JP2023034846A - エンジンのピストン構造 - Google Patents

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啓嗣 松田
Keiji Matsuda
健司 内田
Kenji Uchida
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Abstract

【課題】ピストン冷却と圧縮着火時の燃焼室における混合気の未燃損低減とを両立する。【解決手段】ピストン20は、燃焼室8を区画する冠面21a及び冠面とは反対側の裏面21bを含むクラウン部21を有する。クラウン部の内部には、互いに区画された中央側に位置する第1空洞26及び第1空洞よりも外周側に位置する第2空洞27が設けられている。第1空洞と第2空洞との区画壁28aには、第1空洞と第2空洞とを連通する連通孔29が設けられている。第1空洞及び第2空洞は、それぞれ、燃焼室側の天井面26a,27aと、燃焼室とは反対側の底面26b,27bと、を含む。第1空洞の底面には、オイルジェット15から裏面に向けて噴射されたオイルを第1空洞に導入する導入孔30が設けられている。第2空洞の底面には、オイルを排出する排出孔32が設けられている。【選択図】図2

Description

本開示は、エンジンのピストン構造に関する。
エンジンのピストンは、高温の燃焼室に接触するため、温度上昇しやすい。このため、ピストンの内部にクーリングチャンネルを設けて、オイルジェットから噴射されるオイルをクーリングチャンネルに導入することで、ピストンを冷却する構成が知られている。
例えば、特許文献1に開示のエンジンのピストンは、クラウン部と、クーリングチャンネルと、を備える。クラウン部は、燃焼室を区画する冠面と、冠面とは反対側の裏面と、を有する。クーリングチャンネルは、クラウン部の内部、すなわち冠面と裏面との間において、クラウン部の外周に沿うようにC環状に形成されている。
特開2019-052628号公報
ところで、エンジンの燃焼方式として、CI(Compression Ignition,圧縮着火)燃焼がある。CI燃焼は、燃焼室の混合気が圧縮自己着火することにより開始する燃焼である。本願発明者等は、燃焼室における混合気の圧縮自己着火の開始位置を調べたところ、燃焼室の外周側よりも中央側で混合気の圧縮自己着火が開始されることを、発見した。
特に、特許文献1に係るピストンを用いた場合、燃焼室の外周側の混合気は、クーリングチャンネルを流れるオイルに熱を奪われて、温度低下しやすい。このため、燃焼室における中央側の混合気の温度が外周側の混合気の温度よりも相対的に高くなり、クーリングチャンネルの無いピストンを用いた場合に比べて、より顕著に、混合気の圧縮自己着火が燃焼室の中央側で開始されやすくなる。
混合気の圧縮自己着火が燃焼室の中央側で開始されると、燃焼室の外周側の混合気が燃えにくくなり、未燃損失が増加してしまう。
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ピストンの冷却と、圧縮着火時の燃焼室における混合気の未燃損失低減とを両立することにある。
本開示に係るエンジンのピストン構造は、燃焼室を区画する冠面及び上記冠面とは反対側の裏面を含むクラウン部を有するピストンと、上記裏面に向けてオイルを噴射するオイルジェットと、を備えるエンジンであって、上記クラウン部の内部には、互いに区画された中央側に位置する第1空洞及び上記第1空洞よりも外周側に位置する第2空洞が設けられており、上記第1空洞と上記第2空洞との区画壁には、上記第1空洞と上記第2空洞とを連通する連通孔が設けられており、上記第1空洞及び上記第2空洞は、それぞれ、上記燃焼室側の天井面と、上記燃焼室とは反対側の底面と、を含み、上記第1空洞の上記底面には、上記オイルジェットから上記裏面に向けて噴射された上記オイルが導入される導入孔が設けられており、上記第2空洞の上記底面には、上記オイルを排出する排出孔が設けられている。
かかる構成によれば、オイルジェットからクラウン部の裏面に向けて噴射されたオイルは、導入孔を介して中央側の第1空洞に導入された後、連通孔を介して外周側の第2空洞に流入して、第2空洞の底面に設けられた排出孔からクラウン部の外部に排出される。これにより、クラウン部の内部にオイルが循環されて、クラウン部が冷却される。
第2空洞の底面に排出孔が設けられているので、連通孔を介して第2空洞に流入したオイルは、排出孔からクラウン部の外部へどんどん排出される。このため、オイルは、第2空洞に満たされず、その天井面まで届かない。これにより、第2空洞の天井面付近には、空気層が形成される。
燃焼室における中央側の混合気は、第1空洞を流れるオイルに熱を奪われて、温度低下しやすくなる。一方、燃焼室における外周側の混合気は、第2空洞の天井面付近に形成された空気層によって遮熱されて、温度低下しにくくなる。これにより、燃焼室における外周側の混合気の温度は、燃焼室における中央側の混合気の温度よりも、高くなる。
したがって、圧縮着火時において、先ず、燃焼室の外周側で混合気の圧縮自己着火が開始され、次に、燃焼室の中央側で混合気の圧縮自己着火が起こるようになる。これにより、圧縮着火時の燃焼室における混合気の未燃損失が低減する。
以上、ピストンの冷却と、圧縮着火時の燃焼室における混合気の未燃損失低減とを両立することができる。
一実施形態では、上記排出孔は、上記第1空洞の上記底面にも設けられている。

かかる構成によれば、第1空洞の底面に排出孔が設けられているので、第1空洞におけるオイルが、連通孔を介して第2空洞に流入しにくくなる。これにより、オイルが第2空洞にさらに満たされにくくなるので、第2空洞の天井面付近に空気層がさらに形成されやすくなる。
一実施形態では、上記第2空洞における上記排出孔は、上記連通孔の貫通方向の延長線上に設けられている。
かかる構成によれば、連通孔におけるオイルの流れ方向の延長線上に排出孔を配置することによって、連通孔を介して第2空洞に流入したオイルを、スムースに、排出孔によって排出することができる。
一実施形態では、上記第2空洞は、上記延長線上に、上記連通孔に対向する側面である対向側面を含み、上記第2空洞における上記排出孔は、上記連通孔における上記第2空洞側の開口と上記対向側面との中央位置よりも、上記開口側に設けられている。
かかる構成によれば、第2空洞における連通孔になるべく近い位置に、排出孔を位置付けることができる。これにより、連通孔を介して第2空洞に流入したオイルを、直ちに、排出孔によって排出することができる。
一実施形態では、上記第2空洞の上記底面は、上記連通孔よりも、上記燃焼室とは反対側に位置する。
かかる構成によれば、連通孔を介して第2空洞に流入したオイルが第2空洞の天井面に到達しにくくなるので、第2空洞の天井面付近に、空気層がさらに形成されやすくなる。
一実施形態では、上記第2空洞の上記天井面の表面積は、上記第1空洞の上記天井面の表面積よりも大きい。
かかる構成によれば、第2空洞の天井面付近に形成される空気層の体積を、より大きくすることができる。
本開示によれば、ピストンの冷却と、圧縮着火時の燃焼室における混合気の未燃損失低減とを両立することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るエンジンを示す正面断面図である。 図2は、ピストンを示す正面断面図である。 図3は、ピストンを示す平面断面図である。 図4は、図2におけるIV部拡大図である。
以下、本開示の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(エンジンの構成)
図1は、エンジン1を示す正面断面図である。エンジン1は、一部の運転領域(例えば低負荷領域)で、CI(Compression Ignition,圧縮着火)燃焼を行う。また、エンジン1は、一部の運転領域(例えば高負荷領域)で、SI(Spark Ignition,火花点火)燃焼を行う。CI燃焼は、燃焼室の混合気が圧縮自己着火することにより開始する燃焼である。SI燃焼は、燃焼室の混合気に強制的に点火を行うことにより開始する火炎伝播を伴う燃焼である。
CI燃焼には、HCCI(Homogeneous Charge Compression Ignition)燃焼などの、各種の燃焼方式が含まれる。
エンジン1は、シリンダブロック2と、シリンダヘッド3と、を備える。シリンダブロック2の上部には、複数のシリンダボア4が、気筒列方向に並んで形成されている。シリンダブロック2の下部には、クランクケース5が形成されている。なお、図1では、1つのシリンダボア4のみを示す。
シリンダボア4には、ピストン20が摺動可能(往復可能)に内挿されている。ピストン20には、コネクティングロッド6を介して、クランクシャフト7が連結されている。クランクシャフト7は、クランクケース5に収容されている。ピストン20は、シリンダボア4及びシリンダヘッド3と共に、燃焼室8を区画する。
以下、ピストン20の軸方向(往復方向)を、上下方向という場合がある。ピストン20の軸方向における燃焼室8側を、「上側」という場合がある。ピストン20の軸方向における燃焼室8とは反対側を、「下側」という場合がある。エンジン1を傾けて配置する場合、上下方向は、必ずしも、鉛直方向に一致しない。
シリンダヘッド3には、シリンダボア4毎に、吸気ポート9が形成されている。吸気ポート9には、吸気バルブ10が配置されている。吸気バルブ10は、動弁機構(図示せず)によって所定のタイミングで、燃焼室8と吸気ポート9との間を開閉する。また、シリンダヘッド3には、シリンダボア4毎に、排気ポート11が形成されている。排気ポート11には、排気バルブ12が配置されている。排気バルブ12は、動弁機構(図示せず)によって所定のタイミングで、燃焼室8と排気ポート11との間を開閉する。
シリンダヘッド3には、シリンダボア4毎に、インジェクタ(図示せず)が取り付けられている。インジェクタは、燃焼室8に燃料を噴射する。燃料は、例えばガソリンである。また、シリンダヘッド3には、シリンダボア4毎に、点火プラグ(図示せず)が取り付けられている。点火プラグは、SI燃焼時、燃焼室8における燃料と空気との混合気を強制的に点火する。シリンダヘッド3の下面、すなわち燃焼室8の天井面は、所謂ペントルーフ形状である。
シリンダブロック2の内部には、メインギャラリ13が気筒列方向に延びている。メインギャラリ13には、オイルポンプ(図示せず)から圧送されたオイルが流れている。クランクケース5には、コネクティングロッド6及びクランクシャフト7に干渉しない位置に、オイルジェット15が取り付けられている。
オイルジェット15は、ノズル部15aと、バルブ部15bと、を有する。ノズル部15aの先端は、ピストン20における後述するクラウン部21の裏面21bに臨んでいる。バルブ部15bには、ボール状の弁体(図示せず)及びスプリング(図示せず)が内蔵されている。スプリングは、弁体を閉状態に付勢する。オイルポンプは、メインギャラリ13を介して、オイルジェット15にオイルを供給する。詳細には、オイルは、メインギャラリ13から分岐した分岐路を介して、オイルジェット15に供給される。
オイルジェット15は、メインギャラリ13を流れるオイルの油圧(オイルポンプの吐出圧)が所定値以下のとき、バルブ部15bの弁体がスプリングの付勢力によって閉状態に維持されるように構成されている。一方、オイルジェット15は、メインギャラリ13を流れるオイルの油圧(オイルポンプの吐出圧)が所定値以上のとき、バルブ部15bの弁体がスプリングの付勢力に抗して開状態となり、ピストン20における後述するクラウン部21の裏面21bに向けてオイルを噴射するように構成されている(図1のL参照)。
オイルポンプには、制御部(図示せず)が接続されている。制御部は、例えばECU(Engine Control Unit)である。
(ピストンの構造)
ピストン20の構造について、図2,3を参照しながら説明する。図2は、ピストン20の正面断面図であり、図3のII-II断面を示す。図3は、ピストン20の平面断面図であり、図2のIII-III断面を示す。
図2に示すように、ピストン20は、クラウン部21と、スカート部22と、を有する。クラウン部21は、略円盤状である。クラウン部21は、シリンダボア4と摺動する部分である。クラウン部21は、冠面21a及び冠面21aとは反対側の裏面21bを含む。 冠面21aは、シリンダヘッド3及びシリンダボア4と共に、燃焼室8を区画する。冠面21aは、燃焼室8の天井面に向かって***している。冠面21aの中央部には、キャビティ23が形成されている。クラウン部21の外周21cには、円環状の溝部24が形成されている。溝部24には、ピストンリング(図示せず)が取り付けられる。裏面21bは、その中央部が外周部よりも下側に突出するように、形成されている。
スカート部22は、クラウン部21の外周21cから下側に延びている。スカート部22には、ピストンピン(図示せず)を挿入するためのピン孔25が空けられている。ピストンピンは、コネクティングロッド6とピストン20とを連結するためのものである。
クラウン部21は、図2のIII-III線において、上下に分割可能としてもよい。
図2,3に示すように、クラウン部21の内部、すなわち冠面21aと裏面21bとの間には、互いに区画された第1空洞26及び第2空洞27が設けられている。第1空洞26は、ピストン20の径方向において、第2空洞27よりも相対的に中央側に位置する。第2空洞27は、ピストン20の径方向において、第1空洞26よりも相対的に外周側に位置する。
図3に示すように、第1空洞26は、ピストン20の軸方向に見て、クラウン部21の中央部において、円形状に形成されている。第2空洞27は、ピストン20の軸方向に見て、クラウン部21の外周側において、第1空洞26を全周に亘って囲む円環状に形成されている。
図3に示すように、第1空洞26及び第2空洞27は、クラウン部21の中央部において円環状に形成された内周壁部28aと、クラウン部21自体の外周壁部28bと、によって区画されている。内周壁部28aは、第1空洞26と第2空洞27とを区画する(以下、「区画壁28a」という)。外周壁部28bは、第2空洞27とクラウン部21の外部とを区画する。
図2,3に示すように、区画壁28aには、連通孔29が設けられている。連通孔29は、区画壁28aを貫通して、第1空洞26と第2空洞27とを連通する。連通孔29の貫通方向は、ピストン20の径方向である。連通孔29における第1空洞26側の開口を、「入口29a」という。連通孔29における第2空洞27側の開口を、「出口29b」という。
図2に示すように、第1空洞26は、燃焼室8側の天井面26aと、燃焼室8とは反対側の底面26bと、を含む。第1空洞26における天井面26aの表面積と底面26bの表面積とは、互いに略等しい。同様に、第2空洞27は、燃焼室8側の天井面27aと、燃焼室8とは反対側の底面27bと、を含む。第2空洞27における天井面27aの表面積と底面27bの表面積とは、互いに略等しい。
図2,3に示すように、第1空洞26の底面26bには、導入孔30が設けられている。導入孔30は、オイルジェット15からクラウン部21の裏面21bに向けて噴射されたオイルを第1空洞26に導入する。
図2,3に示すように、第2空洞27の底面27bには、排出孔32が設けられている。排出孔32は、第2空洞27から、オイルを排出する。図3に示すように、第2空洞27における排出孔32は、連通孔29の貫通方向の延長線A上に設けられている。
ここで、図3に示すように、第2空洞27は、延長線A上に、連通孔29に対向する側面である対向側面27cを含む。対向側面27cは、外周壁部28bの径方向内側面で構成されている。第2空洞27における排出孔32は、連通孔29の出口29bと対向側面27cとの中央位置Bよりも、連通孔29の出口29b側に設けられている。
図2に示すように、第1空洞26の天井面26aと連通孔29の上端部(天井面)29dとは、互いに略面一である。第2空洞27の天井面27aは、第1空洞26の天井面26aよりも、燃焼室8側に位置する。すなわち、第2空洞27の天井面27aは、第1空洞26の天井面26aよりも、高い位置にある。
図3に示すように、第2空洞27の天井面27aの表面積は、第1空洞26の天井面26aの表面積よりも大きい。
図2に示すように、第2空洞27の底面27bは、連通孔29の下端部(底面)29cよりも、燃焼室8とは反対側に位置する。すなわち、第2空洞27の底面27bは、連通孔29の下端部(底面)29cよりも、低い位置にある。
(作用効果)
本実施形態に係るピストン20の構造による作用効果について、主に図4を参照しながら説明する。
オイルジェット15のノズル部15aからピストン20におけるクラウン部21の裏面21bに向けて噴射されたオイルは、図4の符号Lに示すように、導入孔30を介して中央側の第1空洞26に導入される。
その後、第1空洞26におけるオイルは、連通孔29を介して外周側の第2空洞27に流入して、第2空洞27の底面27bに設けられた排出孔32からクラウン部21の外部に排出される。これにより、クラウン部21の内部にオイルが循環されて、クラウン部21が冷却される。
第2空洞27の底面27bに排出孔32が設けられているので、連通孔29を介して第2空洞27に流入したオイルは、排出孔32からクラウン部21の外部へどんどん排出される。このため、オイルは、第2空洞27に満たされず、その天井面27aまで届かない。これにより、第2空洞27の天井面27a付近には、空気層40が形成される。
燃焼室8における中央側の混合気41は、第1空洞26を流れるオイルに熱を奪われて、温度低下しやすくなる。一方、燃焼室8における外周側の混合気42は、第2空洞27の天井面27a付近に形成された空気層40によって遮熱されて、温度低下しにくくなる。これにより、燃焼室8における外周側の混合気42の温度は、燃焼室8における中央側の混合気41の温度よりも、高くなる。すなわち、中央側の混合気41の温度よりも外周側の混合気42の温度の方が高くなるような、燃焼室8の温度分布が実現する。
したがって、圧縮着火時において、先ず、燃焼室8の外周側で混合気42の圧縮自己着火が開始され、次に、燃焼室8の中央側で混合気41の圧縮自己着火が起こるようになる。これにより、圧縮着火時の燃焼室8における混合気41,42(特に、外周側の混合気42)の未燃損失が低減する。
以上、ピストン20の冷却と、圧縮着火時の燃焼室8における混合気41,42の未燃損失低減とを両立することができる。
連通孔29におけるオイルの流れ方向(連通孔29の貫通方向)の延長線A上に排出孔32を配置することによって、連通孔29を介して第2空洞27に流入したオイルを、スムースに、排出孔32によって排出することができる。
第2空洞27における排出孔32が中央位置Bよりも連通孔29の出口29b側に設けられているので、第2空洞27における連通孔29になるべく近い位置に、排出孔32を位置付けることができる。これにより、連通孔29を介して第2空洞27に流入したオイルを、直ちに、排出孔32によって排出することができる。
第2空洞27の底面27bが、連通孔29の下端部(底面)29cよりも燃焼室8とは反対側に位置する(低い位置にある)ので、連通孔29を介して第2空洞27に流入したオイルは、第2空洞27の天井面27aに到達しにくくなる。これにより、第2空洞27の天井面27a付近に、空気層40がさらに形成されやすくなる。
第2空洞27の天井面27aの表面積を大きくすることによって、第2空洞27の天井面27a付近に形成される空気層40の体積を、より大きくすることができる。
第2空洞27の天井面27aが第1空洞26の天井面26aよりも燃焼室8側に位置する(高い位置にある)ので、連通孔29を介して第2空洞27に流入したオイルは、第2空洞27にさらに満たされにくくなって、その天井面27aにさらに届きにくくなる。これにより、第2空洞27の天井面27a付近に、空気層40が、より一層、形成されやすくなる。
第2空洞27が第1空洞26を全周に亘って囲む円環状に形成されている(図3参照)ので、燃焼室8の全周に亘って、燃焼室8の外周側から、混合気42の圧縮自己着火が開始されるようになる。
(その他の実施形態)
以上、本開示を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
上記実施形態では、第2空洞27の底面27bにのみ排出孔32が設けられていたが、これに限定されない。図2~4に二点鎖線で示すように、第2空洞27の底面27bだけでなく、第1空洞26の底面26bにも排出孔31が設けられてもよい。
かかる構成によれば、第1空洞26の底面26bに排出孔31が設けられているので、第1空洞26におけるオイルは、連通孔29を介して第2空洞27に流入しにくくなる。これにより、オイルが第2空洞27にさらに満たされにくくなるので、第2空洞27の天井面27a付近に空気層40がさらに形成されやすくなる。
なお、第1空洞26における排出孔31と連通孔29の入口29aとの距離は、導入孔30と連通孔29の入口29aとの距離よりも、短いことが好ましい。
第2空洞27の底面27bと連通孔29の下端部(底面)29cとは、互いに面一でもよい。
第2空洞27の天井面27aは、第1空洞26の天井面26aと同じ高さに、位置してもよい。連通孔29を介して第2空洞27に流入したオイルは、第2空洞27の底面27bに設けられた排出孔32からどんどん排出されるので、たとえ第2空洞27の天井面27aが第1空洞26の天井面26aよりも高い位置になくても、第2空洞27の天井面27a付近には空気層40が形成され得る。
第2空洞27は、円環状ではなく、第1空洞26を全周に亘って囲む四角環状等に形成されてもよい。また、第2空洞27は、第1空洞26を全周に亘って囲む必要はなく、例えばC環状(円弧状)に形成されてもよい。さらに、第2空洞27は、第1空洞26よりも外周側の一部の領域にのみ、設けられてもよい。
エンジン1は、SI燃焼を一切行わずに、全ての運転領域においてCI燃焼を行ってもよい。
本開示は、エンジンのピストン構造に適用できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
A 延長線
B 中央位置
1 エンジン
8 燃焼室
13 メインギャラリ
15 オイルジェット
20 ピストン
21 クラウン部
21a 冠面
21b 裏面
26 第1空洞
26a 天井面
26b 底面
27 第2空洞
27a 天井面
27b 底面
27c 対向側面
28a 区画壁(内周壁部)
28b 外周壁部
29 連通孔
29a 入口(開口)
29b 出口(開口)
29c 下端部
29d 上端部
30 導入孔
31 排出孔
32 排出孔
40 空気層
41 混合気
42 混合気

Claims (6)

  1. 燃焼室を区画する冠面及び該冠面とは反対側の裏面を含むクラウン部を有するピストンと、前記裏面に向けてオイルを噴射するオイルジェットと、を備えるエンジンのピストン構造であって、
    前記クラウン部の内部には、互いに区画された中央側に位置する第1空洞及び該第1空洞よりも外周側に位置する第2空洞が設けられており、
    前記第1空洞と前記第2空洞との区画壁には、該第1空洞と該第2空洞とを連通する連通孔が設けられており、
    前記第1空洞及び前記第2空洞は、それぞれ、前記燃焼室側の天井面と、前記燃焼室とは反対側の底面と、を含み、
    前記第1空洞の前記底面には、前記オイルジェットから前記裏面に向けて噴射された前記オイルが導入される導入孔が設けられており、
    前記第2空洞の前記底面には、前記オイルを排出する排出孔が設けられている、エンジンのピストン構造。
  2. 請求項1に記載のエンジンのピストン構造であって、
    前記排出孔は、前記第1空洞の前記底面にも設けられている、エンジンのピストン構造。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンのピストン構造であって、
    前記第2空洞における前記排出孔は、前記連通孔の貫通方向の延長線上に設けられている、エンジンのピストン構造。
  4. 請求項3に記載のエンジンのピストン構造であって、
    前記第2空洞は、前記延長線上に、前記連通孔に対向する側面である対向側面を含み、
    前記第2空洞における前記排出孔は、前記連通孔における前記第2空洞側の開口と前記対向側面との中央位置よりも、前記開口側に設けられている、エンジンのピストン構造。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載のエンジンのピストン構造であって、
    前記第2空洞の前記底面は、前記連通孔よりも、前記燃焼室とは反対側に位置する、エンジンのピストン構造。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のエンジンのピストン構造であって、
    前記第2空洞の前記天井面の表面積は、前記第1空洞の前記天井面の表面積よりも大きい、エンジンのピストン構造。
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