JP2023039579A - しごき加工用パンチ及び該パンチを用いた薄肉化金属製筒体の製造方法 - Google Patents

しごき加工用パンチ及び該パンチを用いた薄肉化金属製筒体の製造方法 Download PDF

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Kota Kamiyama
政臣 田村
Masaomi Tamura
友彦 中村
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Abstract

【課題】しごき加工後の引き抜き性に優れたしごき加工用パンチを提供する。【解決手段】金属のしごき加工に使用されるしごき加工用パンチ1において、パンチ1の外周面1aには、ドット状凹部3が分布しており、ドット状凹部3の周縁部には、***部5が形成されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、しごき加工に使用されるしごき加工用パンチに関するものであり、さらには、このしごき加工用パンチを用いてのしごき加工により薄肉化金属製筒体を製造する方法に関する。
しごき加工は、金属の薄肉化のために行われる過酷な塑性加工であり、薄肉化され、ハイトが高くなった金属製筒体(薄肉化金属製筒体)、例えば薄肉化シームレス缶などの製造に適用される。このようなしごき加工は、中空形状の金属製筒体を、環状のダイスと、ロッド形状のパンチとの間の狭い空間を通すことにより行われる。具体的には、薄肉化しようとする金属製筒体の内部にパンチを挿入し、該パンチと環状のダイスとによって該金属製筒体を挟み込み、この状態でパンチと環状ダイスとを相対的に移動(摺動)させることによって、金属筒体の薄肉化を図るというものである。例えば、特許文献1や2には、このようなしごき加工を適用してシームレス缶(絞りしごき缶)を製造する技術が開示されている。
ところで、このようなしごき加工においては、しごき加工終了後に、薄肉化された金属製筒体からパンチを引き抜かなければならない。ここで、問題となるのは、しごき加工においては、パンチの外周面に被加工物である金属製筒体が強く押し付けられているため、大きな摩擦抵抗が作用し、パンチの引き抜きをスムーズに行うことができず、生産性が低いばかりか、場合によっては、成形された金属製筒体の内面が引き抜きによって傷つけられてしまうなどの問題が生じることである。
このようなしごき加工に際してのパンチの引き抜き性については、ほとんど検討されていないのが実情である。
例えば、特許文献3には、内面に熱可塑性樹脂層が形成されている金属製シームレス缶であって、内面の熱可塑性樹脂層に多数の点状凸部が形成されているシームレス缶が開示されている。この技術は、しごき加工によって生じる熱可塑性樹脂層の分子配向を、点状凸部を形成することによって緩和し、これにより熱可塑性樹脂層での分子配向に起因する耐デント性の低下を抑制するというものである。即ち、特許文献3では、缶内面の熱可塑性樹脂層に点状凸部を形成するために、外周面に点状(ドット状)凹部が形成されているパンチを用いてしごき加工が行われることとなる。
このことから理解されるように、特許文献3においても、しごき加工用パンチの引き抜き性については全く検討されていない。
WO2017/033791 特開2018-69256 特許第3327137号
従って、本発明の課題は、しごき加工後の引き抜き性に優れたしごき加工用パンチを提供することにある。
本発明の他の課題は、上記のしごき加工用パンチを用いてのしごき加工により薄肉化金属製筒体を製造する方法を提供することにある。
本発明によれば、金属のしごき加工に使用されるしごき加工用パンチにおいて、
前記パンチの外周面には、ドット状凹部が分布しており、該ドット状凹部の周縁部には、***部が形成されていることを特徴とするしごき加工用パンチが提供される。
本発明によれば、また、上記のしごき加工用パンチを使用し、金属製筒体についてしごき加工を行うことにより、薄肉化された金属製筒体を得ることを特徴とする薄肉化金属製筒体の製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、
(1)前記しごき加工に供する金属製筒体は、金属基体の内面に有機樹脂被覆を備えた積層体であること、
(2)前記有機樹脂被覆が、熱可塑性樹脂により形成されていること、
(3)前記しごき加工に供する金属製筒体は、有底筒状体であり、薄肉化された金属製筒体がシームレス缶であること、
が好適である。
本発明のしごき加工用パンチは、外周面にドット状凹部が分布しているが、このドット状凹部の周縁部に***部が形成されていることが大きな特徴である。
即ち、上記のような形態のドット状凹部が分布しているパンチを用いて金属製筒体のしごき加工を行うと、しごき加工による薄肉化に伴って、金属製筒体の内周面には、このドット状凹部に対応して凸部が形成されるが、しごき加工後にパンチを引き抜く際、パンチの外面と金属製筒体の内周面との圧接力が、ドット状凹部周縁の***部によって緩和されており、この結果、しごきパンチの引き抜きを容易に行うことができ、高い生産性を確保することができる。
しごき加工による被加工物(金属製筒体)の薄肉化を説明するための図。 本発明のしごき加工用パンチの外周面と薄肉化された被加工物(金属製筒体)の内周面との係合関係を示す部分拡大概略縦断面図。 図2に示されているしごき加工用パンチの外周面の部分拡大概略平面図。 図2に示されている被加工物(金属製筒体)の内周面の部分拡大概略平面図。 被加工物が金属製シームレス缶であるときのしごき加工終了時のしごき加工用パンチと薄肉化されたシームレス缶との位置関係を示す概略縦断面図。 しごき加工用パンチの引き抜きによって発生するロールバックの形態を説明するための図。 しごき加工を利用したプレス成形プロセスの一例を示す図。 しごき加工を多段で行うときの成形プロセスの一例を示す図。
<しごき加工について>
しごき加工は、金属の塑性加工の代表的な手法として知られており、例えばハイトが高く、薄肉化されたシームレス金属缶の製法に広く利用されている。このしごき加工は、図1に示されているように、しごき加工用パンチ(しごきパンチ)Aにより被加工物である金属製筒体Bを加工方向に移動させる際に、該筒体Bの外面にしごきダイスCを圧接して摺擦することにより、筒体Bの薄肉化を図るものである。従って、このようなしごき加工では、金属製筒体Bの内周面は、しごきパンチAの外周面に強固に圧接されることとなる。
このようなしごき加工において、そのしごき率は、しごき加工前の金属製筒体の板厚t、加工後の板厚をtとしたとき、下記式で表され、このしごき率が大きいほど、しごきダイスCさらにはパンチAに加わる面圧が大きく、過酷な成形となる。
しごき率(%)=100×(t-t)/t
しごき加工用パンチAは、チューブ状(筒状)形状を有するが、一般に、後述するしごきダイスCと同様の超硬合金により形成され、しごき加工によって変形を生じないように、比較的厚肉に形成されている。また、このパンチAの一方側の端部(図1における加工方向に対して上流側)の内面には、パンチAを加工方向へ移動させるための駆動シャフトS(図1において図示せず、図5においてSで示す)が接続されている。
また、上記のようなしごき加工に供される金属製筒体Bの構成素材である金属は、種々の金属ないし合金材であってよく、例えば、アルミニウム、銅、鉄或いは、これらの金属を含む合金、さらにはブリキなどの錫めっき鋼板や化成処理を施したアルミニウム板などの表面処理鋼板であってよい。また、金属製筒体Bの内周面(しごき加工用パンチAの外周面と密着している面)は、熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂により被覆されていてもよい。このような樹脂被覆により、内面の腐食や傷付きを防止することができる。
さらに、しごきダイスCには、しごき率が高くなるほど、著しく高い面圧が加わるため、かなり硬質の材料で形成することが必要である。このような硬質材料としては、例えば、タングステンカーバイド(WC)とコバルトなどの金属バインダーとの混合物を焼結して得られる所謂超硬合金や、炭化チタン(TiC)などの金属炭化物や炭窒化チタン(TiCN)などのチタン化合物とニッケルやコバルトなどの金属バインダーとの混合物を焼結して得られるサーメット、あるいは炭化ケイ素(SiC)や窒化ケイ素(Si)、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)といった硬質セラミックスなどを挙げることができる。さらに、このようなしごきダイスCの加工面(被加工材である筒体Bと接触する面)をダイヤモンド膜などの炭素膜により被覆することもできる。このような炭素膜は、CVDなどの蒸着により形成することができる。
<本発明のしごき加工用パンチと金属製筒体>
上述したしごき加工用パンチ(以下、単にしごきパンチと略す)と金属製筒体とは、しごき加工に際して密着係合するものであるが、これを踏まえて、図2~図6を参照されたい。
即ち、全体として1で示されている本発明のしごきパンチ1は、その外周面1aにドット状の凹部3が多数形成されており、このドット状凹部3のそれぞれの周縁部には***部5が形成されている(特に図2及び図3参照)。即ち、この***部5は、凹部3の周囲のパンチ外周面1aから盛り上がった部分である。しごきパンチ1の外周面1aに、ドット状凹部3が形成されている結果として、薄肉化された金属製筒体11の内周面11aには、ドット状凸部15が多数形成される。即ち、このドット状凸部15は、しごきパンチ1に形成されているドット状凹部3に対応している(特に図3及び図4参照)。
ところで、しごき加工が終了したときには、薄肉化された金属製筒体11は、その内部にしごきパンチ1が挿入され、しごきパンチ1の外周面1aが薄肉化された金属製筒体11の内周面にしっかりと接触した状態に保持されている。例えば、この図5の例では、金属製筒体11は、シームレス缶のように、底部17を有しており、しごきパンチ1は、この筒体11の底部17まで延びており、しごきパンチ1の外周面11aが金属製筒体11の内周面と接触している領域Qが、しごき加工に際しての加工保持面として機能する領域となっている。一般に、しごきパンチ1の領域Qよりも上方の部分に駆動シャフトSが連結されており、このシャフトSの駆動により、しごきパンチ1が加工方向へ移動し、しごき加工終了後は、加工方向とは反対方向となる引き抜き方向にしごきパンチ1を移動させる。
従って、しごき加工終了後では、しごきパンチ1の引き抜きのために、ストッパー20により、金属製筒体11のパンチ1の高さ方向への移動が制限されるようになっている。
なお、図5に示されているように、金属製筒体11が、缶のように、底部17を有する形態の場合には、駆動シャフトSによる引き抜きと同時に、アシストエアが吹き込まれ、しごきパンチ1の引き抜きを容易に行い得るようになっている。また、金属製筒体11が、中空パイプのように、底部17を有していない形態の場合には、しごきパンチ1がしっかりと金属製筒体11を保持して移動させ得るように、該筒体11の一方側の先端(加工方向側の先端)が小径に形成され、パンチ1が抜けないような形状となっている。
図5に示されているしごき加工終了後の形態からしごきパンチ1を引き抜く際に、しごきパンチ1の外周面と金属製筒体11の内周面とが、前記領域Qで完全に密着していると、摩擦抵抗が極めて大きくなり、引き抜き作業の効率が悪く、生産性の低下を免れないし、引き抜きに際して金属製筒体11の内周面の荒れ(熱可塑性樹脂層が形成されているときには、その剥がれ)などを生じさせたり、さらには、駆動シャフトS等にかかる負荷が大きくなり、装置寿命を低下させるなどの問題を生じさせる。しかるに、本発明によれば、しごきパンチ1の外周面1aに***部5が多数分布しており、この***部5の上端が金属製筒体11の内周面11aに圧接されているにすぎず、両者の接触面積が著しく小さくなっている。この結果、本発明では、しごきパンチ1の引き抜きに際して摩擦抵抗が大きく低減され、大きな負荷をかけずに、しごきパンチ1の引き抜きをスムーズに行うことができ、極めて高い生産性でしごき加工をおこなうことができるのである。
かかる本発明において、しごきパンチ1の外周面1aに形成される***部5は、この外周面1aに、塑性変形により凹部3を形成させることにより形成される。即ち、ポンチなどの治具を用いてしごきパンチ1の外周面1aを叩いて凹ませることにより。凹部3と共に、その周囲に***部5が形成されるのである。例えば、特許文献3(特許第3327137号)には、しごきパンチ1の外周面1aに点状凹部を形成する手段として、超音波加工、イオン照射、レーザ加工、電子ビーム照射などの手段が記載されているが(段落[0064]参照)、これらの手段では、***部を形成することはできない。塑性加工によらず、削り取りにより凹部を形成するからである。
このような***部5の大きさ(D2-D1)や高さhは、ドット状凹部3の径D1や深さdに依存し、しごき加工に際して、***部5が破損しないような大きさとするために、ドット状凹部3の径D1が0.2~1.1mm程度であり、且つその深さdが0.2~10.0μm程度とすることが好適である。パンチ1の材質によっても多少異なるが、ドット状凹部3の径D1及び深さdを上記のような範囲に設定することにより、***部5の大きさ(D2-D1)や高さhが適度な大きさとなり、過度な無理抜きを回避することができ、被加工品である金属製筒体11に不必要な変形を生じさせることなく、パンチ1を引き抜くことができる。
例えば、ドット状凹部3の径D1或いは深さdが上記範囲外となると、***部5の大きさ(D2-D1)や高さhが必要以上に大きく或いは必要以上に小さいものとなり、パンチ1の引き抜きにより、金属製筒体11の上端開口部が外方に突出した変形(ロールバック)が生じる頻度がかなり高くなる。即ち、理想的な形態は、図6(a)に示されているように、金属製筒体11の上端開口部分はストレートな状態となっているが、パンチ1の引き抜きが無理抜きとなると、図6(b)に示されている様に、上端開口部が外方に突出したロールバックが生じるようになってしまう。ドット状凹部3の径D1或いは深さdを適正な範囲に設定しておくことにより、このようなロールバックの発生率をほぼゼロとすることができる。径D1や深さdが適正な範囲でない場合或いは、ドット状凹部3の周縁部に***部5が形成されていないパンチ1を用いてしごき加工を行った場合には、ロールバック量が5.0mm以上となり易く、このような大きなロールバックを生じる頻度が100個当り20~30個、或いはそれ以上となるおそれがある。
さらに、***部5は、しごきパンチ1の長さ方向及び周方向に均等に分布するように、前述したしごきパンチ1の領域Qに分布していることがしごきパンチ1の引き抜きをスムーズに行う上で好適であり、さらにパンチ1の強度をさほど低下せずに摩擦抵抗を大きく低減させるという観点から、該領域Qに、30~400個/cmの面積割合で***部5が分布していることが望ましい。
なお、ドット状凹部3の平面形状は、特に制限されず、円形、楕円形、四角形等の形状であってよいが、この形状は、凹部3の形成に使用するポンチの形状に依存し、特に円形であることが好適である。円形は、異方性がなく、引き抜きに際して、もっとも破損をしにくい形状だからである。
さらに、上記のようなしごきパンチ1を用いてのしごき加工(薄肉化)により得られる金属製筒体(被加工品)11は、上記のドット状凹部3に対応して、その内周面11aにドット状の凸部15が形成されることとなる。
このように、本発明によれば、しごきパンチ1の外周面に、多数の***部5を形成することにより、しごき加工に際して、この***部5に対応して金属製筒体11の内周面11aにリング状凹部13が形成され、結果として、しごきパンチ1を引き抜く際の摩擦抵抗が大きく低減されることとなる。
<しごき加工を利用したプレス成形プロセス>
上述したしごきパンチ1を用いてのしごき加工は、種々の金属製筒体11の薄肉化に利用されるが、もっとも好適には、薄肉化されハイトが高くなった金属缶(シームレス缶)を製造するためのプレス成形に利用される。図7には、このような金属缶の製造プロセスを示した。
この図7において、金属缶の成形に用いる素板(例えばアルミニウム板)101は、先ず、打ち抜き加工に付せられ、これにより、金属缶用の円板103が得られる(図7(a)参照)。この素板101の一方の面、特に缶内面となる側には、有機樹脂被覆が積層されていてもよい。
素板101の厚みは、金属の種類、缶の用途或いはサイズによっても相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚みを有するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合には、0.10乃至0.30mmの厚み、またアルミニウム等の軽金属板の場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのがよい。
有機樹脂被覆としては、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、シリコン系塗料、フッ素系塗料などの塗料に由来する被覆や、熱可塑性樹脂に由来するものであり、耐腐食性や、過酷な成形加工に際しての表面荒れなどを抑制するために、従来から使用されている。本発明においては、特に熱可塑性樹脂により形成された有機樹脂被覆が好適である。
即ち、熱可塑性樹脂による被覆は、ラミネートロールにより容易に素板101に積層することができ、しかも、絞り加工やしごき加工による曲げ延ばしによって分子配向し、これにより、腐食成分に対するバリア性を高めることができ、さらに耐熱性も高められる。一方、特許文献3にも開示されている様に、有機樹脂被覆の分子配向により樹脂のフィブリル化傾向を生じ、これにより、衝撃により缶高さ方向の割れが生じ易くなり、耐デント性が悪化する傾向がある。しかるに、本発明では、ドット状凹部3を有するパンチ1を用いてのしごき加工により、缶内面にドット状凸部15が形成され、この凸部15により分子配向が緩和され、耐デント性の低下を回避することができる。
尚、上記の熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α-メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6-6、ナイロン6-10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド等あるいはそれらの混合物のいずれかの樹脂を例示することができる。
これらの熱可塑性樹脂の内でも、加工性や耐腐食性、缶内容物の香味保持性の点ではポリエステル系樹脂が特に適している。
打ち抜き加工では、円板103の直径に相当する外径を有する打ち抜き用パンチ105と、素板101を保持し且つ円板103の直径に相当する開口を有するダイ107が使用される。即ち、パンチ105によりダイ107上に保持された素板101を打ち抜くことにより、所定の大きさの円板103が得られる。
尚、かかる製造プロセスで製造する成形物の形態によっては、素板101は、他の形状(例えば矩形状)に打ち抜かれることもある。
上記のようにして得られた円板103は、絞り加工に付せられ、これにより、ハイトの低い絞り缶(有底筒状体)109が得られる(図7(b)参照)。
かかる絞り加工においては、ダイ111上に打ち抜かれた円板103が保持され、この円板103の周囲はしわ押え用の治具113によって保持されている。ダイ111には、開口が形成されており、絞り用のパンチ115を用いてダイ111の開口内に円板103を押し込むことにより、絞り缶109が得られることとなる。
尚、このダイ111の開口の上端のコーナー部(円板103を保持している側)にアール(曲率部)が形成されており、円板103が速やかに且つ折れることなく、ダイ111の開口内に押し込まれるようになっており、パンチ115の外径は、円板103のほぼ厚みに相当する分だけ、ダイ111の開口の径よりも小さく設定されている。即ち、この絞り加工では、薄肉化はほとんど行われない。尚、絞り加工は成形品の形状に応じて複数回行う場合もある。
次いで、上記で得られた絞り缶109は、しごき加工に付せられ、これにより、ハイトが高く且つ薄肉化された金属缶(薄肉化シームレス缶)11が成形される(図7(c)参照)。
このしごき加工では、上記の絞り加工により得られた絞り缶109の内部に、本発明にかかるしごきパンチ1を挿入し、リング形状のしごきダイス121の内面に該筒状体109の外面を圧接しながら、パンチ1を降下させることにより、ダイス121により、絞り缶(筒状体)109の側壁が薄肉化されていくこととなる。これにより、薄肉化され、且つ薄肉化の程度に応じてハイトが高くなった本発明の金属缶(薄肉化シームレス缶)11が得られることとなる。
図7から理解されるように、この打ち抜き加工、絞り加工及びしごき加工の一連の工程において、打ち抜き加工では、摺動性は不要であるが、絞り加工からしごき加工になるほど、用いる金型と被加工物との間の摺動性を要する。特にしごき加工では、被加工物の降伏応力を超える面圧が加わるため、最も摺動性を要する。即ち、被加工物である絞り缶109の内周面としごきパンチ1の外周面1aとの間にも大きな面圧がかかることとなり、これに伴い、前述したしごきパンチ1の***部5との接触により、絞り缶109の内周面にはリング状凹部13が形成されることとなる。
また、上記のしごき加工は、多段で行うこともでき、例えば、しごきダイスを、加工方向に複数配置し、しごき加工を多段で行うことにより、しごき率を高くし、より薄肉化され、ハイトが高くなった金属缶11を得ることもできる。図8には、しごき加工を多段で行うプロセスの一例が示されている。
図8における工程では、加工方向に沿って、それぞれリング形状のリドローダイ111a,しごきダイ121a~121cが、この順に配列されており、加工方向に対して最も下流側に位置しているしごきダイ121cの下流側には、ガイドリング135が配置され、さらに下流側には、底部成形を行う保持リング137及び保持ロッド137aが、この順に設けられている。
上記のしごきダイ121a~121cは、加工方向下流側に配置されているものほど小径となり、より過酷な薄肉化が行われるようになっている。
このような複数段でのしごき加工(再絞り-しごき加工)では、絞り缶109をリドローダイ111a上にホルダ141により保持しておき、この状態で絞り缶109の内部に本発明のしごきパンチ1を挿入し、リドローダイ111a,しごきダイ121a~121cの内面(加工面)に絞り缶109の外面を圧接しながら、パンチ1を加工方向に移動させることにより、再絞り、しごき加工が行われ、絞り缶19の側壁が薄肉化されていき、よりハイトが高くなった金属缶11(金属製筒体)が得られることとなる。
なお、図8では、3つのしごきダイが配置されているが、勿論、この数を2とすることもできるし、3よりも多い数のしごきダイを配置することもできる。
図7や図8のプロセスで示されているしごき加工が終了した後は、図5で示されているように、金属缶11の上端にストッパー20が配置され、その移動が制限された状態で、しごきパンチ1の引き抜きが行われる。即ち、本発明では、この引き抜きの際の摩擦抵抗が大きく軽減されており、しごき加工の生産効率が高められているわけである。
上述した図7,8のプロセスにおける絞り工程やしごき加工工程は、クーラントを流しながらウエットな条件下で行うこともできるし、クーラントを使用せず、固体潤滑材を用いた低潤滑方式や潤滑剤を使用しない無潤滑方式などのドライな条件下で行うこともできる。
しごきパンチ1が引き抜かれた後の金属缶11(金属製筒体)は、例えば外面印刷や、ネックイン加工が行われ、販売に供される。
A:しごき加工用パンチ
B:金属製筒体(被加工物)
C:しごき加工用ダイス
1:しごきパンチ
1a:しごきパンチ1の外周面
3:ドット状凹部
5:***部
11:金属製筒体
11a:金属製筒体11の内周面
15:ドット状凸部

Claims (5)

  1. 金属のしごき加工に使用されるしごき加工用パンチにおいて、
    前記パンチの外周面には、ドット状凹部が分布しており、該ドット状凹部の周縁部には、***部が形成されていることを特徴とするしごき加工用パンチ。
  2. 請求項1に記載のしごき加工用パンチを使用し、金属製筒体についてしごき加工を行うことにより、薄肉化された金属製筒体を得ることを特徴とする薄肉化金属製筒体の製造方法。
  3. 前記しごき加工に供する金属製筒体は、金属基体の内面に有機樹脂被覆を備えた積層体である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記有機樹脂被覆が、熱可塑性樹脂により形成されている請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記しごき加工に供する金属製筒体は、有底筒状体であり、薄肉化された金属製筒体がシームレス缶である請求項2~4の何れかに記載の製造方法。
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