、
前記要応答情報の出力に対する前記運転者の応答を検出する検出ステップと、
前記応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて前記運転者の状態を推定する推定ステップとを含む
推定方法。
14. 13.に記載の推定方法をコンピュータに実行させるプログラム。
10 推定装置
100 記憶部
120 出力部
140 検出部
160 推定部
1000 計算機
1020 バス
1040 プロセッサ
1060 メモリ
1080 ストレージデバイス
1100 入出力インタフェース
1120 ネットワークインタフェース

Claims (14)

  1. 移動体の運転者に対して応答を求める要応答情報を出力する出力部と、
    前記要応答情報に対する前記運転者の応答を検出する検出部と、
    前記応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて前記運転者の状態を推定する推定部と、を備える
    推定装置。
  2. 請求項1に記載の推定装置において、
    前記出力部は、出力する前記要応答情報を、現在の前記移動体の位置、天候、日付、時刻、および目的地の少なくとも一つに基づいて決定する
    推定装置。
  3. 請求項1または2に記載の推定装置において、
    前記推定部は、前記応答のタイミングに基づいて前記要応答情報の出力に対する応答時間を特定し、
    前記応答時間に基づいて前記運転者の状態を推定する
    推定装置。
  4. 請求項3に記載の推定装置において、
    前記検出部は、前記運転者の応答として、前記要応答情報に対する前記運転者の相槌を検出する
    推定装置。
  5. 請求項3に記載の推定装置において、
    前記推定部は、
    前記移動体の現在の位置、前記移動体の周囲の状況、前記移動体内の状況、および前記移動体の動作のうち少なくとも一つに基づいて、前記応答時間を補正し、
    補正された前記応答時間に基づいて前記運転者の状態を推定する
    推定装置。
  6. 請求項3に記載の推定装置において、
    前記推定部は、前記運転者の過去の前記応答時間に基づく基準時間と、前記運転者の今回の前記応答時間との比較に基づいて、前記運転者の状態を推定する
    推定装置。
  7. 請求項6に記載の推定装置において、
    前記基準時間は、過去に前記運転者が前記移動体の運転を開始してから所定時間が経過するまでの間において、前記検出部により検出された前記応答のタイミングに基づいて特定された時間である
    推定装置。
  8. 請求項6に記載の推定装置において、
    前記基準時間は、前記移動体の位置ごと、時間帯ごと、または前記移動体の位置と時間帯との組み合わせごとの、前記運転者の過去の前記応答時間の統計値である
    推定装置。
  9. 請求項1または2に記載の推定装置において、
    前記推定部は前記応答の適正さに基づいて前記運転者の状態を推定し、
    前記応答の適正さは、前記応答のスムーズさおよび前記応答の正しさの少なくとも一方である
    推定装置。
  10. 請求項1または2に記載の推定装置において、
    前記移動体の現在の位置、前記移動体の周囲の状況、前記移動体内の状況、および前記移動体の動作のうち少なくとも一つに基づいて、前記出力部が前記要応答情報を出力するタイミングおよび前記推定部が前記運転者の状態を推定するタイミングの少なくとも一方を決定する
    推定装置。
  11. 請求項1または2に記載の推定装置において、
    前記運転者の生体情報を用いて、前記出力部が前記要応答情報を出力するタイミングおよび前記推定部が前記運転者の状態を推定するタイミングの少なくとも一方を決定する、
    推定装置。
  12. 請求項1または2に記載の推定装置において、
    前記出力部は、
    前記応答の内容に基づき、出力すべき広告情報を特定し、
    推定された前記運転者の状態が所定の条件を満たすとき、特定した前記広告情報を出力する
    推定装置。
  13. 一以上のコンピュータにより実行される推定方法であって、
    移動体の運転者に対して応答を求める要応答情報を出力する出力ステップと、
    前記要応答情報の出力に対する前記運転者の応答を検出する検出ステップと、
    前記応答の適正さおよびタイミングの少なくとも一方に基づいて前記運転者の状態を推定する推定ステップとを含む
    推定方法。
  14. 請求項13に記載の推定方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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