JP2023134493A - 呼吸器疾患の治療のための化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】喘息などの呼吸器疾患の予防又は治療に有用である新たな化合物、化合物の調製、及び化合物を含む組成物を提供する。【解決手段】式(I)の化合物、又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体を提供する。JPEG2023134493000021.jpg63154【選択図】なし

Description

本願は、オーストラリア仮特許出願第2017901611号明細書及び同第2017901647号明細書の優先権を主張し、その内容全体を参照により本明細書に組み込む。
本発明は、喘息及び関連病態の治療における可能性を示すイミダゾール系化合物を提供する。
喘息は、その重症度並びにその原因及び誘因が様々である種々の異なる種類の疾患を包含する症候群である。喘息症候群の一般的な特徴は、可逆的気道閉塞、気道過敏性、及び気道炎症であり、肥満細胞の活性化の他に好酸球及びTリンパ球による気道壁の浸潤が最も顕著な特徴である。
現在の喘息薬物療法には、短時間作用性及び長時間作用性のβ-アドレナリン受容体選択的アゴニスト(SABA及びLABA)並びに吸入コルチコステロイドがある(ICS)。ウルトラLABAも現在利用可能である。短時間作用性及び長時間作用性のムスカリン受容体アンタゴニスト(SAMA及びLAMA)は、通常他の気管支拡張剤及び抗炎症薬、特にICSと組み合わせて、一部の患者に使用される。ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(LTRA)も、異なる治療レジメンに加えられることがある。ごく最近になって、好酸球の化学誘引物質であるインターロイキン-5の効力を消すモノクローナル抗体メポリズマブが、選択された患者において、ICSとLABAの組合せに追加する利益を有することが示された。しかしながら、特に重度の喘息では、患者は依然として症状を示し、増悪と称される疾患の周期的な悪化を有する。重度の喘息の薬物治療に満たされていない必要性がかなりある。これらの喘息増悪は、大多数の場合、下気道の呼吸器ウイルス感染により起こされると考えられる。これらの増悪を起こすウイルスには、呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザウイルス、及びライノウイルスがあり、それらは呼吸器上皮に感染する。喘息の個人の上皮は、そのような感染に特にかかりやすいと考えられ、炎症反応の悪化に関係している。
研究により、TGF-βがICSの有効性を損なうことが可能であることが示された。さらに、発明者らは、気道上皮のウイルス感染がTGF-β活性の誘導によりICS活性を損なうことを実証した。TGF-βの薬物標的は、自己免疫及び僧帽弁の欠陥の危険性を保持する。驚くべきことに、発明者らは、カゼインキナーゼ1δ/εを、化合物PF670462(国際公開第2016/149756号パンフレット)を使用して、TGF-βにより誘導されたICSの非反応性(insensitivity)のメディエーターとして特定し、ステロイド非反応性を逆転させるこの薬剤の有用性を実証した。
呼吸器疾患を治療でき、肺に投与でき、現在の薬物療法と比べて減少した全身作用を示すことができる新規化合物が望ましいだろう。
発明者らは、PF670462と比べてLogPの増加を達成するように設計された一連のCK1δ/ε阻害剤を見いだした。増加したLogPは、肺の滞留時間増加と強く関連し、したがってより長い投与間隔と強く関連する吸入薬の特徴であり、多くの場合1日2回又は1回の投与を与えると同時に全身曝露を最低限にする。概して、且つ驚くべきこ
とに、このシリーズは喘息関連アッセイにおいてPF670462に類似の活性を示した。
これらの結果は、当業者に公知である通り、活性化合物とそのアナログとの間の物性のかなりの違いが活性に与える影響を予測することは不可能であるので、驚くべきものである。
さらに、N-メチルアナログはPF670462よりも強力であることが示され、TGFβ誘導性のICS非反応性を予防する能力並びにTGF-β及びTNF-α誘導性の線維形成性及び炎症誘発性の成長因子及びサイトカインの抑制を含む、広範囲の活性を維持する。
したがって、一態様において、本発明は、式(I)の化合物:
(式中:
及びRは、
(i)H、C1~6アルキル、C2~6アルキニル、CアルキルCアリール、Cアリール、C3~6シクロアルキル、及びC3~5ヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立に選択されるか;又は
(ii)RとRは、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル又はヘテロアリール基を形成し;
は、F、Cl、Br、I、CH、OCH、OCFH、OCF、COH、及びCO1~10アルキルからなる群から選択され;
は、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、C1~10アルキルCアリール、C1~6アルキルOC1~6アルキルCアリール、C0~6アルキルヘテロアリール、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択され;ここで、R、R、R、及びRのそれぞれは任意選択で置換されている)又はその塩、溶媒和物、エナンチオマー、プロドラッグ、若しくは多形体を提供する。
本発明は、式(Ia):
(式中:
及びR
(i)H、C1~6アルキル、C2~6アルキニル、Cアリール、及びC3~5ヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立に選択されるか;又は
(ii)RとRは、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル基を形成し;
は、F、Cl、Br、I及びCHからなる群から選択され;
は、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択され;
ここで、R、R、R、及びRのそれぞれは任意選択で置換されている)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体も提供する。
別の態様において、呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患を治療又は予防する方法であって、対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物又はその塩、溶媒和物、エナンチオマー、プロドラッグ、若しくは多形体を投与し、それにより対象の呼吸器疾患を治療又は予防することを含む方法が提供される。
別の態様において、呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患を治療又は予防する方法であって、対象に、治療上有効な量の式(Ia)の化合物又はその塩、溶媒和物、エナンチオマー、プロドラッグ、若しくは多形体を投与し、それにより対象の呼吸器疾患を治療又は予防することを含む方法が提供される。
対象の呼吸器疾患の治療又は予防に使用するための、式(I)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体がさらに提供される。
対象の呼吸器疾患の治療又は予防に使用するための、式(Ia)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体がさらに提供される。
呼吸器疾患は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患(特発性肺線維症など)及び組織リモデリングに関連する他の病態、原発性又は続発性肺腫瘍、花粉症、慢性及び急性副鼻腔炎、並びに呼吸器の慢性及び急性のウイルス、真菌、及び細菌感染から選択され得る。
別の態様において、呼吸機能の改善を必要とする対象の呼吸機能を改善する方法であって、対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物又はその塩、溶媒和物、エナンチオマー、プロドラッグ、若しくは多形体を投与し、それにより対象の呼吸機能を改善することを
含む方法が提供される。
別の態様において、呼吸機能の改善を必要とする対象の呼吸機能を改善する方法であって、対象に、治療上有効な量の式(Ia)の化合物又はその塩、溶媒和物、エナンチオマー、プロドラッグ、若しくは多形体を投与し、それにより対象の呼吸機能を改善することを含む方法が提供される。
対象の呼吸機能を改善するのに使用するための、式(I)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体がさらに提供される。
対象の呼吸機能を改善するのに使用するための、式(Ia)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体がさらに提供される。
呼吸機能の改善は、肺の収縮のレベルの減少、呼吸器系の弾性スティフネス(elastic stiffness)の減少、及び/又は呼吸器系の拡張しやすさの増加から選択できる。好ましくは、改善は、肺の収縮のレベルの減少及び呼吸器系の弾性スティフネスの減少から選択される。さらに別の態様において、式(I)による化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体、及び薬学的に許容できる賦形剤を含む組成物が提供される。
さらに別の態様において、式(Ia)による化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体、及び薬学的に許容できる賦形剤を含む組成物が提供される。
組成物は、経口投与又は吸入若しくは注射による投与のために製剤され得る。
対象の呼吸器疾患の治療又は予防のための医薬品の調製における本発明の化合物又は組成物の使用も記載される。
本明細書では、文脈により別のことが要求されない限り、用語「含む(comprise)」並びに「含んでいる(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「含んでいた(comprised)」など、その用語の変形体は、さらなる添加剤、成分、整数、又は工程を除外しないものとする。
明細書中の従来技術への言及は、この従来技術がいずれかの管轄範囲内の共通一般知識の一部を形成していること、又はこの従来技術が、当業者により妥当に理解されると予測され、関連すると見なされ、且つ/若しくは従来技術の他の部分と組み合わせることができるという認知でも示唆でもない。
前述の段落に記載された本発明のさらなる態様及び態様のさらなる実施形態は、例として、添付図面を参照して与えられる以下の説明から明らかになるだろう。
グルココルチコイドにより調節される遺伝子である、タンパク質上皮ナトリウムチャンネルアルファサブユニットをコードするSCNN1Aの誘導を測定するBEAS-B細胞中のアッセイにおいて、SS9-010の効果がPF670462と対比される。 図1に記載のものと同じ実験において、フィブロゲン(fibrogen)プラスミノゲンアクチベーター阻害因子-1(PAI-1)の発現が測定された。 SS9-010かPF670462(1~10μM)のいずれかによる30分の事前処理がある(ない)BEAS-2B細胞のTNF-αへの曝露。 A549細胞において、(0.1~10μM)のPF670462かSS9-010のいずれかによる事前処理は、濃度依存的に、PAI-1及びCTGF mRANレベルを阻害し、EカドヘリンmRNAレベルのTGFβ(100pM)誘導性の抑制を回復させた。 PF670462の作用の程度及び効力との対比の目的で、抗線維化剤ニンテダニブの効果を示す。 CK1阻害剤、PF670462及びSS9-010(1~10μM)の、培養上清中のIL-8 mRNAの発現のTNF-α(10ng/ml)誘導性の増加及び免疫反応性のIL-8のレベルに対する効果が示されている。 図6に示される同じ実験の上清における、CSF-2(GM-CSF)の発現及びその免疫反応性レベル。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 本発明の方法に関連するいくつかの公知の化合物を定義する。 マウスの肺における、吸入されたSS9-010の、ブレオマイシン誘導性のBALタンパク質漏出(leakage)、BAL細胞動員、並びに肺線維化遺伝子発現に対する効果。雌性C57Bl/6マウスは、ブレオマイシン又は生理食塩水を0日目に経鼻投与された。SS9-010が、-1日目から3日目に、1mg/mLの濃度のエアゾールの毎日の吸入により、15分間1日1回投与された。気管支肺胞洗浄(BAL)タンパク質及びBAL細胞数が評価された。肺線維化遺伝子発現も、3日目に評価された。データは、平均±SEMとして表される(n=6)。 マウスの肺における、腹腔内注入されたSS9-010の、ブレオマイシン誘導性のBALタンパク質漏出、BAL細胞動員、並びに肺線維化遺伝子発現に対する効果。雌性C57Bl/6マウスは、ブレオマイシン又は生理食塩水を0日目に腹腔内投与された。SS9-010(3又は10mg/kg/日、ip)が-1日目~3日目に投与された。気管支肺胞洗浄(BAL)タンパク質及びBAL細胞数が評価された。肺線維化遺伝子発現も3日目に評価された。データは、平均±SEMとして表される(n=4生理食塩水、n=5他の群)。 経口(強制投与)PF670462又はSS87-058の効果が、肝臓遺伝子発現に着目して、雌性C57BL6マウスで調査された。30mg/kg/poのPF670462かSS8-058のいずれかの4日間にわたる投与は、0日目でのブレオマイシンの経鼻投与の3日後に、線維化遺伝子産物、PAI-1及びTMP1をコードするmRNAのベースラインレベルの著しい減少をもたらした。データは平均±SEMとして表される(n=4)。 SS9-010(推定される堆積投与量1μg)又は生理食塩水の吸入を受けた、シャム-又はオボアルブミン(OVA)により感作されたBALB/cマウスで測定された、吸入されたメタコリン(MCh)に反応した気道過剰反応性(AHR)。抵抗(Rn)、エラスタンス(E)、及びコンプライアンス(C)が記録されて、肺の物理的変化が評価された。データは平均±SEMとして表される(n=6)。
本明細書に開示及び定義される本発明が、言及されるか、又は本文若しくは図面から明らかである個別の特徴の2つ以上の代替的組合せ全てに及ぶことが理解されるだろう。これらの異なる組合せの全てが本発明の種々の代替態様を構成する。
ここで、本発明の特定の実施形態が詳細に言及される。本発明は実施形態と共に説明されるが、その意図が本発明をそれらの実施形態に限定することではないことが理解されるだろう。それどころか、本発明は、全代替形態、変形形態、及び等価物を網羅することが意図され、それらは、請求項により定義される本発明の範囲内に含まれ得る。
当業者は、本明細書に記載されるものに類似又は等しい多くの方法及び材料を認識するだろうが、それらを本発明の実施に使用できるだろう。本発明は、記載される方法及び材料に決して限定されない。本明細書に開示及び定義される本発明が、言及されるか、又は本文若しくは図面から明らかである個別の特徴の2つ以上の代替的な組合せ全てに及ぶことが理解されるだろう。これらの異なる組合せの全てが、本発明の種々の代替的な態様を構成する。
本明細書に言及される特許及び刊行物の全ては、参照により全体として組み込まれている。
本明細書を解釈する目的で、単数形で使用される用語は複数も含み、逆も同様である。
本発明は、式(I):
(式中:
及びR
(i)H、C1~6アルキル、C2~6アルキニル、CアルキルCアリール、Cアリール、C3~6シクロアルキル、及びC3~5ヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立に選択されるか;又は
(ii)RとRは、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル又はヘテロアリール基を形成し;
は、F、Cl、Br、I、CH、OCH、OCFH、OCF、COH、及びCO1~10アルキルからなる群から選択され;
は、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、C1~10アルキルCアリール、C1~6アルキルOC1~6アルキルCアリール、C0~6アルキルヘテロアリール、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択され;ここで、R、R、R、及びRのそれぞれは任意選択で置換されている)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体を提供する。
一実施形態において、本発明は、化合物が図8中の化合物のリストから選択されないという条件で、式(I)の化合物を提供する。
一実施形態において、本発明は、RがHでない式(I)の化合物を提供する。
一実施形態において、本発明は、RがC1~3アルキルである式(I)の化合物を提供する。一実施形態において、RがC1~3アルキルである場合、RはHである。
好ましくは、Rは、ヒドロキシルにより置換されているC1~3アルキルである。
一実施形態において、本発明は、RがC1~3アルキルであり、且つRがHである、式(I)の化合物を提供する。
一実施形態において、本発明は、RがC2~6アルキニルである式(I)の化合物を提供する。Rは、Cアルキニル、Cアルキニル、及びCアルキニルから選択され得る。一実施形態において、RがC2~6アルキニルである場合、RはHである。
一実施形態において、本発明は、RがCアリールである式(I)の化合物を提供する。一実施形態において、RがCアリールである場合、RはHである。
一実施形態において、本発明は、RがC3~6シクロアルキルである式(I)の化合物を提供する。Rは、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルから選択さ
れ得る。一実施形態において、RがC3~6シクロアルキルである場合、RはHである。
一実施形態において、本発明は、RがC3~5ヘテロシクリルである式(I)の化合物を提供する。Rは、酸素含有ヘテロシクリル基、窒素含有ヘテロシクリル基、若しくは硫黄含有ヘテロシクリル基、又は2個以上の酸素、窒素、及び硫黄原子の組合せを含むヘテロシクリル基から選択され得る。例には、オキシラニル、チイラニル 1,3-ジアゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、テラヒドロフラニル(terahydrofuranyl)、1,3-ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチフェネイル(tetrahydrothipheneyl)、並びに1,2-及び1,3-オキサチオラニルがある。一実施形態において、RがC3~5ヘテロシクリルである場合、RはHである。
一実施形態において、本発明は、RとRがどちらも同じである式(I)の化合物を提供する。例えば、RとRは、どちらもHであり得るか、又はRとRはどちらもC1~6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、又はブチル)であり得る。
一実施形態において、本発明は、RとRが、それらが結合している窒素と共にヘテロシクリル基を形成する式(I)の化合物を提供する。
好ましくは、RとRは、それらが結合している窒素と共にモルホリノ基を形成する。
別の好ましい形態において、RとRは、それらが結合している窒素と共に、4~8個の炭素原子を含むN-ヘテロシクリル基を形成する。
一実施形態において、Rは、ハロ及びCHから選択される。
一実施形態において、RはCHである。
一実施形態において、Rは、F、Cl、Br、又はIである。
好ましくは、RはFである。
一実施形態において、Rは、C0~3アルキルC3~12シクロアルキルである。
一実施形態において、Rは、C0~3アルキルC3~12シクロアルキルであって、C3~12シクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルから選択されるC0~3アルキルC3~12シクロアルキルである。
好ましい形態において、RはC3~12シクロアルキルである。より好ましくは、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルから選択される。
一実施形態において、Rは、C1~2アルキルC3~12シクロアルキルである。Rは、CアルキルC3~12シクロアルキルであり得る。C3~12シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルから選択され得る。
好ましい形態において、RがC0~3アルキルC3~12シクロアルキルである場合、C3~12シクロアルキル基は架橋部分である。より好ましくは、Rは、アダマンチル、ノルボルニル、及びスピロシクロアルキル部分からなる群から選択される。
一実施形態において、RはC1~12アルキルである。Rは、メチル、エチル、プロピル、又はブチル基であり得る。
一実施形態において、RはC0~10アルキルCアリールである。
一実施形態において、RはC1~6アルキルOC1~6アルキルCアリールである。
一実施形態において、RはC0~6アルキルヘテロアリールである。
一実施形態において、RはC0~6アルキルヘテロシクリルである。Rはスピロヘテロアルキル部分であり得る。
好ましくは、Rは、3-アゼチジニル、3-ピロロジニル(pyrrolodinyl)、又は4-ピペリジルである。
好ましくは、RがC0~6アルキルヘテロシクリルであり、且つ窒素原子を含む場合、ヘテロシクリルの窒素は基Rにより置換されており、ここで、Rは、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、C0~10アルキルCアリール、C1~6アルキルOC1~6アルキルCアリール、C0~6アルキルヘテロアリール、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択される。
一実施形態において、Rは、C1~12アルキル及びC0~10アルキルCアリールから選択される。一実施形態において、C0~10アルキルCアリール基はC1~6アルキルCアリールである。
好ましくは、RはC0~3アルキルC3~12シクロアルキルである。
より好ましくは、Rは、C3~12シクロアルキル又はC0~6アルキルヘテロシクリルである。
別の好ましい形態において、Rは架橋部分である。より好ましくは、Rは、アダマンチル、ノルボルニル、及びスピロシクロアルキル又はスピロヘテロアルキル部分からなる群から選択される。
一実施形態において、R、R、R、及びRは、OH、C1~6アルコキシ、ハロ、アミノ、メルカプト、及びC1~6アルキルから選択される1個以上の基により任意選択で置換されている。
本発明は、式(Ia):
(式中:
及びR
(i)H、C1~6アルキル、C2~6アルキニル、Cアリール、及びC3~5ヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立に選択されるか;又は
(ii)RとRは、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル基を形成し;
は、F、Cl、Br、I、及びCHからなる群から選択され;
は、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択され;
ここで、R、R、R、及びRのそれぞれは任意選択で置換されている)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体にも関する。
一実施形態において、本発明は、化合物が図8中の化合物のリストから選択されないという条件で、式(Ia)の化合物を提供する。
一実施形態において、本発明は、RがHでない式(Ia)の化合物を提供する。
一実施形態において、本発明は、RがC1~3アルキルである式(Ia)の化合物を提供する。Rは、ヒドロキシルにより置換されているC1~3アルキルであり得る。
一実施形態において、本発明は、RがC1~3アルキルであり、且つRがHである式(Ia)の化合物を提供する。
一実施形態において、本発明は、RがC2~6アルキニルである式(Ia)の化合物を提供する。Rは、Cアルキニル、Cアルキニル、及びCアルキニルから選択され得る。一実施形態において、RがC2~6アルキニルである場合、RはHである。
一実施形態において、本発明は、RがCアリールである式(Ia)の化合物を提供する。一実施形態において、RがCアリールである場合、RはHである。
一実施形態において、本発明は、RがC3~6シクロアルキルである式(Ia)の化合物を提供する。Rは、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルから選択され得る。一実施形態において、RがC3~6シクロアルキルである場合、RはHである。
一実施形態において、本発明は、RがC3~5ヘテロシクリルである、式(Ia)の
化合物を提供する。Rは、酸素含有ヘテロシクリル基、窒素含有ヘテロシクリル基、若しくは硫黄含有ヘテロシクリル基、又は2個以上の酸素、窒素、及び硫黄原子の組合せを含むヘテロシクリル基から選択され得る。例には、オキシラニル、チイラニル 1,3-ジアゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、テラヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチフェネイル、並びに1,2-及び1,3-オキサチオラニルがある。一実施形態において、RがC3~5ヘテロシクリルである場合、RはHである。
一実施形態において、本発明は、RとRがどちらも同じである式(Ia)の化合物を提供する。例えば、RとRはどちらもHであり得るか、又はRとRはどちらもC1~6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、又はブチル)であり得る。
好ましくは、RとRは、それらが結合している窒素と共に、モルホリノ基を形成する。
別の好ましい形態において、RとRは、それらが結合している窒素と共に、4~8個の炭素原子を含むN-ヘテロシクリル基を形成する。
一実施形態において、本発明は、RがCHである式(Ia)の化合物を提供する。別の実施形態において、Rは、F、Cl、Br、又はIである。好ましくは、Rは、F又はClである。
一実施形態において、本発明は、RがC0~3アルキルC3~12シクロアルキルである式(Ia)の化合物を提供する。
一実施形態において、Rは、C0~3アルキルC3~12シクロアルキルであって、C3~12シクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルから選択される、C0~3アルキルC3~12シクロアルキルである。
好ましい形態において、RはC3~12シクロアルキルである。より好ましくは、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルから選択される。
一実施形態において、RはC1~2アルキルC3~12シクロアルキルである。RはCアルキルC3~12シクロアルキルであり得る。C3~12シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルから選択され得る。
好ましい形態において、RがC0~3アルキルC3~12シクロアルキルである場合、C3~12シクロアルキル基は、架橋部分である。より好ましくは、Rは、アダマンチル、ノルボルニル、及びスピロシクロアルキル部分からなる群から選択される。
一実施形態において、本発明は、RがC1~12アルキルである式(Ia)の化合物を提供する。Rは、メチル、エチル、プロピル、又はブチル基であり得る。
一実施形態において、本発明は、RがC0~6アルキルヘテロシクリルである式(Ia)の化合物を提供する。好ましくは、Rは、3-アゼチジニル、3-ピロロジニル、又は4-ピペリジルである。Rはスピロヘテロアルキル部分であり得る。
一実施形態において、RはC0~6アルキルヘテロシクリルであり、窒素原子を含む。窒素は、基Rにより置換されていてよく、ここで、Rは、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、C0~10アルキルCアリール、C1~6アルキルOC1~6アルキルCアリール、C0~6アルキルヘテロアリール、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択される。
一実施形態において、Rは、C1~12アルキル及びC0~10アルキルCアリールから選択される。一実施形態において、C0~10アルキルCアリール基はC1~6アルキルCアリールである。
一実施形態において、R、R、R、及びRは、OH、C1~6アルコキシ、ハロ、アミノ、メルカプト、及びC1~6アルキルから選択される1個以上の基により任意選択で置換されている。
本明細書では、用語「アルキル」は、1~12個又はその間の任意の範囲の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を指し、すなわち、それは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個の炭素原子を含む。アルキル基は、置換基により任意選択で置換されており、複数の置換度が許容される。本明細書での「アルキル」の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチルなどがあるが、これらに限定されない。
本明細書では、用語「C1~3アルキル」、「C1~4アルキル」、及び「C1~6アルキル」などは、それぞれ、少なくとも1、及び多くても3、4、若しくは6個、又はその間の任意の範囲の炭素原子を含む先に定義されたアルキル基を指す(例えば、2~5個の炭素原子、すなわち2、3、4又は5個の炭素原子を含むアルキル基もC1~6の範囲内である)。用語「C0~2アルキル」などが使用される場合、アルキル基は全くないことも、1又は2個の炭素原子を含むアルキル基があることもある。
用語「アルキニル」は、2~6個の炭素原子、すなわち2、3、4、5又は6個の炭素原子を含む、少なくとも部分不飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を指す。アルキニル基の具体例は、エチニル、プロピニル、ブチニル、アセチレニル、及びプロパルギル基である。好ましくは、アルキニル基は、1又は2個の三重結合を有する。三重結合は末端であってもよい。三重結合は内部であってよい。
本明細書では、用語「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、又はヨウ素(I)を指し、用語「ハロ」は、ハロゲン基、フルオロ(-F)、クロロ(-Cl)、ブロモ(-Br)、及びヨード(-I)を指す。好ましくは、「ハロ」は、フルオロ又はクロロである。
本明細書では、用語「シクロアルキル」は、非芳香族環式炭化水素環を指す。同様に、用語「C3~7シクロアルキル」は、3~7個又はその間の任意の範囲の炭素原子を有する非芳香族環式炭化水素環を指す。例えば、C3~7シクロアルキル基は、4~6(すなわち4、5又は6)個の炭素原子を含むシクロアルキル基も含むだろう。アルキル基は先に定義された通りであり、置換されていてよい。本発明に有用な例示的な「C3~7シクロアルキル」基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルがあるが、これらに限定されない。
シクロアルキル基は、任意選択で、1個以上の複素環式又はシクロアルキル環に縮合していてよい。シクロアルキル環は、環上の炭素原子のいずれかで、別のシクロアルキル又は複素環式部分により置換されて、スピロシクロアルキル又はスピロヘテロアルキル化合
物を形成することがある。
シクロアルキル基上の2個の隣接しない原子は、アルキル又はヘテロアルキル基により架橋されて、架橋系を形成することがある。好ましくは、架橋基は、長さが1~3原子である。
本明細書では、用語「複素環式」又は「ヘテロシクリル」は、飽和であり、1以上の不飽和度を有し、S、S(O)、S(O)、O、又はNから選択される1以上のヘテロ原子置換を含む非芳香族複素環を指す。用語「C3~7ヘテロシクリル」は、3~7個の炭素原子(すなわち3、4、5、6又は7個の炭素原子)を有し、本明細書で言及される1以上のヘテロ原子置換を含む非芳香族環式炭化水素環を指す。複素環式部分は置換されていてよく、複数の置換度が許容される。用語「C3~7ヘテロシクリル」は、C4~5、C5~7、C6~7、C4~7、C4~6、及びC5~6炭素原子を含むヘテロシクリル基も含む。好ましくは、複素環は、4~6個の炭素原子及び1又は2個のヘテロ原子を含む。より好ましくは、複素環は、5個の炭素原子及び1個のヘテロ原子、又は4個の炭素原子及び2個のヘテロ原子置換、又は5個の炭素原子及び1個のヘテロ原子を含む。そのような環は、任意選択で、1個以上の他の「複素環式」環又はシクロアルキル環に縮合していてよい。「複素環式」部分の例には、テトラヒドロフラン、ピラン、オキセタン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、ピペラジン、N-メチルピペラジニル、2,4-ピペラジンジオン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオフェンなどがあるが、これらに限定されない。
複素環基は、環上の炭素のいずれかで別の複素環式又はシクロアルキル部分により置換されて、スピロシクロアルキル又はスピロヘテロアルキル化合物を形成することがある。
複素環基上の2個の隣接しない原子は、さらに、アルキル又はヘテロアルキル基により架橋されて、架橋系を形成することがある。好ましくは、架橋基は、長さが1~3原子である。
置換複素環基の例として、用語「C0~2アルキルC3~7ヘテロシクリル」は、化合物と複素環との間のリンカーとしてアルキル基を全く含まないか、又は化合物と複素環との間のリンカーとして1若しくは2個の炭素原子を含むアルキル基を含むヘテロシクリル基(すなわち、複素環、-CH-複素環、又は-CHCH-複素環)を含む。これらの複素環はさらに置換されていてよい。
置換シクロアルキル及びヘテロシクリル基は、以下に記載される好適な置換基により置換されていてよい。
本明細書では、用語「アリール」は、任意選択で置換されているベンゼン環又は1個以上の任意選択で置換されているベンゼン環に縮合して、例えば、アントラセン、フェナントレン、又はナフタレン環系を形成する任意選択で置換されているベンゼン環系を指す。「アリール」基の例には、フェニル、2-ナフチル、1-ナフチル、ビフェニル、並びにこれらの置換された誘導体があるが、これらに限定されない。好ましいアリール基には、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、ヘテロアリール基がある。
本明細書では、用語「ヘテロアリール」は、単環式の5員、6員、若しくは7員の芳香環、又は少なくとも1個の単環式5員、6員、若しくは7員の芳香環を含む縮合二環式若しくは三環式芳香環系を指す。これらのヘテロアリール環は、1個以上の窒素、硫黄、及び/又は酸素ヘテロ原子を含み、ここで、N-オキシド並びに硫黄オキシド及びジオキシ
ドが許容できるヘテロ原子置換であり、3個までのメンバーにより任意選択で置換されていてよい。本明細書で使用される「ヘテロアリール」基の例には、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキソ-ピリジル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジル(pyridazyl)、ピラジニル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、及びこれらの置換された異形がある。
本明細書での「置換基」は、対象とする分子内の原子に共有結合している、分子部分を指す。例えば、「環置換基」は、環員である原子、好ましくは炭素又は窒素原子に共有結合しているハロゲン、アルキル基、又は本明細書に記載される他の置換基などの部分であり得る。本明細書での用語「置換されている」は、指定された原子上の1個以上の水素が、示される置換基から選ばれたものにより置き換えられていることを意味するが、但し、指定された原子の正常な原子価を超えず、置換により、安定な化合物、すなわち、生物学的活性のための単離、特性化、及び試験が可能である化合物が生じることを条件とする。
本明細書全体で使用される用語「任意選択で置換されている」又は「置換されていてよい」などは、基が、1個以上の水素でない置換基によりさらに置換されていてもいなくてもよく、又は縮合されて(多環式系を形成して)いてもよいことを示す。特定の官能基に対する好適な化学的に実行可能な置換基は当業者に明らかであろう。
置換基の例には、下記があるが、これらに限定されない:C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、C1~6ヒドロキシアルキル、C3~7ヘテロシクリル、C3~7シクロアルキル、C1~6アルコキシ、C1~6アルキルスルファニル、C1~6アルキルスルフェニル、C1~6アルキルスルホニル、C1~6アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホノアミノ(arylsulfonoamino)、アルキルカルボキシ、アルキルカルボキシアミド、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アシル、カルボキシ、カルバモイル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アミノスルホニル、アロイル、アロイルアミノ、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、ウレイド、又はC1~6ペルフルオロアルキル。一実施形態において、環式又は複素環式置換基は、環式又は複素環基が置換されている部分中の炭素と共に、スピロシクロアルキル又はスピロヘテロアルキル置換基を形成していることがある。別の実施形態において、環式又は複素環式置換基は架橋していることがある。
これらの基のいずれも、適切な場合、上述の基のいずれによりさらに置換されていてもよい。例えば、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノ、C1~6アルコキシなど。
式(I)及び(Ia)の化合物の塩は、好ましくは薬学的に許容できるものであるが、薬学的に許容できない塩も、薬学的に許容できる塩の調製において中間体として有用であるため、やはり本開示の範囲内にあることが認識されるだろう。
用語「薬学的に許容できる」は、対象への投与時に、式(I)の化合物若しくは式(Ia)の化合物、又はその活性代謝物若しくは残基を(直接又は間接に)提供することが可能である、あらゆる薬学的に許容できる塩、水和物若しくはプロドラッグ、又はあらゆる他の化合物を示すように使用され得る。
好適な薬学的に許容できる塩には、薬学的に許容できる無機酸、例えば、塩化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸、及び臭化水素酸などの塩、又は薬学的に許容できる有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒ
ドロキシマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、粘液酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸、及び吉草酸などの塩があるが、これらに限定されない。
塩基塩には、薬学的に許容できるカチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウムなどにより形成されるもの、トリエチルアミンから形成される塩などのアルキルアンモニウム、エタノールアミンにより形成されるものなどのアルコキシアンモニウム、及びエチレンジアミン、コリン又はアルギニン、リシン、若しくはヒスチジンなどのアミノ酸から形成される塩があるが、これらに限定されない。薬学的に許容できる塩の種類及びそれらの形成に関する全般的な情報は当業者に公知であり、“Handbook of Pharmaceutical salts” P.H.Stahl,C.G.Wermuth,1st edition,2002,Wiley-VCHなどの一般的な図書に記載されている通りである。
塩基性の窒素含有基は、低級アルキルハライド、例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、及び塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、及び臭化ブチル、並びにヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、及びヨウ化ブチル;硫酸ジアルキル、例えば、硫酸ジメチル及び硫酸ジエチル;及び他のものなどの作用物質により四級化され得る。
プロドラッグは、アミノ酸残基、又は2個以上の(例えば、2、3、又は4個の)アミノ酸残基のポリペプチド鎖が、式(I)又は(Ia)の化合物の遊離のアミノ及び/又はアミド基に共有結合している化合物を含む。アミノ酸残基は、通常3文字の記号で表される20種の天然に存在するアミノ酸を含み、4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、デモシン(demosine)、イソデモシン(isodemosine)、3-メチルヒスチジン、ノルブリン(norvlin)、β-アラニン、γ-アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、及びメチオニンスルホンも含む。プロドラッグは、カーボネート、カルバマート、アミド、及びアルキルエステルが、カルボニル炭素プロドラッグ側鎖により、式(I)又は式(Ia)の上記置換基に共有結合している化合物も含む。プロドラッグは、共有結合の不可逆的及び可逆的阻害剤を含み得る。
固体である化合物の場合、本発明の化合物、薬剤、及び塩が、異なる結晶形又は多形体の形態で存在し得ることが当業者により理解されるだろうが、それらは全て、本発明及び明示された式の範囲内にあることが意図される。
用語「多形体」は、無水形態、水和形態、溶媒和物形態、及び混合した溶媒和物形態など、式(I)又は式(Ia)の化合物のあらゆる結晶形を含む。
さらに別の態様において、式(I)による化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体、及び薬学的に許容できる賦形剤を含む組成物が提供される。
さらに別の態様において、式(Ia)による化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体、及び薬学的に許容できる賦形剤を含む組成物が提供される。
適切な用量レベルは、一般的に、患者体重のkgあたり1日あたり約0.01~500mgだろうが、それは、単回投与でも、反復投与でも投与できる。好ましくは、用量レベルは、1日あたり約0.1~約250mg/kg;より好ましくは1日あたり約0.5~約100mg/kgだろう。好適な用量レベルは、1日あたり約0.01~250mg/
kg、1日あたり約0.05~100mg/kg、又は1日あたり約0.1~50mg/kgであり得る。この範囲内で、用量は、1日あたり、0.05~0.5、0.5~5、又は5~50mg/kgであり得る。経口投与のために、組成物は、治療される患者への症状による用量の調整のために、好ましくは1.0~1000ミリグラムの有効成分、特に、1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、及び1000.0ミリグラムの有効成分を含む錠剤の形態で提供される。化合物は、1日あたり1~4回、好ましくは1日あたり1回又は2回のレジメンで投与され得る。しかし、特定の患者にとっての具体的な用量レベル及び用量の頻度が様々であり得て、利用される具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与の様式及び時間、***速度、薬物組み合わせ、特定の病態の重症度、並びに療法を受けている宿主を含む種々の因子によることが理解されるだろう。組成物中の本発明の化合物の量は、組成物中の特定の化合物にもよるだろう。
吸入製品の場合、典型的な吸入投与量は、他の投薬形態より低く、単回の吸入で1マイクログラムから始まり1000マイクログラムへと増加する。好ましい形態において、投与量は、1回の吸入あたり25マイクログラム~250マイクログラムの範囲である。別の好ましい形態において、用量は、1回の吸入あたり500~1000マイクログラムの範囲である。別の形態において、用量は、1回の吸入あたり、1、2.5、10.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、及び1000.0マイクログラム又はその間でこれらの値の2つを含む任意の範囲からなる群から選択される。医薬品は、1日あたり1回の吸入であり得て、又は1日あたり2回の吸入を4回まで増加し得る。
医薬組成物は、開示された障害又は病態の治療に通常適用される、他の治療活性のある化合物をさらに含み得る。併用療法に使用するための適切な薬剤の選択は、従来の製薬の原則に従って当業者によりなされ得る。治療剤の組合せは、相乗的に作用して、本明細書に開示される種々の障害又は病態の治療又は予防をもたらし得る。この手法を利用して、各薬剤のより低い用量により治療効能を得て、有害な副作用の可能性を減少させることができる。
本発明の化合物及び組成物は、例えば、外用(例えば、経皮又は眼)、肺、経口、頬側、鼻腔内、膣内、直腸、又は非経口投与を含む任意の適切な投与経路のために製剤され得る。本明細書での非経口という用語は、皮下、皮内、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、脊髄内、頭蓋内、髄腔内、眼内、眼球周囲、眼窩内、関節滑液嚢内、及び腹腔内注射、並びにあらゆる類似の注射又は注入技法を含む。特定の実施形態において、経口使用又は非経口使用に好適な形態の組成物が好ましい。好適な経口形態には、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性若しくは油性の懸濁剤、分散性散剤若しくは顆粒剤、乳剤、ハード若しくはソフトカプセル、又はシロップ剤若しくはエリキシル剤がある。さらに他の実施形態の中で、本明細書に提供される組成物は、凍結乾燥品として製剤され得る。
好ましい形態において、組成物は、気道への投与に好適である。別の形態において、組成物は経口投与に好適である。
種々の用量単位は、それぞれ好ましくは、別個の用量の錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、糖衣錠、ガム、又は他の種類の固体製剤として提供される。カプセル剤は、粉末、液体、又はゲルを封入し得る。固体製剤は、飲み込むことができ、又は吸込み型(suckable)若しくは咀嚼型(砕けやすい又はゴム状のいずれか)であり得る。本発明は、ブ
リスターパック以外の用量単位保持装置;例えば、ボトル、チューブ、キャニスター、パケットなどの包装を企図する。用量単位は、医薬製剤の慣行において周知である従来の賦形剤、例えば、結合剤、ゲル化剤、充填剤、打錠滑沢剤、崩壊剤、界面活性剤、及び着色剤を;吸込み型又は咀嚼製剤のために、さらに含み得る。
経口使用向け組成物は、訴求力があり味のよい調合物を提供するために、甘味剤、着香剤、着色剤、及び/又は保存剤などの1種以上の成分をさらに含み得る。錠剤は、有効成分を、錠剤の製剤に好適である生理的に許容できる賦形剤と混合されて含む。そのような賦形剤には、例えば、不活性な希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム、造粒剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルギン酸など、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、又はアラビアゴム、並びに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクがある。錠剤は被覆されないことも、公知の技法により被覆されて、消化管内の崩壊及び吸収を遅延させ、それにより長期間にわたる持続作用を提供することもある。例えば、グリセリルモノステレート(monosterate)又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質(time delay material)が利用され得る。
経口使用のための製剤は、有効成分が、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンなどの不活性な固体希釈剤と混合されているハードゼラチンカプセルとしても、有効成分が、水又は油媒体、例えば、落花生油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油と混合されているソフトゼラチンカプセルとしても呈され得る。
水性懸濁剤は、有効成分を、水性懸濁剤の製造に好適な賦形剤と混合されて含む。そのような賦形剤には、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、及びアラビアゴム、並びに分散剤又は湿潤剤、例えば、天然のリン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレートなど、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノールなど、エチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなど、又はエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートなどがある。水性懸濁剤は、1種以上の保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチル又はn-プロピル、1種以上の着色剤、1種以上の着香剤、及び1種以上の甘味剤、例えばスクロース又はサッカリンなども含み得る。
油性の懸濁剤は、有効成分を、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、若しくはヤシ油などの植物油に、又は流動パラフィンなどの鉱油に懸濁させることにより製剤され得る。油性の懸濁剤は、蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールなどの増粘剤を含み得る。上述のものなどの甘味剤及び/又は着香剤を加えて、味のよい経口調合物が提供され得る。そのような懸濁剤は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により保存され得る。
水の添加による水性懸濁剤の調製に好適な分散性の散剤及び顆粒剤は、有効成分を、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存剤と混合されて提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、既に上記で言及されたものにより例示される。甘味剤、着香剤、及び着色剤などの追加の賦形剤も存在してよい。
医薬組成物は、水中油型乳剤の形態でもあり得る。油相は、オリーブ油又は落花生油などの植物油でも、流動パラフィンなどの鉱油でも、これらの混合物でもよい。好適な乳化剤には、アラビアゴム又はトラガカントゴムなどの天然のゴム、大豆レシチンなどの天然
のリン脂質、及び脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されたエステル又は部分エステル、例えばソルビタンモンオレエート(monoleate)など、及び脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルと、エチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモンオレエートなどがある。乳剤は、1種以上の甘味剤及び/又は着香剤も含み得る。
シロップ剤及びエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はスクロースなどの甘味剤と共に製剤され得る。そのような製剤は、1種以上の粘滑剤、保存剤、着香剤、及び/又は着色剤も含み得る。
本発明の組成物は、皮膚への外用適用など、局所又は外用投与用に製剤できる。外用投与用の製剤は、典型的には、活性薬剤と組み合わされた外用ビヒクルを、追加の任意選択の成分と共に、又はなしに含む。
好適な外用ビヒクル及び追加の成分は当技術分野に周知であり、ビヒクルの選択が特定の物理的形態及び送達様式によることが明らかだろう。外用ビヒクルには、有機溶媒、例えば、アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、又はグリセリン)、グリコール、例えばブチレン、イソプレン、又はプロピレングリコール、脂肪族アルコール、例えばラノリン、水と有機溶媒の混合物並びにアルコール及びグリセリンなどの有機溶媒の混合物、脂質系の物質、例えば脂肪酸、鉱油などの油及び天然又は合成による脂を含むアシルグリセロール、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、及び蝋、タンパク質系の物質、例えばコラーゲン及びゼラチン、シリコーン系物質(非揮発性と揮発性の両方)、及び炭化水素系物質、例えばマイクロスポンジ及びポリマーマトリックスがある。
組成物は、適用される製剤の安定性又は有効性を改善するために適合された1種以上の成分、例えば、安定剤、懸濁化剤、乳化剤、粘度調整剤、ゲル化剤、保存剤、酸化防止剤、皮膚浸透促進剤、保湿剤、及び持続放出材料をさらに含み得る。そのような成分の例は、Martindale-The Extra Pharmacopoeia(Pharmaceutical Press,London 1993)及びMartin(ed.),Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。製剤は、マイクロカプセル、例えば、ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル、リポソーム、アルブミンマイクロスフィア、マイクロエマルション、ナノ粒子、又はナノカプセルを含み得る。
外用製剤は、例えば、固体、ペースト、クリーム、フォーム、ローション、ゲル、粉末、水性液体、エマルション、スプレー、及び皮膚パッチを含む種々の物理的形態で調製できる。そのような形態の物理的外観及び粘度は、製剤に存在する乳化剤及び粘度調整剤の存在及び量により制御できる。固体は、一般に、堅く、流れず、通常バー若しくはスティックとして、又は微粒子形態で製剤される。固体は、不透明でも透明でもあり得るが、任意選択で溶媒、乳化剤、保湿剤、軟化剤、香料、染料/着色剤、保存剤、及び最終製品の効能を増加又は増大させる他の有効成分を含んでよい。クリーム剤とローション剤は多くの場合互いに類似であり、主にその粘度が異なる。ローション剤とクリーム剤はどちらも、不透明でも、半透明でも、透明でもあり得て、多くの場合、乳化剤、溶媒、及び粘度調整剤、並びに保湿剤、軟化剤、香料、染料/着色剤、保存剤、及び最終製品の効能を増加又は増大させる他の有効成分を含む。ゲル剤は、濃厚又は高粘度から希薄又は低粘度まで様々な粘度で調製できる。これらの製剤は、ローション剤及びクリーム剤と同様に、溶媒、乳化剤、保湿剤、軟化剤、香料、染料/着色剤、保存剤、及び最終製品の効能を増加又は増大させる他の有効成分を含み得る。液剤は、クリーム剤、ローション剤、又はゲル剤より薄く、多くの場合、乳化剤を含まない。液体外用製品は、多くの場合、溶媒、乳化剤、保湿剤、軟化剤、香料、染料/着色剤、保存剤、及び最終製品の効能を増加又は増大さ
せる他の有効成分を含む。
外用製剤に使用するための乳化剤には、イオン性乳化剤、セテアリルアルコール、非イオン性乳化剤、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ステアリン酸PEG-40、セテアレス-12、セテアレス-20、セテアレス-30、セテアレスアルコール、ステアリン酸PEG-100、及びステアリン酸グリセリルなどがあるが、これらに限定されない。好適な粘度調整剤には、保護コロイド又は非イオン性ゴム、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、シリカ、マイクロクリスタリンワックス、蜜蝋、パラフィン、及びパルミチン酸セチルがあるが、これらに限定されない。ゲル組成物は、ゲル化剤、例えば、キトサン、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリクオタニウム、ヒドロキシエチルセイルロース(ceilulose)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、又はアンモニア化グリチルリチン酸(ammoniated
glycyrrhizinate)の添加により形成され得る。好適な界面活性剤には、非イオン性、両性、イオン性、及びアニオン性界面活性剤があるが、これらに限定されない。例えば、ジメチコンコポリオール、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ラウラミドDEA、コカミドDEA、及びコカミドMEA、オレイルベタイン、コカミドプロピルホスファチジルPG-ジモニウムクロリド、及びラウレス硫酸アンモニウムの1種以上が、外用製剤内に使用され得る。
保存剤には、抗微生物剤、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸、安息香酸、及びホルムアルデヒド、並びに物理的安定剤(physical stabilier)及び酸化防止剤、例えば、ビタミンE、アスコルビン酸ナトリウム/アスコルビン酸、及び没食子酸プロピルがあるが、これらに限定されない。好適な保湿剤には、乳酸及び他のヒドロキシ酸並びにそれらの塩、グリセリン、プロピレングリコール、及びブチレングリコールがあるが、これらに限定されない。好適な軟化剤には、ラノリンアルコール、ラノリン、ラノリン誘導体、コレステロール、ペトロラタム、ネオペンタン酸イソステアリル、及び鉱油がある。好適な香料及び着色剤には、FD&C Red No.40及びFD&C Yellow No.5があるが、これらに限定されない。外用製剤に含めることができる他の好適な追加成分には、研磨剤、吸収剤、固化防止剤、消泡剤、帯電防止剤、収れん剤(アメリカマンサク由来のエキスなど)、アルコール及びカモミールエキスなどのハーブエキス、結合剤/賦形剤、緩衝剤、キレート剤、被膜形成剤、品質改良剤(conditioning agents)、噴射剤、乳白剤、pH調整剤、及び保護剤があるが、これらに限定されない。
外用組成物の典型的な送達様式には、指を使用する塗布、物理的な塗布具、例えば、布、ティッシュペーパー、綿棒、棒、又はブラシを使用する塗布、ミスト、エアゾールを含む噴霧又は泡の噴霧、点滴器適用、散布、浸漬、及びすすぎがある。制御放出ビヒクルも使用でき、組成物は経皮投与のために(例えば、経皮パッチとして)製剤され得る。
医薬組成物は、投与後に調節物質の緩徐放出をもたらすカプセルなどの徐放性製剤として製剤され得る。そのような製剤は、一般的に、周知の技術を利用して調製され、例えば、経口、直腸若しくは皮下移植により、又は所望の標的部位での移植により投与され得る。そのような製剤内で使用するための担体は生体適合性であり、生分解性でもあり得る。好ましくは、製剤は、比較的一定のレベルの調節物質放出を与える。徐放性製剤内に含まれる調節物質の量は、例えば、移植の部位、放出の速度及び予測される継続期間、並びに治療又は予防すべき障害の性質による。
医薬組成物は、スプレー、ミスト、又はエアゾールを含む吸入製剤として製剤され得る。例えば、気道への投与のために。これは、呼吸器疾患、本明細書に記載される線維症を
含む気道又は肺の病態の治療のために、特に好ましくなり得る。吸入製剤は、上気道(鼻腔、咽頭、及び喉頭を含む)及び下気道(気管、気管支、及び肺を含む)への適用のためであり得る。吸入製剤では、本明細書に提供される組成物又は組合せは、当業者に公知であるあらゆる吸入方法により送達され得る。そのような吸入方法及び装置には、HFAなどの噴射剤又は生理学的及び環境的に許容できる噴射剤を使用する定量吸入器があるが、これらに限定されない。他の好適な装置は、呼吸作動型(breath operated)吸入器、多用量ドライパウダー吸入器、及びエアゾールネブライザーである。主題の方法に使用するためのエアゾール製剤は、典型的には、噴射剤、界面活性剤、及び共溶媒を含み、好適な定量バルブにより閉鎖される従来のエアゾール容器に充填され得る。適用が上気道(鼻腔、咽頭、及び喉頭を含む)に対するものか、又は下気道(気管、気管支、及び肺を含む)に対するものかによって、異なる装置及び賦形剤を使用でき、当業者により決定され得る。さらに、ドライパウダー吸入器などの吸入器に使用するための、本明細書に記載される化合物の調合物の微粒子化及びナノ粒子形成のプロセスも当業者により知られている。
吸入剤組成物は、噴霧化及び気管支内使用に好適である有効成分を含む液体又は粉末化組成物を含むことも、計量された投与量を吐出するエアゾールユニットにより投与されるエアゾール組成物を含むこともある。好適な液体組成物は、有効成分を、水性の薬学的に許容できる吸入剤溶媒、例えば等張性食塩水又は静菌水中に含む。液剤は、ポンプ若しくは圧搾駆動型(squeeze-actuated)噴霧スプレーディスペンサーにより、又は必要な用量の液体組成物を患者の肺に吸入させるか、若しくはそれを可能にする任意の他の従来の手段により投与される。例えば点鼻スプレーとして、又は点鼻剤としての投与のための、担体が液体である好適な製剤は、有効成分の水性又は油性の溶液を含む。吸入薬物送達装置の例は、Ibrahim et al.Medical Devices:Evidence and Research 2015:8 131-139に記載されており、本発明での使用のために企図される。
別の態様において、呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患を治療又は予防する方法であって、対象に、治療上有効な量の式(I)の化合物又はその塩、溶媒和物、エナンチオマー、プロドラッグ、若しくは多形体を投与し、それにより対象の呼吸器疾患を治療又は予防することを含む方法が提供される。
呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患の治療又は予防に使用するための式(I)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体がさらに提供される。
呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患の治療又は予防のための医薬品の調製における、式(I)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体の使用も記載される。
別の態様において、呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患を治療又は予防する方法であって、対象に、治療上有効な量の式(Ia)の化合物又はその塩、溶媒和物、エナンチオマー、プロドラッグ、若しくは多形体を投与し、それにより対象の呼吸器疾患を治療又は予防することを含む方法が提供される。
呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患の治療又は予防に使用するための式(Ia)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体がさらに提供される。
呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患の治療又は予防のための医薬
品の調製における、式(Ia)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体の使用も記載される。
本明細書では、「予防すること(preventing)」又は「予防(prevention)」は、少なくとも、疾患又は障害を得るリスクの可能性(又はそれに対する感受性)の減少(すなわち、疾患に曝露され得るか、又はその素因があり得るが、疾患の症状をまだ経験しておらず、示してもいない患者に、疾患の臨床症状の少なくとも1つが起こらないようにすること)を指すものとする。そのような患者を特定するための生物学的及び生理学的パラメーターは本明細書に提供され、医師には周知されている。
対象の「治療(treatment)」又は「治療すること(treating)」という用語は、疾患若しくは病態、疾患若しくは病態の症状、又は疾患若しくは病態のリスク(若しくはそれに対する感受性)を遅延させ、緩徐化し、安定化し、治癒し、癒やし、緩和し、軽減し、変更し、治療し、少なくし、悪化させ、寛解させ、改善し、又は影響を与える目的での、本発明の化合物の対象への適用又は投与(又は、本発明の化合物の、対象由来の細胞又は組織への適用又は投与)を含む。用語「治療すること」は、軽減などのあらゆる客観的若しくは自覚的なパラメーター;寛解;悪化の速度の減少;疾患の重症度の減少;安定化、症状の漸減若しくは創傷、病状、若しくは病態を対象にとってより許容できるものにすること;変性若しくは低下の速度の緩徐化;変性の最終点を衰弱性の弱いものにすること;又は対象の肉体的若しくは精神的健康を改善することを含む、創傷、病状、又は病態の治療又は改善の成功のあらゆる表れを指す。
本明細書での用語「拮抗すること(antagonizing)」は、「減少させること(decreasing)」又は「低減させること(reducing)」を意味するものとする。充分な期間は、1週間の間、又は1週間と1か月の間、又は1~2か月、又は2か月以上であり得る。慢性病態では、本発明の化合物は、好都合には、生涯投与され得る。
用語「呼吸の(respiratory)」は、鼻、喉、喉頭、気管、気管支、及び肺を含む体組織により酸素が体内に取り入れられ二酸化炭素が排出されるプロセスを指す。
用語「呼吸器疾患(respiratory disease)」又は「呼吸器の病態(respiratory condition)」は、上気道(鼻腔、咽頭、及び喉頭を含む)及び下気道(気管、気管支、及び肺を含む)を含む呼吸器系の構成要素を冒す炎症及び/又は組織リモデリングを含み得るいくつかの疾患のいずれか1つを指す。そのような疾患には、肺線維症(間質性肺疾患)、鼻副鼻腔炎、インフルエンザ、サルコイドーシス、気管支癌(肺の非小細胞及び小細胞癌、並びに他の器官の腫瘍からの肺転移を含むがこれらに限定されない)、珪肺症、塵肺症、急性肺損傷、人工呼吸関連(ventilation-induced)肺損傷、先天性肺気腫、気管支肺異形成症、気管支拡張症、無気肺、鼻ポリープ、アスベスト症、中皮腫、肺好酸球増加症、びまん性肺出血症候群(diffuse pulmonary haemorrhage syndromes)、閉塞性細気管支炎、肺胞蛋白症、肺を冒すコラーゲン及び血管の障害、並びに咳がある。好ましくは、呼吸器疾患は、閉塞性気道疾患であり、そのような疾患には、喘息性病態、例えば、花粉症、アレルゲン誘発性喘息、運動誘発性喘息、汚染誘発性(pollution-induced)喘息、寒冷誘発性喘息、ストレス誘発性喘息及びウイルス誘発性喘息、肥満関連喘息、職業性喘息、雷雨喘息、喘息・COPDオーバーラップ症候群(ACOS)など、慢性閉塞性肺疾患、例えば、気流が正常な慢性気管支炎、気道閉塞を伴う慢性気管支炎(慢性閉塞性気管支炎)、肺気腫、喘息性気管支炎、及び水疱性疾患、並びに炎症を含む他の肺疾患、例えば、嚢胞性線維症、鳩飼い病、農夫肺症、急性呼吸窮迫症候群、真菌、ウイルス、細菌、混合、又は未知の病因の肺炎、吸引又は吸入の創傷、
肺の脂肪塞栓症、肺のアシドーシス炎症(acidosis inflammation)、急性肺浮腫、急性高山病、心臓手術後(post-cardiac surgery)、急性肺高血圧、新生児の持続性肺高血圧、周生期吸引症候群、ヒアリン膜症、急性肺血栓塞栓症、ヘパリン-プロタミン反応、敗血症、喘息発作重積状態、及び低酸素症がある。上気道及び下気道の炎症は、ウイルス感染又はアレルゲンと関連することも、それにより起こされることもある。単独又はグルココルチコイドと共投与される化合物の抗炎症活性が、これらの疾患又は病態の治療に特に好適であろうということが予測される。
呼吸器の疾患又は病態は、イエダニなどのアレルゲンと関連することも、それにより起こされることもある。呼吸器の疾患又は病態は、アレルゲン誘発性炎症の結果であり得る。本発明は、気道又は肺のアレルギー性疾患及びウイルス感染(例えば、RSV感染)から生じる増悪など、その疾患の増悪に特に応用される。
呼吸器疾患の症状は、咳、過剰な痰産生、息切れの感覚、又は聞きとれる喘鳴を伴う胸苦しさを含み得る。運動能力は非常に制限され得る。喘息では、体重、身長、及び年齢に基づいて図表から予測されるもののパーセンテージとしてのFEV1.0(1秒間努力呼気容量)は、努力呼気における最大呼気流量と同様に減少し得る。COPDでは、努力肺活量(FVC)の比としてのFEV1.0は、典型的には0.7未満に減少する。IPFでは、FVCの進行性の低下がある。これらの状態のそれぞれの影響は、出勤/通学できない日々(days of lost work/school)、睡眠の障害、気管支拡張剤の必要性、経口グルココルチコイドを含むグルココルチコイドの必要性によっても測定され得る。これらの状態の影響のさらなる尺度は、実証された健康関連の生活の質測定値を含む。X線、高分解能コンピューター断層撮影、磁気共鳴画像法、陽電子放出断層撮影、超音波、光干渉断層撮影法、及び蛍光透視法を含むがこれらに限定されない医療用イメージング処置を利用して、疾患及び治療的な反応を評価することもできる。
呼吸器疾患の存在、その改善、その治療又は予防は、対象又はそれから得られる生検材料の、あらゆる臨床的又は生化学的に関連する方法によることがある。例えば、測定されるパラメーターは、肺機能の存在又は程度、閉塞の徴候及び症状;運動耐性;夜間覚醒;通学又は出勤できない日;気管支拡張剤の使用;ICS投与量;経口GC使用;他の薬物療法の必要性;医療の必要性;入院であり得る。
本明細書では、用語「喘息」は、アレルゲン又はアレルゲンの組合せ(すなわちチリダニ及びカビ)への曝露、ウイルス又は細菌感染(すなわち感冒ウイルス)、環境汚染物質(すなわち、化学煙霧又は煙)、身体運動(すなわち運動の間)、ストレス、又は冷気の吸入により引き起こされ得る、1)気管支痙攣(すなわち、気道の筋収縮による変動性があり可逆的な気道閉塞)、2)気道被覆の炎症、及び3)気道中の過度の粘液をもたらす気管支過剰反応性を含む3種の主因のいずれか1つ又は組合せにより起こされる一時的な呼吸困難を特徴とする呼吸器疾患を指す。本明細書での用語「喘息性病態」は、その個人にとっての喘息の引き金のいずれか1つ又はいくつかへの曝露時に喘息の発作を患う個人の特性を指す。個人は、例えば、アレルゲン誘発喘息、運動誘発性喘息、汚染誘発性喘息、ウイルス誘発性喘息、又は寒冷誘発性喘息を患っていると特性化され得る。
喘息の治療の効能は、当技術分野に周知である方法、例えば、肺の機能の増加(スピロメトリー)、喘息増悪の減少、朝の最大呼気流量の増加、レスキュー薬使用の減少、日中及び夜間の喘息症状の減少、喘息発作のない日の増加、喘息増悪までの時間の増加、並びに1秒間努力呼気容量(FEV1.0)の増加により測定できる。
本明細書において互換的に使用される用語「慢性閉塞性肺疾患」及び「COPD」は、数ヶ月にわたり顕著には変化せず、従来の気管支拡張剤により戻せないか、又はわずかし
か戻せない最大呼気流量の減少及び肺の努力性の排気(forced emptying)の緩徐化を特徴とする慢性の疾患又は疾患の組合せを指す。最も普通には、COPDは、慢性気管支炎、すなわち連続した約2年の間の3か月を超える間の咳及び痰の存在と肺気腫、すなわち肺胞傷害の組合せである。しかし、COPDは、正常な気流を有する慢性気管支炎、気道閉塞を伴う慢性気管支炎(慢性閉塞性気管支炎)、肺気腫、喘息性気管支炎、及び水疱性疾患、並びにこれらの組合せを含み得る。慢性閉塞性肺疾患は、排他的ではないが通常は、タバコの煙への曝露により誘導される慢性肺傷害から生じる病態である。室内の料理による排気及び自動車の排気など、空気で運ばれる他の有害な汚染物質は、長期間にわたり、老化と同様にCOPDの危険性を生じさせるか、又は増加させ得る。
句「線維症を含む気道又は肺の病態」又は「線維性の成分を有する気道又は肺の病態」は、気道又は肺における過剰な線維性の結合組織の形成又は発生(線維症)があり、それにより瘢痕性(線維性)組織が生じるあらゆる疾患又は病態を含む。これは、肺線維症(pulmonary fibrosis)、肺線維症(lung fibrosis)、又は特発性肺線維症(IPF)などの間質性肺疾患を含む。より精密には、肺線維症は、肺の肺胞及び間質組織の腫脹及び瘢痕化を起こす慢性疾患である。瘢痕組織は健康な組織に置き換わり、炎症を起こす。肺組織に対するこの損傷が肺の硬直を起こし、それはその後に呼吸をより困難にする。肺線維症は、放射線障害からも、ブレオマイシンなどの治療剤への曝露からも生じ得る。
「特発性肺線維症(IPF)」は、間質性肺疾患の1種である特発性間質性肺炎(IIP)の具体的な発現である。間質性肺疾患、別名びまん性実質性肺疾患(DPLD)は、間質を冒す一群の肺疾患を指す。微視的には、IPF患者から得た肺組織は、通常型間質性肺炎(UIP)として知られる組織学的特徴の特有なセットを示す。したがって、UIPは、IPFの病理学的な表現である。
線維症を含む気道又は肺の病態、特に、肺線維症(pulmonary fibrosis)/肺線維症(lung fibrosis)又は特発性肺線維症の存在、その改善、その治療若しくは予防は、対象又は対象から得られた生検材料のあらゆる臨床的又は生化学的に関連する方法によることがある。例えば、FVCの低下の割合又は肺の高分解能コンピューター断層画像の様子は、IPFの診断に有用であり得る。さらに、測定されるパラメーターは、線維症の存在若しくは程度、コラーゲン、フィブロネクチン、若しくは別の細胞外マトリックスタンパク質の含量、細胞若しくは細胞中の細胞外マトリックス成分の増殖速度、又は細胞の筋線維芽細胞への分化転換であり得る。
一実施形態において、呼吸器疾患は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺疾患(特発性肺線維症など)、及び組織リモデリングに関連する他の病態、原発性又は続発性肺腫瘍、花粉症、慢性及び急性副鼻腔炎、並びに気道の慢性及び急性のウイルス、真菌、及び細菌感染から選択される。
一実施形態において、呼吸機能の改善は、肺の収縮のレベルの減少、呼吸器系の弾性スティフネスの減少、及び/又は呼吸器系の拡張しやすさの増加から選択され得る。好ましくは、改善は、肺の収縮のレベルの減少、及び呼吸器系の弾性スティフネスの減少から選択される。さらに別の態様において、式(I)による化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体、及び薬学的に許容できる賦形剤を含む組成物が提供される。
製剤の治療上有効な量は、具体的な呼吸器疾患適応症(例えば、重度の慢性喘息)の重症度、患者の病歴及び反応、並びに担当医の判断による。製剤は、患者に、一度にも、一連の治療にわたっても投与され得る。初期の候補用量が患者に投与され、適切な用量及び治療レジメンが、当業者に周知である従来の技法を利用してこの患者の進行をモニターす
ることにより確立され得る。好ましくは、活性化合物の治療上有効な濃度は、0.1nM~100μMの範囲だろう。より好ましくは、範囲は0.1~10μMだろう。しかし、吸入による送達が、気道内の細胞が上記で引用されたものを超える濃度に短期間曝されるようにし得るが、その間に(for a period of time whilst)薬物が気道表面流体で希釈されており、気道及び肺表面から吸収されてもいることが認識されるだろう。
一態様において、本発明の治療の方法は、標的疾患適応症の併用薬を投与することをさらに含む。例えば、本発明の方法と共に利用され得る付随する喘息薬物療法(慢性と急性の両方)には、下記があるが、これらに限定されない:吸入及び経口ステロイド(例えば、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、トリアムシノロン、モメタゾン);全身性コルチコステロイド(例えば、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメタゾン、及びデフラザコート);吸入又は経口β-アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、サルメテロール、ホルモテロール、ビトルテロール、ピルブテロール、ビランテロール、テルブタリン、バンブテロール、及びアルブテロール);クロモリン及びネドクロミル;抗アレルギー性オプタルミック(opthalmic)薬物療法(例えば、デキサメタゾン);ピルフェニドン及びニンテダニブを含む、トランスフォーミング成長因子-βの産生及び作用を調節する薬剤;メチルキサンチン及び他のホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、テオフィリン及びメピラミン-テオフィリンアセテート、ロフルミラスト);ロイコトリエン調節剤(例えば、ザフィルルカスト、ジロートン、モンテクラスト(montekulast)及びプランルカスト);抗コリン作用薬(例えば、イパトロピウム(ipatropium)ブロミド);任意のフォーマットの他の治療用抗体(例えば、メポリズマブなど、インターロイキン5に対する抗体、又はオマリズマブなど、IgEに対する抗体、モノクローナル形態のこれらの抗体、Fab、scFV、多価組成物、異種抗体など)、天然若しくは操作された抗体ミメティック(例えば、アンチカリン)又は天然、操作された、若しくは合成のペプチド;トロンボキサンAシンセターゼ阻害剤;トロンボキサンプロスタノイド受容体アンタゴニスト;他のエイコサノイド調節物質(例えば、アルプロスタジル対PGE、ジノプロストン対PGE、エポプロステノール対プロスタサイクリン及びPGIアナログ(例えば、PG1ベラプロスト)、セラトロダスト、ホスホジエステラーゼ4アイソエンザイム阻害剤、トロンボキサンAシンセターゼ阻害剤(例えば、オズマグレル(ozmagrel)、ダズメグレル、又はオザグレル);ダイテック(ditec)(低投与量クロモグリク酸二ナトリウム及びフェノテロール);血小板活性化因子受容体アンタゴニスト;抗ヒスタミン剤又はヒスタミンアンタゴニスト:プロメタジン、クロルフェニラミン、ロラタジン、セチラジン(cetirazine)、アゼラスチン;トロンボキサンA受容体アンタゴニスト;ブラジキニン受容体アンタゴニスト(例えば、イカチバント);活性化された好酸球及びT細胞動員を阻害する薬剤(例えば、ケトチフェン)、IL-13ブロッカー(例えば、可溶性IL-13受容体断片)、IL-4ブロッカー(例えば、可溶性IL-4受容体断片);IL-13又はIL-4に結合し、その活性を遮断するリガンド、及びキサンチン誘導体(例えば、ペントキシフィリン);ケモカイン受容体アンタゴニスト及びCRTH2受容体のアンタゴニスト。
特定の実施形態において、本発明の治療の方法は、標的タンパク質をコードする遺伝子の発現を減少させるか、阻害するか、又は予防する目的の、対象への阻害性RNA分子(RNA干渉分子)の同時の提供を含む。例えば、阻害性RNA分子は、病原体(ウイルス、細菌、真菌)又は哺乳動物細胞と関連するタンパク質、例えば、非限定的に、カゼインキナーゼ1アイソフォーム及びクロック制御ネットワーク(CLOCK regulatory network)の他の成分(例えば、ARNT1、period 1~3)及び呼吸器系における炎症反応に寄与する他のタンパク質、例えばインターロイキン-5及びNALPインフラマソームなどの1種以上の発現を減少又は阻害するために利用され得
る。
当業者は、対象の遺伝子発現に干渉する目的で、阻害性RNA分子を利用するための種々の手段をよく知っているだろう。例えば、阻害性RNA分子は、短鎖干渉RNA(siRNA)、マイクロRNAミメティック(miRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)又は長鎖二本鎖RNA分子のいずれか1つでよい。阻害性RNA分子は、治療を要する対象に(例えば、吸入、気管内、経口、若しくは鼻腔内投与により、又は非経口投与により)直接投与されることも、或いは、治療を受ける対象内で、阻害性RNA分子を形成することが可能な二本鎖RNA(dsRNA)分子をコードするポリヌクレオチド(ベクター)コンストラクトの投与の後に形成されることもある。当業者は、投与用の阻害性RNA分子を製剤するための(例えば、リポソーム、ナノ粒子などの中)当技術分野に公知である種々の方法をよく知っているだろう。本発明は、カゼインキナーゼ1の阻害剤及び上述の標的疾患適応症のための医薬品の投与であって、一方又は両方が吸入により投与されるか、又は経口投与用に製剤される投与も含む。
本発明はヒトに応用されるが、本発明は、治療のための獣医学的目的にも有用である。本発明は、畜牛、ヒツジ、ウマ、及び家禽などの飼い慣らされた動物又は家畜に;ネコ及びイヌなどの伴侶動物;並びに動物園の動物に有用である。
本明細書では、「対象」は、ヒト、サル、ウマ、乳牛、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、マウス、ニワトリを含む、哺乳類又は鳥類の種などの動物を指す。
別の態様において、本発明は、本明細書に記載される式(I)の化合物又は式(I)の化合物を含む医薬組成物を含むキット又は製造物を提供する。
他の実施形態において、本明細書に言及された治療的又は予防的な用途に使用するためのキットであって、式(I)の化合物又は式(I)の化合物を含む医薬組成物を収容する容器;及び使用のための説明がついたラベル又は添付文書を含むキットが提供される。
別の態様において、本発明は、本明細書に記載される式(Ia)の化合物又は式(Ia)の化合物を含む医薬組成物を含むキット又は製造物を提供する。
他の実施形態において、本明細書に言及される治療的又は予防的な用途に使用するためのキットであって、式(Ia)の化合物又は式(Ia)の化合物を含む医薬組成物を収容する容器;及び使用のための説明が付いたラベル又は添付文書を含むキットが提供される。
キット又は「製造物」は、容器及び容器上又は容器と関連するラベル又は添付文書を含み得る。好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、ブリスターパックなどがある。容器は、ガラス又はプラスチックなど、種々の材料から形成され得る。容器は、病態を治療するのに有効である式(I)若しくは式(Ia)の化合物又は組成物を収容し、滅菌されたアクセスポートを有し得る(例えば、容器は、静脈内液剤バッグ又は皮下注射針により貫通可能なストッパーを有するバイアルであり得る)。ラベル又は添付文書は、組成物が障害の治療のために使用されることを示す。一実施形態において、ラベル又は添付文書は、使用のための説明を含み、治療用又は予防用の組成物が本明細書に記載される障害を治療するために使用できることを示す。
キットは、(a)治療用又は予防用の組成物;及び(b)第2の有効成分又は成分を含む第2の容器を含み得る。本発明のこの実施形態におけるキットは、組成物及び他の有効成分が、障害を治療するために、又は本明細書に記載される障害から生じる合併症を予防
するために使用できることを示す添付文書をさらに含み得る。或いは、又はさらに、キットは、薬学的に許容できる緩衝液、例えば、静菌注射用水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンゲル液、及びデキストロース液を含む第2の(又は第3の)容器をさらに含み得る。それは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、ニードル、及びシリンジを含む、商業的な観点及び使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
特定の実施形態において、治療用組成物は、式(I)若しくは式(Ia)の化合物又は式(I)若しくは式(Ia)の化合物を含む治療用若しくは予防用の医薬組成物を収容する入れ物を含む、使い捨て又は再利用可能な装置の形態で提供され得る。一実施形態において、装置はシリンジである。治療用又は予防用の組成物は、すぐに使える状態であるか、又はさらなる成分の混合若しくは添加を要する状態の装置中に提供され得る。
インビトロアッセイ
新規CK1δ/ε阻害剤の活性の一次アッセイは、気道上皮細胞系BEAS-2B細胞中での遺伝子発現の調節である。アッセイを、いくつかの条件下で実施する。一般に、TGF-β又はTNF-αが、それぞれ線維形成又は炎症性の遺伝子を引き出すために使用される。薬剤を、10μMの濃度で、又は示される濃度で、30分間加えてから、TGF-β/TNF-αを添加し、それをさらに20時間インキュベートしてから、グルココルチコイドのいくつかの実験において、デキサメタゾン(Dex、30nM)を実験の最後の4時間加え、それから、細胞内RNAを採取して、RT-qPCRにより、炎症及び線維形成のマーカー遺伝子のmRNAのレベルを測定する。吸入コルチコステロイド(ICS)、ブデソニドも、いくつかの実験で使用する。さらに、上清を、インキュベーション期間の終わりに、選択された実験で収集し、(Tran et al.(2005) British Journal of Pharmacology,145,123-131)に記載の通り、ELISAによりCSF-2又はIL-8のレベルを測定する。
選択された潜在的候補を、上皮間葉転換(EMT)研究に通常利用される細胞モデルであるA549肺胞上皮細胞中でもアッセイした。薬剤を、示された濃度で、TGF-βの添加30分前に加え、それをさらに24時間インキュベートした。次いで、細胞内RNAを収集して、EMT関連遺伝子及び線維化遺伝子の制御を測定した。
図1~7及び表1~4に含まれるデータは、新規化合物SS9-010が、驚くべきことに、上皮細胞において、TGF-βに媒介される作用に対する同様に広いスペクトルの活性を有するPF670462より高い効力を示すことを示唆する。この化合物は、PF670462より高いcLogPも有する。
方法
細胞培養
A549肺胞上皮細胞(ATCC、Manasas、VA、USA)を、既に記載の通り(S.Salem,T.Harris,J.Mok Shiueh Lian,M.Yuen Sin Li,C.R.Keenan,M.J.Schuliga,and A.G.Stewart(2012),Transforming growth factor-β impairs glucocorticoid activity in
the A549 lung adenocarcinoma cell line.Br J Pharmacol.166:2036-2048)、5%(v/v) FCS、15mM HEPES、0.2%(v/v)炭酸水素ナトリウム、2mM L-グルタミン、1%(v/v)非必須アミノ酸、1%(v/v)ピルビン酸ナトリウム、5IU/mLペニシリン、及び50μg/mLストレプトマイシンを含むDMEM中で培養した。
実験前に、BEAS-2B及びA549細胞を、0.25%ウシ血清アルブミン(BSA)及びインスリン-トランスフェリン-セレン含有サプリメント(Monomed A;CSL、Parkville、Melbourne、Australia)を含む無血清DMEMで培養した。示される場合、細胞を、一連の合成された化合物のいずれかにより処理してから(0.3~10μM)、100pM TGF-β1(R&D Systems、Minneapolis、MN)又は300pM bFGF(Promega、Madison、WI)に曝露させた。
遺伝子発現の分析
全RNAを、illustra RNAspin Mini RNA Isolation Kit(GE Healthcare)を使用して、培養した細胞から抽出した。High-Capacity RNA-to-cDNA Kit(Applied Biosystems)を使用して、RNA抽出物をcDNAに逆転写した。次いで、QuantStudio 6 Flex Real-Time PCR Systemを利用し、iTaq Universal SYBR green supermix及び以下の熱プロトコル:50℃(2分)、95℃(10分)、次いで40サイクルの95℃(15秒)、60℃(1分)を利用して、リアルタイムPCRを実施した。標的遺伝子に関して測定された閾値サイクル(CT)値を、内部対照(internal control)として含まれた18SリボソームRNA(18S rRNA)で得られたものに対して正規化した。特定のPCR産物の生成を、解離曲線分析により確認した。
免疫蛍光法
免疫蛍光染色のためのA549細胞を、ibiTreat 8チャンバースライド(ibidi)に播種し、一晩接着させた。次いで、細胞を16時間血清飢餓にしてから、PF670462(0.3~10μM)と共に30分間プレインキュベーションし、次いでTGF-β(100pM)と共に48時間プレインキュベーションした。細胞を、10%中性緩衝ホルマリン(Grale Scientific)中で15分間固定化し、非特異的結合部位を、PBS中5%正常ヤギ血清/0.3%Triton X-100と共に1時間インキュベーションして、ブロックした。E-カドヘリン発現を、ウサギモノクローナル抗体(Clone 24E10;カタログ番号3195、Cell Signaling)と、それに続いてAlexaFluor-488コンジュゲート抗ウサギF(ab’)2フラグメント二次抗体(カタログ番号4412、Cell Signaling)を使用して検出した。特異的結合を、アイソタイプ対照抗体(Clone DA1EウサギIgG;カタログ番号3900、Cell Signaling)を使用して確認した。次いで、細胞核をDAPIにより染色した。細胞を、Leica SP5共焦点顕微鏡(Biological Optical Microscopy Platform、University of Melbourne)を使用して画像化した。細胞のモルホロジー及び免疫蛍光染色を、Operetta High Content Imaging System(Biological Optical Microscopy Platform、University of Melbourne)を使用して定量化した。
統計分析
全データを平均±SEMとして表す。複数の群の間の統計比較は、ダネットの事後検定による一元ANOVA又はボンフェローニ事後検定による二元ANOVAにより実施した。0.05未満のP値を、統計的に有意であるとみなした。
結果の議論
図1において、タンパク質上皮ナトリウムチャンネルアルファサブユニットをコードす
る、グルココルチコイドにより調節される遺伝子、SCNN1Aの誘導を測定するBEAS-B細胞におけるアッセイで、SS9-010の効果がPF670462の効果と対比されている。血清飢餓にしたBEAS-2B細胞を、CK1δ/ε阻害剤PF670462(1、3、10μM)又はSS9-010(1、3、10μM)により30分処理してから、TGF-β1(40pM)により24時間処理し、次いで、デキサメタゾン(30nM)により4時間刺激した。次いで、RNAを抽出し、RT-qPCRにより分析した。データを、n=4独立実験に関して平均±SEMとして表す。PF670462及びSS9-010の効力は類似であった。
図1に記載されるものと同じ実験において、フィブロゲンプラスミノゲンアクチベーター阻害因子-1の発現を測定した(図2参照)。この遺伝子のレベルは、TGF-βによってもDexによっても増加し、それらは共に添加される場合相乗作用する。CK1阻害剤は、濃度依存的に、刺激のそれぞれの作用を減少させ、ベースライン発現をさらに減少させる。この効果におけるそれらの効力は、考察される条件にかかわらず類似である。
別な実験において、BEAS-2B細胞を、SS9-010かPF670462(1~10μM)のいずれかによる30分の事前処理をして、又はせずに、TNF-αに曝露させた。次いで、RNAを抽出し、RT-qPCRにより分析した。各薬剤は、TNFαにより刺激されるPAI-1発現を類似の効力及び最大値で阻害した(図3参照)。データを、n=1で平均±SDとして表す(3回の技術的反復)。
血清飢餓にしたA549細胞において、(0.1~10μM)のPF670462かSS9-010のいずれかの事前処理と、さらに24時間のTGF-β(100pM)による処理は、濃度依存的に、PAI-1及びCTGF発現を阻害し、TGF-β(100pM)により誘導されるE-カドヘリンの抑制を回復させた。SS9-010は、以下の表1に示される通り、PAI-1及びECadに対するその作用においてPF670462より著しく強力であったが、CTGFに対してはそうではなかった。
PF670462の作用の程度及び効力との対比のため、抗線維化剤ニンテダニブの効果が図5に示されている。血清飢餓にしたA549細胞を、PF670462(0.1~10μM)かニンテダニブ(0.01~1μM)のいずれかにより事前処理してから、TGF-β(100pM)でさらに24時間処理した。次いで、RNAを抽出し、PAI-1、ビメンチン、及びE-カドヘリンを、RT-qPCRにより測定した。データを、n=4の独立実験に関して平均±SEMとして表す。
CK1阻害剤、PF670462及びSS9-010(1~10μM)の、TNF-α(10ng/mL)により誘導されるIL-8の発現の増加及び培養上清中の免疫反応性IL-8のレベルに対する効果を図6に示す。血清飢餓にしたBEAS-2B細胞を、SS9-010かPF670462(1~10μM)のいずれかにより30分事前処理してから、TNF-α(10ng/ml)にさらに24時間曝露させた。RNAを抽出し、RT-qPCRにより測定した。上清中の炎症性サイトカインをELISAにより測定した。データを、n=3の独立実験に関して平均±SEMとして表す。CK1阻害剤のそれぞれの効果は、このアッセイで利用した最低濃度で最大であったので、相対的な効力に関する結論はないが、両薬剤が、TNFにより刺激されたBEAS-2B細胞の、活性のある阻害剤であることが明らかである。
図7は、図6に描かれたものと同じ実験の上清中のCSF-2(GM-CSF)の発現及びそのレベルを示す。CSF-2の場合、このコロニー刺激因子の発現及びタンパク質レベルの、濃度関連の明らかな減少が明白であるが、2種の薬剤はその効力が異ならないようである。
表1は、上皮間葉転換(EMT)につながる、TGFβにより誘導される遺伝子発現の変化の調節におけるPF670462及びSS9-010の相対効力を示す。EMTは、心臓、腎臓、肝臓、及び肺などの器官における上皮腫瘍の転移及び線維形成に関連し、特発性肺線維症(IPF)の原因であると知られていると同時に喘息及びCOPDで起こることが知られている線維症の原因にもなると考えられている、線維症の病因の特徴である。SS9-010は、フィブロゲン、プラスミノゲンアクチベーター阻害因子-1(PAI-1)の誘導の減衰及び分化した上皮細胞のバリア機能及び極性を維持するのに関与するタンパク質をコードするE-カドヘリン遺伝子の抑制の防止において、PF670462よりも著しく高い効力を示す。CTGFの誘導の調節におけるPF670462及びSS9-010の効力は、統計的に区別されるものではない。SS9-010は、主要なコラーゲン組織のリモデリング遺伝子の1つをコードする遺伝子、Col1Aの誘導の制御において、著しくより強力である。TGF-βによるビメンチン誘導の制御におけるこれら2種の薬剤の効力は、PF670462の濃度-反応関係がフィットできないので、評価できない。しかし、SS9-010の効果は3μMで有意であるが、PF670462(3μM)は効果が全くなかった。これらのデータ全ては、図4に表される濃度-反応関係の分析を表す。
インビボ実験
インビトロアッセイで示される薬剤の相対活性を、肺線維症のブレオマイシンモデルにおいてさらに試験する。
肺線維症のブレオマイシンモデル
全動物実験は、University of Melbourne Animal Ethics Committee(AEEC#1513736.1)の倫理指針に従って実施した。既に記載の通り(Langenbach et al.,(2007).Can J Physiol Pharmacol,85,727-738)、6~8週齢の20~25gのC57Bl/6マウス(ARC、Perth、Australia)に、35μLの生理食塩水又はブレオマイシン(マウスあたり105mU)による処置を0日目に鼻腔内投与により与えた。急性及び慢性ブレオマイシンマウスモデルを使用して、インビボで肺線維症に対するSS9-010の効果を評価した。SS9-010を、腹腔内注射により全身投与したか、又は5L/分で運転しているhudsonネブライザーに接続した酸素濃縮器を使用して発生させたエアゾールの吸入により15分間肺に局所投与した。SS9-010処置を受けなかったマウスにはビヒクルを投与した(10%DMSO、90%落花生油)。全試験の継続期間の間、マウスには食餌及び水を適宜与えた。各試験の最後に、気管支肺胞洗浄(BAL)を実施して、それから白血球細胞型を列挙し、無細胞タンパク質量を、既に記載の通り(Langenbach,et al.,2007)決定し、肺を切開して、急速凍結した。遺伝子発現を、砕かれた凍結肺組織から決定した。
BALタンパク質量測定
無細胞BAL液中の総タンパク量を、BioRadプロテインアッセイ法を利用して評価した。
BAL細胞数測定
BAL液中のBAL細胞を、エリスロシンB(EB)により染色し、血球計を用いて手作業で計数した。総BAL細胞数を、BAL液の還流量(return volume)を考慮する(accounting for)ことにより計算した。
結果の議論
マウスの肺における、ブレオマイシン誘導性のBALタンパク質漏出、BAL細胞動員、肺の重量、並びに肺線維化遺伝子発現に対する吸入されたSS9-010の効果を図9に示す。雌性C57Bl/6マウスに、ブレオマイシン又は生理食塩水の経鼻投与を0日目に与えた。SS9-010を、-1日目から3日目に、1mg/mLの濃度からの噴霧により生じたエアゾールの毎日の吸入により、15分間1日1回投与した。気管支肺胞洗浄(BAL)タンパク質及びBAL細胞数を評価した。肺線維化遺伝子発現も3日目に評価した。データを平均±SEM(n=6)として表す。SS9-010は、BALタンパク質及び肺線維化遺伝子発現に対する効果並びにBAL細胞数の少なめの抑制を示した。
マウスの肺における、ブレオマイシン誘導性のBALタンパク質漏出、BAL細胞動員、及び肺線維化遺伝子発現に対するSS9-010の腹腔内注射の効果を図10に示す。雌性C57Bl/6マウスに、ブレオマイシン又は生理食塩水を0日目に腹腔内投与した。SS9-010(3又は10mg/kg/日、ip)を、-1~3日目に投与した。気管支肺胞洗浄(BAL)タンパク質及びBAL細胞数を評価すると、良好な傾向を示した。肺線維化遺伝子発現も3日目に評価した。データを平均±SEMとして表す(n=4生理食塩水、n=5他の群)。全身性のSS9-010(3又は10mg/kg/日、ip)は、BALタンパク質又はBAL細胞数に対する効果が全くなかった。IL-6の誘導は、SS9-010処置により減少したが、アルギナーゼ-1はそうではなかった。
PF670462かSS8-058のいずれかの経口投与の効果を確かめる試験において、発明者らは、0日目にブレオマイシンにより経鼻処置されたマウスから3日目に肝臓を収集し、線維形成に関与する産物の遺伝子発現を測定した。マウスを、強制経口投与により-1日目から3日目に、PF670462かSS8-058のいずれか(30mg/kg、po)により1日1回処置した。処置のそれぞれは、線維化遺伝子のそれぞれのレベルを著しく減少させた。
インビボの気道過敏性の測定
急性オボアルブミン誘導性喘息モデル:BALB/cマウスを、オボアルブミン(50μg)と、水酸化アルミニウム(20mg/mLのアジュバント)と、生理食塩水との組合せにより、腹腔内注射により感作させた。200μLのオボアルブミン混合物を、各マウスに0日目に投与し、それに続いて14日目に、22ゲージの針を使用して腹腔内注射により反復投与した。21~28日目に、マウスを、毎日、生理食塩水中1%エアゾール化されたオボアルブミンに、30分間2ml/分の速度でネブライザー(deVilbiss)により曝露させた。5L/分で運転しているhudsonネブライザーに接続された酸素濃縮器を使用して発生させたエアゾールの吸入により、SS9-010を、15分間21~28日目に肺に局所投与した。推定される堆積投与量は1μgであった。
肺機能測定:肺機能を、低周波強制オシレーション(low-frequency forced oscillation)法の変法及び小動物用人工呼吸器(flexiVent;Scireq、Montreal、QC、Canada)を使用して、先に記載の通り(Bozanich et al.,(2008) Respir Physiol Neurobiol,162,190-196)測定した。剖検の日に、マウスにケタミン及びキシラジンで麻酔をかけ、肺機能試験装置(FlexiVent)上に配置した。気道過剰反応性を測定するために、マウスに、気管カニューレを経てエアゾールによ
り、0.1~30mg/mlの投与量範囲で、5分間メタコリンを投与した。肺機能を、終末処置(terminal procedure)として実施した;各マウスに、生理食塩水中のケタミン(150mg/kg)とキシラジン(15mg/kg)との組合せにより、腹腔内で27ゲージの針により深麻酔をかけた。麻酔が得られると、メスの刃を使用して、2cmの長さの外科的切開を、矢状に遠位に切開する動きで(distal cutting motion)皮下組織を通って、気管筋層の前に行った。鈍的剥離を利用して、気管周囲の筋層を縦方向に切って、気管を露出した。長さ1cmの1.27mm気管内チューブを気管内に挿入し、絹縫合糸で結び、マウスにflexiVentで換気を行った。マウスを、SCIREQ FlexiVent system上に配置し、換気して、気管カニューレをシステムに接続した状態で一定の呼吸速度(1分あたり150回の呼吸)で肺機能を測定した。呼吸器の機構を1匹のマウスでおよそ60分間評価した。マウスに、気管内カニューレかエアゾールのいずれかにより、増加する投与量のメタコリンを投与して、気道過剰反応性を確立した。呼吸インピーダンス(Zrs)を測定し、既に記載の通り(Larcombe et al.,(2011)Influenza Other Respir Viruses,5,334-342)、気道成分と実質成分に分配して、ニュートン抵抗(Rn、胸壁の高いコンプライアンスのために気道抵抗(Raw)に等しい)、組織ダンピング(G)、及びエラスタンス(H)の計算を可能にした。
結果の議論
SS9-010(推定される堆積投与量1μg)又は生理食塩水の吸入を受けた、シャム-又はオボアルブミン(OVA)感作されたBALB/cマウスで測定された、吸入されたメタコリン(MCh)に反応した気道過敏性(AHR)を図12に示す。肺内の収縮のレベルを表す抵抗(Rn)を評価した。エラスタンス(E)は、換気周波数での呼吸器系の弾性スティフネスを表現する。コンプライアンス(C)は、呼吸器系が拡張する容易さを説明する。データを平均±SEMとして表す(n=6)。データは、OVA曝露マウスにおける中枢気道抵抗(Rn)及びエラスタンスの著しい増加を示した。この誘導は、SS9-010処置を受けたマウスでは弱まった。コンプライアンス変化の点で、OVAのみと比べてOVA/SS9-010群に有意差は全く観察されなかった。
合成
全般
プロトン核磁気共鳴スペクトル(H NMR、400、600 MHz)及びプロトンデカップル炭素-13核磁気共鳴スペクトル(13C NMR、100、150 MHz)を、残存プロトン溶媒を内部標準として重水素化溶媒中で得た。ケミカルシフトに次いで、可能な場合、多重度、カップリング定数(J、Hz)、積分、及び帰属を行った。フラッシュクロマトグラフィーを、Stillらの手順に従って、自動化システムを利用して実施した。分析用薄層クロマトグラフィー(t.l.c.)をアルミニウムで裏打ちされた厚さ2mmのシリカゲル60 GF254で実施し、クロマトグラムを紫外線ランプの下で可視化した。高分解能質量スペクトル(HRMS)を、エレクトロスプレーイオン化(ESI)及び飛行時間型質量分析器を利用して試料をイオン化することにより得た。乾燥THF及びCHClは、Pangbornらの方法により得た。Pet.spiritsは沸点範囲40~60℃の石油エーテルを指す。他の市販の試薬は全て受け取ったまま使用した。
ベンジル4-(ジメトキシメチル)ピリミジン-2-イルカルバマート(1)
ベンジルクロロホルマート(2.57ml、18.1mmol)のCHCl(2.5ml)溶液を、-18℃のCHCl(7.5ml)中の4-ジメトキシメチルピリミジン-2-イルアミン(0.330g、1.95mmol)とピリジン(0.2ml)の混合物に加えた。溶液を徐々に室温に温め、撹拌を一晩続けた。反応混合物のTLCは、出発物質が完全には消費されていないことを示した。そのため、反応混合物を再び-18℃に冷却し、追加のベンジルクロロホルマート(0.250ml、1.81mmol)を加えた。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル2:1)は、1を白色の固体として与えた(0.496g、84%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 3.39(2×3H,s),5.21(1H,s),5.24(2H,s),7.17(1H,d,J=5.2Hz),7.32-7.41(5H,
m),8.33(1H,br s),8.63(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 54.0,67.5,102.5,113.4,128.5,128.6,128.7,135.8,151.5,157.4,159.3,167.0;HRMS(ESI)計算値 C1518(M+H)304.1297.実測値 304.1292.
ベンジル4-ホルミルピリミジン-2-イルカルバマート塩酸塩(2)
4M HCl水溶液(2ml)を、1(0.350g、1.15mmol)のTHF(1ml)溶液に加えた。生じた混合物を40℃に一晩加熱し、次いで室温に冷却した。アルデヒドの塩酸塩を含む反応混合物を単離せずに次の工程に直接使用した。
ベンジル(4-(((1-ベンジルピペリジン-4-イル)イミノ)-メチル)ピペリジン-2-イル)カルバマート(3)
45%KOH水溶液(0.448g、7.98mmol)を、温度を15℃未満に保ちながら、粗製のアルデヒド2(0.290g、1.12mmol)のHCl水溶液(2ml、7.90mmol)中の氷***液に加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.158g、1.14mmol)を加え、それに続いて4-アミノ-1-ベンジルピペリジン(0.141g、0.838mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を2時間続けた。H NMR分析がおよそ10%のアルデヒドが残っていることを示したので、追加量の4-アミノ-1-ベンジルピペリジン(0.035g、0.025mmol)を加え、撹拌をさらに1時間続けた。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。粗製の物質を精製せずに次の工程に使用した(0.450g、94%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.71-1.74(2H,m),1.83-1.93(2H,
m),2.13-2.18(2H,m),2.92-2.95(2H,m),3.33-3
.38(1H,m),5.25(2H,s),7.30-7.43(10H,m),7.
59(1H,d,J=5.2Hz),8.26(1H,br s),8.61(1H,d,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 33.2,51.9,63.2,67.6,112.6,127.2,128.4,128.6,128.7,128.8,129.3,135.7,151.5,157.7,158.7,159.1,163.0;HRMS(ESI)計算値 C2528(M+H)430.2243.実測値 430.2239.
ベンジル(4-(1-(1-ベンジルピペリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(4)
α-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.262g、0.905mmol)及び20%KCO水溶液(0.250g、1.808mmol)を、イミン3(0.350g、0.815mmol)の20℃のCHCl溶液に加える一方で、撹拌を一晩続けた。この時点で、追加のイミン(0.038g、0.091mmol)及びKCO(0.090g、0.651mmol)を加え、反応混合物を30℃で一晩撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc 1:4)は、4を薄黄色の固体として与えた(0.345g、59%)。
NMR(DMSO-d,400MHz)δ 1.91-1.94(4H,m),2.
01-2.08(2H,m),2.82(2H,br d,J=10.8Hz),3.4
5(2H,s),4.84-4.88(1H,m),5.20(2H,s),6.86(
1H,d,J=5.2Hz),7.13-7.17(2H,m),7.22-7.45(2H,m),8.14(1H,s),8.51(1H,d,J=5.2Hz),10.73(1H,s);13C NMR(DMSO-d,100MHz)δ 32.8,52.0,53.1,61.9,65.8,115.2,116.4,124.0,126.9,127.9,129.0,128.1,128.4,128.8,129.9,13.09,136.6,137.3,138.5,141.2,151.8,157.9,158.2,158.6,161.5;HRMS(ESI)計算値 C3232FN(M+H)563.2571.実測値 563.2565.
4-(4-(4-フルオロフェニル)-1-(ピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(5)
10%Pd/C(0.1g)及びギ酸アンモニウム(0.390g、6.22mmol)を、4(0.350g、0.622mmol)のメタノール(5ml)溶液に加えた。生じた反応混合物を50℃に加熱し、一晩撹拌した。反応混合物をセライトに通してろ過し、減圧下で濃縮すると残渣を与え、それを精製せずに使用した(0.206g、98%)。H NMR(MeOH-d,400MHz)δ 2.08-2.17(2H,m
),2.37-2.40(2H,m),3.02-3.09(2H,m),3.41-3.
47(2H,m),4.85-4.94(1H,m),6.40(1H,d,J=5.2
Hz),7.06-7.11(2H,m),7.39-7.43(2H,m),8.03(1H,s),8.12(1H,d,J=5.2Hz),8.53(1H,s,NH);13C NMR(MeOH-d,100MHz)δ 27.6,28.3,36.3,36.5,40.6,42.9,59.7,113.3,115.3,115.5,129.9,130.0,135.5,142.2,151.6,158.6,159.7,161.2,163.2,163.7;HRMS(ESI)計算値 C1820FN(M+H)339.1733.実測値 339.1731.
オクタナール(6)
1-オクタノール(0.50g、3.83mmol)のCHCl(5ml)溶液を
、CHCl(5ml)中のピリジニウムジクロマート(2.16g、5.75mmol)及びセライト(0.5g)の撹拌懸濁液に滴加した。生じた混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、得られた粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル1:9)により精製すると、6を無色の油として与えた(0.350g、71%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 0.88(3H,t,J=8Hz),1.20-1.30(8H,m),1.59-1.64(2H,m),2.41(2H,t,J=8Hz),9.76(1H,s).
4-フェニル1-ブタナール(8)
デス・マーチン・ペルヨージナン(1.69g、3.98mmol)を、4-フェニル-1-ブタノール(0.50g、3.32mmol)の0℃のCHCl(10ml)溶液に加えた。生じた反応混合物を0℃で30分間撹拌し、それに続いて室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を10%チオ硫酸ナトリウム(50ml)によりクエンチし、生成物をCHCl中に抽出した。有機層を分離し、1M NaOH水溶液(50ml)で洗浄し、それに続いて水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、ろ過し、濃縮した。粗製の物質を次の反応に直接使用した(0.485g、98%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.93-2.01(2H,pent,J=7.6
Hz),2.46(2H,td,J=1.2,7.2Hz),2.66(2H,t,J=8Hz),7.17-7.22(2H,m),7.26-7.31(3H,m),9.76(1H,t,J=1.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 23.8,35.2,43.3,126.2,128.4,128.6,141.3,202.5.
4-(4-(4-フルオロフェニル)-1-[1-オクチルピペリジン-4-イル]-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(7;SS8-058)
オクタナール6(0.133g、1.04mmol)を、5(0.250g、0.739mmol)の乾燥THF(5ml)溶液に加えた。生じた反応混合物を室温で15分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.454g、2.14mmol)を加え、混合物を冷却して、37℃未満の温度を保った。撹拌を2時間続けると、その時点で、TLCはおよそ40%のアミンの存在を示した。そのため、追加のアルデヒド6(0.095g、0.721mmol)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.313g、1.42mmol)を加え、撹拌を一晩続けた。反応混合物を飽和NaHCO水溶液によりゆっくりとクエンチし、それに続いてEtOAcで希釈した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロ
マトグラフィー(MeOH/EtOAc/EtN 6:93:1)は、7を薄黄色の固体として与えた(0.145g、44%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 0.88(3H,t,J=6.8Hz),1.21-1.36(10H,m),1.
49-1.68(2H,m),2.01-2.11(4H,m),2.33-2.37(2
H,m),3.05-3.06(2H,m),4.50-4.57(1H,m),5.08(2H,br s),6.50(1H,d,J=4.8Hz),6.97-7.02(2
H,m),7.43-7.46(2H,m),7.77(1H,s),8.18(1H,
d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,150MHz)δ 14.3,22.8,27.4,27.8,29.4,29.7,32.0,33.7,53.2,54.3,58.7,113.1,115.4,115.6,124.9,130.06,130.12,130.7,136.0,138.9,142.1,158.7,159.4,161.5,163.1,163.5;HRMS(ESI)計算値 C2636FN(M+H)451.2985.実測値 451.2978.
4-(4-(4-フルオロフェニル)-1-[1-(4-フェニルブチル)ピペリジン-4-イル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(9;SS8-070)
乾燥THF(5ml)中の4-フェニル-1-ブタナール8(0.061g、0.404mmol)と5(0.10g、0.296mmol)の混合物を室温で15分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.182g、0.859mmol)を加え、混合物を冷却して、37℃未満の温度を保った。撹拌を2時間続けると、その時点で、TLCはおよそ50%のアミンの存在を示した。そのため、追加のアルデヒド8(0.043g、0.289mmol)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.090g、0.429mmol)を加え、撹拌を一晩続けた。反応混合物を飽和NaHCO水溶液によりゆっくりとクエンチし、それに続いてEtOAcで希釈した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc/EtN 5:94:1)は、9を白色の固体として与えた(0.028g、40%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.24-1.27(4H,m),1.
50-1.68(4H,m),1.99-2.11(2H,m),2.36-2.40(2
H,t,J=8Hz),2.62-2.65(2H,t,J=8Hz),3.02-3.04(2H,m),4.49-4.58(1H,m),5.06(2H,br s),6.
50(1H,d,J=4.8Hz),6.97-7.02(2H,m),7.17-7.19(3H,m),7.26-7.29(2H,m),7.43-7.46(2H,m),7.76(1H,s),8.18(1H,d,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 27.0,29.5,29.9,33.6,35.9,53.2,54.2,58.4,113.1,115.4,115.6,124.8,125.9,128.45,128.53,130.07,130.13,130.6,136.0,142.2,142.5,158.7,159.3,161.5,163.1,163.5;HRMS(ESI)計算値 C2832FN(M+H)471.2672.実測値 472.2681.
4-(1-(1-ブチルピペリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(10;SS8-074)
THF(3ml)及び水(1ml)中の1-ブロモブタン(0.020g、0.147mmol)と、5(0.050g、0.147mmol)と、炭酸セシウム(0.192g、0.589mmol)との混合物を70℃に加熱し、一晩撹拌した。TLCがおよそ50%のアミンの存在を示したので、追加の1-ブロモブタン(0.020g、0.147mmol)及び炭酸セシウム(0.96g、0.295mmol)を加え、撹拌を一晩続けた。反応混合物をEtOAcで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc/EtN 5:94:1)は、10を白色の固体として与えた(0.028g、56%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 0.92(3H,t,J=7.2Hz),1.25-1.37(4H,m),1.42-1.53(2H,m),2.03-
2.11(4H,m),2.36-2.40(2H,m),3.06-3.08(2H,m),4.50-4.61(1H,m),5.12(2H,br s),6.50(1H,
d,J=5.2Hz),6.97-7.01(2H,m),7.42-7.46(2H,m),7.77(1H,s),8.18(1H,d,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl,150MHz)δ 14.2,21.0,29.9,33.5,53.2,54.1,58.3,113.1,115.4,115.6,124.8,130.06,130.13,130.6,136.0,142.2,158.7,159.3,161.5,163.1,163.5;HRMS(ESI)計算値 C2228FN(M+H)395.2359.実測値 395.2348.
4-(1-(1-ドデシルピペリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(11;SS8-070)
THF(3ml)及び水(1ml)中の1-ブロモドデカン(0.043g、0.147mmol)と、5(0.050g、0.147mmol)と、炭酸セシウム(0.192g、0.589mmol)との混合物を、70℃に加熱し、一晩撹拌した。TLCがおよそ10%のアミンの存在を示したので、追加の1-ブロモドデカン(0.008g、0.029mmol)及び炭酸セシウム(0.025g、0.074mmol)を加え、撹拌を3時間続けた。反応混合物をEtOAcで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc/EtN 5:94:1)は、11を白色の固体として与えた(0.031g、40%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 0.88(3H,t,J=7.2Hz),1.09-1.28(18H,m),1.42-1.49(2H,m),1.96-2.15(4H,m),2.35-2.38(2H,m),3.04-3.1
1(2H,m),4.51-4.59(1H,m),5.07(2H,s),6.50(
1H,d,J=5.2Hz),6.97-7.01(2H,m),7.43-7.46(2H,m),7.77(1H,s),8.18(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,150MHz)δ 14.3,22.9,27.4,27.8,29.5,29.7,29.78,29.80,29.83,32.1,33.7,52.2,52.3,58.7,113.1,115.4,115.6,124.9,130.06,130.13,130.6,136.0,142.1,158.7,159.4,161.5,163.1,163.5;HRMS(ESI)計算値 C3044FN(M+H)507.3611.実測値 507.3613.
ベンジル(4-((シクロヘキシルイミノ)-メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(12)
45%KOH水溶液(0.88g、15.8mmol)を、粗製のアルデヒド2(1.4g、5.44mmol)のHCl水溶液(4ml、15.8mmol)中の氷***液に
、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された混合物に、CHCl(5ml)及びKCO(0.76g、5.44mmol)を加え、それに続いてシクロヘキシルアミン(0.63g、6.36mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を2時間続けた。H NMR分析がおよそ20%のアルデヒドが残ったことを示したので、追加のシクロヘキシルアミン(0.06g、0.63mmol)を加え、撹拌を一晩続けた。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。得られた粗製の物質を、精製せずに次の工程に使用した(1.59g、85%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.24-1.42(4H
,m),1.51-1.60(2H,m),1.67-1.85(4H,m),3.28-
3.34(1H,m),5.25(2H,s,CHPh),7.34-7.42(5H
,m),7.54(1H,d,J=4.8Hz),8.25(1H,s,NH),8.56(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 24.6,25.6,34.0,67.6,69.8,112.4,128.6,128.7,128.8,135.7,151.6,157.8,158.2,158.9,163.2;HRMS(ESI)計算値 C1923(M+H)339.1821.実測値 339.1817.
ベンジル(4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(13)
20℃のCHCl中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(1.42g、4.90mmol)と、イミン12(1.5g、4.43mmol)と、20%KCO水溶液(1.35g、9.77mmol)との混合物を一晩撹拌した。この時点で、追加のイミン(0.14g、0.49mmol)及びKCO(0.34g、1.04mmol)を加え、反応混合物を、30℃で2回目の一晩撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル6:4)は、13を白色の固体として与えた(1.62g、77%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.20-1.28(2H,m),1.38-1.47(2H,m),1.55-1.65(2H,m),1.71-1.85(2H,m),2.10-2.1
3(2H,m),5.04-5.11(1H,m),5.26(2H,s),6.76(
1H,d,J=5.2Hz),6.99-7.04(2H,m),7.34-7.45(7H,m),7.78(1H,s),8.06(1H,br s,NH),8.33(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 25.6,34.7,55.5,67.6,115.6,115.8,116.7,124.1,128.7,128.8,130.4,130.56,130.8,133.0,135.8,136.8,143.8,151.2,157.5,158.2,159.5,161.4,163.9;HRMS(ESI)計算値 C2727FN(M+H)472.2149.実測値 472.2150
4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン塩酸塩(14;PF670462)
THF(5ml)及びメタノール(0.5ml)中の13(0.30g、0.64mmol)と20重量%Pd(OH)/C(0.13g)の混合物を、200psiで1時間水素化した。混合物をセライトに通してろ過し、減圧下で濃縮すると、粗生成物を与え、それを4M HCl水溶液(2ml)及びメタノール(2ml)中で1時間撹拌すると、HCl塩を与えた。溶媒を蒸発させ、メタノール、アセトン、及び石油エーテルの組合せからの再結晶化は、14を白色の固体として与えた(0.19g、83%)。H NMR(MeOH-d,400MHz)δ 1.28-1.40(2H,m),1.48-1.58(2H,m),1.78-1.88(2H,m),1.94-1.98(2H,m),2.27-2.30(2H,m),4.95-5.02(1H,m),6.67(1H
,d,J=6.4Hz),7.29-7.33(2H,m),7.59-7.62(2H,m),8.26(1H,d,J=6Hz),9.48(1H,s);13C NMR(MeOH-d,100MHz)δ 24.6,25.1,33.4,59.1,110.4,116.3,116.6,121.8,121.9,124.6,136.1,136.2,148.1,156.3,162.7,163.1,165.6;HRMS(ESI)計算値 C1921FN(M+H)338.1781.実測値 339.1778.
ベンジル(4-((アダマンタン-1-イルイミノ)-メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(15)
45%KOH水溶液(0.448g、7.98mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.250g、0.972mmol)のHCl水溶液(2ml、7.94mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された混合物に、CHCl(5ml)及びKCO(0.158g、1.14mmol)を加え、それに続いて1-アダマンチルアミン(0.175g、1.17mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を2時間続けた。H NMR分析がおよそ20%のアルデヒドが残っていることを示したので、追加の1-アダマンチルアミン(0.030g、0.19mmol)を加え、撹拌を一晩続けた。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。粗製の物質を精製せずに次の工程に使用した(0.36g、94%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.57-1
.79(12H,m),2.01-2.08(3H,m),5.26(2H,s),7.
34-7.43(5H,m),7.61(1H,d,J=4.8Hz),8.18(1H
,br s,NH),8.57(1H,d,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 29.4,36.4,42.7,59.2,67.4,112.1,128.4,128.5,128.6,135.6,151.4,157.5,158.6,163.7;HRMS(ESI)計算値 C2327(M+H)391.4867.実測値 391.4872.
ベンジル(4-(アダマンタン-1-イル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(16)
α-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.300g、1.04mmol)及び20%KCO水溶液(0.286g、2.07mmol)を、20℃のCHCl中のイミン15(0.363g、0.936mmol)の溶液に加え、混合物を一晩撹拌した。この時点で、追加のイミン(0.036g、0.094mmol)及びKCO(0.143g、1.03mmol)を加え、反応混合物を、30℃で2回目の一晩撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 39:60:1)と、それに続くCHCN/HOを使用する再結晶化は、16を白色の固体として与えた(0.070g、15%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.57-1.70(7H,m),2.10-2.17(3H,m),2.18-2.23(5H,m),5.26(2H,s),6.79(
1H,d,J=4.8Hz),6.88-6.92(2H,m),7.20-7.26(2H,m),7.35-7.46(5H,m),7.73(1H,br s,NH),7.
80(1H,s),8.50(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 29.7,35.8,43.1,59.4,67.6,115.1,115.3,119.5,128.6,128.7,128.8,129.6,129.7,135.5,138.8,151.1,157.3,159.0,163.0;HRMS(ESI)計算値 C3131FN(M+H)524.2462.実測値 524.2457.
4-(アダマンタン-1-イル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(17;SS8-122)
THF(5ml)及びメタノール(0.5ml)中の16(0.06g、0.15mmol)と20重量%Pd(OH)/C(0.20g)の混合物を200psiの水素により1時間処理した。混合物をセライトに通してろ過し、減圧下で濃縮すると、粗生成物を与えた。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 5:94:1)は、17を白色の固体として与えた(0.038g、86%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.60-1.72(7H,m),2.12-2.24(8H,m),5.16(2H,br s),6.52(1H,d,J=5.2Hz),6.89-6.94(2H,m),7.26-7.33(2H,m),7.77(1H,s),8.24(1H,d,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl,150MHz)δ 29.9,36.0,43.4,59.5,115.1,115.28,115.3,125.7,129.4,129.5,130.6,135.2,141.5,159.1,161.1,162.9,163.0,163.1;HRMS(ESI)計算値 C2325FN(M+H)390.2094.実測値 391.2102.
ベンジル(4-((シクロヘプチルイミノ)-メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(18)
45%KOH水溶液(0.448g、7.98mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.250g、0.972mmol)のHCl水溶液(2ml、7.94mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。得られた中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.158g、1.14mmol)を加え、それに続いてシクロヘプチルアミン(0.132g、1.16mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を2時間続けた。H NMR分析がおよそ20%のアルデヒドが残っていることを示したので、追加のシクロヘプチルアミン(0.015g、0.19mmol)を加え、撹拌をさらに一晩続けた。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。このように得られた粗製物を精製せずに次の工程に使用した(0.31g、91%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.50-1.80(12H,m),3.45-3.48(1H,m),5.25(2H,s,CHPh),7.33-7.41(5H,m),7.54(1H,d,
J=5.2Hz),8.20(1H,s,NH),8.54(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 24.7,28.6,36.0,67.5,72.3,112.4,128.6,128.7,128.8,135.7,151.7,157.4,157.9,158.8,163.3;HRMS(ESI)計算値 C2025(M+H)353.1978.実測値 353.1981.
ベンジル(4-(1-シクロヘプチル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(19)
α-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.250g、0.861mmol)及び20%KCO水溶液(0.238g、1.73mmol)を、イミン18(0.274g、0.778mmol)の20℃のCHCl中の溶液に加える一方で、撹拌を一晩続けた。この時点で、追加のイミン(0.027g、0.078mmol)及びKCO(0.119g、0.865mmol)を加え、反応混合物を30℃で一晩撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 6:93:1)は、19を白色の固体として与えた(0.24g、70%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.52-1.87(1
0H,m),2.14-2.18(2H,m),5.24-5.30(1H,m),5.26(2H,s),6.74(1H,d,J=5.2Hz),6.99-7.03(2H,
m),7.33-7.44(7H,m),7.77(1H,s),8.31(1H,d,
J=5.2Hz),8.38(1H,s,NH);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 24.7,27.5,36.7,57.5,67.7,115.5,115.7,116.7,124.0,128.7,128.77,128.80,130.4,130.5,130.8,135.8,137.1,143.6,151.3,157.6,158.1,159.6,161.4,163.9;HRMS(ESI)計算値
2828FN(M+H)485.2227.実測値 486.2235.
4-(1-シクロヘプチル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(20;SS8-138)
THF(5ml)及びメタノール(0.5ml)中の19(0.235g、0.485mmol)と20重量%Pd(OH)/C(0.25g)の混合物を、200psiの水素により1時間処理した。混合物をセライトに通してろ過し、減圧下で濃縮すると、粗生成物を与えた。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 5:94:1)は、20を白色の固体として与えた(0.155g、92%)。
NMR(CDCl,400MHz)δ 1.44-1.90(10H,m),2.1
6-2.21(2H,m),4.64-4.71(1H,m),5.06(2H,br s),6.50(1H,d,J=5.2Hz),6.97-7.01(2H,m),7.4
3-7.46(2H,m),7.73(1H,s),8.19(1H,d,J=5.2H
z);13C NMR(CDCl,150MHz)δ 24.8,27.4,36.5,57.5,113.0,115.1,115.3,124.5,128.8,129.9,130.6,136.0,141.4,158.4,159.3,161.0,163.0,163.5;HRMS(ESI)計算値 C2023FN(M+H)352.1937.実測値 352.1934.
ベンジル(4-((exo-2-アミノノルボルナン)-メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(21)
45%KOH水溶液(0.448g、7.98mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.250g、0.972mmol)のHCl水溶液(2ml、7.94mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.158g、1.14mmol)を加え、それに続いてexo-2-アミノノルボルナン(0.129g、1.16mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を2時間続けた。H NMRはアルデヒドの完全な消費を示した。反応混合物をCHClにより希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。このようにして得られた粗製物をさらに精製せずに次の工程に使用した(0.24g、71%)。H NMR(CDCl,400MHz)1.20-1.2
7(3H,m),1.45-1.64(4H,m),1.85-1.88(1H,m),2.12-2.19(1H,m),2.29-2.38(1H,m),3.38-3.43(
1H,m),5.25(2H,m),7.35-7.41(5H,m),7.54(1H
,d,J=5.2Hz),8.16(1H,s,NH),8.55(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 26.8,29.2,35.7,36.4,39.6,44.4,67.5,74.0,112.2,128.6,128.66,128.73,135.7,151.7,157.2,157.8,158.7,163.4;HRMS(ESI)計算値 C2023(M+H)351.1821.実測値 351.1815.
ベンジル(4-(1-(exo-2-アミノノルボルナン)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(22)
α-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.200g、0.691mmol)及び20%KCO水溶液(0.191g、1.38mmol
)を、イミン21(0.218g、0.622mmol)の20℃のCHCl(5ml)中の溶液に加える一方で、撹拌を一晩続けた。この時点で、追加のイミン(0.024g、0.062mmol)及びKCO(0.047g、0.345mmol)を加え、反応混合物を30℃で一晩撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 6:93:1)と、それに続くCHOH/CHClを使用する再結晶化は、22は白色の固体として与えた(0.071g、23%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.18-1.23(1H,m),1
.35-1.43(2H,m),1.51-1.68(4H,m),1.76-1.81(
1H,m),2.35-2.40(1H,m),2.61-2.63(1H,m),5.12-5.15(1H,m),5.20(2H,m),6.75(1H,d,J=5.2H
z),6.99-7.03(2H,m),7.34-7.45(7H,m),7.81(1H,s),8.04(1H,s,NH),8.33(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 27.5,28.4,36.7,36.8,41.0,42.3,59.8,67.6,115.6,115.8,116.7,124.4,128.7,128.8,130.31,130.4,130.7,135.8,136.5,144.2,151.3,157.4,158.2,159.7,161.4;HRMS(ESI)計算値 C2827FN(M+H)484.2149.実測値 484.2138.
4-(1-(1-(Exo-2-アミノノルボルナン)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(23;SS8-154)
THF(5ml)及びメタノール(0.5ml)中の22(0.070g、0.147mmol)と20重量%Pd(OH)/C(0.020g)との混合物を、200psiの水素により1時間処理した。混合物をセライトに通してろ過し、減圧下で濃縮すると、粗生成物を与えた。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 5:94:1)は、23を白色の固体として与えた(0.030g、60%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.18-1.37(3H,m),1.
53-1.82(5H,m),2.39-2.44(1H,m),2.56-2.61(1
H,m),4.55-4.58(1H,m),5.10(2H,br s),6.51(
1H,d,J=5.2Hz),6.96-7.01(2H,m),7.43-7.46(2H,m),7.76(1H,s),8.19(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 27.6,28.3,36.3,36.5,40.6,42.9,59.7,113.3,115.3,115.5,129.9,130.0,135.5,136.5,142.2,158.6,159.7,161.2,163.2,163.7;HRMS(ESI)計算値 C2021FN(M+H)350.1781.実測値 350.1785.
ベンジル-(4-((メチルイミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(24)
45%KOH水溶液(0.449g、8.00mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.137g、0.531mmol)のHCl水溶液(2ml、8.00mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.069g、0.502mmol)を加え、それに続いてメチルアミンのTHF溶液(530μL、1.06mmol、2.0M)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を18時間続けた。反応混合物のH NMR分析がアルデヒドの不完全な消費を示したので、追加のメチルアミンを加え(265μL、0.531mmol)、反応物をさらに2時間撹拌した。アルデヒドの完全な消費の後で、粗製物質を単離せずに次の工程に使用した。
ベンジル(4-(4-(4-フルオロフェニル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(25)
CHCl(10ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.184g、0.637mmol)と、イミン(0.144g、0.531mmol)と、20%KCO水溶液(0.440mL、0.637mmol)との混合物を室温で72時間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル3:2)は、メチルカルバマートを、無色の固体として与えた(79.2mg、37%)、m.p.190~198℃。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 4.03(3H,s),5.24(2H,s),6.67(1H,dt,J=5.3,0.7Hz),7.07-7.03(2H,m),7.46-7.31(7H,m),7.59(1H,s),8.16-8.14(1H,m),9.54(1H,s);13C-NMR(126MHz;CDCl):δ 35.1,67.6,115.2,115.6,115.8,125.1,128.7,128.7,128.8,130.5(d,JC-F=8.1Hz),130.8(d,c=3.3Hz),135.6,141.1,144.5,151.6,151.6,157.4,157.7,158.8,162.8(d,JC-F=248Hz).HRMS(ESI)計算値 C2219FN(M+H)404.1523.実測値 404.1518.
4-(4-(4-フルオロフェニル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(26;ZH-142)
20重量%Pd(OH)/C(6.50mg)を、メチルカルバマート(47.0mg、0.117mmol)の5:3のTHF/MeOH(8mL)中の溶液に加えた。生じた混合物を200psiの水素の雰囲気の下で2時間撹拌した。混合物を、セライトの短いパットに通してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NEt 97:2:1)により精製すると、無色の固体を与えた(31.4mg、72%)。H-NMR(500MHz;CDOD):δ 3.9(3H,s),6.41(1H,d,J=5.2Hz),7.10-7.06(2H,m),7.45-7.43(2H,m),7.79(1H,s),8.10(1H,d,J=5.2Hz);13C-NMR(126MHz;CDOD):δ 34.4,112.1,116.2,116.4,127.3,128.6,128.8,129.0,131.4(d,JC-F=8.2Hz),131.6(d,JC-F=3.4Hz),141.4,142.6,159.2,159.9,163.9(d,JC-F=247Hz),164.8.HRMS(ESI)計算値 C1413FN(M+H)270.1155.実測値 270.1149.
ベンジル-(4-((エチルイミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(27)
45%KOH水溶液(0.449g、8.00mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.148g、0.574mmol)のHCl水溶液(2ml、8.00mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.095g、0.688mmol)を加え、それに続いてエチルアミンのTHF溶液(575μL、1.15mmol、2.0M)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を18時間続けた。反応混合物のH NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。粗製の物質を単離せずに次の工程に使用した。
ベンジル(4-(1-(エチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(28)
CHCl(10ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.199g、0.689mmol)と、イミン(0.163g、0.
574mmol)と、20%KCO水溶液(0.475mL、0.689mmol)との混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル3:2)は、エチルカルバマートを灰白色の固体として与えた(79.4mg、33%)、m.p.164~171℃。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 1.28(3H,t,J=7.2Hz,4.62(2H,q,J=7.2Hz),5.23(2H,s),6.62(1H,d,J=5.4Hz),7.04(2H,t,J=8.8Hz),7.45-7.29(7H,m),7.64(1H,s),8.12(1H,d,J=5.4Hz),9.87(1H,s);13C-NMR(101MHz;CDCl):δ 16.9,42.3,67.6,115.2,115.5,115.8,124.1,128.7,128.4,128.8,130.6(d,JC-F=8.0Hz),130.8(d,JC-F=3.2Hz),135.6,139.9,144.7,151.6,157.6,157.7,159.0,162.7(d,JC-F=248Hz).HRMS(ESI)計算値 C2321FN(M+H)418.1679.実測値 418.1678.
4-(1-(エチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(29;ZH-6)
20重量%Pd(OH)/C(37.0mg)を、エチルカルバマート(79.0mg、0.189mmol)の10:1のTHF/MeOH(5mL)溶液に加えた。生じた混合物を200psiの水素の雰囲気の下で2時間撹拌した。混合物をセライトに通してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NEt 97:2:1)により精製すると、無色の固体(54.0mg、84%)を与えた、m.p.204~212℃。H-NMR(500MHz;CDOD):δ 1.32(3H,t,J=7.2Hz),4.38(2H,q,J=7.2Hz),4.86(3H,s),6.40(1H,d,J=5.2Hz),7.10-7.06(2H,m),7.45-7.42(2H,m),7.87(1H,s),8.11(1H,d,J=5.2Hz);13C-NMR(126MHz;CDOD):δ 16.9,42.8,112.2,116.2,116.4,126.5,131.4(d,JC-F=8.3Hz),131.7(d,JC-F=3.2Hz),140.2,142.7(s,1C),159.3,160.1,163.9(d,JC-F=247Hz),164.9.HRMS(ESI)計算値 C1515FN(M+H)284.1311.実測値 284.1307.
ベンジル-(4-((tert-ブチルイミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(30)
45%KOH水溶液(0.449g、8.00mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.120g、0.465mmol)のHCl水溶液(2ml、8.00mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.071g、0.511mmol)を加え、それに続いてエチルアミンのTHF溶液(73.0μL、0.968mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を18時間続けた。反応混合物のH NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。粗製の物質を単離せずに次の工程に使用した。
ベンジル(4-(1-(tert-ブチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(31)
CHCl(10ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.161g、0.558mmol)と、イミン(0.145g、0.465mmol)と、20%KCO水溶液(0.385mL、0.558mmol)との混合物を、室温で60時間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄
し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル3:2)は、tert-ブチルカルバマートを無色の固体として与えた(64.1mg、31%)。H-NMR(400MHz;CDCl):δ
1.61(9H,s),5.27(2H,s),6.76(1H,d,J=5.0Hz),6.92(2H,t,J=8.7Hz),7.44-7.22(7H,m),7.78(1H,s),8.45(1H,d,J=5.0Hz),8.52(1H,s);13C-NMR(101MHz;CDCl):δ 31.2,58.4,67.7,115.2,115.4,119.5,125.3,128.7,128.8,128.8,129.8(d,JC-F=8.2Hz),130.2(d,JC-F=3.4Hz),135.6,136.3,142.3,151.4,157.7(s,1C),159.0,162.2(d,JC-F=248Hz),162.8.
4-(1-(tert-ブチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(32;ZH9-190)
20重量%Pd(OH)/C(33.0mg)を、tert-ブチルカルバマート(64.0mg、0.143mmol)の10:1のTHF/MeOH(5mL)中の溶液に加えた。生じた混合物を200psiの水素の雰囲気の下で2時間撹拌した。混合物をセライトに通してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NEt 97:2:1)により精製すると、無色の固体を与えた(30.8mg、69%)、m.p.189~197℃。H-NMR(500MHz;CDOD):δ
1.61(9H,s),6.52(1H,d,J=5.0Hz),7.00-6.97(2H,m),7.32-7.29(2H,m),7.93(1H,s),8.21(1H,d,J=5.0Hz);13C-NMR(126MHz;CDOD):δ 31.3,59.8,115.3,115.9,116.1,127.8,130.6(d,JC-F=8.1Hz),131.5(d,JC-F=3.4Hz),137.1,141.5,160.1,163.3,163.5(d,JC-F=246Hz),164.9.HRMS(ESI)計算値 C1719FN(M+H)312.1624.実測値 312.1619.
ベンジル-(4-((シクロプロピルイミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(33)
45%KOH水溶液(0.449g、8.00mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.140g、0.544mmol)のHCl水溶液(2ml、8.00mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.090g、0.653mmol)を加え、それに続いてシクロプロピルアミン(75.0μL、1.09mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を18時間続けた。反応混合物のH NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。粗製の物質を単離せずに次の工程に使用した。
ベンジル(4-(1-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(34)
CHCl(10ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.189g、0.653mmol)と、イミン(0.161g、0.544mmol)と、20%KCO水溶液(0.450mL、0.653mmol)との混合物を、30℃で48時間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル3:2)は、シクロプロピルカルバマートを無色の固体として与えた(50.7mg、22%)、m.p.178~188℃。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 0.95-0.76(4H,m),4.05(1H,dt,J=7.4,3.6Hz),5.23(2H,s),6.73(1H,d,J=5.3
Hz),7.02(2H,t,J=8.8Hz),7.46-7.31(7H,m),7.66(1H,s),8.27(1H,d,J=5.3Hz),9.12(1H,s);13C-NMR(126MHz;CDCl):δ 7.4,29.4,67.6,115.6,115.7,126.6,128.7,128.8,130.3(d,JC-F=8.1Hz),130.4(d,JC-F=3.2Hz),135.7,139.7,143.4,151.5,157.5,158.0,159.0,162.6(d,J=247Hz).HRMS(ESI)計算値 C2421FN(M+H)430.1679.実測値 430.1676.
4-(1-シクロプロピル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(35;ZH-58)
20重量%Pd(OH)/C(25.0mg)を、シクロプロピルカルバマート(50.7mg、0.118mmol)の5:2のTHF/MeOH(7mL)溶液に加えた。生じた混合物を、200psiの水素の雰囲気下で2.5時間撹拌した。混合物をセライトに通してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NEt 97:2:1)により精製すると、無色の固体を与えた(31.9mg、99%)。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 0.95-0.82(4H,m),3.63(1H,tt,J=7.3,3.8Hz),5.21(2H,s),6.56(1H,d,J=5.1Hz),7.01-6.97(2H,m),7.49-7.46(2H,m),7.63(1H,s),8.21(1H,d,J=5.1Hz);13C-NMR(126MHz;CDCl):δ 7.2,28.5,112.4,115.3,115.5,127.1,129.8(d,JC-F=8.1Hz),130.4(d,JC-F=3.2Hz),138.9,141.7,158.5,159.1,162.5(d,JC-F=247Hz),163.19.HRMS(ESI)計算値 C1615FN(M+H)296.1311.実測値 296.1306.
ベンジル-(4-((シクロブチルイミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(36)
45%KOH水溶液(0.449g、8.00mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.146g、0.570mmol)のHCl水溶液(2ml、8.00mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.095g、0.684mmol)を加え、それに続いてシクロブチルアミン(97.0μL、1.14mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を18時間続けた。反応混合物のH NMR分析はアルデヒドの完全な消費を示した。粗製の物質を単離せずに次の工程に使用した。
ベンジル(4-(1-シクロブチル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(37)
CHCl(10ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.197g、0.684mmol)と、イミン(0.177g、0.570mmol)と、20%KCO水溶液(0.450mL、0.684mmol)との混合物を、30℃で18時間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル2:3)は、シクロブチルカルバマートを無色の固体として与えた(98.5mg、39%)、m.p.191~204℃。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 1.87-1.82(2H,m),2.28-2.23(2H,m),2.45-2.40(2H,m),5.27(2H,s),5.56-5.52(1H,m),6.68(1H,d,J=5.3Hz),7.04-7.01(2H,m),7.44-7.32(7H,m),7.81(1H,s),8.23(1H,d,J=5.3Hz),9.01(1H,s);13C-NMR(126MHz;CDCl
):δ 15.2,31.1,50.9,67.6,115.6,115.7,116.0,124.3,128.7,128.8,130.4(d,JC-F=8.1Hz),130.7(d,JC-F=3.2Hz),135.7,137.4,144.1,151.5,157.5,157.9,159.1,162.7(d,JC-F=247.3Hz).HRMS(ESI)計算値 C2523FN(M+H)444.1836.実測値 444.1834.
4-(1-シクロブチル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(38;ZH-62)
20重量%Pd(OH)/C(56.0mg)を、シクロブチルカルバマート(96.0mg、0.216mmol)の5:2のTHF/MeOH(7mL)溶液に加えた。生じた混合物を100psiの水素の雰囲気の下で3時間撹拌した。混合物をセライトに通してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NEt 97:2:1)により精製すると、無色の固体を与えた(34.2mg、51%)、m.p.229~231℃。H-NMR(500MHz;CDOD):δ 1.91-1.83(2H,m),2.45-2.35(4H,m),5.09(1H,quintet,J=8.4Hz),6.41(1H,d,J=5.2Hz),7.09-7.05(2H,m),7.44-7.41(2H,m),8.04(1H,s),8.13(1H,d,J=5.1Hz);13C-NMR(126MHz;CDOD):δ 15.8,31.8,52.1,112.6,116.2,116.4,126.7,131.2(d,JC-F=8.2Hz),131.5(d,JC-F=3.2Hz),137.9,142.1,159.4,160.1,163.9(d,JC-F=247Hz),164.9.HRMS(ESI)計算値 C1717FN(M+H)310.1468.実測値 310.1464.
ベンジル-(4-((オキセタン-3-イルイミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(39)
45%KOH水溶液(0.449g、8.00mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.140g、0.544mmol)のHCl水溶液(2ml、8.00mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.090g、0.653mmol)を加え、それに続いて3-オキセタンアミン(77.0μL、1.09mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を18時間続けた。反応混合物のH NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。粗製の物質を単離せずに次の工程に使用した。
ベンジル(4-(4-(4-フルオロフェニル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(40)
CHCl(10ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.188g、0.653mmol)と、イミン(0.170g、0.544mmol)と、20%KCO水溶液(0.450mL、0.653mmol)との混合物を、室温で72時間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル3:2)は、オキセタン-3-イルカルバマートを無色の固体として与えた(113mg、47%)、m.p.186~196℃。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 4.85(2H,t,J=6.5Hz),5.13(2H,t,J=7.2Hz),5.28(2H,s),6.31(1H,t,J=6.7Hz),6.72(1H,d,J=5.3Hz),7.07(2H,t,J=8.6Hz,),7.46-7.34(7H,m),8.09(1H,s),8.21(1H,d,J=5.3Hz),8.70(1H,s);13C-NMR(126MHz;CDCl):δ 51.4,67.8,77.9,115.5,115.8,116.0,124.
5,128.8,128.9,130.4(d,JC-F=3.3Hz),130.7(d,JC-F=8.2Hz),135.6,137.4,144.8,151.4,157.4,158.2,158.2,163.0(d,JC-F=248Hz).HRMS(ESI)計算値 C2421FN(M+H)446.1628.実測値 446.1626.
4-(4-(4-フルオロフェニル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(41;ZH-78)
20重量%Pd(OH)/C(65.0mg)を、オキセタン-3-イルカルバマート(102mg、0.229mmol)の1:1のTHF/MeOH(10mL)溶液に加えた。生じた混合物を200psiの水素の雰囲気の下で4時間撹拌した。混合物をセライトに通してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NEt 97:2:1)により精製すると、薄黄色の固体を与えた(62.7mg、88%)。H-NMR(500MHz;CDOD):δ 4.93(2H,t,J=6.7Hz),5.05(2H,t,J=7.3Hz),5.73(1H,m,J=6.8Hz),6.37-6.36(1H,m),7.12-7.08(2H,m),7.46-7.43(2H,m),8.06(1H,d,J=5.2Hz),8.27(1H,s);13C-NMR(126MHz;CDOD):δ 53.0,54.8,78.2,111.7,116.3,116.5,126.9,131.4(d,JC-F=3.3Hz),131.6(d,JC-F=8.3Hz),138.2,143.2,159.2,159.3,164.1(d,JC-F=247Hz),164.7.HRMS(ESI)計算値 C1615FN(M+H)312.1261.実測値 312.1256.
ベンジル-(4-((シクロヘキシルメチルイミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(42)
45%KOH水溶液(0.449g、8.00mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.108g、0.419mmol)のHCl水溶液(2ml、8.00mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.069g、0.502mmol)を加え、それに続いてシクロヘキシルメチルアミン(110μL、0.838mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を18時間続けた。反応混合物のH NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。粗製の物質を単離せずに次の工程に使用した。
ベンジル(4-(1-(シクロヘキシルメチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(43)
CHCl(10ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.145g、0.503mmol)と、イミン(0.153g、0.419mmol)と、20%KCO水溶液(0.350mL、0.503mmol)との混合物を、室温で72時間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル3:7)は、シクロヘキシルメチルカルバマートを無色の固体として与えた(102mg、50%)、m.p.174~181℃。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 1.64-0.83(11H,m),4.46(2H,d,J=7.2Hz),5.25(2H,s),6.65(1H,d,J=5.3Hz),7.04(2H,t,J=8.7Hz),7.45-7.30(7H,m),7.56(1H,s),8.17(1H,d,J=5.4Hz),9.57(1H,s);13C-NMR(126MHz;CDCl):δ 25.7,26.3,30.4,38.9,52.9,67.6,115.6,115.7,124.3,128.7,128.8,128.8,130.6(d,JC-F=8.1Hz),130.7(d,JC-F
3.3Hz),135.6,141.2,144.5,151.5,157.6,157.8,159.4,162.6(d,J=247Hz).HRMS(ESI)計算値 C2829FN(M+H)486.2305.実測値 486.2303.
4-(1-(シクロヘキシルメチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(44;ZH-138)
20重量%Pd(OH)/C(21.0mg)を、シクロヘキシルメチルカルバマート(102mg、0.229mmol)の5:2のTHF/MeOH(7mL)溶液に加えた。生じた混合物を200psiの水素の雰囲気の下で2時間撹拌した。混合物をセライトに通してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル 9:1)により精製すると、無色の固体を与えた(25.1mg、34%)、m.p.180~199℃。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 0.88-0.85(2H,m),1.14-1.11(2H,m),1.68-1.53(7H,m),4.09(2H,d,J=6.7Hz),5.18(2H,s),6.50(1H,d,J=5.2Hz),7.00(2H,t,J=8.8Hz),7.48-7.45(2H,m),7.54(1H,s),8.15(1H,d,J=5.2Hz);13C-NMR(126MHz;CDCl):δ 25.7,26.3,30.7,39.0,52.9,112.5,115.4,115.5,125.0,130.1(d,JC-F=8.1Hz),130.7(d,JC-F=3.2Hz),140.0,142.5,158.4,159.3,162.5(d,JC-F=247Hz),163.1.HRMS(ESI)計算値 C2023FN(M+H)352.1937.実測値 352.1932.
p-トルエンスルフィン酸
O(10ml)を、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム塩(2.00g、10.3mmol)に加え、透明な溶液が得られるまで、生じた混合物を30分間撹拌した。ジエチルエーテル(10ml)を加え、それに続いて濃HCl(0.7ml)を加え、撹拌をさらに30分間続けた。有機層を分離し、トルエン(10ml)で希釈し、約90%の溶媒が除去されるまでロータリーエバポレーターで濃縮した。ヘプタン(5ml)を加え、得られた白色固体をろ過し、ヘプタンで洗浄し、真空下で乾燥させると、p-トルエンスルフィン酸を白色の固体として与えた(1.1g、69%)。H NMR(DMSO-d,400MHz)δ 2.37(3H,s),7.36(1H,d,J=8Hz),7.54(1H,d,J=8Hz);13C NMR(DMSO-d,100MHz
)δ 20.9,124.5,129.4,141.3,146.0.
N-(p-トリル(トシル)メチル)ホルムアミド(45)
ホルムアミド(0.937g、20.8mmol)を、p-トルアルデヒド(1.00g、8.32mmol)のトルエン(2ml)及びアセトニトリル(2ml)中の溶液に加え、それに続いてTMSCl(0.995g、9.15mmol)及びTolSOH(1.95g、12.5mmol)を加えた。生じた懸濁液を50℃で5時間加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、ジエチルエーテル(5ml)及びHO(10ml)を加え、混合物を冷蔵庫で一晩保存した。このようにして得られた固体の白色生成物をろ過により回収し、真空下で乾燥させると、45を与えた(0.810g、33%)。化合物45は、室温でDMSO-d中でアミド回転異性体の5:1の混合物で存在する。主要な異性体のスペクトルデータ:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ 2.31(3H,s),2.39(3H,s),6.31(1H,d,J=10.4Hz),7.21(2H,d,J=7.6Hz),7.40-7.42(4H,m),7.69(2H
,d,J=8.0Hz),7.93(1H,s),9.70(1H,d,J=10.4Hz);13C NMR(DMSO-d,100MHz)δ 21.3,21.6,70.4,127.7,129.3,129.7,129.8,130.0,134.0,139.5,145.2,160.6.
1-(イソシアノ(p-トリル)メチル)スルホニル)-4-メチルベンゼン(46)
オキシ塩化リン(0.493ml、0.527mmol)を、25(0.80g、0.263mmol)の乾燥THF(5ml)溶液に加え、生じた溶液を5分間25℃で撹拌した。溶液を0℃に冷却した後、トリエチルアミン(2.21ml、1.58mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を5~10℃に温め、その温度に45分間保った。酢酸エチル(5ml)及び水(5ml)を連続的に加え、混合物を5分間撹拌した。有機層を分離し、水、飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、蒸発乾固させた。残渣を1-プロパノール(5ml)により希釈し、この溶液をロータリーエバポレーターで、その元の体積のおよそ半分(2.5ml)に濃縮した。残渣を5~10℃に30分間冷却し、結晶化した薄茶色の固体をろ過し、1-プロパノールで2回すすぎ、真空下で乾燥させると、46を与えた(0.420g、56%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 2.39(3H,s),2.47(3H,s),5.57(1H,s),7.18-7.2
4(4H,m),7.33(2H,d,J=8.4Hz),7.63(2H,d,J=8Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 21.3,21.8,76.4,123.5,128.3,129.5,129.7,130.2,130.5,141.1,146.5,165.8.
ベンジル(4-(1-(シクロヘキシル)-4-(4-メチルフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(47)
1-(イソシアノ(p-トリル)メチル)スルホニル)-4-メチルベンゼン46(0.250g、0.876mmol)及び20%KCO水溶液(1.2mL、0.242g含有、1.75mmol)を、イミン12(0.267g、0.788mmol)の20℃のCHCl(5ml)溶液に加える一方で、撹拌を一晩続けた。この時点で、追加のイミン(0.029g、0.088mmol)及びKCO(0.061g、0.086mmol)を加え、反応混合物を30℃で一晩撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 6:93:1)と、それに続くメタノールを使用する再結晶化は、47を白色の固体として与えた(0.062g、15%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.21-1.28(2H,
m),1.37-1.47(2H,m),1.58-1.74(2H,m),1.82-1
.85(2H,m),2.10-2.13(2H,m),2.35(3H,s),4.9
9-5.02(1H,m),5.27(2H,s),6.85(1H,d,J=5.2H
z),7.12(1H,d,J=8.4Hz),7.32-7.46(7H,m),7.
60(1H,s),7.77(1H,s),8.35(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 21.4,25.7,34.7,55.4,67.6,116.9,123.9,128.6,128.7,128.8,129.3,131.7,135.6,136.8,137.7,144.9,151.3,157.4,158.0,159.8;HRMS(ESI)計算値 C2830(M+H)468.2400.実測値 468.2402.
4-(1-(1-(シクロヘキシル)-4-(4-メチルフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(48;SS8-186)
THF(3ml)及びメタノール(0.3ml)中の47(0.050g、0.012mmol)と20重量%Pd(OH)/C(0.010g)の混合物を200psiの水素により1時間処理した。混合物をセライトに通してろ過し、減圧下で濃縮すると、粗生成物を与えた。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 7:92:1)は、48を白色の固体として与えた(0.020g、50%)。
NMR(CDCl,400MHz)δ 1.26-1.40(4H,m),1.56-1.75(2H,m),1.86-1.90(2H,m),2.15-2.17(2H,m),2.35(3H,s),4.49-4.57(1H,m),5.09(2H,s),
6.54(1H,d,J=5.2Hz),7.10(2H,d,J=8.0Hz),7.37(2H,d,J=8.0Hz),7.73(1H,s),8.15(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 21.4,25.5,26.0,55.7,113.2,124.6,128.3,129.2,131.7,135.9,137.2,143.0,158.4,159.8,163.1;HRMS(ESI)計算値 C2024(M+H)334.2032.実測値 334.2028.
N-((4-クロロフェニル)(トシル)メチル)ホルムアミド(49)
ホルムアミド(0.801g、17.8mmol)を、p-トルアルデヒド(1.00g、7.11mmol)のトルエン(2ml)及びアセトニトリル(2ml)中の溶液に加え、それに続いてTMSCl(0.850g、7.83mmol)及びTolSOH(1.66g、10.7mmol)を加えた。生じた懸濁液を50℃で5時間加熱した。反応混合物を0℃に冷却し、ジエチルエーテル(5ml)及びHO(10ml)を加え、混合物を冷蔵庫内で一晩保存した。このようにして得られた固体の白色生成物をろ過に
より回収し、高真空下で乾燥させると、49を与えた(0.90g、39%)。化合物49は、室温でDMSO-d中でアミド回転異性体の3:1の混合物として存在する。主要な異性体のスペクトルは以下の通りである:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ 2.39(3H,s),6.43(1H,d,J=10.4Hz),7.41-7.51(4H,m),7.57(2H,d,J=8.4Hz),7.70(2H,d
,J=8.0Hz),7.94(1H,s),9.77(1H,d,J=10.8Hz);13C NMR(DMSO-d,100MHz)δ 21.6,69.9,124.9,128.7,129.6,130.1,131.7,133.6,134.9,145.5,160.7.
1-(クロロ-4-イソシアノ(トリル)メチル)ベンゼン(50)
オキシ塩化リン(0.462ml、0.494mmol)を、49(0.800g、0.247mmol)の乾燥THF(5ml)溶液に加え、生じた溶液を5分間25℃で撹拌した。溶液を0℃に冷却した後、トリエチルアミン(2.06ml、1.48mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を5~10℃に温め、その温度に45分間保った。酢酸エチル(5ml)及び水(5ml)を連続的に加え、混合物を5分間撹拌した。有機層を分離し、水、飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、蒸発乾固させた。生じた残渣を1-プロパノール(5ml)により希釈し、生じた溶液を、その元の体積の半分(2.5ml)にロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を5~10℃に30分間冷却し、結晶化した薄茶色の固体をろ過し、1-プロパノールで2回すすぎ、高真空下で乾燥させると、50を与えた(0.115g、14%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 2.48(3H,s),5.58(1H,s),7.28(2H,d,J=8.4Hz),7.34-7.49(4H,m),7.63(2H,d,J=8.0Hz);13
C NMR(CDCl,100MHz)δ 21.8,75.8,125.1,129.1,129.7,129.8,129.9,130.5,137.2,146.9,166.6.
ベンジル(4-(1-(シクロヘキシル)-4-(4-クロロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート(51)
1-(クロロ-4-イソシアノ(トリル)メチル)ベンゼン50(0.120g、0.392mmol)及び20%KCO水溶液(0.108g、0.785mmol)を、イミン12(0.119g、0.353mmol)の20℃のCHCl(5ml)中の溶液に加える一方で、撹拌を一晩続けた。この時点で、追加のイミン(0.013g、0.062mmol)及びKCO(0.047g、0.345mmol)を加え、反応混合物を30℃で一晩撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 6:93:1)と、それに続くCHOH/CHClを使用する再結晶化は、51を白色の固体として与えた(0.051g、20%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.21-1.28(2H,m),1.3
6-1.46(2H,m),1.56-1.74(2H,m),1.82-1.86(2H
,m),2.10-2.13(2H,m),4.96-5.02(1H,m),5.27(2H,s),6.81(1H,d,J=5.6Hz),7.29(1H,d,J=8.8Hz),7.32-7.46(7H,m),7.69(1H,s),7.78(1H,s
),8.38(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 25.7,34.7,55.5,67.6,116.8,124.3,128.7,128.8,129.9,130.0,133.1,133.8,135.8,137.0,143.3,151.2,157.6,158.3,159.4;HRMS(ESI)計算値 C2727 35ClN(M+H)488.1853.実測値 488.1861.
4-(1-(1-(シクロヘキシル)-4-(4-クロロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(52;SS8-190)
THF(5ml)及びメタノール(0.5ml)中の50(0.050g、0.102mmol)と20重量%Pd(OH)/C(0.020g)の混合物を、200psiの水素により1時間処理した。混合物をセライトに通してろ過し、減圧下で濃縮すると、粗生成物を与えた。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/CHCl/EtN 20:79:1)は、脱塩素化された化合物により汚染された52を与えた。
NMR(CDCl,400MHz)δ 1.23-1.42(4H,m),1.56-1.76(2H,m),1.87-1.91(2H,m),2.15-2.17(2H,m),4.49-4.55(1H,m),5.06(2H,s),6.54(1H,d,J
=5.2Hz),7.26-7.30(2H,m),7.49(2H,d,J=8.0H
z),7.75(1H,s),8.16(1H,d,J=5.2Hz);HRMS(ESI)計算値 C1920 35ClN(M+H)354.1485.実測値 354.1479.
2-(メチルアミノ)ピリミジン-4-カルボアルデヒド塩酸塩(53)
4M HCl水溶液(2ml)を、4-(ジメトキシメチル)-N-メチルピリミジン-2-アミン(0.060g、0.33mmol)のTHF(1ml)溶液に加えた。生じた混合物を40℃に一晩加熱し、次いで室温に冷却した。アルデヒドの塩酸塩を含む反応混合物を、単離せずに次の工程に直接使用した。
4-((シクロヘキシルイミノ)-メチル)-N-メチルピリミジン-2-アミン(54)
45%KOH水溶液(0.448g、7.98mmol)を、粗製のアルデヒド53(0.045g、0.33mmol)のHCl水溶液(2ml、7.94mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された混合物に、CHCl(5ml)及びKCO(0.55g、0.39mmol)を加え、それに続いてシクロヘキシルアミン(0.38g、0.39mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を2時間続けた。H NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。粗製の物質を精製せずに次の工程に使用した(0.068g、48%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.25-1.43(2H,m),1.53-1.
67(8H,m),5.10-5.14(1H,m),7.12(1H,d,J=4.8
Hz),8.12(1H,s,NH),8.34(1H,d,J=5.2Hz);13
NMR(CDCl,100MHz)δ 24.6,25.6,34.0,69.8,112.4,151.6,157.8,158.9,163.2;HRMS(ESI)計算値 C1219(M+H)219.1610.実測値 219.1622.
4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)-N-メチルピリミジン-2-アミン(55;SS9-010)
20℃のCHCl(5ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.060g、0.275mmol)と、イミン54(0.088g、0.306mmol)と、20%KCO水溶液(0.085g、0.612mmol)との混合物を一晩撹拌した。この時点で、追加のイミン(5.0mg、0.027mmol)及びKCO(7.0mg、0.056mmol)を加え、反応混合物を、30℃で2回目の夜の間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル6:4)は、55を白色の固体として与えた(0.045g、48%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.20-1.40(4H,m
),1.61-1.76(2H,m),1.88-1.91(2H,m),2.18-2.
21(2H,m),2.10-2.13(2H,m),3.06(3H,d,J=11.
6Hz),4.57-4.65(1H,br s),5.13-5.15(1H,m),6.41(1H,d,J=5.2Hz),6.96-7.01(2H,m),7.44-7.49(2H,m),7.73(1H,s),8.16(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 25.5,26.1,28.6,34.7,55.7,111.9,115.2,115.5,130.1,130.2,135.9,158.3,159.0,159.5,163.2,163.6;HRMS(ESI)計算値 C2023FN(M+H)352.1937.実測値 352.1935.
ピロリジン-1-カルボキシイミドアミド硫酸塩(56)
水(10ml)中の等モル量のピロリジン(1.77ml、21.5mmol)及び2-メチル-2-チオシュード尿素硫酸塩(3.00g、21.5mmol)を還流させながら2時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、濃HSO(2.25ml、21.5mmol)を加えた。溶媒を蒸発させ、得られた固体をろ過し、アセトンで洗浄し、乾燥させると、56を白色の固体として与えた(3.10g、86%)。H NMR(DO,400MHz)δ 1.98-2.01(4H,m),3.38-3.40(4H,m);13C NMR(DO,100MHz)δ 24.8,46.8,154.1;HRMS(ESI)計算値 C12(M+H)114.1031.実測値 114.2028.
1,1-ジメチルグアニジン硫酸塩(57)
水(10ml)中のジメチルアミン(40%w/v HO)(3.08ml、28.7mmol)及び2-メチル-2-チオシュード尿素硫酸塩(2.00g、14.3mmol)を室温で3日間撹拌した。反応混合物を室温に放冷し、濃HSO(0.76ml、14.3mmol)を加えた。溶媒を蒸発させ、得られた固体をろ過し、アセトンで洗浄し、乾燥させると、57を白色の固体として与えた(2.01g、98%)、m.p.280℃。H NMR(DO,400MHz)δ 3.03(6H,s);13
NMR(DO,100MHz)δ 37.3,156.7;HRMS(ESI)計算値 C10(M+H)88.0875.実測値 88.0878.
1-ベンジルグアニジン硫酸塩(58)
ベンジルアミン(1.57ml、17.2mmol)を、2-メチル-2-チオシュード尿素硫酸塩(2.00g、14.3mmol)の水(10ml)及びエタノール(10ml)中の溶液に加えた。生じた反応混合物を、還流させながら12時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、濃HSO(0.76ml、14.3mmol)を加えた。溶媒を蒸発させ、得られた固体をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させると、58を白色の固体として与えた(2.36g、72%)。H NMR(DO,400MHz)δ 3.82(2H,s),7.23-7.27(5H,m);13C NMR(D
O,100MHz)δ 44.4,126.8,127.9,128.9,136.1,156.8;HRMS(ESI)計算値 C12(M+H)150.1031.実測値 150.1037.
1-プロピルグアニジン硫酸塩(59)
水(10ml)中のプロピルアミン(1.77ml、22.1mmol)及び2-メチル-2-チオシュード尿素硫酸塩(2.00g、14.3mmol)を室温で3日間撹拌した。反応混合物を室温に放冷し、濃HSO(0.76ml、14.3mmol)を加えた。溶媒を蒸発させ、得られた固体をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させると、59を白色の固体として与えた(2.22g、99%)。H NMR(DO,400MHz)δ 0.92(3H,t,J=8Hz),1.56-1.61(2H,s
ex,J=8Hz),3.12(3H,t,J=8Hz);13C NMR(DO,100MHz)δ 10.3,21.3,42.7,156.7;HRMS(ESI)計算値 C12(M+H)102.1031.実測値 102.1037.
4-(ジメトキシメチル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン(60)
水酸化ナトリウム(0.706g、17.6mmol)及び56(1.00g、8.83mmol)を、E-1,1-ジメトキシ-4-ジメチルアミノブタ-2-エン-2-オン(2.29g、13.2mmol)の水(10ml)溶液に加えた。生じた混合物を、還流させながら2時間加熱した。次いで、反応混合物を室温に放冷し、ろ過して、沈殿した硫酸ナトリウムを除去した。水性のろ液をCHClで数回抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー
(EtOAc/石油エーテル1:1)は60を薄黄色の油として与えた(0.110g、10%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.96-2.00(4H,
m),3.42(6H,m),3.57-3.60(4H,m),5.08(1H,s)
,6.68(1H,d,J=5.2Hz),8.34(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 25.7,46.8,54.0,103.8,105.7,158.4,160.3,165.9;HRMS(ESI)計算値
1118(M+H)224.1399. 実測値 224.1398
4-(ジメトキシメチル)-N,N-ジメチルピリミジン-2-アミン(61)
水酸化ナトリウム(0.867g、7.35mmol)及び57(1.00g、7.35mmol)を、E-1,1-ジメトキシ-4-ジメチルアミノブタ-2-エン-2-オン(1.91g、11.0mmol)の水(10ml)溶液に加えた。生じた混合物を還流させながら16時間加熱した。反応物をCHClで希釈し、水で洗浄した。数回の抽出後に、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル1:1)は、61を薄黄色の油として与えた(0.09g、7%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 3.18(6H,s),3.41(6H,s),5.08(1H,s),6.66(1H,d,J=5.2Hz),8.33(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 37.1,54.0,103.9,105.7,158.4,162.3,165.6;HRMS(ESI)計算値 C16(M+H)198.1243.実測値 198.1238.
N-ベンジル-4-(ジメトキシメチル)ピリミジン-2-アミン(62)
水酸化ナトリウム(0.606g、15.2mmol)及び58(1.50g、7.57mmol)を、E-1,1-ジメトキシ-4-ジメチルアミノブタ-2-エン-2-オン(1.97g、11.3mmol)の水(10ml)溶液に加えた。生じた混合物を還流させながら16時間加熱した。反応物をCHClで希釈し、水で洗浄した。数回の抽出後に、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル1:1)は、62を薄黄色の油として与えた(0.6g、31%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 3.39(6H,s),5.65(2H,d,J=6Hz),5.10(1H,s),5.57(1H,br s),6.77(1H,d,J=5.2Hz),7.24-7.36(5
H,m),8.33(1H,d,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 45.7,53.8,103.0,108.0,127.4,127.7,128.7,139.2,159.0,162.4,166.2;HRMS(ESI)計算値 C1417(M+H)260.1399.実測値 260.1401.
4-(ジメトキシメチル)-N-プロピルピリミジン-2-アミン(63)
水酸化ナトリウム(0.80g、20.1mmol)及び59(1.50g、10.1mmol)を、E-1,1-ジメトキシ-4-ジメチルアミノブタ-2-エン-2-オン(2.07g、12.1mmol)の水(10ml)溶液に加えた。生じた混合物を還流させながら16時間加熱した。反応物をCHClで希釈し、水で洗浄した。数回の抽出後に、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル1:1)は、63を薄黄色の油として与えた(0.25g、12%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 0.97(3H,t,J=8Hz),1.59-1.65(2H,m),3.36-3.41(2H,m),3.39(6H,s),5.09(1H,s),6.72(1H,d,J=4.8Hz),8.33(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 11.6,22.9,43.5,53.7,103.0,107.5,
158.9,162.6,166.1;HRMS(ESI)計算値 C1018(M+H)212.1399.実測値 212.1401
1-(4-ホルミルピリミジン-2-イル)ピロリジン塩酸塩(64)
4M HCl水溶液(2ml)を、60(0.080g、0.358mmol)のTHF(1ml)溶液に加えた。生じた混合物を40℃に一晩加熱し、次いで室温に冷却した。アルデヒドの塩酸塩を含む反応混合物を単離せずに次の工程に直接使用した。
2-(ジメチルアミノ)ピリミジン-4-カルボアルデヒド塩酸塩(65)
4M HCl水溶液(2ml)を、61(0.080g、0.406mmol)のTHF(1ml)溶液に加えた。生じた混合物を40℃に一晩加熱し、次いで室温に冷却した。アルデヒドの塩酸塩を含む反応混合物を単離せずに次の工程に直接使用した。
2-(ベンジルアミノ)ピリミジン-4-カルボアルデヒド塩酸塩(66)
4M HCl水溶液(2ml)を、62(0.200g、0.772mmol)のTHF(1ml)溶液に加えた。生じた混合物を40℃に一晩加熱し、次いで室温に冷却した。アルデヒドの塩酸塩を含む反応混合物を単離せずに次の工程に直接使用した。
2-(プロピルアミノ)ピリミジン-4-カルボアルデヒド塩酸塩(67)
4M HCl水溶液(2ml)を、63(0.200g、0.948mmol)のTHF(1ml)溶液に加えた。生じた混合物を40℃に一晩加熱し、次いで室温に冷却した。アルデヒドの塩酸塩を含む反応混合物を単離せずに次の工程に直接使用した。
N-((2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル)メチレン)シクロヘキサンアミン(68)
45%KOH水溶液(0.448g、7.98mmol)を、粗製のアルデヒド64(0.060g、0.338mmol)のHCl水溶液(2ml、7.94mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された混合物に、CHCl(5ml)及びKCO(0.047g、0.338mmol)を加え、それに続いてシクロヘキシルアミン(0.040g、0.406mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を一晩続けた。H NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。粗製の物質を精製せずに次の工程に使用した(0.080g、91%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.25-1.42(4H,m),1.
66-1.84(6H,m),1.98-2.01(4H,m),3.26-3.31(1
H,m),3.58-3.61(4H,m),7.08(1H,d,J=4.8Hz),
8.15(1H,s,NH),8.34(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 24.6,25.5,25.6,34.0,46.6,69.7,104.8,158.1,158.3,159.7,162.2;HRMS(ESI)計算値 C1523(M+H)259.1923.実測値 259.1915
4-((シクロヘキシルイミノ)-メチル)-N,N-ジメチルピリミジン-2-アミン(69)
45%KOH水溶液(0.448g、7.98mmol)を、粗製のアルデヒド65(0.063g、0.417mmol)のHCl水溶液(2ml、7.94mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された混合物に、CHCl(5ml)及びKCO(0.057g、0.417mmol)を加え、それに続いてシクロヘキシルアミン(0.049g、0.534mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を一晩続けた。H NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示
した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。粗製の物質を精製せずに次の工程に使用した(0.091g、93%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.02-1.43(4H,m),1.
61-1.85(6H,m),3.19(3H ,s),3.21(3H,s),3.2
4-3.31(1H,m),7.08(1H,d,J=5.2Hz),8.14(1H,
s,NH),8.34(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 24.8,25.7,34.2,37.2,69.9,105.0,158.2,158.4,159.9,162.3;HRMS(ESI)計算値 C1324(M+H)233.1766.実測値 233.1758
N-ベンジル-4-((シクロヘキシルイミノ)-メチル)ピリミジン-2-アミン(70)
45%KOH水溶液(0.448g、7.98mmol)を、粗製のアルデヒド66(0.2g、0.939mmol)のHCl水溶液(2ml、7.94mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された混合物に、CHCl(5ml)及びKCO(0.129g、0.939mmol)を加え、それに続いてシクロヘキシルアミン(0.112g、11.3mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を一晩続けた。H NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。粗製の物質を精製せずに次の工程に使用した(0.250g、92%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.24-1.38(4H,m),1.56-1.68(4H,m),1.81-1.84(2H,m),3.24-3.31(1H,m),3.39(2H,s),6.73(1H,d,J=4.8Hz),7.24-7.27
(5H,m),8.11(1H,s),8.32(1H,d,J=5.2Hz);13
NMR(CDCl,100MHz)δ 24.7,25.6,33.9,45.5,69.8,107.8,127.2,127.4,128.5,139.08,158.8,158.9,162.4,166.0;HRMS(ESI)計算値 C1219(M+H)295.1923.実測値 295.1915.
4-((シクロヘキシルイミノ)-メチル)-N-プロピルピリミジン-2-アミン(71)
45%KOH水溶液(0.448g、7.98mmol)を、粗製のアルデヒド67(0.15g、0.908mmol)のHCl水溶液(2ml、7.94mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された混合物に、CHCl(5ml)及びKCO(0.125g、0.908mmol)を加え、それに続いてシクロヘキシルアミン(0.108g、11.1mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を一晩続けた。H NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。粗製の物質を精製せずに次の工程に使用した(0.250g、91%)。
NMR(CDCl,400MHz)δ 0.96-1.00(3H,t,J=8Hz
),1.24-1.38(4H,m),1.56-1.84(8H,m),3.25-3.
30(1H,m),3.39(2H,t,J=8.4Hz),5.09(1H,br s),6.72(1H,d,J=5.2Hz),8.11(1H,s,NH),8.32(1H,d,J=4.8Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 11.4,22.8,24.6,25.1,43.3,69.9,105.0,158.2,158.4,159.9,162.3;HRMS(ESI)計算値 C1219(M+H)247.1923.実測値 247.1915.
4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)-2-(ピロリジン-1-イル)ピリミジン(72;SS9-098)
20℃のCHCl(5ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.099g、0.344mmol)と、粗製のイミン68(0.070g、0.309mmol)と、20%KCO水溶液(0.095g、0.688mmol)の混合物を一晩撹拌した。この時点で、追加のKCO(0.024g、0.172mmol)を加え、反応混合物を、30℃で2回目の夜の間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル4:6)は、不純な生成物を与え、それをHPLCにより再精製すると、72を与えた(0.028g、26%)。H NMR(MeOH,400MHz,HCl salt)δ 1.11-
1.31(4H,m),1.39-1.69(4H,m),1.75-1.81(2H,m),1.75-1.81(2H,m),1.95-2.01(2H,m),2.09-2.
16(2H,m),3.48-3.71(4H,m),4.75-4.81(1H,m),6.49(1H,d,J=6.4Hz),7.13-7.18(2H,m),7.36-7.40(2H,m),7.94(1H,d,J=6.8Hz),9.03(1H,s);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 24.7,25.7,34.0,47.3,58.2,109.7,116.6,116.8,122.9,130.7,130.8,155.9,157.6,162.5,165.0;HRMS(ESI)計算値 C2023FN(M+H)392.2250.実測値 392.2247.
4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)-N,N-ジメチルピリミジン-2-アミン(73;SS9-078)
20℃のCHCl(5ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.124g、0.430mmol)と、粗製のイミン69(0.090g、0.387mmol)と、20%KCO水溶液(0.119g、0.861mmol)の混合物を、一晩撹拌した。この時点で、追加のKCO(0.030g、0.215mmol)を加え、反応混合物を、30℃で2回目の夜の間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル6:4)は不純な生成物を与え、それをHPLCにより再精製すると、73を与えた(0.022g、14%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.25-1.39(4H,m
),1.73-1.79(2H,m),1.95-1.98(2H,m),2.24-2.
26(2H,m),3.26(6H,s),4.70-4.75(1H,m),6.31
(1H,d,J=5.2Hz),7.09-7.12(2H,m),7.46-7.48(2H,m),8.32(1H,d,J=5.2Hz),8.85(1H,s);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 25.0,25.8,34.3,37.3,58.0,110.1,116.5,116.7,123.3,126.7,130.66,130.73,133.8,134.4,155.1,159.0,162.2,162.7,164.7;HRMS(ESI)計算値 C2023FN(M+H)366.2094.実測値 365.2089.
N-ベンジル-4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(74;SS9-102)
20℃のCHCl(5ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.273g、0.945mmol)と、粗製のイミン69(0.230g、0.850mmol)と、20%KCO水溶液(0.261g、1.891mmol)の混合物を一晩撹拌した。この時点で、追加のKCO(0.065g、0.472mmol)及びイミン(0.023g、0.085mmol)を加え、反応混合物を、30℃で2回目の夜の間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル6:4)は74を白色の固体として与えた(0.110
g、35%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.19-1.25(4
H,m),1.56-1.62(2H,m),1.81-1.86(2H,m),2.11-2.14(2H,m),4.54-4.57(1H,m),4.71(2H,d,J=6.0Hz),5.55(1H,br s),6.44(1H,d,J=5.2Hz),6.96-7.01(2H,m),7.28-7.31(1H,m),7.34-7.37(
4H,m),7.44-7.47(2H,m),7.72(1H,s),8.16(1H
,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 25.3,25.7,34.5,45.3,55.4,112.3,115.2,115.3,125.0,127.2,127.3,128.7,129.9,130.0,130.7,135.7,140.0,141.6,158.3,160.0,161.0,62.4,163.5;HRMS(ESI)計算値 C2023FN(M+H)428.2250.実測値 428.2247.
4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)-プロピルピリミジン-2-アミン(75;SS9-106)
20℃のCHCl(5ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.260g、0.902mmol)と、粗製のイミン71(0.200g、0.812mmol)と、20%KCO水溶液(0.250g、1.812mmol)の混合物を一晩撹拌した。この時点で、追加のKCO(0.064g、0.448mmol)及びイミン(0.021g、0.081mmol)を加え、反応混合物を、30℃で2回目の夜の間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル6:4)は75を白色の固体として与えた(0.085g、23%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.01(3H,t,J=7.2Hz),1.23-1.39(4H,m),1.59-1.76(4H,m),1.88-1.91(2H,m),2.16-2.19(2H,m),3.43(2H,q,J=7.2Hz),4.55-4.58(1H,br s),5.19-5.35(1H,m),6.38(1H,d,J=5.2Hz),6.98-7.01(2H,m),7.
43-7.47(2H,m),7.72(1H,s),8.14(1H,d,J=5.2
Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 11.6,23.1,25.5,26.0,34.7,43.5,55.6,111.9,115.2,115.4,130.1,130.2,135.8,141.5,158.3,161.2,163.2,163.6;HRMS(ESI)計算値 C2023FN(M+H)380.2250.実測値 380.2246.
4-ジメトキシメチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン(76)
MeOH(80mL)中の1,1-ジメトキシ-4-ジメチルアミノブタ-2-エン-2-オン(5.00g、28.9mmol)と、チオ尿素(3.30g、43.4mmol)と、2.5M NaOMe(2.34g、43.4mmol)の混合物を一晩還流加熱した。混合物を室温に冷却し、次いでMeI(2.16mL、34.7mmol)を滴加した。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を真空中で濃縮した。残渣をEtOAc中に抽出し、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル1:5)により精製すると、チオエーテル(4.14g、72%)を無色の油として与えた。H NMR(CDCl,400MHz)δ 2.91(3H,s),5.67(6H,s),5.18(1H,s),7.18(1H,d,J=4.0Hz),8.56(1H,d,J=4.0Hz);13C NMR(CDCl,100MHz)δ 14.3,54.2,103.2,113.4,158.0,165.7,172.8.
2-(メチルチオ)ピリミジン-4-カルボアルデヒド(77)
4M HCl水溶液(13ml)を、4-ジメトキシメチル-2-メチルスルファニル-ピリミジン(4.10g、20.5mmol)の溶液に加えた。生じた混合物を50℃に一晩加熱した。H NMR分析はカルボアルデヒドへの転化を示したので、混合物を室温に冷却した。反応混合物をEtOAcにより希釈し、KCO溶液により中和した。水相をEtOAcで抽出し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。粗製の物質を精製せずに次の工程に使用した(2.74g、87%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 2.64(3H,s),7.44(1H,d,J=4.8Hz),8.77(1H,d,J=4.8Hz),9.96(1H,s).
4-((シクロヘキシルイミノ)-メチル)-N-メチルチオピリミジン-2-アミン(78)
20%のKCO水溶液(0.55g、0.39mmol)及びシクロヘキシルアミン(2.45mL、21.4mmol)を、粗製のアルデヒド(2.74g、17.8mmol)のCHCl(15mL)溶液に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。H NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。イミンを含む反応混合物を単離せずに次の工程に直接使用した。
4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-
イル)-2-(メチルチオ)ピリミジン(79)
CHCl(15ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(5.67g、19.6mmol)と、イミン(2.74g、17.8mmol)と、KCO(2.71g、19.6mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル1:1)は固体を与え、それをEtOAc/石油エーテル)から再結晶化すると、スルフィドを薄黄色の結晶として与えた(2.32g、35%)m.p.192~195℃。H-NMR(400MHz;CDCl):δ 1.41-1.19(3H,m),1.75-1.59(3H,m),1.88(2H,d,J=13.3Hz),2.16(2H,d,J=11.3Hz),2.58(3H,s),4.62(1H,tt,J=11.9,3.4Hz),6.76(1H,d,J=5.2Hz),6.99(2H,t,J=8.6Hz),7.40(2H,dd,J=8.5,5.5Hz),7.76(1H,s),8.31(1H,d,J=5.2Hz);13C-NMR(101MHz;CDCl):δ 14.2,25.4,26.0,34.7,55.9,115.5,115.71(s,1C),117.2,124.2,130.3(d,JC-F=8.0Hz),130.6(d,JC-F=3.2Hz),136.6,143.1,157.1,158.2,162.6(d,JC-F=247Hz),173.0.HRMS(ESI)計算値 C2022FNS(M+H)369.1549.実測値 369.1545.
4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)-2-メチルスルホニルピリミジン-2-アミン(80)
CHCl(20mL)中のスルフィド(0.404g、1.10mmol)の混合物に、mCPBA(0.569g、3.30mmol)を少量ずつ加え、混合物を室温で一晩撹拌した。TLCは、より極性の高い化合物への転化を示した。混合物を、NaCO水溶液、水、ブラインによりクエンチし、NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮すると、スルホンを無色の固体として与えた(0.440g、87%) m.p.196~202℃。H-NMR(400MHz;CDCl):δ 1.93-1.21(8H,m),2.23(2H,d,J=11.3Hz),3.39(3H,s),4.85(1H,tt,J=11.8,3.4Hz),7.08(2H,t,J=8.6Hz),7.27(1H,m),7.43(2H,dd,J=8.5,5.5Hz),7.86(1H,s),8.59(1H,d,J=5.4Hz);13C-NMR(101MHz;CDCl):δ 25.5,25.8,34.9,39.2,56.9,116.0,116.3,123.1,130.3(d,JC-F=3.6Hz,1C),130.7(d,JC-F=8.2Hz),138.2,146.0,157.5,159.8,163.1(d,JC-F=249Hz),166.3.HRMS(ESI)計算値 C2022FNS(M+H)401.1447.実測値 401.1444.
N-シクロブチル-4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(81)
シクロブチルアミン(35.0μL、0.569mmol)を、THF(2mL)中の80(38.0mg、0.095mmol)の混合物に加え、混合物を室温で40時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル1:1)により精製すると、薄黄色の固体を与えた(37.0mg、99%)、m.p.185~189℃。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 1.99-1.29(13H,m,),2.17(2H,d,J=11.2Hz),2.43(2H,qd,J=7.7,3.3Hz,),4.50(1H,dq,J=16.1,8.0Hz),4.60(1H,br s),5.46(1H,br s),6.38(1H,d,J=5.1Hz),7.00-6.96(2H,m),7.46-7.44(2H,m),7.73(1H,s),8.13(1H,d,J=4.3Hz);13C-
NMR(126MHz;CDCl):δ 15.2,25.5,26.0,31.9,34.7,46.6,55.5,112.1,115.2,115.4,125.2,130.1(d,JC-F=8.0Hz),130.8(d,JC-F=3.1Hz),135.8,141.6,158.3,159.1,161.7,162.4(d,JC-F=247Hz).HRMS(ESI)計算値 C2327FN(M+H)392.2250.実測値 392.2247.
4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)-N-(オキセタン-3-イル)ピリミジン-2-アミン(82)
3-オキセタンアミン(48.0μL、0.053mmol)を、THF(2mL)中の80(48.0mg、0.120mmol)の混合物に加え、混合物を室温で24時間撹拌した。TLCは、反応が未完了であることを示したので、追加の3-オキセタンアミン(48μL、0.053mmol)を加え、撹拌をさらに48時間続けた。混合物を真空下で濃縮し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル1:1)により精製すると、薄黄色の固体を与えた(44.9mg、95%)。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 1.92-1.27(8H,m),2.15-2.12(2H,m),4.48(1H.dd,J=9.6,6.0Hz),4.62(2H,t,J=6.5Hz),4.98(2H,t,J=7.0Hz),5.15(1H,q,J=6.8Hz),6.46(1H,d,J=5.1Hz),6.99-6.95(2H,m),7.41(2H,td,J=6.1,2.6Hz),7.74(1H,s),8.17(1H,d,J=5.1Hz);13C NMR(126MHz;CDCl)δ 21.2,25.4,26.0,34.64,46.6,55.6,76.9,77.4,79.2,113.0,115.3,115.5,124.9,130.1(d,JC-F=8.1Hz),130.6(d,JC-F=3.0Hz),136.0,141.9,158.4,159.2,161.5(s,1C),162.4(d,JC-F=247.2Hz).HRMS(ESI)計算値 C2225FNO(M+H)394.2043.実測値 394.2042.
4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)-N-(プロパ-2-イン-1-イル)ピリミジン-2-アミン(83)
プロパルギルアミン(56.0μL、0.869mmol)を、THF(5mL)中の80(58.0mg、0.145mmol)の混合物に加え、混合物を室温で24時間撹拌した。TLCは反応が未完了であることを示したので、追加のプロパルギルアミン(112μL、1.74mmol)を加え、撹拌をさらに6日間続けた。追加の3-オキセタンアミン(48μL、0.053mmol)を加え、撹拌をさらに48時間続けた。混合物を真空下で濃縮し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル1:1)により精製すると、薄い橙色の固体を与えた(51.3mg、94%)、m.p.147~155℃。H-NMR(500MHz;CDCl):δ 2.19-1.20(10H,m),2.24(1H,t,J=2.5Hz),4.28(2H,dd,J=5.8,2.5Hz),4.61-4.59(1H,m),5.63-5.59(1H,m),6.48(1H,d,J=5.1Hz),7.01-6.96(2H,m),7.46-7.42(2H,m),7.75(1H,s),8.19(1H,d,J=5.1Hz);13C NMR(126MHz;CDCl)δ 25.5,25.9,31.3,34.8,55.6,71.2,81.0,112.9,115.3,115.5,125.0,130.2(d,JC-F=8.0Hz),130.8(d,JC-F=3.3Hz),136.0,142.0,158.4,159.1,161.8,162.4(d,JC-F=247Hz).HRMS(ESI)計算値 C2223FN(M+H)376.1937.実測値 376.1934.
2-((4-(1-シクロヘキシル-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾー
ル-5-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)エタン-1-オール(84)
エタノールアミン(93μL、1.56mmol)を、THF(5mL)中の80(0.104g、0.261mmol)の混合物に加え、混合物を室温で18時間撹拌した。TLCは、スルホンの、より極性の高い化合物への完全な消費を示した。混合物を真空下で濃縮し、化合物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル8:2)により精製すると、薄黄色の固体を与えた(79.6mg、80%)、m.p.180~184℃。H NMR(CDOD,400MHz)δ 1.29-2.15(10H,m),3.56(2H,m),3.74(2H,m),4.58(1H,m),6.37(1H,d,J=4Hz),7.06,(2H,m),7.39(2H,m),8.00(1H,s),8.14(1H,d,J=4Hz);13C NMR(CDOD,101MHz)δ 26.3,26.9 44.7,49.5,57.1,61.9,112.7,116.1,116.35,123.8,126.8,131.3(d,JC-F=8.1Hz),131.7(d,JC-F=3.1Hz),137.4,141.6,159.5,160.0,163.8(d,JC-F=246Hz),164.0.HRMS(ESI)計算値 C2125FNO(M+H)382.2043.実測値
382.2040.
ベンジル-(4-((シクロペンチルイミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート
45%KOH水溶液(0.449g、8.00mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.070g、0.274mmol)のHCl水溶液(2ml、8.00mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.045g、0.328mmol)を加え、それに続いてシクロペンチルアミン(54.0μL、0.547mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を18時間続けた。反応混合物のH NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。粗製の物質を単離せずに次の工程に使用した。
ベンジル(4-(1-(シクロペンチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート
CHCl(10ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.095g、0.329mmol)と、イミン(0.088g、0.274mmol)と、20%KCO水溶液(0.255mL、0.329mmol)との混合物を室温で60時間撹拌した。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル3:2)は、シクロペンチルカルバマートを与えた(0.103mg、82%)。
4-(1-(シクロペンチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン
20重量%Pd(OH)/Cを、シクロペンチルカルバマートの10:1のTHF/MeOH中の溶液に加える。生じた混合物を、200psiの水素の雰囲気の下で2時間撹拌する。混合物をセライトに通してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NEt 97:2:1)により精製すると、無色の固体を与える。
ベンジル-(4-((シクロペンチルメチルイミノ)メチル)ピリミジン-2-イル)カルバマート
45%KOH水溶液(0.449g、8.00mmol)を、粗製のアルデヒド2(0.147g、0.571mmol)のHCl水溶液(2ml、8.00mmol)中の氷***液に、温度を15℃未満に保ちながら加えた。中和された溶液に、CHCl(5ml)及びKCO(0.095g、0.685mmol)を加え、それに続いてシクロペンチルメチルアミン(107μL、0.113mmol)を加えた。反応混合物を徐々に室温に温め、撹拌を18時間続けた。反応混合物のH NMR分析は、アルデヒドの完全な消費を示した。粗製の物質を単離せずに次の工程に使用した。
ベンジル(4-(1-(シクロペンチルメチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-イル)カルバマート
室温のCHCl(10ml)中のα-(p-トルエンスルホニル)-4-フルオロベンジルイソニトリル(0.198g、0.5685mmol)と、イミン(0.193g、0.571mmol)と、20%KCO水溶液(0.475mL、0.685mmol)の混合物を72時間撹拌する。反応混合物をCHClで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮する。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/石油エーテル3:2)は、シクロペンチルメチルカルバマートを無色の固体として与えるだろう。
4-(1-(シクロペンチルメチル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン
20重量%Pd(OH)/Cを、シクロペンチルメチルカルバマートの10:1のTHF/MeOH溶液に加える。生じた混合物を、200psiの水素の雰囲気の下で2時間撹拌する。混合物をセライトに通してろ過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH/NEt 97:2:1)により精製すると、無色の固体を与える。
1 W.C.Still,M.Kahn and A.M.Mitra,J.Org.Chem.,1978,43,2923.
2 A.B.Pangborn,M.A.Giardello,R.H.Grubbs,
R.K.Rosen and F.J.Timmers,Organometallics,1996,15,1518.
4-(1-(1-ドデシルピペリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)-1H-イミダゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(11;SS8-082
THF(3ml)及び水(1ml)中の1-ブロモドデカン(0.043g、0.147mmol)と、5(0.050g、0.147mmol)と、炭酸セシウム(0.192g、0.589mmol)との混合物を、70℃に加熱し、一晩撹拌した。TLCがおよそ10%のアミンの存在を示したので、追加の1-ブロモドデカン(0.008g、0.029mmol)及び炭酸セシウム(0.025g、0.074mmol)を加え、撹拌を3時間続けた。反応混合物をEtOAcで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc/EtN 5:94:1)は、11を白色の固体として与えた(0.031g、40%)。H NMR(CDCl,400MHz)δ 0.88(3H,t,J=7.2Hz),1.09-1.28(18H,m),1.42-1.49(2H,m),1.96-2.15(4H,m),2.35-2.38(2H,m),3.04-3.11(2H,m),4.51-4.59(1H,m),5.07(2H,s),6.50(1H,d,J=5.2Hz),6.97-7.01(2H,m),7.43-7.46(2H,m),7.77(1H,s),8.18(1H,d,J=5.2Hz);13C NMR(CDCl,150MHz)δ 14.3,22.9,27.4,27.8,29.5,29.7,29.78,29.80,29.83,32.1,33.7,52.2,52.3,58.7,113.1,115.4,115.6,124.9,130.06,130.13,130.6,136.0,142.1,158.7,159.4,161.5,163.1,163.5;HRMS(ESI)計算値 C3044FN(M+H)507.3611.実測値 507.3613.

Claims (81)

  1. 式(I):

    (式中:
    及びR
    (i)H、C1~6アルキル、C2~6アルキニル、CアルキルCアリール、Cアリール、C3~6シクロアルキル、及びC3~5ヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立に選択されるか;又は
    (ii)RとRは、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル又はヘテロアリール基を形成し;
    は、F、Cl、Br、I、CH、OCH、OCFH、OCF、COH、CO1~10アルキルからなる群から選択され;
    は、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、C1~10アルキルCアリール、C1~6アルキルOC1~6アルキルCアリール、C0~6アルキルヘテロアリール、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択され;ここで、R、R、R、及びRのそれぞれは任意選択で置換されている)の化合物、又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体。
  2. 図8中の化合物のリストから選択されない、請求項1に記載の化合物。
  3. がHでない、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
  4. がC1~12アルキルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. がヒドロキシルにより置換されている、請求項4に記載の化合物。
  6. がC1~3アルキルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. がC2~6アルキニルである、請求項1に記載の化合物。
  8. がCアリールである、請求項1に記載の化合物。
  9. がC3~6シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  10. がC3~5ヘテロシクリルである、請求項1に記載の化合物。
  11. がHである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. とRがどちらも同じである、請求項1に記載の化合物。
  13. とRが、それらが結合している窒素と共にヘテロシクリル基を形成する、請求項1に記載の化合物。
  14. とRが、それらが結合している窒素と共にモルホリノ基を形成する、請求項13に記載の化合物。
  15. とRが、それらが結合している窒素と共に、4~8個の炭素原子を含むN-ヘテロシクリルを形成する、請求項13に記載の化合物。
  16. がCH及びハロから選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. がF又はClである、請求項16に記載の化合物。
  18. がC0~3アルキルC3~12シクロアルキルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
  19. 前記C3~12シクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルから選択される、請求項18に記載の化合物。
  20. がC3~12シクロアルキルである、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物。
  21. が架橋部分である、請求項18~20のいずれか一項に記載の化合物。
  22. が、アダマントリ、ノルボルニル、及びスピロシクロアルキル部分から選択される、請求項21に記載の化合物。
  23. がC1~12アルキルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
  24. が、メチル、エチル、プロピル、又はブチル基である、請求項23に記載の化合物。
  25. がC0~10アルキルCアリールである、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
  26. がC1~6アルキルOC1~6アルキルCアリールである、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
  27. がC0~6アルキルヘテロアリールである、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
  28. がC0~6アルキルヘテロシクリルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物。
  29. が架橋部分である、請求項28に記載の化合物。
  30. がスピロヘテロアルキル部分である、請求項29に記載の化合物。
  31. 前記ヘテロシクリル基が窒素原子を含む、請求項28~30のいずれか一項に記載の化合物。
  32. が、3-アゼチジニル、3-ピロリジニル、又は4-ピペリジルである、請求項31に記載の化合物。
  33. 前記窒素原子が基Rにより置換されており、Rが、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、C0~10アルキルCアリール、C1~6アルキルOC1~6アルキルCアリール、C0~6アルキルヘテロアリール、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択される、請求項31又は請求項32に記載の化合物。
  34. がC0~3アルキルC3~12シクロアルキルである、請求項33に記載の化合物。
  35. がC~C12シクロアルキルである、請求項33又は請求項34に記載の化合物。
  36. が架橋部分を含む、請求項33~35のいずれか一項に記載の化合物。
  37. が、アダマントリ、ノルボルニル、又はスピロシクロアルキル部分を含む、請求項35又は請求項36に記載の化合物。
  38. がC0~6アルキルヘテロシクリルである、請求項33に記載の化合物。
  39. が架橋部分を含む、請求項38に記載の化合物。
  40. がスピロヘテロアルキル部分を含む、請求項38又は請求項39に記載の化合物。
  41. 式(Ia):

    (式中:
    及びR
    (i)H、C1~6アルキル、C2~6アルキニル、Cアリール、及びC3~5ヘテロシクリルからなる群からそれぞれ独立に選択されるか;又は
    (ii)RとRは、それらが結合している窒素原子と共に、ヘテロシクリル基を形成し;
    は、F、Cl、Br、I及びCHからなる群から選択され;
    は、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択され;
    ここで、R、R、R、及びRのそれぞれは任意選択で置換されている)の化合物又はその塩、溶媒和物、プロドラッグ、若しくは多形体。
  42. 図8中の化合物のリストから選択されない、請求項41に記載の化合物。
  43. がHでない、請求項41又は請求項42に記載の化合物。
  44. がC1~12アルキルである、請求項41に記載の化合物。
  45. がヒドロキシルにより置換されている、請求項43に記載の化合物。
  46. がC1~3アルキルである、請求項41~45のいずれか一項に記載の化合物。
  47. がC2~6アルキニルである、請求項41に記載の化合物。
  48. がCアリールである、請求項41に記載の化合物。
  49. がC3~6シクロアルキルである、請求項41に記載の化合物。
  50. がC3~5ヘテロシクリルである、請求項41に記載の化合物。
  51. がHである、請求項41~50のいずれか一項に記載の化合物。
  52. とRがどちらも同じである、請求項41~51のいずれか一項に記載の化合物。
  53. とRが、それらが結合している窒素と共にモルホリノ基を形成する、請求項41に記載の化合物。
  54. とRが、それらが結合している窒素と共に、4~8個の炭素原子を含むN-ヘテロシクリル基を形成する、請求項41に記載の化合物。
  55. がCHである、請求項41~54のいずれか一項に記載の化合物。
  56. がF又はClである、請求項41~54のいずれか一項に記載の化合物。
  57. がC0~3アルキルC3~12シクロアルキルである、請求項41~56のいずれか一項に記載の化合物。
  58. がC3~12シクロアルキルである、請求項57に記載の化合物。
  59. がCアルキルC3~12シクロアルキルである、請求項57に記載の化合物。
  60. 前記C3~12シクロアルキル基が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル
    、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルから選択される、請求項57~59のいずれか一項に記載の化合物。
  61. 前記C3~12シクロアルキル基が架橋部分である、請求項57~60のいずれか一項に記載の化合物。
  62. が、アダマンチル、ノルボルニル、及びスピロシクロアルキル部分からなる群から選択される、請求項61に記載の化合物。
  63. がC1~12アルキルである、請求項41~56のいずれか一項に記載の化合物。
  64. が、メチル、エチル、プロピル、又はブチル基である、請求項63に記載の化合物。
  65. がC0~6アルキルヘテロシクリルである、請求項41~56のいずれか一項に記載の化合物。
  66. が架橋部分である、請求項65に記載の化合物。
  67. がスピロヘテロアルキル部分である、請求項65又は請求項66に記載の化合物。
  68. が、3-アゼチジニル、3-ピロロジニル、又は4-ピペリジルである、請求項65に記載の化合物。
  69. 前記ヘテロシクリル基が窒素原子を含む、請求項65~68のいずれか一項に記載の化合物。
  70. 前記窒素が基Rにより置換されており、Rが、C0~3アルキルC3~12シクロアルキル、C1~12アルキル、C0~10アルキルCアリール、C1~6アルキルOC1~6アルキルCアリール、C0~6アルキルヘテロアリール、及びC0~6アルキルヘテロシクリルからなる群から選択される、請求項69に記載の化合物。
  71. が、C1~12アルキル及びC0~10アルキルCアリールから選択される、請求項70に記載の化合物。
  72. 前記C0~10アルキルCアリール基がC1~6アルキルCアリールである、請求項71に記載の化合物。
  73. 、R、R、及びRが、OH、C1~6アルコキシ、ハロ、アミノ、メルカプト、及びC1~6アルキルから選択される1個以上の基により任意選択で置換されている、請求項1~72のいずれか一項に記載の化合物。
  74. 呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患を治療又は予防する方法であって、前記対象に、治療上有効な量の請求項1~40のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を投与し、それにより対象の呼吸器疾患を治療又は予防することを含む方法。
  75. 対象の呼吸器疾患の治療又は予防に使用するための、請求項1~40のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  76. 請求項1~40のいずれか一項に記載の式(I)の化合物及び薬学的に許容できる賦形
    剤を含む組成物。
  77. 請求項1~40のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項76に記載の組成物の、対象の呼吸器疾患の治療又は予防のための医薬品の調製における使用。
  78. 呼吸器疾患の治療又は予防を必要とする対象の呼吸器疾患を治療又は予防する方法であって、前記対象に、治療上有効な量の請求項41~73のいずれか一項に記載の式(Ia)の化合物を投与し、それにより対象の呼吸器疾患を治療又は予防することを含む方法。
  79. 対象の呼吸器疾患の治療又は予防に使用するための、請求項41~73のいずれか一項に記載の式(Ia)の化合物。
  80. 請求項41~73のいずれか一項に記載の式(Ia)の化合物及び薬学的に許容できる賦形剤を含む組成物。
  81. 請求項41~73のいずれか一項に記載の化合物又は請求項80に記載の組成物の、対象の呼吸器疾患の治療又は予防のための医薬品の調製における使用。
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