JP2023081577A - フェノキシ樹脂、組成物、硬化物及びフェノキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

フェノキシ樹脂、組成物、硬化物及びフェノキシ樹脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】柔軟性に優れ、硬化収縮による反りを抑制することができ、かつ、自己修復機能を有する硬化物を得ることができるフェノキシ樹脂を提供する。【解決手段】下記式(2)で表される構造とを含むフェノキシ樹脂。TIFF2023081577000015.tif59156(式(2)中、Xは炭化水素に由来する炭素数が2~10である2価の連結基であり、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、mは、1~10の整数である。)【選択図】なし

Description

本発明は、フェノキシ樹脂、組成物、硬化物及びフェノキシ樹脂の製造方法に関する。
フェノキシ樹脂は、柔軟性、耐熱性、絶縁性、密着性等の優れた性質を有することから、塗料、接着剤、絶縁性材等として広く使用されている有用な化合物である。
そのため、優れた性質を有する新規のフェノキシ樹脂の創出を目的とした様々な研究が行われている。
例えば、特許文献1では、特定の2官能エポキシ化合物と、特定の2官能フェノール化合物とを反応して得られるフェノキシ樹脂が開示されている。
特開2021-98836号公報
近年、塗料等の分野において、自己修復機能(外力を吸収し傷を復元させる機能)を有する材料が注目されている。
従来のフェノキシ樹脂は、自己修復機能については検討が十分にされておらず、フェノキシ樹脂の特性を有し、更に自己修復機能を有する材料が求められていた。
そこで本発明は、柔軟性に優れ、硬化収縮による反りを抑制することができ、かつ、自己修復機能を有する硬化物を得ることができるフェノキシ樹脂を提供する。
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される構造と、下記式(2)で表される構造とを含むフェノキシ樹脂である。
Figure 2023081577000001
(式(1)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、lは、1~10の整数である。)
Figure 2023081577000002
(式(2)中、Xは炭化水素に由来する炭素数が2~10である2価の連結基であり、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、mは、1~10の整数である。)
本発明のフェノキシ樹脂において、上記式(1)及び(2)中、Rは、炭素数が12~16の炭化水素基であることが好ましい。
本発明のフェノキシ樹脂において、上記式(1)は、カルダノールに由来することが好ましい。
本発明の組成物は、本発明のフェノキシ樹脂を含む。
本発明の組成物は、硬化剤を更に含むことが好ましい。
本発明の組成物は、硬化触媒を更に含むことが好ましい。
本発明の硬化物は、上記フェノキシ樹脂及び/又は上記組成物を硬化してなる。
本発明のフェノキシ樹脂の製造方法は、下記式(3)で表される化合物と、下記式(4)で表される化合物とを反応させる工程を有する。
Figure 2023081577000003
(式(3)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、nは、2~20の整数である。)
Figure 2023081577000004
(式(4)中、Xは炭化水素に由来する炭素数が2~10である2価の連結基である。)
本発明は、柔軟性に優れ、硬化収縮による反りを抑制することができ、かつ、自己修復機能を有する硬化物を得ることができるフェノキシ樹脂を提供することができる。
(フェノキシ樹脂)
本発明のフェノキシ樹脂は、下記式(1)で表される構造と、下記式(2)で表される構造とを含む。
Figure 2023081577000005
(式(1)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、lは、1~10の整数である。)
Figure 2023081577000006
(式(2)中、Xは炭化水素に由来する炭素数が2~10である2価の連結基であり、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、mは、1~10の整数である。)
上記式(1)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基である。
上記炭素数が10~18の炭化水素基としては、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。また、上記炭素数が10~18の炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。なかでも、上記炭素数が11~17の炭化水素基であることが好ましく本発明の硬化物の柔軟性と反りの抑制の観点から、炭素数が12~16の炭化水素基であることがより好ましい。
上記式(1)は、柔軟性を好適に付与し、反りを好適に抑制する観点及び対応する原材料の入手容易性の観点から、カルダノールに由来することが好ましい。
上記カルダノールに由来する構造としては、例えば、Rの炭素数が15であり、水素数が25~31の炭化水素基であるカルダノール構造を有するもの等が挙げられる。
上記式(1)中、lはフェノキシ樹脂中の上記式(1)の括弧内で表される構成単位の数を意味する。
上記式(1)中、lは、1~10である。上記式(1)の括弧内で表される構成単位は、フェノキシ樹脂中に連続して(ブロック)で存在してもよいし、ランダムに存在してもよい。
上記式(2)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基である。
上記炭素数が10~18の炭化水素基としては、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。また、上記炭素数が10~18の炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。なかでも、上記炭素数が11~17の炭化水素基であることが好ましく、本発明の硬化物の柔軟性と反りの抑制の観点から、炭素数が12~16の炭化水素基であることがより好ましい。
上記式(2)中、Rは、柔軟性を好適に付与し、反りを好適に抑制する観点から、Rの炭素数が15であり、水素数が25~31の炭化水素基であるカルダノール構造を有するもの等が挙げられる。
上記式(2)中、Xは炭化水素に由来する炭素数が2~10である2価の連結基である。
上記炭素数が2~10である2価の連結基としては、直鎖であっても、分岐鎖であってもよく、また環状構造を持っていてもよい。具体的にはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキリデン基等が挙げられる。
なかでも、入手容易性の観点から、炭素数が3~7のアルキレン基であることが好ましい。
なお、上記炭素数が2~10である2価の連結基は、連結基中に酸素原子、窒素原子等の炭素以外の分子を含んでもよい。
上記炭素数が2~10である2価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アルコキシ置換アルキル基、カルボキシル基等が挙げられる。
上記式(2)中、Oは、Xに対してオルト位、メタ位又はパラ位の何れであってもよく、Oは、Xに対してオルト位、メタ位又はパラ位の何れであってもよいが、入手容易性の観点から、それぞれXに対してパラ位であることが好ましい。
上記式(2)中、mはフェノキシ樹脂中の上記式(2)の括弧内で表される構成単位の数を意味する。
上記式(2)中、mは1~10である。上記式(2)の括弧内で表される構成単位は、フェノキシ樹脂中に連続して(ブロック)で存在してもよいし、ランダムに存在してもよい。
本発明のフェノキシ樹脂は、重量平均分子量(Mw)が3000~20000であることが好ましく、6000~10000であることがより好ましい。
上記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法のポリスチレン換算値として測定される。
(フェノキシ樹脂の製造方法)
本発明のフェノキシ樹脂の製造方法は、下記式(3)で表される化合物と、下記式(4)で表される化合物とを反応させる工程を有する。
Figure 2023081577000007
(式(3)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、nは、2~20の整数である。)
Figure 2023081577000008
(式(4)中、Xは炭化水素に由来する炭素数が2~10である2価の連結基である。)
本発明のフェノキシ樹脂の製造方法では、上記式(3)で表される化合物を準備する。
上記式(3)で表される化合物は市販のものを購入してもよいし、下記の方法により合成してもよい。
上記式(3)で表される化合物を合成する方法としては、下記式(5)で表される化合物を、酸触媒の存在下で反応させることにより作製することができる。
Figure 2023081577000009


(式(5)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基である。)
上記式(5)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基である。
上記炭素数が10~18の炭化水素基としては、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。また、上記炭素数が10~18の炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。なかでも、上記炭素数が11~17の炭化水素基であることが好ましく、本発明の硬化物の柔軟性と反りの抑制の観点から、炭素数が12~16の炭化水素基であることがより好ましい。
上記式(5)中、Rは、本発明の硬化物に柔軟性を好適に付与し、本発明の硬化物の反りを好適に抑制する観点から、Rの炭素数が15であり、水素数が25~31の炭化水素基であるカルダノール構造を有するもの等が挙げられる。
上記酸触媒としては、公知のものを使用することができ、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、プロピオン酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸等を使用することができる。
なかでも、触媒活性および溶液への溶解性の観点から、p-トルエンスルホン酸を使用することが好ましい。
上記酸触媒の含有量としては、上記式(5)で表される化合物100質量部に対して、0.1~4質量部程度である。
上記式(5)で表される化合物を、酸触媒の存在下で反応させる際の反応温度としては、例えば、120~180℃程度である。また、反応時間としては、例えば、1~10時間程度である。
なお、目的とする上記式(3)で表される化合物が得られたことは、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、上記式(5)に由来するピークの低下と、新たな成分の留出とを確認すればよい。
また、上記反応の際に用いる装置(撹拌装置、還流装置等)は、公知のものを適宜選択すればよい。
上記反応を行った後、公知の方法により精製してもよく、精製しなくてもよい。公知の方法により精製することがより好ましい。
上記式(3)で表される化合物と、上記式(4)で表される化合物とを反応させる工程では、塩基性下で、上記式(3)で表される化合物と、上記式(4)で表される化合物とを反応させる。
上記式(3)で表される化合物のヒドロキシル基と、上記式(4)で表される化合物のエポキシ基が反応することにより、本発明のフェノキシ樹脂が得られる。
上記(3)中、nは2~20である。
上記(3)で表される化合物において、ヒドロキシル基に対して上記式(4)で表される化合物のエポキシ基が反応する箇所が連続(ブロック)していてもよいし、ランダムであってもよい。
上記式(4)で表される化合物中、Xは炭化水素に由来する炭素数が2~10である2価の連結基である。
上記炭素数が2~10である2価の連結基としては、直鎖であっても、分岐鎖であってもよく、また環状構造を持っていてもよい。具体的にはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキリデン基等が挙げられる。
なかでも、入手容易性観点から、炭素数が3~7のアルキレン基であることが好ましい。
なお、上記炭素数が2~10である2価の連結基は、連結基中に酸素原子、窒素原子等の炭素以外の分子を含んでもよい。
上記炭素数が2~10である2価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アルコキシ置換アルキル基、カルボキシル基等が挙げられる。
上記式(4)中、Oは、Xに対してオルト位、メタ位又はパラ位の何れであってもよく、Oは、Xに対してオルト位、メタ位又はパラ位の何れであってもよいが、入手容易性の観点から、O及びOのそれぞれが、Xに対してパラ位であることが好ましい。
上記反応において、上記式(3)で表される化合物と、上記式(4)で表される化合物との質量比(上記式(3)で表される化合物:上記式(4)で表される化合物)は、硬化時の塗膜物性の観点から、1:0.7~1.5であることが好ましい。
上記式(3)で表される化合物と、上記式(4)で表される化合物とを反応させる工程において用いられる塩基としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ金属フッ化物、アミン、有機リン化合物等が挙げられる。
上記塩基を用いる量としては、塩基の種類によって異なるが、例えば、上記式(3)で表される化合物100質量部に対して、0.1~2.0質量部程度である。
上記式(3)で表される化合物と、上記式(4)で表される化合物とを反応させる工程では、溶媒を用いてもよい。
上記溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水や、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく挙げられるが、これらに限定されない。
上記溶媒は単独で使用してもよく、複数の種類を併用してもよい。
上記溶媒を用いる量としては、例えば、上記式(3)で表される化合物100質量部に対して、30質量部以下程度である。
上記式(3)で表される化合物と、上記式(4)で表される化合物とを反応させる工程の反応温度としては、例えば、60~120℃程度である。また、反応時間としては、例えば、1~10時間程度である。
なお、目的とするフェノキシ樹脂が得られたことは、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、原料(例えば、上記式(4)で表される化合物)に由来するピークの低下と、新たな成分の留出とを確認すればよい。
また、上記反応の際に用いる装置(撹拌装置、還流装置等)は、公知のものを適宜選択すればよい。
上記反応を行った後、公知の方法により精製してもよく、精製しなくてもよい。公知の方法により精製することがより好ましい。
(組成物)
本発明の組成物は、本発明のフェノキシ樹脂を含む。
本発明の組成物は、上記フェノキシ樹脂を含むので、柔軟性に優れ、硬化収縮による反りを抑制することができ、かつ、自己修復機能を有する硬化物を得ることができる
本発明の組成物は、硬化剤を更に含むことが好ましい。
上記硬化剤としては、例えば、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、酸無水物硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。
上記硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記硬化剤の含有量としては、上記フェノキシ樹脂100質量部対して、20~40質量部であることが好ましい。
本発明の組成物は、硬化時間短縮の観点から、硬化触媒を更に含むことが好ましい。
上記硬化触媒としては、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6-トリスジメチルアミノメチルフェノール等の3級アミン化合物;2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物が挙げられる。
上記硬化触媒は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記硬化触媒の含有量としては、上記フェノキシ樹脂100質量部に対して、0.1~2.0質量部であることが好ましい。
本発明の組成物は、溶剤を更に含んでもよい。
上記溶剤としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトニトリル、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく挙げられるが、これらに限定されない。
上記溶剤は単独で使用してもよく、複数の種類を併用してもよい。
本発明の組成物は、添加剤を更に含んでもよい。
上記添加剤としては、光重合開始剤、リン含有化合物、バインダー樹脂、無機充填材等が挙げられる。
これらは公知のものを適宜選択すればよい。
(硬化物)
本発明の硬化物は、本発明のフェノキシ樹脂、及び/又は、本発明の組成物を硬化してなる。
本発明の硬化物は、本発明のフェノキシ樹脂を含むので、柔軟性に優れ、硬化収縮による反りを抑制することができ、かつ、自己修復機能を有する硬化物を得ることができる。
本発明の硬化物は、従来公知の方法を用いて本発明のフェノキシ樹脂、及び/又は、本発明の組成物を硬化することにより得ることができる。
例えば、本発明のフェノキシ樹脂、硬化剤、及び、硬化触媒を必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合して組成物を作製し、その組成物を公知の方法により基材上に塗布し、さらに20~40℃で12~48時間静置する方法等により本発明の硬化物を得ることができる。
必要に応じて、上記組成物は添加剤を含んでもよい。
本発明の硬化物は、柔軟性に優れる。
上記柔軟性は、例えば、ガラス板(縦100mm×横100mm)上に、硬化物(縦100mm×横100mm、厚み200μm)を作製し、JIS K 5600-5-4:1999に基づく鉛筆硬度の測定により評価することができる。
上記鉛筆硬度が2B以下であれば、柔軟性に優れると評価することができる。
上記鉛筆硬度は、3B以下であることが好ましく、4B以下であることがより好ましい。
本発明の硬化物は、硬化収縮による反りを抑制することができる。
上記反りの抑制は、例えば、硬化物(縦100mm×横100mm、厚み200μm)を、PETフィルム(東レ株式会社製「登録商標:ルミラー S10」、縦100mm×横100mm)上に作製して平坦な机の上に置き、4辺の浮いた高さを測定してその平均値を算出することにより評価することができる。上記平均値が、5mm以下であれば、硬化収縮による反りを十分に抑制できたと評価することができる。
本発明の硬化物は、自己修復機能を有する。
上記自己修復機能は、例えば、硬化物(縦100mm×横100mm、厚み200μm)を、PETフィルム(東レ株式会社製「登録商標:ルミラー S10」、縦100mm×横100mm)上に作製し、温度23℃、50%RHの環境下において、真鍮ブラシで硬化物の表面を10往復こすり、硬化物表面に形成した傷を自己修復する時間を測定することにより、評価することができる。60秒未満で傷跡が修復することができた場合には、自己修復機能を十分に有すると評価することができる。
本発明の硬化物は、密着性に優れることが好ましい。
上記密着性は、例えば、ガラス板(縦100mm×横100mm)上に、硬化物(縦100mm×横100mm、厚み200μm)を作製し、クロスカット法JIS K 5600-5-6:1999の100マス試験を実施し、100マス中剥離のないマス目を測定することにより評価することができる。
上記100マス試験において、剥離のないマス目が90~100であれば密着性に優れると評価することができる。
本発明の硬化物は、煮沸耐性に優れることが好ましい。
上記煮沸耐性は、例えば、ガラス板(縦100mm×横100mm)上に、硬化物(縦100mm×横100mm、厚み200μm)を作製し、100℃の水に2時間浸した後に硬化物の外観を観察することにより評価することができる。
100℃の水に2時間浸した後の硬化物の外観に変化が見られない場合には、煮沸耐性に優れると評価することができる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものである。
(実施例1)
[上記式(3)で表される化合物の合成]
攪拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに窒素パージを施しながら精製カルダノール100質量部を量りとり、p-トルエンスルホン酸一水和物0.8質量部を加えて反応溶液を作製した。次いで、上記反応溶液を150℃に加熱し、3時間攪拌を行った。
反応温度を室温に戻し、水酸化ナトリウム水溶液で中和した。
水層を酢酸エチルで3回抽出した後、有機層を硫酸ナトリウムにより脱水した。
その後、硫酸ナトリウムをろ過にて取り除いた後、溶媒をエバポレーターで留去した。
得られた粗生成物を300℃に加熱し、減圧下で3時間撹拌することによって留出成分を除去して、上記式(3)で表される化合物(式(3)中、Rは、炭素数が15の炭化水素基である。)を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、カルダノールに由来するピークの低下と、新たな高分子量成分の留出とを確認し、上記式(3)で表される化合物が得られたことを確認した。
[フェノキシ樹脂の合成]
攪拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら上記式(3)で表される化合物100質量部を量り取り、ビスフェノールA型エポキシ樹脂jer-828(三菱ケミカル株式会社製)100質量部、水酸化ナトリウム0.6質量部、メタノール18質量部、水5質量部を加えて反応溶液を作製した。次いで、反応溶液を75℃にまで昇温し、還流しながら3時間攪拌を行った。
反応温度を室温に戻し、水層をトルエンで3回抽出した後、有機層を硫酸ナトリウムにより脱水した。
その後、硫酸ナトリウムをろ過にて取り除いた後、溶媒をエバポレーターで留去し、上記式(1)で表される構造(式(1)中、Rは、炭素数が15の炭化水素基である。)と、上記式(2)で表される構造(式(2)中、Xは、炭素数が3である連結基であり、Rは、15の炭化水素基である。)とを含むフェノキシ樹脂を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に由来するピークの低下と、新たな高分子量成分の留出とを確認し、目的とするフェノキシ樹脂が得られたことを確認した。
[試験用硬化物の作製]
上記フェノキシ樹脂100質量部をとり、硬化剤(ST11、三菱ケミカル株式会社製)30質量部、2,4,6-トリスジメチルアミノメチルフェノール(東京化成工業株式会社製)0.5質量部を加えて混合し、組成物を得た。
ガラス板(縦100mm×横100mm)上に、上記組成物を塗布し、室温にて1日静置することで試験用硬化物1(縦100mm×横100mm、厚み200μm)を作製した。
また、PETフィルム(東レ株式会社製「登録商標:ルミラー S10」、縦100mm×横100mm)上に、上記組成物を塗布し、室温にて1日静置することで試験用硬化物2(縦100mm×横100mm、厚み200μm)を作製した。
(比較例1)
フェノキシ樹脂(YP-40ASM40、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、ビスフェノールAタイプ、重量平均分子量30000)100質量部をとり、硬化剤(ST11、三菱ケミカル株式会社製)1質量部、2,4,6-トリスジメチルアミノメチルフェノール(東京化成工業株式会社製)0.5質量部を加えて混合し、比較用組成物を得た。
ガラス板(縦100mm×横100mm)上に、上記組成物を塗布し、室温にて1日静置することで比較用硬化物1(縦100mm×横100mm、厚み200μm)を作製した。
また、PETフィルム(東レ株式会社製「登録商標:ルミラー S10」、縦100mm×横100mm)上に、上記組成物を塗布し、室温にて1日静置することで比較用硬化物2(縦100mm×横100mm、厚み200μm)を作製した。
<鉛筆硬度>
試験用硬化物1及び比較用硬化物1に対して、JIS K 5600-5-4:1999に基づいて鉛筆硬度を測定した。
<反りの評価>
試験用硬化物2及び比較用硬化物2を平坦な机の上に置き、4辺の浮いた高さを測定して平均値を算出し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○:4辺の浮いた高さの平均値が5mm以下であった。
△:4辺の浮いた高さの平均値が5mmを超えて30mm以下であった。
×:4辺の浮いた高さの平均値が30mmを超えた。
<自己修復機能評価>
試験用硬化物2及び比較用硬化物2を温度23℃、50%RHの環境下において、真鍮ブラシで塗膜を10往復こすり、硬化物表面に形成した傷の自己修復する時間を測定した。
(評価基準)
○:60秒未満で傷跡が修復する。
△:60秒以上10分未満で傷跡が修復する。
×:10分経過しても傷跡が修復しない。
<密着性評価>
試験用硬化物1及び比較用硬化物1に対してクロスカット法JIS K 5600-5-6:1999の100マス試験を実施し、100マス中剥離のないマス目を測定した。
(評価基準)
○:剥離のないマス目が90~100。
△:剥離のないマス目が70~89。
×:剥離のないマス目が69以下。
<煮沸耐性試験>
試験用硬化物1及び比較用硬化物1を100℃の水に2時間浸した後に硬化物の外観評価を行った。
(評価基準)
○:外観に変化が見られず良好。
×:硬化物が白濁する。
Figure 2023081577000010
実施例1の結果から、本発明のフェノキシ樹脂の硬化物は、柔軟性に優れ、硬化収縮による反りを抑制することができ、かつ、自己修復機能を有することが確認された。
本発明は、柔軟性に優れ、硬化収縮による反りを抑制することができ、かつ、自己修復機能を有する硬化物を得ることができるフェノキシ樹脂を提供することができる。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される構造と、下記式(2)で表される構造とを含むフェノキシ樹脂。
    Figure 2023081577000011
    (式(1)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、lは、1~10の整数である。)
    Figure 2023081577000012
    (式(2)中、Xは炭化水素に由来する炭素数が2~10である2価の連結基であり、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、mは、1~10の整数である。)
  2. 前記式(1)及び(2)中、Rは、炭素数が12~16の炭化水素基である請求項1に記載のフェノキシ樹脂。
  3. 前記式(1)は、カルダノールに由来する請求項1又は2に記載のフェノキシ樹脂。
  4. 請求項1~3の何れか一項に記載のフェノキシ樹脂を含む組成物。
  5. 硬化剤を更に含む請求項4に記載の組成物。
  6. 硬化触媒を更に含む請求項5に記載の組成物。
  7. 請求項1~3の何れか一項に記載のフェノキシ樹脂及び/又は請求項4~6の何れか一項に記載の組成物を硬化してなる硬化物。
  8. 請求項1~3の何れか一項に記載のフェノキシ樹脂の製造方法であって、
    下記式(3)で表される化合物と、下記式(4)で表される化合物とを反応させる工程を有する
    フェノキシ樹脂の製造方法。
    Figure 2023081577000013
    (式(3)中、Rは、炭素数が10~18の炭化水素基であり、nは、2~20の整数である。)
    Figure 2023081577000014
    (式(4)中、Xは炭化水素に由来する炭素数が2~10である2価の連結基である。)


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