JP2023140059A - 推定装置、推定方法、推定プログラム、及び学習モデル生成装置 - Google Patents

推定装置、推定方法、推定プログラム、及び学習モデル生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】特殊な検出装置を用いることなく、導電性を有する柔軟材料を備えた対象物の電気特性を利用して、対象物の変形状態を推定する。【解決手段】推定装置(1)は、導電性を有し、かつ変形に応じて電気特性が変化する柔軟材料に予め定められた複数の検出点の間の電気特性を検出する検出部(2)と、前記柔軟材料の変形に応じて変化する時系列の電気特性と、前記柔軟材料の変形に関する変形状態を示す変形状態情報とを学習用データとして用いて、前記時系列の電気特性を入力とし、前記変形状態情報を出力するように学習された学習モデルに対して、柔軟材料を含む推定対象物の前記検出部で検出された時系列の電気特性を入力し、入力した時系列の電気特性に対応する変形状態を示す変形状態情報を推定する推定部(5)と、を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、推定装置、推定方法、推定プログラム、及び学習モデル生成装置に関する。
従来より、物体に生じる形状変化を検出し、当該検出結果を用いて物体に変形を与える人や物の状態を推定することが行われている。物体に生じる形状変化を検出する側面では、物体の変形を阻害せずに変形を検出することは困難である。また、金属変形等の剛体の検出に用いられる歪センサは物品に利用困難なため、物体の変形を検出するためには、特殊な検出装置が要求される。例えば、カメラによる物体の変位と振動を測定して、変形画像を取得し、変形量を抽出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、光の透過量から変形量を推定する柔軟触覚センサに関する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2017/029905号 特開2013-101096号公報
しかしながら、物体に生じる形状変化を検出する側面では、カメラ及び画像解析手法を用いて物体の変位等の変形量を検出する場合、カメラ及び画像解析等を含むシステムは、大規模なものとなり、装置の大型化を招くので好ましくはない。また、一方では、物体として、変形可能な柔軟材料は、外部からの刺激の大きさに応じて変形量が変化する。また、変形量が変化することで、復元量が変化することもある。その変形量は、柔軟材料の柔らかさを示す柔軟性に依存すると考えられるが、柔軟性の評価は柔軟材料を変形させた際の柔らかさ及び硬さなどの感覚によるユーザの主観に依存しており、柔軟材料の変形量を特定するには充分ではない。従って、柔軟材料の変形状態を特定するのには改善の余地がある。
本開示は、特殊な検出装置を用いることなく、導電性を有する柔軟材料の電気特性を利用して、柔軟材料の変形状態を推定可能な推定装置、推定方法、推定プログラム、及び学習モデル生成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1態様は、
導電性を有し、かつ変形に応じて電気特性が変化する柔軟材料に予め定められた複数の検出点の間の電気特性を検出する検出部と、
前記柔軟材料の変形に応じて変化する時系列の電気特性と、前記柔軟材料の変形に関する変形状態を示す変形状態情報とを学習用データとして用いて、前記時系列の電気特性を入力とし、前記変形状態情報を出力するように学習された学習モデルに対して、柔軟材料を含む推定対象物の前記検出部で検出された時系列の電気特性を入力し、入力した時系列の電気特性に対応する変形状態を示す変形状態情報を推定する推定部と、
を含む推定装置である。
第2態様は、第1態様の推定装置において、
前記変形状態は、前記柔軟材料への応力付与により伸縮される状態を示す伸縮状態であり、
前記検出部は、前記柔軟材料の体積抵抗の変化特性を示す前記電気特性であって、前記伸縮状態に応じて第1傾向から第2傾向に変化する前記電気特性を検出し、
前記学習モデルは、前記伸縮状態を示す情報を前記変形状態情報として出力するように学習される。
第3態様は、第2態様の推定装置において、
前記伸縮状態は、前記柔軟材料が圧縮された際における圧縮量が大きくなるに従って大きくなる圧縮度で示される圧縮状態であり、
前記推定部は、前記柔軟材料の圧縮度を推定する。
第4態様は、第3態様の推定装置において、
前記検出部は、前記第1傾向から第2傾向への変化として、前記柔軟材料が圧縮された際に上昇傾向および下降傾向の一方から他方に変化し、かつ、前記圧縮度が大きくなるに従って第1傾向における電気特性の値と当該第1傾向から変化した第2傾向における電気特性の値との差が大きくなる前記電気特性を検出し、
前記推定部は、前記電気特性の値の差に基づいて前記圧縮度を推定する。
第5態様は、第3態様又は第4態様の推定装置において、
前記柔軟材料は、繊維状及び網目状の少なくとも一方の骨格を有する構造、又は内部に微小な空気泡が複数散在する構造のウレタン材の少なくとも一部に対して導電性が付与された材料が内添又は含浸された部材であって、
前記学習モデルは、内添又は含浸に対応して定められた前記第1傾向から第2傾向に変化する変化箇所を示す物理量を用いて、学習され、
前記推定部は、前記柔軟材料の物性を示す情報として内添又は含浸を示す情報を、さらに推定する。
第6態様は、第2態様の推定装置において、
前記伸縮状態は、前記柔軟材料が伸長された際における伸長量が大きくなるに従って大きくなる伸長度で示される伸長状態であり、
前記検出部は、前記伸長状態に応じて変化する前記電気特性を検出し、
前記学習モデルは、前記柔軟材料に対する注意状態を示す予め定めた閾値による電気特性を用いて前記注意状態を示す情報を前記変形状態情報として出力するように学習される。
第7態様は、第1態様から第6態様の何れか1態様の推定装置において、
前記学習モデルは、前記柔軟材料をリザバとして当該リザバを用いたリザバコンピューティングによるネットワークを用いて学習させることで生成されたモデルを含む。
第8態様は、第1態様から第7態様の何れか1態様の推定装置において、
前記推定部の推定結果を出力する出力部をさらに備える。
第9態様は、
コンピュータが
導電性を有し、かつ変形に応じて電気特性が変化する柔軟材料に予め定められた複数の検出点の間の電気特性を検出する検出部から、前記電気特性を取得し、
前記柔軟材料の変形に応じて変化する時系列の電気特性と、前記柔軟材料の変形に関する変形状態を示す変形状態情報とを学習用データとして用いて、前記時系列の電気特性を入力とし、前記変形状態情報を出力するように学習された学習モデルに対して、柔軟材料を含む推定対象物の前記検出部で検出された時系列の電気特性を入力し、入力した時系列の電気特性に対応する変形状態を示す変形状態情報を推定する
推定方法である。
第10態様は、
コンピュータに
導電性を有し、かつ変形に応じて電気特性が変化する柔軟材料に予め定められた複数の検出点の間の電気特性を検出する検出部から、前記電気特性を取得し、
前記柔軟材料の変形に応じて変化する時系列の電気特性と、前記柔軟材料の変形に関する変形状態を示す変形状態情報とを学習用データとして用いて、前記時系列の電気特性を入力とし、前記変形状態情報を出力するように学習された学習モデルに対して、柔軟材料を含む推定対象物の前記検出部で検出された時系列の電気特性を入力し、入力した時系列の電気特性に対応する変形状態を示す変形状態情報を推定する
処理を実行させるための推定プログラムである。
第11態様は、
導電性を有し、かつ変形に応じて電気特性が変化する柔軟材料に予め定められた複数の検出点の間で検出された時系列の電気特性と、前記柔軟材料の変形に関する変形状態を示す変形状態情報とを取得する取得部と、
前記取得部で取得された前記時系列の電気特性と、前記変形状態情報とを学習用データとして、前記時系列の電気特性を入力とし、前記変形状態情報を出力するように学習した学習モデルを生成する学習モデル生成部と、
を含む学習モデル生成装置である。
本開示によれば、特殊な検出装置を用いることなく、導電性を有する柔軟材料を備えた対象物の電気特性を利用して、対象物の変形状態を推定することができる、という効果を有する。
実施形態に係る推定装置の構成を示す図である。 導電性ウレタンの配置を示す図である。 学習モデル生成装置の概念構成を示す図である。 測定装置を示す図である。 導電性ウレタンの電気特性の一例を示す図である。 導電性ウレタンの電気特性の一例を示す図である。 導電性ウレタンの電気特性について値の変動の観点で捉えた概念図である。 学習処理部の機能構成を示す図である。 学習処理の流れの一例を示す図である。 学習処理部の他の機能構成を示す図である。 推定装置の電気的な構成を示す図である。 推定処理の流れを示すフローチャートである。 導電性ウレタンの電気特性の一例を示す概念図である。 推定部の変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本開示の技術を実現する実施形態を詳細に説明する。なお、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。また、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。
なお、本開示において人物とは、対象物に対して物理量により刺激を与えることが可能な人体及び物体の少なくとも一方を含む概念である。以下の説明では、人体及び物体の少なくとも一方を区別することなく、ヒトとモノとを含む概念として人物と総称して説明する。すなわち、人体及び物体のそれぞれの単体、及び人体と物体の組み合わせた組合せ体を総称して人物と称する。
まず、本開示の技術を適用する導電性が付与された柔軟材料、及び当該柔軟材料を用いて、柔軟材料に対する付与側の状態に応じて変形する柔軟材料の変形状態を推定する状態推定処理を説明する。この柔軟材料の変形状態の推定結果を用いて柔軟材料に対する付与側の状態を推定することも不可能ではない。
柔軟材料に対する付与側の状態は、本開示の柔軟材料が応力付与される状態の一例である。
<柔軟材料>
本開示において「柔軟材料」とは、少なくとも一部が撓み等のように変形可能な材料を含む概念であり、ゴム材料等の柔らかい弾性体、繊維状及び網目状の少なくとも一方の骨格を有する構造体、及び内部に微小な空気泡が複数散在する構造体を含む。これらの構造体の一例には、ウレタン材などの高分子材料が挙げられる。また、本開示では、導電性が付与された柔軟材料を用いる。「導電性が付与された柔軟材料」とは、導電性を有する材料を含む概念であり、導電性を付与するために導電材を柔軟材料に付与した材料、及び柔軟材料が導電性を有する材料を含む。導電性を付与する柔軟材料はウレタン材などの高分子材料が好適である。以下の説明では、導電性が付与された柔軟材料の一例として、ウレタン材の全部または一部に導電材料を配合(例えば、内添)及び浸潤(例えば含浸)等により形成させた部材を、「導電性ウレタン」と称して説明する。図では、導電性ウレタン22と描画する。導電性ウレタン22は、導電材料を配合と浸潤との何れかの方法で形成可能であり、導電材料の配合又は浸潤で形成可能で、また導電材料の配合と浸潤とを組み合わせて形成可能である。例えば、浸潤(含浸)による導電性ウレタン22が、配合による導電性ウレタン22より導電性が高い場合には、浸潤により導電性ウレタン22を形成することが好ましい。
内添および含浸を示す情報は、本開示の柔軟材料の物性を示す情報の一例である。
導電性ウレタン22は、付与側の状態により与えられた物理量に応じて電気特性が変化する機能を有する。付与側の状態の一例には、導電性ウレタン22を伸縮させる圧縮及び伸長する等の人物による物理的な行為を示す状態があり、押圧及び引っ張り等の状態が対応例である。また、電気特性が変化する機能を生じさせる物理量の一例には、撓み等のように構造を変形させる圧力による刺激(以下、圧力刺激という。)を示す圧力値による刺激値が挙げられる。圧力刺激は、所定部位への圧力及び所定範囲の圧力の分布による圧力付与を含む。また、当該物理量の他例には、含水率及び水分付与等によって素材の性質を変化(変質)させる刺激(以下、素材刺激という。)を示す水分量等の刺激値が挙げられる。導電性ウレタン22は、与えられた物理量に応じて変形状態及び電気特性が変化する。電気特性を表す物理量の一例には、電気抵抗値が挙げられる。また、他例には、電圧値、又は電流値が挙げられる。
変形状態の一例には、導電性ウレタン22の伸縮を示す伸縮状態が挙げられる。伸縮状態は、正の圧力刺激を与えて導電性ウレタン22を圧縮する側面では圧縮状態を示し、圧縮状態を示す物理量の一例には、圧縮量及び圧縮率の少なくとも一方が挙げられる。圧縮量は、圧縮される導電性ウレタン22の総量でもよく、所定方向に圧縮する際における沈み込み量の最大値でもよい。圧縮率は導電性ウレタン22の総量に対する圧縮量の比率でもよく、所定方向に圧縮する際における導電性ウレタン22の厚さに対する沈み込み量の比率でもよい。また、負の圧力刺激を与えて導電性ウレタンを伸長する側面では圧縮状態を示し、その物理量の一例には伸長量及び伸長率の少なくとも一方が挙げられる。伸長量及び伸長率は所定方向に伸長される導電性ウレタン22の長さが一例として挙げられる。伸長率は所定方向に伸長される際の導電性ウレタン22の全長に対する伸長量の比率が挙げられる。
本実施形態に係る変形状態は、導電性ウレタン22への応力付与により伸縮される状態を示す伸縮状態の一例である。導電性ウレタン22の圧縮状態(伸縮状態)を示す情報は、本開示の変形状態を示す変形状態情報の一例である。
導電性ウレタン22は、所定の体積を有する柔軟材料に導電性を与えることで、与えられた物理量に応じて変形(伸縮)した際の電気特性(すなわち電気抵抗値の変化)が現れ、その電気抵抗値は、導電性ウレタンの体積抵抗による値(体積抵抗値)と捉えることが可能である。導電性ウレタン22は、電気経路が複雑に連携し、例えば、変形に応じて電気経路が伸縮したり膨縮したりする。また、電気経路が一時的に切断される挙動、及び以前と異なる接続が生じる挙動を示す場合もある。従って、導電性ウレタン22は、所定距離を隔てた位置(例えば電極が配置された検出点の位置)の間では、与えられた物理量による刺激(圧力刺激及び素材刺激)の大きさや分布に応じた変形や変質で異なる電気特性を有する挙動を示す。このため、導電性ウレタン22に与えられた物理量による刺激の大きさや分布に応じて電気特性が変化する。
以下、柔軟材料における電気特性が変化する機能を生じさせる刺激として、導電性ウレタン22に圧力刺激が与えられて圧縮される場合を一例として説明する。
なお、導電性ウレタンを用いることで、特定の箇所に電極等の検出点を設ける必要はない。導電性ウレタン22が圧縮される箇所を挟む任意の少なくとも2箇所に電極等の検出点を設ければよい(例えば図1)。
また、導電性ウレタンの電気特性の検出精度を向上するため、2個の検出点より多くの検出点を用いてもよい。また、本開示の導電性ウレタンは、図1に示す導電性ウレタン22を1導電性ウレタン片とし、複数の導電性ウレタン片を配列してなる導電性ウレタン群で形成してもよい。この場合、複数の導電性ウレタン片毎に電気特性を検出してもよいし、複数の導電性ウレタン片の電気特性を合成して検出してもよい。複数の導電性ウレタン片毎に電気特性を検出する場合、配置部位毎に電気抵抗値等の電気特性を検出できる。また、他例としては、導電性ウレタン22上における検出範囲を分割して分割した検出範囲毎に検出点を設けて検出範囲毎に電気特性を検出してもよい。
<推定装置>
次に、導電性ウレタン22の圧縮、すなわち付与側の状態に応じて圧縮(変形)される導電性ウレタンの圧縮状態(変形状態)を推定する推定装置の一例を説明する。
図1に、導電性ウレタンの圧縮状態を推定する推定処理を実行可能な推定装置1の構成の一例を示す。推定装置1は、推定部5を備え、導電性ウレタン22における電気特性が入力されるように対象物2に接続されている。推定装置1では、対象物2に含まれる導電性ウレタン22の圧縮状態が推定される。推定装置1は、後述する実行装置としてのCPUを備えたコンピュータによって実現可能である。
導電性ウレタン22は、与えられた物理量(ここでは圧力刺激)に応じて変形する。圧力刺激は時系列に与えられ、圧力刺激(付与側の状態)に応じて変形する導電性ウレタン22の圧縮状態を示す。従って、導電性ウレタン22の電気特性は、導電性ウレタン22に与えられた圧力刺激(物理量)の付与側の状態に対応する導電性ウレタン22の圧縮状態を示す。よって、時系列に変化する導電性ウレタンの電気特性から導電性ウレタン22の圧縮状態を推定することが可能である。
推定装置1では、後述する推定処理によって、学習済みの学習モデル51を用いて、未知の導電性ウレタン22の圧縮状態を推定し、出力する。これにより、特殊な装置や大型の装置を用いたり対象物2に含まれる導電性ウレタン22の変形を直接計測することなく、対象物2における導電性ウレタン22の圧縮状態を推定することが可能となる。学習モデル51は、導電性ウレタン22の圧縮状態と、対象物2の電気特性(すなわち、対象物2に配置された導電性ウレタン22の電気抵抗値等の電気特性)とを入力として学習される。学習モデル51の学習については後述する。
なお、導電性ウレタン22は、柔軟性を有する部材21に配置して対象物2を構成することが可能である(図2)。導電性ウレタン22が配置された部材21により構成される対象物2は、電気特性検出部76を含む。導電性ウレタン22は、部材21の少なくとも一部に配置すればよく、内部に配置してもよいし外部に配置してもよい。また、導電性ウレタン22は、圧縮状態を推定可能に配置すればよく、例えば、人物に直接的又は間接的、或いはその両方で接触可能に配置すればよい。
電気特性検出部76を含む対象物2は、本開示の検出部の一例である。よって、詳細は後述するが、電気特性検出部76を含む対象物2は、導電性ウレタン22の体積抵抗の変化特性を示す電気特性として、圧縮状態(伸縮状態)に応じて第1傾向から第2傾向に変化する電気特性を検出することが可能である。
図2に、対象物2における導電性ウレタン22の配置例を示す。対象物2のA-A断面を対象物断面2-1として示すように、導電性ウレタン22は、部材21の内部を全て満たすように形成しても良い。また、対象物断面2-2に示すように、導電性ウレタン22は、部材21の内部における一方側(表面側)に形成しても良く、対象物断面2-3に示すように、部材21の内部における他方側(裏面側)に導電性ウレタン22を形成しても良い。さらに、対象物断面2-4に示すように、部材21の内部の一部に導電性ウレタン22を形成しても良い。また、対象物断面2-5に示すように、導電性ウレタン22は、部材21の表面側の外側に分離して配置しても良く、対象物断面2-6に示すように、他方側(裏面側)の外部に配置しても良い。導電性ウレタン22を部材21の外部に配置する場合、導電性ウレタン22と部材21とを積層するのみでもよく、導電性ウレタン22と部材21とを接着等により一体化してもよい。なお、導電性ウレタン22を部材21の外部に配置する場合であっても、導電性ウレタン22が導電性を有するウレタン部材であるため、部材21の柔軟性は阻害されない。
図1に示すように、導電性ウレタン22は、距離を隔てて配置された少なくとも2個の検出点75からの信号によって、導電性ウレタン22の電気特性(すなわち、電気抵抗値である体積抵抗値)を検出する。図1の例では、導電性ウレタン22上で対角位置に配置された2個の検出点75からの信号により電気特性(時系列の電気抵抗値)を検出する検出セット#1が示されている。なお、検出点75の個数及び配置は、図1に示す位置に限定されるものではなく、導電性ウレタン22の電気特性を検出可能な位置であれば3個以上の個数でもよく何れの位置でもよい。なお、導電性ウレタン22の電気特性は、電気特性(例えば、電気抵抗値である体積抵抗値)を検出する電気特性検出部76を検出点75に接続し、その出力を用いればよい。
本実施形態では、センサとして導電性ウレタン22を用いるため、例えば、人物が介在する場合に従来のセンサに比べて人物に与える違和感が極めて少ない。このため、計測中に人物に関する付与側の状態(例えば人物の接触等)を害することが無く、計測と導電性ウレタン22の圧縮状態の推定を同時に行うことが可能となる。これは計測と推定を別個に行っていた従来のセンサに比べて利点となり、とりわけ時系列変化を追う長時間の計測評価による推定においては、そのメリットは大きい。
なお、以降では、説明を簡単にするため、部材21の内部を全て導電性ウレタンで満たすように形成される導電性ウレタン22を対象物2に適用して説明する(図2の対象物断面2-1)。よって、以降では、対象物2に含まれる導電性ウレタン22として説明するが、対象物2と導電性ウレタン22は共通のものとして扱うことが可能である。
推定部5は、対象物2に含まれる導電性ウレタン22に接続され、導電性ウレタン22の変形に応じて変化する電気特性に基づき、学習モデル51を用いて、導電性ウレタン22の圧縮状態を推定する機能部である。具体的には、推定部5には、導電性ウレタン22における電気抵抗の大きさ(電気抵抗値等)を表す時系列の入力データ4が入力される。入力データ4は、導電性ウレタン22の圧縮状態を示す状態データ3に対応する。例えば、人物が対象物2に接触する際、姿勢等の所定の状態で接触し、当該状態に対応して、対象物2を構成する導電性ウレタン22には圧力刺激が物理量として与えられ、導電性ウレタン22の電気特性が変化する。従って、入力データ4により示される時系列に変化する導電性ウレタン22の電気特性は、導電性ウレタン22に対する付与側の状態に対応して変化する導電性ウレタン22の圧縮状態に対応する。また、推定部5は、学習済みの学習モデル51を用いた推定結果として、時系列に変化する導電性ウレタン22の電気特性に対応する導電性ウレタン22の圧縮状態を表す出力データ6を出力する。
学習モデル51は、与えられる圧力刺激により変化する導電性ウレタン22の電気抵抗(入力データ4)から、導電性ウレタン22の圧縮状態を表す出力データ6を導出する学習を済ませたモデルである。学習モデル51は、例えば、学習済みのニューラルネットワークを規定するモデルであり、ニューラルネットワークを構成するノード(ニューロン)同士の間の結合の重み(強度)の情報の集合として表現される。
ここで、上述したように導電性ウレタン22は、電気経路が複雑に連携し、電気経路の伸縮、膨縮、一時的な切断、及び新たな接続等の変化(変形)に応じた挙動を示す。結果的に、導電性ウレタン22は、与えられた圧力刺激に対応した圧縮状態に応じた電気特性を有する挙動を示す。ところが、電気経路の伸縮、膨縮、一時的な切断、及び新たな接続(再結合)等の変化による変形は、規則的に生じるものではない。このため、本実施形態では、導電性ウレタン22の変形(圧縮)に関するデータとして、圧力刺激(ここでは導電性ウレタン22の圧縮)に対応して変化する導電性ウレタン22の電気特性(電気抵抗)の挙動(電気特性の変化)を考慮し、そして、導電性ウレタン22の圧縮状態を推定可能な学習モデル51を学習処理によって生成する。
推定装置1における推定処理は、学習済みの学習モデル51を用いて、未知の物品(推定対象物)の圧縮状態を推定し、出力する。学習モデル51は、導電性ウレタン22の電気特性及び対象物2に含まれる導電性ウレタン22の圧縮状態を含む学習データによって学習される。
<学習処理>
次に、学習モデル51を生成する学習処理について説明する。学習処理では、導電性ウレタン22の圧縮状態を示す圧縮状態情報(状態データ3)をラベルとする導電性ウレタン22の電気特性(入力データ4)を学習データとして学習を行う。学習処理では、学習データ収集処理と、学習モデル生成処理が実行される。
図3に、学習モデル51を生成する学習モデル生成装置の概念構成を示す。学習モデル生成装置は、学習処理部52を備えている。学習モデル生成装置は、図示しないCPUを備えたコンピュータを含んで構成可能であり、CPUにより実行される学習データ収集処理及び学習モデル生成処理によって学習処理部52として実行されて学習モデル51を生成する。
<学習データ収集処理>
次に、学習モデル51を生成する際に用いる学習データを収集する学習データ収集処理について説明する。学習処理部52は、学習データ収集処理において、導電性ウレタン22の圧縮状態(圧縮度)を表す状態データ3をラベルとして導電性ウレタン22における電気特性(例えば電気抵抗値)を時系列に測定した大量の入力データ4を学習データとして収集する。従って、学習データは、電気特性を示す入力データ4と、その入力データ4に対応する導電性ウレタン22の圧縮状態を示す状態データ3と、のセットを大量に含む。
学習データ収集処理では、導電性ウレタン22の圧縮状態により変化する電気特性(例えば電気抵抗値)を時系列に取得する。次に、取得した時系列の電気特性(入力データ4)に状態データ3をラベルとして付与し、状態データ3と入力データ4とのセットが予め定めた所定数、又は予め定めた所定時間に達するまで処理を繰り返す。これらの状態データ3と、時系列の導電性ウレタン22の電気特性(入力データ4)とのセットが学習データとなる。なお、学習データにおける状態データ3は、後述する学習処理において推定結果が正解である導電性ウレタン22の圧縮状態を示す出力データ6として扱われるように図示しないメモリに記憶される。
なお、学習データは、導電性ウレタン22の電気抵抗値(入力データ4)の各々に測定時刻を示す情報を付与することで時系列情報を対応付けてもよい。この場合、導電性ウレタン22の圧縮状態として定まる期間について、導電性ウレタン22における時系列な電気抵抗値のセットに測定時刻を示す情報を付与して時系列情報を対応付けてもよい。
なお、導電性ウレタン22で検出される電気特性(時系列の電気抵抗値データによる時間特性)は、導電性ウレタン22に対する圧縮状態に関する特徴パターンとして捉えることが可能である(詳細は後述する)。
図4に、学習データとして用いる電気特性を測定する測定装置8の一例を示す。測定装置8は、導電性ウレタン22の変形に応じて変化する電気特性を測定する測定装置の一例である。なお、測定装置8は圧力刺激を繰り返し与えることが可能である。
測定装置8は、基台81に固定された固定部82に、導電性ウレタン22に圧力刺激を与えるための圧力付与部83が取り付けられる。圧力付与部83は、圧力付与本体83A、当該圧力付与本体83Aから伸縮可能なアーム83B、及びアーム83Bの先端に取り付けられた先端部83Cを備えている。圧力付与本体83Aは固定部82に固定され、入力信号に応じてアーム83Bが伸縮されて、先端部83Cが所定方向(矢印Z方向及び逆方向)に移動される。これによって、押圧部材84は基台81に設置される導電性ウレタン22に接触したり、接触後に押圧したり、導電性ウレタン22から離間したりすることが可能となる。
導電性ウレタン22は、基台81上に配置される。なお、導電性ウレタン22上にウレタンなどの柔軟性を有する部材21が配置してもよい。圧力付与部83の先端部83Cには、所定形状の押圧部材84が取り付けられる。導電性ウレタン22は、圧力付与部83の先端部83Cに取り付けられた押圧部材84が、少なくとも接触可能に配置される。なお、本実施形態では、所定形状の押圧部材84の一例として、先端が曲面形状(例えば球体の一部)の押圧部材84を用いる。押圧部材84は、導電性ウレタン22に対して所定の圧力により圧力刺激を与える部材である。なお、押圧部材84の形状は断面形状として四角形、台形、円形、楕円形、又は多角形の何れの形状でもよく、その他の形状でもよい。
圧力付与部83は、アーム83Bが伸長することによって、押圧部材84で導電性ウレタン22を押圧(圧縮)するように作動する。
圧力付与本体83Aは、例えば6軸方向の力を検出する機能を有するフォースセンサ85を備える。フォースセンサ85は、検出した力から、導電性ウレタン22に対する押圧部材84の押圧状態を検出する機能、及び導電性ウレタン22に付与される圧力を検出する機能を有する。このフォースセンサ85によって、押圧部材84の導電性ウレタン22への押圧状態における力(物理量)を時系列に検出可能であり、導電性ウレタン22に付与される圧力を時系列に検出可能である。なお、圧縮状態(変形状態)のみを試験する場合はフォースセンサ85は省略可能である。
測定装置8は、圧力付与部83、及びフォースセンサ85に接続されたコントローラ80を備えている。コントローラ80は、図示しないCPUを備え、図示しないCPUにより圧力付与部83の制御を行い、対象物2に対して圧力刺激を与え、導電性ウレタン22への圧力刺激による時系列の電気特性を取得し、記憶する。
具体的には、コントローラ80は、アーム83Bを伸縮する往復運動を行って、導電性ウレタン22に対して圧力刺激の付与及び解除を行うように圧力付与部83の制御を行う。また、コントローラ80は、導電性ウレタン22に対する圧力刺激の付与及び解除に同期して、導電性ウレタン22における電気特性を取得する。従って、測定装置8は、学習データの1つとして、断続的(例えば周期的)に変形を与えた導電性ウレタン22の変形に関する電気特性を時系列に取得可能となる。
また、コントローラ80は、導電性ウレタン22に対する圧力刺激の付与及び解除に同期して、導電性ウレタン22の変形状態、すなわち、圧縮状態を示すデータを取得可能である。圧縮状態を示すデータの一例には、押圧部材84が導電性ウレタン22に接触してから沈み込む距離が挙げられる。具体的には、コントローラ80は、圧力刺激に応じた導電性ウレタン22に押圧部材84が沈み込む距離を測定することにより、圧縮状態を示すデータを取得する。従って、測定装置8は、他の学習データとして、圧縮状態を示すデータを取得可能となる。圧縮状態を示すデータである、導電性ウレタン22において圧力刺激に応じて沈み込む距離は、圧縮度を示すデータとして用いることが可能である。圧縮度を示すデータは、上述したように、圧縮量及び圧縮率の少なくとも一方が挙げられる。
ここで、圧縮状態において複雑な挙動を示す導電性ウレタン22の電気特性を説明する。
図5A及び図5Bに、導電性ウレタン22を圧縮(変形)させた際の電気特性の一例を示す。図5A及び図5Bは、異なる圧力刺激によって圧縮された圧縮状態に対応する導電性ウレタン22の電気特性を示す。なお、図5A及び図5Bに示す導電性ウレタン22は、導電性を有する材料をウレタン材の少なくとも一部に浸潤(例えば含浸)させた柔軟材料を用いている。なお、以下の説明は、ウレタン材の少なくとも一部に導電材料を配合(例えば、内添)させた柔軟材料にも適用可能であることを確認している。
図5Aでは、第1の沈み込み量で導電性ウレタン22を圧縮させた際の電気特性を電気特性41として示し、図5Bでは、第1の沈み込み量より大きい第2の沈み込み量で導電性ウレタン22を圧縮させた際の電気特性を電気特性44として示している。また、図5A及び図5Bでは、圧力刺激を付与した時期をP1として示し、付与した圧力刺激を解除した時期をP2として示している。図5A及び図5Bに示すように、導電性ウレタン22の電気特性は、与えられる圧力刺激の大きさに応じて異なる特性になっている。これらの電気特性には、圧縮度(ここでは、沈み込み量)で示される圧縮状態に関する特徴を含んでいる。
図5A及び図5Bに示すように、導電性ウレタン22が圧縮された際の電気特性は、圧縮の過程で電気抵抗値が徐々に大きくなる上昇傾向から、徐々に小さくなる下降傾向に切り替わり、圧縮の大きさに対応した電気抵抗値に収束する特徴を有する。
具体的には、第1の特徴は、圧縮される際に電気抵抗値が徐々に大きくなる上昇傾向から電気抵抗値が徐々に小さくなる下降傾向に切り替わる電気特性部分42を有することである。第2の特徴は、圧縮当初の電気抵抗値に対して下降傾向の電気抵抗値に差43が生じることである。第3の特徴は、圧縮状態である圧縮度(ここでは、沈み込み量)の大きさが大きくなるに従って電気抵抗値の差43が大きくなることである。
換言すれば、導電性ウレタン22を圧縮した際の電気特性は、第1から第3の特徴を有する傾向となって表れる。これらの特徴は、圧縮によって、導電性を形成する電気経路の少なくとも一部の伸縮や膨縮による電気抵抗値の上昇傾向から、或る圧縮状態(圧縮度)で電気経路の切断及び再結合による電気抵抗値の下降傾向に切り替わる現象に起因すると推察される。ところが、電気経路の変形(伸縮、膨縮、一時的な切断、及び新たな接続(再結合)等)は、規則的に生じるものではない。そこで、本実施形態では、上述した第1から第3の特徴から圧縮状態である圧縮度を推定する。具体的には、第1及び第2の特徴を条件とし、第3の特徴による物理量を、電気抵抗値の差が大きくなる傾向として定量化して圧縮度とする。すなわち、圧縮度は、電気抵抗値の差が大きくなる傾向の度合いに対応する。
なお、上記電気抵抗値の差を導出する場合の電気特性のタイミングは、電気特性部分42の前後において予め定めたタイミングを設定することが可能である。例えば、一方は、圧縮当初等の上昇傾向に移行する直前のタイミング、又は圧縮する以前に安定的な電気特性(例えば、電気抵抗値の変化率が予め定めた上昇傾向用の所定値未満)となっているタイミングを適用可能である。他方は、電気特性部分42から所定時間を経過したタイミング、又は下降傾向に切り替わってから安定的な電気特性(例えば、電気抵抗値の変化率が予め定めた下降傾向用の所定値未満)となっているタイミングを適用可能である。
上述した上昇傾向及び下降傾向は、本開示の第1傾向及び第2傾向の一例である。電気特性部分42は、本開示の変化箇所の一例である。電気抵抗値の差43は、本開示の電気特性の値の差の一例である。また、導電性ウレタン22の電気特性は、本開示の変化特性の一例である。
図6に、導電性ウレタン22の圧縮状態に応じて複雑な挙動を示す電気特性の一例を概念図で示す。図6に示す例は、圧縮状態として、導電性ウレタン22に対する圧力刺激の付与及び解除を圧縮度を変化させて繰り返した場合に表れる特性を示す。図6では、圧縮状態である圧縮度と当該圧縮度における電気抵抗値の差を示す電気特性の値(電気特性差)との対応関係を曲線Erxで示している。例えば、電気特性差(電気抵抗値の差)Er1と圧縮度Pw1とは対応関係を有する。なお、圧縮度は、導電性ウレタン22に対して所定方向(例えば導電性ウレタン22の接触面に対する法線方向)に与える圧力刺激の距離(押圧により沈み込む距離)を示している。電気特性の値(電気抵抗値)の差は、圧縮当初の電気抵抗値と所定圧縮度での電気抵抗値との差、詳細には圧縮当初の電気抵抗値と、電気抵抗値が上昇傾向から下降傾向に切り替わり、所定時間を経過したときの電気抵抗値との差を示す。
図6に示すように、導電性ウレタン22の電気特性は、圧縮度が大きくなるに従って導電性ウレタン22の電気特性の値の差(電気抵抗値の差)が大きくなる傾向の特性となって表れる。よって、導電性ウレタン22の電気特性の値の差等の上述した第1から第3の特徴を用いて、時系列の電気特性の値の差(電気抵抗値の差)から導電性ウレタン22の圧縮度を推定することが可能である。
上述した圧縮度によって、導電性ウレタン22の圧縮状態を示す圧縮状態情報(状態データ3)を設定することが可能となる。従って、対象物2の電気特性に示される上述した特徴を導出することで、もう1つの学習データとして、対象物2に含まれる導電性ウレタン22の変形(圧縮)に関する時系列の電気特性に対する導電性ウレタン22の圧縮状態を対応付けることが可能となる。
従って、対象物2(すなわち、導電性ウレタン22)における時系列の電気特性と、電気特性に対する導電性ウレタン22の圧縮状態との各々を示す情報によるセットが学習データとなる。当該学習データの一例を次の表1に示す。表1は、導電性ウレタン22の圧縮状態に関する学習データとして、時系列の電気抵抗値データ(r)と圧縮状態を示す状態データ(R)を示す圧縮度(Pw)とを対応付けたデータセットの一例である。
表1は、状態データ(R)を、具体的な圧縮状態を示す圧縮度に対応させたものである。すなわち、状態データ(R)は、上述した電気特性に表れる特徴を示すデータである圧縮度(Pw)を対応させればよい。従って、対象物2(導電性ウレタン22)の時系列の電気特性には、導電性ウレタン22の圧縮状態が特徴的に表れるので、学習処理において有効に機能する。
<学習モデル生成処理>
次に、学習モデル生成処理について説明する。図3に示す学習モデル生成装置は、学習処理部52における学習モデル生成処理によって、上述した学習データを用いて学習モデル51を生成する。
図7は、学習処理部52の機能構成、すなわち学習処理部52で実行される学習モデル生成処理に関して、図示しないCPUの機能構成を示す図である。学習処理部52の図示しないCPUは、生成器54及び演算器56の機能部として動作する。生成器54は、入力である時系列に取得された電気抵抗値の前後関係を考慮して出力を生成する機能を有する。
学習処理部52は、学習用データとして、上述した入力データ4(例えば、電気抵抗値)と、導電性ウレタン22に刺激(圧縮)を与えた際の導電性ウレタン22の圧縮状態を示す状態データ3である出力データ6とのセットを図示しないメモリに多数保持している。
生成器54は、入力層540、中間層542、および出力層544を含んで、公知のニューラルネットワーク(NN:Neural Network)を構成する。ニューラルネットワーク自体は公知の技術であるため詳細な説明は省略するが、中間層542は、ノード間結合およびフィードバック結合を有するノード群(ニューロン群)を多数含む。その中間層542には、入力層540からのデータが入力され、中間層542の演算結果のデータは、出力層544へ出力される。
生成器54は、入力された入力データ4(例えば、電気抵抗値)から圧縮状態を表すデータ又は圧縮状態に近いデータとしての生成出力データ6Aを生成するニューラルネットワークである。生成出力データ6Aは、入力データ4から導電性ウレタン22に刺激が与えられた圧縮状態を推定したデータである。生成器54は、時系列に入力された入力データ4から、圧縮状態に近い状態を示す生成出力データを生成する。生成器54は、多数の入力データ4を用いて学習することで、対象物2すなわち導電性ウレタン22に刺激が与えられた際の圧縮状態に近い生成出力データ6Aを生成できるようになる。他の側面では、時系列に入力された入力データ4である電気特性をパターンとして捉え、当該パターンを学習することで、対象物2すなわち導電性ウレタン22に刺激が与えられて圧縮された際の圧縮状態に近い生成出力データ6Aを生成できるようになる。
演算器56は、生成出力データ6Aと、学習データの出力データ6とを比較し、その比較結果の誤差を演算する演算器である。学習処理部52は、生成出力データ6A、および学習データの出力データ6を演算器56に入力する。これに応じて、演算器56は、生成出力データ6Aと、学習データの出力データ6との誤差を演算し、その演算結果を示す信号を出力する。
学習処理部52は、演算器56で演算された誤差に基づいて、ノード間の結合の重みパラメータをチューニングする、生成器54の学習を行う。具体的には、生成器54における入力層540と中間層542とのノード間の結合の重みパラメータ、中間層542内のノード間の結合の重みパラメータ、および中間層542と出力層544とのノード間の結合の重みパラメータの各々を例えば勾配降下法や誤差逆伝搬法等の手法を用いて、生成器54にフィードバックする。すなわち、学習データの出力データ6を目標として、生成出力データ6Aと学習データの出力データ6との誤差を最小化するように全てのノード間の結合を最適化する。
なお、生成器54は、時系列入力の前後関係を考慮して出力を生成する機能を有する再帰型ニューラルネットワークを用いてもよく、他の手法を用いてもよい。
学習処理部52は、学習モデル生成処理によって、上述した学習データを用いて学習モデル51を生成する。学習モデル51は、学習結果のノード間の結合の重みパラメータ(重み又は強度)の情報の集合として表現され、図示しないメモリに記憶される。
図8に、学習処理部52において実行される学習処理の流れの一例を示す。学習処理は、上述した学習処理部52における図示しないCPUの処理によって行われる。
ステップS110では、導電性ウレタン22の電気特性(入力データ4)を取得する。次のステップS111では、まず、導電性ウレタン22の電気特性(入力データ4)を解析し、上述した特徴を表す圧縮度を導出することで、導電性ウレタン22の圧縮状態を示す状態データ3を取得する。このステップS111では、導電性ウレタン22の電気特性である入力データ4と、解析結果の導電性ウレタン22の圧縮状態を示す状態データ3とを対応付け、状態データ3(圧縮度)をラベルとした入力データ4(電気抵抗)のセットを学習データとして取得する。次に、ステップS112では、取得した学習データを用いて学習モデル51を生成する。すなわち、上記のようにして多数の学習データを用いて学習した学習結果のノード間の結合の重みパラメータ(重み又は強度)の情報の集合を得る。そして、ステップS114で、学習結果のノード間の結合の重みパラメータ(重み又は強度)の情報の集合として表現されるデータを学習モデル51として記憶する。
そして、上記推定装置1では、学習済みの生成器54(すなわち、学習結果のノード間の結合の重みパラメータの情報の集合として表現されるデータ)を学習モデル51として用いる。十分に学習した学習モデル51を用いれば、導電性ウレタン22の時系列の電気特性(例えば、時系列に変化する電気抵抗値の特性)から導電性ウレタン22(対象物2でもよい)の圧縮状態を推定することも不可能ではない。
ステップS110の処理は、本開示の取得部で実行される処理の一例である。ステップS112は、本開示の学習モデル生成部で実行される処理の一例である。
<PRC>
ところで、導電性ウレタン22は、上述したように電気経路が複雑に連携し、電気経路の伸縮、膨縮、一時的な切断、及び新たな接続等の変化(変形)、並びに素材の性質の変化(変質)に応じた挙動を示す。結果的に、導電性ウレタン22は、与えられた刺激(例えば圧力刺激)に応じて異なる電気特性を有する挙動を示す。このことは、導電性ウレタン22を、導電性ウレタン22の変形に関するデータを貯留するリザバとして扱うことが可能である。すなわち、推定装置1は、物理的なリザバコンピューティング(PRC:Physical Reservoir Computing)と呼ばれるネットワークモデル(以下、PRCNという。)に、導電性ウレタン22を適用することが可能である。すなわち、上述した学習モデル51は、導電性ウレタン22をリザバとして当該リザバを用いたリザバコンピューティングによるネットワークを用いて学習させることで生成することが可能である。PRCおよびPRCN自体は公知の技術であるため、詳細な説明を省略するが、PRC、及びPRCNは、導電性ウレタン22の変形や変質に関する情報の推定に好適である。
図9に、PRCNを適用した学習処理部52の機能構成の一例を示す。PRCNを適用した学習処理部52は、入力リザバ層541と、推定層545とを含む。入力リザバ層541は、対象物2に含まれる導電性ウレタン22が対応する。すなわち、PRCNを適用した学習処理部52では、導電性ウレタン22を含む対象物2を、導電性ウレタン22を含む対象物2の変形及び変質に関するデータを貯留するリザバとして扱って学習する。導電性ウレタン22は、多様な刺激の各々に応じた電気特性(電気抵抗値)となり、電気抵抗値を入力する入力層として機能し、また、導電性ウレタン22の変形(及び変質)に関するデータを貯留するリザバ層として機能する。導電性ウレタン22は、付与側の状態により与えられた圧力刺激に応じて変形(圧縮)されて異なる電気特性(入力データ4)を出力するので、推定層545で、与えられた導電性ウレタン22の電気抵抗値から未知の圧縮状態を推定することが可能である。従って、PRCNを適用した学習処理部52における学習処理では、推定層545を学習すればよい。
上述したように、推定装置1では、以上に例示した手法により生成した学習済みの学習モデル51を用いることで、十分に学習した学習モデル51を用いれば、導電性ウレタン22の電気特性から、導電性ウレタン22の圧縮状態を推定することも不可能ではない。
なお、推定装置1は、本開示の推定部および推定装置の一例である。対象物2及び導電性ウレタン22は、本開示の検出部の一例である。
<推定装置の構成>
次に、上述した推定装置1の具体的な構成の一例についてさらに説明する。
図10に、推定装置1の電気的な構成の一例を示す。図10に示す推定装置1は、上述した各種機能を実現する処理を実行する実行装置としてのコンピュータを含んで構成したものである。上述の推定装置1は、コンピュータに上述の各機能を表すプログラムを実行させることにより実現可能である。
推定装置1として機能するコンピュータは、コンピュータ本体100を備えている。コンピュータ本体100は、CPU102、揮発性メモリ等のRAM104、ROM106、ハードディスク装置(HDD)等の補助記憶装置108、及び入出力インターフェース(I/O)110を備えている。これらのCPU102、RAM104、ROM106、補助記憶装置108、及び入出力I/O110は、相互にデータ及びコマンドを授受可能にバス112を介して接続された構成である。また、入出力I/O110には、外部装置と通信するための通信部114、ディスプレイやキーボード等の操作表示部116、及び検出部118が接続されている。検出部118は、導電性ウレタン22を含む対象物2から、入力データ4(時系列の電気抵抗値等の電気特性)を取得するように機能する。すなわち、検出部118は、導電性ウレタン22における検出点75に接続された電気特性検出部76から入力データ4を取得することが可能である。なお、検出部118は通信部114を介して接続してもよい。
操作表示部116は、本開示の出力部の一例である。
補助記憶装置108には、コンピュータ本体100を本開示の推定装置の一例として推定装置1として機能させるための制御プログラム108Pが記憶される。CPU102は、制御プログラム108Pを補助記憶装置108から読み出してRAM104に展開して処理を実行する。これにより、制御プログラム108Pを実行したコンピュータ本体100は、推定装置1として動作する。
なお、補助記憶装置108には、学習モデル51を含む学習モデル108M、及び各種データを含むデータ108Dが記憶される。制御プログラム108Pは、CD-ROM等の記録媒体により提供するようにしても良い。
<推定処理>
次に、コンピュータにより実現された推定装置1における推定処理についてさらに説明する。当該推定処理では、上述した学習モデル51を用いて導電性ウレタン22の圧縮状態が推定される。
図11に、コンピュータ本体100で実行される制御プログラム108Pによる推定処理の流れの一例を示す。図11に示す推定処理は、コンピュータ本体100に電源投入されると、CPU102により実行される。CPU102は、制御プログラム108Pを補助記憶装置108から読み出し、RAM104に展開して処理を実行する。
制御プログラム108Pは、本開示の推定プログラムの一例である。また、CPU102により実行される制御プログラム108Pによる処理は、本開示の推定方法による処理の一例である。
まず、CPU102は、補助記憶装置108の学習モデル108Mから学習モデル51を読み出し、RAM104に展開することで、学習モデル51を取得する(ステップS200)。具体的には、学習モデル51として表現された重みパラメータによるノード間の結合となるネットワークモデル(図7、図9参照)を、RAM104に展開することによって、重みパラメータによるノード間の結合が実現された学習モデル51が構築される。
次に、CPU102は、導電性ウレタン22の圧縮状態を推定する対象となる未知の入力データ4(電気特性)を、検出部118を介して時系列に取得する(ステップS202)。次に、CPU102は、学習モデル51を用いて、取得済みの入力データ4に対応する出力データ6(未知の圧縮状態である圧縮度)を推定する(ステップS204)。そして、CPU102は、推定結果の出力データ6(圧縮状態である圧縮度)を、通信部114を介して出力し(ステップS206)、本処理ルーチンを終了する。
このように、推定装置1によれば、導電性ウレタン22の電気抵抗値から圧縮状態を推定可能である。具体的には、推定装置1では、導電性ウレタン22に与えられた圧力刺激に応じて変化する入力データ4(電気特性)から、導電性ウレタン22の圧縮状態を推定することが可能となる。すなわち、特殊な装置や大型の装置を用いたり柔軟部材の変形を直接計測することなく、導電性ウレタン22の圧縮状態を推定することが可能となる。
なお、ステップS206では、導電性ウレタン22への注意を示す注意情報を出力することも可能である。例えば、ユーザに直感的なメッセージを圧縮状態(圧縮度)として通信部114又は操作表示部116へ出力してもよい。具体的には、圧縮状態(圧縮度)を判定する予め定めた閾値以下の場合は導電性ウレタン22の圧縮状態に余裕がある状態であること示すメッセージを注意情報として出力する。一方、閾値を越えた場合は圧縮状態に余裕がなく、閾値以下の圧縮状態に戻すことが好ましいことを示すメッセージを注意情報として出力する。このように注意情報を出力することで、ユーザは、導電性ウレタン22(対象物2)の柔軟性を確認しながら圧縮することなく、直感的な注意情報で圧縮状態の確認を行うことが可能となる。この注意情報は、導電性ウレタン22における電気経路の切断を招く破壊状態を示す圧縮状態(圧縮度)を予め計測しておき、当該計測値を閾値としてもよい。また、上述した上昇傾向から下降傾向に電気抵抗値の傾向が切り替わる圧縮状態(圧縮度)を閾値としてもよい。
上記導電性ウレタン22への注意を示す注意情報は、導電性ウレタン22の注意状態を示す情報と捉えることもでき、当該注意情報は、本開示の注意情報の一例として機能する。
上述した図11に示す推定処理は、本開示の推定方法で実行される処理の一例である。
以上説明したように、本開示によれば、特殊な検出装置を用いることなく、導電性ウレタン22の電気特性から、当該導電性ウレタン22の圧縮状態を推定することが可能となる。また、推定対象物、すなわち導電性ウレタン22の圧縮状態の推定結果を出力することによって、対象物2に含まれるセンサとして機能する導電性ウレタン22における柔軟性を含めて圧縮状態を推定することが可能となる。
<変形状態>
上述した実施形態では、圧縮状態、すなわち、導電性ウレタン22に正の圧力刺激が与えられて導電性ウレタン22が圧縮される変形状態を説明したが、本開示の技術は、圧縮状態に限定されるものではない。本開示の技術は、導電性ウレタン22に負の圧力刺激、例えば、導電性ウレタン22を引っ張り等で伸長するように刺激を与える伸長状態にも適用可能である。
図12に、導電性ウレタン22を伸長(変形)させた際の電気特性の一例を示す。
図12では、導電性ウレタン22の両端を所定の力で逆方向に離間させて導電性ウレタン22が伸長された伸長状態における導電性ウレタン22の電気特性を電気特性45として示す。なお、図12に示す例では、導電性ウレタン22の両端を所定の力で継続的に離間させた際の時間に対する電気特性の値(電気抵抗値)の関係を示す。また、図12は、導電性ウレタン22として、導電性を有する材料をウレタン材の少なくとも一部に浸潤(例えば含浸)させた柔軟材料を用いた一例である。なお、以下の説明は、ウレタン材の少なくとも一部に導電材料を配合(例えば、内添)させた柔軟材料にも適用可能であることを確認している。
電気特性45は、図12に示すように、与えられる負の圧力刺激(すなわち伸長)の大きさに応じて電気特性(電気抵抗値)が大きくなる特性になっている。従って、電気特性には、伸長度(ここでは、伸長量)で示される伸長状態に関する特徴46を含む。
また、図12に示す例では、電気特性45は、伸長の過程で電気抵抗値が徐々に大きくなる第1の上昇傾向から、第2の上昇傾向に切り替わる特徴を有する。この特徴は、伸長によって、電気経路の少なくとも一部の切断等により電気抵抗値の上昇傾向の度合いが変化する現象に起因すると推察される。このような電気経路の切断等は、導電性ウレタン22の断絶を引き起こす虞を含む。ところが、電気抵抗値の上昇傾向の度合いの変化は、規則的に生じるものではない。そこで、上述したように、電気特性に含まれる特徴から伸長状態である伸長度を推定可能である。具体的には、特徴による伸長時の物理量を、定量化して伸長度とする。すなわち、伸長度は、導電性ウレタン22を伸長させた量や比率が大きくなるに従って大きくなる傾向を示す度合いに対応する。
伸長度は、導電性ウレタン22の断絶を引き起こす虞のある伸長状態を示す伸長度を予め実験等によって導出することも可能である。当該断絶を引き起こす虞のある伸長状態を示す伸長度を推定し、該当する場合に注意情報として出力することで、導電性ウレタン22の断絶等を回避することも可能となる。
なお、上記では、伸長時の特徴として、第1の上昇傾向から第2の上昇傾向に切り替わる場合を説明したが、電気特性に顕著に変化する部分を有することに限定されない。例えば、導電性ウレタン22の断絶を引き起こす虞のある伸長状態を示す伸長度を予め実験等によって導出しておき(図12に示す伸長度Pu1)、当該伸長度を境界として第1の上昇傾向から、第2の上昇傾向に切り替わる電気特性としてもよい。
<変形例>
上述した推定部1は、上記電気特性に含まれる特徴に対応して機能別に構成することが可能である。
図13に、推定部1の構成の変形例を示す。推定部1は、圧縮状態分析部、比較判定部、及び閾値記憶部とを含む。
圧縮状態分析部は、導電性ウレタン22の圧縮に応じて変化する時系列の電気特性(入力データ4)を用いて、導電性ウレタン22を含む対象物2の圧縮状態を分析する機能部である。圧縮状態分析部は、上述した第1の特徴から第3の特徴による電気特性に含まれる特徴により示される圧縮度を導出する。比較判定部は、圧縮状態の判定用の閾値を記憶した閾値記憶部に接続され、分析結果の圧縮状態と圧縮状態の判定用閾値とを比較し、比較結果を圧縮度して出力する機能部である。閾値記憶部は、上述した閾値を、ROM106又は補助記憶装置108に記憶すればよい。また、比較判定部は、例えば、圧縮状態の判定のための閾値を用いて、圧縮状態と判定すればよい。このように、推定部1を電気特性に含まれる特徴に対応して機能別に構成することで、独立した装置構成及び電気回路構成等のハードウェア構成に容易に適用することができる。
本開示では、柔軟部材の一例として導電性ウレタンを適用した場合を説明したが、柔軟部材は柔軟性を有すればよく、上述した導電性ウレタンに限定されないことは勿論である。
また、本開示の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施形態では、推定処理及び学習処理を、フローチャートを用いた処理によるソフトウエア構成によって実現した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば各処理をハードウェア構成により実現する形態としてもよい。
また、推定装置の一部、例えば学習モデル等のニューラルネットワークを、ハードウェア回路として構成してもよい。
1 推定装置
2 対象物
3 状態データ
4 入力データ
5 推定部
6 出力データ
6A 生成出力データ
21 部材
22 導電性ウレタン
51 学習モデル
52 学習処理部
54 生成器
56 演算器
75 検出点
76 電気特性検出部

Claims (11)

  1. 導電性を有し、かつ変形に応じて電気特性が変化する柔軟材料に予め定められた複数の検出点の間の電気特性を検出する検出部と、
    前記柔軟材料の変形に応じて変化する時系列の電気特性と、前記柔軟材料の変形に関する変形状態を示す変形状態情報とを学習用データとして用いて、前記時系列の電気特性を入力とし、前記変形状態情報を出力するように学習された学習モデルに対して、柔軟材料を含む推定対象物の前記検出部で検出された時系列の電気特性を入力し、入力した時系列の電気特性に対応する変形状態を示す変形状態情報を推定する推定部と、
    を含む推定装置。
  2. 前記変形状態は、前記柔軟材料への応力付与により伸縮される状態を示す伸縮状態であり、
    前記検出部は、前記柔軟材料の体積抵抗の変化特性を示す前記電気特性であって、前記伸縮状態に応じて第1傾向から第2傾向に変化する前記電気特性を検出し、
    前記学習モデルは、前記伸縮状態を示す情報を前記変形状態情報として出力するように学習される
    請求項1に記載の推定装置。
  3. 前記伸縮状態は、前記柔軟材料が圧縮された際における圧縮量が大きくなるに従って大きくなる圧縮度で示される圧縮状態であり、
    前記推定部は、前記柔軟材料の圧縮度を推定する
    請求項2に記載の推定装置。
  4. 前記検出部は、前記第1傾向から第2傾向への変化として、前記柔軟材料が圧縮された際に上昇傾向および下降傾向の一方から他方に変化し、かつ、前記圧縮度が大きくなるに従って第1傾向における電気特性の値と当該第1傾向から変化した第2傾向における電気特性の値との差が大きくなる前記電気特性を検出し、
    前記推定部は、前記電気特性の値の差に基づいて前記圧縮度を推定する
    請求項3に記載の推定装置。
  5. 前記柔軟材料は、繊維状及び網目状の少なくとも一方の骨格を有する構造、又は内部に微小な空気泡が複数散在する構造のウレタン材の少なくとも一部に対して導電性が付与された材料が内添又は含浸された部材であって、
    前記学習モデルは、内添又は含浸に対応して定められた前記第1傾向から第2傾向に変化する変化箇所を示す物理量を用いて、学習され、
    前記推定部は、前記柔軟材料の物性を示す情報として内添又は含浸を示す情報を、さらに推定する
    請求項3又は請求項4に記載の推定装置。
  6. 前記伸縮状態は、前記柔軟材料が伸長された際における伸長量が大きくなるに従って大きくなる伸長度で示される伸長状態であり、
    前記検出部は、前記伸長状態に応じて変化する前記電気特性を検出し、
    前記学習モデルは、前記柔軟材料に対する注意状態を示す予め定めた閾値による電気特性を用いて前記注意状態を示す情報を前記変形状態情報として出力するように学習される
    請求項2に記載の推定装置。
  7. 前記学習モデルは、前記柔軟材料をリザバとして当該リザバを用いたリザバコンピューティングによるネットワークを用いて学習させることで生成されたモデルを含む
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の推定装置。
  8. 前記推定部の推定結果を出力する出力部をさらに備える
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載の推定装置。
  9. コンピュータが
    導電性を有し、かつ変形に応じて電気特性が変化する柔軟材料に予め定められた複数の検出点の間の電気特性を検出する検出部から、前記電気特性を取得し、
    前記柔軟材料の変形に応じて変化する時系列の電気特性と、前記柔軟材料の変形に関する変形状態を示す変形状態情報とを学習用データとして用いて、前記時系列の電気特性を入力とし、前記変形状態情報を出力するように学習された学習モデルに対して、柔軟材料を含む推定対象物の前記検出部で検出された時系列の電気特性を入力し、入力した時系列の電気特性に対応する変形状態を示す変形状態情報を推定する
    推定方法。
  10. コンピュータに
    導電性を有し、かつ変形に応じて電気特性が変化する柔軟材料に予め定められた複数の検出点の間の電気特性を検出する検出部から、前記電気特性を取得し、
    前記柔軟材料の変形に応じて変化する時系列の電気特性と、前記柔軟材料の変形に関する変形状態を示す変形状態情報とを学習用データとして用いて、前記時系列の電気特性を入力とし、前記変形状態情報を出力するように学習された学習モデルに対して、柔軟材料を含む推定対象物の前記検出部で検出された時系列の電気特性を入力し、入力した時系列の電気特性に対応する変形状態を示す変形状態情報を推定する
    処理を実行させるための推定プログラム。
  11. 導電性を有し、かつ変形に応じて電気特性が変化する柔軟材料に予め定められた複数の検出点の間で検出された時系列の電気特性と、前記柔軟材料の変形に関する変形状態を示す変形状態情報とを取得する取得部と、
    前記取得部で取得された前記時系列の電気特性と、前記変形状態情報とを学習用データとして、前記時系列の電気特性を入力とし、前記変形状態情報を出力するように学習した学習モデルを生成する学習モデル生成部と、
    を含む学習モデル生成装置。
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