JP2023143745A - エポキシ樹脂組成物、硬化物、接着剤、成形材料及び繊維強化プラスチック - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、硬化物、接着剤、成形材料及び繊維強化プラスチック Download PDF

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JP2023143745A JP2023020376A JP2023020376A JP2023143745A JP 2023143745 A JP2023143745 A JP 2023143745A JP 2023020376 A JP2023020376 A JP 2023020376A JP 2023020376 A JP2023020376 A JP 2023020376A JP 2023143745 A JP2023143745 A JP 2023143745A
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一成 松村
Kazunari Matsumura
亜依 小池
Ai Koike
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】優れた靭性を示し、高い接着強度及び衝撃強度を有する硬化物が得られるエポキシ樹脂組成物とその硬化物、接着剤、成形材料及び繊維強化プラスチックを提供する。【解決手段】ブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(a1)由来の構成単位およびアルキル(メタ)アクリレート(a2)由来の構成単位を有する(メタ)アクリル系重合体(A)、エポキシ樹脂(B)及び硬化剤(C)を含むエポキシ樹脂組成物とすることで、優れた靭性を示し、高い接着強度及び衝撃強度を有する硬化物が得られる【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、硬化物、接着剤、成形材料及び繊維強化プラスチック
に関する。
エポキシ樹脂は、剛性、耐熱性、電気的特性、耐久性等に優れるため、車両の構造用接
着剤、土木・建築用接着剤、電子材料用接着剤、工業用接着剤等の接着剤や成形材料、繊
維強化プラスチック等に用いられている。一方で、エポキシ樹脂は一般的に脆いことが知
られており、靭性を向上することで、接着強度や衝撃強度を改善する検討が行われている
例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂と、マクロモノマー由来の構成単位を有する(
メタ)アクリル系重合体とを含有するエポキシ樹脂組成物から、接着強度及び衝撃強度に
優れる硬化物が得られることが開示されている。また、特許文献2には、ブロックウレタ
ン樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物が高い接着特性を有するため、構造用接着剤として
好適に使用できることが開示されている。
国際公開第2019/049951号 特開2018-2766号公報
本発明は、優れた靭性を示し、高い接着強度を有する硬化物が得られるエポキシ樹脂組
成物とその硬化物、接着剤、成形材料及び繊維強化プラスチックを提供することを目的と
する。また、本発明は、高い衝撃強度を有する硬化物が得られるエポキシ樹脂組成物とそ
の硬化物、接着剤、成形材料及び繊維強化プラスチックを提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] ブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(a1)由来の構成単
位およびアルキル(メタ)アクリレート(a2)由来の構成単位を有する(メタ)アクリ
ル系重合体(A)、エポキシ樹脂(B)及び硬化剤(C)を含むエポキシ樹脂組成物。
[2] 前記(メタ)アクリル系重合体(A)が、環状エーテル基を有する(メタ)アク
リレート(a3)を構成単位として有する、[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[3] 前記(メタ)アクリル系重合体(A)が、グラフト共重合体である、[1] ま
たは[2]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[4] 前記グラフト共重合体が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単
位と、マクロモノマー(M)由来の構成単位を有する、[3]に記載のエポキシ樹脂組成
物。
[5] 前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位が、前記ブロックイ
ソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(a1)由来の構成単位を含有する、[4
]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[6] 前記マクロモノマー(M)が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)由来の構
成単位を有する、[4]または[5]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[7] 前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)由来の構成単位が、環状エーテル基
を有する(メタ)アクリレート(a3)由来の構成単位を含有する、[6]に記載のエポ
キシ樹脂組成物。
[8] 前記マクロモノマー(M)が、下記式(1)で表される構造を有する、[4]~
[7]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
Figure 2023143745000001
(式(1)中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH
Hであり、Y~Yは、それぞれ独立して、前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m2
)のビニル基に結合する置換基であり、Zは末端基であり、nは2~10000の整数で
ある。)
[9] さらにコアシェル構造を有するポリマー(D)を含む、[1]~[8]のいずれ
かに記載のエポキシ樹脂組成物。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を含有する接着剤。
[11] [1]~[9]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
[12] [11]に記載の硬化物を含有する成形材料。
[13] [11]に記載の硬化物を含有する繊維強化プラスチック。
本発明によれば、優れた靭性を示し、高い接着強度を有する硬化物が得られるエポキシ
樹脂組成物とその硬化物、接着剤、成形材料及び繊維強化プラスチックを提供できる。ま
た、本発明によれば、高い衝撃強度を有する硬化物が得られるエポキシ樹脂組成物とその
硬化物、接着剤、成形材料及び繊維強化プラスチックを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる
例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、
その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の総
称である。「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称
である。「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の
総称であり、CH=C(R)-C(=O)-(Rは水素原子又はメチル基)で表される
基である。「マクロモノマー」とは、ラジカル重合性基又は付加反応性の官能基を有する
高分子量化合物を意味する。数平均分子量(Mn)は、通常1000~1000000で
ある。「ビニル系ラジカル重合性単量体」とは、マクロモノマーではないエチレン性不飽
和結合を有する単量体を意味する。
[エポキシ樹脂組成物]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、以下に示す(メタ)アクリル系重合体(A)(以下「
(A)成分」ともいう。)、エポキシ樹脂(B)(以下、「(B)成分」ともいう。)及
び硬化剤(C)(以下、「(C)成分」ともいう。)を含む。本発明のエポキシ樹脂組成
物は、さらにコアシェル構造を有するポリマー(D)を含むことができる。また、本発明
のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、(A)成分
~(D)成分以外の成分(以下、「任意成分」ともいう。)を含んでいてもよい。
<(A)成分>
(A)成分は、(メタ)アクリル系重合体である。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、ブロックイソシアネート基を有する(メタ)アク
リレート(a1)(以下、「(a1)成分」ともいう。)由来の構成単位及びアルキル(
メタ)アクリレート(a2)(以下、「(a2)成分」ともいう。)由来の構成単位を有
する。
(A)成分の(B)成分への溶解性を向上できる点と、硬化物の接着強度と耐衝撃性を
良好にできる点から、(A)成分の総量100質量%に対して、(a1)成分及び(a2
)成分由来の構成単位を50質量%以上含有することが好ましく、65質量%以上含有す
ることがより好ましく、80質量%以上含有することがさらに好ましい。
(A)成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(a1)成分は、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートのイソシアネート基
部分にブロック剤を付加した化合物である。
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-イソシアナト
エチル(メタ)アクリレート、2-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、3-イ
ソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルオキシ)エチルイソシアネート、1,1-(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)
エチルイソシアネート等が挙げられる。
ブロック剤としては、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセト
オキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオ
キシム、シクロヘキサノンオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム
等のオキシム系ブロック剤;ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-プロピオラ
クタム等のラクタム系ブロック剤;メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プ
ロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、t-ブタノール、エチレングリコール、
1-メトキシ-2-プロパノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビ
トール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキ
サノール等のアルコール系ブロック剤;フェノール、クレゾール、キシレノール、エチル
フェノール、o-イソプロピルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-te
rt-オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノ
ール、オキシ安息香酸エステル、チモール、p-ナフトール、p-ニトロフェノール、p
-クロロフェノール等のフェノール系ブロック剤;3,5-ジメチルピラゾール等のピラ
ゾール系ブロック剤;ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾ
ール等のアミン系ブロック剤;アセトアニリド、アセトアニシジド、酢酸アミド、ベンズ
アミド等の酸アミド系ブロック剤;イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル
イミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸
イミド系ブロック剤;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素系ブロック剤;N-フェニ
ルカルバミン酸フェニル、2-オキサゾリドン等のカルバミド酸塩系ブロック剤:エチレ
ンイミン、ポリエチレンイミン等のイミン系ブロック剤;マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系ブ
ロック剤;ブチルメルカプタン、チオフェノール、tert-ドデシルメルカプタン等の
メルカプタン系ブロック剤;重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリウム等の重亜硫酸塩系ブロッ
ク剤等が挙げられる。
(a1)成分の市販品としては、昭和電工社製の「カレンズAOI-PAP(2-イソ
シアナトエチルアクリレートにp-ヒドロキシアセトフェノンを付加した化合物)」、「
カレンズAOI-SM(2-イソシアナトエチルアクリレートにサリチル酸メチルを付加
した化合物)」、「カレンズMOI-SM(2-イソシアナトエチルメタクリレートにサ
リチル酸メチルを付加した化合物)」、「カレンズAOI-AM(2-イソシアナトエチ
ルアクリレートにメチルパラペンを付加した化合物)」、「カレンズMOI-DEM(2
-イソシアナトエチルメタクリレートにマロン酸ジエチルを付加した化合物)」、「カレ
ンズAOI-DEM(2-イソシアナトエチルアクリレートにマロン酸ジエチルを付加し
た化合物)」、「カレンズMOI-BP(2-イソシアナトエチルメタクリレートに3,
5-ジメチルピラゾールを付加した化合物)」、「カレンズAOI-BP(2-イソシア
ナトエチルアクリレートに3,5-ジメチルピラゾールを付加した化合物)」、「カレン
ズMOI-BM(2-イソシアナトエチルメタクリレートにメチルエチルケトオキシムを
付加した化合物)」、「カレンズAOI-BM(2-イソシアナトエチルアクリレートに
メチルエチルケトオキシムを付加した化合物)」、「カレンズMOI-CP(2-イソシ
アナトエチルメタクリレートにε-カプロラクタムを付加した化合物)」、「カレンズM
OI-MP(2-イソシアナトエチルメタクリレートに1-メトキシ-2-プロパノール
を付加した化合物)」、「カレンズMOI-OEt(2-イソシアナトエチルメタクリレ
ートにエタノールを付加した化合物)」、「カレンズMOI-OBu(2-イソシアナト
エチルメタクリレートにn-ブタノールを付加した化合物)」、「カレンズMOI-Oi
Pr(2-イソシアナトエチルメタクリレートにi-プロパノールを付加した化合物)」
等が挙げられる。
(a1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(a1)成分は、(A)成分の重合時及びエポキシ樹脂組成物の製造時、エポキシ樹脂
組成物の保管時にブロック剤が解離せず、エポキシ樹脂組成物の硬化時にブロック剤が解
離することが好ましいため、ブロック剤の解離温度は80~250℃が好ましく100~
220℃がより好ましく、120~200℃がより好ましい。ブロック剤の解離温度が好
ましい範囲となることから、上記市販品として挙げた化合物が好ましく、「カレンズMO
I-BP」、「カレンズAOI-BP」、「カレンズMOI-BM」、「カレンズAOI
-BM」、「カレンズMOI-CP」、「カレンズMOI-MP」がさらに好ましい。
(a1)成分の含有量は、硬化物の接着強度と耐衝撃性を良好にできる点から、(A)
成分の総質量100質量%に対して、0.05~50質量%が好ましく、0.1~30質
量%がより好ましく、0.2~10質量%が特に好ましい。
(a2)成分は、直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリ
レートである。(a2)成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(
メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリ
レート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチ
ル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アク
リレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n
-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ
)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレ
ート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート、
セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アク
リレート、i-アミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート
、i-ノニル(メタ)アクリレート、i-デシル(メタ)アクリレート、3-i-プロピ
ルヘプチル(メタ)アクリレート、i-ウンデシル(メタ)アクリレート、2-t-ブチ
ルヘプチル(メタ)アクリレート、i-ドデシル(メタ)アクリレート、i-トリデシル
(メタ)アクリレート、i-テトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(a2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(a2)成分としては、(A)成分の(B)成分への溶解性を向上できる点と、硬化物
の接着強度と耐衝撃性を良好にできる点から、炭素数が1~18のアルキル基を含有する
アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が1~14のアルキル基を含有するア
ルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、炭素数が1~12のアルキル基を含有する
アルキル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
(a2)成分の含有量は、(A)成分の(B)成分への溶解性を向上できる点と、硬化
物の接着強度と耐衝撃性を良好にできる点から、(A)成分の総質量100質量%に対し
て、30~99.9質量%が好ましく、40~99質量%がより好ましく、50~98質
量%がさらに好ましい。
硬化物の接着強度と耐衝撃性をより良好にできる点から、(A)成分は環状エーテル基
を有する(メタ)アクリレート(a3)(以下、「(a3)成分」ともいう。)由来の構
成単位を含有することが好ましい。
環状エーテル基を有する(メタ)アクリレート(a3)としては、例えば、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、(メタ)アクリレオイルモルフォリン
、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシ
ジル(メタ)アクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル(メタ)アクリ
レート、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)(メタ)アクリ
レート、(5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチル(メタ)アクリレート、
(2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。
(a3)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤(C)と反応することで、特に接着強度と耐衝撃性を良好にできる点から、(a
3)成分としては、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリレートグリシジルエーテル、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)ア
クリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(2-オキソ-1,3-ジオ
キソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレートがより好ましく、グリシジル(メタ)
アクリレートがさらに好ましい。
(a3)成分の配合量は、硬化物の接着強度と耐衝撃性を良好にできる点から、(A)
成分の総質量100質量%に対して、0~50質量%が好ましく、1~40質量%がより
好ましく、2~30質量%がさらに好ましい。
(A)成分は、(a1)~(a3)成分以外のその他のビニル系ラジカル重合性単量体
を含有することができる。
その他のビニル系ラジカル重合性単量体としては、例えば、(a1)~(a3)成分以
外の単官能の(メタ)アクリレート、多官能の(メタ)アクリレート、それ以外のビニル
系化合物(以下、「他のビニル系化合物」ともいう。)などが挙げられる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸、コハク酸2-
(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル
、フタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)
アクリロイルオキシエチル等のカルボキシル基を含有する(メタ)アクリレート;2-ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ
)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリ
レート、1、4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート等のシクロアルキル基を
有する(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフ
ェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリ
コール(メタ)アクリレート、フェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノ
キシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニル
ベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、(1-ナフチル)メチ
ル(メタ)アクリレート等のアリール基を有する(メタ)アクリレート;メトキシエチル
(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)
アクリレート、2-エチルヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルオキシ
ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ
アルキル(メタ)アクリレート;2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2-イ
ソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレ
ート、2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、1
,1-(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等のイソシアネ
ート基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルア
ミド;3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェ
ート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)ア
クリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ
)アクリレート等が挙げられる。
これら単官能の(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
多官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(
メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エステルジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アク
リレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、9,9-ビス[4-(2-(メタ)ア
クリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン等の2官能の(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メ
タ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス((メタ)アクロキシエチル)イソシ
アヌレート等の3官能の(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ
)アクリレート等の4官能の(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート等の5官能の(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(
メタ)アクリレート等の6官能の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これら多官能の(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
他のビニル系化合物としては、単官能の(メタ)アクリレート及び多官能の(メタ)ア
クリレートと共重合可能であれば特に限定されないが、例えば、スチレン、α-メチルス
チレン、p-t-ブチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン又はスチレン誘導体;イ
タコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリロニトリル等の
不飽和ニトリル;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、イタコ
ン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等の不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等のビニルエステルなどが挙げられる。
その他のビニル系ラジカル重合性単量体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
接着強度と耐衝撃性を良好にできる点から、その他のビニル系ラジカル重合性単量体と
しては、水酸基を有する(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレー
トが好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(
メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
(A)成分は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはグラフト共重合体のいず
れであっても良い。(A)成分の(B)成分への溶解性を向上できる点と、硬化物の接着
強度と耐衝撃性を良好にできる点から、グラフト共重合体であることが好ましい。グラフ
ト共重合体は、主鎖ポリマーに側鎖ポリマーが結合した分岐構造を有するものであれば特
に限定はされないが、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)(以下、「(m1)成分」
ともいう。)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)(以下、「(M)成分」ともいう
。)由来の構成単位を含むことが好ましい。
(m1)成分としては、前記(a1)~(a3)成分及び、その他のビニル系ラジカル
重合性単量体として挙げた化合物を用いることができる。硬化物の接着強度と耐衝撃性を
良好にできる点から、(m1)成分として、(a1)成分及び(a2)成分を含有するこ
とが好ましい。
マクロモノマー(M)は、ラジカル重合性基又は付加反応性の官能基を有する高分子量
化合物であり、数平均分子量(Mn)は、通常1000~1000000である。
(M)成分としては、ラジカル重合性基または付加反応性の官能基を有する高分子量化
合物であれば特に限定はされないが、(A)成分の(B)成分への溶解性に対する設計度
の高さの点から、ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)(以下、「(m2)成分」とも
いう。)由来の繰り返し構成単位を含む化合物であることが好ましく、(m2)成分由来
の構成単位を2つ以上含み、末端にラジカル重合性基を有する化合物であることがより好
ましい。(M)成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(m2)成分としては、前記(a1)~(a3)成分及び、その他のビニル系ラジカル
重合性単量体として挙げた化合物を用いることができる。(A)成分の(B)成分への溶
解性の点から、(m2)成分として、(a3)成分を含有することが好ましい。
(M)成分は、(m1)成分とのラジカル重合性に優れる点から、下記一般式(1)で
表される構造を有することが好ましい。
Figure 2023143745000002
式(1)中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH
Hであり、Y~Yは、それぞれ独立して、前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m2
)のビニル基に結合する置換基であり、Zは末端基であり、nは2~10000の整数で
ある。
なお、式(1)中の「-・・・-」は、単量体単位が重合している状態を表す。
~Xn-1は、メチル基が好ましく、合成し易さの点から、半数以上がメチル基で
あることが好ましい。
~Yは、それぞれ独立して、ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基
に結合するX~Xn-1以外の置換基である。このような置換基としては、例えば、O
、ハロゲン原子、COR、COOR、CN、CONR、NHCOR、又
はRなどが挙げられる。なお、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル
基、シクロアルキル基、環状エーテル基、アリール基又はヘテロアリール基等である。
Zは末端基である。末端基としては、公知のラジカル重合で得られるポリマーの末端基
と同様に、水素原子及びラジカル重合開始剤に由来する基が挙げられる。
nは、マクロモノマー(M)1分子中における単量体単位の数を意味する。nは、2~
10000の整数であり、5~1000の整数が好ましく、10~500の整数がより好
ましい。
(M)成分の数平均分子量(Mn)は、1000~30000が好ましく、1000~
20000がより好ましく、1000~10000がさらに好ましい。(M)成分の数平
均分子量が上記範囲内であれば、(A)成分の(B)成分への溶解性がより良好なものと
なる。
(M)成分の質量平均分子量(Mw)は、1000~100000が好ましく、100
0~50000がより好ましく、1000~30000がさらに好ましい。(M)成分の
質量平均分子量が上記範囲内であれば、(A)成分の(B)成分への溶解性がより良好な
ものとなる。
(M)成分のMw/Mnは、1~5が好ましく、1.5~3がより好ましい。(M)成
分のMw/Mnが上記範囲内であれば、(A)成分の(B)成分への溶解性がより良好な
ものとなる。
なお、(M)成分の数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)は、それぞれゲ
ル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である。
(M)成分は、公知の方法で製造したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい

(M)成分の製造方法としては、例えば、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法(
米国特許4680352号明細書等)、α-ブロモメチルスチレン等のα置換不飽和化合
物を連鎖移動剤として用いる方法(国際公開第1988/04304号)、重合性基を化
学的に結合させる方法(特開昭60-133007号公報及び米国特許5147952号
明細書等)、熱分解による方法(特開平11-240854号公報等)などが挙げられる
(M)成分の製造方法としては、製造工程数が少なく、連鎖移動定数の高い触媒を使用
する点で、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法が好ましい。コバルト連鎖移動剤は
連鎖移動定数が高いため、少量の添加で分子量が制御された(M)成分を得ることができ
る。
コバルト連鎖移動剤としては、公知のコバルト錯体が使用できる。
コバルト連鎖移動剤の使用量は、(m2)成分100質量部に対して、0.00001
~0.1質量部が好ましく、0.00005~0.05質量部がより好ましく、0.00
01~0.02質量部がさらに好ましい。
(A)成分の(B)成分への溶解性を向上し、硬化物の接着強度と耐衝撃性を良好にで
きる点から、(M)成分の含有量は、(A)成分の総量100質量%に対して、0~60
質量%が好ましく、1~50質量%がより好ましく、5~40質量%がさらに好ましい。
(A)成分及びマクロモノマー(M)の製造は、例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化
重合、レドックス重合等の公知の方法で行うことができる。
(A)成分の質量平均分子量(Mw)は、10000~1000000が好ましく、2
0000~800000がより好ましく、30000~600000がさらに好ましい。
(A)成分の質量平均分子量が上記範囲内であれば、(A)成分の(B)成分への溶解性
がより良好なものとなる。
(A)成分の数平均分子量(Mn)は、3000~300000が好ましく、5000
0~200000がより好ましく、10000~100000がさらに好ましい。(A)
成分の数平均分子量が上記範囲内であれば、(A)成分の(B)成分への溶解性がより良
好なものとなる。
(A)成分のMw/Mnは、1~20が好ましく、1.5~15がより好ましい。(A
)成分のMw/Mnが上記範囲内であれば、(A)成分の(B)成分への溶解性がより良
好なものとなる。
なお、(A)成分の数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)は、それぞれゲ
ル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である。
<(B)成分>
(B)成分は、エポキシ樹脂である。
(B)成分としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、
ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン
型エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、(B)成分としては、前記エポキシ樹脂のプレポリマーやポリエーテル変性エポ
キシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂のような前記エポキシ樹脂と他の重合体との共重
合体、及び前記エポキシ樹脂の一部がエポキシ基を有する反応性希釈剤で置換されたもの
を挙げることもできる。
反応性希釈剤としては、例えば、レゾルシングリシジルエーテル、t-ブチルフェニル
グリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、フェニルグリシジルエーテル、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1-(3-グリシドキシプロピル)-1
,1,3,3,3-ペンタメチルシロキサン、N-グリシジル-N,N-ビス[3-(ト
リメトキシシリル)プロピル]アミン等のモノグリシジル化合物;2-(3,4)-エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のモノ脂環式エポキシ化合物などが挙
げられる。これら反応性希釈剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい

これらの中でも、液状で取り扱いやすい点と、ガラス転移点が高く硬化物の接着強度が
より高まる点で、(B)成分としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂が好ましい。
これら(B)成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(C)成分>
(C)成分は、(B)成分を硬化させるものであり、エポキシ樹脂組成物の硬化性及び
硬化物特性を調整するために用いられる。
(C)成分としては公知のものが使用でき、例えば、酸無水物、アミン化合物、フェノ
ール化合物、潜在性硬化剤等が挙げられる。
(C)成分の具体例としては、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチ
ルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、メチルシクロヘキセ
ンジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリ
メリテート、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ポリ(エチルオクタデ
カン二酸)無水物等の酸無水物;2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2
,2,1]ヘプタン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、
ビス(4-アミノ-3-メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメ
タン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス
(4-アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメ
タン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジエチルトル
エンジアミン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(3,3’-DDS)、4,4’
-ジアミノジフェニルスルホン(4,4’-DDS)のようなジアミノジフェニルスルホ
ン、ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)、ビスアニリン、ジメチルアニリン、ト
リエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメ
チル)フェノール、ベンジルジメチルアニリン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミ
ノジフェニルメタン(MOCA)、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,4’-ジ
アミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジ
フェニルメタン、2,2’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジアミノビフェニル、2,
4-ジアミノフェノール、2,5-ジアミノフェノール、o-フェニレンジアミン、m-
フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、2,3-トリ
レンジアミン、2,4-トリレンジアミン、2,5-トリレンジアミン、2,6-トリレ
ンジアミン、3,4-トリレンジアミン、メチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエ
ンジアミン、ジシアンジアミド等のアミン化合物;フェノールノボラック樹脂、クレゾー
ルノボラック樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、及びこ
れらビスフェノール類のジアリル化物の誘導体等のフェノール化合物;カルボヒドラジド
、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸
ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラ
ジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジヒドラジド、ヘ
キサデカンジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコー
ル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラ
ジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6-ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’-ビスベ
ンゼンジヒドラジド、1,4-ナフトエ酸ジヒドラジド、アミキュアVDH、アミキュア
UDH(いずれも商品名、味の素社製)、クエン酸トリヒドラジド等のヒドラジド化合物
などが挙げられる。
これらの中でも、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を良好なものにできる点から、(C
)成分としては、アミン化合物、ヒドラジド化合物が好ましく、ジシアンジアミド、ヒド
ラジド化合物がより好ましい。
これら(C)成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(D)成分>
(D)成分は、コアシェル構造を有するポリマーである。(D)成分を加えることで、
硬化物の接着強度および衝撃強度をさらに高めることができる。(D)成分の構造は、コ
ア層がジエン系ゴム重合体、アクリル系ゴム重合体及び、オルガノシロキサン系ゴム重合
体からなる群より選ばれる1種以上であり、シェル層がビニル系重合体であることが好ま
しい。
ジエン系ゴム重合体としては、例えば、1,3-ブタジエンと、これと共重合しうるビ
ニル系単量体と、必要に応じて架橋性単量体とからなる共重合体が挙げられる。
(D)成分は、(B)成分への配合のしやすさから、ラテックスから水と乳化剤を除去
し、エポキシ樹脂で置換した「(D)成分のエポキシ分散液」として取り扱うことが好ま
しい。
(D)成分のエポキシ分散液としては市販品を用いてもよい。市販品としては、カネカ
社製の商品名「カネエースMXシリーズ」などが挙げられる。「カネエースMXシリーズ
」の一例である「カネエースMX154」は、コア層がポリブタジエンであり、シェル層
がビニル系重合体であるコアシェルゴム(約40質量%)をビスフェノールA型エポキシ
樹脂(約60質量%)に単一粒子分散させた分散液である。
<任意成分>
任意成分としてはとしては、例えば、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジ
メチルウレア(DCMU)、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾ
ール、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂のアダクト類、トリフェニルホスフィン、テト
ラフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等
の硬化促進剤;2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレ
ゾール、n-オクタデシル-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-
4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコールビス[3
-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6
-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]、トリエチルホスファイト、トリ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、
トリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、
トリストリデシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイ
ト、ジヘキシルスルフィド、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジトリデシ
ル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート
、ジステリアル-3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(
β-ラウリルチオプロピオネート)等の酸化防止剤;シリコーンオイル、天然ワックス、
合成ワックス等の離型剤;ガラスビーズ、結晶質シリカ、溶融シリカ、ケイ酸カルシウム
、アルミナ、炭酸カルシウム等のフィラー;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、セル
ロースナノファイバー等の繊維;三酸化アンチモン等の難燃剤;ハイドロタルサイト、希
土類酸化物等のハロゲントラップ剤;カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤;シランカ
ップリング剤;消泡剤;レオロジー調整剤:顔料;染料などが挙げられる。
これら任意成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<含有量>
前記(A)~(D)成分の総質量を100質量%としたときの、各成分の好ましい含有
量は以下の通りである。
(A)成分の含有量は、エポキシ樹脂組成物を作業性が良好な低粘度としつつ、硬化物
の靭性と接着強度をより高めることができることから、1~60質量%が好ましく、5~
55質量%がより好ましく、10~50質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量は、エポキシ樹脂組成物を作業性が良好な低粘度とすることができ
ることから、20~90質量%が好ましく、30~80質量%がより好ましく、40~7
0質量%がさらに好ましい。
(C)成分の含有量は、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を良好なものとしつつ、硬化
物を得るのに充分な硬化性が得られることから、0.1~10質量%が好ましく、0.5
~9質量%がより好ましく、1~8質量%がさらに好ましい。
(D)成分の含有量は、エポキシ樹脂組成物を作業性が良好な低粘度としつつ、硬化物
の靭性と接着強度をより高めることができることから、0~40質量%が好ましく、1~
35質量%がより好ましく、3~30質量%がさらに好ましい。
<製造方法>
エポキシ樹脂組成物の製造方法に特に制限はなく、公知の方法を使用することができる
。例えば、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応じて(D)成分と、任意
成分とを同時に混合してもよく、一部の成分(例えば、(A)成分と(B)成分)を予め
混合し、その混合物と残りの成分とを混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、自転・公転ミキサー、三本ロール、ニーダー等の公知の混
合機を用いることができる。
<作用効果>
以上説明した本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述した(A)成分、(B)成分及び(
C)成分と、必要に応じて(D)成分と、任意成分とを含むので、優れた靭性を示し、高
い接着強度と衝撃強度を有する硬化物が得られる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物は
、上述した(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応じて(D)成分と、任意
成分とを含むので、高い衝撃強度を有する硬化物が得られる。
<用途>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、優れた靭性を示し、高い接着強度と衝撃強度を有する
硬化物が得られることから、接着剤や成形材料及び繊維強化プラスチックとして有用であ
る。
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の用途は上記に限定されるものではない。本発明の
エポキシ樹脂組成物は他の用途に用いることもでき、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂が使用される各種の用途に用いることができる。そのような用途の例としては、塗料
、コーティング剤、絶縁材料、封止剤等が挙げられる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物を含有する接着剤、成形材料及び繊維強化プラスチ
ックについて説明する。
[接着剤]
本発明の接着剤は、上述した本発明のエポキシ樹脂組成物を含有する。
接着剤としては、例えば、自動車等の構造接着剤を含む車両用接着剤、土木・建築用接
着剤、電子材料用接着剤、一般事務用接着剤、医療器具用接着剤、工業用接着剤などが挙
げられる。
車両用接着剤としては、例えば、ヘミング用接着剤、ウエルドボンド用接着剤、マスチ
ック用接着剤、ダイレクトグレージング用接着剤、スポットシーラー、ボディーシーラー
、アンダーコートなどが挙げられる。
電子材料用接着剤としては、例えば、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダ
イボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、
異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤な
どが挙げられる。
これらの接着剤用途には、高い接着強度及び衝撃強度が求められる。
[硬化物]
本発明の硬化物は、上述した本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させたものである。
エポキシ樹脂組成物の硬化方法としては特に限定されるものではなく、公知の手法を用
いることができ、例えば、熱硬化法が用いられる。
熱硬化法でエポキシ樹脂組成物を硬化させる場合、エポキシ樹脂組成物に含まれる(C
)成分の種類や量に応じて最適条件は異なるが、例えば50~250℃で0.1~10時
間程度の加熱条件により、エポキシ樹脂組成物を硬化することが好ましい。
[成形材料]
本発明の成形材料は、上述した本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物を含有する。
成形材料としては、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られるシート、
フィルム等が挙げられる。成形方法としては、トランスファー成形や注型成形等の手法が
挙げられる。成形材料の用途としては、例えば、航空機部品、自動車部品、スポーツ用品
、建材、電子回路基盤、半導体封止材、光半導体用リフレクタなどが挙げられる。
これらの成形材料には、優れた靭性や高い衝撃強度が求められる。
[繊維強化プラスチック]
本発明の繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Pla
stics)は、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維に本発明のエポキシ樹脂組成物を含侵し
たプリプレグを硬化したものである。
繊維強化プラスチックの用途としては、例えば、航空機部品、自動車部品、船舶部品、
スポーツ用品、建材、風力発電用ブレード、ガスタンク、ロボット、電子回路基盤などが
挙げられる。
これらの繊維強化プラスチックには、優れた靭性や高い衝撃強度が求められる。また、
含浸するエポキシ樹脂組成物には、繊維に対する高い接着強度が求められる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超え
ない限り、以下の実施例に制限されるものではない。以下の各例において、特に断りがな
い限り「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
[測定・評価方法]
<マクロモノマー(M)の分子量の測定>
(M)成分の分子量の分子量について、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC装置)(東ソ
ー社製、製品名「HLC-8320」)を用い、以下のようにして測定した。
(M)成分を濃度が0.2質量%になるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解し
てTHF溶液(1)を調製した。
東ソー社製のカラム(TSKgel SuperHZM-M(内径4.6mm、長さ1
5cm)1本、HZM-M(内径4.6mm、長さ15cm)1本、HZ-2000(内
径4.6mm、長さ15cm)1本、TSKguardcolumn SuperHZ-
L(内径4.6mm、長さ3.5cm)1本)が装着されたGPC装置に上記のTHF溶
液(1)10μLを注入し、流量:0.35mL/分、溶離液:安定剤としてジブチルヒ
ドロキシトルエン(BHT)を含有するTHF、カラム温度:40℃の条件で測定し、標
準ポリスチレン換算にて質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出した。
<(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量の測定>
(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量の分子量について、ゲル浸透クロマトグラフ
(GPC装置)(東ソー社製、製品名「HLC-8320」)を用い、以下のようにして
測定した。
(メタ)アクリル系重合体(A)を濃度が0.2質量%になるようにテトラヒドロフラ
ン(THF)に溶解してTHF溶液(2)を調製した。
東ソー社製のカラム(TSKgel SuperHZM-H(内径6.0mm、長さ1
5cm)2本、TSKguardcolumn SuperHZ-H(内径4.6mm、
長さ3.5cm)1本)が装着されたGPC装置に上記のTHF溶液(2)10μLを注
入し、流量0.5mL/分、溶離液:安定剤としてBHTを含有するTHF、カラム温度
:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にて質量平均分子量(Mw)及び数平均
分子量(Mn)を算出した。
<靭性、接着強度の評価>
幅25mm×長さ150mm×厚み0.5mmの鋼板(エンジニアリングテストサービ
ス社製、商品名「JIS G3141、SPCC-SD」)の片面の長さ方向の一端から
50mmまでの部分を掴みしろとし、残りの部分にエポキシ樹脂組成物を塗布した。同様
の大きさのもう一枚の鋼板を、エポキシ樹脂組成物塗付面に貼り合せ、エポキシ樹脂組成
物層の厚みが一定となるように固定し、180℃で30分間加熱することでエポキシ樹脂
組成物を硬化させて積層体を得た。得られた積層体の側面からはみ出したエポキシ樹脂組
成物の硬化物を削り取り、2枚の鋼板それぞれの掴みしろ部分を外側へ向かって直角に9
0°折り曲げて、T字型の試験片を得た。
精密万能試験機(島津製作所社製、製品名「オートグラフAGX-10kNVD、ロー
ドセル1kN)を用いて、得られた試験片の掴みしろ部分を上下に保持し、200mm/
分の条件で剥離強度を測定した。測定は23℃で実施した。最初の25mmと最後の25
mmを除いた荷重の平均値をT型剥離強度とした。3つの試験片についてT型剥離強度を
測定してその平均値を求め、接着強度を評価した。T型剥離強度が高いほど、接着強度に
優れることを意味する。また、T型剥離強度が高いほど、靭性に優れることを意味する。
<靭性、衝撃強度の評価>
ISO11343、JIS K6865に準拠し、対称くさび試験片を作製し、衝撃強
度の測定を行った。厚み0.8mmの曲げ加工鋼板(JIS G3141、SPCC-S
D、エンジニアリングテストサービス社製)にエポキシ樹脂組成物を塗布し、貼り合わせ
た後、180℃で30分間加熱することでエポキシ樹脂を硬化し、対称くさび試験片を得
た。高速引張試験機ハイドロショットHITS-T10(島津製作所社製、ロードセル1
0kN)を用いて、2m/秒の条件で対称くさび試験片を打ち込み、幅20mm、長さ3
0mmのエポキシ樹脂硬化物を開裂する間の動的開裂抵抗値を測定した。測定は23℃で
実施した。移動距離の最初から25%と、終わりから10%の間の動的開裂抵抗値の平均
値を衝撃強度とした。また、衝撃強度が高いほど、靭性に優れることを意味する。
[分散剤]
<合成例1:分散剤(1)の合成>
撹拌機、冷却管、温度計及び窒素ガス導入管を備えた重合装置中に、脱イオン水900
部、メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム60部、メタクリル酸カリウム10部及び
メタクリル酸メチル(MMA)12部を入れて撹拌し、重合装置内を窒素置換しながら、
50℃に昇温した。その中に、重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピ
オンアミジン)二塩酸塩0.08部を添加し、さらに60℃に昇温した。昇温後、滴下ポ
ンプを使用して、MMAを0.24部/分の速度で75分間連続的に滴下した。反応溶液
を60℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分10%の分散
剤(1)を得た。
[連鎖移動剤]
<合成例2:連鎖移動剤(1)の合成>
撹拌装置を備えた合成装置中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物1.
00g及びジフェニルグリオキシム1.93g、予め窒素バブリングにより脱酸素したジ
エチルエーテル80mLを入れ、室温で30分間撹拌した。次いで、三フッ化ホウ素ジエ
チルエーテル錯体10mLを加え、さらに6時間撹拌した。混合物をろ過し、固体をジエ
チルエーテルで洗浄し、15時間真空乾燥して、赤褐色固体である連鎖移動剤(1)2.
12gを得た。
<製造例1:マクロモノマー(M1)の製造>
撹拌機、冷却管、温度計及び窒素ガス導入管を備えた重合装置中に、脱イオン水145
部、硫酸ナトリウム0.1部及び分散剤(1)(固形分10%)0.25部を入れて撹拌
し、均一な水溶液とした。(a2)成分としてメチルメタクリレート50部、(a3)成
分としてグリシジルメタクリレート50部、連鎖移動剤(1)0.0040部及び、重合
開始剤として1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエー
ト(日油社製、商品名「パーオクタO」)2部を加え、水性懸濁液とした。
次に、重合装置内を窒素置換し、80℃に昇温して3.5時間反応し、さらに重合率を
上げるため、90℃に昇温して1時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、マ
クロモノマーを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液をフィルタで濾過し、フィルタ上
に残った残留物を脱イオン水で洗浄し、脱水し、40℃で16時間乾燥して、マクロモノ
マー(M1)を得た。
得られたマクロモノマー(M1)の分子量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2023143745000003
表1中の略号は以下の通りである。
・MMA:メチルメタクリレート(三菱ケミカル製、商品名「アクリエステルM」)。
・GMA:グリシジルメタクリレート(三菱ケミカル製、商品名「アクリエステルG」)

・連鎖移動剤(1):合成例2で合成した連鎖移動剤。
・パーオクタO:1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノ
エート(日油社製、商品名「パーオクタO」)。
<製造例2:(メタ)アクリル系重合体(A-1)の製造>
撹拌装置、温度計、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコに、初期仕込み
溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)40部、マクロモノマー(M1)20部を入れ
、攪拌しながら、窒素ガス通気下で外温を85℃に昇温した。外温が85℃に達し、内温
が安定した後、MEK25部と、(a1)成分としてカレンズMOI-MP(昭和電工社
製、2-イソシアナトエチルメタクリレートに1-メトキシ-2-プロパノールを付加し
た化合物)1部、(a2)成分としてエチルアクリレート79部、重合開始剤としてベン
ゾイルパーオキサイド(日油社製、商品名:「ナイパーBMT-K40」)0.13部か
らなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後1時間保持した後、重合開始剤として
1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油社製
、商品名「パーオクタO」)0.5部及びMEK10部からなる混合物を1時間かけて添
加した。その後、2時間保持した後、固形分((モノマー+溶剤仕込み量)中のモノマー
仕込み量の割合)が50%になるようにMEKを添加した後、室温まで冷却して(メタ)
アクリル系重合体(A-1)のMEK溶液を得た。
得られた(メタ)アクリル系重合体(A-1)の分子量を測定した。結果を表2に示す
<製造例3~23:(メタ)アクリル系重合体(A-2)~(A-22)の製造>
(M)成分、(a1)~(a3)成分、その他ビニル系ラジカル重合性単量体及び、初
期仕込み溶剤の種類と配合量を表2~4に示した内容に変更した以外は、製造例2と同様
にして(メタ)アクリル系重合体(A-2)~(A-22)の溶液を得た。得られたアク
リル系重合体(A-2)~(A-22)の分子量を測定した結果を表2~4に示す。
Figure 2023143745000004
Figure 2023143745000005
Figure 2023143745000006
表2~4中の略号は以下の通りである。
・M1:製造例1で製造したマクロモノマー。
・MOI-MP:2-イソシアナトエチルメタクリレートに1-メトキシ-2-プロパノ
ールを付加した化合物(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI-MP」)
・MOI-CP:2-イソシアナトエチルメタクリレートにε-カプロラクタムを付加し
た化合物(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI-CP」)
・MOI-BM:2-イソシアナトエチルメタクリレートにメチルエチルケトンオキシム
を付加した化合物(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI-BM」)
・MMA:メチルメタクリレート(三菱ケミカル社製、商品名「アクリエステルM」)。
・EA:エチルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名「アクリル酸エチル」)。
・nBA:n-ブチルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名「アクリル酸ブチル」)

・GMA:グリシジルメタクリレート(三菱ケミカル社製、商品名「アクリエステルG」
)。
・4HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート(新菱社製、商品名「4HBA」)
・2MTA:2-メトキシメチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「2-M
TA」)
・MEK:メチルエチルケトン。
・IPA:イソプロピルアルコール。
[実施例1]
製造例2で得られた(メタ)アクリル系重合体(A-1)のMEK溶液100部に、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、商品名「jER828」)50部を
混合し、真空乾燥機を用いてMEKを減圧留去することで、(メタ)アクリル系重合体(
A-1)を50部含有する(メタ)アクリル系重合体含有エポキシ樹脂を得た。
混合容器に、(A)成分及び(B)成分として(メタ)アクリル系重合体含有エポキシ
樹脂60部(内訳:(メタ)アクリル系重合体(A-1)が30部、jER828が30
部)と、(B)成分としてjER828を20部、(C)成分としてジシアンジアミド(
三菱ケミカル社製、商品名「DICY7」)4部と、硬化促進剤として3-(3,4-ジ
クロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(保土ヶ谷化学工業社製、商品名「DCMU
」)0.8部と、フィラーとして炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「ホワイ
トンB」)15.2部及びガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ社製、商品名「J-
100」)0.8部を加え、撹拌脱泡装置(シンキー社製、製品名「あわとり練太郎」)
を用いて混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、接着強度の評価を行った。結果を表5に示す。
[実施例2~16、比較例1、2]
(A)成分の種類及び、各成分の配合量を表5、6、8に示した内容に変更した以外は
、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、接着強度及の評価を行った。結果を表5、6、
8に示す。
[実施例17]
製造例2で得られた(メタ)アクリル系重合体(A-1)溶液100部に、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、商品名「jER828」)50部を混合し、
真空乾燥機を用いてMEKを減圧留去することで、(メタ)アクリル系重合体(A-1)
を50部含有する(メタ)アクリル系重合体含有エポキシ樹脂を得た。
混合容器に、(A)成分及び(B)成分として(メタ)アクリル系重合体含有エポキシ
樹脂32部(内訳:(メタ)アクリル系重合体(A-1)が16部、jER828が16
部)と、(B)成分としてjER828を18部、(C)成分としてジシアンジアミドを
4部、(D)成分及び(B)成分としてカネカ社製の商品名「カネエースMX154」3
0部(内訳:コアシェル構造を有するポリマーが12部、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂が18部)と、硬化促進剤として3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチ
ルウレアを0.8部、フィラーとして炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「ホ
ワイトンB」)15.2部及びガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ社製、商品名「
J-100」)0.8部とを加え、撹拌脱泡装置(シンキー社製、製品名「あわとり練太
郎」)を用いて混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、接着強度及び衝撃強度の評価を行った。結果を
表6に示す。
[実施例18~29、比較例3、4]
(A)成分の種類を表6~8に示す値に変更した以外は、実施例17と同様にしてエポ
キシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、接着強度及び衝撃強度の評価を行った。結果を
表6~8に示す。
[比較例5]
混合容器に、ブロックウレタン樹脂としてQR-9466(ADEKA社製)30部と
、(B)成分としてjER828を50部、(C)成分としてジシアンジアミド(三菱ケ
ミカル社製、商品名「DICY7」)4部と、硬化促進剤として3-(3,4-ジクロロ
フェニル)-1,1-ジメチルウレア(保土ヶ谷化学工業社製、商品名「DCMU」)0
.8部、フィラーとして炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「ホワイトンB」
)15.2部及び、ガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ社製、商品名「J-100
」)0.8部を加え、撹拌脱泡装置(シンキー社製、製品名「あわとり練太郎」)を用い
て混合して、エポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、接着強度の評価を行った。結果を表8に示す。
Figure 2023143745000007
Figure 2023143745000008
Figure 2023143745000009
Figure 2023143745000010
表5~8中の略号は以下の通りである。
・A-1~A-22:製造例2~23で製造した(メタ)アクリル系重合体(A)。
・jER828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、商品名「jER
828」)。
・ビスAエポキシ:カネカ社製の商品名「カネエースMX154」に含まれるビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂。
・DICY:ジシアンジアミド(三菱ケミカル社製、商品名「DICY7」)。
・DCMU:3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(保土ヶ谷化
学工業社製、商品名「DCMU」)。
・ホワイトンB:炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名「ホワイトンB」)。
・J-100:ガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ社製、商品名「J-100」)

・MX154:カネカ社製の商品名「カネエースMX154」に含まれるコアシェル構造
を有するポリマー。
・QR-9466:ブロックウレタン樹脂(ADEKA社製、商品名「QR-9466」
表5~8から明らかなように、各実施例で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、接
着強度及び衝撃強度に優れていた。
一方、各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物は、接着強度及び衝撃強度に劣
っていた。
本発明のエポキシ樹脂組成物からは、優れた靭性示し、高い接着強度及び衝撃強度を有
する硬化物が得られるので、本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、自動車等の車両用
接着剤、土木・建築用接着剤、電子材料用接着剤、一般事務用接着剤、医療用接着剤、工
業用接着剤等の接着剤、成形材料、繊維強化プラスチックなどとして有用である。

Claims (13)

  1. ブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート(a1)由来の構成単位およ
    びアルキル(メタ)アクリレート(a2)由来の構成単位を有する(メタ)アクリル系重
    合体(A)、エポキシ樹脂(B)及び硬化剤(C)を含むエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル系重合体(A)が、環状エーテル基を有する(メタ)アクリレー
    ト(a3)を構成単位として有する、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル系重合体(A)が、グラフト共重合体である、請求項1に記載の
    エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記グラフト共重合体が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位と、
    マクロモノマー(M)由来の構成単位を有する、請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位が、前記ブロックイソシア
    ネート基を有する(メタ)アクリレート(a1)由来の構成単位を含有する、請求項4に
    記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記マクロモノマー(M)が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)由来の構成単位
    を有する、請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)由来の構成単位が、環状エーテル基を有す
    る(メタ)アクリレート(a3)由来の構成単位を含有する、請求項6に記載のエポキシ
    樹脂組成物。
  8. 前記マクロモノマー(M)が、下記式(1)で表される構造を有する、請求項4に記載
    のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2023143745000011
    (式(1)中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH
    Hであり、Y~Yは、それぞれ独立して、前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m2
    )のビニル基に結合する置換基であり、Zは末端基であり、nは2~10000の整数で
    ある。)
  9. さらにコアシェル構造を有するポリマー(D)を含む、請求項1~8のいずれか1項に
    記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項1~8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を含有する接着剤。
  11. 請求項1~8のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物。
  12. 請求項11に記載の硬化物を含有する成形材料。
  13. 請求項11に記載の硬化物を含有する繊維強化プラスチック。
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