JP2023051589A - 電波吸収体、電波吸収体付物品、及び電波吸収体用積層体 - Google Patents

電波吸収体、電波吸収体付物品、及び電波吸収体用積層体 Download PDF

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将貴 臼井
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Abstract

【課題】吸湿状態の被着体からの水分の放出に伴う電波吸収性能の低下を抑制する観点から有利な電波吸収体を提供する。【解決手段】電波吸収体1aは、抵抗層10と、反射体30と、誘電体層20と、粘着層40とを備える。反射体30は電波を反射する。誘電体層20は、抵抗層10の厚み方向において抵抗層10と反射体30との間に配置されている。抵抗層10は、抵抗層10の厚み方向において誘電体層20と粘着層40との間に配置されている。100℃の条件において、板材2の表面に粘着層40が接触した状態で板材2に貼り付けられた電波吸収体1aに板材2の表面に平行な方向に沿って引張せん断荷重Tを加える。この場合、粘着層40のせん断接着力F100は10.0N/cm2以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、電波吸収体、電波吸収体付物品、及び電波吸収体用積層体に関する。
従来、抵抗層と電波反射体との間に誘電体層を備えた電波吸収体が知られている。
例えば、特許文献1には、抵抗膜と、電波反射体と、誘電体層とを備えた電波吸収体が記載されている。抵抗膜は、極細導電繊維を含んでいる。電波吸収体は、抵抗膜と電波反射体との間に誘電体層を備えており、誘電体層の厚さは、λ/4電波吸収体理論に基づいて設計されている。
特開2005-311330号公報
λ/4型電波吸収体は、抵抗層と、電波を反射する反射体と、λ/4に対応する厚みを有する誘電体層とを備えている。抵抗層と反射体との間に誘電体層が配置される。λは、吸収対象の電波の波長である。
λ/4型電波吸収体を所定の被着体に粘着層を用いて貼り付けることが考えられる。本発明者らの検討によれば、λ/4型電波吸収体の抵抗層と被着体との間に粘着層を形成して、この粘着層によってλ/4型電波吸収体を被着体に貼り付けることも想定される。この場合、抵抗層は、抵抗層の厚み方向において誘電体層と粘着層との間に配置される。一方、特許文献1では、このような場合を想定した具体的な検討はなされていない。
本発明者らがさらに検討を進めると、電波吸収体の抵抗層と被着体との間に形成された粘着層によって電波吸収体を被着体に貼り付けた場合に、吸湿状態の被着体からの水分放出の影響を考慮する必要があることが新たに分かった。具体的に、この水分の放出により、電波吸収体の性能が低下する可能性があることが新たに分かった。
そこで、本発明は、抵抗層の厚み方向において誘電体層と粘着層との間に抵抗層が配置されていても、吸湿状態の被着体からの水分の放出に伴う電波吸収性能の低下を抑制する観点から有利な電波吸収体を提供する。
本発明は、
電波吸収体であって、
抵抗層と、
電波を反射する反射体と、
前記抵抗層の厚み方向において前記抵抗層と前記反射体との間に配置された誘電体層と、
粘着層と、を備え、
前記抵抗層は、前記抵抗層の厚み方向において前記誘電体層と前記粘着層との間に配置されており、
前記粘着層は、100℃の条件において、ポリカーボネートによって形成された表面を有する板材の前記表面に前記粘着層が接触した状態で前記板材に貼り付けられた前記電波吸収体に前記表面に平行な方向に沿って引張せん断荷重を加えたときに、10.0N/cm2以上のせん断接着力を有する、
電波吸収体を提供する。
また、本発明は、
上記の電波吸収体と、
前記粘着層が接触した状態で前記電波吸収体が貼り付けられている被着体と、を備えた、
電波吸収体付物品を提供する。
また、本発明は、
電波吸収体用積層体であって、
抵抗層と、
第一主面及び第二主面を有し、前記抵抗層の厚み方向において前記第一主面は前記第二主面よりも前記抵抗層に近い位置に形成されている、誘電体層と、
粘着層と、を備え、
前記抵抗層は、前記抵抗層の厚み方向において前記誘電体層と前記粘着層との間に配置されており、
前記誘電体層の少なくとも前記第二主面をなす部位は、粘着性を有し、
前記粘着層は、100℃の条件において、ポリカーボネートによって形成された表面を有する板材の前記表面に前記粘着層が接触した状態で前記板材に貼り付けられた前記電波吸収体用積層体に前記表面に平行な方向に沿って引張せん断荷重を加えたときに、10.0N/cm2以上のせん断接着力を有する、
電波吸収体用積層体を提供する。
上記の電波吸収体は、抵抗層の厚み方向において誘電体層と粘着層との間に抵抗層が配置されているものの、吸湿状態の被着体からの水分の放出に伴う電波吸収性能の低下を抑制する観点から有利である。
図1は、本発明に係る電波吸収体の一例を示す断面図である。 図2Aは、粘着層のせん断接着力の測定方法を模式的に示す平面図である。 図2Bは、図2AのB-B線を切断線とする試験片の断面図である。 図3は、本発明に係る電波吸収体付物品の一例を示す断面図である。 図4は、本発明に係る電波吸収体の別の一例を示す断面図である。 図5は、本発明に係る電波吸収体付物品の別の一例を示す断面図である。 図6は、本発明に係る電波吸収体用積層体の一例を示す断面図である。 図7は、本発明に係る電波吸収体付物品の別の一例を示す断面図である。 図8は、本発明に係る電波吸収体用積層体の別の一例を示す断面図である。 図9は、反射減衰量の測定方法を模式的に示す図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。
図1に示す通り、電波吸収体1aは、抵抗層10と、反射体30と、誘電体層20と、粘着層(第一粘着層)40とを備えている。反射体30は電波を反射する。誘電体層20は、抵抗層10の厚み方向において抵抗層10と反射体30との間に配置されている。抵抗層10は、抵抗層10の厚み方向において誘電体層20と粘着層40との間に配置されている。図2A及び図2Bに示す通り、板材2の表面に粘着層40が接触した状態で板材2に貼り付けられた電波吸収体1aに板材2の表面に平行な方向に沿って引張せん断荷重Tを加えることによって、粘着層40のせん断接着力F100を測定する。この測定は、100℃の条件においてなされる。板材2の表面は、ポリカーボネート(PC)によって形成されている。粘着層40のせん断接着力F100[N/cm2]は、電波吸収体1aと板材2との接合が破断したときの破断力[N]を、電波吸収体1aと板材2との接合面Saの面積[cm2]で除することによって決定できる。粘着層40のせん断接着力F100は、10.0N/cm2以上である。粘着層40のせん断接着力F100は、例えば、日本産業規格JIS K 6850:1999の記載を参考に測定できる。
電波吸収体1aに吸収対象とする波長λOの電波が入射すると、抵抗層10の表面での反射(表面反射)による電波と、反射体30における反射(裏面反射)による電波とが干渉するように、電波吸収体1aが設計されている。電波吸収体1aが吸収可能な電波は、特定の電波に限定されない。電波吸収体1aが吸収可能な電波は、例えば、特定の周波数帯域のミリ波又はサブミリ波である。
電波吸収体1aが吸収可能な電波の周波数域の例は、以下の通りである。以下の電波は、各国において5G用の電波としての使用が検討されている。
27.5~29.5GHz
27.5~28.35GHz
24.25~24.45GHz
24.75~25.25GHz
37~38.6GHz
38.6~40GHz
47.2~48.2GHz
64~71GHz
24.25~27.5GHz
40.5~43.5GHz
66~71GHz
24.75~27.5GHz
37~42.5GHz
27.5~29.5GHz
31.8~33.4GHz
37~40.5GHz
電波吸収体1aが吸収可能な電波の周波数域の別の例は、以下の通りである。以下の電波は、ミリ波レーダ用の電波として利用されうる。
21.65~26.65GHz
60~61GHz
76~77GHz
77~81GHz
94.7~95GHz
139~140GHz
電波吸収体1aを用いて、例えば、図3に示す電波吸収体付物品5aを提供できる。電波吸収体付物品5aは、例えば、電波吸収体1aと、被着体3とを備えている。被着体3には、粘着層40が接触した状態で電波吸収体1aが貼り付けられている。
電波吸収体付物品5aは、様々な環境で使用されうる。例えば、被着体3が吸湿した状態で電波吸収体付物品5aが使用されることが想定される。吸湿状態の被着体から水分が放出されると、被着体と、被着体に接している粘着層との間に気泡が生成されて大きな空隙が発生しやすい。λ/4型電波吸収体において、抵抗層の厚み方向において誘電体層と粘着層との間に抵抗層が配置されている場合に、このような大きな空隙が発生すると、吸収対象の電波が電波吸収体に入射するときにこの空隙を通過する可能性がある。これにより、λ/4型電波吸収体の電波吸収性能が大きく低下しうる。本発明者らは、被着体と、被着体に接している粘着層との間にこのような大きな空隙が発生しにくい電波吸収体を新たに開発すべく多大な試行錯誤を重ねた。その結果、100℃における粘着層40のせん断接着力F100を10.0N/cm2以上に調整することによって、被着体3に接している粘着層40と被着体3との間に大きな空隙が発生しにくいことを突き止めた。本発明者らは、23℃における粘着層のせん断接着力も同様に測定した。しかし、23℃において高いせん断接着力を示す粘着層を用いても、吸湿状態の被着体からの水分の放出に伴う電波吸収性能の低下を抑制することが難しい場合があることも分かった。
電波吸収体付物品5aにおける被着体3は、特定の物品に限定されない。被着体3は、例えば、樹脂品である。この場合、被着体3における吸湿量が多くなりやすい。しかし、粘着層40のせん断接着力F100が10.0N/cm2以上に調整されていることによって、樹脂品である被着体3に吸湿された水分が放出されても、電波吸収体付物品5aにおいて、被着体3と粘着層40との間に大きな空隙が発生しにくい。
被着体3をなす材料は、特定の材料に限定されない。被着体3は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリプロピレン(PP)からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。この場合、被着体3における吸湿量が多くなりやすい。しかし、粘着層40のせん断接着力F100が10.0N/cm2以上に調整されていることによって、PC、PBT、及びPPからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む被着体3に吸湿された水分が放出されても、電波吸収体付物品5aにおいて、被着体3と粘着層40との間に大きな空隙が発生しにくい。
粘着層40のせん断接着力F100は、10.5N/cm2以上であってもよく、11.0N/cm2以上であってもよく、12.0N/cm2以上であってもよく、13.0N/cm2以上であってもよい。粘着層40のせん断接着力F100は、例えば50N/cm2以下である。電波吸収体付物品5aの保守又は電波吸収体付物品5aのリサイクルにおいて、電波吸収体1aが被着体3から引き剥がされることがある。粘着層40のせん断接着力F100が50N/cm2以下であれば、電波吸収体付物品5aの保守又は電波吸収体付物品5aのリサイクルにおいて、電波吸収体1aを被着体3を引き剥がしやすい。粘着層40のせん断接着力F100は、40N/cm2以下であってもよく、30N/cm2以下であってもよい。
粘着層40のせん断接着力F100の測定に用いられる板材2の表面は、例えば、平滑な表面である。板材2の表面は、例えば、5μm以下の算術平均粗さRaを有する。算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2013に基づく値である。
100℃の条件を23℃に変更すること以外は粘着層40のせん断接着力F100の測定と同様にして、粘着層40のせん断接着力F23を測定できる。せん断接着力F100が10.0N/cm2以上である限り、せん断接着力F23は特定の値に限定されない。せん断接着力F23は、例えば、40~100N/cm2である。せん断接着力F23は、45N/cm2以上であってもよく、50N/cm2以上であってもよい。せん断接着力F23は、90N/cm2以下であってもよく、80N/cm2以下であってもよい。
せん断接着力F100が10.0N/cm2以上である限り、粘着層40の厚みは特定の値に限定されない。粘着層40は、例えば15~750μmの厚みを有する。このような構成によれば、粘着層40のせん断接着力F100が所望の範囲に調整されやすく、吸湿状態の被着体3からの水分の放出に伴う電波吸収性能の低下を抑制しやすい。加えて、粘着層40が電波吸収体1aの電波吸収性能に与える影響を低減しやすく、電波吸収体1aが高い電波吸収性能を発揮しやすい。
粘着層40の厚みは、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、35μm以上であってもよく、40μm以上であってもよく、45μm以上であってもよく、50μm以上であってもよい。粘着層40の厚みは、740μm以下であってもよく、730μm以下であってもよく、720μm以下であってもよく、700μm以下であってもよく、650μm以下であってもよく、600μm以下であってもよい。粘着層40の厚みは、550μm以下であってもよく、500μm以下であってもよく、450μm以下であってもよく、400μm以下であってもよく、350μm以下であってもよい。
粘着層40は、基材を備えた粘着層であってもよいし、基材レスの粘着層であってもよい。基材をなす材料は、特定の材料に限定されない。基材をなす材料は、PETフィルム等のプラスチックフィルムであってもよいし、不織布であってもよいし、織布であってもよいし、フォームであってもよいし、和紙等の紙であってもよい。
粘着層40に含まれるベース樹脂は、特定の樹脂に限定されない。粘着層40は、例えば、アクリル樹脂を含んでいる。この場合、粘着層40のせん断接着力F100が所望の範囲に調整されやすく、吸湿状態の被着体3からの水分の放出に伴う電波吸収性能の低下をより抑制しやすい。
粘着層40は、例えば、粘着付与剤をさらに含んでいる。粘着付与剤は、特定の粘着付与剤に限定されない。粘着付与剤は、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水添石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、又はキシレン樹脂である。ロジン系樹脂は、例えば、ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジンフェノール樹脂、又は重合ロジンである。テルペン系樹脂は、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、又は水添テルペン樹脂である。
せん断接着力F100が10.0N/cm2以上である限り、高温試験後におけるサンプルの厚みと高温試験前におけるサンプルの厚みとの差Δtは、特定の値に限定されない。高温試験に供されるサンプルは、85℃の温度及び85%の相対湿度の条件で125時間保管されたポリカーボネート板の表面に電波吸収体1aの粘着層40を接触させて電波吸収体1aをポリカーボネート板に貼り付けることによって作製される。ポリカーボネート板の表面は平滑である。高温試験は、サンプルの環境を140℃に48時間保つことによってなされる。高温試験前におけるサンプルの厚みは、無作為に選択された5箇所以上における測定値を算術平均することによって決定できる。高温試験後に目視によりサンプルの厚みの変動が大きい箇所を特定する。その箇所における厚みを高温試験後におけるサンプルの厚みと決定する。差Δtは、例えば、0.30mm以下である。このような構成によれば、吸湿状態の被着体から水分が放出されても、吸収対象の電波が電波吸収体1aに入射するときに大きな空隙を通過しにくい。このため、吸湿状態の被着体から水分が放出されても、電波吸収体1aの電波吸収性能が低下しにくい。
差Δtは、望ましくは0.29mm以下であり、より望ましくは0.28mm以下であり、さらに望ましくは0.27mm以下である。
抵抗層10をなす材料は、電波吸収体1aが所望の電波を吸収できる限り、特定の材料に限定されない。抵抗層10は、例えば、金属酸化物、合金、導電性高分子、カーボンブラック、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、及び単層カーボンナノチューブ(SWNT)からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。導電性高分子は、特定の高分子に限定されない。導電性高分子は、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、又はPEDOT/PSSである。金属酸化物は、例えば、インジウム、スズ、及び亜鉛からなる群から選ばれた少なくとも1つの金属元素を含有している金属酸化物である。金属酸化物は、酸化インジウムスズ(ITO)であってもよい。合金は、例えば、モリブデンを含有する。合金は、モリブデンに加えてニッケル及びクロムを含有していてもよい。
抵抗層10は、例えば、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、又はコーティング液の塗膜の硬化等の方法によって形成できる。
抵抗層10のシート抵抗は、電波吸収体1aが所望の電波を吸収できる限り、特定の値に限定されない。抵抗層10のシート抵抗は、例えば、200Ω/□~600Ω/□である。抵抗層10のシート抵抗は、220Ω/□以上であってもよく、240Ω/□以上であってもよく、260Ω/□以上であってもよく、280Ω/□以上であってもよく、300Ω/□以上であってもよく、320Ω/□以上であってもよく、340Ω/□以上であってもよい。抵抗層10のシート抵抗は、580Ω/□以下であってもよく、560Ω/□以下であってもよく、540Ω/□以下であってもよく、520Ω/□以下であってもよく、500Ω/□以下であってもよく、450Ω/□以下であってもよい。
反射体30は、吸収対象の電波を反射できる限り特定の態様に限定されない。図1に示す通り、反射体30は、例えば層状に形成されている。この場合、反射体30は、抵抗層10のシート抵抗よりも低いシート抵抗を有する。反射体30は、層状以外の形状を有していてもよい。
反射体30は、例えば、金属、合金、金属酸化物、及びカーボン材料等の導電材料を含んでいる。反射体30は、アルミニウム、銅、鉄、アルミニウム合金、銅合金、及び鉄合金からなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよいし、ITO等の透明導電材料を含んでいてもよい。
誘電体層20の比誘電率は、電波吸収体1aが所望の電波を吸収できる限り、特定の値に限定されない。誘電体層20の比誘電率は、例えば、2.0~20.0の比誘電率を有する。この場合、誘電体層20の厚みを調整しやすく、電波吸収体1aの電波吸収性能の調整が容易である。誘電体層20の比誘電率は、例えば、空洞共振法に従って測定される10GHzにおける比誘電率である。
誘電体層20は、単一の材料からなる層として形成されていてもよいし、複数の層の積層体として形成されていてもよい。例えば、誘電体層20がn個の層(nは2以上の整数)を有する場合、誘電体層20の比誘電率は、例えば、以下の様にして決定される。各層の比誘電率εiを測定する(iは、1~nの整数)。次に、測定された各層の比誘電率εiにその層の厚みtiの誘電体層20の全体に対する厚みTの割合を乗じて、εi×(ti/T)を求める。すべての層に対するεi×(ti/T)を加算することによって、誘電体層20の比誘電率を決定できる。誘電体層20における特定の層の厚みが誘電体層20の全体に対する厚みTに比べて十分小さい場合、例えば、特定の層の厚みが厚みTの1%以下である場合、その特定の層の比誘電率を無視して誘電体層20の比誘電率を決定してもよい。
誘電体層20をなす材料は、電波吸収体1aが所望の電波を吸収できる限り、特定の値に限定されない。誘電体層20は、例えば、有機ポリマーを含んでいる。有機ポリマーは、特定のポリマーに限定されない。有機ポリマーは、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、及びシクロオレフィンポリマー(COP)からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。
反射体30が層状に形成されている場合、誘電体層20は、反射体30に接触している、PET、PEN、アクリル樹脂(PMMA)、PC、PI、又はCOPの層を備えていてもよい。この場合、この層が反射体30の支持体として機能しうる。なかでも、良好な耐熱性と、寸法安定性と、製造コストとのバランスの観点から、誘電体層20において反射体30に接触している層は、望ましくはPETの層である。層状の反射体30は、例えば、スパッタリング、イオンプレーティング、又はコーティング(例えば、バーコーティング)等の方法を用いて成膜されうる。層状の反射体30は、接着剤等によって支持体に貼り付けれられた金属箔であってもよい。
誘電体層20の厚みは、電波吸収体1aが所望の電波を吸収できる限り、特定の値に限定されない。誘電体層20の厚みは、例えば50~2000μmであり、望ましくは100~1000μmである。これにより、高い寸法精度と低コストとが両立しやすい。
誘電体層20が層状の反射体30に接触している層を備えている場合、その層の厚みは、特定の値に限定されない。その層の厚みは、例えば5~150μmであり、5~100μmであってもよい。
図1に示す通り、電波吸収体1aは、例えば、中間層15をさらに備えている。中間層15は、抵抗層10の厚み方向において、抵抗層10と粘着層40との間に配置されている。この場合、抵抗層10が粘着層40に直接接触していないので、粘着層40に含まれる成分が抵抗層10の特性に影響を及ぼすことを防止できる。
中間層15をなす材料は、特定の材料に限定されない。中間層15は、例えば、有機ポリマーを含み、抵抗層10を支持している。このため、中間層15によって抵抗層10の厚みを均一に調整しやすい。例えば、中間層15の一方の主面に、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、又はコーティング液の塗膜の硬化等の方法によって、抵抗層10を形成できる。中間層15は省略されてもよい。
中間層15に含まれる有機ポリマーは、特定のポリマーに限定されない。その有機ポリマーは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、又はシクロオレフィンポリマー(COP)である。なかでも、良好な耐熱性と、寸法安定性と、製造コストとのバランスの観点から、中間層15に含まれる有機ポリマーは、望ましくはPETである。
中間層15の厚みは、特定の値に限定されない。中間層15の厚みは、例えば、5~200μmである。中間層15の厚みが5μm以上であることにより、中間層15上に抵抗層10を形成するとき及び抵抗層10と誘電体層20とを積層するときに中間層15にシワが発生しにくい。中間層15の厚みが200μm以下であることにより、中間層15又は中間層15を含む積層体をロールに巻き付けやすい。加えて、被着体の凹凸を有する面又は被着体の湾曲面に沿って電波吸収体1aを変形させて配置しやすい。
中間層15の厚みは、10μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、30μm以上であってもよい。中間層15の厚みは、150μm以下であってもよく、100μm以下であってもよく、75μm以下であってもよい。
図3に示す通り、電波吸収体1aによって吸収される電波は、抵抗層10に到達する前に、被着体3、粘着層40、及び中間層15を通過する。電波吸収体1aにおける抵抗層10のシート抵抗、誘電体層20の比誘電率、及び誘電体層20の厚みは、伝送線路理論に従って設定されうる。この場合、被着体3、粘着層40、及び中間層15の厚み及び比誘電率も考慮されたうえで、抵抗層10のシート抵抗、誘電体層20の比誘電率、及び誘電体層20の厚みが設定される。
電波吸収体1aは、様々な観点から変更可能である。電波吸収体1aは、例えば、図4に示す電波吸収体1bのように変更されてもよい。電波吸収体1bは、特に説明する部分を除き電波吸収体1aと同様に構成されている。電波吸収体1aの構成要素と同一又は対応する電波吸収体1bの構成要素には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。電波吸収体1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り電波吸収体1bにもあてはまる。
図4に示す通り、電波吸収体1bは、第二粘着層45をさらに備えている。誘電体層20の厚み方向において、反射体30は、誘電体層20と第二粘着層45との間に配置されている。第二粘着層45に含まれる粘着剤は特定の粘着剤に限定されない。その粘着剤は、アクリル系粘着剤であってもよいし、ゴム系粘着剤であってもよいし、ウレタン系粘着剤であってもよいし、シリコーン系粘着剤であってもよい。
第二粘着層45は、基材を備えた粘着層であってもよいし、基材レスの粘着層であってもよい。基材をなす材料は、特定の材料に限定されない。基材をなす材料は、PETフィルム等のプラスチックフィルムであってもよいし、不織布であってもよいし、織布であってもよいし、フォームであってもよいし、和紙等の紙であってもよい。
電波吸収体1bにおいて、第二粘着層45と反射体30との間には中間層(図示省略)が配置されていてもよい。この中間層は、例えば、有機ポリマーを含んでいる。この中間層に含まれる有機ポリマーは、特定のポリマーに限定されない。その有機ポリマーは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、又はシクロオレフィンポリマー(COP)である。なかでも、良好な耐熱性と、寸法安定性と、製造コストとのバランスの観点から、この中間層に含まれる有機ポリマーは、望ましくはPETである。
電波吸収体1bを用いて、例えば、図5に示す電波吸収体付物品5bを提供できる。電波吸収体5bは、電波吸収体1bと、被着体3と、被着体4とを備えている。電波吸収体1bは、被着体3と被着体4との間に配置されている。被着体4は、例えば樹脂品である。第一粘着層40が被着体3に接触した状態で電波吸収体1bが被着体3に貼り付けられている。加えて、第二粘着層45が被着体4に接触した状態で電波吸収体1bが被着体3に貼り付けられている。
図6に示す通り、積層体1cを提供できる。積層体1cは、電波吸収体用の積層体である。積層体1cは、特に説明する部分を除き、電波吸収体1aと同様に構成されている。電波吸収体1aの構成要素と同一又は対応する構成要素には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。電波吸収体1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り積層体1cにもあてはまる。
積層体1cは、抵抗層10と、誘電体層20と、粘着層40とを備えている。積層体1cにおいて、誘電体層20は、第一主面20a及び第二主面20bを有している。第一主面20aは、抵抗層10の厚み方向において第二主面20bよりも抵抗層10に近い位置に形成されている。誘電体層20において、少なくとも第二主面20bをなす部位は、粘着性を有する。電波吸収体1aの代わりに積層体1cが用いられる以外は電波吸収体1aと同様にして、積層体1cの粘着層40のせん断接着力F100が測定される。電波吸収体1aの粘着層40のせん断接着力F100に関する説明は、積層体1cの粘着層40のせん断接着力F100にもあてはまる。
積層体1cを用いて、例えば、図7に示す電波吸収体1d及び電波吸収体付物品5cを提供できる。電波吸収体1dは、積層体1cと、被着体4とを備えている。被着体4は反射体30を兼ねており、電波を反射する。被着体4は、例えば金属を含んでいる。誘電体層20において少なくとも第二主面20bをなす部位は粘着性を有するので、第二主面20bが被着体4に押し当てられることによって積層体1cを被着体4に粘着させることができる。
電波吸収体付物品5cにおいて、積層体1cは、被着体3と被着体4との間に配置されている。第一粘着層40が被着体3に接触した状態で積層体1cが被着体3に貼り付けられている。
積層体1cにおいて、少なくとも第二主面20bをなす部位が粘着性を有する限り、積層体1cは、特定の構成に限定されない。図8に示す通り、例えば、誘電体層20は、第一誘電体層21と、第二誘電体層22とを備えていてもよい。積層体1cの誘電体層20は、少なくとも第二主面20bをなす部位が粘着性を有する限り、誘電体層20の層構造、誘電体層20をなす材料、及び誘電体層20の厚み等の事項につき、電波吸収体1aの誘電体層20と同様に構成されてもよい。
第二誘電体層22の厚みは、電波吸収体1dが所望の電波吸収性能を有する限り、特定の値に限定されない。
誘電体層20は、第一誘電体層21の厚み方向において第一誘電体層21と第二誘電体層22との間に配置された別の誘電体層を備えていてもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。まず、実施例及び比較例に関する評価方法について説明する。
[せん断接着力]
各実施例及び各比較例に係るサンプルを平面視で10mmの短辺及び60mmの長辺を有する長方形状に切り取って試験片を作製した。常温20℃±15℃において、試験片の粘着層を2mmの厚みを有するポリカーボネート(PC)板に貼り付けた。PC板として、タキロン社製のポリカーボネートPC1600を用いた。PC板の表面の算術平均粗さRaは5μm以下であった。試験片とPC板との接合面は、試験片の長手方向における一端を含み、一辺が10mmの正方形状であった。100℃の環境においてPC板に試験片が貼り付けられた状態で30分間試験片を保管した。試験片の環境を100℃に保ったまま、JIS K 6850:1999の記載を参考に50mm/分の引張速度で試験片及びPC板にPC板の表面に平行な方向に引張せん断荷重を加え、試験片とPC板との接合を破断させた。引張せん断荷重の方向は、試験片の長手方向と一致していた。試験片とPC板との接合が破断したときの破断力[N]を、試験片とPC板との接合面Saの面積1.0[cm2]で除することによって、100℃における各サンプルの粘着層のせん断接着力F100を決定した。また、試験片を30分間保管するときの試験片の環境温度及び引張せん断荷重を加えるときの試験片の環境温度を100℃から23℃に変更した以外は、せん断接着力F100の測定と同様にして、23℃における各サンプルの粘着層のせん断接着力F23を決定した。結果を表1に示す。
[高温試験]
85℃の温度及び85%の相対湿度の条件で2mmの厚みを有するPC板を125時間保管して吸湿処理を行い、吸湿状態のPC板を得た。このPC板の表面に各実施例及び各比較例に係るサンプルの粘着層を接触させて各サンプルをPC板に貼り付けることによって、高温試験用サンプルを作製した。高温試験用サンプルにおいて、粘着層の全面がPC板の表面に接触していた。高温試験用サンプルの環境を140℃に48時間保つことによって高温試験を行った。
[反射減衰量]
吸湿処理がされていない2mmの厚みを有するPC板を準備した。常温20℃±15℃において、このPC板の表面に、各実施例及び各比較例に係るサンプルの粘着層を接触させて各サンプルをPC板に貼り付けることによって、通常サンプルを作製した。
キーコム社製の電波送受信機EAS02を用いて、JIS R 1679:2007を参照して、各実施例及び各比較例に係る通常サンプルの70~90GHzにおける反射減衰量Rnを下記の手順に従って測定した。図9に示す通り、サンプルホルダSHと、送受信機TRと、ミリ波レンズLとを配置し、サンプルホルダSHにステンレス製の金属板を配置した状態で電波の送受信を行った。金属板は、150mmの直径及び2mmの厚みを有していた。金属板によって電波が全量反射する、反射減衰量が0dBである状態を水準とし、各通常サンプルの平板に垂直に電波を入射させたときの反射減衰量の測定の基準とした。金属板の代わりにサンプルホルダSHに各通常サンプルを配置して電波の送受信を行い、反射減衰量を測定した。通常サンプルにおいてPC板が送受信機TRに最も近くなるように通常サンプルが配置されていた。70~90GHzにおける反射減衰量Rnの最大値を表1に示す。
通常サンプルの代わりに高温試験後の高温試験用サンプルを用いた以外は反射減衰量Rnの測定と同様にして、高温試験後の高温試験用サンプルの70~90GHzにおける反射減衰量Rhを測定した。70~90GHzにおける反射減衰量Rhの最大値を表1に示す。
[高温試験用サンプルの厚み]
ノギスを用いて、高温試験前の高温試験用サンプルの厚みtp及び高温試験後の高温試験用サンプルの厚みtqを測定した。高温試験前の高温試験用サンプルの厚みtpは、各サンプルにおいて無作為に選択された5箇所以上における測定値を算術平均することによって決定した。各測定値は、サンプルの場所によらずほぼ一定であった。高温試験後の高温試験用サンプルの厚みtqは、各サンプルを目視して厚みの変動が大きい箇所を3か所特定した。この3か所において高温試験用サンプルの厚みを測定し、3つの測定値の最大値を高温試験後の高温試験用サンプルの厚みと決定した。各サンプルにおける厚みtqと厚みtpとの差Δtを表1に示す。
<実施例1>
酸化インジウムスズ(ITO)をターゲットとして用いてスパッタリングを行い、23μmの厚みを有するポリエステルフィルム上に抵抗層を形成し、抵抗層付フィルムを得た。ITOにおけるSnO2の含有量は30質量%であった。抵抗層のシート抵抗は395Ω/□であった。ポリエステルフィルムの比誘電率は3.2であった。25μmの厚みを有するPET層、9μmの厚みを有するPET層、それらのPET層の間に配置された7μmの厚みを有するアルミニウム箔を備えたアルミニウム箔付フィルムを準備した。アルミニウム箔付フィルムにおけるPETの比誘電率は3.2であった。クラレ社製のアクリル樹脂クラリティLA2330を590μmの厚みにプレス成型し、アクリル樹脂シートを作製した。アクリル樹脂シートの比誘電率は2.55であった。アルミニウム箔付フィルムの25μmの厚みを有するPET層にアクリル樹脂シートを配置した。次に、アクリル樹脂シートに抵抗層が接触するようにアクリル樹脂シートの上に抵抗層付フィルムを配置した。次に、日東電工社製の両面テープNo.5602を抵抗層付フィルムのポリエステルフィルムに貼り付けて粘着層を形成し、実施例1に係るサンプルを得た。両面テープNo.5602の厚みは20μmであった。この両面テープにおいて、PET製の基材の両面にアクリル系粘着剤の層が形成されていた。
<実施例2>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープNo.5603を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2に係るサンプルを作製した。両面テープNo.5603の厚みは30μmであった。この両面テープにおいて、PET製の基材の両面にアクリル系粘着剤の層が形成されていた。
<実施例3>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープNo.5605を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3に係るサンプルを作製した。両面テープNo.5605の厚みは50μmであった。この両面テープにおいて、PET製の基材の両面にアクリル系粘着剤の層が形成されていた。
<実施例4>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープGA5905を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4に係るサンプルを作製した。両面テープGA5905の厚みは50μmであった。この両面テープは、基材を有しておらず、50μmの厚みを有するアクリル系粘着剤の層のみによって形成されていた。
<実施例5>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープNo.5000NSを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例5に係るサンプルを作製した。両面テープNo.5000NSの厚みは160μmであった。両面テープNo.5000NSにおいて、不織布の基材の両面にアクリル系粘着剤の層が形成されていた。
<実施例6>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープNo.515を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例6に係るサンプルを作製した。両面テープNo.515の厚みは250μmであった。両面テープNo.515において、不織布の基材の両面にアクリル系粘着剤の層が形成されていた。
<実施例7>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープNo.5000NDを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例7に係るサンプルを作製した。両面テープNo.5000NDの厚みは320μmであった。両面テープNo.5000NDにおいて、不織布の基材の両面にアクリル系粘着剤の層が形成されていた。
<実施例8>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープNo.5000NDと日東電工社製の両面テープHYPERJOINT H7004との積層体を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例8に係るサンプルを作製した。HYPERJOINTは、日東電工社の登録商標である。この積層体における両面テープHYPERJOINT H7004が抵抗層付フィルムのポリエステルフィルムに接触していた。両面テープHYPERJOINT H7004の厚みは、400μmであった。この両面テープにおいて、アクリル樹脂製のフォームの両面及び内部にアクリル系粘着剤が存在していた。この積層体の厚みは720μmであった。
<比較例1>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープNo.5600を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1に係るサンプルを作製した。両面テープNo.5600の厚みは5μmであった。この両面テープにおいて、PET製の基材の両面にアクリル系粘着剤の層が形成されていた。
<比較例2>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープNo.5601を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2に係るサンプルを作製した。両面テープNo.5601の厚みは10μmであった。この両面テープにおいて、PET製の基材の両面にアクリル系粘着剤の層が形成されていた。
<比較例3>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープNo.5035Kを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例3に係るサンプルを作製した。両面テープNo.5035Kの厚みは120μmであった。この両面テープにおいて、不織布の基材の両面に粘着剤の層が形成されていた。
<比較例4>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープHYPERJOINT H7004を単独で用いた以外は、実施例1と同様にして比較例4に係るサンプルを作製した。
<比較例5>
日東電工社製の両面テープNo.5602の代わりに、日東電工社製の両面テープHYPERJOINT H7008を単独で用いた以外は、実施例1と同様にして比較例5に係るサンプルを作製した。両面テープHYPERJOINT H7008の厚みは、800μmであった。この両面テープにおいて、アクリル樹脂製のフォームの内部にアクリル系粘着剤が存在していた。
表1に示す通り、各実施例に関する高温試験後の高温試験用サンプルの70~90GHzにおける反射減衰量Rhの最大値は15.0dB以上であった。一方、各比較例に関する高温試験後の高温試験用サンプルの70~90GHzにおける反射減衰量Rhの最大値は15.0dB未満であった。高温試験では、吸湿状態のPC板を含む高温試験用サンプルの環境が140℃で48時間保たれている。このため、PC板から水分が水蒸気として放出されていると考えられる。各実施例のサンプルの粘着層の100℃におけるせん断接着力F100は10.0N/cm2以上であった。一方、各比較例のサンプルの粘着層の100℃におけるせん断接着力F100は10.0N/cm2未満であった。このため、粘着層の100℃におけるせん断接着力F100が10.0N/cm2以上であると、吸湿状態の被着体から水分が放出されても、電波吸収体の電波吸収性能が高く保たれやすいことが示唆された。
各比較例では、高温試験後の高温試験用サンプルの厚みtqと高温試験前の高温試験用サンプルの厚みtpとの差Δtが0.30mmを超えていた。高温試験において吸湿状態のPC板から水分が水蒸気として放出されて粘着層とPC板との間に大きな空隙が発生したことが0.30mmを超える差Δtが発生した要因であると考えられる。一方、各実施例において、PC板からの水分の放出が起こっているとは考えられるが、差Δtは0.30mm以下である。このため、実施例では、粘着層とPC板との間に大きな空隙が発生しにくかったものと理解される。実施例と比較例との対比より、差Δtが0.30mm以下であると、吸湿状態の被着体から水分が放出されても、電波吸収体の電波吸収性能が高く保たれやすいことが示唆された。
Figure 2023051589000002
1a、1b 電波吸収体
1c 積層体
2 板材
3 被着体
5a、5b、5c 電波吸収体付物品
10 抵抗層
15 中間層
20 誘電体層
30 反射体
40 粘着層(第一粘着層)

Claims (9)

  1. 電波吸収体であって、
    抵抗層と、
    電波を反射する反射体と、
    前記抵抗層の厚み方向において前記抵抗層と前記反射体との間に配置された誘電体層と、
    粘着層と、を備え、
    前記抵抗層は、前記抵抗層の厚み方向において前記誘電体層と前記粘着層との間に配置されており、
    前記粘着層は、100℃の条件において、ポリカーボネートによって形成された表面を有する板材の前記表面に前記粘着層が接触した状態で前記板材に貼り付けられた前記電波吸収体に前記表面に平行な方向に沿って引張せん断荷重を加えたときに、10.0N/cm2以上のせん断接着力を有する、
    電波吸収体。
  2. 前記粘着層は、15~750μmの厚みを有する、請求項1に記載の電波吸収体。
  3. 高温試験後におけるサンプルの厚みと前記高温試験前におけるサンプルの厚みとの差は、0.30mm以下であり、
    前記サンプルは、85℃の温度及び85%の相対湿度の条件で125時間保管されたポリカーボネート板の表面に前記電波吸収体の前記粘着層を接触させて前記電波吸収体を前記ポリカーボネート板に貼り付けることによって作製され、
    前記高温試験は、前記サンプルの環境を140℃に48時間保つことによってなされる、
    請求項1又は2に記載の電波吸収体。
  4. 前記抵抗層の厚み方向において前記抵抗層と前記粘着層との間に配置された中間層をさらに備えた、請求項1~3のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  5. 前記粘着層は、アクリル樹脂を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  6. 前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の電波吸収体。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の電波吸収体と、
    前記粘着層が接触した状態で前記電波吸収体が貼り付けられている被着体と、を備えた、
    電波吸収体付物品。
  8. 前記被着体は、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、及びポリプロピレンからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項7に記載の電波吸収体付物品。
  9. 電波吸収体用積層体であって、
    抵抗層と、
    第一主面及び第二主面を有し、前記抵抗層の厚み方向において前記第一主面は前記第二主面よりも前記抵抗層に近い位置に形成されている、誘電体層と、
    粘着層と、を備え、
    前記抵抗層は、前記抵抗層の厚み方向において前記誘電体層と前記粘着層との間に配置されており、
    前記誘電体層の少なくとも前記第二主面をなす部位は、粘着性を有し、
    前記粘着層は、100℃の条件において、ポリカーボネートによって形成された表面を有する板材の前記表面に前記粘着層が接触した状態で前記板材に貼り付けられた前記電波吸収体用積層体に前記表面に平行な方向に沿って引張せん断荷重を加えたときに、10.0N/cm2以上のせん断接着力を有する、
    電波吸収体用積層体。
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