JP2023047410A - ユーザの動的状態に応じて物体認識に基づく情報を提示する携帯装置、プログラム及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これに対し、本願の発明者らは、カメラを搭載した携帯装置の動的状態によっては、映像に映り込む複数の物体の中で、ユーザが注目すべき物体が異なるのではないか、と考えた。即ち、携帯装置の動的状態と連動して、ユーザが注目すべき物体を選択し、その上で、その物体に関連する情報をユーザに表示すべきではないか、と考えた。
物体ID(IDentifier、識別子)毎に、提示情報を対応付けて予め記憶した提示情報記憶手段と、
映像から物体の画像領域を認識し、当該画像領域のサイズを検出し、当該画像領域から物体IDを特定する物体認識手段と、
当該携帯装置が移動中か否かを検知する移動検知手段と、
移動中の有無と、画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択する物体ID選択手段と、
選択された物体IDに対応する提示情報を、ユーザに提示する提示手段と
を有することを特徴とする。
物体IDは、個人IDであり、
提示情報は、個人情報であり、
物体認識手段における画像領域は、顔領域である
ことも好ましい。
物体ID選択手段は、
停止中の場合、画像領域のサイズが第1の所定範囲以上となる物体IDを選択し、
移動中の場合、画像領域のサイズが第2の所定範囲以下となる物体IDを選択する
ことも好ましい。
第1の所定範囲及び第2の所定範囲は、被写体との間の距離に基づくものであり、被写体との間の距離が遠いほど画像領域のサイズが小さくなり、被写体との間の距離が近いほど画像領域のサイズが大きくなる
ことも好ましい。
移動検知手段は、移動速度を検知可能であり、
物体ID選択手段は、移動速度と画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択する
ことも好ましい。
物体ID選択手段は、移動速度が速いほど、画像領域のサイズが小さい物体IDを選択することも好ましい。
移動検知手段は、加速度センサであって、歩行中か否かを検知する
ことも好ましい。
視覚的に映し出すディスプレイを更に有し、
提示手段は、物体IDに対応する提示情報を、ディスプレイに表示する
ことも好ましい。
カメラは、ユーザの視界の映像を撮影するべく一体的に搭載され、
ディスプレイは、ユーザの視界に提示情報を映し出すレンズであり、
当該携帯装置は、シースルー型のスマートグラスである
ことも好ましい。
カメラ及び/又はディスプレイは、一体的に構成され、
当該携帯装置は、スマートフォンである
ことも好ましい。
音声出力するスピーカを更に有し、
提示手段は、文の提示情報を読み上げて、スピーカから音声出力する
ことも好ましい。
スピーカは、骨伝導スピーカである
ことも好ましい。
物体ID(識別子)毎に、提示情報を対応付けて予め記憶した提示情報記憶手段と、
映像から物体の画像領域を認識し、当該画像領域のサイズを検出し、当該画像領域から物体IDを特定する物体認識手段と、
当該携帯装置が移動中か否かを検知する移動検知手段と、
移動中の有無と、画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択する物体ID選択手段と、
選択された物体IDに対応する提示情報を、ユーザに提示する提示手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
携帯装置は、
物体ID(識別子)毎に、提示情報を対応付けて予め記憶しており、
映像から物体の画像領域を認識し、当該画像領域のサイズを検出し、当該画像領域から物体IDを特定する第1のステップと、
当該携帯装置が移動中か否かを検知する第2のステップと、
移動中の有無と、画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択する第3のステップと、
選択された物体IDに対応する提示情報を、ユーザに提示する第4のステップと
を実行することを特徴とする。
図2によれば、スマートグラス1は、ハードウェアとして、レンズに情報を映し出すディスプレイ101と、対人や対象物を撮影するカメラ102と、装着者に音声を出力するスピーカ103とを搭載する。
また、スマートグラス1は、ソフトウェアとして、提示情報記憶部100と、物体認識部11と、移動検知部12と、物体ID選択部13と、提示部14とを有する。これら機能構成部は、スマートグラスに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
ディスプレイ101は、スマートグラス1の装着者の視界を通すレンズに、提示情報を映し出すことができる。これによって、装着者は、提示情報を視覚的に認識することができる。提示情報としては、一般的には文字であるが、勿論、画像や映像であってもよい。
カメラ102は、スマートグラス1と一体的に構成されたものであってもよいし、又は、スマートグラス1の外部に接続されたものであってもよい。カメラ102は、装着者の視界の映像を撮影する。映像には、対人(例えば被介護者)が映り込む場合もあれば、物体(例えば施設設備)が映り込む場合もある。カメラ102は、撮影した映像を常時、物体認識部11へ出力する。
スピーカ103は、スマートグラス1の装着者の聴覚へ、音声信号を出力するものである。音声信号は、ディスプレイ101に表示すべき文字を、音声合成して変換したものであってもよい。
また、スピーカ103は、例えば骨伝導スピーカであってもよい。装着者のこめかみに接して振動させることによって、対人に聞こえることなく、装着者に聴覚的に音声を認識させることができる。
提示情報記憶部100は、物体ID(識別子)毎に、提示情報を対応付けて予め記憶したものである。
物体IDは、個人IDであり、提示情報は、個人情報であってもよい。例えば介護現場を想定する場合、個人IDは、被介護者毎に付与されたIDであり、提示情報は、その被介護者の介護情報であってもよい。
被介護者の個人情報としては、例えば以下のようなものがある。
(基本情報)
氏名、年齢、介護度、生年月日、部屋番号、ケアプラン、等。
(行動情報)
起床時間、食事(済/未)、水分補給(済/未)、服薬(済/未)、***(有/無)、入浴(済/未)、等。
(申し送り情報)
健康状態、体温、血圧(上・下)、脈拍、処置情報、症状、治療情報、未***日数、***時刻、***異常(有/無)、朝/昼/夜食時刻、朝/昼/夜食量、水分補給時刻、水分量、服薬時刻、入浴時刻、入浴異常(有/無)、等。
物体認識部11は、カメラ102によって撮影された映像から、対象物を認識する。
物体認識部11は、映像から1つ以上の物体の画像領域を認識し、各画像領域のサイズを検出し、各画像領域から物体IDを特定するものである。物体認識部11は、深層学習に基づく画像分類や顔認識に適用される、一般的な機械学習エンジンである。これは、映像に映り込んでいる特定のクラス(人や物のようなカテゴリ)を認識する。
尚、画像領域は、人の顔画像であり、認識対象は、人の同定であってもよい。
画像領域検出機能は、映像から、対象物の画像領域を検出する。これは、映像フレームの画像から、物体領域(例えばバウンディングボックス)を切り出す。具体的には、R-CNN(Regions with Convolutional Neural Networks)やSSD(Single Shot Multibox Detector)を用いる。
R-CNNは、四角形の物体領域を畳み込みニューラルネットワークの特徴と組み合わせて、物体領域のサブセットを検出する(領域提案)。次に、領域提案からCNN特徴量を抽出する。そして、CNN特徴量を用いて予め学習したサポートベクタマシンによって、領域提案のバウンディングボックスを調整する。
SSDは、機械学習を用いた一般物体検知のアルゴリズムであって、デフォルトボックス(default boxes)という長方形の枠(バウンディングボックス)を決定する。1枚の画像上に、大きさの異なるデフォルトボックスを多数重畳させ、そのボックス毎に予測値を計算する。各デフォルトボックスについて、自身が物体からどのくらい離れていて、どのくらい大きさが異なるのか、とする位置の予測をすることができる。
物体検出機能は、画像領域から、対象物を検出する。対象物としては、人体や顔であってもよいし、例えば設備のような物であってもよい。
本発明の実施形態としては、介護現場を想定しているので、物体検出機能は、映像から人の顔領域を認識し、その顔領域から個人IDを特定する。
物体検出機能は、識別すべき実際の個人の顔画像の特徴量を予め蓄積している。例えば、被介護者の顔画像の特徴量を蓄積している。
その上で、物体検出機能は、切り出された画像領域となる顔領域を、顔認識モデルを用いて、128/256/512次元の特徴量(ユークリッド距離)に変換する。顔認識モデルとしては、具体的にはGoogle(登録商標)のFacenet(登録商標)アルゴリズムを用いることもできる。これによって、顔領域から多次元ベクトルの特徴量に変換することができる。
そして、物体認識部11は、個人の顔の特徴量の集合と照合し、最も距離が短い又は所定閾値以下となる特徴量となる個人IDを特定する。
対象物を人の顔である場合、顔の横幅は15cm程度であるので、認識された顔の画像領域の横幅のピクセル数から、その人との間の距離を推測することができる(例えば非特許文献2参照)。カメラによっては、例えば10ピクセルが1cmであるとする仮定することもできる。勿論、特定の対象物のサイズを計っておき、その対象物を特定の距離から撮影し、その画像領域のサイズ(ピクセル数)から固定的にサイズと距離との比を算出しておくものであってもよい。
尚、画像領域のピクセル数は、カメラの解像度とは正比例する。そのために、カメラの解像度に応じて、距離に応じた画像領域のピクセル数を決定しておくこともできる。
また、他の実施形態として、特定の対象物のサイズを計ることなく、カメラからの映像の複数の画像を用いて距離を推測する技術もある(例えば非特許文献3参照)。この場合、複数の単眼カメラ画像から、3三次元座標を算出することでき、そのZ軸を、カメラから対象物までの距離として推測することもできる。
移動検知部12は、スマートグラス1自体が「移動中」か否かを検知する。デバイスとしては、加速度センサであってもよい。特に、加速度センサによって検知される周期から、移動中か否かとして、「歩行中」か否かを検知するものであってもよい。
また、移動検知部12は、「移動速度」を検知可能なものであってもよい。例えばスマートグラス1自体を測位可能なものであって、単位時間における移動距離から、移動速度を導出するものであってもよい。
物体ID選択部13は、移動中の有無と、画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択する。
図3は、物体ID選択部のフローチャートである。
所定範囲は、被写体との間の距離に基づくものである。被写体との間の距離が遠いほど画像領域のサイズが小さくなり、被写体との間の距離が近いほど画像領域のサイズが大きくなる。
ここで、介護者自身が停止中であるということは、介護者は、近い距離にある対人又は対象物に注目していると想定できる。例えば、介護者は、距離が近い被介護者との間で、対面して会話することが想定される。
このとき、スマートグラス1のレンズのディスプレイ101には、被介護者「Aさん」の「個人情報」が映り込むように表示される。個人情報としては、例えば被介護者Aさんの介護に必要な症状などの情報である。
これによって、介護者は、停止中に、比較的近くに位置する被介護者Aさんに対して、適切な声かけをすることができる。
ここで、介護者自身が移動中であるということは、介護者は、遠い距離にある対人又は対象物に注目していると想定できる。例えば距離が近い被介護者からは、直ぐに通り過ぎてしまうことが想定される。
このとき、スマートグラス1のレンズのディスプレイ101には、被介護者「Bさん」の「個人情報」が映り込むように表示される。個人情報としては、例えば被介護者Bさんの介護に必要な症状などの情報である。
これによって、介護者は、移動中に、比較的遠くに位置する被介護者Bさんに近づく前に、予め適切な情報を知っておくことができる。
他の実施形態として、物体ID選択部13は、移動速度と画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択するものであってもよい。
物体ID選択部13は、移動速度が速いほど、画像領域のサイズが小さい物体IDを選択するように制御する。具体的には、移動速度が速いほど、第2の所定範囲が小さくなるように可変とすることが好ましい。装着者としては、移動速度が速いほど、遠くの距離にある対人や対象物に注目している可能性が高いためである。
提示部14は、選択された物体IDに対応する提示情報を、ユーザに提示する。
提示部14は、物体IDに対応する提示情報を、ディスプレイ101に表示するものであってもよいし、スピーカ103から音声合成によって出力するものであってもよい。
[基本情報]:名前、年齢、要介護度、生年月日、部屋番号
[行動情報]:起床時間、食事有無、水分補給有無、服薬有無
[申し送り]:健康状態、体温、血圧、脈拍、症状、服薬情報、リハビリ情報
即ち、音声合成に基づく音声は、装着者と対人又は対象物との間の距離に応じて、異なった情報が読み上げられるようになる。即ち、停止中であれば、近い距離の対人等の情報が読み上げられ、移動中であれば、遠い距離の対人等の情報が読み上げられることとなる。
本発明によれば、携帯装置の動的状態と、カメラに映る対人や対象物との間の距離に応じて、ユーザに提示すべき情報を動的に変化させることができる。例えば介護現場の場合、介護者の視界に複数の被介護者が映り込む場合、介護者の動的状態と、被介護者との間の距離とに応じて、介護者に必要と思われる被介護者の個人情報を提示することができる。
100 提示情報記憶部
101 ディスプレイ
102 カメラ
103 スピーカ
11 物体認識部
12 移動検知部
13 物体ID選択部
14 提示部
Claims (14)
- 映像を撮影するカメラを有する携帯装置において、
物体ID(識別子)毎に、提示情報を対応付けて予め記憶した提示情報記憶手段と、
映像から物体の画像領域を認識し、当該画像領域のサイズを検出し、当該画像領域から物体IDを特定する物体認識手段と、
当該携帯装置が移動中か否かを検知する移動検知手段と、
移動中の有無と、画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択する物体ID選択手段と、
選択された物体IDに対応する提示情報を、ユーザに提示する提示手段と
を有することを特徴とする携帯装置。 - 物体IDは、個人IDであり、
提示情報は、個人情報であり、
物体認識手段における画像領域は、顔領域である
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯装置。 - 物体ID選択手段は、
停止中の場合、画像領域のサイズが第1の所定範囲以上となる物体IDを選択し、
移動中の場合、画像領域のサイズが第2の所定範囲以下となる物体IDを選択する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯装置。 - 第1の所定範囲及び第2の所定範囲は、被写体との間の距離に基づくものであり、被写体との間の距離が遠いほど画像領域のサイズが小さくなり、被写体との間の距離が近いほど画像領域のサイズが大きくなる
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯装置。 - 移動検知手段は、移動速度を検知可能であり、
物体ID選択手段は、移動速度と画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯装置。 - 物体ID選択手段は、移動速度が速いほど、画像領域のサイズが小さい物体IDを選択する
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯装置。 - 移動検知手段は、加速度センサであって、歩行中か否かを検知する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯装置。 - 視覚的に映し出すディスプレイを更に有し、
提示手段は、物体IDに対応する提示情報を、ディスプレイに表示する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯装置。 - カメラは、ユーザの視界の映像を撮影するべく一体的に搭載され、
ディスプレイは、ユーザの視界に提示情報を映し出すレンズであり、
当該携帯装置は、シースルー型のスマートグラスである
ことを特徴とする請求項8に記載の携帯装置。 - カメラ及び/又はディスプレイは、一体的に構成され、
当該携帯装置は、スマートフォンである
ことを特徴とする請求項8に記載の携帯装置。 - 音声出力するスピーカを更に有し、
提示手段は、文の提示情報を読み上げて、スピーカから音声出力する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の携帯装置。 - スピーカは、骨伝導スピーカである
ことを特徴とする請求項11に記載の携帯装置。 - 映像を撮影するカメラを有する携帯装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
物体ID(識別子)毎に、提示情報を対応付けて予め記憶した提示情報記憶手段と、
映像から物体の画像領域を認識し、当該画像領域のサイズを検出し、当該画像領域から物体IDを特定する物体認識手段と、
当該携帯装置が移動中か否かを検知する移動検知手段と、
移動中の有無と、画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択する物体ID選択手段と、
選択された物体IDに対応する提示情報を、ユーザに提示する提示手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - 映像を撮影するカメラを有する携帯装置の情報提示方法において、
携帯装置は、
物体ID(識別子)毎に、提示情報を対応付けて予め記憶しており、
映像から物体の画像領域を認識し、当該画像領域のサイズを検出し、当該画像領域から物体IDを特定する第1のステップと、
当該携帯装置が移動中か否かを検知する第2のステップと、
移動中の有無と、画像領域のサイズとに基づいて、物体IDを選択する第3のステップと、
選択された物体IDに対応する提示情報を、ユーザに提示する第4のステップと
を実行することを特徴とする情報提示方法。
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