JP2023121244A - 部分めっき用マスク部材及び部分めっき方法 - Google Patents

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Shunta MIZUKAMI
俊祐 足達
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健太郎 荒井
Kentaro Arai
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Abstract

【課題】被めっき材(ワーク)に部分めっきを施した際の、めっきの滲みを抑制する。【解決手段】ドラム型治具11の側面外側16と側面内側とを連通する治具開口部13を有する領域であって側面外側16に対して円周方向に沿って帯状に設けられた凹みである治具開口部配置領域17を有するドラム型治具11と、治具開口部配置領域17を埋めるマスク31であって治具開口部13に対応する箇所にマスク開口部32を有するマスク31と、を備え、治具開口部配置領域17にマスク31が配置されており、治具開口部13とマスク開口部32とで構成される貫通孔を有し、マスク開口部32の縁33がドラム型治具11の外側方向に向けて盛り上がっている部分めっき用マスク部材、及びその関連技術を提供する。【選択図】図3B

Description

本発明は、部分めっき用マスク部材及び部分めっき方法に関する。
特許文献1には、長尺状の被めっき材料を搬送する円筒状ドラムの周面に設けられ、円筒状ドラムの内側から被めっき材料の所望部分のみにめっき液を供給するためのめっきマスキング治具において、格子状に形成されたロールフレームと、ロールフレームの周面に設けられ、所望部分に対応する位置にめっき穴が形成されたゴムシートと、を備えるめっきマスキング治具が記載されている。
特許文献2には、固定ドラムと、該固定ドラムの外周に所定の間隙を介して回転自在に配置され、長手方向に送り移動される帯状又は線状のワークが外周に所定の巻付角度範囲で巻き付けられる回転筒と、を具備するめっき装置が記載されている。
そして、回転筒の外周に、溝底面にワークが密着して巻き付けられる環状溝が形成されており、その環状溝の溝底面に該溝底面の幅より小さくした環状開口が形成されていることが記載されている。
そして、環状溝の溝底面にめっき領域を規定するマスクが配置されており、そのマスクの上にワークが巻き付け可能とされていることが記載されている。
特開2013-256680号公報 特開2006-183085号公報
本発明者の鋭意研究により、特許文献2で言うところのワーク(特許文献1だと被めっき材料)と、特許文献2で言うところのマスク(特許文献1だとゴムシート)との間の隙間からめっき液が漏れ得ることを知見した。
めっき液の漏れにより、所定のめっき領域(部分めっき領域)の外縁からめっきが滲む。つまり、めっき液の漏れにより、部分めっき領域(めっき予定の箇所)をはみ出して、部分めっき領域ではない(めっきすべきではない)箇所にめっきが形成される。本明細書において「めっきの滲み」とは、部分めっき領域の膜厚よりも薄いめっきが、部分めっき領域以外の(本来はめっきすべきではない)箇所に形成されることを指す。
めっきの滲みにより、該滲み分のめっき液が無駄になる。そのめっきの種類が例えば金(Au)であった場合、めっき液を無駄にすることは、経済的に大きな損失である。
本発明は、被めっき材(ワーク)に部分めっきを施した際の、めっきの滲みを抑制することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
ドラム型治具の側面外側と側面内側とを連通する治具開口部を有する領域であって前記側面外側に対して円周方向に沿って帯状に設けられた凹みである治具開口部配置領域を有するドラム型治具と、
前記治具開口部配置領域を埋めるマスクであって前記治具開口部に対応する箇所にマスク開口部を有するマスクと、
を備え、
前記治具開口部配置領域に前記マスクが配置されており、
前記治具開口部と前記マスク開口部とで構成される貫通孔を有し、
前記マスク開口部の縁がドラム型治具の外側方向に向けて盛り上がっている、
部分めっき用マスク部材である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
前記マスクのうち少なくとも前記マスク開口部の前記縁はゴム製である。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の態様であって、
前記治具開口部配置領域においては、
前記治具開口部が円周方向に沿って複数配置されている。
本発明の第4の態様は、第1~第3のいずれか一つの態様に記載の態様であって、
前記ドラム型治具において、
前記治具開口部は所定のパターンで配置されており、
前記マスクは、前記所定のパターンのパターン単位に対応するマスク単位をn個(nは自然数)有するパーツが複数並んだ状態である。
本発明の第5の態様は、第1~第4のいずれか一つの態様に記載の態様であって、
前記治具開口部配置領域は、
前記ドラム型治具の側面外側である円周全体に対して帯状に設けられた凹みである。
本発明の第6の態様は、第1~第5のいずれか一つの態様に記載の態様であって、
前記治具開口部配置領域と前記マスクとの組み合わせを、
前記ドラム型治具の上下方向に並んで複数列有する。
本発明の第7の態様は、第1~第6のいずれか一つの態様に記載の態様であって、
前記ドラム型治具において、
前記治具開口部配置領域は、
非貫通の溝と、
相対的凸部領域と、
を有し、
前記マスクの裏面は、
該溝及び該相対的凸部領域と嵌合する形状を有する。
本発明の第8の態様は、第1~第7のいずれか一つの態様に記載の態様であって、
前記マスク開口部は、
前記治具開口部と一致する、又は少なくとも一部を覆う。
本発明の第9の態様は、
第1~第8のいずれか一つの態様に記載の部分めっき用マスク部材に巻き付けたワークに対し、前記貫通孔よりめっき液をワークに接触させ、ワークに対してめっきする、部分めっき方法である。
本発明によれば、被めっき材(ワーク)に部分めっきを施した際の、部分めっき領域以外の箇所におけるめっきの滲みを抑制できる、部分めっき用マスク部材及び部分めっき方法を提供することができる。
図1は、ドラム型治具の上方斜視概略図である。 図2は、部分めっき装置の一部を水平面で切断した断面概略図である。 図3Aは、第1の本実施形態に係る部分めっきマスク部材の正面概略図である。 図3Bは、図3AのA-A´での断面概略図である。 図4Aは、第2の本実施形態(実施例1)に係る部分めっきマスク部材の正面概略図である。 図4Bは、図4AのA-A´での断面概略図である。 図4Cは、第2の本実施形態(実施例1)に係るドラム型治具の正面概略図である。 図5は、第3の本実施形態に係る部分めっきマスク部材の正面概略図である。 図6は、比較例1により得られたワーク上の部分めっきの外観を示す写真である。 図7は、実施例1により得られたワーク上の部分めっきの外観を示す写真である。
以下、本実施形態について説明する。「~」は所定数値以上且つ所定数値以下を指す。
<部分めっきマスク部材>
本実施形態に係る部分めっきマスク部材は以下の構成を有する。
「ドラム型治具11の側面外側16と側面内側とを連通する治具開口部13を有する領域であって側面外側16に対して円周方向に沿って帯状に設けられた凹みである治具開口部配置領域17を有するドラム型治具11と、
治具開口部配置領域17を埋めるマスク31であって治具開口部13に対応する箇所にマスク開口部32を有するマスク31と、
を備え、
治具開口部配置領域17にマスク31が配置されており、
治具開口部13とマスク開口部32とで構成される貫通孔を有し、
マスク開口部32の縁33がドラム型治具11の外側方向に向けて盛り上がっている、部分めっき用マスク部材。」
本実施形態に係る部分めっき用マスク部材と該部分めっき用マスク部材が組み込まれる部分めっき装置の全体的な機構を説明する。
本明細書においては、以下のように各方向を定義する。
上方をZ方向、下方を-Z方向とする。
Z方向に垂直な方向として、径方向において周辺から中心に向かう方向をY方向、その逆方向を-Y方向とする。Y方向はドラム型治具11の外側から内側に向かう方向でもあるため内側方向(正面視)ともいう。-Y方向はドラム型治具11の内側から外側に向かう方向でもあるため外側方向(背面視)ともいう。
Z方向及びY方向に垂直な方向として、Y方向視(正面視)したときに右方向をX方向、左方向を-X方向とする。
天地方向はZ方向であり、水平面はX方向及びY方向により構成される。
上記各方向は本願各図にて記載する。
図1に示すように、本実施形態に係る部分めっき用マスク部材を構成するドラム型治具11は、円環状の2つの底部14,15を上下(天地方向)に配置する。図2に示すように、本実施形態に係る部分めっき装置は、巻き出し装置(不図示)から巻き出された帯板状の金属材料(以降、ワーク1ともいう。)は、巻き取り装置(不図示)により加えられた張力により、図2に示す矢印方向に搬送される。ワーク1の厚さ方向は水平面内にある。また、ドラム型治具11の径方向は水平面内にある。
ワーク1は、入口側支持ロール61により進行方向を転換され、ドラム型治具11の側面外側16に配置された(後述する)マスク31に密着して巻き回される。その後、ワーク1は、出口側支持ロール62で再度方向転換して巻き取られる。
ドラム型治具11は円筒形状の治具であり、ワーク1を側面に密着させ外周部に沿って搬送する治具である。ドラム型治具11の側面には、位置決めピン12が設けられていて、この位置決めピン12が、ワーク1に形成されたガイド穴に嵌合されることにより、ワーク1のドラム型治具11上での位置が固定される。そして、ワーク1の位置が固定されたときに、端子予定位置(即ちめっき予定箇所、部分めっき領域)と治具開口部13とが同じ位置で重なるように、ドラム型治具11の側面に治具開口部13が形成されている。
ワーク1は、ドラム型治具11の外部に設置されたベルト機構21に備えられたゴム製の押圧ベルト22によって、ドラム型治具11の側面に向けて押さえ付けられながら、図2に示す矢印方向に搬送されてもよい。
めっき液は、ドラム型治具11の内部に設置しためっき液噴流セル23にポンプ(不図示)で送り込まれ、アノードを兼用するめっき液噴出スリット24から噴出し、ドラム型治具11の治具開口部13を介してドラム型治具11の外側に向かって供給される。
ドラム型治具11および後述するドラム型治具11の治具開口部配置領域17に配置されるマスク31からなる部分めっき用マスク部材50にワーク1が取付られたときには、治具開口部13とマスク31のマスク開口部32からなる貫通孔に対応するワーク1の表面部分にめっき液が供給される。
めっき液噴流セル23へはポンプより連続的にめっき液が供給され、めっき液噴流セル23に溜まっためっき液は、めっき液噴出スリット24から勢いよく噴出される。
このようにして、ワーク1を搬送しながらめっき液が噴出され、ワーク1に部分的にめっき(部分めっき)される。めっき後のワーク1は、後処理として、水洗後、熱風等により乾燥される。
本実施形態に係る部分めっき用マスク部材は、治具開口部13と(後述の)マスク開口部32とで構成される貫通孔がめっき液供給口となる。めっき液は、ドラム型治具11の内側からドラム型治具11の外側に向けた方向に供給される。めっき液供給口から露出したワーク1の部分(スポットともいう。)へと選択的にめっき(部分めっき)が施される。
治具開口部13(めっき液供給口)に供給されためっき液は、最終的に下方に落下してドラム型治具11の下部に設けためっき液槽(不図示)で回収するが、回収されためっき液はポンプ等のめっき液回収装置(不図示)を用いて循環し、部分めっきに再度使用しても構わない。
ワーク1の素材及び形態には限定は無く、部分めっき用マスク部材の側面外側16に巻き付け可能であり、且つ、上記部分めっきが可能であれば限定は無い。ワーク1の素材としては、銅、黄銅等の銅合金や普通鋼、特殊鋼、ステンレス鋼等の鉄合金等が好ましく、形態としては帯板(条材、コイル)や板材であることが好ましい。ワーク1の板厚は用途により適宜選択可能であり、0.1~3.0mm程度であるのが好ましく、0.8mm以下であってもよい。
部分めっきは、例えばコネクタや端子などの電子材料に適用されるが、本実施形態において部分めっきに用いられる金属の種類にも限定は無い。前記電子材料の部分めっき用の該金属としては、通常、金(Au)、銀(Ag)等の高価な貴金属であることが多いが、それらの部分めっきに先立ち、帯板状のワーク1にニッケル、銅等の金属で下地めっきを、ワーク1の表面の全面又は部分的に施しても構わない。なお、この下地めっきは、リール・ツー・リール方式の下地めっき設備を本実施形態に係る部分めっき装置と連結することにより、下地めっきと部分めっきを連続して行うことも可能である。
以下、本実施形態に係る部分めっき用マスク部材の詳細を説明する。
本実施形態の部分めっき用マスク部材に係る構成部材であるドラム型治具11は、例えば特許文献2に記載のドラム型治具11と同じ用途で用いることができれば、具体的な素材及び形態に限定は無い。素材の一例としては絶縁性の塩化ビニル、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。形態の一例としては、ドラム型治具11は、2つの円環状(或いは円板状)の上側底部14,下側底部15と、両底部14,15の間に挟まれた円筒部材で形成される円筒側面を有する。
図3A、図3Bに示す第1の本実施形態に係る部分めっき用マスク部材50を構成するドラム型治具11は、円筒部材の側面外側16に対して円周方向に沿って帯状に設けられた(円筒部材の側面外側16(側面端部18)に対して)凹みである(一列の)治具開口部配置領域17を有する。この治具開口部配置領域17の一部は、円筒部材の側面外側16と側面内側とを連通する治具開口部13により構成される。また、円筒部材の側面外側16の治具開口部配置領域17以外の側面外側16の部分は、側面端部18とする。
治具開口部配置領域17は、ドラム型治具11の円周全体に対して帯状に設けられた凹みであれば、それだけ治具開口部13を確保できる領域の拡大につながるため、好ましい。第1~第3の本実施形態ではその場合を例示する。その一方、円周全体ではなく円周の一部のみの凹みを治具開口部配置領域17としてもよい。言い換えると、円周の一部には凹みを設けず、該帯状の凹みに対して起点と終点を設けてもよい。
図3A、図3Bに示すように第1の本実施形態の部分めっき用マスク部材では、ドラム型治具11の治具開口部配置領域17においては、治具開口部13が円周方向に沿って一列に複数配置されている。他の本実施形態として治具開口部13が円周方向に沿って1つ設けられても構わない。
図4A~図4Cに示すように第2の本実施形態の部分めっき用マスク部材では、ドラム型治具11の上下方向に2列隣接して治具開口部配置領域17を有する場合を例示する。治具開口部配置領域17が2列隣接する際に互いに接触する部分を図4Cにて破線で示す。もちろん2列を超えた数の列数としてもよい。なお、図4A~図4Cの例では、上側と下側の治具開口部配置領域17において、円周方向に並んだ略正方形の相対的凸部領域41の中心に治具開口部13を円周(水平)方向に一つとばしで且つ上下でずらして形成することにより、上側と下側の治具開口部13が千鳥配置となるように設計している。
第2の本実施形態では、凹みである治具開口部配置領域17が上下方向に2列隣接して形成されている。このため2列の治具開口部配置領域17は、ドラム型治具11の円筒部材の側面外側16において、上下方向に幅広な一列の帯状の凹み領域(2列の隣接する治具開口部配置領域17からなる穴部領域170)となっており、2例の治具開口部配置領域17の間にドラム型治具11の側面外側16は露出していない。そのため、該治具開口部配置領域17が設けられた該凹み領域(穴部領域170)の凹みに対応した形状であり、(2列の隣接する治具開口部配置領域17からなる)穴部領域170に配置される(穴部領域170を埋める)マスク31は、正面視では、図4Aに示すように円周方向に沿った一列の幅広形状(帯状)に見える。
なお、上下の治具開口部配置領域17において、ワーク1の部分めっき領域に応じて、治具開口部13は上下に揃って配置してもよいし、そうでなくてもよい。上下に揃えない場合、図4A~図4Cのように上列の治具開口部13と下列の治具開口部13とが円周方向に交互に千鳥配置となるように配置してもよい。
図4A~図4Cに示すように、部分めっき用マスク部材50を構成するドラム型治具11において、治具開口部配置領域17は、非貫通の溝42(溝42の底面は、例えば前記凹み領域の底面に相当)と、(該溝42により形成される)相対的凸部領域41とを有し、マスク31の裏面は、該溝42及び該相対的凸部領域41と嵌合する形状を有するのが好ましい。この構成により、ドラム型治具11とマスク31との嵌合状態が良好になる。なお、図4Cの相対的凸部領域41は側面外側16よりも凹んでいる。この形状を実現する手法としては、例えば、ドラム型治具11の側面外側16を切削加工などにより削り、その後、前記溝42を切削加工などにより加工することが挙げられる。
図4A~図4Cに示すように、ドラム型治具11が上下方向に2列隣接して治具開口部配置領域17を有する場合において、上下の治具開口部配置領域17の間に円筒部材の円周方向に亘り延びる突起及び溝を有するのが好ましい。そして、マスク31の裏面(即ちドラム型治具11と接触する側の面)には、ドラム型治具11における該突起及び溝と嵌合する構成(即ち対応する溝及び突起)を設けるのが好ましい。この構成により、ドラム型治具11とマスク31との嵌合状態が良好になる。
ドラム型治具11における上記突起及び溝は、上下の治具開口部配置領域17の間に円筒部材の円周方向亘りに形成される以外にも、一列内の治具開口部配置領域17において設けるのが好ましい。
一列の治具開口部配置領域17を挙げて一具体例を例示すると、図4A~図4Cに示すように凹みである治具開口部配置領域17において、正面視矩形の相対的凸部領域41(上記突起のこと)が上下方向に2つ配置され、且つ、該2つの矩形の各々の円周方向(例:正面視左側)に別の矩形(例:上下方向に長尺な長方形)の相対的凸部領域41が上下方向に2つ並んで配置されるように、溝42(非貫通)を設けてもよい。この溝42は、該相対的凸部領域41に対して相対的凹部領域と称しても構わない。
前述の通り図4A~図4Cにおいては2列の治具開口部配置領域17の中間には円周方向に延在する相対的凸部領域41が設けられる。該相対的凸部領域41に対して上下に溝42を設けてもよい。該相対的凸部領域41と隣接する該溝42が「上下の治具開口部配置領域17の間に円筒部材の円周方向に亘り延びる突起及び溝」に該当する。
なお、図4A~図4Cにおいては2列の治具開口部配置領域17は各々マスク31が配置され(により埋められ)、該円周方向に延在する相対的凸部領域41も埋められる(マスク31で覆われる)。搬送されたワーク1がドラム型治具11と擦れる際にマスク31のずれを抑えるよう、溝42は細かく設ける(即ち相対的凸部領域41と溝42の数を多くする)のが好ましい。
図4A~図4Cに示すように、上側の一列の治具開口部配置領域17において、ドラム型治具11の側面の上下方向の中央側の相対的凸部領域41(図4Cの例では略正方形)の中心に治具開口部13が設けることができる。各相対的凸部領域41の高さは、側面端部18よりも低い。各相対的凸部領域41の高さは同じでもよいし各々異ならせてもよい。各相対的凸部領域41はマスク31が配置されたときに覆われる(マスク31により埋められる)。
治具開口部13の数には限定は無い。治具開口部13が円周方向に沿って一列に複数配置されている場合、全ての治具開口部13が一定のパターンで配置されてもよいし、そうでなくてもよい。ここで言う「パターン」とは、治具開口部13とそれ以外の部分(各相対的凸部領域41及び溝42)とからなるパターンを指す。上記パターン単位が円周方向に連続して配置されることにより上記パターンが成ってもよい。
図4A~図4Cに示すように1列の治具開口部配置領域17において、上下方向に2つ配置された相対的凸部領域41を円周方向に2組配置した相対的凸部領域41(本例だと2×2=4つ)と溝42とを「パターン単位」とも称する。このパターン単位同士の間隔(ピッチ)は、円周方向に並んだ治具開口部13(ひいては貫通孔)の中心(重心)間距離としてもよい。
パターン単位における相対的凸部領域41の数には限定は無い。例えば、上記円周方向に延在する相対的凸部領域41に溝を設け、上下方向3つ×円周方向に2組、即ち合計6つの相対的凸部領域41としてもよい。
上記突起(相対的凸部領域41)及び溝42の形態は、マスク31の裏面と嵌合する構成であれば、限定は無い。ここで言う「マスク31の裏面」とは、ドラム型治具11の側面外側16に形成された治具開口部配置領域17にマスク31を配置する(埋め込む)ときに、治具開口部配置領域17と接触する側の面を指す。マスク31の裏面と反対側のマスク31の面、すなわちワーク1と接触する側の面を「マスク31の表面」とも称する。
図4A~図4Cに示すように第2の本実施形態では、ワーク1の表面と接触する部分めっき用マスク部材50の最表面は、マスク31の表面と、ドラム型治具11の側面端部18とで構成される。側面端部18は、治具開口部配置領域17とドラム型治具11の底部14,15と連結する部分であって治具開口部配置領域17に対して相対的に凸の部分である。ドラム型治具11の上下の側面端部18とマスク31との上にワーク1を載置することができる。前記側面端部18とマスク31の表面の高さ、すなわちワーク1が接触する領域の高さ、は同じであることが好ましい。
図5に示す第3の本実施形態では、ドラム型治具11の側面において上下方向に並んだ治具開口部配置領域17の間に、側面端部18と面一(同じ高さ)の(側面外側16である)側面中央部19を形成してもよい。(なお、図4Cに示すように面一でなくてもよく、側面中央部19を側面端部18よりも低くしてもよい。)
図3A、図3B、図4A~図4Cに示すように、ドラム型治具11の治具開口部配置領域17にマスク31を配置して部分めっき用マスク部材50を作製したとき、マスク31の表面のベース部分34(詳しくは該縁33以外の最表面の部分)は、ドラム型治具11を覆っているため略円筒側面形状を有している。マスク開口部32の縁33はマスク31の表面のベース部分34よりも***した(盛り上がった)状態である。
ドラム型治具11の治具開口部配置領域17において、例えばドラム型治具11の底部14,15寄りの部分に対し、(図示しない)治具開口部13とは別の開口(貫通孔)を設けてもよい。マスク31の裏面に、ドラム型治具11を構成する円筒部材の厚さに対して比較的長尺な突起(マスク31の足ともいう)を設け、この足を該開口と嵌合させてもよい。この構成により、ドラム型治具11からマスク31が外れにくくなり、両者の嵌合状態が良好になる。また、この構成により、両者を嵌合させる際に、マスク31の足をドラム型治具11の内側から引っ張ることにより、両者の嵌合状態がさらに良好になるうえ、該嵌合状態の調整を容易に行える。該開口の数には限定は無く、1つのマスク単位(詳しくは後述)において1つでもよいし2つ以上でもよい。
治具開口部13の形状には限定は無い。本実施形態では、外側から見たときに治具開口部13が矩形(正方形又は長方形)である場合を例示するが、端子などの電子部材の部分めっき領域の要求される形状に応じて、円形、楕円形、その他多角形形状等であっても構わない。
治具開口部13の大きさとしては、適切な部分めっきが行える大きさであれば限定は無い。具体的な大きさの一例は後掲の実施例の項目にて挙げる。治具開口部13は、コネクタや端子等の電子部材に求められる部分めっき領域の形状及び大きさに対応させることが好ましい。
本実施形態に係るマスク31は、凹みである治具開口部配置領域17を埋める(覆う)。そして、本実施形態に係るマスク31は、治具開口部13に対応する箇所にマスク開口部32を有する。本実施形態に係るマスク31が治具開口部配置領域17に嵌め込まれる(配置される)と、治具開口部13とマスク開口部32とにより貫通孔が形成される。この貫通孔がめっき液供給口となる。
そして、本実施形態においては、マスク開口部32の縁33(詳しく言うと縁33全体つまりマスク開口部32を包囲する縁33)が外側に向けて盛り上がっている。この構成を採用することによりめっき液の漏れを抑制できる。その理由は以下の通りである。
本実施形態に係る部分めっき用マスク部材50の側面外側16に対してワーク1を巻き付けると、最表面にあるマスク31の表面(及びドラム型治具11の側面)に対してワーク1が押し付けられる。マスク開口部32の縁33が盛り上がっているため、ワーク1は、マスク開口部32の縁33に押し付けられ、縁33が変形するため、マスク開口部32の外周部(縁33)において、マスク31とワーク1の間にめっき液が侵入することを抑制することができる。そのため、めっきの滲みも抑制される。また、めっき液を無駄にせずに済み、経済的な損失も抑制される。
上記構成を有していれば、本実施形態に係るマスク31の素材及び態様には限定は無い。その一方、マスク31のうち少なくともマスク開口部32の縁33はゴム製であるのが好ましい。加工の手間を考慮すると、マスク31全体がゴム製であるのが好ましい。
「ゴム」には限定は無いが、例えば、天然ゴム、合成天然ゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム(本実施形態ではこれを例示)、アクリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。マスク開口部32の縁33がゴム製であれば、マスク31の表面に対してワーク1が押し付けられたときに、その押し付けの力に応じて縁33が押しつぶされるように変形する。その結果、ワーク1と縁33との密着性が向上し、より効果的にめっき液の漏れを抑制できる。めっき液の薬液に対して耐薬品性の高いシリコーンゴムを用いることが好ましい。
マスク開口部32の縁33の盛り上がりの寸法(側面外側16から側面内側方向で見たときの、縁33以外のベース部分34からの突出距離、高さ)は、めっきの諸条件に合わせて適宜設定すればよい。このめっきの諸条件としては治具開口部配置領域17の形態、治具開口部13の形態、作製予定のめっき厚、めっき液の特性、マスク31全体又はマスク開口部32の素材等が挙げられる。
マスク開口部32の縁33の***した(盛り上がりの)高さの一具体例としては、例えば0.1mm以上且つ0.5mm以下であってもよく、0.15~0.4mmであってもよい。マスク開口部32の縁33の***した(盛り上がりの)高さは、マスク開口部32の縁33以外のベース部分34からの***度合い(正面視方向距離)を指す。マスク開口部32の縁33がゴム製の場合、マスク開口部32の縁33の***した高さが0.5mm以下であれば、ワーク1をマスク31の表面に巻き付けたときに縁33がつぶれた際に、貫通孔の正面視での面積は過度には縮小されず、めっき領域を十分に確保できる。一方、***した高さが小さすぎると、マスク31とワーク1の間からめっき液が浸入する恐れがある。また、開口部32の縁33の正面視での幅は0.2~2.0mmであることが好ましい。
本実施形態に係るマスク開口部32とドラム型治具11の側面端部18との間の距離は5.0mm以上とするのが好ましい。
正面視した時、本実施形態に係るマスク31は、凹みである治具開口部配置領域17全体を埋める(覆う)のが好ましく、本実施形態ではその場合を例示する。
なお、図5の第3の本実施形態のドラム型治具11において治具開口部配置領域17以外の部分(側面端部18、側面中央部19)とマスク31のベース部分34とが面一になるようにマスク31の厚さ(側面外側16から側面内側方向の距離)を設定してもよいし、該側面端部18、側面中央部19よりもマスク31全体が盛り上がる(「高くなる」ともいう)ようにマスク31の厚みを大きくしてもよい。
また、逆に、マスク31においてマスク開口部32の縁33以外の部分が、該側面端部18よりも低くなってもよい。その場合であっても、マスク開口部32の縁33が、側面端部18、側面中央部19に比べて盛り上がっていれば、めっき液の漏れは抑制でき、ひいてはめっきの滲みも抑制できる。
本実施形態に係るマスク31は、ドラム型治具11の所定のパターンのパターン単位に対応するマスク単位(例えば図3A、図4Aの破線で挟まれた領域P)をn個(nは自然数)有するパーツを複数揃えることにより構成されるのが好ましい。なお、ドラム型治具11のパターン単位1つを1つのマスク単位としてもよい。また、例えば図4A及び図4Cに示すようにドラム型治具11の治具開口部13の一部をマスク31が覆う場合、ドラム型治具11のパターン単位2つ(或いはそれ以上の数)を1つのマスク単位としてもよい。
また、図5に示すように第3の本実施形態に係る部分めっき用マスク部材では、治具開口部配置領域17とマスク31との組み合わせを上下方向に並んで複数列としてもよい。
該パーツは、一つのマスク単位ごとに分離成型されていてもよいし、複数のマスク単位(n個)を一体成型したものであってもよい。
また、例えば図5の第3の本実施形態のときに、一列の円周全体に対応する長尺のパーツからなるマスク31を2本用意し、上下に並べて該パーツをドラム型治具11の側面外側16に嵌合させても構わない。この場合、各パーツが有するマスク単位は、一列の治具開口部配置領域17において円周方向に配置された治具開口部13の数と等しい。なお、複数のパーツからなるマスク31は、パターン単位に対応したマスク単位でなくてもよく、またパーツの大きさは異なっていてもよく、適宜設計できる。
いずれにせよ、複数の該パーツによりマスク31が構成されれば、一つのパーツに損傷が生じたとしてもそのパーツだけ交換すればよく、作業性が向上する。
本実施形態では、マスク31とドラム型治具11とが嵌合したときに、マスク開口部32と治具開口部13の形状、寸法および位置が一致する構成について説明したが、本発明の効果を奏する範囲で、マスク31とドラム型治具11とが嵌合したときに、マスク開口部32と治具開口部13がずれるように構成してもよい。その構成として、治具開口部13とマスク開口部32の位置がずれる構成、治具開口部13よりマスク開口部32が小さい構成、が含まれる。
治具開口部13よりマスク開口部32が小さい構成の場合、治具開口部13の下側の輪郭にマスク開口部32の下側が覆いかぶさっていても良い。
ちなみに、治具開口部13の縁の形状には限定は無く、マスク31が治具開口部配置領域17を埋めたときにマスク開口部32の縁33が盛り上がっていればよい。治具開口部13の縁の形状は、例えば、マスク開口部32の縁33とは異なり平坦又は凹みであってもよい。
ドラム型治具11の治具開口部13の大きさ及び位置関係の好適例は以下の通りである。以下の好適例として、本出願人による特開2018-165378号公報に記載の内容(特に該公報の図3~図5に係る内容、本発明のドラム型治具11は該公報のマスク部材102に対応)を援用しても構わない。
該公報に記載のマスク部材102と同様に、図4Bに示される第2の本実施形態においては、治具開口部13をドラム型治具11の内側から見た(背面視した)時に、治具開口部13の外側輪郭(治具開口部13の外側13a)が、治具開口部13の内側輪郭(治具開口部13の内側13b)内に収まるのが好ましい。その際、勾配の角度は、上側に比べて下側を大きくしてもよい。
本実施形態に係る部分めっき用マスク部材に巻き付けたワーク1に対し、治具開口部13及びマスク開口部32にめっき液を供給してワーク1に対してめっきする部分めっき方法にも、本発明の技術的思想が反映されている。本実施形態に係る部分めっき用マスク部材以外のめっきの具体的手法としては公知の手法を採用しても構わない。
本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[比較例1、実施例1]
(部分めっき用マスク部材およびドラム型治具)
実施例1において、部分めっき用マスク部材は、図4A~図4Cと同様の構成を有しており、円周方向に配置された複数の貫通孔が上下2列に千鳥配置に設けられているものを用いた。各列の貫通孔の数は同数である。実施例1では上下2列の治具開口部配置領域17は隣接しており、治具開口部配置領域17にマスク31が配置(装着)されている。
比較例1においては、ドラム型治具11の側面外側16に対して円周方向に沿って帯状に設けられた凹みである治具開口部配置領域17が設けられておらず、マスク31も配置されていない。すなわち本発明の部分めっき用マスク部材は用いず、側面に治具開口部13は設けられている一方、その治具開口部13を含む帯状の凹みは設けられていないドラム型治具11を部分めっき用の治具として用いた。
[比較例1]
供試材(被めっき材)として、DOWAメタルテック(株)製銅合金板材NB109-EH材(Cu-Ni-Sn-P系銅合金)に、下地めっきとして厚さ1.2μmのNiめっきを被覆した帯状のワーク1(幅50mm×厚さ0.2mm)を用いた。
本比較例に用いた部分めっき用のドラム型治具の開口部(貫通孔)である正面視矩形の貫通孔のサイズは、上下方向2.5mm×円周方向1.5mmである(以下の実施例も同じ。)。
部分めっきには、Au濃度:20g/L、Co濃度:0.3g/L、pH4.15の硬質Auめっき液を用いて、液温55℃、電流密度27A/dmの条件で4秒間電気めっきを行うことにより、貫通孔に対向する部分の帯板状のワーク1の表面に、狙いの厚さ0.4μmのスポット状の部分AuめっきMを形成した。
[実施例1]
部分めっき用マスク部材は上下方向の幅14mmの2列の治具開口部配置領域17が隣接しており、それに対応するマスク31は15ピースのパーツを組み合わせて構成した。各パーツを各治具開口部配置領域17に埋めた(配置した)ときに各パーツの端と端との間に隙間ができないようにした。
ドラム型治具11の各治具開口部13および各マスク開口部32は上下方向2.5mm×円周方向1.5mmの矩形であって、治具開口部13とマスク開口部32からなる同寸法の貫通孔をなし、各マスク開口部32の全周囲に縁33の盛り上がりが形成されており、その高さを0.2mm、幅を0.5mmとした。また、電流密度を17A/dmとした以外は比較例1と同様に狙いの厚さ0.4μmのスポット状の部分Auめっきを行った。
図6は、比較例1により得られたワーク1上の1つの部分Auめっきの外観を示す写真である。
図7は、実施例1により得られたワーク1上の1つの部分Auめっきの外観を示す写真である。
図6、図7からわかるように、比較例1に比べ、実施例1の方がめっきの滲みが非常に少なかった。
[めっきの滲み量(Auの付着量の評価)]
ワーク1の表面に形成されたAuスポットめっき(部分Auめっき)を、Auの剥離液で溶解させ、その剥離液中のAuを誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-OES)で定量分析することでAu付着量を評価した。
上記貫通孔は上下方向2.5mm×円周方向1.5mmの矩形であり、貫通孔に対応する領域(めっき領域)にAu(スポット)めっきが形成されるが、1つのAuスポットめっきあたりのAuの付着量は、比較例1では0.0397mg、実施例1では0.0279mgであった。
すなわち同じ面積及び狙い厚さのAuスポットめっきであっても、比較例1のAu付着量に対して実施例1のAuの付着量は約30%削減が認められた。
これは、比較例1ではAuめっきのにじみが発生し(薄いAuめっきの膜が貫通孔に対応するめっき領域外に形成され)、不要なAuめっきがワークに付着したためである。
なお、比較例1および実施例1のめっき厚はいずれも約0.4μmで同等あった。比較例1は部分Auめっきの滲みによるAu付着量のロスが多いため、同じ部分Auめっき時間で同じめっき厚とするために電流密度を高くする必要があった。
[比較例2]
電流密度を17A/dmとした以外は(Auめっき時間を含めて)比較例1と同様に(マスク31が装着されていない)ドラム型治具11を用いてスポット状の部分Auめっきを行った。
その結果、比較例1と同様に所定のスポット部分(部分めっき領域)以外にAuめっきの滲みが観察された。また、同じ電流密度、同じAuめっき時間であるため、比較例2のAu付着量は実施例1と同等であったが、前記滲みのためにAuスポットめっき部のAuめっき厚は約0.25μmしか形成されなかった。
[比較例3]
比較例3の部分めっき用マスク部材は、図5に示すように、ドラム型治具11の側面に上下2列の治具開口部配置領域17が形成され、ドラム型治具11の側面端部18と面一に側面中央部19が設けられ、それぞれの治具開口部配置領域17には円周方向に配置された複数の貫通孔が上下2列に揃えて配置され、各列の貫通孔の数は同数である。
ドラム型治具11の各治具開口部13および各マスク開口部32は上下方向2.5mm×円周方向1.5mmの矩形であって、治具開口部13とマスク開口部32からなる同寸法の貫通孔をなしているが、マスク開口部32の縁33が盛り上がって形成されていない部分めっき用マスク部材を用いた。
部分めっきには、Au濃度:21g/L、Co濃度:0.2g/Lの硬質Auめっき液を用い、液温:55℃、pH:4.15、電流密度29A/dm、目標めっき膜厚1.15μmとしAuめっき時間を15秒間とした以外は比較例1と同様に電気めっきを行うことにより、貫通孔に対向する部分の帯板状のワーク1の表面にスポット状の部分Auめっきを形成した。
比較例3では比較例1と同様にワーク1のめっきに滲みが多く発生した。
[実施例2]
実施例1のドラム型治具を用い、電流密度30A/dm、めっき時間を11秒間とし、狙いのめっき膜厚を1.3μmとした以外は、実施例1と同様に部分Auスポットめっきを形成した。
[比較例4]
比較例1のドラム型治具を用い、電流密度30A/dm、めっき時間を11秒間とした以外は、比較例1と同様に部分Auスポットめっきを形成した。
その結果、比較例4に比べ、実施例2の方がめっきの滲みが少なかった。
また、同じ電流密度、同じAuめっき時間であるため、比較例4のAu付着量は実施例2と同等であったが、前記滲みのために比較例4のAuスポットめっき部のAuめっき厚は約1.0μmであったが、実施例2は約1.3μmであった。
1…ワーク
11…ドラム型治具
12…(ワークの)位置決めピン
13…治具開口部
13a…(治具開口部の)外側
13b…(治具開口部の)内側
14…上側底部
15…下側底部
16…側面外側
17…治具開口部配置領域
170…穴部領域
18…側面端部
19…側面中央部
21…ベルト機構
22…押圧ベルト
23…めっき液噴流セル
24…めっき液噴流スリット
31…マスク
32…マスク開口部
33…縁
34…ベース部分
41…(治具開口部配置領域内における)相対的凸部領域
42…(治具開口部配置領域内における)溝
50…部分めっき用マスク部材
61…入口側支持ロール
62…出口側支持ロール
P…マスク単位
M…部分Auめっき

Claims (9)

  1. ドラム型治具の側面外側と側面内側とを連通する治具開口部を有する領域であって前記側面外側に対して円周方向に沿って帯状に設けられた凹みである治具開口部配置領域を有するドラム型治具と、
    前記治具開口部配置領域を埋めるマスクであって前記治具開口部に対応する箇所にマスク開口部を有するマスクと、
    を備え、
    前記治具開口部配置領域に前記マスクが配置されており、
    前記治具開口部と前記マスク開口部とで構成される貫通孔を有し、
    前記マスク開口部の縁がドラム型治具の外側方向に向けて盛り上がっている、
    部分めっき用マスク部材。
  2. 前記マスクのうち少なくとも前記マスク開口部の前記縁はゴム製である、
    請求項1に記載の部分めっき用マスク部材。
  3. 前記治具開口部配置領域においては、
    前記治具開口部が円周方向に沿って複数配置されている、
    請求項1又は2に記載の部分めっき用マスク部材。
  4. 前記ドラム型治具において、
    前記治具開口部は所定のパターンで配置されており、
    前記マスクは、前記所定のパターンのパターン単位に対応するマスク単位をn個(nは自然数)有するパーツが複数並んだ状態である、
    請求項1~3のいずれか一つに記載の部分めっき用マスク部材。
  5. 前記治具開口部配置領域は、
    前記ドラム型治具の側面外側である円周全体に対して帯状に設けられた凹みである、
    請求項1~4のいずれか一つに記載の部分めっき用マスク部材。
  6. 前記治具開口部配置領域と前記マスクとの組み合わせを、
    前記ドラム型治具の上下方向に並んで複数列有する、
    請求項1~5のいずれか一つに記載の部分めっき用マスク部材。
  7. 前記ドラム型治具において、
    前記治具開口部配置領域は、
    非貫通の溝と、
    相対的凸部領域と、
    を有し、
    前記マスクの裏面は、
    該溝及び該相対的凸部領域と嵌合する形状を有する、
    請求項1~6のいずれか一つに記載の部分めっき用マスク部材。
  8. 前記マスク開口部は、
    前記治具開口部と一致する、又は少なくとも一部を覆う、
    請求項1~7のいずれか一つに記載の部分めっき用マスク部材。
  9. 請求項1~8のいずれか一つに記載の部分めっき用マスク部材に巻き付けたワークに対し、前記貫通孔よりめっき液をワークに接触させ、ワークに対してめっきする、部分めっき方法。
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