JP2023038846A - ハイブリッド式電動車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンを動力伝達経路に連結した状態でエンジンを始動するハイブリッド式電動車両において、エンジン始動時の初爆過渡時の駆動トルク変動を気筒毎の初爆の有無に応じて適切に抑制できるようにする。【解決手段】エンジン始動時の点火実施回数Nign を計数するとともに、その点火実施回数Nign に応じてエンジン初爆過渡トルクTetran を算出し(S4)、そのエンジン初爆過渡トルクTetran に基づいて駆動トルク変動が抑制されるようにMGトルクTmgを補正する(S5)。その場合に、点火実施回数Nign は複数の気筒の初爆の有無を反映しているため、エンジン回転速度Ne や点火時期等のエンジンの状態が異なる場合でも、エンジン初爆過渡トルクTetran を気筒毎の初爆の有無に応じて適切に求めることが可能であり、そのエンジン初爆過渡トルクTetran に起因する駆動トルク変動をMGトルクTmgの制御で適切に抑制することができる。【選択図】図2

Description

本発明はハイブリッド式電動車両の制御装置に係り、特に、エンジン始動時の駆動トルク変動を回転機のトルク制御で抑制する技術に関するものである。
(a) 駆動力源としてエンジンおよび回転機を備えているとともに、前記エンジンを動力伝達経路から切り離すエンジン断接装置が設けられているハイブリッド式電動車両に適用され、(b) 前記エンジン断接装置により前記エンジンを前記動力伝達経路に連結した状態で燃料噴射および点火によりそのエンジンを始動するエンジン始動制御部と、(c) 前記エンジン始動制御部による前記エンジンの始動時に、そのエンジンが備える複数の気筒の初爆時のトルクに起因して生じる駆動トルク変動を前記回転機のトルク制御で抑制する初爆トルク補償制御部と、を有するハイブリッド式電動車両の制御装置が知られている(特許文献1の段落0077、図11等参照)。
特開2009-35188号公報
ところで、エンジンの始動過渡時には初爆前の気筒と初爆後の気筒が存在し、フリクショントルクやポンピングロスが異なることから、初爆過渡時の駆動トルク変動を適切に抑制するためには気筒毎の初爆の有無を反映した回転機のトルク制御が要求される。その場合に、エンジン断接装置によりエンジンを動力伝達経路に連結した状態でエンジンを始動する車両においては、エンジン回転速度や吸入空気量、点火時期等のエンジンの状態が車速等の運転状態によって異なり、初爆過渡時に生じるトルクも変化するため、気筒毎の初爆の有無を反映した回転機のトルク制御をどのように行なうかが問題になる。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、エンジン断接装置によりエンジンを動力伝達経路に連結した状態でエンジンを始動するハイブリッド式電動車両において、エンジン始動時の初爆過渡時の駆動トルク変動を気筒毎の初爆の有無に応じて適切に抑制できるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、(a) 駆動力源としてエンジンおよび回転機を備えているとともに、前記エンジンを動力伝達経路から切り離すエンジン断接装置が設けられているハイブリッド式電動車両に適用され、(b) 前記エンジン断接装置により前記エンジンを前記動力伝達経路に連結した状態で燃料噴射および点火によりそのエンジンを始動するエンジン始動制御部と、(c) 前記エンジン始動制御部による前記エンジンの始動時に、そのエンジンが備える複数の気筒の初爆時のトルクに起因して生じる駆動トルク変動を前記回転機のトルク制御で抑制する初爆トルク補償制御部と、を有するハイブリッド式電動車両の制御装置において、(d) 前記初爆トルク補償制御部は、前記エンジン始動制御部による前記エンジンの始動時の点火実施回数を計数して、そのエンジンの始動過渡時のトルクであるエンジン初爆過渡トルクを前記点火実施回数に応じて算出し、そのエンジン初爆過渡トルクに基づいて前記回転機のトルクを補正することを特徴とする。
このようなハイブリッド式電動車両の制御装置においては、エンジン始動制御部によるエンジンの始動時の点火実施回数を計数するとともに、その点火実施回数に応じてエンジン初爆過渡トルクを算出し、そのエンジン初爆過渡トルクに基づいて駆動トルク変動が抑制されるように回転機のトルクを補正する。その場合に、点火実施回数は複数の気筒の初爆の有無を反映しているため、エンジン回転速度や点火時期等のエンジンの状態が異なる場合でも、エンジン初爆過渡トルクを気筒毎の初爆の有無に応じて適切に求めることが可能であり、そのエンジン初爆過渡トルクに起因する駆動トルク変動を回転機のトルク制御で適切に抑制することができる。
本発明の一実施例である制御装置を有するハイブリッド式電動車両の駆動系統を説明する概略構成図で、各種制御のための制御機能および制御系統の要部を併せて示した図である。 図1の電子制御装置が機能的に備えている初爆トルク補償制御部の作動を具体的に説明するフローチャートである。 エンジン始動時のエンジン初爆過渡トルクを定常時エンジントルクTestaで仮定した場合と、実際のエンジントルクTere1とを比較して示した図である。 吸入空気量Qair に応じて変化する1つの気筒に関する定常時エンジントルクTestaと、初爆時の実際のエンジントルクTere2とを比較して示した図である。 直噴型のエンジンの一例を説明する図で、1つの気筒の上端部の断面図である。 図2のステップS4でエンジン初爆過渡トルクTetran を算出する際に、点火実施回数Nign に応じて補正係数Kcoを求めるマップの一例を説明する図である。 図2のステップS4でエンジン初爆過渡トルクTetran を算出する際に、点火実施回数Nign に応じてオフセットトルクTeoffを求めるマップの一例を説明する図である。 図2のフローチャートに従って初爆トルク補償制御が行なわれた場合の回転速度Ne 、Nmg、トルクTesta、Tmg、点火実施回数Nign の変化を説明するタイムチャートの一例である。
本発明は、駆動力源としてエンジンおよび回転機を備えているハイブリッド式電動車両に適用される。ハイブリッド式電動車両は、例えばFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型の後輪駆動車両や、途中に前輪側へ動力を分配するトランスファが設けられた前後輪駆動車両、トランスアクスル等のFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の前輪駆動車両など、種々の電動車両が対象となる。回転機は、例えば電動モータおよび発電機として機能するモータジェネレータが適当であるが、モータ走行モードでの走行中にエンジンを始動する場合に、電動モータとして機能する力行トルクの範囲内でエンジン初爆過渡トルクによる駆動トルク変動を抑制できれば、回転機として電動モータを採用することもできる。回転機は、例えばエンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に設けられ、エンジン断接装置を介してエンジンに連結されるが、エンジンに常時連結されても良いし、エンジンとは別の動力伝達経路に設けられて他の駆動輪を回転駆動するものでも良い。
エンジン断接装置は、エンジンと動力伝達経路とを接続遮断するもので、摩擦係合式のクラッチやブレーキ等の摩擦係合装置が好適に用いられ、例えば車両走行中にエンジンを始動する際には、摩擦係合装置をスリップ係合させることによりエンジンをクランキングすることができる。動力伝達経路には、必要に応じてトルクコンバータ等の流体式伝動装置や変速機が設けられる。変速機は、例えば複数の遊星歯車装置および摩擦係合装置から成る遊星歯車式の有段の自動変速機や、平行軸式の有段変速機、前後進を切り替えるだけの前後進切替装置、ベルト式等の無段変速機と前後進切替装置とが直列または並列に設けられたものなど、種々の態様が可能である。
初爆トルク補償制御部は、例えばエンジン回転速度Ne 等に応じて定まる定常状態の場合の定常時エンジントルクTestaを点火実施回数Nign に応じて補正することによりエンジン初爆過渡トルクTetran を算出するように構成される。例えば、次式(1) に示すように、点火実施回数Nign に応じて定められた補正係数Kcoを定常時エンジントルクTestaに掛け算するとともに、点火実施回数Nign に応じて定められたオフセットトルクTeoffを加算することにより、エンジン初爆過渡トルクTetran が求められる。定常時エンジントルクTestaを用いることなく、エンジン回転速度Ne 、吸入空気量Qair 、エンジン冷却水温THw 、点火時期、点火実施回数Nign 等に基づいてエンジン初爆過渡トルクTestan を直接算出しても良いなど、その他の算出方法を採用することもできる。
Tetran =Testa×Kco+Teoff ・・・(1)
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は説明のために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比や角度、形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である制御装置として電子制御装置90を有するハイブリッド式電動車両10(以下、単に電動車両10という。)の駆動系統の概略構成図で、電動車両10における各種制御のための制御機能および制御系統の要部を併せて示した図である。図1において、電動車両10は、走行用の駆動力源としてエンジン12および回転機MGを備えているパラレル型のハイブリッド式電動車両である。また、電動車両10は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16を備えている。駆動輪14は左右の後輪で、電動車両10はFR型の後輪駆動車両である。
エンジン12は、燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関で、本実施例では6気筒等の複数の気筒(シリンダ)を備えているとともに、クランク軸の2回転で吸入、圧縮、爆発、排気を行なう4サイクルエンジンである。エンジン12は、スロットルアクチュエータや燃料噴射装置、点火装置等を含むエンジン制御機器50が電子制御装置90によって制御されることにより、エンジン12の出力トルクであるエンジントルクTe が制御される。図5は、直噴型のエンジン12の1つの気筒(シリンダ)100の上端部の断面図で、燃料噴射装置112により気筒100内にガソリンの高圧微粒子が直接噴射されるようになっている。このエンジン12は、吸気通路102から吸気弁104を介して気筒100内に空気が流入するとともに、排気弁106を介して排気通路108から排気ガスが排出されるようになっており、所定のタイミングで点火装置114によって点火されることにより気筒100内の混合気が爆発燃焼し、ピストン110が下方へ押し下げられてクランク軸が回転させられる。
回転機MGは、電力から機械的な動力を発生させる電動モータとしての機能および機械的な動力から電力を発生させる発電機としての機能を有する所謂モータジェネレータで、例えば永久磁石型の三相交流同期モータ等であり、インバータ52を介してバッテリ54に接続されている。回転機MGは、電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、回転機MGのトルクであるMGトルクTmgが制御される。回転機MGは、エンジン12に替えて或いはエンジン12に加えて、インバータ52を介してバッテリ54から供給される電力により走行用の動力を発生する。回転機MGはまた、エンジン12の動力や駆動輪14側から入力される被駆動力により回転駆動される際に回生制御されることにより発電を行う。回転機MGの発電により発生させられた電力は、インバータ52を介してバッテリ54に蓄積される。バッテリ54は、回転機MGに対して電力を授受する蓄電装置である。
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース18内において、エンジン12側からK0クラッチ20、トルクコンバータ22、および自動変速機24を直列に備えており、K0クラッチ20とトルクコンバータ22との間の動力伝達経路に回転機MGが連結されている。K0クラッチ20は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路におけるエンジン12と回転機MGとの間に設けられたクラッチで、エンジン12と動力伝達装置16との間、具体的にはエンジン12と回転機MGとの間、を接続遮断するエンジン断接装置である。トルクコンバータ22は、回転機MGと自動変速機24との間に設けられた流体式伝動装置で、K0クラッチ20を介してエンジン12に連結されている。自動変速機24は、トルクコンバータ22に連結されており、トルクコンバータ22と駆動輪14との間の動力伝達経路に介在させられている。動力伝達装置16は、自動変速機24の出力回転部材である変速機出力軸26に連結されたプロペラシャフト28、プロペラシャフト28に連結されたディファレンシャルギヤ30、ディファレンシャルギヤ30に連結された一対のドライブシャフト32等を備えている。また、動力伝達装置16は、エンジン12とK0クラッチ20とを連結するエンジン連結軸34、K0クラッチ20とトルクコンバータ22とを連結するMG連結軸36等を備えており、MG連結軸36に回転機MGのロータが連結されている。
K0クラッチ20は、例えばアクチュエータにより押圧される多板式或いは単板式のクラッチにより構成される湿式または乾式の摩擦係合装置である。K0クラッチ20は、油圧制御回路56から供給される調圧されたK0油圧PRk0によりK0クラッチ20のトルク容量であるK0トルクTk0が変化させられることで、係合状態や開放状態などの制御状態が切り替えられる。K0クラッチ20の入力側部材は、エンジン連結軸34と連結されており、エンジン連結軸34と一体的に回転させられる。K0クラッチ20の出力側部材は、MG連結軸36と連結されており、MG連結軸36と一体的に回転させられる。K0クラッチ20の係合状態では、エンジン連結軸34を介して回転機MGのロータおよびトルクコンバータ22のポンプ翼車22aとエンジン12とが一体的に回転させられる。一方で、K0クラッチ20の開放状態では、回転機MGのロータおよびポンプ翼車22aとエンジン12との間の動力伝達が遮断される。
回転機MGは、ケース18内において、MG連結軸36に動力伝達可能に連結されている。回転機MGは、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路、特にはK0クラッチ20とトルクコンバータ22との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結されている。つまり、回転機MGは、K0クラッチ20を介することなくトルクコンバータ22や自動変速機24と動力伝達可能に連結されている。トルクコンバータ22および自動変速機24は、各々、エンジン12および回転機MGの駆動力源からの駆動力を駆動輪14へ伝達する。
トルクコンバータ22は、MG連結軸36と連結されたポンプ翼車22a、および自動変速機24の入力回転部材である変速機入力軸38と連結されたタービン翼車22bを備えている。ポンプ翼車22aは、K0クラッチ20を介してエンジン12と連結されていると共に、直接的に回転機MGと連結されている。ポンプ翼車22aはトルクコンバータ22の入力部材であり、タービン翼車22bはトルクコンバータ22の出力部材である。MG連結軸36は、トルクコンバータ22の入力回転部材でもある。変速機入力軸38は、タービン翼車22bによって回転駆動されるタービン軸と一体的に形成されたトルクコンバータ22の出力回転部材でもある。トルクコンバータ22は、ポンプ翼車22aとタービン翼車22bとを連結するLUクラッチ40を備えている。LUクラッチ40は、トルクコンバータ22の入出力回転部材を連結する直結クラッチ、すなわち公知のロックアップクラッチである。
LUクラッチ40は、油圧制御回路56から供給される調圧されたLU油圧PRluによりLUクラッチ40のトルク容量であるLUクラッチトルクTluが変化させられることで、作動状態つまり制御状態が切り替えられる。LUクラッチ40の制御状態としては、LUクラッチ40が開放された状態である完全開放状態、LUクラッチ40が滑りを伴って係合された状態であるスリップ状態、およびLUクラッチ40が係合された状態である完全係合状態がある。LUクラッチ40が完全開放状態とされることにより、トルクコンバータ22はトルク増幅作用が得られるトルクコンバータ状態とされる。また、LUクラッチ40が完全係合状態とされることにより、トルクコンバータ22はポンプ翼車22aおよびタービン翼車22bが一体回転させられるロックアップ状態とされる。
自動変速機24は、例えば1組または複数組の遊星歯車装置と、複数の係合装置CBと、を備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。係合装置CBは、例えば油圧アクチュエータにより押圧される多板式或いは単板式のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される、油圧式の摩擦係合装置である。係合装置CBは、各々、油圧制御回路56から供給される調圧されたCB油圧PRcbによりそれぞれのトルク容量であるCBトルクTcbが変化させられることで、係合状態や開放状態などの制御状態が切り替えられる。
自動変速機24は、係合装置CBのうちの何れかの係合装置が係合させられることによって、変速比γat(=AT入力回転速度Ni /AT出力回転速度No )が異なる複数のギヤ段のうちの何れかのギヤ段が形成される有段変速機である。自動変速機24は、電子制御装置90によって、ドライバー(=運転者)のアクセル操作や車速V等の運転状態に応じて形成されるギヤ段が切り替えられる、すなわち複数のギヤ段が選択的に形成される。また、複数の係合装置CBが総て開放されると、動力伝達を遮断するニュートラルになる。AT入力回転速度Ni は、変速機入力軸38の回転速度であり、自動変速機24の入力回転速度である。AT入力回転速度Ni は、トルクコンバータ22の出力回転部材の回転速度でもあり、トルクコンバータ22の出力回転速度であるタービン回転速度Nt と同値である。AT出力回転速度No は、変速機出力軸26の回転速度であり、自動変速機24の出力回転速度である。
動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力は、K0クラッチ20が係合させられた場合に、エンジン連結軸34から、K0クラッチ20、MG連結軸36、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、およびドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。また、回転機MGから出力される動力は、K0クラッチ20の制御状態に拘わらず、MG連結軸36から、トルクコンバータ22、自動変速機24、プロペラシャフト28、ディファレンシャルギヤ30、およびドライブシャフト32等を順次介して駆動輪14へ伝達される。
電動車両10は、機械式のオイルポンプであるMOP58、電動式のオイルポンプであるEOP60、ポンプ用モータ62等を備えている。MOP58は、ポンプ翼車22aに連結されており、駆動力源(エンジン12、回転機MG)によって回転駆動されることにより、動力伝達装置16にて用いられる作動油OIL を吐出する。ポンプ用モータ62は、EOP60を回転駆動するためのEOP60専用のモータである。EOP60は、ポンプ用モータ62により回転駆動されて作動油OIL を吐出する。MOP58やEOP60が吐出した作動油OIL は、油圧制御回路56へ供給される。油圧制御回路56は、MOP58および/またはEOP60が吐出した作動油OIL を元にして各々調圧した、CB油圧PRcb、K0油圧PRk0、LU油圧PRluなどを供給する。作動油OIL は、自動変速機24を含む各部の潤滑や冷却にも用いられるもので、潤滑油でもある。作動油OIL は、ケース18の下部に設けられたオイルパン等の油溜に蓄積されるとともに、MOP58および/またはEOP60により汲み上げられて油圧制御回路56へ供給される。
電動車両10は、各種の制御を実行する制御装置として電子制御装置90を備えている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより電動車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、単一のコンピュータを用いて構成することもできるが、本実施例ではHEV-ECU92、MG-ECU94、エンジン-ECU96、およびECT-ECU98等を備えて構成されている。「HEV」はHybrid Electric Vehicle の頭文字で、「MG」はMotor Generator の頭文字で、「ECT」はElectronic Controlled Transmissionの頭文字で、「ECU」はElectronic Control Unit の頭文字である。これ等のHEV-ECU92、MG-ECU94、エンジン-ECU96、およびECT-ECU98は、CAN(Controller Area Network )通信線等の通信バスを介して互いに連結され、制御に必要な各種の情報を送受信できるようになっている。
電子制御装置90には、電動車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ70、タービン回転速度センサ72、出力回転速度センサ74、MG回転速度センサ76、アクセル開度センサ78、スロットル弁開度センサ80、エアフローメータ82、吸入空気温度センサ83、エンジン冷却水温センサ84、油温センサ86、バッテリセンサ88など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne 、AT入力回転速度Ni と同値であるタービン回転速度Nt 、車速Vに対応するAT出力回転速度No 、回転機MGの回転速度であるMG回転速度Nmg、運転者の加速要求量を表すアクセル操作量(例えばアクセルペダルの踏込み操作量)であるアクセル開度θacc 、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、エンジン12の吸入空気量Qair 、吸入空気温度THair 、エンジン冷却水温THw 、油圧制御回路56で用いられる作動油OIL の温度であるAT油温THoil 、バッテリ54のバッテリ温度THbat やバッテリ充放電電流Ibat やバッテリ電圧Vbat など)が、それぞれ供給される。エンジン回転速度センサ70は、エンジン回転速度Ne と共にエンジン12の複数の気筒100のTDC(上死点)からの回転角度であるクランク角Φを検出できるクランクポジションセンサ等である。
電子制御装置90からは、電動車両10に備えられた各装置(例えばエンジン制御機器50、インバータ52、油圧制御回路56、ポンプ用モータ62など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御するためのエンジン制御指令信号Se 、回転機MGを制御するためのMG制御指令信号Smg、係合装置CBを制御するためのCB油圧制御指令信号Scb、K0クラッチ20を制御するためのK0油圧制御指令信号Sk0、LUクラッチ40を制御するためのLU油圧制御指令信号Slu、EOP60を制御するためのEOP制御指令信号Seop など)が、それぞれ出力される。エンジン制御指令信号Se は、例えば燃料噴射量や噴射タイミング、点火時期、スロットル弁開度θth等を制御する信号である。油圧制御回路56には、CB油圧制御指令信号Scb、K0油圧制御指令信号Sk0、およびLU油圧制御指令信号Sluに従って油路を切り替えたり油圧を制御したりする複数のソレノイドバルブが設けられている。
電子制御装置90のHEV-ECU92は、回転機MGおよびエンジン12の作動を協調して制御するハイブリッド制御部としての機能を有する。すなわち、HEV-ECU92は、インバータ52を介して回転機MGの作動を制御するMG-ECU94と、エンジン12の作動を制御するエンジン-ECU96とを用いて、エンジン12および回転機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行する。HEV-ECU92は、例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc および車速Vを適用することで、運転者による電動車両10に対する駆動要求量を算出する。駆動要求量は、例えば駆動輪14における要求駆動トルクTrdem等である。HEV-ECU92は、伝達損失、補機負荷、自動変速機24の変速比γat、トルクコンバータ22のトルク比、バッテリ54の充電可能電力Winや放電可能電力Wout 等を考慮して、例えば上記要求駆動トルクTrdemを実現するために必要なトルクコンバータ22の入力トルクである要求入力トルクTindem を求め、その要求入力トルクTindem が得られるように、MG-ECU94を介して回転機MGを制御するMG制御指令信号Smgを出力するとともに、エンジン-ECU96を介してエンジン12を制御するエンジン制御指令信号Se を出力する。要求入力トルクTindem は、アクセル開度θacc が0の惰性走行時におけるエンジンブレーキトルクや回転機MGの回生制御による回生制動トルク等のマイナス側のトルクを含む。
バッテリ54の充電可能電力Winは、バッテリ54の入力電力の制限を規定する入力可能な最大電力であり、バッテリ54の入力制限を示している。バッテリ54の放電可能電力Wout は、バッテリ54の出力電力の制限を規定する出力可能な最大電力であり、バッテリ54の出力制限を示している。バッテリ54の充電可能電力Winや放電可能電力Wout は、例えばバッテリ温度THbat やバッテリ54の充電状態値SOC[%]等に基づいて電子制御装置90により算出される。バッテリ54の充電状態値SOCは、バッテリ54の充電状態すなわち蓄電残量を示す値であり、例えばバッテリ充放電電流Ibat およびバッテリ電圧Vbat などに基づいて算出できる。
HEV-ECU92は、機能的に走行モード切替制御部92aを備えている。走行モード切替制御部92aは、回転機MGの出力のみで要求入力トルクTindem を賄える場合には、バッテリ54からの電力のみで回転機MGを駆動して走行するモータ走行モードであるBEV(Battery Electric Vehicle)走行モードとする。BEV走行モードでは、K0クラッチ20を開放状態としてエンジン12を停止させ、回転機MGのみを駆動力源として用いて走行するBEV走行を行う。このBEV走行モードにおいては、要求入力トルクTindem を実現するようにMGトルクTmgを制御する。一方で、走行モード切替制御部92aは、少なくともエンジン12の出力を用いないと要求入力トルクTindem を賄えない場合には、エンジン走行モードであるHEV(Hybrid Electric Vehicle )走行モードとする。HEV走行モードでは、K0クラッチ20を係合状態として少なくともエンジン12を駆動力源として用いて走行するエンジン走行すなわちHEV走行を行う。このHEV走行モードにおいては、要求入力トルクTindem の全部または一部を実現するようにエンジントルクTe を制御し、要求入力トルクTindem に対してエンジントルクTe では不足するトルク分を補うようにMGトルクTmgを制御する。他方で、走行モード切替制御部92aは、回転機MGの出力のみで要求入力トルクTindem を賄える場合であっても、エンジン12等の暖機が必要な場合などには、HEV走行モードを成立させる。このように、走行モード切替制御部92aは、要求入力トルクTindem 等に基づいて、HEV走行中にエンジン12を自動停止したり、そのエンジン停止後にエンジン12を再始動したり、BEV走行中にエンジン12を始動したり、停車中にエンジン12を自動停止したり、エンジン12を始動したりして、BEV走行モードとHEV走行モードとを切り替える。エンジン12の自動停止および再始動は、エンジン12の間欠運転とも表現される。
ECT-ECU98は、自動変速機24の制御に関与するもので、例えば車速Vおよびアクセル開度θacc 等の電動車両10の運転状態に基づいて自動変速機24のギヤ段を自動的に切り替える変速制御を実行する変速制御部の機能を有する。すなわち、ECT-ECU98は、例えば予め定められた変速条件である変速マップを用いて自動変速機24の変速判断を行い、必要に応じて自動変速機24の変速制御を実行するためのCB油圧制御指令信号Scbを油圧制御回路56へ出力する。変速マップは、例えば車速Vおよび要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機24の変速が判断されるための変速線を有する所定の関係である。
前記エンジン-ECU96は、前記走行モード切替制御部92aからのエンジン始動指示に従ってエンジン12を始動するエンジン始動制御部96aを機能的に備えている。エンジン始動制御部96aは、K0クラッチ20が開放されるとともにエンジン12が回転停止させられたBEV走行モードによる車両走行中に、走行モード切替制御部92aからの指示に従ってエンジン12を始動する場合、先ず、K0クラッチ20をスリップ係合させることにより電動車両10のイナーシャによりエンジン12をクランキングしてエンジン回転速度Ne を引き上げる。そして、エンジン回転速度Ne が車速Vに対応するMG回転速度Nmgに達したら、K0クラッチ20を完全係合させてエンジン12をMG連結軸36に連結し、その状態で燃料噴射および点火等の始動制御を行なってエンジン12を始動する。エンジン12をクランキングするためのK0クラッチ20の係合制御は、ECT-ECU98が機能的に備えているK0係合開放制御部98aによるK0油圧PRk0の油圧制御によって実行される。また、K0クラッチ20のスリップ係合でエンジン回転速度Ne を引き上げる際には、エンジン12のイナーシャ等により駆動トルク変動が生じるため、この駆動トルク変動を回転機MGのトルク制御で抑制するために、MG-ECU94にはクランキングトルク補償制御部94aが設けられている。クランキングトルク補償制御部94aは、エンジン回転速度Ne の引き上げに拘らず前記要求入力トルクTindem が維持されるようにMGトルクTmgを増大させる。惰性走行等で回転機MGが回生制御されてMGトルクTmgがマイナス側の回生トルクの場合には、その回生トルクを低減し、必要に応じてプラス側の力行側まで変化させる。
MG-ECU94はまた、燃料噴射および点火によるエンジン12の始動時に、エンジン12が備える複数の気筒100の初爆時のトルクに起因して生じる駆動トルク変動を抑制するための初爆トルク補償制御部94bを備えている。初爆トルク補償制御部94bは、エンジン始動制御部96aによるエンジン12の始動時の点火実施回数Nign を計数して、エンジン12の始動過渡時のトルクであるエンジン初爆過渡トルクTetran を点火実施回数Nign に応じて算出し、そのエンジン初爆過渡トルクTetran に基づいてMGトルクTmgを補正するもので、図2のフローチャートのステップS1~S6に従って初爆トルク補償制御を実行する。
図2のステップS1では、エンジン始動制御部96aによるエンジン始動制御時か否かを判断し、エンジン始動制御時でなければそのまま終了するが、エンジン始動制御時の場合はステップS2を実行する。エンジン始動制御時か否かは、例えば前記エンジン始動制御部96aからの信号等で判断できるが、エンジン回転速度Ne やMG回転速度Nmg、K0油圧PRk0等に基づいて判断しても良い。ステップS2では、エンジン12の燃料噴射制御が開始されたか否かを、例えば燃料噴射のためのエンジン制御指令信号Se が出力されたか否か等によって判断し、燃料噴射制御が開始されたらステップS3を実行する。ステップS3では、エンジン12のクランク角ΦがMGトルク補正指示クランク角Φcomgになったか否かを判断し、Φ=ΦcomgになったらステップS4以下のMGトルク補正制御を実行する。
上記MGトルク補正指示クランク角Φcomgは、エンジン12の複数の気筒100の各初爆トルクの発生タイミングに合わせてMGトルクTmgが補正されるように、初爆トルクが発生するクランク角Φt よりも、MGトルクTmgの応答遅れ時間MGdelay だけ前のクランク角Φで、エンジン回転速度Ne に基づいて次式(2) に従って算出される。初爆トルク発生クランク角Φt は、点火が実施される点火クランク角Φign 等に基づいて求められ、エンジン回転速度Ne はクランク角速度に換算される。応答遅れ時間MGdelay は、MGトルクTmgを補正するために必要なエンジン初爆過渡トルクTetran の算出時間、およびMG制御指令信号Smgに従ってMGトルクTmgが変化するまでの遅れ時間の他、クランク角Φに関する情報がエンジン-ECU96から送られる伝送時間を含む。このMGトルク補正指示クランク角Φcomgは、本実施例では、燃料噴射が実施される燃料噴射クランク角Φj よりも後で、点火クランク角Φign よりも前になる。なお、MGトルク補正指示クランク角Φcomgを判断する替わりに、燃料噴射クランク角Φj からのクランク角や経過時間、或いは予め定められた基準クランク角からのクランク角や経過時間等で、MGトルク補正指示タイミングを判断しても良い。また、エンジン初爆過渡トルクTetran を算出するステップS4の後に、クランク角Φや経過時間等に基づいてMGトルク補正指示タイミングを判断するようにしても良い。
Φcomg=Φt -Ne ×MGdelay ・・・(2)
ステップS4では、エンジン12が定常状態の場合の定常時エンジントルクTestaを基準として、その定常時エンジントルクTestaを点火実施回数Nign に応じて補正することにより、エンジン初爆過渡トルクTetran を算出する。点火実施回数Nign は、例えば点火のためのエンジン制御指令信号Se がエンジン-ECU96から出力されたことを読み込んで計数することができる。定常時エンジントルクTestaは、エンジン制御等の各種の制御で従来から用いられているもので、例えばエンジン回転速度Ne 、吸入空気量Qair 、点火時期、エンジン冷却水温THw 等のエンジン12の状態に応じて、それ等を変数とするマップ等により予め定められるが、エンジン12の始動過渡時には初爆前の気筒100と初爆後の気筒100が存在し、フリクショントルクやポンピングロスが異なることから、例えば図3に示すように実際のエンジントルクTere1との間にずれが生じる。図3の時間ta は、エンジン始動制御の燃料噴射等が開始された時間で、時間tb は総ての気筒100の初爆が完了した時間であり、総ての気筒100の初爆が完了すると、実際のエンジントルクTere1が定常時エンジントルクTestaと略一致するようになる。なお、図3の実際のエンジントルクTere1は、各気筒100の爆発によるトルク変動の最大値と最小値の中央値である。また、図3では、マイナス側のエンジントルクが省略されている。
一方、吸入空気量Qair に応じて変化する1つの気筒100に関する定常時エンジントルクTestaと、初爆時の実際のエンジントルクTere2とを比較すると、図4のように実際のエンジントルクTere2の方が大きくなる。すなわち、図5に示されるように排気工程でピストン110が上死点に達した状態で、ピストン110の上方には隙間116があり、エンジン12が運転中の定常状態では隙間116内に燃焼ガス(排気ガス)が残存しているが、初爆前の隙間116内には大気(新しい空気)が入っているため、その分だけ初爆時のエンジントルクTere2が大きくなる。
上記図3および図4から明らかなように、エンジン始動過渡時には定常時エンジントルクTestaと実際のエンジントルクTere1、Tere2との間にずれがある。このため、前記(1) 式で示されるように、点火実施回数Nign に応じて定められた補正係数Kcoを定常時エンジントルクTestaに掛け算するとともに、点火実施回数Nign に応じて定められたオフセットトルクTeoffを加算することにより、始動過渡時においても実際のエンジントルクTere1に近いエンジン初爆過渡トルクTetran を算出することができる。補正係数KcoおよびオフセットトルクTeoffは、点火実施回数Nign を変数として例えば図6、図7のマップのように予め実験等により定められる。図6、図7における点火実施回数Nign のαは、エンジン12の気筒数であり、例えば6気筒エンジンの場合は6である。補正係数KcoおよびオフセットトルクTeoffは、点火実施回数Nign のみを変数として定められても良いが、点火実施回数Nign に加えて、エンジン回転速度Ne や点火時期、エンジン冷却水温THw などのエンジン12の状態を表す他の変数を用いて定められても良い。
図2に戻って、次のステップS5では、エンジン初爆過渡トルクTetran に起因する駆動トルク変動が抑制されるように、ステップS4で求めたエンジン初爆過渡トルクTetran だけMGトルクTmgを低下させる補正指示を出力する。エンジン初爆過渡トルクTetran がMGトルクTmgよりも大きい場合は、MGトルクTmgがマイナスになる回生制御を行なう。ステップS6では、初爆トルク補償制御を終了する終了条件を満たすか否か、具体的には点火実施回数Nign が気筒数αに達したか否か等を判断し、点火実施回数Nign が気筒数αに達するまでステップS3以下を繰り返し実行する。これにより、エンジン初爆過渡トルクTetran に拘らず要求入力トルクTindem を維持することができ、エンジン初爆過渡トルクTetran に起因する駆動トルク変動が抑制される。
図8は、図2のフローチャートに従って初爆トルク補償制御が行なわれた場合の回転速度Ne 、Nmg、トルクTesta、Tmg、点火実施回数Nign の変化を説明するタイムチャートの一例である。図8は、BEV走行モードにおいてアクセル開度θacc が0の惰性走行中に、エンジン始動制御部96aによりエンジン始動制御が行なわれた場合で、K0クラッチ20の係合によりエンジン12がクランキングされるとともに、クランキングに拘らず駆動トルク変動が抑制されるようにクランキングトルク補償制御部94aによってMGトルクTmgが制御されている状態であり、時間t1は最初の燃料噴射が行なわれてステップS2の判断がYES(肯定)になった時間である。時間t2は最初の点火が行なわれた時間で、時間t3は点火実施回数Nign が気筒数αに達して初爆トルク補償制御が終了した時間である。すなわち、時間t1~時間t3の間で、ステップS3~S6の初爆トルク補償制御が行なわれ、初爆時のトルクに起因して生じる駆動トルク変動がMGトルクTmgの制御で抑制される。K0クラッチ20の係合に拘らずエンジン回転速度Ne とMG回転速度Nmgとが一時的にずれているのは、エンジン連結軸34やMG連結軸36の捩り変形によるもので、エンジン12の初爆トルクによるエンジン回転速度Ne の上昇をMGトルクTmgの制御で抑え込むことができている。
このように、本実施例の電動車両10の初爆トルク補償制御部94bによれば、エンジン始動制御部96aによるエンジン12の始動時の点火実施回数Nign を計数するとともに、その点火実施回数Nign に応じてエンジン初爆過渡トルクTetran を算出し、そのエンジン初爆過渡トルクTetran に基づいて駆動トルク変動が抑制されるようにMGトルクTmgを補正している。その場合に、点火実施回数Nign は複数の気筒100の初爆の有無を反映しているため、エンジン回転速度Ne や点火時期等のエンジン12の状態が異なる場合でも、エンジン初爆過渡トルクTetran を気筒100毎の初爆の有無に応じて適切に求めることが可能であり、そのエンジン初爆過渡トルクTetran に起因する駆動トルク変動をMGトルクTmgの制御で適切に抑制することができる。特に、本実施例では点火実施回数Nign に応じて求められる補正係数KcoおよびオフセットトルクTeoffを用いて、定常時エンジントルクTestaを(1) 式に従って補正することによりエンジン初爆過渡トルクTetran を算出しているため、エンジン初爆過渡トルクTetran が高い精度で求められ、エンジン初爆過渡トルクTetran に起因する駆動トルク変動を一層適切に抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド式電動車両 12:エンジン 16:動力伝達装置(動力伝達経路) 20:K0クラッチ(エンジン断接装置) 90:電子制御装置(制御装置) 94b:初爆トルク補償制御部 96a:エンジン始動制御部 100:気筒 MG:回転機 Tmg:MGトルク(回転機のトルク) Tetran :エンジン初爆過渡トルク Nign :点火実施回数

Claims (1)

  1. 駆動力源としてエンジンおよび回転機を備えているとともに、前記エンジンを動力伝達経路から切り離すエンジン断接装置が設けられているハイブリッド式電動車両に適用され、
    前記エンジン断接装置により前記エンジンを前記動力伝達経路に連結した状態で燃料噴射および点火により該エンジンを始動するエンジン始動制御部と、
    前記エンジン始動制御部による前記エンジンの始動時に、該エンジンが備える複数の気筒の初爆時のトルクに起因して生じる駆動トルク変動を前記回転機のトルク制御で抑制する初爆トルク補償制御部と、
    を有するハイブリッド式電動車両の制御装置において、
    前記初爆トルク補償制御部は、前記エンジン始動制御部による前記エンジンの始動時の点火実施回数を計数して、該エンジンの始動過渡時のトルクであるエンジン初爆過渡トルクを前記点火実施回数に応じて算出し、該エンジン初爆過渡トルクに基づいて前記回転機のトルクを補正する
    ことを特徴とするハイブリッド式電動車両の制御装置。
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