JP2023084286A - 歯ブラシ - Google Patents

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郁美 香嶋
Ikumi Kashima
行紀 和田
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Abstract

【課題】衝撃の緩和効果が高く、通常使用の際の良好な操作性や清掃性が維持でき、成形も容易で効率よく製造できる歯ブラシを提供せんとする。【解決手段】柄部4が、ネック部3と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部5と、第一の硬質樹脂に対して低密着の性質を有する第二の硬質樹脂により芯材部を被覆するように形成された被覆体6とを有し、被覆体の基端部に、芯材部の基端よりもさらに基端側に突出し、内側に芯材部5が存在しない余剰空間s1を有する突出部65を備え、芯材部および被覆体には互いに係合して芯材部5が被覆体の突出部内側の余剰空間側へ相対移動することを阻害する係合突部7a又は被係合部7bが設けられ、係合突部及び被係合部は、所定の力を超える力が作用したときに互いに離間又は係合突部が折れることで係合状態が外れ、余剰空間側への相対移動を許容する。【選択図】図2

Description

本発明は、毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の基端側に連設されたネック部と、該ネック部の基端側に連設された持ち手となる柄部とを備えた歯ブラシに係り、とくに、喉を突いた際に衝撃を緩和できる歯ブラシに関する。
この種の歯ブラシとしては、従来、柄部の基端側に熱可塑性エラストマーで成形された緩衝部を設け、喉を突いた際の衝撃を緩和する幼児用歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来のものは、エラストマーという素材の屈曲で衝撃を緩和するものであるため、エラストマーが硬めだと喉を突いた際の緩和効果が低く、柔らかすぎると通常の操作の際の操作性や清掃性が著しく低下することとなり、両立が難しく、素材も高価で、成形が難しいという課題があった。
特開2018-202004号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、衝撃の緩和効果が高く、通常使用の際の良好な操作性や清掃性が維持でき、成形も容易で効率よく製造できる歯ブラシを提供する点にある。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の基端側に連設されたネック部と、該ネック部の基端側に連設された持ち手となる柄部とを備え、前記柄部が、前記ネック部と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部と、前記第一の硬質樹脂に対して低密着の性質を有する第二の硬質樹脂により前記芯材部を被覆するように形成された被覆体とを有し、前記被覆体の外面が把持部として機能する歯ブラシであって、前記被覆体の基端部に、前記芯材部の基端よりもさらに基端側に突出し、内側に前記芯材部が存在しない余剰空間を有する突出部を備え、前記芯材部および前記被覆体には、互いに係合して前記芯材部が前記被覆体の前記突出部内側の余剰空間側へ相対移動することを阻害する係合突部又は被係合部が設けられ、前記係合突部及び被係合部は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間又は前記係合突部が折れることで係合状態が外れ、前記余剰空間側への相対移動を許容するように構成されていることを特徴とする歯ブラシ。
(2) 前記芯材部および前記被覆体の間の境界面の少なくとも一部の領域が、基端側ほど周長が大きくなる傾斜面である、(1)記載の歯ブラシ。
(3) 前記傾斜面が、傾斜角5°以内のテーパー面である、(2)記載の歯ブラシ。
(4) 上下割構造の金型で製造した、(1)~(3)の何れかに記載の歯ブラシ。
以上にしてなる本願発明に係る歯ブラシは、係合突部及び被係合部が、所定の力を超える力が作用したときに互いに離間又は前記係合突部が折れることで、係合状態が外れ、相対移動を許容するように構成したので、衝撃の緩和効果が高く、且つ、通常使用の際の良好な操作性や清掃性を維持することが容易である。
すなわち、従来のようにエラストマーの素材で変形させて衝撃緩和するものではなく、係合突部と被係合部との係合状態を解除することで芯材部と把持部となる被覆体とを軸方向に相対移動させて衝撃緩和するので、係合突部と被係合部の構造設計でその係合が外れるときの力を狙いどおりの所定の値に設定することが容易である。したがって、衝撃の緩和効果と通常使用時の操作性、清掃性の両立を容易に実現することができる。
また、高価な特定のエラストマーを使用する必要がなく、比較的材料選択の幅が広いためコスト削減が可能であり、さらに、複数部品の組付けでなく二色成形等により容易に効率よく製造できる。
また、被覆体の基端部に、芯材部の基端よりもさらに基端側に突出し、内側に前記芯材部が存在しない余剰空間を有する突出部を備え、余剰空間側への相対移動を許容するように構成されているので、余剰空間に退避する分、歯ブラシの全長が短くなり、基端側をふさぐように手で持っていた場合や、使用中に転んで歯ブラシの基端を床や壁に突いたような状況でも、余剰空間の長さ分だけは確実に相対移動が確保され、衝撃を確実に緩和することができる。
また、前記芯材部および前記被覆体の間の境界面の少なくとも一部の領域が、基端側ほど周長が大きくなる傾斜面である場合、上記係合突部と被係合部との凹凸係合が外れてすぐに、芯材部と被覆体との間に隙間ができ、摩擦で相対移動の動きが悪くなるような事態を回避できる。また、軸方向に対して斜めに突いても、係合状態が外れて衝撃を緩和できるようになる。
前記傾斜面が、傾斜角5°以内のテーパー面である場合、把持部の傾斜又は外径が大きくなりすぎず、良好な把持性を維持できる。
また、上下割構造の金型で製造した場合、一方向のみに開いて成形物を取り出せるため、効率よく製造できる。
本発明の代表的実施形態にかかる歯ブラシを示す斜視図。 同じく歯ブラシの縦断面図。 同じく歯ブラシの分解斜視図。 (a)(b)は同じく衝撃を緩和する歯ブラシの動作を示す説明図。 同じく歯ブラシが衝撃を緩和している様子を示す説明図。 係合突部および被係合部の変形例を示す説明図。 同じく係合突部および被係合部の他の変形例を示す説明図。 同じく係合突部および被係合部のさらに他の変形例を示す説明図。 本発明の歯ブラシの変形例を示す説明図。 同じく変形例の歯ブラシの縦断面図。 同じく変形例の歯ブラシのA-A横断面図およびB-B横断面図。 本発明の歯ブラシの他の変形例を示す説明図。。 (a)(b)は本発明の歯ブラシのさらに他の変形例を示す説明図。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
本発明の歯ブラシ1は、図1及び図2に示すように、毛束20が植設されたヘッド部2と、該ヘッド部2の基端側(後端部)に連設された略棒状のネック部3と、該ネック部の基端側(後端部)に連設された持ち手となる柄部4とを備えている。柄部4は、例えばポリアセタール樹脂(POM)等からなる第一の硬質樹脂によりネック部3と一体に形成された芯材部5と、第一の硬質樹脂に対して低溶着の性質を有する硬質樹脂、つまり成形時に第一の硬質樹脂と混ざり合うことなく、成形後に互いに分離した状態となる性質を有する第二の硬質樹脂により芯材部5を被覆するように形成された被覆体6とを有し、被覆体6の外面が把持部として機能する
例えば、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT),もしくはポリプロピレン樹脂(PP)等からなる結晶化樹脂は、相手が結晶化樹脂の場合(但し、PP同士は除く)、または非結晶化樹の場合に、互いに低溶着の性質を有している。
このため、芯材部5を構成する第一の硬質樹脂及び被覆体6を構成する第二の硬質樹脂のいずれか一方を、ポリアセタール樹脂(POM)等の結晶化樹脂とし、同他方を、例えばアクリロニトリルブタジェンスチレン樹脂(ABS)、ポリカーボネート(PC)もしくはアクリル樹脂(PMMA)等からなる非結晶化樹脂とすることにより、成形時に第一の硬質樹脂と第二の硬化樹脂とが混ざり合うことがなく、成形後に芯材部5と被覆体6とが互いに分離した状態とすることができる。
また、前記結晶化樹脂の中でもポリプロピレン樹脂(PP)同士は、溶着性が高いために、第一の硬質樹脂及び第二の硬質樹脂の両方をポリプロピレン樹脂(PP)で形成したものを除き、第一の硬質樹脂及び第二の硬質樹脂の両方を結晶化樹脂とした場合においても、芯材部5と被覆体6とが互いに融着した状態となるのを防止することができる。
このため、例えば、芯材部5を構成する第一の硬質樹脂及び被覆体6を構成する第二の硬質樹脂のいずれか一方を、ポリアセタール樹脂(POM)等の結晶化樹脂とし、同他方を、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT),もしくはポリプロピレン樹脂(PP)等からなる結晶化樹脂とすることにより、上記の場合と同じく、成形時に第一の硬質樹脂と第二の硬化樹脂とが混ざり合うのを防止して、成形後に芯材部5と被覆体6とを互いに分離させた状態とすることができる。
芯材部5および被覆体6には、図1~図3に示すように、互いに係合して芯材部5が被覆体6の基端側へ相対移動することを阻害する係合突部7a又は被係合部7bが設けられている。本実施形態では、被係合部7bとして、芯材部5の基端寄りの外周部(後端寄りの外周部)に、凹部50が軸を中心とした対称となる角度位置に2つ形成され、且つ被覆体6の内周壁の前記凹部50に対応する2位置に、係合突部7aとして前記凹部50に凹凸係合(凹凸嵌合)した状態の突片61が形成されている。
被覆体6の基端部(後端部)の領域には、芯材部5の基端5dよりもさらに基端側に突出し、内側に芯材部5が存在しない余剰空間s1を有する突出部65が設けられている。突出部65の基端65b(後端)は開放されていてもよいし、後述する図12に示す例のように閉じて構成されてもよい。
そして、使用者が歯ブラシを口の奥に入れすぎて喉を突くなど、所定の力(たとえば2kgfなど、適宜な大きさに設定できる)を超える力が作用したときには、図4及び図5に示すように、芯材部5の前記突片61(係合突部7a)が折れて、凹部50(被係合部7b)との係合状態が解除され、芯材部5を含む本体側が、把持されている被覆体6の前記突出部65内側の余剰空間s1側へ相対移動し、衝撃力を緩和できるように設計される。符号610は突片61が折れて破断してなる破断片を示している。
図4(a)は、床や壁などに基端部1dを突いたときも余剰空間s1の軸方向長さ分だけ本体側が基端側へ相対移動し、歯ブラシの全長が短くなることで衝撃を吸収することができることを示している。図4(b)は、床や壁から離れたところでは、さらに本体側が基端側へ相対移動して衝撃を吸収できることを示している。
本実施形態では、図1~図3に示すように、芯材部5および被覆体6の間の境界面40の少なくとも一部の領域(領域R1)が、基端側ほど周長が大きくなる傾斜面とされているため、通常の歯磨きの際などに、逆に被覆体6が基端側へ抜けてしまうことが防止されている。
このように境界面40に傾斜面を設けることは、他にも効果がある。すなわち、このような傾斜面があることで、図4に示すように、上記凹凸係合が外れて芯材部5を含む本体側が被覆体6の基端側へ相対移動をはじめてすぐに、芯材部5と被覆体6との間に隙間41が形成されることになる。したがって、凹凸係合が解除された後も芯材部5と被覆体6との間に摩擦が生じて動きが悪くなり、衝撃緩和効果が小さくなってしまうということを回避できることになる。
また、軸に対して斜めの方向に突いた場合でも、本例のようなテーパー面が形成されていると、係合突部7aの少なくとも1つには突出方向に直角な方向に力が作用して想定どおり折れやすくなり、1つが折れることで他にも力が作用して折れやすくなる。ただし、傾斜面の傾斜角度が大きくなりすぎると、把持部の傾斜又は外径が大きくなり、把持性が悪化するため、傾斜角5°以内のテーパー面とすることが好ましい。
本例では、境界面40のうち係合突部7a及び被係合部7bの位置よりも先端側の領域R1がほぼ一定の角度で傾斜するテーパー面で構成されているが、同位置よりも基端側の領域R2は、傾斜のないストレート面で構成されている。すなわち、芯材部5の外周面のうち凹部50よりも先端側の領域はテーパー面、基端側の領域はストレート面とされ、被覆体6の内周面のうち突片61よりも先端側の領域はテーパー面、基端側の領域はストレート面とされている。
被覆体6の上記基端側の領域は、上記相対移動の際に、折れた突片61が内部に収納した状態の凹部50が通過する領域となるが、この部分をテーパー面とすると、生じた隙間に折れた突片61の破断片610が凹部50から出てきて挟まり、相対移動を阻害するおそれがあるのに対し、本例のようにストレート面(または比較的小さい傾斜角のテーパー面)とすることで、隙間の発生をなくし(または抑制し)、上記破断片610の挟まりを回避している。
係合突部7aと被係合部7bは、上記した被覆体6側の突片61と芯材部5側の凹部50との組み合わせ以外であってもよい。図6に示すように、係合突部7aとして芯材部5側に突片51を設け、被係合部7bとして被覆体6側に凹部60を設けたものでもよい。符号510は突片51が折れて破断してなる破断片を示している。
また、図1~図4の代表的実施形態では、突片61と凹部50を、それぞれ被覆体6と芯材部5の途中部に形成しているが、芯材部5に設けられる係合突部7aまたは被係合部7bについては、図7に示すように、基端5dに設けることも好ましい。基端5dに設けることで、上記した突片61の破断片の挟み込みも生じなくなる。図7(a)は、芯材部5の基端部に被覆体6側の突片61に係合する切欠き溝54を設けた例である。
図7(b)は被覆体6側の突片61に対する被係合部7bとして、凹部を設けることなく、芯材部5の基端面(後端面)の外周縁部52に係合する構造とした例である。ただし、この場合は芯材部5と被覆体6とが軸中心に周方向に相対回転してしまわないように互いの境界面に、軸方向には相対移動を許容しつつ周方向に係合する凹凸係合構造を別途形成しておくことが好ましい。
以上例示した係合突部7aと被係合部7bは、係合突部7aが折れて凹凸係合が解除される例を示したが、たとえば係合突部7a又は被係合部7bが互いに離間して凹凸係合が解除される構造としてもよい。たとえば図8(a)は、係合突部7aとして被覆体6に形成される突片61を被覆体6の基端面に開放される軸法に沿った一対の貫通溝62の間に形成されるL字状の構造としたものである。
このような構造によれば、喉を突くなど所定の力を超える力が作用したとき、図8(c)に示すように、被覆体6の突片61(係合突部7a)が外方へ屈曲変形して芯材部5の切欠き溝54(被係合部7b)から離間し、係合状態が解除され、芯材部5を含む本体側が、使用者の手で把持されている被覆体6の基端側の余剰空間s1へ相対移動し、衝撃力を緩和できる。
また、図8(b)に示すように、同じく被覆体6の基端面に開放される軸方向に沿った貫通溝63を、1本または複数本、突片61と異なる位置に設け、喉を突くなど所定の力を超える力が作用したとき、突片61を含む被覆体6の基端部全体が外方に膨らむ様に変形し、同様に突片61(係合突部7a)が芯材部5の凹部50(被係合部7b)から離間し、係合状態が解除され、芯材部5を含む本体側が、手で把持されている被覆体6の基端側の余剰空間s1へ相対移動し、衝撃力を緩和できるように構成することもできる。
また、図9~図11に示すように、被覆体6の基端側の余剰空間s1を内側に有する突出部65につき、成形しやすいように、上下に余剰空間s1を形成するための二次金型の金型部位を抜くことができる周方向に沿った貫通溝66、67を交互に設けたものも好ましい。このような構造とすることで、二次金型を、貫通溝66/67を通じて上下に退避できる板状コア部を有する上下割構造の金型で効率よく成形でき、余剰空間s1の通気性も向上する。さらに、このような板状コア部が抜ける貫通溝66、67を設けることで、上記上下割構造の金型で、図12に示すように、余剰空間s1を有しつつ基端部に閉塞壁68を有する被覆体6も容易に成形することもできる。
また、図13に示すように、柄部4の先端部に、軸方向に直交する方向にネック部3を相対的に揺動変位可能とする細径部53をさらに備えるものも好ましい。これにより、喉を突いた際にヘッド部2がネック部3とともに揺動し、衝撃をさらに緩和させることができるとともに、従来のエラストマーのように素材自体の屈曲で動くものに比べ硬質樹脂を用いた構造的な可動機構であるので、清掃性や操作性を低下させることなく設計できる自由度も高い。
本例では芯材部の先端部位を断面積が前後に比べて比較的小さくなる細径部53として屈曲変形可能に構成するとともに、対応する被覆体6の先端部位におけるネック部3を揺動させたい方向に、屈曲した細径部と干渉することなくその屈曲を許容する、先端側に開放された貫通溝64を設けたものである。本例では、ヘッド部2の毛束20の突出方向(腹側)および裏側(背側)にそれぞれ貫通溝64を設け、これら2方向にネック部3が揺動できるように構成されている。
細径部53と被覆体6の貫通溝64以外の部位との間には隙間s2が形成されることになるが、このような隙間s2は貫通溝64が存在するので二色成形時に上下割構造の二次金型で問題なく形成できる。細径部53は、ストレートの円柱状としているが、これに限定されず、種々の構造が可能である。
次に、図1~図3に示した代表的実施形態の歯ブラシの製造手順を説明する。
まず、歯ブラシのヘッド部2とネック部3と柄部4の芯材部5とが一体に連設された一次側成形品11(図3参照)を成形するための一次金型を型締めした状態で、この一次金型内にポリアセタール樹脂(POM)等の結晶化樹脂からなる第一の硬質樹脂を注入して前記一次側成形品11を成形する。一次金型は効率のよい上下割構造の金型を採用できる。
次いで、一次金型を型開きした後、被覆体6からなる二次側成形品12を成形するための二次金型を型締めした状態で、この二次金型内に前記第一の硬質樹脂に対して低溶着の性質を有する硬化樹脂、例えばアクリロニトリルブタジェンスチレン樹脂(ABS)、ポリカーボネート(PC)もしくはアクリル樹脂(PMMA)等からなる非結晶化樹脂、または例えばポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT),もしくはポリプロピレン樹脂(PP)等の結晶化樹脂からなる第二の硬質樹脂を注入して二次側成形品12を成形する。ここで、二次金型は、上下の割型に加えて基端の余剰空間s1を形成するための略柱状のスライドコアを軸方向に退避可能に設けるスライド金型を用いることができる。
このようにして第一の硬質樹脂からなる一次側成形品11の芯材部5が、第二の硬質樹脂からなる被覆体6により被覆された歯ブラシを成形することができる。なお、被覆体6を構成する第二の硬化樹脂として、透明な材料を用いてもよい。この「透明」とは、可視光の透過を認めることができることを意味する。また、可視光を透過しない物質(例えば、ラメ、顔料など)を少量混合した樹脂であっても、可視光を透過することができれば透明に該当する。
透明合成樹脂としては、特に、JIS K 7105の試験方法により測定した値が80%以上である樹脂を用いることが好ましい。このように透明な材料からなる第二の硬化樹脂で被覆体6を構成すれば、芯材部5の外周面に設けられた模様が被覆体6を透かして視認可能となり、これによって歯ブラシのデザイン性を向上させることができる。
このようにして、毛束20が植設されたヘッド部2と、このヘッド部2に連設されたネック部3と、持ち手となる柄部4とを備え、ネック部3と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部5と、第一の硬質樹脂に対して低溶着の性質を有する第二の硬質樹脂からなる被覆体6とにより柄部4が構成された歯ブラシを、二色成形により容易かつ安価に製造することができる。歯ブラシの柄部4を構成する一次側成形品11の芯材部5と、二次側成形品12の被覆体6とを、互いに低溶着の性質を有する硬質樹脂で形成したため、一次側成形品11と二次側成形品12とが組み合わされた歯ブラシを二色成形によって形成したにも拘わらず、芯材部5と被覆体6とが互いに融着した状態となることが防止される。
歯ブラシの使用者は、柄部4の外周部に位置する被覆体6を安定して把持した状態で、ヘッド部2の毛束20を歯に当接させることにより歯を磨くことができる。また、従来のように高価なエラストマー等からなる軟質樹脂を用いことなく、エラストマーよりも安価な二種類の硬質樹脂を選択することにより歯ブラシを安価に製造することが可能である。
なお、一次側成形品11と二次側成形品12とからなる歯ブラシを二色成形で形成してなる上述の実施形態に代え、第一の硬化樹脂により歯ブラシのヘッド部2とネック部3と芯材部5とが一体に連設されてなる成形品と、第二の硬化樹脂により形成された被覆体6からなる成形品とを、別々に射出成形等の手段で形成した後、これらを一体に結合することも、凹凸係合構造によっては可能である。しかし、この場合には、製造工程が複雑になって製造コストが高くなることが避けらないため、上述の二色成形法により芯材部5と被覆体6とが一体に形成された歯ブラシを安価に製造することが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
1 歯ブラシ
1d 基端部
2 ヘッド部
3 ネック部
4 柄部
5 芯材部
5d 基端
6 被覆体
7a 係合突部
7b 被係合部
11 一次側成形品
12 二次側成形品
20 毛束
40 境界面
41 隙間
50 凹部
51 突片
52 外周縁部
53 細径部
54 切欠き溝
60 凹部
61 突片
62 貫通溝
63 貫通溝
64 貫通溝
65 突出部
65b 基端
66、67 貫通溝
68 閉塞壁
510、610 破断片
R1、R2 領域
s1 余剰空間
s2 隙間

Claims (4)

  1. 毛束が植設されたヘッド部と、
    該ヘッド部の基端側に連設されたネック部と、
    該ネック部の基端側に連設された持ち手となる柄部とを備え、
    前記柄部が、
    前記ネック部と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部と、
    前記第一の硬質樹脂に対して低密着の性質を有する第二の硬質樹脂により前記芯材部を被覆するように形成された被覆体とを有し、
    前記被覆体の外面が把持部として機能する歯ブラシであって、
    前記被覆体の基端部に、前記芯材部の基端よりもさらに基端側に突出し、内側に前記芯材部が存在しない余剰空間を有する突出部を備え、
    前記芯材部および前記被覆体には、互いに係合して前記芯材部が前記被覆体の前記突出部内側の余剰空間側へ相対移動することを阻害する係合突部又は被係合部が設けられ、
    前記係合突部及び被係合部は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間又は前記係合突部が折れることで係合状態が外れ、前記余剰空間側への相対移動を許容するように構成されていることを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記芯材部および前記被覆体の間の境界面の少なくとも一部の領域が、基端側ほど周長が大きくなる傾斜面である、請求項1記載の歯ブラシ。
  3. 前記傾斜面が、傾斜角5°以内のテーパー面である、請求項2記載の歯ブラシ。
  4. 上下割構造の金型で製造した、請求項1~3の何れか1項に記載の歯ブラシ。
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