JP2023042236A - 転炉吹錬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吹錬中において、適切に脱Siおよび脱P処理を行いながら、安価にフォーミングを制御する転炉吹錬方法を提供する。【解決手段】上吹きランスを有する転炉型の精錬炉における脱燐吹錬で転炉吹錬方法であって、脱珪が終了したタイミングで、酸素ジェットが炉壁に衝突しない範囲で前記上吹きランスを高い位置に調整するとともに底吹き流量を1.4~1.7倍に増加させ、前記脱燐吹錬終了時にスラグ中のFeO濃度を25~35mass%に制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、フォーミングを適切に制御するための転炉吹錬方法に関する。
転炉プロセスでは、炉内に酸素を吹き込むことによって溶湯中の不純物を除去しながら昇温し、吹錬後の溶湯の成分濃度および温度を指定された範囲内に収まるように制御される。このとき、上吹きランスから吹き付けられた酸素と溶鉄中の炭素とが反応してCOガスが発生し、このCOガスにより、スラグが泡立つ現象(以下、フォーミング)が起こる。フォーミングによるスラグの膨張量が大きいと、炉からスラグが溢出する現象(以下、スロッピング)が起こってしまう。スロッピングが起こると、鉄歩留りの低下を引き起こすだけではなく、操業者に危険性を及ぼしたり、操業中断を招いたりするため、スラグのフォーミングを鎮静または抑制する方法が検討されている。
一方で、近年、転炉を用い、溶銑予備処理(脱Si、脱P、および、脱Sのいずれか1つ以上)、中間排滓、精錬(脱P及び脱C)、及び、出鋼を一連の工程で順に実施するMURC(Multi Refining Converter)法が提案されている。このMURC法では、溶銑予備処理の吹錬時におけるスラグ制御において、過度なフォーミングによるスロッピングを抑制しつつ、スラグを排滓しやすくするために十分な排滓量を確保できる程度にスラグをフォーミングさせる吹錬技術が要求される。そのため、フォーミングを完全に鎮静させてしまうことは好ましくない。ただし、現状としては、フォーミングが激化する前に中間排滓するため、十分な脱Si外酸素を吹くことができず、溶銑中P濃度を十分に下げられないといった課題がある。そのため、フォーミングを発生させる技術よりも、吹錬時間を延長するためにフォーミングを抑制する技術の方にニーズがある。
スラグのフォーミングを鎮静させる方法としては、一般的には、フォーミングしたスラグに鎮静材を投入することが行われている。例えば、特許文献1には、スラグのフォーミングを抑制する方法として、上吹きランスによる送酸開始後3分以内に炭材を投入する方法が開示されている。
また、鎮静材を投入する方法以外で、フォーミングを鎮静する方法も知られている。特許文献2には、転炉型の精錬炉と異なる反応容器においてスラグのフォーミングを鎮静させる方法として、スラグの上部から棒体の挿入・引抜きをすることで、スラグにガス抜き用の開口を形成する方法が開示されている。特許文献3には、フォーミング鎮静方法として、ジェット流をスラグ表面に衝突させ、その時に生じる衝突力によってスラグ表層部分にガス気泡抜気孔を形成し、スラグ中に滞留したガス気泡を抜気する方法が開示されている。さらに、特許文献4には、吹錬処理が行われていない待機状態において、フォーミングを鎮静させる方法として、フォーミングした場合に、上吹きランスからガスを吹き込む方法が開示されている。
特許第3888313号公報 特開平10-183217号公報 特許第6221705号公報 特開2019-94522号公報
社河内敏彦:噴流工学 森北出版 (2004). P.34 松井章敏、鍋島誠司、松野英寿、菊池直樹、岸本康夫:鉄と鋼、95(2009),207. G.W.Healy:J.Iron Steel Inst.,208(1970),664.
非吹錬時のフォーミングと比較して、吹錬中は精錬反応が活発に進行しており、フォーミングも激しい状態となっている。そのため、吹錬中のフォーミングを鎮静させるためには、鎮静材を投入する方法では大量の鎮静材が必要となり、フォーミングを鎮静させたとしても、コストの観点から鎮静した利得が十分に得られない可能性がある。
また、特許文献1に記載の方法では、スラグのフォーミングを未然に抑える方法であることから、実際にフォーミングが発生した場合には対応することができない。特許文献2に記載の方法は、フォーミングが激しい状態では、ガス抜き用の開口がすぐに消滅してしまい、十分に鎮静効果が得られない。
また、特許文献3に記載の方法では、既存の上吹きランスとは別に、フォーミングを鎮静させるために、高圧でガスを吹き付けることが可能な上吹きランスを設置しなければならない。そのため、フォーミンを鎮静させたとしても、コスト上不利となる。さらに、特許文献4に記載の方法は、吹錬処理が行われていない待機状態で用いる方法であるため、吹錬時に発生するスラグのフォーミングには対応することができない。
本発明は前述の問題点を鑑み、吹錬中において、適切に脱Siおよび脱P処理を行いながら、安価にフォーミングを制御する転炉吹錬方法を提供することを目的とする。
転炉型の精錬処理において、上吹きランスから酸素ガスを吹き付けた際、酸素ジェットはスラグを貫通して溶鉄に衝突する。本発明者らは、ジェット流の側面からスラグが巻き込まれ、巻き込まれたスラグ中気泡が酸素ジェットによって物理的に破壊されることから、上吹きランスからのガス吹き付けによって、ある程度のフォーミング抑制効果があることに着目した。また、酸素ジェットの流動特性として、速度が減衰しないポテンシャルコア領域(以下、コア領域)が存在するノズル近傍の初期領域と、それより下流の領域である発達領域との二つ領域に分けられる。本発明者らはさらに、酸素ジェットが広がって周囲の流体を巻き込んでいくのは発達領域であり、コア領域が存在する初期領域は流体の巻き込みに大きく寄与しないことにも着目した。
また、上吹きランスを高くすればするほど、スラグが巻き込まれるジェット流の側面積が大きくなるため、上吹きランスによるフォーミング抑制効果が増加すると考えられる。しかし、上吹きランスを必要以上に高くすると、ジェットが炉体耐火物に衝突してしまうため、炉体耐火物の寿命低下につながり、修復に多くのコストがかかってしまう。そこで、ジェット流が炉体耐火物に衝突せずに、かつ、フォーミング抑制効果が最大となるランス高さを幾何学的に求めた。
また、脱Si完了後は、低塩基度で高粘度のスラグが大量に生成されており、COガスの発生も活発なため、スロッピングが起きやすい。そこで、脱Si終了後において前述したランス高さとしておく必要があると推測した。ここで、脱Si終了後はスロッピングしやすいことから、吹錬を開始してスラグのフォーミングの高さが上昇してきた時点を、脱Si終了のタイミングと考えることができる。なお、炉内のフォーミング挙動をオンラインで把握する方法としては、例えば、粉塵やフレーム等の存在する環境下でも直進して伝播するマイクロ波を用いたレベル計等が挙げられる。
一方で、上吹きランスの高さを上げることは、前述のとおり、ソフトブローとなるため、スラグ中のFeO濃度(以下、(FeO))が上昇し、スラグ量が増加する。その結果、吹錬末期に再度フォーミングが激しくなる恐れがある。また、過剰に(FeO)が上昇すると脱りん能が低下するため、(FeO)を適切に制御する必要がある。そこで、本発明者らは、底吹き流量を調整することによって、十分な脱りん能を確保しつつ、フォーミングを制御することができることを見出した。ここで、フォーミング制御とは、スロッピングを抑制するのみならず、円滑な中間排滓ができる程度にフォーミングさせ、スラグのフォーミング高さを所望の高さに制御することである。なお、所望の高さとは、湯面から炉口までの高さを100%とすると、スラグのフォーミング高さは50%以上60%以下の高さである。
本発明は以下のとおりである。
(1)
上吹きランスを有する転炉型の精錬炉における脱燐吹錬で転炉吹錬方法であって、
脱珪が終了したタイミングで、前記上吹きランスの高さを以下の(1)式を満足する位置にするとともに底吹き流量を1.4~1.7倍に増加させ、前記脱燐吹錬終了時にスラグ中のFeO濃度を25~35mass%に制御することを特徴とする転炉吹錬方法。
Figure 2023042236000002
ここで、Dは炉径(mm)を表し、PCDは前記上吹きランスの先端におけるノズル孔の中心点を結ぶ円のナット座ピッチ直径(mm)を表し、LHは溶鉄の静止浴面から前記上吹きランスのノズル先端までの距離(mm)を表し、Hcoreはコア領域の長さ(mm)を表し、θはノズル傾斜角(deg)を表し、αは前記上吹きランスのノズルからのジェットの広がり半角(deg)を表す。
(2)
前記脱燐吹錬でのスラグの塩基度を1.0~1.4に調整し、上吹き送酸速度を2.2Nm3/min/t~2.7Nm3/min/tとすることを特徴とする上記(1)に記載の転炉吹錬方法。
本発明によれば、吹錬中において、適切に脱Siおよび脱P処理を行いながら、安価にフォーミングを制御する転炉吹錬方法を提供することができる。
本発明の実施形態で用いる精錬炉の構造を説明するための図である。 上吹きランスの先端部分の詳細な構造例を示す模式図である。 実施例で調整した4通りのランス高さLHによる炉壁と湯面上の火点位置との関係を示す図である。 上吹きランスからのジェットの広がりを説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る吹錬中でのスラグのフォーミングの制御方法について説明する。
精錬炉1は、図1に示すように、炉体11と上吹きランス2とを有している。炉体11は、上部に開口部12が形成された精錬容器であり、内側は耐火物に覆われている。上吹きランス2は、鉛直方向(図1の上下方向)に昇降可能なランスである。上吹きランス2には、上端側に接続されるガス供給経路(不図示)から酸素ガスが供給され、下端に形成される少なくとも一つのノズル孔から酸素ガスのジェット3がスラグ4および溶鉄5に向けて噴射される。
炉体11の底部には、複数の底吹き羽口6が設けられ、この底吹き羽口から攪拌用のガスが炉体11内に吹き込まれる。底吹き羽口の羽口数としては、特に限定されないが、例えば2以上5以下とする。また、使用するガス種は大きく分けて、酸素ガスと不活性ガスが挙げられ、不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、CO2等が挙げられる。底吹き羽口の形状としては、単管ノズル、二重管ノズル、集合管ノズル、ポーラスノズル等が挙げられる。使用するガス種が酸素の場合は、二重管ノズルの羽口の内管からO2ガス、内管と外管との間の間隙からCO2やN2、LPG等の冷却ガスを吹き込むことができる。
図2は、上吹きランス2の先端部分の詳細な構造例を示す模式図である。図2(a)は、上吹きランス2の先端部分の断面構造例を示し、図2(b)は、上吹きランス2を鉛直方向の下側から見た構造例を示している。図2(a)において、上吹きランス2は外筒、中管および内管の三重管で構成され、範囲21はノズル出口径、範囲22はノズル傾斜角、範囲23はノズル孔、範囲24は中心孔、範囲25はPCD(Pitch Circle Diameter)を表している。PCDとは、ナット座ピッチ直径のことであり、同心円周上に沿って存在するノズル孔の中心点を結ぶ円の直径のことである。なお、図2(a)では、ラバールノズルの例を示しているが、ストレートノズルであってもよく、ランス仕様に関しては、特に規定はない。
前述したように、ジェット3は、速度が減衰しないコア領域と、それより下流の発達領域とからなり、ノズル孔の半径をr0(mm)とした場合、コア領域の長さHcoreは10r0となることが知られている(非特許文献1参照)。
次に、本実施形態において、スラグのフォーミングを制御する具体的な方法について説明する。
図1に示した精錬炉1に溶銑(溶鉄5)が挿入され、CaO系フラックスを添加して上吹きランス2から酸素ジェットが吹き込まれ、底吹きガスが溶鉄に吹き込まれることによって脱燐吹錬が開始される。脱燐吹錬初期は主に脱Si反応が起きており、このときの操業条件は従来と同様でよい。脱Si終了直後は、スラグ中のSiO2の濃度が高く、低塩基度かつ高粘度のスラグとなっている。また、脱Si期から脱P期に移行する際、COガスの発生が活発になり、スロッピングが起きやすくなる。そこで、スロッピングを抑えるために、脱Si終了後、上吹きランスの高さを以下の(1)式および(2)式を満たす範囲にする。
Figure 2023042236000003
ここで、図4を参照しながら各パラメータについて説明する。(1)式中のLHは溶鉄の静止浴面から上吹きランスのノズル先端までの距離(mm)を表す。H'はジェット流が湯面上で、炉壁に衝突しない最大ランス高さを表し、式(2)より計算される。Dは炉径(mm)を表し、PCDは前述したようにナット座ピッチ直径(mm)を表す。Hcoreは、酸素ガスのジェットの領域のうち、ノズル近傍におけるジェットの速度が減衰しないコア領域の長さ(mm)を表す。また、θはノズル傾斜角(deg)、αはジェットの広がり半角(deg)を表す。また、脱Si終了時は、吹錬開始前に精錬炉に装入された溶銑中のSi濃度、焼結紛等の固体酸素源、そして吹錬中の上吹き送酸速度から理論的に溶銑中のSiがすべて酸化されるまでの時間を計算することにより判断することができる。
以上のように本実施形態では、脱Si終了時に(2)式を満たす範囲に上吹きランスの高さを調整するが、脱Si終了前の脱Si期でのランス高さについては特に限定されない。但し、脱Si期でソフトブローとすると、脱Si反応が進行しにくくなり、吹錬時間が長くなってしまう。そのため、脱Si期では、上吹きランスを低くして脱Si反応を促進させることが好ましい。具体的には、ランス高さLHを0.3H'以上0.5H'未満とすることが好ましい。
また、脱燐吹錬中のスラグの塩基度については、スラグ処理費や石灰使用コストの観点から、低塩基度条件である1.0~2.0が好ましい。ただし、塩基度が低いと、スラグが高粘度となり、スロッピングが起こりやすくなる。そのため、十分な脱Si外酸素を吹くことができず、脱P反応に影響を及ぼす。そこで、一般的には、塩基度を上げることで、スラグの粘度を下げて、スロッピングを回避することが多いが、本実施形態では、上吹きランスの高さを調整してスロッピングを抑制することから、塩基度を上げる必要はなく、コストの観点から、塩基度を1.0~2.0とすることが好ましい。コストの観点でより好ましくは1.0~1.4である。ただし、塩基度が2.0より大きいと、スラグがフォーミングしないため、中間排滓ができなくなる可能性がある。
また、吹錬中の上吹き送酸速度は変更せず、基本的には一定の速度で酸素を吹き付けるが、吹錬末期で送酸速度を下げてもよい。吹錬中の上吹き送酸速度の範囲は一般的な吹錬条件とし、具体的には、2.2Nm3/min/t~2.7Nm3/min/tとすることが好ましい。
次に、吹錬中の底吹き流量について説明する。前述したように、上吹きランスを高くすることで、ジェットによる物理的破泡効果は増大するが、溶鉄へのジェットの強さが弱くなるソフトブローとなってしまうため、スラグ中のFeO量が多くなる。ソフトブローでスラグ量が増加すると、吹錬末期にフォーミングが激しくなってしまい、さらには(FeO)が過剰に生成されるため、脱P反応が十分に進行しない。
そこで本実施形態では、底吹き流量(攪拌動力密度)を調整することでスラグ中のFeOの過剰生成を抑制し、中間排滓に適したフォーミング高さに制御するとともに、脱P反応を促進させる。したがって、吹錬終了時に(FeO)を25~35mass%とし、湯面から炉口までの高さを100%としたとき、フォーミング高さが50%以上60%以下となるように、底吹き流量を調整するものとする。具体的には脱Si終了時に底吹き流量(攪拌動力密度)を1.4~1.7倍にすることにより、吹錬終了時に(FeO)を25~35mass%に調整する。これにより、フォーミング高さを50%以上60%以下に制御する。
ここで、吹錬終了時における(FeO)は、非特許文献2に記載された以下の(3)式を用いて計算される。
Figure 2023042236000004
(3)式中、Aは反応界面積(浴表面断面積)(m2)を表し、FO2は上吹き酸素流量(Nm3/s/ton-flux)を表す。ksはスラグ中物質移動係数(m/s)を表し、Vsはフラックス体積(m3)を表す。tは吹錬時間(s)を表し、(FetO)i:初期酸化鉄濃度(mass%)を表し、酸化鉄は全て(FeO)として考えた。また、αは上吹き送酸による鉄の酸化効率を表す定数であり、フィッティングパラメータである。
また、脱P量については、非特許文献3に記載のHealy Typeのりん分配実験式(4)を用いて計算し、評価するものとする。なお、Tは溶鉄温度(℃)を表す。
Figure 2023042236000005
本実施形態では、上吹きランスから酸素ガスのジェットを吹き込む例について説明したが、脱燐精錬などにおいては、上吹きランスから酸素ガスとともに脱燐材を吹き込む場合も同様に適用できる。
次に、本発明の実施例について説明するが、この条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するための一条件例であり、本発明は、この実施例の記載に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する種々の手段にて実施することができる。
実験では、図1に示したような精錬炉として、炉径D=6500mm、炉高さ10000mmのものを用いた。そして、溶銑およびスクラップを合計で370tを精錬炉に装入し、さらに脱燐材としてCaO系フラックスを添加して上吹きランスから2.25Nm3/min/tの流量で酸素ガスを溶銑に向けて吹き付け、さらに底吹きガスとして窒素ガスを0.18Nm3/min/tの流量で底吹きし、脱燐吹錬を行った。このとき、脱Si反応後のスラグの塩基度が1.0になるように調整した。このとき用いた上吹きランスのノズルは6孔で、先端のノズル孔の半径r0=69.5mm、PCD=265mm、ノズル傾斜角θ=20degであった。また、ジェットの広がり半角α=10degであった。つまり、この条件から、コア領域の長さHcore=695mmで、ジェット流が湯面上で、炉壁に衝突しない最大ランス高さH'=5350mmであった。
また、サンプルによって脱Si終了時にランス高さを変更し、さらにサンプルによって底吹き流量を増加させた。また、脱Si終了後(ランス高さを変更した場合はランス高さ変更後)のスロッピング状況も併せて確認し、スロッピングにより大量のスラグが溢れ出た状況の場合を×、スロッピングがわずかに起こっているが、問題ない程度である場合は△、スロッピングが生じていない場合は○と評価した。また、脱Si時間については、操業サイクルに著しく支障をきたす場合を×、操業サイクルにやや支障をきたす場合は△、操業サイクルに影響ない場合は○と評価した。
そして脱燐吹錬終了後、(FeO)、りん分配比、およびフォーミング比を評価した。なお、(FeO)は前述の(3)式、りん分配比は(4)式を用いて算出した。(FeO)については、25~35mass%であった場合は、スラグ中のFeO量を適切に制御できたものと評価した。また、りん分配比(%P)/[%P]は、200以上で脱P反応が十分に進行したと評価した。さらに、フォーミング比については、μ波レベル計を用いてスラグの鉛直方向の高さを測定し、「フォーミング比」を「スラグ厚み(mm)」÷「湯面から炉口までの高さ(mm)」×100%で計算し、フォーミング比が50%以上60%以下である場合は、フォーミング制御ができたものとして評価した。
また、図3には、本実施例で調整した4通りのランス高さLHによる炉壁と湯面上の火点位置との関係を示す。炉壁に衝突しない最大ランス高さH'=5350mmであったため、ランス高さLH=7000mmとした例では、図3に示すようにジェットの一部が炉壁に衝突していた。実験結果を表1に示す。
Figure 2023042236000006
表中の下線は、本発明の条件から外れていることを示している。No.1~6は、脱Si終了後のスロッピング状況および耐火物のいずれも問題はなかった。しかしながら、No.1、3、5は、吹錬末期にスラグ中にFeOが過剰に生成したため、脱りん分配比は低く、フォーミング比も60%を上回った。一方で、No.2、4、6は脱Si終了後に底吹き流量を1.6倍に調整し、(FeO)を適切な範囲に制御したことで、脱りん分配比は高く、フォーミング比も50%以上60%以下に制御することができた。
No.7では、ランス高さを2000mmのままにしたため、上吹きランスのフォーミング抑制効果が小さいため、脱Si終了後および吹錬末期にスロッピングが発生した。No.8~11では、脱Si終了後の上吹きランスの高さが(1)式の範囲を満たさなかったため、脱Si終了後のスロッピングがわずかに生じてしまった。その結果、No.9、11のように底吹き流量を調整してもフォーミング比を50%以上60%以下に制御することができなかった。
No.12~17は、脱Si終了後の上吹きランスの位置が高すぎたため、ジェットの一部が炉壁に衝突していた例である。その中で、No.12、14、16では、過剰なソフトブローで、かつ底吹き流量を変更しなかったため、スラグ中のFeO量が過剰に生成され、その結果、吹錬末期にフォーミング比が100%を超えてしまった。また、No.13、15、17では、過剰なソフトブローとなるのを防止するために底吹き流量を2.6倍に増加させたが、フォーミング比が50%を下回った。
1 精錬炉
2 上吹きランス
3 ジェット
4 スラグ
5 溶鉄
6 底吹き羽口
11 炉体
12 開口部

Claims (2)

  1. 上吹きランスを有する転炉型の精錬炉における脱燐吹錬で転炉吹錬方法であって、
    脱珪が終了したタイミングで、前記上吹きランスの高さを以下の(1)式を満足する位置にするとともに底吹き流量を1.4~1.7倍に増加させ、前記脱燐吹錬終了時にスラグ中のFeO濃度を25~35mass%に制御することを特徴とする転炉吹錬方法。
    Figure 2023042236000007
    ここで、Dは炉径(mm)を表し、PCDは前記上吹きランスの先端におけるノズル孔の中心点を結ぶ円のナット座ピッチ直径(mm)を表し、LHは溶鉄の静止浴面から前記上吹きランスのノズル先端までの距離(mm)を表し、Hcoreはコア領域の長さ(mm)を表し、θはノズル傾斜角(deg)を表し、αは前記上吹きランスのノズルからのジェットの広がり半角(deg)を表す。
  2. 前記脱燐吹錬でのスラグの塩基度を1.0~1.4に調整し、上吹き送酸速度を2.2Nm3/min/t~2.7Nm3/min/tとすることを特徴とする請求項1に記載の転炉吹錬方法。
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