JP2023110641A - ユニット接合用金物 - Google Patents

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Ryosuke Matsuda
周平 丸谷
Shuhei Maruya
信賢 磯田
Nobumasa Isoda
優輝 河村
Yuki Kawamura
和之 大原
Kazuyuki Ohara
達▲郎▼ 大津
Tatsuro Otsu
大真 寺村
Daima Teramura
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Abstract

【課題】連設して設置される建物ユニットをスムーズに接合して一体化できると共に、接合状態をスムーズに解除できるようにするユニット接合用金物を提供する。【解決手段】係合凹部17aを有する第1接合金物17と、係合凸部18aを有する第2接合金物18と、これらを係合させた状態で固定する固定金物19とを含んで構成され、一対の建物ユニット16の対向する接合面に取り付けて用いられる。第1接合金物17の係合凹部17aに第2接合金物18の係合凸部18aを係合させて、隣接して設置される一対の建物ユニット16を位置決めし、一対の固定用係止ロッド部19aを、第1接合金物17及び第2接合金物18の各々の固定用係止孔17c,18cに着脱可能に同時に挿入係止することによって、第1接合金物17の係合凹部17aに第2接合金物18の係合凸部18aを係合させた状態で固定することで、一対の建物ユニット16を接合する。【選択図】図2

Description

本発明は、ユニット接合用金物に関し、特に建物を形成する六面体形状を備える建物ユニットの外周面部分に取り付けられて、隣接して設置される一対の建物ユニットを互いに接合する際に用いるユニット接合用金物に関する。
近年、例えば住宅建築物等の建物として、工期の短縮や作業効率の向上等を図ることを目的として、予め工場等において、好ましくは大型トラックの荷台に収まる大きさの六面体形状となるように製造した箱形の建物ユニットを、建築現場まで搬送して組み付けることにより構築される、ユニット建築物が提案されており、このようなユニット建築物を形成するための建物ユニットが、種々開発されている(例えば、特許文献1~3参照)。
これらの特許文献1~3に記載の建物ユニットは、予め工場等において製造された後に、トラック等よって建築現場まで搬送され、建築現場において好ましくは上下方向及び/又は左右方向に連設して組み付けられることで、建物を構築する際の耐力構造を形成することになるが、上下方向や左右方向に組み付けられた複数の建物ユニットによって、所望の構造耐力が安定して得られるようにするには、これらの複数の建物ユニットを互いに接合して一体化する必要がある。
特開2008-14055号公報 特開2016-205022号公報 特開2020-20178号公報
このようなことから、建物ユニットを用いて建物を構築する従来の工法によれば、建物の建築現場において、複数の建物ユニットを上下方向や左右方向に連設して設置した後に、連設するこれらの建物ユニットを、種々の固定用の接合金物を用いて接合することにより、一体化することが行なわれていたが、所望の構造耐力が得られるように、これらの建物ユニットを、固定用の接合金物を用いて精度良く安定した状態で一体化する作業には、多くの手間を要しているのが現状である。このため、建物の建築現場において、上下方向や左右方向に連設して組付けられる建物ユニットを、多くの手間を要することなく、精度良くスムーズに接合して一体化できるようにする技術の開発が望まれている。
また特に、建物ユニットによる新たな建物の施工方法として、複数の建物ユニットを組み付けて形成されている既存のユニット建築物を、個々の建物ユニットに解体した後に、解体して得られた複数の建物ユニットを別の構築現場に搬送し、当該別の構築現場において、搬送された複数の建物ユニットを再度組み付けて、ユニット建築物を新たに構築し直すといった構築工法が提案されている。このような、解体して得られた複数の建物ユニットを用いて新たにユニット建築物を構築し直す構築工法を、効率良く行うことができるようにするために、一体化されている複数の建物ユニットの接合状態をスムーズに解除したり、連設して設置された建物ユニットをスムーズに接合し直して一体化できるようにする技術の開発が望まれている。
本発明は、六面体形状を備える建物ユニットの外周面部分に取り付けて用いられて、連設して設置された建物ユニットをスムーズに接合して一体化することができると共に、一体化されている建物ユニットの接合状態を、スムーズに解除させることのできるユニット接合用金物を提供することを目的とする。
本発明は、連設して組み付けられることにより建築物を形成する、六面体形状を備える建物ユニットの外周面部分に取り付けられて、隣接して設置される一対の建物ユニットを互いに接合する際に用いるユニット接合用金物であって、係合凹部を有する第1接合金物と、係合凸部を有する前記第2接合金物と、前記第1接合金物と前記第2接合金物とを係合させた状態で固定する固定金物とを含んで構成されており、前記第1接合金物及び前記第2接合金物は、前記一対の建物ユニットの対向する接合面における対向する位置に取り付けて用いられるようになっており、前記第1接合金物及び前記第2接合金物には、係合時に互いに平行に配置される固定用係止孔が各々の接合金物に穿孔形成さており、前記固定用金物は、前記第1接合金物及び前記第2接合金物の前記固定用係止孔に同時に挿入係止される、一対の固定用係止ロッド部と、これらの固定用係止ロッド部を一体として連結する連結部とを備えており、前記第1接合金物の係合凹部に前記第2接合金物の係合凸部を係合させて、隣接して設置される前記一対の建物ユニットを位置決めし、一対の前記固定用係止ロッド部を、前記第1接合金物及び前記第2接合金物の各々の前記固定用係止孔に着脱可能に同時に挿入係止することによって、前記第1接合金物の係合凹部に前記第2接合金物の係合凸部を係合させた状態で固定できるようになっているユニット接合用金物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明のユニット接合用金物は、前記第1接合金物の係合凹部が、凹部側位置合せ傾斜面を有しており、前記第2接合金物の係合凸部が、凸部側位置合せ傾斜面を有していることが好ましい。
また、本発明のユニット接合用金物は、前記第1接合金物の係合凹部が、等脚台形状、直角台形状、又は円弧形状の断面形状を有する凹部となっており、前記第2接合金物の係合凸部が、同様の等脚台形状、直角台形状、又は円弧形状の断面形状を有する凸部となっていることが好ましい。
さらに、本発明のユニット接合用金物は、前記固定用金物の前記連結部が、伸縮可能に形成されていることが好ましい。
さらにまた、本発明のユニット接合用金物は、前記六面体形状を備える建物ユニットの側面部における外周面部分に取り付けられて、隣接して設置される前記一対の建物ユニットを左右方向に互いに接合する際に用いられるようになっていることが好ましい。
本発明のユニット接合用金物によれば、六面体形状を備える建物ユニットの外周面部分に取り付けて用いられて、連設して設置された建物ユニットをスムーズに接合して一体化することができると共に、一体化されている建物ユニットの接合状態をスムーズに解除させることができる。
図1は、本発明の好ましい一実施形態に係るユニット接合用金物の使用状態を説明する、図3のA部拡大図の斜視図である。 図2(a),(b)は、本発明の好ましい一実施形態に係るユニット接合用金物の構成を説明する斜視図である。 図3は、ユニット接合用金物の取付け位置を例示する、左右方向に連設して組み付けられる木造軸組み建物ユニットの接合部の説明図である。 図4は、ユニット接合用金物を用いて接合される複数の建物ユニットを例示する斜視図である。 図5は、複数の建物ユニットを上下方向及び左右方向に連設して組み付けた状態を例示して説明する斜視図である。 図6は、建物ユニットの上下の組み合わせを変えて施工する際の説明図である。 図7(a)~(c)は、第1接合金物の係合凹部や第2接合金物の係合凸部の他の形態を例示する略示断面図である。
図1及び図2(a)、(b)に例示する本発明の好ましい一実施形態に係るユニット接合用金物10は、六面体形状を備える建物ユニットとして、図4に例示する軸組構法用の複数の建物ユニット16を、好ましくは左右方向及び上下方向及び一体として接合して組み付けて、例えば図5に示すような、軸組構法による木造の建物の骨組み構造30を形成する際に、特に左右方向に連設して設置された建物ユニットを、スムーズに接合して一体化するための接合用の金物として用いられる。
本実施形態では、建物ユニット16は、軸組構法による木造の建物の骨組み構造30を形成可能な、軸組構法用の建物ユニットとなっており、構造用柱部材11及び構造用梁部材12,13による、骨組みとなる六面体形状の枠組み構造を備えている。軸組構法用の建物ユニット16は、構造用柱部材11及び構造用梁部材12を用いたことで、相当の構造耐力を備えることになり、大掛かりな建物をも形成することが可能なユニットとなっている。また建物ユニット16は、予め工場等において製造された後に、トラック等よって建築現場まで搬送されて組み付けられることで、効率良く建物を構築することを可能にすると共に、好ましくは後述するように、大掛かりな建物を形成する場合でも、ユニット自体の重量が増加するのを抑制して、搬送時や建築現場での設置時の手間を軽減できるようにすることに加えて、吊り上げた際に歪みや変形が生じないような、十分な保形剛性を担保できるようになっている。
さらに、本実施形態では、好ましくはユニット建築物を構成する全ての建物ユニット16が、当該建物ユニット16を形成する4本の角部構造用柱部材11と、各4本の上部構造用梁部材12及び下部構造用梁部材13とが、同様の形状を備えるものとして、仕様が統一されたユニットとなっており、これによって例えば図6に示すように、好ましくは既存のユニット建築物を解体して、解体後の複数の建物ユニット16を別の構築現場に搬送し、搬送した複数の建物ユニット16を再度組み付けて、新たにユニット建築物を構築し直すことができるようになっている。
本実施形態のユニット接合用金物10は、特にこのような、複数の建物ユニット16を組み付けて形成されている既存のユニット建築物を、個々の建物ユニット16に解体した後に、解体して得られた複数の建物ユニット16を別の構築現場に搬送し、当該別の構築現場において、搬送された複数の建物ユニット16を再度組み付けて、ユニット建築物を新たに構築し直すといった構築工法を採用した場合でも、一体化されている複数の建物ユニットの接合状態をスムーズに解除したり、連設して設置された建物ユニットをスムーズに接合し直して一体化できるようにすることで、このような構築工法を効率良く施工できるようにする機能をも備えている。
そして、本実施形態のユニット接合用金物10は、連設して組み付けられることにより建築物を形成する、六面体形状を備える建物ユニット16の外周面部分に取り付けられて、隣接して設置される一対の建物ユニット16を互いに接合する際に用いるユニット接合用の金物であって、図1及び図2(a)、(b)に示すように、係合凹部17aを有する第1接合金物17と、係合凸部18aを有する第2接合金物18と、第1接合金物17と第2接合金物18とを係合させた状態で固定する固定金物19とを含んで構成されており、第1接合金物17及び第2接合金物18は、一対の建物ユニット16の対向する接合面における対向する位置に取り付けて用いられるようになっている(図1参照)。第1接合金物17及び第2接合金物18には、係合時に互いに平行に配置される固定用係止孔17c,18cが各々の接合金物17,18に穿孔形成さており、固定金物19は、第1接合金物17及び第2接合金物18の固定用係止孔17c,18cに同時に挿入係止される、一対の固定用係止ロッド部19aと、これらの固定用係止ロッド部19aを一体として連結する連結部19bとを備えている。第1接合金物17の係合凹部17aに第2接合金物18の係合凸部18aを係合させて、隣接して設置される一対の建物ユニット16を位置決めし、一対の固定用係止ロッド部19aを、第1接合金物17及び第2接合金物18の各々の固定用係止孔17c,18cに着脱可能に同時に挿入係止することによって、第1接合金物17の係合凹部17aに第2接合金物18の係合凸部18aを係合させた状態で固定できるようになっている。
また、本実施形態では、好ましくは第1接合金物17の係合凹部17aは、凹部側位置合せ傾斜面17bを有しており、第2接合金物の係合凸部18は、凸部側位置合せ傾斜面18bを有している。
本実施形態のユニット接合用金物10は、好ましくは予め工場等において、軸組構法用の建物ユニット16を製造する際に、建物ユニット16の上部構造用梁部材12や下部構造用梁部材13の所定の位置に、当該ユニット接合用金物10を構成する第1接合金物17や第2接合金物18を取り付けておくことができ、これによって、建物の建築現場において、搬送された複数の建物ユニット16を特に左右方向に組み付ける際に、これらの左右方向に連設する建物ユニット16を接合し一体化する作業を、よりスムーズに効率良く容易に行えるようにするものとなっている。
すなわち、本実施形態では、好ましくは図1及び図3に示すように、軸組構法用の建物ユニット16を構成する上部構造用梁部材12及び下部構造用梁部材13の少なくともいずれか一方として、好ましくは上部構造用梁部材12の外周部側面には、ユニット接合用金物10の第1接合金物17と第2接合金物18のいずれか一方が、左右に隣接して設置される当該建物ユニット16に取り付けられるいずれか他方の接合金物17,18の位置と対応する、所定の位置として、好ましくは、一対の長辺部上部梁部材12aにおける六面体形状の角部に近接する部分の、4か所に取り付けられている。
ここで、本実施形態では、軸組構法用の建物ユニット16は、図4に示すように、各々、六面体形状の4か所の角部分に各々立設して配置される4本の角部構造用柱部材11と、これらの角部構造用柱部材11を連結するように配置された各4本の上部構造用梁部材12及び下部構造用梁部材13と、六面体形状の上面を閉塞して取り付けられた平面部耐力面材14と、上縁部及び下縁部が上部構造用梁部材12及び下部構造用梁部材13に各々接合されて取り付けられた側面部耐力面材15とを含んで構成されている。建物ユニット16は、例えばトラックの荷台に積み組むことが可能で、且つ建物の1階層分の高さを有する大きさとして、例えば長さが600~700cm程度、横幅が180~250cm程度、高さが150~320cm程度の大きさの、六面体状の枠形状を備えるように形成される。
角部構造用柱部材11は、例えば縦横105~180mm程度の大きさ正方形を含む矩形の断面形状を備える木製の角材からなり、軸組構法による建物の骨組みとなる軸組部材として、十分な構造耐力を備えるものとなっている。角部構造用柱部材11は、六面体形状の建物ユニット16の4か所の角部分に、互いに平行に垂直に立設して配置される。これらの4本の角部構造用柱部材11の上端部が、4本の上部構造用梁部材12を介して互いに連結され、下端部が、4本の下部構造用梁部材13を介して互いに連結されることで、角部構造用柱部材11は、これらの4本の上部構造用梁部材12や4本の下部構造用梁部材13と共に、強固な六面体状の骨組み構造を形成する。隣接する各一対の角部構造用柱部材11の間の部分には、補強用や補助用の間柱11’を、適宜取り付けておくこともできる。間柱11’は、構造用柱部材を構成するものでなくても良い。
上部構造用梁部材12は、例えば縦横105~300mm程度の大きさ矩形の断面形状を備える木製の角材からなり、後述する上下方向接合金物20を介して接合される下部構造用梁部材13と共に、軸組構法による建物の骨組みとなる軸組部材として、十分な構造耐力を備えるものとなっている。上部構造用梁部材12は、六面体形状の長さ方向に沿った長辺部分に配置される一対の長辺部上部梁部材12aと、横幅方向に沿った短辺部分に配置される一対の短辺部上部梁部材12bとからなる。一対の短辺部上部梁部材12bの間の部分には、補強用や補助用の中間梁12b’を、好ましくは短辺部上部梁部材12bと平行に配置して、適宜取り付けておくこともできる。中間梁12b’は、構造用梁部材を構成するものでなくても良い。本実施形態では、この中間梁12b’と上部構造用梁部材12との側面に周縁部が接合されることで、平面部耐力面材14が、分断された状態で六面体形状の上面を閉塞して取り付けられている。
下部構造用梁部材13は、例えば縦横90~120mm程度の大きさ正方形を含む矩形の断面形状を備える木製の角材からなり、後述する上下方向接合金物20を介して接合される上部構造用梁部材12や土台(図示せず)と共に、軸組構法による建物の骨組みとなる軸組部材として、十分な構造耐力を備えるものとなっている。下部構造用梁部材13は、六面体形状の長さ方向に沿った長辺部分に配置される一対の長辺部下部梁部材13aと、横幅方向に沿った短辺部分に配置される一対の短辺部下部梁部材13bとからなる。一対の短辺部下部梁部材13bの間の部分には、補強用や補助用の中間梁13b’を、好ましくは短辺部下部梁部材13bと平行に配置して、適宜取り付けておくこともできる。中間梁13b’は、構造用梁部材を構成するものでなくても良い。
角部構造用柱部材11、上部構造用梁部材12、及び下部構造用梁部材13による、六面体形状の骨組み構造の上面を閉塞して取り付けられる平面部耐力面材14は、本実施形態では、上述のように、周囲の上部構造用梁部材12及び中間梁12b’に周縁部が接合されることで、分断された状態で設けられている。平面部耐力面材14は、例えば90~150mm程度の厚さを有する直交集成板(CLT)からなっていることが好ましい。平面部耐力面材14が直交集成板からなっていることにより、地震発生時等における構造躯体の変形抑制効果、天井仕上げ材として美観の向上、火災時における上部への延焼抑制等を図ることが可能になる。
角部構造用柱部材11、上部構造用梁部材12、及び下部構造用梁部材13による六面体形状の骨組み構造の、4方の側面の少なくとも一面に取り付けられる側面部耐力面材15は、本実施形態では、図1に示すように、好ましくは上部構造用梁部材12と、下部構造用梁部材13と、角部構造用柱部材11や間柱11’とによって周囲を囲まれる領域において、上縁部及び下縁部が上部構造用梁部材12及び下部構造用梁部材13に各々接合されると共に、好ましくは左右の側縁部が角部構造用柱部材11や間柱11’に接合された状態で、六面体形状の側面の適宜の位置に、1か所又は2か所に部分的に配置されて取り付けられている。側面部耐力面材15は、平面部耐力面材14と同様の理由で、直交集成板からなっていることが好ましい。平面部耐力面材14や側面部耐力面材15は、直交集成板の他、構造用合板等の、その他の公知の種々の耐力面材を用いて形成することもできる。
上述の構成を備える軸組構法用の建物ユニット16は、予め工場等において製造された後に、トラック等よって建築現場まで搬送され、建築現場において、好ましくは上下方向及び左右方向に組み付けられて、例えば図2に示すような、軸組構法による木造の建物を形成するための、骨組み構造30を構成することができる。すなわち、建物ユニット16は、工場等において、例えば吊上げ用重機を用いて吊り上げられてトラック等に積み込まれると共に、搬送先の建築現場においても同様に、吊上げ用重機等を用いてトラック等から吊り上げられて、所定の取り付け位置に設置されることになる。本実施形態では、建物ユニット16は、角部構造用柱部材11や、上部構造用梁部材12及び下部構造用梁部材13による、軸組部材を用いた耐力構造となっているので、耐力壁パネルを用いた耐力構造となっている従来の建物ユニットと比較して、大掛かりな建物を形成する場合でも、パネルの壁厚を大きくする必要を生じてユニット自体の重量が増加するのを、効果的に抑制することが可能になる。これによって搬送時や建築現場での設置時の手間を、効果的に軽減することが可能になる。また六面体形状の一部に平面部耐力面材14や側面部耐力面材15を備えていることで、吊り上げた際に歪みや変形が生じないような、十分な保形剛性を担保することが可能になる。
したがって、このような建物ユニット16を用いて、軸組構法による大掛かりなユニット建築物を構築する場合でも、安定した状態で効率良く構築することが可能になると共に、搬送時や建築現場での設置時に、建物ユニット16を吊り上げた際に歪みや変形が生じないように、建物ユニット16に十分な保形剛性を担保することが可能になる。
また、本実施形態では、建物ユニット16は、後述するように、ユニット接合用金物10を用いて、特に左右方向に複数連設した状態で一体化することによって、好ましくは軸組構法によるユニット建築物や、このようなユニット建築物を一部に含む建物を、より一層効率良く容易に形成することが可能になる。
さらに、本実施形態では、好ましくは軸組構法によるユニット建築物を構成する全ての建物ユニット16を、当該建物ユニット16を構成する、4本の角部構造用柱部材11と、各4本の上部構造用梁部材12及び下部構造用梁部材13とが、同様の形状を備えるものとして仕様を統一しておくことによって、例えば図6に示すように、好ましくはユニット建築物を解体して、解体後の複数の建物ユニット16を別の構築現場に搬送し、搬送した複数の建物ユニット16を再度組み付けて新たにユニット建築物を構築し直す際に、建物ユニット16の仕様か統一されていることで、例えば上下階の建物ユニット16を入れ替える等、異なる建物ユニット16の配置で、新たにユニット建築物を容易に構築することが可能になる。
そして、本実施形態では、ユニット接合用金物10は、図2(a)、(b)に示すように、第1接合金物17と、第2接合金物18と、固定金物19とを含んで構成されている。第1接合金物17は、例えば縦横50~100mm程度の大きさの矩形の正面形状を備える金属製の厚板部材となっており、第1接合金物17の第2接合金物18と対向する面には、好ましくは断面形状が横長等脚台形状の係合凹部17aが、一対の長辺部分に跨るように横断して形成されている。係合凹部17aは、横長等脚台形状の断面形状を有していることにより、長辺方向の両側部分に、凹部側位置合せ傾斜面17bを備えることになる。第1接合金物17の長辺部分の側端面には、係合凹部17aを挟んだ両側に配置されて、固定金物19の固定係止ロッド部19aを挿入係止するための一対の固定係止孔17cが、一対の長辺部分の間を貫通するように穿孔形成されて、平行に延設して設けられている。固定係止孔17cは、好ましくは円形の中空断面形状を有している。また第1接合金物17には、正面部分の表裏を貫通して、適宜の位置に、固定用のビス孔(図せず)が複数形成されている。これらのビス孔に固定ビスを、上部構造用梁部材12の外周部側面に向けて打ち込むことによって、第1接合金物17を、上部構造用梁部材12の外周部側面の所定の位置に、強固に取り付けておくことが可能になる。
本実施形態では、第2接合金物18もまた、例えば縦横50~100mm程度の大きさの矩形の正面形状を備える例えば金属製の厚板部材となっており、第2接合金物18の第1接合金物17と対向する面には、好ましくは断面形状が横長等脚台形状の係合凸部18aが、一対の長辺部分に跨るように横断して形成されている。係合凸部18aは、横長等脚台形状の断面形状を有していることにより、長辺方向の両側部分に、凸部側位置合せ傾斜面18bを備えていることになる。第2側面金物18の長辺部分の側端面には、係合凸部18aを挟んだ両側に配置されて、固定金物19の固定係止ロッド部19aを挿入係止するための一対の固定係止孔18cが、一対の長辺部分の間を貫通するように穿孔形成されて、平行に延設して設けられている。固定係止孔18cは、好ましくは円形の中空断面形状を有している。また第2接合金物18には、正面部分の表裏を貫通して、適宜の位置に、固定用のビス孔(図せず)が複数形成されている。これらのビス孔に固定ビスを、上部構造用梁部材12の外周部側面に向けて打ち込むことによって、第2接合金物18を、上部構造用梁部材12の外周部側面の所定の位置に強固に取り付けておくことが可能になる。
第1接合金物17と第2接合金物18とを係合させた状態で固定する固定金物19は、本実施形態では、金属製の材料からなり、第1接合金物17の固定係止孔17c及び第2接合金物18の固定係止孔18cの双方に、各々同時に挿入係止される一対の固定係止ロッド部19aと、これらの一対の固定係止ロッド部19aの一端部を一体として連結する、連結部19bとを含んで構成されている。一対の固定係止ロッド部19aは、好ましくは係合凸部18aを係合凹部17aに嵌め込むようにして、隣接する一方の建物ユニット16の上部構造用梁部材12に取り付けられた第1接合金物17に、他方の建物ユニット16の上部構造用梁部材12に取り付けられた第2接合金物18を、好ましくは密着させて重ね合わせた状態で、これらの接合金物17,18の一対の固定係止孔17c,18cに各々同時に挿入係止されることで、固定金物19は、第1接合金物17と第2接合金物18とを、係合させた状態で固定できるようになっている。これによって固定金物19は、第1接合金物17と第2接合金物18とが重ね合わされた状態を、連結部19bを介して強固に維持できるようになっており、またこれによって、これらの接合金物17,18が取り付けられた隣接する建物ユニット16を、一体として容易に連結できるようになっている。
また、本実施形態によれば、第1接合金物17の係合凹部17aは、横長等脚台形状の断面形状の両側部分に、凹部側位置合せ傾斜面17bを有しており、第2接合金物18の係合凸部18aは、横長等脚台形状の断面形状の両側部分に、凸部側位置合せ傾斜面18bを有しているので、これらの位置合せ傾斜面18bを擦り合わせることで、隣接する一方の建物ユニット16の側方に隣接して他方の建物ユニット16を設置する際に、他方の建物ユニット16の位置決めを、容易に行うことが可能になる。
さらに、本実施形態では、ユニット接合用金物10の固定金物19は、連結部19bを、例えば一方の固定係止ロッド19aの一端部に一体として接合された袋ナットと、他方の固定係止ロッド19aの一端部に一体として接合された雄ねじボルトとによって構成して、雄ねじボルトを袋ナットに螺着させることで、好ましくは伸縮可能に形成することもできる。これによって、第1接合金物17に第2接合金物18を重ね合わせるようにして、隣接する一方の建物ユニット16に他方の建物ユニット16を位置決めする際に、建物ユニット16に誤差等があってこれらの接合金物17,18を精度良く重ね合わせることができず、固定係止孔17c,18cの位置が相対的にずれている場合でも、伸縮させることによってこれらの誤差等を吸収することで、一対の固定係止ロッド部19aを各々の固定係止孔17c,18cに挿入係止することを可能にして、隣接する一対の建物ユニット16を、固定金物19によって安定した状態で一体として接合することが可能になる。
そして、上述の構成を備える本実施形態のユニット接合用金物10によれば、六面体形状を備える建物ユニット16の外周面部分に取り付けて用いられて、連設して設置された建物ユニット16をスムーズに接合して一体化することが可能になると共に、一体化されている建物ユニット16の接合状態をスムーズに解除することが可能になる。
すなわち、本実施形態のユニット接合用金物10は、係合凹部17aを有する第1接合金物17と、係合凸部18aを有する第2接合金物18と、第1接合金物17と第2接合金物18とを係合させた状態で固定する固定金物19とを含んで構成されており、第1接合金物17及び第2接合金物18は、一対の建物ユニット16の対向する接合面における対向する位置に取り付けて用いられるようになっているので、好ましくは第1接合金物17の係合凹部17aに第2接合金物18の係合凸部18aを係合させて、隣接して設置される一対の建物ユニット16を位置決めした後に、一対の固定用係止ロッド部19aを、第1接合金物17及び第2接合金物18の各々の固定用係止孔17c,18cに同時に挿入係止することによって、第1接合金物17の係合凹部17aに第2接合金物18の係合凸部18aを係合させた状態で容易に固定することが可能になり、これによって連設して設置された建物ユニット16をスムーズに接合して一体化することが可能になる。
また、固定金物19の一対の固定用係止ロッド部19aは、第1接合金物17及び第2接合金物18の各々の固定用係止孔17c,18cに、着脱可能に同時に挿入係止されているので、例えば挿入された固定用係止ロッド部19aを固定用係止孔17c,18cから引き抜くことにより、固定金物19による係止状態を容易に解除して、第1接合金物17と第2接合金物18とを開放することで、位置決めされて一体化されている建物ユニット16の接合状態を、スムーズに解除することが可能になる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明のユニット接合用金物を取り付けて接合される建物ユニットは、構造用柱部材や構造用梁部材を用いた軸組部材による軸組構法用の建物ユニットである必要は必ずしもなく、好ましくは直交集成板等からなる面状の構造用パネル部材を用いた、壁パネルによる建物ユニット等であっても良い。また木製以外の六面形状を備える建物ユニットであっても良い。ユニット接合用金物が取り付けられる建物ユニットの外周面部分は、六面体形状を備える建物ユニットの側面部における外周面部分である必要は必ずしもなく、上面部や下面部における外周面部分に取り付け用いられて、積み重ねて組み付けられる一対の建物ユニットを、上下方向に互いに接合するための接合金物として用いることもできる。
また、第1接合金物の係合凹部や第2接合金物の係合凸部は、等脚台形状の断面形状を有している必要は必ずしもなく、例えば図7(a)、(b)に示すように、直角台形状や円弧形状の断面形状を有していても良い。凹部側位置合せ傾斜面や凸部側位置合せ傾斜面は、湾曲する傾斜面であっても良い。例えば図7(c)に示すように、係合凹部や係合凸部は、位置合せ傾斜面を備えていない、矩形状の断面形状を有していても良い。
10 ユニット接合用金物
11 構造用柱部材
11’ 間柱
12 上部構造用梁部材
12a 長辺部上部梁部材
12b 短辺部上部梁部材
12b’ 中間梁
13 下部構造用梁部材
13a 長辺部下部梁部材
13b 短辺部下部梁部材
13b’ 中間梁
14 平面部耐力面材
15 側面部耐力面材
16 建物ユニット
17 第1接合金物
17a 係合凹部
17b 凹部側位置合せ傾斜面
17c 固定係止孔
18 第2接合金物
18a 係合凸部
18b 凸部側位置合せ傾斜面
18c 固定係止孔
19 固定金物
19a 固定係止ロッド
19b 連結部

Claims (5)

  1. 連設して組み付けられることにより建物を形成する、六面体形状を備える建物ユニットの外周面部分に取り付けられて、隣接して設置される一対の建物ユニットを互いに接合する際に用いるユニット接合用金物であって、
    係合凹部を有する第1接合金物と、係合凸部を有する第2接合金物と、前記第1接合金物と前記第2接合金物とを係合させた状態で固定する固定金物とを含んで構成されており、
    前記第1接合金物及び前記第2接合金物は、前記一対の建物ユニットの対向する接合面における対向する位置に取り付けて用いられるようになっており、
    前記第1接合金物及び前記第2接合金物には、係合時に互いに平行に配置される固定用係止孔が各々の接合金物に穿孔形成さており、前記固定金物は、前記第1接合金物及び前記第2接合金物の前記固定用係止孔に同時に挿入係止される、一対の固定用係止ロッド部と、これらの固定用係止ロッド部を一体として連結する連結部とを備えており、
    前記第1接合金物の係合凹部に前記第2接合金物の係合凸部を係合させて、隣接して設置される前記一対の建物ユニットを位置決めし、一対の前記固定用係止ロッド部を、前記第1接合金物及び前記第2接合金物の各々の前記固定用係止孔に着脱可能に同時に挿入係止することによって、前記第1接合金物の係合凹部に前記第2接合金物の係合凸部を係合させた状態で固定できるようになっているユニット接合用金物。
  2. 前記第1接合金物の係合凹部は、凹部側位置合せ傾斜面を有しており、前記第2接合金物の係合凸部は、凸部側位置合せ傾斜面を有している請求項1記載のユニット接合用金物。
  3. 前記第1接合金物の係合凹部は、等脚台形状、直角台形状、又は円弧形状の断面形状を有する凹部となっており、前記第2接合金物の係合凸部は、同様の等脚台形状、直角台形状、又は円弧形状の断面形状を有する凸部となっている請求項2記載のユニット接合用金物。
  4. 前記固定金物の前記連結部は、伸縮可能に形成されている請求項1~3のいずれか1項記載のユニット接合用金物。
  5. 前記六面体形状を備える建物ユニットの側面部における外周面部分に取り付けられて、隣接して設置される前記一対の建物ユニットを左右方向に互いに接合する際に用いられる請求項1~4のいずれか1項記載のユニット接合用金物。
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