JP2023063798A - 車両用電池ユニット制御装置 - Google Patents

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Takashi Yamamoto
宣英 瀬尾
Nobuhide Seo
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Abstract

【課題】放電過多又は充電過多の電池ユニットの劣化の回復を図る。【解決手段】車両用電池ユニット制御装置は、駆動ユニット(モータ41)に対して並列に接続された、それぞれ充放電可能な複数のバッテリ(第1バッテリ61、第2バッテリ62)を有する電池ユニット110と、通常制御時に、車両の走行状態に対応する充電要求又は放電要求に応じて電池ユニットの充放電を制御する制御器(ECU70)と、を備え、制御器は、通常制御において、電池ユニットが、充電過多、又は、放電過多であることを判定し、電池ユニットが充電過多である場合は、電池ユニットの放電要求時に、複数のバッテリの内の一部のバッテリのみを使ってハイレートで放電する回復制御を行い、電池ユニットが放電過多である場合は、電池ユニットの充電要求時に、複数のバッテリの内の一部のバッテリのみに対してハイレートで充電する回復制御を行う。【選択図】図1

Description

ここに開示する技術は、車両用電池ユニット制御装置に関する。
電気自動車やハイブリッド車に用いられる電池ユニットは、充放電を繰り返す。充放電が繰り返される結果、電池ユニットは、放電過多側に劣化する場合と、充電過多側に劣化する場合とがある。特許文献1に記載されたバッテリ制御装置は、放電過多側に劣化した場合は、許容放電電力を低減し、充電過多側に劣化した場合は、許容充電電力を低減する。これにより、特許文献1に記載されたバッテリ制御装置では、電池ユニットの劣化の進行が抑制される。
特開2017-50981号公報
特許文献1に記載された技術は、放電過多側又は充電過多側に劣化した電池ユニットの劣化の進行を抑制できる。しかし、この技術は、電池ユニットの劣化を回復させることはできない。
ここに開示する技術は、放電過多又は充電過多のように、充放電レートバランスが崩れた電池ユニットの劣化を回復させる。
本発明者は先ず、充放電レートバランスが崩れた電池ユニットに対して、逆パルスを与えることにより、劣化が回復できる点に着目をした。つまり、放電過多の電池ユニットに対してハイレートでの充電を行うと、劣化が回復でき、充電過多の電池ユニットに対してハイレートでの放電を行うと、劣化が回復できる。
ところが、車両に搭載されかつ、車両の駆動ユニットに電力を供給する車両用電池ユニットにおいては、車両の走行状態に応じて電池ユニットに対する放電要求又は充電要求が定まると共に、その際の放電レート又は充電レートも定まってしまう。そのため、車両用電池ユニットがハイレートでの充電又はハイレートでの放電を実行可能な機会は、限られてしまう。
ここに開示する技術は、車両用電池ユニットのハイレート充電又はハイレート放電を実行可能な機会を増やすことにより、放電過多又は充電過多の電池ユニットの劣化の回復を図る。
具体的にここに開示する技術は、車両用電池ユニット制御装置に係る。この車両用電池ユニット制御装置は、
車両に搭載されかつ、前記車両を走行させる駆動力を発生する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットに対して並列に接続された複数のバッテリであって、それぞれ充放電可能な複数のバッテリを有する電池ユニットと、
通常制御時に、前記車両の走行状態に対応する充電要求又は放電要求に応じて前記複数のバッテリそれぞれの充放電を制御する制御器と、を備え、
前記制御器は、
前記通常制御において、前記電池ユニットが、充電レートが放電レートよりも高い充電過多、又は、放電レートが充電レートよりも高い放電過多であることを判定し、
前記電池ユニットが充電過多である場合は、前記電池ユニットの放電要求時に、前記複数のバッテリの内の一部のバッテリのみを使ってハイレートで放電する回復制御を行い、
前記電池ユニットが放電過多である場合は、前記電池ユニットの充電要求時に、前記複数のバッテリの内の一部のバッテリのみに対してハイレートで充電する回復制御を行う。
通常制御時に、制御器は、車両の走行状態に対応する充電要求又は放電要求に応じて、電池ユニットの充放電を制御する。当該通常制御において、電池ユニットが、充電レートが放電レートよりも高い充電過多になる場合、又は、放電レートが充電レートよりも高い放電過多になる場合がある。制御器は、電池ユニットが、充電過多である、又は、放電過多であると判定した場合、回復制御を行う。
電池ユニットが充電過多である場合の回復制御は、電池ユニットをハイレートで放電する制御である。前記構成の車両用電池ユニット制御装置において、制御器は、複数のバッテリの一部のみを使って、放電要求に対応する放電を行う。一部のバッテリのみを使うため、要求放電量を満足させるためには、当該一部のバッテリの放電レートを高めなければならない。その結果、一部のバッテリはハイレートで放電されるから、充電過多で劣化している場合に、劣化が回復する。このときに、当該一部のバッテリは、放電要求が満足される放電を行うため、駆動ユニットは、ドライバの意図に応じた走行を実現できる。
一方、電池ユニットが放電過多である場合の回復制御は、電池ユニットをハイレートで充電する制御である。前記構成の車両用電池ユニット制御装置において、制御器は、複数のバッテリの一部のみを使って、充電要求に対応する充電を行う。一部のバッテリのみを使うため、要求充電量を満足させるためには、当該一部のバッテリの充電レートを高めなければならない。その結果、一部のバッテリはハイレートで充電されるから、放電過多で劣化している場合に、劣化が回復する。このときに、当該一部のバッテリは、充電要求が満足される充電を行うため、車両の走行状態に対応した充電が実現する。
このように、電池ユニットは、車両の走行状態に対応した充放電を行いながら、バッテリをハイレートで放電させたり、充電させたりできる。前記の構成の車両用電池ユニット制御装置は、放電過多又は充電過多の電池ユニットの劣化を回復させる機会を増やすことができる。電池ユニットの劣化が回復するから、長期間使用された電池ユニットの劣化が抑制される。
前記車両用電池ユニット制御装置は、前記複数のバッテリが並列に接続されかつ、前記複数のバッテリのそれぞれに対して発電電力を供給する発電機を備え、
前記制御器は、前記電池ユニットが放電過多である場合の回復制御時に、前記複数のバッテリの内の一部のバッテリのみに対して前記発電機の発電電力を供給する、としてもよい。
この構成によると、電池ユニットは発電機の発電電力を使って充電される。電池ユニットの充電機会が、回生発電時に限定されない。
また、発電機に対しては、複数のバッテリが並列に接続されているから、前述の通り、回復制御時に、発電機は、一部のバッテリのみに対して発電電力を供給できる。その結果、バッテリをハイレートで充電できる。
従って、前記構成の車両用電池ユニット制御装置は、電池ユニットの放電過多による劣化を回復させる機会を増やすことができる。
前記制御器は、前記通常制御時に、前記電池ユニットの、ハイレートでの放電電力又はハイレートでの充電電力を積算し、
前記制御器はまた、前記回復制御時に、積算した放電電力に対応するハイレートでの充電、又は、積算した充電電力に対応するハイレートでの放電を行う、としてもよい。
通常制御時におけるハイレートでの放電電力又はハイレートでの充電電力と、回復制御時におけるハイレートでの充電電力またはハイレートでの放電電力とを対応させることにより、電池ユニットの劣化を、効果的に回復させることができる。
前記制御器は、回復制御時に、複数のバッテリを切り替えて、ハイレートでの充電又は放電を行う、としてもよい。
こうすることで、制御器は、複数のバッテリ全ての劣化を回復できる。
前記車両用電池ユニット制御装置は、前記複数のバッテリのそれぞれに対応すると共に、前記駆動ユニットに対して並列に接続された複数のコンバータを備え、
前記制御器は、前記通常制御時には、前記複数のコンバータを使って複数のバッテリの充電又は放電を行い、前記回復制御時には、前記一部のコンバータを使って前記一部のバッテリの充電又は放電を行う、としてもよい。
通常制御時に、並列のコンバータは、それぞれの昇降圧機能を使って、駆動ユニットに対して並列に接続された複数のバッテリのそれぞれから駆動ユニットへ供給される電圧を、同じ電圧にすることができる。
また、回復制御時に、並列のコンバータは、それぞれの遮断機能を使って、駆動ユニットに対して並列に接続された複数のバッテリのうちの一部のバッテリについてのみ、充電又は放電することができる。
前記車両用電池ユニット制御装置は、前記駆動ユニットに接続されると共に、前記複数のバッテリに共通のコンバータを備え、
前記電池ユニットは、前記複数のバッテリを直列に接続する直列ラインと、当該直列ラインを断接するスイッチとを有し、
前記制御器は、前記通常制御時には、前記複数のバッテリを直列接続した状態で、前記コンバータを使って前記複数のバッテリの充電又は放電を行い、前記回復制御時には、前記複数のバッテリの直列接続を解除した状態で、前記コンバータを使って前記一部のバッテリの充電又は放電を行う、としてもよい。
この構成でも、通常制御時には、直列接続された複数のバッテリの全てについて充電または放電を行うことができ、回復制御時には、直列接続が解除された一部のバッテリについて、充電又は放電を行うことができる。また、この構成は、複数のバッテリに共通のコンバータを設けるため、コンバータの数を削減できるという利点もある。
前記の車両用電池ユニット制御装置は、放電過多又は充電過多のように、充放電レートバランスが崩れた電池ユニットの劣化を回復させる機会を増やすことができる。
図1は、車両用電池ユニット及びその制御装置を搭載したハイブリッド車の全体構成図である。 図2の上図は、充電過多の場合の電流変化の一例を示し、下図は、放電過多の場合の電流変化の一例を示している。 図3は、充放電レートバランスと、劣化との関係を例示している。 図4は、充放電レートバランスが崩れた電池ユニットに対して、逆パルスを与えることにより、劣化が回復できることを示している。 図5の上図は、第1バッテリのみが放電している状態、下図は、第2バッテリのみが放電している状態を示している。 図6の上図は、第1バッテリのみが充電している状態、下図は、第2バッテリのみが充電している状態を示している。 図7は、電池ユニットに対する放電要求時の制御のフロー図である。 図8は、電池ユニットに対する充電要求時の制御のフロー図である。 図9は、変形例に係る、電池ユニットに対する放電要求時の制御のフロー図である。 図10は、変形例に係る、電池ユニットに対する充電要求時の制御のフロー図である。 図11は、変形例に係るハイブリッド車の全体構成図である。 図12は、変形例に係るハイブリッド車の全体構成図である。
以下、車両用電池ユニット制御装置の実施形態が、図面を参照しながら説明される。ここで説明される車両用電池ユニット制御装置は例示である。図1は、車両用電池ユニット制御装置が搭載されたハイブリッド車(Hybrid Electric Vehicle又はPlug-in Hybrid Electric Vehicle))を例示している。尚、車両用電池ユニット制御装置は、ハイブリッド車への適用に限らず、走行駆動源としてのエンジンを搭載しない電気自動車(Battery Electric Vehicle)にも適用できる。
<ハイブリッド車の全体構成>
図1に示すように、ハイブリッド車100は、車輪10と、車軸12と、モータ41と、エンジン20と、ジェネレータ42と、第1インバータ51と、第2インバータ52と、第1コンバータ71と、第2コンバータ72と、電池ユニット110と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)70とを備えている。モータ41は、ハイブリッド車100の駆動ユニットを構成している。ECU70は、制御器の一例である。
このハイブリッド車100は、シリーズ式であり、モータ41は、車両の駆動力を出力する駆動源として機能する。エンジン20は、ジェネレータ42を動かす駆動源として機能する。エンジン20は、例えばガソリンエンジンである。
モータ41は、車軸12に連結されているとともに、第1インバータ51を介して電池ユニット110に接続されている。モータ41には、電池ユニット110の電力が第1インバータ51にて交流電力に変換された後供給される。モータ41は、電力供給を受けて電動機として機能して、車軸12を回転させる。モータ41はまた、ハイブリッド車100の減速時に回生動作を行うことにより、発電機としても機能して電池ユニット110を充電する。
ジェネレータ42は、第2インバータ52を介して、第1インバータ51及び電池ユニット110に接続されている。前述の通り、ジェネレータ42は、エンジン20によって駆動されることによって、モータ41へ給電すると共に、電池ユニット110を充電する。第2インバータ52は、ジェネレータ42の発電電力を直流電力に変換し、第1インバータ51、又は、後述する第1コンバータ71及び第2コンバータ72へ出力する。
電池ユニット110は、複数のバッテリを有している。図1の構成例の電池ユニット110は、第1バッテリ61及び第2バッテリ62を有している。第1バッテリ61及び第2バッテリ62は、充放電が可能な二次電池である。第1バッテリ61及び第2バッテリ62は、具体的には、リチウムイオン蓄電池である。尚、電池ユニット110が有するバッテリの数は二つに限らない。また、電池ユニット110が有するバッテリは、同一容量でかつ、同一電圧とすればよいが、それに限定されない。
第1バッテリ61は、第1コンバータ71を介して第1インバータ51及び第2インバータ52に接続される。第2バッテリ62は、第2コンバータ72を介して第1インバータ51及び第2インバータ52に接続される。第1バッテリ61及び第2バッテリ62は、モータ41及びジェネレータ42に対して並列に接続されている。第1コンバータ71及び第2コンバータ72も、モータ41及びジェネレータ42に対して並列に接続されている。
第1コンバータ71は、第1バッテリ61と、第1インバータ51又は第2インバータ52との間で、電圧を昇圧又は降圧させる機能を有し、第2コンバータ72は、第2バッテリ62と、第1インバータ51又は第2インバータ52との間で、電圧を昇圧又は降圧させる機能を有している。第1コンバータ71はまた、後述するように、第1バッテリ61と、第1インバータ51又は第2インバータ52との間を遮断する機能を有し、第2コンバータ72もまた、第2バッテリ62と、第1インバータ51又は第2インバータ52との間を遮断する機能を有している。
ECU70は、ハイブリッド車100のドライバの運転操作に応じて、所望の走行状態が実現するよう、電池ユニット110の充放電と共に、モータ41及びエンジン20の制御を行う(つまり、ハイブリッド車100の通常制御)。
具体的に、ECU70は、モータ41を駆動してハイブリッド車100を走行させる場合は、ハイブリッド車100の走行状態に対応する放電要求に応じて、第1バッテリ61及び第2バッテリ62を放電させて、その電力を第1コンバータ71及び第2コンバータ72を通じて、第1インバータ51へ供給する。この際に、第1コンバータ71及び第2コンバータ72は、第1インバータ51への供給電圧が互いに一致するように、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の放電電圧の調整を行う。
また、ECU70は、ハイブリッド車100の回生時には、充電要求に応じて、モータ41の回生電力を、第1コンバータ71及び第2コンバータ72を通じて、第1バッテリ61及び第2バッテリ62へ供給する。第1バッテリ61及び第2バッテリ62は、回生電力によって充電される。
また、ECU70は、ジェネレータ42の発電時には、ジェネレータ42の発電電力の全て又は一部を、第2インバータ52及び第1インバータ51を通じてモータ41へ供給する。ECU70は、この際に、ジェネレータ42の発電電力の一部を、第1コンバータ71及び第2コンバータ72を通じて第1バッテリ61及び第2バッテリ62へ供給する場合がある。この場合、第1バッテリ61及び第2バッテリ62は、ジェネレータ42の発電電力によって充電される。
<電池ユニットの制御装置>
ハイブリッド車100に搭載された電池ユニット110は、ハイブリッド車両100の走行に伴い、前述したような充電と放電とを繰り返す。また、ハイブリッド車100の走行状態に依っては、ハイレートでの充電又はハイレートでの放電が行われることもある。さらに、ハイブリッド車100の走行状態に依っては、充電レートと放電レートとが均等又は略均等にならない場合がある。例えば図2は、時間の経過に対する電池ユニット110に対する充電電流と放電電流との変化を例示している。図2の上図に示すように、ハイレートでの充電が行われることによって、電池ユニット110は、充電レートが放電レートよりも高い充填過多になったり、図2の下図に示すように、ハイレートでの放電が行われることによって、放電レートが充電レートよりも高い放電過多になったりする場合がある。
図2の上図に示すような充電過多、又は、図2の下図に示すような放電過多になると、バッテリの内部において、Liイオンの濃度分布の偏りを生じて内部抵抗が上昇する劣化が生じる。図3は、充放電レートバランスと、劣化との関係を例示している。充電レートが放電レートよりも高い充電過多の場合、及び、放電レートが充電レートよりも高い放電過多の場合のいずれにおいても、電池ユニット110の内部抵抗が高まって、電池ユニット110の劣化が進む。
この劣化は可逆的であって回復させることが可能である。具体的には、充電過多の場合は、電池ユニット110のハイレート放電を行い、放電過多の場合は、電池ユニット110のハイレート充電を行う。そうすることにより、Liイオンの濃度分布の偏りが改善されて、劣化が回復する。例えば図4は、充放電レートバランスが崩れた電池ユニット110に対して、逆パルスを与えることにより、劣化が回復できることを示している。図4の横軸は、電池ユニット110のサイクル数、縦軸は、電池ユニット110の抵抗上昇率である。ここでいうサイクル数は、車両の運転が開始され大電流充放電が1回以上行なわれて運転が終了したときに、これを1サイクルとしてカウントする数である。
同図の破線は、充電レートが放電レートよりも高い充電過多が継続した場合の抵抗上昇率の変化を例示している。この場合、抵抗上昇率が次第に上昇し、劣化が進行している。これに対し、同図の実線は、充電レートが放電レートよりも高い充電過多と、放電レートが充電レートよりも高い放電過多とを、サイクル毎に交互に切り替えた場合の抵抗上昇率の変化を例示している。この場合、抵抗上昇率の上昇が抑制され、劣化の進行が抑制されている。つまり、充電過多の場合は、ハイレートでの放電を行い、放電過多の場合は、ハイレートでの充電を行うことによって、劣化が回復できる。尚、図4からわかるように、充電過多と放電過多とを交互に切り替えても、劣化を完全に回復させることは難しい。
車両用電池ユニットの制御装置は、充電過多又は放電過多の場合に、ハイレートでの放電又はハイレートでの充電を行うことにより、電池ユニット110の劣化を回復させる回復制御を実行する。ところが、電池ユニット110に対する放電要求又は充電要求は、ハイブリッド車100の走行状態に応じて定められる。ハイブリッド車100の走行状態に依っては、ハイレートでの放電又はハイレートでの充電が要求されない場合がある。ハイレートでの充放電が要求されないと、制御装置は、電池ユニット110の劣化を回復させることができない。
電池ユニット110の劣化の回復機会を増やすために、この車両用電池ユニットの制御装置は、回復制御時には、駆動ユニット120に対して並列に接続されている第1バッテリ61及び第2バッテリ62のうち、一方のバッテリのみを使って放電又は充電を行う。使用するバッテリを一つに制限することによって、ハイブリッド車100の走行状態に対応する要求放電又は要求充電を満足させるには、放電レート又は充電レートを高めなければならない。その結果、ハイレートでの放電又はハイレートでの充電が行われるようになる。この車両用電池ユニットの制御装置は、ドライバの要求に応じてハイブリッド車100を走行させながら、ハイレートでの充放電を行って、電池ユニット110の劣化を回復させることができる。
(制御の詳細)
図5及び図6は、回復制御時における電気の流れを示している。図5は、ハイレートでの放電状態を示している。これは、充電過多の劣化を回復させる。図5の上図は、第1バッテリ61のみから放電を行う状態である。この場合、第1コンバータ71は、第1バッテリ61の放電電力を、第1インバータ51を通じて、モータ41へ供給する。一方、第2コンバータ72は、第2バッテリ62と第1インバータ51との間の通電を遮断する。図5の下図は、第2バッテリ62のみから放電を行う状態である。この場合、第2コンバータ72は、第2バッテリ62の放電電力を、第1インバータ51を通じて、モータ41へ供給する。一方、第1コンバータ71は、第1バッテリ61と第1インバータ51との間の通電を遮断する。
図6は、ハイレートでの充電状態を示している。これは、放電過多の劣化を回復させる。図6の上図は、第1バッテリ61のみへ充電を行う状態である。この場合、第1コンバータ71は、ジェネレータ42の発電電力を第1バッテリ61へ供給する。一方、第2コンバータ72は、第2バッテリ62と第2インバータ52との間の通電を遮断する。尚、発電電力の一部は、第1インバータ51を通じてモータ41へ供給されている。図6の下図は、第2バッテリ62のみへ充電を行う状態である。この場合、第2コンバータ72は、ジェネレータ42の発電電力を、第2バッテリ62へ供給する。一方、第1コンバータ71は、第1バッテリ61と第2インバータ52との間の通電を遮断する。尚、ここにおいても、発電電力の一部は、第1インバータ51を通じてモータ41へ供給されている。
ここで、図6の例では、ジェネレータ42の発電電力を使って、第1バッテリ61又は第2バッテリ62をハイレートで充電しているが、ECU70は、回復制御時に、モータ41の回生電力を使って、第1バッテリ61又は第2バッテリ62をハイレート充電してもよい。
ECU70は、第1バッテリ61と第2バッテリ62と切り替えながら、回復制御を実行する。こうすることで、電池ユニット110が有する全てのバッテリについて、回復制御を行うことができる。その結果、全てのバッテリについて、劣化が回復する。
また、回復制御において、ECU70は、ハイレートでの充電の電力量を、通常制御時における放電電力量と一致させる。同様に、ECU70は、回復制御におけるハイレートでの放電の電力量を、通常制御時における充電電力量と一致させる。つまり、図2の上図に例示するように、充電過多の場合には、ハイレート充電時の電力量を予め積算しておき(図2の上図の網掛け部分を参照)、回復制御時には、図2の下図に例示するように、当該積算電力量と等しくなるよう、ハイレートでの放電を実行する(図2の下図の網掛け部分を参照)。また、図2の下図に例示するように、放電過多の場合には、ハイレート放電時の電力量を予め積算しておき(図2の下図の網掛け部分を参照)、回復制御時には、図2の上図に例示するように、当該積算電力量と等しくなるよう、ハイレートでの充電を実行する(図2の上図の網掛け部分を参照)。こうすることで、電池ユニット110の劣化を、効果的に回復させることができる。
尚、通常制御時において、大電流での充放電と小電流での充放電が繰り返される場合は、充電電力量の積算値、及び、放電電力量の積算値はそれぞれ、大電流での充放電が行なわれるたびに、電力量を積算すればよい。
(制御の流れ)
制御の流れを図7及び図8に示す。図7は、電池ユニット110の放電要求があった場合の制御の流れであり、図8は、電池ユニット110の充電要求があった場合の制御の流れである。尚、図7~8、及び、後述する図9~10において、ステップの順番は適宜入れ替えることが可能である。また、いくつかのステップは省略することができ、また、新たなステップを追加することもできる。
図7のフローのスタート後のステップS1において、ECU70は、充電過多フラグF1が1であるか否かを判断する。充電過多フラグF1は、電池ユニット110が充電過多であるか否かを判断するフラグである。後述するように、充電過多フラグF1は、図8のフローのステップS19において、0から1になる。ステップS1の判断がYESの場合、つまり、電池ユニット110が充電過多である場合、回復制御が必要であるとして、プロセスはステップS2へ進み、ステップS1の判断がNOの場合、つまり、電池ユニット110が充電過多でない場合、回復制御が不要であるとして、プロセスはステップS7へ進む。
ステップS7~S10において、ECU70は、通常制御を実行する。つまり、ステップS7において、ECU70は、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の両方から放電を行って、モータ41へ電力を供給する。続くステップS8においてECU70は、ハイレート放電要求があったか否かを判断する。ECU70は、例えば図2の下図に破線で例示するように、予め定めたハイレート閾値を超える放電が要求された場合、YESと判断する。ステップS8の判断がNOの場合、プロセスはリターンする。ステップS8の判断がYESの場合、プロセスはステップS9へ進む。ステップS9において、ECU70は、放電過多フラグF2を0から1にし、続くステップS10において、ECU70は、ハイレート放電電力を積算する。つまり、図2の下図に例示する網掛け部分の電力を積算する。ステップS10で積算したハイレート放電電力量は、後述する図8のフローにおける放電過多の場合の回復制御(ステップS13及びS15)において用いられる。
一方、ステップS2~S6において、ECU70は、回復制御を実行する。ECU70は先ず、ステップS2において、第1バッテリ61のみから放電を行う(図5の上図参照)。これにより、第1バッテリ61は、ハイレートで放電する。続くステップS3において、ECU70は、第1バッテリ61の劣化が解消したか否かを判断する。後述するハイレート充電電力の積算値(図2の上図に例示する網掛け部分参照)に対応する放電が行われれば、ECU70は、ステップS3においてYESと判断する。ステップS3の判断がNOの場合、プロセスはステップS2に戻る。ステップS3の判断がYESの場合、プロセスはステップS4へ進む。
ステップS4において、ECU70は、第2バッテリ62のみから放電を行う(図5の下図参照)。これにより、第2バッテリ62は、ハイレートで放電する。続くステップS5において、ECU70は、第2バッテリ62の劣化が解消したか否かを判断する。第1バッテリ61の場合と同様に、ハイレート充電電力の積算値に対応する放電が行われれば、ECU70は、ステップS5においてYESと判断する。ステップS5の判断がNOの場合、プロセスはステップS4に戻る。ステップS5の判断がYESの場合、プロセスはステップS6へ進む。
ステップS6においてECU70は、第1バッテリ61及び第2バッテリ6の回復制御が完了したため、充電過多の劣化が回復したとして、充電過多フラグF1を1から0にする。
図8のフローのスタート後のステップS11において、ECU70は、放電過多フラグF2が1であるか否かを判断する。放電過多フラグF2は、電池ユニット110が放電過多であるか否かを判断するフラグである。前述した図7のフローのステップS9において、放電過多フラグF2は0から1になる。ステップS11の判断がYESの場合、電池ユニット110が放電過多であって回復制御が必要であるとして、プロセスはステップS12へ進み、ステップS11の判断がNOの場合、電池ユニット110が放電過多ではなく、回復制御が不要であるとして、プロセスはステップS17へ進む。
ステップS17~S110において、ECU70は、通常制御を実行する。つまり、ステップS17において、ECU70は、モータ41又はジェネレータ42の発電電力を、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の両方へ供給し、第1バッテリ61及び第2バッテリ62を充電する。続くステップS18においてECU70は、ハイレート充電要求があったか否かを判断する。ECU70は、例えば図2の上図に破線で例示するように、予め定めたハイレート閾値を超える充電が要求された場合、YESと判断する。ステップS18の判断がNOの場合、プロセスはリターンする。ステップS18の判断がYESの場合、プロセスはステップS19へ進む。ステップS19において、ECU70は、充電過多フラグF1を0から1にし、続くステップS110において、ECU70は、ハイレート充電電力を積算する。つまり、図2の上図に示す網掛け部分の電力を積算する。ステップS110で積算したハイレート充電電力は、前述した図7のフローにおける充電過多の場合の回復制御(ステップS3及びS5)において用いられる。
一方、ステップS12~S16において、ECU70は、回復制御を実行する。ECU70は先ず、ステップS12において、第1バッテリ61のみへ充電を行う(図6の上図参照)。これにより、第1バッテリ61は、ハイレートで充電される。続くステップS13において、ECU70は、第1バッテリ61の劣化が解消したか否かを判断する。図7のステップS10において算出したハイレート放電電力の積算値に対応する充電が行われれば、ECU70は、ステップS13においてYESと判断する。ステップS13の判断がNOの場合、プロセスはステップS12に戻る。ステップS13の判断がYESの場合、プロセスはステップS14へ進む。
ステップS14において、ECU70は、第2バッテリ62のみへ充電を行う(図6の下図参照)。これにより、第2バッテリ62は、ハイレートで充電される。続くステップS15において、ECU70は、第2バッテリ62の劣化が解消したか否かを判断する。ハイレート放電電力の積算値に対応する充電が行われれば、ECU70は、ステップS15においてYESと判断する。ステップS15の判断がNOの場合、プロセスはステップS14に戻る。ステップS15の判断がYESの場合、プロセスはステップS16へ進む。
ステップS16においてECU70は、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の回復制御が完了したため、放電過多の劣化が回復したとして、放電過多フラグF2を1から0にする。
従って、この車両用電池ユニット制御装置によると、電池ユニット110は、ハイブリッド車100の走行状態に対応した充放電を行いながら、第1バッテリ61又は第2バッテリ62をハイレートで放電させたり、充電させたりできる。放電過多又は充電過多の電池ユニット110の劣化を回復させる機会が増える。電池ユニット110が長期間使用されても、電池ユニット110の劣化を回復させているため、電池ユニット110の劣化が抑制される。
また、ECU70は、回復制御時に、第1バッテリ61及び第2バッテリ62を切り替えて、ハイレートでの充電又は放電を行うため、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の両方の劣化を回復できる。
また、ECU70が、通常制御時におけるハイレートでの放電電力又は充電電力と、回復制御時におけるハイレートでの充電電力又は放電電力とを対応させることにより、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の劣化が、効果的に回復する。
また、ハイブリッド車100は、ジェネレータ42を備え、ジェネレータ42の発電電力が、第1バッテリ61及び第2バッテリ62のそれぞれに供給されるから、電池ユニット110の充電機会が、モータ41による回生発電時に限定されない。ECU70は、電池ユニット110の放電過多による劣化を回復させる機会を増やすことができる。
(制御の変形例)
図7及び図8の制御例では、回復制御時に、第1バッテリ61の劣化が回復したことを条件に、回復制御の対象が、第1バッテリ61から第2バッテリ62へ切り替わる。これとは異なり、第1バッテリ61又は第2バッテリ62の回復制御を、時間の経過に基づいて切り替えてもよい。
図9及び図10は、変形例に係る制御の流れを示している。図9は、電池ユニット110の放電要求があった場合の制御の流れであり、図10は、電池ユニット110の充電要求があった場合の制御の流れである。
図9のフローのスタート後のステップS21において、ECU70は、充電過多フラグF1が1であるか否かを判断する。ステップS21の判断がYESの場合、回復制御が必要であるとして、プロセスはステップS22へ進み、ステップS21の判断がNOの場合、回復制御が不要であるとして、プロセスはステップS29へ進む。
ステップS29~S212において、ECU70は、通常制御を実行する。つまり、ステップS29において、ECU70は、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の両方から放電を行って、モータ41へ電力を供給する。続くステップS210においてECU70は、ハイレート放電要求があったか否かを判断する。ステップS210の判断がNOの場合、プロセスはリターンする。ステップS210の判断がYESの場合、プロセスはステップS211へ進む。ステップS211において、ECU70は、放電過多フラグF2を0から1にする。続くステップS212において、ECU70は、ハイレート放電電力を積算する。
一方、ステップS22~S28において、ECU70は、回復制御を実行する。ECU70は先ず、ステップS22において、第1バッテリ61のみから放電を行う。第1バッテリ61は、ハイレートで放電する。続くステップS23において、ECU70は、第1バッテリ61の劣化が解消したか否かを判断する。この判断は、前述した図7のステップS3と同じであり、ハイレート充電電力の積算値(図2の上図に例示する網掛け部分参照)に対応する放電が行われれば、ECU70は、ステップS23においてYESと判断する。ステップS23の判断がNOの場合、プロセスはステップS24に進む。ステップS23の判断がYESの場合、プロセスはステップS25へ進む。
ステップS24においてECU70は、第1バッテリ61に対する回復制御を開始してから所定時間が経過したか否を判断する。ステップS24の判断がNOの場合、プロセスはステップS22に戻り、第1バッテリ61に対する回復制御を継続する。ステップS24の判断がYESの場合、プロセスはステップS25へ進む。従って、ハイレート充電電力の積算値に対応するだけの放電が行われなくても、時間が経過すれば、回復制御の対象が、第1バッテリ61から第2バッテリ62へ切り替わる。
ステップS25において、ECU70は、第2バッテリ62のみから放電を行う。第2バッテリ62は、ハイレートで放電する。続くステップS26において、ECU70は、第2バッテリ62の劣化が解消したか否かを判断する。ハイレート充電電力の積算値に対応する放電が行われれば、ECU70は、ステップS26においてYESと判断する。ステップS26の判断がNOの場合、プロセスはステップS27へ進み、ステップS26の判断がYESの場合、プロセスはステップS28へ進む。
ステップS27においてECU70は、第2バッテリ62に対する回復制御を開始してから所定時間が経過したか否を判断する。ステップS27の判断がNOの場合、プロセスはステップS25に戻り、第2バッテリ62に対する回復制御を継続する。ステップS27の判断がYESの場合、プロセスはステップS22へ戻り、制御対象が切り替わる。
従って、所定時間毎に、制御対象が第1バッテリ61と第2バッテリ62との間で切り替わりながら、回復制御が実行される。そして、第1バッテリ61及び第2バッテリ62それぞれの劣化が解消されれば、プロセスはステップS28へ移行する。
ステップS28においてECU70は、第1バッテリ61及び第2バッテリ6の回復制御が完了したため、充電過多の劣化が回復したとして、充電過多フラグF1を1から0にする。
図10のフローのスタート後のステップS31において、ECU70は、放電過多フラグF2が1であるか否かを判断する。ステップS31の判断がYESの場合、回復制御が必要であるとして、プロセスはステップS32へ進み、ステップS31の判断がNOの場合、回復制御が不要であるとして、プロセスはステップS39へ進む。
ステップS39~S312において、ECU70は、通常制御を実行する。つまり、ステップS39において、ECU70は、モータ41又はジェネレータ42の発電電力を、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の両方へ供給し、第1バッテリ61及び第2バッテリ62を充電する。続くステップS310においてECU70は、ハイレート充電要求があったか否かを判断する。ステップS310の判断がNOの場合、プロセスはリターンする。ステップS310の判断がYESの場合、プロセスはステップS311へ進む。ステップS11において、ECU70は、充電過多フラグF1を0から1にし、続くステップS312において、ECU70は、ハイレート充電電力を積算する。
一方、ステップS32~S38において、ECU70は、回復制御を実行する。ECU70は先ず、ステップS32において、第1バッテリ61のみへ充電を行う。第1バッテリ61は、ハイレートで充電される。続くステップS33において、ECU70は、第1バッテリ61の劣化が解消したか否かを判断する。ステップS33の判断がNOの場合、プロセスはステップS34へ進む。ステップS33の判断がYESの場合、プロセスはステップS34へ進む。
ステップS34においてECU70は、第1バッテリ61に対する回復制御を開始してから所定時間が経過したか否を判断する。ステップS34の判断がNOの場合、プロセスはステップS32に戻り、第1バッテリ61に対する回復制御を継続する。ステップS34の判断がYESの場合、プロセスはステップS35へ進む。
ステップS35において、ECU70は、第2バッテリ62のみへ充電を行う。第2バッテリ62は、ハイレートで充電される。続くステップS36において、ECU70は、第2バッテリ62の劣化が解消したか否かを判断する。ステップS36の判断がNOの場合、プロセスはステップS37へ進む。ステップS36の判断がYESの場合、プロセスはステップS38へ進む。
ステップS37においてECU70は、第2バッテリ62に対する回復制御を開始してから所定時間が経過したか否を判断する。ステップS37の判断がNOの場合、プロセスはステップS35に戻り、第2バッテリ62に対する回復制御を継続する。ステップS37の判断がYESの場合、プロセスはステップS32へ戻り、制御対象が切り替わる。
第1バッテリ61及び第2バッテリ62の両方の劣化が回復すれば、ステップS38においてECU70は、第1バッテリ61及び第2バッテリ6の回復制御が完了したため、放電過多フラグF2を1から0にする。
電池ユニット110に対する充電要求及び放電要求は、ハイブリッド車100の走行状態に応じて定まる。第1バッテリ61又は第2バッテリ62の劣化の回復を待って、回復制御の対象を切り替える場合、一方のバッテリの劣化が回復されたとしても、他方のバッテリの回復制御の実行機会が無くなることもあり得る。制御の経過時間に応じて、回復制御の対象を切り替えることによって、第1バッテリ61及び第2バッテリ62のそれぞれについて、劣化の回復を図ることが可能になる。
(システムの変形例)
図11は、ハイブリッド車101の第1変形例を示している。このハイブリッド車101は、コンバータの数を減らすことができる。ハイブリッド車101は、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の二つのバッテリに対して、共通の一つのコンバータ73を有している。このハイブリッド車101は、コンバータの数を減らすことができる。
電池ユニット111は、第1バッテリ61及び第2バッテリ62を直列に接続する直列ライン63を有している。第1バッテリ61の正極は、直列ライン63を介してコンバータ73に接続されている。第1バッテリ61の負極は、コンバータ73に接続されていると共に、コンバータ73をバイパスして、第1インバータ51及び第2インバータ52に接続されている。第2バッテリ62の正極は、コンバータ73をバイパスして、第1インバータ51及び第2インバータ52に接続されている。第2バッテリ63の負極は、直列ライン63を介してコンバータ73に接続されている。
第1バッテリ61、第2バッテリ62、及びコンバータ73の間には、第1スイッチ31、第2スイッチ32及び第3スイッチ33が設けられている。第1スイッチ31は、第1バッテリ61の負極に接続されたラインに設けられている。第2スイッチ32は、直列ライン63に設けられている。第3スイッチ33は、第2バッテリ62の正極に接続されたラインに設けられている。これらのスイッチ31~33のオン/オフが切り替わることによって、電池ユニット111は、第1バッテリ61及び第2バッテリ62が直列に接続された状態で、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の充電又は放電が行われる状態(通常制御時)と、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の直列接続が解除された状態で、第1バッテリ61の充電又は放電が行われる状態、又は、第2バッテリ62の充電又は放電が行われる状態(回復制御時)と、が切り替わる。
尚、第1変形例に係るハイブリッド車101の制御は、前述した図7~10のフローチャートに準じて行われる。
図12は、ハイブリッド車102の第2変形例を示している。このハイブリッド車102は、インバータを合計四つ有している。ハイブリッド車102は、コンバータを備えておらず、各インバータは、コンバータの機能も有している。
電池ユニット112は、第1バッテリ61及び第2バッテリ62を有している。第1バッテリ61は、第1インバータ51及び第2インバータ52に接続され、第2バッテリ62は、第3インバータ53及び第4インバータ54に接続されている。第1インバータ51及び第3インバータ53は、モータ41に対して並列に接続され、第2インバータ52及び第4インバータ54は、ジェネレータ42に対して並列に接続されている。
ECU70が、第1インバータ51、第2インバータ52、第3インバータ53及び第4インバータ54の動作を制御することにより、第1バッテリ61及び第2バッテリ62の両方について充電又は放電が行われる状態(通常制御時)と、第1バッテリ61の充電又は放電が行われる状態、又は、第2バッテリ62の充電又は放電が行われる状態(回復制御時)と、が切り替わる。
尚、第2変形例に係るハイブリッド車102の制御は、前述した図7~10のフローチャートに準じて行われる。
100 ハイブリッド車(車両)
101 ハイブリッド車(車両)
102 ハイブリッド車(車両)
110 電池ユニット
111 電池ユニット
112 電池ユニット
31 第1スイッチ
32 第2スイッチ
33 第3スイッチ
41 モータ(駆動ユニット)
42 ジェネレータ(発電機)
61 第1バッテリ
62 第2バッテリ
63 直列ライン
70 ECU(制御器)
71 第1コンバータ
72 第2コンバータ
73 コンバータ

Claims (6)

  1. 車両に搭載されかつ、前記車両を走行させる駆動力を発生する駆動ユニットと、
    前記駆動ユニットに対して並列に接続された複数のバッテリであって、それぞれ充放電可能な複数のバッテリを有する電池ユニットと、
    通常制御時に、前記車両の走行状態に対応する充電要求又は放電要求に応じて前記電池ユニットの充放電を制御する制御器と、を備え、
    前記制御器は、
    前記通常制御において、前記電池ユニットが、充電レートが放電レートよりも高い充電過多、又は、放電レートが充電レートよりも高い放電過多であることを判定し、
    前記電池ユニットが充電過多である場合は、前記電池ユニットの放電要求時に、前記複数のバッテリの内の一部のバッテリのみを使ってハイレートで放電する回復制御を行い、
    前記電池ユニットが放電過多である場合は、前記電池ユニットの充電要求時に、前記複数のバッテリの内の一部のバッテリのみに対してハイレートで充電する回復制御を行う、
    車両用電池ユニット制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用電池ユニット制御装置において、
    前記複数のバッテリが並列に接続されかつ、前記複数のバッテリのそれぞれに対して発電電力を供給する発電機を備え、
    前記制御器は、前記電池ユニットが放電過多である場合の回復制御時に、前記複数のバッテリの内の一部のバッテリのみに対して前記発電機の発電電力を供給する、
    車両用電池ユニット制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用電池ユニット制御装置において、
    前記制御器は、前記通常制御時に、前記電池ユニットの、ハイレートでの放電電力又はハイレートでの充電電力を積算し、
    前記制御器はまた、前記回復制御時に、積算した放電電力に対応するハイレートでの充電、又は、積算した充電電力に対応するハイレートでの放電を行う、
    車両用電池ユニット制御装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用電池ユニット制御装置において、
    前記制御器は、回復制御時に、複数のバッテリを切り替えて、ハイレートでの充電又は放電を行う、
    車両用電池ユニット制御装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用電池ユニット制御装置において、
    前記複数のバッテリのそれぞれに対応すると共に、前記駆動ユニットに対して並列に接続された複数のコンバータを備え、
    前記制御器は、前記通常制御時には、前記複数のコンバータを使って複数のバッテリの充電又は放電を行い、前記回復制御時には、前記一部のコンバータを使って前記一部のバッテリの充電又は放電を行う、
    車両用電池ユニット制御装置。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用電池ユニット制御装置において、
    前記駆動ユニットに接続されると共に、前記複数のバッテリに共通のコンバータを備え、
    前記電池ユニットは、前記複数のバッテリを直列に接続する直列ラインと、当該直列ラインを断接するスイッチとを有し、
    前記制御器は、前記通常制御時には、前記複数のバッテリを直列接続した状態で、前記コンバータを使って前記複数のバッテリの充電又は放電を行い、前記回復制御時には、前記複数のバッテリの直列接続を解除した状態で、前記コンバータを使って前記一部のバッテリの充電又は放電を行う、
    車両用電池ユニット制御装置。
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