JP2023150109A - 磁性エラストマー構造体の使用方法、磁性エラストマー構造体、磁性エラストマー構造体の製造方法、培養装置及び培養装置の使用方法 - Google Patents

磁性エラストマー構造体の使用方法、磁性エラストマー構造体、磁性エラストマー構造体の製造方法、培養装置及び培養装置の使用方法 Download PDF

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泰久 藤井
Yasuhisa Fujii
朋枝 出口
Tomoe Deguchi
日登志 山本
Hitoshi Yamamoto
大祐 石井
Daisuke Ishii
康司 井門
Yasushi Imon
悠宏 岩本
Yuhiro Iwamoto
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Abstract

【課題】磁場から外れた非印加状態と、磁場内に載置される印加状態との間で、基体部3と複数の可動部2との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体1の新たな使用方法を得る。【解決手段】可動部となる突出部2が基体部3に近接した近接姿勢で、液分Wが表面に馴染む親水状態で使用し、突出部2が突出した突出姿勢において、前記液分Wを磁性エラストマー構造体1から分離する撥水状態で使用する。【選択図】図2

Description

本発明は、
着磁状態にある磁性体が粘弾性体内に分散されてなり、
基体部と当該基体部に対して設けられる複数の可動部とを有し、
磁場から外れた非印加状態と、前記磁場内に載置される印加状態との間で、
前記基体部と前記複数の可動部との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体の使用方法に関するとともに、そのような磁性エラストマー構造体、その製造方法及び当該磁性エラストマー構造体を備えた培養容器に関する。
着磁状態にある磁性体が粘弾性体内に分散されてなり、
基体部と当該基体部に対して設けられる複数の可動部とを有し、
磁場から外れた非印加状態と、前記磁場内に載置される印加状態との間で、
前記基体部と前記複数の可動部との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体を、ガラス粒子の粘着除去に利用する技術が非特許文献1に開示されている。
非特許文献1に開示の技術では、直径0.5~1mmの球状のガラス粒子が散らばった表面に、上から磁性エラストマー構造体を押し当ててから持ち上げると、ガラス粒子が粘着すること、更には、その状態のまま、磁性エラストマー構造体の裏から磁石を近づけると、粘着力が失われてガラス粒子は下にポロポロ落ちることが示されている。この例では、ガラス粒子を粘着する状態において、基体部に対して突出部は起立しており、ガラス粒子を分離する状態においては、基体部に対して可動部となっている突出部は傾斜した姿勢を取る(非特許文献1 図8)。
一方、特許文献1には、マイクロスケールの構造体が開示されており、この構造体にあっても、基体部及び多数の突出部を備える。
この文献に記載の技術では、構造体を手袋の特定部位(指が付着する部位)に備えることで、対象とする面に良好に付着することができる。即ち、特定部位の付着性向上に寄与する。
特表2018-501981号公報
Gillies,A.G.,Kwak,J.and Fearing,R.S. (2013) Adv.Funct.Mater.,23:3256―3261.
上記のように、所謂、基体部の表面に複数の突出部を備えたマイクロスケールの構造体の用途は、これまで主に付着性の向上の用途に限られていた。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、磁場から外れた非印加状態と、磁場内に載置される印加状態との間で、基体部と複数の可動部との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体の新たな使用方法を得ることにあり、さらには、その目的に適した磁性エラストマー構造体を得ることにある。
上記目的を達成するための
着磁状態にある磁性体が粘弾性体内に分散されてなり、
基体部と当該基体部に対して設けられる複数の可動部とを有し、
磁場から外れた非印加状態と、前記磁場内に載置される印加状態との間で、
前記基体部と前記複数の可動部との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体の使用方法の第1の特徴構成は、
前記基体部に対して、前記複数の可動部が突出する突出姿勢と前記複数の可動部が近接する近接姿勢との間で姿勢変更可能に構成され、
前記近接姿勢において、液分が前記可動部の表面に馴染む親水状態で使用し、
前記突出姿勢において、前記液分を前記磁性エラストマー構造体から分離する撥水状態で使用することにある。
この様にすることで、親水・撥水状態の両者間で磁性エラストマー構造体を使用することができる。
この場合の使用形態としては、
前記可動部が前記基体部から突出する突出部であり、
前記突出姿勢が、前記基体部から前記突出部が起立した起立姿勢であり、
前記近接姿勢が、前記突出部が前記起立姿勢に対して傾いた傾斜姿勢であることとでる(本発明第2の特徴構成)。
この場合、起立姿勢と傾斜姿勢との間で、親水・撥水状態の何れか一方を実現できる。
前記突出部が前記基体部から尾根状に突出した尾根状突出部であり、
前記傾斜姿勢において、前記尾根状突出部が湾曲して当該尾根状突出部の先端が隣接する前記尾根状突出部に接触する構成とすることも好ましい(本発明第3の特徴構成)。
この構成にあっては、尾根状突出部を傾斜姿勢とすることで親水状態を実現できる。
前記可動部が、
前記突出姿勢において、前記基体部から突出する突出部であり、
前記近接姿勢において、前記突出部の前記基体部の表面からの突出量が減少することも好ましい(本発明第4の特徴構成)。
この場合、突出姿勢と突出量が減少した近接姿勢との間で、親水・撥水状態の何れか一方を実現できる。
前記非印加状態において、前記近接姿勢と前記突出姿勢との一方を取らせ、
前記印加状態において、前記近接姿勢と前記突出姿勢との他方を取らせることが好ましい(本発明第5の特徴構成)。
この構成では、非印加状態と印加状態との間で、近接姿勢と突出姿勢との両者間で姿勢変更を行い、親水・撥水状態を実現できる。
以上が、本発明に係る磁性エラストマー構造体の使用方法であるが、このような構造体は以下の構造とできる(本発明第6の特徴構成)。
着磁状態にある磁性体が粘弾性体内に分散されてなり、
基体部と当該基体部に対して設けられる複数の可動部とを有し、
磁場から外れた非印加状態と、前記磁場内に載置される印加状態との間で、
前記基体部と前記複数の可動部との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体であって、
前記基体部に対して前記複数の可動部が突出する突出姿勢と、前記基体部に対して前記複数の可動部が近接する近接姿勢との間で姿勢変更可能に構成され、
前記可動部が前記基体部から突出する突出部であり、
前記突出姿勢が、前記基体部から前記突出部が起立した起立姿勢であり、
前記近接姿勢が、前記突出部が前記起立姿勢に対して傾いた傾斜姿勢である磁性エラス
トマー構造体とする。
この種の構造体は、
前記複数の突出部が所定方向に並んで設けられ、
前記所定方向に並ぶ前記複数の突出部に関して、対を成す突出部が設定され、
前記傾斜姿勢において、前記対を成す突出部の傾斜方向が逆方向とされている構成とできる(本発明第7の特徴構成)。
この構成にあっては、後に例えば図6において説明するように、対を成す突出部が逆方向に傾斜することで、これら突出部により親水面を形成できる。
また、磁性エラストマー構造体としては、以下の構成を採用することも好ましい。
着磁状態にある磁性体が粘弾性体内に分散されてなり、
基体部と当該基体部に対して設けられる複数の可動部とを有し、
磁場から外れた非印加状態と、前記磁場内に載置される印加状態との間で、
前記基体部と前記複数の可動部との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体であって、
前記基体部に対して前記複数の可動部が突出する突出姿勢と、前記基体部に対して前記複数の可動部が近接する近接姿勢との間で姿勢変更可能に構成され、
前記可動部が、
前記突出姿勢において、前記基体部から突出する突出部であり、
前記近接姿勢において、前記突出部の前記基体部の表面からの突出量が減少することとする(本発明第8の特徴構成)。
この構成を採用することで、突出量の調整で親水・撥水状態を調整できる。
以上説明してきた磁性エラストマー構造体において、
前記非印加状態において、前記近接姿勢と前記突出姿勢との一方となり、
前記印加状態において、前記近接姿勢と前記突出姿勢との他方となる構成とすることができる(本発明第9の特徴構成)。
後にも示すように、本発明に係る磁性エラストマー構造体は、この構造体を構成する磁性体に対して所定方向の着磁を行い、そのようにして得られた磁性エラストマー構造体を、非印加状態と所定の印加状態で使用するが、着磁に於ける磁性体の着磁方向(極性方向)と使用時の印加方向(非印加状態を含む)とを一定の関係とすることにより、突出部の姿勢を適切に設定することができる。後述ずる図1(c)は、着磁方向が異なる場合の姿勢変更を示す一例である。
このような磁性エラストマー構造体は、以下の手順を経て製造できる。
着磁処理可能な磁性体を硬化処理可能な粘弾性材料内に分散させて一次前駆体を得る分散工程と、
前記分散工程で得られた前記一次前駆体を所定形状に保持するとともに、前記可動部に設定する特定方向に対して極性方向を一定の関係とした磁界を印加して、前記粘弾性材料を硬化する配向硬化工程とを実行し、
前記磁性体が着磁されるとともに、前記基体部及び前記複数の突出部を備え構造体を得る(本発明第10の特徴構成)。
このようにして磁性エラストマー構造体を製造する場合に、
前記配向硬化工程において印加する磁界の磁束密度を調整して、
前記近接姿勢と前記突出姿勢との間における姿勢変更能を調整することができる(本発明第11の特徴構成)。
このような磁性エラストマー構造体の製造方法により製造される磁性エラストマー構造体の使用に際しては、
前記印加状態において使用する磁場の極性方向を、前記配向硬化工程において印加した磁界の極性方向に対して同一方向若しくは逆方向とすることが好ましい(本発明第12の特徴構成)。
例えば、図1(c)で示すように、起立姿勢と傾斜姿勢との制御が容易となる。
以上が、親水・撥水制御に関する使用方法であるが、培養装置としての使用することができる。
即ちこれまで説明してきた磁性エラストマー構造体を容器底部に備え、
前記磁性エラストマー構造体の前記可動部表面を培養液内で培養対象を培養する培養領域とすることで、培養装置とすることができる(本発明第13の特徴構成)。
この培養装置には、前記容器底部に配設される前記磁性エラストマー構造体に磁場を印加する磁場印加装置を備えることが好ましい(本発明第14の特徴構成)。
この構成を採用することで、磁場印加装置を働かせて、印加状態、非印加状態の切替を容易に行える。
この種の培養装置の使用方法に際しては、
前記近接姿勢にあり、親水状態となっている前記磁性エラストマー構造体の可動部表面に前記培養液を保持して前記培養領域において前記培養対象を培養するとともに、
前記培養対象の培養を完了した後、前記磁性エラストマー構造体を前記近接姿勢から前記突出姿勢へと姿勢変更して、前記培養液を分離することができる(本発明第15の特徴構成)。
この構成では、
前記非印加状態において、前記培養領域で前記培養対象の培養を実行し、
前記非印加状態から前記印加状態への切替で、前記培養液を分離することができる(本発明第16の特徴構成)。
第1実施形態の磁性エラストマー構造体の構成及び動作模式図 第1実施形態の磁性エラストマー構造体の親水・撥水状態を示す説明図 第1実施形態の磁性エラストマー構造体の撥水状態を示す写真 磁性エラストマー構造体の製造工程を示す図 試験装置の構成を示す図 第2実施形態の磁性エラストマー構造体の構成及びその姿勢変更状態を示す図 第2実施形態の磁性エラストマー構造体の親水・撥水状態の説明図 第3実施形態の磁性エラストマー構造体の構成を示す図 第3実施形態の磁性エラストマー構造体の姿勢変更状態の説明図 培養容器の構成及び使用状態を示す図
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
本明細書では実施形態として、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態について説明する。
説明では、本発明の磁性エラストマー構造体1について、その構成、その使用形態、製造方法、試験方法の順に説明するが、上記の第1,第2,第3実施形態間では、主に、それらの構成及び親水・撥水状態での使用形態が異なるため、共通項目について先ず説明する。
簡単にこれら実施形態の特徴を説明しておくと、第1実施形態は、図1に示すように可動部としての突出部2の縦断面が柱状をしていることにあり、第2実施形態の可動部としての突出部2は、図6に示すように、複数備えられる突出部2が隣接する突出部2と対を成して、特定の動作形態を取るように構成されている点にある。即ち、その使用状態で、図6(b)に示すように、独特の表面を形成できる。第3の実施形態では、図9に模式的に示すように、可動部としての突出部2が基体部3から突出する形態において、その突出量が調整できる。
1.共通形態
磁性エラストマー構造体の構成
上述の図1、図6、図9からも理解できるように、本発明に係る磁性エラストマー構造体1は、着磁状態にある磁性体4が粘弾性体5内に分散されてなり、基体部3と当該基体部3に対して設けられる複数の可動部(突出部2)とを有し、磁場から外れた非印加状態と、前記磁場内に載置される印加状態との間で、基体部3と複数の可動部との相対姿勢が変化する。
以下、磁性体エラストマー構造体1を構成する個々に要素に関して順に説明する。
〔磁性体〕
磁性体4としては、微小な磁性体粒子を使用することができるとともに、用途によっては、所定の大きさを有する磁性体4を使用することもできる。さらに、着磁状態にあるとは、この磁性体4が着磁された状態にあり、それ自体が磁石としての特性を有することを意味する。本発明では、磁性体4を粘弾性体5内に混合した状態で着磁処理するため、この着磁処理により磁性体4は着磁状態となっている。磁性体4の着磁方向(極性)に関しては、磁性体エラストマー構造体1の製造方法が関係する。図1(c)は、第1実施形態の磁性エラストマー構造体1の基体部3及び単一の可動部である突出部2を模式的に示したものであり、磁性体4(磁性体粒子)の極性方向は所定の方向に調整された状態を模式的に示している。同図には、姿勢変更に際して、磁性エラストマー構造体1下部に載置して、突出部2の位置における磁場を調整する印加用永久磁石11の極性も示した。図において、矢印は極性方向を示しており、極性表示はN極からS極に向かう方向としている。
磁性体粒子としては、例えば、平均粒径3~200μm程度の強磁性体粒子を用いることができる。強磁磁性粒子としてネオジム磁石(Nd-Fe-B系磁石)粒子が代表的であるが、希土類を主成分とする強磁性粒子を好適に採用することができ、例えば、サマリウム・鉄磁石(Sm-Fe-N系磁石)粒子、サマリウム・コバルト磁石(Sm-Co系磁石)粒子、フェライト磁石粒子等も使用できる。
磁性エラストマー構造体体1全体に対する、磁性体粒子の混合割合は5~40%(体積%)とすることが好ましい。
以下に示す各実施形態では、磁性体粒子としてネオジム磁石粒子(Magnequench社製;製品名 MQFP-15-7)を利用した。第1実施形態及び第2実施形態で使用した磁性体粒子の平均粒径は5μm、密度は7.6g/cmとした。さらに、磁性体粒子の混合割合は20%(体積%)とした。第3実施形態で使用した磁性体粒子の平均粒径は15μm、密度は7.6g/cmとした。さらに、磁性体粒子の混合割合は10%(体積%)とした。
〔粘弾性体〕
粘弾性体5としては、硬化処理前の状態で流動性を有し、磁性体4を混合可能で、かつ、硬化後の状態で粘弾性を備えていればよい。例えば、シリコンエラストマー、エポキシエラストマー、不飽和ポリエステルエラストマー等を採用できる。さらに、非磁性体となっており硬化後に粘弾性を備えておれば、フェノール、ウレタン、アクリル等も例示できる。
以下に示す各実施形態では、非磁性の粘弾性体5としてシリコーンポッティングゲル(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 TSE3062)を使用した。この材料のヤング率は0.5×10〔Pa〕、ポアソン比は0.49〔―〕であった。この材料5の割合は、第1実施形態及び第2実施形態で80%(体積%)とした。第3実施形態及び第2実施形態で90%(体積%)とした。
このような粘弾性体5の原料としては、一液性のもの、二液性のものが存することが良く知られているが、粘弾性体5として、二液性のもの(「主剤」と「硬化剤」の二液からなり、これらを混合することで硬化するもの)を採用することで、所定量の磁性体粒子を主剤に混合して、成形時に硬化剤を添加することで、均一な混合を実現できる。
〔基体部〕
基体部3は、磁性エラストマー構造体1において突出部2を支持する基礎部として構成される。図1、図6、図8等に示す例では、シート状に構成した例を示しているが、本発明に係る磁性エラストマー構造体1の使用用途に応じて、例えば、型成形手法を採用することで任意の形状とすることができる。
図10に示す例では、培養容器50の底にシート状に形態した基体部3を有する磁性エラストマー構造体1の例を示した。
〔可動部(突出部)〕
可動部は本発明では突出部2として構成される。
突出部2には、上記の着磁状態にある磁性体4が分散されて混入されていることから、その位置の磁界を変化させることで、基体部3と突出部2との間で、相対姿勢を変化させることができる。これらの変化状態を示したのが図1(c)、図6、図9である。
これら図からも容易に理解されるように、相対姿勢は、基体部3に対して複数の突出部2が突出する突出姿勢と、複数の突出部2が近接する近接姿勢との間で姿勢変更可能となる。
突出部2周りの磁界を変化させる形態としては、磁場から外れた非印加状態と、磁場内に載置される印加状態との間で変化させることが代表的である。そして、本発明に係る磁性エラストマー構造体1では、非印加状態において、近接姿勢と突出姿勢との一方を取らせることができ、印加状態において、近接姿勢と突出姿勢との他方を取らせることができる。
磁性エラストマー構造体の製造
磁性エラストマー構造体1の製造工程を示したのが、図4であり、分散工程S1(同図(a))、配向硬化工程S2(同図(b))を経て製造する。
以下の例では、主剤に硬化剤を混合することで硬化する二液性の粘弾性体5を使用する例に関して説明する。
分散工程 S1
分散工程S1は、磁性体4(磁性体粒子)を硬化処理可能な粘弾性体5の原料(主剤)内に分散させて一次前駆体6を得る工程である。即ち、図4(a)に示すように硬化処理前、流動性を有する非磁性の粘弾性体5(主剤)内に所定量の磁性体粒子4を混合し、撹拌することにより一次前駆体6を得ることができる。ここで製造される一次前駆体6は流動性を有するため所定の型7((b)参照)内で成形可能である。
配向硬化工程 S2
配向硬化工程S2は、分散工程S1で得られた一次前駆体6を所定形状に保持するとともに、可動部に設定する特定方向に対して極性方向を一定の関係とした磁界を印加して、粘弾性材料を硬化する工程である。
図4(b)左上に中間型7mの内部に設けられた成形空間8の斜視図を示すとともに、同図右下に、成形空間8を挟んだ状態の型7の断面を示し、その型7の下部に、着磁用永久磁石9を配した状態を示した。
同図に示すように、型7は、下型7d、中間型7m、上型7uを備えて構成されており、これら型7d、7m、7uを重ねた状態で、その内部に成形空間8が形成される。この例では、概略、直方形状の成形空間8としている。さて、上型7uの成形空間8に面する領域には、これまで説明してきた可動部となる突出部2を形成するための溝8wをその幅方向に多数形成することにより、所望の突出部2を型成形で得ることができる。図4(b)右下に示す例は、後述する尾根状突出部2rを形成するための奥行方向(同図において紙面表裏方向)に連続した溝8wを示している。
硬化処理可能な粘弾性体5として、二液性のものを使用する場合は、上記一次前駆体6に硬化剤を添加するとともに、型7内に投入することで一定形状に成形できる。成形空間8には、基体部用空間8v及び溝8wを備えるため、これまで説明してきた基体部3と多数の突出部2を成形することができる。
さらに、この型成形にあっては、磁性体4の着磁処理を行うが、図4(b)右下に示すように、成形空間8の位置に所定の磁場を形成するように着磁用永久磁石9を配置する。結果、粘弾性体5用の材料の硬化と当該材料内にある磁性体4の着磁を行うことができる。図4(b)右下に示す例は、型7の下に着磁用永久磁石9を配置した例である。同図に示すように、この着磁用永久磁石9は型7内に、概略、上下方向の磁界を形成する。結果、図1(c)に示したように、磁性体4(磁性体粒子)は、その極方向が上を向く形態で着磁される。この材料の硬化に際しては、ヒータ(図外)により加熱することも好ましい。
この配向硬化工程S2において印加する磁界の磁束密度を調整することにより、前記近接姿勢と前記突出姿勢との間における姿勢変更能を調整することができる。例えば、上述のように、磁性体4である磁性体粒子を5μmのものとし、その混合割合を20体積%とした状態で、下記する第1実施形態の磁性エラストマー構造体1を得た場合、磁束密度を370mT(3700G)とする例と、磁束密度を45mT(450G)とする例とでは、図1(c)に示す姿勢変更(直立姿勢から湾曲姿勢への姿勢変更)において、前者の方が後者より湾曲度合いが小さいものとなった。
ここで示す磁束密度は、先に説明した図4で説明した着磁用磁石9により成形空間8に形成される磁束密度であり、その姿勢変更を行う場合に使用する印加用磁石11(図1(c)参照)の磁束密度は、本例の場合、着磁用磁石9と同じものを使用した。
磁性エラストマー構造体の試験方法
この試験は、上記手法に従って製造する磁性エラストマー構造体1の姿勢変更確認を行う試験である。
図5に、この試験で使用した試験装置10の構成を示した。
図5(a)は、この試験装置10の正面図であり、(b)は縮小平面図である。
試験装置10は、その基本構成として、試料となる磁性エラストマー構造体1を支持するフレームFを備えて構成されており、横行フレーム部Fw及び一対の支持フレーム部Fsとを備えて構成されている。図からも判明するように、横行フレーム部Fwの上部を磁性エラストマー構造体1の載置部とし、下部を磁場印加用の印加用永久磁石11を出し入れ可能な挿入用空間12としている。この挿入用空間12に印加用永久磁石11を挿入した状態で、突出部2の位置が印加状態となり、挿入用空間12から印加用永久磁石11を取り出した状態で突出部2の位置が非印加状態となる。
同図には、図1(c)右に対応して、このように挿入操作する印加用永久磁石11の極性を示した。表示した極性は、磁性体4(磁性体粒子)の極性と印加用永久磁石11の極性との方向が逆としている状態を示している。無論、図示する例とは逆に、印加用永久磁石11側を上下逆転させた状態とすることもでき、磁性体4(磁性体粒子)の極性と印加用永久磁石11の極性との方向は、同一方法、逆方向のいずれともすることができる。
これまでも示してきたように、本発明の磁性エラストマー構造体1では基体部3と突出部2との間の相対姿勢が変化するが、この変化状態を、試験装置10の側部に備えた光学機器13により観察可能としている。
図3,8等に示す写真は、磁性エラストマー構造体1の側部観察写真である。
図1(c)に示す例では、突出部2内の磁性体4の極性方向を、突出部2の先端に向かう長手方向としているため、この極性方向の磁場内に載置されると、同図左に示すように、突出部は直立・起立姿勢となる。一方、逆方向の磁場内に載置されると同図右に示すように、傾斜・湾曲姿勢となる。
この点、突出部2内の磁性体4の極性方向を、突出部2の基端に向かう逆方向とすると、直立・起立姿勢と、傾斜・湾曲姿勢との関係は逆とできる。
磁性エラストマー構造体の使用方法
以上説明してきた磁性エラストマー構造体1の使用方法であるが、本発明においては、その使用にあたって、
前記近接姿勢において、液分Wが前記可動部2の表面に馴染む親水状態で使用し、
前記突出姿勢において、液分Wを磁性エラストマー構造体1から分離する撥水状態で使用する。ここで、液分Wとしては、代表的には水或いは微小物を含む水分とできるが、用途によっては、消毒液のアルコール類やオイル類等の水以外の液分を対象とすることもできる。第1実施形態を例示して説明すると、図1(c)右は、この親水状態での使用形態を示しており、図1(c)左は、この撥水状態での使用形態を示している(図3参照)。
この種の親水・撥水状態での使用形態の切替により、後述するように、培養容器50の底に本発明に係る磁性エラストマー構造体1を備えておくことにより、培養を親水状態で、培養後の分離を撥水状態で行うことができる。
以下、各実施形態について、主にその構成及び動作について、順次説明する。
2.第1実施形態
この実施形態の磁性エラストマー構造体1の構成を図1に示した。
先にも示した様に、前記の共通構成を有して構成される。
この例では、可動部が基体部3から突出する突出部2であり、この突出部2が基体部3から尾根状に突出した尾根状突出部2rとして構成する。図1(a)(b)は、この尾根状突出部2rを横断した断面形状を示しており、その断面は一定幅L1を有する柱状に突出形成している。即ち、これら図面の紙面表裏方向において同一高さHの突出部2が尾根を成して形成されている(図5参照)。
さらに、基体部3から多数(図示する例は3本)の突出部2を起立させて構成するが、尾根状突出部2rは、所定の間隔L2を開いて均等に設けている。これら尾根状突出部2rの高さHも同一としている。
この例の尾根状突出部の具体的ディメンジョンは以下の通りである。
尾根状突出部2rの幅 L1;14~15μm
尾根状突出部2rの高さH ;275~300μm
尾根状突出部2rの間隔L2;190~200μm
ここで、尾根状突出部2rの延長長さ(図1紙面表裏方向の長さで、図4(b)のLT)は、9~10mmとした。
従って、本発明の磁性エラストマー構造体1はマイクロスケールの構造体となっている。
さて、これまでも説明してきたように、可動部としての突出部2は、
その突出姿勢が、基体部3から突出部2が起立した起立姿勢となっており、その近接姿勢が、突出部2が起立姿勢に対して傾いた傾斜姿勢である構成となっている。
さらに詳細には、図1(c)、図2(b)から明らかなように、
前記傾斜姿勢において、尾根状突出部2rが湾曲して当該尾根状突出部2rの先端が隣接する前記尾根状突出部2rに接触する構成を有している。
図1に示す例では、突出部2内の磁性体4の極性方向を、突出部2の先端に向かう長手方向としているため、この極性方向の磁場内に載置されると、図1(c)左に示すように、突出部は起立姿勢となる。一方、逆方向に磁場内に載置されると図1(c)右に示すように、近接姿勢としての傾斜・湾曲姿勢となる。
結果、その使用に際しては、近接姿勢においてその親水状態で使用し、起立姿勢において、その撥水状態で使用することができる(図3に示す撥水状態の写真参照)。
3.第2実施形態
この実施形態の磁性エラストマー構造体1の構成を図6に示した。
この形態でも、可動部は基体部3から突出する突出部2であり、この突出部2が基体部3から尾根状に突出した尾根状突出部として構成される。図6(a)(b)は、この尾根状突出部を横断した断面形状を示しており、その断面は先端側が尖った直角三角形状を成している。その基端側の底辺は一定幅を有する直角三角形状とされている。この突出部2の高さは、第1実施例の突出部2の高さとほぼ同様である。この例でも、これら図面の紙面表裏方向が尾根状突出部の延長方向とされている。
この実施形態では、理解を容易とするために、尾根状突出部を単に突出部2と記載する。
この実施形態でも、基体部3から多数(図示する例は3本)の突出部2を起立させ、さらに、複数の突出部2を所定方向(紙面左右方向)に並んで設けるが、この所定方向に並ぶ複数の突出部2に関して、対を成す突出部2s、2tが設定され、その傾斜姿勢において、対を成す尾根状突出部2s、2tの傾斜方向が逆方向とされている。
図6からも判明するように、上記の直角三角形とする突出部2s、2tそれぞれにおいて、長辺側を、対を成す突出部2s、2t間で、姿勢変更において離間する側としている。
従って、この例でも磁性エラストマー構造体1はマイクロスケールの構造体とする。
また、可動部である突出部2は、
その突出姿勢が、基体部3から突出部2が起立した起立姿勢となっており、その近接姿勢が、突出部2が起立姿勢に対して傾いた傾斜姿勢である構成となっている。
そして、この傾斜姿勢において、対を成す突出部2s、2tは互いに異なった方向に傾き、その先端2pが接触若しくは近接するように構成されている。
結果、図7に示すように、その使用に際しては、図6(b)に示す近接姿勢において、その親水状態で使用し、同図(a)に示す起立姿勢において、その撥水状態で使用することができる。
4.第3実施形態
この実施形態の磁性エラストマー構造体1の構成を図8、9に示した。
先にも示した様に、前記の共通構成を有して構成される。
この例では、可動部が基体部3から突出する突出部2であり、この突出部2が基体部3から柱状に突出した柱状突出部2pとして構成される。この実施例では、図9(b)に示すように、平面視において、柱状突出部2pを個々に分散した状態で形成する。この柱状突出部2pの縦断面形状は、円形、角形、その他、任意の形状であってもよい。さらに、例えば円錐台、角錐台、任意断面の台形とされていてもよい。即ち、この例では、突出部2の先端が支持点を形成して、多数の柱状突出部2pを平面視分散して形成する。
図8,9は、柱状突出部2pを、実質円柱として構成した例を示したものである。その径は一定径D1としている。
さらに、基体部3から多数(図示する例は3本)の柱状突出部2pを起立させて構成するが、柱状突出部2pは、所定の間隔D2を持って均等に設けている。突出状態での、これら柱状突出部2pの高さHは実質的に同一となる。
この例の柱状突出部2pの具体的ディメンジョンは以下の通りである。
柱状突出部2pの径幅 D1;35~40μm
柱状突出部2pの高さ H ;190~200μm
柱状突出部2pの間隔 D2;190~200μm
従って、先に第1実施形態、第2実施形態で説明した突出部2に対して、柱状突出部2pは太いが低い。
この実施形態の磁性エラストマー構造体1もマイクロスケールの構造体となっている。
この実施形態でも、可動部である突出部2は、
その突出姿勢が、基体部3から突出部2が起立した起立姿勢となっており、その近接姿勢が、突出部2の基体部3からの突出量が減少した姿勢となっている。
図9(a)には、模式的に、近接姿勢において、柱状突出部2pの先端が実質的に基体部3の表面と面一になる場合を示した。
即ち、その突出姿勢において、前記柱状突出部2pが基体部3から突出し、当該柱状突出部2pの基体部3の表面からの突出量が、その近接姿勢より増加する構成としているのである。第1実施形態、第2実施形態との比較では、磁性体4(磁性体粒子)の粒子径を比較的大きい側に選択し、その混合割合を比較的小さくしている。結果、姿勢変更用の磁場を適切に印加することで、突出部の伸長・短縮を制御することができる。
この動作構成は、エラストマー内に単一の磁石を含ませておき、この磁石に引力若しくは斥力を働かせる状態で磁場を印加することで、磁石に働く引力若しくは斥力により柱状突出部2pの突出量が調整されることとして、容易に理解される。
そして、その使用に際しては、図9(a)に示す近接姿勢において、その親水状態で使用し、図9(b)に示す起立姿勢において、その撥水状態で使用することができる。
培養装置
この培養装置55は、本発明に係る磁性エラストマー構造体1を使用するものであり、図10に模式的に示すように、磁性エラストマー構造体1と培養容器50とを主要な構成要素とし、磁性エラストマー構造体1を容器底部51に備えることで、磁性エラストマー構造体1の可動部表面を培養液52内で培養対象を培養する培養領域53とすることができる。
さらに、この培養装置55は、容器底部51に配設される磁性エラストマー構造体1に磁場を印加する磁場印加装置(図示省略)を備えて構成することも可能である。ただし磁場の印加に際しては、基本的に磁石を近接させるか否かとなるために培養装置55に必ずしも磁場印加装置を備える必要はない。
従って、これまで説明してきた、基体部3と可動部(突出部2)との相対姿勢を、非印加状態と印加状態との切替により実現できる。
その使用に際しては、図10(b)に示すような、近接姿勢にあり親水状態となっている磁性エラストマー構造体1の可動部表面に培養液52を保持して培養領域53において培養対象を培養する。一方、図10(a)に示すように、培養対象の培養を完了した後、磁性エラストマー構造体1を近接姿勢から突出姿勢へと姿勢変更して、培養液52を分離する。
即ち、前記非印加状態において、培養領域53で培養対象の培養を実行し、
非印加状態から印加状態への切替で、培養液52を分離するのである。
結果、これまで比較的困難であった、動物細胞等の培養容器からの分離を簡易に行うことができる。
〔別実施形態〕
(1)上記の実施例においては、磁性体4として磁性体粒子を使用する例を示したが、可動部とする突出部2内に挿入できる形状・大きさのものであれば、任意の大きさ、形状の磁性体を採用できる。
(2)上記の実施例においては、突出部2として第1実施形態、第2実施形態で説明した尾根状突出部2r、第3実施形態で説明した柱状突出部2pを示したが、突出姿勢と近接姿勢との間で、親水状態・撥水状態の切替が起こればよく、突出部2の先端が尾根となって接続する尾根の長さの選択、その方向の選択は任意とできる。同様に、突出部2を円錐、角錐を含む錐状とすることもできる。
1 磁性エラストマー構造体
2 突出部(可動部)
2r 尾根状突出部(突出部)
2s 対を成す突出部(突出部)
2t 対を成す突出部(突出部)
2p 柱状突出部(突出部)
3 基体部
4 磁性体(磁性体粒子)
5 粘弾性体
6 一次前駆体
7 型
8 成形空間
9 着磁用永久磁石(永久磁石)
10 試験装置
11 印加用永久磁石(永久磁石)
50 培養容器
51 容器底部
52 培養液
53 培養領域
55 培養装置
S1 分散工程
S2 配向硬化工程

Claims (16)

  1. 着磁状態にある磁性体が粘弾性体内に分散されてなり、
    基体部と当該基体部に対して設けられる複数の可動部とを有し、
    磁場から外れた非印加状態と、前記磁場内に載置される印加状態との間で、
    前記基体部と前記複数の可動部との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体の使用方法であって、
    前記基体部に対して、前記複数の可動部が突出する突出姿勢と前記複数の可動部が近接する近接姿勢との間で姿勢変更可能に構成され、
    前記近接姿勢において、液分が前記可動部の表面に馴染む親水状態で使用し、
    前記突出姿勢において、前記液分を前記磁性エラストマー構造体から分離する撥水状態で使用する磁性エラストマー構造体の使用方法。
  2. 前記可動部が前記基体部から突出する突出部であり、
    前記突出姿勢が、前記基体部から前記突出部が起立した起立姿勢であり、
    前記近接姿勢が、前記突出部が前記起立姿勢に対して傾いた傾斜姿勢である請求項1記載の磁性エラストマー構造体の使用方法。
  3. 前記突出部が前記基体部から尾根状に突出した尾根状突出部であり、
    前記傾斜姿勢において、前記尾根状突出部が湾曲して当該尾根状突出部の先端が隣接する前記尾根状突出部に接触する請求項2記載の磁性エラストマー構造体の使用方法。
  4. 前記可動部が、
    前記突出姿勢において、前記基体部から突出する突出部であり、
    前記近接姿勢において、前記突出部の前記基体部の表面からの突出量が減少する請求項1記載の磁性エラストマー構造体の使用方法。
  5. 前記非印加状態において、前記近接姿勢と前記突出姿勢との一方を取らせ、
    前記印加状態において、前記近接姿勢と前記突出姿勢との他方を取らせる請求項1~4の何れか一項記載の磁性エラストマー構造体の使用方法。
  6. 着磁状態にある磁性体が粘弾性体内に分散されてなり、
    基体部と当該基体部に対して設けられる複数の可動部とを有し、
    磁場から外れた非印加状態と、前記磁場内に載置される印加状態との間で、
    前記基体部と前記複数の可動部との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体であって、
    前記基体部に対して前記複数の可動部が突出する突出姿勢と、前記基体部に対して前記複数の可動部が近接する近接姿勢との間で姿勢変更可能に構成され、
    前記可動部が前記基体部から突出する突出部であり、
    前記突出姿勢が、前記基体部から前記突出部が起立した起立姿勢であり、
    前記近接姿勢が、前記突出部が前記起立姿勢に対して傾いた傾斜姿勢である磁性エラストマー構造体。
  7. 前記複数の突出部が所定方向に並んで設けられ、
    前記所定方向に並ぶ前記複数の突出部に関して、対を成す突出部が設定され、
    前記傾斜姿勢において、前記対を成す突出部の傾斜方向が逆方向とされている請求項6記載の磁性エラストマー構造体。
  8. 着磁状態にある磁性体が粘弾性体内に分散されてなり、
    基体部と当該基体部に対して設けられる複数の可動部とを有し、
    磁場から外れた非印加状態と、前記磁場内に載置される印加状態との間で、
    前記基体部と前記複数の可動部との相対姿勢が変化する磁性エラストマー構造体であって、
    前記基体部に対して前記複数の可動部が突出する突出姿勢と、前記基体部に対して前記複数の可動部が近接する近接姿勢との間で姿勢変更可能に構成され、
    前記可動部が、
    前記突出姿勢において、前記基体部から突出する突出部であり、
    前記近接姿勢において、前記突出部の前記基体部の表面からの突出量が減少する磁性エラストマー構造体。
  9. 前記非印加状態において、前記近接姿勢と前記突出姿勢との一方となり、
    前記印加状態において、前記近接姿勢と前記突出姿勢との他方となる請求項6~8の何れか一項記載の磁性エラストマー構造体。
  10. 着磁処理可能な磁性体を硬化処理可能な粘弾性材料内に分散させて一次前駆体を得る分散工程と、
    前記分散工程で得られた前記一次前駆体を所定形状に保持するとともに、前記可動部に設定する特定方向に対して極性方向を一定の関係とした磁界を印加して、前記粘弾性材料を硬化する配向硬化工程とを実行し、
    前記磁性体が着磁されるとともに、前記基体部及び前記複数の突出部を備え構造体を得る請求項6~9の何れか一項記載の磁性エラストマー構造体の製造方法。
  11. 前記配向硬化工程において印加する磁界の磁束密度を調整して、
    前記近接姿勢と前記突出姿勢との間における姿勢変更能を調整する請求項10記載の磁性エラストマー構造体の製造方法。
  12. 請求項10又は請求項11記載の磁性エラストマー構造体の製造方法により製造される磁性エラストマー構造体の使用方法であって、
    前記印加状態において使用する磁場の極性方向を、前記配向硬化工程において印加した磁界の極性方向に対して同一方向若しくは逆方向とする磁性エラストマー構造体の使用方法。
  13. 請求項6~9の何れか一項記載の磁性エラストマー構造体を容器底部に備え、
    前記磁性エラストマー構造体の前記可動部表面を培養液内で培養対象を培養する培養領域としてある培養装置。
  14. 前記容器底部に配設される前記磁性エラストマー構造体に磁場を印加する磁場印加装置を備えた請求項13記載の培養装置。
  15. 請求項13又は請求項14記載の培養装置の使用方法であって、
    前記近接姿勢にあり、親水状態となっている前記磁性エラストマー構造体の可動部表面に前記培養液を保持して前記培養領域において前記培養対象を培養するとともに、
    前記培養対象の培養を完了した後、前記磁性エラストマー構造体を前記近接姿勢から前記突出姿勢へと姿勢変更して、前記培養液を分離する培養装置の使用方法。
  16. 前記非印加状態において、前記培養領域で前記培養対象の培養を実行し、
    前記非印加状態から前記印加状態への切替で、前記培養液を分離する請求項15記載の培養装置の使用方法。
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