JP2023108914A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、撮像装置に関する。
近年、車両の運転支援システムの普及に伴い、車両にカメラ(以下、撮像装置ともいう)が搭載されることが増えつつある。係る撮像装置は、レンズが取り付けられたレンズユニットと、イメージセンサ(以下、センサともいう)等を収容する筐体とを備える。また、筐体は、電磁ノイズの侵入及び漏洩を防ぎ、さらにカメラ内部の温度上昇を抑える熱対策として金属等の導電性部材で形成することも行われている。
ところで、上述の撮像装置は、車両の振動にさらされたり、車外に設置されたりする等、様々な環境で使用されるが、レンズとセンサとの適切な位置関係を保持することで、鮮明な画像を長期にわたって得ることができる。例えば、従来、ネジ等の固定部材を用いて、レンズとセンサとの位置関係を固定することが行われている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、例えば、上述した固定部材を用いて固定する技術では、筐体と固定部材とが異種金属で形成されると、電蝕による腐食が発生し、撮像装置の防水性能が低下する可能性がある。撮像装置の防水機能が低下すると、浸水により撮像装置に収容する電気部品がショートして、撮像装置が機能しなくなるおそれがあるため、腐食により防水性能の低下を防止することが可能な技術が要求されている。
本開示は、腐食により防水性能の低下を防止することが可能な撮像装置を提供する。
本開示に係る撮像装置は、基板と、筐体と、第1固定部材と、を備える。基板は、撮像素子が実装される。筐体は、第1筐体及び第2筐体を有し、前記第1筐体と前記第2筐体とで形成される空間内部に前記基板を収容する筐体である。第1固定部材は、前記第1筐体または前記第2筐体を貫通し、一方の筐体を他方の筐体に固定する、前記第1筐体とは異なる金属で形成され、前記第1固定部材の外周面には、前記第1固定部材が貫通する前記筐体の当接面を腐食防止するための表面処理が施される。
本開示に係る撮像装置は、腐食により防水性能の低下を防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
本実施形態に係る撮像装置は、例えば、車両に搭載され、車両の運転支援に用いられ得る車載カメラである。運転支援用の撮像装置は、内部のISP(Image Signal Processor)による画像処理により、車両、歩行者、障害物等の物体を検知し、運転者に警告を行ったり、車両を強制的に停止させたりする等、車両の運転支援システムにおいて主要な役割を担っている。
図1、図2、図3、図4、図5及び図6を用いて、本実施形態に係る撮像装置の構成の一例について説明する。なお、以下に説明する図面において、便宜上、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を示しており、本実施形態の撮像装置100における左右方向(X方向)、前後方向(Y方向)、上下方向(Z方向)をX軸、Y軸、Z軸を用いて説明する。なお、以下の説明において、単に、X方向、Y方向、またはZ方向と記載した場合には、それぞれの軸方向であり、逆向きの2方向を含む。
また、X軸の正の方向と特定した場合には左側から右側への一方向であり、Y軸の正の方向と特定した場合には前側から後ろ側への一方向であり、Z軸の正の方向と特定した場合には下側から上側への一方向である。X軸の負の方向と特定した場合には右側から左側への一方向であり、Y軸の負の方向と特定した場合には後ろ側から前側への一方向であり、Z軸の負の方向と特定した場合には上側から下側への一方向である。
図1は、実施形態に係る撮像装置の概略図である。図2は、実施形態に係る撮像装置の分解図である。図3は、実施形態に係る第1筐体をZ軸方向の正の方向から見た概略図である。図4は、実施形態に係る撮像装置の断面図である。図5は、実施形態に係る基板をZ軸方向の正の方向から見た概略図である。図6は、実施形態に係る撮像装置の断面の一部を拡大した拡大図である。
本実施形態に係る撮像装置100は、レンズユニット1、第1筐体2、第2筐体3、基板4、実装基板コネクタ5、防水部材6、第1固定部材7及び第2固定部材8を備える。なお、撮像装置100に係る構成はこれに限定されない。
レンズユニット1は、鏡筒と、レンズとを有する(何れも図示せず)。鏡筒は、両端が開口された円筒形の部材である。鏡筒の内側には、レンズが所定の位置に配置される。鏡筒は、例えば、樹脂材料を用いて形成することができる。レンズは、プラスチックあるいはガラス等で形成される。レンズは、鏡筒の内側において光軸に沿って配置され、後述する基板4に実装された撮像素子上に被写体からの光を結像させる。なお、レンズは、1枚であってもよく、複数であっても良い。
第1筐体2は、筐体の一例である。第1筐体2は、内側が窪んだ凹状の形状を有する。第1筐体2は、後述する第2筐体3と組み合わせることで形成される空間内部に、レンズユニット1の一部及び後述する基板4を収容する。第1筐体2には、レンズユニット1が取り付けられる。レンズユニット1が取り付けられる第1筐体2の面には、レンズユニット1の外形(外径)に応じた孔21が形成されている。レンズユニット1の一端を第1筐体2の孔21に嵌めこむことで、レンズユニット1は第1筐体2に対して取り付けられる。
第1筐体2は、例えば、アルミダイカスト(一例として、ADC12等のアルミニウム合金)等の金属で作製される。また、第1筐体2の表面には、一般的に防錆処理として所定の膜厚(数ミクロン~数十ミクロン)で表面処理(アルマイト、電着塗装、メッキ等)が施されている。なお、第1筐体2は、前面ケースともいう。
第1筐体2は、後述する第2筐体3と接する部位に第1孔22を備える。第1孔22は、孔の一例である。第1孔22は、第1筐体2をZ軸方向に設けられた孔であり、第1筐体2と第2筐体3とを組み合わせる際に使用される。具体的には、第1孔22は、後述する第1固定部材7が挿入される。また、第1孔22の開口部には、第1固定部材7の挿入時のガイドとなる面取り部26が形成されている。第1孔22に挿入される第1固定部材7により、第1筐体2と第2筐体3とは固定される。
例えば、第1孔22は、第2筐体3の外縁部に複数設けられる。図2では、第1筐体2の外側に第1孔22を2つ設けた例を示している。なお、第1孔22は、第1筐体2の外縁部において、対角となる位置に設けられることが好ましい。
第1筐体2は、内側に第1突出部23、第2孔24及び第2突出部25等を備える。第1突出部23は突出部の一例である。第1突出部23は、筐体内での後述する基板4の配置位置を位置決めするために用いられる。具体的には、第1突出部23は、Z軸方向の正の方向に向かって突出した部位である。第1突出部23は、後述する基板4を第1筐体2に取り付ける際に、基板4に設けられた第4孔41に挿入される。
第1突出部23は、第1筐体2の内側に複数設けられる。図3では、第1筐体2の内側に第1突出部23を2つ設けた例を示している。また、第1突出部23は、第1筐体2の内側において、対角となる位置に設けることが好ましい。第1突出部23を複数設けることで、第1突出部23に取り付ける基板4の向き、具体的には、Z軸(上下)方向やXY軸(左右)方向を適切に配置することができる。また、第1突出部23を複数設けることで、基板4のθ軸周りの回転を抑えることができ、基板4を適切な方向に固定することができる。
これにより、基板4に設けられた撮像素子の素子面(センサ面)を、XY軸に対して垂直、すなわちZ軸と平行に配置した状態で、第1筐体2に取り付けることができる。また、基板4に設けられた撮像素子の素子面(センサ面)の、XY軸方向での位置を、適切な位置に配置した状態で、第1筐体2に取り付けることができる。
第2孔24は孔の一例である。第2孔24は、後述する基板4を固定するための部位である。具体的には、第2孔24は、第1筐体2のZ軸方向に設けられた孔である。第2孔24には、後述する第2固定部材8が挿入される。第2孔24は、後述する基板4に設けられた第5孔42に対応する。第2孔24と第5孔42に挿入される第2固定部材8により、第1筐体2と基板4は固定される。
第2孔24は、第1筐体2の内側に複数設けられる。図3では、第1筐体2の内側に第2孔24を2つ設けた例を示している。また、第2孔24は、第1筐体2の内側において、対角となる位置に設けることが好ましい。第2孔24を複数設けることで、第2孔24に取り付けられる第2固定部材8の向き、具体的には、Z軸(上下)方向やXY軸(左右)方向を適切に配置することができる。
第2突出部25は突出部の一例である。第2突出部25は、当該第1筐体2の内側に、筐体内での後述する基板4の配置位置を位置決めするための部位である。具体的には、第2突出部25は、Z軸方向の正の方向に向かって突出した部位である。第2突出部25は、後述する基板4上に設けられた凹部43に嵌め合わされる。
第2突出部25は、第1筐体2の内側に設けられる。図3では、第1筐体2の内側に第2突出部25を1つ設けた例を示している。第2突出部25を基板4の凹部43に嵌め合すことで、基板4の向き、具体的には、Z軸(上下)方向やXY軸(左右)方向を適切な方向に配置することができる。なお、第2突出部25は第1筐体2の内側に複数設けられても良い。
第2筐体3は、筐体の一例である。第2筐体3は、内側が窪んだ凹状の形状を有する。第2筐体3は、第1筐体2と組み合わせることで形成される空間内部に、レンズユニット1の一部及び後述する基板4を収容する。第2筐体3は、例えば、アルミダイカスト(一例として、ADC12等のアルミニウム合金)や樹脂等から作製される。なお、第2筐体3は、後面ケースともいう。なお、第1筐体2と第2筐体3を合わせて筐体ともいう。
第2筐体3は、内側に出力機構31を有する。出力機構31は、撮像素子から出力された信号である画像信号を外部へ出力する電気ケーブルを接続するための、導電性の接続部32を有する。出力機構31は、例えば、同軸(2線タイプ)用コネクタ、STQ(シールドツイストクアッド電線)(4線タイプ)コネクタ、またはCAN入りSTQ(6線タイプ)コネクタ等である。接続部32は、後述する実装基板コネクタ5と篏合することで、実装基板コネクタ5と電気的に接続する。接続部32と実装基板コネクタ5との篏合について後述する。
第2筐体3は、第1筐体2と接する部位に第3孔33を備える。第3孔33は、孔の一例である。第3孔33は、第1筐体2と第2筐体3を組み合わせるための孔であり、第1孔22に対応する位置に設けられる。具体的には、第3孔33は、第2筐体3をZ軸方向に貫通する孔である。第3孔33は、後述する第1固定部材7が挿入される。第3孔33に挿入される第1固定部材7により、第1筐体2と第2筐体3は固定される。
第3孔33は、第2筐体3の外側に複数設けられる。図2では、第1孔22の個数に応じて、第3孔33を2つ設けた例を示している。
基板4は、一方の面側に、レンズを介して受光した光を画像信号に変換する撮像素子を実装する。また、基板4は、一方の面側に、撮像素子との接続端子を含む実装基板コネクタ5を実装する。基板4は、第1筐体2及び第2筐体3により形成される空間内部に収容される。
また、基板4は、第4孔41、第5孔42及び凹部43を備える。第4孔41は、孔の一例である。第4孔41は、筐体内で適切に配置した場合での第1突出部23に対応する部位に、第1突出部23に応じた径を有する。基板4は、第4孔41に第1突出部23が挿入された状態で、第1筐体2に取り付けられる。具体的には、第4孔41は、基板4をZ軸方向に貫通する孔である。第4孔41には、第1突出部23が挿入される。第4孔41に挿入される第1突出部23により、第1筐体2と基板4は固定される。第4孔41は、基板4を第1筐体2に正しく取り付けた場合の第1突出部23に対応する。
なお、第4孔41は、基板4に複数設けられる。図5では、基板4に第4孔41を2つ設けた例を示している。また、第4孔41は、基板4において、対角となる位置に設けることが好ましい。第4孔41を複数設けることで、第1突出部23に取り付ける基板4の向き、具体的には、Z軸(上下)方向やXY軸(左右)方向を適切に配置することができる。また、第4孔41を複数設けることで、基板4のZ軸周りの回転を抑えることができ、基板4を適切な方向に固定することができる。
第5孔42は、孔の一例である。第5孔42は、第1筐体2に基板4を固定するための孔である。具体的には、第5孔42は、基板4をZ軸方向に貫通する孔である。第5孔42には、後述する第2固定部材8が挿入される。第5孔42に挿入される第2固定部材8により、第1筐体2と基板4は固定される。
第5孔42は、基板4に1つまたは複数設けられる。図5では、基板4に第5孔42を2つ設けた例を示している。また、第5孔42は、基板4において、対角となる位置に設けることが好ましい。第5孔42を複数設けることで、後述する第2固定部材8に取り付けられる基板4の向き、具体的には、Z軸(上下)方向やXY軸(左右)方向を適切に配置することができる。また、第5孔42を複数設けることで、基板4のZ軸周りの回転を抑えることができ、基板4を適切な方向に固定することができる。
凹部43は、筐体内に基板4を適切に配置した場合での第2突出部25に対応する部位に設けられる。凹部43は、切欠部の一例であり、第2突出部25に応じた形状の切欠を有する。具体的には、凹部43は、基板4の角部に設けられた切欠部である。基板4は、凹部43に第2突出部25が嵌め合わされた状態で第1筐体2に取り付けられる。
なお、図5では、基板4に凹部43を1つ設けた例を示しているが、複数設けてもよい。また、凹部43は、基板4において、対角となる位置に設けることが好ましい。凹部43を設けることで、第2突出部25と当接される基板4の向き、具体的には、Z軸(上下)方向やXY軸(左右)方向を適切に配置することができる。また、凹部43を設けることで、基板4のZ軸周りの回転を抑えることができ、基板4を適切な方向に固定することができる。
実装基板コネクタ5は、撮像素子から出力された信号である画像信号を出力機構31へ出力するための接続部32である。実装基板コネクタ5は、基板4に実装された撮像素子上に設けられ、接続部32と篏合する。
ここで、実装基板コネクタ5と接続部32との篏合について説明する。まず、実装基板コネクタ5と接続部32を篏合する前に、基板4は、第2固定部材8により固定される。基板4が固定された後、実装基板コネクタ5と接続部32を篏合する。ここで、例えば、接続部32を実装基板コネクタ5に篏合する際に、接続部32の篏合する面と、実装基板コネクタ5の篏合する面とが、位置ずれが生じると、基板4が予め第1筐体2に固定されているため、実装基板コネクタ5と接続部32をうまく篏合できない場合がある。
そこで、本実施形態では、図6に示すように、接続部32の篏合する面の内径L2は、実装基板コネクタ5の篏合する面の外径L1より大きく形成されている。例えば、内径L2は、外径L1に対して、0.5mm大きい。これにより、実装基板コネクタ5と接続部32とを、容易かつ適切に篏合させることができる。
防水部材6は、筐体の内部空間の気密性を保つための密封部材である。防水部材6は、第1筐体2と、第2筐体3の間に設けられ、第1筐体2と、第2筐体3とに挟まれて、Z軸方向から押圧される。防水部材6を押圧することにより、第1筐体2と第2筐体3との合わせ面が密封され、撮像装置100は防水機能を有することになる。防水部材6は、例えば、ゴムなどのなどの任意の弾性材料を用いる防水パッキンである。
第1固定部材7は、固定部材の一例である。第1固定部材7は、第1筐体2または第2筐体3を貫通し、一方の筐体を他方の筐体に固定する、筐体とは異なる金属で形成された固定部材である。第1固定部材7は、第2筐体3をZ軸方向の負の方向に向かって、第1筐体2と締結することで、第2筐体3を第1筐体2に固定する。第1固定部材7は、例えば、金属材料(一例として、ステンレス)等から作製された固定ねじである。
また、第1固定部材7は、表面処理部71を設ける。具体的には、第1固定部材7の外周面には、第1固定部材7が貫通する筐体の当接面を腐食防止するための表面処理が施される。表面処理は、例えば、シリカ系特殊化合物等のZECCOAT(登録商標)や、鉄-亜鉛-クロメート処理等の防錆化処理である。
第2固定部材8は、固定部材の一例である。第2固定部材8は、基板4をZ軸方向の負の方向に向かって、第1筐体2と締結することで、基板4を第1筐体2に固定する。第2固定部材8は、例えば、金属材料(一例として、ステンレス)等から作製されたタッピングねじである。タッピングねじを用いることで、第1筐体2と基板4をより固定することができ、レンズと基板4に実装された撮像素子との位置関係が変化しないため、撮像画像が鮮明な状態を維持することができる。
ところで、第1筐体2と第1固定部材7とを異種金属で形成すると、異種金属間で金属が腐食する事象が発生する場合がある。以下、金属が腐食する事象について説明する。本事象においては、第1筐体2の材質がアルミ等の第1金属材質、第1固定部材7がステンレス等の第1金属材質とは異なる第2金属材質であるとする。
上述の構成では、第1筐体2と第1固定部材7とが異種金属で形成される。そのため、雨滴、塩水等の通電性の液体が毛細管現象等により第1筐体2と第1固定部材7と間に侵入すると、第1筐体2と第1固定部材7との間に電位差が発生し、電蝕が発生する。
具体的には、イオン化傾向の高い金属(上記例では第1金属材質の第1筐体2)が液体に溶け出し、電蝕により金属が腐食することになる。腐食が進行すると、第1筐体2の表面処理が劣化(例えば、塗装膜の浮き等が発生)し、筐体の気密性が維持できなくなり、撮像装置の防水性能に支障をきたす。
そこで、本実施形態では、第1固定部材7の表面に表面処理剤を塗布している。表面処理剤は、異なる金属が当接する面に対し、異なる金属間の電位差を抑制する材料である。第1固定部材7の表面に表面処理剤を塗布することで、第1固定部材7の外周面を覆う表面処理部71が形成される。第1固定部材7に表面処理部71が形成されることで、第1筐体2と当接しても、電位差が生じず、腐食が発生しないため、第1筐体2と第2筐体3は適切に固定されている状態を保つことができる。
以上説明したように、本実施形態の撮像装置100は、筐体を締結し、第1固定部材7が貫通する筐体の当接面を腐食防止するための表面処理が施される第1固定部材7を備える。これにより、本実施形態の撮像装置100は、第1固定部材7の外周面の表面に表面処理を施すことで、筐体と当接する第1固定部材7の外周面に電位差が生じず、腐食が発生しないため、腐食により防水性能の低下を防止することができる。
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成または機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。
上述した実施形態では、第1筐体2と第1固定部材7とを異種金属で形成し、第1筐体2が被締結部材とする形態について説明した。変形例1では、第2筐体3と第1固定部材7とを異種金属で形成し、第2筐体3が被締結部材とする形態について説明する。
(変形例1)
例えば、第2筐体3と第1固定部材7とを異種金属で形成すると、異種金属間で金属が腐食する事象が発生する場合がある。以下、金属が腐食する事象について説明する。本事象においては、第2筐体3の材質がアルミ等の第1金属材質、第1固定部材7がステンレス等の第1金属材質とは異なる第2金属材質であるとする。
例えば、第2筐体3と第1固定部材7とを異種金属で形成すると、異種金属間で金属が腐食する事象が発生する場合がある。以下、金属が腐食する事象について説明する。本事象においては、第2筐体3の材質がアルミ等の第1金属材質、第1固定部材7がステンレス等の第1金属材質とは異なる第2金属材質であるとする。
上述の構成では、第2筐体3と第1固定部材7とが異種金属で形成される。そのため、雨滴、塩水等の通電性の液体が毛細管現象等により第2筐体3と第1固定部材7との間に侵入すると、第1筐体2と第1固定部材7との間に電位差が発生し、腐食が発生する。
具体的には、イオン化傾向の高い金属(変形例1では第1金属材質の第2筐体3)が液体に溶け出し、腐食が発生することになる。腐食が進行すると、第2筐体3の表面処理が劣化(例えば塗装膜の浮き等が発生)し、筐体の気密性が維持できなくなり、撮像装置の防水性能に支障をきたす。
しかしながら、第1固定部材7に表面処理部71が形成されることで、第2筐体3と当接しても、電位差が生じず、腐食が発生しないため、腐食により防水性能の低下を防止することができる。
以下で説明する変形例は、主に、第1筐体2と第2筐体3との組立時において、レンズとセンサとの適切な位置関係の実現可能な構成について説明する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されても良いし、適宜組み合わせて実施されても良い。
(変形例2)
上述の実施形態では、基板4の枚数が1枚である形態について説明したが、基板4の枚数はこれに限定されるものではない。そこで、変形例2では、基板4の枚数を2枚とする基板410の形態について、図7を用いて説明する。図7は、変形例2に係る撮像装置200の一例を示す断面図である。
上述の実施形態では、基板4の枚数が1枚である形態について説明したが、基板4の枚数はこれに限定されるものではない。そこで、変形例2では、基板4の枚数を2枚とする基板410の形態について、図7を用いて説明する。図7は、変形例2に係る撮像装置200の一例を示す断面図である。
例えば、基板410は、第1基板411、第2基板412及びフレキシブル配線413を有する。第1基板411は、レンズにより撮像面に形成された被写体像を撮像する撮像素子を実装する。第1基板411は、第2固定部材8を介して第1筐体2に固定される基板410である。また、第1基板411は、第6孔4111を備える。第6孔4111は、孔の一例である。第6孔4111は、Z軸方向に延びて第1基板411を貫通している。第4孔41は、第1突出部23を挿入される。
第2基板412は、出力機構31を篏合する実装基板コネクタ5を有し、フレキシブル配線413を介して第1基板411と電気的に接続される基板410である。フレキシブル配線413は、第1基板411及び第2基板412を電気的に接続する配線である。
基板410は、フレキシブル配線413を有することで、第2基板412に設けられた実装基板コネクタ5は接続部32に対し自由度があるため、接続部32と適切に篏合することができる。これにより、第1筐体2と第2筐体3の組立が効率的に行うことができる。
(変形例3)
例えば、第1筐体2の当接面の外径と第2筐体3の当接面の外径は等しくても良い。第1筐体2の当接面の外径と第2筐体3の当接面の外径を等しくすることで、第1筐体2と第2筐体3を組立てる場合、第1筐体2と第2筐体3の側面を合わせ、組立における基準面を備えることができる。これにより、第1筐体2と第2筐体3の組立が効率的に行うことができる。
例えば、第1筐体2の当接面の外径と第2筐体3の当接面の外径は等しくても良い。第1筐体2の当接面の外径と第2筐体3の当接面の外径を等しくすることで、第1筐体2と第2筐体3を組立てる場合、第1筐体2と第2筐体3の側面を合わせ、組立における基準面を備えることができる。これにより、第1筐体2と第2筐体3の組立が効率的に行うことができる。
(変形例4)
上述の変形例2では、第1筐体2の当接面の外径と第2筐体3の当接面の外径は等しい形態について説明したが、当接面の外径はこれに限定されるものではない。そこで、変形例3では、第1筐体2の当接面の外径と第2筐体3の当接面の外径が異なる形態について説明する。
上述の変形例2では、第1筐体2の当接面の外径と第2筐体3の当接面の外径は等しい形態について説明したが、当接面の外径はこれに限定されるものではない。そこで、変形例3では、第1筐体2の当接面の外径と第2筐体3の当接面の外径が異なる形態について説明する。
例えば、第2筐体3の外径は、第1筐体2の外径より大きくしても良い。すなわち、第2筐体3は、第2筐体3と当接する第1筐体2を覆っても良い。第2筐体3の外径を第1筐体2の外径より大きくすることで、第2筐体3に設けられた接続部32は、第1筐体2に固定されている基板4の実装基板コネクタ5に対し、自由に移動することができるため、実装基板コネクタ5と適切に篏合することができる。
(変形例5)
また、変形例5では、面取り部26の加工工程を変更することで、表面処理で形成された膜厚を残すことができることについて図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9は、変形例5に係る第1筐体2の一例を示す断面図である。
また、変形例5では、面取り部26の加工工程を変更することで、表面処理で形成された膜厚を残すことができることについて図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9は、変形例5に係る第1筐体2の一例を示す断面図である。
例えば、第1固定部材7が締結される第1孔22は、所定の寸法精度が要求されるため、表面処理後に機械加工されるのが一般的である。また、面取り部26は、第1孔22が機械加工されるタイミングで同時に機械加工される。しかしながら、面取り部26は、外部からの侵入で、塩水等が堆積しやすい形状のため、表面処理で形成された膜厚が除去されると、アルミダイカストからなる金属の下地が露出し、腐食に対する耐性が低下することになる。
そのため、変形例5では、図8に示すように、まず、第1筐体2は、面取り部26を成型時に形成する。第1筐体2は、面取り部26を形成後、表面処理を行う。そして、第1筐体2は、表面処理後に、図9に示すように、第1孔22を加工する。
これにより、面取り部26に表面処理を行った膜厚が残ることになる。つまり、第1筐体2のアルミダイカストからなる金属の下地が露出することを回避でき、腐食に対する耐性を向上させることができる。なお、変形例5では、成型時に面取り部26を形成したが、面取り部26を機械加工した後で表面処理を施してもよい。なお、面取り部は第2筐体3が備える第3孔33に形成し、形成した面取り部に表面処理を施してもよい。
なお、上述した実施形態は、例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、本開示の範囲または要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 レンズユニット
2 第1筐体
3 第2筐体
4 基板
5 実装基板コネクタ
6 防水部材
7 第1固定部材
8 第2固定部材
22 第1孔
23 第1突出部
24 第2孔
25 第2突出部
26 面取り部
31 出力機構
32 接続部
33 第3孔
41 第4孔
42 第5孔
43 凹部
410 基板
100、200 撮像装置
2 第1筐体
3 第2筐体
4 基板
5 実装基板コネクタ
6 防水部材
7 第1固定部材
8 第2固定部材
22 第1孔
23 第1突出部
24 第2孔
25 第2突出部
26 面取り部
31 出力機構
32 接続部
33 第3孔
41 第4孔
42 第5孔
43 凹部
410 基板
100、200 撮像装置
Claims (7)
- 撮像素子が実装される基板と、
第1筐体及び第2筐体を有し、前記第1筐体と前記第2筐体とで形成される空間内部に前記基板を収容する筐体と、
前記第1筐体または前記第2筐体を貫通し、一方の筐体を他方の筐体に固定する、前記筐体とは異なる金属で形成された第1固定部材と、
を備え、
前記第1固定部材の外周面には、前記第1固定部材が貫通する前記筐体の当接面を腐食防止するための表面処理が施される、
撮像装置。 - 前記第1固定部材が挿入される前記第1筐体、前記第2筐体の孔の開口部のうち、少なくとも1つの開口部に形成した面取り部と、を備え、
前記面取り部は、所定の膜厚を有する前記表面処理が施される、
請求項1に記載の撮像装置。 - 前記第1筐体は、当該第1筐体の内側に、前記筐体内での前記基板の配置位置を位置決めするための第1突出部を有し、
前記基板は、前記筐体内で適切に配置した場合での前記第1突出部に対応する部位に、前記第1突出部に応じた径の孔部を有し、当該孔部に前記第1突出部が挿入された状態で、前記第1筐体に取り付けられる、
請求項1または2に記載の撮像装置。 - 前記第1筐体は、当該第1筐体の内側に、前記筐体内での前記基板の配置位置を位置決めするための第2突出部を有し、
前記基板は、前記筐体内で適切に配置した場合での前記第2突出部に対応する部位に、前記第2突出部に応じた形状の切欠部を有し、当該切欠部に前記第2突出部が嵌め合わされた状態で、前記第1筐体に取り付けられる、
請求項3に記載の撮像装置。 - 前記基板は、前記第1筐体に対しタッピングねじで固定される、
請求項1から4の何れか1項に記載の撮像装置。 - 前記基板は、前記撮像素子から出力された画像信号を出力するための実装基板コネクタを有し、
前記第2筐体は、前記実装基板コネクタに篏合し、当該実装基板コネクタと電気的に接続するための接続部を有し、
前記接続部の内径は、前記実装基板コネクタの外径よりも大きい、
請求項1から5の何れか1項に記載の撮像装置。 - 前記第2筐体の外径は、前記第1筐体の外径よりも大きく、
前記第2筐体は、前記実装基板コネクタに対し移動する、
請求項6に記載の撮像装置。
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