JP2023124269A - 突入電流抑制回路及び電源回路 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、突入電流を抑制する突入電流抑制回路及び電源回路に関する。
静電容量の大きいコンデンサを使用する機器などでは、商用電源から機器への電源投入時にコンデンサを充電する際に流れる突入電流が大きく、電流ヒューズの溶断、壁スイッチの接点の溶着といった問題が発生する。
上記の問題を解決するため、下記特許文献1には、突入電流防止抵抗によって突入電流を抑制する手法が提案されている。
しかしながら、突入電流防止抵抗は、同一の基板に搭載される他の部品に比べてサイズが大きい大型部品であり、当該部品による基板搭載面の占有率が高くなる。このため、突入電流防止抵抗などの大型部品を使用せずに突入電流を抑制する技術が求められている。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、大型部品を使用せずに突入電流を抑制できる突入電流抑制回路を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本開示に係る突入電流抑制回路は、商用電源が出力する交流電圧を整流する整流器と、整流器から供給される直流電力を保持する第1のコンデンサとを備えた回路に適用される突入電流抑制回路である。突入電流抑制回路は、第2のコンデンサと、電流制御部とを備える。第2のコンデンサは、整流器と第1のコンデンサとの間に介在し、整流器によって整流された整流電圧が印加される。電流制御部は、第2のコンデンサと第1のコンデンサとの間の電気的接続を制御する。第2のコンデンサは、第1のコンデンサよりも小さな容量を有する。電流制御部は、整流器が導通していないときに、第2のコンデンサと第1のコンデンサとを電気的に接続する制御を行う。
本開示に係る突入電流抑制回路によれば、大型部品を使用せずに突入電流を抑制できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照し、本開示の実施の形態に係る突入電流抑制回路及び電源回路について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は例示であって、以下の実施の形態によって、本開示の範囲が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る突入電流抑制回路を含む電源回路の構成例を示す図である。図1において、実施の形態1に係る電源回路100は、商用電源1に接続される。電源回路100は、整流器2と、突入電流抑制回路50と、第1のコンデンサであるコンデンサ5とを備える。コンデンサ5の後段には、図示を省略した負荷回路が接続される。この負荷回路は、コンデンサ5に蓄積された電荷による直流電力が供給されて動作する。
図1は、実施の形態1に係る突入電流抑制回路を含む電源回路の構成例を示す図である。図1において、実施の形態1に係る電源回路100は、商用電源1に接続される。電源回路100は、整流器2と、突入電流抑制回路50と、第1のコンデンサであるコンデンサ5とを備える。コンデンサ5の後段には、図示を省略した負荷回路が接続される。この負荷回路は、コンデンサ5に蓄積された電荷による直流電力が供給されて動作する。
突入電流抑制回路50は、第2のコンデンサであるコンデンサ3と、電流制御部4とを備える。コンデンサ3,5の一例は、電解コンデンサである。コンデンサ3は、コンデンサ5よりも小容量である。即ち、コンデンサ3の静電容量値は、コンデンサ5の静電容量値よりも小さい。
整流器2は、交流側が商用電源1と接続され、直流側がコンデンサ3及び電流制御部4と接続されている。コンデンサ3は、整流器2と電流制御部4との間において、電流制御部4と並列に接続されている。コンデンサ5は、コンデンサ3が電流制御部4に接続される第1の側と反対側の第2の側において、電流制御部4と並列に接続されている。
上述のように、突入電流抑制回路50は、突入電流防止抵抗を有さない構成である。突入電流防止抵抗を有する場合、この突入電流防止抵抗には、損失を低減するために、リレー、トライアックなどの回路部品を並列に接続する構成が採用される。この構成において、リレー又はトライアックがオープン故障した場合、突入電流防止抵抗で常に電力が消費される結果、最悪の場合、発煙又は発火に至るおそれがある。このような事象を未然に防止するフェールセーフの観点から、突入電流防止抵抗には、例えば温度ヒューズ付セメント抵抗が使用される。ところが、温度ヒューズ付セメント抵抗は、炭素被膜抵抗等に比べて体積が大きくなる。例えば、内橋エステック株式会社製のF5Kシリーズの場合、そのサイズは、縦25mm×横13mm×高さ9mmである。これに対し、家電又は民生品に搭載する永久磁石同期モータに内蔵する回路基板の大きさは、例えば直径60mmの円形形状であり、基板上の実装面積は小さく、また、高さ方向にスペースが無い場合も多い。従って、家電又は民生品の回路基板では、温度ヒューズ付セメント抵抗の基板占有率は高くなる。このため、温度ヒューズ付セメント抵抗の実装を回避できる本願の技術は、家電又は民生品の分野においては、有用である。
次に、電源回路100の動作について説明する。整流器2は、商用電源1が出力する交流電圧を整流する。コンデンサ5は、整流器2から供給される直流電力を保持する。コンデンサ3は、整流器2とコンデンサ5との間に介在し、整流器2によって整流された整流電圧が印加される。電流制御部4は、コンデンサ3とコンデンサ5との間の電気的接続を制御する。特に、電流制御部4は、整流器2が導通していないときに、コンデンサ3とコンデンサ5とを電気的に接続する制御を行う。これらの各機能により、突入電流抑制回路50は、整流器2とコンデンサ5との間に介在し、商用電源1による電源投入時において、コンデンサ5を充電する際に流れ得る突入電流を抑制する動作を行う。
電源回路100の構成及び動作について補足する。図1において、商用電源1は、単相電源として記載されているが、三相電源でもよい。なお、商用電源1が出力する交流電圧の電圧値に制限はない。また、整流器2を構成する素子として、図1ではダイオードで表しているが、ダイオード以外の他の素子でもよい。また、整流器2による整流機能は、全波整流及び半波整流のどちらでもよい。
コンデンサ3の静電容量値CをC1、コンデンサ5の静電容量値CをC2とする。C1,C2との間には、C1<C2の関係がある。なお、以下の説明では、コンデンサ3を「小容量のコンデンサ3」と呼び、コンデンサ5を「大容量のコンデンサ5」と呼ぶ場合がある。
例えば商用電源1と整流器2との間に壁スイッチがある場合、壁スイッチがOFF→ONに切り替わった際、小容量のコンデンサ3には、C1×dV/dtの突入電流が流れ得る。Vは、整流器2が出力する整流電圧である。ここで、dV/dtの値は、壁スイッチがOFF→ONに切り替わった際の電圧の位相により変化するが、コンデンサ3の静電容量値C1が小さい程、突入電流が小さくなることは自明である。
整流器2は、小容量のコンデンサ3に電荷をチャージした後は導通しない。即ち、商用電源1と小容量のコンデンサ3とは、電気的に接続されていない状態となる。この状態のとき、電流制御部4を通じて、小容量のコンデンサ3から大容量のコンデンサ5に電荷を移動させれば、商用電源1から直接、大容量のコンデンサ5が充電されることはなく、C2×dV/dtという大きな電流が流れることもない。
具体的には、電流制御部4が整流器2の導通状態を検知し、電流制御部4に具備される制御IC(Integrated Circuit)又はマイコンの制御により、電流制御部4に具備されるスイッチング素子のON及びOFFを切り替えるというような手法が考えられる。具体的な構成については、図2を参照して説明する。
図2は、実施の形態1に係る突入電流抑制回路を含む電源回路の具体的な回路構成の例を示す図である。なお、図2では、同種の構成要素には、代表する構成要素のみに符号を付している。
図2において、図1に示す整流器2は、整流器21として示されている。整流器21は、単相全波整流の構成であり、ブリッジ接続される4個のダイオード212と、整流器21に流れる電流を検出するための2個のシャント抵抗211とを備えている。シャント抵抗211は、突入電流抑制回路50の構成要素であってもよい。シャント抵抗211の抵抗値は、シャント抵抗211での電圧降下の影響を防ぐため、1Ω未満であることが望ましい。
また、図2において、図1に示す電流制御部4の構成要素は、コンデンサ3、信号増幅器22、制御IC23、及びMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)24である。MOSFET24は、スイッチング素子の例示である。また、制御IC23に代えて、マイコンが用いられてもよい。なお、本稿では、MOSFET24に対応するスイッチング素子を「第1のスイッチング素子」と記載することがある。
なお、信号増幅器22及び制御IC23を駆動するための駆動電圧は、例えば小容量のコンデンサ3の電力を使用して、DC-DC(Direct Current-Direct Current)コンバータ又はレギュレータによって生成する構成とすることができる。
また、MOSFET24は、MOSFET24をON状態にするゲート信号が制御IC23から出力されていない場合にOFFとなるもの、即ちノーマリオフのものを使用する。ノーマリオフとする理由は、商用電源1の投入直後のように、小容量のコンデンサ3が充電されるまでは、制御IC23によるMOSFET24の導通制御ができないためである。
整流器21に電流が流れるとき、シャント抵抗211の両端には電流に応じた電圧が発生する。例えば、シャント抵抗211の抵抗値が10mΩ、電流値が1Aの場合、シャント抵抗211の両端には、10mΩ×1A=10mVの電圧が発生する。シャント抵抗211に発生した電圧は、信号増幅器22により増幅され、増幅された信号が電流検知機能を備えた制御IC23に入力される。
制御IC23に入力される信号が規定値を超えた場合、制御IC23は、ダイオード212が導通していると判定する。制御IC23は、入力される2つの信号に基づいて、4つのダイオード212が全て導通していないと判定した場合に、MOSFET24をONするゲート信号をMOSFET24に出力する。
なお、実施の形態1に係る突入電流抑制制御においては、幾つかの着意事項がある。以下、その着意事項について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、実施の形態1に係る突入電流抑制制御における着意事項の説明に供するタイムチャートである。図4は、実施の形態1に係る突入電流抑制回路を含む電源回路の動作説明に供するタイムチャートである。
図3及び図4の横軸は時間を表している。また、図3において、(a)には商用電源1の電圧、即ち整流器21に印加される電圧の瞬時値波形が示され、(b)には整流器21の電流、即ち整流器21に流れる電流の瞬時値波形が示されている。また、図4において、(a)、(b)の波形は、図3の(a)、(b)の波形と同じである。また、図4において、(c)にはMOSFET24の動作状態が示され、(d)には小容量のコンデンサ3の電圧が示され、(e)には大容量のコンデンサ5の電圧が示されている。
図3において、時刻t1では、整流器21の電流がゼロになっている。このため、電流制御部4は、この時刻t1のタイミングにおいてダイオード212が全て導通していないと判定し、この時刻t1の直後の時刻t2にMOSFET24をONする制御を行うこととする。一方、この制御において、商用電源1の電圧瞬時値の絶対値が、大容量のコンデンサ5の両端の電圧値よりも大きい場合、MOSFET24が瞬時的に動作するので、大容量のコンデンサ5に過大な電流が流れてしまう可能性がある。そこで、この種の過大電流、即ち商用電源1の電圧位相に影響される過大電流を抑制するため、実施の形態1では、図4に示す突入電流抑制制御を行う。
図4に示すように、電流制御部4は、整流器21におけるダイオード212が全て導通していないと判定した時刻t1から、第1の規定時間が経過した時刻t3においてMOSFET24をONする制御を行う。このようにすれば、電源投入時において流れる突入電流は、小容量のコンデンサ3に流れる電流のみとなる。これにより、C×dV/dtが小さくなり、大容量のコンデンサ5のみを使用した場合に比べ、突入電流が抑制される。
また、MOSFET24のON時において、商用電源1の電圧瞬時値の絶対値が大容量のコンデンサ5の両端の電圧値よりも小さくなっているので、商用電源1から大容量のコンデンサ5に直接電流が流れることは無い。これにより、MOSFET24のON時において、大容量のコンデンサ5に流れ得る過大な電流を抑制することができる。
また、電流制御部4は、MOSFET24をONする制御を行った後、第2の規定時間の経過後にMOSFET24をOFFする制御を行う。この制御により、図4の(b)、(d)、(e)に示されるように、整流器21が導通していないときのみ、小容量のコンデンサ3から大容量のコンデンサ5に電荷を逐次移動させることができる。これにより、コンデンサ5を充電する際に流れ得る突入電流を抑制しながら、大容量のコンデンサ5の充電を行うことができる。
なお、図4の例では、時刻t3の位置が商用電源1の電圧瞬時値がゼロになる位置として示されているが、この例に限定されない。ダイオード212が全て導通していないと判定した時刻t1から第1の規定時間が経過した後であればよく、MOSFET24のON時において、大容量のコンデンサ5に過大な電流が流れるのを抑制することができる。
また、図4の例では、時刻t1から第1の規定時間が経過した時刻t3においてMOSFET24をONにする制御を行っているが、整流器21の電流の絶対値が最大値となる時刻t0から第2の規定時間が経過した時刻t3においてMOSFET24をONにする制御を行うようにしてもよい。整流器21の電流の絶対値が最大値であるか否かの判定は、信号増幅器22の出力信号に基づいて実施することができる。このような制御でも、MOSFET24のON時において、大容量のコンデンサ5に過大な電流が流れるのを抑制することができる。
また、図1では、電源回路100に適用される突入電流抑制回路50を例示したが、この例に限定されない。突入電流抑制回路50による突入電流抑制制御の機能を利用できる回路であればよく、電源回路100以外の回路への適用も可能である。
以上説明したように、実施の形態1に係る突入電流抑制回路は、商用電源が出力する交流電圧を整流する整流器と、整流器から供給される直流電力を保持する第1のコンデンサとを備えた回路に適用される突入電流抑制回路である。実施の形態1に係る突入電流抑制回路は、第2のコンデンサと、電流制御部とを備える。第2のコンデンサは、整流器と第1のコンデンサとの間に介在し、整流器によって整流された整流電圧が印加される。電流制御部は、第2のコンデンサと第1のコンデンサとの間の電気的接続を制御する。第2のコンデンサは、第1のコンデンサよりも小さな容量を有する。電流制御部は、整流器が導通していないときに、第2のコンデンサと第1のコンデンサとを電気的に接続する制御を行う。このように構成された突入電流抑制回路、及びこの突入電流抑制回路を備えた電源回路によれば、第2のコンデンサ及び電流制御部によって、第1のコンデンサを充電する際に流れ得る突入電流を抑制することができる。従って、突入電流防止抵抗などの大型部品を使用せずに突入電流を抑制することができる。
上記の構成において、電流制御部は、第2のコンデンサと第1のコンデンサとの間の電気的な接続を開閉する第1のスイッチング素子を備えた構成とすることができる。電流制御部は、整流器が導通していないことを検知してから規定時間の経過後に第1のスイッチング素子をONに制御する。これにより、上述した突入電流抑制を確実に実施することができる。
実施の形態2.
図4に示す実施の形態1に係る突入電流抑制制御では、商用電源1の電圧位相に影響される過大電流を抑制するため、第1の規定時間及び第2の規定時間を適切に設定する必要があった。これに対し、実施の形態2では、商用電源1の電圧位相に影響されない構成及び制御手法を提案する。
図4に示す実施の形態1に係る突入電流抑制制御では、商用電源1の電圧位相に影響される過大電流を抑制するため、第1の規定時間及び第2の規定時間を適切に設定する必要があった。これに対し、実施の形態2では、商用電源1の電圧位相に影響されない構成及び制御手法を提案する。
図5は、実施の形態2に係る突入電流抑制回路を含む電源回路の具体的な回路構成の例を示す図である。図5において、実施の形態2に係る電源回路では、図2に示す実施の形態1に係る電源回路の構成において、整流器21とコンデンサ3との間にMOSFET25が追加されている。MOSFET25は、スイッチング素子の例示である。MOSFET25のON動作及びOFF動作は、制御IC23によって制御される。その他の構成については、図2と同一又は同等であり、同一又は同等の構成部には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。なお、本稿では、MOSFET25に対応するスイッチング素子を「第2のスイッチング素子」と記載することがある。
次に、実施の形態2に係る突入電流抑制回路を含む電源回路の動作について説明する。図6は、実施の形態2に係る突入電流抑制回路を含む電源回路の動作説明に供するタイムチャートである。
図6において、(a)~(e)の動作波形の項目は図4と同一である。一方、図6では、(f)として、MOSFET25の動作状態が示されている。
図6において、電流制御部4は、整流器21におけるダイオード212が全て導通していないと判定した時刻t1から、第3の規定時間が経過した時刻t6においてMOSFET25をOFFする制御を行い、その後第4の規定時間が経過した時刻t4においてMOSFET24をONする制御を行う。時刻t4は、時刻t6よりも後の時刻である。また、電流制御部4は、MOSFET24をONする制御を行った後、第5の規定時間が経過した時刻t5においてMOSFET24をOFFする制御を行い、その後第6の規定時間が経過した時刻t7においてMOSFET25をONする制御を行う。時刻t7は、時刻t5よりも後の時刻である。この制御により、図6の(d)、(e)に示されるように、小容量のコンデンサ3から大容量のコンデンサ5に電荷を逐次移動させることができる。これにより、コンデンサ5に流れ得る過電流を抑制しながら、コンデンサ5の充電を行うことができる。
また、図6の制御において、MOSFET25がOFFしている期間は、MOSFET24がONの状態であっても、商用電源1から大容量のコンデンサ5に直接電流が流れることは無い。このため、MOSFET25がOFFしている期間において、MOSFET24をON及びOFFする制御を行えば、商用電源1の電圧位相を考慮する必要が無くなる。従って、実施の形態2の制御手法は、実施の形態1の制御手法に比べて、MOSFET24をON及びOFFするタイミングの制約が少なくなるという効果が得られる。
以上説明したように、実施の形態2に係る突入電流抑制回路において、電流制御部は、整流器と第2のコンデンサとの間の電気的な接続を開閉する第2のスイッチング素子を備える。電流制御部は、整流器が導通していないことを検知した場合には、第2のスイッチング素子をOFFに制御した後に第1のスイッチング素子をONに制御し、その後、第1のスイッチング素子をOFFに制御した後に第2のスイッチング素子をONに制御する。このように構成された突入電流抑制回路、及びこの突入電流抑制回路を備えた電源回路によれば、実施の形態1の効果に加え、第1のスイッチング素子をON及びOFFするタイミングの制約を少なくできるという効果を得ることができる。
実施の形態3.
図2に示す実施の形態1に係る電源回路、及び図5に示す実施の形態2に係る電源回路の構成において、大容量のコンデンサ5の後段に接続される負荷回路の負荷が高い場合、大容量のコンデンサ5の電圧低下によって、負荷回路の動作が影響を受けることが想定される。大容量のコンデンサ5の電圧が低下するのは、大容量のコンデンサ5にチャージされる電荷量よりも負荷回路で消費される電荷量が上回る場合である。実施の形態3では、負荷回路の負荷が高い場合であっても、大容量のコンデンサ5の電圧低下を抑制できる構成及び制御手法を提案する。
図2に示す実施の形態1に係る電源回路、及び図5に示す実施の形態2に係る電源回路の構成において、大容量のコンデンサ5の後段に接続される負荷回路の負荷が高い場合、大容量のコンデンサ5の電圧低下によって、負荷回路の動作が影響を受けることが想定される。大容量のコンデンサ5の電圧が低下するのは、大容量のコンデンサ5にチャージされる電荷量よりも負荷回路で消費される電荷量が上回る場合である。実施の形態3では、負荷回路の負荷が高い場合であっても、大容量のコンデンサ5の電圧低下を抑制できる構成及び制御手法を提案する。
図7は、実施の形態3に係る突入電流抑制回路を含む電源回路の具体的な回路構成の例を示す図である。図7において、実施の形態3に係る電源回路では、図2に示す実施の形態1に係る電源回路の構成において、MOSFET24の両端に並列に接続されるリレー6が追加されている。その他の構成については、図2と同一又は同等であり、同一又は同等の構成部には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。なお、リレー6はバイパス部品であり、トライアックなどの半導体素子で構成されていてもよい。
次に、実施の形態3に係る突入電流抑制回路を含む電源回路の動作について説明する。制御IC23は、大容量のコンデンサ5の両端の電圧が規定値を超えた場合、リレー6の接点を閉じる制御を行う。なお、大容量のコンデンサ5の両端の電圧が規定値を超えた後は、突入電流を抑制する必要が無くなるため、リレー6で短絡しても問題無いことは言うまでも無い。
一般的に、コンデンサ5に蓄積された電荷を利用する負荷回路では、大容量のコンデンサ5の電圧を検出する検出器が設けられているので、当該検出器の情報を利用することで、本制御を行うことができる。この制御により、商用電源1から大容量のコンデンサ5に直接電流が流れ経路が確保され、負荷回路の負荷が高い場合でも、負荷回路への電荷の供給が充分に間に合い、大容量のコンデンサ5の電圧低下を抑制することができる。
なお、図7に示す実施の形態3に係る電源回路では、MOSFET24の両端にリレー6を並列に接続する構成を図2に示す実施の形態1に係る電源回路に適用したが、図5に示す実施の形態2に係る電源回路に適用することも可能であることは言うまでも無い。
以上説明したように、実施の形態3に係る突入電流抑制回路において、電流制御部は、第1のスイッチング素子に流れる電流をバイパスさせるバイパス部品を備える。電流制御部は、第2のコンデンサと第1のコンデンサとの間に流れ得る突入電流を抑制した後にバイパス部品を導通させる制御を行う。このように構成された突入電流抑制回路、及びこの突入電流抑制回路を備えた電源回路によれば、実施の形態1及び実施の形態2の効果に加え、第1のコンデンサに蓄積された電荷を利用する負荷回路の負荷が高負荷になった場合でも、第1のコンデンサの電圧低下を抑制できるという効果を得ることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 商用電源、2,21 整流器、3,5 コンデンサ、4 電流制御部、6 リレー、22 信号増幅器、23 制御IC、24,25 MOSFET、50 突入電流抑制回路、100 電源回路、211 シャント抵抗、212 ダイオード。
Claims (5)
- 商用電源が出力する交流電圧を整流する整流器と、前記整流器から供給される直流電力を保持する第1のコンデンサとを備えた回路に適用される突入電流抑制回路であって、
前記整流器と前記第1のコンデンサとの間に介在し、前記整流器によって整流された整流電圧が印加され、前記第1のコンデンサよりも小さな容量を有する第2のコンデンサと、
前記第2のコンデンサと前記第1のコンデンサとの間の電気的接続を制御する電流制御部と、
を備え、
前記電流制御部は、前記整流器が導通していないときに、前記第2のコンデンサと前記第1のコンデンサとを電気的に接続する制御を行う
ことを特徴とする突入電流抑制回路。 - 前記電流制御部は、前記第2のコンデンサと前記第1のコンデンサとの間の電気的な接続を開閉する第1のスイッチング素子を備え、
前記整流器が導通していないことを検知してから規定時間の経過後に前記第1のスイッチング素子をオンに制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の突入電流抑制回路。 - 前記電流制御部は、前記整流器と前記第2のコンデンサとの間の電気的な接続を開閉する第2のスイッチング素子を備え、
前記整流器が導通していないことを検知した場合には、前記第2のスイッチング素子をオフに制御した後に前記第1のスイッチング素子をオンに制御し、その後、前記第1のスイッチング素子をオフに制御した後に前記第2のスイッチング素子をオンに制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の突入電流抑制回路。 - 前記電流制御部は、前記第1のスイッチング素子に流れる電流をバイパスさせるバイパス部品を備え、
前記第2のコンデンサと前記第1のコンデンサとの間に流れ得る突入電流を抑制した後に前記バイパス部品を導通させる制御を行う
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の突入電流抑制回路。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の突入電流抑制回路と、前記整流器と、前記第1のコンデンサとを備えたことを特徴とする電源回路。
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2022
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