JP2023083631A - アクチュエータ - Google Patents

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    • H02K11/20Structural association of dynamo-electric machines with electric components or with devices for shielding, monitoring or protection for measuring, monitoring, testing, protecting or switching
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Abstract

【課題】アクチュエータの動作制御をより精度よく実行する。【解決手段】減速機15と、モータ12と、所定の制御パラメータに基づいてモータ12の制御を行う制御部31と、を備えるアクチュエータ1であって、減速機15に設置され、当該減速機15の摩耗状況に影響される情報を検出するセンサ19と、センサ19の検出情報に基づいて、制御パラメータを補正する補正部32と、を有する。補正部32は、減速機15の摩耗状況に応じた制御パラメータを取得し、これを新たな制御パラメータに更新する。制御部31は、更新された制御パラメータに基づいてモータ12の動作制御を実施する。【選択図】図3

Description

本発明は、アクチュエータに関する。
モータと減速機を備えるアクチュエータにおいて、減速機の諸特性を考慮した制御を行う際には、予め、制御に影響を与える諸特性を測定し、アクチュエータの制御モデルへ反映するためのパラメータ同定が行われる(例えば特許文献1を参照)。
そして、減速機の経年変化により、諸特性のパラメータが変化或いは劣化した場合、再度必要な諸特性を計測により取得し、パラメータ同定を行うキャリブレーションを行う必要があった。
特開2021-97430号公報
しかしながら、アクチュエータが他の装置に取り付けられて実際に使用環境下に置かれた場合には、経年変化に応じた特性の再測定は行われないのが通常であるため、初期設定時のパラメータを使用し続けることしかできない。このため、減速機の経年変化によって生じる各パラメータ誤差を許容するために、制御ゲインを小さくする等の感度を低くした制御を行う必要があった。
本発明は、アクチュエータの制御精度を高く維持することを目的とする。
本発明は、
減速機と、モータと、所定の制御パラメータに基づいて前記モータの制御を行う制御部と、を備えるアクチュエータであって、
前記減速機に設置され、当該減速機の摩耗状況に影響される情報を検出するセンサと、
前記センサの検出情報に基づいて、制御パラメータを補正する補正部と、
を有する構成とする。
本発明によれば、アクチュエータの制御精度を高く維持することが可能となる。
本発明の実施形態に係る駆動装置を示す断面図である。 本実施形態に係る駆動装置の斜視図である。 第1内歯部材の正面図である。 第1内歯歯車の応力分布を示す図である。 制御パラメータ(1)の駆動装置の始動トルクを示す線図である。 制御パラメータ(2)の駆動装置の角度伝達誤差を示す図である。 制御パラメータ(3)の駆動装置の減速機の出力部材に生じるねじれ角を示す図である。 制御パラメータ(4)の駆動装置の減速機の出力部材に生じるねじれ角のヒステリシスを示す図である。 制御パラメータ(5)のバックラッシのイメージを示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係るアクチュエータとしての駆動装置を示す断面図である。図2は本実施形態に係る駆動装置の斜視図である。
本実施形態の駆動装置1は、回転動力を出力する装置であり、用途は特に限定されないが、例えば人と協働して作業を行う協働ロボットの関節駆動装置として使用することができる。以下、中心軸O1に沿った方向を軸方向、中心軸O1の半径方向を径方向、中心軸O1を中心とする回転方向を周方向と呼ぶ。中心軸O1は、出力部材16の軸部16c及びロータ軸13の中心軸である。さらに、中心軸O1の軸方向において、出力部材16がある方(図1の左方)を出力側、その反対側(図1の右方)を反出力側又は入力側と呼ぶ。
駆動装置1は、装置外の支持部材201に連結されるケーシング11と、回転動力を発生するモータ(電動モータ)12と、モータ12によりトルクが入力されるロータ軸13と、ロータ軸13に制動力を付与可能なブレーキ14と、ロータ軸13の回転運動を減速する減速機15と、減速機15により減速された回転運動を装置の外部(相手部材202)へ出力する出力部材16と、電気回路が搭載された回路部17と、ロータ軸13及び出力部材16の回転を検出する検出部18とを備える。回路部17には、モータ12の駆動回路が搭載されたモータドライバ基板と、検出部18の検出回路が搭載されたエンコーダ基板とが含まれる。検出部18には、ロータ軸13の回転を検出する入力側回転検出器18Aと出力部材16の回転を検出する出力側回転検出器18Bとが含まれる。減速機15、モータ12、ブレーキ14、検出部18、並びに、回路部17が、この順で出力側から反出力側へ並んで配置されている。
ケーシング11は、互いに連結された中空筒状又は環状の部材11a~11gを含み、装置外の支持部材201と連結されて支持される。以下、部材11a~11gの具体的な構造例について説明するが、ケーシング11はこの具体例に限られるものではない。
部材11aは、反出力側において軸部16cの一端部周辺を覆う。部材11aは、軸方向に貫通する貫通孔を有し、部材11aの貫通孔が軸部16cの貫通孔と連通する。部材11aは、軸受21の外輪に軸方向から当接する。部材11aは、部材11bにボルト(連結部材)を介して連結される。
部材11bは、回路部17を径方向及び軸方向の反出力側から覆い、軸受21の外輪を内嵌し、部材11cにボルトを介して連結される。
部材11cは、検出部18の径方向外方に位置し、検出部18を径方向から覆う。部材11cは、部材11b及び部材11dとボルトを介して連結される。部材11cは、周方向の一部において、モータ12及びブレーキ14の配線を引き出す配線引出孔11c1を有する。
部材11dは、ブレーキ14の径方向外方に位置し、ブレーキ14を径方向から覆い、ブレーキ14の固定側の部材を支持する。部材11dは、反出力側に突出した環状突出部11dtを有する。環状突出部11dtは、部材11dの最大外径よりも小径であり、部材11cに嵌入(インロー嵌合)される。部材11dは、反出力側において周方向の複数箇所にフランジ部11d1を有し、フランジ部11d1がボルトを介して部材11cに連
結される。さらに、部材11dは、出力側において周方向の複数箇所にフランジ部11d2を有し、フランジ部11d2がボルトを介して部材11eに連結される。部材11dは、フランジ部11d1、11d2以外の外周部に配置されたフィン部11d3を備える。フィン部11d3は、径方向に延在しかつ周方向に広がる複数の放熱フィンを含む。フィン部11d3において、フランジ部11d1、11d2のボルト穴に対応する箇所(ボルト穴を軸方向に延長したときにボルト穴と重なる箇所)には、ボルト及び工具の先を通す貫通孔11d4、11d5が設けられている。
部材11eは、モータ12の径方向外方に位置し、モータ12を径方向から覆い、モータ12の固定側の部材を支持する。部材11eは、反出力側に突出した環状突出部11et1と、出力側に突出した環状突出部11et2とを有する。反出力側の環状突出部11et1は、部材11eの最大外径よりも小径であり、部材11dに嵌入(インロー嵌合)される。出力側の環状突出部11et2は、部材11eの最大外径よりも小径であり、部材11fに嵌入(インロー嵌合)される。部材11eは、周方向における複数箇所にフランジ部11e1を有し、フランジ部11e1がボルトを介して部材11d、11fと連結される。部材11eは、フランジ部11e1以外の外周部に配置されたフィン部11e2を備える。フィン部11e2は、径方向に延在しかつ周方向に広がる複数の放熱フィンを含む。当該フィン部11e2と、上述した部材11dのフィン部11d3とは隣接し、フィン部11e2には、フィン部11d3の貫通孔11d4に連続する位置(貫通孔11d4を延長したときに重なる位置)に、ボルト及び工具を通す貫通孔11e3が設けられている。
部材11fは、モータ12の出力側を覆い、減速機15の反出力側に配置された軸受23の外輪が内嵌される。部材11fは、軸受23を介して起振体15aを回転自在に支持する。部材11fは、隣接する部材11eのフランジ部11e1に対応する位置にフランジ部11f1を有し、隣接するフランジ部11f1、11e1がボルトを介して連結される。フランジ部11f1、11e1において、部材11f、11eを連結するためのボルト穴と、それよりも反出力側において部材11e、11dを連結するためのボルト穴とは、同軸上に配置されてもよい。部材11fは、さらに、減速機15の内歯歯車部材(第1内歯歯車15d)とボルトを介して連結される。部材11fは、出力側に突出した環状突出部11ftを有する。環状突出部11ftは、部材11fの最大外径よりも小径であり、第1内歯歯車15dに嵌入(インロー嵌合)される。
部材11gは、出力側の端部で出力部材16を径方向から覆い、軸受22の外輪及びシール25を内嵌する。部材11gは、軸受22を介して出力部材16を回転自在に支持する。部材11gは、径方向に張り出したフランジ部11g1を有し、フランジ部11g1が、減速機15の構成部材(第1内歯歯車15d)とボルトを介して連結され、さらに、第1内歯歯車15dを共締めした状態で、支持部材201にボルトを介して連結される。減速機15において、第1内歯歯車15dは、第2内歯歯車15eの径方向外側を覆うように第2内歯歯車15eよりも出力側まで張り出した部位を有し、この部位が部材11gと連結される。第1内歯歯車15dの出力側まで張り出し部位には、出力側に突出した環状突出部15dtが設けられる。環状突出部15dtは、第1内歯歯車15dの最大外径よりも小径であり、部材11gに嵌入(インロー嵌合)される。部材11gのフランジ部11g1において、周方向に異なる複数の位置には、減速機15の構成部材に設けられたネジ穴に連通するボルト挿通孔11g5と、減速機15の構成部材に設けられたボルト挿通孔に連通するネジ穴11g4とを有する。ボルト挿通孔11g5を介した部材11g及び第1内歯歯車15dの直接の連結と、ネジ穴11g4を介した第1内歯歯車15dを共締めした部材11g及び支持部材201の連結とを合わせて、部材11gと第1内歯歯車15dとの規定の連結強度が達成される。
さらに、部材11gは、径方向内方に突出して、軸受22の軸方向位置及びシール25の軸方向位置を決める位置決め突起(リング部)11g2を有する。さらに、部材11gは、軸方向に延在してシール25を収容する筒状延在部11g3を有する。筒状延在部11g3は、軸受22の出力側で、フランジ部11g1より出力側に延在している。
出力部材16は、互いに連結された部材16a、16b及び軸部16cを含み、ケーシング11に軸受21、22を介して回転可能に支持されている。出力部材16は、ホロー構造(中空筒状)を有している。出力部材16は、出力側に一部が露出され、露出された部分が、相手部材202に連結される。より具体的には、軸部16cは、減速機15を貫通して検出部18及び回路部17が配置される反出力側まで延在する。軸部16cには、出力側回転検出器18Bの回転部18Baが固定されている。軸部16cは、出力側において部材16aに締まり嵌めされている。部材16bは、減速機15の第2内歯歯車15eとボルトにより連結され、減速機15の出力側の軸受24の外輪を内嵌する。部材16bは、減速機15から減速された回転運動を導入し、軸受24を介して起振体15aを回転自在に支持する。
部材16aは、部材16bの出力側に配置され、軸部16cを内嵌し、かつ、軸受22の内輪を外嵌する。部材16aは、ボルトの軸部を通しかつボルトの頭部を収容するボルト挿通孔16a1と、ボルトの軸部を通すボルト挿通孔16a2とを有する。ボルト挿通孔16a1、16a2は、隣接する部材16bの複数のネジ穴16b1のいずれかに連通する。部材16bは、ボルト挿通孔16a1に挿通されたボルトを介して部材16bに直接に連結(仮止め)される。さらに、部材16aは、ボルト挿通孔16a2に挿通されたボルトを介して、相手部材202と部材16bとの間で共締めされる。すなわち、相手部材202は、ボルト挿通孔16a2を介して部材16bのネジ穴に螺合されたボルトを介して出力部材16に連結される。部材16aは、上記の部材16bへの直接の連結(周方向に位置が異なる4本のボルトによる連結)と、部材16bと相手部材202とに挟まれた共締め(周方向に位置が異なる8本のボルトによる連結)とにより、部材16bに対する規定の連結強度が達成される。
部材16aは、ケーシング11の筒状延在部11g3と径方向に対向する筒状部16a3を有する。筒状部16a3は、ボルト挿通孔16a1よりも出力側に配置されている。筒状部16a3には、シール25のリップ部が接触するスリーブ26が外嵌され、スリーブ26とケーシング11の筒状延在部11g3との間にシール25が配置される。なお、出力部材16の構造は、上述の具体例に限られない。
モータ12は、ステータ12aと、中空筒状のロータ12bとを有する。ロータ12bは、永久磁石により構成され、ステータ12aは電磁石により構成される。ロータ軸13は、ホロー構造を有し、出力部材16の軸部16cに間隙を挟んで外嵌されている。ロータ軸13は、モータ12のロータ12bと連結されている。モータ12及びロータ軸13は、減速機15の反出力側に配置されている。ロータ軸13には、反出力側において、入力側回転検出器18Aの回転部18Aaがハブ部材18cを介して固定されている。
減速機15は、筒型の撓み噛合式歯車機構であり、起振体15aと、起振体軸受15bと、起振体15aの回転により撓み変形する外歯歯車15cと、外歯歯車15cと噛合う第1内歯歯車15d及び第2内歯歯車15eとを備える。なお、減速機は、筒型の撓み噛合い式歯車機構に限定されるものではなく、各種の減速機を採用でき、例えばカップ型やシルクハット型の撓み噛合い式歯車機構、偏心揺動型減速機、単純遊星型減速機であってもよい。起振体15aは、ホロー構造を有し、間隙を挟んで出力部材16の軸部16cの外側に配置される。起振体15aは、ロータ軸13に連結(例えばスプライン連結)され、ロータ軸13と一体的に回転する。起振体15aは、その軸部が軸受23、24を介してケーシング11及び出力部材16に回転可能に支持されている。起振体15aは、軸部における軸方向に垂直な断面外形が中心軸O1を中心とする円形であり、起振体軸受15bが接触する部分における軸方向に垂直な断面外形が例えば楕円状である。外歯歯車15cは可撓性を有する。第1内歯歯車15dは、ケーシング11に連結され、外歯歯車15cの軸方向における反出力側の範囲に噛合う。第2内歯歯車15eは、出力部材16に連結され、外歯歯車15cの軸方向における出力側の範囲に噛合う。
減速機15においては、起振体15aに回転運動が入力され、減速された回転運動が第2内歯歯車15eに出力される。減速機15において、起振体15aに入力されるトルクは増幅され、増幅されたトルクは第2内歯歯車15eに伝達され、かつ、増幅されたトルクの反力が第1内歯歯車15dに伝わる。すなわち、増幅されたトルクは、第1内歯歯車15dと第2内歯歯車15eとに伝わる。
検出部18は、ロータ軸13の回転を検出する入力側回転検出器18Aと出力部材16の回転を検出する出力側回転検出器18Bとを含む。入力側回転検出器18Aは、ロータ軸13と一体的に回転する回転部18Aaと、回転部18Aaの近傍に配置され、回転部18Aaの回転量を検出するセンサ18Abとを有する。出力側回転検出器18Bは、出力部材16と一体的に回転する回転部18Baと、回転部18Baの近傍に配置され、回転部18Baの回転量を検出するセンサ18Bbとを有する。入力側回転検出器18A及び出力側回転検出器18Bは、例えば回転部の回転の変位をデジタル信号として出するロータリーエンコーダであるが、アナログ信号として出力するレゾルバであってもよいし、それ以外の回転検出器であってもよい。ロータリーエンコーダは、光学式の検出部を有する構成であってもよいし、磁気的な検出部を有する構成であってもよい。入力側回転検出器18Aと出力側回転検出器18Bとは異なる種類の検出器であってもよい。
入力側回転検出器18A及び出力側回転検出器18Bにおいて、2つのセンサ18Ab、18Bbは回路部17のエンコーダ基板に搭載されており、2つの回転部18Aa、18Baは回路部17に対して出力側から対向するように配置されている。より具体的には、出力部材16への回転部18Baの設置位置と、ロータ軸13への回転部18Aaの設置位置とは、軸方向においてほぼ同一位置であり、同様に、2つのセンサ18Ab、18Bbは、軸方向におけるほぼ同一位置に配置されている。つまり、回転部18Aaと回転部18Baとは、径方向から見て重なる位置に配置され、回転部18Aaが径方向外側に配置されている。また、センサ18Abとセンサ18Bbは、径方向から見て重なる位置に配置され、センサ18Abが径方向外側に配置されている。
ブレーキ14は、ロータ軸13に相対回転が規制されるように固定されたハブ部材14aと、ハブ部材14aにスプライン嵌合されたディスク状のロータ14bと、ロータ14bに向かって変位可能なアーマチュア14cと、アーマチュア14cを駆動する電磁コイル14dと、アーマチュア14cを元の位置に戻すバネ材と、アーマチュア14cの反対側でロータ14bに対向するプレート14eと、プレート14e及びアーマチュア14cに固着されたライニング(摩耗材)14fと、ケーシング11に支持されて電磁コイル14d及びプレート14eを保持するフレーム14gと、を備える。ブレーキ14においては、電磁コイル14dの作用あるいはバネ材の作用により、アーマチュア14cとプレート14eとの間にライニング14fを介してロータ14bを挟み込むことで、ロータ軸13に制動力が加えられる。また、バネ材の作用あるいは電磁コイル14dの作用により、アーマチュア14cとプレート14eとがロータ14bを挟み込む力が解除されることで、ロータ軸13への制動力が解除される。
[駆動装置の動作]
モータ12が駆動してロータ軸13及び起振体15aが回転すると、起振体15aの運
動が外歯歯車15cに伝わる。このとき、外歯歯車15cは、起振体15aの外周面に沿った形状に規制され、軸方向から見て、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、外歯歯車15cは、固定された第1内歯歯車15dと長軸部分で噛合っている。このため、外歯歯車15cは起振体15aと同じ回転速度で回転することはなく、外歯歯車15cの内側で起振体15aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、外歯歯車15cは長軸位置と短軸位置とが周方向に移動するように撓み変形する。この変形の周期は、起振体15aの回転周期に比例する。外歯歯車15cが撓み変形する際、その長軸位置が移動することで、外歯歯車15cと第1内歯歯車15dとの噛合う位置が回転方向に変化する。ここで、外歯歯車15cの歯数が100で、第1内歯歯車15dの歯数が102だとする。すると、噛合う位置が一周するごとに、外歯歯車15cと第1内歯歯車15dとの噛合う歯がずれていき、これにより外歯歯車15cが回転(自転)する。上記の歯数であれば、起振体15aの回転運動は減速比100:2で減速されて外歯歯車15cに伝達される。一方、外歯歯車15cは第2内歯歯車15eとも噛合っているため、起振体15aの回転によって外歯歯車15cと第2内歯歯車15eとの噛合う位置も回転方向に変化する。ここで、第2内歯歯車15eの歯数と外歯歯車15cの歯数とが同数であるとすると、外歯歯車15cと第2内歯歯車15eとは相対的に回転せず、外歯歯車15cの回転運動が減速比1:1で第2内歯歯車15eへ伝達される。これらによって、起振体15aの回転運動が減速比100:2で減速されて、第2内歯歯車15eへ伝達され、第2内歯歯車15eから出力部材16を介して相手部材202に出力される。
上記の回転運動の伝達中、ロータ軸13の回転位置は入力側回転検出器18Aにより検出され、出力部材16の回転位置は出力側回転検出器18Bにより検出される。
モータ12の駆動が停止し、ブレーキ14が作動すると、アーマチュア14cが駆動され、プレート14eとアーマチュア14cとの間にライニング14fを介してロータ14bが挟み込まれ、ロータ軸13に制動力が働く。モータ12が駆動される際には、アーマチュア14cがロータ14bから離間され、制動力が解除される。
[減速機の摩耗状況の影響の監視]
ところで、上記駆動装置1の減速機15の第1内歯歯車15dには、減速機の摩耗状況に影響される情報として、第1内歯歯車15dの所定箇所における歪を検出するセンサとしての歪みゲージ19(歪みセンサ)が装備されている。
図3は第1内歯歯車15dの正面図である。図示のように、第1内歯歯車15dは、反出力側における内周に内歯が形成された内歯リング部151dと、部材11gと共に支持部材201に連結される外部連結部152dと、径方向における内歯リング部151dと外部連結部152dとの間に設けられ、第1内歯歯車15dにトルクが作用したときに内歯リング部151dよりも変形しやすい(変形量が大きい)構成とされた変形容易部153dとを備えている。
内歯リング部151dと外部連結部152dとの間には、周方向に均一間隔で軸方向に貫通する複数(八個である場合を例示)の貫通孔154dが設けられている。そして、各貫通孔154dの間の径方向に沿った柱状部分が変形容易部153dとなっている。即ち、それぞれの変形容易部153dは、両側の貫通孔154dにより、周方向に幅が狭く、変形容易部153dに対する径方向の外側部分及び内側部分と比べて、周方向の変形が容易となっている。
また、変形容易部153dは、周方向について一定の間隔で八つ設けられている場合を例示する。
各変形容易部153dの周方向の間隔は、均一であることが好ましいが、必須ではない
。また、変形容易部153dの個数も増減可能である。
なお、変形容易部153dは、径方向の外側部分及び内側部分と比べて軸方向の幅を小さくしても良いし、変形容易部153dは設けられなくてもよい。
歪みゲージ19は、変形容易部153dにおける径方向の伸縮の歪みを検出する方向で当該変形容易部153dに取り付けられている場合を例示する。
なお、歪みゲージ19が検出する歪みの方向は、径方向に限定されるものではなく、周方向や軸方向或いはこれらを合成した斜め方向であってもよい。
変形容易部153dは、第1内歯歯車15dにトルクが作用したときに(具体的には、外部連結部152dが支持部材201に連結された状態で、内歯リング部151dが噛合い反力を受けることで、第1内歯歯車15dにトルクが作用したときに)、内歯リング部151dよりも大きく変形する。その結果、変形容易部153dに生じる径方向の伸縮歪みも大きくなる。この変形容易部153dの歪みは、減速機15の内歯と外歯の摩耗状況との相関があるため、歪みを歪みゲージ19で検出することにより、摩耗状況の変化を監視することができる。
[測定装置]
各歪みゲージ19は、測定装置191に接続されている。なお、図3では一つの歪みゲージ19のみが接続されている状態を図示しているが実際は全ての歪みゲージ19が測定装置191に接続されている。
歪みゲージ19は、歪みに応じて抵抗値が変化する特性を有するので、測定装置191は、各歪みゲージ19の抵抗値を示す検出信号(例えば、電圧信号)を受信して歪みを取得することができる。
さらに、測定装置191は、八つの歪みゲージ19によって検出された歪みから図4に示す第1内歯歯車15dの応力分布を求めることができる。
そして、測定装置191は、当該測定装置191に接続された駆動装置1の制御装置30に対して第1内歯歯車15dの応力分布を入力する。
[制御装置]
駆動装置1の制御装置30は、例えば、CPUや記憶装置であるROMおよびRAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成されている。本実施形態においては、制御装置30は、図1の回路部17により構成されるが、これに限定されるものではなく、回路部17とは別に設けられていてもよい。
制御装置30は、駆動装置1の動作制御を行う制御部31と、後述する制御部31の制御パラメータの補正を行う補正部32とを有する。これらは、制御装置30が備える中央処理装置がデータ記憶装置内のプログラムを実行することにより実現する機能的な構成である。なお、制御部31と補正部32とは、一方又は両方がハードウェアで構成されてもよい。
[制御装置:制御部]
制御部31は、駆動装置1の基本的な制御モデルと制御モデルの逆モデルとを用いた外乱オブザーバとを有し、所定の複数の制御パラメータに基づいて出力値を決定し、モータ12に対する動作制御を実行する。
ここで、制御部31の複数の制御パラメータに含まれる制御パラメータ(1)~(5)について説明する。
なお、制御部31の制御パラメータとして下記に示す制御パラメータ(1)~(5)は例示であり、これらに限られず、より多くの制御パラメータを動作制御に使用することができる。また、逆に、制御部31は、以下に示す制御パラメータ(1)~(5)の全てを制御パラメータとしてモータ12に対する動作制御を行う構成ではなくともよく、制御パラメータ(1)~(5)の内の一部を制御パラメータとしてモータ12に対する動作制御を行う構成としてもよい。
制御パラメータ(1)は、図5に示す、駆動装置1の始動トルクである。始動トルクの値は、駆動装置1の起動特性を示し、摩擦補償の制御パラメータとなる。
始動トルクは、無負荷の状態で駆動装置1を起動させる際に必要とするトルクの値を示す。図5は、始動トルクの測定時の出力部材16の軸角度(点線)、軸速度(一点鎖線)、トルク値(実線)を示している。測定の際には、モータ12のトルク出力を0から漸増させて、その際の出力側回転検出器18Bの出力から出力部材16の軸角度、軸速度を検出し、これらが0状態から脱した時のトルク値を始動トルクとする。
制御パラメータ(2)は、図6に示す、駆動装置1の角度伝達誤差である。角度伝達誤差は、駆動装置1の速度安定、振動特性を示し、速度及び速度偏差補償の制御パラメータとなる。
角度伝達誤差は、無負荷の状態で任意の回転角を入力した時の理論出力回転角と測定された出力回転角の差から求められる。
図6において横軸を出力部材16の軸角度、縦軸を測定された角度伝達誤差の値とする。
制御パラメータ(3)は、図7に示す、駆動装置1の減速機15の出力部材16に生じるねじれ角である。ねじれ角の値は、駆動装置1の位置決め、振動及び応答特性を示し、ねじれ補償の制御パラメータとなる。
図7は、ロータ軸13を固定して出力部材16側より定格トルクまで負荷を漸増させて除荷するまでの負荷及び出力部材16の変位(ねじれ角)を測定した値を示す。定格トルクをT3とした場合、当該定格トルクT3よりも小さい規定のトルクT1,T2(T1<T2<T3)と定格トルクT3におけるねじれ角θ1,θ2,θ3を測定し、それぞれのばね定数K1,K2,K3(K=T/θ)を算出し、各ねじれ角や各バネ定数の値を制御パラメータの特性値とする。
制御パラメータ(4)は、図8に示す、駆動装置1の減速機15の出力部材16に生じるねじれ角のヒステリシスである。ねじれ角のヒステリシスの値は、駆動装置1の位置決め特性を示し、誤差補償の制御パラメータとなる。
図8は、ロータ軸13を固定して出力部材16側より、上記正回転と逆回転について、定格トルクまでゆっくり負荷を掛けて除荷するまでの負荷及び出力部材16の変位(ねじれ角)を測定し、その関係を示している。上記正回転と逆回転についてそれぞれ定格トルクまで漸増させた時のねじれ角の測定値からは、図8に示すような剛性のヒステリシスカーブが得られる。ここで、図8に記載されたロストモーションとは、定格トルク±3%点におけるねじれ角と定義される。
この場合のヒステリシスロスとロストモーションの値が制御パラメータとなる。
制御パラメータ(5)は、図9に示す、駆動装置1の減速機15の外歯歯車15cと第1内歯歯車15d及び第2内歯歯車15eとの間に生じるバックラッシの大きさである。なお、図9はバックラッシのイメージを示す説明図であり、理解を容易にとするために外歯歯車同士の噛み合いにおけるバックラッシを図示している。
ここでいうバックラッシは、歯面に垂直な方向のバックラッシである。当該バックラッシは、かみ合う歯面のすき間に、スキマゲージを差し込んで測定が行われる。
バックラッシの値は、駆動装置1の位置決め特性を示し、誤差補償の制御パラメータとなる。
[制御装置:補正部]
制御部31の動作制御に使用される上記各種の制御パラメータは、駆動装置1が製造されてから、駆動装置1が親機械に搭載されて実際的な使用が開始される前の段階(当初段階とする)で測定等が実施されて取得される。そして、取得された各種の制御パラメータは、制御装置30の記憶装置に記録されて、実使用時の動作制御に使用される。
そして、当初段階で取得された各種の制御パラメータは、駆動装置1の実際的な使用開始以降の経年変化、例えば、減速機15の摩耗状況による経年変化に対して、数値的な適性が低下を生じるが、親機械に組み込まれ、経年変化を生じた駆動装置1に対して、改めて各種の制御パラメータの測定を実施することは、容易ではなく、現実的ではない。
上記の課題を解決するために補正部32が行う各種の制御パラメータの補正の実施内容について以下に説明する。
まず、制御装置30は、図示しない記憶装置に、減速機の摩耗状況に影響される情報である各歪みゲージ19から検出される歪みに基づく第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群を予め保有しており、補正部32は、これらのデータ群を参照することができる。
なお、「第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群」とは、減速機15の経年変化の進行度合いが異なるそれぞれの段階での応力分布のデータ群を示す。
第1内歯歯車15dの応力分布は、第1内歯歯車15dの3Dデータと各歪みゲージ19の配置と各歪みゲージ19が検出する歪み量及びその歪みの方向等から周知の手法で取得することが可能である。
そして、第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群を構成する個々の応力分布のデータは、サンプル機(データ収集のための試験専用機)である駆動装置1について、長時間の連続運転を行い、運転開始時と一定期間が経過するたびに(例えば、100時間ごと或いは1000時間ごとなど、特に限定されるものではなく、適宜設定される)、各歪みゲージ19の検出を行い、各検出値から第1内歯歯車15dの応力分布を測定することにより取得することができる。
これにより、例えば、第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群は、運転開始当初の第1内歯歯車15dの応力分布、運転100時間経過後の第1内歯歯車15dの応力分布、運転200時間経過後の第1内歯歯車15dの応力分布、運転300時間経過後の第1内歯歯車15dの応力分布、…等のように構成される。
なお、サンプル機の駆動装置1によるデータ収集時の動作速度や負荷状態等の運転条件は、実使用を想定した所定の条件に設定される。
また、各歪みゲージ19の検出タイミングは、本実施形態においては、いずれかの歪みゲージ19が周方向について起振体15aの長軸と位置が一致するタイミングとする。これらの測定条件についても、制御装置30の記憶装置に保有されている。
また、制御装置30は、前述した記憶装置に、各制御パラメータ(1)~(5)について、経年変化に伴う変化後の各制御パラメータ(1)~(5)の測定値を予め保有しており、補正部32は、これらの測定値を参照することができる。
各制御パラメータ(1)~(5)の場合も、応力分布の経年変化を伴うデータ群の場合と同様にして、サンプル機である駆動装置1について、長時間の連続運転を行い、運転開始時と一定期間(応力分布の測定と同じ時間間隔)が経過するたびに、制御パラメータ(1)~(5)の測定を行って測定値のデータ群を取得する。この制御パラメータ(1)~(5)の測定は、応力分布の測定と同じサンプル機で行われてもよいし、別のサンプル機で行われてもよい。
これにより、例えば、制御パラメータ(1)~(5)の上記測定によって得られる測定値のデータ群は、運転開始当初の制御パラメータ(1)~(5)、運転100時間経過後の制御パラメータ(1)~(5)、運転200時間経過後の制御パラメータ(1)~(5)、運転300時間経過後の制御パラメータ(1)~(5)、…等のように構成される。
そして、補正部32は、予め定められた更新の実行条件を満たすと、測定装置191に対して、自機である駆動装置1について、各歪みゲージ19による歪みの検出と第1内歯歯車15dの応力分布の導出とを実行させる。なお、この時の各歪みゲージ19の測定条件は、前述した第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群の測定条件と一致させることが好ましい。また、この測定装置191による測定を行う場合、できるだけ外乱の影響を排除するため、親機械(例えば、ロボット)に予め定められた所定の補正時動作(例えば、無負荷で対象関節を0度から180度まで回動させる等)を行わせ、当該補正時動作中に測定を行うことが好ましい。
なお、上記の更新の実行条件は、例えば、定期的な実施や、装置の主電源投入時等のように、ある程度の頻度が確保できる条件であればいずれの条件でもよい。
そして、補正部32は、自機である駆動装置1について、第1内歯歯車15dの応力分布の導出結果を取得すると、サンプル機に基づく第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群を参照し、その中のそれぞれ運転期間ごとの第1内歯歯車15dの応力分布と比較して、最も近似する運転期間の第1内歯歯車15dの応力分布を特定する。
そして、最も近似する運転期間の第1内歯歯車15dの応力分布が、運転開始当初の第1内歯歯車15dの応力分布以外である場合には、制御パラメータ(1)~(5)の測定値のデータ群を参照して、最も近似する運転期間の第1内歯歯車15dの応力分布と同時期の制御パラメータ(1)~(5)の測定値を特定し、現在の制御パラメータ(1)~(5)の設定値と入れ替えて更新する。
このように、補正部32は、駆動装置1が使用され、一定の更新の実行条件が満たされると、各歪みゲージ19による歪みの検出から第1内歯歯車15dの応力分布が取得され、当該応力分布に近似するいずれかの運転期間の第1内歯歯車15dの応力分布が特定され、そこから同じ運転期間の制御パラメータ(1)~(5)を特定することができる。
各歪みゲージ19による検出される歪みや当該検出された歪みに基づく第1内歯歯車15dの応力分布は、減速機15の内歯や外歯の摩耗状況と相関があるので、第1内歯歯車15dの応力分布を比較することで、サンプル機の駆動装置1の摩耗状況が近い(運転期間が近い)応力分布を特定することができ、摩耗状況が近い(運転期間が近い)時期にサンプル機から測定された制御パラメータ(1)~(5)を取得することができる。
なお、第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群は、一つのサンプル機に基づくものに限られず、複数のサンプル機ごとに第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群を用意してもよい。或いは、各歪みゲージ19による検出を行う周期よりも十分に短い期間内で各歪みゲージ19が起振体15aの長軸位置となるそれぞれのタイミングで複数回の測定を行い、複数の応力分布を求めてもよい。
それらの場合、運転期間ごとの複数の応力分布をそれぞれ学習データとして機械学習の手法により分類器を生成し、運転期間ごとの分類器により、現在使用されている駆動装置1の第1内歯歯車15dの応力分布が、いずれの運転期間の応力分布であるかを判定してもよい。
そして、補正部32により各制御パラメータ(1)~(5)が更新されると、制御部31は、更新された制御パラメータ(1)~(5)を用いて、それ以降のモータ12に対する動作制御を実行する。
[発明の実施形態における技術的効果]
上記駆動装置1では、減速機15の摩耗状況に影響される情報として第1内歯歯車15dの変形容易部153dにおける歪みを検出する歪みゲージ19と、歪みゲージ19の検出情報に基づいて、制御パラメータ(1)~(5)を新たな制御パラメータ(1)~(5)に補正する
補正部32と、制御パラメータ(1)~(5)に基づいてモータ12の制御を行う制御部31とを備えている。
このため、減速機15の摩耗状況が進行した駆動装置1について、実際に各制御パラメータ(1)~(5)の測定を行うことなく、減速機15の摩耗状況に相関がある新たな制御パラメータ(1)~(5)を取得することができ、制御部31は、モータ12の制御において、ゲインを低く設定することなく、適切なゲインを維持することができ、モータ12の制御をより高精度で行うことが可能となる。
特に、摩耗状況に影響される情報を取得するセンサを歪みゲージ19とする場合、駆動装置1の駆動状態における第1内歯歯車15dの歪みは、摩耗状況の進行と相関があることから、摩耗状況の進行に応じた制御パラメータ(1)~(5)を適正に取得することが可能となり、モータ12の制御をより高精度で行うことが可能となる。
また、歪みゲージ19は、減速機15を構成する第1内歯歯車15dの周方向に複数設置されているので、同様に周方向に並んだ内歯や外歯の摩耗状況との相関が得られやすく、より適正な減速機15の摩耗状況に影響される情報を取得することが可能となる。
また、補正部32は、歪みゲージ19の検出情報に基づき、減速機15の角度伝達誤差、バックラッシ、トルクに対するねじれ角のヒステリシスおよび始動トルク等の制御パラメータについて経年変化を特定し、特定した経年変化に基づいて制御パラメータを補正している。
このため、減速機15の経年変化に応じてより適切な制御パラメータが設定され、より高精度なモータ12の動作制御が可能となる。
[制御パラメータの更新の他の例]
また、上記実施形態では、補正部32が参照する第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群を取得するために、サンプル機の駆動装置1において、一定速度で長期間のモータ12の連続運転を行っているが、上記データ群を取得する際のサンプル機の駆動装置1の動作は、上記に限定されない。
例えば、サンプル機の駆動装置1が親機械(例えば、ロボット等)に搭載された状態で、当該親機械について予め定められた所定の補正時動作(例えば、無負荷で対象関節を0度から180度まで回動させる等)を繰り返し実行し、既定の繰り返し回数ごとに、各歪みゲージ19の検出に基づく第1内歯歯車15dの応力分布のデータを取得することで、補正部32が参照する第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群を取得してもよい。
その場合、経年変化に伴う変化後の各制御パラメータ(1)~(5)の測定値のデータ群も、上記の補正時動作の既定の繰り返し回数ごとに測定して、取得することが好ましい。
上記の場合も、補正部32の更新の実行条件については、ある程度の頻度が確保できる条件であればいずれの条件でもよい。
そして、補正部32は、更新の実行条件に該当すると、自機である駆動装置1について取得した、第1内歯歯車15dの応力分布を、サンプル機に基づく第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群と比較し、最も近似する補正時動作の繰り返し回数の応力分布と同じ繰り返し回数の制御パラメータ(1)~(5)を特定し、当該制御パラメータ(1)~(5)に更新を行う。
そして、制御部31は、更新された制御パラメータ(1)~(5)を用いて、それ以降のモータ12に対する動作制御を実行する。
上記更新を行う場合、補正部32が参照する第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化
を伴うデータ群が、駆動装置1の親機械への搭載時の動作で構成されるため、親機械での動作によって生じる減速機15の摩耗状況を反映した第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群を得ることができるので、より適正な制御パラメータ(1)~(5)に更新することが可能となり、モータ12の制御をより高精度で行うことが可能となる。
[歪みゲージの他の用途への適用]
減速機15の摩耗状況に影響される情報を検出するセンサとしての歪みゲージ19は、他の用途にも利用してもよい。
例えば、駆動装置1が親機械(例えば、ロボット等)に搭載された状態で、歪みゲージ19の検出情報(検出歪み)に基づいて制御部31が既定の動作制御を実行する構成としてもよい。具体的には、ロボットの通常動作(例えば、ロボットが既定の用途に使用されている場合の動作)中に、歪みゲージ19の検出歪みが、予め用意された閾値を超えた場合に、ロボットのいずれかの部分が外部の物体等に接触したものと判断して、制御部31が、既定の動作として回避動作を実行するように動作制御を行う等である。
これにより、駆動装置1に搭載された各歪みゲージ19が、更新の実行条件の達成時のみの利用だけでなく、他の用途にも利用され、駆動装置1の構成資源を有効活用することが可能となる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。
例えば、上記駆動装置1では、減速機15の摩耗状況に影響される情報として複数の歪みゲージ19の検出歪みに基づく第1内歯歯車15dの応力分布を採用しているが、複数の歪みゲージ19の検出歪みの値そのものや各検出値から導出される他の数値を減速機15の摩耗状況に影響される情報としてもよい。複数の歪みゲージ19の検出歪みの値そのものを利用する場合には、複数の検出値から統計的手法により一つの数値を導出しても良い。
また、上記実施形態では、制御装置30が記憶装置に、予め、サンプル機に対する実測による第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群を用意し、実際に使用される駆動装置1の検出に基づく第1内歯歯車15dの応力分布との対比を行っているが、これに限定されない。
例えば、第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化が所定の算出処理等により求めることが可能であれば、サンプル機に対する実測による第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を伴うデータ群を予め用意しなくともよい。第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化を求める算出処理から実際に使用される駆動装置1の検出に基づく第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化の進行度合いを特定することが可能となるので、当該経年変化の進行度合いに対応する各制御パラメータを特定すればよい。
そして、その場合、経年変化の進行度合いごとに対応する各制御パラメータを実測によるデータを予め用意してもよいが、これらの制御パラメータについても、第1内歯歯車15dの応力分布の経年変化の進行度合いに基づいて算出可能である場合には、当該算出処理によって新たな制御パラメータを求めてもよい。
また、減速機15の摩耗状況に影響される情報を検出するセンサは、歪みゲージに限らず、摩耗状況に影響される他の検出を行うセンサであってもよい。例えば、減速機15に封入される潤滑剤中の摩耗粉量を検出するセンサや振動を検出するセンサであってもよい。
また、上記実施形態においては、減速機として撓み噛合い式歯車装置である例を示した
が、本発明に係る減速機は、減速機構の種類は特に限定されず、どのような種類の減速機であってもよい。例えば、本発明に係る減速機は、センタークランク型の偏心揺動型歯車装置、偏心体を有する2個以上の軸が歯車装置の軸心からオフセットして配置された所謂振り分け型の偏心揺動型歯車装置、又は、単純遊星歯車装置であってもよい。さらには、平行軸減速機や直交減速機であってもよい。また、上記実施形態では、減速機が、所謂筒型の撓み噛合い式歯車装置である例を示したが、本発明に係る減速機は、所謂カップ型又はシルクハット型の撓み噛合い式歯車装置であってもよい。
また、歪みゲージ19は、第1内歯歯車15dに限らず、内歯歯車部材としての第2内歯歯車15eに設けてもよいし、それ以外の部位に設けてもよい。
その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 駆動装置(アクチュエータ)
12 モータ
15 減速機
15a 起振体
15b 起振体軸受
15c 外歯歯車
15d 第1内歯歯車(内歯歯車部材)
15e 第2内歯歯車(内歯歯車部材)
16 出力部材
16a 部材
18 検出部
18A 入力側回転検出器
18B 出力側回転検出器
19 歪みゲージ(歪みセンサ)
30 制御装置
31 制御部
32 補正部
151d 内歯リング部
152d 外部連結部
153d 変形容易部
154d 貫通孔
191 測定装置
201 支持部材
202 相手部材
O1 中心軸

Claims (6)

  1. 減速機と、
    モータと、
    所定の制御パラメータに基づいて前記モータの制御を行う制御部と、
    を備えるアクチュエータであって、
    前記減速機に設置され、当該減速機の摩耗状況に影響される情報を検出するセンサと、
    前記センサの検出情報に基づいて、前記制御パラメータを補正する補正部と、
    を有するアクチュエータ。
  2. 前記センサは、歪センサである
    請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記センサは、前記減速機を構成する内歯歯車部材の周方向に複数設置される
    請求項2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記補正部は、前記センサの検出情報に基づき、前記減速機の角度伝達誤差、バックラッシ、トルクに対するねじれ角のヒステリシスおよび始動トルクのうちの少なくとも一つについて経年変化を特定し、特定した経年変化に基づいて前記制御パラメータを補正する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  5. 前記補正部は、前記アクチュエータが搭載された親機械が予め定められた所定の補正時動作を行ったときの前記センサの検出情報に基づいて、前記制御パラメータを補正する
    請求項1から4のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  6. 前記制御部は、前記アクチュエータが搭載された親機械が通常動作中に前記センサが検出した情報に基づいて、前記アクチュエータを制御する
    請求項1から5のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
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