JP2023145402A - 積層体の製造方法、積層体、プリント回路、デバイス回路、および電気電子機器 - Google Patents

積層体の製造方法、積層体、プリント回路、デバイス回路、および電気電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノレベルの平滑性を維持したまま、実用レベルで要求される高密着性を有し、電子基板として使用する際求められる高温耐性(260℃、5分)を有するフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体の製造方法を提供し、当該製造方法によって製造したフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体を提供すること。【解決手段】フッ素樹脂基板に対してアンモニアガスを導入しながら高周波(RF)プラズマ処理を行って、前記フッ素樹脂基板の表面に親水性基を導入し、トリアジン系分子接合剤で前記フッ素樹脂基板の表面を処理した後、無電解めっき処理を行う。【選択図】なし

Description

本発明は積層体の製造方法、積層体、プリント回路、デバイス回路、および電気電子機器に関する。
フッ素樹脂は、比誘電率、誘電正接が低く高周波特性に優れると共に耐熱性および耐電性に優れているため、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂と同様に、プリント回路やデバイス回路の基材として用いられている。フッ素樹脂を基材として用いた回路基板は、産業機械、自動車、通信機器、家電など様々な電気電子機器に搭載されるだけでなく、今後更に多くの市場で用いられていくことが期待されている。
これらの樹脂表面への回路形成のための導体層の形成方法としては、従来、導体と樹脂間で十分な剥離強度を得るために表面を粗化させた銅箔を熱圧着により樹脂基板に貼り合わせる熱プレス法や、真空成膜技術を用いて銅層を形成させるスパッタリング法などの方法が提案されている。
近年、世界的な高度情報通信化により、伝送信号の搬送波として高周波数帯域を利用した5G、next5Gによる情報の超高速、同時接続、低遅延通信の実現が期待されている。高周波数帯域では回路基板において発生する伝送損失の低減が必要になる。伝送損失は基材の誘電特性に起因する誘電損失と回路を形成している導体の表層で発生する導体損失の和で表される。誘電損失を低減するためには、基材の比誘電率と誘電正接を小さくすることが必要で、導体損失を低減するためには、高周波領域では、電流が表皮効果といわれる導体の表面近傍を流れることから導体表面を平滑化し抵抗を少なくすることが必要になる。
従来の基板材料として、ガラスエポキシ樹脂(FR-4)やポリイミド樹脂(PI)などが用いられてきたが、優れた低誘電正接、低比誘電率を有するPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の高周波対応基板への応用が期待されている。しかし、PTFE樹脂は表面エネルギーが低く、極めて安定であり、十分な剥離強度をもって金属と複合体(積層体)を形成することが困難である。
一般的には、ナトリウム-ナフタレン錯体を用いたソフトエッチングによるPTFE樹脂表面の金属化前処理が行われてきた。親水性官能基の導入による表面エネルギーの増大と表面の粗化によるアンカー効果により、10N/cm以上の高い密着強度を得ることができるが、GHz帯域の高周波を標的とした場合、表皮効果により導体/誘電体界面近傍に電界が集中するため、誘電体表面を粗化することによって電子散乱に基づいた電気信号の損失が起こる。
そこで、ナノレベルの平滑性を維持したまま、実用レベルで要求される6.5N/cm以上の高密着性を実現する技術の開発が望まれている。
フッ素樹脂表面への金属めっき層の形成方法として、アミノ基を含む材料ガスを供給しつつ高周波減圧プラズマ処理を行って、前記樹脂表面にアミノ基を導入し、続いて、銅めっき層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、表面粗さがJIS B 0601-1982に規定される算術平均粗さRaが1μm以下であって、PTFE樹脂基板上にピール強度3.0N/cmの銅めっき層、また、PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂基板上にピール強度6.89N/cmの銅めっき層を形成することができている。
しかし、この方法でもPTFE樹脂に対しては剥離強度(ピール強度)が3.0N/cmと低く、密着力が高いPFA樹脂でも初期剥離強度(ピール強度)が約6.89N/cmと実用可能なレベルではあるものの、まだ不十分であり、電子基板として使用する際に求められる高温耐性(260℃、5分)については考慮されていない。
また、アルキル系のアミノシランカップリング剤で樹脂基板表面を処理することにより、その上に形成されるめっき皮膜で生成する金属イオンの拡散を防ぐバリア層を形成することで高温環境下での剥離強度を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この方法では、用いられる樹脂が、アクリル樹脂などのカルボニル基を有するモノマーを含むものに限られ、表面エネルギーが低く、極めて安定であって、反応性に乏しいPTFEなどのフッ素樹脂への応用は困難であった。
特許第6925814号公報 特許第5457725号公報
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、ナノレベルの平滑性を維持したまま、実用レベルで要求される高密着性を有し、電子基板として使用する際に求められる高温耐性(260℃、5分)を有するフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体の製造方法を提供し、当該製造方法によって製造したフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、本発明のフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体の製造方法は以下の特徴を有するフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体の製造方法であり、当該製造方法によって製造したフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体である。
(1)フッ素樹脂基板に対してアンモニアガスを導入しながら高周波(RF)プラズマ処理を行って、前記フッ素樹脂基板の表面に親水性基を導入し、トリアジン系分子接合剤および/またはシランカップリング剤で前記フッ素樹脂基板の表面を処理した後、無電解めっき処理または金属箔の接合処理を行うことを特徴とする、フッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(2)前記高周波(RF)プラズマ処理において、前記アンモニアガスに酸素が混合されていることを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(3)前記アンモニアガスに混合されている前記酸素の濃度が、混合ガス中の濃度として0.01%(v/v)~10%(v/v)であることを特徴とする、上記(2)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(4)前記高周波(RF)プラズマ処理において、アンモニアガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理に続いて、酸素ガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理を行うことを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(5)前記親水性基が、ヒドロキシル基、カルボニル基、またはカルボキシル基などの酸素官能基のいずれか、またはその組み合わせであることを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(6)前記トリアジン系分子接合剤が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
Figure 2023145402000001
(式中、Xは、同一でも異なっていてもよく、N(R基、チオール基、またはチオール金属塩を表し、R、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基を表し、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、またはアミノ基を置換基として有する炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1~7の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表す。Rは、水素原子、炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基を表す。)
(7)前記トリアジン系分子接合剤として、前記一般式(1)で表される化合物から選択される2種以上の化合物を用いることを特徴とする、上記(6)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(8)前記シランカップリング剤が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
Figure 2023145402000002
(式中、Xは、エポキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、アミノ基、アリル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、ビニル基または酸無水物を表し、R、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基を表し、R10は炭素原子数1~7の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表す。)
(9)前記シランカップリング剤として、前記一般式(2)で表される化合物から選択される2種以上の化合物を用いることを特徴とする、上記(8)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(10)前記無電解めっき処理が、ニッケルめっき、銅めっき、または銀めっきであることを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(11)前記無電解めっき処理の後に、アニール処理を行うことを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(12)前記無電解めっき処理で形成された金属膜に対し、無電解めっき処理をさらに行うことを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(13)前記無電解めっき処理で形成された金属層に対し、電気めっき処理を行うことを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(14)前記金属箔が銅箔であることを特徴とする、上記(1)記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
(15)フッ素樹脂基板と、
前記フッ素樹脂基板に設けられ、トリアジン系分子接合剤および/またはシランカップリング剤で構成される層と、
前記トリアジン系分子接合剤および/またはシランカップリング剤で構成される層上に設けられる金属膜と、
を備える、積層体。
(16)前記金属膜が金属箔または無電解金属めっきであることを特徴とする、上記(15)記載の積層体。
(17)前記金属膜が金属箔であることを特徴とする、上記(15)記載の積層体。
(18)前記金属箔の表面の算術平均粗さ(Ra値)が1μm以下であることを特徴とする、上記(17)記載の積層体。
(19)前記金属箔が銅箔であることを特徴とする、上記(17)記載の積層体。
(20)フレキシブル配線基板用、立体配線基板用、または成形回路部品用である、上記(15)~(19)のいずれかに記載の積層体。
(21)上記(15)~(19)のいずれかに記載の積層体を有する、プリント回路。
(22)上記(15)~(19)のいずれかに記載の積層体を有する、デバイス回路。
(23)上記(15)~(19)のいずれかに記載の積層体を有する、電気電子機器。
本発明によれば、ナノレベルの平滑性を維持したまま、実用レベルで要求される高密着性を有し、電子基板として使用する際求められる高温耐性(260℃、5分)を有するフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体の製造方法を提供することができ、当該製造方法によって製造したフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体を提供することができる。
本発明のフッ素樹脂と金属膜との積層体の一例を模式的に示した断面図。
本発明に係るフッ素樹脂と金属(銅)膜との積層体は、例えば、図1に示されるような断面図で模式的に表される。ここで、1は基板用の材料として好ましく用いられるフッ素樹脂であり、2はアンモニアガスを導入しながら高周波(RF)プラズマ処理を行うことによって形成される層である。3は高周波(RF)プラズマ処理後のフッ素樹脂表面(2の表面)に対し、トリアジン系分子接合剤および/またはシランカップリング剤を処理することによって形成される層である。4は無電解めっき処理または金属箔の接合処理を行うことによって形成される層である。
本発明において、基板用の材料としては、ナノレベルの平滑性を有し、優れた低誘電正接、低比誘電率を有する、PTFE、PFA、FEP(テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、ECTFE(クロロトリフルオエチレン-エチレン共重合体)などのフッ素樹脂が好ましく用いられる。
フッ素樹脂は非常に安定で、表面エネルギーが低く、金属と複合体(積層体)を形成することが非常に困難である。フッ素樹脂に金属めっきを施すには、表面処理を行い活性化させることが必要である。従来の表面処理の方法である金属ナトリウムによる脱フッ素処理は、溶液の取り扱いが難しく作業性が悪い、人体、環境への負荷が大きいという問題がある。次世代高周波プリント基板として用いるには、フッ素樹脂表面がなるべく平滑でなければ伝送損失が大きくなり、通信の遅延に繋がるため従来法では、高周波基板としてのフッ素樹脂複合体(積層体)を作成できない。
そこで、本発明においては、金属めっきまたは金属(銅)箔の貼り合わせのための表面処理方法として、処理方法が簡便でかつ人体、環境への負荷が小さく、処理表面がエッチングレスでなるべく平滑を保てる方法である、高周波(RF)プラズマ処理による表面処理方法が好ましく用いられる。
本発明においては、アンモニアガスを導入しながら高周波(RF)プラズマ処理を行うことが好ましいが、より効果的な表面処理を行うため、アンモニアガスに酸素ガスが混合している混合ガス雰囲気下で高周波(RF)プラズマ処理を行うことがより好ましく、安全性の観点からアンモニアガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理に続いて、酸素ガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理を行うことがさらに好ましい。アンモニアガスに酸素ガスが混合している混合ガス雰囲気下で高周波(RF)プラズマ処理を行うことによって、フッ素樹脂表面に、親水性基としてアミノ基に加え、ヒドロキシル基、カルボニル基、またはカルボキシル基などの酸素官能基のいずれか、またはその組み合わせたものを導入することができ、高密着性を有し、かつ高温耐性を有するフッ素樹脂と金属膜との積層体を製造することができる。
また、アンモニアガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理に続いて、酸素ガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理を行うことによって、フッ素樹脂表面に、親水性基としてアミノ基ではなく、ヒドロキシル基、カルボニル基、またはカルボキシル基などの酸素官能基のいずれか、またはその組み合わせたものを導入することができ、高温耐性を有し、より高い密着性を有するフッ素樹脂と金属膜との積層体を製造することができる。
本発明において、アンモニアガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理は、1sccm(standard cm/分)以上の流量でアンモニアガスを導入しつつ、処理圧力を1~1,000Paに維持する雰囲気下、1~100MHzの高周波(RF)を0.01~3W/cmのパワー密度で印加してプラズマを形成することによって行われる。
なお、プロセスガス供給装置などによって酸素ガス、さらには希ガス等を含むアンモニアガスとの混合ガスを導入することも可能であり、この場合は混合ガスの雰囲気下、プラズマが形成される。この場合、酸素ガス、さらには希ガス等を含むアンモニアガスとの混合ガス中の酸素濃度は、効果的な表面処理を行うために、0.01%(v/v)~10%(v/v)であることが好ましい。
また、アンモニアガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理に続いての、酸素ガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理は、30sccm(standard cm/分)以上の流量で酸素ガスを導入しつつ、処理圧力を30~400Paに維持する雰囲気下、10~30MHzの高周波(RF)を0.5~2W/cmのパワー密度で印加してプラズマを形成することによって行われる。
本発明において、フッ素樹脂と金属膜との積層体の密着性を高め、そして高温耐性を高めるため、アンモニアガス(もしくは、酸素ガスが混合している混合ガス)を導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理を行った後、もしくは、それに続く酸素ガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理を行った後のフッ素樹脂表面に対し、さらにトリアジン系分子接合剤、および/またはシランカップリング剤で表面を処理することが好ましい。
ここで、トリアジン系分子接合剤としては下記一般式(1)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2023145402000003
(式中、Xは、同一でも異なっていてもよく、N(R基、チオール基、またはチオール金属塩を表し、R、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基を表し、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、またはアミノ基を置換基として有する炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1~7の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表す。Rは、水素原子、炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基を表す。)
一般式(1)のXで表される「チオール金属塩」における「金属」としては、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属を挙げることができる。
一般式(1)のR、R、Rで表される「炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」における「アルキルオキシ基」としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基などを挙げることができる。
一般式(1)のRで表される「アミノ基を置換基として有する炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」における「炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」の「アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基などを挙げることができる。
一般式(1)のRで表される「炭素原子数1~7の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基」における「アルキレン基」としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、およびn-へプチレン基などを挙げることができ、n-プロピレン基であることが好ましい。
一般式(1)のRで表される「炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」における「アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基などを挙げることができる。
また、一般式(1)のRで表される「炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」における「アルキルオキシ基」としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基などを挙げることができる。
一般式(1)のRとしては、水素原子、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であることが好ましい。
分子接合剤による表面処理は、前記一般式(1)で表される化合物から2種以上を選択して行うことが、フッ素樹脂と金属膜との積層体の密着性を高め、そして高温耐性を高めるために好ましい。
また、分子接合剤による表面処理方法は、特に限定されるものではないが、例えば、トリアジン系分子接合剤を溶解した溶液を高周波(RF)プラズマ処理後のフッ素樹脂表面に塗布してもよいし、トリアジン系分子接合剤を溶解した溶液に高周波(RF)プラズマ処理後のフッ素樹脂を浸漬してもよい。
本発明においては、トリアジン系分子接合剤を溶解した溶液に高周波(RF)プラズマ処理後のフッ素樹脂を浸漬することによって行うことが、分子接合剤による表面処理の効果を得るためにより好ましい。
トリアジン系分子接合剤を溶解した溶液に浸漬する場合、トリアジン系分子接合剤の濃度は特に限定されないが、例えば、0.01wt%~10wt%であることが好ましい。浸漬時間は、例えば、1秒~60分であることが好ましく、浸漬温度は、例えば、室温から60℃の範囲内であることが好ましい。また、溶液調製に用いられる溶媒としては、トリアジン系分子接合剤が溶液中に均一に溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、水、エタノール、メタノールなどが好ましい。
本発明において、高周波(RF)プラズマ処理を行った後のフッ素樹脂表面に対して行う表面処理に用いられるシランカップリング剤としては、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2023145402000004
(式中、Xは、エポキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、アミノ基、アリル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、ビニル基または酸無水物を表し、R、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基を表し、R10は炭素原子数1~7の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表す。)
一般式(2)のR、R、Rで表される「炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基」における「アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基などを挙げることができる。
一般式(2)のR、R、Rで表される「炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基」における「アルキルオキシ基」としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n-プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基などを挙げることができる。
一般式(2)のR10で表される「炭素原子数1~7の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基」における「アルキレン基」としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、およびn-へプチレン基などを挙げることができ、n-プロピレン基であることが好ましい。
本発明において、好ましく用いられる一般式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GPS)、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
シランカップリング剤による表面処理は、前記一般式(2)で表される化合物から2種以上を選択して行うことが、フッ素樹脂と金属膜との積層体の密着性を高め、そして高温耐性を高めるために好ましい。
シランカップリング剤による表面処理方法は、特に限定されるものではないが、例えば、シランカップリング剤を溶解した溶液を高周波(RF)プラズマ処理後のフッ素樹脂表面に塗布してもよいし、シランカップリング剤を溶解した溶液に高周波(RF)プラズマ処理後のフッ素樹脂を浸漬してもよい。
本発明においては、シランカップリング剤を溶解した溶液に高周波(RF)プラズマ処理後のフッ素樹脂を浸漬することによって行うことが、分子接合剤による表面処理の効果を得るためにより好ましい。
シランカップリング剤を溶解した溶液に浸漬する場合、シランカップリング剤の濃度は特に限定されないが、例えば、0.1wt%~10wt%であることが好ましい。浸漬時間は、例えば、1秒~60分であることが好ましく、浸漬温度は、例えば、室温から60℃の範囲内であることが好ましい。また、溶液調製に用いられる溶媒としては、シランカップリング剤が溶液中に均一に溶解するのであれば特に限定されないが、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、ヘキサノン、ヘキサン、アセトンなどが好ましい。
本発明において、無電解めっき処理としては、ニッケルめっき、銅めっき、銀めっきなど、金属種は特に限定されないが、コスト的には銅めっきにメリットがある。
無電解めっき処理は、公知のめっき法を用いて行うことができる。
本発明において、無電解めっき処理で形成された金属膜に対し、無電解めっき処理をさらに行うことも可能である。この場合、異なる金属種を用いた無電解めっき処理を行うこともできる。
本発明において、無電解めっき処理で形成された金属層に対し、電気めっき処理を連続して行うことも可能である。この場合、異なる金属種を用いた電気めっき処理を行うこともできる。また、同一の金属種を用いた電気めっき処理を行うことによって、より厚膜の金属膜を形成できる。
本発明において、金属箔の接合処理に用いられる金属箔としては、ニッケル、銅、銀など、金属種は特に限定されないが、コスト的には銅箔にメリットがある。
金属箔の膜厚は、通常の電子機器回路に用いられる導電膜としての厚さの範囲であれば、特に限定されないが、本発明においては金属箔の算術平均粗さ(Ra値)が1μm以下であることが好ましい。
金属箔の接合処理は、公知の方法を用いて行うことができる(例えば、特開2014-198885号公報参照)。
本発明において、フッ素樹脂と金属膜との積層体の密着性を高め、そして高温耐性を高めるため、無電解めっきまたは金属箔の接合処理を行った後、80℃~150℃、5分~10時間のアニール処理を行うことが好ましい。
上記で得られたフッ素樹脂基板上に形成された金属膜(導電膜)に対して、エッチングなどの方法を施すことにより、回路パターンを形成させて回路基板を製造することができる。このとき、金属膜(導電膜)は樹脂基板に対して十分な密着性を有しているため、精度高く回路パターンを形成することができ、高速伝送にも十分に適応可能な回路基板を提供することができる。
本発明のフッ素樹脂と金属膜との積層体は、フレキシブル配線基板用、立体配線基板用、または成形回路部品用に用いることができる。
本発明のフッ素樹脂と金属膜との積層体を用いて、プリント回路、デバイス回路、そして電気電子機器を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[高周波(RF)プラズマ処理-1]
PTFE樹脂(30mm×50mm×0.2mm)の表面をアセトンで脱脂した後、反応室を20Paまで減圧し、高周波(RF)プラズマ処理(装置;株式会社魁半導体製CPE-100M、処理ガス;アンモニア、ガス流量;100sccm、処理圧力;300Pa、周波数;13.56MHz、処理パワー密度;1.91W/cm、処理時間;120秒、300秒、600秒、または1200秒)を行った。
なお、フッ素樹脂と金属膜との積層体の密着性を高め、そして高温耐性を高めるために、厳格な大気(酸素)の混入防止措置を採らなかった。その結果、反応室中にわずかながら、酸素ガスが混入していた。反応室中の酸素濃度は2.1(v/v)%であった。
高周波(RF)プラズマ処理-1を行った後のPTFE樹脂表面の算術平均粗さ(Ra値)を、AFM(株式会社島津製作所製 原子間力顕微鏡SPM9700)を用いて測定した。
その結果、処理時間120秒のときのRa値は77.4nm(平均値)、300秒のときのRa値は91.7nm(平均値)、処理時間600秒のときのRa値は211.8nm(平均値)、処理時間1200秒のときのRa値は293.8nm(平均値)であり、未処理の場合のRa値21.5nm(平均値)と比較して、処理時間600秒以上では大きく増加した。
高周波(RF)プラズマ処理-1を行った後のPTFE樹脂表面の水に対する接触角を、接触角度測定機(Surface Electro Optics社製Contact Angle Analyzer Phoenix Smart)を用いて測定した。
その結果、処理時間300秒のときの接触角は75.6°(平均値)、処理時間600秒のときの接触角は58.1°(平均値)、処理時間1200秒のときの接触角は29.7°(平均値)であり、未処理の場合の接触角103.5°(平均値)と比較して、処理時間が増えるにつれ減少した。
高周波(RF)プラズマ処理-1を行った後のPTFE樹脂の表面について、X線光電子分光装置(アルバック・ファイ株式会社製XPS PHI5000 VersaProbe)を用いて表面分析を行った。
その結果、高周波(RF)プラズマ処理-1によって、PTFE樹脂表面においてアミノ基に加え、ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基などの酸素官能基が増加することを確認できた。
高周波(RF)プラズマ処理-1を行った後のPTFE樹脂の表面について、極低加速電圧走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製ULV-SEM JSM-7800PRIME)を用いて観察した。
その結果、処理時間600秒以上では、PTFE樹脂表面が大きく荒れ、微小構造が形成されていることが観察された。
[高周波(RF)プラズマ処理-2]
厳格な大気(酸素)の混入防止措置を採りつつ、高周波(RF)プラズマ処理-1と同様の高周波(RF)プラズマ処理(処理ガス;アンモニア、処理パワー密度;1.91W/cm、処理時間;300秒)を行った。
続いて、高周波(RF)プラズマ処理(装置;株式会社魁半導体製CPE-100M、処理ガス;酸素、ガス流量;100sccm、処理圧力;300Pa、周波数;13.56MHz、処理パワー密度;1.91W/cm、処理時間;300秒)を行った。
高周波(RF)プラズマ処理-2を行った後のPTFE樹脂表面の算術平均粗さ(Ra値)を、AFM(株式会社島津製作所製 原子間力顕微鏡SPM9700)を用いて測定した結果、Ra値は91.7nm(平均値)であった。
また、高周波(RF)プラズマ処理-2を行った後のPTFE樹脂表面の水に対する接触角を、接触角度測定機(Surface Electro Optics社製Contact Angle Analyzer Phoenix Smart)を用いて測定した結果、接触角は69.5°(平均値)であった。
また、高周波(RF)プラズマ処理-2を行った後のPTFE樹脂の表面について、X線光電子分光装置(アルバック・ファイ株式会社製XPS PHI5000 VersaProbe)を用いて表面分析を行った結果、PTFE樹脂表面においてヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基などの酸素官能基が増加することを確認できたが、アミノ基は確認できなかった。
[分子接合剤による表面処理-1]
高周波(RF)プラズマ処理-1を行った後のPTFE樹脂を、トリアジン系分子接合剤aTES(N,N’-ビス(2-アミノエチル)-6-(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン)の0.5wt%水溶液中に5分間浸漬処理し、水洗することによって、高周波(RF)プラズマ処理後のPTFE樹脂表面に対し、分子接合剤による表面処理を行った。
[分子接合剤による表面処理-2]
高周波(RF)プラズマ処理-1を行った後のPTFE樹脂について、上記と同様にトリアジン系分子接合剤aTES(N,N’-ビス(2-アミノエチル)-6-(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン)による表面処理を行い、さらに、トリアジン系分子接合剤nTES(6-(3-トリエトキシシリルプロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム塩)の0.1wt%水溶液中に10分間浸漬処理し、水洗することによって、異なるトリアジン系分子接合剤による表面処理を行った。
分子接合剤による表面処理-2を行った後のPTFE樹脂の表面について、極低加速電圧走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製ULV-SEM JSM-7800PRIME)を用いて観察した。
その結果、高周波(RF)プラズマ処理-1(処理時間300秒)後に分子接合剤による表面処理-2を行った後のPTFE樹脂表面と、分子接合剤による表面処理-2を行う前のPTFE樹脂表面との違いは観察されなかった。
[無電解銅めっき処理]
トリアジン系分子接合剤による表面処理後のPTFE樹脂を、25℃のプレディップ溶液(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製 キャタプレップ404の3wt%水溶液)への1分間の浸漬処理、50℃のキャタリスト溶液(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製 キャタプレップ404;12.5g、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製 キャタポジット44;1.5mLを水50mLに溶解したもの)への1分間の浸漬処理、水洗、続いて、25℃のアクセラレータ溶液(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製 アクセラレータ―19Eの5wt%水溶液)への浸漬処理を行い、水洗することによってめっき処理前の触媒処理を行った。
続いて、30℃の無電解銅めっき浴(奥野製薬工業株式会社製 ATSアドカッパーIW-A;5mL、奥野製薬工業株式会社製 ATSアドカッパーC;1.5mL、奥野製薬工業株式会社製 ATSアドカッパーIW-M;8mL、奥野製薬工業株式会社製 無電解銅R-N;0.3mLを水;85.2mLに溶解したもの)への15分間の浸漬処理を行い、水洗、エタノール洗浄の後、ドライヤーを用いて乾燥することによって無電解銅めっき処理を行った。
[無電解ニッケルめっき処理]
トリアジン系分子接合剤による表面処理後のPTFE樹脂を、25℃のプレディップ溶液(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製 キャタプレップ404の3wt%水溶液)への1分間の浸漬処理、50℃のキャタリスト溶液(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製 キャタプレップ404;12.5g、ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製 キャタポジット44;1.5mLを水50mLに溶解したもの)への1分間の浸漬処理、水洗、続いて、25℃のアクセラレータ溶液(ローム・アンド・ハース電子材料株式会社製 アクセラレータ―19Eの5wt%水溶液)への浸漬処理を行い、水洗することによってめっき処理前の触媒処理を行った。
続いて、50℃の無電解ニッケルめっき浴(日本カニゼン株式会社製s-680;10mLを水;40mLに溶解したもの)への3分間の浸漬処理を行い、水洗、エタノール洗浄の後、ドライヤーを用いて乾燥することによって無電解ニッケルめっき処理を行った。
[無電解銀めっき処理]
トリアジン系分子接合剤による表面処理後のPTFE樹脂を、40℃のセンシタイザー溶液(上村工業株式会社製s-10X;5mLを水;100mLに溶解したもの)への3分間の浸漬処理を行い、続いて、還元液(40%グリオキサール;3.76mL、トリエタノールアミン;0.94mLを水;100mLに溶解したもの)、とAgNO溶液(AgNO;1.5gを水;100mLに溶解したものに、2.5%アンモニア水;25mLを加えたもの)を交互に各15回ずつ吹きかけた。その後、水洗、エタノール洗浄を行い、ドライヤーを用いて乾燥することによって無電解銀めっき処理を行った。
[アニール処理]
無電解銅めっき処理後のPTFE樹脂に対し、80℃で10分間のアニール処理を行って、PTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体を作製した。
同様に、無電解ニッケルめっき処理後のPTFE樹脂に対し、80℃で10分間のアニール処理を行って、PTFE樹脂とニッケル(めっき)膜との積層体を作製した。
同様に、無電解銀めっき処理後のPTFE樹脂に対し、80℃で10分間のアニール処理を行って、PTFE樹脂と銀(めっき)膜との積層体を作製した。
[密着強度測定]
作製したPTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体について、引張試験機(株式会社イマダ製 引張試験機MX2‐2500-FA)を用いて密着強度(引張強度)を測定した(引張速度:50mm/min、引張角度:180°)。
その結果、高周波(RF)プラズマ処理-1を処理時間300秒で行った場合において、分子接合剤による表面処理を行わなかったPTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体は約10N/cmであったのに対し、分子接合剤による表面処理-2を行ったPTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体では約12N/cmであった。
[耐熱性試験]
耐熱性試験として、作製したPTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体を260℃で5分間静置し、耐熱性試験後の密着強度(引張強度)を同様に測定した。
その結果、高周波(RF)プラズマ処理-1を処理時間300秒で行った場合において、分子接合剤による表面処理-2を行ったPTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体では約6N/cmと高い密着性を維持していた。
[実施例1]
フッ素樹脂としてPTFE樹脂を用い、表面をアセトンで脱脂した後、反応室を10Paまで減圧し、高周波(RF)プラズマ処理(装置;株式会社魁半導体製CPE-100M、処理ガス;アンモニア、ガス流量;100sccm、処理圧力;200Pa、周波数;13.56MHz、処理パワー密度;1.91W/cm、処理時間;120秒)を行った。ここで、厳格な大気(酸素)の混入防止措置を採らなかったため反応室中に酸素ガスが混入し、反応室中の酸素濃度は0.7(v/v)%であった。処理後のPTFE樹脂表面の算術平均粗さ(Ra値)は77.4nm(平均値)であった。
続いて、トリアジン系分子接合剤aTES(N,N’-ビス(2-アミノエチル)-6-(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン)を用いた表面処理とトリアジン系分子接合剤nTES(6-(3-トリエトキシシリルプロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム塩)を用いた表面処理を行った後、無電解銅めっき処理を行い、80℃で10分間のアニール処理を行って、PTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体を作製した。分子接合剤による表面処理と無電解銅めっき処理は、上記と同様に行った。
作製したPTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体の、作製直後の密着強度と耐熱性試験(260℃、5分間)後の密着強度は、それぞれ4.5N/cm、および3.4N/cmであった。
このように、ナノレベルの平滑性を維持したまま、実用レベルで要求される密着性に近い密着性を有する、PTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体が得られた。
[比較例1]
実施例1において、分子接合剤による表面処理を行わなかったことを除き、同様の操作を行って、PTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体を作製した。
作製したPTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体の、作製直後の密着強度と耐熱性試験(260℃、5分間)後の密着強度は、それぞれ2.5N/cm、および0.5N/cmであった。
[実施例2]
フッ素樹脂としてPTFE樹脂を用い、表面をアセトンで脱脂した後、反応室を10Paまで減圧し、厳格な大気(酸素)の混入防止措置を採りつつ、アンモニアガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理(装置;株式会社魁半導体製CPE-100M、処理ガス;アンモニア、ガス流量;100sccm、処理圧力;200Pa、周波数;13.56MHz、処理パワー密度;1.91W/cm、処理時間;120秒)を行い、続いて、酸素ガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理(装置;株式会社魁半導体製CPE-100M、処理ガス;酸素、ガス流量;100sccm、処理圧力;200Pa、周波数;13.56MHz、処理パワー密度;1.91W/cm、処理時間;120秒)を行った。処理後のPTFE樹脂表面の算術平均粗さ(Ra値)は77.4nm(平均値)であった。
続いて、トリアジン系分子接合剤aTES(N,N’-ビス(2-アミノエチル)-6-(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン)を用いた表面処理を行った後、無電解銅めっき処理を行い、80℃で10分間のアニール処理を行って、PTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体を作製した。分子接合剤による表面処理と無電解銅めっき処理は、上記と同様に行った。
作製したPTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体の、作製直後の密着強度と耐熱性試験(260℃、5分間)後の密着強度は、それぞれ8.5N/cm、および2.8N/cmであった。
このように、ナノレベルの平滑性を維持したまま、実用レベルで要求される密着性に近い密着性を有する、PTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体が得られた。
[比較例2]
実施例2において、分子接合剤による表面処理を行わなかったことを除き、同様の操作を行った。その結果、無電解銅めっき処理における水洗時に銅(めっき)膜が剥がれ落ち、PTFE樹脂と銅(めっき)膜との積層体を作成することはできなかった。
[実施例3]
フッ素樹脂としてPFA樹脂を用い、表面をアセトンで脱脂した後、反応室を10Paまで減圧し、高周波(RF)プラズマ処理(装置;株式会社魁半導体製CPE-100M、処理ガス;アンモニア、ガス流量;30sccm、処理圧力;80Pa、周波数;13.56MHz、処理パワー密度;1.27W/cm、処理時間;60秒)を行った。ここで、厳格な大気(酸素)の混入防止措置を採らなかったため反応室中に酸素ガスが混入し、反応室中の酸素濃度は2.5(v/v)%であった。処理後のPFA樹脂表面の算術平均粗さ(Ra値)は16.2nm(平均値)であった。
続いて、トリアジン系分子接合剤aTES(N,N’-ビス(2-アミノエチル)-6-(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン)を用いた表面処理とトリアジン系分子接合剤nTES(6-(3-トリエトキシシリルプロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム塩)を用いた表面処理を行った後、無電解銅めっき処理を行い、80℃で10分間のアニール処理を行って、PFA樹脂と銅(めっき)膜との積層体を作製した。分子接合剤による表面処理と無電解銅めっき処理は、上記と同様に行った。
作製したPFA樹脂と銅(めっき)膜との積層体の、作製直後の密着強度と耐熱性試験(260℃、5分間)後の密着強度は、それぞれ9.6N/cm、および7.9N/cmであった。
このように、ナノレベルの平滑性を維持したまま、実用レベルで要求される高密着性を有し、さらに高温耐性(260℃、5分)を有する、PFA樹脂と銅(めっき)膜との積層体が得られた。
[比較例3]
実施例3において、分子接合剤による表面処理を行わなかったことを除き、同様の操作を行った。その結果、無電解銅めっき処理における水洗時に銅(めっき)膜が剥がれ落ち、PFA樹脂と銅(めっき)膜との積層体を作成することはできなかった。
[実施例4]
フッ素樹脂としてPFA樹脂を用い、表面をアセトンで脱脂した後、反応室を20Paまで減圧し、高周波(RF)プラズマ処理(装置;株式会社魁半導体製CPE-100M、処理ガス;アンモニア、ガス流量;30sccm、処理圧力;70Pa、周波数;13.56MHz、処理パワー密度;1.27W/cm、処理時間;30秒)を行った。ここで、厳格な大気(酸素)の混入防止措置を採らなかったため反応室中に酸素ガスが混入し、反応室中の酸素濃度は4.2(v/v)%であった。処理後のPFA樹脂表面の算術平均粗さ(Ra値)は9.2nm(平均値)であった。
続いて、トリアジン系分子接合剤aTES(N,N’-ビス(2-アミノエチル)-6-(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン)を用いた表面処理とトリアジン系分子接合剤nTES(6-(3-トリエトキシシリルプロピルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールモノナトリウム塩)を用いた表面処理を行った後、無電解銅めっき処理を行い、80℃で10分間のアニール処理を行って、PFA樹脂と銅(めっき)膜との積層体を作製した。分子接合剤による表面処理と無電解銅めっき処理は、上記と同様に行った。
作製したPFA樹脂と銅(めっき)膜との積層体の、作製直後の密着強度と耐熱性試験(260℃、5分間)後の密着強度は、それぞれ8.1N/cm、および7.3N/cmであった。
このように、ナノレベルの平滑性を維持したまま、実用レベルで要求される高密着性を有し、さらに高温耐性(260℃、5分)を有する、PFA樹脂と銅(めっき)膜との積層体が得られた。
[比較例4]
実施例4において、分子接合剤による表面処理を行わなかったことを除き、同様の操作を行った。その結果、無電解銅めっき処理における水洗時に銅(めっき)膜が剥がれ落ち、PFA樹脂と銅(めっき)膜との積層体を作成することはできなかった。
本発明によれば、実用レベルで要求される高い密着性を有し、電子基板として使用する際に求められる高温耐性を有するフッ素樹脂と金属膜との積層体を提供することができるので、情報の超高速、同時接続、低遅延通信が可能な高周波基板としてのフッ素樹脂との積層体、そしてそれらを用いたプリント回路、デバイス回路、そして電気電子機器を製造することができる。
1 フッ素樹脂
2 プラズマ処理層
3 表面処理層
4 金属膜

Claims (23)

  1. フッ素樹脂基板に対してアンモニアガスを導入しながら高周波(RF)プラズマ処理を行って、前記フッ素樹脂基板の表面に親水性基を導入し、トリアジン系分子接合剤および/またはシランカップリング剤で前記フッ素樹脂基板の表面を処理した後、無電解めっき処理または金属箔の接合処理を行うことを特徴とする、フッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  2. 前記高周波(RF)プラズマ処理において、前記アンモニアガスに酸素が混合されていることを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  3. 前記アンモニアガスに混合されている前記酸素の濃度が、混合ガス中の濃度として0.01%(v/v)~10%(v/v)であることを特徴とする、請求項2記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  4. 前記高周波(RF)プラズマ処理において、アンモニアガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理に続いて、酸素ガスを導入しながらの高周波(RF)プラズマ処理を行うことを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  5. 前記親水性基が、ヒドロキシル基、カルボニル基、またはカルボキシル基のいずれか、またはその組み合わせであることを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  6. 前記トリアジン系分子接合剤が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
    Figure 2023145402000005
    (式中、Xは、同一でも異なっていてもよく、N(R基、チオール基、またはチオール金属塩を表し、R、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基を表し、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、またはアミノ基を置換基として有する炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1~7の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表す。Rは、水素原子、炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基を表す。)
  7. 前記トリアジン系分子接合剤として、前記一般式(1)で表される化合物から選択される2種以上の化合物を用いることを特徴とする、請求項6記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  8. 前記シランカップリング剤が下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
    Figure 2023145402000006
    (式中、Xは、エポキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、アミノ基、アリル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、ビニル基または酸無水物を表し、R、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または炭素原子数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキルオキシ基を表し、R10は炭素原子数1~7の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基を表す。)
  9. 前記シランカップリング剤として、前記一般式(2)で表される化合物から選択される2種以上の化合物を用いることを特徴とする、請求項8記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  10. 前記無電解めっき処理が、ニッケルめっき、銅めっき、または銀めっきであることを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  11. 前記無電解めっき処理の後に、アニール処理を行うことを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  12. 前記無電解めっき処理で形成された金属膜に対し、無電解めっき処理をさらに行うことを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  13. 前記無電解めっき処理で形成された金属層に対し、電気めっき処理を行うことを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  14. 前記金属箔が銅箔であることを特徴とする、請求項1記載のフッ素樹脂と金属膜との積層体の製造方法。
  15. フッ素樹脂基板と、
    前記フッ素樹脂基板に設けられ、トリアジン系分子接合剤および/またはシランカップリング剤で構成される層と、
    前記トリアジン系分子接合剤および/またはシランカップリング剤で構成される層上に設けられる金属膜と、
    を備える、積層体。
  16. 前記金属膜が金属箔または無電解金属めっきであることを特徴とする、請求項15記載の積層体。
  17. 前記金属膜が金属箔であることを特徴とする、請求項15記載の積層体。
  18. 前記金属箔の表面の算術平均粗さ(Ra値)が1μm以下であることを特徴とする、請求項17記載の積層体。
  19. 前記金属箔が銅箔であることを特徴とする、請求項17記載の積層体。
  20. フレキシブル配線基板用、立体配線基板用、または成形回路部品用である、請求項15~19のいずれか1項に記載の積層体。
  21. 請求項15~19のいずれか1項に記載の積層体を有する、プリント回路。
  22. 請求項15~19のいずれか1項に記載の積層体を有する、デバイス回路。
  23. 請求項15~19のいずれか1項に記載の積層体を有する、電気電子機器。
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