JP2023045115A - 同軸ケーブル及び多心ケーブル - Google Patents

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Xinweilong Li
得天 黄
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英之 佐川
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秀樹 南畝
Hideki Nonen
剛博 杉山
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Abstract

【課題】所定の周波数帯域で急激な減衰が生じにくく、かつ、損失を低減した同軸ケーブルを提供する。【解決手段】同軸ケーブル1は、導体2と、導体2の周囲を覆う絶縁体3と、絶縁体3の周囲を覆うシールド層4と、シールド層4の周囲を覆うシース5と、を備え、シールド層4は、長手方向に垂直な断面の形状が楕円である複数の金属素線411を絶縁体3の周囲に螺旋状に巻き付けて構成された横巻きシールド部41と、横巻きシールド部41の周囲を覆う導電性のめっきからなる一括めっき部42と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、同軸ケーブル及び多心ケーブルに関する。
自動運転等に用いられる撮像装置や、スマートフォン、タブレット端末等電子機器の内部配線、あるいは、産業用ロボット等の工作機械で配線として用いられる高周波信号伝送用のケーブルとして、同軸ケーブルが用いられている。
従来の同軸ケーブルとして、樹脂層上に銅箔を設けた銅テープ等のテープ部材を、絶縁体の周囲に螺旋状に巻き付けてシールド層を構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000-285747号公報
しかしながら、上述の従来の同軸ケーブルでは、テープ部材に生じるしわや、テープ部材のしわによってシールド層の周囲に生じる隙間が、放射損失と多重反射の原因となってしまい、例えばミリ波帯などの高周波領域での損失が大きくなってしまうという課題がある。また、上述の従来の同軸ケーブルでは、所定の周波数帯域(例えば、1.25GHz等の数GHzの帯域)で急激な減衰が生じるサックアウトと呼ばれる現象が発生してしまうという課題がある。
これに対して、上述のシールド層の周囲の隙間を無くすために、例えば、編組シールドの外層に溶融スズめっき層を形成することが考えられる。しかし、この場合、放射損失は低減できるものの、表皮効果により信号電流が編組シールドを構成する素線の凸部分に集中してしまう。その結果、電流が通過する部分の断面積が小さくなり、ケーブルの導体損失が大きくなってしまう。
そこで、本発明は、所定の周波数帯域で急激な減衰が生じにくく、かつ、損失を低減した同軸ケーブルを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、導体と、前記導体の周囲を覆う絶縁体と、前記絶縁体の周囲を覆うシールド層と、前記シールド層の周囲を覆うシースと、を備え、前記シールド層は、長手方向に垂直な断面の形状が楕円である複数の金属素線を前記絶縁体の周囲に螺旋状に巻き付けて構成された横巻きシールド部と、前記横巻きシールド部の周囲を覆う導電性のめっきからなる一括めっき部と、を有する、同軸ケーブルを提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、導体と、前記導体の周囲を覆う絶縁体と、前記絶縁体の周囲を覆うシールド層と、前記シールド層の周囲を覆うシースと、を備え、前記シールド層は、複数の金属素線を前記絶縁体の周囲に螺旋状に巻き付けて構成された横巻きシールド部と、前記横巻きシールド部の周囲を覆う溶融めっきからなる一括めっき部と、を有し、前記複数の金属素線は、当該金属素線の長手方向に垂直な断面形状が矩形であり、かつケーブル周方向に沿った円弧状の外縁を有する矩形型金属素線である、同軸ケーブルを提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、前記同軸ケーブルを少なくとも1本含む、多心ケーブルを提供する。
本発明によれば、所定の周波数帯域で急激な減衰が生じにくく、かつ、損失を低減した同軸ケーブルを提供できる。
本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルを示す図であり、(a)はケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図、(b)は(a)のA部拡大図である。 本発明の一実施の形態に係るケーブルアセンブリの端末部を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る同軸ケーブルのケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る多心ケーブルの長手方向に垂直な断面を示す断面図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る同軸ケーブルを示す図であり、(a)はケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図、(b)は(a)のA部拡大図である。同軸ケーブル1は、例えば、自動運転等に用いられる撮像装置や、スマートフォン、タブレット端末等電子機器の内部配線、あるいは、産業用ロボット等の工作機械で配線として用いられる。
図1(a),(b)に示すように、同軸ケーブル1は、導体2と、導体2の周囲を覆うように設けられている絶縁体3と、絶縁体3の周囲を覆うように設けられているシールド層4と、シールド層4の周囲を覆うように設けられているシース5と、を備えている。
導体2は、複数本の金属素線を撚り合わせた撚線導体からなる。本実施の形態では、金属素線として外径0.285mmの軟銅線を用い、この金属素線を7本撚り合わせて導体2を構成した。ただし、金属素線の本数や外径は、これに限定されない。また、金属素線としては、導電率や機械的強度を向上させる観点から、錫(Sn)、銀(Ag)、インジウム(In)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)等を含む銅合金線を用いてもよい。また、導体2に用いる金属素線は、アルミニウム線やアルミニウム合金線であってもよい。
また、導体2として、金属素線を撚り合わせた後、ケーブル長手方向に垂直な断面形状が円形状となるように圧縮加工された圧縮撚線導体を用いてもよい。導体2として圧縮撚線導体を用いることで、導電率が向上し良好な伝送特性が得られると共に、曲げやすさも維持できる。
絶縁体3は、例えば、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)やFEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)等のフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる。本実施の形態では、外径0.98mm のFEPからなる絶縁体3を用いた。絶縁体3は、発泡樹脂であってもよく、耐熱性を向上すべく架橋された樹脂で構成されてもよい。また、絶縁体3は、さらに多層構造となっていてもよい。例えば、導体2の周囲に非発泡のポリエチレンからなる第1非発泡層を設け、第1非発泡層の周囲に発泡ポリエチレンからなる発泡層を設け、発泡層の周囲に非発泡のポリエチレンからなる第2非発泡層を設けた3層構成とすることもできる。本実施の形態では、導体2の周囲に、PFAからなる絶縁体3をチューブ押出しにより形成した。絶縁体3をチューブ押出しにより形成することで、端末加工時に導体2から絶縁体3を剥がし易くなり、端末加工性が向上する。
シース5は、例えば、PFAやFEP等のフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、架橋ポリオレフィン等からなる。本実施の形態では、フッ素樹脂からなる厚さ0.1mmのシース5をチューブ押出しにより形成した。
(シールド層4)
本実施の形態に係る同軸ケーブル1では、シールド層4は、絶縁体3の周囲に複数の金属素線411を螺旋状に巻き付けた横巻きシールド部41と、横巻きシールド部41の周囲全体を一括して覆うように設けられた導電性の一括めっき部42と、を有する。
本実施の形態では、一括めっき部42によって金属素線411が固定されることになるため、同軸ケーブル1の曲げやすさを確保するために、金属素線411としては、塑性変形しやすい低耐力な材質からなるものを用いる必要がある。より具体的には、金属素線411としては、引張強さが200MPa以上380Pa以下であり、かつ伸びが7%以上20%以下であるものを用いるとよい。
本実施の形態では、金属素線411として、軟銅線からなる金属線411aの周囲に銀からなるめっき層411bを有する銀めっき軟銅線を用いた。なお、金属線411aとしては、軟銅線に限らず、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線、あるいは純銅に微量の金属元素(例えば、チタン、マグネシウム等)を添加した低軟化温度の線材等を用いることができる。また、めっき層411bを構成する金属は銀に限らず、例えば錫や金であってもよい。めっき層411bを省略することも可能である。
本実施の形態に係る同軸ケーブル1では、シールド層4の横巻きシールド部41を構成する金属素線411は、当該金属素線411の長手方向に垂直な断面における形状(断面形状)が楕円からなる楕円型金属素線で構成される。特に、楕円型金属素線で構成される金属素線411は、当該金属素線411の長手方向に垂直な断面における形状が下式
楕円度=(長径-短径)/長径×100%
で得られる楕円度で35%以上50%以下を満たす楕円からなることがよい。なお、例えば、断面円形状の金属素線を用いた場合であっても、当該金属素線を螺旋状に巻回していることにより、ケーブル長手方向に垂直な断面形状が楕円形状となる場合があるが、本実施の形態においては、切断面が金属素線411の長手方向に対して傾斜していることにより断面形状が楕円形状となっているのではなく、金属素線411自体の断面形状(金属素線411の長手方向に垂直な断面形状)が楕円形状となっている。上式で表される楕円度に用いる長径及び短径は、ケーブル長手方向に垂直な断面ではなく、金属素線411の長手方向に垂直な断面で得られる。金属素線411の断面形状は、伸線の際に用いるダイスの形状でコントロールすることができる。
金属素線411を楕円型金属素線とすることで、断面円形状の金属素線を用いる場合と比較して、絶縁体3側に密着して(近接して)金属素線411を配置することが可能となり、また、シールド部41と一括めっき部42との間に隙間が発生しにくくなる。そのため、ケーブル1を曲げて配線した場合であっても、所定の周波数帯域で急激な減衰が生じにくく、かつ、損失を低減した伝送が可能となる。特に、金属素線411を楕円度が35%以上50%以下の楕円型金属素線とすることで、断面円形状の金属素線を用いる場合と比較して、より絶縁体3側に密着して(近接して)金属素線411を配置することが可能となり、電流が通過する断面積(電流通過断面積)を広くして、シールド層4での導体損失を低減することが可能になる。
溶融めっきからなる一括めっき部42としては、錫からなるものを用いた。ただし、これに限らず、一括めっき部42として、例えば銀、金、銅、亜鉛等からなるものを用いることができる。ただし、製造の容易さの観点から、錫からなる一括めっき部42を用いることがより好ましいといえる。
一括めっき部42を形成する際には、まず、絶縁体3の周囲に複数本の金属素線411を撚り合わせて横巻きシールド部41を形成した後に、溶融した錫を貯留しためっき槽に通し冷却することで、一括めっき部42が形成される。すなわち、一括めっき部42は、溶融めっきによって形成された溶融めっき層である。
横巻きシールド部41の周囲全体に錫が一括して付着しやすくするために、横巻きシールド部41の周囲にフラックスを塗布した後に、250℃以上300℃未満の温度の錫が貯留されためっき槽に通すことが望ましい。めっき槽を通すときの線速度は、例えば、40m/min以上80m/min以下であり、より好ましくは、50m/min以上70m/min以下である。なお、フラックスは、横巻きシールド部41の周囲全体に溶融した錫が一括して付着しやすくするためのものであり、塩素と亜鉛を主成分としている。フラックスとしては、例えば、ロジン系のフラックス等を用いることができる。めっき層を通過した線材は、ダイスに通されることで、不要な錫が除去されるとよい。この際、ダイスの穴径を調整することで、錫の付着量、すなわち一括めっき部42の厚さを調整することができる。
一括めっき部42を形成する際、溶融した錫(すなわち、溶融めっき)に接触する部分のめっき層411bを構成する銀はめっき槽内の錫に拡散し、金属素線411と一括めっき部42との間(すなわち、金属線411aと一括めっき部42との間であって、当該金属線411aの表面と接する部分)に銅と錫を含む金属間化合物411cが形成される。本発明者らがSEM(走査型電子顕微鏡)を用いたEDX分析(エネルギー分散型X線分光法による分析)を行ったところ、金属素線411の表面(金属素線411と一括めっき部42との間)に、銅と錫とからなる金属間化合物411cが層状に存在することが確認できた。すなわち、金属間化合物411cは、溶融めっきからなる一括めっき部42を構成する金属元素(錫等)と金属素線411の主成分を構成する金属元素(銅等)とが金属的に拡散反応して金属素線411の表面に化合物層が形成されたものである。金属間化合物411cの層の厚さは、例えば0.2μm~1.5μm程度である。なお、金属間化合物411cには、めっき層411bを構成する銀が含まれていると考えられるが、金属間化合物411cにおける銀の含有量は、EDX分析で検出が難しい程度のごく微量である。
シールド層4は、金属素線411と一括めっき部42との間に金属間化合物411cが形成されることにより、同軸ケーブル1を繰り返し曲げたときや捩ったときに、金属素線411の表面から一括めっき部42が剥がれにくく、金属素線411と一括めっき部42との間に隙間が生じにくくなる。これにより、同軸ケーブル1では、曲げや捩りが加わった場合にも、横巻きシールド部41の外側から一括めっき部42によって横巻きシールド部41を固定した状態を保つことができ、シールド層4と導体2との距離が変化しにくくなる。そのため、同軸ケーブル1では、曲げや捩りによってシールド効果の低下が生じにくく、所定の周波数帯域で急激な減衰も生じにくくすることができる。金属間化合物411cの層の厚さは、例えば、光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡を用いて、同軸ケーブル1の横断面(同軸ケーブル1の長手方向に垂直な断面)を観察することにより求められる。
一括めっき部42と接触しない部分の金属素線411(めっき時に溶融した錫と接触しない部分の金属素線411)には、銀からなるめっき層411bが残存する。すなわち、ケーブル径方向において内側(絶縁体3側)の部分の金属素線411には、銀からなるめっき層411bが残存する。すなわち、本実施の形態に係る同軸ケーブル1におけるシールド層4は、複数の金属素線411が一括めっき部42によって覆われる外周部分4aよりも、複数の金属素線411が一括めっき部42で覆われておらずめっき層411bが露出した内周部分4bの導電率が高くなっている。高周波信号の伝送においては、電流はシールド層4における絶縁体3側に集中するため、銀等の高い導電率を有するめっき層411bがシールド層4の内周部分4bに存在することにより、シールド層4の導電性の低下を抑制し、良好な減衰特性を維持することが可能になる。一括めっき部42を構成する錫めっきの導電率は15%IACSであり、めっき層411bを構成する銀めっきの導電率は108%IACSである。
なお、ここでいう外周部分4aとは、金属素線411が溶融めっき時に溶融しためっき(錫等)に接触する部分(すなわち金属間化合物411cが形成された部分)である。また、内周部分4bとは、銀めっき等からなるめっき層411bが残存している部分である。
シールド層4は、周方向に隣り合う金属素線同士が離間している離間部分45を有している。なお、全ての金属素線411が離間している必要はなく、周方向に隣り合う一部の金属素線411同士が接触している接触部分が存在してもよい。なお、接触部分では、横巻きシールド部41の外周において、周方向に隣り合う金属素線411同士の間が一括めっき部42によって充填された充填部を有する。
そして、シールド層4は、離間部分45において、周方向に隣り合う金属素線411同士が一括めっき部42により連結されている連結部43を有している。一括めっき部42は、周方向および軸方向において横巻きシールド部41の周囲全体を一括して覆い、複数の金属素線411を機械的及び電気的に接続するように設けられることが望ましい。本実施の形態に係る同軸ケーブル1のシールド層4では、隣り合う内周部分4bの間に連結部43が設けられている。内周部分4bの周囲は一括めっき部42により覆われていないため、隣り合う金属素線411の内周部分4b同士の間で、かつ、絶縁体3の外面と一括めっき部42(連結部43)の内面との間には、空気層44が存在する。
この空気層44に関し、絶縁体3の外面と対向する連結部43の内面は、連結部43の内部側(ケーブル径方向外側)へ凹むように湾曲した形状を有している。すなわち、離間部分45において、連結部43の内面は、ケーブル径方向外側へ凹んだ凹形状となっている。このような湾曲した形状を有することにより、絶縁体3の外面と連結部43の内面との間に所定の大きさの空気層44を設けることができるため、シールド効果の低下が生じにくく、所定の周波数帯域(例えば、26GHzまでの周波数帯域)で急激な減衰が生じにくい同軸ケーブル1とすることができる。また、連結部43の内面が湾曲した形状であることで、一括めっき部42が割れたり剥がれたりしにくくなる。
さらに、隣接する金属素線411の間に空気層44を有することにより、周方向に隣り合う全ての金属素線411同士が接触する場合と比べて、曲げや捩れを加えたときに一括めっき部42が割れたり剥がれたりしにくくなる。一括めっき部42の割れや剥がれをより抑制するために、一括めっき部42は、金属素線411よりも柔軟性のある材料で構成されるとよい。これにより、同軸ケーブル1に曲げや捻回が加わったときに、金属素線411間の一括めっき部42が伸張するように作用し、シールド層4全体の柔軟性が向上する。周方向に隣り合う金属素線411同士が離間する距離(ケーブル周方向に沿った距離)は、金属素線411の外径(最大外径、ここでは長径)の半分以下であるとよい。これにより、シールド層4の導体損失を抑制することができる。
また、金属素線411間の隙間に対して、一括めっき部42の空間占有率は50%以下であるとよい。ここで、金属素線411の間の隙間とは、横巻きシールド部41の外接円(ケーブル中心を中心とし、横巻きシールド部41の全ての金属素線411が含まれる最小径の円)と絶縁体3の外表面との間の空間で、かつ金属素線411が存在しない空間である。換言すれば、金属素線411間の隙間に対して、空気層44の空間占有率は50%より大きいとよく、当該隙間における空気層44の空間占有率が、一括めっき部42の空間占有率よりも大きいとよい。
さらに好ましくは、一括めっき部42は、ケーブル長手方向に垂直な断面において、横巻きシールド部41を構成する複数の金属素線411それぞれの中心よりもケーブル径方向外側のみに形成されているとよい。これにより、一括めっき部42の影響による誘電損失及び導体損失を抑制することができる。図1に符号46で示す一点鎖線は、金属素線411の中心を結んだ仮想の線を示している。
例えば、シールド層4を横巻きシールド部41のみで構成すると、金属素線411間に隙間が発生してノイズ特性が低下してしまう。さらに、金属素線411の間に生じる隙間の影響により、所定の周波数帯域(例えば、10GHz~25GHzの帯域)で急激な減衰が生じるサックアウトと呼ばれる現象が発生してしまう。本実施の形態のように、横巻きシールド部41の周囲全体を覆うように溶融めっきからなる一括めっき部42を設けることで、一括めっき部42により金属素線411間の隙間を塞ぐことができ、シールド効果を向上できる。これにより、信号伝送の損失が生じにくくなる。さらに、金属素線411間の隙間がなくなることにより、サックアウトの発生を抑制することが可能になる。
さらに、横巻きシールド部41の周囲を覆うように一括めっき部42を設けることで、端末加工時にケーブル端末部においてシース5を除去しシールド層4を露出させた際に、金属素線411が解けにくくなり、端末加工を容易に行うことが可能になる。さらにまた、横巻きシールド部41の周囲を覆うように一括めっき部42を設けることで、ケーブル長手方向においてインピーダンスを安定して一定に維持することも可能になる。
(ケーブルアセンブリ)
次に、同軸ケーブル1を用いたケーブルアセンブリについて説明する。図2は、本実施の形態に係るケーブルアセンブリの端末部を示す断面図である。
図2に示すように、ケーブルアセンブリ10は、本実施の形態に係る同軸ケーブル1と、同軸ケーブル1の少なくとも一方の端部に一体に設けられた端末部材11と、を備えている。
端末部材11は、例えば、コネクタ、センサ、コネクタやセンサ内に搭載される基板、あるいは電子機器内の基板等である。図2では、端末部材11が基板11aである場合を示している。基板11aには、導体2が接続される信号電極12、及び、シールド層4が接続されるグランド電極13が形成されている。基板11aは、樹脂からなる基材16に信号電極12及びグランド電極13を含む導体パターンが印刷されたプリント基板からなる。
同軸ケーブル1の端末部においては、端末から所定長さの部分のシース5が除去されシールド層4が露出されており、さらに露出されたシールド層4及び絶縁体3の端末部が除去され導体2が露出されている。露出された導体2が半田等の接続材14によって信号電極12に固定され、導体2が信号電極12に電気的に接続されている。また、露出されたシールド層4が半田等の接続材15によってグランド電極13に固定され、シールド層4がグランド電極13に電気的に接続されている。なお、導体2やシールド層4の接続は半田等の接続材14,15を用いずともよく、例えば、固定用の金具に導体2やシールド層4を加締め等により固定することで、導体2やシールド層4を接続してもよい。また、端末部材11がコネクタやセンサである場合、導体2やシールド層4を直接電極や素子に接続する構成としてもよい。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る同軸ケーブル1では、シールド層4は、長手方向に垂直な断面の形状が楕円である複数の金属素線411を絶縁体3の周囲に螺旋状に巻き付けて構成された横巻きシールド部41と、横巻きシールド部41の周囲を覆う溶融めっきからなる一括めっき部42と、を有している。また、本実施の形態に係る同軸ケーブル1では、シールド層4の横巻きシールド部41を構成する複数の金属素線411として、当該金属素線411の長手方向に垂直な断面形状が楕円度35%以上50%以下の楕円型金属素線を用いている。
このように構成することで、シールド層4が一括めっき部42を介して略全周で繋がることになり、横巻きシールド部41の金属素線411間の隙間を一括めっき部42で塞ぐことが可能になり、ノイズ特性を向上し、サックアウトの発生を抑制することが可能になる。すなわち、本実施の形態によれば、シールド効果の低下が生じにくく、所定の周波数帯域(例えば、26GHzまでの周波数帯域)で急激な減衰が生じにくい同軸ケーブル1を実現できる。
さらに、横巻きシールド部41を構成する金属素線411として楕円型金属素線を用いることで、金属素線411をより絶縁体3に密接させて電流が通過する断面積を広くし、導体損失を低減することが可能になる。すなわち、本実施の形態によれば、所定の周波数帯域で急激な減衰が生じにくく、かつ、損失を低減した同軸ケーブル1を実現できる。
(他の実施形態)
上記実施の形態では、横巻きシールド部41を構成する金属素線411として楕円型金属素線を用いる場合について説明したが、これに限らず、図3に示すように、金属素線411として、当該金属素線411の長手方向に垂直な断面形状が矩形であり、かつ、ケーブル周方向に沿った円弧状(アーチ状)の外縁を有する矩形型金属素線を用いてもよい。矩形型金属素線の外縁のうち、絶縁体3と対向する面は、絶縁体3の外周面と同じ曲率からなる円弧状からなるとよい。矩形型金属素線からなる金属素線411は、このような形状を有ることにより、図3に示すように、矩形型金属素線の外縁のうちの絶縁体3と対向する面が、絶縁体3の外周面と面接触して配置されることになる。この場合でも上記実施の形態と同様の作用効果が得られる。なお、金属素線411の断面形状は厳密に楕円形状、あるいは矩形状である必要はなく、多少の変形は許容される。例えば、金属素線411の断面形状が、楕円形状でかつ円弧状である形状、すなわち、長軸方向がケーブル周方向に沿うように円弧状に湾曲した楕円形状であってもよい。
また、上記実施の形態では、一括めっき部42を溶融めっきで構成したが、導電性のある樹脂でのコーティングにより一括めっき部42を構成してもよい。
さらに、上述した同軸ケーブル1を少なくとも1本含む多心ケーブルとしてもよい。例えば、図4に示すよう多心ケーブル100のように、複数本(ここでは4本)の同軸ケーブル1を撚り合わせて集合コア101を構成し、当該集合コア101の周囲にらせん状にテープ部材102を巻きつけ、テープ部材102の周囲を一括して覆うように一括シールド層103を設け、一括シールド層103の周囲を覆うようにジャケット104を設けた構造とすればよい。なお、集合コア101に含まれる同軸ケーブル1の本数は図示のものに限定されず、また、集合コア101には、同軸ケーブル1と異なる構造の電線(電源線や信号線など)が含まれてもよい。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]導体(2)と、前記導体(2)の周囲を覆う絶縁体(3)と、前記絶縁体(3)の周囲を覆うシールド層(4)と、前記シールド層(4)の周囲を覆うシース(5)と、を備え、前記シールド層(4)は、長手方向に垂直な断面の形状が楕円である複数の金属素線(411)を前記絶縁体(3)の周囲に螺旋状に巻き付けて構成された横巻きシールド部(41)と、前記横巻きシールド部(41)の周囲を覆う導電性のめっきからなる一括めっき部(42)と、を有する、同軸ケーブル(1)。
[2]導体(2)と、前記導体(2)の周囲を覆う絶縁体(3)と、前記絶縁体(3)の周囲を覆うシールド層(4)と、前記シールド層(4)の周囲を覆うシース(5)と、を備え、前記シールド層(4)は、複数の金属素線(411)を前記絶縁体(3)の周囲に螺旋状に巻き付けて構成された横巻きシールド部(41)と、前記横巻きシールド部(41)の周囲を覆う導電性のめっきからなる一括めっき部(42)と、を有し、前記複数の金属素線(411)は、当該金属素線の長手方向に垂直な断面形状が矩形であり、かつケーブル周方向に沿った円弧状の外縁を有する矩形型金属素線である、同軸ケーブル(1)。
[3]前記金属素線(411)は、当該金属素線(411)の長手方向に垂直な断面形状が下式
楕円度=(長径-短径)/長径×100%
で得られる楕円度で35%以上50%以下を満たす楕円からなる、[1]に記載の同軸ケーブル(1)。
[4]前記一括めっき部(42)は、ケーブル長手方向に垂直な断面において、前記横巻きシールド部(41)を構成する前記複数の金属素線(411)それぞれの中心よりもケーブル径方向外側のみに形成されている、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の同軸ケーブル(1)。
[5]前記金属素線(411)は、銀めっき線である、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の同軸ケーブル(1)。
[6][1]乃至[5]のいずれか1項に記載の同軸ケーブル(1)を少なくとも1本含む、多心ケーブル(100)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…同軸ケーブル
2…導体
3…絶縁体
4…シールド層
5…シース
41…横巻きシールド部
411…金属素線
42…一括めっき部

Claims (6)

  1. 導体と、
    前記導体の周囲を覆う絶縁体と、
    前記絶縁体の周囲を覆うシールド層と、
    前記シールド層の周囲を覆うシースと、を備え、
    前記シールド層は、長手方向に垂直な断面の形状が楕円である複数の金属素線を前記絶縁体の周囲に螺旋状に巻き付けて構成された横巻きシールド部と、前記横巻きシールド部の周囲を覆う導電性のめっきからなる一括めっき部と、を有する、
    同軸ケーブル。
  2. 導体と、
    前記導体の周囲を覆う絶縁体と、
    前記絶縁体の周囲を覆うシールド層と、
    前記シールド層の周囲を覆うシースと、を備え、
    前記シールド層は、複数の金属素線を前記絶縁体の周囲に螺旋状に巻き付けて構成された横巻きシールド部と、前記横巻きシールド部の周囲を覆う溶融めっきからなる一括めっき部と、を有し、
    前記複数の金属素線は、当該金属素線の長手方向に垂直な断面形状が矩形であり、かつケーブル周方向に沿った円弧状の外縁を有する矩形型金属素線である、
    同軸ケーブル。
  3. 前記複数の金属素線は、当該金属素線の長手方向に垂直な断面形状が下式
    楕円度=(長径-短径)/長径×100%
    で得られる楕円度が35%以上50%以下の楕円型金属素線である、
    請求項1に記載の同軸ケーブル。
  4. 前記一括めっき部は、ケーブル長手方向に垂直な断面において、前記横巻きシールド部を構成する前記複数の金属素線それぞれの中心よりもケーブル径方向外側のみに形成されている、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の同軸ケーブル。
  5. 前記金属素線は、銀めっき線である、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の同軸ケーブル。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の同軸ケーブルを少なくとも1本含む、
    多心ケーブル。
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