JP2023152119A - 加工装置および加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動送り切削による仕上げ面の表面性状を良好に維持する切削加工技術を提供する。【解決手段】主軸制御部21は、切削工具10または被削材6が取り付けられた主軸2aの回転を制御する。移動制御部22は、被削材6に対する切削工具10の相対的な移動を制御する。移動制御部22は、切削工具10が被削材6を切削する切削期間と、切削工具10が被削材6を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、切削工具10を送り方向に振動させる。主軸制御部21は、切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が、開始期間と終了期間の間の中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸2aの回転を制御する。【選択図】図3

Description

本開示は、加工装置および加工方法に関する。
切削加工では、切りくずが連続して排出されて、被削材や工具に絡みつくことが問題となる。切りくずの絡みつきを防止するため、一般には、切りくずを強くカールさせて分断するチップブレーカが用いられる。切りくずは、チップブレーカによってカールさせられて被削材や工具に衝突すると、その衝突後の無理な変形により分断されやすくなる。しかしながら被削材の延性が高い場合や、切りくず厚さが小さい場合(一般に仕上げ加工では切りくず厚さが小さい)には、切りくずが被削材や工具に衝突しても分断しないことがある。
非特許文献1は、工具を送り方向に一定の静的な送り量で送りながら、送り方向に振動させて、被削材を断続的に切削する振動送り切削を開示する。振動送り切削加工は、送り方向の振動の振幅と周期を適切に設定することで、確実に切りくずを切断でき、切りくずの絡みつき問題を解消する。
図1(a)は、振動送り切削の様子を示す図である。振動送り切削では、切削工具が被削材を切削する切削期間と、切削工具が被削材を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、切削工具を送り方向に振動させる。工具を被削材から送り方向に後退させて切削しない非切削期間を周期的に生成することで、確実に切りくずを切断する断続切削が実現される。
図1(b)は、振動送り切削における主軸回転角度(Spindle angle)と工具刃先の軸方向変位(Axial displacement)との関係の例を示す。ラインaは1回転目の刃先位置を、ラインbは2回転目の刃先位置を、ラインcは3回転目の刃先位置を示す。"Feed"は、1回転あたりの静的な送り量(mm/rev)を示し、"Air cutting interval"は、刃先が送り方向に後退して被削材を切削しない非切削期間を示す。振動送り切削では、工具が被削材を切削する切削期間(図1(b)においてドットを付した領域の期間)と、工具が被削材を切削しない非切削期間とが交互に繰り返されることで、被削材を断続的に切削して切りくずを切断し、切りくずが被削材や工具に絡みつくことを防止する。
笠原英志、「振動送り切削による切りくず切断」、昭和42年度精密機械学会春季学術講演会前刷,119
図2は、従来の振動送り切削により仕上げ加工した被削材表面の写真を示す。図2に示す仕上げ面には、曇った筋(スジ)のような箇所が点在している。このように従来の振動送り切削においては、仕上げ面の表面性状が劣化しやすいことが課題となっている。
本開示はこうした状況に鑑みてなされており、その目的とするところは、振動送り切削による仕上げ面の表面性状を良好に維持する切削加工技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の加工装置は、切削工具または被削材が取り付けられた主軸の回転を制御する主軸制御部と、被削材に対する切削工具の相対的な移動を制御する移動制御部と、を備える加工装置であって、切削工具が被削材を切削する切削期間と、切削工具が被削材を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、移動制御部は、切削工具を送り方向に振動させるものであって、主軸制御部は、切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が、開始期間と終了期間の間の中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸の回転を制御する。
本発明の別の態様は、切削工具で被削材を加工する加工方法であって、切削工具が被削材を切削する切削期間と、切削工具が被削材を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、切削工具を送り方向に振動させるステップを備え、切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が、開始期間と終了期間の間の中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸の回転を制御する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
振動送り切削を説明するための図である。 従来の振動送り切削による仕上げ面の写真である。 実施形態の加工装置の概略構成を示す図である。 異なる送り量で切削したときの仕上げ面の写真である。 異なる切削速度で切削したときの仕上げ面粗さの測定結果を示す図である。 振動送り切削における主軸回転角度と送り方向の工具位置との関係を示す図である。 実施形態の加工手法における制御パターンの例を示す図である。
図3は、実施形態の加工装置1の概略構成を示す。加工装置1は、被削材6に対して切削工具10の刃先を切り込ませて旋削加工する切削装置である。加工装置1はベッド5上に、被削材6を回転可能に支持する主軸台2および心押し台3と、切削工具10を支持する刃物台4とを備える。回転機構8は電動モータを有し、主軸台2の内部に設けられて、被削材6が取り付けられた主軸2aを回転させる。送り機構7は電動モータおよびボールねじ等を有し、ベッド5上に設けられて、被削材6に対して切削工具10を相対的に移動させる。この加工装置1では、送り機構7が刃物台4をX軸、Y軸、Z軸方向に移動させることで、被削材6に対して切削工具10を相対的に移動させる。ここでX軸方向は、水平方向であって且つ被削材6の軸方向に直交する切込み方向、Y軸方向は鉛直方向である切削方向、Z軸方向は、被削材6の軸方向に平行な送り方向である。
制御部20は、回転機構8による主軸2aの回転を制御する主軸制御部21と、被削材6に対する切削工具10の相対的な移動を制御する移動制御部22とを備える。主軸2aの回転中、移動制御部22は、送り機構7を駆動して切削工具10を被削材6に切り込ませて、被削材6の加工を行わせる。加工装置1はNC工作機械であってよい。回転機構8および送り機構7は、それぞれ電動モータなどのアクチュエータを有し、主軸制御部21および移動制御部22は、それぞれアクチュエータへの供給電力を調整して、回転機構8および送り機構7のそれぞれの挙動を制御する。
なお実施形態の加工装置1では被削材6が主軸2aに取り付けられて、回転機構8により回転させられるが、別の例では、切削工具10が主軸2aに取り付けられて、主軸制御部21が、切削工具10が取り付けられた主軸2aの回転を制御してもよい。また送り機構7は、被削材6に対して切削工具10を相対的に移動させればよく、切削工具10または被削材6の少なくとも一方を移動させる機構を有していればよい。
実施形態の加工装置1においては、切削工具10が被削材6を切削する切削期間と、切削工具10が被削材6を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、移動制御部22が、切削工具10を送り方向に振動させる。つまり実施形態の加工装置1は、切削工具10が被削材6から送り方向に離れて切削しない非切削期間を周期的に生成する振動送り切削装置であって、確実に切りくずを切断する断続切削を実現する。
図2に示したように、従来の振動送り切削で仕上げ加工した被削材表面においては、曇った筋(スジ)のような箇所が点在することがある。本開示者は、以下に説明する実験を行って、従来の振動送り切削による仕上げ面の性状劣化の原因を調べた。
まず本開示者は、仕上げ面に残された加工軌跡と、問題となる筋が発生した箇所との関係を調べるために、仕上げ面を顕微鏡を用いて観察した。その結果、切削と非切削とが切り替わる箇所で、筋が発生していることが分かった。本開示者は、切削と非切削とが切り替わる箇所では切取り厚さが小さくなることから、当該箇所の切削温度が低下して、金属である被削材が工具に凝着し易い条件になったことが、筋の発生原因であると推測した。
上記推測を実証するために、本開示者は、切削速度Vを100m/minに固定し、1回転あたりの送り量Fを0.01~0.08mm/revの範囲で複数設定して、鋼の長手旋削を行い、各送り量による仕上げ面を観察した。なお、この実験では、振動送り切削ではなく、通常の旋削加工(工具を送り方向に振動させない旋削加工)を実施した。
図4は、異なる送り量で切削したときの仕上げ面の写真を示す。図4は、送り量Fを0.01mm/rev、0.02mm/rev、0.03mm/rev、0.04mm/rev、0.05mm/rev、0.06mm/rev、0.07mm/rev、0.08mm/revに設定して旋削したときの仕上げ面を示す。図4に示す写真から、送り量Fが0.04mm/rev以上では良好な光沢面が得られるが、送り量Fが0.03mm/rev以下では、送り量が低下するにしたがって、被削材の工具への凝着量が増加し、白く曇った仕上げ面になることが確認された。
次に、本開示者は、1回転あたりの送り量Fを0.01mm/revに固定し、切削速度Vを100~240m/minの範囲で複数設定して、鋼の長手旋削を行い、各切削速度による仕上げ面粗さを測定した。なお、この実験でも、振動送り切削ではなく、通常の旋削加工を実施した。
図5は、異なる切削速度で切削したときの仕上げ面粗さの測定結果を示す。図5において、縦軸は仕上げ面の凹凸を示し、横軸は送り方向の位置を示す。図5は、切削速度Vを100m/min、120m/min、140m/min、160m/min、180m/min、200m/min、220m/min、240m/minに設定して旋削したときの仕上げ面の表面粗さの測定結果を示す。図5に示す測定結果から、切削速度Vが180m/min以上では表面粗さが小さく、良好な仕上げ面が得られるが、切削速度Vが160m/min以下では表面粗さが大きく、良好な仕上げ面を得られないことが確認された。
被削材の一部が刃先に付着する凝着現象は、被削材と刃先材料の関係により定まる所定の切削点温度を超えると発生しなくなることが知られている。この切削点温度よりも低温領域では凝着現象が生じ易いが、当該切削点温度よりも高温領域では、加工硬化状態を維持できないため、凝着物の付着が維持されない。
切取り厚さおよび/または切削速度の増大に伴って、切削点の温度は上昇する。図4に示す観察結果によれば、切取り厚さに相関する送り量Fが0.04mm/rev以上になると、良好な光沢面が得られることが確認され、図5に示す測定結果によれば、切削速度Vが180m/min以上になると、良好な仕上げ面が得られることが確認されている。なお切削速度と切取り厚さとが切削点温度に与える影響を比較すると、切削速度が切削点温度に与える影響の方が大きく、したがって上記した2つの実験では、切取り厚さに相関する送り量の変化範囲(8倍:0.01~0.08mm/rev)に対して切削速度の変化範囲(2.4倍:100~240m/min)は小さいにも関わらず、類似した仕上げ面の変化(むしれ)が観察されている。
以上の実証実験から本開示者は、従来の振動送り切削においては、切削と非切削の切り替わり箇所付近で瞬間的な送り量Fが減少して、凝着を発生させる温度領域まで切削点温度が低下することで被削材が切削工具に凝着し易くなり、仕上げ面粗度が悪化している、との知見を得た。この現象解明に基づき、本開示の加工装置1は、振動送り切削における切削点温度の低下を切削速度(回転速度)の増大によって補い、切削点温度の低下を抑制することで仕上げ面の劣化(むしれ、または切削工具への被削材の凝着)を低減または抑制する。具体的に加工装置1は、振動送り切削において切削期間と非切削期間とが切り替わるタイミングの近傍で切削速度(回転速度)を増大して、仕上げ面の劣化を低減または抑制する。
図6は、振動送り切削における主軸回転角度と送り方向の工具位置(刃先位置)との関係を示す。ラインaは(N-3)回転目の刃先位置を、ラインbは(N-2)回転目の刃先位置を、ラインcは(N-1)回転目の刃先位置を、ラインdはN回転目の刃先位置を示す。"Feed"は、1回転あたりの静的な送り量を示す。
加工装置1において移動制御部22は、切削工具10を送り方向に静的な送り量で送りつつ、切削工具10が被削材6を切削する切削期間と、切削工具10が被削材6を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、切削工具10を送り方向に振動させる。図6に示す切削工具10の振動パターンにおいては、主軸2aが1回転する間に、切削工具10が送り方向に2.5回振動している。切削期間において、ラインdと、ラインcまたはラインbに挟まれた領域(図6においてドットを付した領域)は、動的に変動する瞬間的な送り量を表現する。上記したように瞬間的な送り量は切取り厚さに相関しており、したがって瞬間的な送り量が大きくなると、切取り厚さが増大し、一方で瞬間的な送り量が小さくなると、切取り厚さが減少する。
図6に示すように、切削期間は、開始期間T1、中間期間T2、終了期間T3に分割される。開始期間T1は、切削期間の開始タイミングを示す回転角度P1と、ラインcとラインbが最初に交差するタイミングを示す回転角度P2の間の期間であり、開始期間T1では、瞬間的な送り量が、切削開始タイミングから徐々に増大していく。中間期間T2は、回転角度P2と、ラインbとラインcが次に交差するタイミングを示す回転角度P3の間の期間であり、中間期間T2では、瞬間的な送り量は一定となる。終了期間T3は、回転角度P3と、切削期間の終了タイミングを示す回転角度P4の間の期間であり、終了期間T3では、瞬間的な送り量が、切削終了タイミングに向けて徐々に減少していく。
図7は、実施形態の加工手法における変動パターンの例を示す。図7(a)は、送り方向の工具位置の変動を示し、図7(b)は、瞬間的送り量fの変動を示し、図7(c)は、主軸回転速度の変動を示す。図7に示す振動送り切削では、主軸1回転あたりの送り量の変動周期を1.5、振幅を0.05mmとし、1回転あたりの静的(平均)送り量を0.05mm/revとしている。図7(b)に示す瞬間的送り量fは、切取り厚さに対応する。
図7(b)に示されるように、瞬間的送り量fは、中間期間において最大値fmaxで一定となり、したがって切削期間中、切取り厚さは中間期間で最大となる。一方、開始期間および終了期間における瞬間的送り量fは、中間期間における瞬間的送り量fmaxよりも小さいため、従来のように切削期間中の主軸回転速度nを一定にすると、開始期間および終了期間における切削点温度が低くなることで、被削材6が切削工具10に凝着しやすくなる可能性がある。そこで実施形態の加工装置1において主軸制御部21は、切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が、開始期間と終了期間の間の中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸2aの回転を制御する。主軸制御部21は、開始期間および終了期間の双方における切削速度が中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸2aの回転を制御することが好ましい。具体的に主軸制御部21は、開始期間および終了期間の双方における主軸回転速度を、中間期間における主軸回転速度よりも高く設定する。
実施形態において、主軸制御部21は、中間期間における主軸回転速度を一定値(400rpm)に設定する。主軸制御部21は、開始期間において、切削の開始タイミングにおける主軸回転速度を最大値(800rpm)に設定し、開始期間が終了するまで(中間期間が開始するまで)、主軸回転速度を徐々に線形的に減少させる。ここで主軸回転速度の最大値は、切削期間の開始タイミングにおいて被削材6の凝着を生じさせない速度に定められる。また主軸制御部21は、終了期間において、主軸回転速度を、中間期間における主軸回転速度(400rpm)から徐々に線形的に増加させて、切削の終了タイミングにおける主軸回転速度を最大値(800rpm)に設定している。
以上のように主軸制御部21が、主軸2aの回転速度を制御することで、切取り厚さが変動することによる切削点温度の増減を抑制して、仕上げ面性状の変動を低減することができる。
なお図7(c)に示す変動パターンでは、主軸制御部21は、主軸回転速度を線形的に変動させているが、正弦関数的に変動させてもよく、指数関数的に変動させてもよく、多次関数的に変動させてもよい。また主軸制御部21は、中間区間において主軸回転速度を一定にしているが、必ずしも一定にする必要はなく、中間区間において被削材6の凝着を生じさせない速度であればよい。また主軸制御部21は、開始期間において、切削開始タイミングの主軸回転速度を最大値に設定し、終了期間において、切削終了タイミングの主軸回転速度を最大値に設定しているが、切削開始タイミングおよび切削終了タイミングにおける主軸回転速度は異なっていてもよい。
実施形態の加工装置1において、主軸制御部21は、開始期間および/または終了期間において瞬間的送り量が減少することによって切削点温度が被削材が凝着する温度まで低下することを回避するように、切削速度を増加して、切削点温度の低下を抑制または低減する。つまり主軸制御部21は、仕上げ面が劣化する可能性のある開始期間および/または終了期間において、仕上げ面の劣化を防止または低減しうる回転速度で主軸2aを回転させる。
実施形態では、移動制御部22が工具刃先を正弦波状に振動させる例を示したが、振動軌跡は正弦波状に限定されず、三角波状や方形波状、台形波状など、各種の振動軌跡を適用してよい。いずれの振動軌跡を適用した場合にも、切削期間と非切削期間の境界領域では瞬間的な送り量が減少するため、それに起因する切削点温度の低下を抑制または低減するように、境界領域における切削速度(回転速度)を増大することで、仕上げ面の劣化を防止または低減する。
以上、本開示を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施形態では、主軸制御部21が、被削材6の直径が変わらない長手旋削において主軸2aの回転を制御する例を示した。被削材6の直径が徐々に変わる端面旋削においては、直径が小さい側で回転速度を増して、切削速度の変化を抑制する周速一定制御が行われることがある。このような端面旋削においても、主軸制御部21は、切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が、開始期間と終了期間の間の中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸2aの回転を制御してよい。
本開示の概要は、次の通りである。
本開示のある態様の加工装置は、切削工具または被削材が取り付けられた主軸の回転を制御する主軸制御部と、被削材に対する切削工具の相対的な移動を制御する移動制御部とを備える。切削工具が被削材を切削する切削期間と、切削工具が被削材を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、移動制御部は、切削工具を送り方向に振動させる。主軸制御部は、切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が、開始期間と終了期間の間の中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸の回転を制御することが好ましい。
主軸制御部が、切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が中間期間における切削速度よりも高くなるように主軸の回転を制御することで、仕上げ面の劣化を防止または低減できる。
主軸制御部は、開始期間および終了期間における切削速度が、中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸の回転を制御してよい。主軸制御部は、切削期間の開始タイミングおよび/または終了タイミングにおける主軸回転速度を、切削期間における最大値に設定してよい。
本開示の別の態様の加工方法は、切削工具で被削材を加工する加工方法であって、切削工具が被削材を切削する切削期間と、切削工具が被削材を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、切削工具を送り方向に振動させるステップを備える。この加工方法は、切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が、開始期間と終了期間の間の中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸の回転を制御することが好ましい。
切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸の回転を制御することで、仕上げ面の劣化を防止または低減できる。
1・・・加工装置、2a・・・主軸、6・・・被削材、7・・・送り機構、8・・・回転機構、10・・・切削工具、20・・・制御部、21・・・主軸制御部、22・・・移動制御部。

Claims (4)

  1. 切削工具または被削材が取り付けられた主軸の回転を制御する主軸制御部と、
    被削材に対する切削工具の相対的な移動を制御する移動制御部と、を備える加工装置であって、前記切削工具が前記被削材を切削する切削期間と、前記切削工具が前記被削材を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、前記移動制御部は、前記切削工具を送り方向に振動させるものであって、
    前記主軸制御部は、前記切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が、前記開始期間と前記終了期間の間の中間期間における切削速度よりも高くなるように、前記主軸の回転を制御する、
    ことを特徴とする加工装置。
  2. 前記主軸制御部は、前記開始期間および前記終了期間における切削速度が、前記中間期間における切削速度よりも高くなるように、前記主軸の回転を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  3. 前記主軸制御部は、前記切削期間の開始タイミングおよび/または終了タイミングにおける主軸回転速度を、前記切削期間における最大値に設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  4. 切削工具で被削材を加工する加工方法であって、前記切削工具が前記被削材を切削する切削期間と、前記切削工具が前記被削材を切削しない非切削期間とが周期的に繰り返されるように、切削工具を送り方向に振動させるステップを備え、
    前記切削期間の開始期間または終了期間における切削速度が、前記開始期間と前記終了期間の間の中間期間における切削速度よりも高くなるように、主軸の回転を制御する、
    ことを特徴とする加工方法。
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