以下、図面を参照しながら、本発明にかかる撮像装置(以下「本装置」という。)と撮像方法(以下「本方法」という。)との実施の形態について説明する。各図において、同一の部材と要素とについては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本発明は、被写体の向きや姿勢、形状などを変えて被写体を撮像することにより、1つの被写体から向きや姿勢、形状などを変えた複数の撮像画像を撮像し、同撮像画像の中から被写体領域を特定して人工知能用の教師データとして取得するものである。
「被写体」は、本装置により撮像される対象であり、例えば、外観検査において良品・不良品が見分けられる製品や産品、識別処理において種別ごとに分類(識別)される製品(産品)である。種別については、後述する。
「被写体領域」は、撮像画像において、被写体を取り囲む領域である。
「撮像画像」は、例えば、デジタルカメラなどで撮像される静止画像である。撮像画像は、被写体が撮像された画像である被写体画像と、被写体の周囲(例えば、被写体が載置される台やベルトコンベアなどの載置面)が撮像された画像である周囲画像と、を含む。
●撮像装置●
●撮像装置の構成
図1は、本装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。
本装置1は、被写体の向き(姿勢)や、形状などを変えて、同被写体を撮像する。本装置1は、種別入力部11と、撮像部12と、記憶部13と、位置決定部14と、形態変更部15と、位置関係変更部16と、被写体情報取得部17と、載置部18と、検知部19と、表示部20と、撮像環境変更部21と、識別情報生成部22と、識別部23と、第1特定処理部24と、第2特定処理部25と、被識別体検知部26と、制御部27と、を有してなる。
種別入力部11は、本装置1の使用者により被写体の種別情報が入力される、例えば、キーボードやタッチパネル、音声入力デバイスなどの使用者が直接入力可能な入力媒体である。種別入力部11に入力される種別情報は、1つ、または、複数である。
なお、種別入力部は、使用者が直接入力可能な入力媒体に限定されない。すなわち、例えば、種別入力部は、本装置から物理的に離れた場所(例えば、同じ室内や、隣室、遠隔地など)に配置される端末(外部装置)から送信される種別情報を受信する通信機器でもよい。あるいは、種別入力部は、予め種別情報が記憶されているUSBやSDカードなどの記憶媒体からの情報を取り込み可能なインターフェイス(USB端子やSDカードスロットなど)でもよい。
「種別情報」は、例えば、リンゴ,ねじなどの被写体の種類(名称)、良品,不良品などの被写体の状態など、複数の被写体を区分する種別(ラベル、属性、クラス)を示す情報である。
撮像部12は、被写体を撮像して撮像画像を出力する。撮像部12は、例えば、2次元の静止画像を撮像可能なデジタルカメラである。
なお、撮像部は、赤外線ToF(Time-of-Flight)方式カメラや3次元レーザスキャナなどの3次元の静止画像や座標情報を取得可能なデバイスでもよい。
記憶部13は、本装置1が後述する本方法を実行するために必要な情報を記憶する。記憶部13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの記録装置や、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、などにより構成される。
位置決定部14は、位置情報を決定して、同位置情報を撮像画像と関連付けて記憶部13に記憶する。位置決定部14の具体的な構成や動作については、後述する。
「位置情報」は、撮像画像における被写体の位置を特定する情報である。位置情報は、撮像画像内の基準点からの相対座標を特定する座標情報や、被写体領域を特定する座標情報を含む。「基準点」は、例えば、撮像画像を構成する画素のうち、中央や4隅に位置する画素の座標であり、あるいは、撮像画像に撮像された基準マーカを示す画素の座標である。
形態変更部15は、例えば、被写体に外力や熱を加えることにより、被写体の形態を変更させる。形態変更部15は、例えば、被写体を把持して押し潰すロボットアームや、被写体を欠損させる針や刃、被写体に熱を加えるヒータ、被写体を冷却する冷却装置などである。形態変更部15の具体的な構成や動作については、後述する。
なお、本発明において、「被写体の形態の変更」は、被写体の形状の変形や、被写体の表面の色の変色を含む。すなわち、例えば、形態変更部は、被写体に外力や熱を加えて、被写体の形状を変形させてもよく、あるいは、被写体の表面の色を変色させてもよい。
位置関係変更部16は、被写体と撮像部12との位置関係を変更する。位置関係変更部16は、例えば、被写体を把持するロボットアームや、被写体に振動を加える振動装置、被写体にエア(ガス)を吹き付けるエアガンなど、被写体に外力を加えることにより被写体の向き(姿勢)を変更させる装置(機構)、複数のスライドレールの組み合わせにより構成される撮像部12を立体的(平面的)に移動させる装置(機構)、ヒンジなどにより構成される撮像部12の向き(撮像範囲)を変える機構、または、これらの組み合わせを含む。位置関係変更部16の具体的な構成や動作については、後述する。
なお、位置関係変更部は、形態変更部として機能してもよい。すなわち、例えば、位置関係変更部は、被写体を把持して被写体の向き(姿勢)を変更すると共に、被写体を把持して押し潰す1つのロボットアームで構成されてもよい。
被写体情報取得部17は、被写体に関する情報(以下「被写体情報」という。)を取得する。被写体情報取得部17は、例えば、ロードセルやビームセンサ、超音波センサ、深度センサなどのセンサや、これらのセンサからの信号を受信して被写体情報を算出するデバイス、被写体を多面的に写す鏡などである。被写体情報取得部17の具体的な構成や動作については、後述する。
「被写体情報」は、被写体の長さや重量、体積、鏡により得られる多面的な画像情報など、通常の撮像方法や撮像装置(デジタルカメラ)から直接的に取得することが難しい被写体に関する情報である。
載置部18は、撮像部12に撮像される被写体が載置される装置・台である。載置部18は、例えば、ターンテーブルやベルトコンベア、スライダテーブルなどの被写体を移動させることが可能な装置である。載置部18は、被写体が載置される載置面(不図示)を備える。載置部18の具体的な構成や動作については、後述する。
載置面は、周囲画像として撮像され得る。すなわち、周囲画像は、載置面の画像(以下「載置面画像」という。)を含む。そのため、例えば、載置部18がベルトコンベアである場合において、異なる色のベルト(載置面)に交換することにより、あるいは、ベルトの色がベルトの長さ方向において異なる色に塗り分けられる(異なる色のベルトが連結される)ことにより、被写体が載置される載置面、つまり、周囲画像は、容易に変更可能である。
検知部19は、載置部18に載置された被写体の位置を検知して検知信号を出力する。検知部19は、例えば、ビームセンサである。検知部19の具体的な構成や動作については、後述する。検知信号は、位置決定部14に送信される。
表示部20は、撮像部12が撮像する被写体の周囲に配置されて、表示画像を表示する。表示部20は、例えば、被写体の背景として被写体と共に撮像される表示画像を表示する有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや液晶ディスプレイ、あるいは、表示画像を投影するプロジェクタなどである。
「表示画像」は、例えば、単一の色で構成される壁紙や、被写体(製品)の実際の製造ラインにおいて外観検査や識別処理が実行される際に製品と共に撮像される背景(ベルトコンベアなど)の画像であり、その全部または一部が撮像部12に周囲画像として撮像される画像である。表示画像の候補となる画像(以下「候補画像」という。)は、予め記憶部13に記憶されている。
撮像環境変更部21は、撮像部12が被写体を撮像する際の撮像環境を変更する。撮像環境変更部21は、例えば、被写体を照らす照明装置や、撮像部12が備えるレンズに取り付けられる(レンズを覆う)フィルタなどである。
「撮像環境」は、例えば、被写体を照らす照明装置の明るさや色、撮像部12のレンズに入光する光の明るさや色、載置部18の載置面の色、表示部20に表示される表示画像など、被写体画像に影響を与える環境(要素)のみならず、周囲画像に影響を与える環境(要素)を含む。
なお、撮像環境変更部は、表示画像を変更するデバイスでもよい。
識別情報生成部22は、種別情報と関連付けられて記憶部13に記憶された撮像画像に基づいて、種別情報ごとの識別情報を生成する。識別情報生成部22の具体的な構成や動作については、後述する。
「識別情報」は、例えば、被写体の形状、模様、色彩などの撮像画像から取得可能な情報であって、種別を特徴付ける情報である。識別情報は、識別情報生成部により生成された情報と、本装置とは異なる外部装置により生成された情報と、を含む。
識別部23は、識別情報に基づいて、被識別体に対応する種別情報を識別する。識別部23の具体的な構成や動作については、後述する。
「被識別体」は、例えば、本装置1が後述する識別モードで動作するときに、種別ごとに識別(分類)される製品(産品)である。
第1特定処理部24は、識別部23により識別された被識別体の種別情報が特定種別情報のとき、被識別体に対して特定処理を実行する。第1特定処理部は、本発明における特定処理部である。第1特定処理部24の具体的な構成や動作については、後述する。
「特定種別情報」は、例えば、本装置1が後述する識別モードで動作するときに、ある製品の不良品などの特定の種別(特定種別)を示す情報である。すなわち、種別情報は、特定種別情報を含む。「特定処理」は、例えば、本装置1において特定種別に識別された被識別体を、レーザマーカやレーザポインタ、プロジェクタなどを用いてレーザ光により視認可能にする処理や、同被識別体を本装置1から除去する処理などである。
第2特定処理部25は、第1特定処理部24が特定処理を実行した被識別体に対して第2特定処理を実行する。
「第2特定処理」は、例えば、本装置1の動作を停止させる処理や、特定種別に識別された被識別体を視認可能にする態様(例えば、後述するレーザ光の照射態様)を変更する処理、警報などの音を発する(報知する)処理などである。
被識別体検知部26は、特定処理が実行された被識別体を検知する。被識別体検知部26は、例えば、ビームセンサである。被識別体検知部26の具体的な構成や動作については、後述する。
制御部27は、本装置1の全体の動作を制御する。制御部27は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサや、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により構成される。制御部27の動作については、後述する。
なお、制御部は、被写体情報取得部や、位置決定部、撮像環境変更部、識別情報生成部、識別部、第1特定処理部、第2特定処理部として機能してもよい。すなわち、例えば、制御部は、被写体情報取得部や、位置決定部、撮像環境変更部、識別情報生成部、識別部、第1特定処理部、第2特定処理部を備えてもよい。この場合、被写体情報取得部と、位置決定部と、撮像環境変更部と、識別情報生成部と、識別部、第1特定処理部、第2特定処理部とは、制御部と共通するプロセッサや集積回路により構成されてもよく、あるいは、個別のプロセッサや集積回路により構成されてもよい。
●撮像装置の動作
次に、本装置1の動作について、載置部18がベルトコンベアやスライダテーブルなどの搬送機能を備える場合を例に説明する。
本装置1は、学習モードと識別モードとの2つの動作モードに基づいて動作する。動作モードは、例えば、本装置1の使用者の本装置1に対する操作により、切り替えられる。
●学習モード
「学習モード」は、本装置1が被写体の向きや姿勢、形状などを変えて被写体を撮像することにより、被写体から向きや姿勢、形状などを変えた複数の撮像画像を撮像し、各撮像画像の中から被写体領域を特定して人工知能用の教師データとして取得する動作モードである。
図2は、学習モードのフローチャートである。
同図は、図示の便宜上、「判断」を示すボックスを「準備」を示す六角形のボックスで代用して示す(以下同じ)。すなわち、例えば、後述する処理(S105)は、フローチャート上における「判断」を意味する。
先ず、本装置1の使用者により載置部18の載置面(不図示)に被写体が載置される(S101)。
次いで、本装置1の使用者により種別入力部11が操作されることにより、本装置1により撮像される被写体の種別情報が本装置1に入力される(S102)。入力された種別情報は、記憶部13に記憶される。
次いで、載置部18は、被写体を撮像部12の撮像範囲へ搬送する(S103)。このとき、被写体情報取得部17は、例えば、検知部19の検知信号と、載置部18の搬送速度や搬送量と、に基づいて、被写体の長さに関する情報(被写体情報)を取得(算出)する(S104)。「搬送量」は、例えば、ベルトコンベアに取り付けられるエンコーダ(ロータリエンコーダなど)や、ベルトコンベアを駆動させるサーボモータなどのパルスに基づいて算出される。取得された被写体情報は、記憶部13に記憶される。
なお、被写体情報取得部が取得する被写体情報は、被写体の長さに関する情報に限定されない。すなわち、例えば、被写体情報取得部は、被写体の重量や、高さ、体積、温度分布などセンサを用いて検知可能な情報を被写体情報として取得してもよい。
次いで、制御部27は、例えば、検知部19の検知信号に基づいて、被写体が撮像部12の撮像範囲に入ったか否かを判定する(S105)。
被写体が撮像部12の撮像範囲に入ったとき(S105の「Yes」)、撮像部12は、被写体を撮像する(S106)。このとき、位置決定部14は、例えば、検知部19の検知信号に基づいて、撮像画像内における被写体領域を特定して、その座標情報(被写体の位置情報)を決定する(S107)。
一方、被写体が撮像部12の撮像範囲に入っていないとき(S105の「No」)、撮像部12は、被写体が同撮像範囲に入るまで待機する。
なお、本発明における位置決定部は、例えば、矩形状の被写体領域の4隅の座標のうち、対角に位置する2点の座標を被写体の位置情報として決定してもよい。
また、被写体の側面の画像を撮像部に向けて表示可能な鏡が、撮像部の撮像範囲に配置されてもよい。この場合、鏡は、本発明における被写体情報取得部として機能する。このように鏡が配置されることにより、撮像画像は、被写体情報である被写体の側面の画像を含む。つまり、本装置は、撮像画像内における鏡の領域を予め特定しておくことにより、撮像画像に関連付いた被写体情報を取得することができる。
次いで、位置決定部14は、位置情報を撮像画像と関連付けて記憶部13に記憶する(S108)。このとき、本装置1は、例えば、処理(S104)で取得した被写体情報についても、撮像画像と関連付けて記憶部13に記憶する。
次いで、載置部18は、被写体を被写***置変更点に搬送する(S109)。
「被写***置変更点」は、位置関係変更部16が被写体の向きや姿勢を変更する位置である。被写***置変更点は、例えば、被写体に振動を加える装置(振動装置)の上や、被写体を把持するロボットアームの可動範囲内に設定される。
次いで、制御部27は、撮像部12が被写体を撮像した回数が撮像回数情報で特定される回数に到達しているか否かを判定する(S110)。
「撮像回数情報」は、本装置1が被写体の向きや姿勢を変更して被写体を撮像する回数(撮像回数)を特定する情報である。撮像回数情報は、例えば、本装置1の使用者による入力手段(例えば、種別入力部11)の操作により、予め記憶部13に記憶されている。
撮像部12が被写体を撮像した回数が撮像回数情報で特定される回数に到達していないとき(S110の「No」)、位置関係変更部16は、被写体の向きや姿勢を変更する(S111)。
なお、位置関係変更部は、処理(S111)において、カメラの位置や向きを変更してもよく、被写体の向きや姿勢と、カメラの位置や向きと、を同時に変更してもよい。
次いで、載置部18は、被写体を撮像部12の撮像範囲に搬送する(戻す)(S112)。本装置1の処理は、処理(S105)に戻る。すなわち、撮像部12は、撮像回数情報に基づいて、位置関係変更部16が被写体と撮像部12との位置関係を変更した後に、被写体を撮像する。
なお、本装置は、被写体を撮像部の撮像範囲に戻すたびに、被写体情報を取得してもよい。
一方、撮像部12が被写体を撮像した回数が撮像回数情報で特定される回数に到達しているとき(S110の「Yes」)、制御部27は、撮像環境を変更させる指示(以下「環境変更指示」という。)の有無を確認する(S113)。
「環境変更指示」は、撮像環境変更部21に撮像部12の撮像環境を変更させる(例えば、照明の明るさ、色の変更や、被写体の背景(載置面)の変更など)情報である。環境変更指示は、例えば、本装置1の使用者により予め設定されて、記憶部13に記憶されている。
環境変更指示があるとき(S113の「Yes」)、撮像環境変更部21は、撮像環境を変更する(S114)。
次いで、制御部27は、撮像部12が被写体を撮像した回数をリセットする(S115)。本装置1の処理は、処理(S112)に戻る。撮像環境が変更されたとき、撮像環境変更部21が撮像環境を変更した後に撮像された撮像画像の周囲画像は、撮像環境変更部21が撮像環境を変更する前に撮像された撮像画像の周囲画像とは異なる。
一方、環境変更指示がないとき(S113の「No」)、制御部27は、被写体の形態を変更させる指示(以下「形態変更指示」という。)の有無を確認する(S116)。
「形態変更指示」は、形態変更部15に、例えば、押圧による被写体の縦横比の変更や、被写体の切断・刺突、熱による被写体の変形・変色などの処理を実行させる情報である。形態変更指示は、例えば、撮像回数情報に基づいて設定される。形態変更指示は、例えば、本装置1の使用者により予め設定されて、記憶部13に記憶されている。
形態変更指示が有るとき(S116の「Yes」)、形態変更部15は、形態変更指示に基づいて、被写体の形態を変更させる(S117)。
次いで、制御部27は、撮像部12が被写体を撮像した回数をリセットする(S118)。このとき、必要に応じて、制御部27、または、本装置1の使用者により、被写体の形態が変更されたことを示す種別情報が入力される(S119)。例えば、種別情報が「スイカ良品」と「スイカ不良品」で、良品のスイカが種別情報「スイカ良品」として撮像された後に同スイカが変形されて不良品のスイカとなったとき、種別情報「スイカ不良品」が入力される。本装置1の処理は、処理(S112)に戻る。すなわち、撮像部12は、形態変更指示があるとき、形態変更部15が被写体の形態を変更させた後に、被写体を撮像する。
一方、形態変更指示がないとき(S116の「No」)、制御部27は、処理(S106)で撮像された各撮像画像を、対応する種別情報(処理(S102)や処理(S119)で入力された種別情報)に関連付けて記憶部13に記憶する(S120)。
次いで、識別情報生成部22は、記憶部13から種別情報と、種別情報に関連付けて記憶されている撮像画像と、を読み出し、同種別情報と撮像画像とに基づいて、種別情報ごとの識別情報を生成する(S121)。識別情報は、種別情報に関連付けられて、記憶部13に記憶される(S122)。
なお、本装置が実行する学習モードの各処理は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、本装置は、学習モードにおいて位置情報を決定しなくてもよく、あるいは、被写体情報を取得しなくてもよい。この場合であっても、本装置は、1つの被写体に対して複数の撮像画像を取得可能である。また、例えば、本装置は、学習モードにおいて撮像回数情報をリセットしなくてもよい。この場合、撮像回数情報は、例えば、撮像環境の変更(環境変更指示)ごと、形態の変更(形態変更指示)ごとに設定された個別の撮像回数を含んでもよい。
また、本装置は、学習モードにおいて、種別情報ごとの識別情報を生成しなくてもよい。この場合、例えば、本装置の使用者などが、本装置または外部装置を用いて種別情報ごとの識別情報を生成して、本装置の記憶部に記憶させてもよい。
さらに、本装置は、撮像画像を撮像後、同撮像画像を所定の角度で回転させた画像を同撮像画像に対応する種別情報(同撮像画像の撮像前に、種別入力部から入力された種別情報)に関連付けて記憶部に記憶してもよい。
さらにまた、種別情報の入力は、撮像画像の撮像前(処理S102)に限定されない。すなわち、例えば、種別情報の入力は、撮像回数情報で特定される回数、被写体の向き(姿勢)を変更して撮像画像を撮像した後(処理S113前)や、全ての撮像画像を対応する種別情報と関連付けて記憶部に記憶する(処理S120)前に入力されてもよい。
さらにまた、識別情報生成部は、処理(S121)において、記憶部に記憶された識別情報に基づいて、撮像画像を識別情報の生成に用いるか否かを決定してもよい。すなわち、例えば、撮像画像に基づいて生成される識別情報の確度(後述)が十分に高く(例えば、確度「90」以上)、識別情報の更新が不要なとき、識別情報生成部は、撮像画像を識別情報の生成に用いない(識別情報を生成しない)。一方、識別情報の確度が低いとき(例えば、確度「90」未満)、識別情報生成部は、撮像画像を識別情報の生成に用いる(識別情報を生成する)。
さらにまた、本発明における位置決定部は、被写体に目印が付された場合、撮像画像における被写体に付された目印の位置を特定する位置情報を決定して、同位置情報を撮像画像と関連付けて記憶部に記憶してもよい。この場合、「目印」は、例えば、特殊な色や形で被写体の特定箇所を示すように被写体に塗られた塗料である。目印を示す情報は、位置決定部が認識可能な情報として、予め記憶部に記憶されている。このように、目印の位置情報を撮像画像と関連付けて記憶することにより、人工知能(プログラム)に学習させる箇所が明確になる。その結果、例えば、職人が経験や勘で判別する不良(暗黙知として判別される不良)を囲むように目印を付すことで、本装置は、同不良の位置を容易に特定することができる。
さらにまた、「目印」は、紫外線マーカなどの特殊な照明下においてのみ認識可能な塗料で構成されてもよい。この場合、本装置は、同塗料を認識可能な撮像機器を備えてもよく、あるいは、同塗料を可視化する特殊な照明を備えてもよい。撮像機器や照明を切り替えて被写体を撮像する場合、載置部の搬送速度に応じて、撮像画像内における被写体領域のずれ(位置情報のずれ:位置ずれ)が生じ得る。そのため、本装置は、撮像機器や照明の切り替えの際に、載置部の動作を一時的に停止させてもよく、位置ずれ量に応じて載置部を逆送させて被写体を撮像範囲に戻してもよく、あるいは、搬送速度から位置ずれ量を加味した補正情報を算出してもよい。
図3は、記憶部13に記憶されている情報の例を示す模式図である。
同図は、「種別情報」ごとに「撮像番号」と「撮像画像」と「位置情報」と「被写体情報」とが関連付けられて記憶部13に記憶されていることを示す。「撮像番号」は、撮像回数情報に基づいて、撮像部12が被写体を撮像した回数(順番)を示す番号である。同図は、例えば、種別情報「スイカ良品」に対して、撮像番号「01」と、撮像画像「p1」と、位置情報「x1y1z1」と、被写体情報「A1」と、が関連付けて記憶部13に記憶されていることを示す。また、同図は、種別情報「スイカ良品」に対して、撮像番号「01」「02」・・・「nn」と、各撮像番号に対応する撮像画像と位置情報と被写体情報とが関連付けられて記憶部13に記憶されていることを示す。
本装置1は、種別情報を参照することで、種別情報と関連付けて記憶されている撮像画像と、同撮像画像に関連付けられている位置情報と被写体情報と、を記憶部13から読み出すことができる。また、例えば、本装置1は、被写体情報を参照することで、被写体情報と関連付けて記憶されている種別情報を読み出すことができる。
●識別モード
「識別モード」は、本装置1が学習モードで生成した識別情報、あるいは、本装置1が学習モードで取得した撮像画像などから本装置1の使用者などが生成した識別情報を用いて、製品(産品)を識別する動作モードである。識別モードは、本発明に係る識別方法の例である。
図4は、識別モードのフローチャートである。
先ず、本装置1の使用者などにより、被識別体に対応する識別情報が、記憶部13から読み出される(S201)。
次いで、被識別体が、例えば、本装置1の使用者により載置部18に載置される(S202)。
次いで、載置部18は、被識別体を撮像部12の撮像範囲へ搬送する(S203)。このとき、被写体情報取得部17は、例えば、検知部19の検知信号と、載置部18の搬送速度と、に基づいて、被識別体の長さに関する情報(被識別体情報)を取得(算出)する(S204)。取得された被識別体情報は、記憶部13に記憶される。
「被識別体情報」は、例えば、被識別体の長さや色、形状、重量、体積、鏡により得られる多面的な画像情報など、通常の撮像方法や撮像装置(デジタルカメラ)から直接的に取得することが難しい被識別体に関する情報である。
次いで、制御部27は、例えば、検知部19の検知信号に基づいて、被識別体が撮像部12の撮像範囲に入ったか否かを判定する(S205)。
被識別体が撮像部12の撮像範囲に入ったとき(S205の「Yes」)、撮像部12は、被識別体を撮像する(S206)。このとき、位置決定部14は、例えば、検知部19の検知信号に基づいて、撮像画像内における被識別体の位置情報を決定する(S207)。
一方、被識別体が撮像部12の撮像範囲に入っていないとき(S205の「No」)、撮像部12は、被識別体が同撮像範囲に入るまで待機する。
次いで、位置決定部14は、位置情報を撮像画像と関連付けて記憶部13に記憶する(S208)。このとき、本装置1は、例えば、処理(S204)で取得した被写体情報についても、撮像画像と関連付けて記憶部13に記憶する。
次いで、識別部23は、記憶部13に記憶されている、被識別体の撮像画像と、同撮像画像に関連付けて記憶されている位置情報と、識別情報と、を用いて、被識別体に対応する種別情報を識別(特定)する(S209)。すなわち、例えば、識別情報が画素値に関する情報の場合、識別部23は、被写体の撮像画像と位置情報とに基づいて、同撮像画像内の被識別体が撮像されている範囲の画素値を算出して、算出された画素値と種別情報ごとの識別情報とを照合する。識別部23は、算出された画素値に対応する識別情報の種別情報を、被識別体の種別情報として識別する。被識別体に対応する識別情報は、同被識別体の撮像画像に関連付けられて記憶部13に記憶される。
次いで、第1特定処理部24は、識別部23が識別した被識別体の種別情報が特定種別情報であるか否かを判定する(S210)。
被識別体の種別情報が特定種別情報であるとき(S210の「Yes」)、第1特定処理部24は、被識別体に対して特定処理(例えば、不良品に対してレーザ光を照射する処理)を実行する(S211)。
次いで、第2特定処理部25は、特定処理が実行された被識別体を被識別体検知部26が検知したか否かを確認する(S212)。
特定処理が実行された被識別体を被識別体検知部26が検知したとき(S212の「Yes」)、第2特定処理部25は、第2特定処理(例えば、不良品の除去やレーザ光の照射態様の変更など)を実行する(S213)。「レーザ光の照射態様」は、例えば、レーザ光の色や、点灯・点滅などのレーザ光の照射間隔などのレーザ光が被識別体に照射される態様である。
一方、被識別体の種別情報が特定種別情報でないとき(S210の「No」)、または、特定処理が実行された被識別体を被識別体検知部26が検知しないとき(S212の「No」)、本装置1は、識別モードを終了する。
なお、本装置が実行する識別モードの各処理は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、本装置は、識別モードにおいて特定処理や第2特定処理を実行しなくてもよく、あるいは、被写体情報を取得しなくてもよい。
また、識別部は、撮像画像に関連付けて記憶されている被写体情報を記憶部から読み出して、被写体情報と被識別体情報とを比較して、被識別体に対応する種別情報を識別してもよく、あるいは、被識別体に対応する種別情報の識別の参考情報としてもよい。
さらに、第1特定処理部は、被識別体の種別情報が特定種別情報であるとき、
●実施例(1)●
次に、本発明にかかる撮像装置の実施例について、先に説明した実施の形態と異なる部分を中心に説明する。本実施例における撮像装置は、形態変更部と、表示部と、第1特定処理部と、第2特定処理部と、識別体検知部と、を備えていない点において、先に説明した実施の形態における撮像装置と異なる。
●実施例(1)の構成
図5は、本装置の実施例を示す模式図である。
本装置100は、筐体101と、タッチパネル111と、カメラ112と、振動装置116と、重量計117aと、一対の鏡117b1,117b2(図6参照)と、ベルトコンベア118と、4個の第1センサ119a1,119a2,119a3,119a4と、8個の第2センサ119b1,119b2,119b3,119b4,119b5,119b6,119b7,119b8(図6参照)と、照明121と、制御装置127と、を有してなる。
筐体101は、カメラ112と、振動装置116と、重量計117aと、一対の鏡117b1,117b2と、ベルトコンベア118と、第1センサ119a1-119a4と、第2センサ119b1-119b8と、照明121と、制御装置127と、を収容する。筐体101は、例えば、アルミ製のフレームである。
タッチパネル111は、本装置100の使用者により被写体の種別情報が入力される入力デバイスである。タッチパネル111は、本発明における種別入力部の例である。タッチパネル111は、筐体101の外面に取り付けられる。
カメラ112は、ベルトコンベア118の中央上方に配置されて、ベルトコンベア118により搬送される被写体を撮像する。カメラ112は、本発明における撮像部の例である。カメラ112は、例えば、ラインスキャンカメラである。
振動装置116は、ベルトコンベア118の搬送方向(以下「搬送方向」という。)の後方側に配置されて、被写体に振動を加えて被写体の向き(姿勢)を変更すると共に、被写体の向きを変更後にベルトコンベア118に向けて傾斜することにより同被写体をベルトコンベア118に戻す。すなわち、振動装置116は、本発明における位置関係変更部の例である。
重量計117aは、ベルトコンベア118の下方に配置されて、ベルトコンベア118とベルトコンベア118の載置面118aに載置された被写体との重量を計測する。重量計117aは、本発明における被写体情報取得部の例である。
図6は、図5の本装置100のA矢視における部分模式図である。
同図は、カメラ112の撮像範囲を一点鎖線で示し、第1センサ119a1-119a3と第2センサ119b1-119b8それぞれの光束を二点鎖線で示す。
図5と図6とに戻る。
鏡117b1は、ベルトコンベア118の中央右方(図6の紙面上方)に配置されて、ベルトコンベア118により搬送される被写体の右側面をカメラ112に向けて表示する。鏡117b2は、ベルトコンベア118の中央左方(図6の紙面下方)に配置されて、ベルトコンベア118により搬送される被写体の左側面をカメラ112に向けて表示する。鏡117b1,117b2は、本発明における被写体情報取得部の例である。
ベルトコンベア118は、ベルトコンベア118に載置された被写体を搬送することにより、カメラ112に対する被写体の位置を変更する。ベルトコンベア118は、本発明における載置部と位置関係変更部との例である。ベルトコンベア118は、被写体が載置される載置面118aを備える。ベルトコンベア118は、被写体を正方向(図6の紙面左方)と逆方向(図6の紙面右方)とに搬送可能である。ベルトコンベア118の載置面118aは、例えば、単色の合成樹脂製である。
第1センサ119a1-119a4は、搬送方向(図6の紙面左右方向)において、ベルトコンベア118により搬送される被写体の有無を検知する。第1センサ119a1-119a4は、一対の投光部と受光部とから構成されるビームセンサである。第1センサ119a1-119a4は、本発明における検知部の例である。第1センサ119a1-119a4は、ベルトコンベア118の搬入部と、搬送方向における鏡117b1,117b2の前後と、ベルトコンベア118の搬出部と、に配置される。第1センサ119a1-119a4の光束の向きは、載置面118aに平行かつ搬送方向に対して垂直な方向に沿う(ベルトコンベア118上を横断する)。
第2センサ119b1-119b8は、一対の投光部と受光部とから構成される狭光芒性のビームセンサである。第2センサ119b1-119b8は、本発明における検知部の例である。第2センサ119b1-119b8は、例えば、レールとアクチュエータとから構成される昇降機構に取り付けられて、ベルトコンベア118の上方を上下方向に移動可能である。第2センサ119b1-119b8の光束の向きは、搬送方向に沿う。
なお、第1センサと第2センサそれぞれの数は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、第1センサの数は「1」や「2」でもよく、第2センサの数は「10」を超えてもよい。
照明121は、カメラ112の撮像範囲内に搬送された被写体を照らす。照明121は、本発明における撮像環境変更部の例である。
制御装置127は、本装置100の全体の動作の制御や、本方法の動作に必要な情報の記憶、被写体の位置情報の決定、被写体情報の取得、被識別体の識別を実行する。すなわち、制御装置127は、本発明における記憶部と、位置決定部と、被写体情報取得部と、識別部と、制御部と、の例である。制御装置127は、例えば、パーソナルコンピュータで実現される。
ここで、本装置100が備える部材のうち、駆動して振動を発生させる部材(振動装置116やベルトコンベア118)は、同振動により影響を受けやすい部材(筐体101やカメラ112、鏡117b1,117b2、第1センサ119a1-119a4、第2センサ119b1-119b8、照明121、制御装置127など)と分離して配置される。そのため、振動装置116やベルトコンベア118からの振動は、カメラ112や鏡117b1,117b2、第1センサ119a1-119a4、第2センサ119b1-119b8、照明121、制御装置127などに伝達されない。
なお、駆動して振動を発生させる部材は、同振動により影響を受けやすい部材に対して、物理的に分離して配置されてもよく、あるいは、ゴムなどの弾性材製の防振材や、制振材などを間に介在させて連結して配置されてもよい。
また、本装置は、例えば、複数のスライドレールを組み合わせた機構など、カメラを立体的な軌道で移動させることができる機構を備えてもよく、あるいは、同機構と共にヒンジのようなカメラの向きを変更可能な機構を備えてもよい。この場合、同機構は、位置関係変更部として機能する。
さらに、本装置は、カメラ(本発明における撮像部)や照明(本発明における撮像環境変更部)を複数備えてもよい。
●実施例(1)の動作
次いで、本実施例(1)における本装置100の動作について、図2、図5、図6を参照しながら説明する。
本装置100は、ベルトコンベア118の載置面118aに載置された被写体の重量と長さとを計測し(S104)、同被写体を搬送しながら撮像し(S106)、撮像画像内の被写体の位置情報を決定し(S107)、振動装置116により被写体の向き(姿勢)を変更し(S111)、向きが変更された被写体を撮像する(S106)。本装置100は、被写体の向きの変更と撮像とを繰り返すことにより、種別情報ごとに複数の撮像画像を取得することができる。
本装置100は、例えば、第1センサ119a1の検知信号と、ベルトコンベア118の搬送速度と、に基づいて、ベルトコンベア118に搬送される被写体の長さを計測する。すなわち、例えば、本装置100は、制御装置127を用いて、第1センサ119a1が被写体を検知している時間と、ベルトコンベア118の搬送速度と、を計測して、同時間と同搬送速度とから被写体の長さを算出(計測)する。このとき、制御装置127は、本発明における被写体情報取得部として機能する。
カメラ112は、被写体が正方向に搬送されている場合において、第1センサ119a2が被写体を検知したとき被写体の撮像を開始し、第1センサ119a3が被写体を検知しなくなったとき被写体の撮像を終了する。一方、カメラ112は、被写体が逆方向に搬送されている場合において、第1センサ119a3が被写体を検知したとき被写体の撮像を開始し、第1センサ119a2が被写体を検知しなくなったとき被写体の撮像を終了する。すなわち、カメラ112は、第1センサ119a2,119a3の検知信号に基づいて、被写体の撮像を開始すると共に、被写体の撮像を終了する。
なお、カメラ(本発明における撮像部)は、例えば、第1センサ119a1の検知信号と、ベルトコンベアの搬送速度と、に基づいて、撮像時間間隔(タイミングレート)を変更しながら被写体を撮像してもよい。
前述のとおり、カメラ112は、ラインスキャンカメラであり、撮像の開始から終了までの間に取得した一連の画像データ(ライン状の画像データ)を合成して撮像画像を生成する。そのため、カメラ112の撮像範囲と第1センサ119a2,119a3との間隔を狭めることで、搬送方向における撮像画像の長さと、同撮像画像に撮像されている被写体の長さとは、略同じとなる。つまり、本装置100は、撮像画像において、搬送方向に直交する方向における被写体の位置を特定することにより、撮像画像内の被写体の位置情報を決定することができる。
本実施例では、制御装置127が撮像画像内の被写体の位置情報を決定する。すなわち、制御装置127は、本発明における位置決定部として機能する。制御装置127(位置決定部14)は、第2センサ119b1-119b8の検知信号に基づいて、撮像画像内の搬送方向に直交する方向における被写体の位置を特定することにより、撮像画像内における被写体の位置情報を決定する。
図7は、本装置100による被写体の位置情報の決定例を示す模式図である。
同図は、カメラ112により撮像された撮像画像の例を模式的に示す。同図は、第2センサ119b1-119b8の光束を二点鎖線で示す。同図は、第2センサ119b2-119b5の光束が被写体により遮られていることを示す。
ここで、カメラ112の撮像範囲と、第2センサ119b1-119b8の検知範囲(光束の位置)とは、予め関連付けられて制御装置127(記憶部13)に記憶されている。そのため、制御装置127(位置決定部14)は、第2センサ119b1-119b8の光束のうち、被写体に遮られている光束の位置に基づいて、被写体の位置情報を決定することができる。すなわち、例えば、図7に示される例において、制御装置127(位置決定部14)は、撮像画像内において、第2センサ119b1,119b6の光束と、撮像画像の搬送方向における両端と、により構成される矩形の領域(被写体領域)内に被写体が位置していることを特定することができる。つまり、制御装置127(位置決定部14)は、撮像画像内における被写体領域の座標を被写体の位置情報として決定する。
なお、本発明における位置決定部は、被写体が第1センサ119a2を通過してからカメラが撮像画像を撮像するまでの時間に基づいて、被写体と第1センサ119a2との距離を算出して、被写体領域をさらに限定してもよい。また、本発明における位置決定部は、周囲画像に撮像されている基準マーカや、鏡などの位置に基づいて、被写体の位置情報を決定してもよい。
また、同図は、撮像画像に鏡117b1,117b2と、鏡117b1,117b2に写り込んでいる被写体の側面と、が撮像されていることを示す。このように鏡117b1,117b2を撮像範囲に配置することにより、本装置100は、被写体を撮像するごとに、同被写体の側面の画像を被写体情報として取得することができる。
さらに、カメラ(本発明における撮像部)は、エリアカメラでもよい。この場合、例えば、本装置は、格子状に配置された第2センサの検知信号に基づいて、撮像画像内における被写体の位置情報を決定してもよい。
さらにまた、位置関係変更部と共に、あるいは、位置関係変更部に代えて、本装置の使用者が、被写体の向きや姿勢を変更してもよい。この場合であっても、カメラは、撮像ごとに、被写体とカメラとの位置関係が異なる撮像画像を出力可能である。この構成によれば、使用者は、未取得の教師データや取得機会の少ない教師データを効率的に取得可能である。
さらにまた、制御装置(記憶部)は、複数の識別情報や、識別情報の基となる撮像画像、を記憶していてもよい。この場合、制御装置は、使用者が入力した種別情報に関連付けられて制御装置(記憶部)に記憶されている識別情報(または、撮像画像)を表示装置(例えば、タッチパネルや、本装置に接続されるモニタなど)に出力してもよい。その結果、使用者は、表示装置に表示された識別情報(または、撮像画像)に基づいて、被写体の向きや形状を変更可能である。すなわち、例えば、使用者は、表示装置を確認することにより、未撮像あるいは撮像機会の少ない被写体の向きや形状を把握して、効率的に教師データを取得可能である。
さらにまた、被写体の種別情報は、ネットワークを介して、本装置に接続される外部機器から送信されてもよい。また、本装置が表示装置に出力する識別情報や撮像画像は、ネットワークを介して、本装置に接続される外部機器から送信されてもよい。
●実施例(2)●
次に、本発明にかかる撮像装置の別の実施例について、先に説明した実施例と異なる部分を中心に説明する。本実施例における撮像装置は、ベルトコンベアと制御装置の構成と、表示部を備える点と、において、先に説明した実施例における撮像装置と異なる。
●実施例(2)の構成
図8は、本装置の別の実施例を示す模式図である。
本装置100Aは、タッチパネル111と、カメラ112と、振動装置116と、重量計117aと、一対の鏡117b1,117b2(図6参照)と、ベルトコンベア118Aと、4個の第1センサ119a1-119a4と、8個の第2センサ119b1-119b8(図6参照)と、液晶ディスプレイ120Aと、照明121と、制御装置127Aと、を有してなる。
ベルトコンベア118Aは、ベルトコンベア118Aの載置面118aAに載置された被写体を搬送する。ベルトコンベア118Aは、本発明における載置部の例である。ベルトコンベア118Aは、被写体を正方向(図8の紙面左方向)と逆方向(図8の紙面右方向)とに搬送可能である。ベルトコンベア118Aの載置面118aAは、例えば、金属製のメッシュである。
なお、ベルトコンベアの載置面は、例えば、透明な合成樹脂製でもよい。
液晶ディスプレイ120Aは、カメラ112の撮像範囲、かつ、ベルトコンベア118Aの下方に配置されて、表示画像をカメラ112に向けて表示する。液晶ディスプレイ120Aは、本発明における表示部の例である。
制御装置127Aは、本装置100Aの全体の動作の制御や、本方法の動作に必要な情報の記憶、被写体の位置情報の決定、表示画像の選択、被写体情報の取得、被識別体の識別を実行する。すなわち、制御装置127Aは、本発明における記憶部と、位置決定部と、被写体情報取得部と、撮像環境変更部と、識別部と、制御部と、の例である。制御装置127Aは、例えば、パーソナルコンピュータで実現される。
●実施例(2)の動作
次いで、本実施例(2)における本装置100Aの動作について、図2、図8を参照しながら説明する。
本装置100Aは、撮像環境指示に基づいて、カメラ112が被写体を撮像するときに周囲画像として撮像される液晶ディスプレイ120Aの表示画像を変更する(S114)。
制御装置127A(記憶部13)は、予め複数の候補画像を記憶している。制御装置127Aは、複数の候補画像の中から表示画像を選択する。すなわち、制御装置127A(撮像環境変更部21)は、液晶ディスプレイ120Aに表示される表示画像を変更する、本発明における撮像環境変更部として機能する。表示画像の選択は、本装置100Aの使用者などによる指示や、制御装置127A(記憶部13)に記憶されているプログラムなどの指示(環境変更指示)に従って実行される。候補画像は、例えば、実際の製造ラインの画像や、被写体と同一種別の製品(産品)の画像、被写体のコントラストを明確にする色彩の壁紙、などである。
液晶ディスプレイ120Aは、メッシュであるベルトコンベア118Aの載置面118aAを介して、表示画像をカメラ112に向けて表示する。液晶ディスプレイ120Aは、制御装置127A(撮像環境変更部21)の選択に基づいて、表示画像を変更する。換言すれば、液晶ディスプレイ120Aは、制御装置127A(撮像環境変更部21)の制御により、撮像環境(周囲画像)を変更する。その結果、制御装置127A(撮像環境変更部21)が撮像環境を変更した後に撮像された撮像画像の周囲画像は、制御装置127A(撮像環境変更部21)が撮像環境を変更する前に撮像された撮像画像の周囲画像とは異なる。
なお、液晶ディスプレイは、ベルトコンベアの下方ではなく、ベルトコンベアの側方に立てて配置されてもよい。この場合、カメラは、周囲画像に液晶ディスプレイが撮像されるように、被写体の側方から被写体を撮像する。また、この場合、ベルトコンベアの載置面は、メッシュや透明でなくともよい。
また、本装置は、液晶ディスプレイ120Aに代えて、リアプロジェクション装置(画面に見立てたスクリーンの背面から映像を投影する装置)や、超単焦点プロジェクタ(以下「プロジェクタ」という。)を備えてもよい。前者の場合、リアプロジェクション装置は、ベルトコンベアの下方(載置面の背面側)に配置される。ベルトコンベアの載置面は、例えば、リアプロジェクション装置からの映像が投影可能な透明な合成樹脂製である。後者の場合、プロジェクタは、ベルトコンベアの下方(載置面の背面側)に配置されてもよく、ベルトコンベアの側方に配置されてもよい。ベルトコンベアの載置面は、例えば、プロジェクタからの映像が投影可能な(透明な)合成樹脂製である。
さらに、本発明における撮像環境変更部は、撮像画像を撮像後に周囲画像を候補画像の中から選択した置換画像で置換(合成)してもよい。「置換画像」は、例えば、実際の製造ラインにおいてカメラに撮像され得る製品(産品)の背景の画像や、複数の良品(不良品)の画像、複数の良品(不良品)の画像を所定の角度で回転させた画像である。この場合、回転前の画像は本発明における第1候補画像であり、回転後の画像は本発明における第2候補画像である。置換画像を回転させることで、本装置は、例えば、少数の良品の画像を用いて、様々な角度の良品の画像を置換画像として周囲画像と置換して、多数の良品の中に存在する不良品(被写体)の撮像画像を容易に合成することができる。周囲画像を置換画像で置換する場合、撮像環境変更部は、置換前の撮像画像の被写体画像の位置情報(座標)を、置換画像で置換後の撮像画像と関連付けて記憶部に記憶する。
●実施例(3)●
次に、本発明にかかる撮像装置のさらに別の実施例について、先に説明した実施例(1),(2)と異なる部分を中心に説明する。本実施例における撮像装置は、第1特定処理部と第2特定処理部と被識別体検知部とを備える点において、先に説明した実施例(1),(2)における撮像装置と異なる。
●実施例(3)の構成
図9は、本装置のさらに別の実施例を示す模式図である。
本装置100Bは、筐体101と、タッチパネル111と、カメラ112と、振動装置116と、重量計117aと、一対の鏡117b1,117b2(図6参照)と、ベルトコンベア118と、4個の第1センサ119a1-119a4と、8個の第2センサ119b1-119b8(図6参照)と、照明121と、レーザポインタ124Bと、被識別体検知センサ126Bと、制御装置127Bと、を有してなる。
レーザポインタ124Bは、本装置100Bが識別モードで動作しているとき、特定種別に識別された被識別体にレーザ光を照射して、被識別体が特定種別に識別されたことを視認可能にする。レーザポインタ124Bは、本発明における特定処理部の例である。
被識別体検知センサ126Bは、ベルトコンベア118の所定の位置において、レーザ光が照射された被識別体の有無を検知する。被識別体検知センサ126Bは、例えば、ビームセンサである。被識別体検知センサ126Bは、本発明における被識別体検知部の例である。
「所定の位置」は、例えば、第1センサ119a3と第1センサ119a4との間であって、レーザ光が照射されている被識別体を本装置1の使用者が除去可能な位置である。
なお、例えば、第1センサ(第1センサ119a4に相当)が被識別体検知センサとして機能してもよい。
制御装置127Bは、本装置100Bの全体の動作の制御や、本方法の動作に必要な情報の記憶、被写体の位置情報の決定、被写体情報の取得、被識別体の識別を実行する。すなわち、制御装置127Bは、本発明における記憶部と、位置決定部と、被写体情報取得部と、識別部と、制御部と、の例である。制御装置127Bは、例えば、パーソナルコンピュータで実現される。
●実施例(3)の動作
次いで、本実施例(3)における本装置100Bの動作について、図4、図9を参照しながら説明する。
本装置100Bは、被識別体に対応する種別情報を識別し(S209)、同種別情報が特定種別情報であるか否かを判定し(S210)、被識別体の種別情報が特定種別情報であるとき同被識別体にレーザ光を照射し(S211)、レーザ光が照射された被識別体の有無を検知し(S212)、レーザ光の照射態様を変更する(S213)。
制御装置127B(識別部23)は、被識別体の撮像画像と、識別情報と、に基づいて、被識別体の種別情報を識別して、同種別情報が特定種別情報であるか否かを確認する(S210)。
被識別体の種別情報が特定種別情報である場合(S210の「Yes」)、レーザポインタ124Bは、同被識別体にレーザ光を照射して、同被識別体を強調して視認可能にする(S211)。このとき、制御装置127B(制御部27)は、撮像画像内の被識別体の位置情報と、ベルトコンベア118の移動速度と、に基づいて、被識別体の移動経路を予測して、予測結果をレーザポインタ124Bに送信する。すなわち、レーザポインタ124Bは、ベルトコンベア118で搬送される被識別体を追尾するように、同識別体にレーザ光を照射する。
図10は、被識別体にレーザ光が照射されている状態を示す模式図である。
同図は、被識別体とレーザ光それぞれが移動していく様子を矢印で示す。同図は、点灯しているレーザ光を実線の円で、点滅しているレーザ光を破線の円で、それぞれ示す。
このように、レーザポインタ124Bは、制御装置127B(制御部27)の予測結果に基づいて、特定種別に識別された被識別体にレーザ光を照射して、同被識別体が特定種別に識別されたことを本装置100Bの使用者などに視認可能にする。レーザ光の照射は、本発明における特定処理の例である。
なお、制御装置がレーザポインタの動作を制御してもよい。この場合、制御装置は、撮像環境変更部としても機能する。
次いで、制御装置127Bは、被識別体検知センサ126Bの検知信号と、予測した被識別体の移動経路と、ベルトコンベア118の搬送速度と、に基づいて、被識別体検知センサ126Bが検知した被識別体がレーザ光が照射されている被識別体か否かを確認する(S212)。
レーザ光が照射された被識別体を被識別体検知センサ126Bが検知したとき(S212の「Yes」)、レーザポインタ124Bは、レーザ光の照射態様を変更(例えば、レーザ光の照射態様を点灯から点滅へ変更)する(S213)。換言すれば、レーザポインタ124Bによるレーザ光の照射態様の変更は、本発明における第2特定処理の例である。すなわち、レーザポインタ124Bは、本発明における第2特定処理部として機能する。
なお、本装置は、レーザ光が照射された被識別体を被識別体検知センサが検知したとき、ベルトコンベアの動作を停止してもよい。この場合、ベルトコンベアは、本発明における第2特定処理部として機能する。本装置によるベルトコンベアの動作の停止は、即時実行されてもよく、あるいは、所定の条件(例えば、被識別体が使用者により除去可能な位置まで搬送されたとき、被識別体検知センサの検知から所定時間経過したとき)を満たしたときに実行されてもよい。
また、本装置は、例えば、被識別体センサに代えて、レーザ光が照射された被識別体を本装置の使用者などが取り除く動作を検知するセンサ(エリアセンサなど)や、同使用者などの手が被識別体のレーザ光の被照射面を覆ったことを検知するセンサ(第2のカメラなど)の検知結果に基づいて、レーザ光の照射を終了してもよい。
さらに、本装置は、レーザ光が照射された被識別体を被識別体検知センサが検知したとき、同被識別体をベルトコンベアから除去してもよい。この場合、同識別体をベルトコンベアから除去する手段(例えば、ロボットアームや、ベルトコンベア上に配置された選別機など)は、本発明における第2特定処理部として機能する。
さらにまた、レーザポインタ(本発明における特定処理部)は、レーザ光を照射してから所定時間が経過したときに、レーザ光の照射態様を変更(第2特定処理を実行)してもよい。この場合、レーザポインタは、本発明における第2特定処理部として機能する。
さらにまた、本装置は、レーザ光が照射された被識別体を被識別体検知センサが検知したとき、または、レーザ光が照射されてから所定時間が経過したとき、その旨を音により報知する報知部を備えてもよい。この場合、報知部は、本発明における第2特定処理部として機能する。
さらにまた、本装置は、特定種別情報の内容に応じて、異なる特定処理を実行してもよい。すなわち、例えば、本装置は、被識別体の種別情報が形や色の不良品に対応する特定種別情報であるとき、赤色のレーザ光を被識別体に照射し、同種別情報が異物混入に対応する特定種別情報であるとき、青色のレーザ光を被識別体に照射してもよい。
さらにまた、本装置は、レーザポインタに代えて、例えば、プロジェクションマッピングを被識別体に投影可能なプロジェクタを備えてもよい。この場合、プロジェクタは、特定種別情報の内容に応じて、マッピングの投影態様を変更してもよい。すなわち、例えば、プロジェクタは、被識別体の種別情報が形や色の不良品に対応する特定種別情報であるとき、赤色の円を被識別体に投影し、同種別情報が異物混入に対応する特定種別情報であるとき、さらに「!」などの注意喚起を促す文字や、円を強調する図形などを追加投影してもよい。このように、特定種別情報の内容に応じてマッピングの投影態様を変更することにより、本装置の使用者は被識別体の識別作業(不良品の除去作業など)の効率化を図ることができると共に、同使用者は優先して除去すべき被識別体を選択することができる。
さらにまた、本装置は、プロジェクタの投影位置を載置部の載置面に合わせる調整手段を備えてもよい。調整手段は、例えば、載置面に配置される位置決め用のマークと、プロジェクタを移動させる移動機構と、で構成される。この場合、使用者は、例えば、プロジェクタから位置決め用画像を載置面に投影して、載置面のマークと、位置決め用画像と、が重なるように移動機構を操作してプロジェクタの位置を調整する。載置面のマークは、載置面に直接付されてもよく、あるいは、載置面に着脱可能でもよい。また、タッチパネルとプロジェクタの投影補正機能(例えば、台形補正やズーム、焦点など)とを連動させて、タッチパネル操作による投影補正機能を本装置が備えてもよい。
このように、特定種別(例えば、不良品など)に識別された被識別体を視認可能とすることにより、本装置100Bの使用者は、極めて容易に同被識別体を製造ラインなどから除去することが可能となる。
さらにまた、本実施例において、本装置は、識別部の識別の確度を算出し、算出した確度に基づいて、被識別体を分類してもよい。「確度」は、識別部が識別した種別情報の正確性を示す度合である。確度は、例えば、公知の手法を用いて、識別部により算出される。この場合、識別部は、本発明における特定処理部の例である。被識別体の分類は、例えば、本装置が備えるロボットアームにより実行される。ロボットアームは、本発明における第2特定処理部の例である。
図11は、本装置のさらに別の実施例の変形例を示す模式図である。
同図は、ベルトコンベア118により搬送される被識別体がロボットアーム125B1により分類されていることを示す。
ロボットアーム125B1は、例えば、被識別体検知センサ126Bを通過した被識別体を分類可能な位置に配置される。ロボットアーム125B1は、例えば、制御装置127B1(識別部23)が算出した確度に基づいて、被識別体検知センサ126Bに検知された被識別体を分類する。すなわち、例えば、種別情報「不良品」の確度が「80以上」のとき、ロボットアーム125B1は、被識別体をベルトコンベア118の進行方向左側(図11の紙面上側)に移動させる。一方、同確度が「79未満」のとき、ロボットアーム125B1は、被識別体をベルトコンベア118の進行方向右側(図11の紙面下側)に移動させる。換言すれば、ロボットアーム125B1は、被識別体が特定種別情報に識別されたこと、および、その確度、を使用者に対して視認可能にする。この構成によれば、使用者は、ベルトコンベア118の進行方向右側に位置する被識別体のみを検査することで、本装置による識別が曖昧な被識別体のみを確実に検査可能である。その結果、使用者は、識別の確度が十分ではない種別情報が混在していても、本装置を使用して被識別体の高精度な識別を可能とする。
●実施例(4)●
次に、本発明にかかる撮像装置のさらに別の実施例について、先に説明した実施例(1),(2),(3)と異なる部分を中心に説明する。本実施例における撮像装置は、形態変更部を備える点において、先に説明した実施例(1),(2),(3)における撮像装置と異なる。
●実施例(4)の構成
図12は、本装置のさらに別の実施例を示す模式図である。
本装置100Cは、タッチパネル111と、カメラ112と、押圧装置115Cと、振動装置116と、重量計117aと、一対の鏡117b1,117b2(図6参照)と、ベルトコンベア118と、4個の第1センサ119a1-119a4と、8個の第2センサ119b1-119b8(図6参照)と、照明121と、制御装置127Cと、を有してなる。
押圧装置115Cは、振動装置116に配置されて、振動装置116に搬入された被写体を押圧して、同被写体の形状を変形させる。すなわち、押圧装置115Cは、本発明における形態変更部の例である。
なお、本装置は、押圧装置に代えて、あるいは、押圧装置と共に、被写体に熱を加える加熱装置や、被写体を切断する切断装置、被写体に穴をあける刺突装置など、被写体の形態を変更させる他の装置を備えてもよい。
また、本装置は、押圧装置と振動装置とに代えて、例えば、ロボットアームのような被写体の向きを変更させると共に被写体の形状を変形させることが可能な装置(位置関係変更部の機能と形態変更部の機能とを併せ持つ装置)を備えてもよい。
制御装置127Cは、本装置100Cの全体の動作の制御や、本方法の動作に必要な情報の記憶、被写体の位置情報の決定、被写体情報の取得、被識別体の識別を実行する。すなわち、制御装置127Cは、本発明における記憶部と、位置決定部と、被写体情報取得部と、識別部と、制御部と、の例である。制御装置127Cは、例えば、パーソナルコンピュータで実現される。
●実施例(4)の動作
次いで、本実施例(4)における本装置100Cの動作について、図2、図12を参照しながら説明する。
押圧装置115Cは、前述した変形指示に基づいて、振動装置116に搬送された被写体を押圧して、被写体の形状を変形させる(S117)。次いで、振動装置116は、変形した被写体をベルトコンベア118に戻す。ベルトコンベア118は、変形した被写体をカメラ112の撮像範囲に搬送する(S112)。
このように、本装置100Cは、押圧装置115C(本発明における形態変更部)を備えることにより、1つの被写体を用いて、同被写体の複数の撮像画像を撮像すると共に、形状を変形させた同被写体の複数の撮像画像を撮像する。換言すれば、本装置100Cは、1つの製品(産品)から、複数の良品の教師データを取得すると共に、複数の不良品の教師データを取得する。
なお、形態変更部と共に、あるいは、形態変更部に代えて、本装置の使用者が、被写体の形態を変更してもよい。この場合であっても、カメラは、形態が異なる被写体の撮像画像を出力可能である。この構成によれば、使用者は、恣意的に被写体の形態を変更した教師データを取得可能である。
●実施例(5)●
次に、本発明にかかる撮像装置のさらに別の実施例について、先に説明した実施例(1),(2),(3),(4)と異なる部分を中心に説明する。本実施例における撮像装置は、既存のベルトコンベアに取り付けられる点(振動装置と重量計とベルトコンベアとを備えない点)において、先に説明した実施例(1),(2),(3),(4)における撮像装置と異なる。
●実施例(5)の構成
図13は、本装置のさらに別の実施例を示す模式図である。
本装置100Dは、タッチパネル111と、カメラ112と、一対の鏡117b1,117b2と、4個の第1センサ119a1-119a4と、8個の第2センサ119b1-119b8(図6参照)と、照明121と、制御装置127Dと、を有してなる。
本装置100Dは、既存のベルトコンベア(実際の製造ラインに配置されるベルトコンベア)Xに取り付けられる。本装置100Dは、被写体の形状を変形させる手段(本発明における形態変更部)と、被写体の向き(姿勢)を変更する手段(位置関係変更部)とを備えていない。そのため、例えば、本装置100Dの使用者が1種の製品(産品)を何度も向きを変えて本装置100Dに投入することにより、本装置100Dは、1つの種別情報に対応する複数の撮像画像を撮像する。このように、本装置100Dは、既存のベルトコンベアXに取り付けられるだけで、既存のベルトコンベアXを用いて、複数の教師データの収集と、製品(産品)の種別情報の識別と、を実行する。この場合であっても、カメラ112は、撮像ごとに、被写体とカメラ112との位置関係、または、被写体の形態、のいずれか一方が異なる撮像画像を出力可能である。
なお、本装置は、例えば、本装置の使用者が本装置に投入した製品(被写体)が、カメラに撮像された後に同製品を投入した位置に戻るように既存のベルトコンベアの動作を制御してもよい。すなわち、例えば、本装置は、第1センサ119a4が製品を検知したタイミングで、ベルトコンベアを逆回転させて、第1センサ119a1が製品を検知したタイミングで、ベルトコンベアの回転を戻してもよく、あるいは、ベルトコンベアの動作を一時的に停止してもよい。この構成によれば、本装置の使用者が1種の製品を何度も向きを変えて本装置に投入する作業の効率は、向上する。
また、本装置は、カメラの位置を変更する機構、すなわち、本発明における位置関係変更部を備えてもよい。
さらに、制御装置(記憶部)は、複数の識別情報や、識別情報の基となる撮像画像、を記憶していてもよい。この場合、制御装置は、使用者が入力した種別情報に関連付けられて制御装置(記憶部)に記憶されている識別情報(または、撮像画像)を表示装置に出力してもよい。その結果、使用者は、表示装置に表示された識別情報(または、撮像画像)に基づいて、被写体の向きや形状を変更可能である。すなわち、例えば、使用者は、表示装置を確認することにより、未撮像あるいは撮像機会の少ない被写体の向きや形状を把握して、効率的に教師データを収集可能である。
●実施例(6)●
次に、本発明にかかる撮像装置のさらに別の実施例について、先に説明した実施例(1),(2),(3),(4),(5)と異なる部分を中心に説明する。本実施例における撮像装置は、ベルトコンベアに代えてターンテーブルを備える点において、先に説明した実施例(1),(2),(3),(4),(5)における撮像装置と異なる。
●実施例(6)の構成
図14は、本装置のさらに別の実施例を示す模式図である。
本装置200は、筐体201と、タッチパネル211と、カメラ212と、カメラ支持部材216と、ロードセル217と、ターンテーブル218と、照明221と、制御基板227と、を有してなる。
筐体201は、カメラ212と、カメラ支持部材216と、ロードセル217と、ターンテーブル218と、照明221と、制御基板227と、を収容する。
タッチパネル211は、本装置200の使用者により被写体の種別情報が入力される入力デバイスである。タッチパネル211は、本発明における種別入力部の例である。タッチパネル211は、筐体201の外面に取り付けられる。
カメラ212は、カメラ支持部材216に取り付けられて、ターンテーブル218の上方から後述するターンテーブル218の載置面218aに載置された被写体を撮像する。カメラ212は、本発明における撮像部の例である。カメラ212は、例えば、エリアカメラである。
カメラ支持部材216は、ターンテーブル218の側方に配置されて、カメラ212の位置と向きとを変更する。カメラ支持部材216のうち、カメラ212が取り付けられる部分は、上下方向にスライド可能であると共に搖動可能である。すなわち、カメラ支持部材216は、被写体に対するカメラの位置と向きとを変更させる本発明における位置関係変更部の例である。
ロードセル217は、ターンテーブル218の下方に配置されて、ターンテーブル218の重量と、ターンテーブル218に載置される被写体の重量と、を計測する。ロードセル217は、本発明における被写体情報取得部の例である。
ターンテーブル218は、回転することで、カメラ212に対する被写体の位置や向きを変更する。ターンテーブル218は、被写体が載置される載置面218aを備える。ターンテーブル218は、本発明における載置部と位置関係変更部との例である。
照明221は、カメラ212の撮像範囲内に載置された被写体を照らす。照明221は、本発明における撮像環境変更部の例である。
制御基板227は、本装置200の全体の動作の制御や、本方法の動作に必要な情報の記憶、被写体の位置情報の決定、被識別体の識別を実行する。制御基板227は、例えば、CPUとフラッシュメモリとを実装する。制御基板227は、本発明における記憶部と、位置決定部と、識別部と、制御部と、の例である。
なお、本装置は、例えば、ターンテーブルを振動させる機構や、ターンテーブルに載置された被写体に触れて同被写体に外力を加える機構など、本発明における位置関係変更部や形態変更部として機能する機構を備えてもよい。
また、本装置は、例えば、ターンテーブルの側方、かつ、カメラの撮像範囲に、本発明における表示部として機能する液晶ディスプレイを配置してもよい。
さらに、本装置は、例えば、ターンテーブルの側方、かつ、カメラの撮像範囲に、本発明における被写体情報取得部として機能する鏡を配置してもよい。
●実施例(6)の動作
次いで、本実施例(6)における本装置200の動作について、図2、図14を参照しながら説明する。
本装置200は、本装置200の使用者などによりターンテーブル218の載置面218aに載置された被写体の重量を計測し(S104)、ターンテーブル218を回転させながら被写体を撮像し(S106)、撮像画像内の被写体の位置情報を決定し(S107)、カメラ212の位置または向きを変更し(S111)、被写体の撮像を繰り返す(S106)。本装置200は、被写体の向きの変更と、被写体に対するカメラ212の位置と向きとの変更と、を繰り返すことにより、種別情報ごとに複数の撮像画像を取得する。
本装置200は、例えば、制御基板227を用いて、ターンテーブル218の外縁部を画像認識などにより認識して、撮像画像内のターンテーブル218の位置情報と、ターンテーブル218内の被写体の位置情報と、を決定する。このとき、制御基板227は、本発明における位置決定部として機能する。
なお、本装置は、ターンテーブルの上方の空間を移動可能なエリアセンサを備え、同エリアセンサの検知結果に基づいて、被写体の位置情報を決定してもよい。この場合、エリアセンサは、本発明における位置決定部として機能する。
図15は、本発明のさらに別の実施例を示す模式図である。
同図は、本装置200Aが、筐体201と、タッチパネル211と、カメラ212と、カメラ支持部材216と、ロードセル217と、ターンテーブル218と、エリアセンサ219Aと、照明221と、制御基板227Aと、を有してなることを示す。
エリアセンサ219Aは、ターンテーブル218に載置された被写体の位置情報を決定する。エリアセンサ219Aは、本発明における位置決定部の例である。エリアセンサ219Aは、ターンテーブル218の上方に配置される。エリアセンサ219Aは、上下方向(図15の紙面上下方向)に移動可能である。カメラ212の撮像範囲と、エリアセンサ219Aの検知範囲(光束の位置)とは、予め関連付けられて制御基板227A(記憶部13)に記憶されている。エリアセンサ219Aがターンテーブル218に載置された被写体に対して移動することで、被写体がエリアセンサ219Aの検知光の一部を遮る。エリアセンサ219Aの検知結果は、制御基板227Aに送信される。制御基板227Aは、エリアセンサ219Aの検知結果に基づいて、撮像画像内の被写体の位置情報を決定する。このとき、制御基板227Aは、本発明における位置決定部として機能する。
なお、エリアセンサは、ターンテーブルの側方に配置されてもよい。この場合、エリアセンサは、ターンテーブルの上方であって、水平方向(図15の紙面左右方向)に移動可能である。
●まとめ●
以上説明した実施の形態によれば、本装置1は、被写体の種別情報が入力される種別入力部11と、被写体を撮像する撮像部12と、種別情報と撮像画像とを関連付けて記憶する記憶部13と、を備える。そのため、本装置1は、種別情報ごとに複数の撮像画像を撮像して、関連付けて記憶することができる。すなわち、本装置1は、教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
また、本装置1は、少なくとも、被写体と撮像部12との位置関係を変更する位置関係変更部16、または、被写体の形状を変形させる形態変更部15と、のいずれか一方を備える。撮像部12は、位置関係変更部16が被写体と撮像部12との位置関係を変更した後、または、形態変更部15が被写体の形態を変更させた後、に被写体を撮像する。そのため、本装置1は、種別情報を変更して、種別情報ごとに複数の撮像画像を撮像して関連付けて記憶することができる。すなわち、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
さらに、位置関係変更部16または形態変更部15は、撮像回数情報に基づいて、被写体と撮像部12との位置関係を変更し、あるいは、被写体の形態を変更させる。そのため、本装置1は、撮像回数情報に設定された回数、自動的に被写体と撮像部12との位置関係を変更して被写体を撮像すると共に、自動的に被写体の形態を変更させて被写体を撮像する。すなわち、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
さらにまた、本装置1は、被写体情報(被写体の重量、長さ、体積、多面的な画像など)を取得する被写体情報取得部17を備える。記憶部13は、被写体情報を撮像画像と関連付けて記憶する。そのため、本装置1は、撮像画像に基づいて生成される種別情報ごとの識別情報のみならず、被写体情報をも加味した識別情報を取得・生成することができる。その結果、本装置1は、例えば、被識別体の撮像画像から種別情報を識別するのみならず、被識別体の被識別体情報(被識別体の重量、長さなど)から種別情報を識別することができる。すなわち、本装置1は、撮像画像のみならず、同撮像画像に関連付けられる被写体情報を教師データとして収集することができる。したがって、これらの教師データを用いて学習する人工知能の識別精度が向上する。このように、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
さらにまた、本装置1は、撮像画像内における被写体の位置情報を決定し、同位置情報を被写体の撮像画像と関連付けて記憶する位置決定部14を備える。そのため、本装置1は、撮像画像内における被写体の位置情報が決定(特定)された高品質な教師データを大量に収集することができる。すなわち、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
さらにまた、本装置1は、被写体が載置される載置部18と、載置部18に載置された被写体の位置を検知して検知信号を出力する検知部19と、を備える。位置決定部14は、検知信号に基づいて、撮像画像内における被写体の位置情報を決定する。そのため、本装置1は、撮像画像内における被写体の位置情報を容易に決定することができる。その結果、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
さらにまた、位置決定部14は、周囲画像に基づいて、位置情報を決定する。位置情報は、撮像画像内の基準点からの相対座標を特定する座標情報を含む。そのため、本装置1は、例えば、周囲画像に基準マーカなどの基準点を撮像させることにより、容易に位置情報を決定することができる。
さらにまた、位置決定部14は、撮像画像内における被写体に付された目印の位置を特定する位置情報を決定し、同位置情報を撮像画像と関連付けて記憶部13に記憶する。このように、目印の位置情報を撮像画像と関連付けて記憶することにより、人工知能に学習させる箇所が明確になる。その結果、例えば、職人が経験や勘で判別する不良(暗黙知として判別される不良)を囲むように目印を付すことで、本装置1は、同不良の位置を容易に特定することができる。
さらにまた、本装置1は、撮像部12が被写体を撮像する際の撮像環境を変更する撮像環境変更部21を備える。撮像環境変更部21が撮像環境を変更した後に撮像された撮像画像の周囲画像は、撮像環境変更部21が撮像環境を変更する前に撮像された撮像画像の周知画像とは異なる。そのため、本装置1は、照明の明るさなどの撮像環境を変更し、周囲画像として撮像される被写体の背景(載置部18の載置面や、表示部20)などの撮像環境を変更することにより、撮像環境を変更した多数の教師データを取得することができる。すなわち、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
さらにまた、周囲画像は、載置面の載置面画像を含む。そのため、例えば、本装置1の使用者などにより載置面の色が、被写体に合わせてコントラストが明確になる色や、実際の製造ラインの色などに変更されることにより、人工知能の識別精度が上がる高品質な教師データを収集することができる。すなわち、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
さらにまた、撮像環境変更部21は、被写体の周囲に配置される表示部20に表示される表示画像を、複数の候補画像の中から選択して、変更する。そのため、本装置1は、表示画像を変更するだけで、様々な周囲画像を含む撮像画像を容易に収集することができる。すなわち、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
さらにまた、撮像環境変更部21は、周囲画像を複数の候補画像の中から選択された置換画像で置換する。候補画像は、第1候補画像と、第1候補画像を所定の角度で回転させた第2候補画像と、を含む。本装置1は、例えば、1つの第1候補画像から複数の第2候補画像を生成することができる。その結果、本装置1は、例えば、被写体画像に実際の製造ラインの画像を合成し、不良品の被写体画像に複数の角度に回転させた良品の画像を合成し、不良品の画像を任意に回転させて合成するなど、様々な撮像画像を合成することができる。したがって、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減する。
さらにまた、本装置1は、種別情報と関連付けて記憶部13に記憶された撮像画像に基づいて生成された種別情報ごとの識別情報を用いて、被識別体に対応する種別情報を識別する識別部23を備える。すなわち、本装置1は、教師データを大量に取得するのみならず、同教師データに基づいて学習された人工知能(識別部)を用いて、被識別体(製品、産品など)の外観検査や識別処理を実行することができる。一般的に、人工知能を用いた外観検査や識別処理は、実際の製造ラインなどの作業環境の下で確認作業を行うまでは、その実用性を把握することができない。そのため、実用性がないという結果を得た場合、教師データの収集や設備投資に費やした時間と費用とが無駄になる可能性がある。しかし、本装置1は、教師データの収集(学習モード)と、同教師データに基づいて生成された識別情報を用いた識別処理(識別モード)と、を切り替えて実行することができる。したがって、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減すると共に、本装置1により収集された教師データの有用性を確認することができる。その結果、本装置1は、識別の確度を暫時向上させ、確度の高い(高精度の)識別を可能とする。
さらにまた、本装置1は、種別情報ごとの識別情報を生成する識別情報生成部22を備える。そのため、本装置1の使用者などは、識別情報の生成を人工知能のベンダーなどに依頼することなく、本装置1を使用して識別情報を生成することができる。その結果、本装置1は、高品質な教師データを大量に収集するための時間とコストとを低減すると共に、本装置1により収集された教師データの有用性の確認に要する時間とコストとを低減する。
さらにまた、本装置1は、識別部23が識別した被識別体の種別情報が特定種別情報(不良品など)のとき、同被識別体に対して特定処理を実行する第1特定処理部24を備える。特定処理は、例えば、被識別体が特定種別情報に識別されたことをレーザポインタなどを用いて視認可能にする処理である。この構成によれば、本装置1は、不良品や、異物混入物などをレーザ光で追尾させて、これらの存在と位置とを本装置1の使用者などに報知することができる。その結果、本装置1は、従来、人手で不良品や異物混入物などの有無を検査して取り除いていた工程のうち、不良品や異物混入物などの有無の検査の工程を実行することができ、検査用の人員を削減することができる。
さらにまた、本装置1は、第1特定処理部24が特定処理を実行した被識別体に対して、第2特定処理を実行する第2特定処理部25を備える。第2特定処理部25は、第1特定処理部24が特定処理を実行してから所定時間が経過したときに、第2特定処理を実行する。第2特定処理は、例えば、レーザ光の照射態様の変更や、被識別体の除去などを実行する処理である。この構成によれば、本装置1は、レーザ光の照射態様の変更などにより、不良品や異物混入物などの除去が実行されていないことを本装置1の使用者などに認知させることができる。
さらにまた、本装置1は、特定処理が実行された被識別体を検知する被識別体検知部26を備える。第2特定処理部25は、被識別体検知部26が被識別体を検知したとき、第2特定処理を実行する。この構成によれば、本装置1は、不良品や異物混入物などの除去が実行されていない場合にのみ、第2特定処理を実行することができる。
さらにまた、以上説明した実施の形態は、特許請求の範囲に記載される発明の内容を不当に限定するものではない。また、以上説明した実施の形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。