JP2023096267A - 顕微鏡システム、投影ユニット、及び、選別支援方法 - Google Patents

顕微鏡システム、投影ユニット、及び、選別支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料内の対象の選別作業を支援する。【解決手段】顕微鏡システム1は、選別対象を含む試料の光学像を形成する顕微鏡100と、試料のデジタル画像を取得するイメージング装置143と、デジタル画像に対する物体検出に基づいて対象画像を生成する処理装置200と、対象画像を、光学像が形成される像面に、光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示する投影装置153と、を備える。【選択図】図1

Description

本明細書の開示は、顕微鏡システム、投影ユニット、及び、選別支援方法に関する。
晩婚化・晩産化が進む現在、不妊治療を受ける患者の数は年々増加しており、生殖補助医療(ART:Assisted Reproductive Technology)の需要もますます高まっている。
ARTは、体外受精(IVF:In vitro fertilization)や顕微授精など、ヒトから取り出した卵子と***を体外で受精させる技術の総称であり、採取した***を子宮に注入し体内で卵子と受精させる一般的な人工授精とは区別される。
ARTに関連する技術は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1には、ARTの一種である顕微授精において用いられる卵細胞質内***注入法(ICSI:Intracytoplasmic sperm injection)に好適な顕微鏡が記載されている。なお、ICSIは、ホールディングピペットで固定した卵子に***が納められたインジェクションピペットを突き刺すことで卵子内に***を直接注入する方法である。
国際公開第2012/150689号
ところで、ICSIの成功率を高めるためには、***を選別して受精に適した***を卵子に注入することが重要である。しかしながら、選別作業により得られる***が良質か否かは、作業者である胚培養士の経験によるところが大きく、胚培養士間で受精率に格差が生じやすい。
なお、以上では***の選別作業を例に説明したが、上記の課題は、***の選別作業に限らずに、任意の対象の選別作業において生じ得る。
以上のような実情から、本発明の一側面に係る目的は、試料内の対象の選別作業を支援する技術を提供することである。
本発明の一態様に係る顕微鏡システムは、選別対象を含む試料の光学像を形成する顕微鏡と、前記試料のデジタル画像を取得するイメージング装置と、前記デジタル画像に対する物体検出に基づいて前記選別対象の画像である対象画像を生成する処理装置と、前記対象画像を、前記光学像が形成される像面に、前記光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示する光学装置と、を備える。
本発明の一態様に係る投影ユニットは、顕微鏡に装着される投影ユニットであって、試料のデジタル画像を取得するイメージング部と、前記デジタル画像に対する物体検出に基づいて前記試料に含まれる選別対象の画像である対象画像を生成する処理部と、前記対象画像を、前記顕微鏡が形成する前記試料の光学像が形成される像面に、前記光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示する投影部と、を備える。
本発明の一態様に係る選別支援方法は、選別対象を含む試料の光学像を形成し、前記試料のデジタル画像を取得し、前記デジタル画像に対する物体検出に基づいて前記選別対象の画像である対象画像を生成し、前記対象画像を、前記光学像が形成される像面に、前記光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示する。
上記の態様によれば、選別作業における試料の良否判断を支援することができる。
顕微鏡システム1の構成を例示した図である。 顕微鏡100の構成を例示した図である。 入力装置50の操作部の構成を例示した図である。 処理装置200のハードウェア構成を例示した図である。 胚培養士によるICSIの手順の一例を示すフローチャートである。 シャーレ310内に試料300として形成されるドロップの構成を例示した図である。 胚培養士による***選別手順の一例を示すフローチャートである。 選別支援処理の一例を示すフローチャートである。 対象画像生成処理の一例を示すフローチャートである。 画像表示処理の一例を示すフローチャートである。 顕微鏡100で生成される光学像の一例を示した図である。 イメージング装置143で取得されるデジタル画像の一例を示した図である。 デジタル画像に対する物体検出結果の一例を示した図である。 対象画像の生成方法の一例を説明するための図である。 接眼レンズ101から見える画像の一例を示した図である。 対象画像の生成方法の別の例を説明するための図である。 接眼レンズ101から見える画像の別の例を示した図である。 選別支援処理の別の例を示すフローチャートである。 画像表示処理の別の例を示すフローチャートである。 補助画像の生成方法の一例を説明するための図である。 接眼レンズ101から見える画像の更に別の例を示した図である。 接眼レンズ101から見える画像の更に別の例を示した図である。 接眼レンズ101から見える画像の更に別の例を示した図である。 接眼レンズ101から見える画像の更に別の例を示した図である。 接眼レンズ101から見える画像の更に別の例を示した図である。 表示装置30への画像出力の一例を示した図である。 顕微鏡システム2の構成を例示した図である。
[第1の実施形態]
図1は、顕微鏡システム1の構成を例示した図である。図2は、顕微鏡100の構成を例示した図である。図3は、入力装置50の操作部の構成を例示した図である。図4は、処理装置200の構成を例示した図である。
顕微鏡システム1は、接眼レンズ101を覗いて試料を観察するためのシステムである。具体的には、顕微鏡システム1は、顕微授精、特に、***選別に用いられる、透過照明系120を備えた倒立型の顕微鏡システムである。顕微鏡システム1は、例えば、胚培養士によって利用される。観察対象である試料は、***選別作業時であれば、シャーレなどに収容された***を含む***懸濁液などである。
顕微鏡システム1は、少なくとも、顕微鏡100と、イメージング装置143と、投影装置153と、処理装置200と、を備えている。顕微鏡100は、選別対象である***を含む試料の光学像を形成する。イメージング装置143は、試料のデジタル画像を取得する。処理装置200は、デジタル画像に対する物体検出に基づいて選別対象の画像(以降、対象画像と記す。)を生成する。ここで、選別対象とは、利用者によって良否が判断される対象であり、良否判断の結果、選択又は非選択が決定される対象のことをいう。投影装置153は、対象画像を光学像が形成される像面に、光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示する光学装置の一例である。なお、本明細書において、“像(画像)を表示する”とは、像(画像)を視認可能に形成することをいい、別の言い方では、像(画像)を形成し視認可能な面(位置)に配置することをいう。
顕微鏡システム1は、顕微鏡100によって試料の光学像が形成されている像面に、投影装置153を用いて対象画像を光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示する。つまり、光学画像中の選別対象(***)が、例えば、像面において1mm×1mmの領域内に表示されている場合に、対象画像を1mm×1mmよりも大きなサイズで像面に表示する。これにより、接眼レンズ101を覗いて試料を観察している利用者は、光学像に含まれる選別対象の***を、接眼レンズ101から目を離すことなく、さらに大きなサイズの対象画像で詳細に観察することができる。このため、良好な***を短時間で精度よく特定して採取することが可能となる。従って、顕微鏡システム1によれば、胚培養士などの利用者の***選別作業を支援することができる。
以下、図1から図4を参照しながら、顕微鏡システム1の構成の具体例について詳細に説明する。顕微鏡システム1は、図1に示すように、上述した、顕微鏡100と、イメージング装置143と、投影装置153と、処理装置200に加えて、顕微鏡コントローラ10と、表示装置30と、複数の入力装置(入力装置40、入力装置50、入力装置60、入力装置70)と、識別装置80を備えている。また、顕微鏡システム1は、種々のデータが格納されているデータベースサーバ20に接続されている。なお、この例では、イメージング装置143と投影装置153は、顕微鏡100の顕微鏡本体110内に配置されている。
顕微鏡100は、接眼レンズ101を備えた倒立顕微鏡である。顕微鏡100は、図1に示すように、顕微鏡本体110と、顕微鏡本体110に取り付けられた、複数の対物レンズ102、ステージ111、透過照明系120、及び接眼鏡筒170を備えている。また、顕微鏡100は、後述するように、***や卵子などの無染色の試料を可視化するための変調素子を、照明光路と観察光路のそれぞれに備えている。胚培養士などの利用者は、顕微鏡100を用いて、明視野(BF)観察、偏光(PO)観察、微分干渉(DIC)観察、及び変調コントラスト(MC)観察の4つの顕微鏡法で、試料を観察することができる。なお、変調コントラスト観察は、レリーフコントラスト(RC)観察とも称される。
複数の対物レンズ102は、レボルバ112に装着されている。複数の対物レンズ102には、図2に示すように、BF観察用の対物レンズ102a、PO観察及びDIC観察用の対物レンズ102b、MC観察用の対物レンズ102cが含まれている。また、対物レンズ102cには、モジュレータ104が含まれている。モジュレータ104は、透過率の異なる3つ領域(例えば、透過率100%程度の領域、5%程度の領域、0%程度の領域)を含んでいる。
図2には、顕微鏡法に応じた3本の対物レンズが例示されているが、複数の対物レンズ102には、顕微鏡法毎に複数の倍率の異なる対物レンズが含まれてもよい。以降では、BF観察用の4倍対物レンズ、MC観察用の10倍、20倍、40倍対物レンズ、PO観察用の20倍対物レンズ、DIC観察用の60倍対物レンズが含まれている場合を例にして説明する。
レボルバ112は、複数の対物レンズ102の間で光路上に配置する対物レンズを切り替える切替装置である。レボルバ112は、顕微鏡法及び観察倍率に応じて光路上に配置する対物レンズを切り替える。レボルバ112によって光路上に配置された対物レンズは、試料を透過した透過光を接眼レンズ101へ導く。
ステージ111には、容器に入れられた試料が載置される。容器は、例えばシャーレであり、試料には、***や卵子などの生殖細胞が含まれている。ステージ111は、光路上に配置された対物レンズ102の光軸方向、及び、対物レンズ102の光軸と直交する方向に移動する。なお、ステージ111は、手動ステージであっても、電動ステージであってもよい。
透過照明系120は、ステージ111に載置された試料を、ステージ111の上方から照明する。透過照明系120は、図1及び図2に示すように、光源121と、ユニバーサルコンデンサ122を含んでいる。光源121は、例えば、LED(Light Emitting Diode)光源であってもよく、ハロゲンランプ光源などのランプ光源であってもよい。
ユニバーサルコンデンサ122には、図2に示すように、ポラライザ123(第1の偏光板)と、ターレット124に収容された複数の光学素子と、コンデンサレンズ128が含まれている。ポラライザ123は、MC観察、PO観察及びDIC観察で使用される。ターレット124には、顕微鏡法に応じて切り替えて使用される複数の光学素子が収容されている。DICプリズム125は、DIC観察で使用される。開口板126は、BF観察及びPO観察で使用される。光学素子127は、スリットが形成された遮光板であるスリット板127aと、スリットの一部を覆うように配置された偏光板127b(第2の偏光板)と、の組み合わせであり、MC観察で使用される。
接眼鏡筒170には、接眼レンズ101が含まれている。結像レンズ103は、接眼レンズ101と対物レンズ102の間に配置されている。結像レンズ103は、接眼レンズ101と結像レンズ103の間の像面IPに、透過光に基づいて試料の光学像を形成する。また、像面IPには、投影装置153からの光に基づいて後述する対象画像も形成される。これにより、像面IPに光学像と対象画像が表示される。顕微鏡システム1の利用者は、像面IPに形成されている光学像及び対象画像の虚像を、接眼レンズ101を用いて観察する。
顕微鏡本体110は、図1及び図2に示すように、レーザアシステッドハッチングユニット130と、イメージングユニット140と、投影ユニット150を含んでいる。また、顕微鏡本体110は、図2に示すように、中間変倍ユニット160を含んでいる。さらに、顕微鏡本体110は、DICプリズム105と、アナライザ106を、光路に対して挿脱可能に含んでいる。
レーザアシステッドハッチングユニット130は、図2に示すように、対物レンズ102と結像レンズ103の間に配置されたレーザユニットである。レーザアシステッドハッチングユニット130は、対物レンズ102と結像レンズ103の間からレーザ光を導入することによって、試料にレーザ光を照射する。より具体的には、レーザアシステッドハッチングユニット130は、例えば、受精卵から成長した胚を取り囲む透明帯に、レーザ光を照射する。レーザアシステッドハッチングユニット130は、スプリッタ131と、スキャナ133と、レンズ134と、レーザ135を含んでいる。スプリッタ131は、例えば、ダイクロイックミラーである。スキャナ133は、例えば、ガルバノスキャナであり、レーザ光の照射位置を対物レンズ102の光軸と直交する方向に調整する。レンズ134は、レーザ光を平行光束に変換する。これにより、レーザ光は、対物レンズ102によって試料上に集光する。
イメージングユニット140は、図2に示すように、スプリッタ141と、透過光に基づいて試料のデジタル画像を取得するイメージング装置143と、を含んでいる。イメージングユニット140は、結像レンズ103と接眼レンズ101の間に配置されている。スプリッタ141は、例えば、ハーフミラーである。結像レンズ103は、試料の光学像をイメージング装置143に含まれる撮像素子の受光面に形成する。イメージング装置143は、例えば、デジタル画像を取得するデジタルカメラであり、イメージング装置143に含まれる撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサなどである。撮像素子は、試料からの光を検出し、検出した光を光電変換によって電気信号へ変換する。イメージングユニット140は、イメージング装置143で取得したデジタル画像を処理装置200へ出力する。
投影ユニット150は、結像レンズ103と接眼レンズ101の間に配置されている。投影ユニット150は、図2に示すように、スプリッタ151と、レンズ152と、投影装置153を含んでいる。スプリッタ151は、例えば、ハーフミラーである。投影装置153は、処理装置200が生成した対象画像を投影する。より詳細には、レンズ152が結像レンズ103の像面、即ち、光学像が形成される像面IPに、投影装置153からの光を集光することによって、投影装置153が像面IPに対象画像を投影する。
中間変倍ユニット160は、対物レンズ102と結像レンズ103の間に配置されている。中間変倍ユニット160は、図2に示すように、複数のレンズ(レンズ161、レンズ162、レンズ163)を含み、これらの間で光路上に配置されるレンズを切り替えることで、像面に形成される光学像の倍率を変更する。中間変倍ユニット160を用いることで、試料の近くに位置する対物レンズ102を切り替えることなく光学像の倍率を変更することができる。
DICプリズム105とアナライザ106は、対物レンズ102と結像レンズ103の間に配置されている。DICプリズム105は、DIC観察で使用される。アナライザ106は、PO観察及びDIC観察で使用される。
顕微鏡100では、MC観察を行うときには、試料に照射される照明光を変調する変調素子(以降、第1の変調素子と記す。)として、照明光路上にポラライザ123と光学素子127が配置され、透過光を変調する変調素子(以降、第2の変調素子と記す。)として、観察光路上にモジュレータ104が配置される。また、PO観察を行うときには、第1の変調素子として、照明光路上にポラライザ123が配置され、第2の変調素子として、観察光路上にアナライザ106が配置される。また、DIC観察を行うときには、第1の変調素子として、照明光路上にポラライザ123とDICプリズム125が配置され、第2の変調素子として、観察光路上にアナライザ106とDICプリズム105が配置される。これにより、無染色の試料を可視化することが可能であり、例えば、***の選別などを行うことができる。
顕微鏡コントローラ10は、顕微鏡100を制御する装置である。顕微鏡コントローラ10は、処理装置200と入力装置50と顕微鏡100に接続されていて、処理装置200又は入力装置50からの命令に応じて顕微鏡100を制御する。
表示装置30は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ、LEDマトリクスパネルなどの表示装置である。
入力装置40は、ハンドル41とハンドル42を含んでいる。ハンドル41及びハンドル42を操作することで、ピペット43及びピペット44を動かす図示しないマイクロマニュピレータの動作を制御する。ピペット43及びピペット44は、***選別を含む顕微授精の作業において試料を操作するために用いられる。ピペット43は、例えば、ホールディングピペットであり、ピペット44は、例えば、インジェクションピペットである。
入力装置50は、顕微鏡100の顕微鏡法と観察倍率に関する設定を変更するためのハンドスイッチ装置である。入力装置50は、図3に示すように、例えば、6つのボタン(ボタン51~ボタン56)を有していて、利用者はこれらのボタンを押下するだけで、顕微鏡100の設定を素早く切り替えることができる。
利用者がボタン51を押下することで、顕微鏡100の設定は、観察倍率4倍のBF観察(以降、BF4×観察と記す。)の設定に切り替わる。利用者がボタン52を押下することで、顕微鏡100の設定は、観察倍率10倍のMC観察(以降、MC10×観察と記す。)の設定に切り替わる。利用者がボタン53を押下することで、顕微鏡100の設定は、観察倍率20倍のMC観察(以降、MC20×観察と記す。)の設定に切り替わる。利用者がボタン54を押下することで、顕微鏡100の設定は、観察倍率40倍のMC観察(以降、MC40×観察と記す。)の設定に切り替わる。利用者がボタン55を押下することで、顕微鏡100の設定は、観察倍率20倍のPO観察(以降、PO20×観察と記す。)の設定に切り替わる。利用者がボタン56を押下することで、顕微鏡100の設定は、観察倍率60倍のDIC観察(以降、DIC60×観察と記す。)の設定に切り替わる。
入力装置60は、キーボードである。入力装置70は、マウスである。入力装置60及び入力装置70は、それぞれ処理装置200に接続されている。なお、顕微鏡システム1には、タッチパネル、音声入力装置、フットペダルなどの図示しないその他の入力装置が含まれてもよい。
識別装置80は、試料に付された識別情報を取得する装置である。なお、試料に付されたとは、例えば、識別情報が試料を収容する容器に貼付等されている場合を含む。識別情報は、試料を識別する情報であり、より具体的には、例えば、試料を提供した患者を特定する情報である。識別装置80は、例えば、バーコードリーダ、RFID(登録商標)リーダ、QRコード(登録商標)リーダなどであってもよい。
処理装置200は、イメージング装置143で取得したデジタル画像に対する物体検出に基づいて対象画像を生成する。生成した対象画像は、顕微鏡100の投影装置153へ、直接または顕微鏡コントローラ10を経由して、出力される。なお、処理装置200は、図1に示すように、顕微鏡100、顕微鏡コントローラ10、表示装置30、入力装置60、入力装置70、及び、識別装置80に接続されている。また、処理装置200は、データベースサーバ20にも接続されている。
処理装置200は、対象画像の生成に関連する機能的構成要素として、画像解析部210と、画像生成部220と、記憶部230と、を備えている。
画像解析部210は、デジタル画像に対する物体検出と、物体検出で検出された***(以降、選別候補と記す。)の中から選別対象としての***(以降、単に選別対象と記す。)を決定する対象決定と、を含む画像解析を行う。画像解析部210が行う画像解析には、物体検出と対象決定に加えて、物体検出で検出された選別候補を評価する候補評価が含まれてもよい。なお、選別候補とは、選別対象の候補のことをいい、選別対象は、選別候補の中から決定される。
物体検出の方法は特に限定しない。画像解析部210は、例えば、記憶部230に記憶されている学習済みモデルを用いて物体検出を行い、***に分類された物体を選別候補として検出してもよい。学習済みモデルのアルゴリズムは、特に限定しないが、例えば、SSD、YOLO、FasterR-CNNなどの深層学習モデルが用いられてもよい。
対象決定の方法は特に限定しない。画像解析部210は、例えば、利用者が入力した情報に基づいて選別対象を決定してもよい。具体的には、画像解析部210は、ユーザが入力装置70などを用いて指定した***を選別対象として決定してもよい。また、画像解析部210は、例えば、物体検出で検出された選別候補の位置に基づいて選別対象を決定してもよい。具体的には、画像解析部210は、視野の中心に最も近い***を選別対象として決定してもよく、視野内の予め決められた位置に設けられた枠に入った***を選別対象として決定してもよい。また、画像解析部210は、例えば、候補評価に基づいて選別対象を決定してもよい。具体的には、画像解析部210は、候補評価で最も評価の高い***を選別対象として決定してもよい。また、画像解析部210は、上述した対象決定の方法を組み合わせてもよく、例えば、基準よりも評価の高い***の中から視野の中心に最も近い***を選別対象として決定してもよい。
候補評価の方法は特に限定しない。例えば、画像解析部210は、デジタル画像に基づいて追跡した選別候補の直線速度(Straight Line Velocity:VSL)、曲線速度(Curvilinear Velocity:VCL)、平均速度(Average Path Velocity:VAP)を算出してもよい。画像解析部210は、さらに、これらのパラメータを用いて算出された直進性(Linearity:LIN)、直線性(Straightness:STR)に基づいて選別候補を評価してもよい。即ち、画像解析部210は、選別候補の運動性(motility)について選別候補を評価してもよい。
画像解析部210は、デジタル画像に基づいて選別候補に含まれる空胞部位を検出し、さらに計数してもよい。
胚培養士は、詳細に観察するために有望な***をピペットなどの器具で拘束し、その***が顕微授精に適した***か否かを判断する。このため、画像解析部210は、デジタル画像に基づいて選別候補が拘束されているか否かを評価してもよく、選別候補の中から、選別候補が拘束されているか否かの評価に基づいて、選別対象を決定してもよい。なお、画像解析部210は、例えば、記憶部230に記憶されている学習済みモデルを用いた画像分類に基づいて、上述した評価(選別候補が拘束されているか否か)を算出してもよい。また、画像解析部210は、物体検出で検出されたピペットなどの器具と選別候補の位置関係などを用いて選別候補が拘束されているか否かの評価を算出してもよい。
画像生成部220は、デジタル画像に基づいて、画像解析部210で決定された選別対象の画像である対象画像を生成する。対象画像の生成方法は特に限定しない。画像生成部220は、例えば、デジタル画像から画像解析部210で決定された選別対象の領域を切り出すことで対象画像を生成してもよい。画像生成部220は、例えば、切り出した画像にさらに画像処理を施すことで対象画像を生成してもよい。また、画像生成部220は、例えば、デジタル画像に画像処理を施した画像から選別対象の領域を切り出すことで対象画像を生成してもよい。画像処理は、例えば、明るさを調整する処理、コントラストを強調する処理、ノイズを除去する処理などであってもよく、その他の任意の処理であってもよい。また、これらの処理は組み合わせて行われてもよい。
画像生成部220は、投影装置153が対象画像を像面に投影した場合に、像面に投影された対象画像が同じく像面に投影された光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示されるように、デジタル画像から切り出した画像をデジタルズームにより拡大又は縮小することで、生成する対象画像のサイズを調整してもよい。その他、デジタル画像を取得する際の対物レンズの変更、デジタル画像の像面への投影倍率の変更などによって対象画像のサイズを調整してもよく、その他の調整方法でもよく、これらの方法は組み合わせて行われてもよい。また、像面に配置される対象画像の総合倍率は、選別対象の大きさに応じて決定されてもよく、光学像の総合倍率に応じて決定されてもよい。ここで、対象画像の総合倍率とは、物体面における選別対象の大きさに対する総合倍率のことである。光学像の総合倍率とは、物体面における試料の大きさに対する総合倍率のことであり、最終的に利用者が観察する像の倍率のことである。いずれも、最終的に利用者が観察する像の倍率のことである。つまり、対象画像の総合倍率は、像面に形成される対象画像(実像)を接眼レンズを通して虚像として観察するときの倍率のことであり、実像を拡大した虚像の倍率である。また、光学像の総合倍率は、像面に形成される光学像(実像)を接眼レンズを通して虚像として観察するときの倍率のことであり、実像を拡大した虚像の倍率である。具体的には、画像解析部210で検出された選別対象の大きさに応じて画像生成部220が対象画像の総合倍率を変更してもよく、顕微鏡システム1の設定によって定まる光学像の総合倍率、つまり、虚像の倍率に応じて画像生成部220が対象画像の総合倍率を変更してもよい。
デジタル画像から切り出される選別対象の領域は、例えば、物体検出で検出された***全体を含む領域であるが、必ずしも***全体を切り出さなくてもよい。選別対象のうちのどの範囲を切り出すかは顕微鏡システム1の設定によって変更可能であってもよい。このため、画像生成部220は、顕微鏡システム1の設定に応じて、***の全体(頭部から尾部まで)の領域を切り出してもよく、***の頭部から頸部までの領域を切り出してもよく、頭部の領域のみを切り出してもよく、頸部の領域のみを切り出してもよく、尾部の領域のみを切り出してもよく、その他、***の指定された領域を切り出してもよい。顕微鏡システム1の設定は、例えば、利用者が選別のために選別対象のどの部分に注目して良否判断を行うかに応じて変更してもよい。
画像生成部220で生成された対象画像は、投影装置153へ出力される。これにより、投影装置153が対象画像を像面に投影し、対象画像が光学像中の選別対象よりも大きなサイズで像面に投影される。これにより、望ましくは、対象画像は光学像よりも高い総合倍率で像面に表示される。
記憶部230は、画像解析部210が行う画像解析で用いられる学習済みモデルを記憶する。具体的には、記憶部230には、選別候補である***を検出するために行われる物体検出用の学習済みモデルと選別候補である***を評価する候補評価用の学習済みモデルが記憶されている。画像解析部210は、記憶部230に記憶されている学習済みモデルを用いて物体検出と候補評価を行う。
なお、処理装置200は、汎用のコンピュータであっても、専用のコンピュータであってもよい。処理装置200は、特にこの構成に限定されるものではないが、例えば、図4に示すような物理構成を有してもよい。具体的には、処理装置200は、プロセッサ201と、記憶装置202と、入力インターフェース(I/F)203と、出力インターフェース(I/F)204と、通信装置205と、を備えてもよく、それらが互いにバス206によって接続されてもよい。
プロセッサ201は、ハードウェアを含んでもよく、ハードウェアは例えば、デジタル信号を処理するための回路およびアナログ信号を処理するための回路のうちの少なくとも1つを含んでもよい。プロセッサ201は、例えば、回路基板上に、1つまたは複数の回路デバイス(例えば、IC)または1つまたは複数の回路素子(例えば、抵抗器、コンデンサ)を含むことができる。プロセッサ201は、CPU(central processing unit)であってもよい。また、プロセッサ201には、GPU(Graphics processing unit)及びDSP(Digital Signal Processor)を含む様々なタイプのプロセッサが使用されてもよい。プロセッサ201は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)を有するハードウェア回路であってもよい。プロセッサ201は、アナログ信号を処理するための増幅回路、フィルタ回路などを含むことができる。プロセッサ201は、記憶装置202に記憶されているプログラムを実行することで、上述した画像解析部210及び画像生成部220として機能する。
記憶装置202は、メモリ及び/又はその他の記憶装置を含んでもよい。メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよい。メモリは、SRAM(Static Randam Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリであってもよい。記憶装置202は、例えば、レジスタ、ハードディスク装置のような磁気記憶装置、光学ディスク装置のような光学記憶装置、内部または外部ハードディスクドライブ、ソリッドステート記憶装置、CD-ROM、DVD、他の光学または磁気ディスク記憶装置、または、他の記憶装置であってもよい。記憶装置202は、プロセッサ201によって実行されるプログラム、学習済みモデル、その他のデータを記憶し、上述した記憶部230として機能する。なお、記憶装置202は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の一例である。
入力I/F203は、顕微鏡システム1の利用者(例えば、胚培養士)が操作する入力装置に接続され、入力装置に対する操作に応じた操作信号を受信し、プロセッサ201へ出力する。
出力I/F204は、表示装置30に接続される。出力I/F204は、さらに、図示しない、音声を出力するスピーカーなどの音声出力装置、光を出力するランプなどの発光装置、振動を出力するバイブレータなどの振動装置などに接続されてもよい。
通信装置205は、顕微鏡100やその他の装置とデータをやり取りする装置である。通信装置205は、有線でデータをやり取りする通信装置であってもよく、無線でデータをやり取りする通信装置であってもよい。記憶装置202に記憶されるプログラムや学習済みモデルは、通信装置205がインターネット経由で他の装置から取得したものであってもよい。
図5は、胚培養士によるICSIの手順の一例を示すフローチャートである。図6は、シャーレ310内に試料300として形成されるドロップの構成を例示した図である。図7は、胚培養士による***選別手順の一例を示すフローチャートである。図8は、選別支援処理の一例を示すフローチャートである。図9は、対象画像生成処理の一例を示すフローチャートである。図10は、画像表示処理の一例を示すフローチャートである。図11は、顕微鏡100で生成される光学像の一例を示した図である。図12は、イメージング装置143で取得されるデジタル画像の一例を示した図である。図13は、デジタル画像に対する物体検出結果の一例を示した図である。図14は、対象画像の生成方法の一例を説明するための図である。図15は、接眼レンズ101から見える画像の一例を示した図である。以下、図5から図15を参照しながら、顕微鏡システム1が行う***の選別支援方法の、ICSIにおける具体的な活用について説明する。
まず、利用者は、試料を準備する(ステップS1)。ここでは、利用者は、例えば、図6に示すように、シャーレ310内に複数のドロップを含む試料300を作成し、ステージ111上に配置する。
ドロップ301は、洗浄用のドロップであり、ピペットの洗浄に使用される。ドロップ302は、***浮遊ドロップであり、例えば、PVP溶液に***懸濁液を滴下したものである。ドロップ303は、卵子操作用ドロップであり、例えば、m-HTF溶液に卵子を入れたものである。なお、m-HTF溶液は、10%血清を添加したHepps含有HTF溶液である。これらのドロップは、ミネラルオイルで覆われている。
次に、利用者は、顕微鏡システム1をセットアップする(ステップS2)。ここでは、利用者は、例えば、入力装置50のボタン51を押下して、顕微鏡システム1の設定をBF4×観察に切り替える。その後、入力装置40を操作してピペット43及びピペット44の位置を調整し、ピペット43及びピペット44にピントを合わせる。さらに、ステージ111を動かして、ピペット43及びピペット44をドロップ301(洗浄用ドロップ)で洗浄する。
セットアップが完了すると、利用者は、ドロップ303(卵子操作用ドロップ)内の卵子(卵細胞)の状態を確認する(ステップS3)。ここでは、利用者は、例えば、入力装置50のボタン53を押下して、顕微鏡システム1の設定をMC20×観察に切り替える。MC20×観察で卵子の形態を観察して、卵子を選別する。さらに、例えば、入力装置50のボタン55を押下して、顕微鏡システム1の設定をPO20×観察に切り替えてもよい。PO20×観察で卵子の紡錘体を観察することで、卵子の成熟度を判定し、更に卵子を選別してもよい。
卵子の選別が終了すると、利用者は、図7に示す手順で***の選別を行う(ステップS4)。まず、利用者は、例えば、入力装置50のボタン53を押下して、顕微鏡システム1の設定をMC20×観察に切り替える。そして、ステージ111を動かしてドロップ302(***浮遊ドロップ)に観察位置を移動し、MC20×観察で***にピントを合わせる(ステップS11)。
次に、利用者は、MC20×観察で受精に適した***を選別する(ステップS12)。従来、この工程では、胚培養士が、光学像で観察される***の形態と運動性に基づいて***の質を判断し、その判断に基づいて***を選別していた。しかしながら、MC20×では、***の大きさに対して十分な視野が確保され、そのため、***の運動性を把握しやすいというメリットがある一方で、***の形態を正確に把握するには倍率が低すぎる。このため、ステップS12で選別した***をより高い倍率で観察する必要があり、選別作業に時間がかかることと、手戻りが生じることが問題となっていた。
このような課題を踏まえて、顕微鏡システム1は、ステップS12において、像面に対象画像を光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示する。光学像中の選別対象よりも大きなサイズで投影されることで、従来、この工程においては難しかった利用者による***の形態の判断を補助できる。これにより、後工程における異なる判断による手戻りを抑制することができ、例えばステップS14のMC40x観察へ切り替えが省略できる。さらに、光学像と対象画像が同じ像面に投影されることで、光学像で主に***の運動性を確認しながら、対象画像によって注目している***(選別対象の***)の形態を正確に把握することができる。従って、運動性と形態の両方を確認して***を選別することができるため、後工程における異なる判断による手戻りを抑制することができる。
具体的には、ステップS12において、顕微鏡システム1が図8に示す選別支援処理を行うことで、光学像とともに対象画像が像面に投影される。選別支援処理では、まず、顕微鏡システム1は、試料の光学像を像面に投影する(ステップS21)。ここでは、顕微鏡100が、像面に、例えば図11に示す光学像O1を形成する。なお、図11に示す領域143RはステップS22でイメージング装置143によって撮影される領域を示している。
顕微鏡システム1は、ステップS21と同時に、デジタル画像を取得する(ステップS22)。ここでは、イメージング装置143は、試料からの光に基づいて、例えば図12に示す試料のデジタル画像D1を取得し、取得したデジタル画像D1を処理装置200へ出力する。
その後、顕微鏡システム1は、デジタル画像に基づいて対象画像を生成する(ステップS23)。ここでは、処理装置200が図9に示す対象画像生成処理を行う。対象画像生成処理では、処理装置200は、まず、デジタル画像D1に対して物体検出を行う(ステップS31)。ここでは、画像解析部210が、例えば、デジタル画像D1を入力画像として学習済みモデルに入力することで物体検出を行い、図13に示すように、***を選別候補として検出する。なお、図13には、物体検出によって***の分類された物体(選別候補)の位置にボックスBが付された様子が示されている。
物体検出によって選別候補が検出されると、処理装置200は、選別候補を評価する(ステップS32)。ここでは、画像解析部210が選別候補の各々を評価する。具体的には、画像解析部210は、選別候補の運動性を評価してもよい。また、選別候補が拘束されているか否かを評価してもよい。以降、画像解析部210が、拘束されている選別候補を相対的に高く評価し、拘束されていない選別候補を相対的に低く評価した場合を例に説明する。
その後、処理装置200は、ステップS32で行われた評価に基づいて選別対象を決定する(ステップS33)。ここでは、画像解析部210が評価に基づいて選別候補の中から最も高く評価された選別候補を選別対象として決定する。具体的には、例えば、図13に示すピペット44で拘束された***を選別対象として決定する。
選別対象が決まると、処理装置200は、デジタル画像から選別対象の領域を切り出す(ステップS34)。ここでは、画像生成部220が、例えば、図14に示すように、デジタル画像D1から、選別対象の領域を切り出して、対象画像T1を生成する。対象画像T1のサイズは、ステップS34において、像面に投影したときに光学像中の選別対象よりも大きく表示されるように調整されてもよい。
ステップS23で対象画像が生成されると、顕微鏡システム1は、光学像中の選別対象よりも大きなサイズで対象画像を像面に表示する(ステップS24)。ここでは、処理装置200が図10に示す画像表示処理を行う。画像表示処理では、処理装置200は、まず、像面に表示される対象画像T1の総合倍率を決定し(ステップS41)、さらに対象画像T1のサイズを決定する(ステップS42)。ステップS41では、像面に形成される光学像の総合倍率が例えば200倍の場合、画像解析部210が、像面に投影される対象画像T1の総合倍率を、200倍を上回る倍率(例えば1000倍)に決定する。また、ステップS42では、像面に形成される光学像中の選別対象が1mm×1mmの領域に投影される場合、画像解析部210が、対象画像T1のサイズを1mm×1mm以上のサイズに決定する。
さらに、処理装置200は、像面に表示される対象画像T1の位置を決定する(ステップS43)。ここでは、処理装置200は、例えば、光学像に含まれる選別対象の***の領域と対象画像が重ならないように、対象画像の位置を光学像に含まれる選別対象の***の領域を避けて決定する。なお、対象画像の位置は、視野の中心を基準に上側、下側、右側、左側など、予め指定された位置に配置されてもよい。
最後に、処理装置200は、ステップS43で決定した位置に、ステップS41で決定した総合倍率でステップS42で決定したサイズの対象画像T1を表示する(ステップS44)。ここでは、処理装置200は、対象画像T1の各画素を、ステップS41で決定した総合倍率とステップS42で決定したサイズとステップS43で決定した位置とに基づいて投影装置153の画素に割り当てる。その結果、投影装置153が、対象画像T1を、像面の光学像中の選別対象と重ならない位置に、光学像中の選別対象よりも大きなサイズで投影する。これにより、利用者は、例えば図15に示すように、像面に表示された光学像O1と対象画像T1を同時に確認することができる。このため、***の形態と運動性の両方を確認して受精に適した***を高精度に選別することができる。また、ステップS12において、図8に示す選別支援処理が繰り返し行われることで、視野内を移動する選別対象の***を追跡することができるため、対象画像で選別対象の***をじっくりと観察することができる。
ステップS12で***が選別されると、利用者は、RC20×観察で***の尾部を傷つけて***を不動化する(ステップS13)。ここでは、利用者は、***の尾部をピペットでシャーレ310の底面に擦り付けることで、***を不動化する。
その後、利用者は、不動化した***の形態を更に詳細に観察し、***を更に選別してもよい(ステップS14)。ここでは、利用者は、例えば、入力装置50のボタン54を押下して、顕微鏡システム1の設定をMC40×観察に切り替える。その後、利用者は、MC40×観察でさらに***を選別してもよい。ここでも、顕微鏡システム1は、ステップS12と同様に、図8に示す選別支援処理を行い、対象画像を光学像中の選別対象よりも大きなサイズで像面に投影することで、胚培養士の***選別作業を支援してもよい。
***の選別が完了すると、その後、利用者は、選別された***をインジェクションピペットであるピペット44中に取り込んで、観察位置をドロップ303(卵子操作用ドロップ)へ移動し(ステップS15)、図7に示す***選別の一連の手順を終了する。
なお、顕微鏡システム1では、ステップS12およびステップS14において投影される対象画像により、従来確認できなかった***頭部の空胞の存在や大きさのような形態の判断を補助できる。
***選別が完了すると、利用者は、***の注入準備のために、紡錘体の位置を確認する(ステップS5)。ここでは、利用者は、ドロップ303内に存在するステップS3で選ばれた卵子を観察し、その卵子の紡錘体の位置を確認する。具体的には、利用者は、例えば、入力装置50のボタン55を押下して、顕微鏡システム1の設定をPO20×観察に切り替える。その後、利用者は、PO20×観察で可視化された卵子の紡錘体が12時又は6時の方向に位置するように、ホールディングピペットであるピペット43を操作することで紡錘体の向きを変える。これは、後述するステップS6において、3時又は9時の方向から卵子に突き立てられるピペットによって、紡錘体が傷つくことを避けるためである。
最後に、利用者は、***を卵子に注入し(ステップS6)、ICSIを終了する。ここでは、利用者は、例えば、入力装置50のボタン53を押下して、顕微鏡システム1の設定をMC20×観察に切り替える。その後、利用者は、MC20×観察で、ステップS5で向きを調整した卵子をホールディングピペットであるピペット43で固定し、インジェクションピペットであるピペット44を突き刺す。その後、ピペット44から卵子内部に良好***を注入する。
図5に示すICSIの一連の手順が終了すると、利用者は、***が注入された卵子をインキュベータに戻し、培養する。また、利用者は、入力装置60及び入力装置70を用いて処理装置200を操作して、ICSIで得られた情報をデータベースサーバ20に保存してもよい。例えば、***が注入された卵子の画像、選別された***の画像、ICSIの作業時間などに、***と卵子の患者情報(母体の臨床データ、***を含む***の検査結果など)、***と卵子の培養液のデータ(例えば、種類、濃度、PHなど)を関連付けて、データベースサーバ20に保存してもよい。
以上のように、顕微鏡システム1では、ICSIにおいて、選別対象の***の画像である対象画像が像面に光学像中の選別対象よりも対象画像が大きなサイズで投影される。***の大きさは60μm程度であり、良好***を見分けるためには最低でも20倍の対物レンズが用いられる。一般に倒立顕微鏡の視野数は22程度であるので、実視野はΦ1mm程度である。この実視野Φ1mmの領域内において、自由に動き回る60μm程度の大きさの***を選別する作業は、非常に困難な作業である。一般に、良好***と推定される***は運動性が高いこと、及び、ICSI作業は短時間で行われる必要があることから、***選別作業では、比較的速く移動する***の形態を素早く観察して良好/不良を判断しなければならない。このような厳しい制約が課された作業環境であっても、顕微鏡システム1によれば、光学像で主に***の運動性を確認しながら、光学像よりも高い総合倍率で像面に投影された対象画像により***の形態を同時に確認することが可能となる。これにより、***の運動性と形態の両方に基づいて良好な***を適切かつ短時間で選別することができるため、受精成功率の向上を実現することができる。従って、顕微鏡システム1によれば、試料内の***の選別作業を効果的に支援することができる。
[第2の実施形態]
図16は、対象画像の生成方法の別の例を説明するための図である。図17は、接眼レンズ101から見える画像の別の例を示した図である。以下、図16及び図17を参照しながら、本実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る顕微鏡システム(以降、単に顕微鏡システムとも記す。)の構成は、顕微鏡システム1と同様である。
本実施形態は、複数の対象画像が像面に表示される点が、第1の実施形態とは異なっている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。具体的には、図9に示す対象画像生成処理のステップS33において、処理装置200は、ステップS32で行われた評価に基づいて複数の選別対象を決定する。選別対象の数は、例えば2つなど、予め決定されていてもよい。また、選別対象の数は、ステップS32の評価に基づいて決定されてもよく、処理装置200は、例えば、ある基準を上回っていると評価された選別候補の全てを選別対象に決定してもよい。
これにより、ステップS34において、処理装置200は、例えば、図16に示すように、デジタル画像から複数の選別対象の領域を切り出して、複数の対象画像(対象画像T1、対象画像T2)を生成する。
本実施形態に係る顕微鏡システムによっても、対象画像が像面に光学像中の選別対象よりも大きなサイズで投影されるため、利用者による***の形態の判断を補助できることができる点、光学像と対象画像により***の運動性と形態の両方を同時に確認することができるため、***の運動性と形態の両方に基づいて良好な***を適切かつ短時間で選別することができる点は、第1の実施形態に係る顕微鏡システム1と同様である。また、本実施形態に係る顕微鏡システムでは、図17に示すように、光学像O1に含まれる複数の***を選別対象として決定して、複数の対象画像(対象画像T1、対象画像T2)が光学像とともに表示される。このため、利用者による良否判断の基準を上回る良好***が早期に発見される可能性が高まるため、顕微鏡システム1よりも効率良く***を選別することができる。
[第3の実施形態]
図18は、選別支援処理の別の例を示すフローチャートである。図19は、画像表示処理の別の例を示すフローチャートである。図20は、補助画像の生成方法の一例を説明するための図である。図21は、接眼レンズ101から見える画像の更に別の例を示した図である。以下、図18から図21を参照しながら、本実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る顕微鏡システム(以降、単に顕微鏡システムとも記す。)の構成は、顕微鏡システム1と同様である。
本実施形態は、図8に示す選別支援処理の代わりに、図18に示す選別支援処理が行われる点が、第1の実施形態とは異なっている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
図18に示す選別支援処理では、顕微鏡システムは、試料の光学像を像面に投影し(ステップS51)、デジタル画像を取得し(ステップS52)、対象画像を生成する(ステップS53)。なお、ステップS51からステップS53の処理は、図8のステップS21からステップS23の処理と同様である。
その後、顕微鏡システムは、対象画像に関する補助画像を生成する(ステップS54)。ここでは、処理装置200が補助画像を生成する。補助画像は、対象画像に関連する情報を利用者に提供する画像であり、典型的には、選別対象の評価など選別対象に関連する情報を利用者に提供する画像である。ただし、補助画像は、対象画像に関連する情報を提供する画像であればよく、選別対象に関連しない対象画像の総合倍率などの情報を利用者に提供する画像であってもよい。
ステップS54では、処理装置200は、例えば、図20に示すように、まず、対象画像T1に基づいて選別対象を評価することで評価結果ERを生成し、さらに、評価結果ERに基づいて補助画像A1を生成してもよい。なお、図20では、補助画像A1は、選別対象の運動性に関する評価情報E1と、選別対象中の空胞の位置又は領域を示すマーカーM1とを含み、さらに、空胞の数を示す情報を含んでいる。
また、補助画像A1は、選別対象のDNA完全性(integrity)に関する評価情報を含んでもよい。即ち、補助画像A1は、選別対象の質に関する評価情報を含んでもよく、評価結果ERは運動性に関する評価結果に限らず、選別対象の任意の質に関する評価結果であってもよい。
なお、図20では、対象画像T1に基づいて補助画像A1を生成する例を示したが、補助画像A1は、ステップS53で対象画像T1を生成する過程で得られた情報(例えば、候補評価の結果)に基づいて生成されてもよい。
対象画像と補助画像が生成されると、顕微鏡システムは、対象画像と補助画像を像面に表示する(ステップS55)。ここでは、処理装置200が図19に示す画像表示処理を行うことで、図21に示すように、像面に対象画像T1と補助画像A1が光学像O1と共に表示される。
画像表示処理では、処理装置200は、まず、像面に配置される対象画像T1の総合倍率を決定し(ステップS61)、次に、対象画像T1のサイズを決定し(ステップS62)、さらに、像面に表示される対象画像T1の位置を決定する(ステップS63)。なお、ステップS61からステップS63の処理は、図10のステップS41からステップS43の処理と同様である。
さらに、処理装置200は、像面に配置される補助画像A1の位置を決定する(ステップS64)。ステップS64では、処理装置200は、補助画像A1の位置を対象画像T1との関係で決定してもよい。処理装置200は、たとえば、例えば、補助画像A1中のマーカーM1が対象画像T1中の注目領域を重ねるように、補助画像A1と対象画像T1の位置関係を決定してもよい。即ち、処理装置200は、決定された位置関係で補助画像A1と対象画像T1を含む投影画像を生成する。
最後に、処理装置200は、ステップS63で決定した位置に、ステップS61で決定した総合倍率でステップS62で決定したサイズの対象画像T1を、また、ステップS64で決定した位置に補助画像A1を、表示する(ステップS65)。即ち、処理装置200は、ステップS64で生成された投影画像を像面に投影する。ここでは、処理装置200は、投影画像の各画素を投影装置153の画素に割り当てる。即ち、対象画像T1の各画素を、ステップS61で決定した総合倍率とステップS62で決定したサイズとステップS63で決定した位置とに基づいて投影装置153の画素に割り当て、さらに、補助画像A1の各画素を、ステップS64で決定した位置に基づいて投影装置153の画素に割り当てる。その結果、投影装置153が、対象画像T1を、像面の光学像O1中の選別対象と重ならない位置に光学像中の選別対象よりも大きなサイズで投影し、且つ、補助画像A1を像面の適切な位置に投影する。これにより、利用者は、図21に示すように、光学像O1と対象画像T1と補助画像A1を同時に確認することができる。
本実施形態に係る顕微鏡システムによっても、対象画像が像面に光学像中の選別対象よりも大きなサイズで投影されるため、利用者による***の形態の判断を補助できることができる点、光学像と対象画像により***の運動性と形態の両方を同時に確認することができるため、***の運動性と形態の両方に基づいて良好な***を適切かつ短時間で選別することができる点は、第1の実施形態に係る顕微鏡システム1と同様である。また、本実施形態に係る顕微鏡システムは、図21に示すように、対象画像に関連する情報を提供する補助画像を像面に投影することで、利用者が行う***の良否判断をさらに支援することができる。特に、選別対象の注目位置又は領域を示すマーカーを光学像中の選別対象よりも大きなサイズを有する対象画像に重ねることで、光学像に重ねた場合には小さすぎて見づらいという問題を回避しながら、利用者に注目すべき部分を知らせることができる。従って、本実施形態に係る顕微鏡システムによれば、受精に適した***を高い精度で選別することが可能となるため、胚培養士間で生じる受精率の格差を抑えることができる。
図22から図25は、接眼レンズ101から見える画像の更に別の例を示した図である。補助画像に含まれる情報は、上述したように、評価情報E1とマーカーM1に限らない。図22から図25に示すように、その他の情報が含まれてもよい。
図22に示す補助画像A2は、評価情報E1とマーカーM1に加えて、マーカーM2を含んでいる。マーカーM2は、光学像O1中の選別対象の位置又は領域を示すマーカーであり、例えば、物体検出で得られた情報に基づいて生成されてもよい。マーカーM2が補助画像に含まれることで対象画像T1が光学像O1上のどの***についての画像であるかを利用者は容易に認識することが可能となる。従って、光学像O1で選別対象の運動性を確認しながら対象画像T1で選別対象の形態を確認する作業を容易に行うことができる。
図23に示す補助画像A3は、評価情報E1とマーカーM1とマーカーM2に加えて、スケールSと倍率情報Mを含んでいる。対象画像T1の大きさを計測するスケールSや対象画像T1の総合倍率を示す倍率情報Mが含まれることで、選別対象である***の各部の絶対的な大きさを把握することができる。また、注目部位(例えば、空胞)が***に占める割合の把握も容易になる。このため、例えば***がWHOのガイドラインに示される要件を満たしているか否かの判断が容易になる。
図24に示す補助画像A4は、評価情報E1とマーカーM1とマーカーM2とスケールSと倍率情報Mに加えて、患者情報Pを含んでいる。患者情報Pが含まれることで、誰の***を選別しているかを利用者が常に把握することができる。なお、患者情報Pは、識別装置80で取得した識別情報を用いてデータベースサーバ20から取得される。
図25に示す補助画像A5は、マーカーM2に加えて、対象画像T1と比較する参考画像R1を含んでもよい。参考画像R1は、例えば、過去の顕微授精で受精に成功した良好***の画像である。補助画像A5に参考画像R1が含まれることで、利用者は、参考画像R1に含まれている***と対象画像T1に含まれている***(選別対象)を比較することが可能であり、比較結果を選別対象が良好***か否かの判断の参考にすることができる。
[第4の実施形態]
図26は、表示装置30への画像出力の一例を示した図である。以下、図26を参照しながら、本実施形態について説明する。なお、本実施形態に係る顕微鏡システム(以降、単に顕微鏡システムとも記す。)の構成は、顕微鏡システム1と同様である。
本実施形態は、像面に投影される対象画像と補助画像が表示装置30にも表示される点が、第1の実施形態とは異なっている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。なお、図26に示すように、表示装置30に表示される画像(対象画像T1と補助画像A6)は、必ずしも像面に投影される画像(対象画像T1と補助画像A4)と全く同じでなくてもよい。
本実施形態に係る顕微鏡システムによれば、複数名の胚培養士による共同作業が容易になる。具体的には、接眼レンズを覗いて***を選別している胚培養士に対して、表示装置30に表示された画像を見ながら他の胚培養士が助言することが可能となる。このため、経験の浅い胚培養士を経験豊富な胚培養士が指導するなどの用途に利用することができる。
また、表示装置30では、補助画像をより大きく表示することができる。つまり、より高い倍率で選別対象を拡大して表示することができる。従って、本実施形態に係る顕微鏡システムによれば、表示装置30を確認することで、選別対象の形態をさらに詳細に観察して、受精に適した***をより高い精度で選別することができる。
なお、接眼レンズ101を用いた観察では光学像O1上に重ねられた対象画像T1が見にくい場合であっても、表示装置30を用いた観察では、対象画像T1の背景を任意に調整することができるため、対象画像T1の視認性を確実に確保することができる。このため、光学像O1上の対象画像T1の視認性が悪い場合の予備的な手段として、表示装置30に表示される画像を使用してもよい。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態を変形した変形形態および上述した実施形態に代替する代替形態が包含され得る。つまり、各実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形することが可能である。また、1つ以上の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、新たな実施形態を実施することができる。また、各実施形態に示される構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよく、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加してもよい。さらに、各実施形態に示す処理手順は、矛盾しない限り順序を入れ替えて行われてもよい。即ち、本発明の顕微鏡システム、投影ユニット、及び、選別支援方法は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
上述した実施形態では、顕微鏡システム1を例示したが、顕微鏡システムの構成は、この例に限らない。例えば、図27に示す顕微鏡システム2が用いられてもよい。顕微鏡システム2は、顕微鏡100の代わりに顕微鏡400を備える点が、顕微鏡システム1とは異なっている。顕微鏡400は、顕微鏡本体410と鏡筒420の間に投影ユニット500を備えている。
投影ユニット500は、顕微鏡用の投影ユニットであり、図1に示す投影ユニット150に相当する投影部(スプリッタ151とレンズ152と投影装置153)と、図1に示すイメージングユニット140に相当するイメージング部(スプリッタ141とイメージング装置143)と、画像処理部510を含んでいる。画像処理部510は、図2に示す画像解析部210と画像生成部220と記憶部230として機能する。
投影ユニット500及び顕微鏡システム2によっても、顕微鏡システム1と同様の効果を得ることができる。また、投影ユニット500を用いることで既存の顕微鏡システムを拡張することで上述した効果を得ることができるため、既存の顕微鏡システムを有効活用することができる。
上述した実施形態では、***を選別する場合を例に説明したが、選別対象は***に限らない。なお、選別対象は、運動性と形態の両方に基づいて選択されるものであることが望ましい。
上述した実施形態では、投影装置153が像面に対象画像を投影する例を示したが、像面に対象画像を表示できればよく、投影装置153の代わりに像面に置かれた透過型の液晶デバイスが用いられてもよい。また、上述した実施形態では、対象画像が光学像中の選別対象よりも大きなサイズで像面に表示される例を示したが、対象画像は、光学像が形成される像面に、光学像中の選別対象と同等以上のサイズで表示されてもよい。
また、上述した実施形態では、選別対象の各々に対して1つの対象画像を生成する例を示したが、選別対象の各々に対して2つ以上の対象画像を生成してもよい。例えば、***の全体の領域を切り出した対象画像と、***の頭部の領域のみを切り出した対象画像を生成し、これらを異なる総合倍率で像面に配置してもよい。これにより、***の特定部位をより高い倍率で観察しながら、***の全体も適切な倍率で観察することができる。
なお、対象画像は、例えば、イメージング装置143で撮影した動画のフレームレートに基づいて、定期的に更新してもよく、更新頻度は設定に応じて変更可能であってもよい。即ち、対象画像は、動画として像面に投影されてもよく、静止画として投影されてもよい。静止画として対象画像を投影することで、利用者は***の形態をじっくりと観察することができる。また、***画として対象画像を投影することで、補助画像の作成が遅延したために補助画像が対象画像に対して所定位置からずれた位置に投影されるといった事態を回避することができる。一方で、動画として対象画像を投影することで、利用者は撮影タイミングに左右されることなく***の形態を詳細に観察することができる。これは換言すると、処理装置が選別対象を追跡することを意味している。また、動画として投影する場合も更新頻度を調整することで補助画像の作成の遅延によって生じる不都合を回避することができる。
本明細書において、“Aに基づいて”という表現は、“Aのみに基づいて”を意味するものではなく、“少なくともAに基づいて”を意味し、さらに、“少なくともAに部分的に基づいて”をも意味している。即ち、“Aに基づいて”はAに加えてBに基づいてもよく、Aの一部に基づいてよい。
1、2 顕微鏡システム
10 顕微鏡コントローラ
20 データベースサーバ
30 表示装置
40、50、60、70 入力装置
41、42 ハンドル
43、44 ピペット
80 識別装置
100 顕微鏡
101 接眼レンズ
102、102a~102c 対物レンズ
103 結像レンズ
104 モジュレータ
105、125 DICプリズム
106 アナライザ
110 顕微鏡本体
111 ステージ
112 レボルバ
120 透過照明系
121 光源
122 ユニバーサルコンデンサ
123 ポラライザ
124 ターレット
126 開口板
127 光学素子
127a スリット板
127b 偏光板
128 コンデンサレンズ
130 レーザアシステッドハッチングユニット
131、141、151 スプリッタ
133 スキャナ
135 レーザ
140 イメージングユニット
143 イメージング装置
143R 撮影領域
150 投影ユニット
153 投影装置
160 中間変倍ユニット
170 接眼鏡筒
200 処理装置
201 プロセッサ
202 記憶装置
203 入力インターフェース
204 出力インターフェース
205 通信制御装置
206 バス
210 画像解析部
220 画像生成部
230 記憶部
300 試料
310 シャーレ
400 顕微鏡
410 顕微鏡本体
420 鏡筒
500 投影ユニット
510 画像処理部
A1~A6 補助画像
B ボックス
D1 デジタル画像
ER 評価結果
E1 評価情報
O1 光学像
M 倍率情報
M1、M2 マーカー
P 患者情報
T1、T2 対象画像
R1 参考画像
S スケール

Claims (22)

  1. 選別対象を含む試料の光学像を形成する顕微鏡と、
    前記試料のデジタル画像を取得するイメージング装置と、
    前記デジタル画像に対する物体検出に基づいて前記選別対象の画像である対象画像を生成する処理装置と、
    前記対象画像を、前記光学像が形成される像面に、前記光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示する光学装置と、を備える
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  2. 請求項1に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記処理装置は、前記物体検出で検出された選別候補を追跡する
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記処理装置は、前記物体検出で検出された選別候補の中から前記選別対象を決定する
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  4. 請求項3に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記処理装置は、前記選別候補の中から、前記選別候補の運動性に関する評価に基づいて、前記選別対象を決定する
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記処理装置は、前記選別候補の中から、前記選別候補が拘束されているか否かの評価に基づいて、前記選別対象を決定する
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記処理装置は、学習済みモデルを用いた画像分類に基づいて前記評価を算出する
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  7. 請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記処理装置は、前記選別候補の中から、前記選別候補の位置に基づいて、前記選別対象を決定する
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記処理装置は、学習済みモデルを用いて前記物体検出を行う
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記処理装置は、前記対象画像に関する補助画像を生成し、
    前記光学装置は、前記対象画像とともに前記補助画像を前記像面に表示する
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  10. 請求項9に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記補助画像は、前記選別対象の運動性に関する評価情報を含む
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記補助画像は、前記対象画像中の注目位置又は領域を示すマーカーを含む
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  12. 請求項11に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記補助画像は、前記対象画像中の***の空胞を示すマーカーを含む
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  13. 請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記補助画像は、前記光学像中の前記選別対象の位置又は領域を示すマーカーを含む
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  14. 請求項9乃至請求項13のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記補助画像は、前記対象画像の総合倍率であって物体面における前記選別対象の大きさに対する総合倍率を示す倍率情報を含む
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  15. 請求項9乃至請求項14のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記補助画像は、前記対象画像に付されたスケールを含む
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  16. 請求項9乃至請求項15のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記補助画像は、前記対象画像と比較する参考画像を含む
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記対象画像は、前記光学像内の前記選別対象と重ならない位置に表示される
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  18. 請求項17に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記対象画像は、前記デジタル画像に基づいて決定された位置に表示される
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  19. 請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記像面に表示される前記対象画像の総合倍率であって物体面における前記選別対象の大きさに対する総合倍率は、前記物体面における前記選別対象の大きさに応じて決定される
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  20. 請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記像面に表示される前記対象画像の総合倍率であって物体面における前記選別対象の大きさに対する総合倍率は、前記光学像の総合倍率であって前記物体面における前記試料の大きさに対する総合倍率に応じて決定される
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  21. 顕微鏡に装着される投影ユニットであって、
    試料のデジタル画像を取得するイメージング部と、
    前記デジタル画像に対する物体検出に基づいて前記試料に含まれる選別対象の画像である対象画像を生成する処理部と、
    前記対象画像を、前記顕微鏡が形成する前記試料の光学像が形成される像面に、前記光学像中の選別対象より大きなサイズで表示する投影部と、を備える
    ことを特徴とする投影ユニット。
  22. 選別対象を含む試料の光学像を形成し、
    前記試料のデジタル画像を取得し、
    前記デジタル画像に対する物体検出に基づいて前記選別対象の画像である対象画像を生成し、
    前記対象画像を、前記光学像が形成される像面に、前記光学像中の選別対象よりも大きなサイズで表示する
    ことを特徴とする選別支援方法。
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