JP2023032119A - 折りたたみ型ディスプレイ - Google Patents

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Shotaro Nishio
究 河合
Kiwamu Kawai
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Abstract

【課題】量産性に優れており、繰り返し折り曲げた後に折りたたみ部分で表示される画像に乱れを生じるおそれがない折りたたみ型ディスプレイを提供すること。【解決手段】少なくとも表面保護フィルム、偏光子、位相差層を有する折りたたみ型ディスプレイであり、表面保護フィルムが下記条件を満足する厚みが10~80μmであるポリエステルフィルムである折りたたみ型ディスプレイ。(1)屈曲方向の屈折率が1.590~1.620(2)折りたたみ部の方向の屈折率が1.670~1.700(3)厚み方向の屈折率が1.520以下(4)密度が1.380g/cm3以上(ここで、屈曲方向とは、ポリエステルフィルムを折りたたむ際の折りたたみ部と直交する方向をいう。)【選択図】図1

Description

本発明は繰り返し折りたたんでも、フィルムの変形による画像の乱れの起こり難い折りたたみ型ディスプレイに関する。
携帯端末機器の薄膜軽量化が進み、スマートフォンに代表される携帯端末機器が広く普及している。携帯端末機器には様々な機能が求められている反面、利便性も求められている。そのため普及している携帯端末機器は、簡単な操作は片手ででき、さらに衣服のポケットなどに収納することが前提であるため6インチ程度の小さな画面サイズとする必要がある。
一方、7インチ~10インチの画面サイズであるタブレット端末では、映像コンテンツや音楽のみならず、ビジネス用途、描画用途、読書などが想定され、機能性の高さを有している。しかし、片手での操作はできず、携帯性も劣り、利便性に課題を有する。
これらを達成するため、複数のディスプレイをつなぎ合わせることでコンパクトにする手法が提案されているが(特許文献1参照)、ベゼルの部分が残るため、映像が切れたものとなり、視認性の低下が問題となり普及していない。
そこで近年、フレキシブルディスプレイ、折りたたみ型ディスプレイを組み込んだ携帯端末が提案されている。この方式であれば、画像が途切れることなく、大画面のディスプレイを搭載した携帯端末機器として利便性よく携帯できる。
ここで、従来の折りたたみ構造を有しないディスプレイや携帯端末機器については、そのディスプレイの表面はガラスなど可撓性を有しない素材で保護することができたが、折りたたみ型ディスプレイにおいて、折りたたみ部分を介して一面のディスプレイとする場合には、可撓性があり、かつ、表面を保護できるハードコートフィルムなどを使用する必要がある。しかしながら、折りたたみ型ディスプレイでは、一定の折りたたみ部分に当たる箇所が繰り返し折り曲げられるため、当該箇所のフィルムが経時的に変形し、ディスプレイに表示される画像を歪める等の問題があった。また、表面保護フィルムだけでなく、折りたたみ型ディスプレイには、偏光板、位相差板、タッチパネル基材、有機ELなどの表示セルの基材、背面の保護部材など、様々な部位にフィルムが用いられ、これらのフィルムに対しても繰り返し折りたたみに対する耐久性が求められていた。
そこで、部分的に膜厚を変える手法も提案されているが(特許文献2参照)、量産性に乏しい問題がある。
また、ポリエステルフィルムの屈曲方向の屈折率を調整する手法も提案されているが(特許文献3参照)、屈曲方向の屈折率を下げるに従ってハードコート塗布時の鉛筆硬度が低下し、ディスプレイの表面保護機能の低下する問題があった。また、一方向の屈折率を下げていくと折れたたみ時の変形は改善していくが、折りたたみ方向の一軸配向性が高まり、折りたたみ部にクラックが発生する、または破断する問題があった。
特開2010-228391号公報 特開2016-155124号公報 国際公開第2018/150940号
本発明は上記のような従来のディスプレイの部材が有する課題を解決しようとするものであって、量産性に優れており、繰り返し折り曲げた後に折りたたみ部分で表示される画像に乱れを生じるおそれがない折りたたみ型ディスプレイを提供しようとするものである。
即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1. 少なくとも表面保護フィルム、偏光子、位相差層を有する折りたたみ型ディスプレイであり、表面保護フィルムが下記条件を満足する厚みが10~80μmであるポリエステルフィルムである折りたたみ型ディスプレイ。
(1)屈曲方向の屈折率が1.590~1.620
(2)折りたたみ部の方向の屈折率が1.670~1.700
(3)厚み方向の屈折率が1.520以下
(4)密度が1.380g/cm以上
(ここで、屈曲方向とは、ポリエステルフィルムを折りたたむ際の折りたたみ部と直交する方向をいう。)
2. 前記ポリエステルフィルムの屈曲方向の弾性率が2.7GPa以下, 折りたたみ部の方向の弾性率が4.5GPa以上である上記第1に記載の折りたたみ型ディスプレイ。3. 前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面上にハードコート層を有し、ハードコート層が少なくとも折りたたみ型ディスプレイの表面に位置している上記第1又は第2に記載の折りたたみ型ディスプレイ。
4. 前記の少なくとも片面上にハードコート層を有するポリエステルフィルムの全光線透過率が85%以上、ヘイズが3%以下である上記第3に記載の折りたたみ型ディスプレイ。
5. 折りたたみ型ディスプレイの折りたたみ部を介して連続した単一の表面保護フィルムが配されている上記第1~第4のいずれかに記載の折りたたみ型ディスプレイ。
6. 前記位相差板が、1/4λ板である上記第1~第5のいずれかに記載の折りたたみ型ディスプレイ。
7. 上記第6に記載の折りたたみ型ディスプレイを有する携帯端末機器。
本発明の折りたたみ型ディスプレイは、量産性を維持しながら、その表面保護フィルムが、折りたたみ部にクラックが発生することがなく、繰り返し折りたたんだ後の変形を起こさず、ディスプレイの折りたたみ部分での画像の乱れを生じないものである。前記のような表面保護フィルムを用いた折りたたみ型ディスプレイを搭載した携帯端末機器は、美しい画像を提供し、機能性に富み、携帯性等の利便性に優れたものである。
本発明における折りたたみ型ディスプレイを折りたたんだ際の屈曲半径を示すための模式図である。 本発明における折りたたみ型ディスプレイの表面保護フィルム用ポリエステルフィルムの屈曲方向を示すための模式図である。
(ディスプレイ)
本発明で言うディスプレイとは、表示装置を全般に指すものであり、ディスプレイの種類としては、LCD、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、LED、FEDなどあるが、折曲げ可能な構造を有するLCDや、有機EL、無機ELが好ましい。特に層構成を少なくすることができる有機EL、無機ELが特に好ましく、色域の広い有機ELがさらに好ましい。
(折りたたみ型ディスプレイ)
折りたたみ型ディスプレイは、連続した1枚のディスプレイが、携帯時は2つ折りなどに折りたたむことができるものである。折りたたむことでサイズを半減させ、携帯性を向上させることができる。折りたたみ型ディスプレイの屈曲半径は5mm以下が好ましく、3mm以下がさらに好ましい。屈曲半径が5mm以下であれば、折りたたんだ状態での薄型化が可能となる。屈曲半径は小さいほど良いと言えるが、屈曲半径が小さいほど折り跡がつきやすくなる。屈曲半径は0.1mm以上が好ましいが、0.5mm以上であってもよく、1mm以上であってもよい。屈曲半径が1mmであっても、携帯時には実用的に十分な薄型化を達成することができる。折りたたんだ際の屈曲半径とは、図1の模式図の符号11の箇所を測定するもので、折りたたんだ際の折りたたみ部分の内側の半径を意味している。なお、後述する表面保護フィルムは、折りたたみ型ディスプレイの折りたたんだ外側に位置していてもよいし、内側に位置していてもよい。
また、折りたたみ型ディスプレイは3つ折り、4つ折りであってもよく、さらに、ローラブルといわれる巻き取り型であってもよく、これらいずれも本発明でいう折りたたみ型ディスプレイの範囲に入るものとする。
本発明で用いられる折りたたみディスプレイ用ポリエステルフィルム及びその少なくとも片面上にハードコート層を有するハードコートフィルムは、折りたたみ型ディスプレイの構成部材であればどのような部分に用いられてもよい。以下に、有機ELディスプレイを例として、折りたたみディスプレイの代表的構成と本発明におけるポリエステルフィルムや前記ハードコートフィルムが用いられうる部分を説明する。なお、以下、前記のディスプレイ用ハードコートフィルムを単に本発明におけるハードコートフィルムという場合がある。
(折りたたみ型有機ELディスプレイ)
折りたたみ型有機ELディスプレイの必須構成としては、有機ELモジュールであるが、さらに必要に応じて、円偏光板、タッチパネルモジュール、表面保護フィルム、裏面保護フィルムなどが設けられる。
(有機ELモジュール)
有機ELモジュールの一般的な構成は、電極/電子輸送層/発光層/ホール輸送層/透明電極からなる。
本発明の折りたたみ型ディスプレイは、表面保護フィルムが設けられている。表面保護フィルムは、ディスプレイに上部から衝撃が加わった場合に、有機ELモジュールやタッチパネルモジュールの回路が断線することを防止する役割を有する。表面保護フィルムはディスプレイの最表面に組み込まれたカバーウインドウと呼ばれるものや、使用者自身で貼り合わせ、剥離ができ、交換可能なアフターと呼ばれるものがあるが、本発明におけるポリエステルフィルムやハードコートフィルムは、この両者として好適に用いられることができる。これらの表面保護フィルムに用いられるポリエステルフィルムは、厚みが10~80μmであり下記特性(1)~(4)を満足するものであることが好ましい。
(1)屈曲方向の屈折率が1.590~1.620
(2)折りたたみ部の方向の屈折率が1.670~1.700
(3)厚み方向の屈折率が1.520以下
(4)密度が1.380g/cm以上
(ここで、屈曲方向とは、ポリエステルフィルムを折りたたむ際の折りたたみ部と直交する方向をいう。)
なお、本発明の折りたたみ型ディスプレイは、カバーウインドウおよびアフターの両方の表面保護フィルムが用いられている必要はなく、少なくとも一方のみの表面保護フィルムを有するものであってもよい。また、上記の特定の特性を有するポリエステルフィルムはカバーウインドウおよびアフターの表面保護フィルムの少なくとも一方に用いられていればよく、両方の表面保護フィルムに用いられていることが好ましい。
表面保護フィルムに用いられるポリエステルフィルムは、1種類以上のポリエステル樹脂からなる単層構成のフィルムでもよいし、2種類以上のポリエステルを使用する場合、多層構造フィルムでも良いし、繰り返し構造の超多層積層フィルムでもよい。
ポリエステルフィルムに使用されるポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、またはこれらの樹脂の構成成分を主成分とする共重合体からなるポリエステルフィルムが挙げられる。なかでも、力学的性質、耐熱性、透明性、価格などの点から、延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
ポリエステルフィルムにポリエステルの共重合体を用いる場合、ポリエステルのジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能カルボン酸が挙げられる。また、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪酸グリコール;p-キシレングリコールなどの芳香族グリコール;1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール;平均分子量が150~20,000のポリエチレングリコールが挙げられる。好ましい共重合体の共重合成分の質量比率は20質量%未満である。20質量%未満の場合には、フィルム強度、透明性、耐熱性が保持されて好ましい。
また、ポリエステルフィルムの製造において、少なくとも1種類以上の樹脂ペレットの極限粘度は、0.50~1.0dl/gの範囲が好ましい。極限粘度が0.50dl/g以上であると、得られたフィルムの耐衝撃性が向上し、外部衝撃によるディスプレイ内部回路の断線が発生しづらく好ましい。一方、極限粘度が1.00dl/g以下であると、溶融流体の濾圧上昇が大きくなり過ぎることなく、フィルム製造を安定的に操業し易く好ましい。
ポリエステルフィルムの厚みは、10~80μmであることが好ましく、25~75μmであることがさらに好ましい。厚みが10μm以上であると鉛筆硬度向上効果と耐衝撃性向上効果が見られ、厚みが80μm以下であると軽量化に有利である他、可撓性、加工性やハンドリング性などに優れる。
ポリエステルフィルムの表面は、平滑であっても凹凸を有していても良いが、ディスプレイの表面カバー用途に用いられることから、凹凸由来の光学特性低下は好ましくない。ヘイズとしては、3%以下が好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が最も好ましい。ヘイズが3%以下であれば、画像の視認性を向上させることができる。ヘイズの下限は小さいほどよいが、安定した生産の面からは0.1%以上が好ましく、0.3%以上であってもよい。
前記のようにヘイズを低下させる目的からはあまりフィルム表面の凹凸は大きくない方がよいが、ハンドリング製の観点から程度な滑り性を与えるために、凹凸を形成する方法としては、表層のポリエステル樹脂層に粒子を配合したり、粒子入りのコート層を製膜途中でコーティングすることで形成することができる。
ポリエステル樹脂層に粒子を配合する方法としては、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、またはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階で、エチレングリコールなどに分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行うことができる。
なかでも、ポリエステル原料の一部となるモノマー液中に凝集体無機粒子を均質分散させた後、濾過したものを、エステル化反応前、エステル化反応中またはエステル化反応後のポリエステル原料の残部に添加する方法が好ましい。この方法によると、モノマー液が低粘度であるので、粒子の均質分散やスラリーの高精度な濾過が容易に行えると共に、原料の残部に添加する際に、粒子の分散性が良好で、新たな凝集体も発生しにくい。かかる観点より、特に、エステル化反応前の低温状態の原料の残部に添加することが好ましい。
また、予め粒子を含有するポリエステルを得た後、そのペレットと粒子を含有しないペレットとを混練押出しなどする方法(マスターバッチ法)により、さらにフィルム表面の突起数を少なくすることができる。
また、ポリエステルフィルムは、全光線透過率の好ましい範囲を維持する範囲内で、各種の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤が挙げられる。
ポリエステルフィルムの全光線透過率は、85%以上が好ましく、87%以上がさらに好ましい。85%以上の透過率があれば、視認性を十分に確保することができる。ポリエステルフィルムの全光線透過率は高いほどよいと言えるが、安定した生産の面からは99%以下が好ましく、97%以下であってもよい。
ポリエステルフィルムの150℃30分熱処理後の最大熱収縮率は、6%以下が好ましく、5%以下がさらに好ましい。6%以下の熱収縮率あれば、HC加工時のカールやうねりといった平面不良を抑制することができる。熱収縮率は低いほどよいと言えるが、-1%以上であることが好ましく、0%以上であることが好ましい。ここでのマイナスは加熱後に膨張したことを意味し、-1%を下回る場合も平面不良となる場合がある。
本発明で用いられるポリエステルフィルムは、ハードコート層を設けた時に、ハードコート層に十分な鉛筆硬度を与えることができる。従来のポリエステルフィルムが、ハードコート層を積層した後、ハードコートフィルムの鉛筆硬度の鉛筆硬度評価において、フィルムが厚み方向に変形してしまうことが原因で鉛筆硬度が低下してしまっていたと考えられる。本発明においては、後述のダイナミック超微小硬度計によるフィルム厚み方向の試験力除荷後の押し込み深さを特定の範囲にすることにより、ハードコートフィルムの鉛筆硬度評価において、高い硬度を達成することができる。フィルム厚み方向の試験力除荷後の押し込み深さは1.5μm以下であることが好ましく、1.4μm以下であることがより好ましく、1.3μm以下であることが更に好ましい。試験力除荷後の押し込み深さ(負荷をかけた最終的な変形量)が1.5μm以下であると、ハードコート層を積層後のハードコートフィルムの鉛筆硬度評価において、フィルムが厚み方向に変形しづらく鉛筆硬度を高くすることができる。ハードコートフィルムの鉛筆硬度を高くすることができると、ディスプレイ表面に傷、凹みが発生しづらくなり、ディスプレイの視認性が向上する。試験力除荷後の押し込み深さは低いほど良いと言えるが、安定した生産や効果が飽和してくるという点で、0.3μm以上が好ましく、さらには、0.5μm以上が好ましい。
試験力除荷後の押し込み深さを低減するためには、厚み方向の屈折率を1.520以下に調節することが効果的である。屈折率を1.520以下にする手段としては、後述するが他の物性、屈曲方向や折りたたみ方向の屈折率を好ましい範囲に制御できる範囲内で、屈曲方向や折りたたみ方向の延伸倍率を高く調節することや、屈曲方向や折りたたみ方向の延伸温度を低く設定すること、熱固定温度を高く設定することなどの条件設定を例示できる。
ポリエステルフィルムの屈曲方向の弾性率は2.7GPa以下が好ましく、2.5GPa以下であることがより好ましく、2.3GPa以下であることが更に好ましい。屈曲方向の弾性率を低減することで、ハードコートフィルム屈曲時にハードコート層へかかる応力を低減することができる。屈曲方向の弾性率は低いほど屈曲性が良くなると言えるが、ディスプレイ表面の平面性が損なわれるため1.8GPa以上が好ましい。折りたたみ方向の弾性率は4.5GPa以上が好ましく、4.6GPa以上であることがより好ましく、4.7GPa以上であることが更に好ましい。折りたたみ方向の弾性率を高くすることで、ディスプレイ作成時にディスプレイ表面の平面性を保つことができる。折りたたみ方向の弾性率は高い程好ましいが、製膜性の観点から8.0GPa以下が好ましい。
本発明におけるハードコートフィルムの非ハードコート面に粘着剤やハードコート層との密着性を向上させるための表面処理を行うことができる。
表面処理による方法としては、例えば、サンドブラスト処理、溶剤処理等による凹凸化処理や、コロナ放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理等の酸化処理等が挙げられ、特に限定なく使用できる。
また、易接着層などの接着性向上層により、密着性を向上させることもできる。易接着層としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂など特に限定なく使用でき、一般的なコーティング手法、好ましくはいわゆるインラインコート処方により形成できる。
上述のポリエステルフィルムは、例えば、ポリエステル原料の一部となるモノマー液中に無機粒子を均質分散させて濾過した後、ポリエステル原料の残部に添加してポリエステルの重合を行う重合工程と、そのポリエステルをフィルターを介してシート状に溶融押し出し、これを冷却後、延伸して、基材フィルムを形成するフィルム形成工程を経て、製造することができる。
次に、ポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記す場合がある)のペレットを基材フィルムの原料とした例について詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。また、単層構成、多層構成など層数を限定するものではない。
PETのペレットを所定の割合で混合、乾燥した後、公知の溶融積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押し出し、キャスティングロール上で冷却固化させて、未延伸フィルムを形成する。単層の場合は1台の押し出し機でよいが、多層構成のフィルムを製造する場合には、2台以上の押出機、2層以上のマニホールドまたは合流ブロック(例えば、角型合流部を有する合流ブロック)を用いて、各最外層を構成する複数のフィルム層を積層し、口金から2層以上のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを形成することができる。
この場合、溶融押出しの際、溶融樹脂が約280℃程度に保たれた任意の場所で、樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行うことが好ましい。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は、特に限定されないが、ステンレス焼結体の濾材は、Si、Ti、Sb、Ge、Cuを主成分とする凝集物および高融点有機物の除去性能に優れるため好ましい。
さらに、濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は、20μm以下が好ましく、特に15μm以下が好ましい。濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μmを超えると、20μm以上の大きさの異物が十分除去できない。濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が20μm以下の濾材を用いて溶融樹脂の高精度濾過を行うことにより、生産性が低下する場合があるが、粗大粒子による突起の少ないフィルムを得る上で好ましい。
(屈曲方向の屈折率について)
本発明において、ポリエステルフィルムの長手方向(機械流れ方向)及び幅方向の少なくともいずれか一方向の屈折率は1.590~1.620であることが好ましく、更に好ましくは、1.591~1.600である。そして、ポリエステルフィルムの屈曲方向の屈折率が1.590~1.620であることが好ましく、1.591~1.600であることがより好ましい。ここで、屈曲方向とは、図2のポリエステルフィルム(符号2)上の符号22に示すように、折りたたみ型ディスプレイの用途において想定される折りたたみ部(符号21)と直交する方向を指している。長手方向及び幅方向の少なくともいずれか一方向の屈折率が1.590~1.620であると、繰り返し折りたたんだ際の変形が少なく、折りたたみ型ディスプレイの画質を低下させるおそれがなく好ましい。屈折率は1.591~1.600であることがより好ましい。もちろん、その方向は前記の屈曲方向であることが好ましい。1.590以上であると後述の屈曲試験後に折りたたみ部方向にクラックが入るおそれがなく、もちろん破断も起こらないため、ディスプレイの視認性を良好に保つことができる。ポリエステルフィルムの屈折率は、延伸倍率、延伸温度を調節することで効果的に調節することができる。また、屈折率の調整のために延伸方向の緩和工程、多段延伸を用いても良い。多段延伸を行う場合には、1段目の延伸倍率よりも2段目以降の延伸倍率を高くすることが好ましい。
ポリエステルフィルムの長手方向(機械流れ方向)及び幅方向の少なくともいずれか一方向の屈折率を上記範囲で制御すること、より好ましくは、屈曲方向の屈折率を上記範囲で制御することで、折りたたみ時に折りたたみの内側にかかる圧縮応力による疲労を低減することができる。圧縮応力による疲労は主に結晶部において起こると考えられており、屈曲方向に結晶が少ないほうが疲労しにくい。したがって、屈折率を下げることにより屈曲方向の配向結晶量が低減され、圧縮疲労を抑制されていると考えられる。
また、折りたたみ時に折りたたみの外側にかかる引張応力によって生じるクリープ現象を屈折率の低減で抑えることができる。引張応力による疲労は主に非晶部において起こると考えられており、繰り返しかかる応力による分子鎖の引き揃えが発生し変形が生じる。屈曲方向に並んでいる分子鎖が少ないほうが引き揃えによる変形が少ないと推測できる。また、非晶部が少ない方が引張による疲労は抑制できるため、結晶化度すなわち密度が高い方が好ましい。
本発明においては、未延伸ポリエステルシートを長手方向(機械流れ方向)及び幅方向の少なくともいずれか一方向の延伸倍率を1.2~2.0倍とすることが好ましく、1.7~2.0倍がさらに好ましい。そして、当該延伸方向は前記の屈曲方向であることが好ましい。延伸倍率が1.2倍以上であるとハードコート塗工時などの後加工での変形が無いため好ましく、延伸倍率が2.0倍以下であるとフィルムの厚みムラが生じないため好ましい。延伸温度としては、75~120℃が好ましく、75~105℃が更に好ましい。なお延伸時の加熱方法は、熱風加熱方式、ロール加熱方式、赤外加熱方式など従来公知の手段を採用することができる。延伸温度を75~120℃にすることで、上記延伸倍率での延伸による大きな厚みムラを防ぐことができる。また、前記のように大きな厚みムラを生じない範囲でなるべく低温で延伸することで、厚み方向の屈折率を低下させることができる。
(折りたたみ部の方向の屈折率について)
上記のポリエステルフィルムの屈折率が1.590~1.620である方向と直交する方向の屈折率は、1.670~1.700であることが好ましい。即ち、屈曲方向と直交する方向(折りたたみ部の方向)の屈折率が1.670~1.700であることが好ましい。1.670~1.700にすることで屈曲方向に折りたたんだ際の変形を少なくすることができる。1.700以下にすることで折りたたみ部の方向にクラックが入ったり、破断することを抑制することができる。1.670以上にすることで屈曲方向の屈曲性を向上させること、表面硬度を向上させることができる。1.680~1.695がより好ましい。屈曲方向と直交する方向の屈折率を調整する方法として、延伸倍率、延伸予熱温度、延伸温度、多段延伸、フィルム弛緩が挙げられる。延伸倍率は4.0~6.0倍であることが好ましく、より好ましくは、4.4~6.0である。また、屈曲方向と直交する方向の延伸予熱温度は70~110℃であることが好ましい。屈曲方向と直交する方向に多段延伸する場合、1段目より2段目以降の延伸倍率を高くする方が好ましい。フィルム弛緩は機械流れ方向(長手方向)、垂直方向(幅方向)に何れにおいても1~10%行っても良い。
(厚みの方向の屈折率について)
厚み方向の屈折率は1.520以下であることが好ましい。1.520以下にすることで、屈曲方向の屈折率を低く設計しても、フィルム表面の硬度の低下を抑制することができ、屈曲性と表面硬度の両立を実現することができるためである。1.520以下にすることで厚み方向の試験力除荷後の押し込み深さが低減し、フィルム表面の硬度、特にハードコート層積層後のハードコートフィルムの鉛筆硬度を向上することができる。より好ましくは1.515以下、更に好ましくは1.510以下、特に好ましくは1.505以下、最も好ましくは1.500以下である。厚み方向の屈折率は低いことが好ましいが、安定した生産の面で1.3以上が好ましく、さらには1.4以上であってもよい。特に好ましくは1.410以上である。上記範囲は屈曲方向と折りたたみ方向に延伸倍率を両方に増加させていくことで達成できると言えるが、屈曲方向と幅方向の屈折率を好ましい範囲に制御した上で、厚み方向の屈折率を制御するためには、製膜工程の各工程条件のバランスを確認しながら条件設定することが好ましい。
厚み方向の屈折率を前記範囲に制御する方法は、屈曲方向の延伸予熱温度、延伸温度、延伸倍率、折りたたみ部の方向の延伸予熱温度、延伸温度、多段延伸、高倍率延伸、または熱固定の温度設定がある。屈曲方向の延伸予熱温度は70℃~110℃が好ましい。屈曲方向の延伸温度は75~120℃が好ましい。屈曲方向の延伸倍率は1.2~2.0倍が好ましく、更に好ましくは1.7~2.0倍である。延伸温度を低くし、低延伸倍率で延伸することで屈曲方向の屈曲性を維持したまま、厚み方向の屈折率を効果的に下げることができる。折りたたみ部方向の延伸予熱温度も75℃~110℃が好ましい。延伸温度は75~120℃が好ましい。折りたたみ部の延伸倍率は4.0~6.0倍が好ましく、4.4~6.0倍がより好ましい。屈曲方向の屈折率を維持または低減しながら、厚み方向の屈折率を効果的に低減することができる。高倍率延伸する方法として、多段延伸を用いても良い。その場合には、1段目の延伸倍率より、2段目の延伸倍率を高くすることが効果的に屈折率を制御でき好ましい。また、結晶化工程後に再度延伸する方式を用いても良い。延伸初期から後半にかけて延伸速度を早くする加速延伸を用いても良い。
熱固定温度は180~240℃が好ましい。熱固定を行うことで延伸方向への配向結晶化が進み、厚み方向の屈折率を下げることができる。
厚み方向の屈折率を下げることでフィルム表面の硬度が向上する理由は必ずしも明確ではないが、分子鎖内のベンゼン環等の芳香族が面方向に配向し、厚み方向にかかる応力による変形を抑制する効果があると考えられる。
(ポリエステルフィルムの密度について)
ポリエステルフィルムの密度は1.380g/cm以上であることが好ましい。1.383g/cm以上であることがより好ましい。1.380g/cm以上にすることで屈曲性を向上させること、フィルム表面硬度、特に、ハードコート層を積層した後のハードコートフィルムの鉛筆硬度を向上させることができる。密度は高いほど好ましく、フィルム中の粒子の有無等によっても多少左右されるが、1.40g/cm以下であることが好ましい。製膜時の熱固定温度を180~240℃に設定することで結晶化を進行させ密度を効果的に増大させることができる。
ポリエステルフィルムの屈曲方向は、長手方向(機械流れ方向)に対応させることが好ましい。こうすることで、2軸延伸目で屈曲方向の屈折率を下げやすく屈曲性を向上させやすい。即ち、未延伸ポリエステルシートを長手方向に1.2~2.0倍、より好ましくは1.7~2.0倍の延伸倍率で延伸することが好ましいポリエステルフィルムを得られる。そして、幅方向には、4.0~6.0倍、より好ましくは4.4~6.0倍の延伸倍率で延伸することが好ましい態様であると言える。
また、本発明においては、ポリエステルフィルムに
(1)屈曲方向の屈折率が1.590~1.620
(2)折りたたみ部の方向の屈折率が1.670~1.700
(3)厚み方向の屈折率が1.520以下
(4)密度が1.380g/cm以上
の4つの特性を同時に具備させることが特に好ましい態様と言えるが、上述の好ましい製造条件の範囲内での組合せであっても、例えば、屈曲方向の延伸倍率が1.4倍以下、折りたたみ部の方向の延伸倍率が4.4倍未満であり、かつ、熱固定温度が220℃以下の組合せであるような、各々の好ましい製造条件範囲の中において最善とは言えない条件の組合せの場合、必ずしも上記の4つの特性を同時に満足するものが得られない場合が起こり得る。この場合には、屈曲方向の延伸倍率延伸倍率を1.7倍以上に高めたり、折りたたみ部の方向の延伸倍率が4.4倍以上に高めたり、熱固定温度を230℃程度に高めたり、あるいは屈曲方向及び/又は折りたたみ部の方向の延伸温度を低くするなど、いずれかの条件の微調整またはそれらの組合せによって、上記の4つの特性を同時に満足させることができる。
製膜性やフィルム強度や熱寸法安定や外観不良などを調整するために、延伸、緩和、熱固定、表面処理など何れの製膜方式を取っても良いが、フィルムの屈折率と密度を上記の好ましい範囲に制御することが本発明において特に好ましい態様と言える。屈折率と密度を好ましい範囲に制御することで、従来フィルムより優れた耐屈曲性と表面硬度、特にハードコート層を積層した後のハードコートフィルムの高い鉛筆硬度が得られる、折りたたみ型ディスプレイに適したポリエステルフィルムを提供することができる。
具体的には、例えば、PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化させて、未延伸PETシートを形成する。得られた未延伸シートを75~120℃に加熱したロールで長手方向に1.2~2.0倍、より好ましくは1.7~2.0倍に延伸して、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィルムの端部をクリップで把持して、75~120℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥後、幅方向に4.0~6.0倍、より好ましくは4.4~6.0倍に延伸する。引き続き、180~240℃の熱処理ゾーンに導き、1~60秒間の熱処理を行うことができる。この熱処理工程中で、必要に応じて、幅方向または長手方向に0~10%の弛緩処理を施してもよい。
ポリエステルフィルムの極限粘度は、0.50~1.0dl/gの範囲が好ましい。極限粘度が0.50dl/g以上であると、耐衝撃性が向上し、外部衝撃によるディスプレイ内部回路の断線が発生しづらく好ましい。一方、極限粘度が1.00dl/g以下であると、溶融流体の濾圧上昇が大きくなり過ぎることなく、フィルム製造が安定し好ましい。
(易接着層)
本発明において、ポリエステルフィルムとハードコート層などとの接着性を向上させるため、ポリエステルフィルムに易接着層を積層することも好ましい。易接着層は、易接着層形成のための塗布液を未延伸又は縦方向の1軸延伸フィルムの片面または両面に塗布した後、必要に応じて熱処理乾燥し、さらに延伸されていない少なくとも一方向に延伸して得ることができる。二軸延伸後にも熱処理することができる。最終的な易接着層の塗布量は、0.005~0.20g/mに管理することが好ましい。塗布量が0.005g/m以上であると、接着性が得られて好ましい。一方、塗布量が0.20g/m以下であると、耐ブロッキング性が得られて好ましい。
易接着層の積層に用いられる塗布液に含有させる樹脂としては、例えばポリエステル系樹脂、ポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等、特に限定なく使用できる。易接着層形成用塗布液に含有させる架橋剤としては、メラミン化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物などが挙げられる。それぞれ2種以上を混合して使用することもできる。これらはインラインコートの性質上、水系塗布液によって塗工されることが好ましく、前記の樹脂や架橋剤は水溶性又は水分散性の樹脂や化合物であることが好ましい。
易接着層には易滑性を付与するために粒子を添加することが好ましい。微粒子の平均粒径は2μm以下であることが好ましい。粒子の平均粒径が2μmを超えると、粒子が易接着層から脱落しやすくなる。易接着層に含有させる粒子としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン、クレー、リン酸カルシウム、雲母、ヘクトライト、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、フッ化カルシウム等の無機粒子や、スチレン系、アクリル系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、シリコーン系等の有機ポリマー系粒子等が挙げられる。これらは、単独で易接着層に添加されてもよく、2種以上を組合せて添加することもできる。
また、塗布液を塗布する方法としては、上記の塗布層と同様に公知の方法を用いることができる。例えば、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーコート法、パイプドクター法、などが挙げられ、これらの方法を単独であるいは組み合わせて行うことができる。
(ハードコート層)
ポリエステルフィルムは、その少なくとも片面上にハードコート層を有していることが好ましい。ハードコート層は、ポリエステルフィルム上のディスプレイ表面側に位置させてディスプレイにおいて用いられることが好ましい。カールを抑制するためにハードコート層は両面に設けても良い。ハードコート層を形成する樹脂としては、アクリル系、シロキサン系、無機ハイブリッド系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシ系など特に限定なく使用できる。また、2種類以上の材料を混合して用いることもできるし、無機フィラーや有機フィラーなどの粒子を添加することもできる。
(ハードコート層の膜厚)
ハードコート層の膜厚としては、1~50μmが好ましい。1μm以上であると十分に硬化し、鉛筆硬度が高くなり好ましい。また厚みを50μm以下にすることで、ハードコートの硬化収縮によるカールを抑制し、フィルムのハンドリング性を向上させることができる。
(塗布方法)
ハードコート層の塗布方法としては、マイヤーバー、グラビアコーター、ダイコーター、ナイフコーターなど特に限定なく使用でき、粘度、膜厚に応じて適宜選択できる。
(硬化条件)
ハードコート層の硬化方法としては、紫外線、電子線などのエネルギー線や、熱による硬化方法など使用でき、フィルムへのダメージを軽減させるために、紫外線や電子線などによる硬化方法が好ましい。
(鉛筆硬度)
ハードコート層の鉛筆硬度としては、3H以上が好ましく、4H以上が更に好ましい。3H以上の鉛筆硬度があれば、容易に傷がつくことはなく、視認性を低下させない。一般にハードコート層の鉛筆硬度は高い方が好ましいが9H以下で構わず、8H以下でも構わず、6H以下でも実用上は問題なく使用できる。
(ハードコート層の特性)
本発明におけるハードコート層は、上述のような表面の鉛筆硬度を高めてディスプレイの保護をする目的に使用できるものであり、透過率が高いことが好ましい。ハードコートフィルムの透過率としては、85%以上が好ましく、88%以上がさらに好ましい。透過率が87%以上あれば、十分な視認性が得られる。ハードコートフィルムの全光線透過率は、一般的に高いほど好ましいが、安定した生産の面から99%以下が好ましく、97%以下であってもよい。また、ハードコートフィルムのヘイズは、一般的に低いことが好ましく、3%以下が好ましい。ハードコートフィルムのヘイズは2%以下がより好ましく、1%以下が最も好ましい。ヘイズが3%以下であれば、画像の視認性を向上させることができる。ヘイズは一般的には低いほどよいが、安定した生産の面から0.1%以上が好ましく、0.3%以上であってもよい。
ハードコート層には、さらに、他の機能が付加されたものであってもよい。例えば、上記のような一定の鉛筆硬度を有する防眩層、防眩性反射防止層、反射防止層、低反射層、擦傷防止層、および帯電防止層などの機能性が付加されたハードコート層も本発明おいては好ましく適用される。
本発明の折りたたみ型ディスプレイでは上記のようなポリエステルフィルムを表面保護フィルムとして用いることが好ましい。この場合、ハードコート層は視認側に配置されることが好ましい。
(偏光子)
本発明の折りたたみ型ディスプレイは偏光子を有する。液晶ディスプレイでは、液晶セルの両側に偏光子が設けられ、ELディスプレイ等では内部構造からの反射光を低減するための円偏光素子(偏光子と1/4λ層との積層体)が用いられることが好ましい。
偏光子は、偏光子と偏光子を保護するための偏光子保護フィルムの積層構成である偏光板として用いられることが、折りたたみ型ディスプレイ製造時の取り扱いの面で好ましい形態の一つである。
なお、本明細書において、偏光子および位相差層(偏光子保護フィルムや偏光子保護コートを有する場合はこれらも含めて)を一体物として偏光素子という場合がある。
本発明に用いることができる偏光子(偏光膜ともいう)ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂からなる配向フィルムにヨウ素などの二色性色素を吸着させたものを用いることができる。
偏光子の製造方法としては、代表的には、PVA系樹脂の単層体を染色する工程と延伸する工程を含む製法(単層延伸法)がある。また、延伸用樹脂基材に塗工等によりPVA系樹脂層を設け、この積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法(基材積層延伸法)が挙げられる。この製法であれば、PVA系樹脂層が薄くても、延伸用樹脂基材に支持されていることにより延伸による破断などの不具合なく延伸することが可能となり、より好ましい。
基材積層延伸法では、高倍率に延伸できて偏光性能を向上させることのできる点で、ホウ酸水溶液中で延伸する工程を含む製法が好ましく、ホウ酸水溶液中で延伸する前に空中補助延伸を行う工程を含む製法が好ましい。さらに、PVA系樹脂層と延伸用樹脂基材を積層体の状態で延伸した後に、PVA系樹脂層を過剰に染色し、その後脱色する製法も好ましい。これらの技術は、国際公開第2010/100917号公報、特開2012-0
73563号公報、特開2012-073563号公報、特開2011-2816号公報を参考にすることができる。これらの方法で作成された偏光子を本発明では好ましく用いることができる。
基材性層延伸法で得られた偏光子は、偏光子保護フィルムや位相差フィルムに転写して設けることが好ましい。また、偏光子保護フィルムを用いずにさらに薄型にする場合には、画像表示セルやタッチパネル、表面保護フィルムに転写して設けることも好ましい。
偏光子の厚さは、好ましくは12μm以下であり、より好ましくは9μm以下であり、更に好ましくは1~8μmであり、特に好ましくは3~6μmである。前記範囲内であれば、屈曲を阻害することなく、好ましい態様となる。
また、液晶化合物を用いた偏光子(液晶偏光子)も薄型の偏光子である点、偏光子の吸収軸方向を任意の方向に設けられる点で好ましく用いることができる。
液晶化合物を用いた偏光子は偏光子保護フィルムなどのフィルムに、重合性液晶化合物と有機系の二色性色素を配向させたものや液晶性の二色性色素を含有するコート液を塗工後、乾燥、配向、光または熱硬化させて偏光子とすることができる。液晶偏光子を配向させる方法としては、コート液を塗工するフィルムの表面をラビング処理する方法、コート液を塗工後に偏光の紫外線を照射して液晶化合物を配向させながら硬化させる方法が挙げられる。
好ましい重合性液晶化合物の具体例として、例えば、特開2002-308832号公報、特開2007-16207号公報、特開2015-163596号公報、特表2007-510946号公報、特開2013-114131号公報、WO2005/045485号公報、Lub et al. Recl.Trav.Chim.Pays-Bas,115, 321-328(1996)等に記載のものが挙げられる。
好ましい二色性色素としては、特開2007-126628号公報、特開2010-168570号公報、特開2013-101328号公報、特開2013-210624号公報等に記載の色素が挙げられる。
また、液晶偏光子を設ける前に、配向制御層を設けることも好ましい方法である。
配向制御層としては、
・ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリイミドおよびその誘導体、アクリル樹脂、ポリシロキサン誘導体などを塗工しその表面をラビング処理して配向層(ラビング配向制御層)とする方法、
・シンナモイル基及びカルコン基等の光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む塗工液を基材フィルムに塗布し、偏光紫外線を照射することによって配向硬化させ配向層(光配向制御層)とする方法、
等が挙げられる。
具体的な光配向制御層として、例えば、特開2006-285197号公報、特開2007-76839号公報、特開2007-138138号公報、特開2007-94071号公報、特開2007-121721号公報、特開2007-140465号公報、特開2007-156439号公報、特開2007-133184号公報、特開2009-109831号公報、特開2002-229039号公報、特開2002-265541号公報、特開2002-317013号公報、特表2003-520878号公報、特表2004-529220号公報、特開2013-33248号公報、特開2015-7702号公報、特開2015-129210号公報等に記載の配向制御層が挙げられる。
液晶偏光子は偏光子保護フィルムや位相差フィルム等に塗工して設けることが好ましだけでなく、離型性基材に上記の方法に準じて液晶偏光子を設け、これを転写して設けてもよい。また、偏光子保護フィルムを用いずにさらに薄型にする場合には、画像表示セルやタッチパネル、表面保護フィルムに転写して設けることも好ましい。
これら液晶偏光子の厚みとしては、0.1~7μmが好ましく、さらには0.3~5μmが好ましく、特には0.5~3μmが好ましい。
(位相差層)
本発明の折りたたみ型ディスプレイは偏光子と画像表示セルとの間に位相差層(位相差フィルムともいう)を有していることが好ましい。位相差層は、画像表示セルが液晶セルである場合には、斜めからの光では、セルの液晶化合物による斜めからの光の位相差のずれを補正して色ズレを低減させる光学補償の役割を持つ。
また、画像表示セルがELセル等の場合であれば、円偏光板の1/4λ層としての役割を持つ。
位相差層は、高分子フィルムを延伸させて得られるもの(位相差フィルム)や液晶化合物を配向、固定化させたもの(液晶位相差層)を単層または組み合わせた複数層の位相差層として用いることができる。
高分子フィルムを延伸することによって配向させて作製される位相差層としては、ポリシクロオレフィン(COP)フィルムやポリカーボネート(PC)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、アクリル樹脂(Ac)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどが挙げられる。
上記高分子フィルムを延伸する方法としては、目的に応じて、任意の適切な延伸方法が採用され得る。本発明に適した上記延伸方法としては、例えば、縦一軸延伸、横一軸延伸、縦横同時二軸延伸、縦横逐次二軸延伸等が挙げられる。延伸する手段としては、ロール延伸機、テンター延伸機等々の、任意の適切な延伸機が用いられ得る。延伸においては高分子フィルムを樹脂のガラス転移温度以上融点以下、好ましくは、ガラス転移温度+10~80℃の範囲に加熱して行われることが好ましい。延伸開始前に高分子フィルムが延伸可能な温度となるよう予備加熱を行うことが好ましく、また、延伸工程において温度は連続的に変化させてもよい。工程は1回でも2回以上に分割してもいい。延伸方向はフィルム幅方向(TD方向)や斜め方向に延伸するのがよい。
斜め延伸は、未延伸樹脂フィルムを長手方向に送出しつつ、幅方向に対して前記特定の範囲の角度をなす方向に延伸する斜め延伸処理を連続的に行う。これにより、フィルムの幅方向と遅相軸とがなす角度(配向角θ)が前記特定の範囲となる長尺位相差膜を得ることができる。
位相差層は液晶化合物からなる位相差層(液晶位相差層)であることも好ましい。
液晶化合物としては、例えば、棒状の液晶化合物、ポリマー状の液晶化合物、反応性の官能基を有する液晶化合物等が挙げられる。
液晶化合物としては、配向状態を固定できるという面で、二重結合などの重合性基を持つ重合性液晶化合物であることが好ましい。また、液晶化合物としては、棒状液晶化合物、ディスコティック液晶化合物などを使用することができる。
棒状液晶化合物の例としては、特開2002-030042号公報、特開2004-204190号公報、特開2005-263789号公報、特開2007-119415号公報、特開2007-186430号公報、及び特開平11-513360号公報に記載された重合性基を有する棒状液晶化合物が挙げられる。
具体的な棒状液晶化合物としては、
CH=CHCOO-(CH-O-Ph1-COO-Ph2-OCO-Ph1-O-(CH-OCO-CH=CH
CH=CHCOO-(CH-O-Ph1-COO-NPh-OCO-Ph1-O-(CH-OCO-CH=CH
CH=CHCOO-(CH-O-Ph1-COO-Ph2-OCH
CH=CHCOO-(CH-O-Ph1-COO-Ph1-Ph1-CHCH(CH)C
(式中、m及びnは2~6の整数であり、Ph1及びPh2は1,4-フェニレン基(Ph2は2位にメチル基が置換されていてもよい)であり、NPhは2,6-ナフチレン基である)が挙げられる。
これらの棒状液晶化合物は、BASF社製からLC242等として市販されており、それらを利用することができる。
これらの棒状液晶化合物は複数種を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ディスコティック液晶化合物としては、ベンゼン誘導体、トルキセン誘導体、シクロヘキサン誘導体、アザクラウン系、フェニルアセチレン系マクロサイクル等が挙げられる。ディスコティック液晶化合物は、特開2001-155866号公報にも様々なものが記載されており、これらが好適に用いられる。
液晶位相差層を設ける方法は、位相差層用組成物(塗料)を偏光子上に塗工する方法であってもよく、離型性基材上の位相差層(位相差層転写用積層体)を偏光子に転写する方法であってもよい。また、COPフィルムやPCフィルム、PPフィルム、Acフィルム、TACフィルムなどのフィルム(基材フィルム)に塗工や転写してもよい。
また、基材積層延伸法で基材上の偏光子に位相差層を設けたり、離型性基材上の液晶偏光子に位相差層を設けたりし、これを基材フィルムに転写してもよい。
位相差層用組成物は、溶剤、重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、重合性非液晶化合物、架橋剤等を含んでもよい。
位相差層の液晶化合物を配向させる方法としては、上述の液層偏光子の配向と同様の方法を採ることができる。すなわち、位相差層用組成物を塗工して偏光紫外線を照射する方法、偏光子や離型性基材や基材フィルムなどをラビング処理する方法、配向制御層を設ける方法などが挙げられる。
位相差層は複数設けてもよい。この場合、1つの離型性基材上に複数の位相差層を有する積層体を用いて、複数の位相差層を転写してもよい。また、1つの離型性基材上に1つの位相差層を有する積層体を複数用いて、位相差層を1つずつ転写してもよい。塗工方法と転写方法を組み合わせてもよい。
また、COPフィルムやPCフィルム、PPフィルム、Acフィルム、TACフィルムなどの位相差フィルムに液晶位相差層を塗工や転写してもよい。
(円偏光素子用1/4λ層)
円偏光板における位相差層は1/4λ層であることが好ましい。以下、1/4λ層について詳しく説明する。
(1/4λ層)
1/4λ層は、偏光子を通過した直線偏光を円偏光に変換し、ELセル内の配線、ガラス基板タッチパネルなどで反射された円偏光を入射した直線偏光とは90度ずれた直線偏光に変換することができる。1/4λ層は単層の1/4λ層であってもよく、1/4λ層と1/2λ層との複合1/4λ層であってもよい。1/4λ層には、Cプレート層などが設けられていてもよい。本明細書において、1/4λ層と言う場合、単層の1/4λ層だけでなく複合1/4λやさらにCプレート層などの位相差層を含む、1/4λの位相差を付与できる層の総称である。
1/4λ層の面内レタデーションは100~180nmが好ましく、さらに好ましくは120~150nmである。1/2λ層の面内レタデーションは200~360nmが好ましく、さらに好ましくは240~300nmである。
(1/4λ層の遅相軸の角度)
単層の1/4λ層を用いる場合、1/4λ層の配向軸(遅相軸)と偏光子の透過軸がなす角度は35~55度が好ましく、より好ましくは40度~50度、さらに好ましくは42~48度である。
1/4λ層と1/2λ層を組み合わせた複合1/4λ層の場合、各位相差層の配向軸(遅相軸)は、両層で1/4λの位相差となるような角度に配置されることが好ましい。具体的には、1/2λ層の配向軸(遅相軸)と偏光子の透過軸がなす角度(θ)は5~20度が好ましく、より好ましくは7度~17度である。1/2λ層の配向軸(遅相軸)と1/4λ層の配向軸(遅相軸)がなす角度は、2θ+45度±10度の範囲が好ましく、より好ましくは2θ+45度±5度の範囲であり、さらに好ましくは2θ+45度±3度の範囲である。
1/4λ層の例としては、特開2008-149577号公報、特開2002-303722号公報、WO2006/100830号公報、特開2015-64418号公報、特開2018-10086号公報等を参考とすることができる。
さらに、斜めから見た場合の着色の変化などを低減するため、1/4λ層の上にCプレート層を設けることも好ましい形態である。
本発明に用いる位相差層の厚さそれぞれの単独で、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、更に好ましくは1~9μmであり、特に好ましくは3~8μmである。また、液晶位相差層であれば、位相差層の厚さは1~5μmであることが好ましく、さらに好ましくは1.5~4μmである。前記範囲内であれば、屈曲を阻害することなく、好ましい態様となる。
(偏光子保護フィルム)
本発明の折りたたみ型ディスプレイでは、偏光子に偏光子保護フィルムが積層されて用いられていることも好ましい。偏光子保護フィルムとしては、COPフィルムやPCフィルム、PPフィルム、Acフィルム、TACフィルム、ポリエステルフィルムなどのフィルムなどを用いることができる。なかでも、TACフィルム、ポリエステルフィルムが折りたたみ耐久性の面で好ましい。
偏光子保護フィルムの厚さは、好ましくは5~60μmであり、より好ましくは10
~40μmであり、更に好ましくは10~30μmであり、適宜、アンチグレア層や反射防止層などの表面処理層を設けることができる。前記範囲内であれば、屈曲を阻害することなく、好ましい態様となる。
偏光子保護フィルムは偏光子の両側に設けられていてもよく、また片側のみであってもよい。偏光子の片側のみに偏光子保護フィルムが設けられる場合は、反対面には位相差層が設けられていることが好ましい。この場合、高分子フィルムの位相差層を用いて偏光子保護層の機能を持たせてもよい。
好ましい具体的構成としては、下記の構成が挙げられる。
(1a)偏光子保護フィルム/偏光子/位相差フィルム
(1b)偏光子保護フィルム/偏光子/液晶位相差層/位相差フィルム
(1c)偏光子保護フィルム/偏光子/液晶位相差層/(位相差層の)基材フィルム
(偏光子保護コート)
偏光子保護フィルムの代わりに偏光子に保護コート(偏光子保護コート)を行うことも好ましい。
偏光子保護コートは、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル、アミノ樹脂、など、フィルムのコート剤として用いられるものが好適なものとして挙げられる。偏光子保護フィルムの代わりに偏光子保護コートとすることでさらなる薄型化が可能となる。偏光子保護コートは直接塗工されるだけでなく、転写により設けられてもよく、偏光子や位相差層が液晶化合物を転写するものである場合は、離型性基材上に保護コート層と偏光子や位相差層を設けて一体として転写してもよい。
偏光子保護コートの厚さは1~30μmであることが好ましく、より好ましくは3~20μm、さらに好ましくは5~10μmである。
偏光子の両面が保護コートであってもよく、偏光子の片面が偏光子保護フィルムであり他面が偏光子保護コートであってもよく、偏光子の両面が偏光子保護コートであってもよい。好ましい具体的構成としては、下記の構成が挙げられる。
(2a)偏光子保護フィルム/偏光子/偏光子保護コート/位相差フィルム
(2b)偏光子保護フィルム/偏光子/偏光子保護コート/液晶位相差層/位相差フィルム
(2c)偏光子保護フィルム/偏光子/偏光子保護コート/液晶位相差層/(位相差層の)基材フィルム
(3a)偏光子保護コート/偏光子/位相差フィルム
(3b)偏光子保護コート/偏光子/液晶位相差層/位相差フィルム
(3c)偏光子保護コート/偏光子/液晶位相差層/(位相差層の)基材フィルム
(4a)偏光子保護コート/偏光子/偏光子保護コート/位相差フィルム
(4b)偏光子保護コート/偏光子/偏光子保護コート/液晶位相差層/位相差フィルム(4c)偏光子保護コート/偏光子/偏光子保護コート/液晶位相差層/(位相差層の)基材フィルム
さらに、上記の具体的積層構成の例1~4のcで(位相差層の)基材フィルムの代わりに位相差層の上に保護コート(位相差層保護コート)を設けてもよい。位相差層保護コートの素材や設け方は偏光子保護コートと同様である。
上記の具体的構成例で、各層の間は液晶偏光子や液晶位相差層を直接塗工する場合以外は接着剤層や粘着剤層が存在するが、ここでは省略している。
(偏光素子の積層)
上記の偏光素子は、本発明の折りたたみ型ディスプレイにおいて、他の部材(画像表示セル、タッチパネル、表面保護フィルムなど)と粘着層を介して積層されていることが好ましい。この場合、偏光子の他の部材面の偏光子保護コートや位相差層保護コートを設けず、偏光子や液晶位相差層上に直接粘着剤を設けて貼り合わせてもよい。
(粘着層)
粘着層の材料としては特に制限されないが、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などが挙げられる。
これらのうち、透明性、耐候性、耐熱性などの観点から、アクリル系粘着剤であるのが好ましい。
粘着層は偏光素子に塗工により設ける方法、市販の光学粘着剤シートを用いる方法などが挙げられる。
次に、本発明について実施例および比較例を用いて説明する。まず、本発明で実施した表面保護フィルムの特性値の評価方法を下記に示す。
(1)極限粘度
フィルムまたはポリエステル樹脂を粉砕して乾燥した後、フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比)の混合溶媒に溶解した。この溶液に遠心分離処理を施して無機粒子を取り除いた後に、ウベローデ粘度計を用いて、30℃で0.4(g/dl)の濃度の溶液の流下時間及び溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用い、Hugginsの定数が0.38であると仮定して極限粘度を算出した。
(2)ポリエステルフィルムサンプルの耐屈曲性(屈曲半径1.5mm)
幅方向20mm×流れ方向110mmの大きさのポリエステルフィルムサンプルを用意する。無負荷U字伸縮試験機(ユアサシステム機器社製、DLDMLH-FS)を用いて、屈曲半径1.5mmに設定し、1回/秒の速度で、20万回屈曲させた。その際、サンプルは長辺側両端部10mmの位置を固定して、屈曲する部位は20mm×90mmとした。ここで、図1は、折りたたみ型ディスプレイを折りたたんだ際の屈曲半径を示すための模式図であり、その折りたたんだ態様の内側表面にポリエステルフィルムが配されている場合を考慮して、図1の符号11の個所を1.5mmに設定したものとしてモデル的に屈曲試験をしている。屈曲処理終了後、サンプルの屈曲内側を下にして平面に置き、目視による観察を行った。
○ :サンプルにクラック及び変形を確認できない。
× :サンプルにクラックまたは折跡があり、水平に置いた際、浮き上がり最大高さが5mm以上。
(3)ポリエステルフィルムサンプルの耐屈曲性(屈曲半径0.5mm)
上記屈曲試験と同様の方法で、屈曲半径0.5mmに設定し1回/秒の速度で20万回屈曲させた。ここで、図1は、折りたたみ型ディスプレイを折りたたんだ際の屈曲半径を示すための模式図であり、その折りたたんだ態様の内側表面にポリエステルフィルムが配されている場合を考慮して、図1の符号11の個所を0.5mmを設定したものとしてモデル的に屈曲試験をしている。屈曲部の外側のフィルム表面をデジタルマイクロスコープ(HIROX社製RH8800)の700倍で観察し、シワ(クラック)の有無を観察した。上記の屈曲半径1.5mmの耐屈曲性目視テストとは別に、屈曲半径を0.5mmに小さくした本テストを行うことで、ハードコート層や他の部材が積層又は貼着された、折りたたみ型ディスプレイの実際の使用状態に近い状態での評価することを企図している。前記屈曲半径1.5mmによる目視観察とは別に、目視では検出しにくい微細な欠点である、破断しやすいまたはクラックが入りやすい欠点を検出するためのテストである。
○ :屈曲外側のフィルム表面に欠陥がない。
× :破断した、または屈曲外側のフィルム表面にシワ(クラック)が確認できる。
(4)ハードコートフィルムサンプルの耐屈曲性(屈曲半径3.0mm)
上記屈曲試験と同様の方法で、屈曲半径3.0mmに設定し1回/秒の速度でハードコートフィルムを20万回屈曲させた。ハードコート層が一方のみの場合は、ハードコート層を内側にした試験と、ハードコート層を外側にした試験をそれぞれ行った。
○ :ハードコート層に割れがない、ハードコートフィルムに変形が確認できない。
× :破断した、またはハードコート層に割れを確認できる、またはハードコートフィルムに変形が確認できる。
(5)屈折率
JIS K 7142:2008「プラスチックの屈折率測定方法(A法)」に準拠して、アッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR-4T、測定波長589nm)を用いて、長手方向の屈折率、幅方向の屈折率、厚み方向の屈折率を求めた。
(6)鉛筆硬度
ハードコートフィルムの鉛筆硬度をサンプルとして、JIS K 5600-5-4:1999に準拠し、荷重750g、速度1.0mm/sで測定した。本発明においては3H以上を合格とした。
(7)全光線透過率、ヘイズ
ヘイズメーター(日本電色工業社製、NDH5000)を用いて測定した。
(8)密度
JIS K 7112:1999準拠の方法(密度勾配管法)に従って密度を測定した。(単位:g/cm)。
(9)試験力除荷後の押し込み深さ
試料を約2cm角に切り取り、マイクロカバーガラス18×18mm(マツナミガラス社製)上に、測定面の反対面を接着剤(セメダイン(登録商標)ハイスーパー30)にて固定した。貼着固定後、12時間以上室温で放置し、その後、ダイナミック超微小硬度計「DUH-211」(島津製作所製)を用いて、次の条件で、試験力除荷後の押し込み深さ(μm)を測定した。
≪測定条件≫
試験モード :負荷-除荷試験
使用圧子 :稜間角115度、三角錐圧子
圧子弾性率:1.140×10N/mm
圧子ポアソン比:0.07
試験力 :50mN
負荷速度 :4.44mN/sec
負荷保持時間 :2sec
除荷保持時間 :0sec
(10)最大熱収縮率
試料フィルムをタテ10mm×ヨコ250mmにカットし、長辺を測定したい方向に合わせて、200mm間隔で印をつけ、5gの一定張力下で印の間隔Aを測った。続いて、試料フィルムを無荷重で150℃の雰囲気のオーブン中で30分間放置した後、オーブンから取り出し室温まで冷却した。その後、5gの一定張力下で印の間隔Bを求め、下記式により熱収縮率(%)を求めた。なお、上記熱収縮率は試料フィルムの幅方向に3等分した位置で測定し、3点の平均値を熱収縮率(%)とする
熱収縮率(%)=[(A-B)×100]/A
屈曲方向と折りたたみ方向の双方向についてそれぞれ別個に試料フィルムのタテ、ヨコが異なるようにカットして測定し、測定値が大きい方向のデータを最大熱収縮率(%)とする。
(11)引張弾性率(ヤング率(単位:GPa))
JIS K7127に準拠してポリエステルフィルムの屈曲方向および折りたたみ方向
の引張弾性率を23℃にて測定した。
(ポリエチレンテレフタレートペレット(a)の調製)
エステル化反応装置として、攪拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口を有する3段の完全混合槽よりなる連続エステル化反応装置を用い、TPAを2トン/hrとし、EGをTPA1モルに対して2モルとし、三酸化アンチモンを生成PETに対してSb原子が160ppmとなる量とし、これらのスラリーをエステル化反応装置の第1エステル化反応缶に連続供給し、常圧にて平均滞留時間4時間で、255℃で反応させた。次いで、上記第1エステル化反応缶内の反応生成物を連続的に系外に取り出して第2エステル化反応缶に供給し、第2エステル化反応缶内に第1エステル化反応缶から留去されるEGを生成ポリマー(生成PET)に対し8質量%供給し、さらに、生成PETに対してMg原子が65ppmとなる量の酢酸マグネシウムを含むEG溶液と、生成PETに対してP原子が20ppmのとなる量のTMPAを含むEG溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間1.5時間で、260℃で反応させた。次いで、上記第2エステル化反応缶内の反応生成物を連続的に系外に取り出して第3エステル化反応缶に供給し、さらに生成PETに対してP原子が20ppmとなる量のTMPAを含むEG溶液を添加し、常圧にて平均滞留時間0.5時間で、260℃で反応させた。上記第3エステル化反応缶内で生成したエステル化反応生成物を3段の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合を行い、さらに、ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度5μm粒子90%カット)で濾過し、極限粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(a)を得た。
(ポリエチレンテレフタレートペレット(b)の調製)
ポリエチレンテレフタレートペレット(a)の製造工程について、第3エステル化反応の滞留時間を調節した他は同様の方法にて極限粘度を0.580dl/gに調整し、ポリエチレンテレフタレートペレット(b)を得た。
(ポリエチレンテレフタレートペレット(c)の調製)
ポリエチレンテレフタレートペレット(a)を、回転型真空重合装置を用い、0.5mmHgの減圧下、220℃で時間を変えて固相重合を行い、極限粘度0.75dl/gのポリエチレンテレフタレートペレット(c)を作成した。
(ウレタン樹脂の重合)
撹拌機、ジムロート冷却器、窒素導入管、シリカゲル乾燥管、及び温度計を備えた4つ口フラスコに、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン72.96質量部、ジメチロールプロピオン酸12.60質量部、ネオペンチルグリコール11.74質量部、数平均分子量2000のポリカーボネートジオール112.70質量部、及び溶剤としてアセトニトリル85.00質量部、N-メチルピロリドン5.00質量部を投入し、窒素雰囲気下、75℃において3時間撹拌し、反応液が所定のアミン当量に達したことを確認した。次に、この反応液を40℃にまで降温した後、トリエチルアミン9.03質量部を添加し、ポリウレタンプレポリマーD溶液を得た。次に、高速攪拌可能なホモディスパーを備えた反応容器に、水450gを添加して、25℃に調整して、2000min-1で攪拌混合しながら、イソシアネート基末端プレポリマーを添加して水分散した。その後、減圧下で、アセトニトリルおよび水の一部を除去することにより、固形分35質量%の水溶性ポリウレタン樹脂(A)を調製した。
(水溶性カルボジイミド化合物の重合)
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロート、および攪拌機を備えたフラスコにイソホロンジイソシアネート200質量部、カルボジイミド化触媒の3-メチル-1-フェニル-2-ホスホレン-1-オキシド4質量部を投入し、窒素雰囲気下、180℃において10時間撹拌し、イソシアネート末端イソホロンカルボジイミド(重合度=5)を得た。次いで、得られたカルボジイミド111.2g、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(分子量400)80gを100℃で24時間反応させた。これに水を50℃で徐々に加え、固形分40質量%の黄色透明な水溶性カルボジイミド化合物(B)を得た。
(易接着層形成用塗布液の調製)
下記の塗剤を混合し、塗布液を作成した。
水 16.97質量部
イソプロパノール 21.96質量部
ポリウレタン樹脂(A) 3.27質量部
水溶性カルボジイミド化合物(B) 1.22質量部
粒子 0.51質量部
(平均粒径40nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
界面活性剤 0.05質量部
(シリコーン系、固形分濃度100質量%)
(ハードコート塗布液aの調製)
ハードコート材料(JSR社製、オプスター(登録商標)Z7503、濃度75%)100質量部に、レベリング剤(ビックケミージャパン社製、BYK307、濃度100%)0.1質量部を添加し、メチルエチルケトンで希釈して固形分濃度40質量%のハードコート塗布液aを調製した。
(ハードコート塗布液bの調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業社製、A-TMM-3、固形分濃度100%)95質量部、光重合開始剤(BASFジャパン社製、イルガキュア(登録商標)907、固形分濃度100%)5質量部、レベリング剤(ビックケミージャパン社製、BYK307、固形分濃度100%)0.1質量部を混合し、トルエン/MEK=1/1の溶媒で希釈して、濃度40質量%のハードコート塗布液bを調製した。
(ポリエステルフィルム1)
ポリエチレンテレフタレートのペレット(a)を押出機に供給し、285℃で融解した。このポリマーを、ステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに接触させ冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この未延伸フィルムを加熱ロールを用いて75℃に均一加熱し、非接触ヒーターで85℃に加熱して1.4倍のロール延伸(縦延伸)を行った。得られた一軸延伸フィルムに上記の易接着層形成用塗布液をロールコート法で両面に塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。なお、最終(二軸延伸後)の乾燥後の塗布量が0.06g/m2になるように調整した。その後、テンターに導き105℃で予熱後、95℃で4.0倍に横延伸し、幅固定して230℃で5秒間の熱固定を施し、さらに180℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み50μmポリエステルフィルム1を得た。作製したフィルムの一方の面にマイヤーバーを用いて、ハードコート塗布液aを乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布し、80℃で1分間乾燥させた後、紫外線を照射し(積算光量200mJ/cm)、ハードコートフィルムを得た。評価結果を表1、2に示す。
(ポリエステルフィルム2~3)
表1に記載の長手方向の延伸倍率に変更した他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム4)
幅方向の延伸倍率を4.4倍に、熱固定温度を220℃に変更した他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム5~6)
表1に記載のように長手方向の延伸倍率に変更した他はポリエステルフィルム4と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム7)
幅方向の延伸倍率を5.5倍に、熱固定温度を190℃に変更した他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム8~9)
表1に記載のように長手方向の延伸倍率に変更した他はポリエステルフィルム7と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム10)
ポリエステルフィルム5の製造工程において、長手方向に延伸した後に100℃で10%の弛緩熱処理を施した他はポリエステルフィルム5と同様にして、ポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム11)
ポリエステルフィルム5の製造工程において、熱固定後に200℃でクリップを開放し、長手方向、幅方向に弛緩熱処理した他は実施例5と同様にして、ポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。長手方向は弛緩率が3%になるようテンター速度と巻き取りロール速度を調整した。幅方向の弛緩はフリー状態とした。
(ポリエステルフィルム12)
長手方向延伸時の温度を75℃に変更し、熱固定温度を220℃に変更した他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム13)
長手方向延伸時の温度を75℃に変更し、延伸倍率1.2倍に変更して延伸した後、幅方向に延伸倍率5.0倍に変更して延伸した他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム14)
ポリエステルフィルム3の長手方向の延伸を2段延伸とし、その1段目の延伸倍率を1.2倍とし、2段目の延伸倍率を1.67倍とした他はポリエステルフィルム3と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。トータルでの長手方向の延伸倍率は約2.0倍である。
(ポリエステルフィルム15)
幅方向延伸時の予熱温度を95℃に変更し、熱固定温度を190℃に変更した他はポリエステルフィルム5と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム16)
ポリエステルフィルム2の幅方向の延伸を2段延伸とし、その1段目の延伸倍率を1.5倍とし、2段目の延伸倍率を4.0倍とし、熱固定温度を190℃に変更した他はポリエステルフィルム2と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。トータルの幅方向の延伸倍率は6.0倍である。
(ポリエステルフィルム17~18)
表2に記載のように厚みを変更した他はポリエステルフィルム2と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム19)
ポリエステルフィルム1の製造工程において幅方向の弛緩熱処理を行わなかった他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム20)
ポリエステルフィルム1と同様に未延伸フィルムを作成後、未延伸フィルムをテンターで75℃で予熱し、85℃で1.4倍に横延伸した。得られた一軸延伸フィルムに上記の易接着層形成用塗布液をロールコート法で両面に塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。なお、最終(二軸延伸後)の乾燥後の塗布量が0.06g/m2になるように調整した。加熱ロールを用いて105℃に均一加熱し、非接触ヒーターで95℃に加熱し.4.0倍にロール延伸(縦延伸)を行った。幅固定して230℃で5秒間の熱固定を施し、厚み50μmポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム21)
長手方向の延伸を行わずに、幅方向のみ延伸し横1軸延伸とした他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム22)
長手方向の延伸を行わずに、幅方向のみ延伸し横1軸延伸とした他はポリエステルフィルム7と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム23~27)
熱固定温度を220℃に変更し、表1、2記載のPETペレット、厚みとした他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
比較例3~7は、前記の通り実施例1よりも熱固定温度が低く、長手方向、幅方向の延伸倍率が好ましい条件範囲の中では最善とは言えない各条件水準の組合せであり、表2に記載したように厚み方向の屈折率が増加し、試験力除荷後の押し込み深さが大きく、ハードコート層積層後の鉛筆硬度が各実施例に比較して小さくなった。
(ポリエステルフィルム28)
長手方向の延伸倍率を2.7倍に変更し、熱固定温度を220℃に変更した他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム29)
長手方向の延伸倍率を3.4倍に変更した他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム30)
熱固定温度を100℃に変更した他はポリエステルフィルム4と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム31)
長手方向の延伸温度を130℃に変更した他はポリエステルフィルム13と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム32)
幅方向予熱温度を120℃に変更した他はポリエステルフィルム1と同様にしてポリエステルフィルムおよびハードコートフィルムを得た。
(ポリエステルフィルム33)
ポリエステルフィルム1と同様に厚み50μmポリエチレンテレフタレートフィルムを得た後、ハードコート塗布液bを塗布したハードコートフィルムを得た。
Figure 2023032119000002
Figure 2023032119000003
(実施例、比較例)
(表面保護フィルム、偏光子、位相差層を有する折りたたみ型ディスプレイの作成および評価)
上記のポリエステルフィルムを表面保護フィルムとして用い、偏光子、位相差層を有する折りたたみ型ディスプレイのモデルを作成した。
(円偏光板Aの作成)
厚さ20μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムの片面をけん化処理し、鹸化処理面に紫外線硬化型接着剤を用いてPVA偏光子転写用積層体の偏光子面と貼り合わせた後、熱可塑性樹脂基材を剥離した。
剥離面(偏光子面)に紫外線硬化型接着剤を用いて1/4λ板の位相差層面と貼り合わせ円偏光板Aを得た。
なお、PVA偏光子転写用積層体および位相差板は以下のようにして作成した。
(PVA偏光子転写用積層体の作成)
熱可塑性樹脂基材として極限粘度0.62dl/dのポリエチレンテレフタレートを押出機で溶融・混練後、冷却ロール上にシート状に押出、厚さ100μmの未延伸フィルムを作成した。この未延伸フィルムの片面に、重合度2400、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコールの水溶液を塗布および乾燥して、PVA層を形成した。
得られた積層体を、120℃で周速の異なるロール間で長手方向に2倍に延伸して巻き取った。次に、得られた積層体を4%のホウ酸水溶液で30秒間の処理を行った後、ヨウ素(0.2%)とヨウ化カリウム(1%)の混合水溶液で60秒間浸漬し染色し、引き続き、ヨウ化カリウム(3%)とホウ酸(3%)の混合水溶液で30秒間処理した。
さらに、この積層体を72℃のホウ酸(4%)とヨウ化カリウム(5%)混合水溶液中で長手方向に一軸延伸を行い、引き続き、4%ヨウ化カリウム水溶液で洗浄、エアナイフで水溶液を除去した後に80℃のオーブンで乾燥し、両端部をスリットして巻き取り、幅50cm、長さ1000mのPVA偏光子転写用積層体を得た。合計の延伸倍率は6.5倍で、偏光子の厚みは5μmであった。なお、厚みは基材積層偏光子をエポキシ樹脂に包埋して切片を切り出し、光学顕微鏡で観察して読み取った。
(1/4λ板の作成)
厚さ20μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムの片面をけん化処理し、鹸化処理面に配向制御層用塗料組成物を塗布、100℃で乾燥させ、厚さ0.5μmの配向制御層を設けた。さらに配向制御層をナイロン製の起毛布が巻かれたラビングロールで処理した。ラビング方向はフィルムの流れ方向に対して45度になるよう行った。
引き続き、ラビング処理を施した面に位相差層用組成物塗料を塗布後、110℃で3分間加熱して溶剤を蒸発させると共に、液晶性化合物を配向させた。引き続き、110℃の環境下で紫外線を30秒間照射し、TACフィルムに1/4λ層を有するPVA偏光子転写用積層体を得た。
(配向制御層用塗布液)
・下記変性ポリビニルアルコール 10質量部
・水 371質量部
・メタノール 119質量部
・グルタルアルデヒド 0.5質量部
Figure 2023032119000004
(位相差層用組成物塗料)
LC242(BASF社製) 95質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 5質量部
イルガキュア379 3質量部
界面活性剤 0.1質量部
メチルエチルケトン 250質量部
(円偏光板Bの作成)
ポリビニルアルコールフィルムを、速度比の異なるロール間において、30℃、0.3%濃度のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。その後、60℃、4%濃度のホウ酸、10%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。次いで、30℃、1.5%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行い、厚さ10μmの偏光子を得た。得られた偏光子の片面に、けん化処理した厚さ20μmのトリアセチルセルロースTACフィルムを他方の面に上記1/4λ板の位相差層面と貼り合わせ円偏光板Bを得た。貼り合わせは紫外線硬化型接着剤を用いた。
(円偏光板Cの作成)
厚さ20μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムの片面をけん化処理し、鹸化処理面に上記配向制御層用塗料組成物を塗布、100℃で乾燥させ、厚さ0.5μmの配向制御層を設けた。さらに配向制御層をナイロン製の起毛布が巻かれたラビングロールで処理した。ラビング方向はフィルムの流れ方向に対して平行になるよう行った。
引き続き、ラビング処理を施した面に下記液晶偏光膜用塗料を塗布し、110℃で3分間乾燥し、厚み2μmの膜を形成し、引き続き紫外線を照射して、TACフィルム上に液晶化合物の偏光子を有する偏光板を得た。
(液晶偏光膜用塗料)
(重合性液晶化合物の合成)
特表2007-510946号公報の[0134]段落の記載および、Lub et al.Recl.Trav.Chim.Pays-Bas,115,321-328(1996)を参考にして、下記化合物(a)、(b)を合成した。
Figure 2023032119000005
Figure 2023032119000006
特開昭63-301850号公報の実施例1を参考にして、下記色素(c)を合成した。
Figure 2023032119000007
特公平5-49710号公報の実施例2を参考にして下記色素(d)を合成した。
Figure 2023032119000008
特公昭63-1357号公報の一般式(1)の化合物の製造方法を参考にして 下記色素(e)を合成した。
Figure 2023032119000009
(塗料の作成)
(a)75質量部、(b)25質量部、(c)2.5質量部、(d)2.5質量部、(e)2.5質量部、IRGACURE(R) 369E(BASF社製)6質量部、オルトキシレン250質量部を混合、溶解させた。
得られた偏光板の偏光子面と上記1/4λ板の位相差層面とを紫外線硬化型接着剤を用いて貼り合わせ円偏光板Cを得た。
(円偏光板Dの作成)
上記記1/4λ板の位相差層面と上記PVA偏光子転写用積層体の偏光子面とを紫外線硬化型接着剤を用いて貼り合わせた。その後、PVA偏光子転写用積層体の熱可塑性基材を剥離し、円偏光板Dを得た。
(円偏光板Eの作成)
二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製A4100)の非易接着面に下記保護コート組成物を塗布、乾燥後紫外線を照射した。さらにこの保護コート面に1/4λ層の作成と同様にして、配向制御層、1/4λ層を設けた。引き続き、1/4λ層上に配向制御層を設け、この配向制御層上に円偏光板Cの作成と同様にして液晶化合物からなる偏光子を設けた。
(保護コート層用組成物)
ウレタンアクリレート AH-600(共栄社化学製)25質量部
重合開始剤 イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ製)1.25質量部
イソプロピルアルコール 75質量部
(表面保護フィルムと円偏光板の積層体の作成)
表面保護フィルム(ハードコートフィルム)と円偏光板の偏光子側面とを光学用の基材レス粘着剤シート(厚み25μm)を用いて貼り合わせた。
(折りたたみ型ディスプレイのモデルの作成)
さらに、上記積層体の円偏光板の位相差層側面にタッチパネルを想定したポリエステルフィルム(表面保護フィルムを転用)、有機ELセルを想定した厚み50μmのユーピレックス(登録商標)S2枚、裏面保護フィルム(表面保護フィルムを転用)を積層した。積層に用いたタッチパネルを想定した表面保護フィルムおよび裏面保護フィルムは円偏光板と積層した表面保護フィルムと同じものを用い、フィルムの遅相軸は平行になるようにした。
なお、円偏光板Aでは偏光子側面はPVA偏光子転写用積層体の偏光子を貼り合わせたTACフィルム面であり、位相差層側面は1/4λ板のTACフィルム面である。
円偏光板Bの偏光子側面はPVA偏光子を貼り合わせたTACフィルム面であり、位相差層側面は1/4λ板のTACフィルム面である。
円偏光板Cの偏光子側面は液晶偏光子を設けたTACフィルム面であり、位相差層側面は1/4λ板のTACフィルム面である。
円偏光板Dの偏光子側面は偏光子面であり、位相差層側面は1/4λ板のTACフィルム面である。円偏光板Dでは表面保護フィルムに貼り合わせる直前にPVA偏光子転写用積層体の熱可塑性樹脂基材を剥離した。
円偏光板Eの偏光子側面は偏光子面であり、位相差層側面は保護コート面である。円偏光板Eでは表面保護フィルムに貼り合わせる直前にPVA偏光子転写用積層体の熱可塑性樹脂基材を剥離し、その後、二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製A4100)を剥離した。
(表面保護フィルムと円偏光板の積層体の耐屈曲性評価)
ハードコートフィルムのサンプル評価と同様にして、表面保護フィルムと円偏光板の積層体に対して屈曲半径3.0mmの耐屈曲性を評価した。評価においてはハードコートを屈曲の内側にした。
(折りたたみ型ディスプレイのモデルの屈曲性評価)
得られた折りたたみ型ディスプレイのモデルを屈曲半径3.0mmにし、上記積層体の耐屈曲性と同様に20万回の耐屈曲性試験を行った。表面保護フィルム1~20を用いた実施例1~20のものは、いずれも折り跡、クラック等は認められず優れた耐屈曲性を示した。
評価結果を表3に示す。
Figure 2023032119000010
本発明の折りたたみ型ディスプレイ用ハードコートフィルムを用いた折りたたみ型ディスプレイは、量産性を維持しながら、折りたたみ型ディスプレイの表面に位置しているポリエステルフィルムやハードコートフィルムが繰り返し折りたたまれた後の変形を起こさないため、ディスプレイの折りたたみ部分での画像の乱れを生じることがない。特に本発明の折りたたみ型ディスプレイを搭載した携帯端末機器または画像表示装置は、美しい画像を提供し、機能性に富み、携帯性等の利便性に優れたものである。
1 : 折りたたみ型ディスプレイ
11: 屈曲半径
2 : 折りたたみ型ディスプレイの表面保護フィルム用ポリエステルフィルム
21: 折りたたみ部
22: 屈曲方向(折りたたみ部と直交する方向)

Claims (9)

  1. 折りたたみ型ディスプレイ用の表面保護フィルムであって、保護フィルムは、下記条件を満たすポリエステルフィルムである、表面保護フィルム:
    (1)屈曲方向の屈折率が1.590~1.620
    (2)折りたたみ部の方向の屈折率が1.670~1.700
    (3)厚み方向の屈折率が1.520以下
    (4)密度が1.380g/cm以上
    (ここで、屈曲方向とは、ポリエステルフィルムを折りたたむ際の折りたたみ部と直交する方向をいう。)
  2. 前記ポリエステルフィルムの屈曲方向の弾性率が2.7GPa以下, 折りたたみ部の方向の弾性率が4.5GP以上である請求項1に記載の表面保護フィルム
  3. 前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面上にハードコート層を有し、ハードコート層側が折りたたみ型ディスプレイの表面に積層される請求項1又は2に記載の表面保護フィルム
  4. 前記の少なくとも片面上にハードコート層を有するポリエステルフィルムの全光線透過率が85%以上、ヘイズが3%以下である請求項3に記載の表面保護フィルム
  5. 折りたたみ型ディスプレイの折りたたみ部を介して連続した単一の表面保護フィルムが配されている請求項1~4のいずれかに記載の表面保護フィルム
  6. 前記折りたたみ型ディスプレイが、前記表面保護フィルムと、偏光子と、位相差層とを有する、請求項1~5のいずれかに記載の表面保護フィルム
  7. 前記表面保護フィルムの厚みが10~80μmである、請求項1~5のいずれかに記載の表面保護フィルム
  8. 前記位相差層が、1/4λ層である請求項6に記載の表面保護フィルム。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載の表面保護フィルムを有する、携帯端末機器。
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