JP2023125077A - 電力管理装置およびこれを備えた電力管理システム、電力管理方法および電力管理プログラム - Google Patents

電力管理装置およびこれを備えた電力管理システム、電力管理方法および電力管理プログラム Download PDF

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健人 吉森
Taketo Yoshimori
守道 岡田
Morimichi Okada
英明 衣川
Hideaki Kinugawa
仁 山野辺
Hitoshi Yamanobe
大輔 鴨山
Daisuke Kamoyama
麻美 今村
Asami Imamura
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Abstract

【課題】蓄電池を搭載した移動体を用いて、季節ごとに変化する電力ピークを抑制することが可能な電力管理装置およびこれを備えた電力管理システムを提供する。【解決手段】EMS20は、蓄電池を搭載した車両Vを用いて地域における電力を融通し合う電力管理装置であって、稼働計画情報取得部20a、蓄電池容量取得部20b、イベント情報取得部20c、行動計画作成部20eを備える。稼働計画情報取得部20aは、車両Vの稼働計画を取得する。蓄電池容量取得部20bは、車両Vに搭載された蓄電池の容量と出力を取得する。イベント情報取得部20cは、地域における季節ごとのイベントの開催予定および使用予定の電力量に関する情報を取得する。行動計画作成部20eは、車両Vの稼働計画、車両Vごとの蓄電池の容量の合計と出力、およびイベントの開催予定、使用予定の電力量に基づいて、イベントの会場へ向かわせる車両Vの行動計画を作成する。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば,電気自動車等の蓄電池を搭載した移動体を用いて地域の電力の需要と供給とを管理する電力管理装置およびこれを備えた電力管理システム、電力管理方法および電力管理プログラムに関する。
近年、住宅、ビル、商業施設、工場等を含む地域において、太陽光発電、コージェネレーションシステム、蓄電池等を用いて、互いに余った電力を融通し合う電力管理システムが利用されている。
例えば、特許文献1には、地域内に存在する蓄電池の時刻ごとの位置と蓄電池残量との関係を表す蓄電池残量分布と、各需要家が当該需要家ごとの目標指標を満足するための電源設備の運転計画を実施した場合における、各需要家の時刻ごとの過不足電力と、地域全体の目標指標とに基づき、需要家間の電力融通量を計算する地域エネルギー管理装置について開示されている。
特開2021-52529号公報
しかしながら、上記従来の地域エネルギー管理装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された地域エネルギー管理装置では、各需要家における時刻毎の過不足電力と地域全体の目標とに基づいて、需要家間の電力融通量を計算していたため、例えば、公共施設等のように電力ピークが時刻ではなく季節ごとに変化する場合について何ら考慮されていないという課題があった。
本発明の課題は、蓄電池を搭載した移動体を用いて、季節ごとに変化する電力ピークを抑制することが可能な電力管理装置およびこれを備えた電力管理システム、電力管理方法および電力管理プログラムを提供することにある。
第1の発明に係る電力管理装置は、蓄電池を搭載した移動体を用いて地域における電力を融通し合う電力管理装置であって、稼働計画情報取得部と、蓄電池容量取得部と、イベント情報取得部と、行動計画作成部と、を備えている。稼働計画情報取得部は、移動体の稼働計画を取得する。蓄電池容量取得部は、移動体に搭載された蓄電池の容量と出力とを取得する。イベント情報取得部は、地域における季節ごとのイベントの開催予定およびイベントに使用予定の電力量に関する情報を取得する。行動計画作成部は、移動体の稼働計画、移動体ごとの蓄電池の容量の合計と出力、およびイベントの開催予定、使用予定の電力量に基づいて、イベントの会場へ向かわせる移動体の行動計画を作成する。
ここでは、例えば、蓄電池を搭載した車両等の移動体を所有する自治体等において、自治体が管理する公共施設等において季節ごとに開催されるイベントによって発生する電力需要を、移動体に搭載された蓄電池によってその全部または一部を賄うことで、電力需要のピークカットを行うように、移動体の行動計画を作成する。
ここで、移動体には、蓄電池を搭載した車両、例えば,EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)、FCV(Fuel Cell Vehicle)等の車両が含まれる。
季節ごとのイベントには、例えば、成人式(毎年1月)、小中学校の卒業式(毎年3月)、入学式(毎年4月)、こどもの日イベント(毎年5月)、夏祭り(毎年8月)、運動会(毎年10月)、クリスマスイベント(毎年12月)等が含まれる。
移動体の稼働計画には、例えば、定常的に行われる地域のパトロール(日常巡回)、河川・ため池等の監視巡回、大雨・積雪シーズンの監視巡回等が含まれる。
なお、行動計画が作成される移動体は、単数であっても複数であってもよい。
これにより、移動体の稼働計画、移動体に搭載された蓄電池の容量および出力を踏まえて、その地域の季節ごとに開催されるイベントの日程、使用予定の電力に基づいて、移動体の行動計画を作成することで、移動体に搭載された蓄電池から供給される電力をイベントに使用することができる。
よって、季節ごとのイベント開催時に必要な電力需要のピークカットを行うことができるため、蓄電池を搭載した移動体を用いて、季節ごとに変化する電力ピークを抑制することができる。
第2の発明に係る電力管理装置は、第1の発明に係る電力管理装置であって、行動計画作成部は、複数の移動体の行動計画を作成する。
これにより、例えば、自治体等が複数の移動体を所有している場合には、イベント会場に複数の移動体を向かわせるように行動計画を作成する、あるいは、複数のイベント会場へそれぞれ移動体を向かわせるように行動計画を作成することができる。
第3の発明に係る電力管理装置は、第1または第2の発明に係る電力管理装置であって、移動体の種類に関する情報を取得する移動体情報取得部を、さらに備えている。行動計画作成部は、移動体の種類に応じて、移動体の行動計画を作成する。
ここで、移動体の種類には、例えば、蓄電池を搭載した車両の種類であって、EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)、FCV(Fuel Cell Vehicle)等の車両、2輪または4輪駆動車等、が含まれる。
これにより、それぞれの移動体の車両の特徴、例えば、自己発電が可能か否か、2輪駆動か4輪駆動か、等の特徴に合わせて、各移動体の行動計画を作成することができる。
第4の発明に係る電力管理装置は、第3の発明に係る電力管理装置であって、移動体の種類には、自走時に蓄電池に電力を蓄える自己発電の有無が含まれる。
これにより、例えば、自己発電が可能なPHEV、FCVと、自己発電ができないEVとを分類して行動計画を作成することで、自己発電ができないEVについては、イベント会場からの帰路分の電力を残してイベントを終えられるように、行動計画を作成することができる。
第5の発明に係る電力管理装置は、第3または第4の発明に係る電力管理装置であって、移動体の種類には、2輪駆動または4輪駆動が含まれる。
これにより、例えば、河川・ため池・積雪時の巡回には4輪駆動車が優先的に割り当てられる。このため、イベント会場へ向かわせる移動体としては、2輪駆動車を優先して行動計画を作成することができる。
第6の発明に係る電力管理装置は、第3から第5の発明のいずれか1つに係る電力管理装置であって、行動計画作成部は、移動体の種類を考慮して付された優先順位に基づいて、イベントの会場に向かわせる移動体の行動計画を作成する。
これにより、上述したように、例えば、自己発電可能か否か、2輪駆動か4輪駆動か等の移動体の種類に応じて付された優先順位に基づいて、イベントの会場へ向かわせる移動体を選定して行動計画を作成することで、各移動体の特徴を生かしつつイベント会場における電力融通が可能になる。
第7の発明に係る電力管理装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る電力管理装置であって、行動計画作成部は、移動体の稼働計画を参照して、巡回ルートがイベントの会場と接続する拠点を通る移動体を、イベントの会場へ向かわせる行動計画を作成する。
これにより、イベントの時間に合わせて巡回等の行動計画を作成することで、移動体がイベント会場へ向かうために消費する電力を最小限にすることができる。よって、移動体に搭載された蓄電池の電力を、効率よくイベントに使用することができる。
第8の発明に係る電力管理装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る電力管理装置であって、行動計画作成部は、最も超過デマンド値が大きい拠点へ、搭載された蓄電池の出力および容量が最も大きい移動体を向かわせる行動計画を作成する。
これにより、最も超過デマンド値が大きい拠点へ、搭載された蓄電池の出力および容量が最も大きい移動体を向かわせる行動計画を作成することで、最も電気代が高いと想定されるイベントの電力を移動体から供給することができる。
第9の発明に係る電力管理システムは、第1から第8の発明のいずれか1つに係る電力管理装置と、移動体の稼働計画、移動体ごとの蓄電池の容量の合計と出力、およびイベントの開催予定、使用予定の電力量に関する情報を保存する記憶装置と、を備えている。
これにより、蓄電池を搭載した移動体を用いて、季節ごとに変化する電力ピークを抑制することができる。
第10の発明に係る電力管理方法は、蓄電池を搭載した移動体を用いて地域における電力を融通し合う電力管理方法であって、稼働計画情報取得ステップと、蓄電池容量取得ステップと、イベント情報取得ステップと、行動計画作成ステップと、を備えている。稼働計画情報取得ステップでは、移動体の稼働計画を取得する。蓄電池容量取得ステップでは、移動体に搭載された蓄電池の容量と出力とを取得する。イベント情報取得ステップでは、地域における季節ごとのイベントの開催予定およびイベントに使用予定の電力量に関する情報を取得する。行動計画作成ステップでは、移動体の稼働計画、移動体ごとの蓄電池の容量の合計と出力、およびイベントの開催予定、使用予定の電力量に基づいて、イベントの会場へ向かわせる移動体の行動計画を作成する。
ここでは、例えば、蓄電池を搭載した車両等の移動体を所有する自治体等において、自治体が管理する公共施設等において季節ごとに開催されるイベントによって発生する電力需要を、移動体に搭載された蓄電池によってその全部または一部を賄うことで、電力需要のピークカットを行うように、移動体の行動計画を作成する。
ここで、移動体には、蓄電池を搭載した車両、例えば,EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)、FCV(Fuel Cell Vehicle)等の車両が含まれる。
季節ごとのイベントには、例えば、成人式(毎年1月)、小中学校の卒業式(毎年3月)、入学式(毎年4月)、こどもの日イベント(毎年5月)、夏祭り(毎年8月)、運動会(毎年10月)、クリスマスイベント(毎年12月)等が含まれる。
移動体の稼働計画には、例えば、定常的に行われる地域のパトロール(日常巡回)、河川・ため池等の監視巡回、大雨・積雪シーズンの監視巡回等が含まれる。
なお、行動計画が作成される移動体は、単数であっても複数であってもよい。
これにより、移動体の稼働計画、移動体に搭載された蓄電池の容量および出力を踏まえて、その地域の季節ごとに開催されるイベントの日程、使用予定の電力に基づいて、移動体の行動計画を作成することで、移動体に搭載された蓄電池から供給される電力をイベントに使用することができる。
よって、季節ごとのイベント開催時に必要な電力需要のピークカットを行うことができるため、蓄電池を搭載した移動体を用いて、季節ごとに変化する電力ピークを抑制することができる。
第11の発明に係る電力管理プログラムは、蓄電池を搭載した移動体を用いて地域における電力を融通し合う電力管理プログラムであって、稼働計画情報取得ステップと、蓄電池容量取得ステップと、イベント情報取得ステップと、行動計画作成ステップと、を備えている電力管理方法をコンピュータに実行させる。稼働計画情報取得ステップでは、移動体の稼働計画を取得する。蓄電池容量取得ステップでは、移動体に搭載された蓄電池の容量と出力とを取得する。イベント情報取得ステップでは、地域における季節ごとのイベントの開催予定およびイベントに使用予定の電力量に関する情報を取得する。行動計画作成ステップでは、移動体の稼働計画、移動体ごとの蓄電池の容量の合計と出力、およびイベントの開催予定、使用予定の電力量に基づいて、イベントの会場へ向かわせる移動体の行動計画を作成する。
ここでは、例えば、蓄電池を搭載した車両等の移動体を所有する自治体等において、自治体が管理する公共施設等において季節ごとに開催されるイベントによって発生する電力需要を、移動体に搭載された蓄電池によってその全部または一部を賄うことで、電力需要のピークカットを行うように、移動体の行動計画を作成する。
ここで、移動体には、蓄電池を搭載した車両、例えば,EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)、FCV(Fuel Cell Vehicle)等の車両が含まれる。
季節ごとのイベントには、例えば、成人式(毎年1月)、小中学校の卒業式(毎年3月)、入学式(毎年4月)、こどもの日イベント(毎年5月)、夏祭り(毎年8月)、運動会(毎年10月)、クリスマスイベント(毎年12月)等が含まれる。
移動体の稼働計画には、例えば、定常的に行われる地域のパトロール(日常巡回)、河川・ため池等の監視巡回、大雨・積雪シーズンの監視巡回等が含まれる。
なお、行動計画が作成される移動体は、単数であっても複数であってもよい。
これにより、移動体の稼働計画、移動体に搭載された蓄電池の容量および出力を踏まえて、その地域の季節ごとに開催されるイベントの日程、使用予定の電力に基づいて、移動体の行動計画を作成することで、移動体に搭載された蓄電池から供給される電力をイベントに使用することができる。
よって、季節ごとのイベント開催時に必要な電力需要のピークカットを行うことができるため、蓄電池を搭載した移動体を用いて、季節ごとに変化する電力ピークを抑制することができる。
本発明に係る電力管理装置によれば、蓄電池を搭載した移動体を用いて、季節ごとに変化する電力ピークを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る電力管理システムの構成を示すブロック図。 図1の電力管理システムに含まれるEMSの装置構成を示すブロック図。 図2のEMS内に形成される機能ブロックを示す図。 図1の電力管理システムによって管理される複数の車両とイベント開催予定の施設(需要家)との関係を示す概略図。 図1の電力管理システムに含まれるEMSによって作成された行動計画に従って、各イベント開催施設へ車両が移動した状態を示す概略図。 (a),(b),(c)は、図2の記憶装置に保存されている公用車車両マスタ、公用車活動頻度値マスタ、電気使用可能量係数マスタを示す図。 図2の記憶装置に保存されている公用車稼働計画マスタを示す図。 図2の記憶装置に保存されている拠点マスタを示す図。 図2の記憶装置に保存されている超過デマンド計画マスタを示す図。 (a)および(b)は、図2の記憶装置に保存されている拠点間距離マスタおよび拠点間距離の具体例を説明する図。 (a),(b),(c)は、図2の記憶装置に保存されている日常巡回ルートマスタ、給電可能量テーブル、給電計画テーブルを示す図。 図2のEMSによって作成され記憶装置に保存される公用車行動計画テーブルを示す図。 図2のEMSによって実行される電力管理方法の給電可能量計算処理の流れを示すフローチャート。 図2のEMSによって実行される電力管理方法の行動・給電計画作成処理の流れを示すフローチャート。 図2のEMSによって実行される電力管理方法の行動・給電計画作成処理の流れを示すフローチャート。 図2のEMSによって実行される電力管理方法の行動・給電計画作成処理の流れを示すフローチャート。
本発明の一実施形態に係る電力管理装置について、図1~図16を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態では、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
また、出願人は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(1)電力管理システム10の構成
本実施形態に係る電力管理システム10は、蓄電池を搭載した複数の車両(移動体)Vを用いて、季節ごとに開催される各種イベント日に、地域における電力を融通し合うことでイベント時の電力ピークを抑制する電力システムであって、図1に示すように、その地域の各需要家(公民館、文化会館等)と接続されている。そして、電力管理システム10は、EMS(Energy Management System)(電力管理装置)20と、記憶装置30と、を備えている。
ここで、本実施形態における季節ごとに開催されるイベントには、例えば、成人式、恵方巻フェスティバル、桃の節句、入学式、入社式、こどもの日、七夕、剣道大会、かき氷祭り、運動会、のど自慢、講演会等が含まれる。
EMS20は、蓄電池を搭載した車両(移動体)Vを用いて地域における電力を融通し合う電力管理装置であって、複数の需要家A(公民館),B(文化会館)等ごとに設置されたEMS(Energy Management System)50と接続されている。そして、EMS20は、複数の需要家における電力状況やEV充放電装置52等の情報を受信するとともに、各需要家に対して電力管理に関する指令等を送信する。
電源設備51は、各需要家における電気エネルギーの供給源として設置されており、例えば、コージェネレーションシステムの発電機、蓄電池、または太陽光発電機(PV)を含む。本実施形態では、需要家ごとに滞在する電気自動車(EV:Electric Vehicle)等の車両Vが搭載する蓄電池も、各需要家が運用する電源設備51の1つとして扱われる。電源設備51は、図1に示すように、パワコン51a、PV(Photovoltaics)51b、定置バッテリ51cを有している。
パワコン51aは、PV51bにおいて生成された直流電力を交流電力へ変換するインバータを含むパワーコンディショナであって、交流に変換された電力は、各需要家において定置バッテリ51c、EV充放電装置52等へ供給される。
PV51bは、例えば、需要家ごとに必要な電力の少なくとも一部を賄うために、各需要家の屋根等に設置された太陽光発電用の設備であって、太陽光を変換して生成された直流電流を、パワコン51aへ供給する。
定置バッテリ51cは、PV51bよって生成された電力を蓄えて、蓄電池用分電盤55を介して、負荷設備56等へ供給する。
EV充放電装置52は、各需要家に滞在中の電気自動車等の蓄電池を搭載した車両Vに対して電力を供給するために設置されている。
分電盤53は、電源設備51のパワコン51aから送られてきた電力を、負荷設備54,56等へと分岐する部分に設置される電気設備であって、例えば、配線用遮断器や漏電遮断器等が集合して取り付けられている。
負荷設備54,56は、例えば、各需要家に設置された空調設備、照明機器等であって、分電盤53、蓄電池用分電盤55から供給された電力を消費する。
蓄電池用分電盤55は、電源設備51の定置バッテリ51cと接続されており、PV51bによって生成され定置バッテリ51cに蓄えられた電力を、負荷設備56へと供給する。
例えば、需要家Bには、図1に示すように、蓄電池を搭載した車両Vが滞在中に蓄電池への充電を行うガレージGRが設けられている。ガレージGRに停められた車両Vは、EV充放電装置52によって充電されるとともに、蓄電池に充電状況等の情報が、EMS50へ送信される。
本実施形態のEMS20は、図1に示す需要家A,B等を含む複数の需要家における季節ごとのイベント開催に合わせて、自治体(市役所)が所有する複数の蓄電池搭載車両Vを用いて、各需要家における電力ピークの低減を図るために、複数の車両Vの行動計画を自動的に作成し、これを出力する。
ここで、自治体(市役所)が所有する複数の車両Vは、蓄電池を搭載した移動体の一例であって、例えば、電力によって走行するEV(Electric Vehicle)、走行時に蓄電池への自己充電が可能なPHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)やFCV(Fuel Cell Vehicle)が用いられる(図6(a)参照)。また、本実施形態において、車両Vには、2輪駆動(2WD)車、4輪駆動(4WD)車が含まれており、その用途(日常巡回、緊急時、積雪時等)に応じて使い分けされる。
(2)EMS20の構成
本実施形態のEMD20は、図2に示すように、演算装置21、ROM22、RAM23、表示装置24、入力装置25、通信装置26、記憶装置27を備えている。
演算装置21は、各種プログラムを読み込んで、接続された表示装置24、入力装置25、通信装置26および記憶装置27等を制御する。
ROM(Read Only Memory)22およびRAM(Random Access Memory)23には、例えば、後述する電力管理方法を実施するための電力管理プログラム等の各種プログラム等が保存されている。
これにより、本実施形態のEMS20では、演算装置21が、ROM22あるいはRAM23に保存された電力管理プログラムを読み込んで、図3に示す機能ブロックを形成する。
すなわち、EMS20は、後述する電力管理方法を実施するために、図3に示すように、稼働計画情報取得部20aと、蓄電池容量取得部20bと、イベント情報取得部20cと、移動体情報取得部20dと、行動計画作成部20eと、を備えている。
稼働計画情報取得部20aは、予め設定されている各車両Vの稼働計画に関する情報を取得する。
蓄電池容量取得部20bは、各車両Vに搭載された蓄電池の容量および出力に関する情報を取得する。
イベント情報取得部20cは、自治体が管理する地域における季節ごとのイベントの開催予定およびイベントに使用予定の電力量に関する情報を取得する。
移動体情報取得部20dは、各車両Vの種類(EV,PHV,FCVあるいは2輪駆動、4輪駆動等)に関する情報を取得する。
行動計画作成部20eは、車両Vの稼働計画、車両Vごとの蓄電池の容量の合計と出力、およびイベントの開催予定、イベントで使用予定の電力量に基づいて、イベントの会場へ向かわせる車両Vの行動計画を作成する。
より具体的には、図4に示すように、例えば、自治体(市役所)が所有する車両Vが8台(V1~V8)ある場合において、平時には、8台すべての車両V1~V8が市役所の駐車場等に停められている場合について説明する。
なお、各車両V1~V8は、市役所の駐車場に停められている間、市役所に設置されたPV等を用いて蓄電池が満充電となるように制御されている。
行動計画作成部20eは、イベントで使用予定の電力量、各車両V1~V8に搭載された蓄電池の容量、各車両V1~V8のイベント開催日の通常の稼働計画に基づいて、イベント開催日にイベント会場(公民館、文化会館)へ向かわせる車両Vを決定し、その行動計画を作成する。
すなわち、行動計画作成部20eは、図5に示すように、稼働計画情報取得部20a、蓄電池容量取得部20b、イベント情報取得部20c、移動体情報取得部20d等において取得された情報に基づいて、公民館には4台の車両V1~V4を向かわせ、文化会館には2台の車両V5,V6を向かわせ、通常のルートA,Bの巡回にそれぞれ車両V7と車両V8とを向かわせる行動計画を作成する。
なお、図5では、公民館に停車している車両V1~V4のうち、例えば、車両V4は、巡回中のルートに含まれる公民館に立ち寄って、給電を行う状態を示している。
表示装置24は、EMS20の記憶装置27に保存されている各種情報、行動計画作成部20eによって作成された車両Vの行動計画等の情報を表示する。
入力装置25は、電力管理システム1を管理する管理者等によって、各種指示内容が入力される。
通信装置26は、図2に示すように、各需要家に設置されているEMS50、公用車運行管理システム60と接続されており、EMS50の給電計画テーブル50aに保存された情報、公用車運行管理システム60の公用車行動計画データ60aに保存された情報等を取得する。
記憶装置27は、図2に示すように、公用車車両マスタ27a、公用車活動頻度値マスタ27b、電気使用可能量係数マスタ27c、公用車稼働計画マスタ27d、拠点マスタ27e、超過デマンド計画マスタ27f、拠点間距離マスタ27g、日常巡回ルートマスタ27h、給電計画テーブル27i、給電可能量テーブル27j、および公用車行動計画テーブル27kを保存している。
公用車車両マスタ27aは、蓄電池容量取得部20bおよび移動体情報取得部20dによって取得される情報が保存されている。すなわち、公用車車両マスタ27aは、図6(a)に示すように、市役所が所有している公用車(車両V1~V8)の駆動方式(2WD、4WD)、EVタイプ(EV,PHEV,FCV)、燃料タイプ(なし(電気)、ガソリン、水素)、最大電気容量、出力、フル充電時間、電費、走行距離等の公用車(車両V1~V8)ごとの固有データを保存している。
公用車活動頻度値マスタ27bは、図6(b)に示すように、公用車(車両V1~V8)の1日の活動頻度(緊急時の余力)を数値化したデータを保存している。
例えば、通常の活動頻度の場合は活動頻度値“1”、通常+緊急発生1回/日の場合は活動頻度値“2”、通常+緊急発生3回/日の場合は活動頻度値“3”、通常+緊急発生5回/日の場合は活動頻度値“4”、通常+緊急発生6回以上/日の場合は活動頻度値“5”の値が設定される。
電気使用可能量係数マスタ27cは、図6(c)に示すように、公用車(車両V1~V8)の電気使用可能量を計算する際に使う係数データが保存されている。係数データは、車両V1~V8の駆動方式(2WD,4WD)、および月次の活動頻度値(図6(b)参照)の平均Xの大きさに応じて、0.1~0.9までの値が設定される。
公用車稼働計画マスタ27dは、公用車(車両V1~V8)ごとの月次の活動頻度を計画したデータを保存している。
具体的には、公用車稼働計画マスタ27dは、稼働計画情報取得部20aによって取得される情報が保存されている。すなわち、公用車稼働計画マスタ27dは、図7に示すように、月ごとに活動する車両V1~V8の車両No、その活動頻度値、活動頻度値の理由に関する情報が保存されている。
例えば、2022年4月に、車両V1が活動頻度値“1”(日常巡回のみ)の活動を行う計画が保存されている。また、2022年8月に、車両V2が活動頻度値“5”(車両V2(4WD)は緊急時、非常に高頻度で河川巡回を行う)の活動を行う計画が保存されている。さらに、2023年2月に、車両V3が活動頻度値“4”(車両V3(4WD)は緊急時、高頻度で積雪巡回を行う)の活動を行う計画が保存されている。すなわち、活動頻度値が高い車両は、後述する処理において、イベント会場等へ向かわせて給電を行う車両として割り当てられる頻度が下がり、活動頻度が低い車両は、イベント会場等へ向かわせて給電を行うために温存される。
拠点マスタ27eは、図8に示すように、公用車(車両V1~V8)が向かう施設(市役所、公民館、体育館、文化会館等)、巡回先等の拠点(XX川のA観測所、B観測所、YY池等)の属性データ(充電可否フラグ、同時充電台数、給電可否フラグ、同時給電台数等)を保存している。
超過デマンド計画マスタ27fは、イベント情報取得部20cによって取得される情報が保存されている。すなわち、超過デマンド計画マスタ27fは、図9に示すように、各施設(公民館、文化会館等)の日次のイベント開催日における電力の超過デマンド値、デマンド開始・終了時間、超過金、イベントの内容等を計画したデータを保存している。
例えば、2022年4月1日には、WW社の入社式の開催日であって、拠点No.2(公民館(図8参照))において9時から12時まで開催され、入社式で使用される電力の超過デマンド値が25kW(超過金30万円相当)であるという計画が保存されている。
また、2022年8月11日には、夏の剣道大会の開催日であって、拠点No.3(体育館(図8参照))において11時から15時まで開催され、剣道大会で使用される電力の超過デマンド値が75kW(超過金120万円相当)であるという計画が保存されている。
拠点間距離マスタ27gは、図10(a)に示すように、巡回先、施設(公民館、文化会館等)等の拠点間の接続と、距離を定義したデータを保存している。
例えば、拠点No.1(市役所)は、接続拠点No.2(公民館)までの距離は3.2kmであって、接続拠点No.3(体育館)までの距離は5.8kmであるという情報が保存されている。
なお、拠点間距離の算出には、公用車(車両V1~V8)が直接移動すると想定される区間が、接続拠点として設定される。
例えば、図10(b)に示すように、体育館から文化会館の移動距離は、体育館から市役所への距離D1と、市役所から文化会館への距離D2とを加算して算出される。
日常巡回ルートマスタ27hは、図11(a)に示すように、公用車(車両V1~V8)の毎日の巡回ルートを定義したデータを保存している。
例えば、巡回ルートNo.1では、要求される駆動方式は問わず、巡回拠点No.1(市役所)から出発して、巡回拠点No.101(XX川のA観測所)、巡回拠点No.102(XX川のB観測所)、巡回拠点No.103(YY池)の順に巡回するルートが設定されている。
また、巡回ルートNo.3では、要求される駆動方式は4WD限定であって、巡回拠点No.1(市役所)から出発して、例えば、積雪の程度、河川・ため池氾濫の有無等の確認のために、巡回拠点No.301、巡回拠点No.302、巡回拠点No.303の順に巡回するルートが設定されている。
給電可能量テーブル27jは、図11(b)に示すように、公用車(車両V1~V8)に搭載された蓄電池から、蓄電池の合計容量から巡回等によって消費される電力を引いた1日に供給可能な月次の電気量のデータを保存している。
例えば、2022年4月には、給電可能量は1,188kWh、総出力60.2kWであるとの予想が保存されている。同様に、2023年2月には、給電可能量は1,068kWh、総出力60.2kWであるとの予想が保存されている。
給電計画テーブル27iは、図11(c)に示すように、公用車(車両V1~V8)が各拠点(公民館、文化会館等)に給電する計画のデータを保存している。
例えば、2022年4月1日に、拠点No.2(公民館)(図8参照)において開催されるWW社の入社式(図9参照)に対して、9時から11時までの間に、6.2kWの供給出力で給電されるという計画データが保存されている。
また、2022年8月11日に、拠点No.3(体育館)(図8参照)において開催される夏の剣道大会(図9参照)に対して、11時から15時までの間に、11.9kWの供給出力で給電されるという計画データが保存されている。
さらに、2023年2月12日に、拠点No.4(文化会館)(図8参照)において開催されるのど自慢(図9参照)に対して、11時から14時までの間に、15.0kWの供給出力で給電されるという計画データが保存されている。
公用車行動計画テーブル27kは、上述した行動計画作成部20eによって作成され、図12に示すように、各公用車(車両V1~V8)の1日の行動計画のデータを保存している。
例えば、2022年4月8日は、図9に示すように、拠点No.4(文化会館)(図8参照)において、10時から13時まで、超過デマンド値100kWとなる予測のZZ大学の入学式が予定されている。
よって、行動計画作成部20eは、図6(a)~図11に示す記憶装置27に保存された各種情報を参照して、当該地域の季節ごとに開催されるイベント(入学式等)において使用される電力のピークカットを行うために、公用車(車両V1~V8)の行動計画を作成する。
具体的には、車両V1は、2022年4月8日に、巡回拠点No.101(XX川のA観測所)に9時に到着して30分巡回した後、9時45分に巡回拠点No.4(公民館)に到着し、13時15分に出発するまでの間、給電を行うように行動計画が作成される。
これにより、拠点No.4(文化会館)(図8参照)において、10時から13時まで、超過デマンド値100kWとなる予測のZZ大学の入学式に必要な電力を、車両V1に搭載された蓄電池から供給することができる。
そして、車両V1は、巡回拠点No.102(XX川、B観測所)に13時30分に到着して30分巡回した後、巡回拠点No.103(YY池)に14時30分に到着して30分巡回し、最後に、巡回拠点No.1(市役所)に15時45分に戻るという行動計画が作成される。
一方、車両V2は、2022年4月8日に、巡回拠点No.201に9時30分に到着するように移動し、30分巡回するという行動計画が作成される。
以上のように、行動計画作成部20eは、地域において季節ごとに毎年開催されるイベントの開催日に合わせて、必要な電力を車両V1~V8に搭載された蓄電池から供給されるように、各車両V1~V8の行動計画を作成する。
このとき、行動計画作成部20eは、例えば、(a)2WDのPHEV、FCV、(b)2WDのEV、(c)4WDのPHEV、FCV、(d)4WDのEVという優先順位をつけて、各車両V1~V8の行動計画を作成する。
この理由は、緊急時は2WDの代替えは4WDで出来るが、4WDの代替えは2WDで出来ないため2WDから優先的に使うべきであって、PHEVおよびFCVは、自己充電できるため市役所までの帰路用の電気容量を考えなくて済むために優先的に使うべきという考え方によるものである。
逆に、車両V1,V5のような電気自動車(EV)の場合には、走行時に蓄電池への自己充電ができないため、市役所の駐車場へ戻るために必要な帰路用の電気容量は残すように計画が作成される。
そして、行動計画作成部20eは、以上の条件を前提とした上で、(i)業務計画において目的の場所(イベント会場)へ、元々行く予定の車両、(ii)停車位置からの距離が近い車両、の順に優先順位を付して、イベント会場へ向かわせるための車両V1~V8を選定する。
なお、上記条件で車両V1~V8を配車した結果、電力容量が不足する場合には、行動計画作成部20eは、通常巡回の日程変更を行ったり、他の車両で対応可能な車両を手配したりする等して調整することができる。
そして、行動計画作成部20eは、上記条件での車両V1~V8の行動計画の作成を繰り返し実施して、図12に示す公用車(車両V1~V8)の行動計画を最適化していく。
<EMS20による電力管理方法>
本実施形態のEMS20による電力管理方法について、図13~図16に示すフローチャートに従って説明する。
まず、図13では、各車両V1~V8に搭載された蓄電池から給電可能な容量を計算する処理が行われる。
すなわち、ステップS11では、EMS20の稼働計画情報取得部20a、蓄電池容量取得部20b、イベント情報取得部20cおよび移動体情報取得部20dが、記憶装置27に保存された公用車車両マスタ27a、公用車活動頻度値マスタ27b、電気使用可能量係数マスタ27cおよび公用車稼働計画マスタ27dから、必要データを取得する。
次に、ステップS12では、全ての車両V1~V8について、ステップS13~S15の処理が繰り返し実施される。
次に、ステップS13では、移動体情報取得部20dが、車両Vごとの最大電気容量(図6(a)参照)、活動頻度(図6(b)参照)の情報を取得する。
次に、ステップS14では、活動頻度値ごとの使用可能量係数(図6(c)参照)を用いて、各車両Vに搭載されている蓄電池の最大電気容量を乗じ、月次の給電可能量として加算していく。
次に、ステップS15では、車両Vごとの出力を、月次の総出力として加算していく。
ステップS13~ステップS15の処理を、全ての車両V1~V8分繰り返した後、ステップS16へ進む。
次に、ステップS16では、EMS20において、月次の給電可能量、総出力が、記憶装置27に対して出力されて、記憶装置27内の給電可能量テーブル27jに保存される。
続いて、図14、図15および図16では、行動計画作成部20eが、各車両V1~V8の稼働計画、各車両V1~V8に搭載された蓄電池からの給電計画を作成する処理を行う。
すなわち、図14のステップS21では、EMS20の稼働計画情報取得部20a、イベント情報取得部20cおよび移動体情報取得部20d等が、記憶装置27に保存された公用車車両マスタ27a、拠点マスタ27e、超過デマンド計画マスタ27f、拠点間距離マスタ27gおよび日常巡回ルートマスタ27hから、必要データを取得する。
次に、ステップS22では、全ての巡回ルートについて、その数の分だけ、ステップS23の処理が繰り返し実施される。
次に、ステップS23では、巡回ルート(川、池、山、アンダーパス等)を巡回する車両に要求される駆動方式(2WD or 4WD)が適合し、走行距離が最も小さい車が巡回ルートに割り当てられる。
ステップS23の処理を、全ての巡回ルートの数の分だけ繰り返した後、ステップS24へ進む。
次に、ステップS24では、本日、デマンド超過が発生している拠点があるか否かの判定が行われる。ここで、デマンド超過が発生している拠点がある場合には、図15に示すフローへ移行する。一方、デマンド超過が発生している拠点がない場合には、ステップS25へ進む。
次に、ステップS25では、ステップS24においてデマンド超過が発生している拠点がないと判定されたため、行動計画作成部20eが作成した公用車行動計画を、記憶装置27内の公用車行動計画テーブル27kへ出力して保存させる。
続いて、図15に示すように、ステップS26では、ステップS24においてデマンド超過が発生している拠点があると判定されたため、超過デマンド値が最大の拠点Aを選出する。
次に、ステップS27では、ステップS28~ステップS33の処理を、巡回ルートの数の分だけ繰り返し実施する。
すなわち、ステップS28では、巡回ルート上に拠点Aと接続する拠点があるか否かが判定される。ここで、巡回ルート上に拠点Aと接続する拠点があると判定されると、ステップS29へ進む。一方、巡回ルート上に拠点Aと接続する拠点がないと判定されると、ステップS27へ戻り、別の巡回ルートについての判定を継続する。
次に、ステップS29では、ステップS28において巡回ルート上に拠点Aと接続する拠点があると判定されたため、給電可能か否か(車両Vの給電可能量より拠点に給電する量が下回っているかをチェック)の判定が行われる。
ここで、給電可能(車両Vの給電可能量より給電量が下回っている)と判定されると、ステップS30へ進む。一方、給電不可(車両Vの給電可能量より拠点に給電する量が上回っている)と判定されると、ステップS27へ戻り、他の巡回ルートについての処理を継続する。
次に、ステップS30では、ステップS29において、給電可能(車両Vの給電可能量より拠点に給電する量が下回っている)と判定されたため、行動計画作成部20eが、当該巡回ルートの途中で給電するよう、行動計画を修正する。
次に、ステップS31では、その拠点Aにおける超過デマンド値≦給電量、または、同時給電台数に達したといういずれかの条件を満たすか否かが判定される。ここで、上記2つの条件のいずれかを満たしている場合には、ステップS32へ進む。一方、上記2つの条件をいずれも満たしていない場合には、ステップS27へ戻り、他の巡回ルートについての処理を継続する。
次に、ステップS32では、ステップS31において、上記2つの条件のいずれかを満たしていると判定されたため、拠点Aを本処理中での給電対象から除外する。
次に、ステップS33では、本日、デマンド超過が発生している拠点が他にあるか否かが判定される。ここで、他に拠点があると判定されると、ステップS26へ戻り、ステップS27以降の処理を繰り返す。一方、他に拠点がないと判定されると、図16に示すフローへ移行する。
続いて、図16に示すように、ステップS34では、再度、本日、デマンド超過が発生している拠点が他にあるか否かが判定される。ここで、他に拠点があると判定されると、ステップS35へ進む。一方、他に拠点がないと判定されると、ステップS43へ進む。
これにより、ステップS33の処理において巡回ルートを全て判定処理を実施した結果、まだデマンド超過している拠点が残っている場合を想定し、車両Vの数の分だけ処理を繰り返し実行することができる。
次に、ステップS35では、ステップS34において本日、デマンド超過が発生している拠点が他にあると判定されたため、超過デマンド値が最大の拠点Bを選出する。
次に、ステップS36では、車両Vの数の分だけ、ステップS37~ステップS42の処理を繰り返し実施する。
次に、ステップS37では、以下の優先順位(1)~(6)に沿って、給電を行う車両Vを選出する。
(1)2WD-FCV、(2)2WD-PHEV、(3)2WD-EV、(4)4WD-FCV、(5)4WD-PHEV、(6)4WD-EV
(ただし、巡回ルート上の車両は、選択対象外とする。)
次に、ステップS38では、給電可能か否か(車両Vの給電可能量より拠点に給電する量が下回っているかをチェック)の判定が行われる。
ここで、給電可能(車両Vの給電可能量より給電量が下回っている)と判定されると、ステップS39へ進む。一方、給電不可(車両Vの給電可能量より拠点に給電する量が上回っている)と判定されると、ステップS36へ戻り、他の車両Vについての処理を継続する。
次に、ステップS39では、ステップS38において給電可能と判定されたため、行動計画作成部20eが、この車両Vで給電するように、行動計画を追加する。
次に、ステップS40では、その車両Vの超過デマンド値≦給電量、または、同時給電台数に達したといういずれかの条件を満たすか否かが判定される。ここで、上記2つの条件のいずれかを満たしている場合には、ステップS41へ進む。一方、上記2つの条件をいずれも満たしていない場合には、ステップS36へ戻り、他の車両Vについての処理を継続する。
次に、ステップS41では、拠点Bを本処理中での給電対象から除外する。
次に、ステップS42では、再度、本日、デマンド超過が発生している拠点が他にあるか否かが判定される。ここで、他に拠点があると判定されると、ステップS35へ戻って、他の車両の数の分だけステップS37以降の処理を繰り返し行う。一方、他に拠点がないと判定されると、ステップS43へ進む。
次に、ステップS43では、行動計画作成部20eが、公用車行動計画、給電計画を作成して、記憶装置27へデータ出力し、記憶装置27の公用車行動計画テーブル27k、給電計画テーブル27iに保存させる。
なお、季節ごと(月次ごと)に発生するイベントに限らず、突発的に発生するイベントに関しても、類似イベントの情報に基づいて同様の処理を実施することで、地域ごとの電力ピークを抑制することができる。
<主な特徴>
本実施形態のEMS20は、蓄電池を搭載した車両Vを用いて地域における電力を融通し合う電力管理装置であって、稼働計画情報取得部20a、蓄電池容量取得部20b、イベント情報取得部20c、行動計画作成部20eを備えている。稼働計画情報取得部20aは、車両Vの稼働計画を取得する。蓄電池容量取得部20bは、車両Vに搭載された蓄電池の容量を取得する。イベント情報取得部20cは、地域における季節ごとのイベントの開催予定およびイベントに使用予定の電力量に関する情報を取得する。行動計画作成部20eは、車両Vの稼働計画、車両Vごとの蓄電池の容量の合計、およびイベントの開催予定、使用予定の電力量に基づいて、イベントの会場へ向かわせる車両Vの行動計画を作成する。
これにより、車両Vの稼働計画、車両Vに搭載された蓄電池の容量を踏まえて、その地域の季節ごとに開催されるイベントの日程、使用予定の電力に基づいて、車両Vの行動計画を作成することで、車両Vに搭載された蓄電池から供給される電力をイベントに使用することができる。
よって、季節ごとのイベント開催時に必要な電力需要のピークカットを行うことができるため、蓄電池を搭載した車両Vを用いて、季節ごとに変化する電力ピークを抑制することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、電力管理装置および電力管理方法として、本発明を実現した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上述した電力管理装置の電力管理方法をコンピュータに実行させるプログラムとして本発明を実現してもよい。
この電力管理プログラムは、電力管理装置に搭載されたメモリ(記憶部)に保存されており、CPUがメモリに保存されたプログラムを読み込んで、ハードウェアに各ステップを実行させる。より具体的には、CPUがプログラムを読み込んで、上述した稼働計画情報取得ステップと、蓄電池容量取得ステップと、イベント情報取得ステップと、行動計画作成ステップと、を実行することで、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、電力管理装置のプログラムを保存した記録媒体として実現されてもよい。
(B)
上記実施形態では、蓄電池を搭載した車両として,EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)、FCV(Fuel Cell Vehicle)等の車両を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、蓄電池を搭載した二輪車、バス等の車両を用いて、地域における季節ごとのイベントに必要な電力を供給するシステム構成であってもよい。
(C)
上記実施形態では、複数の移動体(EV、PHEV、FCV)を所有する自治体等において、各移動体の行動計画を作成する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、1台の移動体を所有する需要家において、当該移動体の行動計画を作成する構成であってもよい。
また、自治体等が所有している車両の数は、8台に限定されるものではなく、7台以下でもよいし、9台以上であってもよい。
(D)
上記実施形態では、車両V1~V8の行動計画を作成するために必要な情報を保存する記憶装置27が、EMS(電力管理装置)20内に設けられた例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電力管理装置の外部に記憶装置が設けられたシステム構成であってもよい。
(E)
上記実施形態では、移動体情報取得部20dが、車両Vごとの蓄電池の最大電気容量、駆動方式、駆動方式、EVタイプ、燃料タイプ、走行距離等の情報を取得する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、取得される移動体に関する情報としては、蓄電池の最大電気容量等に限らず、現在の蓄電池の残容量であってもよい。
この場合には、車両に搭載された蓄電池が満充電の状態でない場合でも、その車両の蓄電池の残容量が大きい場合には、イベント会場等へ向かわせるように行動計画を作成することができる。
本発明の電力管理装置は、蓄電池を搭載した移動体を用いて、季節ごとに変化する電力ピークを抑制することができるという効果を奏することから、各地域における電力管理に対して広く適用可能である。
10 電力管理システム
20 EMS(電力管理装置)
20a 稼働計画情報取得部
20b 蓄電池容量取得部
20c イベント情報取得部
20d 移動体情報取得部
20e 行動計画作成部
21 演算装置
22 ROM
23 RAM
24 表示装置
25 入力装置
26 通信装置
27 記憶装置
27a 公用車車両マスタ
27b 公用車活動頻度値マスタ
27c 電気使用可能量係数マスタ
27d 公用車稼働計画マスタ
27e 拠点マスタ
27f 超過デマンド計画マスタ
27g 拠点間距離マスタ
27h 日常巡回ルートマスタ
27i 給電計画テーブル
27j 給電可能量テーブル
27k 公用車行動計画テーブル
50 EMS
50a 給電可能テーブル
51 電気設備
51a パワコン
51b PV
51c 定置バッテリ
52 EV充放電装置
53 分電盤
54 負荷設備
55 蓄電池用分電盤
56 負荷設備
60 公用車運行管理システム
60a 公用車行動計画データ
D1,D2 距離
GR ガレージ
V,V1~V8 車両(移動体)

Claims (11)

  1. 蓄電池を搭載した移動体を用いて地域における電力を融通し合う電力管理装置であって、
    前記移動体の稼働計画を取得する稼働計画情報取得部と、
    前記移動体に搭載された前記蓄電池の容量と出力とを取得する蓄電池容量取得部と、
    前記地域における季節ごとのイベントの開催予定および前記イベントに使用予定の電力量に関する情報を取得するイベント情報取得部と、
    前記移動体の稼働計画、前記移動体ごとの前記蓄電池の容量の合計と出力、および前記イベントの開催予定、前記使用予定の電力量に基づいて、前記イベントの会場へ向かわせる前記移動体の行動計画を作成する行動計画作成部と、
    を備えている電力管理装置。
  2. 前記行動計画作成部は、複数の前記移動体の行動計画を作成する、
    請求項1に記載の電力管理装置。
  3. 前記移動体の種類に関する情報を取得する移動体情報取得部を、さらに備え、
    前記行動計画作成部は、前記移動体の種類に応じて、前記移動体の行動計画を作成する、
    請求項1または2に記載の電力管理装置。
  4. 前記移動体の種類には、自走時に前記蓄電池に電力を蓄える自己発電の有無が含まれる、
    請求項3に記載の電力管理装置。
  5. 前記移動体の種類には、2輪駆動または4輪駆動が含まれる、
    請求項3または4に記載の電力管理装置。
  6. 前記行動計画作成部は、前記移動体の種類を考慮して付された優先順位に基づいて、前記イベントの会場に向かわせる前記移動体の行動計画を作成する、
    請求項3から5のいずれか1項に記載の電力管理装置。
  7. 前記行動計画作成部は、前記移動体の行動計画を参照して、巡回ルートが前記イベントの会場と接続する拠点を通る前記移動体を、前記イベントの会場へ向かわせる行動計画を作成する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電力管理装置。
  8. 前記行動計画作成部は、最も超過デマンド値が大きい拠点へ、搭載された前記蓄電池の出力および容量が最も大きい移動体を向かわせる行動計画を作成する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電力管理装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の電力管理装置と、
    前記移動体の稼働計画、前記移動体ごとの前記蓄電池の容量の合計と出力、および前記イベントの開催予定、前記使用予定の電力量に関する情報を保存する記憶装置と、
    を備えた電力管理システム。
  10. 蓄電池を搭載した移動体を用いて地域における電力を融通し合う電力管理方法であって、
    前記移動体の稼働計画を取得する稼働計画情報取得ステップと、
    前記移動体に搭載された前記蓄電池の容量と出力とを取得する蓄電池容量取得ステップと、
    前記地域における季節ごとのイベントの開催予定および前記イベントに使用予定の電力量に関する情報を取得するイベント情報取得ステップと、
    前記移動体の稼働計画、前記移動体ごとの前記蓄電池の容量の合計と出力、および前記イベントの開催予定、前記使用予定の電力量に基づいて、前記イベントの会場へ向かわせる前記移動体の行動計画を作成する行動計画作成ステップと、
    を備えている電力管理方法。
  11. 蓄電池を搭載した移動体を用いて地域における電力を融通し合う電力管理プログラムであって、
    前記移動体の稼働計画を取得する稼働計画情報取得ステップと、
    前記移動体に搭載された前記蓄電池の容量と出力とを取得する蓄電池容量取得ステップと、
    前記地域における季節ごとのイベントの開催予定および前記イベントに使用予定の電力量に関する情報を取得するイベント情報取得ステップと、
    前記移動体の稼働計画、前記移動体ごとの前記蓄電池の容量の合計と出力、および前記イベントの開催予定、前記使用予定の電力量に基づいて、前記イベントの会場へ向かわせる前記移動体の行動計画を作成する行動計画作成ステップと、
    を備えている電力管理方法をコンピュータに実行させる電力管理プログラム。
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