JP2023035850A - 気液混合ノズル及び液体処理装置 - Google Patents

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Toshiichiro Ueno
拓也 岸田
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Abstract

【課題】気体及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗を抑制しつつ気体を液体に溶解させ易くすることができる気液混合ノズル及び液体処理装置を提供する。【解決手段】気液混合ノズル10は、気体及び液体が流入する入口部11であって、所定の第1内径φ1を有すると共に、第1内径φ1よりも流路の内径を縮小させる環状の縮小端面11aを含む入口部11と、縮小端面11aの下流側に接続されて、第1内径φ1よりも小さい第2内径φ2を有すると共に中心軸線Lの方向に第2長さL2を有する管状の喉部12と、喉部12の下流側に接続されて流路の内径を拡大させる環状の拡大端面13aを含むと共に、第2内径φ2より大きい第3内径φ3を有する出口部13と、を備える。第2内径φ2に対する第2長さL2の比は、8以上且つ30以下であり、喉部12の算術平均粗さRaは、2μm以上且つ20μm以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、気液混合ノズル及び液体処理装置に関する。
気体を液体に溶解させるための方法として、特許文献1に記載されるように、加圧容器で気液を混合して気体を溶解させる気体溶解促進法が知られている。また新たな気体溶解促進法として、非特許文献1に記載されるように、微細気泡を発生させる方法が提案されている。一方で、特許文献2~5に記載されるように、微細気泡を生成するノズルの開発がなされている。これらのノズルは、例えば液体処理装置や化学反応器等に用いられる。
微細気泡生成ノズルは、例えば特許文献2に記載されるように、流路の入口側を形成する流入部と、流路の出口側を形成する吐出部と、流入部と吐出部との間に設けられた気泡生成部とを備える。気泡生成部の断面積は、流入部の断面積や吐出部の断面積よりも小さくなっている。すなわち、気泡生成部は、微細気泡生成ノズルの流路において最も小さい断面積を有する。特許文献3に記載される微細気泡生成ノズルも、テーパ部と拡大部との間に形成されて、最も小さい断面積を有する喉部を備える。特許文献4に記載される微細気泡発生器も、大管径部と円錐状流路との間に形成されて、大管径部の流路の径よりも相対的に小さな径を有する小管径部を備える。
特開2017-51892号公報 特開2012-170849号公報 特許第5825852号公報 特許第4942434号公報 特許第4328904号公報
九州経済産業局、「ファインバブル活用事例集 追補版」、2018年1月、P.3、[2021年8月3日検索]インターネット(URL:https://k-rip.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/finebubble_ver4.pdf)
上記した従来のノズルは、微細気泡を生成することによる気体溶解促進を目的として開発されている。しかしながら、従来のノズルは、微細気泡の生成に着目されており気体の溶解に関して最適化されているとは言えず、気体の溶解に関しては改良の余地が残されている。さらに、特許文献5に記載される流体撹拌器のように、旋回流を生成するための翼板がノズルに設けられると、流体の流通抵抗が増加する。その結果、ノズルに流体を流通させるためのポンプ動力が増加するおそれがある。このように、より低い動力で気体の溶解量を増やすことのできる気液混合ノズルが求められている。
本開示は、気体及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗を抑制しつつ気体を液体に溶解させ易くすることができる気液混合ノズル及び液体処理装置を説明する。
本開示の一態様は、入口部と、出口部と、入口部及び出口部の間に配置された喉部と、が中心軸線に沿ってそれぞれ形成され、入口部、喉部、及び出口部が接続されて気体及び液体の流路をなす気液混合ノズルであって、気体及び液体が流入する入口部であって、所定の第1内径を有すると共に、第1内径よりも流路の内径を縮小させる環状の縮小端面を含む入口部と、縮小端面の下流側に接続されて、第1内径よりも小さい第2内径を有すると共に中心軸線の方向に長さを有する管状の喉部と、喉部の下流側に接続されて流路の内径を拡大させる環状の拡大端面を含むと共に、第2内径より大きい第3内径を有する出口部と、を備え、第2内径に対する長さの比は、8以上且つ30以下であり、喉部の平均粗さは、2μm以上且つ20μm以下である。
本開示の一態様に係る気液混合ノズルによれば、気体及び液体が、入口部に流入し、次いで管状の喉部に流入する。入口部から喉部にかけて、環状の縮小端面によって流路の内径が縮小させられる。喉部は、入口部の第1内径よりも小さい第2内径を有する。喉部の平均粗さが2μm以上且つ20μm以下である構成が、気体を液体に溶解させ易くなることに寄与する。第2内径の8倍以上且つ30倍以下の長さを喉部が有する構成が、気体及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗を抑制することに寄与する。このような構成によれば、例えば喉部に翼板又は突起を設ける構成と比べて、気体及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗を抑制しつつ気体を液体に溶解させ易くすることができる。その結果、同一のポンプ動力で気体の溶解量をより増やすことができる。
いくつかの態様において、喉部の平均粗さは、10μm以上且つ20μm以下であってもよい。この構成によれば、気体及び液体が喉部を流通する際に、気体が液体に更に溶解し易くなる。
いくつかの態様において、第2内径に対する長さの比は、8以上且つ15より小さくてもよい。この構成によれば、気体及び液体を流通させるためのポンプ動力を抑制し易くなる。
いくつかの態様において、中心軸線を含む断面において、縮小端面のなす角度は180度であってもよい。この構成によれば、気液混合ノズルをシンプルに構成することができる。
本開示の別の態様は、処理対象の液体と処理用ガスとを混合して液体中の有機物を分解処理する液体処理装置であって、液体を収容する貯留槽と、上記いずれかの気液混合ノズルと、貯留槽から気液混合ノズルへ液体を流通させる流路と、流路上に設けられ、液体を気液混合ノズル側へ送出するポンプと、流路の気液混合ノズルよりも貯留槽側に接続され、液体に処理用ガスを供給するガス供給部と、を備える。
本開示の一態様に係る液体処理装置によれば、上記いずれかの気液混合ノズルを備えるため、例えば喉部に翼板又は突起を設ける構成と比べて、処理用ガス及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗を抑制しつつ、処理用ガスを液体に溶解させ易くすることができる。溶解した処理用ガスを含む液体は出口部を通り、例えば出口部に接続された反応器等に供給される。処理対象の液体と処理用ガスとの混合が促進されているため、液体中の有機物の分解処理が促進される。よって、同一のポンプ動力で有機物の分解量をより増やすことができる。
いくつかの態様において、液体は、有機物を含む排水であり、処理用ガスは、オゾンであってもよい。この構成によれば、効率的な排水の処理が可能となる。
いくつかの態様において、液体処理装置は、複数の気液混合ノズルを備えており、複数の気液混合ノズルは、連続して設けられていてもよい。この場合、複数の気液混合ノズルのうち1つの気液混合ノズルを通過する際に気泡が微細化される現象が、気泡が気液混合ノズルを通過するごとに繰り返し生じるため、気液混合ノズルの数に応じて気泡の微細化が促進されることが見出される。よって、1つの気液混合ノズルを用いる場合と比べてより一層、液体中の有機物の分解処理が促進される。
いくつかの態様において、複数の気液混合ノズルは、互いに直接連結されていてもよい。この構成によれば、複数の気液混合ノズルを例えば溶接等により連結することができる。
本開示のいくつかの態様によれば、気体及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗を抑制しつつ気体を液体に溶解させ易くすることができる。
一実施形態に係る気液混合ノズルの中心軸線を含む断面図である。 変形形態に係る気液混合ノズルの一部を拡大して示す断面図である。 一実施形態に係る液体処理装置を示す概略構成図である。 実施例及び比較例におけるオゾンガス投与量と有機物分解割合との関係を示す図である。 他の実施形態に係る液体処理装置を示す概略構成図である。 (a)は、喉部に進入する直前の気泡を例示する図である。(b)は、喉部に進入した気泡を例示する図である。(c)は、喉部から出る直前の気泡を例示する図である。(d)は、喉部から出た気泡を例示する図である。 気液混合ノズルの連結数と気泡の濁度との関係を示す図である。 気液混合ノズルの連結数と気液混合性能KLaとの関係を示す図である。
以下、例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。本明細書において、「上流」又は「下流」との語は、液体の流れを基準として用いられる。
図1を参照して、本実施形態の気液混合ノズル10について説明する。気液混合ノズル10は、例えば液体処理装置又は化学反応器等に用いられる。
気液混合ノズル10は、気体を液体に溶解させるためのノズルである。気液混合ノズル10は、気体及び液体を供給する配管に組み込まれて用いられる。気液混合ノズル10は、例えば、水槽又は反応器とポンプとの間の配管に設けられる。気液混合ノズル10は、水槽又は反応器内の液体に直接接触してもよい。気液混合ノズル10は、気体が溶解された液体を水槽又は反応器内の液体に直接吹き込むためのノズルであってもよい。気液混合ノズル10が適用される液体は、例えば水である。水とは、例えば液体処理装置によって処理される排水(廃水)もしくは汚水を含む概念である。気液混合ノズル10は、例えば、有機物を含む排水から有機物を分解して浄化処理する液体処理装置に用いられ得る。気液混合ノズル10が適用される液体は、水以外の液体であってよい。気液混合ノズル10によって液体に溶解させられる気体は、例えばオゾンガスである。気液混合ノズル10によって液体に溶解させられる気体は、オゾンガス以外の気体であってよい。気液混合ノズル10によって液体に溶解させられる気体は、例えば、酸素(空気)、炭酸ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、アンモニアガス等であってもよい。
図1に示されるように、気液混合ノズル10は、内部に流路が形成された本体20を備える。本体20は、本体20が接触する液体及び気体に対して耐食性及び耐熱性を有する材料からなる。本体20は、樹脂製であってもよいし、金属製であってもよい。本体20は、一体成形された構造を有してもよいし、後述の各部が別個に成形された後に互いに接合された構造を有してもよい。本体20は、公知の方法によって製造され得る。本実施形態の気液混合ノズル10は、一例として、インライン式のノズルとして構成されている。
気液混合ノズル10は、上流側の配管等に接続される入口接続部14と、入口接続部14に連続して形成された例えば円筒状の入口部11と、入口部11に連続して形成された例えば円管状の喉部12と、喉部12に連続して形成された例えば円筒状の出口部13とを備える。これらの入口接続部14、入口部11、喉部12及び出口部13は、本体20の内部において、中心軸線Lに沿ってそれぞれ形成されている。これらの入口接続部14、入口部11、喉部12及び出口部13は、例えば、中心軸線Lに関して同軸上に位置するように形成される。入口接続部14、入口部11、喉部12、及び出口部13が接続されて、気体及び液体の流路をなしている。
入口接続部14は、気液混合ノズル10の入口側の端部に位置する。入口接続部14の内面には、例えば雌ねじが形成されている。入口接続部14には、配管が接続される。入口接続部14の内径は、例えば入口部11の第1内径φ1と略等しい。なお、入口接続部14の外周面に、雄ねじが形成されてもよい。入口接続部14は、省略されてもよい。その場合、入口部11が、気液混合ノズル10の入口側の端部に位置する。
入口部11には、入口接続部14を通じて、気体及び液体が流入する。入口部11に流入する液体は、例えば気液混合ノズル10よりも上流側に設けられたポンプによって、入口部11に供給される(図3参照)。入口部11に流入する気体は、気液混合ノズル10よりも上流側において、入口接続部14に接続された配管内に、ブロワ等によって供給される(図3参照)。入口部11に流入する気体を、エジェクタ等によって自給させてもよい。入口部11は、所定の第1内径φ1を有する。入口部11は、中心軸線Lの方向に第1長さL1を有する。これらの第1内径φ1及び第1長さL1は、気液混合ノズル10内を流れる液体の流量及び気体の供給量等によって決定されてもよい。
入口部11は、流路の内径を縮小させる環状の縮小端面11aを含む。縮小端面11aは、入口部11の下流端に位置する。縮小端面11aは、入口部11の第1内径φ1を有する円筒部と、喉部12の入口端と、を接続する壁面である。本実施形態の気液混合ノズル10は、図1に示される断面を中心軸線L周りに360度回転させた立体と等しい形状を有する。なお、入口部11と喉部12とが別部材で互いに連結される場合、縮小端面11aは、喉部12の上流側の端面であってもよい。
本実施形態では、縮小端面11aは、中心軸線Lに直交する平面に平行である。すなわち、図1に示されるように、中心軸線Lを含む断面において、縮小端面11aのなす角度αは180度である。これにより、気液混合ノズル10をシンプルに構成することができる。なお、入口部11の角度(縮小端面11aのなす角度)の溶解効率に対する影響が、例えば90度と180度において明確な違いが無い若しくは少ない場合、入口部11の角度を小さくしてもよい。この場合、エネルギーの損失が小さくなることが期待される。また、入口部11の角度が小さく、かつ内径が同じ場合、傾斜部分の長さが長くなると損失が大きくなると考えられる。そこで、図2に示されるように、入口部11と喉部12の間の角部に形成された面取り部16を備えてもよい。このような構成とすることで、エネルギー損失を抑えることが期待される。面取り部16は、例えば、環状の角部の全周にわたって形成される。面取り部16は、丸面であってもよく、角面であってもよい。面取り部16が丸面である場合、面取り部16の曲率半径Rは、例えば下記式(1)で表すことができる。ここで、φ1-φ2は、縮小端面11aの径方向の長さに相当する。
Figure 2023035850000002
喉部12は、入口部11と出口部13との間に配置されている。喉部12は、気液混合ノズル10内に形成された流路の内で、もっとも狭い(直径の小さい)流路である。喉部12は、気液混合ノズル10内に形成された流路の内で、中心軸線Lの方向にもっとも長い流路である。喉部12は、入口部11の縮小端面11aの下流側に接続されている。喉部12は、例えば一定の第2内径φ2を有している。喉部12の第2内径φ2は、入口部11の第1内径φ1よりも小さい。
喉部12は、中心軸線Lの方向に第2長さL2を有する。喉部12の第2長さL2及び第2内径φ2は、液体に対する気体の溶解量(溶解度)を高める観点と、気体及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗を抑制する観点と、のバランスを考慮して設定されている。第2長さL2は、喉部12の内径を基準にして定められている。喉部12の内径として、喉部12が内径一定の円管状である場合には、喉部12の第2内径φ2がそのまま用いられる。喉部12の断面形状が円形以外(例えば楕円や、2つの円の一部分を重ね合わせたメガネ形状等)である場合には、喉部12の内径は、その断面積と同じ面積を有する円の直径として算出され得る。喉部12の断面形状が中心軸線Lの方向で変化する場合には、喉部12の内径は、第2長さL2を有し喉部12の全容積と同じ容積を有する円柱の直径として算出され得る。
出口部13は、気液混合ノズル10の出口側の端部に位置する。出口部13は、喉部12の下流側に接続されて流路の内径を拡大させる環状の拡大端面13aを含む。本実施形態では、拡大端面13aは、中心軸線Lに直交する平面に平行である。すなわち、中心軸線Lを含む断面において、拡大端面13aのなす角度βは180度である。出口部13は、拡大端面13aの外周縁に接続され、所定の第3内径φ3を有する円筒部を含む。出口部13の第3内径φ3は、喉部12の第2内径φ2よりも大きい。拡大端面13aは、喉部12の出口端と、出口部13の第3内径φ3を有する円筒部と、を接続する壁面である。出口部13の内面には、例えば雌ねじが形成されている。出口部13には、配管が接続されてもよい。なお、出口部13の外周面に、雄ねじが形成されてもよい。出口部13には、雌ねじが形成されなくてもよい。なお、喉部12と出口部13とが別部材で互いに連結される場合、拡大端面13aは、喉部12の下流側の端面であってもよい。
引き続き、喉部12の構成について詳しく説明する。
入口部11の第1内径φ1に対する喉部12の第2内径φ2の比(φ2/φ1)は、例えば、0.12以上且つ0.48以下である。第1内径φ1に対する第2内径φ2の比は、好ましくは、0.12以上且つ0.37以下である。第1内径φ1に対する第2内径φ2の比は、より好ましくは、0.25以上且つ0.35以下である。第1内径φ1に対する第2内径φ2の比が、0.12未満であってもよく、0.48以上であってもよい。入口部11の第1内径φ1は、入口部11が円筒部とその他の部分(例えば、縮小端面の一種としてのテーパ部等)とを含む場合には、その円筒部の内径である。
出口部13の第3内径φ3に対する喉部12の第2内径φ2の比(φ2/φ3)は、例えば、0.50以上且つ0.89以下である。第3内径φ3に対する第2内径φ2の比は、好ましくは、0.69以上且つ0.89以下である。第3内径φ3に対する第2内径φ2の比が、0.50未満であってもよく、0.89以上であってもよい。出口部13の第3内径φ3は、出口部13が円筒部とその他の部分(例えば、縮小端面の一種としてのテーパ部等)とを含む場合には、その円筒部の内径である。
喉部12の第2長さL2について説明する。喉部12の内径(本実施形態では第2内径φ2)に対する喉部12の第2長さL2の比は、5以上である。第2内径φ2に対する第2長さL2の比は、好ましくは、8以上である。第2内径φ2に対する第2長さL2の比は、好ましくは、30以下である。第2内径φ2に対する第2長さL2の比は、より好ましくは、15以下であり、さらにより好ましくは、10以下である。第2内径φ2に対する第2長さL2の比は、30より大きくてもよく、5より小さくてもよい。
喉部12の粗さについて説明する。喉部12の粗さとは、喉部12を流通する液体が接する喉部12の内壁面12aの粗さを意味する。喉部12の粗さは、喉部12の内壁面12aの加工の仕上げ状態又は被膜形成等の表面処理に応じた粗さとなっている。喉部12の粗さは、例えば平均粗さで表されてもよい。平均粗さの一例として、日本工業規格(JIS B 0601)で規定された算術平均粗さRaを用いることができる。なお、日本工業規格(JIS B 0601)では、算術平均粗さRaは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さL0だけを抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、基準長さL0におけるf(x)の絶対値に対し積分平均値を求めることによって得られる値をマイクロメートル[μm]で表したものと規定されている。ちなみに、日本工業規格(JIS B 0601)は、国際規格(ISO 4287)に実質的に対応する規格である。
喉部12の平均粗さは、2μm以上である。換言すれば、喉部12の内壁面12aは、算術平均粗さRaが2μm以上となるように加工又は表面処理されている。喉部12の平均粗さは、好ましくは、10μm以上である。換言すれば、喉部12の内壁面12aは、算術平均粗さRaが10μm以上となるように加工又は表面処理されている。喉部12の平均粗さは、20μm以下であってもよい。換言すれば、喉部12の内壁面12aは、算術平均粗さRaが20μm以下となるように加工又は表面処理されている。なお、喉部12の平均粗さは、20μmより大きくてもよく、2μmより小さくてもよい。喉部12の平均粗さは、100μm未満であってもよい。具体例として、算術平均粗さRaが2μm以上且つ20μm以下となるような表面処理としては、リーマ仕上げ、化学研磨等が挙げられる。算術平均粗さRaが10μm以上となるような加工としては、旋削等が挙げられる。なお、旋削の一例として、喉部12を例えばドリル等で形成してそのまま内壁面12aの仕上げ等を行わない場合、算術平均粗さRaは10μm以上且つ100μm未満となる。
算術平均粗さRaが大きくなると、算術平均粗さRaに比例関係にある絶対粗さεが大きくなる。絶対粗さεが大きくなると、同一の第2内径φ2に対しては、管摩擦係数λが大きくなる。ここでの管摩擦係数λは、下記式(2)のようなコールブルックの式として表される。管摩擦係数λは、下記式(2)をムーディ線図にグラフ化した場合に、縦軸に表される。
Figure 2023035850000003
気液混合ノズル10の管摩擦係数λの一例として、具体的には、下記表1に示されるような諸元に基づく計算を例示することができる。なお、第2長さL2は、計算の便宜上、実際の第2長さL2とは異なり、仮に1000mmとされている。レイノルズ数は53200であると仮定する。
Figure 2023035850000004
実施例1では、喉部12の内壁面12aには、喉部12の材料となる部材の加工の仕上げ状態よりも粗さが小さくなるような被膜形成等の表面処理が施されていない。実施例1の喉部12の内壁面12aは、喉部12の材料となる部材の加工の仕上げ状態に応じた粗さとなっている。実施例1では、喉部12の内壁面12aの算術平均粗さRaが20μmであり、絶対粗さεが63である。この場合の管摩擦係数λは0.05と算出することができる。
実施例2では、喉部12の内壁面12aには、喉部12の材料となる部材の加工の仕上げ状態よりも粗さが小さくなるような被膜形成等の表面処理が施されている。実施例2の喉部12の内壁面12aは、被膜形成等の表面処理に応じた粗さとなっている。実施例2では、喉部12の内壁面12aの算術平均粗さRaが2μmであり、絶対粗さεが6である。この場合の管摩擦係数λは0.03と算出することができる。
実施例3では、喉部12の内壁面12aには、喉部12の材料となる部材の加工の仕上げ状態よりも粗さが小さくなるような被膜形成等の表面処理が施されていない。実施例3の喉部12の内壁面12aは、被膜形成等の表面処理に応じた実施例2よりも粗い粗さとなっている。実施例3では、喉部12の内壁面12aの算術平均粗さRaが10μmであり、絶対粗さεが31である。この場合の管摩擦係数λは0.036と算出することができる。
管摩擦係数λと液体の速度Uとの関係は、下記式(3)で表される。速度Uは、気液混合ノズル10のうち流路が細くなる部分である喉部12において、流路中心ではなく、内壁面12a付近の液体の流速である。下記式(3)において、ρは液体の密度であり、dp/dxは喉部12の圧力損失である。hは、壁面間距離の2分の1であり、ここでは第2内径φ2の2分の1に対応する。単純化のため圧損が一定とすると、速度Uは管摩擦係数λの(-1/2)乗に比例する関係となることから、速度Uは管摩擦係数λが大きいほど小さくなることがわかる。
Figure 2023035850000005
例えば液体が水である場合、粘度が比較的小さいことから、管摩擦係数λの影響は、流路中心の液体の流速に対しては小さく、内壁面12a付近の液体の流速に対して及ぶものと考えることができる。そうすると、管摩擦係数λが大きい場合(喉部12の内壁面12aの粗さが大きい場合)の速度Uは、管摩擦係数λが小さい場合(喉部12の内壁面12aの粗さが小さい場合)の速度Uと比べて小さくなる。内壁面12a付近の液体と流路中心の液体との間の剪断の大きさは、速度差が大きいほど大きくなる。つまり、管摩擦係数λが大きい場合(喉部12の内壁面12aの粗さが大きい場合)の方が、管摩擦係数λが小さい場合(喉部12の内壁面12aの粗さが小さい場合)と比べて、内壁面12a付近の液体と流路中心の液体との間の剪断が大きくなり、気液混合が促進されることとなる。
このように、気体が液体に混合されて生じる微細気泡は、気液混合ノズル10のうち流路が細くなる部分である喉部12で生成される。喉部12の内壁面12aの粗さが粗くなるほど、微細気泡は発生しやすくなる。その結果、気体の液体への溶解が促進され、例えば反応器での気体成分と液体成分との反応が促進される。
ところで、ポンプ動力の抑制のためには、液体に対する気体の溶解量(溶解度)を高める観点だけでなく、気体及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗を抑制する観点を考慮することが望ましい。算術平均粗さRa及び管摩擦係数λは、例えば、いわゆる乱流の遷移領域、又は、粗い管に対応する領域となるように設定してもよい。
より詳しくは、粗い管に対応する領域とは、レイノルズ数が2100以上のいわゆる乱流の領域において、レイノルズ数の影響を受けないが喉部12の内壁面12aの粗さの影響を受けるような、上記式(2)とは異なる式で管摩擦係数λが記述される領域である。乱流の遷移領域とは、レイノルズ数が2100以上のいわゆる乱流の領域において、上記式(2)で管摩擦係数λが記述される領域である。乱流の遷移領域は、滑らかな管に対応する領域と、粗い管に対応する領域と、の間に存在する。滑らかな管に対応する領域とは、レイノルズ数が2100以上のいわゆる乱流の領域において、レイノルズ数に影響を受けるが喉部12の内壁面12aの粗さの影響を受けないような、上記式(2)とは異なる式で管摩擦係数λが記述される領域である。つまり、乱流の遷移領域又は粗い管に対応する領域では、喉部12の内壁面12aの粗さの影響を受けるため、喉部12の内壁面12aの粗さを変更することで管摩擦係数λを変更することができる。気液混合ノズル10では、このようなムーディ線図上の領域を用いるため、気体を液体に溶解させ易くし、尚且つ気体及び液体が喉部12を流通する際の流通抵抗を抑制する観点で、喉部12の内壁面12aの粗さ及び第1内径φ1に対する第2内径φ2の比の適した組合せが設定される。
図3は、一実施形態に係る液体処理装置を示す概略構成図である。液体処理装置100は、気液混合ノズル10の具体的な適用例である。液体処理装置100は、有機物を含む排水である処理対象水(処理対象の液体)とオゾンガス(処理用ガス)とを混合して処理対象水中の有機物を分解処理する装置である。
液体処理装置100は、処理対象水を収容する水槽(貯留槽)101と、オゾンガス(処理用ガス)を供給するオゾン源(ガス供給部)102と、気液混合ノズル10が組み込まれた微細気泡生成器103と、オゾン反応槽(反応器)104と、生物反応槽105と、ポンプ106と、を備えている。ポンプ106は、水槽101から微細気泡生成器103へ処理対象水を流通させる流路107上に設けられている。ポンプ106は、処理対象水を気液混合ノズル10側へ送出する。オゾン源102は、流路107の気液混合ノズル10よりも水槽101側に接続されている。オゾン源102は、処理対象水にオゾンガスを供給する。液体処理装置100では、微細気泡生成器103とオゾン反応槽104とが流路108で接続され、オゾン反応槽104と生物反応槽105とが流路109で接続されている。
液体処理装置100では、オゾンガス及び処理対象水が、微細気泡生成器103の内部の気液混合ノズル10の喉部12に流入する。喉部12の内壁面12aの粗さに応じて、オゾンガスの処理対象水への溶解が促進される。溶解したオゾンガスを含む処理対象水は出口部13を通り、オゾン反応槽104に供給される。オゾン反応槽104では、処理対象水に溶解したオゾンガスによって、有機物を含む処理対象水から有機物が分解されて浄化処理される。
液体処理装置100における気液混合ノズル10の作用について、図4を参照しつつ説明する。図4は、実施例及び比較例におけるオゾンガス投与量と有機物分解割合との関係を示す図である。図4の横軸はO/CODであり、縦軸はオゾン反応槽104における有機物分解割合である。COD[Chemical Oxygen Demand]は、化学的酸素要求量である。O/CODは、所定COD当たりのオゾンガスの投与量を意味する。有機物分解割合は、COD除去率に相当し、オゾン反応槽104よりも上流側のCODに対するオゾン反応槽104よりも下流側のCODの割合である。オゾン反応槽104よりも上流側のCODとしては、例えば水槽101でのCODを用いてもよい。オゾン反応槽104よりも下流側のCODとしては、例えば、流路109に設けられた計測器110で計測したCODを用いてもよい(図3参照)。計測器110は、流路109を流通する処理対象水のCODを計測可能に構成されている。
図4の四角のプロットは、実施例1に係る気液混合ノズル10を用いた場合の有機物分解割合を示している。実施例1に係る気液混合ノズル10では、上記表1に示されるような諸元において、第2長さL2が、実装用の長さの一例として、33.84mmとされている。この場合、第2内径φ2に対する第2長さL2の比は、8.46である。
図4の丸のプロットは、比較例に係る気液混合ノズルを用いた場合の有機物分解割合を示している。比較例に係る気液混合ノズルは、入口部と、出口部と、入口部及び出口部の間に配置された喉部とを備えており、上記表1に示されるような諸元とは異なる諸元とされている。比較例に係る気液混合ノズルの喉部には、微細気泡を生成するための翼板又は突起が設けられている。
図4に示されるように、四角のプロットは丸のプロットと同様の分布をしており、同等のオゾンガス投与量に対して同等の有機物分解割合が得られることがわかる。このことから、実施例1に係る気液混合ノズル10によれば、比較例に係る気液混合ノズルと比べて、気体を液体に溶解させる作用が同等であることがわかる。
一方、比較例に係る気液混合ノズルの喉部には、微細気泡を生成するための翼板又は突起が設けられている。比較例に係る気液混合ノズルでは、翼板又は突起が設けられていない構成と比べて、気体及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗が大きい。このように、従来、気体を液体に溶解させ易くすることに着目されても、これに加えて気体及び液体が喉部を流通する際の流通抵抗を抑制することには必ずしも着目されてはいなかった。
これらの両立を図るために、実施例1に係る気液混合ノズル10は、喉部12に翼板又は突起を設ける構成ではなく、喉部12の内壁面12aの粗さを利用して、オゾンガスの処理対象水への溶解を促進させている。また、実施例1に係る気液混合ノズル10は、第1内径φ1に対する第2内径φ2の比(特に第2長さL2)を利用して、オゾンガス及び処理対象水が喉部12を流通する際の流通抵抗を抑制させている。その結果、図4の例の場合には、図示は省略しているが、液体処理装置100のポンプ106の消費電力(ポンプ動力)は、比較例に係る気液混合ノズルを備える液体処理装置のポンプの消費電力と比べて、約10%小さい値を得ることができている。
以上説明したように、気液混合ノズル10によれば、気体及び液体が、入口部11に流入し、次いで管状の喉部12に流入する。入口部11から喉部12にかけて、環状の縮小端面11aによって流路の内径が縮小させられる。喉部12は、入口部11の第1内径φ1よりも小さい第2内径φ2を有する。喉部12の算術平均粗さRaが2μm以上且つ20μm以下である構成が、気体を液体に溶解させ易くなることに寄与する。第2内径φ2の8倍以上且つ30倍以下の長さを喉部12が有する構成が、気体及び液体が喉部12を流通する際の流通抵抗を抑制することに寄与する。このような構成によれば、例えば喉部に翼板又は突起を設ける構成と比べて、気体及び液体が喉部12を流通する際の流通抵抗を抑制しつつ気体を液体に溶解させ易くすることができる。その結果、同一のポンプ動力で気体の溶解量をより増やすことができる。
気液混合ノズル10によれば、喉部12の算術平均粗さRaは、10μm以上且つ20μm以下である。この構成によれば、気体及び液体が喉部12を流通する際に、気体が液体に更に溶解し易くなる。
気液混合ノズル10によれば、第2内径φ2に対する第2長さL2の比は、8以上且つ15より小さい。この構成によれば、気体及び液体を流通させるためのポンプ動力を抑制し易くなる。
気液混合ノズル10によれば、中心軸線Lを含む断面において、縮小端面11aのなす角度は180度である。この構成によれば、気液混合ノズル10をシンプルに構成することができる。縮小端面11aのなす角度が180度以外の角度である場合と比べて、縮小端面11aを形成する際の加工が容易となる。
液体処理装置100によれば、気液混合ノズル10を備えるため、例えば喉部12に翼板又は突起を設ける構成と比べて、オゾンガス及び処理対象水が喉部12を流通する際の流通抵抗を抑制しつつ、オゾンガスを処理対象水に溶解させ易くすることができる。溶解したオゾンガスを含む処理対象水は出口部13を通り、出口部13に接続されたオゾン反応槽104に供給される。処理対象水とオゾンガスとの混合が促進されているため、処理対象水中の有機物の分解処理が促進される。よって、同一のポンプ動力で有機物の分解量をより増やすことができる。また、液体処理装置100によれば、効率的な排水の処理が可能となる。
続いて、他の実施形態に係る液体処理装置100Aについて説明する。図5は、他の実施形態に係る液体処理装置を示す概略構成図である。液体処理装置100Aは、1つの気液混合ノズル10を備える図3の液体処理装置100と比べて、複数の気液混合ノズル10を備えている点で異なっている。
液体処理装置100Aは、微細気泡生成器103に代えて、微細気泡生成器103Aを備えている。微細気泡生成器103Aは、複数の気液混合ノズル10が組み込まれている点で、微細気泡生成器103とは異なっている。一例として、図5の微細気泡生成器103Aには、3つの気液混合ノズル10が組み込まれている。
微細気泡生成器103Aにおいて、複数の気液混合ノズル10は、連続して設けられている。ここでの「連続して設けられている」とは、流れ方向上流側の気液混合ノズル10を通過したオゾンガス及び処理対象水が、当該気液混合ノズル10よりも流れ方向下流側に位置する気液混合ノズル10にそのまま流入する(ポンプ及びオゾン反応槽といった他の構成には流入しない)ように、複数の気液混合ノズル10が設けられていることを意味する。流れ方向とは、オゾンガス及び処理対象水が流れる方向である。以下の説明では、流れ方向上流側を単に「上流側」と表し、流れ方向下流側を単に「下流側」と表す。
図5の例では、複数の気液混合ノズル10は、互いに直接連結されている。例えば、複数の気液混合ノズル10は、上流側の気液混合ノズル10の出口部13の下流端面13bと、下流側の気液混合ノズル10の入口部11の上流端面11bとが、互いに突き合わせられた状態で、溶接により互いに接合されている。なお、複数の気液混合ノズル10は、直接連結されていなくてもよいし、他の手法で連結されていてもよい。複数の気液混合ノズル10は、例えば配管等を介して間接的に互いに連結されていてもよい。
液体処理装置100Aでの気泡の微細化促進のメカニズムについて説明する。本技術分野では、例えば1つのベンチュリ管等の喉部を気泡が通過するときの気泡の挙動を観察することで気泡が微細化されるメカニズムについては検討されている。しかしながら、2つ以上の喉部を連結することが気泡の微細化に有効であるのか否かについては、従来検討されていない。本開示の発明者らは、この点について鋭意検討した結果、液体処理装置100Aのように複数の気液混合ノズル10を連続して設けることで、複数の気液混合ノズル10のそれぞれを気泡が通過する回数に応じて気泡の微細化が促進されることを見出した。このような気泡の微細化促進について、図6~図8を参照して説明する。図6(a)~図6(d)は、複数の気液混合ノズル10のうち1つの気液混合ノズル10を気泡が通過するときの気泡の状態の変化を概念的に示している。
図6(a)は、喉部に進入する直前の気泡を例示する図である。図6(a)には、オゾンガスの気泡30が、入口部11の縮小端面11aよりも上流側の領域31に位置している状態が示されている。図6(a)に示されるように、オゾンガスの気泡30は、例えば球状等を呈している。この気泡30の形状は、気泡30の界面(オゾンガスと周囲の処理対象水との界面)が比較的安定しており乱れの小さい状態であることを意味している。気泡30は、下流側に向かって流れて、喉部12へと進入する。
図6(b)は、喉部に進入した気泡を例示する図である。図6(b)には、オゾンガスの気泡30が、喉部12へと進入し、入口部11の縮小端面11aよりも下流側の領域32に位置している状態が示されている。図6(b)に示されるように、気泡30が喉部12へと進入すると、流路の内径が第1内径φ1から第2内径φ2へと縮小されることで、喉部12において処理対象水に加わる剪断力が気泡30の界面に作用し易くなると共に、ジェットの発生により気泡30の界面が不安定な状態となる。
ここでのジェットは、流路の内径の急激な縮小に伴って、喉部12の入口において領域31から領域32に向かうように処理対象水に生じる圧力波に対応する。図6(b)の例では、一例として、ジェット33が示されている。ジェット33が生じると、例えば、仮想的な液柱として上流側から気泡30に衝突し、気泡30の内部に向かって液部30aが入り込む。
図6(c)は、喉部から出る直前の気泡を例示する図である。図6(c)には、オゾンガスの気泡30が、喉部12の出口の手前に位置している状態が示されている。図6(c)に示されるように、気泡30が喉部12を進むにつれて、例えば図6(b)の液部30aが下流側に突き進むことで気泡30を貫通したり、気泡30の界面に突起30c,30dが生じたりして、気泡30の界面の不安定化が進行する。
図6(d)は、喉部から出た気泡を例示する図である。図6(d)には、オゾンガスの気泡30が、出口部13へと進み、出口部13の拡大端面13aよりも下流側の領域34に位置している状態が示されている。図6(d)に示されるように、気泡30が出口部13へと進むと、流路の内径が第2内径φ2から第3内径φ3へと拡大される。急激に処理対象水の圧力が高まることで、出口部13の拡大端面13aを通過した気泡30には、周囲から押しつぶすような力が等方的に加わる。その結果、界面の不安定化が進行していた気泡30は、例えば突起30c,30d等が分離する等により、多数のより小さな気泡となる。すなわち、気泡30が微細化することとなる。
図7は、気液混合ノズルの連結数と気泡の濁度との関係を示す図である。図7の横軸は、気液混合ノズル10の連結数である。図7の縦軸は、連結数の回数だけ気液混合ノズル10を通過した気泡の濁度である。なお、「濁度」とは「土砂等の懸濁物による水の濁りの度合いを表すもの」との意味が一般的であるが、ここでの「気泡の濁度」は、「気泡によって液体が濁るように気泡が液体に混在することで光を散乱させる度合いを表すもの」との意味である。「気泡の濁度」は、例えば、濁度計を用いて計測することができる。例えば、浸漬型センサを有する濁度計であれば、濁度計のセンサを対象の液体に浸すことで、液体中に照射するレーザ等の光の散乱光測定に基づいて気泡の濁度を計測することが可能である。図5には、例えば複数の気液混合ノズル10の下流の流路108の位置に設けられた濁度計111が例示されている。濁度計111のセンサが処理対象水に浸されており、気泡の濁度を計測することができる。
図7に示されるように、気液混合ノズル10の連結数が多くなるほど、気泡の濁度が大きくなる傾向となる。ここで、固液系である「土砂等の懸濁物による水の濁りの度合い」を意味する一般的な濁度では、懸濁物の粒子径が小さくなるほど濁度が大きくなる傾向となることが知られている。濁度が液体中での光の散乱光測定に基づいて計測可能であることを考慮すると、上記の傾向は、懸濁物の粒子径を気泡径に置き換えることで気液系である「気泡の濁度」に対しても適用可能と考えることができる。つまり、気泡径が小さくなるほど気泡の濁度が大きくなる傾向となると考えられる。そうすると、図7では気液混合ノズル10の連結数が多くなるほど気泡の濁度が大きくなる傾向となっていることから、気液混合ノズル10を気泡が通過するごとに、気泡には、図6(a)~図6(d)で説明したような微細化のメカニズムが繰り返し生じて、気泡径が繰り返し小さくなるという作用が得られていることがわかる。
図8は、気液混合ノズルの連結数と気液混合性能KLaとの関係を示す図である。気液混合性能KLaは、総括酸素移動容量係数のことであり、オゾンガスが処理対象水にどれだけ溶け込むかに相当する。気液混合性能KLaの算出は、例えば、流路109内の処理対象水の溶存酸素(DO)をDO計で測定し、測定開始時のDOを1.5mg/Lとし、DO値2~6mg/Lを切り出して(抽出して)、下記式(4)によって算出した。ここで、Cは、t時間後のDO濃度(mg/L)であり、Cは、t時間後のDO濃度(mg/L)である。
Figure 2023035850000006
図8に示されるように、図7の連結数が0,1,2の場合について気液混合性能KLaを測定した結果、気液混合ノズル10の連結数が多くなるほど、気液混合性能KLaが大きくなる傾向となることがわかる。この傾向を利用して、液体処理装置100Aの所望の液体処理性能として、気液混合性能KLaの目標値を設定することが考えられる。例えば、気液混合性能KLaの目標値を得られるような連結数の気液混合ノズル10を用いて微細気泡生成器103Aを構成すれば、所望の液体処理性能を得ることができる。
以上説明したように、液体処理装置100Aは、複数の気液混合ノズル10を備えている。液体処理装置100Aでは、複数の気液混合ノズル10は、連続して設けられている。これにより、複数の気液混合ノズル10のうち1つの気液混合ノズル10を通過する際に気泡30が微細化される現象が、気泡30が気液混合ノズル10を通過するごとに繰り返し生じるため、気液混合ノズル10の数に応じて気泡30の微細化が促進されることとなる。よって、1つの気液混合ノズル10を用いる場合と比べてより一層、処理対象水中の有機物の分解処理が促進される。
液体処理装置100Aでは、複数の気液混合ノズル10は、互いに直接連結されている。これにより、複数の気液混合ノズル10を例えば溶接等により連結することができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態及び実施例に限られない。
気液混合ノズル10は、インライン式のノズルに限定されない。気液混合ノズル10は、配管接続用のフランジ付きのノズルとして構成されてもよい。この場合、例えば、入口接続部14の雌ねじ又は雄ねじに代えて、気液混合ノズル10の入口側の端部に、配管と接続するためのフランジが設けられていてもよい。出口部13の下流側の端部に、配管と接続するためのフランジが設けられていてもよい。
液体処理装置は、図3の液体処理装置100,100Aの構成に限定されない。液体処理装置100,100Aで処理される液体は、有機物を含む排水以外の液体であってもよい。液体処理装置100,100Aで用いられる処理用ガスは、オゾンガス以外の気液混合ノズル10によって液体に溶解させられる気体であってもよい。
気液混合ノズル10では、入口接続部14、入口部11、喉部12及び出口部13は、直線状の中心軸線Lに関して同軸上に位置していたが、これに限定されない。入口部11は、屈曲していてもよい。この場合、入口部11のうちの喉部12側が、喉部12の軸線に沿って第1長さL1で延びる第1内径φ1の円筒部分であってもよい。出口部13は、屈曲していてもよい。この場合、出口部13のうちの喉部12側が、喉部12の軸線に沿って第3長さL3で延びる第3内径φ3の円筒部分であってもよい。入口部11、喉部12及び出口部13の少なくとも一つが、中心軸線Lからずれた軸線上に位置していてもよい。
気液混合ノズル10は、液体処理装置100,100A以外の装置に適用されてもよい。
液体処理装置100Aは、複数の気液混合ノズル10を備えることで、入口部11から喉部12への流路の内径の急激な縮小、及び、喉部12から出口部13への流路の内径の急激な拡大、が繰り返されるように構成されていたが、これに限定されない。例えば、複数の気液混合ノズル10に代えて、入口部11から喉部12への流路の内径の急激な縮小、及び、喉部12から出口部13への流路の内径の急激な拡大、が繰り返されるように構成した1つの気液混合ノズルを用いてもよい。この場合、例えば、1つの気液混合ノズルの中に、別体で準備された複数の喉部12が挿入された状態で固定されてもよい。
なお、以下、本開示の一態様の構成要件を記載する。
<発明1>
入口部と、出口部と、前記入口部及び前記出口部の間に配置された喉部と、が中心軸線に沿ってそれぞれ形成され、前記入口部、前記喉部、及び前記出口部が接続されて気体及び液体の流路をなす気液混合ノズルであって、
前記気体及び前記液体が流入する前記入口部であって、所定の第1内径を有すると共に、前記第1内径よりも前記流路の内径を縮小させる環状の縮小端面を含む前記入口部と、
前記縮小端面の下流側に接続されて、前記第1内径よりも小さい第2内径を有すると共に前記中心軸線の方向に長さを有する管状の前記喉部と、
前記喉部の下流側に接続されて前記流路の内径を拡大させる環状の拡大端面を含むと共に、前記第2内径より大きい第3内径を有する前記出口部と、を備え、
前記第2内径に対する前記長さの比は、8以上且つ30以下であり、
前記喉部の平均粗さは、2μm以上且つ20μm以下である、気液混合ノズル。
<発明2>
前記喉部の平均粗さは、10μm以上且つ20μm以下である、発明1に記載の気液混合ノズル。
<発明3>
前記第2内径に対する前記長さの比は、8以上且つ15より小さい、発明1又は2に記載の気液混合ノズル。
<発明4>
前記中心軸線を含む断面において、前記縮小端面のなす角度は180度である、発明1~3のいずれか一項に記載の気液混合ノズル。
<発明5>
処理対象の液体と処理用ガスとを混合して前記液体中の有機物を分解処理する液体処理装置であって、
前記液体を収容する貯留槽と、
発明1~4のいずれか一項に記載の気液混合ノズルと、
前記貯留槽から前記気液混合ノズルへ前記液体を流通させる流路と、
前記流路上に設けられ、前記液体を前記気液混合ノズル側へ送出するポンプと、
前記流路の前記気液混合ノズルよりも前記貯留槽側に接続され、前記液体に前記処理用ガスを供給するガス供給部と、を備える、液体処理装置。
<発明6>
前記液体は、有機物を含む排水であり、
前記処理用ガスは、オゾンである、発明5に記載の液体処理装置。
<発明7>
複数の前記気液混合ノズルを備え、
複数の前記気液混合ノズルは、連続して設けられている、発明5又は6に記載の液体処理装置。
<発明8>
複数の前記気液混合ノズルは、互いに直接連結されている、発明7に記載の液体処理装置。
10 気液混合ノズル
11 入口部
11a 縮小端面
11b 上流端面
12 喉部
13 出口部
13a 拡大端面
13b 下流端面
14 入口接続部
16 面取り部
20 本体
30 気泡
33 ジェット
L 中心軸線
L1 第1長さ
L2 第2長さ
L3 第3長さ
α (縮小端面の)角度
β (拡大端面の)角度
φ1 第1内径
φ2 第2内径
φ3 第3内径
100,100A 液体処理装置
101 水槽(貯留槽)
102 オゾン源(ガス供給部)
103 微細気泡生成器
104 オゾン反応槽
105 生物反応槽
106 ポンプ
107 流路
108 流路
109 流路
110 計測器
111 濁度計

Claims (8)

  1. 入口部と、出口部と、前記入口部及び前記出口部の間に配置された喉部と、が中心軸線に沿ってそれぞれ形成され、前記入口部、前記喉部、及び前記出口部が接続されて気体及び液体の流路をなす気液混合ノズルであって、
    前記気体及び前記液体が流入する前記入口部であって、所定の第1内径を有すると共に、前記第1内径よりも前記流路の内径を縮小させる環状の縮小端面を含む前記入口部と、
    前記縮小端面の下流側に接続されて、前記第1内径よりも小さい第2内径を有すると共に前記中心軸線の方向に長さを有する管状の前記喉部と、
    前記喉部の下流側に接続されて前記流路の内径を拡大させる環状の拡大端面を含むと共に、前記第2内径より大きい第3内径を有する前記出口部と、を備え、
    前記第2内径に対する前記長さの比は、8以上且つ30以下であり、
    前記喉部の平均粗さは、2μm以上且つ20μm以下である、気液混合ノズル。
  2. 前記喉部の平均粗さは、10μm以上且つ20μm以下である、請求項1に記載の気液混合ノズル。
  3. 前記第2内径に対する前記長さの比は、8以上且つ15より小さい、請求項1又は2に記載の気液混合ノズル。
  4. 前記中心軸線を含む断面において、前記縮小端面のなす角度は180度である、請求項1に記載の気液混合ノズル。
  5. 処理対象の液体と処理用ガスとを混合して前記液体中の有機物を分解処理する液体処理装置であって、
    前記液体を収容する貯留槽と、
    請求項1に記載の気液混合ノズルと、
    前記貯留槽から前記気液混合ノズルへ前記液体を流通させる流路と、
    前記流路上に設けられ、前記液体を前記気液混合ノズル側へ送出するポンプと、
    前記流路の前記気液混合ノズルよりも前記貯留槽側に接続され、前記液体に前記処理用ガスを供給するガス供給部と、を備える、液体処理装置。
  6. 前記液体は、有機物を含む排水であり、
    前記処理用ガスは、オゾンである、請求項5に記載の液体処理装置。
  7. 複数の前記気液混合ノズルを備え、
    複数の前記気液混合ノズルは、連続して設けられている、請求項5又は6に記載の液体処理装置。
  8. 複数の前記気液混合ノズルは、互いに直接連結されている、請求項7に記載の液体処理装置。
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