JP2023058020A - ベランダ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベランダの長手方向が、道路や鉄道等の騒音源と平行でないような場合でも、十分な騒音低減効果を得ることができるベランダ構造を提供する。【解決手段】本発明に係るベランダ構造1は、建物10から水平方向に延出する床部20と、前記床部20の端部から下方に延出する下方垂直壁部30と、前記床部20の端部から延出するパラペット50と、を有し、平面視したとき前記パラペット50の少なくとも一部が、前記床部20の床部端部21に対して、建物10から離れた位置に配されることを特徴とする。【選択図】 図6

Description

本発明は、道路や鉄道等の騒音源に近い建物に好適に用い得るベランダ構造に関する。
道路や鉄道等の騒音源に集合住宅等ベランダを有した建物が近接している場合においては、室内で十分に静かな環境を実現するためには、高気密サッシや二重の窓サッシが必要となり、建物の建設コスト増の要因となっている。また、騒音源の状態によっては前記の高気密サッシや二重の窓サッシを採用したとしても、十分に静かな環境が実現できない場合もある。
図1は建物近傍の騒音源から建物壁面に入射する騒音の伝搬状況を示す側断面図である。ベランダにおけるパラペット(ベランダ屋外側の手摺り壁)がコンクリートや強化ガラス、アクリル板等の十分な遮音性能を有する素材で構成されている場合、高層階においては、自動車や列車等の音源から発生した騒音はベランダの床版やパラペットに遮られて、建物の壁面に直接入射することはないが、一方で、天井裏面での反射やベランダパラペット上端で回折した騒音が窓開口に入射して室内に伝搬する、という問題があった。
このような問題に対して、発明者は特許文献1(特許5279414号公報)、特許文献2(特許5636027号公報)において、天井反射体によりベランダの天井面に入射する騒音の反射方向を制御することで、ベランダを介して室内に伝搬する騒音を低減する手法を提案した。
特許5279414号公報 特許5636027号公報
しかしながら、特許文献1及び2記載の従来技術においては、騒音低減効果が、騒音源との位置関係で決定される騒音の入射角度θa(ベランダから騒音源を見下ろした際の俯角)に大きく依存する。従来技術においては、あるθaに対応するように天井面における反射体の傾斜角度を設定するが、騒音の入射角度がθa以下(俯角が小さい)の場合は、騒音低減効果が大きく低減する。
図2乃至図3はベランダを有する建物と、騒音源の軌道(鉄道軌道、道路)とを平面視した図である。図2に示すように平面視でベランダの長手方向と平行に道路や鉄道等の騒音源が位置している場合は、断面方向から見た騒音の、先の入射角度θaは一定であり、天井面における反射体の傾斜角を適切に設定すれば騒音低減効果は得られるが、従来技術においては図3のように道路や鉄道等の騒音源がベランダの長手方向と平行でない場合には、断面方向から見た騒音の入射角度θaが一定でないため、十分な効果が得られない、という問題があった。
この発明は、上記のような問題を解決するものであって、本発明に係るベランダ構造は、建物から水平方向に延出する床部と、前記床部の端部から下方に延出する下方垂直壁部と、前記床部の端部から延出するパラペットと、を有し、平面視したとき前記パラペットの少なくとも一部が、前記床部の端部に対して、建物から離れた位置に配されることを特徴とする。
また、本発明に係るベランダ構造は、前記パラペットには、建物から離れる方向に傾斜する傾斜壁部が含まれることを特徴とする。
また、本発明に係るベランダ構造は、前記パラペットには、前記床部の端部から鉛直上方に延出する垂直壁部と、前記垂直壁部の端部から水平方向に延出する水平張出し部が含まれることを特徴とする。
また、本発明に係るベランダ構造は、前記パラペットには、前記床部の端部から鉛直上方に延出する垂直壁部と、前記垂直壁部の端部から建物から離れる方向に傾斜する傾斜張出し部が含まれることを特徴とする。
また、本発明に係るベランダ構造は、建物の壁面とベランダ天井面との境界部と、前記下方垂直壁部の端部と、前記パラペットの端部とを通る仮想の面が設定できるように、前記下方垂直壁部と前記パラペットを設けることを特徴とする。
また、本発明に係るベランダ構造は、前記下方垂直壁部には吸音処理部が配されることを特徴とする。
また、本発明に係るベランダ構造は、ベランダ天井面における、前記下方垂直壁部の端部と、前記パラペットの端部とを通る第1の仮想の面と、建物の壁面とベランダ天井面との境界部と、前記パラペットの端部とを通る第2の仮想の面との間には吸音処理部が配されることを特徴とする。
本発明に係るベランダ構造は、床部の端部から下方に延出する下方垂直壁部と、前記床部の端部から延出するパラペットと、を有し、平面視したとき前記パラペットの少なくとも一部が、床部の端部に対して、建物から離れた位置に配される構成が採用されているため、本発明に係るベランダ構造によれば、ベランダの長手方向が、道路や鉄道等の騒音源と平行でないような場合でも、十分な騒音低減効果を得ることができる。
建物近傍の騒音源から建物壁面に入射する騒音の伝搬状況を示す側断面図である。 ベランダを有する建物と、騒音源の軌道(鉄道軌道、道路)との位置関係を示す図である。 ベランダを有する建物と、騒音源の軌道(鉄道軌道、道路)との位置関係を示す図である。 ベランダを有する建物と、騒音源の軌道(鉄道軌道、道路)との位置関係を示す図である。 一般的なベランダ構造の断面の模式図である。 本発明に係るベランダ構造の断面の模式図である。 一般的なベランダ構造を有する建物10の外装部の一部とその建物10の下部を貫通する騒音源の軌道Rを示す図である。 一般的なベランダ構造のベランダ天井面27への騒音入射の様子を示す図である。 一般的なベランダ構造のベランダ天井面27、壁面15への騒音入射の様子を示す図である。 本発明に係るベランダ構造を有する建物10の外装部の一部とその建物10の下部を貫通する騒音源の軌道Rを示す図である。 本発明に係るベランダ構造のベランダ天井面27、壁面15への騒音入射の様子を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。 本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。 本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。 本発明の他の実施形態に係るベランダ構造を有する建物10の外装部の一部とその建物10の下部を貫通する騒音源の軌道Rを示す図である。 本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。 本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。 波動音響シミュレーションの概要(標準形ベランダ)を示す図である。 波動音響シミュレーションにより検証したベランダ構造(その1)を示す図である。 波動音響シミュレーションによる検証結果(その1)を示す図である。 波動音響シミュレーションにより検証したベランダ構造(その2)を示す図である。 波動音響シミュレーションによる検証結果(その2)を示す図である。
以下、本発明に係るベランダ構造を、従来の一般のベランダ構造と対比しつつ説明する。本実施形態では、最も極端な例として、図4に示すように、道路や鉄道の騒音源の軌道Rが、建物10の下方部を貫通する配置にあるようなケースを例として説明するが、本発明がこのような配置のみへの対応に限定されるものではない。本発明に係るベランダ構造は、より一般的な図3に示すような配置においても、断面方向で見れば同様の原理により、騒音低減が実現可能である。なお、図4において、騒音源の軌道Rが延びる方向と、ベランダ19の長手方向とは平面視で直交しているものとする。
まず、図5に、一般的なベランダ構造の断面の模式図を示す。以下同様の図において、紙面に対して垂直な方向がベランダ19の長手方向である。また、図は建物10の中間階の一部を抜粋したものであり、基本的に同じ断面構造が上下階方向に、少なくとも2階以上連続していることを想定している。
一般的なベランダ構造においては、床部20が、建物10の壁面15から水平方向に延出している。床部20の上側を表面とすると、表面と表裏の関係にある裏面をベランダ天井面27として本明細書では定義する。このベランダ天井面27と、建物10の壁面15との境に形成される、紙面に垂直方向の線を、境界部17として定義する。なお、壁面15には、壁自体の他、ガラス窓等が含まれていても構わない。
床部20が延出する方向の端部を床部端部21とする。一般的なベランダ構造においては、この床部端部21から、上方向に延出する垂直壁部62を有している。本明細書においては、床部端部21から上方向に延出する構成全てをパラペット50として定義する。本例では、垂直壁部62がパラペット50に相当する。
また、ベランダ構造におけるパラペット50は、十分な遮音性能を有する素材で構成されている。また、床部端部21から上方向に延出する垂直壁部62の端部を垂直壁部端部63として定義する。このような一般的なベランダ構造においては、平面視したときに、パラペット50は必ず床部端部21と建物10の壁面15との間に配されている。
本発明に係るベランダ構造の断面の模式図を図6に示す。一般的なベランダ構造と同様に、本実施形態に係るベランダ19も、建物10の壁面15から水平方向に延出する床部20を有している。一方、本発明に係るベランダ構造は、床部端部21から下方に延出する下方垂直壁部30を有している。この下方垂直壁部30も、パラペット50同様、十分な遮音性能を有する素材で構成されている。また、床部端部21から下方向に延出する下方垂直壁部30の端部を下方垂直壁部端部31として定義する。
本実施形態に係るベランダ19は、床部端部21から、斜め上方向に延出する傾斜壁部55を有している。この傾斜壁部55は、図示するように建物10から離れる方向に傾斜している。また、床部端部21から斜め上方向に延出する傾斜壁部55の端部を傾斜壁部端部56として定義する。本実施形態に係るベランダ19においては、傾斜壁部55がパラペット50に相当する。本発明に係るベランダ構造におけるパラペット50を構成する傾斜壁部55も、十分な遮音性能を有する素材で構成されている。
このような本発明に係るベランダ構造においては、平面視したときに、パラペット50の少なくとも一部が、床部端部21に対して、建物10から離れた位置に配される点が、先の一般的なベランダ構造と相違している。平面視で、床部端部21に対して建物10から離れた位置に配されるパラペット50は、図中(x)に相当する箇所である。本実施形態に係るベランダ19においては、平面視したときに、実質的にパラペット50の全てが、床部端部21に対して建物10から離れた位置に配されている。
なお、パラペット50を構成する傾斜壁部55、及び下方垂直壁部30はいずれも、十分な遮音性能(例えば対策対象の騒音の周波数に対して音響透過損失で10dB以上)を有していれば材質は問わない。
[騒音低減の原理について]
図6に示す本発明に係るベランダ構造における騒音低減の仕組みについて、図7乃至図11を参照して解説する。
図7に一般的なベランダ構造を有する建物10の外装部の一部とその建物10の下部を貫通する騒音源の軌道Rを示す。図7に示す、一般的なベランダ構造に対して、ライン1とライン2とを定義する。定義は、
ライン1:「着目するベランダ19の1階上の床部端部21(又は、下方垂直壁部端部31)から、垂直壁部端部63(又は傾斜壁部端部56)まで引いて、さらに騒音源Rの軌道方向及びその反対方向にも延長した線」
ライン2:「境界部17から垂直壁部端部63(又は傾斜壁部端部56)まで引いて、更に騒音源Rの軌道まで延長した線」
とする。
以下、「ライン」という語で説明するが、実際は、ラインを含み紙面に対して垂直方向に延ばした面が想定される。
一般的なベランダ構造においては、軌道Rの線状に分布する騒音源のうち、図中に示すライン1から、図中右側(建物に近づく方向)の位置における軌道R上の騒音は、ベランダ構造に遮られて、騒音はベランダ構造におけるベランダ天井面27に入射しない。
一方、ライン1から図中左側(建物から離れる方向)の位置における軌道R上の騒音はベランダ天井面27に入射、反射した後に窓なども含む壁面15に入射し得る。また、ライン1とライン2との間の位置における軌道R上の騒音は、ベランダ天井面27の一部に入射する(図8参照)。
なお、これ以降においては、垂直壁部端部63(又は傾斜壁部端部56や下方垂直壁部端部31 )で回折する騒音の音波については考慮しない。これは、これまでの実験結果から、騒音源から直接、ベランダ天井面27に入射する騒音を低減することが有効であることが示されているためである(参考文献参照)。
また、ライン2から左側の位置における軌道R上の騒音は、ベランダ天井面27の全体及び壁面15の一部に入射し得る(図9参照)。
次に、本発明に係るベランダ構造についてみていく。図10は本発明に係るベランダ構造を有する建物10の外装部の一部とその建物10の下部を貫通する騒音源の軌道Rを示す図である。図10において、先に定義されたライン1及びライン2が示されている。なお、ライン1については、図の分かりやすさのために、騒音源と反対方向のベランダ天井面27にも線を延長している。
本発明に係るベランダ構造においても、軌道Rの線状に分布する騒音源のうち、図中に示すライン1から、図中右側(建物に近づく方向)の位置における軌道R上の騒音は、ベランダ構造に遮られて、騒音はベランダ構造におけるベランダ天井面27に入射しない。
また、ライン1から図中左側(建物から離れる方向)の位置における軌道R上の騒音はベランダ天井面27に入射、反射した後に窓なども含む壁面15に入射し得る。
また、ライン2から左側の位置における軌道R上の騒音は、ベランダ天井面27の一部及び壁面15の一部に入射し得る。
一般的なベランダ構造では、ベランダ構造の直下の近傍、即ち、図7のライン1近傍左側からもベランダ構造のベランダ天井面27に騒音が入射していたが、本発明に係るベランダ構造ではその位置からはベランダ構造のベランダ天井面27に騒音が入射しない。ベランダ構造までの距離が近く、距離による騒音の減衰が比較的得難い位置からの騒音がベランダ構造のベランダ天井面27に入射することを防ぐことができ、その結果、本発明に係るベランダ構造においては、ベランダを介して室内に伝搬する騒音を効果的に低減することができる。
また、本発明に係るベランダ構造においては、パラペット50の上端(傾斜壁部端部56)を屋外側へ張り出すこと(すなわち、平面視したときに、パラペット50の少なくとも一部が、床部端部21に対して、建物10から離れた位置に配されること)で、ライン2と騒音源の軌道Rとの交点は、一般のベランダ構造と比較して建物10から離れる方向へ移動する。
図11は本発明に係るベランダ構造のベランダ天井面27、壁面15への騒音入射の様子を示す図である。図11において斜線は、一般的なベランダ構造における騒音入射範囲を示している。ライン1とライン2の間の位置における軌道R上の騒音はベランダ構造におけるベランダ天井面27の一部に入射するが、図11に示すように、ベランダ構造の傾斜壁部55と、1階上の下方垂直壁部30に遮られて、同じ位置からでも騒音が入射するベランダ構造のベランダ天井面27の領域が一般のベランダ構造と比較して大きく減少する。
ベランダ構造におけるベランダ天井面27に入射した騒音のエネルギーが全て室内に伝搬すると仮定すると、例えば本発明により騒音が入射するベランダ構造におけるベランダ天井面27の領域が、一般的なベランダ構造と比較して1/3に減少したとすると、室内に伝搬する騒音のエネルギーが1/3に減少、即ち室内の騒音のレベルは約5dB(より正確には4.8dB)低減するという効果となる。
また、ライン2と騒音源の軌道Rとの交点から左側の位置においても、騒音はベランダ構造のベランダ天井面27の一部(および壁面15の一部)にしか入射しない。この位置からはベランダ構造のベランダ天井面27の全体に騒音が入射する一般のベランダ構造と比較して、ベランダ構造のベランダ天井面27に騒音が入射する領域が大きく減少するため、上記と同様に室内に伝搬する騒音のエネルギーを大きく減少することができる。なお、ライン2と騒音源の軌道Rとの交点が建物10から離れる方向へと移動することによる距離減衰の効果もこれに加わることになる。
以上のように、本発明に係るベランダ構造は、床部20の端部から下方に延出する下方垂直壁部30と、前記床部20の端部から延出するパラペット50と、を有し、平面視したとき前記パラペット50の少なくとも一部が、床部20の端部に対して、建物10から離れた位置に配される構成が採用されているため、本発明に係るベランダ構造によれば、ベランダの長手方向が、道路や鉄道等の騒音源と平行でないような場合でも、十分な騒音低減効果を得ることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図12は本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。なお、以下の実施形態において、これまで説明した構成と同様の参照符号が付されている構成は、同様のものである。また、他の実施形態においても、先の実施形態同様、床部20における床部端部21から下方に延出する下方垂直壁部30を有することは共通している。
また、本発明の他の実施形態に係るベランダ構造においても、平面視したときに、パラペット50の少なくとも一部が、床部端部21に対して、建物10から離れた位置に配されることも、先の実施形態と共通している。このために、本実施形態においては、床部端部21から上方向に延出する垂直壁部62と、垂直壁部端部63から水平方向に延出する水平張出し部64と、を有している。この場合、平面視で、床部端部21に対して建物10から離れた位置に配されるパラペット50は、図中(x)に相当する箇所である。本実施形態に係るベランダ19においては、平面視したときに、実質的にパラペット50における水平張出し部64が、床部端部21に対して建物10から離れた位置に配されている。
パラペット50及び下方垂直壁部30に用いる材質は、十分な遮音性能(例えば対策対象の騒音の周波数に対して音響透過損失で10dB以上)を有するものとする。
以上のような本発明の他の実施形態に係るベランダ構造によっても、先の実施形態と同様の効果を享受することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図13は本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。本実施形態においては、床部端部21から上方向に延出する垂直壁部62と、垂直壁部端部63から建物から離れる方向に傾斜する傾斜張出し部65とを設けることで、平面視したときに、パラペット50の少なくとも一部が、床部端部21に対して、建物10から離れた位置に配されるようにしている。本実施形態においては、平面視で、床部端部21に対して建物10から離れた位置に配されるパラペット50は、図中(x)に相当する箇所である。本実施形態に係るベランダ19においては、平面視したときに、実質的にパラペット50における傾斜張出し部65が、床部端部21に対して建物10から離れた位置に配されている。このような本発明の他の実施形態に係るベランダ構造によっても、先の実施形態と同様の効果を享受することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図14は本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。本実施形態においては、床部端部21から上方向に延出する垂直壁部62と、垂直壁部端部63から水平方向に延出する水平張出し部64と、さらに傾斜壁部55とからなるパラペット50が採用されている。本実施形態においては、平面視で、床部端部21に対して建物10から離れた位置に配されるパラペット50は、図中(x)に相当する箇所である。本実施形態に係るベランダ19においては、平面視したときに、実質的にパラペット50における水平張出し部64と傾斜壁部55とが、床部端部21に対して建物10から離れた位置に配されている。このような本発明の他の実施形態に係るベランダ構造によっても、先の実施形態と同様の効果を享受することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図15は本発明の他の実施形態に係るベランダ構造を有する建物10の外装部の一部とその建物10の下部を貫通する騒音源の軌道Rを示す図である。
この実施形態においては、図15に示すように、ライン1とライン2が重なるようにベランダ構造におけるパラペット50と下方垂直壁部30の大きさを設定する。図15では、パラペット50として、傾斜壁部55を用いた例に基づいて説明するが、この実施形態では図12乃至図14で説明したパラペット50も適宜用い得る。
ライン1とライン2が重なるラインとは、境界部17と、下方垂直壁部端部31と、パラペット50の端部(本例では傾斜壁部端部56)とを通る線である。先にも説明したように、「ライン」とは、実際はラインを含む面である。
よって、本実施形態では、建物10の壁面15とベランダ天井面27との境界部17と、下方垂直壁部30の下方垂直壁部端部31と、パラペット50の端部(本例では傾斜壁部端部56。図12の例では、水平張出し部64の左端。図13の例では傾斜張出し部65の左端。図14の例では傾斜壁部端部56。)と、を通る仮想の面が設定できるように、下方垂直壁部30とパラペット50の寸法を設定していることになる。
本実施形態によれば、ライン1及び2から図中右側においてはパラペット50に、またライン1及び2から図中左側においては下方垂直壁部30に遮られて、軌道R上の騒音源のいずれの位置からも、ベランダ天井面27に騒音が入射しないようにすることができ、これにより大きな騒音低減効果を得ることができる。
下方垂直壁部30が下方に位置するために視界が遮られることになるが、パラペット50(本例では、傾斜壁部55)が屋外側へ張り出していることにより、視界(あるいは外気との空気流通スペース)を完全に塞ぐことなく上記の効果を得ることができる。(下方垂直壁部30は、傾斜壁部端部56より上方に位置している。)このような実施形態によれば、これまで説明した実施形態に比べて、より大きな騒音低減効果を享受することができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図16は本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。図16に示す他の実施形態に係るベランダ構造においては、下方垂直壁部30における壁面15の対向する面に、吸音処理部70を配することを特徴としている。吸音処理部70は、音のエネルギーを熱エネルギーなどに変換することで吸音を行うことが想定されるものである。吸音処理部70は、下方垂直壁部30における壁面15の対向する面の全面とすることが好ましい。
吸音処理部70における吸音処理の方法としては、耐候性グラスウールや耐候性ロックウールや耐候性ポリエステルなどの繊維状材料からなる吸音材を、下方垂直壁部30の面に図示するように設置する方法を採ることができる。このような吸音材としては、建築用材料として入手できる一般的なものを広く利用することができる。
また、吸音処理部70の構成としては、下方垂直壁部30の前記ベランダ内側に面する面を吸音処理できれば、上記のような吸音材を配することに限定されるものではない。例えば、吸音性能を有するボードなどを、下方垂直壁部30に配したり、吸音性能を付与することができる塗料などを下方垂直壁部30に塗布したりすることも考えられる。
図16に示した実施形態では、図6に示した実施形態に対して、吸音処理部70を設けた構成を例に説明したが、吸音処理部70を設け得る実施形態は、これに限定されるものではなく、図12に示す実施形態、図13に示す実施形態、図14に示す実施形態のいずれの下方垂直壁部30に対しても設けることができる。
図6に示した実施形態においては、パラペット50として、傾斜して上端が屋外側へ張り出した傾斜壁部55を設けると共に、ベランダ天井面27の端部(床部端部21)から下方に延出する下方垂直壁部30を設けることで、屋外からベランダ19の空間内に伝搬する騒音を低減するものであった。
しかしながら、図6に示す構成を採用したとしても、前記の傾斜した傾斜壁部55と前記下方垂直壁部30の隙間を通過する騒音や、前記傾斜壁部55の上端(傾斜壁部端部56)や前記下方垂直壁部30の下端(下方垂直壁部端部31)での回折現象(回り込み)により、ベランダ19の空間に伝搬する騒音を全くなくすことはできない。
図6に示すように、下方垂直壁部30を設け、その前記ベランダ19の内側に面する面が、音の反射性の高い材料で構成された場合、ベランダ19の空間内に伝搬した騒音が、この反射性の面と、ベランダ19の空間内のその他の反射性の面(床部20、壁面15、ベランダ天井面27、傾斜壁部55等)で多重反射する。その結果、この下方垂直壁部30が無い場合と比較して、ベランダ19の空間内の音圧が上昇することが考えられる。
図16に示す実施形態では、下方垂直壁部30の壁面15と対向する面に吸音処理部70を設けるようにしている。このような吸音処理部70を設けた場合、先の多重反射を抑制することができ、ベランダ19の空間内の音圧の上昇が生じない。下方垂直壁部30と、傾斜した傾斜壁部55とを組み合わせた構造による、屋外からベランダ19の空間内に伝搬する騒音を低減する、という効果と、さらに、吸音処理部70を設けることで、ベランダ19の空間内の音圧の上昇を生じないという効果を得ることができる。本実施形態の効果については、後述のシミュレーション結果に示す。
以上のような実施形態によれば、下方垂直壁部30と、傾斜した傾斜壁部55とを組み合わせた構造によっても、下方垂直壁部30に配された吸音処理部70によって、ベランダ19の空間内における多重反射を抑制することができ、ベランダ19の空間内の音圧の上昇させることがない。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図17は本発明の他の実施形態に係るベランダ構造の断面の模式図である。図17に示す実施形態においては、下方垂直壁部30と、傾斜した傾斜壁部55とを組み合わせた構造の採用に加え、ベランダ天井面27に吸音処理部70を設けることを特徴としている。
図17に示した実施形態では、図6に示した実施形態に対して、吸音処理部70を設けた構成を例に説明したが、吸音処理部70を設け得る実施形態は、これに限定されるものではなく、図12に示す実施形態、図13に示す実施形態、図14に示す実施形態のいずれのベランダ天井面27に対しても設けることができる。
図17に示す実施形態に示すような下方垂直壁部30と、傾斜した傾斜壁部55とを組み合わせた構造の場合、ライン1及びライン2は以下のように定義できる。
ライン1:「着目するベランダ19の1階上の下方垂直壁部端部31から、傾斜壁部端部56まで引いて、さらに騒音源Rの軌道方向及びその反対方向にも延長した線」
ライン2:「境界部17から傾斜壁部端部56まで引いて、更に騒音源Rの軌道まで延長した線」
ベランダ天井面27に吸音処理部70を設ける最適な範囲は、図17に図示するようなベランダ天井面27におけるライン1とライン2との間の範囲である。ライン1とライン2とは直線であるので、これを面で言い換える。第1の仮想の面を、複数のライン1からなる集合とし、第2の仮想の面をライン2からなる集合とする。
以上のように定義すると、ベランダ天井面27における、下方垂直壁部30の端部31と、傾斜壁部55の端部56とを通る第1の仮想の面(ライン1が含まれる)と、建物10の壁面15とベランダ天井面27との境界部17と、傾斜壁部55の端部56とを通る第2の仮想の面(ライン2が含まれる)との間に、吸音処理部70が配されることが最適である。
吸音処理部70における吸音処理の方法としては、耐候性グラスウールや耐候性ロックウールや耐候性ポリエステルなどの繊維状材料からなる吸音材をベランダ天井面27に設置する方法や、吸音性の発砲コンクリートを設置する方法が考えられるが、ベランダ天井面27を吸音処理できればこれらに限定されるものではない。
以下、仮想面ではなく、簡便のためにラインにより説明する。図10に示すように、ライン1と騒音源の軌道Rとの交点から左側の騒音源からは、ベランダ天井面27の一部に騒音が入射する。ベランダ天井面27の一部に入射した騒音は、ベランダ天井面27で反射あるいは前記のようにベランダ19の空間内で多重反射したのち、窓面から室内へ伝搬する。
ベランダ天井面27に吸音処理部70を設けることにより、このベランダ天井面27の一部に入射する騒音を低減できるという効果と共に、先の実施形態で述べたように、ベランダ19の空間内の多重反射を抑制することができ、ベランダ19の空間内の音圧の上昇が生じないという効果を得ることができる。下方垂直壁部30と、傾斜した傾斜壁部55とを組み合わせた構造による、屋外からベランダ19の空間内に伝搬する騒音を低減する、という効果と、さらに、吸音処理部70を設けることで、ベランダ19の空間内の音圧の上昇を生じないという効果を得ることができる。
ところで、図10や図17から分かるように、ベランダ19のうち屋外からの騒音が直接入射する範囲は、下方垂直壁部30の端部31と、傾斜壁部55の端部56とを通るライン1と、境界部17と、傾斜壁部55の端部56とを通るライン2との間である。したがって、ベランダ天井面27におけるこの範囲が、吸音処理部70による吸音処理効果を最も効率的に享受できる最適な範囲である。逆に言えば、この範囲を超えて、例えばベランダ天井面27の全面を吸音処理したとしても、最適吸音範囲を超えた部分のコストに見合った効果は享受できない。
以上のような実施形態によれば、下方垂直壁部30と、傾斜した傾斜壁部55とを組み合わせた構造によっても、下方垂直壁部30に配された吸音処理部70によって、ベランダ19の空間内における多重反射を抑制することができ、ベランダ19の空間内の音圧の上昇させることがない。
[波動音響シミュレーションによる本発明の効果の検証について]
音波の波動性を考慮して音響現象を高精度に再現可能な波動音響シミュレーションにより、本発明に示した実施形態委の効果を検証する。
(シミュレーションの概要)
シミュレーションには、2次元境界要素法とモード展開法を連成した手法を用いる。手法の詳細は、参考文献2に記載の通りである。
計算対象とした標準的なベランダの断面形状を図18に示す。図18には、騒音低減対策を採用していない標準形のベランダの断面を示す。ベランダ空間のサイズは幅2.0m、高さ3.35mとし、パラペット高さをベランダ床面から1.4mとした。ベランダの室内側に高さ2.0mの窓面を想定する。図の左下側からある入射角(図示)で騒音が入射した場合の、図中の想定窓面(高さ2.0m)上における音圧レベルを計算により算出した。
後述する吸音処理部を設けた面を除いて、ベランダの床、壁面、天井面、パラペットは全て完全反射性とした。なお、以下、吸音処理部を設けた面は、吸音処理を施した面とも称する。
このシミュレーションは2次元シミュレーションであるので、3次元空間においては図示した断面形状のベランダが紙面奥方向に無限に連続している場合に相当する。紙面上下方向には周期境界条件を適用しているので、同じ断面形状のベランダが上下方向に無限に連続していると想定している。
計算は1/15オクターブごとの純音に対して行い、結果をオクターブ帯域ごとにまとめることで、後述する各ベランダ構造における前記想定窓面上のオクターブ帯域音圧レベルを求めた。
(シミュレーション結果)
図19に示す各ベランダ構造の、図18に示す前記標準形のベランダに対する騒音低減量、すなわち標準形の想定窓面上の音圧レベルに対するそれぞれのベランダ構造の想定窓面上の音圧レベルの低減量のシミュレーションを行った。より具体的には、a)傾斜壁部55を有するベランダ構造、b)垂直壁部62と下方垂直壁部30とを有するベランダ構造、c)傾斜壁部55と下方垂直壁部30とを有するベランダ構造、d)傾斜壁部55と下方垂直壁部30とを有し、吸音処理部70が配されたベランダ構造の4種類のベランダ構造についてのシミュレーションを行った。結果を、図20に示す。
a)及びc)の傾斜壁部55を有するベランダ構造の場合は、垂直方向から30度屋外側へ傾けるものとした。また、下方垂直壁部30のサイズは天井面から1mとした。下方垂直壁部30のベランダ内側に面する面を吸音処理する場合は、図中点線で示した面にポリエステル吸音材(密度32kg/m3、厚さ50mm)相当の吸音特性を与えた。
図20には、中心周波数500Hzオクターブ帯域における、騒音入射角度に対する各ベランダ構造の騒音低減量を示す。値が大きいほど想定窓面上の騒音が低減することを意味する。また、図中にはライン1および2の角度を合わせて示している。
a)の傾斜壁部55のみの場合、あるいはb)の下方垂直壁部30のみの場合に比べて、これらを組み合わせた、c)の場合に大きな騒音低減量が得られていることが確認できる。
その騒音低減量は、騒音の入射角度が大きいほど大きくなる傾向にある。また、図10に示すように、ライン1より建物側(入射角の大きい)騒音源からの騒音はベランダ天井に直接入射しないため、ライン1の角度より大きい入射角では騒音低減量はほぼ一定である。
一方で、b)の下方垂直壁部30のみの場合、騒音低減量が負、すなわち標準形のベランダと比較して想定窓面上の音圧レベルが逆に上昇している。図16の実施例について前述したように、ベランダ空間内に伝搬した騒音が下方垂直壁部30の反射性の面とベランダ空間内のその他の反射性の面(床部20、壁面15、ベランダ天井面27、傾斜壁部55等)で多重反射する。その結果、この下方垂直壁部30が無い場合と比較して、ベランダ空間内の音圧が上昇したことが示されている。
d)の傾斜壁部55と下方垂直壁部30を組み合わせて更に下方垂直壁部30のベランダ内側に面する面を吸音処理した場合、この多重反射が抑制されて、全体として騒音低減量が向上していることがわかる。
d)においては、騒音入射角度が浅い場合、依然として若干の負値であるが、通常騒音入射角度が浅い場合は騒音源が遠くその影響は小さいため、全体として影響は小さい。
次に、図17に示した実施形態の効果の検証結果を示す。図21に示すように、ベランダ天井の室内側の端部(境界部17)から幅Wabの範囲を吸音処理した結果を図22に示す。吸音面にはポリエステル吸音材(密度32kg/m3、厚さ50mm)相当の吸音特性を与えた。
図22に吸音処理の幅Wabを0m(すなわち天井吸音なし)、0.5m、1.27m(すなわち天井面とライン2との交点まで)、2.0m(すなわち天井全面吸音の場合)のベランダ構造に対する騒音低減量を示す。
図22の結果から、ベランダ天井面を吸音処理することでベランダ空間内の多重反射を抑制して騒音低減量が向上していることが確認できる。
Wab=1.27m、すなわち天井面とライン2との交点までは吸音処理の幅を増やすことで騒音低減量が向上しているが、それ以上では騒音低減量は大きく向上しないことがわかる。これは、図17の実施形態に関連して前述したように、ベランダ天井面のうち屋外からの騒音が直接入射する範囲は、下方垂直壁部30の端部31と、傾斜壁部55の端部56とを通るライン1から、境界部17と、傾斜壁部55の端部56とを通るライン2とまでであり、この範囲が吸音処理による効果を最も効率的に得ることができる最適な範囲であることを示している。
例えば、天井全面吸音のシミュレーション結果のように、この範囲を超えて吸音処理したとしても、最適吸音範囲を超えた部分のコストに見合った効果は享受できていない。
以上、本発明に係るベランダ構造は、床部の端部から下方に延出する下方垂直壁部と、前記床部の端部から延出するパラペットと、を有し、平面視したとき前記パラペットの少なくとも一部が、床部の端部に対して、建物から離れた位置に配される構成が採用されているため、本発明に係るベランダ構造によれば、ベランダの長手方向が、道路や鉄道等の騒音源と平行でないような場合でも、十分な騒音低減効果を得ることができる。
また、本発明に係るベランダ構造によれば、ベランダ天井面27に入射する騒音を低減することで、そこから反射して室内に伝搬する騒音を低減することができる。そして、これにより、道路や鉄道等の騒音源に、集合住宅等のベランダを有する建物が近接している場合においても、室内で十分に静かな環境を実現することができる。
また、本発明に係るベランダ構造によれば、例えば、傾斜壁部55を有するパラペット50と、下方垂直壁部30とを設置するだけで、上記効果を得ることができるので、高気密サッシや二重の窓サッシの設置に比較して低コストで上記が実現できる。
また、本発明に係るベランダ構造によれば、ベランダを介して室内に伝搬する騒音を低減するので、窓サッシを開放した場合も騒音低減効果を得ることができる。また、建物外壁に設けられた換気口等から室内に伝搬する騒音を低減することもできる。
また、本発明に係るベランダ構造における騒音の低減効果は、騒音の入射角度に依存することがない、という特徴を有する。図2に示すようにベランダの長手方向と平行に道路や鉄道等の騒音源が位置している場合に限らず、図3のように騒音源の軌道がベランダの長手方向と平行でない場合や、図4のように騒音源の軌道が建物を貫通する配置にあるような場合においても上記効果を得ることができる。
また、本発明に係るベランダ構造によれば、下方垂直壁部30と、傾斜した傾斜壁部55とを組み合わせた構造によっても、下方垂直壁部30に配された吸音処理部70によって、ベランダ19の空間内における多重反射を抑制することができ、ベランダ19の空間内の音圧の上昇させることがない。
(参考文献)
「高層マンションのバルコニーにおける屋外騒音対策」、石塚崇、日本音響学会誌68巻4号、pp.201-206、2012
(参考文献2)
Takashi Ishizuka,Kyoji Fujiwara, "Traffic noise reduction at balconies on a high-rise building fac,ade", J. Acoust. Soc. Am. 131 (3), March 2012, pp.2110-2117
10・・・建物
15・・・壁面
17・・・境界部
19・・・ベランダ
20・・・床部
21・・・床部端部
27・・・ベランダ天井面(床部裏面)
30・・・下方垂直壁部
31・・・下方垂直壁部端部
50・・・パラペット(床部端部から鉛直上方に延出した構成の全て)
55・・・傾斜壁部
56・・・傾斜壁部端部
62・・・垂直壁部
63・・・垂直壁部端部
64・・・水平張出し部
65・・・傾斜張出し部
70・・・吸音処理部
R・・・騒音源の軌道

Claims (7)

  1. 建物から水平方向に延出する床部と、
    前記床部の端部から下方に延出する下方垂直壁部と、
    前記床部の端部から延出するパラペットと、を有し、
    平面視したとき前記パラペットの少なくとも一部が、前記床部の端部に対して、建物から離れた位置に配されることを特徴とするベランダ構造。
  2. 前記パラペットには、建物から離れる方向に傾斜する傾斜壁部が含まれることを特徴とする請求項1に記載のベランダ構造。
  3. 前記パラペットには、前記床部の端部から鉛直上方に延出する垂直壁部と、前記垂直壁部の端部から水平方向に延出する水平張出し部が含まれることを特徴とする請求項1に記載のベランダ構造。
  4. 前記パラペットには、前記床部の端部から鉛直上方に延出する垂直壁部と、前記垂直壁部の端部から建物から離れる方向に傾斜する傾斜張出し部が含まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベランダ構造。
  5. 建物の壁面とベランダ天井面との境界部と、前記下方垂直壁部の端部と、前記パラペットの端部とを通る仮想の面が設定できるように、前記下方垂直壁部と前記パラペットを設けることを特徴とする請求項1に記載のベランダ構造。
  6. 前記下方垂直壁部には吸音処理部が配されることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載のベランダ構造。
  7. ベランダ天井面における、
    前記下方垂直壁部の端部と、前記パラペットの端部とを通る第1の仮想の面と、
    建物の壁面とベランダ天井面との境界部と、前記パラペットの端部とを通る第2の仮想の面との間には吸音処理部が配されることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のベランダ構造。
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