JP2023097900A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

Figure 2023097900000001
【課題】 吸音材によるエアシール性能の低下を抑制することができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 トレッド部2を有する空気入りタイヤ1であって、トレッド部2のタイヤ内腔iの側に配された自己封止型のシーラント層10と、シーラント層10に固着されたスポンジ状の吸音材12とを含む。シーラント層10は、タイヤ内腔iの正面視において、表面が吸音材12で覆われた第1領域101と、表面が吸音材12で覆われていない第2領域102とを含む。第1タイヤ断面において、第1領域101の少なくとも一部の領域のシーラント層厚さは、第2領域102のシーラント層厚さよりも小さい。
【選択図】 図1

Description

本開示は、空気入りタイヤに関し、詳しくは、トレッド部のタイヤ内腔側にシーラント層を備えた空気入りタイヤに関する。
従来、車両走行時に発生するタイヤのノイズを低減するために、トレッド部のタイヤ内腔側にスポンジ状の吸音材が固着された空気入りタイヤが提案されている(下記特許文献1参照)。
また、近年では、タイヤのノイズ性能とパンクシール性との両方を高めるために、トレッド部のタイヤ内腔側に、シーラント層と、前記シーラント層に固着された吸音材とを含む空気入りタイヤが提案されている(下記特許文献2参照)。この種の空気入りタイヤでは、例えば、釘踏み等によりトレッド部に貫通孔が形成された際、シーラント層の一部が貫通孔に流れ込んでこれを封止し、タイヤのエアシール性能が確保されるという作用が期待されている。
特許第3787343公報 特開2017-65673号公報
シーラント層に吸音材を固着した空気入りタイヤは、タイヤ重量が増加するという問題があった。
本開示は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、エアシール性能を維持しながらタイヤ重量の増加を抑制することができる空気入りタイヤを提供することを主たる課題としている。
本開示は、トレッド部を有する空気入りタイヤであって、前記トレッド部のタイヤ内腔側に配された自己封止型のシーラント層と、前記シーラント層に固着されたスポンジ状の吸音材とを含み、前記シーラント層は、タイヤ内腔の正面視において、表面が前記吸音材で覆われた第1領域と、表面が前記吸音材で覆われていない第2領域とを含み、第1タイヤ断面において、前記第1領域の少なくとも一部の領域のシーラント層厚さは、前記第2領域のシーラント層厚さより小さい、空気入りタイヤである。
本開示の空気入りタイヤは、上記の構成を採用したことにより、エアシール性能を維持しながらタイヤ重量の増加を抑制することができる。
本実施形態の空気入りタイヤの断面図である。 タイヤ内腔の部分正面図である。 シーラント層の変形例を示す空気入りタイヤの部分断面図である。 シーラント層の変形例を示す空気入りタイヤの部分断面図である。 シーラント層の変形例を示す空気入りタイヤの部分断面図である。 比較例1のシーラント層を示す空気入りタイヤの部分断面図である。 比較例2のシーラント層を示す空気入りタイヤの部分断面図である。
以下、本開示の実施形態が図面に基づき説明される。図面は、本開示の理解を助けるために、誇張表現や、実際の構造の寸法比とは異なる表現が含まれていることが理解されなければならない。また、各実施形態を通して、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略される。さらに、実施形態及び図面に表された具体的な構成は、本開示の内容理解のためのものであって、本開示は、図示されている具体的な構成に限定されるものではない。
[タイヤの全体構造]
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ1の断面図である。この断面図では、空気入りタイヤ1は、正規状態とされている。空気入りタイヤ1の正規状態とは、空気入りタイヤ1の姿勢を一義的に定めるための状態であって、空気入りタイヤ1が、正規内圧で正規リムRに装着された無負荷の状態である。以下、本明細書において特に言及されていない場合、空気入りタイヤ1の各部の寸法等は、この正規状態において測定された値として理解される。
本明細書において、「正規リム」とは、空気入りタイヤ1の性能を有効に発揮させるのに適したリム幅を有するリムをいう。具体的には、「正規リム」は、JATMAであれば「標準リム」、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"のように、空気入りタイヤ1が基づいている規格ごとにそれぞれ特定され得る。
本明細書において、「正規内圧」とは、空気入りタイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"とされる。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、例えば、ラジアル構造のチューブレスタイヤである。空気入りタイヤ1は、例えば、トレッド部2と、一対のサイドウォール部3と、一対のビード部4とを有するトロイド状に構成されている。一対のビード部4には、それぞれ非伸張性のビードコア5が埋設されている。
空気入りタイヤ1は、例えば、ビードコア5、5間を跨るように延びるカーカス6と、カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7と、ベルト層7の外側に配されたトレッドゴム8とを備える。これらの要素は、適宜、慣例にしたがって実施され得る。また、必要に応じて、ベルト層7とトレッドゴム8との間に、タイヤ周方向に延びる補強コードを備えたバンド層などが配置されても良い(図示省略)。
カーカス6のタイヤ内腔iの側には、そのほぼ全域に、インナーライナ層9が配されている。インナーライナ層9は、空気非透過性を有するブチルゴム等のゴムからなり、タイヤ内腔iの空気が外部に透過するのを防ぐ。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2のタイヤ内腔iの側に自己封止型のシーラント層10と、このシーラント層10に固着されたスポンジ状の吸音材12とを備えている。
[吸音材]
吸音材12は、シーラント層10のタイヤ半径方向の内側に固着されており、タイヤ内腔iに露出している。本実施形態において、吸音材12のタイヤ半径方向の外側面12aは、シーラント層10と直接接触することで、シーラント層10が有する粘着性によってシーラント層10に保持されている。
本実施形態の吸音材12は、ゴムや合成樹脂を発泡させた柔らかいスポンジで形成されている。スポンジの表面の多孔質部は、タイヤ内腔iでの空気の振動エネルギーを熱エネルギーに変換する。したがって、吸音材12は、タイヤ走行時の共鳴ノイズ等を小さくすることができる。
本実施形態の吸音材12は、独立気泡構造を有するスポンジで形成される。独立気泡構造の吸音材12は、複数の気泡が互いに非連通状態で独立して存在する。このような吸音材12は、シーラント層10を構成しているシーラント剤が内部に浸透しないことから、シーラント層10の性能を低下させることがない。また、独立気泡構造の吸音材12は、釘との接触でその一部が破砕し、その破片が単独又はシーラント剤とともに貫通孔に進入することにより、貫通穴をシールする追加の効果が期待できる。したがって、本実施形態の吸音材12は、エアシール性能を補助するのに役立つ。
本実施形態の吸音材12は、例えば、断面矩形状の帯状のスポンジをタイヤ周方向に沿ってほぼ環状に配置することにより構成されている。好ましい態様では、吸音材12のタイヤ周方向の両端部は突き合わされるか、又は、微小距離で離隔している。他の態様では、複数の吸音材12が、タイヤ周方向に間欠的に設けられても良い。
吸音材12の位置、形状、大きさ等は、特に限定されるものではなく、タイヤ走行時のノイズを低減できるようにその形状ないし大きさが適宜決定されれば良い。図1の吸音材12は、トレッド部2のタイヤ軸方向のほぼ中央位置に配されている。また、図1に示されるタイヤ断面において、吸音材12の断面積は、空気入りタイヤ1と正規リムRとで囲まれるタイヤ内腔iの面積の5%~35%程度が好ましい。
吸音材12の材質は、特に限定されるものではないが、例えば、耐候性に優れたポリウレタンスポンジなどが好適であり、とりわけ、エーテル/エステル系混合のポリウレタンスポンジが望ましい。
吸音材12の密度は、特に限定されるものではないが、より優れたロードノイズ吸収効果を発揮させるために、例えば、60kg/m以下、さらには55kg/m以下、さらには50kg/m以下が好ましい。また吸音材12の密度の下限は、耐久性などの観点より、例えば、10kg/m以上、さらには15kg/m以上、さらには20kg/m以上が好ましい。
吸音材12の硬さは、特に限定されるものではない。ただし、吸音材12の硬さが小さくなると、釘等の異物との接触時、異物が吸音材12に突き刺さりやすくなる。このような観点より、吸音材12の硬さは、例えば、20(N/314cm)以上が望ましい。他方、吸音材12の硬さが過度に大きくなると、ノイズ低減効果が相対的に低下するおそれがある。このような観点より、吸音材12の硬さは、例えば120(N/314cm)以下が望ましい。本明細書において、吸音材12の硬さは、JIS K6400-2(2012)の硬さ試験のD法に基づいて測定された硬さとして定義される。
吸音材12の伸びは、特に限定されるものではない。ただし、吸音材12の伸びが大きいと、異物との接触時、弾性変形が促進されやすく、ひいては、異物の突き刺さりがより一層抑制される。このような観点では、吸音材12の伸びは、例えば、100%以上、より好ましくは150%以上が望ましい。一方、吸音材12の伸びは、例えば、材料入手容易性などの観点では、例えば600%以下、好ましくは500%以下とされるのが望ましい。本明細書において、吸音材12の伸びは、JIS K6400-5(2012)に準拠し、試験片が破断したときの伸びとして定義される。
吸音材12の引張強度は、特に限定されないが、釘踏み時の破損等を抑制する観点では、例えば、40kPa以上であるのが好ましい。また、吸音材12のコスト、生産性、市場での入手容易性などから、その吸音材12の引張強度は、例えば、160kPa以下が望ましい。
[シーラント層]
シーラント層10は、トレッド部2のタイヤ内腔iの側、すなわち、インナーライナ層9のさらにタイヤ内側に配されている。本実施形態のシーラント層10は、慣例に従い、所定の粘着性、粘度及び流動性を有するシーラント剤からなる。シーラント層10は、例えば、シーラント剤がトレッド部2のタイヤ内腔iの側に塗布されることにより形成される。
釘がトレッド部2を貫通した場合、シーラント剤は、タイヤ内腔i内に飛び出した釘を覆うようにその周囲に付着することでタイヤ内腔iの空気の漏洩を防止する。また、釘がトレッド部2から抜けてトレッド部2には貫通孔が形成された場合、シーラント剤は、タイヤ内圧や釘の移動に伴って貫通孔内へと進入する。本実施形態の自己封止型のシーラント層10は、本質的に、このような2つの機能を備える。
シーラント層10は、例えば、釘踏み等が生じやすい領域に形成されるのが望ましい。このような観点から、シーラント層10は、トレッド部2の接地領域に対応する範囲に亘って形成されているのが好ましい。他の形態では、シーラント層10は、トレッド部2の接地領域の範囲を超えるように配されても良い。
なお、本明細書において、「トレッド部の接地領域」は、空気入りタイヤ1の標準的な走行状態での接地領域であり、例えば、正規状態の空気入りタイヤ1に正規荷重を負荷し、キャンバ角0°で平面に押し付けたときの接触領域とされる。ここで、正規荷重は、空気入りタイヤ1が基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
シーラント剤は、典型的には、ゴム成分と、液状ポリマーと、架橋剤等とを含んで構成される。
シーラント剤のゴム成分としては、例えば、ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴム等のブチル系ゴムが採用される。また、前記ゴム成分として、ブチル系ゴムと、ジエン系ゴムとがブレンドされて用いられても良い。この場合、シーラント剤の流動性を確保するために、ゴム成分100重量部中のブチル系ゴムの含有量は、90重量部以上が望ましい。
シーラント剤の液状ポリマーとしては、例えば、液状ポリブテン、液状ポリイソブテン、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状ポリα-オレフィン、液状イソブチレン、液状エチレンα-オレフィン共重合体、液状エチレンプロピレン共重合体、液状エチレンブチレン共重合体等が挙げられる。なかでも、シーラント剤の粘着性という観点から、液状ポリブテンが特に望ましい。
シーラント剤の液状ポリマーの含有量は、シーラント剤の粘着性を考慮して適宜決定されればよいが、ゴム成分100重量部に対して、好ましくは50重量部以上、より好ましくは100重量部以上が望ましい。また、シーラント剤の流動性等を考慮すると、液状ポリマーの含有量は、ゴム成分100重量部に対して、好ましくは400重量部以下、より好ましくは300重量部以下が望ましい。
シーラント剤の架橋剤としては、慣例にしたがった化合物を使用できるが、例えば、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物架橋系において、ブチル系ゴムや液状ポリマーを用いることで、粘着性、シール性、流動性、加工性等が改善される。有機過酸化物としては、例えば、アシルパーオキサイド類が好ましく、ジベンゾイルパーオキサイドが特に好ましい。
前記有機過酸化物(架橋剤)の含有量は、ゴム成分100重量部に対して、0.5重量部以上、さらには1.0重量部以上が好ましい。0.5重量部未満では、架橋密度が低くなり、シーラント剤の流動が生じるおそれがある。該含有量の上限は、40重量部以下、さらには20重量部以下が好ましい。40重量部を超えると、架橋密度が高くなり、シール性が低下するおそれがある。
[シーラント層厚さ]
図2は、タイヤ内腔iの部分正面図を示す。図1及び図2に示されるように、タイヤ内腔iの正面視において、シーラント層10は、表面が吸音材12で覆われた第1領域101と、表面が吸音材12で覆われていない第2領域102とを含む。本実施形態では、第2領域102は、第1領域101のタイヤ軸方向の両側に形成されている。
本実施形態のシーラント層10は、第1タイヤ断面(図1)において、第1領域101の少なくとも一部の領域のシーラント層厚さは、第2領域102のシーラント層厚さよりも小さく形成されている。ここで、第1タイヤ断面は、タイヤ周方向の任意の一断面を意味し、これは、例えば、CTスキャンによって撮像され得る。
[本実施形態の作用]
第1領域101が相対的に小さいシーラント層厚さを含むことにより、シーラント層10が軽量化され、ひいてはタイヤ重量の増加が抑制される。ここで、シーラント層厚さが小さい部分は、一般的には、エアシール性能が低下する傾向がある。しかし、シーラント層厚さが小さい部分の表面は、吸音材12で覆われることで、そこでのエアシール性能が維持される。例えば、釘との接触で破砕した吸音材12の破片の一部は、貫通孔に進入してエアシール性能を補うことができる。
上述のシーラント層厚さの規定は、タイヤ周方向の任意の第1タイヤ断面において満たされれば良いが、好ましくはタイヤ周方向に複数箇所で満たされているのが望ましい。これによって、上記作用がタイヤ周方向の複数位置で得られる。より好ましい態様では、上述のシーラント層厚さの規定は、吸音材12が配されているタイヤ周方向の50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは全範囲で満たされているのが望ましい。これによって、上記作用がさらに確実に発揮され得る。
別の観点では、第1タイヤ断面において、第1領域101の平均シーラント層厚さは、第2領域102の平均シーラント層厚さよりも小さくされても良い。このような態様においても、上述の作用が発揮され得る。本明細書において、平均シーラント層厚さは、第1タイヤ断面において、シーラント層10の対象領域について、その断面積をタイヤ軸方向の長さで除した値として算出される。
上述の作用をより確実に発現させるために、シーラント層10の第1領域101は、例えば、シーラント層厚さt1が0.5~4.0mmである薄肉部10aを含むことが望ましい。特に好ましい態様では、第1領域101のタイヤ軸方向の60%以上が薄肉部10aで形成されていることが望ましい。さらに好ましい態様では、第1領域101のタイヤ軸方向の全範囲が薄肉部10aで形成されているのが望ましい。これらにより、上記作用がさらに確実に発現する。より好ましい態様では、薄肉部10aのシーラント層厚さt1は、3.0mm以下とされ、さらには2.0mm以下とされる。
シーラント層10の第2領域102は、表面が吸音材12で覆われていないため、吸音材12によるエアシール性能の補強効果が得られない。したがって、第2領域102は、シーラント層厚さt2が薄肉部10aよりも大きい厚肉部10bを含むことが望ましい。厚肉部10bのシーラント層厚さt2は、タイヤ重量の増加や生産コストの上昇等を抑制する観点では、例えば、2.0~6.0mm、より好ましくは2.0~5.0mmの範囲で適宜設定される。
図1に示されるように、本実施形態では、シーラント層10の第2領域102は、第1領域101に向かってシーラント層厚さが小さくなっている漸減部102aを含む。好ましい態様では、漸減部102aは、第1領域101の端部(すなわち、吸音材12側)に接続される。このような漸減部102aは、シーラント層10のタイヤ軸方向の重量分布を平滑化し、ひいては、タイヤ走行時の望ましくない振動等を抑制するのに役立つ。
本実施形態の第2領域102は、漸減部102aと、シーラント層厚さが実質的に一定な定厚部102bとを含む。本実施形態の漸減部102aは、第2領域102の定厚部102bのシーラント層厚さ(厚肉部の厚さ)t2から第1領域101の薄肉部10aのシーラント層厚さt1まで連続的に厚さが減少している。漸減部102aのタイヤ軸方向の長さは、例えば、左右それぞれの第2領域102において、第2領域102のタイヤ軸方向の幅の3~15%程度とされても良い。また、上述の振動抑制効果の観点では、漸減部102aのテーパ角度は30~80°が望ましい。
本実施形態では、図2に示されるように、タイヤ内腔iの正面視において、シーラント層10の中で厚肉部10bが占める面積A(すなわち、厚肉部10bのタイヤ軸方向の長さ×タイヤ周方向の長さ)は、第2領域102の全面積Bの80%以上、より好ましくは92%以上とされる。これにより、シーラント層10の第2領域102でのエアシール性能が向上する。
厚肉部10bの前記面積Aは、第2領域102の全面積Bの100%を超えても良い。図3は、このようなシーラント層10の例を示す。図3に示されるように、シーラント層10の第1領域101は、薄肉部10aと厚肉部10bとを含んで構成される。このような実施形態は、薄肉部10aの割合が減少することから、より優れたエアシール性能を提供することができる。一方、厚肉部10bの面積Aが第2領域102の全面積Bに対して過度に大きくなると、シーラント層10の重量が増加して、タイヤ重量が過度に増加するおそれがある。したがって、シーラント層10の軽量化を図りながら第1領域101でのエアシール性能を十分に確保するために、厚肉部10bが占める面積Aは、第2領域102の全面積Bの140%以下が望ましい。
第1領域101に厚肉部10bを含ませる場合、厚肉部10bは、図3に示したように、第1領域101のタイヤ軸方向の端部分に形成され、かつ、薄肉部10aが第1領域101の中央部分に形成されるのが特に望ましい。これにより、本実施形態では、第1領域101のシーラント層10の重量バランスが、タイヤ赤道を中心として実質的に均衡している。このような実施形態では、シーラント層10に起因するタイヤ走行時の望ましくない振動の発生等が抑制される。
以上、本開示の実施形態が詳細に説明されたが、本開示は、上記の具体的な開示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、種々変更して実施することができる。
次に、本開示のより具体的な、かつ、非限定的な実施例が説明される。
図1のタイヤ基本構造を有するシーラント層と吸音材とを有する空気入りタイヤが、表1及び2の仕様に基づいて複数種類試作された。シーラント層の具体的な構成は、図3ないし7にも示されている。各タイヤの共通仕様は、次の通りである。
タイヤサイズ:215/55R17
タイヤのリム装着時のタイヤ内腔の断面積Sa:194cm
初期内圧: 220kPa
吸音材:独立気泡構造のポリウレタンスポンジ
吸音材の断面形状:幅60mm×厚さ50mmの矩形
吸音材の断面積/タイヤ内腔の断面積Sa:15%
シーラント層のタイヤ軸方向の幅:178mm
第1領域のタイヤ軸方向の幅:60mm
第2領域のタイヤ軸方向の幅:左右それぞれ59mm
また、シーラント剤の配合は、以下のとおりであり(単位:重量部)、比重は0.93であった。
ブチルゴム:100
ポリブテン:200
カーボンブラック:15
オイル:15
架橋剤:7
架橋助剤:7
次に、各タイヤについて、シーラント層の重量と、エアシール性能とが評価された。エアシール性能については、まず、各テストタイヤがリムに装着され、初期内圧に調整された。次に、トレッド部に、釘40本が打ち込まれた。釘は、シーラント層の第1領域に20本、左側の第2領域に10本、右側の第2領域に10本それぞれ貫通するように打ち込まれた。釘のサイズは長さ45mm、外径5mmであった。次に、釘の打ち込みから10分経過後、全ての釘がトレッド部から抜き取られた。次に、各タイヤに再度高圧空気が供給され、24時間放置した後、第1領域及び第2領域それぞれについて、釘穴がシーラント層によってシールされている箇所の数が測定された。表1及び2において、数値が大きいほど良好なエアシール性能を備えていることを示す。
Figure 2023097900000002
Figure 2023097900000003
テストの結果、実施例の空気入りタイヤは、比較例2に比べて、シーラント層を軽量化しながら、良好なエアシール性能を発揮していることが確認できた。
[付記]
本開示は以下の態様を含む。
[本開示1]
トレッド部を有する空気入りタイヤであって、
前記トレッド部のタイヤ内腔側に配された自己封止型のシーラント層と、
前記シーラント層に固着されたスポンジ状の吸音材とを含み、
前記シーラント層は、タイヤ内腔の正面視において、表面が前記吸音材で覆われた第1領域と、表面が前記吸音材で覆われていない第2領域とを含み、
第1タイヤ断面において、前記第1領域の少なくとも一部の領域のシーラント層厚さは、前記第2領域のシーラント層厚さより小さい、
空気入りタイヤ。
[本開示2]
前記第1領域は、シーラント層厚さt1が0.5~4.0mmである薄肉部を含む、本開示1に記載の空気入りタイヤ。
[本開示3]
前記第2領域は、シーラント層厚さt2が前記薄肉部よりも大きい厚肉部を含む、本開示2に記載の空気入りタイヤ。
[本開示4]
前記第1領域のタイヤ軸方向の60%以上が前記薄肉部で形成されている、本開示2又は3に記載の空気入りタイヤ。
[本開示5]
前記第1領域のタイヤ軸方向の全範囲が前記薄肉部で形成されている、本開示2又は3に記載の空気入りタイヤ。
[本開示6]
前記第1領域のタイヤ軸方向の中央部が前記薄肉部で形成されており、
前記第1領域のタイヤ軸方向の両端部が前記厚肉部で形成されている、本開示3に記載の空気入りタイヤ。
[本開示7]
タイヤ内腔の正面視において、前記シーラント層の中で前記厚肉部が占める面積Aは、前記第2領域の全面積Bの80%以上である、本開示3に記載の空気入りタイヤ。
[本開示8]
前記厚肉部の前記面積Aは、前記第2領域の全面積Bの140%以下である、本開示7に記載の空気入りタイヤ。
[本開示9]
前記第2領域は、前記第1領域に向かってシーラント層厚さが小さくなっている漸減部を含む、本開示1ないし8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[本開示10]
前記吸音材の密度が5~60kg/mである、本開示1ないし9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[本開示11]
前記吸音材の伸びが100%~600%である、本開示1ないし10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[本開示12]
前記吸音材の硬さが20~120(N/314cm)である本開示1ないし11のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[本開示13]
前記吸音材は、エーテル/エステル系混合のポリウレタンスポンジである、本開示1ないし12のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[本開示14]
前記吸音材は、独立気泡構造を有する、本開示1ないし13のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
[本開示15]
トレッド部を有する空気入りタイヤであって、
前記トレッド部のタイヤ内腔側に配された自己封止型のシーラント層と、
前記シーラント層に固着されたスポンジ状の吸音材とを含み、
前記シーラント層は、タイヤ内腔の正面視において、表面が前記吸音材で覆われた第1領域と、表面が前記吸音材で覆われていない第2領域とを含み、
第1タイヤ断面において、前記第1領域の平均シーラント層厚さは、前記第2領域の平均シーラント層厚さよりも小さい、
空気入りタイヤ。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
10 シーラント層
10a 薄肉部
10b 厚肉部
12 吸音材
101 シーラント層の第1領域
102 シーラント層の第2領域
102a 第1領域の漸減部
i タイヤ内腔

Claims (15)

  1. トレッド部を有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部のタイヤ内腔側に配された自己封止型のシーラント層と、
    前記シーラント層に固着されたスポンジ状の吸音材とを含み、
    前記シーラント層は、タイヤ内腔の正面視において、表面が前記吸音材で覆われた第1領域と、表面が前記吸音材で覆われていない第2領域とを含み、
    第1タイヤ断面において、前記第1領域の少なくとも一部の領域のシーラント層厚さは、前記第2領域のシーラント層厚さより小さい、
    空気入りタイヤ。
  2. 前記第1領域は、シーラント層厚さt1が0.5~4.0mmである薄肉部を含む、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第2領域は、シーラント層厚さt2が前記薄肉部よりも大きい厚肉部を含む、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1領域のタイヤ軸方向の60%以上が前記薄肉部で形成されている、請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第1領域のタイヤ軸方向の全範囲が前記薄肉部で形成されている、請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第1領域のタイヤ軸方向の中央部が前記薄肉部で形成されており、
    前記第1領域のタイヤ軸方向の両端部が前記厚肉部で形成されている、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  7. タイヤ内腔の正面視において、前記シーラント層の中で前記厚肉部が占める面積Aは、前記第2領域の全面積Bの80%以上である、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記厚肉部の前記面積Aは、前記第2領域の全面積Bの140%以下である、請求項7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記第2領域は、前記第1領域に向かってシーラント層厚さが小さくなっている漸減部を含む、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記吸音材の密度が5~60kg/mである、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記吸音材の伸びが100%~600%である、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記吸音材の硬さが20~120(N/314cm)である請求項1ないし11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記吸音材は、エーテル/エステル系混合のポリウレタンスポンジである、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記吸音材は、独立気泡構造を有する、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  15. トレッド部を有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部のタイヤ内腔側に配された自己封止型のシーラント層と、
    前記シーラント層に固着されたスポンジ状の吸音材とを含み、
    前記シーラント層は、タイヤ内腔の正面視において、表面が前記吸音材で覆われた第1領域と、表面が前記吸音材で覆われていない第2領域とを含み、
    第1タイヤ断面において、前記第1領域の平均シーラント層厚さは、前記第2領域の平均シーラント層厚さよりも小さい、
    空気入りタイヤ。
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