JP2023076832A - 光透過性を有する建設部材、及びその製造方法 - Google Patents

光透過性を有する建設部材、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】美観を備えた表面を有しつつ、製造容易な、光透過性を有する建設部材、及びその製造方法を提供する。【解決手段】光透過性を有する建設部材10Aは、各々が表面11f、12fを形成するように設けられた、第1平板部11及び第2平板部12と、第1平板部11と第2平板部12よりも内側で、流動性材料が硬化して形成された硬化体部13と、硬化体部13に埋設されて、端面14a、14bが、第1平板部11及び第2平板部12の各々により形成される表面11f、12fに露出するように設けられた、光透過部14と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、光透過性を有する建設部材、及びその製造方法に関する。
従来より、例えば建物の採光等を目的として、コンクリート等の流動性を有する材料を硬化させて形成される、壁等を形成する部材の内部に、当該部材の一方の側面から反対側の側面まで貫通するように、光を透過させる、透過性を有する部材を、埋設させて設けることがある。
例えば特許文献1には、光ファイバを注型材料に埋め込んだ建築用ブロックの構成が開示されている。この構成において、光ファイバの一方端と他方端とが、それぞれ、第1側面、第2側面の位置で終了するよう配置されている。建築用ブロックは、型に注型材料とファイバの層を配置構成し、注型材料が固化した後に、ファイバ層の個々の端部が建築用ブロックの側部で終了するよう、固化した成形本体を切断することにより作製される。
特許文献1に開示されたような構成では、光ファイバを注型材料に埋め込んだ後、上記のように、光ファイバを注型材料とともに切断する必要がある。このため光ファイバの端面や、注型材料の表面が荒れ、建築用ブロックの美観が損なわれてしまう。美観を向上させるためには、光ファイバの端面、コンクリート表面の状態を調整する必要があり、手間がかかる。
また、特許文献2には、複数の光ファイバを挿通可能な孔を備えた一対のスペーサの開口部間に亘って光ファイバを挿通し、一対のスペーサの間に流動性の高いコンクリートを流し込み、コンクリートが硬化した後に、スペーサの位置で光ファイバを切断することにより、光透過性部材を製造する方法が開示されている。
特許文献2に開示されたような方法では、スペーサとコンクリートの境界において光ファイバを切断する際に、光ファイバの切断面が揃わなくなり、美観を損ねる可能性がある。この場合においては、切断面を揃えるように後加工してもよいが、これには余計な手間がかかる。また、光ファイバを切断する際に、コンクリートをも切削してしまう可能性がある。この場合には、コンクリートの切削に伴いコンクリートの表面に凹凸が生じるので、この凹凸をならして美観を整え、補修する手間が生じる。
また、特許文献2に開示されたような方法においては、コンクリートが硬化する過程で生じる水が、光ファイバとコンクリートとの境界面に沿って、コンクリートとスペーサとの界面に染み出す。これにより、スペーサに接するコンクリートの表面においては、光ファイバの周辺のコンクリートが、他の部分のコンクリートと異なる色合いとなることがある。このコンクリートの表面は、光透過性部材を用いて構築される建築物の表面として現れるため、上記のように表面の色合いが部分的に異なることにより、美観が損なわれる。このような場合に、コンクリートの色合いを調整しようとすると、手間がかかる。
また、特許文献3には、透明体の両端部を露出させ、透明体の中間部を固定化材によって固めた透明体ユニットを製造し、透明体ユニットの両先端面を堰板に当接させた状態で、透明体ユニットを鉄筋に固設し、型枠の内部に生コンクリートを打設した後、コンクリートの硬化後に型枠を除去し、透明体の両先端面をコンクリート表面に現出させる構成が開示されている。
特許文献3に開示されたような構成では、例えば壁を構築する場合においては、壁を構成するコンクリート体は、壁面に対応する型枠が上下方向に延在するように設けられて、いわゆる縦打ちにより形成される。すると、コンクリート打設時にコンクリートに巻き込まれた空気が透明体の下側に滞留し、コンクリートを締め固めても抜けきれないことがある。その結果、抜けきれない空気がコンクリート体の表面に気泡となって表れる。このコンクリート体の表面は壁の表面となるため、気泡は壁の表面に現れる。このため、美観が損なわれる。この気泡をモルタルなどで補修するには、手間がかかる。また、壁の表面に露出する透明体の表面と、型枠との間に、セメントペーストなどが侵入すると、透明体の表面が汚れ、これを洗浄するのにも余計な手間がかかる。
特表2005-526196号公報 特開2006-220981号公報 特開2011-226110号公報
本発明が解決しようとする課題は、美観を備えた表面を有しつつ、製造容易な、光透過性を有する建設部材、及びその製造方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の光透過性を有する建設部材は、光透過性を有する建設部材であって、各々が表面を形成するように設けられた、第1平板部及び第2平板部と、前記第1平板部と前記第2平板部よりも内側で、流動性材料が硬化して形成された硬化体部と、前記硬化体部に埋設されて、端面が、前記第1平板部及び前記第2平板部の各々により形成される前記表面に露出するように設けられた、光透過部と、を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、流動性材料が硬化して形成される硬化体部は、第1平板部と第2平板部よりも内側に形成され、第1平板部及び第2平板部の各々により、建設部材の表面が形成される。つまり、第1平板部及び第2平板部が設けられる部分においては、硬化体部が建設部材の表面に露出せず、硬化体部が建設部材の表面とはならない。したがって、硬化体部を形成するに際して気泡が混入したり、硬化体部に色合いの変化等が生じたりしたとしても、これらが建設部材の表面に露出することが抑えられる。
また、建設部材の表面を形成する第1平板部及び第2平板部は、硬化体部とは別の部材として作製されているので、建設部材自体を製造するに際し、その表面の切断、平坦化等の作業を要しない。
更に、光透過部の端面は、第1平板部及び第2平板部により形成される建設部材の表面に露出するように設けられている。この建設部材の表面は、硬化体部の表面から、第1平板部及び第2平板部の厚さの分だけ離間しているため、建設部材の表面に露出する光透過部の端面は、硬化体部から隔離して設けられている。このため、硬化体部を形成するに際し、流動性材料が光透過部の端面を汚してしまうことが抑えられる。
以上のように、第1平板部及び第2平板部を備えることで建設部材の美観が保たれるので、製造時に、美観を整えるための手間が不要である。
また、第1平板部及び第2平板部を型枠として硬化体部を形成することができるので、型枠の撤去が不要である。
結果として、美観を備えた表面を有しつつ、製造容易な、光透過性を有する建設部材を提供することが可能となる。
本発明の一態様においては、前記第1平板部及び第2平板部が、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリート、鋼板、木板、のいずれかで形成されている。
このような構成によれば、第1平板部及び第2平板部を、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリートで形成する場合には、予め、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリートによって、所定形状の第1平板部及び第2平板部を作製しておくことができる。この場合には、建設部材の表面(外観)をコンクリート系材料で形成することができる。また、繊維補強モルタル、繊維補強コンクリートを用いれば、第1平板部及び第2平板部の強度を高めることができる。
また、第1平板部及び第2平板部を、鋼板、木板で形成する場合には、建設部材の外観を、鋼材、木質系の材料で形成することができる。
本発明の一態様においては、前記光透過部が、ガラス材、樹脂材、のいずれかの、光透過性を有する材料によって、断面円形の棒状に形成されている。
このような構成によれば、光透過部を、断面円形の棒状に形成された、ガラス材、樹脂材、のいずれかの、光透過性を有する材料で形成することによって、光透過部を一定の強度を有したものとすることができる。このような光透過部を用いることにより、建設部材を製造するに際し、光透過部の位置決め作業や、端面が第1平板部及び第2平板部の各々の表面に露出するように設ける作業、流動性材料を硬化させて硬化体部を形成する作業等において、取り扱いを容易に行うことができる。
本発明の一態様においては、前記硬化体部は、コンクリートで形成されている。
このような構成によれば、硬化体部を形成する際、第1平板部及び第2平板部よりも内側に、流動性材料としてコンクリートを流し込んで硬化させれば良く、建設部材の製造を容易に行うことができる。
本発明の光透過性を有する建設部材の製造方法は、光透過性を有する建設部材の製造方法であって、第1平板部及び第2平板部を作製し、前記第1平板部及び前記第2平板部の各々に孔を開設し、端面が、前記第1平板部及び前記第2平板部の、各々の表面に露出するように、第1平板部及び第2平板部の各々の前記孔に、光透過部を挿通させ、前記第1平板部及び前記第2平板部よりも内側に流動性材料を流し込んで硬化させて、前記光透過部を埋設させるように硬化体部を形成する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、予め作製した第1平板部及び第2平板部に開設した孔に、光透過部を、その端面が第1平板部及び第2平板部の表面に露出するように挿通させた後、第1平板部及び第2平板部よりも内側に流動性材料を流し込んで硬化させることによって、美観を備えた表面を有しつつ、製造容易な、光透過性を有する建設部材の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の一態様においては、前記第1平板部及び前記第2平板部を、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリートのいずれかによって、横打ちにより作製し、前記第1平板部及び前記第2平板部の、作製時に下面として形成された表面の各々が外側を向くように、前記第1平板部及び前記第2平板部を立設し、当該第1平板部及び前記第2平板部よりも内側に、前記硬化体部を形成することを特徴とする。
このような構成によれば、第1平板部及び第2平板部を、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリートで形成する場合において、第1平板部及び第2平板部を横打ちにより作製することによって、作製時に下面として形成された第1平板部及び第2平板部の表面は、気泡が残存しにくく、平滑な面とすることができる。このように平滑に形成された下面が、外側を向いて建設部材の表面を形成するように配置することで、建設部材の表面の美観が損なわれるのを抑えることができる。
本発明によれば、美観を備えた表面を有しつつ、製造容易な、光透過性を有する建設部材、及びその製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材からなる壁を備えた構造物の一例を示す図である。 図1のI―I矢視断面図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材の製造方法の流れを示す図である。 図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における平板部作製工程で、第1平板部及び第2平板部を形成するコンクリート平板を作製する状態を示す断面図である。 図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における孔形成工程で、第1平板部及び第2平板部に孔を形成する状態を示す断面図である。 図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における光透過部配置工程で、第1平板部及び第2平板部の孔に光透過部を挿入する状態を示す断面図である。 図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における光透過部配置工程で、第1平板部及び第2平板部を光透過部に沿ってスライドさせる状態を示す断面図である。 図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における硬化体部形成工程で、第1平板部及び第2平板部の内部に流動性材料を流し込み、硬化体部を形成する状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材の他の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を柱に適用した変形例の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を柱に適用した他の変形例の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を柱に適用した他の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を柱に適用したさらに他の変形例の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を柱に適用したさらに他の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を柱に適用したさらに他の変形例の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を梁に適用した変形例の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を梁に適用した他の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を梁に適用したさらに他の変形例の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る光透過性を有する建設部材を橋の橋脚に適用した変形例の構成を示す正面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明による光透過性を有する建設部材、及びその製造方法を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る光透過性を有する建設部材からなる壁を備えた構造物の一例を示す図を図1に示す。図2は、図1のI―I矢視断面図である。
図1に示されるように、本実施形態において、光透過性を有する建設部材10Aは、例えば建物1の壁2に適用されている。壁2は、柱3と梁4とを備えた建物1の躯体に設けられている。壁2は、互いに隣り合う柱3と、互いに上下する梁4とに囲まれた部分に設けられている。建設部材10Aは、本実施形態においては、厚さが壁2の厚さと一致するような板状に形成されている。
図2に示されるように、この壁2を構成する建設部材10Aは、光透過性を有している。建設部材10Aは、第1平板部11及び第2平板部12と、硬化体部13と、光透過部14と、を備えている。
第1平板部11及び第2平板部12は、建設部材10Aの厚さ方向に間隔を開けて、互いに離間して配置されている。第1平板部11及び第2平板部12は、建設部材10Aの厚さ方向の両端部に配置されている。第1平板部11及び第2平板部12は、建設部材10Aの厚さ方向に直交する面に沿って形成された平板状をなしている。第1平板部11及び第2平板部12は、各々が、建設部材10Aの厚さ方向両側の表面11f、12fを形成するように設けられている。
第1平板部11及び第2平板部12は、例えば、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリート、のいずれかのセメント系の材料を、所定の配合で混練し、硬化させることで形成されている。ここで、セメントペーストとは、骨材を用いず、セメントと、水とを含む材料である。モルタルは、粗骨材を用いず、例えば最大寸法10mm未満の細骨材と、セメントと、水とを含む材料である。繊維補強モルタルは、モルタルに、補強材として、合成繊維や鋼繊維などを混ぜた材料である。コンクリートは、例えば最大寸法10mm未満の細骨材と、最大寸法10mm以上の粗骨材と、セメントと、水とを含む材料である。コンクリートとしては、高強度コンクリートを採用することもできる。繊維補強コンクリートは、コンクリートに、補強材として、合成繊維や鋼繊維などを混ぜた材料である。
第1平板部11及び第2平板部12を形成するセメント系の材料には、例えば、着色するための粉末状の顔料等を含むようにしてもよい。これにより、建物部材10Aの外観を向上させることができる。
第1平板部11及び第2平板部12をセメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリート、の何れかのセメント系の材料で形成する場合、予め、所定の配合で混練したセメント系の材料を用い、所定形状の第1平板部11及び第2平板部12を作製しておく。第1平板部11及び第2平板部12は、後述するように、硬化体部13を形成する際の埋設型枠として用いられる。このため、第1平板部11及び第2平板部12の厚さ、硬化体部13を形成する流動性材料の圧力に抗する程度の強度が確保できるように設定する必要がある。一方、第1平板部11及び第2平板部12は、取り回しを容易とするために、過度に厚くならないよう、なるべく薄く形成するのが好ましい。第1平板部11及び第2平板部12の厚さは、例えば、粗骨材として粒径20mm程度のものを用いる場合には、粗骨材が十分に被るよう、例えば30mm程度とするのが好ましい。
また、第1平板部11及び第2平板部12は、所定の厚さを有した鋼板、木板によって形成するようにしてもよい。
硬化体部13は、互いに離間して設けられた、建設部材10Aの表面を形成する第1平板部11と第2平板部12よりも内側(本実施形態においては、第1平板部11と第2平板部12との間)で、流動性材料が硬化して形成されている。硬化体部13の表面は、第1平板部11と第2平板部12の内側を向く表面に対向して当接している。硬化体部13を形成する流動性材料としては、例えば、コンクリート、モルタル、繊維補強コンクリート等が用いられる。本実施形態においては、硬化体部13は、コンクリートで形成されている。
光透過部14は、本実施形態においては、光透過性を有する材料によって、断面円形の棒状に形成されている。光透過部14は、表面11f、12fに沿って互いに間隔をあけて複数本設けられている。各光透過部14は、建設部材10Aの厚さ方向に延びている。各光透過部14の延伸方向両端部は、第1平板部11及び第2平板部12にそれぞれ形成された、円形の孔11h、12hに挿通されている。各光透過部14の端面14a、14bは、第1平板部11及び第2平板部12の、各々の外側を向く表面11f、12f、すなわち、第1平板部11及び第2平板部12の各々により形成される建設部材10Aの表面11f、12fに、露出するように設けられている。特に本実施形態においては、端面14a、14bは平面状に形成されており、端面14a、14bが第1平板部11及び第2平板部12の各々の表面11f、12fと同一平面上に位置するように、各光透過部14の長さは調整されている。すなわち、光透過部14は、建設部材10Aの厚さに相当する、より詳細には建設部材10Aの厚さに一致する長さを有している。各光透過部14の延伸方向中間部は、硬化体部13に埋設されている。各光透過部14の外径は、孔11h、12hの内径と略同等か、これより僅かに小さくなるように、光透過部14は形成されている。
光透過部14を形成する光透過性を有する材料としては、例えば、ガラス材、樹脂材、のいずれかが用いられている。光透過部14を形成する樹脂材としては、例えば、高い光透過性を有する、アクリル樹脂を用いるのが好適である。光透過部14を形成する樹脂材としては、特に、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA:光透過率92%)を用いるのが好ましい。光透過部14には、他の樹脂材として、透明セラミックス(光透過率84%)、ポリカーボネート(光透過率93%)、硬質塩化ビニル樹脂(光透過率87%)、セルロースナノファイバー(光透過率95%)、ポリスチレン等を用いることができる。また、光透過部14を形成するガラス材としては、例えば、石英やガラス(光透過率90%)等を用いることもできる。
本実施形態においては、各光透過部14は、図7を用いて後に説明するように、建設部材10Aを製造するに際して、第1平板部11と第2平板部12の間にかけ渡すように設けられるため、この際に撓むことのないよう、一定の剛性を有している。
このような建設部材10Aにおいては、例えば図2における左側、すなわち表面11fの側から光が照射されると、光は、表面11fに露出する端面14aから光透過部14内に入る。光透過部14内に入った光は、内部で反射を繰り返しながら光透過部14内を通過し、端面14aとは反対側の端面14bに到達する。光は、端面14bから、図2において端面14bが位置する右側、すなわち表面12f側の空間へと、照射される。
次に、上記したような建設部材10Aの製造方法について説明する。
図3は、図2の光透過性を有する建設部材の製造方法の流れを示す図である。図4は、図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における平板部作製工程で、第1平板部及び第2平板部を形成するコンクリート平板を作製する状態を示す断面図である。
図3に示されるように、光透過性を有する建設部材10Aの製造方法は、平板部作製工程S1と、孔形成工程S2と、光透過部配置工程S3と、硬化体部形成工程S4と、を備えている。
平板部作製工程S1では、例えば工場、または建築現場に設置された作業ヤード等で、図4に示されるように、第1平板部11及び第2平板部12を形成するコンクリート平板50を作製する。第1平板部11及び第2平板部12をセメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリート、の何れかのセメント系の材料で形成する場合においては、本実施形態における平板部作製工程S1では、第1平板部11及び第2平板部12を形成するコンクリート平板50を、横打ちにより作製する。すなわち、コンクリート平板50を形成するための成形型100は、これにより成形されるコンクリート平板50の最も広い表面が水平方向に延在するように設けられる。このような成形型100に、所定の配合で混練したセメント系の材料を充填し、締め固めた後に硬化させることで、コンクリート平板50が形成される。コンクリートの締固めによって、セメント系の材料に含まれる気泡は上方へと向かうため、成形型100の底面101に対応して形成されるコンクリート平板50の下面50bには、気泡が集まりにくい。このため、コンクリート平板50の作製時において、下面50bとして形成された表面を、第1平板部11及び第2平板部12の外側を向く表面11f、12fとするように、コンクリート平板50を用いることで、建設部材10Aの表面11f、12fを、気泡が少なく、平滑な面とすることができる。
図5は、図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における孔形成工程で、第1平板部及び第2平板部に孔を形成する状態を示す断面図である。
孔形成工程S2では、第1平板部11及び第2平板部12の各々を形成するコンクリート平板50に、光透過部14の両端部が挿入される孔11h、12hを開設する。これには、例えば、第1平板部11及び第2平板部12の各々に対し、個別に孔11h、12hを形成してもよいが、図5に示されるように、第1平板部11及び第2平板部12を重ねた状態で、孔11h、12hを形成するのが、より好ましい。第1平板部11及び第2平板部12は、コンクリート平板50の下面50bとして平滑に形成された表面11f、12fが外側(第1平板部11と第2平板部12とを重ね合わせたときに対向する側とは反対側)を向くようにして重ね合わせる。この状態で、第1平板部11及び第2平板部12に、ドリル等により第1平板部11及び第2平板部12をまとめて貫通させて、複数の孔11h、12hの各々を形成する。
特に本実施形態においては、第1平板部11及び第2平板部12の各々に、ドリル等により、光透過部14の外径と略同等の内径となるように孔11h、12hをまとめて開設した後に、第2平板部12の孔12hを僅かに拡径して、第1平板部11の孔11hの内径及び光透過部14の外径よりも大きな内径となるようにする。
図6は、図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における光透過部配置工程で、第1平板部及び第2平板部の孔に光透過部を挿入する状態を示す断面図である。図7は、図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における光透過部配置工程で、第1平板部及び第2平板部を光透過部に沿ってスライドさせる状態を示す断面図である。
光透過部配置工程S3では、第1平板部11及び第2平板部12の孔11h、12hの各々に、光透過部14を挿入して配置する。これには、例えば、図6に示されるように、重ね合わせた状態の第1平板部11及び第2平板部12の孔11h、12hのそれぞれに、建設部材10Aの厚さに相当する、より詳細には建設部材10Aの厚さと一致する長さを有した光透過部14を挿通させる。このとき、本実施形態では、例えば、各光透過部14は、一方の端部を第1平板部11の孔11hに挿通させ、端面14aを外側を向く表面11fと同一平面上に位置して、表面11fに露出させた状態とし、他方の端部を、第2平板部12の孔12hに挿通させて、外側を向く表面12fから突出させた状態とする。
次いで、図7に示されるように、第1平板部11に対し、第2平板部12を離間する方向にスライドさせ、第1平板部11と第2平板部12とを、所定の間隔で離間した状態で対向させる。この状態で、各光透過部14の端面14bは、第2平板部12の表面12fと同一平面上に位置して、表面12fに露出する。上記のように、光透過部14は、壁2(建設部材10A)の厚さに相当する長さを有しているため、第2平板部12を上記のようにスライドさせて第2平板部12の表面12fと光透過部14の端面14bとが同一平面上に位置するようにすれば、第1平板部11の外側を向く表面11fと第2平板部12の外側を向く表面12fの間の距離は、壁2(建設部材10A)の厚さに等しい長さとなっている。
ここで、上記のように、第2平板部12の孔12hは、光透過部14の外径よりも僅かに大きい内径となるように形成されている。このため、第2平板部12をスライドさせる際の、孔12hの内周面と、光透過部14の表面との間の接触が抑えられ、第2平板部12を光透過部14に対して相対移動させ易い。
また、上記のように、第1平板部11の孔11hは、光透過部14の外径と略同等の内径となるように形成されているので、光透過部14は孔11hから抜けにくい。このため、第2平板部12をスライドさせる際に、孔12hの内周面に光透過部14の表面が接触して、第2平板部12に引きずられるように、第2平板部12と共に光透過部14が移動しようとしたとしても、この移動が抑制される。
第2平板部12をスライドさせた後には、孔12hの内周面と、光透過部14の、端面14b側の端部との隙間を、第2平板部12と同様の色を有したモルタル、パテ、コーキング材、粘着テープ等で塞ぐのが望ましい。
図8は、図3の光透過性を有する建設部材の製造方法における硬化体部形成工程で、第1平板部及び第2平板部の内部に流動性材料を流し込み、硬化体部を形成する状態を示す断面図である。
硬化体部形成工程S4では、第1平板部11及び第2平板部12よりも内側に流動性材料としてのコンクリートを流し込んで硬化させて、硬化体部13を形成する。本実施形態では、図8に示されるように、第1平板部11及び第2平板部12を立てた状態とし、第1平板部11及び第2平板部12を水平方向に間隔を開けて対向させる。第1平板部11及び第2平板部12は、適宜の支持部材120によって支持する。第1平板部11の紙面奥行方向における両側部および下部と、第2平板部の両側部および下部との隙間は、図示しない型枠材によって塞いだ状態とする。流動性材料は、第1平板部11及び第2平板部12と、図示しない型枠材とに囲まれた空間の内側に、光透過部14を埋設させるように充填した後、適宜の振動機等によって締め固める。所定時間の養生を経て、流動性材料が硬化して硬化体部13が形成された後、型枠材を脱型する。
このようにして、壁2を構成する建設部材10Aが形成される。
ここで、硬化体部13を形成する際に、硬化体部13を形成する流動性材料としてのコンクリートが硬化する過程で、コンクリートに含まれる水が、コンクリートと、これに埋設される光透過部14との境界面に沿って、第1平板部11側、第2平板部12側に染み出すことがある。すると、硬化体部13の表面において、光透過部14の周辺は、他の部分と異なる色合いとなってしまうことがある。しかし、この硬化体部13は、第1平板部11及び第2平板部12によって覆われているため、硬化体部13において、光透過部14の周辺に生じる色合いが異なる部分が、建設部材10Aの表面11f、12fに露出することがない。また、硬化体部13が硬化する過程で第1平板部11及び第2平板部12との境界部分に現れる気泡等も、建設部材10Aの表面11f、12fに露出することがない。
次に、上記の光透過性を有する建設部材10Aの効果について説明する。
上述したような光透過性を有する建設部材10Aは、光透過性を有する建設部材10Aであって、各々が表面11f、12fを形成するように設けられた、第1平板部11及び第2平板部12と、第1平板部11と第2平板部12よりも内側で、流動性材料が硬化して形成された硬化体部13と、硬化体部13に埋設されて、端面14a、14bが、第1平板部11及び第2平板部12の各々により形成される表面11f、12fに露出するように設けられた、光透過部14と、を備えている。
このような構成によれば、流動性材料が硬化して形成される硬化体部13は、第1平板部11と第2平板部12よりも内側に形成され、第1平板部11及び第2平板部12の各々により、建設部材10Aの表面11f、12fが形成される。つまり、第1平板部11及び第2平板部12が設けられる部分においては、硬化体部13が建設部材10Aの表面に露出せず、硬化体部13が建設部材10Aの表面11f、12fとはならない。したがって、硬化体部13を形成するに際して気泡が混入したり、硬化体部13に色合いの変化等が生じたりしたとしても、これらが建設部材10Aの表面11f、12fに露出することが抑えられる。
また、建設部材10Aの表面11f、12fを形成する第1平板部11及び第2平板部12は、硬化体部13とは別の部材として作製されているので、建設部材10A自体を製造するに際し、その表面11f、12fの切断、平坦化等の作業を要しない。
更に、光透過部14の端面14a、14bは、第1平板部11及び第2平板部12により形成される建設部材10Aの表面11f、12fに露出するように設けられている。この建設部材10Aの表面11f、12fは、硬化体部13の表面から、第1平板部11及び第2平板部12の厚さの分だけ離間しているため、建設部材10Aの表面に露出11f、12fする光透過部14の端面14a、14bは、硬化体部13から隔離して設けられている。このため、硬化体部13を形成するに際し、流動性材料が光透過部14の端面14a、14bを汚してしまうことが抑えられ、補修等の手間が抑えられる。
以上のように、第1平板部11及び第2平板部12を備えることで建設部材10Aの美観が保たれるので、製造時に、美観を整えるための手間が不要である。
また、第1平板部11及び第2平板部12を埋設型枠として硬化体部13を形成することができるので、型枠の撤去が不要である。
結果として、美観を備えた表面11f、12fを有しつつ、製造容易な、光透過性を有する建設部材10Aを提供することが可能となる。
また、第1平板部11及び第2平板部12が、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリート、鋼板、木板、のいずれかで形成されている。
このような構成によれば、第1平板部11及び第2平板部12を、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリートで形成する場合には、予め、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリートによって、所定形状の第1平板部11及び第2平板部12を作製しておくことができる。この場合には、建設部材10Aの表面11f、12f(外観)をコンクリート系材料で形成することができる。また、繊維補強モルタル、繊維補強コンクリートを用いれば、第1平板部11及び第2平板部12の強度を高めることができる。
また、第1平板部11及び第2平板部12を、鋼板、木板で形成する場合には、建設部材10Aの外観を、鋼材、木質系の材料で形成することができる。
また、光透過部14が、ガラス材、樹脂材、のいずれかの、光透過性を有する材料によって、断面円形の棒状に形成されている。
このような構成によれば、光透過部14を、断面円形の棒状に形成された、ガラス材、樹脂材、のいずれかの、光透過性を有する材料で形成することによって、光透過部14を一定の強度を有したものとすることができる。このような光透過部14を用いることにより、建設部材10Aを製造するに際し、光透過部14の位置決め作業や、端面14a、14bが第1平板部11及び第2平板部12の各々の表面11f、12fに露出するように設ける作業、流動性材料を硬化させて硬化体部13を形成する作業等において、取り扱いを容易に行うことができる。
特に、光透過部14を、一定の強度(剛性)を有したものとし、このような光透過部14を、第1平板部11及び第2平板部12に形成した孔11h、12hに挿通させて支持することで、光透過部14の位置を高精度に確保することができ、建設部材10Aを、設計通りのデザイン性で容易に実現することができる。
また、硬化体部13は、コンクリートで形成されている。
このような構成によれば、硬化体部13を形成する際、第1平板部11及び第2平板部12よりも内側に、流動性材料としてコンクリートを流し込んで硬化させれば良く、建設部材10Aの製造を容易に行うことができる。
上述したような光透過性を有する建設部材10Aの製造方法は、光透過性を有する建設部材10Aの製造方法であって、第1平板部11及び第2平板部12を作製し、第1平板部11及び第2平板部12の各々に孔11h、12hを開設し、端面14a、14bが、第1平板部11及び第2平板部12の、各々の表面11f、12fに露出するように、第1平板部11及び第2平板部12の各々の孔11h、12hに、光透過部14を挿通させ、第1平板部11及び第2平板部12よりも内側に流動性材料を流し込んで硬化させて、光透過部14を埋設させるように硬化体部13を形成する。
このような構成によれば、予め作製した第1平板部11及び第2平板部12に開設した孔11h、12hに、光透過部14を、その端面14a、14bが第1平板部11及び第2平板部12の表面11f、12fに露出するように挿通させた後、第1平板部11及び第2平板部12よりも内側に流動性材料を流し込んで硬化させることによって、美観を備えた表面11f、12fを有しつつ、製造容易な、光透過性を有する建設部材10Aを製造することが可能となる。
つまり、美観を備えた表面11f、12fを有しつつ、製造容易な、光透過性を有する建設部材10Aの製造方法を提供することが可能となる。
また、第1平板部11及び第2平板部12を、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリートのいずれかによって、横打ちにより作製し、第1平板部11及び第2平板部12の、作製時に下面50bとして形成された表面11f、12fの各々が外側を向くように、第1平板部11及び第2平板部12を立設し、当該第1平板部11及び第2平板部12よりも内側に、硬化体部13を形成する。
このような構成によれば、第1平板部11及び第2平板部12を、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリートで形成する場合において、第1平板部11及び第2平板部12を横打ちにより作製することによって、作製時にコンクリート平板50の下面50bとして形成された第1平板部11及び第2平板部12の表面11f、12fは、気泡が残存しにくく、平滑な面とすることができる。このように平滑に形成された下面50bが、外側を向いて建設部材10Aの表面を形成するように配置することで、建設部材10Aの表面11f、12fの美観が損なわれるのを抑えることができる。
また、本実施形態においては、第1平板部11及び第2平板部12の孔11h、12hに挿通される光透過部14は、建設部材10Aの厚さと一致する長さとなるように形成されている。
このような構成によれば、第1平板部11の外側を向く表面11fと第2平板部12の外側を向く表面12fの間の距離が建設部材10Aの厚さと一致するように、第1平板部11と第2平板部12を設けた際に、光透過部14の端面14a、14bが、第1平板部11と第2平板部12の各表面11f、12fと同一平面上に位置して揃った状態とすることができる。これにより、第1平板部11と第2平板部12の各表面11f、12fから光透過部14の端面14a、14bが突出することが抑制されるので、光透過部14の突出した部分の切削等の手間を要しない。
また、本実施形態においては、光透過部14は上記のように断面円形の棒状に形成され、これに伴い、第1平板部11及び第2平板部12の各々の孔11h、12hは、円形に形成されている。
このような構成によれば、第1平板部11及び第2平板部12に孔11h、12hを開設するに際し、材質によってはドリルを用いることが可能となるため、作業が容易である。
また、第1平板部11の孔11hは、光透過部14の断面形状と同等の大きさに形成され、第2平板部12の孔12hは、光透過部14の断面形状よりも大きく形成され、第1平板部11及び第2平板部12を重ねた状態で、第1平板部11及び第2平板部12の各々の孔11h、12hに光透過部14を挿通させ、光透過部14の一方の端面14aを第1平板部11の外側を向く表面11fと同一平面上に位置して、表面11fに露出した状態とし、第2平板部12を第1平板部11から離間するようにスライドさせて、光透過部14の他方の端面14bを第2平板部12の外側を向く表面12fと同一平面上に位置して、表面12fに露出した状態とする。
このような構成によれば、第1平板部11の孔11hは光透過部14の断面形状と同等の大きさに形成されているため、第2平板部12を第1平板部11から離間するようにスライドさせるに際し、光透過部14が第1平板部11から外れにくい。また、第2平板部12の孔12hは光透過部14の断面形状よりも大きく形成されているため、第2平板部12をスライドさせる際の、孔12hの内周面と、光透過部14の表面との間の接触が抑えられ、第2平板部12を光透過部14に対して相対移動させ易い。
一般に、建設部材は、例えば小さな部材を複数製造してこれを積み上げることによっても、製造することができる。しかし、このような場合においては、構造が頑強ではなくなり、十分な耐震性を有さないことがある。
これに対し、上記のような建設部材10Aの製造方法においては、例えば壁2等の比較的大きな部材を一体に製造することが可能となる。このため、例えば部材を積み上げる場合に比べると、頑強で、耐震性に優れた構造を実現することができる。
(実施形態の変形例)
なお、本発明の光透過性を有する建設部材は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、建設部材10Aによって、壁2の全面を形成するようにしたが、壁2の一部を上記のような建設部材10Aによって形成し、壁2の残りの部分を、光透過性を有さない通常の壁構造とすることも可能である。この場合においては、上記のような建設部材10Aの製造方法によって、光透過性を有する部分を構築するとともに、第1平板部11及び第2平板部12と面一となるように、壁2の残りの部分に型枠を設けて、型枠の間にコンクリート等を打設することで、壁2の全体を構築することが可能である。
また、上記実施形態では、硬化体部13を、コンクリートによって形成するようにしたが、図9に示すように、光透過性を有する建設部材10Bは、硬化体部13に鉄筋19を備えるようにしてもよい。
この場合、鉄筋19は、光透過部14と干渉しないように配置する必要がある。一方で、光透過部14は、両端部が第1平板部11及び第2平板部12の孔11h、12hに挿通されているので、光透過部14の位置固定のために光透過部14を鉄筋19に固縛する必要がない。このため、光透過部14、及び鉄筋19のレイアウトの自由度がそれぞれ高まり、建設部材10Bのデザイン性を向上させることができる。
なお、鉄筋19を備える場合、建設部材10Bを製造するには、第1平板部11及び第2平板部12を所定の間隔で対向させて配置した状態で、その内側に鉄筋19を配筋した後、第1平板部11及び第2平板部12の孔11h、12hに光透過部14を挿通させて、硬化体部13を形成すればよい。
また、上記実施形態では、光透過部14の端面14a、14bを、表面11f、12fに露出させるようにしたが、端面14a、14bは、表面11f、12fと同一平面に位置していなくてもよい。
例えば、図10に示すように、光透過性を有する建設部材10Cにおいて、端面14a、14bを曲面形状とし、表面11f、12fから突出させるようにしてもよい。
これにより、建設部材10Cのデザイン性を高めることができる。
上記したような光透過性を有する建設部材10Aは、壁2に限らず、建物1の他の部位を形成する部材として使用することもできる。
例えば、図11に示すように、光透過性を有する建設部材10Dは、建物1の柱3を形成するようにしてもよい。建設部材10Dは、上記建設部材10Aと同様、柱3において、互いに反対側を向く2つの側面に、光透過部14の端面が露出した第1平板部11及び第2平板部12を備えている。
また、図12、13に示すように、建物1の柱3を形成する光透過性を有する建設部材10Eは、柱3の四方の側面のうち、互いに反対側を向く2つの側面に配置された第1平板部11及び第2平板部12と、残る二つの側面に配置された第3平板部16及び第4平板部17とを備えていてもよい。この建設部材10Eは、第1平板部11及び第2平板部12と第3平板部16及び第4平板部17の各々よりも内側に形成された硬化体部13Eを備えている。また、建設部材10Eは、端面14a、14bが、第1平板部11及び第2平板部12の、各々の外側を向く表面11f、12fに露出するように設けられた、光透過部14と、端面18a、18bが、第3平板部16及び第4平板部17の、各々の外側を向く表面16f、17fに露出するように設けられた、光透過部18と、を備えている。光透過部14と光透過部18とは、互いに干渉しないよう、上下方向の位置を互いに異ならせて配置されている。
また、図14、図15に示すように、建物1の柱3を形成する光透過性を有する建設部材10Fにおいて、第1平板部21及び第2平板部22は、柱3の四方の側面のうち、互いに隣り合う2つの側面に、互いに直交して側辺同士が当接するように配置してもよい。すなわち、第1平板部21及び第2平板部22は、水平方向に断面視したときに、L字形状となるように設けられている。第1平板部21と第2平板部22は、断面視したときに、互いに当接する側辺以外の部分においては、互いに離間して設けられている。このように、第1平板部21及び第2平板部22の互いに離間して設けられた部分における内側、すなわち、第1平板部21及び第2平板部22の各々の内側を向く表面の間には、硬化体部13Fが設けられている。
建設部材10Fは、更に、残る2つの隣り合う側面に、互いに直交するように配置された第3平板部26及び第4平板部27を備えている。硬化体部13Fは、第3平板部26及び第4平板部27の互いに離間して設けられた部分における内側、すなわち、第3平板部26及び第4平板部27の各々の内側を向く表面の間にも、形成されている。
また、建設部材10Fは、端面24a、24bが、第1平板部21及び第2平板部22の、各々の外側を向く表面21f、22fに露出するように設けられた、光透過部24と、端面28a、28bが、第3平板部26及び第4平板部27の、各々の外側を向く表面26f、27fに露出するように設けられた、光透過部28と、を備えている。
このような建設部材10Fによって形成される柱3が、例えば通路200の角部200cに配置されている場合、光透過部24を通して、角部200cを挟んだ柱3の一方側から他方側の様子を見ることができる。したがって、互いに直交する方向から通路200を角部200cに向かって進行する通行人同士が、出合頭に衝突することを、抑制することができる。
なお、このように、建設部材10Fを通路200の角部200Cに設ける場合においては、通路200からは目視されない第3平板部26及び第4平板部27に対応する光透過部28は、設けられなくとも構わない。
また、上記実施形態および変形例では、光透過部14、18、24、28を断面円形の棒状としたが、これに限られない。例えば、図16に示すように、光透過性を有する建設部材10Gは、断面長方形状の棒状を成した光透過部38を有していてもよい。
例えば、図17に示すように、光透過性を有する建設部材10Hは、建物1の内側に設けられる梁4を形成するようにしてもよい。建設部材10Hは、上記建設部材10Aと同様、梁4において、互いに反対側を向く2つの側面に、光透過部34の端面34a、34bが露出した第1平板部31及び第2平板部32を備えている。
また、図18に示すように、光透過性を有する建設部材10Iは、建物1の外周部に位置する梁4Gを形成するようにしてもよい。建設部材10Iは、梁4Gにおいて建物1の内側を向く側面と、建物1の外側に露出する側面とに、光透過部34の端面34a、34bが露出した第1平板部31及び第2平板部32を備えている。このような建設部材10Iでは、光透過部34を通して、建物1の外部から内部に外光を採り入れることができる。
また、図19に示すように、建物1の梁4を形成する光透過性を有する建設部材10Jは、梁4において互いに反対側を向く2つの側面に沿って配置された第1平板部31及び第2平板部32と、梁4の下面4bに配置された第3平板部33と、を備えるようにしてもよい。この建設部材10Jは、端面34a、34bが、第1平板部31及び第2平板部32の、各々の外側を向く表面31f、32fに露出するように設けられた、光透過部34と、端面35a、35bが、互いに隣り合う第3平板部33及び第1平板部31の、各々の外側を向く表面33f、31fに露出するように設けられた、光透過部35と、端面36a、36bが、互いに隣り合う第3平板部33及び第2平板部32の、各々の外側を向く表面33f、32fに露出するように設けられた、光透過部36と、を備えている。
また、図20に示すように、上記したような光透過性を有する建設部材10Kは、建物1以外の土木構造物、例えば橋梁8の橋脚9等に用いることもできる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
10A~10K 建設部材 12、22、32 第2平板部
11、21、31 第1平板部 13、13E、13F 硬化体部
11h、12h 孔
14、18、24、28、34、35、36、38 光透過部
11f、12f、21f、22f、31f、32f 表面
14a、14b、18a、18b、24a、24b、28a、28b、34a、34b、35a、35b、36a、36b 端面

Claims (6)

  1. 光透過性を有する建設部材であって、
    各々が表面を形成するように設けられた、第1平板部及び第2平板部と、
    前記第1平板部と前記第2平板部よりも内側で、流動性材料が硬化して形成された硬化体部と、
    前記硬化体部に埋設されて、端面が、前記第1平板部及び前記第2平板部の各々により形成される前記表面に露出するように設けられた、光透過部と、
    を備えていることを特徴とする光透過性を有する建設部材。
  2. 前記第1平板部及び第2平板部は、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリート、鋼板、木板、のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光透過性を有する建設部材。
  3. 前記光透過部は、ガラス材、樹脂材、のいずれかの、光透過性を有する材料によって、断面円形の棒状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光透過性を有する建設部材。
  4. 前記硬化体部は、コンクリートで形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光透過性を有する建設部材。
  5. 光透過性を有する建設部材の製造方法であって、
    第1平板部及び第2平板部を作製し、
    前記第1平板部及び前記第2平板部の各々に孔を開設し、
    端面が、前記第1平板部及び前記第2平板部の、各々の表面に露出するように、第1平板部及び第2平板部の各々の前記孔に、光透過部を挿通させ、
    前記第1平板部及び前記第2平板部よりも内側に流動性材料を流し込んで硬化させて、前記光透過部を埋設させるように硬化体部を形成する、
    ことを特徴とする光透過性を有する建設部材の製造方法。
  6. 前記第1平板部及び前記第2平板部を、セメントペースト、モルタル、繊維補強モルタル、コンクリート、繊維補強コンクリートのいずれかによって、横打ちにより作製し、
    前記第1平板部及び前記第2平板部の、作製時に下面として形成された表面の各々が外側を向くように、前記第1平板部及び前記第2平板部を立設し、当該第1平板部及び前記第2平板部よりも内側に、前記硬化体部を形成することを特徴とする請求項5に記載の光透過性を有する建設部材の製造方法。
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