JP2023077256A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高耐久で残留電位が抑制され、されにフォトメモリーの発生を抑制できる電子写真感光体を提供する。【解決手段】 電子写真感光体の表面層および電荷輸送層が、特定の構造を有する化合物を含有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置に搭載される電子写真感光体には、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する有機電子写真感光体(以下、「電子写真感光体」という)があり、これまで幅広い検討がなされてきた。近年では、印刷速度の高速化に伴い、電子写真感光体の長寿命化が求められている。特許文献1および2には、優れた機械的強度を示す表面層を有する電子写真感光体が記載されている。
特開平10-268535号公報 特開2000-66425号公報
本発明者らが鋭意検討した結果、特許文献1および2に記載の電子写真感光体では、残留電位の抑制とフォトメモリーの抑制との両立に改善の余地があった。
本発明の目的は、高い耐久性を有し、残留電位が抑制され、フォトメモリーが抑制された電子写真感光体を提供することにある。また、本発明の目的は、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、電荷発生層、電荷輸送層および表面層をこの順に有する電子写真感光体において、
該表面層が、
下記式(CT-1)で示される化合物および下記式(CT-2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性の電荷輸送性化合物、ならびに、
下記式(A)で示される化合物
を含有する組成物の重合膜であり、
該電荷輸送層が、結着樹脂および電荷輸送物質を含有し、
該電荷輸送層が、該電荷輸送物質として、下記式(B)で示される電荷輸送性化合物を含有する、
ことを特徴とする電子写真感光体である。
Figure 2023077256000001
(上記式(CT-1)中、Ar11~Ar13は、それぞれ独立に、置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。該置換のアリール基が有してもよい置換基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、または、下記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基である。ただし、上記式(CT-1)で示される化合物は、下記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基を少なくとも1つ有する。)
Figure 2023077256000002
(上記式(P-1)中、Z11は、単結合、または、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。X11は、水素原子、または、メチル基を示す。)
Figure 2023077256000003
(上記式(P-2)中、Z21は、単結合、または、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。)
Figure 2023077256000004
(上記式(P-3)中、Z31は、単結合、または、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。)
Figure 2023077256000005
(上記式(CT-2)中、Ar21~Ar24は、それぞれ独立に、置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。Ar25は、置換のアリーレン基もしくは無置換のアリーレン基を示す。該置換のアリール基が有してもよい置換基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、または、上記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基である。該置換のアリーレン基が有してもよい置換基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、または、上記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基である。ただし、上記式(CT-2)で示される化合物は、上記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基を少なくとも1つ有する。)
Figure 2023077256000006
(上記式(A)中、R21~R23は、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。Q21~Q23は、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、または、メタクリロイルオキシ基を示す。)
Figure 2023077256000007
(上記式(B)中、Y11~Y34は、それぞれ独立に、水素原子、または、アルキル基を示す。Y41およびY42は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換のフェニル基もしくは無置換のフェニル基を示す。)
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、高い耐久性を有し、残留電位が抑制され、フォトメモリーが抑制された電子写真感光体を提供することができる。また、本発明によれば、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。
本発明の電子写真感光体は、支持体、電荷発生層および表面層をこの順に有する電子写真感光体である。
そして、該表面層が、
下記式(CT-1)で示される化合物および下記式(CT-2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性の電荷輸送性化合物、ならびに、
下記式(A)で示される化合物
を含有する組成物の重合膜である。
Figure 2023077256000008
(上記式(CT-1)中、Ar11~Ar13は、それぞれ独立に、置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。該置換のアリール基が有してもよい置換基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、または、下記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基である。ただし、上記式(CT-1)で示される化合物は、下記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基を少なくとも1つ有する。)
Figure 2023077256000009
(上記式(P-1)中、Z11は、単結合、または、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。X11は、水素原子、または、メチル基を示す。)
Figure 2023077256000010
(上記式(P-2)中、Z21は、単結合、または、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。)
Figure 2023077256000011
(上記式(P-3)中、Z31は、単結合、または、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。)
Figure 2023077256000012
(上記式(CT-2)中、Ar21~Ar24は、それぞれ独立に、置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。Ar25は、置換のアリーレン基もしくは無置換のアリーレン基を示す。該置換のアリール基が有してもよい置換基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、または、上記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基である。該置換のアリーレン基が有してもよい置換基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、または、上記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基である。ただし、上記式(CT-2)で示される化合物は、上記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基を少なくとも1つ有する。)
Figure 2023077256000013
(上記式(A)中、R21~R23は、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。Q21~Q23は、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、または、メタクリロイルオキシ基を示す。)
そして、該電荷輸送層が、結着樹脂および電荷輸送物質を含有し、
該電荷輸送層が、該電荷輸送物質として、下記式(B)で示される電荷輸送性化合物を含有する。
Figure 2023077256000014
(上記式(B)中、Y11~Y34は、それぞれ独立に、水素原子、または、アルキル基を示す。Y41およびY42は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換のフェニル基もしくは無置換のフェニル基を示す。)
上述のとおり、表面層は、前記式(CT-1)で示される化合物および前記式(CT-2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性の電荷輸送性化合物、ならびに、前記式(A)で示される化合物を含有する組成物の重合膜である。
前記式(CT-1)で示される化合物および前記式(CT-2)で示される化合物は、重合性を有し、かつ、電荷輸送性(正孔輸送性)を持つトリアリールアミン骨格を有している。すなわち、前記式(CT-1)で示される化合物および前記式(CT-2)で示される化合物は、重合性の電荷輸送性化合物である。前記組成物中に前記式(CT-1)で示される化合物および前記式(CT-2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性の電荷輸送性化合物を含有させた場合、該トリアリールアミン骨格が表面層中に均一に分散される。そのため、良好な電気特性を有する表面層が得られる。
前記式(A)で示される化合物は、重合性官能基であるアクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基を有する。そして、前記式(CT-1)で示される化合物および/または前記式(CT-2)で示される化合物と共同して重合膜を形成する。これにより、良好な電気特性と高い耐久性を有する表面層が得られる。
前記式(CT-1)中の置換のアリール基もしくは無置換のアリール基は、置換のフェニル基、無置換のフェニル基、置換のビフェニリル基、無置換のビフェニリル基、置換のフルオレニル基および無置換のフルオレニル基のいずれかであることが好ましい。前記式(CT-2)中の置換のアリーレン基もしくは無置換のアリーレン基は、置換のフェニレン基、無置換のフェニレン基、置換のビフェニリレン基、無置換のビフェニリレン基、置換のフルオレニレン基および無置換のフルオレニレン基のいずれかであることが好ましい。前記式(P-1)~(P-3)中の炭素数1以上6以下のアルキレン基は、エチレン基、1,3-プロピレン基、1,2-プロピレン基、1,4-ブチレン基であることが好ましい。
以下に、前記式(CT-1)で示される化合物の具体例(例示化合物(CT1-1)~)(CT1-9))を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。また、以下に、前記式(CT-2)で示される化合物の具体例(例示化合物(CT2-1)~(CT2-3))を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2023077256000015
Figure 2023077256000016
以下に、前記式(A)で示される化合物の具体例(例示化合物(A-1)~(A-6))を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2023077256000017
前記組成物中の前記重合性の電荷輸送性化合物の含有量をWCTとし、前記組成物中の前記式(A)で示される化合物の含有量をWAとしたとき、WCTおよびWAが、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.1≦WA/WCT≦0.5 (1)
さらに高い耐久性を有する表面層を得るために、表面層にポリテトラフルオロエチレン粒子を含有させることが好ましい。また、ポリテトラフルオロエチレン粒子を表面層中に均一に分散させるために、フッ素原子含有グラフトポリマーを表面層に含有させることが好ましい。
表面層中におけるポリテトラフルオロエチレン粒子の含有量は、表面層の全質量に対して5質量%以上75質量%以下であることが好ましい。
上述のとおり、電荷輸送層は、結着樹脂および電荷輸送物質を含有し、電荷輸送層は、電荷輸送物質として、前記式(B)で示される化合物を含有する。
前記式(B)で示される化合物が有するスチリル構造によって、フォトメモリーが抑制される。
前記式(B)中のY41およびY42は、置換のフェニル基もしくは無置換のフェニル基であることが好ましい。
以下に、前記式(B)で示される化合物の具体例(例示化合物(B-1)~(B-4))を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2023077256000018
電荷輸送層中の結着樹脂の含有量をWBとし、前記電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量をWDとしたとき、WBおよびWDが、下記式(2)を満たすことが好ましい。
0.5≦WD/WB≦1.2 (2)
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。また、電子写真感光体の製造方法についても説明する。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、支持体、電荷発生層、電荷輸送層および表面層を有する。
図2は、電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図2中、電子写真感光体は、支持体21、下引き層22、電荷発生層23、電荷輸送層24および保護層25を有する。この例では、保護層25が電子写真感光体の表面層である。
電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などの方法が挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
以下、支持体および各層について説明する。
〈支持体〉
支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。これらの中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレス鋼や、これらの合金などが挙げられる。これらの中でも、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与することが好ましい。
〈導電層〉
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体の表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体の表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物の粒子が好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛の粒子がより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物粒子を用いる場合、金属酸化物粒子の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物粒子にリンやアルミニウムなどの元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子の材質としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層の材質としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物粒子を用いる場合、金属酸化物粒子の体積平均粒子径は、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などをさらに含有してもよい。
導電層の膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上記各材料および溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、塗膜を乾燥および/または硬化させることで形成することができる。導電層用塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
〈下引き層〉
本発明において、支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などをさらに含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上記重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。
下引き層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上記各材料および溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、塗膜を乾燥および/または硬化させることで形成することができる。下引き層用塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
〈電荷発生層〉
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上記各材料および溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、結着樹脂を含有する。
電荷輸送層は、電荷輸送物質として、前記式(B)で示される化合物を含有する。電荷輸送層は、前記式(B)で示される化合物の他に異なる電荷輸送性化合物を含有してもよい。電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。
以下に、電荷輸送物質の具体例(例示化合物(C-1)~(C-12))を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上記各材料および溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることで形成することができる。電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
〈表面層〉
本発明においては、電荷輸送層の上に、表面層が設けられる。
表面層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成することが好ましい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。
表面層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
表面層の膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下であることが好ましい。
表面層は、上述の各材料および溶剤を含有する表面層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、塗膜を乾燥および/または硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
表面層用塗布液の塗膜を硬化させる方法としては、熱、紫外線、または電子線によって硬化させる方法が挙げられる。表面層の強度、電子写真感光体の耐久性を維持するためには、紫外線または電子線を用いて硬化させることが好ましい。
電子線を用いて重合させると、非常に緻密(高密度)な硬化物(3次元架橋構造)が得られ、より高い耐久性を有する表面層が得られるため、好ましい。電子線を照射する場合、加速器としては、例えば、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型、ラミナー型などが挙げられる。
電子線を用いる場合、電子線の加速電圧は、重合効率を損なわずに電子線による材料特性の劣化を抑制できる観点から、120kV以下であることが好ましい。また、表面層用塗布液の塗膜の表面での電子線吸収線量は、1kGy以上50kGy以下であることが好ましく、5kGy以上10kGy以下であることがより好ましい。
また、電子線を用いて塗膜を硬化(重合)させる場合、酸素による重合阻害作用を抑制する目的で、不活性ガス雰囲気中で電子線を照射した後に、不活性ガス雰囲気中で加熱することが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムが挙げられる。
また、紫外線または電子線の照射後に、電子写真感光体を100℃以上170℃以下に加熱することが好ましい。こうすることで、さらに高い耐久性を有し、画像不良を抑制する表面層が得られる。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
本発明の電子写真装置は、本発明の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。図においては、ローラー型帯電部材(帯電ローラー)によるローラー帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から像露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の中に収容されたトナーで現像され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。トナー像が転写された転写材7は、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受け、電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナー(転写残トナー)などの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。また、クリーニング手段9を別途設けず、上記付着物を現像手段5などで除去する、いわゆる、クリーナーレスシステムを用いてもよい。電子写真装置は、電子写真感光体1の表面に、前露光手段(不図示)からの前露光光10を照射するにより、電子写真感光体1の表面を除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置の本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、および、これらの複合機などの電子写真装置に用いることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
直径30mm、長さ370mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを円筒状の支持体(円筒状の導電性支持体)とした。
次に、酸化亜鉛粒子(比表面積:19m/g、粉体抵抗:4.7×10Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。シランカップリング剤としては、信越化学工業(株)製のKBM602(化合物名:N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン)を用いた。
次に、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(商品名:BM-1、積水化学工業(株)製、重量平均分子量:40000)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化コベストロウレタン(株)製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1-ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に上記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、および2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.01部、および架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMERSSX-103、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径3μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶20部、下記式(D)で示される化合物0.2部、
Figure 2023077256000019
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業(株)製)10部およびシクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。その後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を温度80℃のオーブンで15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、例示化合物(B-1)10部、例示化合物(C-1)22.5部、例示化合物(C-2)45部、例示化合物(C-3)22.5部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型)100部、下記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:40000)0.18部
Figure 2023077256000020

(式(E)中、0.95および0.05は2つの構造単位のモル比(共重合比)である。)
を、混合キシレン200部、ジメトキシメタン400部および、安息香酸メチル200部の溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液1を調製した。
この電荷輸送層用塗布液1を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚21μmの電荷輸送層を形成した。
次に、例示化合物(A-1)13部、例示化合物(CT1-7)67部、ポリテトラフルオロエチレン粒子(ルブロンL-2、ダイキン工業(株)製)20部、下記式(F1)で示される繰り返し構造単位および下記式(F2)で示される繰り返し構造単位を有するフッ素原子含有アクリル樹脂(重量平均分子量:83,000、共重合比(F1)/(F2)=1/1(モル比))2部、
Figure 2023077256000021

1-プロパノール75部、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)75部を混合した後、超高速分散機でこの溶液を分散処理した。その後、ポリフロンフィルター(商品名:PF-060、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液1を調製した。
この表面層用塗布液1を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成した。得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。次に、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmの速度で回転させながら、1.5秒間電子線を塗膜に照射した。その後、塗膜の温度が25℃から120℃になるまで10秒かけて昇温させ、塗膜を硬化させた。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであり、電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は20ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却した後、15分間100℃で加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層を形成した。
このようにして、電子写真感光体1を製造した。
(実施例2)
表面層用塗布液中に含有される例示化合物(A-1)を13部から26部に変更し、例示化合物(CT1-7)を67部から54部に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体2を製造した。
(実施例3)
表面層用塗布液中に含有される例示化合物(A-1)を13部から8部に変更し、例示化合物(CT1-7)を67部から72部に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体3を製造した。
(実施例4)
表面層用塗布液中に含有される例示化合物(A-1)を13部から5部に変更し、例示化合物(CT1-7)を67部から20部に変更し、ポリテトラフルオロエチレン粒子を20部から75部に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体4を製造した。
(実施例5)
表面層用塗布液中に含有される例示化合物(A-1)を13部から20部に変更し、例示化合物(CT1-7)を67部から75部に変更し、ポリテトラフルオロエチレン粒子を20部から5部に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体5を製造した。
(実施例6)
電荷輸送層用塗布液中に含有される、例示化合物(C-1)を22.5部から10部に変更し、例示化合物(C-2)を45部から20部に変更し、例示化合物(C-3)を22.5部から10部に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体6を製造した。
(実施例7)
電荷輸送層用塗布液中に含有される、例示化合物(C-1)を22.5部から27.5部に変更し、例示化合物(C-2)を45部から55部に変更し、例示化合物(C-3)を22.5部から27.5部に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体7を製造した。
(実施例8)
表面層用塗布液中に含有される例示化合物(A-1)を13部から15部に変更し、例示化合物(CT1-7)を67部から55部に変更し、ポリテトラフルオロエチレン粒子を20部から30部に変更した。また、電荷輸送層用塗布液中に含有される、例示化合物(C-1)を22.5部から17.5部に変更し、例示化合物(C-2)を45部から35部に変更し、例示化合物(C-3)を22.5部から17.5部に変更した。それら以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体8を製造した。
(実施例9)
表面層用塗布液中に含有される例示化合物(CT1-7)を例示化合物(CT2-1)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体9を製造した。
(実施例10)
表面層用塗布液中に含有される例示化合物(A-1)を例示化合物(A-2)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体10を製造した。
(実施例11)
電荷輸送層用塗布液中に含有される例示化合物(B-1)を例示化合物(B-3)に変更した。それ以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体11を製造した。
(実施例12)
実施例1と同様にして、電荷発生層まで形成した。
次に、例示化合物(B-1)10部、例示化合物(C-1)17.5部、例示化合物(C-2)35部、例示化合物(C-3)17.5部、例示化合物(C-5)0.035部、例示化合物(C-6)0.07部、例示化合物(C-7)0.035部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型)100部、上記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:40000)0.18部を、混合キシレン200部、ジメトキシメタン400部、および、安息香酸メチル200部の溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液12を調製した。
この電荷輸送層用塗布液12を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚21μmの電荷輸送層を形成した。
次に、前記表面層用塗布液1を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成した。得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。次に、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmの速度で回転させながら、1.5秒間電子線を塗膜に照射した。その後、塗膜の温度が25℃から120℃になるまで10秒かけて昇温させ、塗膜を硬化させた。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであり、電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は20ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却した後、15分間100℃で加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層を形成した。
このようにして、電子写真感光体12を製造した。
(実施例13)
電荷輸送層用塗布液中に含有される例示化合物(C-5)を0.035部から0.263部に変更し、例示化合物(C-6)を0.07部から0.525部に変更し、例示化合物(C-7)を0.035部から0.263部に変更した。それら以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体13を製造した。
(実施例14)
電荷輸送層用塗布液中に含有される例示化合物(C-6)を0.07部から0.035部に変更した。それ以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体14を製造した。
(実施例15)
電荷輸送層用塗布液中に含有される例示化合物(C-6)を0.525部から0.263部に変更した。それ以外は、実施例13と同様にして電子写真感光体15を製造した。
(比較例1)
実施例1と同様にして、電荷発生層まで形成した。
次に、例示化合物(C-4)100部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型)100部、上記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:40000)0.18部を、混合キシレン200部、ジメトキシメタン400部、および、安息香酸メチル200部の溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液16を調製した。
この電荷輸送層用塗布液16を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚21μmの電荷輸送層を形成した。
次に、前記表面層用塗布液1を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成した。得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。次に、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmの速度で回転させながら、1.5秒間電子線を塗膜に照射した。その後、塗膜の温度が25℃から120℃になるまで10秒かけて昇温させ、塗膜を硬化させた。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであり、電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は20ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却した後、15分間100℃で加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層を形成した。
このようにして、電子写真感光体16を製造した。
(比較例2)
実施例1と同様にして、電荷発生層まで形成した。
次に、例示化合物(B-1)10部、例示化合物(C-4)90部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型)100部、上記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:40000)0.18部を、混合キシレン200部、ジメトキシメタン400部、および、安息香酸メチル200部の溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液17を調製した。
この電荷輸送層用塗布液17を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚21μmの電荷輸送層を形成した。
次に、下記式(G)で示される化合物80部、ポリテトラフルオロエチレン粒子(ルブロンL-2、ダイキン工業(株)製)20部、上記式(F1)で示される繰り返し構造単位および上記式(F2)で示される繰り返し構造単位を有するフッ素原子含有アクリル樹脂(重量平均分子量:83,000、共重合比(F1)/(F2)=1/1(モル比))2部、1-プロパノール75部、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)75部を混合した後、超高速分散機でこの溶液を分散処理した。その後、ポリフロンフィルター(商品名:PF-060、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液17を調製した。
この表面層用塗布液17を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成した。得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。次に、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmの速度で回転させながら、1.5秒間電子線を塗膜に照射した。その後、塗膜の温度が25℃から120℃になるまで10秒かけて昇温させ、塗膜を硬化させた。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであり、電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は20ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却した後、15分間100℃で加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層を形成した。
このようにして、電子写真感光体17を製造した。
[評価]
〈電気特性評価〉
各実施例および比較例で製造した電子写真感光体を、評価装置として電子写真装置(複写機、商品名:imagePRESSC910、キヤノン(株)製)の改造機のシアンステーションに装着し、以下に示す条件での評価を行った。電子写真感光体の表面電位の測定は、評価装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位プローブ(商品名:model6000B-8、トレック社製)を固定し、表面電位計(model344:トレック社製)を使用して行った。
まず、評価に用いる電子写真感光体の暗部電位(VD)が-800Vになるように帯電部材(帯電ローラー)への印加電圧を調整した。波長670nmのレーザー光(像露光光)を照射した際の明部電位(VL)が-300Vになるようにレーザー光量を調整し、ベタ黒画像を10枚連続出力後の残留電位(Vr1)を評価した。結果を表1に示す。
残留電位については、上記評価条件で測定された残留電位(Vr1)の絶対値|Vr1|が、70V以下であればランクA、100V以下であればランクB、100Vよりも大きい場合にはランクCとして評価した。
フォトメモリーの評価方法は、電子写真感光体の表面(周面)の一部を遮光し、遮光していない部分(照射部)に1500[lx]の蛍光灯光を5分間照射した。その後、暗所に5分間安置した。
その後、上記電子写真装置の改造機で暗部電位(VD)が-800[V]となるよう印加電圧を調整した後、電子写真感光体の表面の明部電位(VL)を測定した。
明部電位測定時のレーザーパワーは、2.6[mJ/m]となるよう調整し、フォトメモリーの評価は23℃/50%RH環境にて行った。
照射部の明部電位(VL)と非照射部の明部電位(VL)との差(電位差)の絶対値△VL[V]をフォトメモリーとして評価した。
△VL=|(照射部のVL)-(非照射部のVL)|
△VLの値は、小さいほどフォトメモリーが抑えられていることを意味する。
またフォトメモリーの評価基準は以下の通りである。得られた結果を表1に示す。
A:ΔVL<20[V]
B:20[V]≦ΔVL<50[V]
C:50[V]≦ΔVL
Figure 2023077256000022
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
21 支持体
22 下引き層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 表面層

Claims (6)

  1. 支持体、電荷発生層、電荷輸送層および表面層をこの順に有する電子写真感光体において、
    該表面層が、
    下記式(CT-1)で示される化合物および下記式(CT-2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性の電荷輸送性化合物、ならびに、
    下記式(A)で示される化合物
    を含有する組成物の重合膜であり、
    該電荷輸送層が、結着樹脂および電荷輸送物質を含有し、
    該電荷輸送層が、該電荷輸送物質として、下記式(B)で示される電荷輸送性化合物を含有する、
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2023077256000023

    (上記式(CT-1)中、Ar11~Ar13は、それぞれ独立に、置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。該置換のアリール基が有してもよい置換基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、または、下記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基である。ただし、上記式(CT-1)で示される化合物は、下記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基を少なくとも1つ有する。)
    Figure 2023077256000024

    (上記式(P-1)中、Z11は、単結合、または、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。X11は、水素原子、または、メチル基を示す。)
    Figure 2023077256000025

    (上記式(P-2)中、Z21は、単結合、または、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。)
    Figure 2023077256000026

    (上記式(P-3)中、Z31は、単結合、または、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。)
    Figure 2023077256000027

    (上記式(CT-2)中、Ar21~Ar24は、それぞれ独立に、置換のアリール基もしくは無置換のアリール基を示す。Ar25は、置換のアリーレン基もしくは無置換のアリーレン基を示す。該置換のアリール基が有してもよい置換基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、または、上記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基である。該置換のアリーレン基が有してもよい置換基は、炭素数1以上6以下のアルキル基、または、上記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基である。ただし、上記式(CT-2)で示される化合物は、上記式(P-1)~(P-3)のいずれかで示される1価の官能基を少なくとも1つ有する。)
    Figure 2023077256000028

    (上記式(A)中、R21~R23は、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。Q21~Q23は、それぞれ独立に、アクリロイルオキシ基、または、メタクリロイルオキシ基を示す。)
    Figure 2023077256000029

    (上記式(B)中、Y11~Y34は、それぞれ独立に、水素原子、または、アルキル基を示す。Y41およびY42は、それぞれ独立に、水素原子、または、置換のフェニル基もしくは無置換のフェニル基を示す。)
  2. 前記組成物中の前記重合性の電荷輸送性化合物の含有量をWCTとし、前記組成物中の前記式(A)で示される化合物の含有量をWAとしたとき、WCTおよびWAが、下記式(1)を満たす、請求項1に記載の電子写真感光体。
    0.1≦WA/WCT≦0.5 (1)
  3. 前記表面層が、ポリテトラフルオロエチレン粒子、および、フッ素原子含有グラフトポリマーを含有し、
    前記表面層中の該ポリテトラフルオロエチレン粒子の含有量が、前記表面層の全質量に対して5質量%以上75質量%以下である、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷輸送層中の前記結着樹脂の含有量をWBとし、前記電荷輸送層中の前記電荷輸送物質の含有量をWDとしたとき、WBおよびWDが、下記式(2)を満たす、請求項1~3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    0.5≦WD/WB≦1.2 (2)
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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