JP2023055665A - 精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法及び精錬炉又は反応炉の操業方法 - Google Patents

精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法及び精錬炉又は反応炉の操業方法 Download PDF

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Abstract

【課題】精錬工程又は反応工程における熱ロスをより低減することが可能な、精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法を提供する。【解決手段】精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法であって、篩い設備の篩い網上に前記粉原料を供給する工程と、前記篩い網上の前記粉原料に対してガスを吹き付けながら、前記篩い設備を稼働して前記篩い網にて前記粉原料を篩上と篩下とに篩い分ける工程と、前記篩い設備から前記篩上を回収する工程と、を有する粉原料の事前処理方法。【選択図】図2

Description

本発明は、精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法及び精錬炉又は反応炉の操業方法に関する。
転炉型精錬炉の一例として、ステンレス鋼を製造するためのクロム鉱石溶融還元炉がある。このクロム鉱石溶融還元炉を用いた洗練処理は、反応容器としての炉体に収容される溶融鉄に、酸化クロムを含むクロム鉱石、酸化クロム含有ダストなどのクロム源を添加し、添加したクロム源を溶融して酸化クロムを還元する溶融還元処理である。クロム鉱石及び酸化クロム含有ダストは安価であるため、フェロクロムなどの合金の使用原単位を削減するため、その使用量を多くすることが望まれる。しかしながら、クロム鉱石及び酸化クロム含有ダストの溶融には熱が必要である上に、酸化クロムの還元反応は吸熱反応であるため、溶融還元の実施には多量の熱が必要となる。このため、クロム鉱石及び酸化クロム含有ダストの使用量は、反応容器内の溶融鉄への熱の供給量で、その上限が決まる。よって、溶融鉄への熱の供給量を向上させることは、溶融還元を効果的に実施することにつながる。
従来、反応容器に収容された溶融鉄を昇熱するための熱を発生させるには、その反応容器内に酸素を上方及び底部の少なくとも一方から供給して、その酸素で溶融鉄中に添加された炭素源を燃焼させて得られる一次燃焼と、この一次燃焼によって発生する一酸化炭素をさらに燃焼させて二酸化炭素を生成することによって得られる二次燃焼とが利用されている。炭素源としては無煙炭が使用されるが、無煙炭の粒径にはばらつきがあり、また屋外ヤードで保管されているため、水分を含んでいる。無煙炭に含まれる水分は、反応容器に投入されると、溶融鉄及びスラグの浴中で吸熱分解するため、供給した熱を消費することになる。この熱ロスが、クロム鉱石及び酸化クロム含有ダストの溶解能率の低下を起こす原因となっていた。
このような課題を解決するために、特許文献1には、「鉄浴式溶融還元炉を用い、溶銑、スクラップ、各種鉱石を主原料、石炭を固体還元材に使用して粗溶鋼を製造するに際し、3.5メッシュで分級した石炭の篩上を屋外ヤードに貯蔵し、鉄浴式溶融還元炉に投入することを特徴とする鉄浴式溶融還元炉の操業方法」が記載されている。無煙炭中の水分は粒径と相関があり、粒径が小さい無煙炭に多くの水分が含まれることが確認できている。すなわち、特許文献1は、水分含有量の少ない粗大な石炭のみを反応容器に投入しようとするものである。
特開平9-143525号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、粒径の比較的大きい篩上の無煙炭の濡れた表面には、微粉の無煙炭が付着しており、特許文献1のように篩で分級したのみでは、この付着した無煙炭は除去しきれずに反応容器へ投入されることが判明した。そのため、特許文献1の方法では、反応容器に供給される水分量を十分に低減することができず、すなわち、熱ロスを十分に低減することはできない。このような課題は、炭素源として無煙炭を用いるクロム鉱石及び酸化クロム含有ダストの溶融還元処理に限定されず、屋外ヤードに野積みされた水分を含有する粉原料を副原料として精錬炉又は反応炉に投入する精錬工程又は反応工程の全般にも当てはまるものである。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、精錬工程又は反応工程における熱ロスをより低減することが可能な、精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法及び精錬炉又は反応炉の操業方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明者らが検討したところ、単に篩い網で粉原料を分級して篩上を回収するのではなく、篩い網上の粉原料に対してガスを吹き付けながら、粉原料を分級して、篩上を回収することを想到した。このようにすれば、粒径の大きな粉の表面に付着した水分量の多い微粉を飛ばして、篩下に落とすことができる。その結果、篩上における水分量の多い微粉の含有量を十分に低減させて、反応容器に投入される粉原料の含水率を低下させることにより、精錬工程又は反応工程における熱ロスをより低減することができる。
本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1]精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法であって、
篩い設備の篩い網上に前記粉原料を供給する工程と、
前記篩い網上の前記粉原料に対してガスを吹き付けながら、前記篩い設備を稼働して前記篩い網にて前記粉原料を篩上と篩下とに篩い分ける工程と、
前記篩い設備から前記篩上を回収する工程と、
を有する粉原料の事前処理方法。
[2]前記篩上の含水率を5.0質量%以下とする、上記[1]に記載の粉原料の事前処理方法。
[3]前記粉原料が石炭である、上記[1]又は[2]に記載の粉原料の事前処理方法。
[4]前記石炭が無煙炭である、上記[3]に記載の粉原料の事前処理方法。
[5]前記ガスが空気である、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の粉原料の事前処理方法。
[6]前記篩い設備が振動式スクリーンである、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の粉原料の事前処理方法。
[7]前記精錬炉が転炉型精錬炉である、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の粉原料の事前処理方法。
[8]前記転炉型精錬炉が溶融還元炉である、上記[7]に記載の粉原料の事前処理方法。
[9]前記溶融還元炉が、ステンレス鋼を製造するためのクロム鉱石溶融還元炉である、上記[8]に記載の粉原料の事前処理方法。
[10]前記転炉型精錬炉が脱炭炉である、上記[7]に記載の粉原料の事前処理方法。
[11]前記反応炉が高炉である、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の粉原料の事前処理方法。
[12]上記[1]~[11]のいずれか一項に記載の粉原料の事前処理方法と、
回収した前記篩上を前記精錬炉又は前記反応炉に投入する工程と、
を有する精錬炉又は反応炉の操業方法。
本発明の精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法及び精錬炉又は反応炉の操業方法によれば、精錬工程又は反応工程における熱ロスをより低減することができる。
本発明の一実施形態において、クロム鉱石溶融還元炉40に無煙炭を投入するまでの無煙炭供給ラインの概略図である。 図1における振動式スクリーン14及びガス噴射設備16の概略断面図である。 振動式スクリーン14及びガス噴射設備16を、篩い網14Aの上方から見た概略図である。 振動式スクリーン14及びガス噴射設備16を、無煙炭の搬送方向から見た概略図である。 クロム鉱石溶融還元炉40の概略断面図である。
本発明の一実施形態による、精錬炉に投入する粉原料の事前処理方法は、篩い設備の篩い網上に前記粉原料を供給する工程と、前記篩い網上の前記粉原料に対してガスを吹き付けながら、前記篩い設備を稼働して前記篩い網にて前記粉原料を篩上と篩下とに篩い分ける工程と、前記篩い設備から前記篩上を回収する工程と、を有する。また、本発明の一実施形態による精錬炉の操業方法は、上記本発明の一実施形態による粉原料の事前処理方法と、回収した前記篩上を前記精錬炉に投入する工程と、を有する。
これら発明の一実施形態による、精錬炉に投入する粉原料の事前処理方法及び精錬炉の操業方法について、粉原料が無煙炭であり、精錬炉がクロム鉱石溶融還元炉である場合を例として説明する。
図1は、クロム鉱石溶融還元炉40(以下、単に「溶融還元炉40」とも称する。)に無煙炭を投入するまでの無煙炭供給ラインの概略図である。溶融還元炉40に投入する無煙炭は、一般的に、屋外のヤードに野積みされており、水分を含む。屋外ヤードに野積みされた無煙炭を初めとする粉原料は、一般的に5~15質量%程度の含水率を有する。ヤードに野積みされた無煙炭は、図示しない輸送車によって原料槽10に収容される。
原料槽10から切り出された無煙炭は、ベルトコンベア12上に供給され、ベルトコンベア12によって搬送され、篩い設備としての振動式スクリーン14に供給される。図1に加え図2及び図3も参照して、振動式スクリーン14は、傾斜した篩い網14Aを備える。篩い網14Aは、上面視で矩形であり、上下に振動可能である。無煙炭は、篩い網14Aのうち高い位置に供給される。篩い網14A上に供給された無煙炭は、上下に振動する篩い網14Aの作用で、篩い網14Aの傾斜に従って篩い網14Aの低い位置に移動しつつ、篩い分けられる。
篩い網14Aのサイズ及び形状、並びに、篩い網14Aの篩い目のサイズ及び形状は、特に限定されず、粉原料の種類及びサイズや、精錬炉又は反応炉の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、篩い網14Aのサイズは、2000~4000mm×5000~8000mmの矩形とすることができ、篩い目のサイズ及び形状は、2~5mm×15~30mmの矩形とすることができる。
振動式スクリーン14の篩い網14Aの上方には、ガス噴射設備16が配置されている。無煙炭は、篩い網14Aの上を流れる間、ガス噴射設備16からの気流に晒される。その結果、篩い網14A上の無煙炭に関して、粒径の大きな粉の表面に付着した水分量の多い微粉を飛ばして、篩下に落とすことができる。篩い網14Aの上で独立して存在した微粉や、上記のように粒径の大きな粉の表面から剥離した微粉は、篩い網14Aの網目から下方に落下する。このように、篩い目のサイズに応じて、所定の粒径以下の無煙炭(すなわち篩下)は、微粉回収設備18を通過した後、微粉回収設備18の下に設置されている容器(図示せず)に供給される。
所定の粒径より大きい無煙炭(すなわち篩上)は、ベルトコンベア20上に供給され、ベルトコンベア20によって搬送され、第1中間ホッパ22に収容される。第1中間ホッパ22から切り出された無煙炭は、ベルトコンベア24上に供給され、ベルトコンベア24によって搬送されて、第2中間ホッパ26に収容される。第2中間ホッパ26に収容された無煙炭は、溶融還元炉40の操業に必要な量が切り出されて、ベルトコンベア28上に供給され、ベルトコンベア28によって搬送され、原料ホッパ30に収容される。原料ホッパ30から切り出された無煙炭は、シュート32を介して溶融還元炉40へと投入される。
図2、図3及び図4を参照して、ガス噴射設備16の詳細について説明する。ガス噴射設備16は、ヘッダ16A及びノズル16Bを有する。ヘッダ16Aには、図示しない配管を介して、図示しないコンプレッサ及びドライヤが接続されている。ヘッダ16Aには、コンプレッサで圧縮されドライヤで十分に乾燥された空気が供給される。ヘッダ16Aは、圧縮空気が通過する空間を区画する管状の部材であり、篩い網14A上における無煙炭の搬送方向に垂直な方向に延在する。ヘッダ16Aには、その延在方向に所定の間隔(好ましくは等間隔)をあけて複数本のノズル16Bが接続されている。ノズル16Bは、ヘッダ16Aから供給される圧縮空気を先端から噴射する部材であり、その先端は下方向、すなわち篩い網14Aに向かっている。
本実施形態では、篩い網14Aの上方に位置するガス噴射設備16のノズル16Bから、篩い網14A上の無煙炭に対して圧縮空気を吹き付けながら、篩い網14Aにて無煙炭を篩上と篩下とに篩い分ける。これにより、篩い網14A上の無煙炭に関して、粒径の大きな粉の表面に付着した水分量の多い微粉を飛ばして、篩下に落とすことができる。その結果、溶融還元炉40には、水分量の多い微粉の量が少ない粗粒が主となる無煙炭が供給されるため、溶融還元炉40での溶融還元工程における熱ロスをより低減することができる。
本発明者らの検討によれば、篩上の無煙炭、すなわち、溶融還元炉40に投入される無煙炭の含水率が5.0質量%を超える場合、チャージ毎の無煙炭使用量が著しくばらつく現象が認められ、計画どおりの炭材原単位を達成することができなかった。ばらつきの原因は必ずしも明らかではないが、除去されなかった水分量の多い残留微粉炭が溶融還元炉40に投入されて吸熱分解するとともに、微粉炭自体が排ガス気流に乗って溶融還元炉40の外に放出されることが影響しているものと考えられる。そこで、本実施形態では、篩い分けられた後の篩上の含水率を5.0質量%以下とすることが好ましく、3.5質量%以下とすることがより好ましい。
ガス噴射設備16から噴射するガスは、空気であることが好ましいが、これに限定されず、例えば、窒素、アルゴンなどの不活性ガスでもよい。ガスの噴射圧力は、粗粒の表面に付着した細粒を効率的に除去する観点から適切に設定すればよいが、例えば0.05~0.98MPa、より好ましくは0.10~0.59MPaの範囲内とすることができる。
ヘッダ16Aの数は特に限定されず、1本でもよいし、図2及び図3に示すように、無煙炭の搬送方向に所定の間隔をあけて複数本、例えば2~5本設置してもよい。
1本のヘッダ16Aに設けられるノズル16Bの数は、篩い網14A上の無煙炭の全体にガスを吹き付けることができるように設定することが好ましく、例えば、ヘッダ16Aの延在方向に等間隔に1~20本設置することが好ましい。ノズル16Bは、篩い網14A上の無煙炭の全体にガスを吹き付ける観点から、広範囲にガスを噴射可能な扇形エアノズルであることが好ましい。ノズル高さ(篩い網14Aとノズル先端との距離)は、噴射圧力との関係で適切に設定すればよいが、例えば50~100mmの範囲内とすることができる。
図5は、クロム鉱石溶融還元炉40の概略断面図である。炉体41の内側には耐火物が設けられており、この炉体41に、1200℃程度の高温の溶融鉄を装入して収容する。炉体41には、出湯口42が設けられており、炉体41を傾けることで、溶融還元処理後の溶融鉄を出湯口42から排出することができる。
酸化性ガス供給ランス43は、炉体41の上部開口部から炉体41内に差し込まれており、その先端から酸化性ガスを炉体41内に供給する。炉体41の底部には、複数の羽口44が設けられており、この羽口には、酸化性ガスの導入管が接続されている。この羽口44から炉体41内へ酸化性ガスが吹き込まれる。
溶融鉄中に添加された無煙炭などの炭素源が、これら酸化性ガスと反応し一次燃焼して、溶融鉄には、一酸化炭素と一次燃焼熱とが生じる。この一酸化炭素は、炉体41内の空間で酸化性ガスとさらに反応して二次燃焼し、二次燃焼熱が生じる。この二次燃焼熱の一部は、スラグを介して溶融鉄に伝わる。
クロム鉱石/ダスト供給ランス45は、炉体41の上部開口部から炉体41内に差し込まれており、その先端からクロム鉱石及びクロム含有ダストの一方又は両方(クロム源)を炉体41内に供給する。
溶融鉄に向けて供給されたクロム源はスラグ中に浮遊して、やがてスラグ中に溶解し、クロム源中の酸化クロムや脈石成分がスラグの液相中に供給される。また、生石灰、珪石などの副原料によってスラグの組成が調整される。酸化クロムは、スラグ中で炭素源や溶融鉄中の炭素を還元材として還元され金属クロムとなる。生成した金属クロムは、スラグに対して密度が大きいので、沈降するなどしてスラグから溶融鉄中に溶け込む。このようにして、炉体41内の温度を1500~1600℃程度のクロム源の溶融還元に適した温度に維持するように、熱供給速度に応じてクロム源の供給速度を調整することによって、溶融還元操業が行われる。
上述のようなクロム源の溶融還元処理を行い、溶融鉄中のクロムの質量比率(%)が望んだ値となるように、酸化性ガス供給ランス43からの酸化性ガスの供給、炭素源及び副原料の供給、並びにクロム鉱石/ダスト供給ランス45からのクロム源の供給を行った後、溶融還元処理を終了する。クロム鉱石およびダストの溶融還元処理の終了後、出湯口42から溶融鉄を出湯し、次工程の設備に搬送する。
以上では、粉原料が無煙炭であり、精錬炉がクロム鉱石溶融還元炉である場合を例として、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態には限定されない。精錬炉又は反応炉に投入する粉原料であって、屋外ヤードに野積みされた水分を含むものであり、かつ、細粒ほど水分量が多いものであれば、本発明を適用することができる。
例えば、ヤードに野積みにされた粉原料としてのスラグを、精錬炉に供給するにあたり本発明を用いることができる。
また、コークスは通常、コークス炉から直接反応炉としての高炉に供給されるが、その過程で篩設備により分級される。その場合、高炉に供給するにあたり、本発明を適用することができる。
また、精錬炉は転炉型精錬炉であることができ、その例としては、クロム鉱石溶融還元炉に限定されず、脱炭炉などであってもよい。
図1~5に示す構成のクロム鉱石溶融還元炉40を用いて、クロム鉱石溶融還元操業を行った。
溶融鉄として1200℃の100トンの溶銑を用意し、転炉型精錬炉として、150トンの溶銑を収容可能な溶融還元炉を用意して、次いで、その炉体に100トンの溶銑を装入した。
装入後の溶銑温度を1500℃に調整した後に、酸化性ガス供給ランスから500Nm3/分の酸素ガスを供給するとともに、底吹き羽口から133Nm3/分の酸素ガスを供給した。炭素源として無煙炭をシュートから所定の供給速度で投入するとともに、溶銑温度を1500℃で維持するように、クロム含有ダストをランスから所定の速度で供給した。溶銑中のクロム濃度が所定の濃度に達したら、溶融還元処理を終了した。
無煙炭の成分は、質量%で、C:86.7%、P:0.012%、S:0.54%、SiO2:2.2%、Al23:1.5%である。V.Mは6.41、T.Moisは3.95%である。
篩い網のサイズ及び形状は、2510mm×6908mmの矩形であり、篩い網の篩い目のサイズ及び形状は、4mm×19mmの矩形とした。
本発明例1,2では、篩い網の上方に位置するガス噴射設備のノズルから、篩い網上の無煙炭に対して圧縮空気を吹き付けながら、篩い網にて無煙炭を篩上と篩下とに篩い分けた。ガス噴射設備において、ヘッダは3本とし、ヘッダ1本あたりのノズル数は17とし、ヘッダの延在方向に等間隔に配列させた。ノズルとしては扇形エアノズルを用いた。ノズル高さは75mm、噴射圧力は表1に示す値とした。比較例では、圧縮空気を吹き付けることなく、篩い網にて無煙炭を篩上と篩下とに篩い分けた。本発明例1,2及び比較例ともに、篩上を炉体に投入した。
本発明例1,2及び比較例において、表1に示す6つのパラメータ、すなわち「篩通過前微粉率」、「篩通過後微粉率」、「篩通過前含水率」、「篩通過後含水率」、「有効熱量」、及び「ダスト/炭材比」を測定した。微粉率は、無煙炭サンプルにおける粒径5mm以下の微粉の質量比であり、無煙炭サンプルを10分間5×5mmの網目で篩い、篩上と篩下の質量から算出した。含水率は、加熱乾燥式水分計により無煙炭サンプル温度を120℃で20分間保持し、加熱前後の質量変化から算出した。ここで、「篩通過前」の無煙炭サンプルは、図1に示す原料槽10から採取し、「篩通過後」の無煙炭サンプルは、図1に示す第一中間ホッパ22から採取した。有効熱量は、無煙炭1kg当たりにもたらされる実質の発熱量であり、実際に転炉に投入された各原料の理論吸熱量の合計値を昇熱に利用された無煙炭の投入量で割ることにより求めた。ダスト/炭材比は、実際の精錬で投入されたダストと無煙炭の重量比である。
Figure 2023055665000002
ガスの噴射圧力を0.34MPaとして実施した発明例1では、篩通過後の含水率を5.0質量%以下とすることができ、比較例より30kcal/kgの有効熱量の増加改善が認められた。また、ガスの噴射圧力を0.56MPaとした発明例2では、さらに微粉除去効果が顕著となり、篩通過後の含水率は比較例に比べ2.8質量%低減され、有効熱量が91kcal/kg増加した。これらの本発明による熱ロス改善作用によって、安価なクロム含有ダストの単位炭材当たりの使用量を拡大することが可能となり、産業上有用な効果が確認された。
本発明の精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法及び精錬炉又は反応炉の操業方法によれば、精錬工程又は反応工程における熱ロスをより低減することができる。本発明は、特に、ステンレス鋼を製造するためのクロム鉱石溶融還元炉に好ましく適用することができる。
10 原料槽
12 ベルトコンベア
14 振動式スクリーン(篩い設備)
14A 篩い網
16 ガス噴射設備
16A ヘッダ
16B ノズル
18 微粉回収設備
20 ベルトコンベア
22 第1中間ホッパ
24 ベルトコンベア
26 第2中間ホッパ
28 ベルトコンベア
30 原料ホッパ
32 シュート
40 クロム鉱石溶融還元炉
41 炉体(反応容器)
42 出湯口
43 酸化性ガス供給ランス
44 羽口
45 クロム鉱石/ダスト供給ランス

Claims (12)

  1. 精錬炉又は反応炉に投入する粉原料の事前処理方法であって、
    篩い設備の篩い網上に前記粉原料を供給する工程と、
    前記篩い網上の前記粉原料に対してガスを吹き付けながら、前記篩い設備を稼働して前記篩い網にて前記粉原料を篩上と篩下とに篩い分ける工程と、
    前記篩い設備から前記篩上を回収する工程と、
    を有する粉原料の事前処理方法。
  2. 前記篩上の含水率を5.0質量%以下とする、請求項1に記載の粉原料の事前処理方法。
  3. 前記粉原料が石炭である、請求項1に記載の粉原料の事前処理方法。
  4. 前記石炭が無煙炭である、請求項3に記載の粉原料の事前処理方法。
  5. 前記ガスが空気である、請求項1に記載の粉原料の事前処理方法。
  6. 前記篩い設備が振動式スクリーンである、請求項1に記載の粉原料の事前処理方法。
  7. 前記精錬炉が転炉型精錬炉である、請求項1に記載の粉原料の事前処理方法。
  8. 前記転炉型精錬炉が溶融還元炉である、請求項7に記載の粉原料の事前処理方法。
  9. 前記溶融還元炉が、ステンレス鋼を製造するためのクロム鉱石溶融還元炉である、請求項8に記載の粉原料の事前処理方法。
  10. 前記転炉型精錬炉が脱炭炉である、請求項7に記載の粉原料の事前処理方法。
  11. 前記反応炉が高炉である、請求項1に記載の粉原料の事前処理方法。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の粉原料の事前処理方法と、
    回収した前記篩上を前記精錬炉又は前記反応炉に投入する工程と、
    を有する精錬炉又は反応炉の操業方法。
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