JP2023102316A - 凍結試料用搬送台車、浸漬容器、及び凍結試料の搬送方法 - Google Patents

凍結試料用搬送台車、浸漬容器、及び凍結試料の搬送方法 Download PDF

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【課題】大量の凍結試料を気相雰囲気温度で保冷しながら搬送可能な凍結試料用搬送台車を提供する。【解決手段】凍結試料を収納し、保冷する保冷室4を1つ以上有する本体2と、本体2を移動させる移動機構3とを備え、保冷室4は、周囲の環境から断熱された空間5と、空間5の出入り口である開口部4Aと、開口部4Aに着脱可能に設けられた蓋部材6と、空間5に配置されて空間5に冷熱を供給する蓄冷部材7と、を有する凍結試料用搬送台車1を選択する。【選択図】図2

Description

本発明は、凍結試料用搬送台車、浸漬容器、及び凍結試料の搬送方法に関する。
生物学的試料(以下、単に「生体試料」ともいう)を凍結保存する前に、多くの生体試料を所要の温度まで短時間で予備凍結することが可能な液化窒素式凍結処理装置(以下、単に「予備凍結装置」ともいう)が知られている(例えば、特許文献1)。
従来の予備凍結装置では、10ccバイアル単位や、バイアルボックス(10ccバイアル、25本入)単位で予備凍結処理をしていた。そして、予備凍結後は、予備凍結装置から凍結処理した生体試料(以下、単に「凍結試料」ともいう)をバイアル単位やバイアルボックス単位で取り出し、液化窒素やドライアイスを入れた発泡スチロール等からなる保冷容器で保冷しながら、凍結保存容器(例えば、特許文献2)まで搬送していた。
近年、細胞医薬製品の大量生産のニーズから、1バッチの予備凍結処理で10ccバイアル1000本以上を収納するラック単位で処理可能な予備凍結処理装置が要求されている。そして、予備凍結後は、予備凍結装置から取り出した凍結試料をラック単位で保冷容器に収納し、保冷しながら凍結保存容器まで搬送する。
ここで、凍結試料をラック単位で収納し、保冷しながら搬送可能な移動手段としては、例えば図10に示す凍結試料用搬送台車が知られている。図10(a)に示す凍結試料用搬送台車101は、キャスター102およびハンドル103を有する本体104と、本体104上に配置され、液化窒素を貯留する断熱槽105と、断熱蓋106と、を備える。
凍結試料用搬送台車101を用いて凍結試料が収容されたラックLを保冷しながら搬送する場合、図10(b)に示すように、ラックLを横向きにして断熱槽105に貯留される液化窒素に浸漬する。これにより、凍結試料を保冷しながら搬送可能とされている。
特開2016-183846号公報 特開2005-143873号公報
ところで、予備凍結装置では、生体試料は約-80℃で予備凍結される。しかしながら、図10に示す従来の凍結試料用搬送台車101では、凍結試料をラックLごと液化窒素に浸漬するため、凍結試料の温度変化が大きいという課題があった。また、断熱槽105へのラックLの出し入れする際に、ラックL内の凍結試料が液化窒素に接触する恐れがあるという課題があった。したがって、従来の凍結試料用搬送台車101にかえて、大量の凍結試料を気相雰囲気温度(-80~-180℃)で保冷しながら搬送する手段が望まれているのが実情であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、大量の凍結試料を気相雰囲気温度(-80~-180℃)で保冷しながら搬送可能な凍結試料用搬送台車を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用する。
[1] 凍結試料を気相下で保冷しながら搬送する台車であって、
前記凍結試料を収納し、保冷する保冷室を1つ以上有する本体と、
前記本体を移動させる移動機構と、を備え、
前記保冷室は、周囲の環境から断熱された空間と、前記空間の出入り口である開口部と、前記開口部に着脱可能に設けられた蓋部材と、前記空間に配置されて前記空間に冷熱を供給する蓄冷部材と、を有する、凍結試料用搬送台車。
[2] 前記蓄冷部材が、液化窒素を吸収する吸収材と、前記吸収材の形状を保持する保持部材と、有する、[1]に記載の凍結試料用搬送台車。
[3] 前記蓄冷部材が、前記凍結試料を収納可能な筒状空間を有し、前記保冷室に前記筒状空間と前記開口部とが連通するように配置される、[2]に記載の凍結試料用搬送台車。
[4] 前記蓄冷部材が、容器に保冷剤が封入された蓄冷具である、[1]に記載の凍結試料用搬送台車。
[5] 前記空間に位置し、前記保冷室の内周面と前記蓄冷部材との接触を阻害する1以上のスペーサ部材を有する、[1]乃至[4]のいずれかに記載の凍結試料用搬送台車。
[6] 液化窒素を吸収する吸収材と、前記吸収材の形状を保持する保持部材と、有する蓄冷部材を液化窒素に浸漬させて前記吸収材に前記液化窒素を吸収させる浸漬容器であって、
前記液化窒素を貯留する容器本体を備え、
前記容器本体の内周面と、前記蓄冷部材の外周面とが、同一の形状である、浸漬容器。
[7] 前記蓄冷部材が、筒状空間を有しており、
前記容器本体が、前記筒状空間に挿通可能な柱状部を有する、[6]に記載の浸漬容器。
[8] 前記柱状部には、前記液化窒素の貯留量を計測する目盛りが付されている、[7]に記載の浸漬容器。
[9] [1]に記載の凍結試料用搬送台車を用い、凍結試料を保存温度未満に冷却する予備凍結装置から、前記凍結試料を凍結保存する凍結保存装置へ搬送する方法であって、
前記予備凍結装置から取り出した前記凍結試料を保冷室に収納し、前記凍結試料を気相下で保冷しながら前記凍結保存装置まで搬送する、凍結試料の搬送方法。
本発明の凍結試料用搬送台車は、大量の凍結試料を気相雰囲気温度(-80~-180℃)で保冷しながら搬送できる。
本発明を適用した一実施形態である凍結試料用搬送台車の上面図である。 図1中に示すA-A’線に沿った断面図である。 本実施形態の凍結試料用搬送台車に適用可能な蓄冷部材の斜視図である。 本実施形態の凍結試料用搬送台車に適用可能な蓄冷部材の上面図である。 本発明を適用した一実施形態である浸漬容器の構成を示す断面図である。 本発明を適用した一実施形態である浸漬容器の使用態様を示す断面図である。 本発明を適用した一実施形態である凍結試料の搬送方法の搬送対象を示す図である。 本発明を適用した一実施形態である凍結試料の搬送方法を示す模式図である。 本発明を適用した一実施形態である浸漬容器の変形例を示す断面図である。 従来の凍結試料用搬送台車の構成を説明する図であり、(a)は蓋を閉めた状態、(b)はラックを浸漬させた状態、をそれぞれ示す。
以下、本発明を適用した一実施形態である凍結試料用搬送台車について、浸漬容器、及び凍結試料の搬送方法と併せて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(凍結試料用搬送台車)
先ず、本発明を適用した一実施形態である凍結試料用搬送台車の構成について、図1~図4を参照しながら説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態である凍結試料用搬送台車の上面図である。また、図2は、図1中に示すA-A’線に沿った断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の凍結試料用搬送台車1は、1以上の保冷室4を有する本体2と、本体2を移動させる移動機構3とを備えて、概略構成されている。
凍結試料用搬送台車1は、凍結試料を気相下で保冷しながら搬送する台車である。
本体2は、四角柱状の部材(筐体)である。本体2は、凍結試料が収容されたラックLを収納し、保冷する保冷室4を1つ以上有している。本実施形態では、本体2として、凍結試料用搬送台車1の搬送方向に3つの保冷室4が一列に配置された構成を一例として説明する。
保冷室4は、本体2の内部(内側)に設けられている。保冷室4は、凍結試料用搬送台車1の周囲の環境から断熱された空間(断熱空間)5と、空間5の出入り口である開口部4Aと、開口部4Aに着脱可能に設けられた蓋部材6と、空間5に配置されて空間5に冷熱を供給する蓄冷部材7と、1以上のスペーサ部材8と、を有する。
空間5は、保冷室4の内側に設けられた保冷空間である。換言すると、空間5は、本体2の内部(内側)に設けられた鉛直方向上下に延在する有底筒状(柱状)の断熱空間である。本実施形態の凍結試料用搬送台車1では、保冷室4の内側の空間5に、蓄冷部材7と、凍結試料が収容されたラックLと、をそれぞれ収容する。
空間5の形状は、四角柱状を一例として説明しているが、蓄冷部材7とラックLとを収容可能であれば、特に限定されない。空間5の形状としては、例えば、六角柱状などの多角柱状や、円柱状が挙げられる。
空間5の断熱構造は、凍結試料用搬送台車1の周囲の環境からの熱の影響を低減できる程度に断熱可能であれば、特に限定されない。空間5の断熱構造としては、例えば、金属製のフレームに発泡スチロール等の公知の断熱材が張り付けられた部材によって形成された柱状の空間や、真空断熱容器の内側の空間が挙げられる。
開口部4Aは、保冷室4の上面に位置しており、有底筒状の空間5の出入り口を構成する。すなわち、本実施形態の凍結試料用搬送台車1では、開口部4Aを介して保冷室4の内側の空間5から、蓄冷部材7及びラックLの出し入れを行う。
蓋部材6は、開口部4Aに着脱可能に設けられている。図1に示すように、保冷室4から蓋部材6を取り外すことで、開口部4Aから蓄冷部材7及びラックLを空間5に収容することができる。また、図2に示すように、保冷室4に蓄冷部材7及びラックLを収容した状態で蓋部材6を開口部4Aに装着することで、保冷室4の開口部4Aを塞ぐことができるため、ラックLに収容された凍結試料を確実に保冷することができる。
蓋部材6の材質は、周囲の環境からの熱の影響を低減できる程度に断熱可能なものであれば、特に限定されない。蓋部材6の材質としては、例えば、発泡スチロール等の公知の断熱材が挙げられる。
蓄冷部材7は、図1及び図2に示すように、保冷室4の内側の空間5に配置されて、当該空間5に冷熱を供給する部材である。ここで、図3は、本実施形態の凍結試料用搬送台車1に適用可能な蓄冷部材7の構成の一例を示す斜視図である。また、図4は、本実施形態の凍結試料用搬送台車1に適用可能な蓄冷部材7の上面図である。
図3及び図4に示すように、蓄冷部材7は、液化窒素を吸収する吸収材9と、吸収材の形状を保持する保持部材10と、保持部材10の上部に位置する持ち手11と、保持部材10の底部に位置するスペーサ部材12と、を有する。
吸収材9は、液化窒素を吸収する材質からなる、蓄冷部材7の本体である。吸収材9の材質は、液化窒素を吸収可能なものであれば特に限定されない。吸収剤9としては、例えば、グラスファイバペーパが挙げられる。
保持部材10は、吸収材9の外周に位置し、吸収材9の変形を規制して形状を保持する金網からなる部材である。換言すると、保持部材10の内側に、吸収材9が収容される。保持部材10が金網から構成されているため、後述する浸漬容器21に蓄冷部材7を浸漬した際、金網から露出する吸収材9が液化窒素に接触するため、吸収材9に液化窒素を確実に吸収させることができる。
保持部材10の材質(すなわち、金網の材質)は、耐低温性に優れる材質であれば、特に限定されない。保持部材10の材質としては、耐低温性に優れる金属(例えば、ステンレス鋼)が挙げられる。
保持部材10の上部には、持ち手11が位置する。持ち手11によれば、吸収材9及び保持部材10に直接触れることなく、蓄冷部材7を保冷室4の内側の空間5に設置し、保冷室4から取り出すことができる。持ち手11の材質としては、特に限定されるものではなく、保持部材10と同じ材質を用いることができる。
保持部材10の底部には、複数のスペーサ部材12が位置する。スペーサ部材12は、保冷室4の内側の空間5に蓄冷部材7を設置した際、保冷室4の底面4Bと保持部材10との間に位置する。これにより、保冷室4から吸収材9への熱の入流を抑制できるため、液化窒素の消費量を低減できる。スペーサ部材12の材質としては、特に限定されるものではなく、保持部材10と同じ材質を用いることができる。
蓄冷部材7の形状(すなわち、保持部材10の形状)は、両端が開口した円筒形状である。また、蓄冷部材7の内側には、凍結試料をラックLごと収容可能な円筒状の空間(筒状空間)7Aが設けられている。
蓄冷部材7は、図1及び図2に示すように、空間7Aと開口部4Aとが連通するように、保冷室4に配置される。これにより、保冷室4に凍結試料をラックLごと収容する際、開口部4Aを介してラックLを蓄冷部材7の内側の空間7Aに収容できる。
本実施形態の凍結試料用搬送台車1によれば、蓄冷部材7が円筒形状であり、外周に角を有さないため、保冷室4の内側の空間5に蓄冷部材7を配置する際の位置合わせが容易である。また、蓄冷部材7の内側の空間7AにラックLを収容することにより、凍結試料が蓄冷部材7に囲まれるため、試料の温度を均一に保持できる。
保冷室4の内側の空間5には、複数のスペーサ部材8が位置する。スペーサ部材8の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン等が挙げられる。スペーサ部材8は、保冷室4の内側の空間5に蓄冷部材7を挿入する際、蓄冷部材7の位置を規制して正しい収納位置に案内するため、蓄冷部材7の挿入が容易となる。また、スペーサ部材8は、保冷室4の内周面4Cに、互いに異なる高さに設置されることが好ましい。これにより、複数のスペーサ部材8の高さが異なるため、保冷室4の内側の空間5と蓄冷部材7との間に隙間が生じ、保冷室4の内側の空間5への蓄冷部材7の挿入が容易となる。
スペーサ部材8は、保冷室4の内側の空間5に蓄冷部材7を設置した際、保冷室4の内周面4Cと蓄冷部材7との間に位置する。これにより、保冷室4の内周面4Cと蓄冷部材7とが直に接触することを阻害し、保冷室4から吸収材9への熱の入流を抑制できるため、液化窒素の消費量を低減できる。
移動機構3は、本体2を移動させるためのキャスター13およびハンドル14を含む。
キャスター13は、本体2の底部に設けられている。ハンドル14は、本体2の側面の上方に設けられている。なお、移動機構3の構成は、本体2を任意の場所に移動可能なものであれば特に限定されない。
(浸漬容器)
次に、本実施形態の凍結試料用搬送台車1を構成する蓄冷部材7に用いる浸漬容器の構成について、図5~図6を参照しながら説明する。図5は、本発明を適用した一実施形態である浸漬容器の構成を示す断面図である。また、図6は、本発明を適用した一実施形態である浸漬容器の使用態様を示す断面図である。
図5及び図6に示すように、本発明を適用した一実施形態である浸漬容器21は、液化窒素を貯留する容器本体22と、容器本体22の底部22Aの中央から鉛直方向上方に向かって立設する柱状部23と、を備えて、概略構成されている。
浸漬容器21は、上述した蓄冷部材7を液化窒素に浸漬させて、吸収材9に液化窒素を吸収させるものである。
容器本体22は、上面が開口した円筒形状の容器であり、内側の空間に液化窒素を貯留する。また、容器本体22の内周面22Bは、蓄冷部材7の外周面の形状と同一となっている。これにより、浸漬容器21に蓄冷部材7を挿入した際に、容器本体22と蓄冷部材7との間の隙間が少なくなるため、液化窒素の使用量を低減できる。
柱状部23は、容器本体22の底部22Aの中央に位置し、鉛直方向上方に向かって延在する。柱状部23は、容器本体22と別部材で構成されていてもよいし、容器本体22と一体で構成されていてもよい。また、柱状部23には、液化窒素の貯留量を計測する目盛り(図示略)が付されていることが好ましい。この場合、目盛りが浸漬容器21に液化窒素を入れる目安となるため、蓄冷部材7に液化窒素を吸収させる条件を一定にできる。
浸漬容器21が柱状部23を有することで、柱状部23の体積分だけ液化窒素の使用量を低減できる。また、浸漬容器21に蓄冷部材7を挿入した際、柱状部23には、蓄冷部材7の内側の円筒状の空間(筒状空間)7Aが挿通される。これにより、容器本体22と蓄冷部材7との間の隙間が少なくなるため、液化窒素の使用量を低減できる。
浸漬容器21の材質としては、特に限定されないが、発泡スチロール等の断熱材が挙げられる。
(凍結試料の搬送方法)
次に、本実施形態の凍結試料用搬送台車1を用いた凍結試料の搬送方法の構成について、図7~図8を参照しながら説明する。図7は、本発明を適用した一実施形態である凍結試料の搬送方法の搬送対象を示す図である。また、図8は、本発明を適用した一実施形態である凍結試料の搬送方法を示す模式図である。
本発明を適用した一実施形態である凍結試料の搬送方法は、上述した実施形態の凍結試料用搬送台車を用い、凍結試料を保存温度未満に冷却する予備凍結装置から、凍結試料を凍結保存する凍結保存装置へ搬送する方法であって、予備凍結装置から取り出した凍結試料を保冷室に収納し、凍結試料を気相下で保冷しながら凍結保存装置まで搬送する。
図7に示すように、本実施形態の凍結試料の搬送方法において、凍結保存の対象となる生体試料は、バイアル31に入っている。そして、複数のバイアル31が挿入された1以上のバイアルボックス32がラックLに収納された状態で搬送される。
図8に示すように、本実施形態の凍結試料の搬送方法では、予備凍結装置41から凍結試料をラックLごと取り出し、これを上述した凍結試料用搬送台車1の保冷室4に収納し、凍結試料を気相下で保冷しながら凍結保存装置51まで搬送する。
「予備凍結」
具体的には、本実施形態の凍結試料の搬送方法は、先ず、生体試料の予備凍結を行う。
予備凍結は、ラックLを3ラック準備し、予備凍結装置41内にラックを配置し、所定の温度冷却プログラム(例えば、+4℃→-80℃まで、約45~90分)で予備凍結処理を行う。
「蓄冷部材の準備」
次に、上述した浸漬容器21に液化窒素を貯留した後、蓄冷部材7を液化窒素に浸漬させて、吸収材9に液化窒素を吸収させる(図5、図6を参照)。
「保冷室の冷却」
次に、液化窒素の吸収が完了した蓄冷部材7を、凍結試料用搬送台車1のそれぞれの保冷室4内の空間5に挿入する。これにより、保冷室4内の空間5の雰囲気温度を-80℃以下まで、短時間で冷却できる。なお、保冷室4内の空間5の雰囲気温度は、蓄冷部材7の吸収材9の材質、吸収材9の体積、吸収材9の浸漬時間、吸収材9の浸漬高さ及び保冷室4の断熱性能を適宜調整することで、適宜設定できる。
「凍結試料の移し替え」
次に、予備凍結装置41による予備凍結処理が完了した後、予備凍結装置41内の3つのラックLを、ラックLごと凍結試料用搬送台車1のそれぞれの保冷室4内の空間5に挿入する。
「移動作業」
次に、予備凍結装置41から凍結保存装置51の直近まで、凍結試料用搬送台車1を移動させる。すなわち、凍結試料用搬送台車1を用いて、凍結試料を収納したラックLごと気相雰囲気下で保冷しながら搬送する。
「凍結保存」
次に、凍結試料用搬送台車1のそれぞれの保冷室4からラックLごと凍結試料を取り出し、速やかに凍結保存装置51内へ移し替えた後、凍結保存を行う。本実施形態では、ラックL単位での取り扱いできるため、最少時間(例えば、5秒以内程度)内での凍結保存容器内への移し替えが可能である。したがって、凍結試料の昇温を抑制できる。
以上説明したように、本実施形態の凍結試料用搬送台車1、及び凍結試料の搬送方法によれば、大量の凍結試料を気相雰囲気温度(-80~-180℃)で保冷しながら搬送できる。
本実施形態の凍結試料用搬送台車1によれば、凍結試料を収納するラックLごと搬送できるため、大量の試料を一度に搬送できる。
また、本実施形態の凍結試料用搬送台車1によれば、保冷室4の冷熱源として蓄冷部材7を用いるため、凍結試料の冷却のために貯留した液化窒素を用いない。したがって、気相雰囲気温度(-80~-180℃)で保冷しながら搬送できる。
また、本実施形態の凍結試料用搬送台車1によれば、台車に液化窒素を貯留しないため、液化窒素の消費量を低減でき、凍結試料への液化窒素の混入も防止できる。さらに、台車の軽量化も可能となる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述した凍結試料用搬送台車1では、液化窒素を吸収する吸収材9と、吸収材の形状を保持する保持部材10と、を有する蓄冷部材7を備える構成を一例として説明したが、これに限定されない。
例えば、本発明の凍結試料用搬送台車は、蓄冷部材として、容器に保冷剤が封入された蓄冷具を用いる構成であってもよい。蓄冷部材として蓄冷具を使用する場合、-180℃程度まで冷やした蓄冷具を保冷室4内の空間5の底部と側面とに敷き詰めることで、保冷室4内の気相雰囲気を-80℃に冷却することができる。
蓄冷具の容器としては、樹脂製のものを使用できる。
保冷剤としては、例えば水と塩とを含むものを使用できる。
保冷室4内の保持温度は、例えば、保冷剤の材質、保冷剤の容量、蓄冷具の冷却温度等によって適宜変更できる。
蓄冷部材として蓄冷具を用いることで、上述した蓄冷部材7よりも高い温度にラックLを冷却できる。例えば、ラックLを液体窒素の温度(-196℃)よりも高い温度(-150℃)で凍結保存する凍結保存装置に搬送する場合、上述した実施形態では搬送中にラックLが冷えすぎてしまい、凍結保存する際にラックLが昇温(例えば、-196℃→-150℃)するおそれがある。したがって、上述したようなラックLの温度変動は、ラックL内に収容する試料にダメージを与えるため、できる限り小さいことが好ましい。
このような場合に、蓄冷部材として蓄冷具を用いることで、予備凍結装置の温度以下、かつ、凍結保存装置の温度以上の範囲で保冷温度を調整できるため、上述したような昇温が起こらず、温度変動による試料へのダメージを低減できる。
また、上述した実施形態の凍結試料用搬送台車1では、凍結試料が収容されたラックLごと保冷する場合を一例に説明したが、これに限定されない。例えば、試料が入ったバッグを搬送する形態であってもよい。また、1つの保冷室4に1つの試料を収納してもよいし、複数の試料を収納してもよい。試料の出し入れの際における、試料の温度上昇を抑制する観点から、1つの保冷室4にラック単位で収納することが好ましい。
また、上述した実施形態の凍結試料用搬送台車1では、保冷室4の空間5が四角柱状であり、蓄冷部材7の空間7Aが円筒形状である場合を一例として説明したが、これに限定されない。例えば、空間5及び空間7の形状は、底面が円、四角形以外の多角形である柱状であってもよい。
また、上述した実施形態の凍結試料用搬送台車1では、保冷室4の空間5が、鉛直方向上下に延在し、上面が開口する有底筒状(柱状)の断熱空間である場合を一例として説明したが、これに限定されない。例えば、保冷室4の空間5が水平方向に延在し、本体2の側面に開口する断熱空間であってもよい。
また、上述した実施形態の浸漬容器21にかえて、図9に示すように、容器本体22及び柱状部23の一部又はすべてに、樹脂や金属からなる保護カバー62が装着された浸漬容器61を用いる構成であってもよい。これにより、浸漬容器61に蓄冷部材7を浸漬する際、蓄冷部材7との衝突から容器本体22及び柱状部23の断熱材を保護することができる。
1 凍結試料用搬送台車
2 本体
3 移動機構
4 保冷室
4A 開口部
4B 底面
4C 内周面
5 空間(断熱空間)
6 蓋部材
7 蓄冷部材
7A 空間(筒状空間)
8、12 スペーサ部材
9 吸収材
10 保持部材
11 持ち手
13 キャスター
14 ハンドル
21,61 浸漬容器
22 容器本体
23 柱状部
31 バイアル
32 バイアルボックス
41 予備凍結装置
51 凍結保存装置
62 保護カバー
L ラック

Claims (9)

  1. 凍結試料を気相下で保冷しながら搬送する台車であって、
    前記凍結試料を収納し、保冷する保冷室を1つ以上有する本体と、
    前記本体を移動させる移動機構と、を備え、
    前記保冷室は、周囲の環境から断熱された空間と、前記空間の出入り口である開口部と、前記開口部に着脱可能に設けられた蓋部材と、前記空間に配置されて前記空間に冷熱を供給する蓄冷部材と、を有する、凍結試料用搬送台車。
  2. 前記蓄冷部材が、液化窒素を吸収する吸収材と、前記吸収材の形状を保持する保持部材と、有する、請求項1に記載の凍結試料用搬送台車。
  3. 前記蓄冷部材が、前記凍結試料を収納可能な筒状空間を有し、前記保冷室に前記筒状空間と前記開口部とが連通するように配置される、請求項2に記載の凍結試料用搬送台車。
  4. 前記蓄冷部材が、容器に保冷剤が封入された蓄冷具である、請求項1に記載の凍結試料用搬送台車。
  5. 前記空間に位置し、前記保冷室の内周面と前記蓄冷部材との接触を阻害する1以上のスペーサ部材を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の凍結試料用搬送台車。
  6. 液化窒素を吸収する吸収材と、前記吸収材の形状を保持する保持部材と、有する蓄冷部材を液化窒素に浸漬させて前記吸収材に前記液化窒素を吸収させる浸漬容器であって、
    前記液化窒素を貯留する容器本体を備え、
    前記容器本体の内周面と、前記蓄冷部材の外周面とが、同一の形状である、浸漬容器。
  7. 前記蓄冷部材が、筒状空間を有しており、
    前記容器本体が、前記筒状空間に挿通可能な柱状部を有する、請求項6に記載の浸漬容器。
  8. 前記柱状部には、前記液化窒素の貯留量を計測する目盛りが付されている、請求項7に記載の浸漬容器。
  9. 請求項1に記載の凍結試料用搬送台車を用い、凍結試料を保存温度未満に冷却する予備凍結装置から、前記凍結試料を凍結保存する凍結保存装置へ搬送する方法であって、
    前記予備凍結装置から取り出した前記凍結試料を保冷室に収納し、前記凍結試料を気相下で保冷しながら前記凍結保存装置まで搬送する、凍結試料の搬送方法。
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