JP2023064444A - エンジン装置 - Google Patents

エンジン装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023064444A
JP2023064444A JP2021174734A JP2021174734A JP2023064444A JP 2023064444 A JP2023064444 A JP 2023064444A JP 2021174734 A JP2021174734 A JP 2021174734A JP 2021174734 A JP2021174734 A JP 2021174734A JP 2023064444 A JP2023064444 A JP 2023064444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
temperature
scavenging
port injection
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021174734A
Other languages
English (en)
Inventor
紘晶 溝口
Hiroaki Mizoguchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2021174734A priority Critical patent/JP2023064444A/ja
Publication of JP2023064444A publication Critical patent/JP2023064444A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】エンジンからの排気を浄化する浄化装置における浄化触媒の温度をより適正に推定する。【解決手段】エンジンの回転数と、ポート噴射弁と筒内噴射弁とからの全燃料噴射量におけるポート噴射弁からの燃料噴射量の割合であるポート噴射割合と、大気圧と、に基づいてスカベンジによる温度補正項を決定し、エンジンの回転数と負荷とに基づく基本推定温度に少なくともスカベンジによる温度補正項を含む補正を加味してエンジンからの排気を浄化する浄化装置における浄化触媒の温度を推定する。これにより、浄化触媒の温度をより適正に推定することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン装置に関し、詳しくは、エンジンからの排気を浄化する浄化装置における浄化触媒の温度を推定するエンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、エンジン回転数およびエンジン負荷に基づいて推定された触媒床温度にスカベンジに基づく触媒温度上昇分を考慮して補正触媒温度を算出するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このエンジン装置は、求めた補正触媒温度を設定温度と比較し、補正触媒温度が設定温度より高いときには、触媒床の昇温を防止する制御を行なう。
特開2013-321427号公報
しかしながら、上述のエンジン装置では、過給機を有するエンジンを備える場合には、触媒温度を適正に推定することができない場合が生じる。大気圧の低い高地では背圧が低いことから、スカベンジによる吸気管から排気管へ流れる空気量(スカベンジ量)が多くなり、不適正なスカベンジに基づく触媒温度上昇分を演算することになり、適正な補正触媒温度を得ることができなくなってしまう。また、ポート噴射弁と筒内噴射弁とを備えるエンジンでは、スカベンジの際のポート噴射弁からの燃料噴射の割合が異なるとスカベンジに基づく触媒温度上昇分も異なるものとなってしまう。
本発明のエンジン装置は、エンジンからの排気を浄化する浄化装置における浄化触媒の温度をより適正に推定することを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
過給機が取り付けられ、ポート噴射弁と筒内噴射弁とを有するエンジンと、
前記エンジンからの排気を浄化する浄化触媒を有する浄化装置と、
前記エンジンの回転数と負荷とに基づく基本推定温度にスカベンジによる温度補正項を含む補正を加味して前記浄化触媒の温度を推定する制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記エンジンの回転数と、前記ポート噴射弁と前記筒内噴射弁とからの全燃料噴射量における前記ポート噴射弁からの燃料噴射量の割合であるポート噴射割合と、大気圧と、に基づいて前記スカベンジによる温度補正項を決定する、
ことを特徴とする。
本発明のエンジン装置では、エンジンの回転数と負荷とに基づく基本推定温度にスカベンジによる温度補正項を含む補正を加味してエンジンからの排気を浄化する浄化装置における浄化触媒の温度を推定する。この際、エンジンの回転数と、ポート噴射弁と筒内噴射弁とからの全燃料噴射量におけるポート噴射弁からの燃料噴射量の割合であるポート噴射割合と、大気圧と、に基づいてスカベンジによる温度補正項を決定する。大気圧に基づいてスカベンジによる温度補正項を決定するから、大気圧の低い高地でもより適正にスカベンジによる温度補正項を得ることができ、より適正に浄化触媒の温度を推定することができる。また、ポート噴射割合に基づいてスカベンジによる温度補正項を決定するから、ポート噴射割合に応じたスカベンジによる温度補正項を得ることができ、より適正に浄化触媒の温度を推定することができる。これらの結果、より適正に浄化触媒の温度を推定することができる。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記エンジンの回転数が大きいときには小さいときに比して大きくなるように、前記ポート噴射割合が大きいときには小さいときに比して大きくなるように、前記大気圧が小さいときには大きいときに比して大きくなるように、単位スカベンジ率当たりの温度上昇分を求め、現在のスカベンジ率と定常状態のスカベンジ率との差分に前記単位スカベンジ率当たりの温度上昇分を乗じて前記スカベンジによる温度補正項を決定するものとしてもよい。こうすれば、より適正にスカベンジによる温度補正項を得ることができ、より適正に浄化触媒の温度を推定することができる。エンジンの回転数が大きいときには小さいときに比して単位スカベンジ率当たりの温度上昇分が大きくなるようにするのは、エンジン回転数が大きいときの方が小さいときに比して単位時間当たりのスカベンジ量が多くなることに基づく。ポート噴射割合が大きいときには小さいときに比して単位スカベンジ率当たりの温度上昇分が大きくなるようにするのは、ポート噴射割合が大きいときの方が小さいときに比して浄化装置に流れる空気中の未燃焼燃料が多くなることに基づく。大気圧が小さいときには大きいときに比して単位スカベンジ率当たりの温度上昇分が大きくなるようにするのは、大気圧が小さいときの方が大きいときに比して背圧が小さくなってスカベンジ量が多くなることに基づく。スカベンジ率としては、吸気バルブを通過する空気量に対するスカベンジ量の割合である。定常状態のスカベンジ率としては、予め定めたエンジンの回転数で予め定めたポート噴射割合で予め定めた大気圧のときのスカベンジ率である。
単位スカベンジ率当たりの温度上昇分としては、エンジンの回転数とポート噴射割合と大気圧と単位スカベンジ率当たりの温度上昇分との関係を予め求めたマップに対してエンジンの回転数とポート噴射割合と大気圧を適用して得られる単位スカベンジ率当たりの温度上昇分を用いることができる。こうすれば、より迅速に且つより適正な単位スカベンジ率当たりの温度上昇分を得ることができる。
エンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。 電子制御ユニット70により実行される触媒温度推定処理の一例を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、電子制御ユニット70の入出力信号の一例を示す説明図である。実施例のエンジン装置10は、エンジン12からの動力を用いて走行する一般的な車両や、エンジン12に加えてモータを備える各種のハイブリッド車両に搭載され、図1や図2に示すように、エンジン12と、過給機40と、燃料供給装置16と、電子制御ユニット70とを備える。
エンジン12は、燃料タンク11から供給されるガソリンや軽油などの燃料を用いて動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン12は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁28と、燃焼室31内に燃料を噴射する筒内噴射弁29と、点火プラグ32とを有する。筒内噴射弁29は燃焼室31の頂部の略中央に配置されており、燃料をスプレー状に噴射する。点火プラグ32は、筒内噴射弁29からスプレー状に噴霧される燃料に点火できるように筒内噴射弁29の近傍に配置されている。
エンジン12は、ポート噴射弁28と筒内噴射弁29とを有することにより、ポート噴射モードと筒内噴射モードと共用噴射モードとのうちの何れかで運転可能となっている。実施例では、全燃料噴射量に対するポート噴射弁28による燃料噴射量の割合をポート噴射割合Rp(0≦Rp≦1)としており、ポート噴射モードはポート噴射割合Rpが値1の場合であり、筒内噴射モードはポート噴射割合Rpが値0の場合であり、共用噴射モードではポート噴射割合Rpが値0より大きく値1より小さい場合(0<Rp<1の場合)である。
ポート噴射モードでは、エアクリーナ22により清浄された空気を吸気管23に吸入してインタークーラ25、スロットルバルブ26、サージタンク27の順に通過させ、吸気管23のサージタンク27よりも下流側の ポート噴射弁28から燃料を噴射し、空気と燃料とを混合する。この混合気を吸気バルブ30を介して燃焼室31に吸入し、点火プラグ32による電気火花によって爆発燃焼させる。そして、爆発燃焼によるエネルギにより押し下げられるピストン33の往復運動をクランクシャフト14の回転運動に変換する。筒内噴射モードでは、ポート噴射モードと同様に空気を燃焼室31に吸入し、吸気行程や圧縮行程あるいは膨張行程において筒内噴射弁29から1回または複数回に分けて燃料を噴射し、点火プラグ32による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト14の回転運動を得る。特に膨張行程で燃料噴射する場合には筒内噴射弁29から噴射したスプレー状の燃料に点火できるように膨張行程での筒内噴射弁29の燃料噴射と点火プラグ32の点火とが同期して行なわれる。共用噴射モードでは、空気を燃焼室31に吸入する際にポート噴射弁28から燃料を噴射すると共に吸気行程や圧縮行程あるいは膨張行程において筒内噴射弁29から1回または複数回に分けて燃料を噴射し、点火プラグ32による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト14の回転運動を得る。
燃焼室31から排気バルブ34を介して排気管35に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒(三元触媒)を有する浄化装置37を介して外気に排出される。なお、クランクシャフト14には、エンジン12をクランキングする図示しないスタータと、エンジン12の動力により発電するオルタネータ48とが取り付けられている。オルタネータ48は、図示しないバッテリからエンジン冷却系38のファンモータ38dやウォーターポンプ38eなどに電力を供給する電力ラインに発電した電力を供給する。
燃料供給装置16は、燃料タンク11と、フィードポンプ11pと、低圧供給管17と、高圧ポンプ18と、高圧供給管19と、を備える。燃料タンク11からの燃料はフィードポンプ11pにより圧送されて低圧供給管17を介してポート噴射弁28に供給されている。フィードポンプ11pは、図示しないバッテリからの電力の供給を受けて作動する電動ポンプとして構成されており、燃料タンク11に配置されている。なお、図示しないが、低圧供給管17にはフィードポンプ11p側からポート噴射弁28側の方向の燃料の流れを許容すると共に逆方向の燃料の流れを規制する逆止弁も取り付けられている。また、低圧供給管17からの燃料は高圧ポンプ18により圧送されて高圧供給管19を介して筒内噴射弁29に供給されている。高圧ポンプ18は、エンジン12からの動力(実施例では、吸気バルブ30を開閉するインテークカムシャフトの回転)により駆動されるポンプとして構成されている。高圧ポンプ18は、その吸入口に接続されて燃料を加圧する際に開閉する電磁バルブ18aと、その吐出口に接続されて燃料の逆流を規制すると共に高圧供給管19内の燃圧を保持するチェックバルブ18bと、エンジン12の回転(インテークカムシャフトの回転)により作動するプランジャ18cとを有し、エンジン12の運転中に電磁バルブ18aが開弁されたときに低圧供給管17の燃料を吸入し、電磁バルブ18aが閉弁されたときにプランジャ18cによって圧縮した燃料をチェックバルブ18bを介して高圧供給管19に断続的に送り込むことにより、高圧供給管19に供給する燃料を加圧する。なお、高圧ポンプ18の駆動時には、低圧供給管17内の燃圧や高圧供給管19内の燃圧(燃料の圧力)は、エンジン12の回転(インテークカムシャフトの回転)に応じて脈動する。
エンジン12には、熱交換媒体(冷却水など)によりエンジン12を冷却するエンジン冷却系38が設けられている。エンジン冷却系38は、エンジン12の図示しないウォータージャケットとラジエータ38bとに熱交換媒体を循環させる循環流路38aを備える。ラジエータ38bには、ファンモータ38dにより駆動するファン38cが取り付けられており、内部の熱交換媒体(水など)を外気により冷却する。循環流路38aには、熱交換媒体を循環させるためのウォーターポンプ38eが取り付けられている。
過給機40は、ターボチャージャとして構成されており、コンプレッサ41と、タービン42と、回転軸43と、ウェイストゲートバルブ44と、ブローオフバルブ45とを備える。コンプレッサ41は、吸気管23のインタークーラ25よりも上流側に配置されている。タービン42は、排気管35の浄化装置37よりも上流側に配置されている。回転軸43は、コンプレッサ41とタービン42とを連結する。ウェイストゲートバルブ44は、排気管35におけるタービン42よりも上流側と下流側とを連絡するバイパス管36に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。ブローオフバルブ45は、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも上流側と下流側とを連絡するバイパス管24に設けられており、電子制御ユニット70により制御される。
この過給機40では、ウェイストゲートバルブ44の開度の調節により、バイパス管36を流通する排気量とタービン42を流通する排気量との分配比が調節され、タービン42の回転駆動力が調節され、コンプレッサ41による圧縮空気量が調節され、エンジン12の過給圧(吸気圧)が調節される。ここで、分配比は、詳細には、ウェイストゲートバルブ44の開度が小さいほど、バイパス管36を流通する排気量が少なくなると共にタービン42を流通する排気量が多くなるように調節される。なお、エンジン12は、ウェイストゲートバルブ44が全開のときには、過給機40を備えない自然吸気タイプのエンジンと同様に動作可能になっている。
また、過給機40では、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度高いときに、ブローオフバルブ45を開弁させることにより、コンプレッサ41よりも下流側の余剰圧力を解放することができる。なお、ブローオフバルブ45は、電子制御ユニット70により制御されるバルブに代えて、吸気管23におけるコンプレッサ41よりも下流側の圧力が上流側の圧力よりもある程度高くなると開弁する逆止弁として構成されるものとしてもよい。
電子制御ユニット70は、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUに加えて、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、データを記憶保持する不揮発性のフラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを備える。電子制御ユニット70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。
電子制御ユニット70に入力される信号としては、例えば、燃料タンク11内の圧力を検出する内圧センサ11aからのタンク内圧Ptnkや、エンジン12のクランクシャフト14の回転位置を検出するクランクポジションセンサ14aからのクランク角θcr、エンジン12の冷却水の温度を検出する水温センサ38fからの冷却水温Tw、スロットルバルブ26の開度を検出するスロットルポジションセンサ26aからのスロットル開度THを挙げることができる。吸気バルブ30を開閉するインテークカムシャフトや排気バルブ34を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出する図示しないカムポジションセンサからのカムポジションθcaも挙げることができる。吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられたエアフローメータ23aからの吸入空気量Qaや、吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられた吸気温センサ23tからの吸気温Tin、吸気管23のコンプレッサ41よりも上流側に取り付けられた吸気圧センサ23bからの吸気圧(コンプレッサ前圧)Pin、吸気管23のコンプレッサ41とインタークーラ25との間に取り付けられた過給圧センサ23cからの過給圧Pcも挙げることができる。サージタンク27に取り付けられたサージ圧センサ27aからのサージ圧(スロットル後圧)Psや、サージタンク27に取り付けられた温度センサ27bからのサージ温度Tsも挙げることができる。ポート噴射弁28に供給する燃料の燃圧を検出する燃圧センサ28aからの低圧燃圧Pfpや筒内噴射弁29に供給する燃料の燃圧を検出する燃圧センサ29aからの高圧燃圧Pfdも挙げることができる。排気管35の浄化装置37よりも上流側に取り付けられたフロント空燃比センサ35aからのフロント空燃比AF1や、排気管35の浄化装置37の下流側に取り付けられたリヤ空燃比センサ35bからのリヤ空燃比AF2も挙げることができる。また、大気圧センサ72からの大気圧Paも挙げることができる。
電子制御ユニット70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット70から出力される信号としては、例えば、オルタネータ15への制御信号、スロットルバルブ26への制御信号や、ポート噴射弁28への制御信号、筒内噴射弁29への制御信号、点火プラグ32への制御信号を挙げることができる。エンジン冷却装置38のファンモータ38dやウォーターポンプ38eへの駆動信号や、インタークーラ冷却装置39のファンモータ39dや循環ポンプ39eへの駆動信号も挙げることができる。ウェイストゲートバルブ44への制御信号、ブローオフバルブ45への制御信号、電磁バルブ18aへの制御信号も挙げることができる。
電子制御ユニット70は、エンジン12の回転数Neや負荷率(エンジン12の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の割合)KLを演算している。回転数Neは、クランクポジションセンサ14aからのクランク角θcrに基づいて演算される。負荷率KLは、エアフローメータ23aからの吸入空気量Qaと回転数Neとに基づいて演算される。
こうして構成された実施例のエンジン装置10では、電子制御ユニット70は、エンジン12の要求負荷率KL*に基づいて、スロットルバルブ26の開度を制御する吸入空気量制御や、筒内噴射弁28からの燃料噴射量を制御する燃料噴射制御、点火プラグ31の点火時期を制御する点火制御、ウェイストゲートバルブ44の開度を制御する過給制御、電磁バルブ18aの開閉による高圧供給管19の燃圧制御などが行なわれる。
次に、実施例のエンジン装置10の動作、特に、浄化装置37の触媒の温度Tcを推定する際の動作について説明する。なお、推定された触媒温度Tcは、機能低下が生じるとして予め定めた閾値Trefと比較され、触媒温度Tcが閾値Tref以上のときには、燃料噴射量を増加する燃料増量を行なって触媒床を冷却する。図3は、電子制御ユニット70により実行される触媒温度推定処理の一例を示すフローチャートである。この触媒温度推定処理は所定時間毎に繰り返し実行される。
触媒温度推定処理が実行されると、電子制御ユニット70は、まず、エンジン12の回転数Neや、負荷率KL(エンジン負荷)、ポート噴射割合Rp、大気圧Pa、スカベンジ率Scなどの触媒温度Tcを推定するのに必要なデータを入力する(ステップS100)。
続いて、エンジン12の回転数Neと負荷率KL(エンジン負荷)とに基づいて基本触媒温度Tcbを推定する(ステップS110)。基本触媒温度Tcbは、実施例では、エンジン12の回転数Neと負荷率KL(エンジン負荷)と基本触媒温度Tcbとの関係を実験などにより予め定めて基本触媒温度推定用マップとして記憶しておき、エンジン12の回転数Neと負荷率KL(エンジン負荷)とが与えられるとマップから対応する基本触媒温度Tcbを導出することにより推定するものとした。基本触媒温度Tcbは、エンジン12の回転数Neが大きいほど高くなるように、負荷率KL(エンジン負荷)が大きいほど高くなるように推定される。これは、エンジン12の回転数Neが大きいほど単位時間当たりの排気量が大きくなり触媒温度Tcを上昇させることや、負荷率KL(エンジン負荷)が大きいほどエンジン12の爆発燃焼による単位時間当たりのエネルギ量が大きくなり触媒温度Tcを上昇させることに基づいている。
次に、エンジン12の回転数Neとポート噴射割合Rpと大気圧Paとに基づいて単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを設定する(ステップS120)。ここで、スカベンジ率は、吸気バルブを通過する空気量に対するスカベンジ量の割合である。実施例では、エンジン12の回転数Neとポート噴射割合Rpと大気圧Paと単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspとの関係を実験などにより予め求めて単位スカベンジ率温度上昇分設定用マップとして記憶しておき、エンジン12の回転数Neとポート噴射割合Rpと大気圧Paとが与えられるとマップから対応する単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを導出して設定するものとした。単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspは、エンジン12の回転数Neが大きいほど高くなるように、ポート噴射割合Rpが大きいほど高くなるように、大気圧Paが小さいほど高くなるように設定される。エンジン12の回転数Neが大きいほど単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを高く設定するのはエンジン12の回転数Neが大きいほど単位時間当たりのスカベンジ量が多くなることに基づいている。ポート噴射割合Rpが大きいほど単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを高く設定するのはポート噴射割合Rpが大きいほどスカベンジにより浄化装置37に流れる単位時間当たりの未燃焼燃料が多くなることに基づいている。大気圧Paが小さいほど単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを高く設定するのは大気圧Paが小さくなるほど背圧が小さくなってスカベンジ量が多くなることに基づいている。
単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを設定すると、入力したスカベンジ率Scから定常状態のスカベンジ率Sstを減じたものに単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを乗じてスカベンジ温度補正ΔTsを設定する(ステップS130)。定常状態のスカベンジ率Sstは、予め定めたエンジン12の回転数Ne(例えば、1500rpmや2000rpmなど)で予め定めたポート噴射割合Rp(例えばRp=0.3や0.5など)で予め定めた大気圧Pa(例えばPa=0.1MPaなど)のときのスカベンジ率である。
こうしてスカベンジ温度補正ΔTsを設定すると、触媒温度Tcを推定する貯めに必要なスカベンジ温度補正ΔTs以外の他の温度補正ΔT1,ΔT2…ΔTnを入力する(ステップS140)。他の温度補正ΔT1,ΔT2…ΔTnとしては、車速Vによる温度低下の温度補正や、気筒別噴射加振制御による温度上昇の温度補正、点火遅角による温度上昇の温度補正、燃料増量による温度低下の温度補正などを挙げることができる。車速Vによる温度低下の温度補正は、車速Vが大きいほど触媒温度Tcの温度低下が大きくなる温度補正である。気筒別噴射加振制御による温度上昇の温度補正は、気筒別に空燃比を変えて触媒温度Tcを上昇させる制御による温度補正である。点火遅角による温度上昇の温度補正は、基本点火時期から点火時期の遅角が大きいほど触媒温度Tcの温度上昇が大きくなる温度補正である。燃料増量による温度低下の温度補正は、基本燃料噴射量から燃料増量が大きくなるほど触媒温度Tcの温度低下が大きくなる温度補正である。これらの他の温度補正ΔT1,ΔT2…ΔTnの設定手法は、周知な手法によるものであり、本発明の中核をなさないからこれ以上の詳細な説明は省略する。
そして、基本触媒温度Tcbにスカベンジ温度補正ΔTsや他の温度補正ΔT1,ΔT2…ΔTnを加減して触媒温度Tcを推定し(ステップS150)、本処理を終了する。推定した触媒温度Tcは、上述したように、機能低下が生じるとして予め定めた閾値Trefと比較され、触媒温度Tcが閾値Tref以上のときには、燃料噴射量を増加する燃料増量を行なって触媒床を冷却するのに用いられる。
以上説明したエンジン装置10では、エンジン12の回転数Neとポート噴射割合Rpと大気圧Paとに基づいて単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを設定し、スカベンジ率Scから定常状態のスカベンジ率Sstを減じたものに単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを乗じてスカベンジ温度補正ΔTsを設定する。そして、エンジン12の回転数Neと負荷率KL(エンジン負荷)とに基づいて推定された基本触媒温度Tcbにスカベンジ温度補正ΔTsや他の温度補正ΔT1,ΔT2…ΔTnを加減して触媒温度Tcを推定する。このように、大気圧Paに基づいて単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを設定してスカベンジ温度補正ΔTsを設定するから、大気圧Paの低い高地でもより適正にスカベンジ温度補正ΔTsを得ることができ、より適正に触媒温度Tcを推定することができる。また、ポート噴射割合Rpに基づいて単位スカベンジ率当たりの温度上昇分Tspを設定してスカベンジ温度補正ΔTsを設定するから、ポート噴射割合Rpに応じたスカベンジ温度補正ΔTsを得ることができ、より適正に触媒温度Tcを推定することができる。これらの結果、より適正に触媒温度Tcを推定することができる。
実施例のエンジン装置10では、触媒温度Tcを推定する際に用いる温度補正としてスカベンジ温度補正ΔTsの他に車速Vによる温度低下の温度補正や、気筒別噴射加振制御による温度上昇の温度補正、点火遅角による温度上昇の温度補正、燃料増量による温度低下の温度補正を用いるものとした。しかし、これらの温度補正の一部を用いるものとしたり、これらの温度補正に全部または一部と共に異なる温度補正を用いるものとしたりしてもよい。
実施例のエンジン装置10では、エンジン12として、筒内噴射弁29が燃焼室31の頂部の略中央に配置されているものを用いたが、筒内噴射弁29が燃焼室31の側壁(サイド)に配置されているエンジンを用いるものとしても構わない。
実施例のエンジン装置10では、過給機40は、吸気管23に配置されるコンプレッサ41と排気管35に配置されるタービン42とが回転軸43を介して連結されるターボチャージャとして構成されるものとした。しかし、これに代えて、エンジン12やモータにより駆動されるコンプレッサが吸気管23に配置されるスーパーチャージャとして構成されるものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、過給機40が「過給機」に相当し、ポート噴射弁28が「ポート噴射弁」に相当し、筒内噴射弁29が「筒内噴射弁」に相当し、エンジン12が「エンジン」に相当し、浄化装置37が「浄化装置」に相当し、電子制御ユニット70が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
10 エンジン装置、11 燃料タンク、11a 内圧センサ、11p フィードポンプ、12 エンジン、14 クランクシャフト、14a クランクポジションセンサ、16 燃料供給装置、17 低圧供給管、18 高圧ポンプ、18a 電磁バルブ、18b チェックバルブ、18c プランジャ、19 高圧供給管、22 エアクリーナ、23 吸気管、23a エアフローメータ、23b 吸気圧センサ、23c 過給圧センサ、24 バイパス管、25 インタークーラ、26 スロットルバルブ、26a スロットルポジションセンサ、27 サージタンク、27a サージ圧センサ、27b 温度センサ、28 筒内噴射弁、28a 燃圧センサ、29 吸気バルブ、30 燃焼室、31 点火プラグ、32 ピストン、34 排気バルブ、35 排気管、35a フロント空燃比センサ、35b リヤ空燃比センサ、36 バイパス管、37 浄化装置、38 エンジン冷却系、38a 循環流路、38b ラジエータ、38c ファン、38d ファンモータ、38e ウォーターポンプ、38f 温度センサ、40 過給機、41 コンプレッサ、42 タービン、43 回転軸、44 ウェイストゲートバルブ、45 ブローオフバルブ、70 電子制御ユニット、72 大気圧センサ。

Claims (3)

  1. 過給機が取り付けられ、ポート噴射弁と筒内噴射弁とを有するエンジンと、
    前記エンジンからの排気を浄化する浄化触媒を有する浄化装置と、
    前記エンジンの回転数と負荷とに基づく基本推定温度にスカベンジによる温度補正項を含む補正を加味して前記浄化触媒の温度を推定する制御装置と、
    を備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、前記エンジンの回転数と、前記ポート噴射弁と前記筒内噴射弁とからの全燃料噴射量における前記ポート噴射弁からの燃料噴射量の割合であるポート噴射割合と、大気圧と、に基づいて前記スカベンジによる温度補正項を決定する、
    ことを特徴とするエンジン装置。
  2. 請求項1記載のエンジン装置であって、
    前記制御装置は、前記エンジンの回転数が大きいときには小さいときに比して大きくなるように、前記ポート噴射割合が大きいときには小さいときに比して大きくなるように、前記大気圧が小さいときには大きいときに比して大きくなるように、単位スカベンジ率当たりの温度上昇分を求め、現在のスカベンジ率と定常状態のスカベンジ率との差分に前記単位スカベンジ率当たりの温度上昇分を乗じて前記スカベンジによる温度補正項を決定する、
    エンジン装置。
  3. 請求項1または2記載のエンジン装置であって、
    前記制御装置は、前記エンジンの回転数と前記ポート噴射割合と前記大気圧と前記単位スカベンジ率当たりの温度上昇分との4元マップを用いて前記単位スカベンジ率当たりの温度上昇分を求める、
    エンジン装置。
JP2021174734A 2021-10-26 2021-10-26 エンジン装置 Pending JP2023064444A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021174734A JP2023064444A (ja) 2021-10-26 2021-10-26 エンジン装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021174734A JP2023064444A (ja) 2021-10-26 2021-10-26 エンジン装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023064444A true JP2023064444A (ja) 2023-05-11

Family

ID=86271734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021174734A Pending JP2023064444A (ja) 2021-10-26 2021-10-26 エンジン装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023064444A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2390636C2 (ru) Двигатель с механизмом синхронизации регулируемых клапанов
US6786201B2 (en) Fuel injection control apparatus of cylinder injection type internal combustion engine
JP2000328986A (ja) ディーゼルエンジンの停止装置
US20180320642A1 (en) Intake air temperature control device for engine
US10907566B2 (en) Control device for internal combustion engine
JP2002180889A (ja) 過給式内燃機関システムにおける過給後吸気温の検出方法、過給式内燃機関システムの運転制御装置、及び、過給式内燃機関システムにおけるインタークーラーの冷却異常検出装置
JP5639387B2 (ja) ディーゼルエンジンの始動制御装置
JP2023064444A (ja) エンジン装置
JP2023064347A (ja) エンジン装置
JP2023064348A (ja) エンジン装置
JP2023050278A (ja) エンジン装置
JP2021131043A (ja) エンジンの制御装置及び、制御方法
JP2023050279A (ja) エンジン装置
KR101956030B1 (ko) 엔진 시스템 제어 방법 및 장치
JP2023074339A (ja) エンジン装置
JP2014088779A (ja) 内燃機関の制御装置
JP7238814B2 (ja) 内燃機関装置の制御装置
JP2007056785A (ja) 内燃機関の運転制御装置
JP2024031554A (ja) エンジン装置
JP2023050275A (ja) エンジン装置
JP2023050276A (ja) エンジン装置
JP2023050277A (ja) エンジン装置
JP7272325B2 (ja) エンジン装置
JP2024020903A (ja) エンジン装置
JP2024013539A (ja) エンジン装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240214