JP2023091493A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有効画素領域外の画素値を適切に利用可能な画像合成が可能な画像処理装置および画像処理方法を提供すること。【解決手段】複数フレームの画像データを位置合わせして合成する画像処理装置である。画像データには撮像素子の有効画素領域の画素のデータであって、所定の色成分の配列に対応する信号で構成される第1のデータと、有効画素領域外の画素のデータである第2のデータが含まれる。画像処理装置は、第1のデータを位置合わせするために用いる位置合わせ量に基づいて、第2のデータを位置合わせする。画像処理装置は、位置合わせされた第1のデータを合成した第1の合成画像のデータを、位置合わせされた第2のデータを合成した第2の合成画像のデータに基づいて補正する。【選択図】図7
Description
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関し、特には画像合成技術に関する。
必要な露光時間の1/nの露光時間で連続に撮影したn枚の複数枚の画像を合成することにより、像ブレを抑制する技術が知られている(特許文献1)。
複数の画像を合成する場合、画像間の位置合わせが必要になる。しかしながら、画像間で単純に位置合わせすると、有効画素領域外の画素は、位置がずれた状態で合成されることになる。そのため、有効画素領域外の画素の値を利用したい場合に問題が生じる。特許文献1はこのような課題について認識していない。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その一態様において、有効画素領域外の画素値を適切に利用可能な画像合成が可能な画像処理装置および画像処理方法を提供する。
上述の目的は、複数フレームの画像データを取得する取得手段と、複数フレームの画像データを位置合わせする位置合わせ手段と、位置合わせされた複数フレームの画像データを合成する合成手段と、を有する画像処理装置であって、画像データには、撮像素子の有効画素領域の画素のデータであって、所定の色成分の配列に対応する信号で構成される第1のデータと、有効画素領域外の画素のデータである第2のデータが含まれ、位置合わせ手段は、複数フレームの画像データに含まれる第1のデータを位置合わせするために用いる位置合わせ量に基づいて、複数フレームの画像データに含まれる第2のデータを位置合わせし、合成手段が、位置合わせされた第1のデータを合成した第1の合成画像のデータと、位置合わせされた第2のデータを合成した第2の合成画像のデータとを生成し、画像処理装置は、第2の合成画像のデータに基づいて、第1の合成画像のデータを補正する補正手段をさらに有する、ことを特徴とする画像処理装置によって達成される。
本発明によれば、有効画素領域外の画素値を適切に利用可能な画像合成が可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明をその例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定しない。また、実施形態には複数の特徴が記載されているが、その全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
なお、以下では、本発明をデジタルカメラなどの撮像装置で実施する形態に関して説明する。しかし、本発明に撮像機能は必須でなく、画像データを取り扱い可能な任意の電子機器で実施可能である。このような電子機器には、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、メディアプレーヤ、PDAなど)、スマートフォン、ゲーム機、ロボット、ドローン、ドライブレコーダが含まれる。これらは例示であり、本発明は他の電子機器でも実施可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置の一例としての撮像装置10の機能構成例を示すブロック図である。
制御部113は、プログラムを実行可能なプロセッサを1つ以上と、RAMと、ROMとを有する。制御部113は、ROMに記憶されたプログラムをRAMに読み込み、プロセッサによって実行することができる。制御部113は、プログラムを実行することにより、図1に示す機能ブロックを含む撮像装置10の構成要素、および/または通信可能に接続された外部機器の動作を制御する。撮像装置10の機能は、制御部113がプログラムを実行することにより実施することができる。なお、制御部113がプログラムを実行することによって実現可能な機能をハードウェア(例えばASICやFPGAなど)を用いて実施してもよい。ROMは例えば電気的に書き換え可能であり、制御部113が有するプロセッサが実行可能なプログラムのほか、撮像装置10の設定値、GUIデータなどを記憶する。制御部113は例えばシステムオンチップ(SoC)やシステムオンパッケージ(SiP)の形態を有しうる。
撮影レンズ100は複数のレンズおよび絞りを有し、被写体の光学像を生成する。撮像素子102は例えばCMOSイメージセンサであり、2次元配列された複数の光電変換部(画素)を有する。
図2は撮像素子102の画素配列を模式的に示した図である。撮像素子102は、画素が配列された領域として、有効画素領域200と、有効画素領域外のオプティカルブラック(OB)領域201とを有する。有効画素領域200は、被写体像の撮影に用いられる(露光される)領域である。一方、OB領域201は被写体像の撮影には用いられない(露光されない)領域である。OB領域201の画素には、光の入射を防止するために例えば遮光膜を設けてもよい。なお、有効画素領域200の上方もしくは下方に、さらなるOB領域202を設けてもよい。OB領域202は黒レベルの算出に用いることができるほか、垂直画素ライン単位のラインオフセット補正に用いることができる。
OB領域201に配置される画素は、遮光膜を除けば、有効画素領域200に配置される画素と同じ構造を有する。また、有効画素領域200の画素にカラーフィルタが設けられている場合、OB領域201の画素にも有効画素領域200の画素と同様にカラーフィルタが設けられる。
有効画素領域200およびOB領域201は撮像素子102の領域であるが、本明細書では便宜上、撮像素子102によって得られる画像においても同様の表現を用いる。例えば、画像もしくは有効画素領域とは、撮影によって得られる1フレームの画像のうち、撮像素子102の有効画素領域200の画素によって得られる画像領域を意味する。
カラーフィルタは異なる色の単位フィルタが配列された構成を有し、画素ごとに1つの単位フィルタが設けられる。例えば原色ベイヤ配列のカラーフィルタは、2×2画素を繰り返し単位として、R(赤)、G1(緑)、G2(緑)、B(青)の4種類の単位フィルタが配列された構成を有する。以下では、単位フィルタG1が設けられた画素をG1画素と呼ぶ。他の種類の単位フィルタが設けられた画素についても同様である。
OB領域201に配置される画素は、例えば、画素が有する光電変換素子(例えばフォトダイオード)のノイズ成分を検出するために用いられる。例えば、有効画素領域200の画素の信号値から、OB領域201の画素の信号値を減じることにより、ノイズ成分によるオフセットを除去し、画像の黒レベルを補正することができる。
撮像素子102が有する画素は、電荷蓄積期間に発生した電荷量に応じた値を有する画素信号を生成する。なお、メカニカルシャッタ101を開閉させる撮影では、電荷蓄積期間は露光期間に相当する。メカニカルシャッタ101を開状態に維持する撮影では、電荷蓄積期間は蓄積電荷のリセット時から露光期間経過までの期間に相当する。一般に前者は静止画撮影、後者は動画撮影に相当するが、後者は静止画撮影にも該当しうる。
1回の電荷蓄積期間が終了すると、撮像素子102から、1フレーム分の画素信号群(アナログ画像信号)が読み出される。1フレーム分のアナログ画像信号には、有効画素領域200およびOB領域201の画素信号が含まれる。アナログ画像信号はA/D変換部103でデジタル画像信号(デジタル形式の画素信号群)に変換される。なお、撮像素子102がデジタル形式の画素信号群を出力可能な場合、A/D変換部103はなくてもよい。
この段階では、各画素信号は、対応する画素が有する単位フィルタの色に応じた1つの色成分のみを有する。本明細書では、このような、所定の色成分の配列に対応する画素信号(単位フィルタの色に応じた1つの色成分のみを有する画素信号)から構成されるデジタル形式の画像信号をRAWデータと呼ぶ。
A/D変換部103もしくは撮像素子102から出力されるRAWデータは、メモリ114に一旦格納される。メモリ114は、RAWデータや、信号処理部111によって処理された画像データなどを一時的に記憶するために用いられる。
OB積分部104は、RAWデータのうち、OB領域201の画素値について、画素の種類ごとの平均画素値を算出する。ここでは、撮像素子102が原色ベイヤ配列のカラーフィルタを有するため、OB積分部104は、OB領域201内のR画素、G1画素、G2画素、B画素の平均画素値を算出する。この平均画素値は黒レベルとして用いられる。
OBクランプ部105は、有効画素領域200の画素値に対し、OB領域201の画素値に基づいて黒レベルを補正するOBクランプ処理を適用する。OBクランプ処理は、具体的には、OB積分部104が算出した平均画素値を減じる処理であってよい。OBクランプ処理により、有効画素領域200の画素信号から得られる画像の黒浮きや色ずれ等を抑制することができる。なお、OBクランプ処理では、画素の種類に応じた黒レベルを用いる。例えば、有効画素領域200のR画素の画素値については、OB領域のR画素から得られた黒レベルを減じる。OBクランプ部105は、合成元の画像それぞれに対して、また合成部108が生成した合成画像に対して、OBクランプ処理を適用する。
シェーディング補正部106は、有効画素領域200の画素値に対してシェーディング補正を適用する。シェーディング補正は、撮影レンズ100や画素が有するマイクロレンズの光学特性などに起因する画素位置に応じた輝度低下を補正する。したがって、シェーディング補正では、画素位置に応じたゲインが適用される。
ホワイトバランス(WB)処理部107は、シェーディング補正後の画像に対してホワイトバランス調整処理を適用する。ホワイトバランス調整処理は、シェーディング補正された画素値に対して、画素の種類(R,G1,G2,B)に応じたゲインを適用する処理である。
位置ずれ検出部109は、合成元の複数フレームの画像のそれぞれについて、位置ずれ量を検出する。位置ずれ量は、最初に撮影された1フレーム目のずれ量を0とした絶対的なずれ量であってもよいし、直前のフレームに対する相対的なずれ量であってもよい。絶対的なずれ量を検出する場合、1フレーム目の画像が基準画像となる。
位置ずれ検出部109は、フレーム間における、有効画素領域200の画像の移動ベクトルとしてずれ量を検出することができる。位置ずれ検出部109は、例えば、フレーム間でテンプレートマッチングを用いる方法や、撮像装置10が有するジャイロセンサなどの出力を用いる方法など、任意の公知技術を用いてずれ量を検出することができる。位置ずれ検出部109は、検出した位置ずれ量を位置ずれ補正部110に出力するか、メモリ114に保存する。
位置ずれ補正部110は、位置ずれ検出部109で検出された位置ずれ量に基づいて、合成するフレームの画像を位置合わせする。位置ずれ補正部110は例えば、合成するフレームの各画素の座標値を位置ずれ量に応じて変更することにより、位置合わせを行うことができる。
なお、位置ずれ補正部110は、有効画素領域200の画像だけを位置合わせするモードと、有効画素領域200とOB領域201とを含んだ領域(例えばフレーム全体)の画像を位置合わせするモードを有する。このように、位置ずれ補正部110は、有効画素領域200のデータ(第1のデータ)を、OB領域201のデータ(第2のデータ)とは独立して位置合わせ可能である。位置ずれ補正部110のモードは、例えば制御部113が設定可能である。
制御部113は、フレーム全体を位置合わせするモードが設定されていても、位置合わせによってOB領域201の合成精度が低下する条件を満たす場合には、有効画素領域200の画像だけを位置合わせするモードに変更してもよい。例えば、OB領域201が重複するフレーム数が総フレーム数Nの所定割合以下となる場合、制御部113は有効画素領域200の画像だけを位置合わせするモードに変更することができる。OB領域201が重複するフレーム数は、位置ずれ検出部109が検出する個々のフレームの位置ずれ量に基づいて把握することができる。
合成部108は、選択可能な複数の合成モードの1つで複数の画像を合成し、合成画像を生成する。フレーム全体に合成処理を適用する必要はなく、基準画像における有効画素領域とOB領域に対する合成処理が行われればよい。
合成部108は、生成した合成画像をメモリ114に保存する。本実施形態において撮像装置10は、合成モードとして加算モード、平均加算モード、比較明モードが選択可能であるものとする。なお、これらの合成モードは例示であり、他の合成モードが選択可能であってもよいし、合成モードが1つであってもよい。
各合成モードにおける画像合成方法について説明する。ここで、Nフレーム(Nは2以上の整数)の画像を合成するものとする。各フレームの画像を構成する画素が、xy直交座標系の座標(x,y)を有し、座標(x,y)の画素の輝度値をI_i(x,y)(i=1~N)、合成画像の座標(x,y)の画素の輝度値をI(x,y)とする。合成部108は、合成モードに応じて、以下のように合成画像の各画素の輝度値I(x,y)を算出する。
・加算モード
I(x,y)=I_1(x,y)+I_2(x,y)+・・・+I_N(x,y)
加算モードにおいて合成部108は、各フレームの同じ座標の画素の輝度値を加算して合成画像を生成する。加算モードは、例えば適正露出量の1/Nの露出量で撮影したNフレームの画像を合成して適正露出の画像を生成する場合に用いられる。
I(x,y)=I_1(x,y)+I_2(x,y)+・・・+I_N(x,y)
加算モードにおいて合成部108は、各フレームの同じ座標の画素の輝度値を加算して合成画像を生成する。加算モードは、例えば適正露出量の1/Nの露出量で撮影したNフレームの画像を合成して適正露出の画像を生成する場合に用いられる。
・加算平均モード
I(x,y)=(I_1(x,y)+I_2(x,y)+・・・+I_N(x,y))/N
加算平均モードにおいて合成部108は、加算モードと同様に求めた輝度値をフレーム数Nで割ることで、各画素の輝度値がNフレームの平均値である合成画像を生成する。加算平均モードは、例えば高感度で撮影した画像のノイズを低減するために用いられる。
I(x,y)=(I_1(x,y)+I_2(x,y)+・・・+I_N(x,y))/N
加算平均モードにおいて合成部108は、加算モードと同様に求めた輝度値をフレーム数Nで割ることで、各画素の輝度値がNフレームの平均値である合成画像を生成する。加算平均モードは、例えば高感度で撮影した画像のノイズを低減するために用いられる。
・比較明モード
I(x,y)=max(I_1(x,y),I_2(x,y),・・・,I_N(x,y))
ここで、max()は、()内の要素の最大値を抽出する関数である。各フレームで同じ座標を有するN画素のうち最大の輝度値から構成される合成画像が得られる。比較明モードは、例えば花火や星空を撮影した画像を合成する際に効果的である。
I(x,y)=max(I_1(x,y),I_2(x,y),・・・,I_N(x,y))
ここで、max()は、()内の要素の最大値を抽出する関数である。各フレームで同じ座標を有するN画素のうち最大の輝度値から構成される合成画像が得られる。比較明モードは、例えば花火や星空を撮影した画像を合成する際に効果的である。
なお、位置合わせによる座標の変更により、合成する画素値が存在しない座標について、合成部108は、加算モードおよび加算平均モードでは他の所定のフレーム(例えば1フレーム目)における当該座標の画素値を代わりに用いることができる。また、合成部108は、加算平均モードまたは比較明モードでは存在する画素値だけを用いて合成を行うことができる(加算平均モードの場合には除数を加算に用いたフレーム数(<N)に変更する)。なお、これらは考えられる一例であり、他の方法を用いて合成してもよい。
また、合成部108は、有効画素領域200外の画像が基準画像の有効画素領域に合成されないようにする。位置合わせによって基準画像の有効画素領域に重なる位置に座標が変更された、有効画素領域200外の画素値について、合成部108は、画素値が存在しない場合と同様に取り扱うことができる。
信号処理部111は、(合成されていない)RAWデータや、合成部108により生成された合成画像のデータ(合成RAWデータ)に対し、現像処理を適用する。なお、現像処理を適用するのは、有効画素領域200に対応する画像領域である。現像処理は、色補間処理や階調補正処理(ガンマ処理)など、複数の画像処理の総称である。色補間処理は、撮影時に得られない色成分の値を補間する処理であり、デモザイク処理とも呼ばれる。色補間処理が適用されることにより、各画素はカラー画像として必要な複数の色成分(例えばRGBやYCbCr)を有するようになり、RAWデータではなくなる。
信号処理部111は、現像後の画像データに対して、特徴領域(たとえば顔領域や人体領域)やその動きの検出、人物の認識処理などの検出処理、合成処理、スケーリング処理、符号化および復号処理を適用することができる。また、信号処理部111は、ヘッダ情報生成処理などのデータ加工処理、自動焦点検出(AF)に用いる信号や評価値の生成、自動露出制御(AE)に用いる評価値の算出などの評価値算出処理など、様々な画像処理を適用することができる。なお、これらは信号処理部111が適用可能な画像処理の例示であり、信号処理部111が適用する画像処理を限定するものではない。
記録部112は、撮影モードおよび記録設定に応じて、RAWデータ、合成RAWデータ、現像処理された画像データ、これらのデータに付随する音声データなどを、メモリカードなどの記録媒体に記録する。
操作部115は、ユーザが撮像装置10に様々な指示を与えるための入力デバイス(スイッチ、キー、ボタン、ダイヤル、タッチパネルなど)の総称である。
表示部116は、例えばタッチディスプレイであり、ライブビュー画像、再生画像、GUI、撮像装置10の設定値や情報などの表示に用いられる。
表示部116は、例えばタッチディスプレイであり、ライブビュー画像、再生画像、GUI、撮像装置10の設定値や情報などの表示に用いられる。
図4のフローチャートを用いて、撮像装置10の合成撮影モードにおける動作について説明する。合成撮影モードは、経時的に撮影された複数フレームの画像を合成した合成画像を記録する撮影モードである。合成撮影モードでは、上述した複数の合成モードのいずれかが設定される。なお、ここでは静止画撮影に関して説明するが、各フレームを合成画像とするような動画撮影の1フレーム分の生成処理としても実行可能である。
S101で制御部113は、操作部115を通じてユーザから合成するフレーム数Nの設定を受け付ける。なお、フレーム数Nは、合成モードの設定と同様、事前に設定されていてもよい。
S102で制御部113は、操作部115を通じてユーザから撮影指示が入力されたことを検出する。撮影指示は例えば操作部115に含まれるシャッタボタンの全押し操作であってよい。撮影指示の入力を検出すると、制御部113はS103を実行する。
S103で制御部113は1フレームの撮影処理を実行する。なお、撮影時の露出条件(シャッタスピード、絞り値、感度)は、S102の前(例えばシャッタボタンの半押し操作を検出した際)に、例えばライブビュー画像を用いたAE処理を実行して得られる適正露出量とすることができる。なお、合成モードが加算モードの場合、制御部113は、S101で設定されたフレーム数Nに基づいて、適正露出量の1/Nとなるような露出条件を設定する。
制御部113は撮影で得られたRAWデータをメモリ114に保存する。制御部113は、1フレーム目の撮影時にはS104をスキップしてS105を実行し、2フレーム目以降の撮影時にはS104を実行する。
S104で、位置ずれ検出部109は、直近の撮影で得られた画像(RAWデータ)のずれ量を検出する。ここでは、2フレーム目以降の全ての画像について、1フレーム目の画像(基準画像)に対するずれ量を検出するものとする。また、ずれ量は、基準画像の一部をテンプレートとするテンプレートマッチングを用いて検出する。
ここでは、ずれ量の検出精度を高めるため、位置ずれ検出部109は、基準画像から複数のテンプレートを生成し、個々のテンプレートについて位置ずれ量を検出する。そして、位置ずれ検出部109は、検出された複数の位置ずれ量に基づいて、最終的な位置ずれ量を決定する。位置ずれ検出部109は、例えば、最も頻度が高い位置ずれ量、または位置ずれ量の平均値を最終的な位置ずれ量として決定することができるが、他の方法で決定してもよい。
S105で、OB積分部104は、直近の撮影で得られた画像(RAWデータ)のうち、OB領域201の画素値を用いて、画素の種類ごとに黒レベルを算出する。
S106で、OBクランプ部105は、S105で算出された黒レベルを用いて、直近の撮影で得られた画像(RAWデータ)のうち、有効画素領域の画素に対してOBクランプ処理を適用する。
S107で、位置ずれ補正部110は、S104で検出された位置ずれ量を用い、直近の撮影で得られた画像(RAWデータ)を、基準画像に位置合わせする。この位置合わせ処理について、図3を用いて説明する。
図3は、基準画像である1フレーム目の画像(RAWデータ)301に対し、2フレーム目の画像(RAWデータ)302を位置合わせして合成処理する構成を模式的に示している。画像301は、有効画素領域301aおよびOB領域301bを有している。同様に、画像302は、有効画素領域302aおよびOB領域302bを有している。
ここでは、位置ずれ補正部110のモードが、有効画素領域の画像だけを位置合わせするモードに設定されているものとする。したがって、位置合わせ後の画像302’では、有効画素領域302a’だけが移動し、OB領域302bは移動していない。その結果、位置合わせ後の画像302’には画素が存在しない領域302cが生じている。位置ずれ補正部110のモードがフレーム全体を位置合わせするモードに設定されている場合、内部的に座標情報が変更されているが、位置合わせ前後で画像302の見かけに変化はない。
S108で、合成部108は、S107で位置合わせされた画像(図3の画像302’)を、基準画像もしくは前フレームまでの合成画像(合成RAWデータ)に合成する。合成部108は、設定されているモードに応じて、上述したように合成処理を実行する。
図3では、位置合わせによって生じた、画素が存在しない領域302cについては、合成対象から外す加算平均モードまたは比較明モードにおける合成処理の例を示している。その結果、合成画像310の有効画素領域310aには、2フレーム目の画像が合成されない領域310cが含まれている。合成画像310のOB領域310については、1フレーム目のOB領域301bと2フレーム目のOB領域302bが、モードに応じた方法で合成されている。
なお、画素信号がマイナス方向のノイズの影響を受けている場合、S106のOBクランプ処理で黒レベルを減じた際に画素値が0未満になる可能性がある。これを防止するため、合成画像に所定の正のオフセットを付与してからメモリ114に保存してもよい。合成画像にオフセットが与えられる場合、合成する画像に合成画像に与えたものと同量のオフセットを与えてからS105のOBクランプ処理を適用する。OBクランプ処理の適用後、S108で合成処理を適用する前に両方の画像からオフセットを除去する。
また、図4のフローチャートでは基準画像に対して2フレーム目から順次合成を行うが、2フレーム目からNフレーム目までの合成画像を生成し、最後に基準画像に合成するようにしてもよい。この場合、2フレーム目からNフレーム目までの合成は、全てのフレームで重複する領域にだけ行ってもよい。基準画像の有効画素領域において、2フレーム目からNフレーム目までの合成画像が生成されていない部分については、合成する画素値が存在しないものとして、上述した合成モードに応じた方法を適用することができる。
S109で、制御部113は、設定フレーム数Nの撮影が完了したか否かを判定する。制御部113は、撮影が完了したと判定されればS110を、判定されなければS103で次のフレームの撮影を実行する。なお、制御部113は例えば撮影指示が継続して入力されている間は連続して撮影を行うものとする。設定フレーム数Nの撮影完了前に撮影指示の入力が途絶えた場合、例えば制御部113はそれまでに行った処理結果を破棄して撮影スタンバイ状態に復帰してもよい。
S110で、OB積分部104が、メモリ114に保存された合成画像のOB領域の画素値に基づいて、黒レベルを算出する。黒レベルの算出は、OB領域の画素値が合成処理後の画素値であることを除き、S105と同じである。
S111で、OB積分部104は、合成画像のOB領域の画素値のばらつきを示す値(例えば分散値)を算出する。分散値は画素の種類(色)ごとに算出してもよいし、全ての画素について1つの分散値を算出してもよい。OB積分部104は、S110とS111の処理を並行して実行してもよい。
S112で、OBクランプ部105は、S110で算出された、合成画像に基づく黒レベルを用い、合成画像の有効画素領域内の画素値に対してOBクランプ処理を適用する。なお、S106で合成前の画像にOBクランプを適用しているにも係わらず、合成後にOBクランプ処理を適用するのは、合成に起因した黒浮きを低減するためである。
例えば、高感度で撮影された複数フレームの画像を比較明モードで合成する場合、各フレームの画像はノイズを多く含んでいる。比較明モードの合成は、各座標において最も高い輝度値を選択するものである。したがって、ノイズによって本来の輝度値より高くなった輝度値が各座標について選択される可能性が高くなる。そのため、有効画素領域200と同様に比較明モードで合成されたOB領域201(合成OB領域)の画素に基づく黒レベルを用いて合成画像に対してOBクランプ処理を適用することにより、合成に起因する黒浮きを抑制することができる。ここでは合成による黒浮きが発生する典型例として比較明モードの合成について説明したが、他の合成モードでも合成による黒浮きは発生するため、合成画像について合成OB領域の画素に基づく黒レベルを用いたOBクランプ処理を適用する。
S113で、WB処理部107は、OBクランプ処理された、合成画像の有効画素領域の画像(RAWデータ)に対して、ホワイトバランス調整処理を適用する。
S114で、信号処理部111が、ホワイトバランス調整処理が適用されたRAWデータに対して、現像処理を適用する。信号処理部111は、S111で算出された分散値に応じて、現像処理の過程で適用するノイズ低減処理のパラメータを変更する。具体的には、信号処理部111は、分散値が予め定められた閾値より大きい場合には、そうでない場合よりも強いノイズ低減処理が適用されるように、ノイズ低減処理のパラメータを変更する。分散値が閾値より大きい場合にはそうでない場合よりもノイズ量が大きいためである。なお、ノイズ低減処理の強さが3通り以上ある場合には、2つ以上の閾値を用いてノイズ低減処理の強さを調整してもよい。信号処理部111は、現像処理後の画像データから、画像データを格納した画像データファイルを生成する。
S115で、記録部112は、S114で生成された画像データファイルをメモリカードなどの記録媒体や外部装置に記録する。なお、現像処理された画像データに加えて、あるいはその代わりに、S112でOBクランプ処理を適用する前の、有効画素領域の合成RAWデータを記録してもよい。また、合成RAWデータに外部装置がS112~S114の処理を実行するために必要な情報(S110で算出した黒レベルおよびS111で算出した分散量)を合成RAWデータに加えて記録してもよい。また、外部装置でS104~S114の処理を実行できるように、合成元のNフレームのRAWデータを記録してもよい。
記録部112による記録が終了すると、制御部113は図4に示した動作を終了し、例えば撮影スタンバイ状態に復帰する。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数フレームのRAWデータを合成する際に、RAWデータの位置合わせを、有効画素領域のデータとOB領域のデータとで別個に適用できるようにした。有効画素領域のデータを独立して位置合わせ可能にすることで、OB領域のデータが有効画素領域のデータに合成されることを防止できるため、合成画像の品質低下を抑制できる。また、合成するフレーム間でOB領域にズレを生じなくすることができるため、合成後のOB領域から精度の良い黒レベルが算出でき、合成によって生じる画像の黒浮きを効果的に抑制することができる。
●(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態はOBクランプ処理に加え、ラインオフセット補正を行う場合に関する。撮像素子に形成される多数の回路素子の特性は、製造誤差などに起因するばらつきが発生する。例えば画素ライン単位で設けられる増幅器の特性のばらつきによって生じる画素信号のオフセット量の差は、画像において縞状のパターンとして視認されうる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態はOBクランプ処理に加え、ラインオフセット補正を行う場合に関する。撮像素子に形成される多数の回路素子の特性は、製造誤差などに起因するばらつきが発生する。例えば画素ライン単位で設けられる増幅器の特性のばらつきによって生じる画素信号のオフセット量の差は、画像において縞状のパターンとして視認されうる。
ラインオフセット補正は、このような、水平画素ライン単位や垂直画素ライン単位で生じうる画素信号のオフセットの差を補正する処理である。画素ラインごとのオフセット量の差はOB領域の画素で検出することができる。そのため、OB領域で検出した画素ラインごとのオフセット量の差に基づいて、有効画素領域から読み出される画素信号にラインオフセット補正を適用することができる。
しかし、有効画素領域とOB領域とで位置合わせ量が異なる場合、ラインオフセット補正が必要な画素ラインの位置が、OB領域と位置合わせ後の有効画素領域とで一致しない。特に、複数フレームの画像を合成する場合にはフレームごとにOB領域と有効画素領域との位置合わせ量が異なりうる。そのため、合成処理後のOB領域で検出した画素ラインごとのオフセット量は合成後の有効画素領域の画素信号のオフセット量と一致せず、ラインオフセット補正を正しく行うことができない。
図5を用いて、正しいラインオフセット補正ができない例について説明する。ここでは水平画素ラインに対するラインオフセット補正に関して示しているが、垂直画素ラインに対するラインオフセット補正についても同様である。垂直画素ラインに対するラインオフセット補正を行う場合、図2に示したOB領域202を用いる。
図5は、基準画像である1フレーム目の画像(RAWデータ)301に対し、OB領域と有効画素領域との位置合わせ量を別個に適用して2フレーム目の画像(RAWデータ)302を位置合わせして合成処理する構成を模式的に示している。画像301は、有効画素領域301aおよびOB領域301bを有している。同様に、画像302は、有効画素領域302aおよびOB領域302bを有している。
ここでも、位置ずれ補正部110のモードが、有効画素領域の画像だけを位置合わせするモードに設定されているものとする。したがって、位置合わせ後の画像302’では、有効画素領域302a’だけが移動し、OB領域302bは移動していない。その結果、位置合わせ後の画像302’には画素が存在しない領域302cが生じている。
1フレーム目の画像(基準画像)301には、信号オフセットが他の水平画素ラインの信号オフセットよりも一定量以上大きい(または小さい)2つの水平画素ラインが、明るい(または暗い)筋状パターン501を形成している。同様に、2フレーム目の画像302にも、2つの水平画素ラインが明るい(または暗い)筋状パターン502を形成している。
撮像素子における水平画素ラインの位置は固定であるため、撮像画像には常に同じ位置に筋状のパターンが形成される。したがって、2フレーム目の画像の有効画素領域302aを1フレーム目の画像の有効画素領域301aに位置合わせする前は、1フレーム目の画像と2フレーム目の画像で同じ位置に筋状パターンが形成される。
しかしながら、2フレーム目の画像における筋状のパターンは、有効画素領域302を1フレーム目の画像の有効画素領域301に位置合わせすることにより、位置合わせ後の画像の有効画素領域302’では数と位置が変化している。
その結果、1フレーム目の画像に2フレーム目の画像の合成画像301の有効画素領域310aには、有効画素領域301が有する筋状パターン501に加え、有効画素領域302a’が有する筋状パターン502’が含まれている。
一方、OB領域に着目すると、1フレーム目および2フレーム目の画像のOB領域301bおよび302bは位置合わせされずに合成される。そのため、合成画像310におけるOB領域310bにおける筋状パターンの数および位置は、合成前と同じである。
ここで、ラインオフセット補正について説明する。ラインオフセット補正は、筋状パターンの有無および位置の検出と、オフセット補正量の決定とを含む。ラインオフセット補正は、例えば信号処理部111で実行することができる。
筋状パターンの有無および位置の検出は、OB領域310bの画素値を例えば水平方向に平均して形成した垂直方向に伸びる画素信号列について、代表信号レベルとの差の絶対値が閾値以上である信号レベルを有する画素とその位置の検出であってよい。代表信号レベルは信号レベルの平均値もしくは中央値であってよい。また、閾値は予め実験的に定めることができる。
代表信号レベルとの差の絶対値が閾値以上である信号レベルを有する画素が存在する場合、その位置が補正すべき画素ラインの位置に相当し、その信号レベルと代表信号レベルとの差をオフセット補正量とすることができる。なお、ここで説明したものとは異なる方法により、補正すべき画素ラインとその位置を検出したり、オフセット補正量を決定したりしてもよい。
合成画像310について、OB領域310bで検出された筋状パターンに基づいて有効画素領域310aにラインオフセット補正を適用することを考える。この場合、補正後の画像511の有効画素領域511aには、合成される画像のうち、有効画素領域の垂直方向の位置合わせ量が0でない画像(ここでは2フレーム目の画像)の筋状パターン502’が残ってしまう。
本実施形態では、ラインオフセット補正用の合成画像を生成することにより、上述した問題を解決する。具体的には、基準画像のOB領域に、合成する個々のフレーム画像のOB領域を、有効画素領域の位置合わせ量に応じて位置合わせして合成することにより、ラインオフセット補正用の合成画像を生成する。
従って、本実施形態においては、
・有効画素領域を位置合わせして合成して得られる合成画像(第1の合成画像)
・抽出したOB領域を位置合わせして合成して得られる、ラインオフセット補正用の合成画像(第2の合成画像)
・OB領域を位置合わせせずに合成して得られる、OBクランプ(黒レベルの調整)用の合成画像(第3の合成画像)
が生成される。
・有効画素領域を位置合わせして合成して得られる合成画像(第1の合成画像)
・抽出したOB領域を位置合わせして合成して得られる、ラインオフセット補正用の合成画像(第2の合成画像)
・OB領域を位置合わせせずに合成して得られる、OBクランプ(黒レベルの調整)用の合成画像(第3の合成画像)
が生成される。
図6は、図5と同じ合成処理において、ラインオフセット補正用の合成画像を用いる例を示している。合成部108は、図6に示すように、1フレーム目の画像(基準画像)301に合成する、2フレーム目の画像302のOB領域302bを抽出し、有効画素領域302aの位置合わせ量の垂直方向成分を適用して位置合わせした画像601を生成する。そして、合成部108は、位置合わせしたOB領域の画像601を、基準画像から抽出したOB領域301bに合成し、ラインオフセット補正用の合成画像602を生成する。
なお、3フレーム以上を合成する場合、合成部108は、基準画像を除く各フレーム画像について、OB領域を抽出し、有効画素領域の位置合わせ量の垂直成分を適用して位置合わせしたのち、基準画像から抽出したOB領域に順次合成する。このようにして、合成部108はラインオフセット補正用の合成画像を生成することができる。
なお、OB領域の位置合わせを行う際、有効画素領域の位置合わせ量の垂直方向成分だけを適用するのは、ラインオフセット補正の対象が水平画素ラインのためである。ラインオフセット補正の対象が垂直画素ラインの場合には、フレーム画像のOB領域202に有効画素領域の位置合わせ量の水平方向成分だけを適用し、OB領域を位置合わせする。
なお、ラインオフセット補正用の合成画像は、各フレームから抽出したOB領域を用いるため、各フレームのOB領域の合成には影響を与えない。合成部108は、OBクランプ用に用いるOB領域の合成や、有効画素領域の合成とは別個に、ラインオフセット補正用の合成を行う。
ラインオフセット補正用の合成画像602には、位置合わせされて合成された有効画素領域310aと同じ位置に筋状パターンが存在する。そのため、ラインオフセット補正用の合成画像602を用いて合成後の有効画素領域310aに対してラインオフセット補正を適用することにより、筋状パターンを適切に補正することができる。図6に示すように、ラインオフセット補正後の画像511’の有効画素領域511aには筋状パターンが存在しない。
なお、ラインオフセット補正用の合成画像602を用いたラインオフセット補正を適用する場合、信号処理部111は、合成画像602のうち、合成画像602の生成に用いられたOB領域の全てに共通する領域を用いてもよい。この場合、信号処理部111は、図6の602aで示す領域のように、一部のフレームのOB領域しか合成されていない領域はラインオフセット補正に用いない。
図7は、第1実施形態で説明した撮像装置10の合成撮影モードにおける動作に、本実施形態で説明したラインオフセット補正に関する工程を追加したフローチャートである。S701~S708は図4のS101~S108と、S711~S714は図4のS109~712と、S716~S718は図4のS113~S115の処理とそれぞれ同じであるため、説明を省略する。
S709で制御部113は、信号処理部111に直近に撮影されたフレーム画像からOB領域を抽出して位置ずれ補正部110に供給するように指示する。また、制御部113は、S709を最初に実行する場合には、信号処理部111に基準画像のOB領域も抽出して合成部108に供給するように指示する。信号処理部111は制御部113からの指示に従ってフレーム画像からOB領域を抽出し、位置ずれ補正部110に供給する。
また、制御部113は位置ずれ補正部110に対し、S707における位置合わせ処理で有効画素領域に適用した位置合わせ量を用いてOB領域に位置合わせ処理を適用し、合成部108に供給するように指示する。位置ずれ補正部110は、信号処理部111から供給されるOB領域に対して位置合わせ処理を適用し、合成部108に供給する。上述したように、位置合わせ処理において位置ずれ補正部110は、OB領域201が抽出される場合には位置合わせ量の垂直方向成分のみを適用し、OB領域202が抽出される場合には位置合わせ量の水平方向成分のみを適用する。位置ずれ補正部110は、位置合わせ処理を適用したOB領域を合成部108に供給する。
S710で制御部113は、合成部108に対し、ラインオフセット補正用の合成画像を生成するように指示する。合成部108は、位置ずれ補正部110から供給される位置合わせ後のOB領域を、直近に生成し、メモリ114に格納した合成画像にさらに合成する。S710を最初に実行する場合、合成部108は信号処理部111から供給される、基準画像のOB領域に対して、位置ずれ補正部110から供給される位置合わせ後のOB領域を合成する。合成部108は、OB領域の合成画像をメモリ114に格納する。
なお、ここでは記録用のフレーム画像のOB領域301と有効画素領域302の合成処理が完了してからオフセット補正用の合成画像を生成するための位置合わせ処理や合成処理を実行する場合について説明した。しかし、オフセット補正用のOB領域の合成画像を生成するための位置合わせ処理および合成処理についてもS707およびS708で実行するようにしてもよい。
S714のOBクランプ処理が終了すると、S715で制御部113は、信号処理部111にラインオフセット補正を実行するように指示する。信号処理部111は、メモリ114に格納されているオフセット補正用の合成画像を読み出して、筋状パターンの有無および位置を検出する。筋状パターンが検出されない場合、信号処理部111は制御部113に検出結果(検出されない)を通知し、ラインオフセット補正を適用しない。この場合制御部113はS716を実行し、WB処理部107にホワイトバランス調整処理の実行を指示する。
一方、筋状パターンが検出された場合、信号処理部111はその位置を検出するともに、検出された筋状パターンごとにオフセット補正値を決定する。そして、信号処理部111は、メモリ114に格納されているOBクランプ処理済みの合成画像に対し、ラインオフセット補正を適用する。以降の処理は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
本実施形態では、OB領域を位置合わせして合成した画像をラインオフセット補正用に生成する。そして、ラインオフセット補正用に生成した、OB領域の合成画像を用いて、有効画素領域の合成画像に対してラインオフセット補正を適用するようにした。これにより、第1実施形態の効果に加え、撮像素子の回路特性のばらつきに起因する筋状のパターンを適切に補正することが可能になる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では撮像装置における撮影時に合成画像を生成する場合について説明した。しかし、先に述べたとおり、本発明において撮影機能は必須でない。したがって、S103(S703)で撮影する代わりに、経時的に撮影され、記録されたRAWデータの1フレームを取得して、S104(S704)以降の処理を実行する画像処理装置でも本発明を実施可能である。この場合、S109(S709)の判定処理は、設定数のフレームの取得を完了したか否かを判定する。
上述の実施形態では撮像装置における撮影時に合成画像を生成する場合について説明した。しかし、先に述べたとおり、本発明において撮影機能は必須でない。したがって、S103(S703)で撮影する代わりに、経時的に撮影され、記録されたRAWデータの1フレームを取得して、S104(S704)以降の処理を実行する画像処理装置でも本発明を実施可能である。この場合、S109(S709)の判定処理は、設定数のフレームの取得を完了したか否かを判定する。
また、第2実施形態で説明したラインオフセット補正についても、撮影時に実行しなくてもよい。例えば、有効画素領域の合成画像と関連付けてラインオフセット補正用のOB領域の合成画像を記録しておくことにより、記録した装置とは異なる装置で、かつ任意のタイミングで、ラインオフセット補正を実行することができる。
あるいは、OB領域についてもRAWデータとして記録しておくことで、合成画像の生成とラインオフセット補正とを、記録した装置とは異なる装置で、かつ任意のタイミングで実行することができる。
また、上述の実施形態において、撮像素子102とは別の機能ブロックとして記載した構成の1つ以上を撮像素子102に実装してもよい。撮像素子102を積層型撮像素子とすることで、A/D変換部103、メモリ114、位置ずれ検出部109、位置ずれ補正部110、および合成部108を撮像素子102に実装することができる。
この場合、有効画素領域の合成画像は撮像素子102で生成することができる。また、ラインオフセット補正用のOB領域の合成画像も撮像素子102内で生成することができる。撮像素子102は、有効画素領域の合成画像のデータと、ラインオフセット補正用のOB領域の合成画像のデータとを別個の画像データとして出力してもよいし、1つの画像データに合成して出力してもよい。撮像素子内でラインオフセット補正も可能である場合、撮像素子はラインオフセット補正用のOB領域の合成画像のデータを出力しなくてもよい。
また、第2実施形態ではラインオフセット補正用のOB領域の合成画像を常に生成するものとしたが、ラインオフセット補正が必要と判断される場合のみ生成するようにしてもよい。ラインオフセット補正の必要性は、例えば撮影時のISO感度やシャッタ速度など撮影条件や、センサ温度や環境温度等の環境条件を、予め定めた閾値と比較することによって判定することができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は上述した実施形態の内容に制限されず、発明の精神および範囲から離脱することなく様々な変更及び変形が可能である。したがって、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
10…撮像装置、102…撮像素子、104…OB積分部、105…OBクランプ部、108…合成部、109…位置ずれ検出部、110…位置ずれ補正部、113…制御部
Claims (11)
- 複数フレームの画像データを取得する取得手段と、
前記複数フレームの画像データを位置合わせする位置合わせ手段と、
位置合わせされた前記複数フレームの画像データを合成する合成手段と、を有する画像処理装置であって、
前記画像データには、撮像素子の有効画素領域の画素のデータであって、所定の色成分の配列に対応する信号で構成される第1のデータと、有効画素領域外の画素のデータである第2のデータが含まれ、
前記位置合わせ手段は、前記複数フレームの画像データに含まれる前記第1のデータを位置合わせするために用いる位置合わせ量に基づいて、前記複数フレームの画像データに含まれる前記第2のデータを位置合わせし、
前記合成手段が、前記位置合わせされた前記第1のデータを合成した第1の合成画像のデータと、前記位置合わせされた前記第2のデータを合成した第2の合成画像のデータとを生成し、
前記画像処理装置は、前記第2の合成画像のデータに基づいて、前記第1の合成画像のデータを補正する補正手段をさらに有する、ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記補正手段は、前記複数フレームの画像データの生成に用いられた撮像素子に起因して前記第1の合成画像に画素ライン単位で発生する筋状パターンを補正することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記補正手段が水平画素ラインに発生する筋状パターンを補正する場合、前記位置合わせ手段は、前記複数フレームの画像データに含まれる前記第1のデータを位置合わせするために用いる位置合わせ量の水平方向成分と垂直方向成分のうち、垂直方向成分を用いて前記第2のデータを位置合わせすることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記補正手段が垂直画素ラインに発生する筋状パターンを補正する場合、前記位置合わせ手段は、前記複数フレームの画像データに含まれる前記第1のデータを位置合わせするために用いる位置合わせ量の水平方向成分と垂直方向成分のうち、水平方向成分を用いて前記第2のデータを位置合わせすることを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理装置。
- 前記第1の合成画像のデータと、前記第2の合成画像のデータとを関連付けて記録する記録手段をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記合成手段は、位置合わせされていない前記第2のデータを合成した第3の合成画像のデータをさらに生成することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第3の合成画像のデータが、前記第1の合成画像のデータの黒レベルの調整に用いられることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記第2のデータが露光されない画素のデータであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 撮像素子と、
請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
を有し、
前記複数フレームの画像データが、前記撮像素子を用いて経時的に撮影されたものである、ことを特徴とする撮像装置。 - 画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
複数フレームの画像データを取得することと、
前記複数フレームの画像データを位置合わせすることと、
位置合わせされた前記複数フレームの画像データを合成することと、を有し、
前記画像データには、撮像素子の有効画素領域の画素のデータであって、所定の色成分の配列に対応する信号で構成される第1のデータと、有効画素領域外の画素のデータである第2のデータが含まれ、
前記位置合わせすることは、前記複数フレームの画像データに含まれる前記第1のデータを位置合わせするために用いる位置合わせ量に基づいて、前記複数フレームの画像データに含まれる前記第2のデータを位置合わせすることを含み、
前記合成することは、前記位置合わせされた前記第1のデータを合成した第1の合成画像のデータと、前記位置合わせされた前記第2のデータを合成した第2の合成画像のデータとを生成することを含み、
前記画像処理方法は、前記第2の合成画像のデータに基づいて、前記第1の合成画像のデータを補正することをさらに有する、ことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを、請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置が有する各手段として機能させるためのプログラム。
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