JP2023043461A - 発光性タンパク質を用いた発光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 菌類ルシフェラーゼを用いて、本来の基質である3-ヒドロキシヒスピジンとは異なる基質を光らせる方法の提供。【解決手段】 菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質に、セレンテラジンを接触させることを含む発光方法に関する。【選択図】図2

Description

本開示は、発光性タンパク質を用いた発光方法に関する。
ホタル、ウミホタル、発光キノコ、など、多くの生物が化学的に光を放つ能力を有する。この化学発光反応は、発光性タンパク質の1つである化学発光タンパク質(ルシフェラーゼ)とその発光基質(ルシフェリン)によって起こり、これらの構造は生物種によって多種多様である。現在、さまざまな発光性タンパク質がレポーターやプローブとして生命科学研究に応用されている。ルシフェラーゼを細胞等に発現させてレポーターやプローブとして用いる場合、細胞等に対して発光基質の添加が必要である。ルシフェラーゼとその発光基質の組み合わせは非常に特異性が高い。
ホタルルシフェラーゼの発光基質であるホタルルシフェリン、バクテリアルシフェラーゼの発光基質であるバクテリアルルシフェリン、渦鞭毛藻類ルシフェラーゼの発光基質である渦鞭毛藻類ルシフェリン、ウミホタルルシフェラーゼ(Vargula/Cypridinaルシフェラーゼ)の発光基質であるヴァルグリンの構造が判明している。
また、ウミシイタケルシフェラーゼ(Renillaルシフェラーゼ)、深海エビルシフェラーゼ(Oplophorusルシフェラーゼ)、カイアシルシフェラーゼ(Gaussiaルシフェラーゼ)、イクオリン、及びオベリン等の発光タンパク質の発光基質であるセレンテラジン(Coelenterazine)の構造が判明している。
さらに、近年、発光キノコ(発光菌類)のルシフェラーゼの発光基質が3-ヒドロキシヒスピジンであることが判明した(非特許文献1~3、特許文献1)。
Kotlobay et al., Genetically encodable bioluminescent system from fungi, 12728-12732, PNAS December 11, 2018 vol. 115 no. 50www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.1803615115 Khakhar et al., Building customizable auto-luminescent luciferase-based reporters in plants eLife 2020;9:e52786.https://doi.org/10.7554/eLife.52786 Mitiouchkina et al., Plants with genetically encoded autoluminescence, NatureBiotechnology VOL 38 August 2020 944-946
特表2020-505028号公報
ルシフェラーゼとその発光基質ルシフェリンとの組み合わせは非常に特異性が高く、これまで異種由来のルシフェラーゼとルシフェリンの化学発光が可能な組み合わせは報告されていない。ルシフェラーゼに対して複数の異なる発光基質が使用可能であれば、場面に応じた基質を使うことができるため、応用の幅が広がるものと期待される。
発光キノコ等の菌類のルシフェラーゼは、通常、3-ヒドロキシヒスピジンを基質とし、その発光反応を触媒する。
そこで、本開示は、一態様において、菌類ルシフェラーゼを用いて、上記基質とは異なる発光基質を光らせる方法を提供する。
本開示は、一態様において、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質に、セレンテラジンを接触させることを含む発光方法(以下、「本開示に係る発光方法」ともいう。)に関する。
本開示は、一態様において、菌類ルシフェラーゼ若しくは菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質、その核酸、又はその発現カセットと、セレンテラジンを含むキット(以下、「本開示に係るキット」ともいう。)に関する。
本開示によれば、一態様において、発光キノコ等の菌類に由来するルシフェラーゼを用いて、本来の(内因性の)基質である3-ヒドロキシヒスピジンとは異なる発光基質を光らせることができる。
図1は、各ルシフェラーゼにセレンテラジンを接触させた場合の発光強度を示したグラフである。 図2は、図1からNlucのデータの除いて示したグラフである。 図3は、各ルシフェラーゼにホタルルシフェリンを接触させた場合の発光強度を示したグラフである。 図4は、各ルシフェラーゼに3-ヒドロキシヒスピジンを接触させた場合の発光強度を示したグラフである。
本開示は、ルシフェラーゼとルシフェリンの組み合わせは特異性が高いと考えられているところ、発光キノコのルシフェラーゼが、内因性ルシフェリンである3-ヒドロキシヒスピジンとは構造が大きく異なるセレンテラジンを基質として発光反応を触媒しうるという知見に基づく。
本開示によれば、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質を用いて、その内因性ルシフェリンである3-ヒドロキシヒスピジンとは異なるセレンテラジンの発光反応を触媒させることができる。
菌類ルシフェラーゼを用いて内因性ルシフェリンと異なるルシフェリン(セレンテラジン)を発光させることができることにより、あるいは、セレンレラジンを発光させることができるルシフェラーゼとして新たに菌類ルシフェラーゼが増えることにより、発光性タンパク質を利用した技術のさらなる拡大及び促進が期待できる。
[光らせる発光性タンパク質]
本開示に係る発光方法において、光らせる発光性タンパク質は、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質である。
本開示において「菌類ルシフェラーゼ」は、一又は複数の実施形態において、菌類の本来の(天然の)ルシフェラーゼ、それらの誘導体、それらの組換え体、それらの機能的断片が含まれうる。
本開示において「ルシフェラーゼ」は、ルシフェリンを酸化することができる酵素を意味し、酸化反応には発光(ルミネセンス)を伴い、酸化ルシフェリンが放出される。
本開示において「誘導体」は、一又は複数の実施形態において、元となるタンパク質のN末端、及び/又はC末端で、並びに/あるいは天然アミノ酸配列内で、1つ又は複数のアミノ酸が付加される、及び/又は置換される、及び/又は欠失される、及び/又は挿入されるタンパク質を指す。
天然型菌類ルシフェラーゼの誘導体の一又は複数の実施形態として、発光特性が天然型よりも向上した菌類ルシフェラーゼが挙げられ、例えば、発光強度が天然型よりも向上した菌類ルシフェラーゼ、発光量子収率が天然型よりも向上した菌類ルシフェラーゼ等が挙げられる。
本開示において、ルシフェラーゼに関して「機能的断片」とは、一又は複数の実施形態において、ルシフェラーゼの一部(断片)であって、ルミネセンスを伴うルシフェリン酸化反応を触媒できる機能を有する断片のことをいう。例えば、ルシフェラーゼAの機能的断片とは、ルシフェラーゼAの一部であって、ルシフェラーゼAと同様のルシフェラーゼ活性(化学発光酵素活性)を有するものをいう。
本開示において「菌類」とは、一又は複数の実施形態において、生物発光を行いうる菌類であり、一又は複数の実施形態において、生物発光を行いうる担子菌であり、いわゆる発光キノコが含まれうる。
本開示において「菌類(fungi)」とは、一又は複数の実施形態において、キノコ類(muchurooms)でありる。
本開示において「菌類ルシフェラーゼ」は、一又は複数の実施形態において、3-ヒドロキシヒスピジンの発光反応を触媒しうるルシフェラーゼということができる。
本開示において「菌類ルシフェラーゼ」は、一又は複数の実施形態において、WO2018/139956(あるいは、特許文献1)に開示されるルシフェラーゼが挙げられ、当該文献の内容は本開示の一部を構成するものとして援用される。
菌類ルシフェラーゼを天然に有する菌類としては、一又は複数の実施形態において、WO2018/139956(あるいは、特許文献1)に記載されるものが挙げられる。
また、菌類ルシフェラーゼを天然に有する菌類としては、一又は複数の実施形態において、Terashima et al., Mushroom Science and Biotechnology, Vol. 24(4) 176-181, 2017に記載されるものが挙げられ、当該文献の内容は本開示の一部を構成するものとして援用される。
菌類ルシフェラーゼを天然に有する菌類としては、一又は複数の実施形態において、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
Mycena lux-coeli(シイノトモシビタケ)
Armillaria mellea(ナラタケ)
Armillaria tabescens(ナラタケモドキ)
Dictyopanus gloeocystidiatus(スズメタケ)
Favolaschia pezizaeformis(エナシラスタケ)
Mycena chlorophos(ヤコウタケ)
Mycena manipularis(アミヒカリタケ)
Omphalotus guepiniformis(ツキヨタケ)
Pleurotus nitidus(シロヒカリタケ)
Neonothpanus nambi(シロヒカリタケ)、
Armillaria gallica
Armillaria ostoyae
Mycena citricolor
Omphalotus olearius
Panellus stipticus
Roridomyces phyllostachydis
Armillaria calvescens
Armillaria cepistipes
Armillaria fuscipes
Armillaria gemina
Armillaria nabsnona
Armillaria sinapina
Collybia tuberosa
Dictyopanus foliicolus
Flammulina velutipes
Favolaschia manipularis
Filoboletus hanedae
Filoboletus pallescens
Filoboletus yunnanensis
Gerronema viridilucens
Mycena asterina
Mycena cahaya
Mycena coralliformis
Mycena daisyogunensis
Kobayasi
Mycena deeptha
Aravind. & Manim.
Mycena discobasis
Mycena epipterygia
Mycena fera
Mycena galopus
Mycena gombakensis
Mycena haematopus
Mycena illuminans
Mycena inclinata
Mycena kentingensis
Mycena lacrimans
Mycena lazulina
Mycena lucentipes
Mycena lux-coeli
Mycena luxaeterna
Mycena luxarboricola
Mycena luxperpetua
Mycena maculata
Mycena Nocticaelum
Mycena Noctilucens
Mycena olivaceomarginata
Mycena polygramma
Mycena pruinosoviscida
Mycena pseudostylobates
Mycena pura
Mycena rosea
Mycena sanguinolenta
Mycena seminau
Mycena silvaelucens
Mycena sinar
Mycena sinar var. tangkaisinar
Mycena singeri
Mycena stylobates
Mycena sublucens
Mycena tintinnabulum
Mycena zephirus
Neonothopanus gardneri
Neonothopanus nambi
Nothopanus eugrammus
Nothopanus Noctilucens
Omphalotus flagelliformis
Omphalotus illudens
Omphalotus japonicus
Omphalotus mangensis
Omphalotus nidiformis
Omphalotus olearius
Omphalotus olivascens
Panellus luminescens
Panellus luxfilamentus
Panellus pusillus
Pleurotus decipiens
Roridomyces irritans
Roridomyces pruinosoviscidus
Roridomyces lamprosporus
Roridomyces roridus
Tricholoma margarita
Tricholoma sciodes
Xylaria hypoxylon
本開示における「菌類ルシフェラーゼ」は、当業者は上記の菌類から通常の技術を用いた遺伝子クローニングや精製によりその遺伝子やタンパク質を得ることができる。遺伝子クローニングには、例えば、WO2018/139956(あるいは、特許文献1)に記載される遺伝子配列情報を利用できる。あるいは、既存のルシフェラーゼにおいて相同性の高い領域に基づき設計される縮重プライマーを用いて遺伝子増幅する「degenerate PCR」により遺伝子クローニングをしてもよい。
本開示において「菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分」とは、一又は複数の実施形態において、菌類ルシフェラーゼそのもの又は菌類ルシフェラーゼの機能的断片であってよい。
本開示において融合タンパク質における、「菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分」以外の融合されるタンパク質・ペプチドとしては特に制限されない。
[光らせる工程]
本開示に係る発光方法は、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質に、セレンテラジンを接触させる工程を含む。
前記接触は、セレンテラジンを菌類ルシフェラーゼ又は前記融合タンパク質に発光するために適切な量で接触させることができればその方法は特に制限されない。
本開示において「セレンテラジン」は、特に言及がない場合、天然のセレンテラジン並びにその類似体を意味する。
セレンテラジンとしては、一又は複数の実施形態において、米国出願第12/056073号(段落[0086])で開示されるもの、例えば、セレンテラジン-n、セレンテラジン-f、セレンテラジン-h、セレンテラジン-hcp、セレンテラジン-cp、セレンテラジン-c、セレンテラジン-e、セレンテラジン-fcp、ビス-デオキシセレンテラジン(「セレンテラジン-hh」)、セレンテラジン-i、セレンテラジン-icp、セレンテラジン-v、及び2-メチルセレンテラジンが含まれうる。また、「セレンテラジン」としては、その他の一又は複数の実施形態において、WO2012/061529で開示されるものが含まれうる。
米国出願第12/056073号(段落[0086])及びWO2012/061529の内容は本開示の一部を構成するものとして援用される。
本開示に係る発光方法は、一又は複数の実施形態において、レポーターシステム、分析、及び/又は、観察等に応用できる。
本開示に係る発光方法は、一又は複数の実施形態において、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光タンパク質部分を有する融合タンパク質がレポーターとして使用されることを含み、その他の一又は複数の実施形態において、該レポーターの発現を確認するために発光を検出することを含む。
本開示に係る発光方法は、一又は複数の実施形態において、共鳴エネルギー移動のために菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光タンパク質部分を有する融合タンパク質に発光反応を触媒させることを含み、その他の一又は複数の実施形態において、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとして発光反応を触媒させることを含む。
本開示に係る発光方法は、一又は複数の実施形態において、鑑賞のために菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光タンパク質部分に発光反応を触媒させることを含む。
本開示に係る発光方法で発光反応を触媒させる菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光タンパク質部分を有する融合タンパク質は、一又は複数の実施形態において、生体内で局所又は全体で発現している状態、細胞内外で局所又は全体で発現している状態、植物の細胞壁で発現している状態、精製された状態、及び単離された状態等が挙げられる。
本開示に係る発光方法は、一又は複数の実施形態において、本開示に係る発光方法で発光させた発光シグナルを検出することを含んでもよい。前記検出は、目視でもよく、光学装置を用いてもよい。
[対象を光らせる方法]
本開示は、その他の態様において、対象を光らせる方法であって、前記対象は、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質を備え、本開示に係る発光方法により発光させることを含む方法に関する。
前記「対象」としては、一又は複数の実施形態において、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質を発現する若しくはする可能性のある細胞、組織、生体が挙げられる。
前記「対象」としては、その他の一又は複数の実施形態において、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質を含有する若しくは含有する可能性のある非細胞系組成物、液体、及び/又は物品が挙げられる。
[キット]
本開示は、その他の態様において、菌類ルシフェラーゼ若しくは菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質、その核酸、又はその発現カセット、及びセレンテラジンを含むキットに関する。
本開示に係るキットにおける菌類ルシフェラーゼ若しくは菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質及びセレンテラジンは上述と同様である。
本開示に係るキットにおける核酸は、一又は複数の実施形態において、菌類ルシフェラーゼ若しくは菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質をコードする核酸である。本開示において、核酸は、合成DNA,cDNA、ゲノムDNA及びプラスミドDNAから選択される一本鎖又は二本鎖DNA、並びにこれらのDNAの転写生成物が挙げられる。
本開示に係るキットにおける発現カセットは、一又は複数の実施形態において、菌類ルシフェラーゼ若しくは菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質をコードする核酸を含む発現カセットである。該発現カセットにおいて、前記核酸は、導入される宿主細胞又は無細胞発現システムに応じた発現調節配列が作動的に連結されている。発現調節配列としては、プロモーター、エンハンサー、転写ターミネーター等が挙げられ、その他には、開始コドン、イントロンのスプライシングシグナル、及び停止コドンなどが挙げられる。
本開示はさらに以下の限定されない一又は複数の実施形態に関する。
〔1〕 菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光タンパク質部分を有する融合タンパク質に、セレンテラジンを接触させることを含む、発光方法。
〔2〕 対象を光らせる方法であって、
前記対象は、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光タンパク質部分を有する融合タンパク質を備え、
〔1〕に記載の方法により発光させることを含む、方法。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕に記載の方法で発光させた発光シグナルを検出することを含む、検出方法。
〔4〕 菌類ルシフェラーゼが、3-ヒドロキシヒスピジンを基質として発光するルシフェラーゼである、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕 菌類ルシフェラーゼ若しくは菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質、その核酸、又はその発現カセット、及び、セレンテラジンを含むキット。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
菌類ルシフェラーゼがセレンテレジンを基質として発光反応を触媒することを確認するため以下の実験を行った。
[使用したルシフェラーゼ]
(1)mcLuz:ヤコウタケ(Mycena chlorophos)の菌類ルシフェラーゼ。入手方法:WO2018/139956(あるいは、特許文献1)に基づきヤコウタケから遺伝子クローニング(塩基配列は、配列番号:01)
(2)mlLuz: シイノトモシビタケ(Mycena lux-coeli)の菌類ルシフェラーゼ。入手方法:和歌山県宇久井にて採取し、degenerate PCRを用いて遺伝子クローニング(塩基配列は、配列番号:02)
(3)nnLuz:シロヒカリタケ(Neonothopanus nambi)の菌類ルシフェラーゼ。入手方法:Addgene(Plasmid#139695)より購入
(4)Nluc:トゲオキヒオドシエビ(Oplophorus gracilirostris)由来のルシフェラーゼ。入手方法:NanoLuc(商品名、プロメガ社製)
(5)Rluc8:ウミシイタケ(Renilla reniformis)由来のルシフェラーゼ。入手方法:Rluc8_S257G、先行論文により発表(Saito et al., Nat. Commun., 3, 2012)
(6)Fluc2:ホタル(Photinus lyralis)由来のルシフェラーゼ。入手方法:luc2(商品名、プロメガ社製)
[使用したルシフェリン]
(1)セレンテラジン:セレンテラジンh(富士フイルム和光純薬株式会社製)
(2)ホタルルシフェリン:D-ルシフェリン(富士フイルム和光純薬株式会社製)
(3)3-ヒドロキシヒスピジン(論文(Kaskova et al.,Sci.Adv.,3(4),2017)に従った。ただし、同文献補足図12の有機化合物17合成時に、Sigma-Aldrichから購入したMg(OMe)2 in MeOH(Catalog No.335657-500ML)を用い、60℃で15時間反応を行った。)
[発光測定方法]
ルシフェラーゼの発光測定は以下の条件で行った。その結果を図1~4に示す。
mcLuz、mlLuz、nnLuz、Nluc、Rluc8、Fluc2の遺伝子をそれぞれ大腸菌発現用ベクター(pRSETb)にクローニング、大腸菌(JM109(DE3))に形質転換、それぞれの遺伝子を導入した大腸菌を23℃で69時間液体培養した。Nluc、Rluc8、Fluc2は凍結融解法によりタンパク質を抽出しNi-NTAカラムにより精製を行った。mcLuz、mlLuz、nnLuzは先行論文に従い大腸菌からタンパク質を精製した(Kotlobay et al.,PNAS,115 (50), 2018)。発光測定にはマイクロプレートリーダー(SH-9000、Corona electric)を使用し、2nMの精製タンパク質を100μl入れ、5μMのセレンテラジンhを10μl添加した。セレンテラジンhとD-ルシフェリンでは1秒、3-ヒドロキシヒスピジンでは10秒の露光時間で発光測定した。
図1は、各ルシフェラーゼにセレンテラジンを接触させた場合の発光強度を示したグラフである。セレンテラジンのルシフェラーゼとして知られているNlucとRluc8とともに、3種類の菌類ルシフェラーゼ(mcLuz,mlLuz,及びnnLuz)も発光が認められた。
図2は、図1からNlucのデータの除いて示したグラフである。菌類ルシフェラーゼは、Rluc8の約1/4~約1/2の発光強度があることが認められた。
図3は、各ルシフェラーゼにホタルルシフェリンであるD-luciferinを接触させた場合の発光強度を示したグラフである。ホタルルシフェラーゼFluc2以外の発光は認められなかった。
図4は、各ルシフェラーゼに菌類ルシフェラーゼのルシフェリンである3-ヒドロキシヒスピジンを接触させた場合の発光強度を示したグラフである。3種類の菌類ルシフェラーゼ(mcLuz,mlLuz,及びnnLuz)以外の発光は認められなかった。
図3及び4に示すとおり、従来、ルシフェラーゼとルシフェリンとの組み合わせは非常に特異性が高いものであるが、図1及び2に示すとおり、菌類ルシフェラーゼとセレンテラジンの組み合わせは、従来の技術常識を超えて、発光を示した。

Claims (5)

  1. 菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光タンパク質部分を有する融合タンパク質に、セレンテラジンを接触させることを含む、発光方法。
  2. 対象を光らせる方法であって、
    前記対象は、菌類ルシフェラーゼ、又は、菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光タンパク質部分を有する融合タンパク質を備え、
    請求項1に記載の方法により発光させることを含む、方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法で発光させた発光シグナルを検出することを含む、検出方法。
  4. 菌類ルシフェラーゼが、3-ヒドロキシヒスピジンを基質として発光するルシフェラーゼである、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 菌類ルシフェラーゼ若しくは菌類ルシフェラーゼに由来する化学発光性タンパク質部分を有する融合タンパク質、その核酸、又はその発現カセット、及び、セレンテラジンを含むキット。
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