JP2023091495A - インプリント方法、インプリント装置および物品製造方法。 - Google Patents

インプリント方法、インプリント装置および物品製造方法。 Download PDF

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Abstract

Figure 2023091495000001
【課題】インプリント技術を使って基板の上に形成される複数のパターンの均一性を向上させるために有利な技術を提供する。
【解決手段】基板の上のインプリント材と型とが接触した状態で前記インプリント材を硬化させるインプリント方法は、第1光源を使って前記インプリント材に第1光を照射し、かつ、第2光源を使って前記インプリント材に第2光を照射することによって前記インプリント材を硬化させ、前記インプリント材の硬化物からなる複数のパターンを形成する硬化工程を含み、前記硬化工程を経て形成される前記複数のパターンのそれぞれの評価値の分布が目標分布を満たすように、前記硬化工程において前記第2光源によって前記インプリント材に照射される前記第2光の強度分布が調整される。
【選択図】図1

Description

本発明は、インプリント方法、インプリント装置および物品製造方法に関する。
基板の上のインプリント材に型を接触させ、該インプリント材に光を照射することによって該インプリント材を硬化させ、該インプリント材の硬化物からなるパターンを形成するインプリント方法が知られている。特許文献1には、テンプレートを使って基板の領域の上にパターンを形成する方法において、該領域の内側に加えられる内側露光量がテンプレートのメサ側壁に入射する側壁露光量より大きい露光量の空間分布で成形可能材料を露光することが記載されている。
特開2020-198428号公報
不均一な露光量分布でインプリント材(成形可能材料)を露光すると、硬化工程を経て形成されるパターン高さやパターン線幅が不均一になりうる。また、半導体プロセスでは、インプリント方法によってパターンを形成した後にエッチング処理を行うことがあり、不均一な露光量分布でインプリント材を露光した結果は、エッチング処理後にパターン高さやパターン線幅の不均一性をもたらすこともありうる。
本発明は、インプリント技術を使って基板の上に形成される複数のパターンの均一性を向上させるために有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、基板の上のインプリント材と型とが接触した状態で前記インプリント材を硬化させるインプリント方法に係り、前記インプリント方法は、第1光源を使って前記インプリント材に第1光を照射し、かつ、第2光源を使って前記インプリント材に第2光を照射することによって前記インプリント材を硬化させ、前記インプリント材の硬化物からなる複数のパターンを形成する硬化工程を含み、前記硬化工程を経て形成される前記複数のパターンのそれぞれの評価値の分布が目標分布を満たすように、前記硬化工程において前記第2光源によって前記インプリント材に照射される前記第2光の強度分布が調整される。
本発明によれば、インプリント技術を使って基板の上に形成される複数のパターンの均一性を向上させるために有利な技術が提供される。
第1実施形態のインプリント装置の構成を模式的に示す図。 第2光源ユニットの構成を模式的に示す図。 型に設けられた遮光膜を例示する図。 第1光源ユニット1第1光源)からの第1光による基板上のインプリント材の露光量分布を例示する図。 第1光源ユニットおよび第2光源ユニットによる露光を模式的に示す図。 第1光源ユニットによる露光量とパターン高さ変化量(線幅変化量)との関係を例示する図。 インプリント処理の流れを示す図。 未硬化のインプリント材のはみ出しを模式的に示す図。 第2実施形態のインプリント装置の構成を模式的に示す図。 第2光源ユニット(第2光源)からの第2光による基板上のインプリント材の露光量分布を例示する図。 パターン領域における周辺領域の下でインプリント材が流動している様子を模式的に示す図。 パターン領域における周辺領域の下でインプリント材が流動している様子を模式的に示す図。 物品製造方法を説明するための図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1には、第1実施形態のインプリント装置100の構成が模式的に示されている。インプリント装置100は、半導体デバイスなどの物品を製造するために使用されうる。インプリント装置100は、基板Wの上のインプリント材Rと型Mとが接触した状態でインプリント材Rを硬化させる。これにより、基板Wの上にインプリント材Rの硬化物からなる複数のパターンが形成されうる。本明細書および図面では、方向は、XYZ座標系に従って説明される。基板Wは、XY平面に平行に配置されうる。XY平面は、水平面あり、Z軸のマイナス方向は、鉛直方向でありうる。
インプリント材としては、光が照射されることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。光の波長は、10nm以上1mm以下の範囲から選択されうる。硬化性組成物は、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤とを含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を更に含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。インプリント材は、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に配置されうる。また、インプリント材は、スピンコーターやスリットコーターによって基板上に膜状に供給されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下でありうる。基板の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、金属、半導体(Si、GaN、SiC等)、樹脂等が用いられうる。必要に応じて、基板の表面に、基板とは別の材料からなる部材が設けられてもよい。基板は、例えば、シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、石英ガラスである。また、型Mは、基板Wのショット領域Sに対応するパターン領域Mpを有し、パターン領域Mpは、転写すべきデバイスパターンを有するデバイスパターン領域と、該デバイスパターン領域の外側に配置され、転写すべきマーク10を含む周辺領域とを含みうる。型Mは、光を透過させることが可能な石英などで構成される。
インプリント装置100は、例えば、型駆動機構6、基板駆動機構80、第1光源ユニット1、および、第2光源ユニット4を備えうる。インプリント装置100は、その他、アライメント光学系2、観察光学系3、および、ディスペンサ7を備えうる。
型駆動機構6は、真空吸引力または静電力等により型Mを保持する型チャックと、該型チャックを駆動する型駆動アクチュエータとを含みうる。型駆動機構6は、型MをX軸方向およびY軸方向に変形させて、インプリント材Rに転写されるパターンの歪みを補正する型形状補正機構34を含んでもよい。型形状補正機構34は、補正アクチュエータによって型Mの側面に対して力を印加してパターン領域Mpの形状を目標形状に変形させることによってパターン領域Mpの形状を補正することができる。補正アクチュエータは、例えば、ピエゾアクチュエータを含みうる。型形状補正機構34の補正アクチュエータは、制御部140によって制御され、例えば、パターン領域Mpの歪みをnmオーダまたはサブnmオーダで調整しうる。
基板Wの上のインプリント材Rと型Mとを接触させる動作、および、硬化したインプリント材Rと型Mとを分離する動作は、型MをZ軸方向に移動させることで実現してもよいが、例えば、基板WをZ軸方向に移動させることで実現してもよい。あるいは、これらの動作は、型Mおよび基板Wの双方が駆動されることで実現されてもよい。
基板駆動機構80は、基板Wを真空吸引等によって保持する基板チャックを有する基板ステージ81と、基板ステージ81を駆動する基板駆動アクチュエータ82とを含みうる。基板駆動アクチュエータ82は、例えば、X軸方向およびY軸方向、ならびにZ軸周りの回転に関して基板ステージ81を駆動しうる。基板駆動アクチュエータ82は、更に、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、および、Z軸方向の少なくとも1つに関して基板ステージ81を駆動してもよい。
第1光源ユニット1は、基板Wの上のインプリント材Rと型Mの転写領域とを接触させる接触工程の後にインプリント材Rを硬化させるために紫外光等の光をインプリント材Rに照射するように制御部140によって制御されうる。第1光源ユニット1は、例えば、高圧水銀ランプ、エキシマランプ、エキシマレーザ、発光ダイオードまたはレーザダイオードの少なくとも1つを第1光源91として含みうる。
一例において、第1光源ユニット1は、第1光源91として、高圧水銀ランプを含みうる。高圧水銀ランプは、例えば、少なくとも2つの波長においてピーク強度を有する光を発生しうる。より具体的な例を挙げれば、高圧水銀ランプは、例えば、波長313nmの輝線と波長365nmの輝線とを含む光を発生しうる。波長313nmにおける光強度(ピーク強度)と波長365nmにおける光強度(ピーク強度)とは、同等でありうる。インプリント材Rは、波長313nmの光と波長365nmの光との両方を吸収し、硬化反応を起こすように構成されることが望ましく、この場合、硬化反応に寄与する照度は、1波長の場合の約2倍となる。これにより、インプリント材Rの硬化に要する時間を短縮することができ、インプリント装置100のスループットを大幅に改善することができる。また、一般的に光学設計では単波長用に設計したレンズ群に比べて、多波長のそれの場合には収差性能が劣る。しかしながら、インプリント装置100の場合、露光光の役割は、インプリント材Rを硬化させることであるため、この収差が増大することによるパターンの転写性能の低下は小さい。第1光源ユニット1は、第1光源91の他、複数の光学素子を含みうる。該複数の光学素子は、型Mのパターン領域の照度分布を規定しうる。
第1光源ユニット1による基板Wに対する光の照射領域を規定するために遮光ユニット33が設けられうる。遮光ユニット33は、第1光源ユニット1の構成要素として理解されてもよいし、第1光源ユニット1とは別の構成要素として理解されてもよい。遮光ユニット33は、光源ユニット1の第1光源91からの光を通過させる開口を規定する遮光部材と、該遮光部材を駆動するアクチュエータとを含みうる。遮光ユニット33(遮光部材)によって規定される第1光源ユニット1による照射領域は、基板ステージ81上に搭載された光センサ89を使って計測されうる。光センサ89は、第2光源ユニット4による照射領域を計測するためにも使用されうる。光センサ89は、例えば、ピンホールを通過した光を計測する積算光量センサでもよいし、CCDまたはCMOSセンサのようなイメージセンサでもよい。
ここで、遮光ユニット33(遮光部材)によって規定される第1光源ユニット1による照射領域について、より詳細に説明する。インプリント装置100では、未硬化のインプリント材Rを基板W上に配置し、型Mをインプリント材Rに押し付けて、型Mのパターン領域Mpのパターンにインプリント材Rを充填させる。この充填の際に、図8に示すように、パターン領域Mpの外側に未硬化のインプリント材Rがはみ出した部分(以下、はみ出し部分)61が形成されうる。インプリント材Rのはみ出し部分61が露光された場合、パターン領域Mpの外側に不要な硬化物が形成される。はみ出し部分61の硬化物は、隣接するショット領域にパターンを形成する際に型Mと接触する可能性がある。また、はみ出し部分61の硬化物は、後工程でのエッチング処理時に、正しくエッチング処理が行えない原因ともなりうる。したがって、インプリント装置100では、パターン領域Mpの外側に未硬化のインプリント材Rがはみ出すことを防ぐ必要がある。
そこで、はみ出し部分61の硬化を防ぐために、図3に例示されるように、型Mのパターン領域Mpの外側には、露光光を遮光する遮光膜51が配置されうる。遮光膜51は、露光光を透過させない材料、または、50%以上減衰させる材料で構成される。遮光膜51は、例えばCr膜でもよい。型Mのパターン領域Mpの外側にCr遮光膜51を設けることで、露光光を遮断することができる。しかしながら、遮光膜51が発生させる膜応力により、パターン領域MpのIP(Image Placement)精度が低下しうる。したがって、遮光膜51は、IPの低下を防ぐために、必要最小限の領域にのみ形成されうる。一例において、図4に示すCr遮光膜51のX軸方向長さは100μm程度とされうるが、この寸法は必要に応じて適宜変更されうる。
図4には、第1光源ユニット1(第1光源91)からの第1光による基板W上のインプリント材Rの露光量分布52が例示されている。露光量分布52は、第1光源ユニット1からの第1光によってインプリント材Rに形成される光強度分布として理解されてもよい。第1光源ユニット1からの第1光による基板W上のインプリント材Rの露光量分布52(光強度分布)は、パターン領域Mpの外側に向かって露光量(光強度分布)が低下する光学ボケを反映した形状を有する。本明細書では、露光量分布52(あるいは光強度分布)の左側または右側において露光量が変化する部分の距離55を光学ボケ量と定義する。
インプリント装置100では、第1光源ユニット1(第1光源91)が発生する第1光は、インプリント材Rを硬化させるための光であるため、投影露光装置で用いられる投影光学系のように収差を抑えた光学設計は要求されない。したがって、光学ボケ量が数mmオーダであっても、インプリント材Rを硬化させる性能には影響を与えない。しかしながら、前述したように、パターン領域Mpの外側にはみ出したはみ出し部分のインプリント材Rを硬化させると、不具合が発生しうる。はみ出し部分のインプリント材Rを硬化させないためには、例えば、第1光源ユニット1が発生する第1光によるはみ出し部分の露光量を抑える必要がある。はみ出し部分のインプリント材Rを硬化させないためには、例えば、はみ出し部分の露光量を硬化に必要な露光量の10%以下とする必要がある。これに従えば、遮光膜51の位置における露光量が硬化に必要な露光量の10%以下となるように、第1光源ユニット1からの第1光の光強度分布の裾の位置が調整されうる。このような露光量分布52が形成されるように、光量センサ141を用いて遮光ユニット33が調整されうる。
遮光膜51により遮光された、はみ出し部分61のインプリント材Rは、インプリント処理の終了後も未硬化であるため、時間の経過に伴って揮発しうる。このようにして、インプリント材Rのはみ出しによる問題は解決される。
アライメント光学系2は、型Mと基板Wとのアライメントのための計測を担う。アライメント光学系2は、型Mのマーク10と基板Wのマーク11との相対位置を光学的に検出するための光学装置である。また、アライメント光学系2は、駆動可能な複数のスコープ2aを有しうる。複数のスコープ2aは、型Mのマーク10または基板Wのマーク11の位置に応じてX軸方向およびY軸方向に駆動されうる。複数のスコープ2aは、マークの位置に焦点を合わせるためにZ軸方向にも駆動可能に構成されてもよい。アライメント光学系2は、その他、共通光学系21、ならびに、光学部材31、22、23を有しうる。共通光学系21、ならびに、光学部材31、22、23は、例えば、リレー光学系を構成する光学部材を含みうる。共通光学系21、ならびに、光学部材31、22、23は、例えば、基板Wの表面と共役な面を位置Cに形成する光学系を構成しうる。
基板Wには、多種多様の物質が多層膜状に形成され、基板Wのマーク11は、その多層膜の任意の階層に形成されうる。そのため、アライメント光学系2で使用する光の波長帯域が狭く、その波長帯域が光強度を弱め合う干渉条件を満たす場合、基板Wのマーク11からの信号が微弱となって、位置合わせが困難となる。そこで、アライメント光学系2で使用される光は、インプリント材Rが感光(硬化)しない波長で、なるべく広い帯域を網羅していることが望ましい。例えば、400~2000nmの波長帯域が網羅されることが望ましく、少なくとも500~800nmの波長帯域が網羅されることがより望ましい。アライメント光学系2で使用される光源としては、例えば、発光波長帯域が広いランプが好ましい。また、発光波長帯域が数十nm、数nmの光源(発光ダイオード、レーザダイオード等)を、複数組み合わせることで、離散的に広帯域が網羅されてもよい。制御部140は、アライメント光学系2を使って取得した型Mと基板Wとの相対位置、および、形状差に基づいて、基板ステージ81、型形状補正機構34、第2光源ユニット4等を制御するための制御情報を発生しうる。
観察光学系3は、基板Wの少なくとも1つのショット領域Sの全体を観察可能なスコープでありうる。観察光学系3は、インプリント処理の状態を確認するために用いられうる。これには、例えば、基板W上のインプリント材Rに対する型Mの押しつけ状態、型Mのパターンへのインプリント材Rの充填状態、基板W上のインプリント材Rの硬化物からの型Mの分離状態、型Mと基板Wとの間の異物挟み込みなどが含まれうる。観察光学系3の光は、アライメント光学系2ほどの広い帯域は必要とせず、インプリント材Rが感光(硬化)しない波長であればよい。また、観察光に伴う熱に起因して型Mまたは基板Wが膨張し、インプリント材Rに転写されるパターンに位置ズレや歪みが発生することを抑えるため、観察光の光強度は、観察可能な範囲で微弱であることが望ましい。
図2には、第2光源ユニット4の構成例が示されている。第2光源ユニット4は、第1光源ユニット1とは異なる波長の光を採用しうる。また、第2光源ユニット4は、1つの波長においてのみピーク強度を有する光を生成しうる。他の観点において、第2光源ユニット4が発生する第2光の波長帯域は、第1光源ユニット1が発生する第1光の波長帯域より狭いことが好ましい。第2光源ユニット4は、例えば、波長405nmの光を採用しうる。第2光源ユニット4は、例えば、レーザダイオードやまたは光ダイオード等の固体発光素子(あるいは、半導体発光素子)で構成された光源を第2光源101として含む。図4を参照して説明した第1光源ユニット1の露光量分布52において、パターン領域Mpにおける周辺部の露光量は、パターン領域Mpにおける中央部よりも小さい。このように周辺部における露光量の不足は、第2光源ユニット4によって補われうる。
第2光源ユニット4は、目的とする露光量分布あるいは光強度分布を形成するために調整器102を含みうる。第2光源ユニット4は、例えば、パターン領域Mpにおける周辺部に第2光を照射しうる。図10には、第2光源ユニット4によって基板W上のインプリント材Rに照射される第2光によるインプリント材Rの露光量分布56が例示されている。露光量分布56は、第2光源ユニット4からの第2光によってインプリント材Rに形成される光強度分布として理解されてもよい。パターン領域Mpにおける周辺部の露光量不足を補うために、第2光源ユニット4の光学ボケ量57は、遮光膜51の幅以下に収められうる。遮光膜51の幅が100μmである場合、第2光源ユニット4の光学ボケ量は100μm未満でありうる。このような構成は、ショット領域Sにおけるインプリント材Rを均一な露光量で露光するために有利である。
ショット領域Sにおける周辺部は、第1光源ユニット1からの第1光および第2光源ユニット4からの第2光によるインプリント材Rの露光量が、ショット領域Sにおける中央部(周辺部の内側の領域)よりも大きくてもよい。
第2光源ユニット4からの第2光によってインプリント材Rに形成される第2光強度分布の周辺部における光学ボケ量は、第1光源ユニット1からの第1光によってインプリント材Rに形成される第1光強度分布の周辺部における光学ボケ量よりも小さい。これは、例えば、第2光源ユニット4の第2光源101としてレーザダイオードを使用することによって実現されうる。レーザダイオードは、単波長の光を発生するので、光学設計で収差を抑えやすい(つまり、光学ボケ量を抑えやすい)。また、レーザダイオードは、高い照度を得るために有利である。
第2光源ユニット4による光学ボケ量を第1光源ユニット1による光学ボケ量よりも小さくするためには、インプリント材Rに照射される第2光のNA(開口数)がインプリント材Rに照射される第1光のNAより小さいことが好ましい。一例において、第1光源ユニット1からインプリント材R(基板W)に到達する光のNAは、0.18であり、第2光源ユニット4からインプリント材R(基板W)に到達する光のNAは、0.05である。
第1光源ユニット1および第2光源ユニット4のうち第2光源ユニット4のみを使ってショット領域S上のインプリント材Rを硬化させることが可能である。しかしながら、1つの典型的な構成において、第1光源ユニット1の高圧水銀ランプからの第1光によるインプリント材Rにおける照度と比べると、第2光源ユニット4のレーザダイオードからの第2光によるインプリント材Rにおける照度は低い。その理由の1つとして、後述する光学部材31、32としてのダイクロイックミラーの透過率および反射率、光学部材36としてのハーフミラーにより第2光源ユニット4のレーザダイオードからの第2光が減衰することを挙げることができる。また、第2光源ユニット4の構成要素である調整器102の紫外線耐性には上限があるため、単純に第2光源ユニット4の光出力を増加することは難しい。このような理由から、第2光源ユニット4のみでスループットを落とさずにインプリント材Rを硬化させることは難しい。
次に第2光源ユニット4の構成に関して説明する。レーザダイオード等の第2光源101から放射された光105は、光学素子103によって照明領域が調整され、調整器102を照明する。調整器102は設定された照明パターンに応じて空間変調された光105を反射する。調整器102に入射した光105のうち空間変調において不要な光は不図示の光減衰器(ディフューザ)へ照射され、基板Wへは到達しない。空間変調された光105は、光学素子104によって照明倍率が調整され、第2光として基板Wを照明する。前述のように、第2光源ユニット4によってインプリント材R(基板W)に照射される第2光の光学ボケ量は、第1光源ユニット1によるそれよりも小さい。第2光源ユニット4によってインプリント材R(基板W)に照射される第2光の光学ボケ量は、遮光膜51の幅より小さくされる。
調整器102は、ショット領域Sが目標露光量(照度×時間、または、√(照度)×時間)分布で露光されるように制御部140によって制御される。調整器102は、例えば、複数の液晶素子を光透過面に配置し、複数の液晶素子に印加される電圧を個別に制御することで照度分布、照射時間を変化させることが可能な液晶装置でありうる。あるいは、調整器102は、複数のミラー素子を光反射面にアレイ状に配置し、各ミラー素子の面方向を個別に調整することで照度分布、照射時間を変化させることが可能なデジタル・ミラー・デバイス(デジタル・マイクロミラー・デバイス)でありうる。あるいは、調整器102は、ガルバノミラー、または、CGHなどの回折素子であってもよいし、他の素子であってもよい。調整器102は、紫外光等の光105の部分的な吸収によって発熱する他、調整器102が有する電気回路からの発熱によって温度が上昇しうる。そこで、調整器102の性能と寿命を確保するために、空冷または水冷等による冷却機能が設けられうる。
制御部140は、インプリント装置100の複数の構成要素、例えば、型駆動機構6、基板駆動機構80、第1光源ユニット1、第2光源ユニット4、アライメント光学系2、観察光学系3、および、ディスペンサ7を制御するように構成されうる。制御部140は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用又は専用のコンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。制御部140は、インプリント装置100の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよいし、インプリント装置100の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。
図1に例示されたインプリント装置100では、アライメント光学系2は、共通光学系21を含み、共通光学系21は、第1光源ユニット1、観察光学系3、第2光源ユニット4によっても共有される。1つの側面において、共通光学系21は、第1光源ユニット1からの第1光によってインプリント材Rに第1光強度分布を形成し、かつ、第2光源ユニット4からの第2光によってインプリント材Rに第2光強度分布を形成する光学系である。光学部材31は、アライメント光を反射し、第1光源ユニット1からの第1光と、観察光学系3の観察光と、第2光源ユニット4からの第2光とを透過させる。共通光学系21および光学部材31は、第1光源ユニット1からの第1光および第2光源ユニット4からの第2光に対して十分に高い透過率を有する材料(例えば、石英や蛍石)で構成されうる。
光学部材31は、例えば、ダイクロイックミラーであり、例えば、500~2000nmの波長帯域における反射率が高く、200~500nmの波長帯域における透過率が高い特性を有しうる。反射率が高い波長帯域は、500~2000nmに限らず、広い方が望ましいが、製造上の制約などで、例えば、600~900nm、または、500~800nmであってもよい。同様に、透過率が高い波長帯域は、200~500nmに限らず、広い方が望ましいが、例えば、300~600nm、または、300~500nmであってもよい。
光学部材32は、第1光源ユニット1からの第1光を反射し、観察光学系3の光および第2光源ユニット4からの第2光を透過させる。一例において、第1光源ユニット1からの第1光の波長帯域を400nm以下、第2光源ユニット4からの第2光の波長帯域を400nm以上かつ500nm以下とすることができる。光学部材32は、例えば、ダイクロイックミラーでありうる。光学部材32は、例えば、400nm以下(200~400nm、もしくは300~400nm)の波長帯域における反射率が高く、400nm以上(400~500nm、もしくは400~600nm)の波長帯域における透過率が高い特性を有しうる。波長の閾値は400nmに限らず、例えば、380nm、または、420nmであってもよい。
光学部材35は、例えば、ハーフミラーであり、観察光学系3の光路の一部と第2光源ユニット4の光路の一部とを共通化する。観察光学系3が使用する光の波長と第2光源ユニット4が使用する第2光の波長とが同一、近似、または部分的に重複する場合、ダイクロイックミラーを使うことができない。観察光学系3の光路および第2光源ユニット4の光路の透過率は、必ずしも50%:50%のように均等に割り当てられてなくてもよい。上述したが、観察光学系3は、型Mのパターンへのインプリント材の充填性などをモニターできれば良いため、例えば、観察光学系3の光路は40%透過、第2光源ユニット4の光路は60%反射としても構わない。
ディスペンサ7は、基板W上にインプリント材Rを塗布あるいは配置する。ディスペンサ7は、インプリント装置100の構成要素である必要はなく、外部装置として提供されてもよい。ディスペンサ7が外部装置として提供される場合、ディスペンサ7によってインプリント材Rが配置された基板Wがインプリント装置100に提供される。そのようなシステム構成によれば、インプリント装置100の内部で基板W上にインプリント材Rを配置する必要がなくなるので、インプリント装置100における処理が迅速化されうる。また、インプリント装置100の構成要素としてのディスペンサ7が不要となることから、インプリント装置100全体としての製造コストを抑えることができる。
第1光源ユニット1の光学ボケ量が遮光膜51の幅より大きい場合、図4の露光量分布52に例示されるように、パターン領域Mpにおける中央部と、パターン領域Mpにおける周辺部とで露光量に差が生じ、特に周辺部において露光量が不足する。
図6には、目標露光量で硬化させたインプリント材Rと、目標露光量に満たない数種類の露光量で硬化させたインプリント材Rのパターン高さ(または線幅)を比較した結果が示されている。インプリント材Rを目標露光量で硬化させた際のパターン高さ(または線幅)がリファレンスとされている(図6中のRef)。図6の縦軸は、露光量の差により発生したリファレンスに対するパターン高さ減少率(または線幅減少率)を表す。横軸は、第1光源ユニット1による露光量を示す。第1光源ユニット1による露光量がリファレンスより減少することで、パターン高さ(または線幅)が減少することが実験的に確認された。例えば、図6中のC点では、露光量がリファレンスの10%の場合に、パターン高さがリファレンスより5%低くなる。遮光膜51および遮光ユニット33によってパターン領域Mpの外側へのインプリント材Rのはみ出しを抑制した場合、ショット領域S内でパターン高さの均一性が保てないことが分かる。パターン高さの均一性が5%程度崩れると、プロセスにも依存するが、後工程でのエッチング処理が正しく行えないなどの問題が生じる可能性がある。
露光量の不足量に応じて露光時間を延長し、露光量不足を補うことは技術的に可能であるが、露光時間の延長分に応じてインプリント装置100のスループットが減少する。また、余計な熱量が基板Wに与えられるので、重ね合わせ精度が低下しうる。本実施形態では、インプリント材Rのはみ出しを抑制しつつ、露光量不足によるインプリント材Rのパターン高さ変化や、線幅変化を抑制する技術が提供される。
インプリント材Rの硬化後のパターン高さ、あるいはパターン線幅の均一性を保証するために、本実施形態では、第2光源ユニット4からの第2光による露光量が、第1光源ユニット1からの第1光による露光量に対して加えられる。より具体的には、第2光源ユニット4からの第2光による露光量分布54(図5)に従う露光量が、第1光源ユニット1からの第1光による露光量分布52(図4)に従う露光量に対して加えられる。
ここで、第2光による露光量分布54を決定する方法に関して説明する。一例として、第1光源ユニット1からの第1光による露光量を100%から10%まで離散的に減らし、各露光量で硬化されたインプリント材Rのパターン高さ(または線幅)をデータベース化する。
次に、第1光源ユニット1からの第1光による露光量100%から10%までの各露光量において、リファレンス(ここでは、第1光源ユニット1からの第1光による露光量100%におけるパターン高さ(または線幅)とする。)と同等のパターン高さ(または線幅)が得られるように、第1光源ユニット1による露光量に足し合わせる第2光源ユニット4による露光量を決定する。第1光源ユニット1と第2光源ユニット4の光の波長が異なるため、両者では、インプリント材Rの光吸収特性および硬化反応特性が異なる。このため、第1光源ユニット1と第2光源ユニット4の波長の組み合わせに応じたデータベースが用意されうる。
制御部140は、光センサ89を使って、基板W上に照射される第1光源ユニット1からの第1光による露光量分布52を取得し、ショット領域S内における第1光源ユニット1による第1露光量分布を生成する。
次いで、制御部140は、第1露光量分布に基づいて、パターン高さ変化(または線幅変化)が目標範囲(例えば、±1%以内)に収まるように、上記データベースを参照して第2光源ユニット4の第2露光量分布を決定する。次いで、制御部140は、第2露光量分布に基づいて、第2光源ユニット4による基板Wに対する露光量を調整器102で調整する。以上の処理により、スループットを低下させることなく、また、パターン領域Mpの外側にはみ出したインプリント材Rを硬化させることなく、インプリント材Rのパターン高さ(または線幅)の均一性を向上させることができる。
以上を要約すると、本実施形態のインプリント方法は、基板Wの上のインプリント材Rと型Mとが接触した状態でインプリント材Rを硬化させる。該インプリント方法は、第1光源を使ってインプリント材に第1光を照射し、かつ、第2光源を使ってインプリント材に第2光を照射することによってインプリント材Rを硬化させ、インプリント材Rの硬化物からなる複数のパターンを形成する硬化工程を含む。ここで、該硬化工程を経て形成される該複数のパターンのそれぞれの評価値の分布が目標分布を満たすように、該硬化工程において第2光源によってインプリント材Rに照射される第2光の強度分布が調整される。ここで、該評価位置は、例えば、パターン高さ、または、パターン線幅である。
以下、図7を参照しながらインプリント装置100によるインプリント処理について説明する。図7に示される処理は、制御部140によって制御される。まず、工程S1において、不図示の基板搬送部によって基板(例えば、ウェハ)Wが基板ステージ81に搬送され、基板ステージ81のチャックによって保持される。次いで、工程S2において、基板Wのショット領域Sがディスペンサ7による塗布位置に移動するように基板ステージ81が駆動され、ショット領域Sにディスペンサ7によってインプリント材Rが配置あるいは塗布される。次いで、工程S3において、インプリント材Rが配置されたショットSが型Mの直下に位置するように、基板ステージ81が駆動される。次いで、工程S4において、ショット領域S上のインプリント材Rと型Mとが接触するように、型駆動機構6および/または基板駆動機構80が制御される。
次いで、工程S5では、型Mのパターン領域Mpに沿ってインプリント材Rが流動しながらパターン領域MPのパターン(凹部)にインプリント材Rが充填される。これを充填工程という。工程S5における充填工程の後、または、充填工程と並行して、工程S6および工程S7が実行されうる。工程S6、工程S7では、基板Wのマーク10および型Mのマーク11の相対位置がアライメント光学系2を使って検出され、その結果に基づいて基板Wのショット領域と型Mのパターン領域とのアライメント、および、型Mの形状補正がなされる。アライメントは、例えば、基板駆動機構80によってなされうるが、基板駆動機構80と型駆動機構6の双方によってなされてもよい。型Mの形状補正は、型形状補正機構34によってなされる。型Mの形状補正に代えて、または、加えて、基板Wのショット領域の形状が補正されてもよい。ショット領域の形状の補正は、例えば、基板Wに熱分布を与えることによってなされうる。
次いで、工程S8では、第1光源ユニット1および第2光源ユニット4を用いてショット領域の上のインプリント材Rを硬化させる硬化工程が実行される。次いで、工程S9では、基板Wの上にインプリント材Rの硬化物から型Mが分離される。工程S4~工程S9と並行して、工程S10では、観察光学系3を使って基板W、インプリント材R、型Mが観察されてもよい。
工程S5~工程S8では、パターン領域Mpの外縁よりも外側の領域にインプリント材Rがはみ出さないように、パターン領域Mpにおける周辺領域に第2光源ユニット4によって第2光を照射する。これによって、インプリント材Rの粘度が高められ、あるいは硬化される。この場合、第2光源ユニット4によって第2光がインプリント材Rに照射される時点から硬化工程が開始すると理解されてよい。
図11には、パターン領域Mpにおける周辺領域の下でインプリント材Rが流動している様子が模式的に示されている。パターン領域Mpは、デバイスパターン領域72と、デバイスパターン領域72の外側の周辺領域73とを含みうる。デバイスパターン領域72は、複数のデバイスパターン13を含み、周辺領域73は、少なくとも1つのマーク10を含みうる。
マーク10(凹部)に対するインプリント材Rの充填中にマーク10を含む領域を通して第2光源ユニット4からの第2光がインプリント材Rに照射されると、マーク10に対するインプリント材Rの充填が妨げられうる。これにより、充填時間が増加し、あるいは充填不良が発生しうる。これらの問題を回避するために、第2光源ユニット4によってパターン領域Mpにおける周辺領域73(マーク10を含む領域)を通してインプリント材Rを露光するタイミングは、インプリント材Rによるマーク10の充填が完了した後とすることが好ましい。他の観点において、第2光源ユニット4によるパターン領域Mpにおける周辺領域73(マーク10を含む領域)を通してインプリント材Rを露光するタイミングは、インプリント材Rがマーク10を通り過ぎた後とすることが好ましい。この後、工程S6で基板W(ショット領域S)と型Mとのアライメントがなされるので、まだ第1光源ユニット1による露光は行わない。第2光源ユニット4による露光によって、インプリント材Rの一部の粘度が高くなるか、あるいは硬化するが、ショット領域Sの極一部であるため、工程S6工におけるアライメントに与える影響は軽微である。
また、図12に示されるように、マーク10とパターン領域Mpの外縁との間の領域には、パターンが存在しないことが一般的であり、この場合は、マーク10とパターン領域Mpの外縁との間の領域におけるインプリント材Rの充填挙動を考える必要はない。したがって、第2光源ユニット4からの第2光による露光量分布56を図12のようにマーク10の外側に配置してもよい。この場合、硬化工程では、第2光源ユニット4からの第2光は、パターン領域Mpのうちマーク10よりも外側の領域のみを通してインプリント材Rに照射される。したがって、インプリント材Rによるマーク10の充填完了、もしくは、インプリント材Rがマーク10を通り過ぎるタイミングを待たずに、その前から第2光源ユニット4による露光を開始することができる。第2光源ユニット4からの第2光による露光量分布56にインプリント材Rが流れ込むことで、インプリント材Rの粘度が高まり、もしくは硬化することで、パターン領域Mpの外側にインプリント材Rがはみ出すことを防ぐことができる。
硬化工程において、インプリント材Rに対する第1光源ユニット1による第1光の照射をインプリント材に対する第2光源ユニット4による第2光の照射よりも先に開始してもよい。このような制御は、第1光が照射される領域におけるインプリント材Rの充填が、第2光が照射される領域におけるインプリント材Rの充填よりも早く完了する場合に有利である。
硬化工程において、インプリント材Rに対して第1光を照射する期間と、インプリント材Rに対して第2光を照射する期間とが少なくとも部分的に重複してもよい。
以上のインプリント処理によれば、基板Wの上に形成される複数のパターンの均一性を向上させることができる。
図9には、第2実施形態のインプリント装置100の構成が模式的に示されている。第2実施形態として言及しない事項は、第1実施形態に従いうる。第2実施形態では、第1光源ユニット1と光学部材32との間に、第1光源ユニット1からの第1光と第2光源ユニット4からの第2光とを合成する光学部材36(ハーフミラー)が配置されている。第2実施形態では、第1光源ユニット1からの第1光の波長と第2光源ユニット4からの第2光の波長とが同じであってもよい。第2実施形態では、第1実施形態における部材35は不要である。第2実施形態においても、第2光源ユニット4の光学ボケ量は、第1光源ユニット1の光学ボケ量より小さく、遮光膜51の幅以下であることが好ましい。
第1光源ユニット1と第2光源ユニット4との光の波長を同じにすることで、第1実施形態で説明した第2光源ユニット4の露光量を決定する手順を簡略化することができる。同一波長であるため、波長の相違に応じたインプリント材Rの光吸収特性および硬化反応特性の相違を考慮する必要がない。したがって、波長の相違を考慮することなく、インプリント材Rを硬化させるために必要な露光量となるように、第1光源ユニット1による露光量分布52を補うように第2光源ユニット4による露光量分布を決定すればよい。つまり、異なる波長の光を組み合わせた際の各露光量とパターン高さ変化(線幅変化)を紐づけるデータベースが不要となる。
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、インプリント装置によって基板にパターンを形成し、該パターンが形成された基板を処理し、該処理が行われた基板から物品を製造する物品製造方法について説明する。図13(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウエハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図13(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図13(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを介して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図13(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図13(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図13(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
以下、他の実施形態に係る物品製造方法について説明する。物品としてのデバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)の製造方法は、上述したインプリント装置を用いて基板(ウエハ、ガラスプレート、フィルム状基板)にパターンを形成する工程を含む。さらに、該物品製造方法は、パターンを形成された基板を処理する工程、例えばエッチング工程を含みうる。なお、パターンドメディア(記録媒体)や光学素子などの他の物品を製造する場合には、該製造方法は、エッチングの代わりにパターンを形成された基板を加工する他の処理を含み得る。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:インプリント装置、1:第1光源ユニット、4:第2光源ユニット、W:基板、M:型、102:調整器

Claims (22)

  1. 基板の上のインプリント材と型とが接触した状態で前記インプリント材を硬化させるインプリント方法であって、
    第1光源を使って前記インプリント材に第1光を照射し、かつ、第2光源を使って前記インプリント材に第2光を照射することによって前記インプリント材を硬化させ、前記インプリント材の硬化物からなる複数のパターンを形成する硬化工程を含み、
    前記硬化工程を経て形成される前記複数のパターンのそれぞれの評価値の分布が目標分布を満たすように、前記硬化工程において前記第2光源によって前記インプリント材に照射される前記第2光の強度分布が調整される、
    ことを特徴とするインプリント方法。
  2. 前記型は、前記基板のショット領域に対応するパターン領域を有し、
    前記硬化工程では、前記第1光は前記パターン領域を通して前記インプリント材に照射され、前記第2光は前記パターン領域における周辺部に照射される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
  3. 前記周辺部は、前記第1光および前記第2光による前記インプリント材の露光量が、前記周辺部の内側の中央部よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項2に記載のインプリント方法。
  4. 前記硬化工程において、前記インプリント材に対する前記第2光の照射を前記インプリント材に対する前記第1光の照射よりも先に開始する、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のインプリント方法。
  5. 前記パターン領域は、デバイスパターン領域と、前記デバイスパターン領域の外側の周辺領域とを含み、前記周辺領域は、マークを含み、
    前記第2光は、前記マークを含む領域を通して前記インプリント材に照射され、
    前記硬化工程において、前記第2光は、前記マークに対して前記インプリント材が充填された後に前記マークを含む前記領域を通して前記インプリント材に照射される、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  6. 前記パターン領域は、デバイスパターン領域と、前記デバイスパターン領域の外側の周辺領域とを含み、前記周辺領域は、マークを含み、
    前記硬化工程において、前記第2光は、前記パターン領域のうち前記マークよりも外側の領域のみを通して前記インプリント材に照射される、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  7. 前記硬化工程において、前記インプリント材に対する前記第1光の照射を前記インプリント材に対する前記第2光の照射よりも先に開始する、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のインプリント方法。
  8. 前記硬化工程において、前記インプリント材に対して前記第1光を照射する期間と、前記インプリント材に対して前記第2光を照射する期間とが少なくとも部分的に重複する、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のインプリント方法。
  9. 前記第1光は、第1光学ボケ量をもって前記インプリント材に照射され、前記第2光は、前記第1光学ボケ量より小さい第2ボケ量をもって前記インプリント材に照射される、
    ことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  10. 前記第2ボケ量は、100μm以下である、
    ことを特徴とする請求項9に記載のインプリント方法。
  11. 前記第1光は、少なくとも2つの波長においてピーク強度を有する光であり、前記第2光は、1つの波長においてのみピーク強度を有する光である、
    ことを特徴とする請求項2乃至10のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  12. 前記第2光の波長帯域は、前記第1光の波長帯域より狭い、
    ことを特徴とする請求項2乃至10のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  13. 前記第1光は、高圧水銀ランプによって生成され、前記第2光は、固体発光素子によって生成される、
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載のインプリント方法。
  14. 前記第2光のNAは、前記第1光のNAより小さい、
    ことを特徴とする請求項2乃至13のいずれか1項に記載のインプリント方法。
  15. 基板の上のインプリント材と型とが接触した状態で前記インプリント材を硬化させるインプリント装置であって、
    第1光を発生する第1光源ユニットと、
    第2光を発生する第2光源ユニットと、
    前記第1光源ユニットからの前記第1光によって前記インプリント材に第1光強度分布を形成し、かつ、前記第2光源ユニットからの前記第2光によって前記インプリント材に第2光強度分布を形成する光学系と、を備え、
    前記第2光源ユニットは、前記第2光強度分布を調整する調整器を含み、
    前記第2光強度分布の周辺部における光学ボケ量は、前記第1光強度分布の周辺部における光学ボケ量よりも小さい、
    ことを特徴とするインプリント装置。
  16. 前記調整器は、前記第1光強度分布の周辺部における光学ボケによる露光量の不足が前記第2光強度分布によって補われるように前記第2光強度分布を調整する、
    ことを特徴とする請求項15に記載のインプリント装置。
  17. 前記第2光強度分布の周辺部における光学ボケ量は、100μm以下である、
    ことを特徴とする請求項15又は16に記載のインプリント装置。
  18. 前記第1光源ユニットは、少なくとも2つの波長においてピーク強度を有する光を生成し、前記第2光源ユニットは、1つの波長においてのみピーク強度を有する光を生成する、
    ことを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  19. 前記第2光の波長帯域は、前記第1光の波長帯域より狭い、
    ことを特徴とする請求項15乃至18のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  20. 前記第1光源ユニットは、高圧水銀ランプを含み、前記第2光源ユニットは、固体発光素子を含む、
    ことを特徴とする請求項18又は19に記載のインプリント装置。
  21. 前記第2光のNAは、前記第1光のNAより小さい、
    ことを特徴とする請求項15乃至20のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  22. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載のインプリント方法に従って基板の上にパターンを形成する工程と、
    前記パターンが形成された前記基板を処理して物品を得る処理工程と、
    を含むことを特徴とする物品製造方法。
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