JP2023151500A - ガラス組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線造影性と審美性に優れたガラス組成物を提供すること。【解決手段】ガラス組成物は、ガドリニウム(Gd)とセシウム(Cs)の少なくとも一方と、ケイ素(Si)とを含む。ガラス組成物は、酸化物換算で、酸化ガドリニウムと酸化セシウムの合計含有量が1質量%以上であって、酸化ケイ素の含有量が30質量%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス組成物に関する。
X線造影性ガラスとして、バリウムガラスが知られている(例えば、特許文献1参照)。X線造影性とは、X線不透過性のことである。X線不透過性が高いほど、つまりX線透過率が低いほど、X線造影性が良い。
特許第6346086号公報
本発明の一態様は、X線造影性と審美性に優れたガラス組成物を提供する。
本発明の一態様に係るガラス組成物は、ガドリニウム(Gd)とセシウム(Cs)の少なくとも一方と、ケイ素(Si)とを含む。ガラス組成物は、酸化物換算で、酸化ガドリニウムと酸化セシウムの合計含有量が1質量%以上であって、酸化ケイ素の含有量が30質量%以上である。
本発明の一態様によれば、X線造影性と審美性に優れたガラス組成物を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。明細書中、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
本実施形態のガラス組成物は、ガドリニウム(Gd)とセシウム(Cs)の少なくとも一方と、ケイ素(Si)とを含む。ガラス組成物は、ガドリニウムとセシウムの一方のみを含んでもよいが、両方を含むことが好ましい。
ガドリニウムは、最大14個の電子が入る4f軌道が占有可能な電子数の半分にあたる7個の電子で占有され、占有する全ての電子が不対電子となる希土類元素である。ガドリニウムは、このように4f軌道が7個の不対電子で占有されることから、4f元素として磁気モーメントが最大となる。
セシウム(原子番号55)は、バリウム(原子番号56)に次いで大きな原子番号を有するので、高いX線造影性を発現できる。また、セシウムは、アルカリ金属元素であるので、他のアルカリ金属元素(例えばナトリウム)と混合することで、混合アルカリイオン効果を発現でき、耐水性及び耐薬品性を向上できる。
ガラス組成物は、ガドリニウムとセシウムの少なくとも一方を含むことで、X線造影性の低下を抑制しつつ、バリウム(Ba)の含有量を低減でき、バリウムを実質的に含有しないことも可能である。X線造影性とは、X線不透過性のことである。X線不透過性が高いほど、つまりX線透過率が低いほど、X線造影性が良い。
ガラス組成物のX線造影性は、ISO 13116:2014に準拠した歯科材料のX線造影性試験方法により測定する。具体的には、先ず、厚さTs(単位:mm)の試験片(板状のガラス組成物)の光学濃度又はグレイ値を測定する。次に、厚さTsの試験片と同じ光学濃度又はグレイ値を示すアルミニウム板の厚さTa(単位:mm)を求める。そうして、Tsに対するTaの割合(単位:%)を、X線造影性の値として用いる。
Tsに対するTaの割合が大きいほど、X線造影性(X線不透過性)が良い。Tsに対するTaの割合は、好ましくは200%以上であり、より好ましくは400%以上であり、さらに好ましくは600%以上であり、特に好ましくは800%以上である。Tsに対するTaの割合は、好ましくは1200%以下である。
ガラス組成物は、上記の通り、ガドリニウムとセシウムの少なくとも一方を含むことで、X線造影性の低下を抑制しつつ、バリウムの含有量を低減できる。これにより、ガラス組成物の屈折率を1.45以上1.56未満に調整できる。本明細書において、屈折率とは、D線(波長589nmの光線)における屈折率を意味する。
ガラス組成物の屈折率が1.45以上1.56未満であれば、後述する重合性単量体とガラス組成物との屈折率差を低減でき、後述する歯科用重合性組成物の透明性を向上でき、審美性を向上できる。なお、重合性単量体の屈折率は、おおよそ1.50以上1.52以下である。
ガラス組成物の屈折率は、上記の通り、好ましくは1.45以上1.56未満である。ガラス組成物の屈折率は、より好ましくは1.50以上であり、さらに好ましくは1.52以上である。また、ガラス組成物の屈折率は、より好ましくは1.54以下である。
ガラス組成物は、酸化物換算で、酸化ガドリニウム(Gd)と酸化セシウム(CsO)の合計含有量が、好ましくは1質量%以上である。酸化ガドリニウムと酸化セシウムの合計含有量が1質量%以上であれば、X線造影性と審美性に優れたガラス組成物が得られる。
ガラス組成物は、酸化ガドリニウムと酸化セシウムの合計含有量が、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは9質量%以上である。また、ガラス組成物は、酸化ガドリニウムと酸化セシウムの合計含有量が、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。
ガラス組成物は、酸化物換算で、酸化ガドリニウムの含有量が、好ましくは0質量%~40質量%であり、より好ましくは12質量%~30質量%であり、さらに好ましくは15質量%~25質量%である。酸化ガドリニウムの含有量が40質量%以下であれば、硬化後の歯科用重合性組成物が着色するのを抑制することができる。
ガラス組成物は、酸化物換算で、酸化セシウムの含有量が、好ましくは0質量%~20質量%であり、より好ましくは5質量%~17質量%であり、さらに好ましくは8質量%~15質量%である。
ガラス組成物は、バリウムを実質的に含有しなくてもよいが、バリウムを含有してもよい。ガラス組成物は、バリウムを含有することで、ガドリニウムとセシウムの含有量を低減できる。ガラス組成物は、酸化物換算で、酸化バリウム(BaO)の含有量が、好ましくは0質量%以上30質量%未満である。酸化バリウムの含有量が30質量%未満であれば、ガラス組成物の屈折率を1.56未満に調整できる。酸化バリウムの含有量は、より好ましくは8質量%~25質量%であり、さらに好ましくは13質量%~22質量%である。
ガラス組成物は、酸化物換算で、酸化ケイ素(SiO)の含有量が、好ましくは30質量%~80質量%であり、より好ましくは35質量%~70質量%であり、さらに好ましくは45質量%~65質量%である。酸化ケイ素の含有量が30質量%以上であれば、歯科用重合性組成物の粘性の調整が容易であって、また、機械的強度を向上できる。また、酸化ケイ素の含有量が80質量%以下であれば、X線造影性の低下を抑制できる。
ガラス組成物は、ガドリニウム、セシウム、バリウム及びケイ素以外の元素を含有してもよい。その他の元素として、例えば、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)及びフッ素(F)が例示される。
ガラス組成物は、酸化物基準で、酸化アルミニウム(Al)の含有量が、好ましくは0質量%~20質量%であり、より好ましくは3質量%~15質量であり、さらに好ましくは5質量%~10質量%である。酸化アルミニウムの含有量が3質量%以上であれば、化学的耐久性と機械的強度を向上できる。また、酸化アルミニウムの含有量が20質量%以下であれば、失透と耐酸性の低下を抑制できる。
ガラス組成物は、酸化物基準で、酸化ホウ素(B)の含有量が、好ましくは0質量%~14質量%であり、より好ましくは3質量%~12質量であり、さらに好ましくは5質量%~8質量%である。酸化ホウ素の含有量が3質量%以上であれば、ガラスの結晶化を抑制できる。また、酸化ホウ素の含有量が14質量%以下であれば、化学的耐久性の低下と屈折率の不均一化を抑制できる。
ガラス組成物は、酸化物基準で、酸化ナトリウム(NaO)の含有量が、好ましくは0質量%~20質量%であり、より好ましくは3質量%~15質量%であり、さらに好ましくは5質量%~10質量%である。酸化ナトリウムの含有量が20質量%以下であれば、化学的耐久性の低下と耐水性の低下を抑制できる。
ガラス組成物は、フッ素(F)の含有量が、好ましくは0質量%~5質量%であり、より好ましくは0質量%~3質量%であり、さらに好ましくは0質量%~1質量%である。フッ素の含有量が5質量%以下であれば、歯科用重合性組成物の粘性の調整が容易である。
ガラス組成物は、粉末状又は板状である。粉末状のガラス組成物がガラス粉末であり、板状のガラス組成物がガラス板である。ガラス組成物を歯科用重合性組成物の一部として使用する場合、ガラス組成物は粉末状であることが好ましい。ガラス板をガラス粉末に粉砕する方法は、一般的な方法であってよく、乾式でも湿式でもよい。遊星ミル、振動ミル、ボールミル又はビーズミルが用いられる。
ガラス組成物が粉末状である場合、その平均粒径は好ましくは80nm~1000nmであり、より好ましくは100nm~900nmであり、さらに好ましくは150nm~800nmである。本明細書において、平均粒径とは、動的光散乱法によって測定される、体積基準のメジアン径D50のことである。
ガラス組成物は、放射線遮蔽用ガラスとしても使用可能である。この場合、ガラス組成物は、板状で使用されてもよいし、粉末状でアクリルと混ぜて使用されてもよい。いずれにしろ、本実施形態のガラス組成物を鉛ガラスの代わりに使用することで、鉛の使用量を低減できる。
次に、歯科用重合性組成物の詳細について説明する。歯科用重合性組成物は、上記ガラス組成物を含有する。歯科用重合性組成物中のガラス組成物の含有量は、好ましくは40質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上80質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以上70質量%以下である。
歯科用重合性組成物中のガラス組成物の含有量が40質量%以上であると、歯科用重合性組成物に高いX線造影性を付与でき、また、機械的強度を向上できる。また、歯科用重合性組成物中のガラス組成物の含有量が90質量%以下であると、歯科用重合性組成物の粘性が低く、歯科用重合性組成物の操作性を向上できる。
歯科用重合性組成物は、上記ガラス組成物に加えて、(メタ)アクリレート化合物を含有する。本明細書において、重合性組成物とは、重合する機能を有する組成物を示す。(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリレートの(メタ)アクリロイルオキシ基を1個以上有するモノマー、オリゴマー、又はプレポリマーを示す。本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を示す。
(メタ)アクリレートは、特に限定されず、例えば、酸基を有する(メタ)アクリレートでもよく、酸基を有さない(メタ)アクリレートでもよく、この両方であってもよい。なお、酸基を有する(メタ)アクリレートは、複数個の酸基を有していてもよい。また、酸基を有する(メタ)アクリレートの代わりに、酸基を有する(メタ)アクリレートの酸塩化物、アルカリ金属塩及びアミン塩を用いてもよい。
酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、リン酸基を有する(メタ)アクリレート、ピロリン酸基を有する(メタ)アクリレート、チオリン酸基を有する(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート、スルホン酸基を有する(メタ)アクリレート、ホスホン酸基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、ビス[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]ハイドロジェンホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニルハイドロジェンホスフェート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、1,3-ジ(メタ)アクリロイルプロパン-2-ジハイドロジェンホスフェート、1,3-ジ(メタ)アクリロイルプロパン-2-フェニルハイドロジェンホスフェート、ビス[5-{2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニル}ヘプチル]ハイドロジェンホスフェート等が挙げられる。これらの中でも、歯科用重合性組成物の接着性を向上させる点で、10-メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートが好ましい。
ピロリン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、ピロリン酸ビス[2-(メタ)アクリロイルオキシエチル]、ピロリン酸ビス[4-(メタ)アクリロイルオキシブチル]、ピロリン酸ビス[6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシル]、ピロリン酸ビス[8-(メタ)アクリロイルオキシオクチル]、ピロリン酸ビス[10-(メタ)アクリロイルオキシデシル]等が挙げられる。
チオリン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンチオホスフェート、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジハイドロジェンチオホスフェート、4-(メタ)アクリロイルオキシブチルジハイドロジェンチオホスフェート、5-(メタ)アクリロイルオキシペンチルジハイドロジェンチオホスフェート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンチオホスフェート、7-(メタ)アクリロイルオキシヘプチルジハイドロジェンチオホスフェート、8-(メタ)アクリロイルオキシオクチルジハイドロジェンチオホスフェート、9-(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンチオホスフェート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェート、11-(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンチオホスフェート、12-(メタ)アクリロイルオキシドデシルジハイドロジェンチオホスフェート、13-(メタ)アクリロイルオキシトリデシルジハイドロジェンチオホスフェート、14-(メタ)アクリロイルオキシテトラデシルジハイドロジェンチオホスフェート、15-(メタ)アクリロイルオキシペンタデシルジハイドロジェンチオホスフェート、16-(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルジハイドロジェンチオホスフェート、17-(メタ)アクリロイルオキシヘプタデシルジハイドロジェンチオホスフェート、18-(メタ)アクリロイルオキシオクタデシルジハイドロジェンチオホスフェート、19-(メタ)アクリロイルオキシノナデシルジハイドロジェンチオホスフェート、20-(メタ)アクリロイルオキシイコシルジハイドロジェンチオホスフェート等が挙げられる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、4-(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸、4-(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物、4-(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリット酸、4-(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリット酸無水物、11-(メタ)アクリロイルオキシ-1,1-ウンデカンジカルボン酸、1,4-ジ(メタ)アクリロイルオキシピロメリット酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。これらの中でも、歯科用重合性組成物の接着性を向上させる点で、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸が好ましい。
スルホン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-スルホエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ホスホン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスホネート、5-(メタ)アクリロイルオキシペンチル-3-ホスホノプロピオネート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシル-3-ホスホノプロピオネート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシル-3-ホスホノプロピオネート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシル-3-ホスホノアセテート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシル-3-ホスホノアセテート等が挙げられる。
これら酸基を有する(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、これらの中でも、歯科用重合性組成物の歯面のスメアー層の溶解性や歯質脱灰性、特に、エナメル質に対する接着性の点で、リン酸基又はカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
歯科用重合性組成物中の酸基を有する(メタ)アクリレートの含有量は、特に限定されず、例えば、0.1質量%以上20質量%以下にすることができ、好ましくは0.1質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。歯科用重合性組成物中の酸基を有する(メタ)アクリレートの含有量が0.1質量%以上であると、歯科用重合性組成物の歯質に対する接着性がさらに向上し、20質量%以下であると、歯科用重合性組成物の硬化性が向上する。
酸基を有さない(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、ジ-2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、1,3,5-トリス[1,3-ビス{(メタ)アクリロイルオキシ}-2-プロポキシカルボニルアミノヘキサン]-1,3,5-(1H,3H,5H)トリアジン-2,4,6-トリオン、2,2-ビス[4-(3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、N,N'-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2-(アミノカルボキシ)プロパン-1,3-ジオール〕テトラメタクリレート等が挙げられる。
これらの酸基を有さない(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
酸基を有さない(メタ)アクリレートとしては、これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化体の機械的強度を向上させる点で、ジ-2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、2-ヒドロキシ-1,3-ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパンが好ましい。
歯科用重合性組成物中の酸基を有さない(メタ)アクリレートの含有量は、10質量%以上95質量%以下にすることができ、好ましくは13質量%以上90質量%以下、より好ましくは15質量%以上80質量%以下である。
歯科用重合性組成物中の酸基を有さない(メタ)アクリレートの含有量が10質量%以上であると、歯科用重合性組成物の操作性を向上できる。また、歯科用重合性組成物中の酸基を有さない(メタ)アクリレートの含有量が95質量%以下であると、歯科用重合性粗生成物の機械的強度を向上できる。
歯科用重合性組成物は、上記ガラス組成物以外にも、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーの成分は、特に限定されないが、例えば、コロイダルシリカ、表面が疎水化処理された微粒子シリカ、酸化アルミニウム、フルオロアルミノシリケートガラス、バリウムガラス等が挙げられる。これらの無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。以下の説明において、無機フィラーとは、上記ガラス組成物以外の無機成分を意味する。
歯科用重合性組成物中の無機フィラーの配合量は、例えば、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上10質量%以下である。歯科用重合性組成物中の無機フィラーの配合量が0.01質量%以上であると、歯科用重合性組成物の粘性が高くなり、歯科用重合性組成物の操作性を向上できる。また、歯科用重合性組成物中の無機フィラーの配合量が30質量%以下であると、歯科用重合性組成物の粘性が高くなりすぎず、歯科用重合性組成物の高い操作性を維持することができる。
歯科用重合性組成物は、その他の成分、例えば化学重合開始剤、光重合開始剤、及び重合禁止剤から選ばれる少なくとも1つを含有してもよい。
化学重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、チオ尿素誘導体、バナジウム化合物、第3級アミン、又は有機過酸化物を用いることができる。チオ尿素誘導体、バナジウム化合物および第3級アミンは、化学重合開始剤の中でも還元剤として機能する。有機過酸化物は、化学重合開始剤の中でも酸化剤として機能する。
チオ尿素誘導体としては、特に限定されず、例えば、エチレンチオ尿素、N-メチルチオ尿素、N-エチルチオ尿素、N-プロピルチオ尿素、N-ブチルチオ尿素、N-ラウリルチオ尿素、N-フェニルチオ尿素、N-シクロヘキシルチオ尿素、N,N-ジメチルチオ尿素、N,N-ジエチルチオ尿素、N,N-ジプロピルチオ尿素、N,N-ジブチルチオ尿素、N,N-ジラウリルチオ尿素、N,N-ジフェニルチオ尿素、N,N-ジシクロヘキシルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、N-アセチルチオ尿素、N-ベンゾイルチオ尿素、1-アリル-3-(2-ヒドロキシエチル)-2-チオ尿素、1-(2-テトラヒドロフルフリル)-2-チオ尿素、N-tert-ブチル-N'-イソプロピルチオ尿素、2-ピリジルチオ尿素等が挙げられる。これらのチオ尿素誘導体、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性を向上させる点で、N-ベンゾイルチオ尿素が好ましい。
歯科用重合性組成物中のチオ尿素誘導体の含有量は、特に限定されないが、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上3質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。歯科用重合性組成物中のチオ尿素誘導体の含有量が0.1質量%以上であると、歯科用重合性組成物の硬化性がさらに向上し、5質量%以下であると、歯科用重合性組成物におけるチオ尿素誘導体の(メタ)アクリレートに対する溶解性が向上する。
バナジウム化合物としては、特に限定されず、例えば、シュウ酸オキソバナジウム、バナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムベンゾイルアセトネート等が挙げられ、二種以上併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性の点で、バナジルアセチルアセトネートが好ましい。
歯科用重合性組成物中のバナジウム化合物の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.0015質量%以上1質量%以下、さらに好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下である。歯科用重合性組成物中のバナジウム化合物の含有量が0.001質量%以上であると、歯科用重合性組成物の硬化性がさらに向上し、5質量%以下であると、歯科用重合性組成物の保存安定性がさらに向上する。
第3級アミンは、特に限定されず、例えば、第3級脂肪族アミン、第3級芳香族アミンが挙げられる。第3級脂肪族アミンとしては、例えば、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリエタノールアミン等が挙げられる。第3級芳香族アミンとしては、例えば、p-ジアルキルアミノ安息香酸アルキル、7-ジメチルアミノ-4-メチルクマリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジベンジルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N,2,4,6-ペンタメチルアニリン、N,N,2,4-テトラメチルアニリン、N,N-ジエチル-2,4,6-トリメチルアニリン等が挙げられる。
第3級アミンは、これらの中でも、第3級芳香族アミンが好ましく、より好ましくはp-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルである。p-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルとしては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸メチル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸プロピル、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p-ジエチルアミノ安息香酸エチル、p-ジエチルアミノ安息香酸プロピル等が挙げられる。
これらの第3級アミンは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-アミルヒドロペルオキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ヒドロペルオキシ)ヘキサン、p-ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド、p-メタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性の点で、クメンヒドロペルオキシドが好ましい。
歯科用重合性組成物中の有機過酸化物の含有量は、特に限定されないが、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上3質量%以下である。歯科用重合性組成物中の有機過酸化物の含有量が0.01質量%以上であると、歯科用重合性組成物の硬化性がさらに向上し、10質量%以下であると、歯科用重合性組成物の操作余裕時間が長くなる。
光重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、カンファーキノン、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンジルケタール、ジアセチルケタール、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルビス(2-メトキシエチル)ケタール、4,4'-ジメチル(ベンジルジメチルケタール)、アントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、1-ヒドロキシアントラキノン、1-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、1-ブロモアントラキノン、チオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-ニトロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロロ-7-トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン-10,10-ジオキシド、チオキサントン-10-オキシド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性を向上させる点で、カンファーキノン、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドが好ましい。
歯科用重合性組成物中の光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上0.5質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下である。歯科用重合性組成物中の光重合開始剤の含有量が0.001質量%以上であると、歯科用重合性組成物の硬化性がさらに向上し、0.3質量%以下であると、歯科用重合性組成物の保存安定性がさらに向上する。
重合禁止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール)、6-tert-ブチル-2,4-キシレノール等が挙げられる。これらの重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でも、歯科用重合性組成物の硬化性を向上させる点で、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。
歯科用重合性組成物中の重合禁止剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.001質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以上1質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上0.1質量%以下である。歯科用重合性組成物中の光重合開始剤の含有量が0.001質量%以上5質量%以下であると、歯科用重合性組成物の保存安定性が向上する。
歯科用重合性組成物の剤型は、特に限定されず、例えば、第1剤及び第2剤を含む2剤型、第1剤のみを含む1剤型の何れでもよい。2剤型の場合、第1剤と第2剤を練和して用いることができる。第1剤と第2剤の質量比は、好ましくは10:1~1:10であり、より好ましくは1:5~5:1である。
2剤型の場合、第1剤及び第2剤の何れも、上記のガラス組成物を含有することが好ましい。X線造影性を高くすることができる。第1剤及び第2剤の何れも、上記のガラス組成物と上記の(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましく、上記の無機フィラーを含有することがより好ましい。第1剤及び第2剤の何れも、上記の化学重合開始剤などのその他の成分をさらに含有してもよい。
1剤型の場合、当然、第1剤は上記のガラス組成物を含有する。これにより、X線造影性を高くすることができる。第1剤は、上記のガラス組成物と上記の(メタ)アクリレート化合物を含有し、上記の無機フィラーを含有することが好ましい。第1剤は、上記の化学重合開始剤などのその他の成分をさらに含有してもよい。
歯科用重合性組成物の用途は、特に限定されないが、例えば、各種歯科材料に用いることができる。ここで、歯科材料としては、例えば、歯科用セメント、歯科用接着剤、歯科用仮封材、歯科用プライマー、歯科用コート材、歯科用コンポジットレジン、歯科用硬質レジン、歯科切削加工用レジン材料、歯科用暫間修復材、歯科用充填剤、歯磨剤などが挙げられる。これらの中でも、歯科用セメントに好適に用いられる。
以下、実験データについて説明する。実施例1~7及び比較例1では、表5に示す化学組成のガラス板を作製し、ガラス板のX線造影性とガラス粉末の屈折率とを測定した。ガラス板の化学組成は、蛍光X線分析法により測定した。ガラス板のX線造影性は、既述の通り測定した。なお、試験片であるガラス板の厚さTsは1mmであった。
ガラス粉末の屈折率は、下記の手順で測定した。先ず、ガラス板を粉砕することで、平均粒径が1000nmであるガラス粉末を作製した。次いで、特定の屈折率を有する液体と、作製したガラス粉末を1:1(質量比)で混合して透明チューブに詰めた。次に、透明チューブを白色LEDにかざし、透明チューブの透過光の色を目視で観察した。そうして、透明チューブの透過光が緑色になる液体の屈折率を、ガラス粉末の屈折率として採用した。なお、液体の屈折率がガラス粉末の屈折率よりも低い場合、透明チューブの透過光の色は青色になる。また、液体の屈折率がガラス粉末の屈折率よりも高いと、透明チューブの透過光の色は赤色または黄色になる。
ガラス粉末の屈折率が1.4600~1.5400である場合、液体としては、表1に記載の液1、液2又はこれらの混合液を用いた。液1と液2は、いずれも、歯科材料として一般的なものである。
Figure 2023151500000001
液1と液2の混合比(質量比)は、0.5%刻みで調整した。
ガラス粉末の屈折率が1.5400~1.6600である場合、液体としては、表2に記載の液2、液3又はこれらの混合液を用いた。液2と液3は、いずれも、歯科材料として一般的なものである。
Figure 2023151500000002
液2と液3の混合比(質量比)は、0.5%刻みで調整した。
なお、実施例1~7及び比較例1ではガラス粉末の屈折率が1.4600~1.6600であったが、ガラス粉末の屈折率が1.4500~1.4600である場合、液体としては、表3に記載の液1、液4又はこれらの混合液を用いればよい。液1と液4は、いずれも、歯科材料として一般的なものである。
Figure 2023151500000003
液1と液4の混合比(質量比)は、5.0%刻みで調整する。
また、ガラス粉末の屈折率が1.3300~1.4500である場合、液体としては、表4に記載の液4、液5又はこれらの混合液を用いればよい。液4と液5は、いずれも、歯科材料として一般的なものである。
Figure 2023151500000004
液4と液5の混合比(質量比)は、0.5%刻みで調整する。
なお、ガラス粉末の屈折率は上記の通り測定するが、ガラス板の屈折率はVブロック法で測定可能である。
実施例1~7及び比較例1で作製したガラス板の物性を表5に示す。
Figure 2023151500000005
表5に示すように、実施例1~7によれば、比較例1とは異なり、酸化ガドリニウムと酸化セシウムの合計含有量が1質量%以上であった。それゆえ、X線造影性の低下を抑制しつつ、酸化バリウムの含有量を30質量%未満に低減でき、屈折率を1.45以上1.56未満に調整できた。
以上、本発明に係るガラス組成物について説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組み合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。

Claims (4)

  1. ガドリニウム(Gd)とセシウム(Cs)の少なくとも一方と、ケイ素(Si)とを含み、
    酸化物換算で、酸化ガドリニウムと酸化セシウムの合計含有量が1質量%以上であって、酸化ケイ素の含有量が30質量%以上である、
    ガラス組成物。
  2. 粉末状又は板状である、
    請求項1に記載のガラス組成物。
  3. 酸化物換算で、酸化ガドリニウムの含有量が1質量%以上である、
    請求項1又は2に記載のガラス組成物。
  4. 酸化物換算で、酸化セシウムの含有量が1質量%以上である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載のガラス組成物。
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