JP2023142227A - X線透視撮影装置、それを用いた散乱x線分布推定方法、および、画像処理装置 - Google Patents

X線透視撮影装置、それを用いた散乱x線分布推定方法、および、画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】X線透視撮影装置において散乱X線線量を把握する。【解決手段】X線発生部が照射するX線線量と、X線発生部および寝台の少なくとも一方の位置および/または傾斜とを受け取る。X線線量と、位置および/または傾斜とに基づいて、寝台の周囲の予め定めた範囲の少なくとも一つの位置に到達する散乱X線線量を算出する。【選択図】図4

Description

本発明は、X線透視撮影装置に関し、特に、X線管、X線検出器及び寝台を駆動して撮影方向を異ならせた画像を取得可能なX線透視撮影装置に関する。
X線透視撮影装置は、被検体を載せる寝台、被検体にX線を照射するX線管、及び、寝台の支持枠内に設けられるX線検出器を含む透視撮影台を備えている。透視撮影台の寝台、X線管及びX線検出器は、複数の可動軸を備えた支持部によって、駆動可能に支持されている。支持部に含まれる複数の可動軸は、駆動部によって駆動される。このような構成のX線透視撮影装置は、X線管から被検体にX線を照射し、被検体を透過したX線をX線検出器により検出し、X線検出器が出力するX線信号からX線画像又は透視画像を生成し、表示させる。
このようなX線透視撮影装置では、駆動部によって複数の可動軸を駆動させることにより、透視撮影台に含まれる寝台及びX線管を、共に、或いは、別個独立に移動させ、X線照射位置を任意の位置に移動させることができる。すなわち、X線透視撮影装置では、例えば、X線管と寝台との位置関係を維持した状態でこれらを共に回転させたり、X線管を寝台に対して傾斜させたり、X線管とX線検出器との位置関係を維持した状態で寝台を長軸方向または短軸方向に移動させたり、寝台を上下動させたりすることができる。
X線管から照射されるX線量は、X線撮影装置の表示部に表示される。X線量は、X線管近傍に取り付けられた線量計で検出するか、またはX線照射条件とX線管に取り付けられたX線可動絞りの開度情報等を元に計算される。
特許文献1には、X線撮影装置の検査者が、X線管から照射されるX線錐を把握できるように、照射されるX線錐の形状を算出し、X線錐の画像を生成し、操作者が着用するウェアラブルデバイスのディスプレイに表示させる技術が開示されている。これにより、操作者は、照射されるX線錐の形状を視認し、X線照射領域から自分の体を遠ざけることができるため、操作者の被ばくを低減することができる。
特開2015-134108号公報
X線透視撮影装置において、X線画像の撮影時にX線管から照射されたX線の一部は、被検体で吸収・透過されず、散乱されて不特定方向に向かう。この散乱X線は、被検体のみならず操作者等の被ばくにつながるため、被ばく防止対策のためには散乱X線を把握する必要がある。
本発明の目的は、X線透視撮影装置において散乱X線線量を把握することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、被検体にX線を照射するX線発生部と、被検体を載せる寝台と、X線発生部および寝台の少なくとも一方の位置及び傾斜を変化可能に支持する支持部と、散乱X線線量算出部を有するX線透視撮影装置が提供される。散乱X線線量算出部は、X線発生部が照射するX線線量と、X線発生部および寝台の少なくとも一方の位置および/または傾斜とに基づいて、寝台の周囲の予め定めた範囲の少なくとも一つの位置に到達する散乱X線線量を算出する。
本発明によれば、X線透視撮影装置において、寝台の周囲に散乱する散乱X線の線量を把握することができるため、操作者等が散乱X線による被ばく低減活動を効果的に行うことができる。
本実施形態のX線透視撮影装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1のX線透視撮影装置の一部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1のX線透視撮影装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態1のX線透視撮影装置の表示する画像の例である。 本発明の実施形態1のX線透視撮影装置の表示する画像の例である。 本発明の実施形態2のX線透視撮影装置の一部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態2のX線透視撮影装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態2のX線透視撮影装置の表示する画像の例である。 本発明の実施形態3のX線透視撮影装置の一部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態3のX線透視撮影装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態3のX線透視撮影装置の表示する画像の例である。 本発明の実施形態4のX線透視撮影装置の一部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態4のX線透視撮影装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態4のX線透視撮影装置の表示する画像の例である。 本発明の実施形態5のX線透視撮影装置の一部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態5のX線透視撮影装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態5のX線透視撮影装置の表示する画像の例である。 本発明の実施形態5のX線透視撮影装置の表示する画像の例である。 本発明の実施形態6のX線透視撮影装置の一部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態6のX線透視撮影装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態6のX線透視撮影装置の表示する画像の例である。 本発明の実施形態7のX線透視撮影装置の一部構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態7のX線透視撮影装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態8のX線透視撮影装置の処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態8のX線透視撮影装置の表示する画像の例である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態のX線透視撮影装置の全体構成を示す図である。図2は、X線透視撮影装置の一部の詳しい構成を示す図である。
図1に示すように、X線透視撮影装置は、透視撮影台14と、画像処理部7と、画像記憶部8と、表示部9とを備えて構成される。透視撮影台14は、被検体1を載せる寝台4と、被検体1にX線を照射するX線発生部20と、X線検出器6と、支持部5とを備えている。支持部5には、駆動部12が接続されている。X線発生部20には、高電圧発生部13が接続されている。駆動部12と画像処理部7とX線発生部には、制御部10が接続されている。制御部10には、操作部11が接続されている。
X線発生部20は、X線管装置2と、被検体1に対するX線照射領域を設定するX線絞り3とを備えている。X線管装置2は、高電圧発生部13から電力供給を受けてX線を発生するX線管球が備えられている。X線絞り3は、X線管装置2が発生したX線を遮蔽する複数のX線遮蔽用鉛板(図示せず)と、複数のX線遮蔽用鉛板をそれぞれ移動させることによりX線絞り3の開度を調整する開度調整部3aと、特定のエネルギーのX線を選択的に透過させるX線フィルタ(図示せず)と、X線フィルタを複数種類の中から選択するフィルタ選択部3bを含み、被検体1に対するX線照射領域を設定する。
X線検出器6は、X線発生部20に対向配置され、被検体1を透過したX線を検出する。X線検出器6は、例えば、X線を検出する複数の検出素子が二次元アレイ状に配置された構成である。X線検出器6の複数の検出素子には、X線管装置2から照射され、被検体1を透過したX線が入射し、入射量に応じたX線信号を出力する。
支持部5は、X線発生部20、寝台4およびX線検出器6を支持している。支持部5は、X線発生部20を指示するX線支持腕5bと、寝台4を支持する寝台支持腕5cと、X線支持腕5bを支持する支柱5aとを備えている。また、支持部5は、寝台4を図1に示したX、Y,Z軸方向に移動させる駆動機構と、寝台支持腕5cをX軸に平行な回転軸を中心に回転させ、寝台4を起倒動させる駆動機構と、支柱5aをX、Y,Z軸方向に移動させる駆動機構と、支柱5aをX軸に平行な回転軸を中心に回転させることによりX線発生部20を傾斜させる駆動機構とを備えている。各駆動機構には、駆動部12が接続されており、駆動部12は、各駆動機構を動作させる。
高電圧発生部13は、X線管装置2に電力を供給する。
画像処理部7は、X線検出器6が出力するX線信号を受け取って、所定の画像処理を行ってX線画像を生成する。画像処理としては、ガンマ変換、階調変換処理、画像の拡大・縮小等が挙げられる。なお、ここでいうX線画像には、ある時点のX線画像だけでなく、時系列な複数のX線画像から構成される透視画像(動画)も含まれる。
画像処理部7は、図2に示すように、散乱X線線量算出部71を備えている。X線画像の撮影時に、X線管装置2から照射されたX線の一部は、被検体1で吸収・透過されず、散乱されて不特定方向に向かう。散乱X線線量算出部71は、X線撮影措置の周囲の予め定めた少なくとも1つの位置に到達する散乱X線の線量を算出する。なお、散乱X線線量算出部71は、所定の領域内の複数の位置に到達する散乱X線の線量を算出することにより、散乱X線の線量分布(以下、散乱X線分布とも呼ぶ)を算出することも可能である。
画像記憶部8には、画像処理部7が生成したX線画像と、画像処理部7が算出した散乱X線の線量が記憶される。また、画像記憶部8には、散乱X線線量算出部71が散乱X線の線量を算出する際に用いるデータテーブルまたは数式が予め格納されている。
表示部9は、画像記憶部8に格納されたX線画像と、散乱X線の線量を表示する。なお、表示部9は、画像処理部7からX線画像と散乱X線の線量を直接受け取って表示する構成であってもよい。
制御部10は、駆動部12およびX線絞り3を制御する。また、制御部10は、散乱X線の計算に必要なデータを散乱X線線量算出部71に与える。
操作部11は、制御部10に対する指令を操作者から受け付ける。
以下、本実施形態のX線透視撮影装置のさらに詳しい構成と動作について実施形態1~6により説明する。
<<<実施形態1>>>
まず、実施形態1のX線透視撮影装置について図2~図5を用いて説明する。
実施形態1のX線透視撮影装置の制御部10は、図2のように、絞り制御部31と、支持部制御部32と、線量計算処理部33とを含んでいる。
絞り制御部31は、X線絞り3のX線遮蔽用鉛板を移動させる開度調整部3aおよびフィルタ選択部3bをそれぞれ制御することにより、X線絞り3の開度を制御する。
支持部制御部32は、支持部5の駆動機構を駆動する駆動部12を制御することにより、支持部5の支柱5aと、X線支持腕5bと、寝台支持腕5cの位置と向き、および、支持部5によって支持されるX線管装置2と寝台4の位置と向きを制御する。
線量計算処理部33は、X線管装置2に供給する電力を高電圧発生部13から受け取り、X線絞り3の開度情報を絞り制御部31から受け取り、受け取ったX線管装置2への供給電力と、X線絞り3の開度情報を用いて、公知の方法により被検体1に照射される線量(基準線量)を計算する。
画像処理部7の散乱X線線量算出部71は、X線管装置2から照射され、被検体1で吸収・透過されず、散乱された散乱X線の線量を算出して、表示部9に表示させる。以下、散乱X線線量算出部71の処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。
なお、実施形態1では、散乱X線線量算出部71は、図4に表示画面例を示したように、撮影室内のX線透視撮影装置の周囲の予め定めた大きさの領域41内に、マトリクス状に設定した複数の位置について、その位置に到達する散乱X線の線量をそれぞれ算出する。これにより、領域41内の散乱X線分布を算出し、表示部9に表示させる。
散乱X線線量算出部71は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサーと、メモリとを備えたコンピュータ等によって構成され、プロセッサーが、メモリに格納されたプログラムを読み込んで実行することにより、図3に示したフローの処理を実現する。なお、散乱X線線量算出部71の一部または全部をハードウエアにより構成することも可能である。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用いて、散乱X線線量算出部71の機能を実現するように回路設計を行えばよい。
散乱X線線量算出部71の処理について、図3のフローを用いて説明する。
(ステップS101~S105)
散乱X線線量算出部71は、ステップS101において、絞り制御部31からX線絞り3の開度の情報を受け取り、ステップS102において絞り制御部31からX線絞り3のフィルタの情報を受け取り、ステップS103で支持部制御部32から寝台4、X線発生部20、および、支持部5の位置および傾斜の情報を受け取り、ステップS104で線量計算処理部33から基準線量の情報を受け取る。
ステップS105において、ステップS101~S104で受け取った情報に前回受け取った情報から更新があるかどうかを判定し、更新がある場合、ステップS106に進む。
(ステップS106)
画像記憶部8には、散乱X線データテーブル81が予め格納されている。このテーブルは、X線絞り3の開度の値と、フィルタの種類と、寝台4、X線発生部20、および、支持部5の位置および傾斜の値との組み合わせごとに、領域41にマトリクス状に設定された各位置の散乱X線の線量の大小を表す係数を示すものである。
散乱X線線量算出部71は、ステップS101~S103において受け取ったX線絞り3の開度の値と、フィルタの種類と、寝台4等の位置および傾斜の値とに基づいて、散乱X線データテーブル81を参照することにより、領域41内の各位置について、散乱X線の線量の大小を表す係数を求める。
(ステップS107)
散乱X線線量算出部71は、ステップS104で受け取った基準線量に、ステップS106で求めた各位置の係数を乗じ、領域41内の各位置に到達する散乱X線線量を算出する。これにより、領域41内の散乱X線分布を算出(推定)することができる。
(ステップS108)
ステップS108では、散乱X線線量算出部71は、ステップS107で算出した領域41における散乱X線分布の二次元平面を任意のピクセルサイズで分割し、ピクセルごとに散乱X線の線量に応じた色情報を付与する。これにより、散乱X線線量算出部71は、散乱X線分布の画像を生成する。
(ステップS109)
ステップS109では、散乱X線線量算出部71は、図4に示した表示部9のウィンドウ40に、散乱X線分布の画像を表示する際の向きを決定する。この表示の向きは、予め定めておいた向きであってもよいし、操作部11を介して検査者から受け付けた向きであってもよい。
(ステップS110)
ステップS110では、散乱X線線量算出部71は、ウィンドウ40に背景画像として表示するX線透視撮影装置の透視撮影台14の寝台4、X線発生部20、および、支持部5の位置および傾斜を、ステップS103で受け取った情報から決定する。
(ステップS111)
ステップS111では、散乱X線線量算出部71は、ステップS110で決定した寝台4、X線発生部20、および、支持部5の位置および傾斜の透視撮影台14を、上面から見た画像であって、かつ、ステップS109で決定した向きの画像を描画する。
(ステップS112)
ステップS112では、散乱X線線量算出部71は、ステップS108において生成した散乱X線分布の画像を、ステップS109で決定した向きで、ウィンドウ40に描画する。これにより、図4のように透視撮影台14の画像1002と、散乱X線分布の画像が重畳された画像が、表示部9のウィンドウ40に表示される。
(ステップS113)
ステップS113では、散乱X線線量算出部71は、表示部9のウィンドウ40上の領域41に、マウスポインター2021が検査者によって配置されているかどうか判定する。ウィンドウ40上の領域41にマウスポインター2021が配置されている場合、ステップS114に進む。
(ステップS114~S115)
ステップS114では、散乱X線線量算出部71は、マウスポインター2021の位置を取得し、その位置の散乱X線分布画像の散乱X線線量の値を求める。ステップS115において、散乱X線線量算出部71は、求めた散乱X線線量の数値を、ツールチップ1006によりウィンドウ40上の領域41に表示する。
以上のステップにより、図4に示すように、透視撮影台14の画像1002と、散乱X線分布を表す色付き画像1001が一つのウィンドウ40に重畳表示される。
また、図4の表示画面では、散乱X線分布の画像1001の色情報と、その色情報が表す散乱X線の線量との対応関係を示す線量ゲージ1003が、線量単位1004とともに表示されている。
さらに、ウィンドウ40上には、画像回転ボタン1005が表示されている。検査者が、画像回転ボタン1005をクリックすると、クリックのたびに透視撮影台14の画像1002と散乱X線分布を表す画像1001が、90°ずつ時計回りに回転する。
また、ツールチップ1006により、マウスポインター2021の位置の散乱X線線量の具体的数値を表示することができる。
ウィンドウ40上には、画面縮小ボタン1007が配置されており、画面縮小ボタン1007を検査者がクリックした場合、図5に示すような小画面に表示が切替えられる。
図5の小画面は、図4の画面例から線量ゲージ1003と、線量単位1004を削除し、拡大ボタン1008を追加したものである。図5の小画面を表示することにより、検査画面を邪魔することなく小さい画面で、散乱X線分布の画像1001を表示することができる。
図4および図5の表示画面を表示部9に表示することにより、医療従事者等の検査者は、透視撮影台14の周囲に分布する散乱X線の推定された線量を視覚的に捉えることができる。これにより、立ち位置を変えたり、X線防護服を着用したり、X線遮蔽の衝立を立てる等、自分が立つ位置の散乱X線の線量に応じて、被ばくを低減する対策を実施することが可能になる。
<<<実施形態2>>>
実施形態2のX線透視撮影装置について図6~図8を用いて説明する。
実施形態2のX線透視撮影装置は、図6に示すように、操作部11に、散乱X線分布を求める2次元平面の床面からの高さを選択する高さ選択ボタン112が備えられている点と、散乱X線データテーブル81が、散乱X線分布を求める2次元平面の床面からの高さ(A,B,C)毎に予め用意されている点で、実施形態1のX線透視撮影装置と異なっている。なお、2次元平面は、ここでは床面と平行な面であるが、垂直な面や所定の傾斜面であってもよい。
実施形態2の散乱X線線量算出部71の処理について、図7のフローを用いて説明する。図7のフローにおいて、実施形態1の図3のフローと同じ処理については、同じステップ番号を付し、説明を省略する。
(ステップS101~S104)
ステップS101~S104では、散乱X線線量算出部71は、実施形態1の図3のフローと同様に、各情報を受け取る。
(ステップS205,206)
つぎのステップS205、206において、散乱X線線量算出部71は、高さ選択ボタン112から検査者が入力した散乱X線分布を求める2次元平面の床面からの高さを取り込み、取り込んだ高さが、高さAcm、Bcm,Ccmのいずれであるかを判定する。
(ステップS207)
ステップS207において、ステップS101~S104,S205~S206で受け取った情報に前回受け取った情報から更新があるかどうかを判定し、更新がある場合、ステップS208に進む。
(ステップS208)
ステップS208において、散乱X線線量算出部71は、ステップS206で判別した高さに対応する散乱X線データテーブル81を選択する。散乱X線線量算出部71は、選択した散乱X線データテーブル81を参照して、ステップS101~S103において受け取ったX線絞り3の開度の値と、フィルタの種類と、寝台4等の位置および傾斜の値とに基づいて、領域41内の各位置について、散乱X線の線量の大小を表す係数を求める。
(ステップS209)
図8に示すように、表示部9のウィンドウ40には、散乱X線分布を求める2次元平面の床面からの高さを示す高さバー1010を表す画像と、高さを示す高さ表示欄1009が表示されている。ステップS209において、散乱X線線量算出部71は、高さバー1010のバーの位置をステップS206で判別した高さに更新する。また、散乱X線線量算出部71は、高さ表示欄1009の高さを更新する。
(ステップS107~S115)
ステップS209以降のステップS107~S115の処理については実施形態1と同様であるので説明を省略する。
実施形態2のX線透視撮影装置では、図8に示すように、検査者が選択した高さの2次元平面における散乱X線分布が、ウィンドウ40に表示される。よって、検査者は、選択した高さの2次元平面の散乱X線分布を視覚的に捉えることができ、被ばく低減活動を効率的に実施することが可能になる。
実施形態2のX線透視撮影装置の上述した以外の他の構成および処理は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
<<<実施形態3>>>
実施形態3のX線透視撮影装置について図9~図11を用いて説明する。
実施形態3のX線透視撮影装置は、図9のように、操作部11に、散乱X線分布の表示を、累積モードにするかリアルタイムモードにするか選択する表示モード選択ボタン113が配置されている点で、実施形態1および実施形態2の撮影装置とは異なっている。
実施形態3の散乱X線線量算出部71の処理について、図10のフローを用いて説明する。図10のフローは、実施形態1の図3のフローのステップS107とステップS108との間に、ステップS312~S316を挿入したものである。図10のフローにおいて、図示していないステップは、図3のフローと同じであるので、図示を省略する。
(ステップS101~S107)
まず、実施形態3の散乱X線線量算出部71は、実施形態1の図3のステップS101~S107を行って散乱X線分布を算出し、図10のステップS312に進む。
(ステップS312)
ステップS312では、散乱X線線量算出部71は、表示モード選択ボタン113により、累積モードが選択されているか、リアルタイムモードが選択されているかを判定する。
(ステップS313、314)
表示モード選択ボタン113において、累積モードが選択されている場合、散乱X線線量算出部71は、ステップS313において、散乱X線分布の位置ごとに線量値を時系列に累積し、累積散乱X線分布を算出する。
次に、散乱X線線量算出部71は、ステップS314において、表示部9のウィンドウ40に表示される線量ゲージ1003の線量単位1004を累積モード用の時間単位の線量を表す表示単位に変更する。
(ステップS315、316)
一方、表示モード選択ボタン113において、リアルタイムモードが選択されている場合、散乱X線線量算出部71は、ステップS315において、単位時間当たりの平均散乱X線分布を計算する。
次に、散乱X線線量算出部71は、ステップS315において、表示部9のウィンドウ40に表示される線量ゲージ1003の線量単位1004を、図11のように、リアルタイムモード用の単位時間当たりの平均散乱X線量を表す単位に変更する。
また、図11のようにリアルタイムモードであることを示すアイコン1011を、ウィンドウ40の領域41に表示し、検査者がモードを識別可能にする。
(ステップS108~S115)
散乱X線線量算出部71は、実施形態1の図3のステップS108~S115を行って、S313またはS315で算出した累積散乱X線分布または平均散乱X線分布の画像と透視撮影台14の画像を領域41に表示する。
上述してきたように、実施形態3のX線透視撮影装置によれば、検査者が散乱X線分布の表示を、累積モードまたはリアルタイムモードに切り替えることができる。これにより、透視撮影台14の周囲に分布する散乱X線分布を、検査者は感覚的に捉えることができ、被ばく低減活動を効率的に実施することが可能になる。
なお、実施形態3のステップS312~S316を、実施形態2の図7のフローのステップS107とステップS108との間で行ってもよい。
<<<実施形態4>>>
実施形態4のX線透視撮影装置について図12~図14を用いて説明する。
実施形態4のX線透視撮影装置は、表示部9のウィンドウ40に表示される線量ゲージ1003の最大値と線量単位1004を、実行する検査の内容に応じて適切に設定する構成である。
そのため、図12に示したように、操作部11には、検査者が、実行する検査の種類(例えば、胃部健診、胸部X線撮影、下肢X線撮影、心臓カテーテル検査)等の検査情報を選択する検査情報選択ボタン114が備えられている。
また、画像記憶部8には、検査情報ごとに散乱X線の線量ゲージ1003の最大値を示すテーブル82と、検査情報ごとに線量ゲージ1003の線量単位1004を示すテーブル83が予め格納されている。テーブル82の線量ゲージ1003の最大値は、検査毎に別途設定されている照射線量のしきい値に対応させて、予め定めた値である。例えば高線量を照射するべき検査と、低線量ですむ検査とでは、散乱X線量の線量の最大値は大きく異なるため、線量ゲージ1003の最大値と、その線量単位を、適切な値と適切な線量単位になるようにテーブル82、83に検査情報ごとに予め設定しておく。
他の構成は、実施形態1のX線透視撮影装置と同様であるので説明を省略する。
次に実施形態4の散乱X線線量算出部71の処理について、図13のフローを用いて説明する。図13のフローにおいて、実施形態1の図3のフローと同じ処理については、同じステップ番号を付し、説明を省略する。
まず、検査者は、操作部11の検査情報選択ボタン114において、実行する検査の種類(胃部健診、胸部X線撮影、下肢X線撮影、心臓カテーテル検査等)を選択する。
(ステップS401、S402)
ステップS401において、散乱X線線量算出部71は、操作部11の検査情報選択ボタン114により選択されている検査情報を受け取る。散乱X線線量算出部71は、表示部9のウィンドウ40に検査情報表示枠1012を表示し、検査情報表示枠1012内に受け取った検査情報を表示する。
ステップS402において、散乱X線線量算出部71は、検査の開始を認識し、散乱X線の計算準備を開始する。
(ステップS101~S107)
散乱X線線量算出部71は、ステップS101~S107の処理を実施形態1と同様に行い、散乱X線分布を算出する。
(ステップS403、S404)
散乱X線線量算出部71は、ステップS403において、画像記憶部8の最大値テーブル82を参照し、ステップS401で受け取った検査種類等の検査情報に対応する、散乱X線の線量ゲージ1003の最大値を決定する。散乱X線線量算出部71は、表示部9のウィンドウ40の線量ゲージ1003を決定した最大値の線量ゲージに変更する。
つぎに、散乱X線線量算出部71は、ステップS404において、画像記憶部8の線量単位テーブル83を参照し、ステップS401で受け取った検査種類等の検査情報に対応する、線量ゲージ1003の線量単位1004を決定する。散乱X線線量算出部71は、表示部9のウィンドウ40の線量単位1004を決定した線量単位に変更する。
(ステップS108)
ステップS108において、散乱X線線量算出部71は、ステップS107で算出した領域41における散乱X線分布の二次元平面を任意のピクセルサイズで分割し、ピクセルごとに散乱X線の線量に応じた色情報を付与する。これにより、散乱X線線量算出部71は、散乱X線分布の画像を生成する。
このとき、実施形態4では、散乱X線線量算出部71は、散乱X線の線量に応じて付与する色情報をステップS403とステップS404で決定した線量ゲージ1003の最大値と線量単位1004に基づいて定める。
(ステップS109~S115)
ステップS109~S115において、散乱X線線量算出部71は実施形態1のステップS109~S115と同様の処理を行い、散乱X線分布の画像と、背景画像となる透視撮影台14の画像を、表示部9の領域41に重畳して表示する。
このように、実施形態4のX線透視撮影装置は、検査毎に別途設定されているしきい値と連動させ、例えば高線量を照射するべき検査と、低線量ですむ検査とで、散乱X線量の線量ゲージの最大値(総量)を切り替えて表示することができる。検査者は、それぞれの検査において実施するべき被ばく低減活動を区別して実行することができる。
なお、実施形態4の機能を、実施形態2~3と組み合わせることももちろん可能である。
<<<実施形態5>>>
実施形態5のX線透視撮影装置について図15~図17を用いて説明する。
実施形態5のX線透視撮影装置は、X線防御用附属品(以下附属オプションと呼ぶ)を透視撮影台14やその周辺に配置した場合に、附属オプションによるX線防御を加味して散乱X線分布を算出する機能を備えている。他の構成は、実施形態1と同様である。
具体的には、実施形態5のX線透視撮影装置は、操作部11に、附属オプション選択・配置ボタン115が備えられている。附属オプション選択・配置ボタン115は、X線遮蔽衝立、X線遮蔽カーテン等の附属オプション装置1013を選択し、その配置を設定するためのインターフェースである。なお、検査者等の人体がX線を遮蔽する影響を加味して散乱X線分布を算出することができるように、選択可能な附属オプションの一つとして、検査者の模擬モデル1014が含まれている。検査者は、附属オプション選択・配置ボタン115により、X線遮蔽衝立、X線遮蔽カーテン等の附属オプション装置1013を選択し、その配置を設定することができる。
また、画像記憶部8内の散乱X線データテーブル81は、附属オプション装置がない場合の、領域41内の各位置の散乱X線の線量の大小を表す係数のテーブル(実施形態1)に加えて、附属オプション装置がある場合の係数のテーブル81aが格納されている。附属オプション装置がある場合の係数のテーブル81aは、附属オプションの種類と配置のそれぞれについて用意されている。
実施形態5の散乱X線線量算出部71の処理について、図16のフローを用いて説明する。図16のフローは、実施形態1の図3のフローのステップS106とステップS107との間に、ステップS501~S504を挿入したものである。
(ステップS101~S106)
まず、実施形態3の散乱X線線量算出部71は、実施形態1の図3のステップS101~S106を行って散乱X線分布の線量の大小を示す係数を算出する。
(ステップS501)
ステップS501では、散乱X線線量算出部71は、操作部11の附属オプション選択・配置ボタン115において、附属オプションが選択されているかを判定し、選択されている場合は、ステップS502に進み、選択されていない場合は、ステップS107に進む。
(ステップS502)
散乱X線線量算出部71は、附属オプション選択・配置ボタン115において附属オプションが選択されている場合、ステップS502において、附属オプションの種類を附属オプション選択・配置ボタン115を受け取る。
(ステップS503)
散乱X線線量算出部71は、ステップS503において、附属オプションの配置を附属オプション選択・配置ボタン115を受け取る。
(ステップS504)
散乱X線線量算出部71は、ステップS101~S103において受け取った情報に加えて、ステップS502、S503において受け取った情報を用いて、附属オプション装置がある場合の散乱X線データテーブル81aを参照することにより、領域41内の各位置について、散乱X線の線量の大小を表す係数を再決定する。
(ステップS107)
散乱X線線量算出部71は、ステップS106で求めた係数、または、ステップS504で係数を再決定した場合には再決定した係数を、ステップS104で受け取った基準線量に乗じ、領域41内の各位置に到達する散乱X線線量を算出する。これにより、附属オプションによるX線の遮蔽を加味して、領域41内の散乱X線分布を算出することができる。
(ステップS108~115)
ステップS108~S115において、附属オプションによるX線の遮蔽を加味して、領域41内の散乱X線分布を表示部9に表示する。このとき、附属オプションの形状および配置も画像として、表示部9に表示することが望ましい。それ以外のステップS108~S115の処理は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
なお、ここでは、実施形態1の図3のフローを元に、本実施形態の附属オプションを配置した場合の散乱X線分布を算出して表示する処理について説明したが、実施形態2~4の処理と組み合わせることももちろん可能である。
図17は、附属オプション装置1013としてX線遮蔽衝立と検査者の模擬モデル1014をX線透視撮影台14の近傍に配置した場合の散乱X線分布を示す画像の例である。図18は、X線発生部200の周囲を、附属オプションのX線遮蔽カーテン1015で覆った場合の散乱X線分布を示す画像の例である。いずれも、図8と比較すると明らかなように、附属オプションを配置することにより、散乱X線分布が変化している。
このように、本実施形態5によれば、実際の透視撮影台14へのオプション類および人の配置を模擬して、散乱X線分布を求めることできるため、より実際に近い散乱X線分布を表示することができる。
<<<実施形態6>>>
実施形態6のX線透視撮影装置について図19~図21を用いて説明する。
実施形態6のX線透視撮影装置は、検査者の目等の特定部位の散乱X線の線量を時系列に記憶し、累積線量を表示する機能を有する。他の構成は、実施形態1と同様である。
具体的には、操作部11には、検査者の目の高さを入力または選択するためのボタン116が備えられている。この検査者目の高さ入力ボタン116は、目の高さを選択または入力する構成であってもよいし、検査者の身長等のように計算により目の高さを算出できる情報を入力する構成であってもよい。
また、散乱X線データテーブル81は、ボタン116が目の高さとして受け付け可能な複数の高さごとに予め用意され、画像記憶部8に格納されている。
画像記憶部8には、累積線量データを記憶する累積線量データ記憶部84が設けられている。
次に実施形態6の散乱X線線量算出部71の処理について、図20のフローを用いて説明する。図20のフローにおいて、実施形態1の図3のフローと同じ処理については、同じステップ番号を付し、説明を省略する。
まず、検査者は、検査者の目の高さ入力ボタン116において、目の高さを入力または選択する。また、検査者は、領域41において、検査者の位置をマウスポインターで指し示した状態に維持する。
(ステップS101~S104)
散乱X線線量算出部71は、ステップS101~S103の処理を実施形態1と同様に行い、絞り開度情報・フィルタ情報・支持部情報を受け取る。また、散乱X線線量算出部71は、ステップS104において、基準線量情報を受け取る。
(ステップS601)
散乱X線線量算出部71は、検査者の目の高さ入力ボタン116から目の高さを受け取る。
ステップS601からステップS609は実施形態1と同様の制御である。
(ステップS105、S602)
ステップS105において、散乱X線線量算出部71はステップS101~S104の情報が前回から更新されているかどうかを判定する。更新されている場合、ステップS602において、散乱X線線量算出部71は、ステップS101~S103において受け取った絞り開度情報・フィルタ情報・支持部情報と、ステップS601で検査者の目の高さ情報とに基づいて、散乱X線データテーブル81を参照することにより、領域41の検査者の目の高さの2次元平面内の各位置について、散乱X線の線量の大小を表す係数を求める。
(ステップS603)
ステップS603において、散乱X線線量算出部71は、ステップS104で受け取った基準線量に、ステップS602で求めた各位置の係数を乗じ、領域41の検査者の目の高さの2次元平面の各位置に到達する散乱X線線量を算出する。これにより、領域41の検査者の目の高さの散乱X線分布を算出する。
(ステップS108~S112)
散乱X線線量算出部71は、ステップS108~S112の処理を実施形態1と同様に行って、表示部9のウィンドウ40に透視撮影台と散乱X線分布を重畳して描画し、表示する。
(ステップS113、S604)
ステップ113において、散乱X線線量算出部71は、散乱X線分布図上に、検査者の位置を示すマウスポインターがあるかどうか判定し、ある場合、ステップS604に進んで、マウスポインターの位置の散乱X線量を、ステップ603で算出した散乱X線分布から求める。
(ステップS605)
ステップ605において、散乱X線線量算出部71は、この検査における前回のステップS606の処理時に、画像記憶部8の累積線量データ記憶部84に格納された累積線量データを読み込む。
(ステップS606)
ステップ606において、散乱X線線量算出部71は、読み込んだ前回の累積線量データに、今回のステップS604で取得した現在の散乱X線の線量を加算し、現在の累積線量を算出する。算出した累積線量データは、画像記憶部8の累積線量データ記憶部84に格納する。累積線量データは、累積した線量値のみならず、ステップS606の処理を実行して取得したその時点のマウスポインターの位置の散乱X線の線量データと、それを取得した時刻も含まれている。
(ステップS607)
ステップ607において、散乱X線線量算出部71は、ウィンドウ40の領域41のマウスポインターの位置に検査者を表すアイコン1016を図21のように描画する。これにより、図21のように、X線散乱分布が表示された領域41に、検査者の位置が表示される。
(ステップS608)
ステップ608において、散乱X線線量算出部71は、ステップS606で算出した現在の累積線量等を示すグラフ1017を生成し、ウィンドウ40に図21のように表示する。ここでは、累積線量と、時系列な散乱X線の線量のグラフの両方を表示する。
このように、実施形態6のX線透視撮影装置は、検査者の目の位置等の特定位置の散乱X線の線量を時系列に記憶し、累積線量を表示することができる。よって、検査者は、目(水晶体)の累積線量を把握でき、立ち位置を変更するなど被ばく低減活動を実行することができる。
<<<実施形態7>>>
実施形態7のX線透視撮影装置について図22~図23を用いて説明する。
実施形態6のX線透視撮影装置では、検査者の目の位置を入力ボタン116で受け付け、検査者の位置をマウスポインターで検査者が示す構造であったが、実施形態7のX線透視撮影装置は、検査者の目の位置と、検査者の位置と向きをカメラ117により撮影する。これにより、検査者が被ばくしたと推定される累積線量を表示する機能を有する。
具体的には、画像処理部7には、カメラ117が接続され、検査者の目の位置および検査者の位置を時系列に撮影している。他の構成は、実施形態6と同様である。
次に実施形態7の散乱X線線量算出部71の処理について、図22のフローを用いて説明する。図22のフローにおいて、実施形態6の図20のフローと同じ処理については、同じステップ番号を付し、説明を省略する。
(ステップS101~S104)
散乱X線線量算出部71は、ステップS101~S103、ステップS104を実施形態6と同様に行う。
(ステップS701)
散乱X線線量算出部71は、カメラ117が撮影画像を取り込んで、検査者の目を画像処理により識別し、目の高さを算出する。なお、検査者の身長を撮影画像から識別し、目の高さを身長から算出してもよい。
(ステップS105、S602~S603、S108~S112)
散乱X線線量算出部71は、ステップS105、S602~S603、S108~S112を実施形態6と同様に行って、検査者の目の高さにおける散乱X線分布を算出し、ウィンドウ40に透視撮影台とともに重畳して描画する。
(ステップS701)
散乱X線線量算出部71は、カメラ117が撮影画像を取り込んで、検査者の位置と向きを識別する。
(ステップS604~S608)
散乱X線線量算出部71は、ステップS604~S608を実施形態6と同様に行って、検査者の位置の散乱X線の累積線量データを生成し、累積線量データ記憶部84に格納する。また、累積線量データのグラフ1017を生成し、検査者の位置のアイコン1016とともに図21のように表示する。
このとき、本実施形態7では、ステップS701で識別した検査者の向きが、X線発生部20とは逆向きである場合には、累積線量データに累積しないように構成してもよい。
このように、実施形態7のX線透視撮影装置は、検査者の目の位置等の特定位置の散乱X線の線量を時系列に記憶し、累積線量を表示することができる。カメラ117により、検査者の位置を時系列に把握できるため、より精度よく、累積線量を算出することができる。よって、検査者は、目(水晶体)の累積線量を精度よく把握でき、立ち位置を変更するなど被ばく低減活動を実行することができる。
<<<実施形態8>>>
実施形態8のX線透視撮影装置について図24~図25を用いて説明する。
実施形態8のX線透視撮影装置は、実施形態6または実施形態7のX線撮影装置に、過去の累積データを、検査後に確認する機能を備えたものである。
実施形態8のX線透視撮影装置の構成は、実施形態6または実施形態7のX線撮影装置と同様である。なお、実施形態6の図20の処理および実施形態7の図23の処理において、散乱X線線量算出部71は、ステップS606で累積線量データを記憶する際に、ステップS603で描画した散乱X線分布を累積した累積散乱X線分布画像を生成し、画像記憶部8に格納する。
検査後に、検査者は、過去の累積データを確認する場合、操作部11により管理画面を開く。
(ステップS616)
ステップS616において、散乱X線線量算出部71は、操作部11から管理画面を開く操作を受け付ける。
(ステップS617)
ステップS617において、散乱X線線量算出部71は、操作部11を介して検査者から身体情報1018を選択する操作を受け付ける。
(ステップS618)
ステップS618において、散乱X線線量算出部71は、ステップS617で選択を受け付けた検査者について、事前に登録され画像記憶部8に格納されている検査者の身体情報1018を表示部9の管理画面に図25のように表示する。
(ステップS619、620)
ステップS619において、散乱X線線量算出部71は、この検査者に、過去の検査実行記録がある場合は、ステップS620に進み、累積線量データ記憶部84から過去の検査情報1019を取得し、一覧表を生成して、図25のように表示する。
(ステップS621)
ステップS621において、検査者が過去の検査情報の日付を選択したならば、散乱X線線量算出部71は、選択された日付の検査における累積散乱X線分布と検査者の累積線量とを画像記憶部8および累積線量データ記憶部84から取得する。
(ステップS622、S623)
ステップS622において、散乱X線線量算出部71は、表示部9の管理画面上に、累積散乱X線分布の画像1020を表示し、ステップS623において、検査者の累積線量1021を表示する。
本実施形態8のX線透視撮影装置によれば、検査者は、過去の散乱X線分布と累積線量を確認することができ、今後の被ばく低減活動の方針を計画しやすくなる。
1 被検体
2 X線管装置
3 X線絞り
3a 開度調整部
3b フィルタ選択部
4 寝台
5 支持部
5a 支柱
5b X線支持腕
5c 寝台支持腕
6 X線検出器
7 画像処理部
8 画像記憶部
9 表示部
10 制御部
11 操作部
12 駆動部
13 高電圧発生部
14 透視撮影台
20 X線発生部
31 制御部
32 支持部制御部
33 線量計算処理部
40 ウィンドウ
41 領域
71 散乱X線線量算出部
81 散乱X線データテーブル
81a 散乱X線データテーブル
82 最大値テーブル
83 線量単位テーブル
84 累積線量データ記憶部
112 高さ選択ボタン
113 表示モード選択ボタン
114 検査情報選択ボタン
115 附属オプション選択・配置ボタン
116 検査者の目の高さ入力ボタン
117 カメラ
1001 画像
1002 画像
1003 線量ゲージ
1004 線量単位
1005 画像回転ボタン
1006 ツールチップ
1007 画面縮小ボタン
1008 拡大ボタン
1009 高さ表示欄
1011 アイコン
1010 バー
1012 検査情報表示枠
1013 附属オプション装置
1014 模擬モデル
1016 アイコン
1017 グラフ
1018 身体情報
1019 検査情報
1020 画像
1021 累積線量
2021 マウスポインター

Claims (18)

  1. 被検体にX線を照射するX線発生部と、前記被検体を載せる寝台と、前記X線発生部および前記寝台の少なくとも一方の位置及び傾斜を変化可能に支持する支持部と、散乱X線線量算出部を有し、
    前記散乱X線線量算出部は、前記X線発生部が照射するX線線量と、前記X線発生部および前記寝台の少なくとも一方の位置および/または傾斜とに基づいて、前記寝台の周囲の予め定めた範囲の少なくとも一つの位置に到達する散乱X線線量を算出することを特徴とするX線透視撮影装置。
  2. 請求項1に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、前記寝台の周囲の予め定めた範囲の複数の位置の散乱X線の線量を求めることにより、前記範囲の散乱X線線量分布を算出して表示することを特徴とするX線透視撮影装置。
  3. 請求項2に記載のX線透視撮影装置であって、予め求めておいた、X線発生部および寝台の少なくとも一方の位置および/または傾斜と、寝台の周囲の予め定めた範囲の少なくとも一つの位置の散乱X線の線量の大小を示す係数との関係を定めたテーブルが格納された記憶部をさらに有し、
    前記散乱X線線量算出部は、前記支持部が支持する前記X線発生部および前記寝台の少なくとも一方の位置および/または傾斜に基づいて、前記テーブルを参照することにより、前記係数を求め、前記係数に前記X線発生部が照射するX線線量を乗じることにより、散乱X線線量分布を算出することを特徴とするX線透視撮影装置。
  4. 請求項3に記載のX線透視撮影装置であって、前記X線発生部は、開度を調整可能な絞りと、種類を選択可能なフィルタとを備え、
    前記テーブルは、X線発生部および寝台の位置および傾斜と、絞りの開度と、フィルタ種類と、寝台の周囲の予め定めた範囲の複数の位置の散乱X線の線量の大小を示す係数との関係を定めたものであり、
    前記散乱X線線量算出部は、前記支持部が支持する前記X線発生部および前記寝台の位置および傾斜と、前記絞りの開度と、前記フィルタの種類とに基づいて、前記テーブルを参照することにより、前記範囲の複数の位置の前記係数を求め、前記係数に前記X線発生部が照射するX線線量を乗じることにより、散乱X線線量分布を算出することを特徴とするX線透視撮影装置。
  5. 請求項2に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、算出した散乱X線線量分布を描いた画像を表示部に表示させ、前記画像上で指定された1点についてその位置を求め、その位置の散乱X線線量を求め、前記表示部に表示することを特徴とするX線透視撮影装置。
  6. 請求項2に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、前記範囲内の床面からの高さの指定を検査者から受け付け、前記受け付けた高さの床面と平行な2次元平面の散乱X線線量分布を算出することを特徴とするX線透視撮影装置。
  7. 請求項1に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、散乱X線線量を時系列に累積した累積線量、および、散乱X線線量の単位時間当たりの平均値の少なくとも一方を算出して表示することを特徴とするX線透視撮影装置。
  8. 請求項2に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、前記散乱X線線量分布を線量の値の大小に応じた色を付与した画像を生成して表示し、
    前記散乱X線線量算出部は、前記画像とともに、線量と色との関係を示す線量ゲージを表示することを特徴とするX線透視撮影装置。
  9. 請求項2に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、検査の種類を検査者から受け付け、受け付けた検査の種類ごとに予め定めておいた線量ゲージの線量の最大値を参照することにより、前記受け付けた検査の種類に対応する線量ゲージの線量の最大値を求め、求めた最大値の線量ゲージを表示することを特徴とするX線透視撮影装置。
  10. 請求項3に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、検査者からX線を遮蔽する附属品の有無と、その配置の指定を受け付け、
    前記テーブルは、附属品の有無と、その配置可能な複数の位置ごとに用意されており、
    前記散乱X線線量算出部は、前記X線発生部および前記寝台の少なくとも一方の位置および/または傾斜と、受け付けた前記附属品の有無と、その配置とに基づいて、前記テーブルを参照することにより、前記係数を求め、前記係数に前記X線線量を乗じることにより、散乱X線線量分布を算出することを特徴とするX線透視撮影装置。
  11. 請求項5に記載のX線透視撮影装置であって、前記1点は検査者の位置であり、
    前記散乱X線線量算出部は、前記検査者の位置の散乱X線線量を求め、前回求めた散乱X線線量と累積する処理を、検査を行っている間繰り返し行うことにより、検査者が受けた累積線量を算出して、前記表示部に表示することを特徴とするX線透視撮影装置。
  12. 請求項11に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、求めた前記1点の位置の散乱X線線量を、時系列に記憶部に格納し、前記時系列な散乱X線線量をグラフとして、前記累積線量とともに前記表示部に表示することを特徴とするX線透視撮影装置。
  13. 請求項11に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、前記検査者の特定の部位の高さにおける前記範囲の散乱X線線量分布を算出し、前記特定の部位について前記累積線量を算出することを特徴とするX線透視撮影装置。
  14. 請求項13に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、前記特定部位の高さは、前記検査者から入力された高さであるか、または、前記検査者をカメラで撮影した画像から前記特定部位を画像処理により識別して求めた高さであることを特徴とするX線透視撮影装置。
  15. 請求項11に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、前記検査者をカメラで撮影した画像を画像処理により識別して前記検査者の位置を求めることを特徴とするX線透視撮影装置。
  16. 請求項11に記載のX線透視撮影装置であって、前記散乱X線線量算出部は、検査ごとに前記検査者の累積線量を記憶部に格納し、
    前記散乱X線線量算出部は、検査者から求められた場合、前記検査ごとの検査者の累積線量を表示部に表示することを特徴とするX線透視撮影装置。
  17. 被検体にX線を照射するX線発生部と、前記被検体を載せる寝台と、前記X線発生部および前記寝台の少なくとも一方の位置及び傾斜を変化可能に支持する支持部とを有するX線透視撮影装置の散乱X線分布推定方法であって、
    前記X線発生部が照射するX線線量と、前記X線発生部および前記寝台の少なくとも一方の位置および/または傾斜とを受け取るステップと、
    前記X線線量と、前記位置および/または傾斜とに基づいて、前記寝台の周囲の予め定めた範囲の少なくとも一つの位置に到達する散乱X線線量を算出するステップとを有することを特徴とする散乱X線分布推定方法。
  18. 被検体にX線を照射するX線発生部が照射するX線線量と、X線発生部および被検体を載せる寝台の少なくとも一方の位置および/または傾斜の値とを受け取って、前記寝台の周囲の予め定めた範囲の少なくとも一つの位置に到達する散乱X線線量を算出する散乱X線線量算出部を有することを特徴とする画像処理装置。
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