JP2023060433A - 芳香カートリッジ - Google Patents

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【課題】ユーザの健康志向に応えることが可能な芳香カートリッジを提供する。【解決手段】加熱手段を有する吸引器具に装着され、前記加熱手段によって加熱されることによりエアロゾルを発生させる、非タバコ植物からなる芳香カートリッジにおいて、筒状の包装部材と、前記包装部材の一端側に収容された、加熱されることによって、芳香成分を含有するエアロゾルを発生させる芳香基材と、所定の効用を有する効用剤と、を有し、前記効用剤は、少なくとも5-アミノレブリン酸を含むことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、電気的加熱手段を有する吸引器具に装着され、当該電気的加熱手段によって加熱されることによって芳香成分を含有するエアロゾルを発生させることが可能な芳香カートリッジに関する。
近年、タバコの禁煙の傾向に合わせるために、火炎を用いることなく、タバコの成分を含むカートリッジを加熱して、気化したタバコ成分を吸引することで、タバコを楽しむための電子タバコ製品が普及し始めている。また、このような電子タバコ用カートリッジとして、非タバコ植物を使用したもの開発されている(特許文献1)。
特開2019-95号公報
上記特許文献1のような非タバコ植物を使用したカートリッジは、タバコ植物を含むカートリッジと比較して健康被害が少ない。一方、非タバコ植物を使用したカートリッジには、喫煙することで健康的になりたいというユーザからのニーズがあり、更なる改善の余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザの健康志向に応えることができる芳香カートリッジを提供することを目的とする。
本発明は、加熱手段を有する吸引器具に装着され、前記加熱手段によって加熱されることによりエアロゾルを発生させる、非タバコ植物からなる芳香カートリッジにおいて、筒状の包装部材と、前記包装部材の一端側に収容された、加熱されることによって、芳香成分を含有するエアロゾルを発生させる芳香基材と、所定の効用を有する効用剤と、を有し、前記効用剤は、少なくとも5-アミノレブリン酸を含むことを特徴とする。
本発明の芳香カートリッジによれば、5-アミノレブリン酸を含み非タバコ材料からなる芳香基材を用いた芳香カートリッジを用いて喫煙することで、ユーザは、タバコ材料による健康被害を防止しつつ、5-アミノレブリン酸による所定の効用を体感することができ、ユーザの健康志向に応えることができる。
本発明の一実施形態に係る芳香カートリッジの斜視図である。 芳香カートリッジの展開斜視図である。 図1のA-A線に沿った拡大断面図である。 芳香カートリッジの斜視図である。 図1の芳香基材の製造工程を示すフロー図である。 図5の原料(A2)製造工程を示すフロー図である。 図1の芳香基材の他の製造工程を示すフロー図である。 実施形態2に係る芳香カートリッジの斜視図である。 実施形態3に係る芳香カートリッジの斜視図である。 実施形態4に係る芳香カートリッジの斜視図である。 実施形態5に係る芳香カートリッジの斜視図である。 実施形態6に係る芳香カートリッジの斜視図である。 実施形態7に係る芳香カートリッジの斜視図である。 実施形態8に係る芳香カートリッジの斜視図である。 実施形態9に係る芳香カートリッジの斜視図である。 他のカプセルの形態を示す実施形態9に係る芳香カートリッジの斜視図である。
[実施形態1]
以下、図面を参照して、本発明に係る芳香カートリッジの、一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る芳香カートリッジの斜視図である。図2は、芳香カートリッジの展開斜視図である。図3は、図1のA-A線に沿った拡大断面図である。図4は、本実施形態に係る芳香カートリッジの斜視図である。
[芳香カートリッジ100の構成]
図1及び図2に示すように、芳香カートリッジ100は、加熱式タバコのカートリッジに用いることができる。以下、芳香カートリッジ100が、電気的加熱手段を有する吸引器具である加熱式タバコに用いられるカートリッジである例について説明する。
芳香カートリッジ100は、筒状のカバー10と、カバー10の一端側に収容された芳香基材20と、カバー10の他端側に収容されたフィルタ30と、カバー10に収容され、かつ芳香基材20及びフィルタ30の間に配された支持部材40と、を備える。本実施例においては、芳香基材20、支持部材40及びフィルタ30は、カバー10の一端側から他端側に向かって軸方向に沿って配設されている。
カバー10は、芳香基材20を覆う巻紙11と、巻紙11の外側から芳香基材20、支持部材40及びフィルタ30を覆う基材12と、基材12の外側からフィルタ30の外周部分を更に覆うチップペーパー13とで構成されている。基材12は、巻紙11及びチップペーパー13と接着や熱融着などの手段で接合されている。
巻紙11、基材12及びチップペーパー13は、例えば、紙、合成樹脂フィルム、金属箔などによって構成することができ、これらがラミネートされた複合シートであってもよい。また、巻紙11、基材12及びチップペーパー13の内面には、接着剤層やホットメルト層などの接着又は融着可能な層が形成されていてもよい。
本実施形態において、巻紙11は、芳香基材20をまとめて柱状に形成する役割をなす。基材12は、芳香基材20、支持部材40及びフィルタ30を連結する役割をなす。チップペーパー13は、ユーザが芳香カートリッジ100を口で咥える部分(マウスピース)を補強する役割をなす。尚、カバー10は、巻紙11、基材12及びチップペーパー13が個別に構成されるものに限定されるものではなく、例えば、巻紙11、基材12及びチップペーパー13が一体化された一枚のシートで構成されていてもよい。
本実施例においては、図2及び図3にも示すように、芳香基材20、支持部材40及びフィルタ30は、カバー10の一端側から他端側に向かって軸方向に沿って配設されている。
芳香基材20は、例えば、棒状、短冊状、粉体状、顆粒状、ペレット状、小片状、シート状、繊維状、多孔質状、ペースト状、またはブロック状の構成要素の集合体である。本実施形態においては、芳香基材20は、短冊状の構成要素によって全体として円筒状に形成されている。
芳香基材20は、加熱式喫煙具の電気的加熱手段によって加熱されることにより、エアロゾルを発生させることが可能である。芳香基材20としては、タバコ植物に限らず、非タバコ植物を原料とする植物の粉砕乾燥物と、エアロゾルを発生させることが可能なエアロゾルフォーマと、加熱されることによって溶融する熱融解性物質とを含有するものが好ましく用いられる。芳香基材20の構成については後述する。
フィルタ30は、芳香基材20から発生する主流煙又は、エアロゾルに対して一定の通気性を有し、かつ主流煙又はエアロゾルに含まれている固形粒子を捕捉し、有害成分などを吸着する機能を有するものが好ましく用いられる。フィルタ30の形状は、特に限定されず、カバー10で包むことができる形状であればよい。
フィルタ30としては、例えば、アセテート繊維を用いたアセテートフィルタ、アセテートフィルタに活性炭を含有するチャコールフィルタ、フィルタ30の外周面からカバー10の軸方向に亘って凹んで形成されている複数の溝を有するAFT(Advanced Filter Technology)(登録商標)などを用いることができる。本実施形態においては、フィルタ30は、カバー10の基材12の内周面に接着、溶着などの固定手段によって固定されている。
支持部材40は、図2及び図3にも示すように、芳香基材20とフィルタ30との間に位置し、それぞれに隣接して配されている。支持部材40は、カバー10の内周面の形状に応じた外周面を有する形状であり得る。本実施形態においては、支持部材40は、全体として円筒状に形成されている。支持部材40は、カバー10に接着、溶着などの固定手段で固定され、本実施形態においては、基材12の内周面に固定されている。
支持部材40は、その一端側から他端側に通気可能な構造を有し、かつ芳香基材20の他端側への移動を規制する機能があれば、その形状は限定されない。
支持部材40は、本実施形態においては、その軸方向に貫通する1又は複数の通気路41を有する。通気路41は、本実施形態においては、支持部材20の外周面において、周方向に等間隔、かつ軸方向に沿って形成された4つの凹状の溝及びカバー10の内周面によって画定されている。
また、通気路41は、例えば、支持部材40の一端面から他端面にかけて、軸方向に貫通するように形成された1又は複数の貫通孔で構成されていてもよい。通気路41は、例えば、支持部材40の軸心に沿って形成された中央の通気路と、この中央の通気路を囲むように、周方向に並んで配置され、同じく軸方向に貫通するように形成された複数の通気路とで構成されていてもよい。
また、支持部材40は、隔壁の端面形状が六角形で軸方向に貫通する通気路を複数有するハニカム構造体などで構成されていてもよい。更に、支持部材40は、例えば、連続気泡が形成されている多孔質体で構成されていてもよい。
支持部材40は、カバー10の軸方向の一方又は、両方の端面、好ましくは芳香基材20側に配される端面において、吸引器具の電気的加熱手段を挿入された際に、芳香基材20のカバー10の軸方向への移動を規制可能な形状をなしていることが好ましい。ここで、芳香基材20のカバー10の軸方向への移動を規制可能な形状とは、例えば、芳香基材20の材料の移動が実用上の支障がない程度に規制できる形状であればよい。
支持部材40がこのように形成されていることにより、加熱式喫煙具の芳香基材20を加熱する電気的加熱手段が芳香カートリッジ100の一端側から挿入された際に、支持部材40が芳香基材20の他端側への移動を規制する。言い換えれば、支持部材40は、芳香基材20を支持することができる。
また、支持部材40は、芳香基材20から発生された芳香成分を含有するエアロゾルが通過する際に、高温のエアロゾルを冷却することができる。このため、支持部材40は、芳香カートリッジ100の燃焼温度又は、加熱温度に応じた耐熱性を有する部材によって形成されている。例えば、芳香カートリッジ100が加熱式喫煙具のカートリッジである場合、支持部材は、200~350℃程度の耐熱性を有する部材で形成されているとよい。
このような部材としては、例えば、紙、樹脂、ゴム、木材、金属、及び、セラミック等が挙げられるが、種々の形状に成形加工可能な樹脂であることがより好ましい。
樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル(EVA)系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、ABS系樹脂、及び、生分解性プラスチック等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、芳香カートリッジ100は使用された後は廃棄物となるため、自然環境保護という観点から生分解性プラスチックが好ましい。
生分解性プラスチックとしては、例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ブチレンサクシネート)(PBS)、及び、ポリ乳酸(PLA)等が挙げられる。
芳香カートリッジ100の芳香基材20は、吸引器具(図示せず)の電気的加熱手段によって、室温又は外気温から200℃以上の加熱目標温度に加熱される。したがって、芳香基材20は、室温又は外気温から加熱目標温度までの昇温過程を経ることになる。ユーザは、昇温過程の終了直後から芳香カートリッジ100から発せられたエアロゾルを吸引することが可能となる。
[芳香基材20の構成]
芳香基材20は、加熱されることによって芳香を発生する植物の粉砕乾燥物と、加熱されることによってエアロゾルを発生するエアロゾルフォーマと、健康志向剤(効用剤)と、を含む。したがって、芳香基材20は、加熱されることによって芳香成分を含有するエアロゾルを発生させることが可能である。尚、芳香基材20は、加熱されることによって溶融する熱融解性物質と、架橋ポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルピロリドンと、香料と、のうち少なくともいずれか1つを含有することが好ましい。
芳香基材20は、この他にも、例えば、植物の粉砕乾燥物から発せられた芳香を補助することが可能な芳香剤、芳香基材20の成形性を向上させることが可能な成形剤、エアロゾルフォーマ及び植物の粉砕乾燥物を結合して一体化することに寄与する結合剤、芳香基材20に芳香剤を寄留させることが可能な収着剤及び芳香基材20の保存性を向上させることが可能な保存剤を含んでいてもよい。
図4に示すように、芳香基材20は、健康志向剤を含まない第1の基材21と、健康志向剤を含む第2の基材22と、で構成される2つの層構造を有して形成されている。この場合、第1の基材21は、先端側に配されている。第2の基材22は、基端側に配される。
尚、第1の基材21及び第2の基材22の配置は、このような例には限定されず、例えば、第2の基材22を先端側に配置し、第1の基材21を基端側に配してもよい。また、第1の基材21及び第2の基材22を複数配置してもよい。例えば、第1の基材21及び第2の基材22を芳香カートリッジ100の軸方向に沿って交互に配置してもよい。またさらに、第1の基材21及び第2の基材22の双方に健康志向剤を含んでもよく、第1の基材21及び第2の基材22を一体に形成してもよい。
(植物の粉砕乾燥物)
植物の粉砕乾燥物としては、例えば、タバコの葉、茎の他、非タバコ植物の葉、茎、花、種子、果実、樹皮、根などが挙げられる。
植物の粉砕乾燥物は、特に、中国茶、紅茶、バラ、モクセイ科モクセイ属モクセイ種の植物、ラベンダー、サフランの花、ラッキョウ、エシャロット、ニンニク、タマネギ、コンニャクの地下茎、カリン、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、バラ科モモ属モモ種の植物、リンゴ、パイナップル、マンゴー、キンカン、メロン、ザクロ、ウメ、アンズ、ブルーベリー、バラ科オランダイチゴ属の植物、ラズベリー、バナナ、及び、ブドウの果実、シソ科ハッカ属のペパーミント系植物(ペパーミント、ニホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、及び、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが、ユーザに心地よい芳香を提供するために相応しいが、これらに限定されるものではない。
植物の粉砕乾燥物は、芳香カートリッジ100そのものから漂う香りと定義するフレグランスと、芳香カートリッジ100を加熱した際に空間に漂う香りと定義するアロマと、芳香カートリッジ100を加熱してエアロゾルと共に吸引した時に口に漂う香りと定義するフレーバの三要素を兼ね備えることが好ましい。
フレグランスを構成する植物の粉砕乾燥物(以下、フレグランス材とも称する)としては、中国茶、紅茶、バラ、モクセイ科モクセイ属モクセイ種の植物、ラベンダー、サフランの花、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
アロマを構成する植物の粉砕乾燥物(以下、アロマ材とも称する)としては、ラッキョウ、エシャロット、ニンニク、タマネギ、コンニャクの地下茎、及び、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
フレーバを構成する植物の粉砕乾燥物(以下、フレーバ材とも称する)としては、カリン、ミカン科ミカン属の植物(ダイダイ・ウンシュウミカン・ナツダイダイ・ポンカン・ハッサク・イヨカン・イーチャンレモン・カラタチ・オレンジ・マンダリンオレンジ・カボス・キシュウミカン・キノット・グレープフルーツ・コウジ・サンボウカン・シトロン・ジャバラ・スダチ・タチバナ・タンゴール・ナツミカン・ハナユズ・ヒュウガナツ・ヒラミレモン(シークヮーサー)・ブンタン(ザボン)・ユズ・ライム・レモン・コブミカン等)、バラ科モモ属モモ種の植物、リンゴ、パイナップル、マンゴー、キンカン、メロン、ザクロ、ウメ、アンズ、ブルーベリー、バラ科オランダイチゴ属の植物、ラズベリー、バナナ、ブドウの果実、シソ科ハッカ属のペパーミント系植物(ペパーミント、ニホンハッカ、アップルミント、ウォーターミント、コルシカミント、ペニーロイヤルミント等)、シソ科ハッカ属のスペアミント系植物(スペアミント、ホースミント、ミドリハッカ、チリメンハッカ、ジンジャーミント等)、イヌハッカ、コウスイハッカ(レモンバーム)、キダチハッカ(セイボリー)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、ナス科タバコ属タバコ種の植物の地上茎葉の中から選択される少なくとも一つ以上を含むことが好ましい。
(エアロゾルフォーマ)
エアロゾルフォーマは、芳香基材20が加熱されたときに、エアロゾルを発生させるために添加される。エアロゾルフォーマとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。
<健康志向剤>
健康志向剤は、ユーザの所望する健康志向に応えることが可能(所定の効用)な成分が含まれる材料である。この健康志向剤には、本実施形態では、5-アミノレブリン酸、好ましくは、5-アミノレブリン酸リン酸塩(以下、「5-ALA」ともいう。)が含まれる。5-ALAとは、感染症治療、殺菌、ヘモフィラス診断、誘導体原料、除毛、リウマチ治療、がん治療、血栓治療、癌術中診断、動物細胞培養、UVカット、ヘム代謝研究、育毛、重金属中毒ポルフィリン症診断、貧血予防などの効用(所定の効用)があり、該効用をユーザに提供する用途で用いられる薬品である。
この5-ALAは、5-アミノレブリン酸のリン酸塩である。ここで、5-ALAに対し、5-アミノレブリン酸の塩酸塩は、気化して塩化水素を発生させ、吸引器具である加熱式タバコを腐食させる虞がある。したがって、5-アミノレブリン酸のリン酸塩である5-ALAを用いることで、加熱式タバコの腐食を軽減させることができる。
(熱融解物質)
熱融解性物質は、比較的低温で溶解して、芳香基材20から発生する芳香成分を溶解させ、気化させて、エアロゾルフォーマと一緒に発散されやすくするために添加される。また、熱溶融性物質は、常温では芳香源材及び/又は芳香剤を固定させる役割もなす。
熱融解物質は、融点が50~100℃の範囲にあり、好ましくは、50~80℃の範囲にあり、より好ましくは60~67℃の範囲にある。熱融性解物質の融点が50℃未満であると、夏場などの気温の高い時期に熱溶融性物質が溶解して、べた付きが生じる恐れがある。また、熱融性解物質の融点が100℃を超えると、芳香基材の昇温過程の初期の段階で熱融性解物質が十分に融解されず、加熱式喫煙具による昇温過程終了直後のエアロゾルの芳香が不足する傾向がある。
尚、熱融解物質の融点は、例えば、JIS K2235に規定されるパラフィンワックスの融点測定方法に準拠して測定することができる。すなわち、所定の融点試験器を用い、融かした試料を試験官に入れ、15秒ごとに融点測定用温度計の示度を読みとり、温度降下が一定範囲内(0.1℃以内の差が5回続いた時)にあるときの温度を融点として測定することができる。
熱融解物質は、粉末状であることが好ましい。熱融解物質の平均粒径は、125~355μmであることが好ましく、150~300μmであることがより好ましく、180~250μmであることがより更に好ましい。尚、平均粒径は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置などによって測定することができる。本発明における平均粒径とは、メディアン径を意味するものとする。
熱融解物質の平均粒径が大きすぎると、その総表面積が小さくなるため、熱源との接触機会が減少する。その結果、熱融解物質が十分に溶融されず、昇温過程終了直後におけるエアロゾル中の芳香成分の濃度が低減する傾向がある。
熱融解物質の外径が小さすぎると、後述する芳香基材20に熱融解物質が分散した海島構造を形成することが困難となる。その結果、熱融解物質の各々が凝集した塊状物として芳香基材20に存在するため、熱源との接触による融解速度が低下する領域ができ、昇温過程終了直後におけるエアロゾル中の芳香成分の濃度が低減する傾向がある。熱融解性物質は、芳香基材20において2~20質量%、好ましくは、3~15質量%、より好ましくは、5~15質量%含有されていることが好ましい。
芳香源材、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の配合量は、煙成分及び芳香成分の揮発量の均衡を取るために、それぞれ、55~75質量%、20~40質量%、及び、2~15質量%であることが好ましく、60~70質量%、25~35質量%、3~10質量%であることがより好ましい。
熱融解物質は、「加熱されることによって、融点又は軟化点を示し、非ニュートン流体となる有機化合物」であれば特に限定されるものではない。熱融解物質は、一般的に蝋及びワックスと称される有機化合物が好ましく、蝋及びワックスとして代表的な石油系天然ワックス、合成ワックス、植物系天然蝋及び動物系天然蝋を使用することができる。また、蝋及びワックスとしても使用されるロジンが属する各種タッキファイアー(粘着付与剤)を使用することができる。これらは、単体で使用することも、これらの中から選択される少なくとも一つ以上を含む混合物として使用することもできる。
熱融解物質としては、好ましい融点を有する点や、風味付与の点から、植物系天然蝋や動物系天然蝋が好ましく使用される。植物系天然蝋としては、例えば、ハゼ蝋、ウルシ蝋、カルナウバ蝋、サトウキビ蝋、パーム蝋、カンデリラ蝋などを用いることができる。また、動物系天然蝋としては、蜜蝋、鯨蝋、イボタ蝋、羊毛蝋、シェラックなどを用いることができる。これらは、本発明で規定する融点が50~100℃の範囲のものを得やすく、また、それ自体好ましい風味を有しているので、エアロゾルの芳香を高めることができる。これらの天然蝋の中でも、カルナウバ蝋、蜜蝋、ワセリン、パラフィンワックスが特に好ましく、融点が62~65℃で芳香成分を豊富に含有する蜜蝋が最も好ましい。
植物系天然蝋及び動物系天然蝋は、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルが主成分である。植物系天然蝋及び動物系天然蝋は、様々な炭素数の脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステルの混合物であり、遊離の脂肪酸及び遊離の脂肪族アルコールや炭化水素等も含まれている。したがって、植物系天然蝋及び動物系天然蝋は、分子量分布が広く、融点の温度域が広く、融解時の粘性が高いという特徴がある。
石油系天然ワックスは、炭化水素化合物であるため、芳香成分及びエアロゾルフォーマとの相互作用が小さく、風味に悪影響を与えにくいという利点を有している。石油系天然ワックスとしては、例えば、ワセリン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等を好ましく使用することができる。
これらの石油系天然ワックス、分子構造に基づく融点の温度域に差異がある。ワセリンは、分岐状炭化水素と脂環式炭化水素の混合物であり、融点の温度域の幅が36~60℃と広い。
パラフィンワックスは、直鎖状炭化水素が主成分であり、結晶性が高く、40~70℃の融点を示すものがほとんどであり、融点の温度域の幅が狭い。
マイクロクリスタリンワックスは、分岐状炭化水素と飽和環状炭化水素の混合物であり、結晶性は低いが、分子量が高く、これらの中では最も高い60~90℃の融点を示し、融点の温度域の幅もワセリンに次いで広い。
これらの石油系天然ワックスは、いずれも、原油から抽出された炭化水素化合物である。パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスは、熱融解時の溶融粘度及び表面エネルギーが低く、かつ芳香成分及びエアロゾルフォーマとの相互作用も少ない。
このようなパラフィンワックスとしては、例えば、日本精蝋株式会社製の標準品であるParaffin Wax-115、120、125、130、135、140、145、150、155があり、そのいずれも好ましく用いられる。また、特殊なパラフィンワックス、例えば、日本精蝋株式会社製の特製品である高純度精製パラフィンワックスであるHNP系列品、特定用途向けのSP系列品、特殊な製法で製造されたイソパラフィンが主成分のEMW系列品も好ましく用いられる。また、マイクロクリスタリンワックスは、例えば、日本精蝋株式会社製のHi-Micシリーズのいずれも好ましく用いられる。
合成ワックスとしては、例えば、フィッシャー-トロプシュ(Fischer-Tropsch)ワックス、ポリエチレン(PE)ワックス、変性PEワックス、ポリプロピレン(PP)ワックス、変性PPワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等を好ましく使用することができる。
特に、フィッシャー-トロプシュワックスは直鎖状炭化水素系有機化合物であるため、熱融解時の溶融粘度及び表面エネルギーが低く、かつエアロゾルフォーマや芳香成分との相互作用も小さい。フィッシャー-トロプシュワックスとしては、中融点品C80等(融点:約85~88℃)等を使用することができる。
また、PEワックス並びに変性PEワックス、及び、PPワックス並びに変性PPワックスも、炭化水素化合物であり、好ましく使用することができる。具体的には、三井化学株式会社製「ハイワックス(登録商標)」、三洋化成工業株式会社製「サンワックス」、「ビスコール」等、BYK製「CERAFAK(登録商標)929、950、913,914、915」等を好ましく使用することができる。
特に、メタロセン触媒ポリオレフィンワックスは、分子量分布が狭くより好ましい。例えば、メタロセン触媒PEワックスである三井化学株式会社製「エクセレックス(登録商標)」は、分子量分布及び組成分布が狭いため、89~128℃の融点を有するが、熱融解時の溶融粘度が低く、このようなポリオレフィン系ワックスとして非常に優れている。
また、熱融解物質としては、上記の他に、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコールなどを用いることもできる。脂肪酸アミドとしては、モノアミドとビスアミドが適している。モノアミドとしては、ステアリン酸モノアミド、オレイン酸モノアミド、エルカ酸モノアミドが、約72~105℃の融点を有しており好ましい。
本発明の芳香カートリッジ100には、健康志向剤の他に、カテキン、カフェイン、テアニン等の他の生理活性物質や、メントール等の清涼化剤や、コーヒーエキス等の風味料や、香料等を含有させることもできる。
(清涼化剤)
清涼化剤としては、例えば、メントール、メントール誘導体、メントン、メントン誘導体、メンタンカルボン酸アミド、2,3-ジメチル-2-(2-プロピル)-酪酸誘導体、メンタン、メンタン誘導体、L-カルボン、キシリトール、ユーカリ精油、ハッカ油、スペアミント精油、スピラントール等を使用することできる。
(香料)
香料としては、天然香料、合成香料、調合香料の何れも使用できる。また、フレーバー(食品添加物)でも、フレグランス(化粧品香料)でも使用できる。
該香料の香りの種類としては、シトラス系、フローラル系、フルーツ系、ミルク系、シプレー系、オリエンタル系、(嗜好)飲食品系、既製(嗜好)喫煙具系、バニラ系、ミント系、甘味料系、スパイス系、ナッツ系、酒類系が挙げられる。
中でも、シトラス系、フルーツ系、ミント系等の清涼感を感じる香料;チョコレート、ミルク、コーヒー等の(嗜好)飲食品系等のリラックスを感じる香料;バニラ系、フローラル系、甘味料系等の甘味を感じる香料;等が好ましい。
(収着剤)
本発明では、芳香基材20の温度がエアロゾルフォーマ及び芳香源材が揮発する最適な温度になる前に、清涼化剤や香料などが揮発することを防止するために収着剤を用いるとよい。収着剤は、上述のように、被加熱芳香発生材20に清涼化剤や香料などの芳香剤を寄留させることができる。
収着剤の好ましい態様の1つとして、当該化合物を吸着することにより芳香発生基材20に寄留させる収着剤を用いることができる。例えば、当該化合物がメントールである場合、メントールは、フェノール性水酸基を有する。したがって、収着剤としては、フェノール性水酸基を吸着することが可能な、例えば、架橋ポリビニルピロリドン(PVPP:Polyvinylpolypyrrolidone)、ポリビニルピロリドン(PVP:Polyvinylpyrrolidone)等の親水性架橋高分子を用いることができる。
また、例えば、当該化合物がニコチンである場合、ニコチンは、窒素を含む5員複素環式化合物を有する。したがって、収着剤としては、窒素を含む5員複素環式化合物と相互作用が形成されると考えられる架橋PVPを用いることができる。
収着剤に架橋PVP及び/又はPVPを用いる場合、収着剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の総量100質量%に対し、4~25質量%含有されているとよく、5~20質量%含まれることがより好ましい。
また、収着剤としては、当該化合物を包摂することにより芳香発生基材20に寄留させる収着剤を用いることができ、そのような収着剤としては、シクロデキストリンを用いることができる。
シクロデキストリンは、様々な大きさの水酸基やカルボキシル基を有する化学物質と包接化合物を作ることが知られており、α、β、及び、γ-シクロデキストリンのうち、いずれも用いることができる。特に、β-シクロデキストリンは、メントールと包接化合物を形成し、メントールに対する収着剤として最適である。
収着剤にシクロデキストリンを用いる場合、収着剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の総量100質量%に対し、0.1~1.2質量%含有されているとよく、0.2~1.0質量%含有されていることがより好ましい。
また、収着剤は、5-ALAを吸着保持させる役割もなす。
尚、収着剤としては、PVPP及びシクロデキストリンの両者を含んでいることが更に好ましい。
(成形剤)
成形剤は、芳香基材20の物理的強度を補強するために用いられる。成形剤としては、例えば、セルロース繊維、微結晶セルロースなどを用いることができる。
セルロース繊維としては、例えば、サトウキビ、タケ、ムギ、コメ、エスパルト、ジュート、麻、木材などのセルロース繊維が好ましく用いられる。これらのセルロース繊維の繊維径は、5~25μmが好ましく、また繊維長は、0.25~6mmが好ましい。このような範囲の繊維径及び繊維長のセルロース繊維を用いることにより、芳香基材20の構成成分を結束する効果を高めることが可能となる。
また、微結晶セルロースは、平均粒径が70~120μmであることが好ましい。微結晶セルロースの平均粒径が70μm未満であると、芳香基材20の収縮の抑制及び芳香基材20と成形加工機との癒着の防止を図ることが困難となる傾向がある。微結晶セルロースの平均粒径が、120μmを超えると、芳香基材20が破断し易くなる傾向がある。尚、微結晶セルロースの平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置によって測定することができる。本発明における平均粒径とは、メディアン径を意味するものとする。
また、微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)は、20,000~60,000であることが好ましい。微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)が20,000未満であると、芳香基材20の収縮を抑制する効果が乏しくなる傾向がある。微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)が、60,000を超えると、芳香基材20が破断し易くなる傾向がある。
成形剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の総量100質量%に対し、2~25質量%含有されているとよく、好ましくは、3~20質量%含まれるとよい。成形剤がこのような態様で芳香基材20に含有されることによって、上記機能を果たすと共に、成形剤が芳香源材及びエアロゾルフォーマの揮発物の発生の弊害となることを防止することができる。
(結合剤)
結合剤は、芳香基材を構成する芳香源材、エアロゾルフォーマ、熱融解性物質などの原料を結着させるために用いられる。結合剤としては、例えば、多糖類系高分子、セルロース系高分子、炭酸カルシウムなどを用いることができる。
多糖類系高分子としては、例えば、コンニャクマンナン(グルコマンナン)、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、アラビアゴム、大豆多糖類、ローカストビーンガム、カラヤガム、キサンタンガム、寒天等を用いることができる。多糖類系高分子は、強度及び上記成形加工性という観点から、グルコマンナン、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、及び、キサンタンガムが好ましく、中性多糖類のグルコマンナン、グアーガム、タマリンシードガム、及び、ローカストビーンガムがより好ましい。
セルロース系高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、CMCのナトリウム塩、CMCのカリウム塩、CMCのカルシウム塩、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカルシウム塩等を用いることができる。セルロース系高分子は、芳香基材20の強度及び成形加工性という観点から、CMCのナトリウム塩、CMCのカリウム塩、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカリウム塩が好ましい。
結合剤としては、多糖類系高分子と、セルロース系高分子とを併用することが好ましい。この場合、多糖類系高分子としては、グルコマンナン、グアーガム、タマリンシードガム、ローカストビーンガムを用いることが好ましい。また、セルロース系高分子としては、CMCのナトリウム塩、CMCのカリウム塩、カルボキシエチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシエチルセルロースのカリウム塩を用いることが好ましい。このように、多糖類系高分子と、セルロース系高分子とを併用することにより、芳香基材20の強度及び成形加工性の向上を図ることができる。
結合剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、熱融解物質の総量100質量%に対し、5~30質量%含有されていることが好ましく、8~28質量%含有されていることがより好ましい。このような含有量で結合剤が芳香基材20に含有されていることにより、芳香基材20の強度及び成形加工性を向上させることができ、芳香源材及びエアロゾルフォーマの揮発物の発生等への悪影響を回避することができる。
また、本発明の芳香基材20においては、結合剤と成形剤の両方が含有されていることが好ましい。この場合、結合剤と成形剤の配合比は、質量比で1:1~1:25であることが結束効果の上で好ましい。
(保存剤)
被加熱芳香発生カートリッジを長期的に保存するために、保存剤を用いるとよい。保存剤としては、例えば、ソルビン酸カリウム及び/又は安息香酸ナトリウムを用いることができる。保存剤は、芳香源材、エアロゾルフォーマ、及び、熱融解物質の総量100質量%に対し、0.005~0.04質量%含まれていることが好ましい。
次に、芳香基材20の第2の基材22の製造方法について説明する。図5は、芳香基材20の第2の基材22の製造工程の一実施形態を示している。図5に示すように、フレグランスを構成する植物の粉砕乾燥物であるフレグランス材、フレーバを構成する植物の粉砕乾燥物であるフレーバ材等を含む原料(A)及びアロマを構成する植物の粉砕乾燥物であるアロマ材等を含む原料(B)を混合する混合工程が行われる。混合工程は、熱融解物質の融点未満で行われる。混合工程は、例えば、公知のミキサーを用いて行うことができる。
原料(A)は、フレグランスを構成する植物の粉砕乾燥物であるフレグランス材を含有する原料(A1)、フレーバを構成する植物の粉砕乾燥物であるフレーバ材、健康志向剤及び熱融解物質を含有する原料(A2)、微結晶セルロースのアルコール水溶液、結合剤のアルコール水溶液及び収着剤のアルコール水溶液を含有する原料(A3)及びエアロゾルフォーマ、芳香剤及び成形剤を含有する原料(A4)を混合して、熟成させることにより得られる。
尚、原料(A1)~原料(A4)の混合は、熱融解物質の融点未満で行われる。また、この混合工程は、例えば、公知のミキサーを用いて行うことができる。
原料(A1)は、フレグランス材を除菌した後に粉砕することにより得られる。
原料(A2)は、フレーバ材、健康志向剤及び熱融解物質の混合物を除菌した後に粉砕することにより得られる。具体的には、図6に示すように、フレーバ材を除菌した後に所定の大きさとなるように粉砕する。また、粉末状の熱融解物質と健康志向剤とを熱融解物質の融点以上で加熱混合して冷却した後に、所定の大きさになるように粉砕する。当該粉砕物と粉末状のフレーバ材とを圧縮・せん断混合し、冷却した後に粉砕して原料(A2)を作成するようにするとよい。
ここで、原料(A2)は、健康志向剤の5-ALAが芳香基材20の質量の0.2~3.0質量%となるよう投入することが好ましい。このように、芳香基材20中、5-ALAが0.2~3.0質量%で含まれるようにすることで、ユーザに5-ALAを好適に摂取させることができる。特に、原料(A2)は、5-ALAが芳香基材20の質量の0.3~0.5質量%となるよう投入することが好ましい。このように、芳香基材20中、5-ALAが0.3~0.7質量%で含まれるようにすることで、5-ALAが風香味を変化させることを抑制しつつ、ユーザに5-ALAを好適に摂取させることができる。
原料(A3)は、微結晶セルロースのアルコール水溶液、結合剤のアルコール水溶液及び収着剤(架橋ポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルピロリドン)のアルコール水溶液を混合して得られる。尚、アルコール水溶液は、純水とエタノールの混合液である。
原料(A4)は、エアロゾルフォーマ、芳香剤及び成形剤を混合することにより得られる。
熟成は、例えば、15~30℃の温度条件下で、3~14日行うことが好ましい。熟成は、芳香成分の保持という観点から、20±2℃の温度条件下で、4~7日行うことがより好ましい。温度が30℃を超える、又は、熟成期間が14日を超えると、カビの発生や腐敗の可能性が高まる傾向がある。
原料(B)は、アロマを構成する植物の粉砕乾燥物であるアロマ材を含有する原料(B1)及び保存剤を含有する原料(B2)を混合することにより得られる。尚、原料(B1)及び(B2)の混合は、例えば、公知のミキサーを用いて行うことができる。
原料(B1)は、アロマ材を除菌した後に粉砕することにより得られる。
原料(B2)は、保存剤を純水に溶解させることにより得られる。
このようにして原料(A)及び原料(B)を混合する混合工程を行うことによって、芳香基材20に芳香源材が混合された熱融解物質の粉末が分散した海島構造を形成することができる。
次いで、混合工程で得られた混合物を圧縮・せん断加工してシート状に形成することが行われる。圧縮・せん断加工においては、例えば、3本ロールを用いて行うことができる。3本ロールで圧縮・せん断加工を行うことによって、空気を抱き込み、水を蒸発させながらシート状に成形することができる。
このようにして得られたシートは、内部に空気を含む多孔質的な構造が形成されている。その結果、密度の低い芳香基材20を得ることが可能となるとなる。また、3本ロールのロールは、極めて平坦な表面であるため、シートの表面が平坦に形成される。
すなわち、芳香基材20は、圧縮・せん断加工において、内部に空気を含む多孔質的な構造を有するため低密度であり、かつその表面が凹凸のない平坦に形成されたものとなる。
圧縮・せん断加工によってシート状に形成された混合物は、所定の形状及び大きさに裁断され裁断工程が行われる。シート状の混合物は、例えば、短冊状に加工される。
尚、第1の基材21については、第2の基材22の原料から健康志向剤を除いて、上述の製造方法によって作成することができる。このようにして作成された第1の基材21及び第2の基材22を含む芳香基材20は、カバー10上に、フィルタ30及び支持部材40と共に載置される。次いで、これらを包むようにカバー10が丸められ、カバー10の端部同士が固定されることによって、芳香カートリッジ100が製造される。
このように、混合工程、圧縮・せん断工程及び裁断工程が、熱融解物質の融点未満で行われることにより、熱融解物質の融解により芳香基材20全体に拡がること防止し、芳香基材20における熱融解物質の海島構造を維持することが可能となる。
芳香基材20に芳香源材が混合された熱融解物質の粉末が分散した海島構造が形成されると、熱融解物質が芳香基材20に島状をなして分散配置されることになる。
熱融解物質は、芳香源材に含浸されている場合よりも、芳香基材20に島状をなして分散配置されている方が、融解した際に流動しやすくなり、芳香源材から発生する芳香成分が含有されやすくなる。また、流動する熱融解物質がエアロゾルフォーマと接触して、芳香成分がエアロゾルフォーマと一緒にエアロゾルとなって揮発しやすくすることができる。
その結果、芳香源材の芳香成分を効率よく揮発することが可能である。したがって、ユーザは、加熱式喫煙具の昇温過程の終了直後の芳香カートリッジ100から発せられたエアロゾルを吸引した際に、芳香をより十分味わうことができる。
尚、健康志向剤は、原料(B)に添加するようにしてもよい。図7は、芳香基材20の製造工程の他の実施形態を示している。図7に示すように、健康志向剤を原料(B)に添加する場合は、例えば、原料(B1)に添加するとよい。
この場合、図7に示した態様、すなわち、フレーバ材をアロマ材に置き換えて原料(B1)を作成するとよい。
以上のように、本発明の芳香カートリッジ100によれば、健康志向剤の5-ALAが液状又は固体状をなすか、あるいはカプセル化されて、芳香カートリッジ100のいずれか1箇所に含有されていることにより、芳香基材20から発生するエアロゾルに5-ALAを含有させることが可能となる。その結果、ユーザは、エアロゾルと一緒に芳香基材20から発生した芳香成分及び気化した5-ALAを吸引することができ、芳香成分による香りを楽しみつつ、5-ALAによる各種効用を期待することができる。
[実施形態2]
実施形態2の芳香カートリッジ100は、健康志向剤がカプセル化されて含有されている点で実施形態1の芳香カートリッジ100と異なる。実施形態1の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、実施形態2に係る芳香カートリッジ100を示している。図8に示すように、健康志向剤を封入されたカプセル50は、芳香基材20に内包されている。より具体的には、カプセル50は、芳香基材20において芳香カートリッジ100の軸方向の中間に配されている。
尚、芳香基材20は、カプセル50の形状、大きさに応じて適宜調整するとよい。芳香基材20は、カプセル50を内包する場合、顆粒状、粉状、ペースト状等に形成することが好ましい。このように芳香基材20を構成することにより、カプセル50を内包しやすくすることができる。
カプセル50は、例えば、シームレスカプセルである。カプセル50は、ユーザによって喫煙時に外力を受けることで潰れた際に、又は、吸引器具の電気的加熱手段によって加熱された際に、内部に封入された液体の5-ALAを放出する。例えば、ユーザが、カプセル50を収容するカバー10を押圧する等によってカプセル50が壊れ、カプセル50内に封入された液体の5-ALAが放出される。また、電気的加熱手段によってカプセル50が押圧されることにより、カプセルの被膜が破壊され、カプセル50内に封入された液体の5-ALAが放出される。あるいは、吸引器具の電気的加熱手段によって芳香基材20が加熱されることにより、カプセル50のシェルが溶融又は破壊されて、カプセル50内に封入された液体の5-ALAが放出される。
カプセル50において、5-ALAを封入するシェル(外殻)には、種々の材料を用いることができる。例えば、一般的に製薬産業で利用される種々のシェルを使用することができ、そのようなシェルは、例えば、ゼラチンベースとしてもよいし、或いは、変性セルロースのようなポリマー材料で形成してもよい。
カプセル50に封入される健康志向剤としては、前述したような油脂、アルコール系の溶媒に5-ALAが溶解した液状のものを用いることできる。
例えば、芳香カートリッジ100が吸引器具に挿入された際に、電気的加熱手段に近接する位置にカプセル50が配される場合、アルコール系の溶媒に5-ALAが溶解したものを用いるとよい。電気的加熱手段が加熱された際に、アルコール系の溶媒が揮発し、ユーザは、より効果的に5-ALAを摂取することが可能となる。
例えば、芳香カートリッジ100が吸引器具に挿入された際に、電気的加熱手段から離れた位置にカプセル50が配される場合、油脂の溶媒に5-ALAが溶解したものを用いるとよい。ユーザは、油脂の香りと共に、5-ALAを摂取することが可能となる。なお、アルコール系の溶媒や油脂の溶媒に5-ALAを溶解させることに代えて、乳化させたものや、微粒子化させた5-ALAを用いてもよい。
このように、健康志向剤が封入されたカプセル50を芳香カートリッジ100に含有させることにより、ユーザは、芳香カートリッジ100を使用する直前にカプセル50を破壊して、5-ALAを吸引することができる。したがってユーザは、芳香成分による香りを楽しみつつ、5-ALAの各種効用を期待することができる。また、5-ALAをカプセルに充填して保持させることにより、保管中における5-ALAの変性などを防ぎやすくすることができる。
[実施形態3]
実施形態3の芳香カートリッジ100は、5-ALAが封入されたカプセル50が配されている位置が実施形態2の芳香カートリッジ100と異なる。実施形態2の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、実施形態3に係る芳香カートリッジ100を示している。図9に示すように、5-ALAを封入されたカプセル50は、芳香基材20に内包されている。より具体的には、カプセル50は、芳香基材20において支持部材40の近傍に配されている。
これによって、芳香基材20が加熱されて揮発する芳香成分と、カプセル50から放出される5-ALAとが混じりやすくなり、5-ALAを芳香成分と一緒に吸引しやすくすることができる。また、揮発した5-ALAがエアロゾルの流路に生成することにより、ユーザは、高濃度の5-ALAを摂取することができる。
[実施形態4]
実施形態4の芳香カートリッジ100は、5-ALAが封入されたカプセル50の態様が実施形態2の芳香カートリッジ100と異なる。実施形態2の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、実施形態4に係る芳香カートリッジ100を示している。図10に示すように、健康志向剤を封入された複数のカプセル50は、芳香基材20に内包されている。より具体的には、6個カプセル50が、芳香基材20において分散して配されている。尚、カプセル50は、複数のカプセルのうち少なくとも1つに、5-ALAを封入されていればよい。カプセル50には、上述の清涼化剤、香料等が封入されていてもよい。
これによって、複数のカプセル60のそれぞれから5-ALAが流出するので、芳香基材20中に均一に5-ALAを流出させることができる。
[実施形態5]
実施形態5の芳香カートリッジ100は、健康志向剤が封入されたカプセル50の配される位置が実施形態2の芳香カートリッジ100と異なる。実施形態2の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、実施形態5に係る芳香カートリッジ100を示している。図11に示すように、5-ALAを封入されたカプセル50は、芳香カートリッジ100の軸方向において芳香基材20と、支持部材40の間に配されている。より具体的には、本実施形態においては、カプセル50は、楕円体に形成されている。尚、芳香基材20と、支持部材40の間には、カプセル50を収容する空隙が形成されている。
これによれば、カプセルから流出する健康志向剤が、芳香基材20から発生するエアロゾルや芳香成分に接触して、エアロゾル中に5-ALAが高濃度で含有されやすくなるので、5-ALAを効果的に吸引することができる。
[実施形態6]
実施形態6の芳香カートリッジ100は、健康志向剤が封入されたカプセル50の配される態様が実施形態5の芳香カートリッジ100と異なる。実施形態5の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図12は、実施形態6に係る芳香カートリッジ100を示している。図12に示すように、芳香カートリッジ100の軸方向において芳香基材20と支持部材40の間に空隙が設けられ、健康志向剤を封入された複数のカプセル50と、混合球60とが上記空隙に配されている。より具体的には、本実施形態においては、球体に形成されているカプセル50が2個と、混合球60が1個配されている。尚、カプセル50は、2つのカプセルのうち少なくとも1つに、健康志向剤を封入されていればよい。カプセル50には、上述の清涼化剤、香料等が封入されていてもよい。
また、混合球60は、カプセル50と同等の大きさを有し、カプセル50よりも固い素材、例えば、樹脂によって形成されている。
したがって、例えば、ユーザは、芳香カートリッジ100を振ると、空隙でカプセル50と混合球60が衝突する。カプセル50は、混合球60との衝突により破壊され、健康志向剤の5-ALAを放出する。
このように、カプセル50及び混合球60を配することにより、ユーザは、カプセル50を破壊しやすくなる。
[実施形態7]
実施形態7の芳香カートリッジ100は、健康志向剤が封入されたカプセル50の配される位置が実施形態5の芳香カートリッジ100と異なる。実施形態5の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図13は、実施形態7に係る芳香カートリッジ100を示している。図13に示すように、芳香カートリッジ100の軸方向において支持部材40と、フィルタ30との間に空隙が形成されている。健康志向剤を封入されたカプセル50は、上記空隙に配されている。本実施形態においては、カプセル50は、楕円体に形成されている
このように、カプセル50を、支持部材40と、フィルタ30との間に配置することにより、カプセル50を破壊したときに、健康志向剤がフィルタ30に含浸されやすくし、フィルタ30を通して、高濃度の5-ALAを吸引することができる。すなわち、ユーザは、カプセル50が吸い口側であるフィルタ30に近い位置に配されているため、より高濃度の5-ALAを摂取することが可能となる。
[実施形態8]
実施形態8の芳香カートリッジ100は、健康志向剤が含有されている態様が実施形態1の芳香カートリッジ100と異なる。実施形態1の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図14は、実施形態8に係る芳香カートリッジ100を示している。図14に示すように、健康志向剤は、フィルタ30に含有されている。
フィルタ30は、例えば、液状の健康志向剤をフィルタ30に含浸させた後、乾燥することにより作成することができる。フィルタ30は、このような態様に限られず、例えば、粉末状の健康志向剤をフィルタ30に分散させることによっても作成することができる。
このように、健康志向剤をフィルタ30に含有させることにより、高温に加熱される芳香基材20の熱の影響をできるだけ避けて、健康志向剤から発生する5-ALAを吸引することができる。
尚、健康志向剤は、フィルタ30の外周部を覆うカバー10に設けられていてもよい。この場合、健康志向剤は、カバー10のチップペーパー13に設けられていることが好ましい。
チップペーパー13に健康志向剤を設ける場合、チップペーパー13に上述の液状の健康志向剤を含浸させて乾燥させることにより設けるとよい。
したがって、ユーザは、芳香カートリッジ100を咥えると、唇が健康志向剤が含浸されたチップペーパー13に触れる。その際に、唇からユーザの体内に5-ALAが摂取される。このように、ユーザの皮膚、すなわち唇から5-ALAを摂取しても、5-ALAによる各種効用を期待することができる。
チップペーパー13に健康志向剤を設ける場合、健康志向剤が含浸されたフィルタ30を用いるとよい。ユーザは、このような芳香カートリッジ100を使用した際に、主流煙に含まれている5-ALAを摂取することができ、かつ唇からも5-ALAを摂取することができる。また、フィルタ30から揮発した5-ALAがチップペーパー13にしみこむことにより、チップペーパー13の5-ALAの濃度が高まり、皮膚からの5-ALAの摂取を促進させることが可能となる。
[実施形態9]
実施形態9の芳香カートリッジ100は、健康志向剤が含有されている態様が実施形態8の芳香カートリッジ100と異なる。実施形態8の芳香カートリッジ100と同一の構成については、同一の箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
図15は、実施形態8に係る芳香カートリッジ100を示している。図15に示すように、健康志向剤が封入されたカプセル50は、フィルタ30に内包されている。より具体的には、カプセル50は、フィルタ30において芳香カートリッジ100の軸方向の中間に配されている。
尚、フィルタ30に配されるカプセル50の大きさは、特には限定されないが、上述の実施形態のカプセルよりも大きくして設置することができる。すなわち、芳香基材20に配するカプセル50の大きさを大きくすると、芳香基材20の量が減少する。また、上述の間隙にカプセル50を配する場合、カプセルを大きくすると、間隙もそれに合わせて広く形成するため芳香カートリッジ100の軸方向の長さが長くなる。しかし、フィルタ30にカプセル50に配する場合、このような問題は生じないため、他の位置に配するカプセルよりも大きいカプセルを配置することができる。
このように、カプセル50をフィルタ30に内包することにより、フィルタ30をつまんでカプセル50を破壊しやすくすることができ、カプセル50が破壊されて流出する健康志向剤をフィルタ30に効果的に含浸させることができる。
尚、カプセル50の形状は、球状に限られず、例えば、図16に示すように楕円体状に形成されるものであってもよい。カプセル50の形状を楕円体にすることにより、より多くの健康志向剤をカプセル50に封入することができる。また、カプセル50の長さが長くなるので、指で押圧したときに、カプセル50を破裂させやすくすることができる。
尚、健康志向剤は、カプセル以外の材料に含まれていてもよい。例えば、ポリウレタン等のスポンジ材、軽石等の多孔質材料に液状の健康志向剤を含浸させて用いてもよい。このように、スポンジ材や多孔質材料に健康志向剤を含浸させることにより、芳香基材20に含浸させた場合よりも多くの健康志向剤を含浸させることができる。また、カプセル50に健康志向剤を内包させる場合よりも容易に芳香カートリッジ100を作成することが可能となる。
<実施例>
[試験例1](風味の官能評価)
健康志向剤及び架橋ポリビニルピロリドンを含む芳香基材を実施例として作成し、健康志向剤及び架橋ポリビニルピロリドンのうち少なくとも一方を含まない芳香基材を比較例として作成し、両者のエアロゾルの風味を評価した。
(試料の作成:実施例1)
表1に示す配合で実施例1の芳香カートリッジ100を作成した。具体的には、芳香源材(アロマ材、フレグランス材及びフレーバ材)、健康志向剤、エアロゾルフォーマ及び熱融解物質の配合を基本配合とした。実施例1において、基本配合は、芳香源材及び健康志向剤を65質量%、エアロゾルフォーマを25質量%、熱融解物質を10質量%とした。この実施例1における5-ALAの濃度は、0.4質量%であった。
基本配合100質量部に対して、芳香剤を15質量部、結合剤を23質量部、収着剤を21質量部、保存剤を0.005質量部及び純水を20質量部を添加して実施例1の芳香カートリッジ100を作成した。尚、純水は成形加工のために添加されるが、成形加工後に乾燥されることによって芳香基材から除去される。
Figure 2023060433000002
芳香源材は、原料(B1)のアロマ材としてこんにゃく粉、原料(A1)のフレグランス材として紅茶及びモクセイ花、原料(A3)のフレーバ材としてアマチャヅルを用いた。
原料(A4)のエアロゾルフォーマは、グリセリン及びプロピレングリコールを用いた。
原料(A2)の熱融解物質は、蜜蝋を用いた。
原料(A4)としての芳香剤は、ハッカ油及びメントールを用いた。
原料(A3)の結合剤は、CMCナトリウム塩及びサトウキビ繊維を用いた。
原料(A3)の収着剤は、架橋ポリビニルピロリドン及びβ-シクロデキストリンを用いた。
原料(B2)の保存剤は、ソルビン酸カリウム及び安息香酸ナトリウムを用いた。
原料(A1)及び(A2)は、図6に示した態様で作成した。具体的には、原料(A1)は、フレグランス材は、除菌した後に粉末状に粉砕して得た。原料(A2)は、フレーバ材、健康志向剤及び熱融解物質をヘンシェルミキサーで粗混合した後、圧縮・剪断して混合し、0℃以下に冷却した後に粉砕して作製した。また、原料(A1)及び(A2)は、80メッシュの篩によって、平均粒径が約250μmに選別されたものを用いた。
また、図6に示した態様で、原料(A)及び(B)を用いて芳香カートリッジ100を作製した。具体的には、原料(A)及び(B)をニーダーにより混合する混合工程を行った。
次いで、3本ロールを用いて混合物をシート状に成形する圧縮・せん断工程を行った。圧縮・せん断工程では、厚さが0.28±0.02mmとなるようにシート状に成形した。圧縮・剪断工程は蜜蝋の融点以下で行った。
その後、シートを裁断する裁断工程が行われた。裁断工程においては、幅1.5±0.1mm、長さ約240mmとなるようにシートを裁断した。
このようにして得られた芳香基材を所定量の充填率となるように紙巻きした。次いで、紙巻きされた芳香基材を、長さ11.5~12.0mmとなるように断裁した後乾燥することによって、芳香カートリッジ100を製造した。
(比較例1の作成)
表4に示す配合で比較例1の芳香カートリッジ100を作成した。比較例1は、原料(A2)の健康志向剤を含まない点が実施例1とは異なる。その他は、実施例1乃至3と同一であるので、原料及び製造方法の説明を省略する。
Figure 2023060433000003
以上のような構成により、本発明に係る芳香カートリッジ100は、加熱手段を有する吸引器具に装着され、加熱手段によって加熱されることによりエアロゾルを発生させる芳香カートリッジ100であって、筒状のカバー10と、カバー10の一端側に収容された、加熱されることによって、芳香成分を含有するエアロゾルを発生させる、非タバコ材料からなる芳香基材20と、所定の効用を有する健康志向剤と、を有し、健康志向剤は、少なくとも5-アミノレブリン酸を含む。
これにより、5-アミノレブリン酸を含み非タバコ材料からなる芳香基材20を用いた芳香カートリッジ100を用いて喫煙することで、ユーザは、タバコ材料による健康被害を防止しつつ、5-アミノレブリン酸による各種効用を体感することができる。
また、健康志向剤に含まれる5-アミノレブリン酸は、5-アミノレブリン酸リン酸塩であるため、吸引器具である加熱式タバコが腐食されることを防止することができる。
100 芳香カートリッジ
10 カバー
20 芳香基材
30 フィルタ
40 支持部材
50 カプセル

Claims (2)

  1. 加熱手段を有する吸引器具に装着され、前記加熱手段によって加熱されることによりエアロゾルを発生させる、非タバコ植物からなる芳香カートリッジにおいて、
    筒状の包装部材と、
    前記包装部材の一端側に収容された、加熱されることによって、芳香成分を含有するエアロゾルを発生させる芳香基材と、
    所定の効用を有する効用剤と、を有し、
    前記効用剤は、少なくとも5-アミノレブリン酸を含むことを特徴とする芳香カートリッジ。
  2. 前記効用剤に含まれる5-アミノレブリン酸は、5-アミノレブリン酸リン酸塩である、請求項1に記載の芳香カートリッジ。

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