JP2023044893A - 光変調装置及び投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】共通電極電圧のずれを検出して補正することができる光変調装置を提供する。【解決手段】反射型偏光板と13bは、反射型液晶表示素子12bより射出された変調光のうち、第1の偏光を透過し、第2の偏光を反射する。透過型偏光板15bは、反射型偏光板13bで反射する第2の偏光を透過し、第1の偏光を反射する。光センサ21bは、透過型偏光板15bで反射する第1の偏光を受光して検出信号を出力する。検出回路23bは、正極性側ピーク絶対値と負極性側ピーク絶対値との差分に応じて、第1~第3のフラグよりなる一次フラグを生成する。選択回路24bは、入力画像信号における隣接する2フレームが実質的に同じ画像でなければ、第2及び第3のフラグを第1のフラグに置換する。補正回路25bは、二次フラグが第2のフラグであれば共通電極電圧を低くするよう補正し、二次フラグが第3のフラグであれば共通電極電圧を高くするよう補正する。【選択図】図7
Description
本発明は、光変調装置及び投射型表示装置に関する。
投射型表示装置は、光変調装置によって、投射しようとする画像に応じて照明光を光変調することにより、スクリーンに所望の画像を拡大投影する。光変調装置は、一構成部品として液晶表示素子を備える。液晶表示素子は、画素電極、画素電極と対向するように配置された共通電極、画素電極と共通電極とで挟まれた液晶とを有する。
光変調装置は、液晶表示素子の共通電極に直流電圧である共通電極電圧(いわゆるVcom)を印加する。光変調装置は、画素電極と共通電極との間にフレーム周期またはライン周期で反転する交流電圧を印加して、入射する照明光を光変調する。このとき、画素電極駆動用トランジスタの特性上のばらつき、液晶材料の電気光学特性のばらつき、液晶の配向条件のばらつき、液晶への不純物の混入、画素電極と共通電極との材質の違い等に起因して、画素電極と共通電極との間に印加される交流電圧の正極性側と負極性側とで非対称性が生じることがある。
交流電圧の正極性側と負極性側とで非対称性が生じると、Vcomが交流電圧の反転中心電圧からずれて、液晶表示素子に直流電圧成分が印加されることにより、投影像にフリッカが発生する。投影像にフリッカが発生するとコントラストが低下して、表示階調が狭くなる。それに加えて、液晶表示素子に直流電圧成分が印加されるため、液晶中のイオン性物質が一方の電極に引き寄せられ、液晶表示素子に焼き付きが発生し、液晶表示素子の動作の信頼性が低下することがある。
特許文献1及び特許文献2には、光学センサを用いてフリッカに起因する光のちらつきを検出してVcomを調整することにより、フリッカを抑制することが記載されている。
特許文献1に記載の構成は、Vcomの反転中心電圧からのずれを補正するために特定のパターンの画像を投影する必要がある。特許文献1記載の構成は、入力画像信号に基づく通常の画像を投影している状態ではVcomのずれを補正することができない。特許文献2に記載の構成は、特定のパターンの画像を投影する必要はないものの、フレームレートを2倍にして各フレームを連続して2度読み出す倍速変換処理が必要となる。特許文献2に記載の構成は、各フレームの1度目の読み出しで正極性、2度目の読み出しで負極性とすることによってVcomのずれを検出して補正する。
近年の投射型表示装置は、時間方向の解像度向上を目的として、入力画像信号のフレームレートを従来一般的な60Hzの2倍の120Hzとすることが多くなっている。入力画像信号のフレームレートが120Hzであるときに、特許文献2に記載の構成を採用しようとすると、フレームレートを240Hzにする必要がある。投射型表示装置をフレームレート240Hzで動作させようとすると、回路規模及びコストの大幅な増大を招くため、特許文献2に記載の構成を採用することは実質的に困難である。
本発明は、共通電極電圧のずれを補正するために特定のパターンの画像の投影、及び入力画像信号のフレームレートの倍速変換処理の必要がなく、共通電極電圧のずれを検出して補正することができる光変調装置及び投射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、画素電極と、共通電極電圧が印加される共通電極と、前記画素電極と前記共通電極とで挟まれた液晶とを有し、入射する一方向の直線偏光である第1の偏光を入力画像信号に基づいて光変調して、変調光として射出する液晶表示素子と、前記液晶表示素子より射出された変調光のうち、前記第1の偏光を透過し、前記第1の偏光と直交する一方向の直線偏光である第2の偏光を反射する反射型偏光板と、前記反射型偏光板で反射する前記第2の偏光を透過し、前記第1の偏光を反射する透過型偏光板と、前記透過型偏光板で反射する前記第1の偏光を受光して検出信号を出力する光センサと、前記入力画像信号の極性を前記共通電極電圧に対して1垂直期間ごとに正極性と負極性とで反転させて前記画素電極に供給する液晶駆動回路と、前記液晶駆動回路が前記画素電極に前記入力画像信号を正極性で供給している垂直期間に前記光センサから出力される前記検出信号のピークの絶対値である正極性側ピーク絶対値と、前記液晶駆動回路が前記画素電極に前記入力画像信号を負極性で供給している垂直期間に前記光センサから出力される前記検出信号のピークの絶対値である負極性側ピーク絶対値との差分を算出し、前記差分が0であれば一次フラグとして第1のフラグを生成し、前記差分が正であれば一次フラグとして第2のフラグを生成し、前記差分が負であれば一次フラグとして第3のフラグを生成する検出回路と、前記入力画像信号における隣接する2フレームを比較して、両者が実質的に同じ画像であるか否かを判定し、両者が実質的に同じ画像であると判定されれば、前記一次フラグをそのまま二次フラグとして出力し、両者が実質的に同じ画像ではないと判定されれば、前記第2及び第3のフラグを前記第1のフラグに置換して二次フラグとして出力する選択回路と、前記二次フラグが前記第1のフラグであれば前記共通電極電圧を補正せず、前記二次フラグが前記第2のフラグであれば前記共通電極電圧を低くするよう補正し、前記二次フラグが前記第3のフラグであれば前記共通電極電圧を高くするよう補正する補正回路とを備える光変調装置を提供する。
本発明は、光源から射出した白色光の光束を、ランダム偏光の赤色光、緑色光、及び青色光の各光束に分光するダイクロイックミラーと、ランダム偏光の赤色光、緑色光、及び青色光の各光束を一方向の直線偏光である第1の偏光に揃えて射出する偏光変換素子と、前記第1の偏光に揃えられた赤色光、緑色光、及び青色光の各光束の光路に設けられた上記の光変調装置と、前記光変調装置における前記透過型偏光板を透過した赤色光、緑色光、及び青色光の、前記第1の偏光と直交する一方向の直線偏光である第2の偏光の各光束を色合成する色合成プリズムと、前記色合成プリズムで色合成された合成光を拡大投影する投射レンズとを備える投射型表示装置を提供する。
本発明の光変調装置及び投射型表示装置によれば、共通電極電圧のずれを補正するために特定のパターンの画像の投影、及び入力画像信号のフレームレートの倍速変換処理の必要がなく、共通電極電圧のずれを検出して補正することができる。
以下、一実施形態の光変調装置及び投射型表示装置について、添付図面を参照して説明する。図1に示す投射型表示装置1は次のように構成されている。図1において、キセノンランプ2aと凹面鏡2bとを有する光源2は、高輝度の白色光を射出する。白色光の光路上には、赤外線透過フィルタ3が45度傾斜して配置されている。赤外線透過フィルタ3は波長700nm近傍以上の赤外線を透過し、それ以外の波長帯域の光束を反射する。これにより、波長700nm近傍以上の赤外線が除去される。
赤外帯域以外の波長帯域の光束は赤外線透過フィルタ3で光路が90度折り曲げられ、紫外線反射フィルタ4に入射する。紫外線反射フィルタ4は波長400nm近傍以下の紫外線を反射し、それ以外の波長帯域の光束を透過する。これにより、波長400nm近傍以下の紫外線が除去される。赤外線及び紫外線が除去された白色光は、光路に対して45度傾斜して配置されたダイクロイックミラー5に入射する。ダイクロイックミラー5は、青色光(以下、B光)を反射し、赤緑色光(以下、RG光)光を透過することにより、入射した白色光をB光とRG光とに分光する。
ダイクロイックミラー5で反射するB光の光路上には、反射ミラー6、B光用の第1のフライアイレンズ7b、B光用の第2のフライアイレンズ8b、偏光変換素子9b、コンデンサレンズ10b、フィールドレンズ11b、反射型偏光板13b、B光用の反射型液晶表示素子12bがこの順で配置されている。反射ミラー6は、ダイクロイックミラー5より射出されたB光の光路に対して45度傾斜して配置されており、B光の光路を90度折り曲げる。反射型液晶表示素子12b及び後述する反射型液晶表示素子12r及び12gは、液晶表示素子の一例である。
光源2の凹面鏡2bより射出される白色光の断面が円形であるから、反射ミラー6で反射する光束の断面は円形である。反射ミラー6で反射する断面が円形である光束を、矩形状の反射型液晶表示素子12bの有効画素領域に効率的に照射するために、円形の光束を矩形の光束に変換する必要がある。
第1のフライアイレンズ7bは、小さな矩形の凸レンズがマトリクス状に配置された構成を有する。第2のフライアイレンズ8bも、小さな矩形の凸レンズがマトリクス状に配置された構成を有する。第2のフライアイレンズ8bの各凸レンズは、第1のフライアイレンズ7bの各凸レンズの焦点位置に配置されている。第1のフライアイレンズ7b及び第2のフライアイレンズ8bは、B光の光束の形状を反射型液晶表示素子12bの形状に一致させ、反射型液晶表示素子12b上の照度分布を均一化するために、入射した光束を複数の矩形の部分光束に分割する。
第2のフライアイレンズ8bより射出された部分光束であるB光は偏光状態が揃っていないランダム偏光である。偏光変換素子9bは、ランダム偏光の複数の部分光束を一方向の直線偏光の複数の部分光束に変換する。偏光変換素子9bは図2に示すように構成されている。
図2に示すように、平板状の偏光ビームスプリッタアレイ91の内部には、破線で示す偏光分離面92と実線で示す反射面93とが面に沿った方向に交互に形成されている。偏光分離面92及び反射面93は、偏光変換素子9bの光の入射面に対して45度の角度を有するように形成されている。偏光分離面92はP偏光(第1の偏光)を透過してS偏光(第2の偏光)を反射する。S偏光は偏光分離面92で進行方向が90°曲げられて反射面93に向かう。反射面93は入射したS偏光を反射し、進行方向を90°曲げる。
偏光分離面92と反射面93とで挟まれて反射面93で反射するS偏光を射出する領域には、複屈折性を有する1/2波長板94が貼り付けられている。偏光分離面92と反射面93とで挟まれて偏光分離面92を透過したP偏光を射出する領域には、1/2波長板94が貼り付けられていない。1/2波長板94は、入射したS偏光の偏光方向を90°回転して、P偏光を射出する。このようにして、偏光変換素子9bは入射したランダム偏光を一方向の直線偏光であるP偏光に揃えて射出する。
偏光変換素子9b及び後述する偏光変換素子9rgは、入射したランダム偏光を一方向の直線偏光であるS偏光に揃えて射出してもよい。偏光変換素子9b及び後述する偏光変換素子9rgがS偏光を射出する場合には、後述する各色の光変調装置は入射するS偏光に対応するように構成される。この場合、第1の偏光はS偏光であり、第2の偏光はP偏光である。
コンデンサレンズ10bは、偏光変換素子9bより射出された一方向の直線偏光(P偏光)の複数の部分光束を合成して、1つにまとめた光束を射出する。フィールドレンズ11bは、入射した直線偏光の光束をB光のテレセントリックな照明光に変換する。
図3は、図1における一点鎖線で囲んだ符号50の部分を拡大して示している。図1または図3において、略三角柱の支持体20bの3つの側面には矩形状の開口が形成されており、3つの側面の内面側には、各開口を塞ぐように、反射型液晶表示素子12b、反射型偏光板13b、透過型偏光板15bが固着されている。反射型偏光板13bは、支持体20bのフィールドレンズ11bと対向する側面に固着されており、フィールドレンズ11bから射出したB光が入射される。反射型偏光板13bは、B光の光路に対して45度の角度で傾斜している。反射型液晶表示素子12bが固着されている側面の外面には、放熱用のヒートシンク19bが固着されている。
図4に示すように、反射型偏光板13bとしてワイヤグリッド偏光子が用いられている。ワイヤグリッド偏光子である反射型偏光板13bは、偏光子光学ガラス板131上に、アルミニウム等の金属線132を、例えば、140nm程度のピッチで規則正しくストライプ状に形成した反射面を有する。反射型偏光板13bは、入射した光束のうちストライプ状に形成された金属線132に垂直な偏光成分(ここではP偏光)をそのまま透過させ、金属線132に平行な偏光成分(ここではS偏光)を反射する特性を有する。
反射型偏光板13bとしてワイヤグリッド偏光子を用いると、反射型偏光板13bを軽量とすることができる。ワイヤグリッド偏光子は入射する光を吸収しにくいため、反射型偏光板13bとしてワイヤグリッド偏光子を用いると、発熱によって発生するガラスの複屈折を起因とする投影像の品質低下を抑えることができる。
図1または図3に戻り、反射型偏光板13bは、フィールドレンズ11bから射出したB光を透過させる。反射型偏光板13bを透過したB光は反射型液晶表示素子12bに入射する。反射型液晶表示素子12bは、入力画像信号を構成するRGB信号のうちのB信号に基づいて光変調し、光変調によって偏光状態が変化したB光(S偏光)を変調光として反射して射出する。反射型偏光板13bは、反射型液晶表示素子12bで反射したB光を反射する。反射型偏光板13bで反射するB光は透過型偏光板15bを透過して、クロスダイクロイックプリズム16に入射する。クロスダイクロイックプリズム16は、色合成プリズムの一例である。
透過型偏光板15b及び後述する透過型偏光板15g及び15rは、入射するB光に含まれている不要偏光(P偏光)を反射して除去することにより、S偏光の偏光度を向上させ、ひいてはコントラストを向上させるために設けられている。
図1において、ダイクロイックミラー5を透過したRG光の光路上には、RG光用の第1のフライアイレンズ7rg、RG光用の第2のフライアイレンズ8rg、偏光変換素子9rg、コンデンサレンズ10rg、ダイクロイックミラー14がこの順で配置されている。第1のフライアイレンズ7rg、第2のフライアイレンズ8rg、偏光変換素子9rg、コンデンサレンズ10rgは、それぞれ、第1のフライアイレンズ7b、第2のフライアイレンズ8b、偏光変換素子9b、コンデンサレンズ10bと同様の構成及び機能を有する。
ダイクロイックミラー14は、RG光のうち緑色光(以下、G光)を反射し、赤色光(以下、R光)を透過することにより、入射したRG光をR光とG光とに分光する。
ダイクロイックミラー14を透過したR光の光路上には、フィールドレンズ11r、反射型偏光板13r、R光用の反射型液晶表示素子12rがこの順で配置されている。フィールドレンズ11rは、入射した直線偏光の光束をR光のテレセントリックな照明光に変換する。
略三角柱の支持体20rの3つの側面には矩形状の開口が形成されており、3つの側面の内面側には、各開口を塞ぐように、反射型液晶表示素子12r、反射型偏光板13r、透過型偏光板15rが固着されている。
反射型偏光板13rは、支持体20rのフィールドレンズ11rと対向する側面に固着されており、フィールドレンズ11rから射出したR光が入射される。反射型偏光板13rは、R光の光路に対して45度の角度で傾斜している。反射型液晶表示素子12rが固着されている側面の外面には、放熱用のヒートシンク19rが固着されている。
反射型偏光板13rは、フィールドレンズ11rから射出したR光を透過させる。反射型偏光板13rを透過したR光は反射型液晶表示素子12rに入射する。反射型液晶表示素子12rは、入力画像信号を構成するRGB信号のうちのR信号に基づいて光変調し、光変調によって偏光状態が変化したR光(S偏光)を反射して変調光として射出する。反射型偏光板13rは、反射型液晶表示素子12rで反射したR光を反射する。反射型偏光板13rで反射するR光は透過型偏光板15rを透過して、クロスダイクロイックプリズム16に入射する。
ダイクロイックミラー14で反射するG光の光路上には、フィールドレンズ11g、反射型偏光板13g、G光用の反射型液晶表示素子12gがこの順で配置されている。フィールドレンズ11gは、入射した直線偏光の光束をG光のテレセントリックな照明光に変換する。
略三角柱の支持体20gの3つの側面には矩形状の開口が形成されており、3つの側面の内面側には、各開口を塞ぐように、反射型液晶表示素子12g、反射型偏光板13g、透過型偏光板15gが固着されている。
反射型偏光板13gは、支持体20gのフィールドレンズ11gと対向する側面に固着されており、フィールドレンズ11gから射出したG光が入射される。反射型偏光板13gは、G光の光路に対して45度の角度で傾斜している。反射型液晶表示素子12gが固着されている側面の外面には、放熱用のヒートシンク19gが固着されている。
反射型偏光板13gは、フィールドレンズ11gから射出したG光を透過させる。反射型偏光板13gを透過したG光は反射型液晶表示素子12gに入射する。反射型液晶表示素子12gは、入力画像信号を構成するRGB信号のうちのG信号に基づいて光変調し、光変調によって偏光状態が変化したG光(S偏光)を反射して変調光として射出する。反射型偏光板13gは、反射型液晶表示素子12gで反射したG光を反射する。反射型液晶表示素子12gで反射するG光は透過型偏光板15gを透過して、クロスダイクロイックプリズム16に入射する。
クロスダイクロイックプリズム16は、3つの側面から入射したR光、G光、B光を色合成して、合成光を射出面16aから射出する。投射レンズ17は、射出面16aから射出した合成光をスクリーン18に拡大投影する。
図1に示すように、透過型偏光板15r、15g、15bで反射する不要偏光の光路上で、支持体20r、20g、20bの外側には、それぞれ、光センサ21r、21g、21bが配置されている。光センサ21r、21g、21bは、入射した光を光量に応じて電気信号に変換する。光センサ21r、21g、21bは、光量を電圧、電流、または周波数等に変換し、検出信号として出力する。
図5及び図6を用いて、光センサ21r、21g、21bがそれぞれ支持体20r、20g、20b近傍のどのような位置に配置されているかを説明する。ここでは代表して、支持体20bに対する光センサ21bの位置を説明する。
図5において、コンデンサレンズ10bから射出したP偏光であるB光の光束Haは、フィールドレンズ11bで反射型液晶表示素子12bの表示エリア(有効画素領域)の大きさに合わせて屈折され、反射型偏光板13bに入射する。反射型偏光板13bを透過したP偏光の光束Hbは、反射型液晶表示素子12bで光変調されてその一部がS偏光となって反射して、反射型偏光板13bに再入射する。S偏光になった光束Hbは反射型偏光板13bで反射して、光束Hcとして透過型偏光板15bに入射する。
透過型偏光板15bはS偏光を透過し、不要なP偏光を反射する。光センサ21bは、透過型偏光板15bで反射するP偏光の破線で示す光束Hd上に配置されている。
図6に示すように、反射型偏光板13bは、入射したP偏光のB光の光束Haの100%を透過させるのではなく、若干の割合のP偏光を反射し、入射した光束Haに若干含まれるS偏光も反射する。よって、反射型偏光板13bのフィールドレンズ11b側の面から、支持体20bの外側へと向かう、P偏光及びS偏光を含む破線で示す光束Heが射出される。この光束Heは、反射型液晶表示素子12bで光変調されていないため、反射型液晶表示素子12bに起因するフリッカの影響を受けていない。加えて、光束Heは、反射型液晶表示素子12bに起因するフリッカの影響を受けて透過型偏光板15bで反射する光束Hdと比較して光量が大きい。
そのため、光センサ21bは、透過型偏光板15bで反射する光束Hd上であって、反射型偏光板13bで反射する光束Heを避けて、光束Heの影響を受けない位置に配置する必要がある。
このように、光センサ21r、21g、21bは、透過型偏光板15r、15g、15bで反射する光束Hd上であって、反射型偏光板13r、13g、13bで反射する光束Heの影響を受けない位置に配置されている。
図1では、光センサ21r、21g、21bを1つしか示していないが、反射型液晶表示素子12r、12g、12bの有効画素領域における複数の画素での変調を受けた反射光を含む光束Hdを受光するように、複数の光センサ21r、21g、21bを配置してもよい。複数の光センサ21r、21g、21bは、有効画素領域における水平方向の複数画素及び垂直方向の複数画素よりなる矩形領域での変調を受けた反射光を含む光束Hdを受光するように、直交する2つの方向に配列されているのがよい。
複数の光センサ21r、21g、21bにおける各光センサは単一の受光部を有する。複数の受光部を有する各1つの光センサ21r、21g、21bを用いてもよい。複数の受光部は、反射型液晶表示素子12r、12g、12bにおける複数の画素で変調を受けた反射光を受光する。
図7~図9を用いて、共通電極電圧(以下、Vcom)の補正動作を詳細に説明する。図7に示すように、B光用の光変調装置60は、反射型液晶表示素子12b、反射型偏光板13b、透過型偏光板15bの他に、光センサ21b、液晶駆動回路22b、検出回路23b、選択回路24b、補正回路25bを備える。反射型液晶表示素子12bは、画素電極121、共通電極122、画素電極121と共通電極122との間に封入された液晶123を有する。
液晶駆動回路22bは、入力画像信号(R信号)の極性を、Vcomを中心として1垂直期間ごとに正極性と負極性とで反転させて画素電極121に供給する。検出回路23bは、光センサ21bからの検出信号及び液晶駆動回路22bより出力される各種の駆動信号に基づいて、Vcomの状態を検出する。後述するように、検出回路23bは、Vcomの状態の検出結果に基づいて一次フラグを生成する。後述するように、選択回路24bは二次フラグを出力する。補正回路25bは、二次フラグに応じてVcomを補正し、補正したVcomを反射型液晶表示素子12bの共通電極122に供給する。
R光用の反射型液晶表示素子12rに対しても、液晶駆動回路22b、検出回路23b、選択回路24b、補正回路25bと同様の、液晶駆動回路22r、検出回路23r、選択回路24r、補正回路25rを備えるR光用の光変調装置60が設けられている。G光用の反射型液晶表示素子12gに対しても、液晶駆動回路22b、検出回路23b、選択回路24b、補正回路25bと同様の、液晶駆動回路22g、検出回路23g、選択回路24g、補正回路25gを備えるG光用の光変調装置60が設けられている。
図8は、検出回路23r、23g、23bと、補正回路25r、25g、25bと、選択回路24r、24g、24bの具体的な構成例を示している。検出回路23r、23g、23bは、ADコンバータ231、タイミングジェネレータ232、正極性側データホールド回路233、負極性側データホールド回路234、減算器235、フラグ生成器236を有する。選択回路24r、24g、24bは、フレームメモリ241、比較器242、フラグ選択器243を有する。補正回路25r、25g、25bは、データホールド回路251、演算器252、DAコンバータ253を有する。
図8と、図9に示すフローチャートを参照しながら、代表して、検出回路23b、選択回路24b、補正回路25bの動作を説明する。検出回路23bの動作は次のとおりである。投射型表示装置1の電源がオンされると、投射型表示装置1は図9に示す処理を開始する。ADコンバータ231は、光センサ21bより出力された検出信号をAD変換する(図9のステップS1)。デジタル信号に変換された検出信号は、正極性側データホールド回路233及び負極性側データホールド回路234に供給される。
液晶駆動回路22bは、入力画像信号に同期した水平及び垂直走査信号と、1垂直期間ごとにハイとローとを繰り返す極性切換信号に基づいて、入力画像信号の極性を反転させる。液晶駆動回路22bは、極性切換信号と、水平及び垂直同期信号をタイミングジェネレータ232に供給する。タイミングジェネレータ232は、正極性側データホールド回路233及び負極性側データホールド回路234にそれぞれ正極性側及び負極性側のトリガ信号を供給する。
正極性側データホールド回路233及び負極性側データホールド回路234は、それぞれ、ADコンバータ231から供給された検出信号を格納する。正極性側データホールド回路233は、液晶駆動回路22bが画素電極121に入力画像信号を正極性で供給している垂直期間に、格納された検出信号から正極性側のピークを検出して、ピークの絶対値である正極性側ピーク絶対値を出力する(図9のステップS2)。負極性側データホールド回路234は、液晶駆動回路22bが画素電極121に入力画像信号を負極性で供給している垂直期間に、格納された検出信号から正極性側のピークを検出して、ピークの絶対値である負極性側ピーク絶対値を出力する(図9のステップS3)。
減算器235は、正極性側ピーク絶対値と負極性側ピーク絶対値との差分を算出する(ステップS3)。一例として、減算器235は、正極性側ピーク絶対値から負極性側ピーク絶対値を減算する。Vcomが反転中心電圧よりも高いと、正極性側の投影像を表示しているときに、S偏光が規定の量よりも少なく、P偏光が規定の量よりも多くなる。逆に、負極性側の投影像を表示しているときには、S偏光が規定の量よりも多く、P偏光が規定の量よりも少なくなる。
光センサ21bは、投影像を形成するために用いられないP偏光を検出するので、正極性側ピーク絶対値から負極性側ピーク絶対値を減算した差分が正であるということは、Vcomが高すぎることを意味する。逆に差分が負であるということは、Vcomが低すぎることを意味する。
フラグ生成器236は、減算器235よる算出結果である差分に応じて例えば2ビットのフラグを生成する。フラグ生成器236は、2フレームごとにハイとなる2フレームタイミング信号が供給され、2フレームタイミング信号がハイとなるとフラグを生成して出力する。
フラグ生成器236は、減算器235より出力された差分が0であれば、一次フラグとして第1のフラグ“00”を生成し、差分が正であれば一次フラグとして第2のフラグ“11”を生成し、差分が負であれば一次フラグとして第3のフラグ“01”を生成する(図9のステップS4~S8)。一次フラグの第1~第3のフラグ“00”、“11”、“01”はそれぞれ10進数の“0”、“3”、“1”を示す。フラグ生成器236は、2フレームごとに、第1~第3のフラグ“00”、“11”、“01”のいずれかである一次フラグを出力する。
選択回路24bの動作は次のとおりである。選択回路24bには、入力画像信号F(n)が入力される。入力画像信号のフレームは、…F(n-1)、F(n)、F(n+1)…のように進行する。入力画像信号F(n)は、一連のフレームの総称を意味することがある。
フレームメモリ241は、入力画像信号F(n)を1フレーム期間遅延させて1フレーム前の画像信号F(n-1)を出力する。フレームメモリ241より出力されるフレームは、…F(n-2)、F(n-1)、F(n)…のように進行する。同様に、画像信号F(n-1)は、1フレーム遅延の一連のフレームの総称を意味することがある。
比較器242は、入力画像信号F(n)と画像信号F(n-1)とを比較し、1フレームにおける全画素のうちの所定の割合以上、同一画素位置の画素値が一致すれば、一致を示す“1”を、そうでなければ不一致を示す“0”を比較結果信号として出力する。所定の割合は例えば90%のように適宜の値に設定すればよい。
1フレームにおける全画素のうちの所定の割合以上、同一画素位置の画素値が一致するということは、入力画像信号F(n)における隣接する2フレームが実質的に同じ画像であるということである。比較器242は、隣接する2フレームが実質的に同じ画像であるか否かを判定する(図9のステップS9)。比較器242は、隣接する2フレームが実質的に同じ画像であると判定されれば、比較結果信号として“1”を出力し、隣接する2フレームが実質的に同じ画像ではないと判定されれば、比較結果信号として“0”を出力する。
比較器242による一致と不一致の判定は、Vcomの調整精度の高低に応じた判定精度としてもよい。Vcomの調整精度をさほど高精度にしなくてもよい場合には、比較器242による一致と不一致の判定を簡易的に行ってもよい。例えば、各画素データが12ビットである場合、上位10ビットで入力画像信号F(n)と画像信号F(n-1)との同一画素位置の画素値が一致するか否かを判定してもよい。
また、比較器242は、1フレームにおける全画素で画素値が一致するか否かを判定しなくてもよく、フレーム内の一部の画素で画素値が一致するか否かを判定してもよい。比較器242は、光センサ21bが光束Hdを検出する空間的な範囲に対応する一部の画素で画素値が一致するか否かを判定してもよい。比較器242は、Vcomの調整精度が所定の精度以上で確保されるように、一致または不一致を判定すればよい。
フラグ選択器243は、比較器242から供給される比較結果信号が一致を示す“1”であれば、フラグ生成器236より出力される一次フラグをそのまま二次フラグとして出力する(図9のステップS10)。フラグ選択器243は、比較結果信号が不一致を示す“0”であれば、一次フラグが第1~第3のフラグのうちのいずれのフラグかによって、二次フラグとして出力するフラグを異ならせる。
フラグ選択器243は、一次フラグが第1のフラグ“00”であれば、第1のフラグ“00”をそのまま二次フラグとして出力する。フラグ選択器243は、一次フラグが第2のフラグ“11”または第3のフラグ“01”であれば、第2のフラグ“11”または第3のフラグ“01”を第1のフラグ“00”に置換して二次フラグとして出力する(図9のステップS11)。即ち、フラグ選択器243は、比較結果信号が不一致を示す“0”であれば、フラグ生成器236より出力される一次フラグにかかわらず、固定的に第1のフラグ“00”を二次フラグとして出力する。
第1のフラグ“00”はVcomが反転中心電圧となっていてVcomを補正する必要がないことを示す。第2のフラグ“11”はVcomが反転中心電圧よりも高く、Vcomを低く補正する必要があることを示す。第3のフラグ“01”はVcomが反転中心電圧よりも低く、Vcomを高く補正する必要があることを示す。隣接する2フレームが異なる画像である場合には、Vcomが反転中心電圧よりも高いか低いという判定結果が正しくない可能性がある。比較結果信号が不一致であるときに第2のフラグ“11”または第3のフラグ“01”を第1のフラグ“00”に置換するのは、判定結果が正しくない可能性があるときに、Vcomを補正しないようにするためである。
補正回路25bの動作は次のとおりである。選択回路24bより出力された二次フラグは、演算器252に入力される。データホールド回路251には、Vcomの反転中心電圧に相当するデジタル値であるVcom初期値が保持されている。上述のように、画素電極駆動用トランジスタの特性上のばらつき等の各種の条件で、Vcom初期値に基づいてVcomを設定したとしても交流電圧の正極性側と負極性側とで非対称性が生じることがあり、Vcomを補正する必要が生じることがある。なお、データホールド回路251にVcom初期値を保持することは必須ではない。データホールド回路251にVcom初期値を保持しなくても、データホールド回路251に保持されるVcom補正値が順に更新されて、所定時間後に最適なVcom補正値が得られる。
データホールド回路251は、2フレームタイミング信号がハイになると、格納している値を読み出す。演算器252は、データホールド回路251よりVcom初期値が読み出され、二次フラグが第1のフラグ“00”であればVcom初期値を補正せず、データホールド回路251に格納し、かつ、DAコンバータ253に供給する。
演算器252は、データホールド回路251よりVcom初期値が読み出され、二次フラグが第2のフラグ“11”であればVcom初期値より1ビット減算したVcom補正値を、データホールド回路251に格納し、かつ、DAコンバータ253に供給する(図9のステップS12)。演算器252は、データホールド回路251よりVcom初期値が読み出され、二次フラグが第3のフラグ“01”であればVcom初期値に1ビット加算したVcom補正値を、データホールド回路251に格納し、かつ、DAコンバータ253に供給する(図9のステップS12)。
演算器252は、データホールド回路251にVcom補正値が格納された後も同様に、データホールド回路251よりVcom補正値が読み出され、二次フラグが第2のフラグ“11”であればVcom補正値より1ビット減算した新たなVcom補正値を、データホールド回路251に格納し、かつ、DAコンバータ253に供給する(図9のステップS12)。演算器252は、データホールド回路251よりVcom補正値が読み出され、二次フラグが第3のフラグ“01”であればVcom補正値に1ビット加算した新たなVcom補正値を、データホールド回路251に格納し、かつ、DAコンバータ253に供給する(図9のステップS12)。
DAコンバータ253には、データホールド回路251及び演算器252がVcom補正値を更新する動作を繰り返すことにより、最適なVcom補正値が供給される。DAコンバータ253は、入力されたVcom補正値をDA変換して、アナログ値であるVcomを共通電極122に印加する(図9のステップS13)。
このように、補正回路25bは、二次フラグが第1のフラグ“00”であればVcomを補正せず、二次フラグが第2のフラグ“11”であればVcomを低くするよう補正し、二次フラグが第3のフラグ“01”であればVcomを高くするよう補正する。補正回路25bは、常時、反転中心電圧に一致するVcomを共通電極122に印加することができる。
図9のステップS14にて、投射型表示装置1の電源がオフされると、投射型表示装置1は図9に示す処理終了させる。投射型表示装置1の電源がオフされなければ、投射型表示装置1はステップS1以降の処理を繰り返す。補正回路25bは、Vcomを補正する動作を2フレームごとに繰り返す。
ところで、第1のフラグ“00”、第2のフラグ“11”、第3のフラグ“01”における下位ビットをVcom補正値(またはVcom初期値)に加減算するビット数を表し、上位ビットの“1”は減算を意味し、上位ビットの“0”は加算を意味するとする。演算器252を、二次フラグの上位ビット及び下位ビットをこのように定義したデジタル回路で構成することができる。演算器252をこのようなデジタル回路で構成すると、仮に誤って、定義されていない10進数の“2”を示す“10”が入力されたとしても、Vcomは補正されないから、誤動作を回避することができる。
図8において、タイミングジェネレータ232は、水平及び垂直同期信号に基づいて、入力画像信号F(n)のブランキング期間に正極性側及び負極性側のトリガ信号を発生して、正極性側データホールド回路233及び負極性側データホールド回路234に供給するのがよい。
光センサ21bは、反射型液晶表示素子12r、12g、12bにおける垂直走査が開始する位置または垂直走査が終了する位置の画素で変調を受けた反射光を受光する位置に配置されているのがよい。このようにすると、1フレームの全画素を正極または負極で表示した1フレームの表示の終了時点で、Vcomのずれを検出することができる。
図10A~図10Cに示すタイミングチャートを用いて、投射型表示装置1(光変調装置60)の動作を説明する。図10Aにおいて、(a)は入力画像信号F(n)、F(n+1)…の波形を概念的に示し、(b)は入力画像信号F(n)、F(n+1)…を示し、(c)は1フレーム前の画像信号F(n-1)、F(n)…を示している。入力画像信号F(n)、F(n+1)…のフレームレートは120Hzであるから、1フレームの期間は1/120秒である。
図10Aの(d)は、比較器242による隣接する2フレームの画素ごとの比較結果C(n)、C(n+2)…を示している。図10Aの(e)は、1フレームにおける全画素のうちの所定の割合以上、画素値が一致するか否かを示す比較結果信号242(n-2)、242(n)、242(n+2)…を示している。比較器242は、1フレームの期間で得られた比較結果C(n)、C(n+2)…に基づき、次の2フレームの期間、一致を示す“1”または不一致を示す“0”である比較結果信号242(n)、242(n+2)…を出力する。
図10Bの(f)に示すように、液晶駆動回路22r、22g、22bは、ハイとローを交互に繰り返す極性切換信号をタイミングジェネレータ232に供給する。液晶駆動回路22r、22g、22bは、入力画像信号F(n)、F(n+1)…の極性を、Vcomを中心として1垂直期間ごとに正極性と負極性とで反転させて画素電極121に供給する。従って、図10Bの(g)に示すように、液晶駆動電圧は、正極性と負極性とを交互に繰り返す。極性切換信号がハイの期間では、入力画像信号は+F(n)、+F(n+2)…となり、極性切換信号がローの期間では、入力画像信号は-F(n+1)、-F(n+3)…となる。
図10Bにおいて、(h)は垂直同期信号を示し、(i)はタイミングジェネレータ232が正極性側データホールド回路233に供給する正極性側のトリガ信号、(j)はタイミングジェネレータ232が負極性側データホールド回路234に供給する負極性側のトリガ信号を示す。正極性側及び負極性側のトリガ信号は、2フレームごとに、各フレームの先頭でハイとなる。
図10Cの(k)に示すように、正極性側データホールド回路233は、2フレームごとに、正極性側ピーク絶対値233(n)、233(n+2)…を出力する。図10Cの(m)に示すように、負極性側データホールド回路234は、2フレームごとに、負極性側ピーク絶対値234(n)、234(n+2)…を出力する。負極性側ピーク絶対値234(n)、234(n+2)…を出力するタイミングは、正極性側ピーク絶対値233(n)、233(n+2)…を出力するタイミングより1フレームの期間遅れている。なお、図10Cでは、図10Bの(i)及び(j)と同じ正極性側及び負極性側のトリガ信号を示している。
図10Cの(n)に示すように、減算器235は、正極性側ピーク絶対値と負極性側ピーク絶対値との差信号235(n)、235(n+2)…を出力する。図10Cの(o)に示すように、フラグ選択器243は、二次フラグ243(n)、243(n+2)…を出力する。
図10Cの(q)に示すように、データホールド回路251は、(p)に示す2フレームタイミング信号がハイとなるごとに、Vcom補正値251(n-2)、251(n)、251(n+2)…を出力する。図10Cの(r)に示すように、演算器252は、2フレームタイミング信号がハイとなるごとに、新たなVcom補正値252(n)、252(n+2)、252(n+4)…を出力する。
Vcom補正値252(n)は、Vcom補正値251(n-2)+二次フラグ243(n)である。Vcom補正値252(n+2)は、Vcom補正値251(n)+二次フラグ243(n+2)である。Vcom補正値252(n+4)は、Vcom補正値251(n+2)+二次フラグ243(n+4)である。但し、演算器252は、二次フラグ243(n)、243(n+2)…が、第1のフラグ“00”であれば加減算処理を実行せず、第2のフラグ“11”であれば減算処理を実行し、第3のフラグ“01”であれば加算処理を実行する。
以上のように、光変調装置60、及び光変調装置60を備える投射型表示装置1は、Vcomのずれを補正するために特定のパターンの画像を投影する必要はなく、入力画像信号に基づく通常の画像を投影している状態で常時Vcomのずれを補正することができる。これにより、投影像に発生するフリッカを抑制し、液晶表示素子(反射型液晶表示素子12r、12g、12b)の経時変化を抑制することができる。投影像に発生するフリッカが抑制されるから、投射型表示装置1は高画質な画像を表示することができる。液晶表示素子の経時変化が抑制されるから、投射型表示装置1の信頼性を向上させることができる。
光変調装置60、及び光変調装置60を備える投射型表示装置1によれば、入力画像信号のフレームレートを倍速変換処理する必要はない。よって、入力画像信号のフレームレートが120Hzまたはそれ以上であっても、回路規模及びコストの大幅な増大を招くことがなく、Vcomのずれを補正することができる。
光センサ21r、21g、21bは投射型表示装置1の内部に取り付けられているため、投射型表示装置1が大型化することはない。光センサ21r、21g、21bの存在が、投射レンズ17の交換の妨げとなることはない。投射レンズ17がスクリーン18に拡大投影する投影像に光センサ21r、21g、21bの影が映ることはない。
図1に示す投射型表示装置1においては、各色の光路に図8に示す構成を備える光変調装置60を設けているが、一部の色の光路のみに光変調装置60を設けてもよい。R光、G光、B光のうち、最も明るくフリッカが目立ちやすいG光の光路のみに光変調装置60を設けてもよい。波長が短く、光学部品に用いられる有機材料に対して影響を与えやすいB光の光路のみに光変調装置60を設けてもよい。
光センサをスクリーン18に表示されている投影像の近傍または投射レンズ17内に配置する従来の構成と、本実施形態の構成とを併用してもよい。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。検出回路23r,23g,23b、選択回路24r,24g,24b、補正回路25r,25g,25bは集積回路によって構成されていてもよいし、少なくとも一部の回路がマイクロコンピュータによって構成されていてもよい。
1 投射型表示装置
2 光源
5,14 ダイクロイックミラー
9r,9g,9b 偏光変換素子
16 クロスダイクロイックプリズム
17 投射レンズ
12r,12g,12b 反射型液晶表示素子
13r,13g,13b 反射型偏光板
15r,15g,15b 透過型偏光板
21r,21g,21b 光センサ
22r,22g,22b 液晶駆動回路
23r,23g,23b 検出回路
24r,24g,24b 選択回路
25r,25g,25b 補正回路
2 光源
5,14 ダイクロイックミラー
9r,9g,9b 偏光変換素子
16 クロスダイクロイックプリズム
17 投射レンズ
12r,12g,12b 反射型液晶表示素子
13r,13g,13b 反射型偏光板
15r,15g,15b 透過型偏光板
21r,21g,21b 光センサ
22r,22g,22b 液晶駆動回路
23r,23g,23b 検出回路
24r,24g,24b 選択回路
25r,25g,25b 補正回路
Claims (4)
- 画素電極と、共通電極電圧が印加される共通電極と、前記画素電極と前記共通電極とで挟まれた液晶とを有し、入射する一方向の直線偏光である第1の偏光を入力画像信号に基づいて光変調して、変調光として射出する液晶表示素子と、
前記液晶表示素子より射出された変調光のうち、前記第1の偏光を透過し、前記第1の偏光と直交する一方向の直線偏光である第2の偏光を反射する反射型偏光板と、
前記反射型偏光板で反射する前記第2の偏光を透過し、前記第1の偏光を反射する透過型偏光板と、
前記透過型偏光板で反射する前記第1の偏光を受光して検出信号を出力する光センサと、
前記入力画像信号の極性を前記共通電極電圧に対して1垂直期間ごとに正極性と負極性とで反転させて前記画素電極に供給する液晶駆動回路と、
前記液晶駆動回路が前記画素電極に前記入力画像信号を正極性で供給している垂直期間に前記光センサから出力される前記検出信号のピークの絶対値である正極性側ピーク絶対値と、前記液晶駆動回路が前記画素電極に前記入力画像信号を負極性で供給している垂直期間に前記光センサから出力される前記検出信号のピークの絶対値である負極性側ピーク絶対値との差分を算出し、前記差分が0であれば一次フラグとして第1のフラグを生成し、前記差分が正であれば一次フラグとして第2のフラグを生成し、前記差分が負であれば一次フラグとして第3のフラグを生成する検出回路と、
前記入力画像信号における隣接する2フレームを比較して、両者が実質的に同じ画像であるか否かを判定し、両者が実質的に同じ画像であると判定されれば、前記一次フラグをそのまま二次フラグとして出力し、両者が実質的に同じ画像ではないと判定されれば、前記第2及び第3のフラグを前記第1のフラグに置換して二次フラグとして出力する選択回路と、
前記二次フラグが前記第1のフラグであれば前記共通電極電圧を補正せず、前記二次フラグが前記第2のフラグであれば前記共通電極電圧を低くするよう補正し、前記二次フラグが前記第3のフラグであれば前記共通電極電圧を高くするよう補正する補正回路と、
を備える光変調装置。 - 前記光センサは、前記液晶表示素子における垂直走査が開始する位置または垂直走査が終了する位置の画素で変調を受けた反射光を受光する位置に配置されている請求項1に記載の光変調装置。
- 前記透過型偏光板で反射する前記第1の偏光を複数の受光部で受光して検出信号を出力する1つの光センサ、または前記透過型偏光板で反射する前記第1の偏光を単一の受光部で受光して検出信号を出力する複数の光センサを備える請求項1または2に記載の光変調装置。
- 光源から射出した白色光の光束を、ランダム偏光の赤色光、緑色光、及び青色光の各光束に分光するダイクロイックミラーと、
ランダム偏光の赤色光、緑色光、及び青色光の各光束を一方向の直線偏光である第1の偏光に揃えて射出する偏光変換素子と、
前記第1の偏光に揃えられた赤色光、緑色光、及び青色光の各光束の光路に設けられた請求項1~3のいずれか1項に記載の光変調装置と、
前記光変調装置における前記透過型偏光板を透過した赤色光、緑色光、及び青色光の、前記第1の偏光と直交する一方向の直線偏光である第2の偏光の各光束を色合成する色合成プリズムと、
前記色合成プリズムで色合成された合成光を拡大投影する投射レンズと、
を備える投射型表示装置。
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- 2021-09-21 JP JP2021153002A patent/JP2023044893A/ja active Pending
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A621 | Written request for application examination |
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