JP2023082268A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化膜の経時変化による黄変を抑制するインクジェット記録方法を提供すること。【解決手段】インクジェット記録方法は、放射線硬化型のインクジェット組成物を記録媒体上に吐出し、記録媒体に放射線を照射し、インクジェット組成物は、色材と、チオキサントン系光重合開始剤と、を含み、色材は、イエロー系色材またはブラック系色材を含まず、放射線の照射エネルギーを、一度の照射で900mJ/cm2以上とする。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
従来、インクジェットヘッドからインクなどを吐出して記録を行うインクジェット記録方法が知られていた。例えば、特許文献1には、該記録方法に用いられるインクとして、イエロー色材またはブラック色材と、チオキサントン系光重合開始剤とを含む放射線硬化型インクジェット組成物が開示されている。
特開2018―138654
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット組成物では、イエローやブラック以外の色材を、例えばシアンやマゼンタなどの色材に代替すると、硬化した硬化膜の黄変が経時変化によって目立ち易くなるという課題があった。詳しくは、チオキサントン系光重合開始剤は硬化性に優れるが、用いる色材の色種によっては硬化膜の黄変が顕在化することがあった。特に、記録装置の小型化等を意図して照射エネルギーの小さい放射線で硬化させると、照射後しばらくしてから徐々に黄変が進行してしまい、記録画像の外観が記録直後と実際の使用時とで異なる場合があった。すなわち、硬化膜の経時変化による黄変を抑制するインクジェット記録方法が求められていた。
インクジェット記録方法は、放射線硬化型のインクジェット組成物を記録媒体上に吐出し、前記記録媒体に放射線を照射するインクジェット記録方法であって、前記インクジェット組成物は、色材と、チオキサントン系光重合開始剤と、を含み、前記色材は、イエロー系色材またはブラック系色材を含まず、前記放射線の照射エネルギーを、一度の照射で900mJ/cm2以上とする。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨は逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1.放射線硬化型のインクジェット組成物
本実施形態のインクジェット記録方法について説明する前に、インクジェット記録方法で使用する放射線硬化型のインクジェット組成物について説明する。
放射線硬化型のインクジェット組成物とは、放射線を照射することにより硬化するインクジェット組成物をいう。なお、以下の明細書において、放射線硬化型のインクジェット組成物のことを、単に「インク組成物」と記すことがある。放射線としては、紫外線、電子線、赤外線、可視光線、エックス線等が挙げられる。この中でも、放射線としては、放射線源が入手しやすく広く用いられている点、および紫外線の照射による硬化に適した材料が入手しやすく広く用いられている点から、紫外線が好ましい。
インク組成物は、色材と、重合性化合物と、チオキサントン系光重合開始剤と、を含む。
1.1.色材
インク組成物は、色材としてイエロー系色材またはブラック系色材を含まず、その他の色材を含む。その他の色材としては、例えば、シアン、マゼンタ、グリーン、ブラウン、オレンジなどの色を呈する色材が挙げられる。このようなその他の色材として、顔料、および染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を向上させることができる。顔料には、有機顔料または無機顔料が採用される。
有機顔料としては、フタロシアニン顔料、ペリレン、およびペリノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)が挙げられる。
マゼンタ系色材に使用される顔料としては、C.I.(Colour Index Generic Name)ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、または、C.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
シアン系色材に使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー 4、60等が挙げられる。
また、マゼンタ、シアン以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7、10、C.I.ピグメントブラウン 3、5、25、26、C.I.ピグメントオレンジ 1、2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63等が挙げられる。
色材として白色の顔料を使用してもよい。インク組成物に使用される白色顔料としては、特に制限されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、および酸化ジルコニウムの白色無機顔料が挙げられる。また白色無機顔料以外に、白色の中空樹脂微粒子、および高分子粒子などの白色有機顔料を使用してもよい。
顔料は顔料分散液の状態で用いることができ、必要に応じて分散剤を使用することができる。分散剤は、特に制限されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー、およびコポリマー、アクリル系ポリマー、およびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。分散剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社のアジスパー(登録商標)シリーズ、Lubrizol社のソルスパーズシリーズ(Solsperse(登録商標) 36000等、BYK Additives&Instruments社のディスパービックシリーズ、楠本化成社のディスパロン(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
分散剤の含有量は、インクの総質量に対して、好ましくは0.1質量%~2.0質量%であり、より好ましくは0.1質量%~1.0質量%であり、さらに好ましくは0.1質量%~0.5質量%である。
色材として染料を用いる場合、染料としては、特に制限されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が使用可能である。染料として、例えば、C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289、C.I.アシッドブルー9、45、249、C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227、C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202、C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249等が挙げられる。
上記染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
インク組成物における色材の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは0.2質量%~20.0質量%であり、より好ましくは0.5質量%~15.0質量%であり、さらに好ましくは1.0質量%~10.0質量%である。
1.2.重合性化合物
重合性化合物は、照射される放射線によって重合反応が促進されて、硬化する成分である。
1.2.1.芳香環を有する重合性化合物
インク組成物は、芳香環を有する重合性化合物を含むことが好ましい。これによれば、チオキサントン系光重合開始剤をアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と併用する場合に、インク組成物の硬化性を向上させることができる。芳香環を有する重合性化合物としては、芳香環を有する単官能重合性化合物を用いる。
芳香環を有する単官能重合性化合物としては、特に制限されないが、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アルコキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート、アルコキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート、p-クミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、および2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
この中でも、フェノキシエチルアクリレート(PEA)が好ましい。これによれば、チオキサントン系光重合開始剤の溶解性、およびインク組成物の硬化性がさらに向上する。
芳香環を有する単官能重合化合物は、インク組成物の総質量、34質量%以下であることが好ましく、33質量%以下であることがより好ましく、31質量%以下であることがより好ましい。芳香環を含む重合性化合物の含有量を、34質量%以下とすることで初期の黄変の程度を抑えることができる。
1.2.2.その他の重合性化合物
インク組成物は、芳香環を有する重合性化合物の他に、その他の重合性化合物を含んでもよい。その他の重合性化合物には、単官能モノマー、多官能モノマーを用いる。
単官能モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、脂環族基を有する単官能モノマー、含窒素複素環を有する単官能モノマー等が挙げられる。
脂環族基を有する単官能重合性化合物としては、特に制限されないが、例えば、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロへキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、tertブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリル酸-1,4-ジオキサスピロ[4,5]デシ-2-イルメチル等の脂環族基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
この中でも、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートや、イソボルニルアクリレート(IBXA)が好ましい。
単官能モノマーは、インク組成物に含まれる重合性化合物の総質量に対し、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、20質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、25質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
単官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、柔軟な硬化膜を得ることができ、硬化膜の記録媒体への密着性が高くなる。これにより、記録物を加熱して収縮させた場合に、硬化膜のひび割れが発生しにくくなる。また、記録物を加熱して収縮させ、記録物の記録面を被包装体に密着させたとき、硬化膜が、被包装体にブロッキングすることを抑制することができる。
多官能モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、ビニル基含有(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
ビニル基含有(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、式(1)で表わされる化合物が挙げられる。
2C=CR1-CO-OR2-O-CH=CH-R3 ・・・ (1)
(式中、R1は水素原子、またはメチル基であり、R2は炭素数2~20の2価の有機残基であり、R3は水素原子、または炭素数1~11の1価の有機残基である。)
上記式(1)において、R2で表される炭素数2~20の2価の有機残基としては、炭素数2~20の直鎖状、分枝状、または環状の、置換されていてもよいアルキレン基、構造中にエーテル結合、および/またはエステル結合による酸素原子を有する、置換されていてもよい炭素数2~20のアルキレン基、炭素数6~11の、置換されていてもよい2価の芳香環が挙げられる。
これらの中でも、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、およびブチレン基などの炭素数2~6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn-プロピレン基、オキシイソプロピレン基、およびオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2~9のアルキレン基が好ましい。さらに、インクをより低粘度化でき、かつ、インクの硬化性をさらに良好にする観点から、R2が、オキシエチレン基、オキシn-プロピレン基、オキシイソプロピレン基、およびオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2~9のアルキレン基となっている、グリコールエーテル鎖を有する化合物がより好ましい。
上記式(1)において、R3で表される炭素数1~11の1価の有機残基としては、炭素数1~10の直鎖状、分枝状、または環状の、置換されていてもよいアルキル基、炭素数6~11の、置換されていてもよい芳香環が好適である。
これらの中でも、メチル基、またはエチル基である炭素数1~2のアルキル基、フェニル基、およびベンジル基などの炭素数6~8の芳香環が好適に用いられる。
なお、式(1)で表される化合物は、芳香環を有する重合性化合物には含めないものとする。
式(1)の化合物の具体例としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA)が好ましい。
特に、インク組成物は、多官能モノマーとして、上記式(1)で表わされるビニル基含有(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。これにより、インク組成物の硬化性がより向上する。
ビニル基含有(メタ)アクリレートの含有量は、インク組成物に含まれる重合性化合物の総質量に対して、好ましくは1質量%~25質量%であり、より好ましくは2質量%~20質量%である。ビニル基含有(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物の粘度が高くなることを抑制して、吐出安定性に優れるインク組成物を提供する。
多官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートの含有量は、インク組成物に含まれる重合性化合物の総質量に対して、好ましくは30質量%~75質量%であり、より好ましくは40質量%~65質量%であり、さらに好ましくは50質量%~55質量%である。多官能(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物の硬化性、および耐擦過性がより向上する。
1.3.チオキサントン系光重合開始剤
本実施形態のインク組成物は、チオキサントン系光重合開始剤を含む。チオキサントン系光重合開始剤を含むことにより、インク組成物の硬化性が向上する。特に、記録媒体に付着したインク組成物の被膜が薄い領域では、光重合開始剤から発生する活性種のラジカルが酸素阻害を受け易くなる。これにより、硬化性が悪化して硬化膜の表面にタックが生じる場合がある。このような場合においても、硬化性を確保して、硬化膜のタックを低減することができる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、特に限定されないが、具体的には、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、及びクロロチオキサントンからなる群より選ばれた1種以上を含むことが好ましい。なお、特に限定されないが、ジエチルチオキサントンとしては2,4-ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンとしては2-イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントンとしては2クロロチオキサントンが好ましい。このようなチオキサントン系光重合開始剤を含むインク組成物であれば、硬化性、保存安定性、及び吐出安定性により優れる傾向にある。このなかでも、ジエチルチオキサントンを含むチオキサントン系光重合開始剤が好ましい。ジエチルチオキサントンを含むことにより、幅広い領域の紫外光(UV光)をより効率良く活性種に変換できる傾向にある。
チオキサントン系光重合開始剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、Speedcure(登録商標) DETX(2,4-ジエチルチオキサントン)、Speedcure ITX(2-イソプロピルチオキサントン)(以上、Lambson社製)、KAYACURE(登録商標) DETX-S(2,4-ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co. ,Ltd.)製)が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤の含有量は、インク組成物の総質量に対し、2.0質量%以上であることが好ましく、2.2質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましく、2.5質量%以上4.0質量%以下であることがさらにより好ましい。含有量が2.0質量%以上であることにより、インク組成物の硬化性がさらに向上する。また、含有量が5.0質量%以下であることにより、光重合開始剤そのものによるインク組成物への着色が少なくなる。
インク組成物では、チオキサントン系光重合開始剤に加えて、その他の光重合開始剤を併用してもよい。その他の光重合開始剤は、放射線を照射することにより活性種を生じるものであり、例えば、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、アルキルフェノン系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等の公知の光重合開始剤が挙げられる。これらの中でも、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が好ましい。このような光重合開始剤を用いることにより、インク組成物の硬化性がより向上し、特にUV-LEDの光による硬化プロセスによる硬化性がより向上する。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
このようなアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、例えば、BASF社のIRGACURE(登録商標) 819(ビス2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 1800(ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドと、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトンの質量比25:75の混合物)、IRGACURE TPO(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)等が挙げられる。
その他の光重合開始剤の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは3.0質量%~15.0質量%であり、より好ましくは5.0質量%~13.5質量%であり、さらに好ましくは8.0質量%~12.0質量%である。光重合開始剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物の硬化性がより向上し、また光重合開始剤の溶解性がより向上する。
1.4.重合禁止剤
インク組成物は、重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤は、インク組成物の保管や輸送などにおいて、重合性化合物の重合反応の進行を抑える。重合禁止剤としては、特に制限されないが、例えば、p-メトキシフェノール、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、ヒドロキノン、クレゾール、t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-ブチルフェノール)、および4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。重合禁止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合禁止剤の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは0.05質量%~1.00質量%であり、より好ましくは0.05質量%~0.50質量%である。
1.5.スリップ剤
インク組成物は、スリップ剤を含んでもよい。スリップ剤は、硬化膜の耐擦過性を向上させる。スリップ剤としては、シリコーン系界面活性剤が好ましく、ポリエステル変性シリコーン、またはポリエーテル変性シリコーン等であることがより好ましい。
スリップ剤として、市販品を使用することが可能であり、BYK Additive & Instruments社のBYK(登録商標)-347、348、BYK-UV3500、3510、3530等のポリエステル変性シリコーン、BYK-3570等のポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。スリップ剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
スリップ剤の含有量は、インク組成物の総質量に対して、好ましくは0.01質量%~2.00質量%であり、より好ましくは0.05質量%~1.00質量%である。
インク組成物は、上述した成分の他に以下に述べるその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、保湿剤、およびキレート剤などが挙げられる。
2.インク調整方法
インク組成物は、上記の各成分を適当な方法で分散、混合することよって製造することができる。色材に顔料を用いる場合には、好ましくは、まず顔料と分散剤と分散媒となる重合性化合物の一部とを、適当な分散機で混合して均一な顔料分散液を調製する。次いで、インク組成物に含まれる他の成分を加えて十分攪拌してインク溶液を調製する。十分に攪拌した後、目詰まりの原因となる粗大粒子径及び異物を除去するためにろ過を行って目的のインク組成物を得ることができる。
3.インクジェット記録装置
本実施形態のインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置について説明する。インクジェット記録装置としては、インクジェットプリンターなどの公知の装置が適用可能であり、具体的には、オンキャリッジ型またはオフキャリッジ型のシリアルプリンター、およびラインヘッドプリンターが挙げられる。
インクジェット記録装置はインクジェットヘッドを備える。インクジェットヘッドは、インク組成物の液滴を吐出して記録媒体などに付着させる。インクジェットヘッドは駆動手段であるアクチュエーターを有する。アクチュエーターとしては、圧電体の変形を利用する圧電素子、静電吸着による振動板の変位を利用する電気機械変換素子、および加熱によって生じる気泡を利用する電気熱変換素子などが挙げられる。本実施形態では、圧電素子を備えたインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置を適用する。
インクジェット記録装置は、記録媒体に付着されたインク組成物を硬化させる放射線源を備える。放射線源は、放射線照射装置であり、例えばUV-LED(紫外線発光ダイオード)などの発光素子を含む。放射線源から照射される放射線は、紫外線に限定されず、赤外線、電子線、可視光線、エックス線などであってもよい。また、放射線源には、LED(発光ダイオード)やLD(半導体レーザー)などの発光素子に代えてランプなどを用いてもよい。なお、放射線源は、インクジェット記録装置に備わることに限定されず、インクジェット装置と別体であってもよい。
記録媒体に付着されたインク組成物の液滴に対して、放射線源から放射線が照射されることにより、インク組成物に含まれる重合性化合物の光重合反応が進行し、インク組成物の液滴が硬化してインク組成物の硬化膜が形成される。これにより、記録物が製造される。
本実施形態の記録物は、記録媒体上に上記放射線硬化型のインクジェット組成物が付着し、硬化したものである。硬化膜は良好な柔軟性と密着性を有することにより、切り出しや折り曲げ等の後加工を施した際に硬化膜のひび割れや欠けを抑制することができる。そのため、記録物はサイン用途などに好適に用いることができる。
4.記録媒体
記録媒体の素材としては、特に限定されないが、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリスチレン、ポリビニルアセタール等のプラスチック類及びこれらの表面が加工処理されているもの、ガラス、紙、金属、木材等が挙げられる。
またその記録媒体の形態も、特に限定されるものではない。例えばフィルム、ボード、布等が挙げられる。
4.インクジェット記録方法
本実施形態のインクジェット記録方法は、上述した放射線硬化型のインクジェット組成物を記録媒体上に吐出し、後述する硬化工程にて記録媒体に放射線を照射する。
インクジェット記録方法は、色材と、重合性化合物と、を含むインク組成物を吐出させ、加熱により収縮する記録媒体に付着させる吐出工程と、記録媒体に付着したインク組成物に対して放射線を照射し、インク組成物を硬化させて記録物を得る硬化工程と、を備える。
4.1.吐出工程
吐出工程では、インク組成物を、インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから吐出して記録媒体に付着させる。詳しくは、圧電素子を駆動させて、インクジェットヘッドの圧力発生室内に充填されたインク組成物をノズルから吐出させる。
4.2.硬化工程
硬化工程においては、被記録媒体に付着したインク組成物に対して、放射線源から放射線が照射されることによって、そのインク組成物を硬化させる。本工程において、インクに含まれる光重合開始剤が放射線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進される。あるいは本工程において、放射線の照射により重合性化合物の重合反応が開始する。チオキサントン系光重合開始剤は水素引抜き反応により、ラジカル活性種として作用する。
硬化工程における放射線の照射エネルギーは、一度の照射で900mJ/cm2以上とする。上記照射エネルギーは、一度の照射おいて、1200mJ/cm2以上であることが好ましく、1500mJ/cm2以上であることがより好ましい。
チオキサントン系光重合開始剤を含む放射線硬化型インクジェット組成物は硬化性に優れるが黄変しやすい。そこで、敢えて放射線の照射エネルギーを大きくすることによって放射線照射時の初期の黄変を大きくする。そして、その分硬化膜形成後の経時的な黄変を小さくすることができる。したがって、記録を行った直後と、しばらく時間が経過した後との間で、硬化膜の色味の変化を低減することができる。なお、ここでいう初期の黄変とは、放射線を照射した30分後の硬化膜の、インク組成物の吐出前の色味からの黄変のことを指す。
硬化工程において、記録媒体上のインク組成物に対する放射線の照射は、一度だけとすることが好ましい。これによれば、照射エネルギーの小さい放射線を複数回照射する場合と比べて、硬化膜における初期の黄変が促進される。そのため、経時変化による黄変の進行を抑えることができる。
5.実施例
5.1.インク組成物の調製
色材、分散剤、各重合性化合物の一部を秤量して顔料分散用のタンクに入れ、直径1mmのセラミック製ビーズとともに攪拌することにより、色材を重合性化合物中に分散させた顔料分散液を得た。
次いで、表1に記載の組成となるように、ステンレス製容器である混合用タンクに、残りの重合性化合物、光重合開始剤、重合禁止剤、およびスリップ剤を入れ、混合攪拌して完全に溶解させた後、上記で得られた顔料分散液を投入して、常温で1時間混合撹拌した。その後、5μmのメンブランフィルターでろ過して、インク組成物であるインク1~4を得た。なお、表中に示す各成分の数値は、質量%である。
Figure 2023082268000001
表1に記載した材料は、以下の通りである。
<色材(顔料)>
・ピグメントブルー15:3(PB15:3)
・ピグメントレッド122(PR122)
<分散剤>
・Solsperse36000(Lubrizol社、高分子分散剤)
<芳香環を有する重合性化合物>
・PEA(商品名「ビスコート#192、大阪有機化学工業株式会社、フェノキシエチルアクリレート」)
<多官能モノマー>
・VEEA(株式会社日本触媒、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル)
・DPGDA(サートマー社、ジプロピレングリコールジアクリレート)
・ADPH(ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
<チオキサントン系光重合開始剤>
・DETX(商品名「Speedcure DETX」、ランブソン社、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン)
<その他の光重合開始剤>
・819(商品名「IRGACURE 819」BASF社、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド)
・TPO(商品名「IRGACURE TPO」、BASF社、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)
<重合禁止剤>
・MEHQ(商品名「p-メトキシフェノール」、関東化学株式会社、ヒドロキノンモノメチルエーテル)
<スリップ剤>
・BYK-UV3500(BYK Additives&Instruments社、アクリロイル基を有するポリエーテル変性シリコーン)
5.2.評価方法
5.2.1.経時黄変の評価
調製したインク1からインク4を、表2に示した硬化条件にて硬化させた。詳しくは、インク1からインク4を個別に、後述するインクジェットプリンターのインクカートリッジに充填した。インクジェットプリンターには、キャリッジに放射線照射装置を設けたラベルプリンターL―4033A(セイコーエプソン株式会社製)の改造機を用いた。
該インクジェットプリンターに上記インクカートリッジを装着して、1パスごとに365nmの波長の放射線を照射しながら、常温・常圧下で透明PETフィルム(ルミラー(登録商標)S10)上に、テストパターンを記録した。このとき、実施例1から実施例6、および比較例1から比較例6では、表2に示した硬化条件を採用した。
なお、照射エネルギー[mJ/cm2]は、光源から照射される被照射表面における照射強度[mW/cm2]を測定し、これと照射継続時間[秒]との積から求めた。照射強度の測定は、紫外線強度計UM-10、受光部UM-400(いずれもコニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING,INC.)製)を用いて行った。
Figure 2023082268000002
具体的には、実施例1では、インク1を用いて、放射線の照射エネルギーを900mJ/cm2とし、照射回数を1回のみとした。すなわち、合計の照射エネルギーである総照射エネルギーを900mJ/cm2とした。これにより、実施例1の硬化膜を有する記録物を得た。
実施例2では、インク1を用いて、放射線の照射エネルギーを1500mJ/cm2とし、照射回数を1回のみとした。すなわち、総照射エネルギーを1500mJ/cm2とした。これにより、実施例2の硬化膜を有する記録物を得た。
実施例3では、インク2を用いて、放射線の照射エネルギーを900mJ/cm2とし、照射回数を1回のみとした。すなわち、総照射エネルギーを900mJ/cm2とした。これにより、実施例3の硬化膜を有する記録物を得た。
実施例4では、インク3を用いて、放射線の照射エネルギーを900mJ/cm2とし、照射回数を1回のみとした。すなわち、総照射エネルギーを900mJ/cm2とした。これにより、実施例4の硬化膜を有する記録物を得た。
実施例5では、インク1を用いて、放射線の照射エネルギーを300mJ/cm2とし、その後、放射線の照射エネルギーを900mJ/cm2照射した。すなわち、総照射エネルギーを1200mJ/cm2とした。これにより、実施例5の硬化膜を有する記録物を得た。
実施例6では、インク4を用いて、放射線の照射エネルギーを900mJ/cm2とし、照射回数を1回のみとした。すなわち、総照射エネルギーを900mJ/cm2とした。これにより、実施例6の硬化膜を有する記録物を得た。
比較例1では、インク1を用いて、放射線の照射エネルギーを300mJ/cm2とし、照射回数を1回のみとした。すなわち、総照射エネルギーを300mJ/cm2とした。これにより、比較例1の硬化膜を有する記録物を得た。
比較例2では、インク1を用いて、放射線の照射エネルギーを300mJ/cm2とし、照射を3回とした。すなわち、総照射エネルギーを900mJ/cm2とした。これにより、比較例2の硬化膜を有する記録物を得た。
比較例3では、インク1を用いて、放射線の照射エネルギーを500mJ/cm2とし、照射を3回とした。すなわち、総照射エネルギーを1500mJ/cm2とした。これにより、比較例3の硬化膜を有する記録物を得た。
比較例4では、インク1を用いて、放射線の照射エネルギーを600mJ/cm2とし、照射回数を1回のみとした。すなわち、総照射エネルギーを600mJ/cm2とした。これにより、比較例4の硬化膜を有する記録物を得た。
比較例5では、インク1を用いて、放射線の照射エネルギーを600mJ/cm2とし、照射を2回とした。すなわち、総照射エネルギーを1200mJ/cm2とした。これにより、比較例5の硬化膜を有する記録物を得た。
比較例6では、インク4を用いて、放射線の照射エネルギーを300mJ/cm2とし、照射回数を1回のみとした。すなわち、総照射エネルギーを300mJ/cm2とした。これにより、比較例6の硬化膜を有する記録物を得た。
上記のようにして得られた実施例および比較例の記録物について、硬化膜の経時黄変を評価した。具体的には、黒色(L*=13)の 不透明塩ビフィルムの上に、上記各記録物の記録面を上にして重ねて、市販の測色機(X-Rite社製製品名「Gretag Macbeth Spectrolino」)を用いて、CIE/L*a*b*表色系における、L*a*b*値を測定した。評価指標として、CIE/L*a*b*表色系における、b*値を用いた。
実施例および比較例の記録物の各硬化膜について、上記測定を、記録物を作製して30分後時点のものについて行った。
さらに、記録物の作製から半年後相当の黄変を確認する耐候性試験として、促進耐候性試験機(スガ試験機社製、キセノンウェザーメーターSX75Z)に各実施例及び比較例の硬化膜作成直後の記録物を投入し、積算照射光量46MJ/m2になるまでエネルギーをかけたものについて、同様の測色機を用いて測定した。それぞれのb*の測定結果から、b*の差分であるΔb*を以下の基準で判定し、結果を表2に記載した。
経時黄変の評価基準
A:Δb*が2未満
B:Δb*が2以上5未満
C:Δb*が5以上
5.2.2.硬化性の評価
硬化性の指標として、綿棒加重タック性評価(タックフリー試験)を行った。具体的にはPETフィルム(PET50A PLシン〔商品名〕、リンテック社製)にバーコーターでインク組成物を塗布した。その直後に、表2の各硬化条件にて、395nmにピーク波長を有するLEDから紫外線を照射して硬化膜を得た。得られた硬化膜の厚さは8μmであった。そして、硬化膜の表面を綿棒を用いて100g加重で10回擦り、綿棒が着色するか否か判定した。
硬化性評価基準
A:綿棒の着色なし(硬化完了)
B:綿棒に着色あり(硬化していない)
5.3.評価結果
実施例及び比較例から、以下のことが判明した。
硬化性の評価においては、チオキサントン系光重合開始剤は、インク組成物の総質量に対して2.0質量%以上含むインクにおいて良好な結果が確認できた。
すなわち、実施例1,2,3,5,6、比較例2,3,5は、インク1,2,4を使用し、総照射エネルギーが300mJ/cm2よりも高いため、いずれの場合も硬化し、良好な結果を示した。
経時黄変の評価では、一度の照射で900mJ/cm2以上の放射線の照射エネルギーをかけたインクジェット組成物において、良好な結果が確認できた。
すなわち、実施例1,2,3,4,6は一度の照射で900mJ/cm2以上の放射線の照射エネルギーをかけたため、経時黄変において良好な結果を示した。
比較例1,2,3,4,5,6は一度の照射で900mJ/cm2以下の放射線の照射エネルギーをかけたため、経時黄変が抑制されなかった。

Claims (4)

  1. 放射線硬化型のインクジェット組成物を記録媒体上に吐出し、前記記録媒体に放射線を照射するインクジェット記録方法であって、
    前記インクジェット組成物は、色材と、チオキサントン系光重合開始剤と、を含み、
    前記色材は、イエロー系色材またはブラック系色材を含まず、
    前記放射線の照射エネルギーを、一度の照射で900mJ/cm2以上とする、インクジェット記録方法。
  2. 前記インクジェット組成物に対する前記放射線の照射は、一度だけ行われる、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記チオキサントン系光重合開始剤の含有量は、前記インクジェット組成物の総質量に対して2.0質量%以上である、請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インクジェット組成物は、芳香環を有する重合性化合物を含み、
    前記重合性化合物の含有量は、前記インクジェット組成物の総質量に対して34質量%以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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