JP2023131846A - 自動細胞培養装置 - Google Patents

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寛之 宇田
Hiroyuki Uda
工 大西
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Abstract

【課題】自動細胞培養装置において、培養者が主体となって細胞培養条件を設定するための手助けをする。【解決手段】自動細胞培養装置1は、培養部11と、環境調節部12と、監視部5と、入力部6a及び記憶部6cを有する制御装置6とを備える。記憶部6cは、監視部5によって監視される複数の種類の監視項目と、制御装置6が培養部11及び/又は環境調節部12を制御するための複数の種類の制御項目とを記憶している。制御装置6は、入力部6aを介して選択された監視項目と、入力部6aを介して選択された少なくとも1種類の制御項目との関連付けの情報を記憶部6cに記憶させる。さらに、制御装置6は、少なくとも1種類の監視項目の値の変化に応じた少なくとも1つの制御項目の制御内容の情報である制御情報を入力部6aへの入力結果に応じて決定し、制御情報を記憶部6cに記憶させる。【選択図】図6

Description

本発明は、自動細胞培養装置に関する。
特許文献1に開示された培養装置(以下、自動細胞培養装置)は、細胞培養の開始から終了までの一連の処理を実行可能に構成された培養部を備える。自動細胞培養装置は、細胞数等の培養状況の情報を得るための各種装置(以下、監視部)と、培養部の温度や培養液(培地)のpH等の調節可能なパラメータを操作するための各種装置(以下、環境調節部)とを備える。自動細胞培養装置に設けられた制御装置は、監視部による監視結果を利用して環境調節部を制御するように構成されている。
また、特許文献2には、自動細胞培養装置のセットアップ方法が開示されている。当該セットアップ方法においては、細胞の量産用の培養条件を含む全ての細胞培養条件が、細胞を量産する企業に所属する培養者ではなく、自動細胞培養装置を製造する製造者によって設定され又は再設定される(変更される)。その理由は、培養者は一般的に自動細胞培養装置に精通しておらず、培養者が自分でセットアップを行うことが難しいためである。
特開2019-41656号公報 特開2021-58120号公報
特許文献2に記載の細胞培養条件は、例えば特許文献1に記載の自動細胞培養装置においては、監視部による監視結果を利用した環境調節部の制御の条件を含むと解される。どのような監視結果に基づきどのように環境調節部を操作すべきかの情報は、培養者が手動培養用の装置を用いて予め手動培養を行うことによって取得されることが可能である。しかしながら、培養者は、一般的に、ノウハウ保護等の観点から、製造者を含む他者にこのような情報を提供することを望まない。言い換えれば、培養者が主体となって自動細胞培養装置のセットアップを自由に行いたいという要望がある。しかし、培養者は製造者と比べて自動細胞培養装置に精通していないため、例えば制御プログラムを作成する等の高度な作業を培養者が行うことは非常に困難である。
本発明の目的は、自動細胞培養装置において、培養者が主体となって細胞培養条件を設定するための手助けをすることである。
第1の発明の自動細胞培養装置は、細胞の培養の開始から終了までの一連の処理を実行するように構成された培養部と、細胞が培養される環境である培養環境を調節するように構成された環境調節部と、前記培養部における細胞の増殖の状況を示す培養状況及び前記培養環境を監視するように構成された監視部と、を備える自動細胞培養装置であって、前記監視部による監視結果に基づいて前記培養部及び前記環境調節部を制御する制御部を備え、前記制御部は、オペレータによって操作されることが可能に構成された入力部と、情報を記憶可能に構成された記憶部と、を有し、前記記憶部は、前記監視部によって監視されることが可能な複数の種類の監視項目と、前記制御部が前記培養部及び/又は前記環境調節部を制御するための複数の種類の制御項目と、を記憶しており、前記制御部は、前記複数の種類の監視項目の中から前記入力部を介して選択された選択監視項目と、前記複数の種類の制御項目の中から前記入力部を介して選択された選択制御項目との関連付けの情報を前記記憶部に記憶させ、且つ、前記選択監視項目の値の変化に応じた前記選択制御項目の制御内容の情報である制御情報を前記入力部への入力結果に応じて決定し、前記制御情報を前記記憶部に記憶させることを特徴とする。
本発明の培養状況とは、細胞数及び細胞の増殖速度などを意味する。本発明の培養環境とは、培養部及びその周辺の温度や、培養液(培地)のpHなどを意味する。本発明では、制御プログラムの作成よりも簡易的な手法で、培養者が細胞培養条件をある程度自由に設定できる。したがって、自動細胞培養装置において、培養者が主体となって細胞培養条件を設定するための手助けをすることができる。
第2の発明の自動細胞培養装置は、前記第1の発明において、情報を表示する出力部を備え、前記制御部は、前記選択監視項目を示す情報と、前記複数の種類の制御項目のうち少なくとも1種類の候補項目を示す情報と、を前記出力部に表示させ、前記選択監視項目と前記少なくとも1種類の候補項目のうち1種類の候補項目との関連付けの操作が前記入力部に対して行われたと判断したときに、前記監視項目と前記1種類の候補項目との関連付けの処理を行い、前記選択監視項目と前記1種類の候補項目との関連付けの解除の操作が前記入力部に対して行われたと判断したときに、前記選択監視項目と前記1種類の候補項目との関連付けの解除の処理を行うことを特徴とする。
本発明では、出力部による表示に基づいて入力部を操作することにより、関連付けの処理及び関連付けの解除の処理を容易に行うことができる。
第3の発明の自動細胞培養装置は、前記第1又は第2の発明において、前記制御部は、前記入力部への入力結果に応じて、前記複数の種類の監視項目の各々に係る監視を行うか否か決定するための条件である監視条件を前記記憶部に記憶させ、細胞の培養中に、前記監視条件に応じて、前記複数の種類の監視項目の少なくとも一部に係る監視の実行の有無を切り替えることを特徴とする。
細胞培養において、現状の細胞培養条件が必ずしも最適な条件であるとは限らない。つまり、培養される細胞の種類等によっては、より良い細胞培養条件が新たに見出される可能性がある。それは、監視条件についても同様である。すなわち、どの監視項目に係る監視をどのような条件下で行うことがより適切であるか、培養者によって新たに見出される可能性がある。そのような状況において、培養者自身による監視条件の容易且つ柔軟な設定又は設定変更を可能とする本発明は、非常に有用である。
第4の発明の自動細胞培養装置は、前記第1~第3のいずれかの発明において、前記記憶部は、前記複数の種類の監視項目の閾値の式の候補である1以上の候補式の情報を記憶しており、前記制御部は、前記入力部への入力に応じて、前記複数の種類の監視項目のうち1種類の監視項目の閾値を示す閾値式を生成し又は前記1以上の候補式の中から選択し、前記閾値式を前記1種類の監視項目と関連付けて前記記憶部に記憶させることを特徴とする。
本発明では、監視項目の値がどのように変化したときに培養部及び/又は環境調節部の制御を行うか、培養者が容易に設定できる。
第5の発明の自動細胞培養装置における培養条件設定方法は、細胞の培養の開始から終了までの一連の処理を実行するように構成された培養部と、細胞が培養される環境である培養環境を調節するように構成された環境調節部と、前記培養部における細胞の増殖の状況を示す培養状況及び前記培養環境を監視するように構成された監視部と、を備える自動細胞培養装置において細胞培養条件を設定する、自動細胞培養装置における培養条件設定方法であって、前記自動細胞培養装置は、前記監視部による監視結果に基づいて前記培養部及び前記環境調節部を制御する制御部を備えるものであり、前記制御部は、オペレータによって操作されることが可能に構成された入力部と、情報を記憶可能に構成された記憶部と、を有するものであり、前記記憶部は、前記監視部によって監視されることが可能な複数の種類の監視項目と、前記制御部が前記培養部及び/又は前記環境調節部を制御するための複数の種類の制御項目と、を記憶しているものであり、前記複数の種類の監視項目の中から1種類の選択監視項目を選択する操作を前記入力部に対して行う監視項目選択ステップと、前記複数の種類の制御項目の中から少なくとも1種類の選択制御項目を選択する操作を前記入力部に対して行う制御項目選択ステップと、前記選択監視項目と前記少なくとも1種類の選択制御項目との関連付けの操作を前記入力部に対して行う関連付けステップと、前記選択監視項目の値の変化に応じた前記少なくとも1種類の選択制御項目の制御内容に関する設定の操作を前記入力部に対して行う制御情報入力ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明では、自動細胞培養装置において、培養者が主体となって細胞培養条件を設定することができる。
本実施形態に係る細胞培養装置の概略的な正面図である。 自動細胞培養装置の電気的構成を示すブロック図である。 培養部の一例を示す模式図である。 (a)、(b)は、出力部に表示される画面を示す図である。 レシピの新規設定画面を示す説明図である。 (a)、(b)は、関連付けの設定画面を示す説明図である。 (a)、(b)は、監視条件の設定画面を示す説明図である。 (a)、(b)は、閾値式の設定画面を示す説明図である。 (a)、(b)は、制御内容の設定画面を示す説明図である。 (a)は、サーバに保存可能な情報を示す説明図であり、(b)は、権限管理画面を示す説明図である。 細胞の量産条件の決定や改善の手順の概略を示すフローチャートである。 細胞培養条件の新規設定の手順を示すフローチャートである。 サーバに保存された情報を示す説明図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、図1の紙面上下方向を上下方向(重力の作用する鉛直方向)とする。図1の紙面左右方向を左右方向とする。
(自動細胞培養装置の概略)
本実施形態に係る自動細胞培養装置1の概略について、主に図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は、自動細胞培養装置1の概略的な正面図である。図2は、自動細胞培養装置1の電気的構成を示すブロック図である。自動細胞培養装置1は、冷蔵庫2(図1参照)と、インキュベータ3(図1参照)と、操作部4(図2参照)と、監視部5(図2参照)と、制御装置6(本発明の制御部)とを備える。
冷蔵庫2は、試薬が貯蔵される低温エリアを構成するためのものである。冷蔵庫2は、低温エリアの温度を約4℃に維持可能に構成されている。これにより、冷蔵庫2内で、各種試薬の成分の変化を抑制しつつ当該試薬を貯蔵することができる。冷蔵庫2は、低温エリアの温度を約4℃以外の温度に調節可能に構成されていても良い。
インキュベータ3は、細胞が培養される培養エリアを構成するためのものである。インキュベータ3は、例えば、培養エリアの温度を約37℃に維持可能に構成されている。インキュベータ3は、培養エリアの温度を約37℃以外の温度に調節可能に構成されていても良い。培養される細胞の種類として、例えば間葉系幹細胞(MSC)或いは人工多能性幹細胞(iPSC)等を挙げることができるが、これには限られない。
操作部4は、制御装置6によって操作される複数の装置の集まりを1つのユニットと見なしたものである。操作部4は、細胞培養の処理が実行される培養部11と、培養部11及びその周辺の環境(細胞培養環境)を調節するための環境調節部12とを有する。培養部11及び環境調節部12は、制御装置6と電気的に接続されている。培養部11及び環境調節部12のより詳細については後述する。
監視部5は、細胞の増殖状況や細胞が置かれている環境を監視するための複数の装置の集まりを1つのユニットと見なしたものである。監視部5は、細胞の増殖状況等を観察するように構成された細胞観察部13と、培養部11及びその周辺等の環境に関する情報を検知するように構成された環境検知部14とを有する。細胞観察部13及び環境検知部14は、制御装置6と電気的に接続されている。細胞観察部13及び環境検知部14のより詳細については後述する。
制御装置6は、主に監視部5による監視結果に基づいて、操作部4を制御するように構成されている。制御装置6は、例えば一般的なコンピュータ装置である。図2に示すように、制御装置6は、入力部6aと、出力部6bと、記憶部6cと、読取部6dとを有する。入力部6aは、例えば公知のキーボード、マウス、タッチパネル等のうち少なくとも1つを有する。出力部6bは、例えば不図示のディスプレイを有する。記憶部6cは、例えば不図示のRAM及び/又はハードディスクを有する。読取部6dは、ユーザー認証の際に使われるものである。制御装置6は、データを記憶可能に構成されたサーバ100と電気的に接続されている。制御装置6のより詳細については後述する。
(培養部)
次に、培養部11の例について、図3を参照しつつ説明する。培養部11は、細胞の播種、培養、継代及び収穫等の処理を実行するためのものである。培養部11は、細胞の培養の開始から終了までの一連の処理を実行可能に構成されている。培養部11は、複数の容器(後述)の間で各種液体を移動させるように構成されている。各種液体とは、細胞を増殖させるための培地等の各種試薬、及び、試薬と細胞とが混合した細胞懸濁液を意味する。
培養部11は、例えば、密閉された閉鎖系を形成している。培養部11は、細胞に害を及ぼす細菌等が入り込まないように(すなわち、無菌状態を維持するように)構成されている。培養部11は、一例として、培地貯蔵容器21と、剥離液貯蔵容器22と、試薬加温容器23、24と、培養容器25と、継代用容器26と、培養容器27と、廃液容器28と、回収容器29とを有する。これらの容器として、ボトル又はバッグが採用されるが、これには限られない。また、培養部11は、例えば、複数の容器が接続されるチューブ31、32、33、34及び35を有する。また、培養部11は、例えば、各種液体を移動させるように構成されたポンプP1、P2、P3及びP4を有する。また、培養部11は、例えば、各容器に対応して設けられた開閉可能なバルブV1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8及びV9を有する。ポンプP1~P4及びバルブV1~V9は、制御装置6と電気的に接続されている(図2参照)。
培地貯蔵容器21は、細胞の培養に用いられる培地を貯蔵するための容器である。培地の種類として、例えば、動物由来の血清(例えば、ウシ由来血清)を含む血清培地を採用することができるが、これには限られない。培地貯蔵容器21は、冷蔵庫2内に収容されている。培地貯蔵容器21は、例えば、枝分かれしたチューブ31に接続されている。チューブ31の、培地貯蔵容器21が接続されている端部近傍には、培地貯蔵容器21を開閉するためのバルブV1が設けられている。
剥離液貯蔵容器22は、培養された細胞を容器から剥離させるための剥離液を貯蔵する容器である。一般的に、培養された細胞は、容器の底面に付着する。剥離液は、例えば、細胞を容器の底面から剥離させるための細胞剥離酵素(公知のトリプシン等)を含む液体であるが、これには限られない。剥離液貯蔵容器22は、冷蔵庫2内に収容されている。剥離液貯蔵容器22は、例えばチューブ31に接続されている。チューブ31の、剥離液貯蔵容器22が接続されている端部近傍には、当該端部を開閉するためのバルブV2が設けられている。
試薬加温容器23、24は、各種試薬を温めるための容器である。各種試薬は、試薬加温容器23又は24内で加温されることにより、各々の機能を発揮可能になる。試薬加温容器23、24は、インキュベータ3内に収容されている。試薬加温容器23、24は、例えば、枝分かれしたチューブ32にそれぞれ接続されている。試薬加温容器23は、例えば培地を温めるために使用される。試薬加温容器24は、例えば剥離液を温めるために使用される。チューブ32の、試薬加温容器23が接続されている端部近傍には、当該端部を開閉するためのバルブV3が設けられている。チューブ32の、試薬加温容器24が接続されている端部近傍には、当該端部を開閉するためのバルブV4が設けられている。
培養容器25は、細胞を培養するための容器である。培養容器25は、所定の細胞の培養が開始されるときに、最初に細胞が播種される容器である。培養容器25は、インキュベータ3内に収容されている。培養容器25は、例えば、枝分かれしたチューブ33に接続されている。チューブ33の、培養容器25が接続されている端部近傍には、当該端部を開閉するためのバルブV5が設けられている。
継代用容器26は、例えば、培養容器25で培養された細胞を継代する際に用いられる容器である。継代用容器26は、インキュベータ3内に収容されている。継代用容器26は、例えばチューブ35に接続されている。チューブ35の、継代用容器26が接続されている端部近傍には、当該端部を開閉するためのバルブV6が設けられている。
培養容器27は、細胞を培養するための容器である。培養容器27は、例えば培養容器25よりも大きいが、これには限られない。培養容器27は、培養容器25で培養された細胞を継代してさらに増殖させるために用いられる。培養容器27は、インキュベータ3内に収容されている。培養容器27は、例えばチューブ33に接続されている。チューブ33の、培養容器27が接続されている端部近傍には、当該端部を開閉するためのバルブV7が設けられている。
廃液容器28は、使用済みの試薬を廃棄するための容器である。廃液容器28は、例えば室温エリアに配置されている。廃液容器28は、例えば、枝分かれしたチューブ34に接続されている。チューブ34の、廃液容器28が接続されている端部近傍には、当該端部を開閉するためのバルブV8が設けられている。
回収容器29は、培養された細胞の一部又は全部をオペレータ(すなわち、自動細胞培養装置1を取り扱って細胞培養を行う培養者)が回収するための容器である。回収容器29は、例えば冷蔵庫2内に収容されている。回収容器29は、例えばチューブ34に接続されている。チューブ34の、回収容器29が接続されている端部近傍には、当該端部を開閉するためのバルブV9が設けられている。
各容器には、空気を逃がすための不図示の経路と、当該経路上に配置された不図示のフィルタとが設けられている。経路及びフィルタは、ポンプP1~P4のいずれかによって液体が移動させられる際に、液体の流出元の容器に空気を吸入し、且つ、液体の流入先の容器から空気を排出するためのものである。
チューブ31~35は、培養部11の無菌状態を維持しつつ容器間で液体を移動させるための配管部材である。チューブ31~35は、例えば可撓性を有していると良いが、これには限られない。チューブ31は、ポンプP1に接続され、チューブ32と連通している。チューブ32は、ポンプP1、P2及びP4に接続され、チューブ31、33及び35と連通している。チューブ33は、ポンプP2及びP3に接続され、チューブ32及び34と連通している。チューブ34は、ポンプP3に接続され、チューブ33と連通している。チューブ35は、ポンプP4に接続され、チューブ32と連通している。
ポンプP1~P4は、培養部11の無菌状態を維持しつつ容器間で液体を移動させるためのポンプ装置である。ポンプP1~P4として、例えば公知のチューブポンプが採用されるが、ポンプ装置の種類はこれには限られない。ポンプP1は、例えば、チューブ31に接続された容器とチューブ32に接続された容器との間で液体を移送可能に構成されている。ポンプP2は、例えば、チューブ32又は35に接続された容器とチューブ33に接続された容器との間で液体を移送可能に構成されている。ポンプP3は、例えば、チューブ33に接続された容器とチューブ34に接続された容器との間で移送可能に構成されている。ポンプP4は、例えば、チューブ32又は33に接続された容器とチューブ35に接続された容器との間で移送可能に構成されている。ポンプP1~P4は、制御装置6と電気的に接続されている。ポンプP1~P4は、制御装置6によって制御されることにより、移送する液体の量を調節可能に構成されている。
また、培養部11には、培養の対象である種細胞(不図示)が保存されたバイアル(不図示)が接続される。培養部11には、バイアルから種細胞を取り出して培養容器25に注入するように構成された注入装置(不図示)が設けられている。バイアルの代わりに、種細胞(不図示)が保存されたバッグその他の容器が設けられていても良い。
(環境調節部)
環境調節部12は、上述したように、細胞培養環境を調節するように構成されている。図示は省略するが、環境調節部12の少なくとも一部は、培養部11と接続されている。環境調節部12は、例えば、例えばインキュベータ3内に配置された不図示のヒータと、培養部11内に二酸化炭素を供給するための不図示の供給口及びバルブと、培養部11内から空気を排出するための不図示の排気口及びバルブとを有する。環境調節部12は、制御装置6と電気的に接続されており、制御装置6から送られる指令信号に従って動作する。環境調節部12は、細胞培養環境を調整可能なその他の装置を有していても良い。
(細胞観察部)
細胞観察部13は、培養されている細胞の数に関する情報を取得可能に構成されている。細胞の数に関する情報とは、例えば、細胞の数そのもの、又は細胞の単位体積当たりの数(つまり、細胞の密度)の情報を意味する。より上位的な概念として、細胞観察部13は、培養部11における細胞の増殖の状況を示す培養状況を監視するように構成されている。
細胞観察部13は、例えば不図示のカメラを有する。カメラは、例えば培養容器25の近傍及び培養容器27の近傍に1つずつ配置されている。カメラは、例えば、細胞を撮影して画像データを取得するように構成されている。細胞観察部13は、制御装置6と電気的に接続されている。制御装置6は、細胞観察部13によって取得された画像データに基づいて画像処理を行い、細胞の数の情報、又は細胞の単位体積当たりの密度の情報を取得する。或いは、細胞観察部13が、制御装置6の代わりに画像処理及び細胞の数の情報取得を行っても良い。制御装置6は、細胞観察部13による観察結果に基づいて、培養部11において培養されている細胞の増殖のペースを予測する。なお、細胞観察部13は、細胞の数に関する情報を取得可能に構成されていれば、上述したものに限られない。例えば、細胞観察部13は、培養容器25又は培養容器27において使用された培地(使用済み培地)内の代謝物を観察することにより、細胞の数に関する情報を間接的に取得可能に構成されていても良い。
(環境検知部)
環境検知部14は、自動細胞培養装置1における細胞培養環境を検知するためのものである。細胞培養環境は、例えばインキュベータ3内の温度、培養部11内の空気中の二酸化炭素濃度、培地のpH等、細胞の培養状況に影響を与えうる環境を意味する。環境検知部14は、例えば不図示の温度計と、不図示の二酸化炭素濃度計と、不図示のpH計とを有する。環境検知部14は、制御装置6と電気的に接続されており、検知信号を制御装置6に送信するように構成されている。環境検知部14は、細胞培養環境を検知可能なその他の装置を有していても良い。
(細胞培養手順の概要)
次に、自動細胞培養装置1における細胞培養手順の概要について説明する。細胞培養が開始されてから継代が行われるまでの期間や、継代が行われてから収穫が行われるまでの期間は、培養される細胞の種類や目標細胞数に応じて異なりうる。また、継代が行われずに収穫が行われる場合や、継代が複数回行われる場合もある。本実施形態では、説明の便宜上、培養開始から継代までの期間を第1期間とする。また、収穫前に継代が一度行われるものとする。継代から収穫までの期間を第2期間とする。
初期状態においては、全てのバルブV1~V9が閉じている。制御装置6は、液体の移動元の容器の近傍に配置されたバルブ及び液体の移動先の容器の近傍に配置されたバルブを開き、移動元の容器と移動先の容器との間に配置されたポンプを作動させることにより、液体を容器間で移動させる。その後、制御装置6は、これらのバルブを閉じ、ポンプの作動を停止させる。以下、説明の簡略化のため、上記のようなバルブの開閉制御及びポンプの制御を単に「制御装置6がバルブ及びポンプを制御する」と述べる。制御装置6は、自動細胞培養装置1の各部を制御して、以下の播種、継代及び収穫の処理を実行する。
まず、制御装置6は、播種の処理を実行する。具体的には、まず、制御装置6は、バルブV1、V3及びポンプP1を制御して、所定量の培地を培地貯蔵容器21から試薬加温容器23に移動させる。培地が温まった後、制御装置6は、バルブV3、V5及びポンプP2を制御して、培地を試薬加温容器23から培養容器25に移動させる。また、制御装置6は、注入装置(不図示)を制御して、種細胞をバイアルから培養容器25に移動させる。これにより、種細胞が所定の播種密度で培養容器25に播種される。時間経過とともに、種細胞が培養されて増殖する。増殖した細胞は、培養容器25の底面に付着する。
第1期間が経過した後、制御装置6は、細胞の継代の処理(培養容器25から培養容器27への細胞の移し替え)を行う。具体的には、まず、制御装置6は、バルブV1、V3及びポンプP1を制御して、新鮮な培地を培地貯蔵容器21から試薬加温容器23に移動させる。次に、制御装置6は、バルブV2、V4及びポンプP1を制御して、剥離液を剥離液貯蔵容器22から試薬加温容器24に移動させる。次に、制御装置6は、バルブV5、V8及びポンプP3を制御して、使用済みの培地を培養容器25から廃液容器28に移動させる。次に、制御装置6は、バルブV4、V5及びポンプP2を制御して、温まった剥離液を試薬加温容器24から培養容器25に移動させる。所定の待機時間が経過した後、制御装置6は、バルブV5、V8及びポンプP3を制御して、剥離液を培養容器25から廃液容器28に移動させる。細胞は、剥離液によって、培養容器25の底面から剥離しかけた状態になる。さらに、制御装置6は、バルブV3、V5及びポンプP2を制御して、予め温められた培地の一部を試薬加温容器23から培養容器25に移動させる。これにより、細胞が培養容器25の底面から剥離し、培養容器25内の培地と混合して細胞懸濁液になる。
さらに、制御装置6は、バルブV3、V6及びポンプP4を制御して、継代時の播種密度を調節するための培地を試薬加温容器23から継代用容器26に移動させる。また、制御装置6は、バルブV5、V6及びポンプP2、P4を制御して、培養容器25内の細胞懸濁液のうち継代に必要な量の細胞懸濁液を培養容器25から継代用容器26に移動させる。継代用容器26内で新たな培地と細胞懸濁液とを混合させることにより、所望の播種密度を有する細胞懸濁液を得ることができる。次に、制御装置6は、バルブV6、V7及びポンプP2、P4を制御して、細胞懸濁液を継代用容器26から培養容器27に移動させる。以上のようにして継代が完了する。また、制御装置6は、バルブV5、V9及びポンプP3を制御して、培養容器25内に残った細胞懸濁液を培養容器25から回収容器29に移動させる。回収容器29に送られた細胞懸濁液は、オペレータによって回収され、例えば培養された細胞の品質評価に用いられる。
第2期間が経過した後、制御装置6は、細胞の収穫の処理を行う。具体的な手順として、培養容器27の底面から細胞を剥離させるまでの手順は、上述した培養容器25内の細胞に対する処理の手順と同様である。その後、細胞懸濁液が入っている培養容器27がオペレータによって回収される。或いは、培養容器から別の容器(不図示)に細胞懸濁液が移送され、当該別の容器が回収されても良い。
制御装置6は、上述した播種から収穫までの間(つまり、細胞の培養の開始から終了までの間)、所定の細胞培養条件に基づいて、監視部5による監視結果に基づいて操作部4(培養部11及び環境調節部12)の制御を実行する。これにより、細胞が適切な環境下で増殖させられる。
ここで、どのような監視結果に基づきどのように培養部11及び環境調節部12を操作すべきかの情報は、培養者が手動培養用の装置を用いて予め手動培養を行うことによって取得されることが可能である。しかしながら、培養者は、一般的に、ノウハウ保護等の観点から、自動細胞培養装置1の製造者を含む他者にこのような情報を提供することを望まない。言い換えれば、培養者が主体となって自動細胞培養装置1のセットアップを自由に行いたいという要望がある。しかし、培養者は製造者と比べて自動細胞培養装置1に精通していないため、例えば制御プログラムを作成する等の高度な作業を培養者が行うことは非常に困難である。そこで、培養者が主体となって細胞培養条件を設定するための手助けをするため、本実施形態の制御装置6は以下のように構成されている。
(細胞培養条件の設定用のプログラム)
制御装置6の記憶部6cには、細胞培養条件を設定するためのプログラムが記憶されている。本実施形態における細胞培養条件とは、所定の細胞の播種から収穫までの間における培養部11の一連の制御内容や、監視部5による監視内容と操作部4の制御の内容との関連付け等に係る一まとまりの情報を意味する。このような一まとまりの情報を、以下「レシピ」とも呼ぶ。記憶部6cは、複数のレシピを記憶可能に構成されている。複数のレシピには、細胞を量産するためのレシピが含まれる。
細胞培養条件の設定用のプログラムについて、図4(a)~図9(b)を参照しつつ説明する。図4(a)、(b)は、出力部6bに表示される画面を示す図である。図5は、レシピの新規設定画面を示す説明図である。図6(a)、(b)は、監視項目(後述)と制御項目(後述)との関連付けの設定画面を示す説明図である。図7(a)、(b)は、監視条件の設定画面を示す説明図である。図8(a)、(b)は、閾値式の設定画面を示す説明図である。図9(a)、(b)は、制御内容の設定画面を示す説明図である。本実施形態では、説明の便宜上、入力部6aがタッチパネルを有し、出力部6bが液晶ディスプレイを有するものとして説明を進める。但し、入力部6aの構成及び出力部6bの構成は、これには限られない。
図4(a)に示すように、制御装置6は、例えば、オペレータが各種設定を行うためのメニュー画面S1を出力部6bに表示させるように構成されている。入力部6aは、メニュー画面S1において、「培養条件設定」ボタンが表示されている部分、「細胞培養実行」ボタンが表示されている部分、及び「権限管理」ボタンが表示されている部分にオペレータがタッチすることが可能に構成されている。培養条件設定とは、レシピの新規作成や、作成されたレシピの変更を意味する。細胞培養実行とは、作成された1以上のレシピの中から予め選択されたレシピに基づく細胞培養の実行開始を意味する。権限管理とは、サーバ100(図1参照)に保存される後述の権限情報の管理を意味する。
制御装置6は、メニュー画面S1(図4(a)参照)において「培養条件設定」ボタンがタッチされたとき、図4(b)に示す培養条件設定画面S2を出力部6bに表示させるようにプログラムされている。より厳密には、「培養条件設定ボタンがタッチされた」とは、入力部6aのうち、出力部6bにおいて「培養条件設定」ボタンが表示された部分と画面垂直方向に重なる部分がタッチされたことを意味する。説明の便宜上、以下同様とする。
制御装置6は、培養条件設定画面S2において、例えば「培養条件新規作成」ボタン及び「培養条件変更」ボタンにオペレータがタッチすることが可能に構成されている。また、制御装置6は、直前の画面(例えば、培養条件設定画面S2の直前に表示されていたメニュー画面S1)に戻るための「戻る」ボタンにオペレータがタッチすることが可能にプログラムされている。「戻る」ボタンに関し、後述する他の画面においても同様である。
以下、主にレシピの新規作成について説明する。制御装置6は、培養条件設定画面S2において「培養条件新規作成」ボタンがタッチされたとき、図5に示す新規設定画面S3を出力部6bに表示させるようにプログラムされている。制御装置6は、新規設定画面S3において、例えば「関連付け設定」「監視条件設定」「閾値式設定」「制御内容設定」「監視項目管理」「制御項目管理」及び「保存」をオペレータが選択することが可能にプログラムされている。
図5に示す各設定の概要について説明する。「関連付け設定」は、監視部5によって監視可能な項目(以下、監視項目)と、操作部4によって実行可能又は調整可能な項目(以下、制御項目)との関連付けの設定を意味する。より平易に言い換えると、関連付け設定は、どの監視項目の値が変化したときに、どの制御項目に関する制御を行うかの設定を意味する。「監視条件設定」は、各監視項目に係る監視をどのような条件下で監視部5に行わせるかの設定を意味する。「閾値式設定」は、ある監視項目の値がどのように変化したときに当該監視項目と関連付けられた制御項目に係る制御を行うかの設定を意味する。「制御内容設定」は、制御項目に係るどのような制御を行うかの設定を意味する。制御装置6は、これらの各種設定に係る画面においてオペレータが所定の操作を行うことにより、レシピの作成を進行させることができるようにプログラムされている。
また、「監視項目管理」は、監視項目の追加や削除等の管理を意味する。「制御項目管理」は、制御項目の追加や削除等の管理を意味する。「保存」は、新規レシピを記憶部6cに保存する(記憶させる)処理を意味する。
また、制御装置6は、例えば新規設定画面S3において、レシピ名を入力可能にプログラムされている。但し、これには限られず、制御装置6は、例えば「保存」ボタンがタッチされたときに、レシピ名を入力するための画面(不図示)を出力部6bに表示させても良い。
図5に示す各設定の詳細について説明する。まず、「関連付け設定」について説明する。制御装置6は、新規設定画面S3において「関連付け設定」ボタンがタッチされたとき、図6(a)に示す関連付け設定画面S4を出力部6bに表示させるようにプログラムされている。制御装置6は、例えば画面左側部分に複数の種類の監視項目(以下、単に複数の監視項目と称する)の一覧を表示させ、画面右側部分に複数の種類の制御項目の一覧を表示させる。設定画面S4に表示された複数の種類の制御項目は、本発明の「少なくとも1種類の候補項目」に相当する。以下、複数の種類の制御項目を、単に複数の制御項目と称する。
監視項目には、細胞数、細胞によって排出される代謝物の種類及びその量、培地に含まれる培地の成分及びその量、培地のpH、インキュベータ3内の温度、培養部11内の空気中の二酸化炭素濃度などが含まれる。これらは、あくまで一例であることに留意されたい。
制御項目には、培養部11内に投入される試薬の種類(図6(a)においては「試薬M」及び「試薬N」)、試薬の投入量及びその増減、培地の交換タイミングなどが含まれる。これらは、あくまで一例であることに留意されたい。他にも、インキュベータ3内のヒータ(不図示)の出力、培養部11内への二酸化炭素その他のガスの供給量、継代のタイミング、収穫のタイミング等が制御項目に含まれる。
制御装置6は、関連付け設定画面S4において、例えば各監視項目の右隣に選択ボタンB1を表示させ、各制御項目の左隣に選択ボタンB2を表示させるようにプログラムされている。つまり、例えば、複数の選択ボタンB1によって形成された列と、複数の選択ボタンB2によって形成された列とが左右方向において隣接している。選択ボタンB1と選択ボタンB2との位置関係は、上述したものに限られない。
制御装置6は、複数の選択ボタンB1のうち、オペレータによって任意に選択された1つの選択ボタンB1を、例えば、他の選択ボタンB1と異なる色又は形にするようにプログラムされている。例えば、左右方向において「細胞数」に隣接する選択ボタンB1がタッチされたとき、制御装置6は、当該選択ボタンB1の色を他の選択ボタンB1の色と異ならせる(図6(a)参照)。以下、当該選択ボタンB1に係る選択中の監視項目を「選択監視項目」と呼ぶ。
制御装置6は、関連付け設定画面S4においていずれかの選択ボタンB2がタッチされたとき、例えば、当該選択ボタンB2の色を他の選択ボタンB2の色と異ならせる(図6(b)参照)ようにプログラムされている。制御装置6は、当該選択ボタンB2に係る制御項目(選択制御項目)と、選択監視項目とを関連付ける処理を行う。さらに、制御装置6は、例えば、選択監視項目に係る選択ボタンB1と選択制御項目に係る選択ボタンB2とを結ぶ直線Lを出力部6bに表示させても良い(図6(b)参照)。
制御装置6は、選択監視項目と複数の制御項目(すなわち、複数の選択制御項目)とを関連付けることができるようにプログラムされていても良い。例えば、図6(b)に示すように、「細胞数」と「継代タイミング」とが関連付けられ、且つ「細胞数」と「収穫タイミング」とが関連付けられても良い。或いは、制御装置6は、複数の監視項目を同時に選択されることが可能、且つ、複数の選択監視項目と1以上の制御項目との関連付けを示す情報を出力部5bに同時に表示させることが可能にプログラムされていても良い。言い換えると、制御装置6は、例えば2つの監視項目と1つの制御項目とを関連付ける処理を行っても良い。
また、制御装置6は、選択監視項目と選択制御項目との関連付けを解除できるようにプログラムされている。制御装置6は、ある選択制御項目に隣接する選択ボタンB2が再びタッチされたとき、当該選択ボタンB2の表示を元に戻し、選択監視項目と当該選択制御項目との関連付けを解除する処理を行う。
制御装置6は、複数の監視項目に対し、同じ制御項目を関連付けることができるようにプログラムされていても良い。言い換えると、制御装置6は、任意の1つの監視項目と任意の1つの制御項目とが関連づけられているとき、別の監視項目と当該1つの制御項目とを関連付けることができるようにプログラムされていても良い。
以上のように、制御装置6は、複数の監視項目の中から入力部6aを介して選択された選択監視項目と、複数の制御項目の中から入力部6aを介して選択された選択制御項目との関連付けの処理を行う。
次に「監視条件設定」について説明する。監視条件とは、各監視項目に係る監視を行うか否かを決定するための条件である。言い換えれば、監視条件は、各監視項目に係る監視の実行の有無を切り替えるための条件である。細胞培養において、現状の細胞培養条件が必ずしも最適な条件であるとは限らない。つまり、培養される細胞の種類等によっては、より良い細胞培養条件が新たに見出される可能性がある。それは、監視条件についても同様である。すなわち、どの監視項目に係る監視をどのような条件下で行うことがより適切であるか、培養者によって新たに見出される可能性がある。「監視条件設定」は、そのような状況において、培養者自身による監視条件の容易且つ柔軟な設定又は設定変更を可能とするための機能である。
制御装置6は、新規設定画面S3において「監視条件設定」ボタンがタッチされたとき、図7(a)に示す監視条件設定画面S5を出力部6bに表示させるようにプログラムされている。制御装置6は、例えば画面左側部分に監視項目の一覧を表示させ、その右側に各監視項目と関連付けられた監視条件の一覧を表示させる。例えば、図7(a)に示す初期画面においては、全ての監視項目の監視条件が「常にオン」となっている。これは、播種から収穫までの間、監視部5が、全ての監視項目に係る監視を常に行うことを意味する。
制御装置6は、入力部6aへの入力結果に応じて監視条件を変更できるようにプログラムされている。より具体的には、例えば、監視条件の複数の候補が記憶部6cに記憶されている。監視条件の候補として、例えば図7(b)に示すような「常にオン」「1時間ごとにオン」「継代・収穫時オフ」などが記憶部6cに記憶されている。記憶部6cに記憶されている候補は、上述したものに限られない。制御装置6は、監視条件設定画面S5において、任意の1つの監視項目に隣接する監視条件の出力部分がタッチされたとき、監視条件を候補の順に切り替えるようにプログラムされていても良い。或いは、制御装置6は、上述した出力部分がタッチされたとき、当該出力部分の近傍に監視条件の複数の候補を表示させるようにプログラムされていても良い。そして、表示された複数の候補の中から、任意の1つの監視条件を選択されることができるように制御装置6がプログラムされていても良い。
次に「閾値式設定」について説明する。閾値式とは、各監視項目の値がどのように変化したときに、各監視項目と関連付けられた制御項目に係る制御を行うかを判断するための式である。後述するように、閾値式の候補として様々な種類の式が存在する。
制御装置6は、新規設定画面S3において「閾値式設定」ボタンがタッチされたとき、図8(a)に示す閾値式設定画面S6を出力部6bに表示させるようにプログラムされている。制御装置6は、閾値式設定画面S6において、例えば、画面左側から順に、監視項目の一覧と、監視項目と関連付けられた制御項目の一覧と、理想式の一覧と、上限の一覧と、下限の一覧とを出力部6bに表示させるようにプログラムされている。理想式とは、監視項目の最も好ましい時間変化を示す式である。上限及び下限は、制御装置6が所定の制御を行うか否か決定するための基準として設定される値又は数式である。好ましくは、制御装置6は、各監視項目の上限及び下限が少なくとも2種類ずつ設定されることが可能にプログラムされている(図8(a)の「上1」、「上2」、「下1」及び「下2」を参照)。
制御装置6は、1つの監視項目と1つの理想式とを関連付けて記憶できるようにプログラムされている。また、制御装置6は、例えば、1つの理想式に対して2つの上限の式(以下、第1上限式及び第2上限式)及び2つの下限の式(以下、第1下限式及び第2下限式)を設定できるようにプログラムされている。第1上限式、第2上限式、第1下限式及び第2下限式の各々が、監視項目の値の閾値を示す閾値式である(以下、これらを4つの閾値式と呼ぶ。詳細については後述する)。制御装置6は、各監視項目に関連付けられた4つの閾値式を設定可能にプログラムされている。制御装置6は、各監視項目において必ずしも4つの閾値式の全てを設定しなくても良いようにプログラムされている。なお、図8(a)に示された初期画面における「‐」は、式が未定であることを意味する。
制御装置6は、入力部6aへの入力結果に応じて、理想式及び閾値式を設定できるようにプログラムされている。より具体的には、例えば、記憶部6cに理想式の複数の候補が予め記憶されている。例えば、図8(a)に示された画面において任意の1つの監視項目(例えば、「細胞数」)に係る理想式の表示部分がタッチされたとき、制御装置6は、図8(b)に示すような、当該監視項目に係る理想式の選択画面を出力部6bに表示させる。理想式の縦軸は監視項目の値を示す。理想式の横軸は時間を示す。理想式の選択肢には、例えば、定数、一次関数、指数関数が含まれる(図8(b)参照)。或いは、図示を省略するが、多項式などが理想式の選択肢に含まれていても良い。制御装置6は、既存の選択肢に加えて、理想式の選択肢を新たに作成できるようにプログラムされていても良い。表示されているグラフ内に描かれた破線が、理想式を示す(図8(b)に示す「FI」を参照)。
理想式を示す破線の画面上側に位置する二点鎖線が、第1上限式を示す(図8(b)に示す「FU1」を参照)。第1上限式に基づいて得られる値を監視項目の値が上回ったとき、例えば、環境調節部12を制御して、監視項目の値を理想式に近づける必要がある。理想式を示す破線の画面下側に位置する二点鎖線が、第1下限式を示す(図8(b)に示す「FL1」を参照)。第1下限式に基づいて得られる値を監視項目の値が下回ったとき、例えば、環境調節部12を制御して、監視項目の値を理想式に近づけることが求められる。第1上限式を示す二点鎖線の画面上側に位置する実線が、第2上限式を示す(図8(b)に示す「FU2」を参照)。第2上限式に基づいて得られる値を監視項目の値が上回ったとき、例えば、細胞培養の中止が必要となる。第1下限式を示す二点鎖線の画面下側に位置する実線が、第2下限式を示す(図8(b)に示す「FL2」を参照)。第2下限式に基づいて得られる値を監視項目の値が下回ったとき、例えば、細胞培養の中止が必要となる。制御装置6は、入力部6aへの入力に応じて、各監視項目に係る理想式、第1上限式、第2上限式、第1下限式及び第2下限式を設定するようにプログラムされている。
次に「制御内容設定」について説明する。本実施形態における制御内容とは、監視部5による監視結果に基づく操作部4の具体的な操作内容を意味する。例えば、試薬については、投入の具体的なタイミング及び具体的な投入量が、制御内容に含まれる。また、例えば二酸化炭素の供給量については、所定の数値、又は、二酸化炭素の供給量と関連付けられた監視項目を変数とした数式が、制御内容に相当しうる。制御装置6は、制御内容の情報(以下、制御情報)を例えば以下のようにして設定できるようにプログラムされている。
制御装置6は、新規設定画面S3において「制御内容設定」ボタンがタッチされたとき、図9(a)に示す制御内容設定画面S7を出力部6bに表示させるようにプログラムされている。制御装置6は、制御内容設定画面S7において、例えば複数の監視項目と、各監視項目と関連付けられた1又は複数の制御項目の一覧を表示させる。例として、図9(a)に示すように、監視項目として「培地成分A」が表示され、制御項目として「培地成分A」と関連付けられた「試薬M」及び「試薬N」が表示されている。以下、任意の1つの監視項目と、当該監視項目と関連付けられた制御項目とのペアを「関連ペア」と呼ぶ。
制御装置6は、例えば、制御内容設定画面S7においていずれかの監視項目がタッチされたときに、当該監視項目と関連付けられた制御項目の制御情報の設定画面を表示させるようにプログラムされている(図9(b)参照)。制御装置6は、入力部6aへの入力結果に応じて制御情報を決定(新規設定又は変更)できるようにプログラムされている。例えば、記憶部6cに制御情報の複数の候補が記憶されていても良い。例えば、図9(b)に示すように、「培地成分A」と「試薬M」との関連ペアに係る制御情報として、試薬Mの投入タイミングと投入量とが設定されても良い。「上限NG時に投入」が投入タイミングに相当する。「X[ml]」が投入量に相当する。なお、ここでのXは定数である。同様に、図9(b)に示す例では、「培地成分A」と「試薬N」との関連ペアに係る制御内容として、培地成分Aの下限がNGとなった時にY[ml]の試薬Nが投入されるように設定されている。
制御装置6は、以上の設定に加え、入力部6aへの入力結果に応じて、上述した監視項目管理(監視項目の追加や削除等)及び制御項目管理(制御項目の追加や削除等)を行えるようにプログラムされていても良い。例えば本実施形態では、新規設定画面S3(図5参照)において「監視項目管理」及び「制御項目管理」を選択できるように制御装置6がプログラムされている。但し、これには限られず、他の画面において「監視項目管理」及び「制御項目管理」を選択可能であっても良い。
制御装置6は、新規設定画面S3において「保存」ボタンがタッチされたとき、入力されたレシピ名と、以上の新規設定の内容とを関連付けて記憶部6cに記憶させるようにプログラムされている。より具体的には、制御装置6は、監視項目と制御項目との関連付けの情報と、監視条件の情報と、閾値式の情報と、制御情報と、を含む情報をレシピ名と関連付けて記憶部6cに記憶させる。これにより、培養条件の新規設定(すなわち、新規レシピの作成)が可能になっている。
また、制御装置6は、作成されたレシピの内容を変更(更新)できるようにプログラムされている(図4(b)の「培養条件変更」を参照)。また、制御装置6は、作成されたレシピを用いて細胞培養を実行するようにプログラムされている(図4(a)の「細胞培養実行」を参照)。また、図示は省略するが、制御装置6は、所定のレシピに基づく細胞培養の実行中に、当該レシピの内容を書き換えることができるようにプログラムされていても良い。つまり、制御装置6は、当該レシピに基づいて細胞培養を実行している最中に、当該レシピにおける関連付けの情報、監視条件の情報、閾値式の情報及び/又は制御情報などを更新可能にプログラムされていても良い。
(ノウハウ保護)
次に、自動細胞培養装置1に関するノウハウ保護等のための構成について、図10(a)、(b)を参照しつつ説明する。図10(a)は、サーバ100に保存可能な情報を示す説明図である。図10(b)は、権限管理画面S8(後述)を示す説明図である。制御装置6は、細胞培養条件に関する情報が外部に流出することや、細部培養条件が意図せず書き換えられ又は削除されることを防ぐために、例えば以下のように構成されている。
制御装置6は、上述したように、読取部6dを有する(図1、図2参照)。読取部6dは、ユーザー認証の際に使われるものである。読取部6dは、例えば公知の指紋認識センサ(不図示)及び/又はカメラ(不図示)を有する。
概要として、制御装置6は、サーバ100に保存された情報の取得と、読取部6dによる読取結果に基づくユーザー認証を行う。そして、制御装置6は、サーバ100に保存された情報とユーザー認証結果とに基づき、自動細胞培養装置1における所定のレシピの使用及び/又は更新を許可する。
サーバ100は、許可レシピ名、権利者ID、培養装置ID、レシピ調整履歴、アクセス者ID及びアクセス日時の情報を記憶可能に構成されている。許可レシピ名は、使用及び/又は更新が許可されることが可能なレシピの名前である。権利者IDは、レシピの作成、使用及び更新の少なくとも1つ(以下、「作成等」と称する)の権限を有するオペレータのIDである。培養装置IDは、レシピの使用及び/又は更新を許可されることが可能な自動細胞培養装置1の個体情報である。レシピ調整履歴は、作成されたレシピがどのように調整されたかを示す履歴である。より詳しくは、レシピ調整履歴は、例えば、あるレシピの更新前の内容と、当該レシピの更新後の内容との相違点に関する履歴である。「レシピの更新前」とは、レシピの初期設定直後のタイミングであっても良く、或いは、レシピの更新直前のタイミングであっても良い。アクセス者IDは、例えば、最後に制御装置6を操作してサーバ100へのアクセスを行ったオペレータのIDである。アクセス日時は、最後にサーバ100へのアクセスが行われた日時である。本実施形態においては、説明の便宜上、サーバ100権限が所定のオペレータ(図10(a)の「U1」を参照。以下、オペレータU1と称する)に予め付与されているものとする。また、説明の便宜上、制御装置6の記憶部6cには、予め、オペレータU1のIDの情報と、オペレータU1を認証するための情報とが関連付けて記憶されているものとする。
制御装置6は、例えばメニュー画面S1(図4(a)参照)において「権限管理」ボタンがタッチされたとき、ユーザー認証を実行するようにプログラムされている。制御装置6は、読取部6dによる読取結果に基づいてユーザー認証を行い、認証されたユーザーのIDを取得する。制御装置6は、認証されたユーザーのIDがサーバ100に記憶された権利者IDに含まれていると判断したときのみ、サーバ100に権限情報を書き込むための権限管理画面S8(図10(b)参照)を出力部6bに表示させるようにプログラムされている。制御装置6は、権限管理画面S8において、入力部6aへの入力結果に応じて、許可レシピ名、権利者ID及び培養装置IDの情報を記録、変更又は削除するようにプログラムされている。また、制御装置6は、レシピ調整履歴、アクセス者ID及びアクセス日時の情報をサーバ100に記録するようにプログラムされている。
(細胞培養条件の決定、改善等の手順)
次に、上述した自動細胞培養装置1における細胞培養条件の決定や改善等の手順について説明する。まず、概略について図11のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、説明の便宜上、培養者として、後述の手動培養者、技術者及び生産者は、同一の細胞培養メーカーに所属しているものとする。細胞培養メーカーは、細胞を量産する企業である。手動培養者は、手動での細胞培養を実行する能力を有する。技術者は、自動細胞培養装置1においてレシピを作成、使用及び更新する能力を有する。技術者は、例えば、上述したオペレータU1である。生産者は、レシピを使用及び更新する能力を有する。手動培養者、技術者及び生産者は、必ずしも別々の人物でなくても良い。例えば、技術者が手動培養者に必要な能力を有していても良い。この場合、技術者が手動培養者として作業を実行しても良い。また、例えば、生産者が技術者に必要な能力を有していても良い。この場合、生産者が技術者として作業を実行しても良い。
まず、所定の細胞について、手動培養者が、手動培養可能に構成された培養装置(不図示)を用いて、様々な条件振りを行いつつ、手動培養を繰り返し実行する(S101)。以下、説明の便宜上、播種の開始から収穫の完了までの一連の処理を「細胞培養処理」と呼ぶ。手動培養者は、膨大な回数の細胞培養処理を行う。これにより、自動細胞培養装置1におけるレシピの作成のために必要な情報が蓄積される。なお、効率良く条件振りを行うために、公知の実験計画法又は品質工学等のメソッドが利用されても良い。
次に、レシピ作成用に蓄積された情報に基づき、技術者が、上記所定の細胞の量産条件を大まかに決定する(S102)。技術者は、量産条件に基づき、制御装置6を操作して量産用のレシピ(以下、量産レシピ)を新規設定する(S103)。
次に、技術者又は生産者は、自動細胞培養装置1において細胞培養処理を実際に行いつつ、必要に応じて量産レシピの微調整を行う(S104)。微調整は、細胞培養処理中(すなわち、播種から収穫までの間)に行われても良い。或いは、微調整は、細胞培養処理と細胞培養処理との間(例えば、1回目の細胞培養処理の後、且つ2回目の細胞培養処理の前など)に行われても良い。
次に、生産者は、微調整された量産レシピを用いて細胞の量産を開始する(S105)。これにより、量産データが蓄積される(S106)。量産データは、量産レシピを用いた量産における様々なデータである。例えば、監視部5による監視結果、操作部4の制御内容、及び量産レシピを用いて量産された細胞の品質が、量産データに含まれる。
次に、例えば技術者は、量産データの分析を行う(S107)。技術者は、膨大な回数の細胞培養処理の中から、高品質な細胞が得られた細胞培養処理を見つけ出し、高品質な細胞が得られた原因を突き止める。分析の手法として、例えば公知の多変量解析又はMT法(マハラノビス・タグチシステム)等のメソッドが利用されても良い。さらに、技術者は、分析結果に基づき、量産レシピをさらに改善する(S108)。以上のようにして、細胞培養条件の決定や改善等が行われる。
(培養条件設定方法)
次に、上述した量産レシピの新規設定の方法(すなわち、培養条件設定方法)について、図12のフローチャート及び図13を参照しつつ説明する。図13は、サーバ100に保存された情報を示す説明図である。また、図4~図9(b)も適宜参照されたい。
まず、技術者は、自動細胞培養装置1においてユーザー認証を行う(S201)。具体的には、技術者は、例えばメニュー画面S1において「培養条件設定」ボタンにタッチした後(又はタッチする前)、体の所定の部位(目又は指など)を読取部6dに近づけ又は触れさせる。ユーザー認証の完了後、技術者は、レシピの作成を開始することが許可される。技術者は、さらに、出力部6bに表示された画面を見ながら入力部6aへの入力操作を行う。技術者は、例えば、培養条件設定画面S2(図4参照)において「培養条件新規設定」ボタンにタッチする。これにより、出力部6bにおいて新規設定画面S3(図5参照)が表示される。
次に、技術者は、関連付け設定画面S4を見ながら、監視項目と制御項目との関連付けを設定する(S203。図6(a)、(b)参照)。具体的には、技術者は、複数の種類の監視項目の中から1種類の監視項目を選択する操作を入力部6aに対して行う(監視項目選択ステップ)。また、技術者は、複数の種類の制御項目の中から少なくとも1種類の制御項目を選択する操作を入力部6aに対して行う(制御項目選択ステップ)。本実施形態では、選択された制御項目が上記1種類の監視項目と自動的に関連付けられる。つまり、制御項目選択ステップは、上記1種類の監視項目と上記少なくとも1種類の制御項目との関連付けの操作を入力部6aに対して行う関連付けステップを兼ねている。なお、本実施形態では、選択された制御項目が再選択されたとき、関連付けが自動的に解除される。
また、技術者は、監視条件設定画面S5を見ながら、監視項目に係る監視のオン/オフの条件(上述した監視条件)の設定を行う(S204。図7(a)、(b)参照)。また、技術者は、閾値式設定画面S6を見ながら、上述した理想式及び閾値式の設定を行う(S205。図8(a)、(b)参照)。また、技術者は、制御内容設定画面S7を見ながら、各制御項目の制御情報を設定する(S206。制御情報入力ステップ。図9(a)、(b)参照)。より詳細には、制御情報とは、上述した各関連ペアに係る制御内容である。技術者は、S203からS206までの設定をこの順番で行っても良い。或いは、技術者は、S203からS206までの順番を適宜入れ替えつつ設定操作を行っても良い。
次に、技術者は、例えば新規設定画面S3(図5参照)においてレシピ名を入力し、「保存」ボタンにタッチする。このとき、制御装置6は、作成されたレシピを記憶部6cに記憶させる(S207)。
最後に、技術者は、権限情報の設定を行う(S208)。具体的には、技術者は、メニュー画面S1において「権限管理」ボタンにタッチする。これにより、権限管理画面S8(図10(b)参照)が表示される。技術者は、権限管理画面S8を見ながら、許可レシピ名、権利者ID及び培養装置IDを入力部6aに入力する。例えば、技術者は、新規に作成したレシピに係るレシピ名を入力する(図13の「R1」を参照)。これにより、レシピ名がサーバ100に登録される。
技術者は、権限情報をある程度自由に設定することができる。技術者は、例えば、複数の権利者IDをサーバ100に登録しても良い(図13の「U1」、「U2」及び「U3」を参照)。技術者は、例えば、複数の自動細胞培養装置1に係る培養装置IDをサーバ100に登録しても良い(図13の「1A」及び「1B」を参照)。但し、これには限られない。例えば、技術者は、複数の許可レシピ名と権利者ID及び培養装置IDとを関連付けても良い。権利者ID及び培養装置IDは、1つだけ登録されても良い。
技術者が権限情報を記録するための入力操作を行ったとき、制御装置6は、レシピ調整履歴、アクセス者ID及びアクセス日時をサーバ100に記録する。これにより、必要な情報がサーバ100に保存される(図13参照)。
以上のように、制御プログラムの作成よりも簡易的な手法で、培養者が細胞培養条件をある程度自由に設定できる。したがって、自動細胞培養装置1において、培養者が主体となって細胞培養条件を設定するための手助けをすることができる。
また、出力部6bによる表示に基づいて入力部6aを操作することにより、関連付けの処理及び関連付けの解除の処理を容易に行うことができる。
また、制御装置6は、細胞の培養中に、監視条件に応じて、複数の種類の監視項目の少なくとも一部に係る監視の実行の有無を切り替える。より適切な監視条件が培養者によって見出される可能性がある昨今の状況において、培養者自身による監視条件の容易且つ柔軟な設定又は設定変更を可能とすることは、非常に有用である。
また、制御装置6は、入力部6aへの入力に応じて、複数の種類の監視項目のうち1種類の監視項目の閾値を示す閾値式を生成し又は1以上の候補式の中から選択し、閾値式を1種類の監視項目と関連付けて記憶部6cに記憶させる。したがって、監視項目の値がどのように変化したときに培養部11及び/又は環境調節部12の制御を行うか、培養者が容易に設定できる。
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(1)前記実施形態において、制御装置6は、監視項目の値と上限式又は下限式との関係に基づいて操作部4を制御するものとした。しかしながら、これには限られない。制御装置6は、監視項目の値が理想式に近づくように操作部4をフィードバック制御しても良い。
(2)前記までの実施形態において、制御装置6は、1つの理想式に対応する2つの上限の式及び2つの下限の式を設定できるようにプログラムされているものとした。しかしながら、式の数はこれには限られない。例えば、1つの理想式に対して1つの上限の式及び1つの下限の式のみが設定可能であっても良い。或いは、1つの理想式に対して3つ以上の上限の式及び3つ以上の下限の式が設定可能であっても良い。
(3)前記までの実施形態において、制御装置6は、1つの監視項目に対して1つの理想式を設定できるようにプログラムされているものとした。しかしながら、これには限られない。制御装置6は、例えば、1つの監視項目に対応する複数の理想式(及び上限、下限)を設定できるようにプログラムされていても良い。そして、制御装置6は、タイミング等の条件に応じて、使用する理想式を途中で変更できるようにプログラムされていても良い。
(4)前記までの実施形態において、制御装置6は、細胞の培養中に、監視条件に応じて、複数の種類の監視項目の少なくとも一部に係る監視の実行の有無を切り替えるものとした。しかしながら、これには限られない。制御装置6は、全ての監視項目に係る監視を常に行うようにプログラムされていても良い。
(5)前記までの実施形態において、制御装置6がレシピを記憶するものとした。しかしながら、これには限られない。例えば、サーバ100がレシピを記憶するように構成されていても良い。この場合、サーバ100が本発明の記憶部に相当する。また、サーバ100と制御装置6とを合わせたものが本発明の制御部に相当する。或いは、制御装置6に着脱可能に構成されたメモリーカード(不図示)がレシピを記憶するように構成されていても良い。この場合、メモリーカードが本発明の記憶部に含まれる。或いは、メモリーカードは、レシピの代わりに、上述した権限に関する情報を記憶可能に構成されていても良い。この場合、メモリーカードを多要素認証のための媒体として利用できる。
(6)前記までの実施形態において、関連付け設定画面S4において、選択ボタンB2がタッチされたときに、選択監視項目と選択ボタンB2に係る制御項目との関連付け又は関連付けの解除が自動的に行われるものとした。しかしながら、これには限られない。制御装置6は、例えば、任意の選択ボタンB2がタッチされたときに、上記関連付け(又は関連付けの解除)を行うか否かの選択肢を出力部6bに表示させても良い。その後、制御装置6は、入力部6aへの入力結果に応じて上記関連付け(又は関連付けの解除)を行っても良い。
(7)前記までの実施形態においては、培養開始から収穫までの間に1回の継代が行われるものとした。しかしながら、これには限られない。例えば、培養容器25で培養された細胞が継代されずに収穫されても良い。或いは、培養開始から収穫までの間に2回以上の継代が行われても良い。この場合、培養部11には培養容器25、27の他に予め他の培養容器(不図示)が設けられていても良い。或いは、培養中に、無菌状態を維持しつつ、培養容器25及び/又は培養容器27と他の培養容器とが交換されても良い。容器の交換作業の際に、例えば公知の容器交換装置(不図示)が用いられても良い。
(8)前記までの実施形態においては、ポンプP1~P4を用いて液体(試薬又は細胞懸濁液)が移送されるものとした。しかしながら、これには限られない。培養部11は、例えば、特開2021-40575号公報に記載されているようなガス供給部(不図示)から圧送されるガスを利用して、容器内の液体を移送するように構成されていても良い。
(9)培養部11内に形成された経路は、上述したものに限られない。培養部11は、無菌状態を維持しつつ複数の容器間で液体を移送可能であれば、どのような経路を有していても良い。
(10)前記までの実施形態において、試薬加温容器が複数設けられているものとした。さらに、培養部11内において、同じ役割を有する各種容器が複数個設けられていても良い。例えば、複数の継代用容器26が設けられていても良い。また、複数の回収容器29が設けられていても良い。他の容器についても同様である。
1 自動細胞培養装置
5 監視部
6 制御装置(制御部)
6a 入力部
6b 出力部
6c 記憶部
11 培養部
12 環境調節部

Claims (5)

  1. 細胞の培養の開始から終了までの一連の処理を実行するように構成された培養部と、
    細胞が培養される環境である培養環境を調節するように構成された環境調節部と、
    前記培養部における細胞の増殖の状況を示す培養状況及び前記培養環境を監視するように構成された監視部と、を備える自動細胞培養装置であって、
    前記監視部による監視結果に基づいて前記培養部及び前記環境調節部を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、オペレータによって操作されることが可能に構成された入力部と、情報を記憶可能に構成された記憶部と、を有し、
    前記記憶部は、前記監視部によって監視されることが可能な複数の種類の監視項目と、前記制御部が前記培養部及び/又は前記環境調節部を制御するための複数の種類の制御項目と、を記憶しており、
    前記制御部は、
    前記複数の種類の監視項目の中から前記入力部を介して選択された選択監視項目と、前記複数の種類の制御項目の中から前記入力部を介して選択された選択制御項目との関連付けの情報を前記記憶部に記憶させ、且つ、
    前記選択監視項目の値の変化に応じた前記選択制御項目の制御内容の情報である制御情報を前記入力部への入力結果に応じて決定し、前記制御情報を前記記憶部に記憶させることを特徴とする自動細胞培養装置。
  2. 情報を表示する出力部を備え、
    前記制御部は、
    前記選択監視項目を示す情報と、前記複数の種類の制御項目のうち少なくとも1種類の候補項目を示す情報と、を前記出力部に表示させ、
    前記選択監視項目と前記少なくとも1種類の候補項目のうち1種類の候補項目との関連付けの操作が前記入力部に対して行われたと判断したときに、前記監視項目と前記1種類の候補項目との関連付けの処理を行い、
    前記選択監視項目と前記1種類の候補項目との関連付けの解除の操作が前記入力部に対して行われたと判断したときに、前記選択監視項目と前記1種類の候補項目との関連付けの解除の処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動細胞培養装置。
  3. 前記制御部は、前記入力部への入力結果に応じて、前記複数の種類の監視項目の各々に係る監視を行うか否か決定するための条件である監視条件を前記記憶部に記憶させ、
    細胞の培養中に、前記監視条件に応じて、前記複数の種類の監視項目の少なくとも一部に係る監視の実行の有無を切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動細胞培養装置。
  4. 前記記憶部は、前記複数の種類の監視項目の閾値の式の候補である1以上の候補式の情報を記憶しており、
    前記制御部は、
    前記入力部への入力に応じて、前記複数の種類の監視項目のうち1種類の監視項目の閾値を示す閾値式を生成し又は前記1以上の候補式の中から選択し、前記閾値式を前記1種類の監視項目と関連付けて前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自動細胞培養装置。
  5. 細胞の培養の開始から終了までの一連の処理を実行するように構成された培養部と、細胞が培養される環境である培養環境を調節するように構成された環境調節部と、前記培養部における細胞の増殖の状況を示す培養状況及び前記培養環境を監視するように構成された監視部と、を備える自動細胞培養装置において細胞培養条件を設定する、自動細胞培養装置における培養条件設定方法であって、
    前記自動細胞培養装置は、前記監視部による監視結果に基づいて前記培養部及び前記環境調節部を制御する制御部を備えるものであり、
    前記制御部は、オペレータによって操作されることが可能に構成された入力部と、情報を記憶可能に構成された記憶部と、を有するものであり、
    前記記憶部は、前記監視部によって監視されることが可能な複数の種類の監視項目と、前記制御部が前記培養部及び/又は前記環境調節部を制御するための複数の種類の制御項目と、を記憶しているものであり、
    前記複数の種類の監視項目の中から1種類の選択監視項目を選択する操作を前記入力部に対して行う監視項目選択ステップと、
    前記複数の種類の制御項目の中から少なくとも1種類の選択制御項目を選択する操作を前記入力部に対して行う制御項目選択ステップと、
    前記選択監視項目と前記少なくとも1種類の選択制御項目との関連付けの操作を前記入力部に対して行う関連付けステップと、
    前記選択監視項目の値の変化に応じた前記少なくとも1種類の選択制御項目の制御内容に関する設定の操作を前記入力部に対して行う制御情報入力ステップと、を備えることを特徴とする自動細胞培養装置における培養条件設定方法。
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