JP2023032097A - 圧縮機モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートポンプサイクル装置の生産性の悪化を招くことなく、騒音を充分に抑制可能な圧縮機モジュールを提供する。【解決手段】圧縮機モジュール100は、内部冷媒通路が形成された流路ボックス101と、流路ボックス101とともに圧縮機11を収容する収容空間103を形成するカバー部材102と、を備える。流路ボックス101の収容空間103側の内側面には、圧縮機11の吐出口側が接続される圧縮機側入口101b、および圧縮機11の吸入口側が接続される圧縮機側出口101aが形成されており、流路ボックス101の外側面には、室内凝縮器14等の外部構成機器の流入出口が接続される凝縮器側出口121c、凝縮器側入口121d等の外側接続口が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、圧縮機を含むヒートポンプサイクル装置の構成機器を一体化させた圧縮機モジュールに関する。
従来、特許文献1に、ヒートポンプサイクル装置の構成機器である圧縮機やマニホールド等を一体化させた圧縮機モジュールが開示されている。マニホールドは、内部に冷媒配管や熱媒体配管が形成された通路形成部材あるいは通路接続部材である。この種の圧縮機モジュールは、ヒートポンプサイクル装置の生産性を向上させるために用いて有効である。さらに、特許文献1では、一体化された圧縮機やマニホールド等を騒音抑制用のカバー部材で覆うことによって、圧縮機モジュールの騒音を抑制しようとしている。
米国特許出願公開2019/0039440号明細書
ところが、特許文献1のように、圧縮機やマニホールド等をカバー部材で覆うだけでは、圧縮機モジュールの騒音を充分に抑制することができない。その理由は、マニホールドに接続された冷媒配管や熱媒体配管を、カバー部材の外部へ取り出すためには、カバー部材に内外を貫通する貫通穴等を形成しなければならないからである。そのため、圧縮機の騒音が、貫通穴と配管との隙間を介して、カバー部材の外部に漏れてしまう。
これに対して、圧縮機モジュールの騒音を充分に抑制するために、貫通穴と配管との隙間を防音用の封止部材で塞いでしまう手段が考える。しかし、貫通穴と配管との隙間を封止部材で塞ぐことは、ヒートポンプサイクル装置の生産性の悪化を招く原因となる。
本発明は、上記点に鑑み、ヒートポンプサイクル装置の生産性の悪化を招くことなく、騒音を充分に抑制可能な圧縮機モジュールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の圧縮機モジュールは、ヒートポンプサイクル装置(1、1a、1b)に適用されて、圧縮機(11)と、通路形成部材(101、111、121、131)と、カバー部材(102、122、132)と、を備える。
圧縮機は、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。通路形成部材は、内部に冷媒を流通させる複数の内部冷媒通路が形成されている。カバー部材は、通路形成部材とともに、圧縮機を収容する収容空間(103、113、123)を形成する。
収容空間の内部には、内部冷媒通路に連通する圧縮機側入口(101b、111b、121b、131b)および圧縮機側出口(101a、111a、121a、131a)が形成されている。収容空間の外部には、内部冷媒通路に連通する外側接続口(101c~101h、111g、111h、121c~121h、131c~131h)が形成されている。
圧縮機側入口には、圧縮機の吐出口側が接続されている。圧縮機側出口には、圧縮機の吸入口側が接続されている。外側接続口には、ヒートポンプサイクル装置の構成機器のうち、収容空間の外部に配置された外部構成機器(14、16、18)の流入出口側が接続されている。
これによれば、圧縮機(11)から吐出された冷媒を、内部冷媒通路を介して、外部構成機器(14、16、18)側へ流出させることができる。同様に、外部構成機器(14、16、18)から流出した冷媒を、内部冷媒通路を介して、圧縮機(11)へ吸入させることができる。
従って、通路形成部材(101…131)やカバー部材(102…132)に、圧縮機(11)と外部構成機器(14、16、18)とを接続する配管を通過させるための貫通穴等を形成する必要がない。このため、圧縮機(11)の騒音が、貫通穴と配管との隙間を介して、収容空間(103…133)の外部へ漏れ出てしまうことがない。さらに、貫通穴と配管との隙間を防音用の封止部材等で塞ぐ必要もない。
その結果、請求項1に記載の発明によれば、ヒートポンプサイクル装置(1、1a、1b)の生産性の悪化を招くことなく、騒音を充分に抑制可能な圧縮機モジュールを提供することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の車両用空調装置の模式的な全体構成図である。 第1実施形態の圧縮機モジュールのカバー部材を取り外した状態の斜視図である。 第1実施形態の圧縮機モジュールの外観斜視図である。 第1実施形態の車両用空調装置の電気制御部を示すブロック図である。 第1実施形態の車両用空調装置のホットガス暖房モード時の冷媒の流れを示す模式的な全体構成図である。 第2実施形態の車両用空調装置の模式的な全体構成図である。 第2実施形態の圧縮機モジュールのカバー部材を取り外した状態の斜視図である。 第3実施形態の車両用空調装置の模式的な全体構成図である。 第3実施形態の圧縮機モジュールのカバー部材を取り外した状態の斜視図である。 図9のX方向から見た圧縮機モジュールの外観斜視図である。 第4実施形態の車両用空調装置の模式的な全体構成図である。 第5実施形態の車両用空調装置の模式的な全体構成図である。 第5実施形態の圧縮機モジュールのカバー部材を取り外した状態の斜視図である。 第5実施形態の圧縮機モジュールの外観斜視図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の実施形態を説明する。各実施形態において先行する実施形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の実施形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1~図5を用いて、本発明に係る圧縮機モジュールの第1実施形態を説明する。本実施形態の圧縮機モジュール100は、電気自動車に搭載された車両用空調装置1に適用されている。電気自動車は、走行用の駆動力を電動モータから得る車両である。車両用空調装置1は、空調対象空間である車室内の空調、および車載機器の温度調整を行うヒートポンプサイクル装置である。従って、車両用空調装置1は、車載機器温度調整機能付きの空調装置、あるいは、空調機能付きの車載機器温度調整装置と呼ぶことができる。
車両用空調装置1では、車載機器として、具体的に、バッテリ80の温度調整を行う。バッテリ80は、電気によって作動する複数の車載機器へ供給される電力を蓄える二次電池である。バッテリ80は、積層配置された複数の電池セルを、電気的に直列あるいは並列に接続することによって形成された組電池である。本実施形態の電池セルは、リチウムイオン電池である。
バッテリ80は、作動時(すなわち、充放電時)に発熱する。バッテリ80は、低温になると出力が低下しやすく、高温になると劣化が進行しやすいという特性を有している。このため、バッテリ80の温度は、適切な温度範囲内(本実施形態では、15℃以上、かつ、55℃以下)に維持されている必要がある。そこで、本実施形態の電気自動車では、車両用空調装置1を用いてバッテリ80の温度調整を行う。
車両用空調装置1は、ヒートポンプサイクル10、低温側熱媒体回路30、室内空調ユニット50、制御装置60等を備えている。圧縮機モジュール100は、主にヒートポンプサイクル10を構成する複数の構成機器を一体化させた構成部品である。本実施形態の圧縮機モジュール100では、図1の破線で囲まれた構成機器等が一体化されている。
より具体的には、本実施形態の圧縮機モジュール100では、ヒートポンプサイクル10の構成機器のうち、圧縮機11、マフラー部12、暖房用膨張弁15a、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、蒸発圧力調整弁19、チラー20、アキュムレータ部21、除湿用開閉弁23a、暖房用開閉弁23b等が一体化されている。
これらの構成機器のうち、圧縮機11、暖房用膨張弁15a、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、蒸発圧力調整弁19、チラー20、除湿用開閉弁23a、および暖房用開閉弁23bは、後述する圧縮機モジュール100の流路ボックス101に取り付けられることによって一体化されている。また、マフラー部12およびアキュムレータ部21は、流路ボックス101に一体的に形成されている。
従って、流路ボックス101は、複数の構成機器を取り付けるための取付部材である。さらに、流路ボックス101は、内部にヒートポンプサイクル10の冷媒を流通させる複数の内部冷媒通路、および低温側熱媒体回路30の低温側熱媒体を流通させる複数の内部熱媒体通路が形成された通路形成部材である。圧縮機モジュール100の詳細構成については後述する。
まず、ヒートポンプサイクル10について説明する。ヒートポンプサイクル10は、車室内へ送風される送風空気、および低温側熱媒体回路30を循環する低温側熱媒体の温度を調整する蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置である。ヒートポンプサイクル10は、車室内の空調および車載機器の冷却のために、後述する各種運転モードに応じて、冷媒回路を切替可能に構成されている。
ヒートポンプサイクル10では、冷媒としてHFO系冷媒(具体的には、R1234yf)を採用している。ヒートポンプサイクル10は、高圧側冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成する。冷媒には、圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。冷凍機油は、液相冷媒に相溶性を有するPAGオイルである。冷凍機油の一部は、冷媒とともにサイクルを循環している。
圧縮機11は、ヒートポンプサイクル10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機である。圧縮機11は、後述する制御装置60から出力される制御信号によって、回転数(すなわち、冷媒吐出能力)が制御される。従って、圧縮機11は、電気によって作動する電気式機器である。
圧縮機11の吐出口には、高圧ホース11bを介して、流路ボックス101に形成された圧縮機側入口101bが接続されている。高圧ホース11bは、外周側の層が基布入りの熱可塑性エラストマで形成され、内周側の層が冷媒の透過を抑制する樹脂で形成された多層構造の冷媒ホース部を有している。このため、高圧ホース11bの冷媒ホース部は、可撓性を有しており、弾性変形させることができる。
圧縮機側入口101bは、内部冷媒通路を介して、流路ボックス101に形成されたマフラー部12の入口に連通している。マフラー部12は、圧縮機11から吐出された冷媒を流入させて、吐出冷媒の圧力脈動を低減させるためのバッファ空間を形成する。従って、マフラー部12は、高圧側冷媒を流入させる高圧側冷媒機器である。
マフラー部12の出口は、内部冷媒通路を介して、第1内部三方継手部13aの流入口に連通している。第1内部三方継手部13aは、流路ボックス101の内部に形成された複数の内部冷媒通路同士を接続することによって形成された三方継手構造の部位である。
さらに、本実施形態の流路ボックス101の内部には、第2内部三方継手部13b~第6内部三方継手部13fが形成されている。第2内部三方継手部13b~第6内部三方継手部13f、および以下の実施形態で説明する内部三方継手部の基本的構成は、いずれも第1内部三方継手部13aと同様である。
これらの内部三方継手は、3つの流入出口のうち1つが流入口として用いられ、2つが流出口として用いられた際には、1つの流入口から流入した冷媒の流れを分岐する分岐部となる。また、3つの流入出口のうち2つが流入口として用いられ、1つが流出口として用いられた際には、2つの流入口から流入した冷媒の流れを合流させる合流部となる。
従って、第1内部三方継手部13aは、圧縮機11から吐出された冷媒の流れを分岐する吐出側分岐部となる。
第1内部三方継手部13aの一方の流出口は、流路ボックス101に形成された凝縮器側出口101cに連通している。第1内部三方継手部13aの他方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第4内部三方継手部13dの一方の流入口に連通している。第1内部三方継手部13aの他方の流出口から第4内部三方継手部13dの一方の流入口へ至る内部冷媒通路は、ホットガス用通路22aである。
ホットガス用通路22aには、ホットガス流量調整弁15dが配置されている。ホットガス流量調整弁15dは、後述するホットガス暖房モード時等に、ホットガス用通路22aを流通する冷媒を減圧させるとともに、下流側へ流出させる冷媒の流量(質量流量)を調整する電動式の可変絞り機構である。
ホットガス流量調整弁15dは、制御装置60から出力される制御信号(具体的には、制御パルス)によって、その作動が制御される。従って、ホットガス流量調整弁15dは、電気式機器である。さらに、ホットガス流量調整弁15dは、絞り通路を全閉とすることで、冷媒通路を閉塞させる全閉機能を有している。
凝縮器側出口101cには、室内凝縮器14の冷媒入口側が接続されている。室内凝縮器14は、室内空調ユニット50の空調ケース51内に配置されている。室内凝縮器14は、圧縮機11から吐出された冷媒と送風空気とを熱交換させる熱交換部である。室内凝縮器14では、圧縮機11から吐出された冷媒の有する熱を加熱対象流体である送風空気へ放熱させて、送風空気を加熱する。
従って、室内凝縮器14は、第1内部三方継手部13aにて分岐された一方の冷媒を熱源として、加熱対象流体である送風空気を加熱する加熱部である。
室内凝縮器14の冷媒出口には、流路ボックス101に形成された凝縮器側入口101d側が接続されている。凝縮器側入口101dは、内部冷媒通路を介して、第2内部三方継手部13bの流入口に連通している。
第2内部三方継手部13bの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス101に形成された室外器側出口101eに連通している。第2内部三方継手部13bの他方の流出口は、内部冷媒通路を介して、内部四方継手部13xの一方の流入口に連通している。第2内部三方継手部13bの他方の流出口から内部四方継手部13xの一方の流入口へ至る内部冷媒通路は、除湿用通路22bである。
除湿用通路22bには、除湿用開閉弁23aが配置されている。除湿用開閉弁23aは、除湿用通路22bを開閉する開閉弁である。除湿用開閉弁23aは、制御装置60から出力される制御電圧によって、その開閉作動が制御される電磁弁である。従って、除湿用開閉弁23aは、電気式機器である。
内部四方継手部13xは、流路ボックス101の内部に形成された複数の内部冷媒通路同士を接続することによって形成された四方継手構造の部位である。このような内部四方継手部は、複数の内部三方継手部を組み合わせて形成してもよい。
第2内部三方継手部13bの一方の流出口から室外器側出口101eへ至る内部冷媒通路には、暖房用膨張弁15aが配置されている。暖房用膨張弁15aは、後述する暖房モード時等に、第2内部三方継手部13bの一方の流出口から流出した冷媒を減圧させるとともに、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する室外器用減圧部である。
暖房用膨張弁15aの基本的構成は、ホットガス流量調整弁15dと同様である。従って、暖房用膨張弁15aは、電気式機器である。さらに、暖房用膨張弁15aは、絞り通路を全開にすることで流量調整作用および冷媒減圧作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能を有している。
室外器側出口101eには、室外熱交換器16の冷媒入口側が接続されている。室外熱交換器16は、暖房用膨張弁15aから流出した冷媒と図示しない冷却ファンにより送風された外気とを熱交換させる熱交換部である。室外熱交換器16は、駆動装置室内の前方側に配置されている。
駆動装置室は、車室の前方側に形成されており、走行用の駆動量を発生させるための機器(例えば、モータジェネレータ)等の少なくとも一部が配置される空間を形成している。従って、車両走行時には、グリル等を介して駆動装置室内へ流入した走行風を、室外熱交換器16に当てることができる。
室外熱交換器16の冷媒出口には、流路ボックス101に形成された室外器側入口101f側が接続されている。室外器側入口101fは、内部冷媒通路を介して、第3内部三方継手部13cの流入口に連通している。
第3内部三方継手部13cの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、内部四方継手部13xの他方の流入口に連通している。第3内部三方継手部13cの一方の流出口から内部四方継手部13xの他方の流入口へ至る内部冷媒通路には、第1逆止弁17aが配置されている。
第1逆止弁17aは、冷媒が第3内部三方継手部13c側から内部四方継手部13x側へ流れることを許容し、冷媒が内部四方継手部13x側から第3内部三方継手部13c側へ流れることを禁止している。
第3内部三方継手部13cの他方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第6内部三方継手部13fの一方の流入口に連通している。第3内部三方継手部13cの他方の流出口から第6内部三方継手部13fの一方の流入口へ至る内部冷媒通路は、暖房用通路22cである。
暖房用通路22cには、暖房用開閉弁23bおよび第2逆止弁17bが配置されている。暖房用開閉弁23bは、暖房用通路22cを開閉する開閉弁である。暖房用開閉弁23bの基本的構成は、除湿用開閉弁23aと同様である。従って、暖房用開閉弁23bは、電気式機器である。
ここで、除湿用開閉弁23aおよび暖房用開閉弁23bは、内部冷媒通路を開閉することによって、冷媒回路を切り替えることができる。従って、除湿用開閉弁23aおよび暖房用開閉弁23bは、冷媒回路切替部である。
また、第2逆止弁17bは、冷媒が暖房用開閉弁23b側から第6内部三方継手部13f側へ流れることを許容し、冷媒が第6内部三方継手部13f側から暖房用開閉弁23b側へ流れることを禁止している。
内部四方継手部13xの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス101に形成された蒸発器側出口101gに連通している。内部四方継手部13xの他方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第4内部三方継手部13dの他方の流入口に連通している。第4内部三方継手部13dの流出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス101に形成されたチラー側出口101iに連通している。
内部四方継手部13xの一方の流出口から蒸発器側出口101gへ至る内部冷媒通路には、冷房用膨張弁15bが配置されている。冷房用膨張弁15bは、後述する冷房モード時等に、内部四方継手部13xの一方の流出口から流出した冷媒を減圧させるとともに、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する蒸発器用減圧部である。
冷房用膨張弁15bの基本的構成は、暖房用膨張弁15aと同様である。従って、冷房用膨張弁15bは、電気式機器である。
蒸発器側出口101gには、室内蒸発器18の冷媒入口側が接続されている。室内蒸発器18は、室内空調ユニット50の空調ケース51内に配置されている。室内蒸発器18は、冷房用膨張弁15bにて減圧された低圧側冷媒と車室内へ送風される送風空気とを熱交換させる熱交換部である。室内蒸発器18では、低圧側冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、送風空気を冷却する。
室内蒸発器18の冷媒出口には、流路ボックス101に形成された蒸発器側入口101h側が接続されている。蒸発器側入口101hは、内部冷媒通路を介して、第5内部三方継手部13eの一方の流入口に連通している。
蒸発器側入口101hから第5内部三方継手部13eの一方の流入口へ至る内部冷媒通路には、蒸発圧力調整弁19が配置されている。
蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器18の着霜を抑制するために、室内蒸発器18における冷媒蒸発圧力を予め定めた設定圧力(本実施形態では、1℃の飽和圧力)以上に維持するように弁開度を変化させる電気式の可変絞り機構である。蒸発圧力調整弁19の基本的構成は、暖房用膨張弁15aと同様である。従って、蒸発圧力調整弁19は、電気式機器である。
内部四方継手部13xの他方の流出口から第4内部三方継手部13dの他方の流入口へ至る内部冷媒通路には、冷却用膨張弁15cが配置されている。冷却用膨張弁15cは、後述する単独冷却モード時等に、内部四方継手部13xの他方の流出口から流出した冷媒を減圧させるとともに、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整するチラー用減圧部である。
冷却用膨張弁15cの基本的構成は、冷房用膨張弁15bと同様である。従って、冷却用膨張弁15cは、電気式機器である。
ここで、暖房用膨張弁15a、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、およびホットガス流量調整弁15dは、全閉機能を有している。これらの電気式の可変絞り機構は、全閉機能を発揮することによって、冷媒回路を切り替えることができる。従って、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、およびホットガス流量調整弁15dは、冷媒回路切替部としての機能を兼ね備える。
チラー側出口101iには、チラー20の冷媒入口が直接接続されている。チラー20は、冷却用膨張弁15cにて減圧された低圧側冷媒と低温側熱媒体回路30を循環する低温側熱媒体とを熱交換させる熱交換部である。チラー20では、低圧側冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、低温側熱媒体を冷却する。
チラー20の冷媒出口には、流路ボックス101に形成されたチラー側入口101jが直接接続されている。チラー側入口101jは、第5内部三方継手部13eの他方の流入口に連通している。第5内部三方継手部13eの流出口は、内部冷媒通路を介して、第6内部三方継手部13fの他方の流入口に連通している。
第6内部三方継手部13fの流出口は、内部冷媒通路を介して、アキュムレータ部21の入口側に連通している。アキュムレータ部21は、内部に流入した冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰液相冷媒を蓄える低圧側の気液分離器である。アキュムレータ部21の出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス101に形成された圧縮機側出口101aに連通している。
圧縮機側出口101aには、低圧ホース11aを介して、圧縮機11の吸入口が接続されている。低圧ホース11aの基本的構成は、高圧ホース11bと同様である。従って、低圧ホース11aの冷媒ホース部は、可撓性を有しており、弾性変形させることができる。
次に、図2、図3を用いて、圧縮機モジュール100の詳細構成を説明する。圧縮機モジュール100は、図2、図3に示すように、流路ボックス101およびカバー部材102を備えている。流路ボックス101は、金属(本実施形態では、アルミニウム合金)で形成されている。カバー部材102は、金属よりも防音性能に優れる樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン)で形成されている。
カバー部材102は、ボルト締め等の手段によって流路ボックス101に取り付けられている。カバー部材102が、流路ボックス101に取り付けられた状態では、図3に示すように、圧縮機モジュール100の外観は、直方体形状となる。圧縮機モジュール100の直方体形状の6つの外表面のうち、3つの面が流路ボックス101によって形成されている。そして、残余の3つの面がカバー部材102によって形成されている。
カバー部材102は、流路ボックス101に取り付けられることによって、流路ボックス101とともに圧縮機モジュール100の内部に圧縮機11等を収容する収容空間103を形成する。流路ボックス101とカバー部材102との接触部には、図示しないシール部材が介在されている。このため、収容空間103は、外部から空気が流入することや、外部へ空気が流出することのない密閉された空間として形成されている。
圧縮機モジュール100の外側面には、ほぼ全域に亘って断熱材104が配置されている。断熱材104は、収容空間103内の空気と外部の空気との間の熱移動を抑制する断熱部である。断熱材104としては、グラスウール等の繊維系断熱材や、ウレタンフォーム等の発泡系断熱材等を採用することができる。
収容空間103の内部には、圧縮機11、暖房用膨張弁15a、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、蒸発圧力調整弁19、チラー20、除湿用開閉弁23a、暖房用開閉弁23b等が収容されている。
このため、圧縮機側出口101a、圧縮機側入口101b、チラー側出口101i、チラー側入口101jは、収容空間103の内部に形成されている。より詳細には、圧縮機側出口101a、および圧縮機側入口101bは、流路ボックス101の収容空間103側の内側面に形成されていることによって、収容空間103の内部に形成されている。
また、室内凝縮器14、室外熱交換器16、および室内蒸発器18は、収容空間103の外部に配置されている。従って、本実施形態の室内凝縮器14、室外熱交換器16、および室内蒸発器18は、外部構成機器である。
凝縮器側出口101c、凝縮器側入口101d、室外器側出口101e、室外器側入口101f、蒸発器側出口101g、および蒸発器側入口101hは、流路ボックス101の外側面に形成されていることによって、収容空間103の外部に形成されている。
従って、本実施形態の凝縮器側出口101c、凝縮器側入口101d、室外器側出口101e、室外器側入口101f、蒸発器側出口101g、および蒸発器側入口101hは、外部構成機器の流入出口側が接続される外側接続口である。
また、流路ボックス101の収容空間103を形成する底面には、圧縮機11を固定するための複数(本実施形態では、4つ)の固定部101sが形成されている。圧縮機11は、防振ゴム11cを介して、固定部101sに固定されている。防振ゴム11cは、圧縮機11の振動が流路ボックス101に伝達されてしまうことを抑制する防振部材である。
より具体的には、防振ゴム11cは、略円柱形状の熱可塑性エラストマの両端面に、熱伝達性に優れる金属製のボルト状の締結部材を接着することによって形成されている。このため、防振ゴム11cの締結部材を圧縮機11に締結すると、圧縮機11の有する熱を防振ゴム11cに伝熱して、防振ゴム11cを加熱することができる。換言すると、防振ゴム11cは、圧縮機11が発生させた熱によって加熱可能に配置されている。
また、低圧ホース11aおよび高圧ホース11bは、図2に示すように、湾曲した状態で、圧縮機11および流路ボックス101に取り付けられている。
また、暖房用膨張弁15a、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、蒸発圧力調整弁19、および除湿用開閉弁23a、暖房用開閉弁23bは、流路ボックス101に形成された取付穴にネジ締結や圧入等の手段で固定されている。取付穴は、内部冷媒通路に連通している。
また、チラー20は、外部へ突出するように形成された冷媒出入口および熱媒体出入口が、それぞれ流路ボックス101に形成された冷媒出入口(すなわち、チラー側出口101i、チラー側入口101j)、および熱媒体出入口に嵌め込まれることによって、流路ボックス101に固定されている。
また、マフラー部12は、バッファ空間を形成するために、収容空間103側に膨出する形状に形成されている。本実施形態のマフラー部12は、流路ボックス101の側面に配置されている。
また、収容空間103に収容された電気式機器は、図示しない密封端子(いわゆる、ハーメチックシール端子)を介して、収容空間103の外部に配置された制御装置60に接続される。
次に、低温側熱媒体回路30について説明する。低温側熱媒体回路30は、低温側熱媒体を循環させる熱媒体回路である。低温側熱媒体回路30では、低温側熱媒体として、エチレングリコール水溶液を採用している。低温側熱媒体回路30には、図1に示すように、低温側ポンプ31、バッテリ80の冷却水通路80a、圧縮機モジュール100のチラー20の熱媒体通路等が接続されている。
低温側ポンプ31は、低温側熱媒体を吸入して圧送する低温側の熱媒体圧送部である。低温側ポンプ31は、バッテリ80の冷却水通路80aから流出した低温側熱媒体を圧縮機モジュール100の流路ボックス101に形成された低温側熱媒体入口101m側へ圧送する。低温側ポンプ31は、制御装置60から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、圧送能力)が制御される電動水ポンプであり、電気式機器に含まれる。
低温側熱媒体入口101mは、内部熱媒体通路を介して、チラー20の熱媒体通路の入口に連通している。チラー20の熱媒体通路の出口は、内部熱媒体通路を介して、流路ボックス101に形成された低温側熱媒体出口101nに連通している。
低温側熱媒体出口101nには、バッテリ80の冷却水通路80aの入口側が接続されている。バッテリ80の冷却水通路80aは、積層配置された複数の電池セルを収容するバッテリ専用ケースの内部に形成されている。冷却水通路80aの通路構成は、バッテリ専用ケースの内部で複数の通路を並列的に接続した通路構成となっている。これにより、冷却水通路80aでは、全ての電池セルを均等に冷却できるようにしている。冷却水通路80aの出口には、低温側ポンプ31の吸入口側が接続されている。
次に、室内空調ユニット50について説明する。室内空調ユニット50は、車室内の空調のために適切な温度に調整された送風空気を、車室内の適切な箇所へ吹き出すために、複数の構成機器を一体化したユニットである。室内空調ユニット50は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット50は、図1に示すように、送風空気の空気通路を形成する空調ケース51内に、室内送風機52、室内蒸発器18、室内凝縮器14等を収容することによって形成されている。空調ケース51は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
空調ケース51の送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置53が配置されている。内外気切替装置53は、空調ケース51内へ内気(すなわち、車室内空気)と外気(すなわち、車室外空気)とを切替導入する。内外気切替装置53は、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置53の送風空気流れ下流側には、室内送風機52が配置されている。室内送風機52は、内外気切替装置53を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する。室内送風機52は、制御装置60から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される。
室内送風機52の送風空気流れ下流側には、室内蒸発器18および室内凝縮器14が配置されている。室内蒸発器18は、室内凝縮器14よりも、送風空気流れ上流側に配置されている。空調ケース51内には、室内蒸発器18通過後の送風空気を、室内凝縮器14を迂回させて流す冷風バイパス通路55が形成されている。
空調ケース51内の室内蒸発器18の送風空気流れ下流側であって、かつ、室内凝縮器14および冷風バイパス通路55の送風空気流れ上流側には、エアミックスドア54が配置されている。
エアミックスドア54は、室内蒸発器18通過後の送風空気のうち、室内凝縮器14側を通過させる送風空気の風量と冷風バイパス通路55を通過させる送風空気の風量との風量割合を調整する。エアミックスドア54の駆動用のアクチュエータは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
室内凝縮器14および冷風バイパス通路55の送風空気流れ下流側には、混合空間56が配置されている。混合空間56は、室内凝縮器14にて加熱された送風空気と冷風バイパス通路55を通過して加熱されていない送風空気とを混合させる空間である。
従って、室内空調ユニット50では、エアミックスドア54の開度調整によって、混合空間56にて混合されて車室内へ吹き出される送風空気(すなわち、空調風)の温度を調整することができる。
空調ケース51の送風空気流れ最下流部には、空調風を車室内の様々な箇所へ向けて吹き出すための図示しない複数の開口穴が形成されている。複数の開口穴には、それぞれの開口穴を開閉する図示しない吹出モードドアが配置されている。吹出モードドアの駆動用のアクチュエータは、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
従って、室内空調ユニット50では、吹出モードドアが開閉する開口穴を切り替えることによって、車室内の適切な箇所へ適切な温度に調整された空調風を吹き出すことができる。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。制御装置60は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路を有している。制御装置60は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。そして、制御装置60は、演算、処理結果に基づいて、出力側に接続された各種制御対象機器11、15a~15d、19、23a、23b、31、52、53等の作動を制御する。
制御装置60の入力側には、図4のブロック図に示すように、内気温センサ61a、外気温センサ61b、日射センサ61c、吐出冷媒温度圧力センサ62a、高圧側冷媒温度圧力センサ62b、室外器側冷媒温度圧力センサ62c、蒸発器側冷媒温度圧力センサ62d、チラー側冷媒温度圧力センサ62e、低温側熱媒体温度センサ63a、バッテリ温度センサ64、空調風温度センサ65等が接続されている。
制御装置60には、これらの制御用のセンサ群の検出信号が入力される。これらのセンサは、ヒートポンプサイクル装置1の構成機器に含まれる。これらのセンサは、電気的な信号を出力するので、いずれも電気式機器に含まれる。
内気温センサ61aは、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部である。外気温センサ61bは、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出部である。日射センサ61cは、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。
吐出冷媒温度圧力センサ62aは、圧縮機11から吐出された冷媒の吐出冷媒温度Tdおよび吐出冷媒圧力Pdを検出する吐出冷媒温度圧力検出部である。本実施形態の吐出冷媒温度圧力センサ62aは、圧縮機11の外殻を形成するハウジング部に取り付けられている。従って、吐出冷媒温度圧力センサ62aは、圧縮機モジュール100の収容空間103内に配置されている。
高圧側冷媒温度圧力センサ62bは、室内凝縮器14から流出した冷媒の高圧側冷媒温度T1および高圧側冷媒圧力P1を検出する高圧側冷媒温度圧力検出部である。室外器側冷媒温度圧力センサ62cは、室外熱交換器16から流出した冷媒の室外器側冷媒温度T2および室外器側冷媒圧力P2を検出する。
蒸発器側冷媒温度圧力センサ62dは、室内蒸発器18から流出した冷媒の蒸発器側冷媒温度Teおよび蒸発器側冷媒圧力Peを検出する蒸発器側冷媒温度圧力検出部である。チラー側冷媒温度圧力センサ62e、チラー20の冷媒通路から流出した冷媒のチラー側冷媒温度Tcおよびチラー側冷媒圧力Pcを検出するチラー側冷媒温度圧力検出部である。
吐出冷媒温度圧力センサ62a、高圧側冷媒温度圧力センサ62b、室外器側冷媒温度圧力センサ62c、蒸発器側冷媒温度圧力センサ62d、およびチラー側冷媒温度圧力センサ62eは、圧縮機モジュール100の流路ボックス101に取り付けられている。さらに、収容空間103内に配置されたセンサは、圧縮機11等と同様に、図示しない密封端子を介して、制御装置60に接続されている。
また、本実施形態では、冷媒温度圧力センサとして、圧力検出部と温度検出部が一体化された検出部を採用しているが、もちろん、それぞれ別体で構成された圧力検出部と温度検出部とを採用してもよい。
低温側熱媒体温度センサ63aは、バッテリ80の冷却水通路80aへ流入する低温側熱媒体の温度である低温側熱媒体温度TWLを検出する低温側熱媒体温度検出部である。
バッテリ温度センサ64は、バッテリ80の温度であるバッテリ温度TBを検出するバッテリ温度検出部である。バッテリ温度センサ64は、複数の温度センサを有し、バッテリ80の複数の箇所の温度を検出している。このため、制御装置60では、バッテリ80を形成する各電池セルの温度差や温度分布を検出することができる。さらに、バッテリ温度TBとしては、複数の温度センサの検出値の平均値を採用している。
空調風温度センサ65は、混合空間56から車室内へ送風される送風空気温度TAVを検出する空調風温度検出部である。
さらに、制御装置60の入力側には、図4に示すように、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル70が接続されている。制御装置60には、操作パネル70に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作パネル70に設けられた各種操作スイッチとしては、具体的に、オートスイッチ、エアコンスイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ等がある。
オートスイッチは、車両用空調装置1の自動制御運転を設定あるいは解除する操作スイッチである。エアコンスイッチは、室内蒸発器18で送風空気の冷却を行うことを要求する操作スイッチである。風量設定スイッチは、室内送風機52の風量をマニュアル設定する操作スイッチである。温度設定スイッチは、車室内の設定温度Tsetを設定する操作スイッチである。
なお、本実施形態の制御装置60は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されたものである。従って、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。例えば、制御装置60のうち、圧縮機11の冷媒吐出能力(具体的には、回転数)を制御する構成は、吐出能力制御部60aを構成している。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1の作動について説明する。本実施形態の車両用空調装置1では、車室内の空調およびバッテリ80の温度調整を行うために、各種運転モードを切り替える。運転モードの切り替えは、予め制御装置60に記憶されている制御プログラムが実行されることによって行われる。
制御プログラムは、いわゆるIGスイッチが投入(ON)されて、車両システムが起動している際だけでなく、外部電源からバッテリ80に充電されている際等にも実行される。制御プログラムでは、所定の周期毎に上述したセンサ群の検出信号および操作パネル70の操作スイッチの操作信号を読み込む。そして、読み込まれた検出信号および操作信号に基づいて、運転モードを切り替える。
さらに、本実施形態の制御プログラムでは、操作パネル70のオートスイッチが投入(ON)されて、車室内空調の自動制御運転が設定された際には、読み込んだ検出信号および操作信号に基づいて、車室内へ吹き出される送風空気の目標温度である目標吹出温度TAOを算定する。
目標吹出温度TAOは、以下数式F1を用いて算出される。
TAO=Kset×Tset-Kr×Tr-Kam×Tam-Ks×As+C…(F1)
なお、Tsetは、操作パネル70の温度設定スイッチによって設定された車室内の設定温度である。Trは、内気温センサ61aによって検出された内気温である。Tamは、外気温センサ61bによって検出された外気温である。Asは、日射センサ61cによって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。以下に、各運転モードの詳細作動を説明する。
(a)冷房モード
冷房モードは、冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことによって車室内の冷房を行う運転モードである。本実施形態の制御プログラムでは、主に夏季のように外気温Tamが比較的高くなっている際に、車室内の冷房を行う運転モードを実行する。
冷房モードには、バッテリ80の冷却を行うことなく車室内の冷房を行う単独冷房モード、およびバッテリ80の冷却を行うとともに車室内の冷房を行う冷却冷房モードがある。本実施形態の制御プログラムでは、バッテリ温度TBが、予め定めた基準上限温度KTBH以上となった場合に、車載機器であるバッテリ80を冷却する運転モードを実行する。
(a-1)単独冷房モード
単独冷房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを全開状態とし、冷房用膨張弁15bを冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。また、制御装置60は、除湿用開閉弁23aを閉じ、暖房用開閉弁23bを閉じる。
このため、単独冷房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、全開状態となっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、絞り状態になっている冷房用膨張弁15b、室内蒸発器18、蒸発圧力調整弁19、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独冷房モードの室内空調ユニット50では、空調風温度センサ65によって検出された送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、エアミックスドア54の開度が制御される。また、単独冷房モードの室内空調ユニット50では、目標吹出温度TAOに基づいて、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独冷房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14および室外熱交換器16を、冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮器として機能させ、室内蒸発器18を、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独冷房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が室内蒸発器18にて冷却される。室内蒸発器18にて冷却された送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくように室内凝縮器14にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の冷房が実現される。
(a-2)冷却冷房モード
冷却冷房モードのヒートポンプサイクル10では、単独冷房モードに対して、制御装置60が、冷却用膨張弁15cを絞り状態とする。
このため、冷却冷房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、単独冷房モードと同様に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、全開状態となっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室内蒸発器18とチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却冷房モードの低温側熱媒体回路30では、制御装置60が、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、低温側ポンプ31を作動させる。このため、低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20の熱媒体通路、バッテリ80の冷却水通路80a、低温側ポンプ31の吸入口の順に循環する。
また、冷却冷房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却冷房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14および室外熱交換器16を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却冷房モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体がチラー20へ流入して冷却される。そして、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
冷却冷房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の冷房が実現される。
(b)直列除湿暖房モード
直列除湿暖房モードは、冷却されて除湿された送風空気を再加熱して車室内へ吹き出すことによって車室内の除湿暖房を行う運転モードである。本実施形態の制御プログラムでは、外気温Tamが冷房モードや暖房モードが選択されにくい中間温度域になっている際に、車室内の除湿暖房を行う運転モードを実行する。
直列除湿暖房モードには、バッテリ80の冷却を行うことなく車室内の除湿暖房を行う単独直列除湿暖房モード、およびバッテリ80の冷却を行うとともに車室内の除湿暖房を行う冷却直列除湿暖房モードがある。
(b-1)単独直列除湿暖房モード
単独直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを絞り状態とし、冷房用膨張弁15bを絞り状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。また、制御装置60は、除湿用開閉弁23aを閉じ、暖房用開閉弁23bを閉じる。
このため、単独直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、絞り状態になっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、絞り状態になっている冷房用膨張弁15b、室内蒸発器18、蒸発圧力調整弁19、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独直列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、単独直列除湿暖房モードでは、室外熱交換器16における冷媒の飽和温度が外気温Tamよりも高い場合には、室外熱交換器16を凝縮器として機能させる。また、室外熱交換器16における冷媒の飽和温度が外気温Tamよりも低い場合には、室外熱交換器16を蒸発器として機能させる。
単独直列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が室内蒸発器18にて冷却されて除湿される。室内蒸発器18にて冷却されて除湿された送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくように室内凝縮器14にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
(b-2)冷却直列除湿暖房モード
冷却直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、単独直列除湿暖房モードに対して、制御装置60が、冷却用膨張弁15cを絞り状態とする。
このため、冷却直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、単独直列除湿暖房モードと同様に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、絞り状態となっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室内蒸発器18とチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却直列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側ポンプ31の作動を制御する。このため、冷却直列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側熱媒体が循環する。
また、冷却直列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
さらに、冷却直列除湿暖房モードでは、単独直列除湿暖房モードと同様に、室外熱交換器16における冷媒の飽和温度が外気温Tamよりも高い場合には、室外熱交換器16を凝縮器として機能させる。また、室外熱交換器16における冷媒の飽和温度が外気温Tamよりも低い場合には、室外熱交換器16を蒸発器として機能させる。
冷却直列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
冷却直列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独直列除湿暖房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
(c)並列除湿暖房モード
並列除湿暖房モードは、冷却されて除湿された送風空気を直列除湿暖房モードよりも高い加熱能力で再加熱し、車室内へ吹き出すことによって車室内の除湿暖房を行う運転モードである。
並列除湿暖房モードには、バッテリ80の冷却を行うことなく車室内の除湿暖房を行う単独並列除湿暖房モード、およびバッテリ80の冷却を行うとともに車室内の除湿暖房を行う冷却並列除湿暖房モードがある。
(c-1)単独並列除湿暖房モード
単独並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを絞り状態とし、冷房用膨張弁15bを絞り状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。また、制御装置60は、除湿用開閉弁23aを開き、暖房用開閉弁23bを開く。
このため、単独並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、絞り状態となっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、暖房用通路22c、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、除湿用通路22b、絞り状態となっている冷房用膨張弁15b、室内蒸発器18、蒸発圧力調整弁19、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室外熱交換器16と室内蒸発器18が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、単独並列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室外熱交換器16および室内蒸発器18を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独並列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が室内蒸発器18にて冷却されて除湿される。室内蒸発器18にて冷却されて除湿された送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくように室内凝縮器14にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
さらに、単独並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、暖房用膨張弁15aの絞り開度を、冷房用膨張弁15bの絞り開度よりも減少させることができる。これによれば、室外熱交換器16における冷媒蒸発温度を、室内蒸発器18における冷媒蒸発温度よりも低い温度に低下させることができる。
従って、単独並列除湿暖房モードでは、単独直列除湿暖房モードよりも室外熱交換器16における冷媒の外気からの吸熱量を増加させて、室内凝縮器14における冷媒から送風空気への放熱量を増加させることができる。その結果、単独並列除湿暖房モードでは、室内凝縮器14における送風空気の加熱能力を、単独直列除湿暖房モードよりも向上させることができる。
(c-2)冷却並列除湿暖房モード
冷却並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、単独並列除湿暖房モードに対して、制御装置60が、冷却用膨張弁15cを絞り状態とする。
このため、冷却並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、単独並列除湿暖房モードと同様に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、除湿用通路22b、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室外熱交換器16、室内蒸発器18およびチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却並列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側ポンプ31の作動を制御する。このため、冷却直列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側熱媒体が循環する。
また、冷却並列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室外熱交換器16、室内蒸発器18およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却並列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
冷却並列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独並列除湿暖房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
(d)暖房モード
暖房モードは、加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって車室内の暖房を行う運転モードである。本実施形態の制御プログラムでは、主に冬季のように外気温Tamが比較的低くなっている場合に、車室内の暖房を行うための運転モードを実行する。
暖房モードには、バッテリ80の冷却を行うことなく車室内の暖房を行う単独暖房モード、およびバッテリ80の冷却を行うとともに車室内の暖房を行う冷却暖房モードがある。
(d-1)単独暖房モード
単独暖房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを絞り状態とし、冷房用膨張弁15bを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。また、制御装置60は、除湿用開閉弁23aを閉じ、暖房用開閉弁23bを開く。
このため、単独暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、絞り状態となっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、暖房用通路22c、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独暖房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室外熱交換器16を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が、室内蒸発器18を通過する。室内蒸発器18を通過した送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくように室内凝縮器14にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
(d-2)冷却暖房モード
冷却暖房モードのヒートポンプサイクル10では、単独暖房モードに対して、制御装置60が、冷却用膨張弁15cを絞り状態とする。また、制御装置60は、除湿用開閉弁23aを開く。
このため、冷却暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、単独暖房モードと同様に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、除湿用通路22b、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室外熱交換器16とチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却並列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側ポンプ31の作動を制御する。このため、冷却直列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側熱媒体が循環する。
また、冷却並列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却暖房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室外熱交換器16およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
冷却暖房モードの室内空調ユニット50では、単独暖房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
(e-1)ホットガス暖房モード
ホットガス暖房モードは、外気温Tamが極低温(例えば、-20℃以下)となった際に、車室内の暖房能力の低下を抑制するために実行される運転モードである。
ホットガス暖房モードでは、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを全閉状態とし、冷房用膨張弁15bを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを絞り状態とする。また、制御装置60は、除湿用開閉弁23aを開き、暖房用開閉弁23bを閉じる。
このため、ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10では、図5の実線矢印に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、除湿用通路22b、絞り状態となっている冷却用膨張弁15c、チラー20、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、絞り状態となっているホットガス用通路22aのホットガス流量調整弁15d、チラー20、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31を停止させる。また、ホットガス暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒の流れが、第1内部三方継手部13aにて分岐される。
第1内部三方継手部13aにて分岐された一方の冷媒は、室内凝縮器14へ流入して、送風空気へ放熱する。これにより、送風空気が加熱される。室内凝縮器14から流出した冷媒は、除湿用通路22bを介して、冷却用膨張弁15cへ流入して減圧される。冷却用膨張弁15cにて減圧された比較的エンタルピの低い冷媒は、第4内部三方継手部13dを介して、チラー20へ流入する。
一方、第1内部三方継手部13aにて分岐された他方の冷媒は、ホットガス流量調整弁15dにて流量調整されて減圧される。ホットガス流量調整弁15dにて減圧された比較的エンタルピの高い冷媒は、第4内部三方継手部13dを介して、チラー20へ流入する。
チラー20では、冷却用膨張弁15cにて減圧された冷媒とホットガス流量調整弁15dにて減圧された冷媒が混合される。この際、低温側ポンプ31が停止しているので、チラー20では、冷媒と低温側熱媒体が熱交換することはない。チラー20から流出した冷媒は、アキュムレータ部21へ流入して気液分離される。アキュムレータ部21にて分離された気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
ホットガス暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が、室内蒸発器18を通過する。室内蒸発器18を通過した送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて室内凝縮器14にて加熱される。そして、室内凝縮器14にて加熱された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
より詳細には、ホットガス暖房モードは、極低外気温時に実行される運転モードなので、室内凝縮器14から流出した冷媒を室外熱交換器16へ流入させると、冷媒が外気に放熱して、冷媒のエンタルピが低下してしまうおそれがある。そのため、室内凝縮器14から流出した冷媒を室外熱交換器16へ流入させると、チラー20へ流入する冷媒のエンタルピも低下しやすい。
さらに、冷媒が室外熱交換器16にて外気に放熱してしまうと、冷媒が室内凝縮器14にて送風空気へ放熱する放熱量が減少してしまうので、送風空気の加熱能力が低下してしまう可能性がある。
これに対して、ホットガス暖房モードでは、室内凝縮器14から流出した冷媒を室外熱交換器16へ流入させることなく、冷却用膨張弁15cへ流入させている。また、低温側ポンプ31を停止させて、チラー20にて冷媒と低温側熱媒体とを熱交換させないようにしている。さらに、チラー20にて、冷却用膨張弁15cにて減圧させた冷媒と、ホットガス流量調整弁15dにて減圧された冷媒とを混合させている。
従って、ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10では、暖房モードよりも圧縮機11の冷媒吐出能力を増大させても、チラー20から圧縮機11の吸入口側へ流出させる吸入側冷媒を過熱度を有する気相冷媒とすることができる。そして、圧縮機11の圧縮仕事量を増大させることによって、室内凝縮器14における冷媒から送風空気への放熱量の減少を抑制することができる。
その結果、ホットガス暖房モードでは、送風空気の加熱能力の低下を抑制しながら車室内の暖房を実現することができる。
ここで、ホットガス暖房モードは、極低外気温時に実行される運転モードなので、バッテリ80を冷却する必要がない。これに対して、低外気温時には、バッテリ80の暖機が必要となることもある。そこで、本実施形態の車両用空調装置1では、車載機器であるバッテリ80を暖機するための暖機ホットガス暖房モードを実行することができる。
より具体的には、本実施形態の車両用空調装置1では、ホットガス暖房モードの実行中であって、バッテリ温度センサ64によって検出されたバッテリ温度TBが、予め定めた基準下限温度KTBL以下となった場合に、暖機ホットガス暖房モードを実行する。
(e-2)暖機ホットガス暖房モード
暖機ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30では、制御装置60が、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、低温側ポンプ31を作動させる。このため、低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20の熱媒体通路、バッテリ80の冷却水通路80aの順で循環する。その他の作動は、ホットガス暖房モードと同様である。
従って、暖機ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10では、チラー20へ流入した冷媒が低温側熱媒体に放熱する。これにより、低温側熱媒体が加熱される。暖機ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30では、チラー20にて加熱された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通する。これにより、バッテリ80が暖機される。
(f)単独冷却モード
単独冷却モードは、車室内の空調を行うことなく、バッテリ80の冷却を行う運転モードである。
単独冷却モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを全開状態とし、冷房用膨張弁15bを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。また、制御装置60は、除湿用開閉弁23aを閉じ、暖房用開閉弁23bを閉じる。
このため、単独冷却モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、全開状態となっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独冷却モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、冷却冷房モードと同様に循環する。また、単独冷却モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52停止させる。
従って、単独冷却モードのヒートポンプサイクル10では、室外熱交換器16を、凝縮器として機能させ、チラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独冷却モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1では、運転モードを切り替えることによって、車室内の快適な空調、および車載機器であるバッテリ80の適切な温度調整を行うことができる。
さらに、本実施形態では、圧縮機モジュール100を採用しているので、ヒートポンプサイクル装置である車両用空調装置1の生産性の悪化を招くことなく、圧縮機11の騒音を充分に抑制することができる。
より詳細には、圧縮機モジュール100では、圧縮機11から吐出された冷媒を、流路ボックス101の内部冷媒通路を介して、室内凝縮器14、室外熱交換器16、室内蒸発器18といった外部構成機器側へ流出させることができる。同様に、外部構成機器から流出した冷媒を、流路ボックス101の内部冷媒通路を介して、圧縮機11へ吸入させることができる。
従って、流路ボックス101やカバー部材102に、圧縮機11と外部構成機器とを接続する配管を通過させるための貫通穴等を形成する必要がない。このため、圧縮機11の騒音が、貫通穴と配管との隙間を介して、収容空間103の外部へ漏れ出てしまうことがない。さらに、貫通穴と配管との隙間を防音用の封止部材等で塞ぐ必要もない。
その結果、ヒートポンプサイクル装置1の生産性の悪化を招くことなく、騒音を充分に抑制することができる。さらに、本実施形態の圧縮機モジュール100では、収容空間103を密閉された空間として形成しているので、圧縮機11の騒音が、その他の隙間を介して、収容空間103の外部に漏れ出てしまうこともない。
また、本実施形態の圧縮機モジュール100の低圧ホース11aおよび高圧ホース11bは、可撓性を有し、弾性変形可能な冷媒ホース部を有している。そして、低圧ホース11aおよび高圧ホース11bが、湾曲した状態で圧縮機11および流路ボックス101に取り付けられている。
これによれば、圧縮機11の振動が、低圧ホース11aおよび高圧ホース11bを介して、流路ボックス101やカバー部材102に伝達されてしまうことを抑制することができる。従って、圧縮機11から伝達された振動によって、流路ボックス101やカバー部材102が、騒音を発生させてしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態の圧縮機モジュール100では、圧縮機11と流路ボックス101の固定部101sとの間に、熱可塑性を有する防振ゴム11cを配置している。さらに、防振ゴム11cに、圧縮機11の有する熱を伝熱して、防振ゴム11cを加熱することができる。
これによれば、低外気温時等にも、圧縮機11の有する熱を防振ゴム11cに伝熱して、防振ゴム11cを加熱することで、防振ゴム11cの弾性の低下を抑制することができる。従って、圧縮機11の振動が流路ボックス101やカバー部材102に伝達されて、流路ボックス101やカバー部材102が、騒音を発生させてしまうことを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の圧縮機モジュール100では、断熱材104を備えている。これによれば、低外気温時等にも、圧縮機モジュール100の外側面から収容空間103内の熱が不必要に放熱されてしまうことを抑制することができる。このことは、極低外気温時にも作動させる必要のあるヒートポンプサイクル装置において有効である。さらに、断熱材104によって、より一層、防音効果を得ることもできる。
これに加えて、本実施形態では、圧縮機モジュール100の外側面に断熱材104を配置している。従って、例えば、シート状に形成された断熱材を圧縮機モジュール100の外側面に貼り付けることによって、圧縮機モジュール100に断熱材104を容易に取り付けることができる。
また、本実施形態のヒートポンプサイクル装置1では、ホットガス暖房モード時に、ヒートポンプサイクル10の冷媒回路を、室内凝縮器14から流出した冷媒と第1内部三方継手部13aにて分岐された他方の冷媒を合流させて圧縮機11へ吸入させる冷媒回路に切り替える。
ホットガス暖房モードは、極低外気温時に実行される運転モードなので、暖房モードよりも圧縮機11の冷媒吐出能力(すなわち、回転数)を増加させる。このため、圧縮機11の騒音も増加しやすい。従って、ホットガス暖房モードを実行可能なヒートポンプサイクル装置に、圧縮機モジュール100を適用することは、騒音抑制のために極めて有効である。
(第2実施形態)
本実施形態では、本発明に係る圧縮機モジュール110を、図6の全体構成図に示す車両用空調装置1aに適用した例を説明する。車両用空調装置1aは、第1実施形態で説明した車両用空調装置1と同様に、車室内の空調および車載機器の温度調整を行うヒートポンプサイクル装置である。なお、図6では、図示の明確化のため、室内空調ユニット50を省略している。
車両用空調装置1aは、ヒートポンプサイクル10a、低温側熱媒体回路30a、室内空調ユニット50等に加えて、高温側熱媒体回路40を備えている。
本実施形態のヒートポンプサイクル10aでは、第1実施形態で説明したヒートポンプサイクル10に対して、マフラー部12、室内凝縮器14、暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、除湿用通路22b、暖房用通路22c、除湿用開閉弁23a、暖房用開閉弁23b等が廃止されている。
圧縮機モジュール110は、主にヒートポンプサイクル10aを構成する複数の構成機器を一体化させた構成部品である。本実施形態の圧縮機モジュール110では、図6の破線で囲まれた構成機器等が一体化されている。
より具体的には、本実施形態の圧縮機モジュール110では、ヒートポンプサイクル10aの構成機器のうち、圧縮機11、水冷媒熱交換器141、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、蒸発圧力調整弁19、チラー20等が一体化されている。
これらの構成機器は、圧縮機モジュール110の流路ボックス111に取り付けられることによって一体化されている。また、水冷媒熱交換器141のレシーバ部141bについては、流路ボックス111に一体的に形成されている。流路ボックス111は、第1実施形態で説明した流路ボックス101と同様の取付部材であり、通路形成部材である。
ヒートポンプサイクル10aの圧縮機11の吐出口には、第1実施形態と同様に、高圧ホース11bを介して、流路ボックス111に形成された圧縮機側入口111bが接続されている。圧縮機側入口111bは、内部冷媒通路を介して、第1内部三方継手部13aの流入口に連通している。
第1内部三方継手部13aの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス111に形成された凝縮器側出口111cに連通している。第1内部三方継手部13aの他方の流出口は、ホットガス用通路22aを介して、第4内部三方継手部13dの一方の流入口に連通している。ホットガス用通路22aには、第1実施形態と同様に、ホットガス流量調整弁15dが配置されている。
凝縮器側出口111cには、水冷媒熱交換器141の冷媒通路の入口が直接接続されている。より詳細には、水冷媒熱交換器141の凝縮部141aの入口が直接接続されている。水冷媒熱交換器141は、圧縮機11から吐出された冷媒と高温側熱媒体回路40を循環する高温側熱媒体とを熱交換させる熱交換部である。
ヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器141として、いわゆるサブクール型の熱交換器を採用している。このため、水冷媒熱交換器141は、凝縮部141a、レシーバ部141b、過冷却部141cを有している。
凝縮部141aは、圧縮機11から吐出された冷媒と高圧側熱媒体とを熱交換させて、高圧側冷媒を凝縮させる凝縮用の熱交換部である。凝縮部141aの冷媒出口には、流路ボックス111に形成されたレシーバ部141bの入口が接続されている。
レシーバ部141bは、凝縮部141aから流出した冷媒の気液を分離して、分離された液相冷媒をサイクルの余剰冷媒として蓄える高圧側の気液分離部である。流路ボックス111に形成されたレシーバ部141bの出口には、過冷却部141cの冷媒入口が接続されている。
過冷却部141cは、レシーバ部141bから流出した液相冷媒と高圧側熱媒体とを熱交換させて、液相冷媒を過冷却する過冷却用の熱交換部である。従って、レシーバ部141bを含む水冷媒熱交換器141は、高圧側冷媒機器である。
水冷媒熱交換器141の過冷却部141cの出口には、流路ボックス111に形成された凝縮器側入口111dが直接接続されている。凝縮器側入口111dは、内部冷媒通路を介して、第7内部三方継手部13gの流入口に連通している。
第7内部三方継手部13gの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス111に形成された蒸発器側出口111gに連通している。第7内部三方継手部13gの一方の流出口から蒸発器側出口111gへ至る内部冷媒通路には、冷房用膨張弁15bが配置されている。
蒸発器側出口111gには、室内蒸発器18の冷媒入口側が接続されている。室内蒸発器18の冷媒出口には、流路ボックス111に形成された蒸発器側入口111h側が接続されている。
第7内部三方継手部13gの他方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第4内部三方継手部13dの他方の流入口に連通している。第7内部三方継手部13gの他方の流出口から第4内部三方継手部13dの他方の流入口へ至る内部冷媒通路には、冷却用膨張弁15cが配置されている。
第4内部三方継手部13dの流出口は、流路ボックス111に形成されたチラー側出口111iに連通している。チラー側出口111iには、チラー20の冷媒入口が直接接続されている。チラー20の冷媒出口には、流路ボックス111に形成されたチラー側入口111jが直接接続されている。その他のヒートポンプサイクル10aの構成は、第1実施形態で説明したヒートポンプサイクル10と同様である。
次に、図7を用いて、圧縮機モジュール110の詳細構成を説明する。圧縮機モジュール110の基本的構成は、第1実施形態で説明した圧縮機モジュール100と同様である。圧縮機モジュール110は、金属製の流路ボックス111を備えている。また、圧縮機モジュール110は、図示しない樹脂製のカバー部材を備えている。
カバー部材は、第1実施形態と同様に、流路ボックス111に取り付けられることによって、圧縮機モジュール110の内部に圧縮機11等を収容する密閉空間である収容空間113を形成する。圧縮機モジュール110の外観についても、第1実施形態と同様に、直方体形状となる。さらに、圧縮機モジュール110の外側面には、第1実施形態と同様に、図示しない断熱材が配置されている。
収容空間113の内部には、圧縮機11の他に、水冷媒熱交換器141、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、蒸発圧力調整弁19、チラー20が収容されている。
このため、圧縮機側出口111a、圧縮機側入口111b、凝縮器側出口111c、凝縮器側入口111d、チラー側出口111i、チラー側入口111jは、収容空間113の内部に形成されている。より詳細には、圧縮機側出口111a、および圧縮機側入口111bは、流路ボックス111の収容空間113側の内側面に形成されていることによって、収容空間113の内部に形成されている。
また、室内蒸発器18は、収容空間113の外部に配置されている。従って、本実施形態の室内蒸発器18は、外部構成機器である。蒸発器側出口111g、および蒸発器側入口111hは、流路ボックス111の外周側の外側面に形成されていることによって、収容空間113の外部に形成されている。従って、本実施形態の蒸発器側出口111g、および蒸発器側入口111hは、外側接続口である。
また、圧縮機11は、第1実施形態と同様に、防振ゴム11cを介して、流路ボックス111の収容空間113を形成する底面に形成された複数(本実施形態では、4つ)の固定部111sに固定されている。
また、水冷媒熱交換器141は、外部へ突出するように形成された冷媒出入口および熱媒体出入口が、それぞれ流路ボックス111に形成された冷媒出入口(すなわち、凝縮器側出口111c、凝縮器側入口111d等)、および熱媒体出入口に嵌め込まれることによって、流路ボックス111に固定されている。
また、レシーバ部141bは、貯液空間を形成するために、収容空間113側に膨出する形状に形成されている。レシーバ部141bは、流路ボックス111の底面に、複数の固定部111sに囲まれるように配置されている。換言すると、複数の固定部111sは、レシーバ部141bが形成された部位の周囲に配置されている。
これにより、圧縮機モジュール110では、レシーバ部141b内の高圧側冷媒の有する熱を防振ゴム11cに伝熱して、防振ゴム11cを加熱することができる。換言すると、防振ゴム11cは、レシーバ部141b内の高圧側冷媒の有する熱によって加熱可能に配置されている。その他の構成機器の固定および電気的接続については、第1実施形態と同様である。
次に、低温側熱媒体回路30aについて説明する。低温側熱媒体回路30aは、後述する各種運転モードに応じて、熱媒体回路を切替可能に構成されている。低温側熱媒体回路30aには、図6に示すように、低温側ポンプ31、低温側流量調整弁32、低温側ラジエータ34、バッテリ80の冷却水通路80a、圧縮機モジュール110のチラー20の熱媒体通路等が接続されている。
本実施形態の低温側ポンプ31は、低温側三方継手部33から流出した低温側熱媒体を圧縮機モジュール110の流路ボックス111に形成された低温側熱媒体入口111m側へ圧送する。低温側三方継手部33は、互いに連通する3つの流入出口を有する低温側熱媒体用の三方継手である。
低温側熱媒体入口111mは、内部熱媒体通路を介して、チラー20の熱媒体通路の入口に連通している。チラー20の熱媒体通路の出口は、内部熱媒体通路を介して、流路ボックス111に形成された低温側熱媒体出口111nに連通している。
低温側熱媒体出口111nには、低温側流量調整弁32の流入口が接続されている。低温側流量調整弁32の一方の流出口には、バッテリ80の冷却水通路80aの入口側が接続されている。低温側流量調整弁32の他方の流出口には、低温側ラジエータ34の熱媒体入口側が接続されている。
低温側流量調整弁32は、低温側熱媒体出口111nから流出した低温側熱媒体のうち、バッテリ80の冷却水通路80a側へ流出させる流量と、低温側ラジエータ34側へ流出させる流量との流量比を連続的に調整可能な三方式の低温側熱媒体流量調整部である。低温側流量調整弁32は、制御装置60から出力される制御信号によって、その作動が制御される。低温側流量調整弁32は、電気式機器に含まれる。
低温側流量調整弁32は、流量比を調整することによって、バッテリ80の冷却水通路80aおよび低温側ラジエータ34のいずれか一方側のみに、低温側熱媒体を流出させることができる。従って、低温側流量調整弁32は、低温側熱媒体回路30aの回路構成を切り替える低温側熱媒体回路切替部である。
低温側ラジエータ34は、低温側熱媒体と外気とを熱交換させる熱交換部である。低温側ラジエータ34は、後述する高温側ラジエータ44とともに、駆動装置室に配置されている。低温側ラジエータ34の熱媒体出口には、低温側三方継手部33の一方の流入口が接続されている。また、バッテリ80の冷却水通路80aの出口には、低温側三方継手部33の他方の流入口が接続されている。
次に、高温側熱媒体回路40について説明する。高温側熱媒体回路40は、高温側熱媒体を循環させる熱媒体回路である。高温側熱媒体回路40では、高温側熱媒体として、低温側熱媒体と同種の流体を採用している。高温側熱媒体回路40は、後述する各種運転モードに応じて、熱媒体回路を切替可能に構成されている。
高温側熱媒体回路40には、図6に示すように、高温側ポンプ41、高温側流量調整弁42、高温側ラジエータ44、ヒータコア45、圧縮機モジュール110の水冷媒熱交換器141の熱媒体通路等が接続されている。
高温側ポンプ41は、高温側熱媒体を吸入して圧送する高温側の熱媒体圧送部である。高温側ポンプ41は、高温側三方継手部43の流出口から流出した高温側熱媒体を圧縮機モジュール110の流路ボックス111に形成された高温側熱媒体入口111p側へ圧送する。高温側ポンプ41の基本的構成は、低温側ポンプ31と同様である。高温側三方継手部43の基本的構成は、低温側三方継手部33と同様である。
高温側熱媒体入口111pは、内部熱媒体通路を介して、水冷媒熱交換器141の熱媒体通路の入口に連通している。水冷媒熱交換器141の熱媒体通路の出口は、内部熱媒体通路を介して、流路ボックス111に形成された高温側熱媒体出口111qに連通している。
高温側熱媒体出口111qには、高温側流量調整弁42の流入口が接続されている。高温側流量調整弁42の一方の流出口には、高温側ラジエータ44の熱媒体入口側が接続されている。高温側流量調整弁42の他方の流出口には、ヒータコア45の熱媒体入口側が接続されている。
高温側流量調整弁42は、高温側熱媒体出口111qから流出した高温側熱媒体のうち、高温側ラジエータ44側へ流出させる流量と、ヒータコア45側へ流出させる流量との流量比を連続的に調整可能な三方式の高温側熱媒体流量調整部である。高温側流量調整弁42の基本的構成は、低温側流量調整弁32と同様である。
高温側流量調整弁42は、流量比を調整することによって、高温側ラジエータ44およびヒータコア45のいずれか一方側のみに、高温側熱媒体を流出させることができる。従って、高温側流量調整弁42は、高温側熱媒体回路40の回路構成を切り替える高温側熱媒体回路切替部である。
高温側ラジエータ44は、高温側熱媒体と外気とを熱交換させる熱交換部である。高温側ラジエータ44は、低温側ラジエータ34とともに、駆動装置室に配置されている。高温側ラジエータ44は、駆動装置室において、低温側ラジエータ34の外気流れ上流側に配置されている。このため、低温側ラジエータ34では、低温側熱媒体と高温側ラジエータ44通過後の外気とを熱交換させる。
ヒータコア45は、室内空調ユニット50の空調ケース51内に、第1実施形態で説明した室内凝縮器14と同様に配置されている。ヒータコア45は、水冷媒熱交換器141で加熱された高温側熱媒体と送風空気とを熱交換させる熱交換部である。ヒータコア45では、高温側熱媒体の有する熱を送風空気へ放熱させて、送風空気を加熱する。
従って、高温側熱媒体回路40では、水冷媒熱交換器141にて、高圧側冷媒と高温側熱媒体とを熱交換させて、高温側熱媒体を加熱することができる。さらに、ヒータコア45にて高温側熱媒体と送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱することができる。従って、本実施形態では、水冷媒熱交換器141および高温側熱媒体回路40の各構成機器が、圧縮機11から吐出された冷媒を熱源として空気を加熱する加熱部となる。
また、本実施形態の制御装置60の入力側には、高温側熱媒体温度センサ63bが接続されている。高温側熱媒体温度センサ63bは、ヒータコア45へ流入する高温側熱媒体の温度である高温側熱媒体温度TWHを検出する高温側熱媒体温度検出部である。
その他の車両用空調装置1aの構成は、第1実施形態で説明した車両用空調装置1と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1aの作動について説明する。車両用空調装置1aでは、第1実施形態で説明した車両用空調装置1と同様に、各種運転モードを切り替えて、車室内の空調およびバッテリ80の温度調整を行う。以下に、各運転モードの詳細作動を説明する。
(a-1)単独冷房モード
単独冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、冷房用膨張弁15bを絞り状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。
このため、単独冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器141、絞り状態になっている冷房用膨張弁15b、室内蒸発器18、蒸発圧力調整弁19、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独冷房モードの高温側熱媒体回路40では、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、高温側ポンプ41を作動させる。さらに、高温側熱媒体温度TWHが予め定めた基準高温側熱媒体温度KTWHに近づくように、高温側流量調整弁42の作動を制御する。
このため、単独冷房モードの高温側熱媒体回路40では、高温側ポンプ41から圧送された低温側熱媒体が、水冷媒熱交換器141、ヒータコア45、高温側ポンプ41の吸入口の順に循環する。同時に、高温側ポンプ41から圧送された低温側熱媒体が、水冷媒熱交換器141、高温側ラジエータ44、高温側ポンプ41の吸入口の順に循環する回路構成に切り替えられる。
ここで、車室内を冷房する冷房モードでは、ヒータコア45にて高温側熱媒体から送風空気へ放熱される放熱量が少なくなる。このため、冷房モードの高温側流量調整弁42では、高温側熱媒体出口111qから流出した高温側熱媒体の殆ど全流量を高温側ラジエータ44側へ流出させることが多い。
また、単独冷房モードの室内空調ユニット50では、第1実施形態の単独冷房モード等と同様に、送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、エアミックスドア54の開度が制御される。また、単独冷房モードの室内空調ユニット50では、目標吹出温度TAOに基づいて、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器141を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独冷房モードの高温側熱媒体回路40では、高温側ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器141にて加熱される。水冷媒熱交換器141にて加熱された高温側熱媒体は、高温側流量調整弁42の作動に応じて、高温側ラジエータ44およびヒータコア45へ流入する。高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体は、外気に放熱して冷却される。ヒータコア45へ流入した高温側熱媒体は、送風空気に放熱する。
単独冷房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が室内蒸発器18にて冷却される。室内蒸発器18にて冷却された送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくようにヒータコア45にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の冷房が実現される。
(a-2)冷却冷房モード
冷却冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、単独冷房モードに対して、制御装置60が、冷却用膨張弁15cを絞り状態とする。
このため、冷却冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器141、絞り状態になっている冷房用膨張弁15b、室内蒸発器18、蒸発圧力調整弁19、圧縮機11の吸入口の順に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器141、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室内蒸発器18とチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却冷房モードの低温側熱媒体回路30aでは、制御装置60が、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、低温側ポンプ31を作動させる。さらに、低温側熱媒体出口111nから流出した高温側熱媒体の全流量をバッテリ80の冷却水通路80a側へ流出させるように低温側流量調整弁32の作動を制御する。
このため、冷却冷房モードの低温側熱媒体回路30aでは、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20、バッテリ80の冷却水通路80a、低温側ポンプ31の吸入口の順に循環する回路構成に切り替えられる。
また、冷却冷房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ポンプ41、および高温側流量調整弁42の作動を制御する。
また、冷却冷房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却冷房モードのヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器141を、冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮器として機能させ、室内蒸発器18およびチラー20を、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却冷房モードの低温側熱媒体回路30aでは、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20へ流入して冷却される。そして、チラー20にて冷却された低温側熱媒体が、バッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
冷却冷房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体は、外気に放熱して冷却される。ヒータコア45へ流入した高温側熱媒体は、送風空気に放熱する。
冷却冷房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の冷房が実現される。
(b-1)単独除湿暖房モード
単独除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、冷房用膨張弁15bを絞り状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。
このため、単独除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、冷却冷房モードと同様に、冷媒回路が切り替えられる。つまり、室内蒸発器18とチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、単独除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、制御装置60が、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、低温側ポンプ31を作動させる。さらに、低温側熱媒体出口111nから流出した高温側熱媒体の全流量を低温側ラジエータ34側へ流出させるように低温側流量調整弁32の作動を制御する。
このため、単独除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20、低温側ラジエータ34、低温側ポンプ31の吸入口の順に循環する回路構成に切り替えられる。
また、単独除湿暖房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ポンプ41、および高温側流量調整弁42の作動を制御する。
また、単独除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器141を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20へ流入して冷却される。チラー20にて冷却された低温側熱媒体は、低温側ラジエータ34へ流入する。低温側ラジエータ34では、低温側熱媒体が外気と熱交換して、外気から吸熱する。
単独除湿暖房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体は、外気に放熱して冷却される。ヒータコア45へ流入した高温側熱媒体は、送風空気に放熱する。
単独除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が室内蒸発器18にて冷却されて除湿される。室内蒸発器18にて冷却されて除湿された送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくようにヒータコア45にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
(b-2)冷却除湿暖房モード
冷却除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、単独除湿暖房モードと同様に、制御装置60が、冷房用膨張弁15bを絞り状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。
このため、冷却除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、単独除湿暖房モードと同様に、冷媒回路が切り替えられる。つまり、室内蒸発器18とチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、制御装置60が、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、低温側ポンプ31を作動させる。さらに、低温側熱媒体回路30aでは、低温側熱媒体温度センサ63aによって検出された低温側熱媒体温度TWLが、予め定めた基準低温側熱媒体温度KTWLに近づくように、低温側流量調整弁32の作動が制御される。
また、冷却除湿暖房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ポンプ41、および高温側流量調整弁42の作動を制御する。
また、冷却除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器141を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体がチラー20へ流入して冷却される。チラー20にて冷却された低温側熱媒体は、低温側流量調整弁32の作動に応じて、バッテリ80の冷却水通路80aおよび低温側ラジエータ34へ流入する。
そして、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。低温側ラジエータ34へ流入した低温側熱媒体は、外気と熱交換して、外気から吸熱する。
冷却除湿暖房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体は、外気に放熱して冷却される。ヒータコア45へ流入した高温側熱媒体は、送風空気に放熱する。
冷却除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独除湿暖房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
(d-1)単独暖房モード
単独暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、冷房用膨張弁15bを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。
このため、単独暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器141、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、単独除湿暖房モードと同様に、低温側ポンプ31、および低温側流量調整弁32の作動を制御する。
また、単独暖房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ポンプ41、および高温側流量調整弁42の作動を制御する。
ここで、車室内を暖房する暖房モードでは、冷房モードや除湿暖房モードよりも、ヒータコア45にて高温側熱媒体から送風空気へ放熱される放熱量が増加する。このため、暖房モードの高温側流量調整弁42では、高温側熱媒体出口111qから流出した高温側熱媒体の殆ど全流量をヒータコア45側へ流出させることが多い。
また、単独暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器141を、凝縮器として機能させ、チラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、単独除湿暖房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体が、低温側ラジエータ34へ流入する。低温側ラジエータ34では、低温側熱媒体が外気と熱交換して、外気から吸熱する。
単独暖房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体は、外気に放熱して冷却される。ヒータコア45へ流入した高温側熱媒体は、送風空気に放熱する。
単独暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が、室内蒸発器18を通過する。室内蒸発器18を通過した送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくように室内凝縮器14にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
(d-2)冷却暖房モード
冷却暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、冷房用膨張弁15bを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。
このため、冷却暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、単独暖房モードと同様の冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、冷却除湿暖房モードと同様に、低温側ポンプ31、および低温側流量調整弁32の作動を制御する。
また、冷却暖房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ポンプ41、および高温側流量調整弁42の作動を制御する。
また、冷却暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器141を、凝縮器として機能させ、チラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、冷却除湿暖房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。低温側ラジエータ34へ流入した低温側熱媒体は、外気と熱交換して、外気から吸熱する。
冷却暖房モードの高温側熱媒体回路40では、単独冷房モードと同様に、高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体は、外気に放熱して冷却される。ヒータコア45へ流入した高温側熱媒体は、送風空気に放熱する。
冷却暖房モードの室内空調ユニット50では、冷却暖房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
(e-1)ホットガス暖房モード
ホットガス暖房モードでは、制御装置60が、冷房用膨張弁15bを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを絞り状態とする。
このため、ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器141、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、絞り状態となっているホットガス用通路22aのホットガス流量調整弁15d、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、低温側ポンプ31を停止させる。
また、ホットガス暖房モードの高温側熱媒体回路40では、制御装置60が、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、高温側ポンプ41を作動させる。さらに、高温側熱媒体出口111qから流出した高温側熱媒体の全流量をヒータコア45側へ流出させるように高温側流量調整弁42の作動を制御する。
このため、ホットガス暖房モードの高温側熱媒体回路40では、高温側ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が、水冷媒熱交換器141の熱媒体通路、ヒータコア45、高温側ポンプ41の吸入口の順に循環する回路構成に切り替えられる。
また、ホットガス暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒の流れが、第1内部三方継手部13aにて分岐される。
第1内部三方継手部13aにて分岐された一方の冷媒は、水冷媒熱交換器141へ流入して、高温側熱媒体へ放熱する。これにより、高温側熱媒体が加熱される。水冷媒熱交換器141から流出した冷媒は、冷却用膨張弁15cへ流入して減圧される。冷却用膨張弁15cにて減圧された比較的エンタルピの低い冷媒は、チラー20へ流入する。
一方、第1内部三方継手部13aにて分岐された他方の冷媒は、ホットガス流量調整弁15dにて流量調整されて減圧される。ホットガス流量調整弁15dにて減圧された比較的エンタルピの高い冷媒は、チラー20へ流入する。
チラー20では、冷却用膨張弁15cにて減圧された冷媒とホットガス流量調整弁15dにて減圧された冷媒が混合される。この際、低温側ポンプ31が停止しているので、チラー20では、冷媒と低温側熱媒体が熱交換することはない。チラー20から流出した冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
ホットガス暖房モードの高温側熱媒体回路40では、ヒータコア45へ流入した高温側熱媒体が、送風空気に放熱する。
ホットガス暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が、室内蒸発器18を通過する。室内蒸発器18を通過した送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じてヒータコア45にて加熱される。そして、ヒータコア45にて加熱された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
(e-2)暖機ホットガス暖房モード
暖機ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30aでは、制御装置60が、冷却冷房モードと同様に、低温側ポンプ31および低温側流量調整弁32の作動を制御する。このため、低温側熱媒体回路30aでは、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20、バッテリ80の冷却水通路80a、低温側ポンプ31の吸入口の順に循環する回路構成に切り替えられる。その他の作動は、ホットガス暖房モードと同様である。
従って、暖機ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、チラー20へ流入した冷媒が低温側熱媒体に放熱する。これにより、低温側熱媒体が加熱される。暖機ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30では、チラー20にて加熱された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通する。これにより、バッテリ80が暖機される。
(f)単独冷却モード
単独冷却モードのヒートポンプサイクル10aでは、制御装置60が、冷房用膨張弁15bを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とする。
このため、単独冷却モードのヒートポンプサイクル10aでは、単独暖房モードと同様に、圧縮機11から吐出された冷媒が、水冷媒熱交換器141、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独冷却モードの低温側熱媒体回路30aでは、冷却冷房モードと同様に、低温側ポンプ31および低温側流量調整弁32の作動を制御する。
このため、単独冷却モードの低温側熱媒体回路30aでは、制御装置60が、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20、バッテリ80の冷却水通路80a、低温側ポンプ31の吸入口の順に循環する回路構成に切り替えられる。
また、単独冷却モードの高温側熱媒体回路40では、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、高温側ポンプ41を作動させる。さらに、高温側熱媒体出口111qから流出した高温側熱媒体の全流量を高温側ラジエータ44側へ流出させるように高温側流量調整弁42の作動を制御する。
このため、単独冷却モードの高温側熱媒体回路40では、高温側ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が、水冷媒熱交換器141、高温側ラジエータ44、高温側ポンプ41の吸入口の順に循環する回路構成に切り替えられる。
従って、単独冷却モードのヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器141を、凝縮器として機能させ、チラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独冷却モードの低温側熱媒体回路30aでは、冷却冷房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体が、バッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
単独冷却モードの高温側熱媒体回路40では、高温側ポンプ41から圧送された高温側熱媒体が水冷媒熱交換器141にて加熱される。水冷媒熱交換器141にて加熱された高温側熱媒体は、高温側ラジエータ44へ流入する。高温側ラジエータ44へ流入した高温側熱媒体は、外気に放熱して冷却される。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1aでは、運転モードを切り替えることによって、車室内の快適な空調、および車載機器であるバッテリ80の適切な温度調整を行うことができる。
また、本実施形態のヒートポンプサイクル10aでは、水冷媒熱交換器141としてサブクール型の熱交換器を採用している。さらに、蒸発器として機能する熱交換器から流出する冷媒を、過冷却度を有する冷媒とすることができる。その結果、蒸発器として機能する熱交換器における吸熱量を増大させて、サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、圧縮機モジュール110を採用しているので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、ヒートポンプサイクル装置である車両用空調装置1aの生産性の悪化を招くことなく、圧縮機11の騒音を充分に抑制することができる。
また、本実施形態の圧縮機モジュール110では、高圧側冷媒機器であるレシーバ部141b内の高圧側冷媒の有する熱を防振ゴム11cへ伝熱させて、防振ゴム11cを加熱することができる。
これによれば、低外気温時等であっても、防振ゴム11cを加熱して、防振ゴム11cの弾性の低下を抑制することができる。従って、圧縮機11の振動が流路ボックス111やカバー部材に伝達されて、流路ボックス111やカバー部材が、騒音を発生させてしまうことを効果的に抑制することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、本発明に係る圧縮機モジュール120を、図8の全体構成図に示す車両用空調装置1bに適用した例を説明する。車両用空調装置1bは、第1実施形態で説明した車両用空調装置1と同様に、車室内の空調および車載機器の温度調整を行うヒートポンプサイクル装置である。
車両用空調装置1bは、ヒートポンプサイクル10b、低温側熱媒体回路30、室内空調ユニット50を備えている。
本実施形態のヒートポンプサイクル10bでは、第1実施形態で説明したヒートポンプサイクル10に対して、マフラー部12、蒸発圧力調整弁19、アキュムレータ部21、除湿用通路22b、除湿用開閉弁23a等が廃止されている。さらに、ヒートポンプサイクル10bでは、レシーバ部24、内部熱交換部26、温度式膨張弁27が採用されている。
圧縮機モジュール120は、主にヒートポンプサイクル10bを構成する複数の構成機器を一体化させた構成部品である。本実施形態の圧縮機モジュール120では、図8の破線で囲まれた構成機器等が一体化されている。
より具体的には、本実施形態の圧縮機モジュール120では、ヒートポンプサイクル10bの構成機器のうち、圧縮機11、暖房用膨張弁15a、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、室外器圧力調整弁19b、チラー20、第1開閉弁23c、第2開閉弁23d、レシーバ部24、第1固定絞り25a、第2固定絞り25b、内部熱交換部26等が一体化されている。
これらの構成機器のうち、圧縮機11、暖房用膨張弁15a、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、室外器圧力調整弁19b、チラー20、第1開閉弁23c、第2開閉弁23dは、圧縮機モジュール120の流路ボックス121に取り付けられることによって一体化されている。
また、レシーバ部24、第1固定絞り25a、第2固定絞り25b、内部熱交換部26については、流路ボックス121に一体的に形成されている。流路ボックス121は、第1実施形態で説明した流路ボックス101と同様の取付部材であり、通路形成部材である。
ヒートポンプサイクル10bの圧縮機11の吐出口には、第1実施形態と同様に、高圧ホース11bを介して、流路ボックス121に形成された圧縮機側入口121bが接続されている。圧縮機側入口121bは、内部冷媒通路を介して、第1内部三方継手部13aの流入口に連通している。
第1内部三方継手部13aの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス121に形成された凝縮器側出口121cに連通している。第1内部三方継手部13aの他方の流出口は、ホットガス用通路22aを介して、第4内部三方継手部13dの一方の流入口に連通している。ホットガス用通路22aには、第1実施形態と同様に、ホットガス流量調整弁15dが配置されている。
ヒートポンプサイクル10bの室内凝縮器14の冷媒出口には、流路ボックス121に形成された凝縮器側入口121d側が接続されている。凝縮器側入口121dは、内部冷媒通路を介して、第8内部三方継手部13hの流入口に連通している。
第8内部三方継手部13hの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第9内部三方継手部13iの一方の流入口に連通している。第8内部三方継手部13hの他方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第10内部三方継手部13jの一方の流入口に連通している。第8内部三方継手部13hの他方の流出口から、レシーバ部24の流入口へ至る内部熱媒体通路は、入口側通路22dである。
入口側通路22dには、第1開閉弁23cおよび第1固定絞り25aが配置されている。第1開閉弁23cは、入口側通路22dを開閉する開閉弁である。第1開閉弁23cの基本的構成は、第1実施形態で説明した除湿用開閉弁23a等と同様である。従って、第1開閉弁23cは、電気式機器であり、冷媒回路切替部である。第1固定絞り25aは、レシーバ部24へ流入する冷媒を減圧させる減圧部である。第1固定絞り25aとしては、オリフィス、キャピラリチューブ等を採用することができる。
第10内部三方継手部13jの流出口は、流路ボックス121に形成されたレシーバ部24の流入口に連通している。レシーバ部24は、凝縮器として機能する熱交換部から流出した冷媒の気液を分離して、分離された液相冷媒をサイクルの余剰冷媒として蓄える高圧側の気液分離部である。
レシーバ部24の流出口は、内部冷媒通路を介して、第11内部三方継手部13kの流入口に連通している。第11内部三方継手部13kの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第7内部三方継手部13gの流入口に連通している。第11内部三方継手部13kの他方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第9内部三方継手部13iの他方の流入口に連通している。
第11内部三方継手部13kの他方の流出口から第9内部三方継手部13iへ至る内部熱媒体通路は、出口側通路22eである。出口側通路22eには、第3逆止弁17cが配置されている。第3逆止弁17cは、冷媒が第11内部三方継手部13k側から第9内部三方継手部13i側へ流れることを許容し、冷媒が第9内部三方継手部13i側から第11内部三方継手部13k側へ流れることを禁止している。
第8内部三方継手部13hの一方の流出口から第9内部三方継手部13iの一方の流入口へ至る内部冷媒通路には、第2開閉弁23dが配置されている。第2開閉弁23dは、第8内部三方継手部13hから第9内部三方継手部13iへ至る内部冷媒通路を開閉する開閉弁である。第2開閉弁23dの基本的構成は、第1開閉弁23cと同様である。従って、第2開閉弁23dは、電気式機器であり、冷媒回路切替部である。
第8内部三方継手部13hの流出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス121に形成された室外器側出口121eに連通している。第8内部三方継手部13hの流出口から室外器側出口121eへ至る内部冷媒通路には、暖房用膨張弁15aが配置されている。
室外器側出口121eには、室外熱交換器16の冷媒入口側が接続されている。室外熱交換器16の冷媒出口には、流路ボックス121に形成された室外器側入口121f側が接続されている。室外器側入口101fは、内部冷媒通路を介して、第3内部三方継手部13cの流入口に連通している。
第3内部三方継手部13cの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第10内部三方継手部13jの他方の流入口に連通している。第3内部三方継手部13cの他方の流出口は、暖房用通路22cを介して、第6内部三方継手部13fの一方の流入口に連通している。
暖房用通路22cには、室外器圧力調整弁19b、第12内部三方継手部13m、第2逆止弁17bが配置されている。室外器圧力調整弁19bは、室外熱交換器16における冷媒圧力を調整する電気式の可変絞り機構である。室外器圧力調整弁19bの基本的構成は、冷却用膨張弁15cと同様である。従って、冷却用膨張弁15cは、電気式機器である。冷却用膨張弁15cは、全閉機能を有している。
本実施形態の第2逆止弁17bは、第12内部三方継手部13m側から第6内部三方継手部13f側へ冷媒が流れることを許容し、第6内部三方継手部13f側から第12内部三方継手部13m側へ冷媒が流れることを禁止している。
第7内部三方継手部13gの一方の流出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス121に形成された内部熱交換部26の高圧側通路の入口に連通している。内部熱交換部26は、高圧側通路を流通する冷媒と低圧側通路を流通する冷媒とを熱交換させる熱交換部である。より具体的には、内部熱交換部26は、冷房モード時等に、レシーバ部24から流出した高圧側冷媒と、室内蒸発器18から流出した低圧側冷媒とを熱交換させる。
内部熱交換部26の高圧側通路の出口は、内部冷媒通路を介して、流路ボックス121に形成された蒸発器側出口121gに連通している。蒸発器側出口121gには、温度式膨張弁27の入口側が接続されている。温度式膨張弁27は、第1実施形態で説明した冷房用膨張弁15bと同様に、後述する冷房モード時等に、内部四方継手部13xの一方の流出口から流出した冷媒を減圧させるとともに、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する蒸発器用減圧部である。
温度式膨張弁27は、機械的機構で構成されている。温度式膨張弁27は、室内蒸発器18の出口側冷媒の温度および圧力に応じて変形する変形部材(具体的には、ダイヤフラム)を有する感温部と、変形部材の変形に応じて変位して絞り開度を変化させる弁体部とを有している。
温度式膨張弁27では、室内蒸発器18の出口側冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度(本実施形態では、5℃)に近づくように、絞り開度を変化させる。また、感温部が極低温となると、変形部材は、絞り通路を閉塞させる側に、弁体部を変位させる。
温度式膨張弁27の出口には、室内蒸発器18の冷媒入口側が接続されている。室内蒸発器18の冷媒出口には、温度式膨張弁27の感温部用の通路を介して、流路ボックス121に形成された蒸発器側入口121hに連通している。
蒸発器側入口121hは、内部冷媒通路を介して、内部熱交換部26の低圧側通路の入口に連通している。内部熱交換部26の低圧側通路の出口は、内部冷媒通路を介して、第12内部三方継手部13mの他方の流入口に連通している。
第7内部三方継手部13gの他方の流出口は、内部冷媒通路を介して、第4内部三方継手部13dの他方の流入口に連通している。第7内部三方継手部13gの他方の流出口から第4内部三方継手部13dの他方の流入口へ至る内部冷媒通路には、第1実施形態と同様に、冷却用膨張弁15cが配置されている。
第4内部三方継手部13dの流出口は、流路ボックス121に形成されたチラー側出口121iに連通している。チラー側出口121iには、チラー20の冷媒入口が直接接続されている。チラー20の冷媒出口には、流路ボックス121に形成されたチラー側入口121jが直接接続されている。その他のヒートポンプサイクル10bの構成は、第1実施形態で説明したヒートポンプサイクル10と同様である。
次に、図9、図10を用いて、圧縮機モジュール120の詳細構成を説明する。圧縮機モジュール120の基本的構成は、第1実施形態で説明した圧縮機モジュール100と同様である。圧縮機モジュール120は、図9に示すように、金属製の流路ボックス121を備えている。また、圧縮機モジュール120は、図10に示すように、樹脂製のカバー部材122を備えている。
カバー部材122は、第1実施形態と同様に、流路ボックス121に取り付けられることによって、圧縮機モジュール120の内部に圧縮機11等を収容する密閉空間である収容空間123を形成する。さらに、圧縮機モジュール120の外側面には、第1実施形態と同様に、断熱材124が配置されている。
収容空間123の内部には、図9に示すように、圧縮機11が収容されている。このため、圧縮機側出口121a、および圧縮機側入口121bは、収容空間123の内部に形成されている。より詳細には、圧縮機側出口121a、および圧縮機側入口121bは、流路ボックス121の収容空間123側の内側面に形成されていることによって、収容空間123の内部に形成されている。
また、室内凝縮器14、暖房用膨張弁15a、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、室外熱交換器16、室内蒸発器18、室外器圧力調整弁19b、チラー20、第1開閉弁23c、第2開閉弁23dについては、図10に示すように、収容空間123の外部に配置されている。従って、本実施形態の室内凝縮器14、室外熱交換器16、室内蒸発器18、およびチラー20は、外部構成機器である。
凝縮器側出口121c、凝縮器側入口121d、室外器側出口121e、室外器側入口121f、蒸発器側出口121g、蒸発器側入口121h、チラー側出口121i、およびチラー側出口121jは、流路ボックス101の外側面に形成されていることによって、収容空間123の外部に形成されている。
従って、本実施形態の凝縮器側出口121c、凝縮器側入口121d、室外器側出口121e、室外器側入口121f、蒸発器側出口121g、蒸発器側入口121h、チラー側出口121i、およびチラー側出口121jは、外部構成機器の流入出口側が接続される外側接続口である。
また、圧縮機11は、第1実施形態と同様に、防振ゴム11cを介して、流路ボックス121の収容空間123を形成する底面に形成された複数(本実施形態では、4つ)の固定部121sに固定されている。
また、レシーバ部24は、流路ボックス121の側面部に形成されている。内部熱交換部26は、流路ボックス121の底面部に形成されている。具体的には、流路ボックス121の底面部の内部には、高圧側通路と低圧側通路が近接配置されるように形成されて、高圧側冷媒と低圧側冷媒が熱交換できるようになっている。
また、チラー20は、外部へ突出するように形成された冷媒出入口が、それぞれ流路ボックス101に形成された冷媒出入口(すなわち、チラー側出口101i、チラー側入口101j)に嵌め込まれることによって、流路ボックス101に固定されている。チラー20の熱媒体出入口には、低温側熱媒体回路30の熱媒体配管が直接接続されている。
その他の車両用空調装置1bの構成は、第1実施形態で説明した車両用空調装置1と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1bの作動について説明する。車両用空調装置1bでは、第1実施形態で説明した車両用空調装置1と同様に、各種運転モードを切り替えて、車室内の空調およびバッテリ80の温度調整を行う。以下に、各運転モードの詳細作動を説明する。
(a-1)単独冷房モード
単独冷房モードのヒートポンプサイクル10bでは、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを全開状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とし、室外器圧力調整弁19bを全閉状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁23cを閉じ、第2開閉弁23dを開く。
このため、単独冷房モードのヒートポンプサイクル10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、全開状態になっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、第2固定絞り25b、レシーバ部24、内部熱交換部26の高圧側通路、温度式膨張弁27、室内蒸発器18、内部熱交換部26の低圧側通路、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独冷房モードの室内空調ユニット50では、第1実施形態の単独冷房モード等と同様に、送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、エアミックスドア54の開度が制御される。また、単独冷房モードの室内空調ユニット50では、目標吹出温度TAOに基づいて、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独冷房モードのヒートポンプサイクル10bでは、室内凝縮器14および室外熱交換器16を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独冷房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が室内蒸発器18にて冷却される。室内蒸発器18にて冷却された送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくようにヒータコア45にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の冷房が実現される。
(a-2)冷却冷房モード
冷却冷房モードのヒートポンプサイクル10bでは、単独冷房モードに対して、制御装置60が、冷却用膨張弁15cを絞り状態とする。
このため、冷却冷房モードのヒートポンプサイクル10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、全開状態になっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、第2固定絞り25b、レシーバ部24、内部熱交換部26の高圧側通路、温度式膨張弁27、室内蒸発器18、内部熱交換部26の低圧側通路、圧縮機11の吸入口の順に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、全開状態になっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、第2固定絞り25b、レシーバ部24、絞り状態となっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室内蒸発器18とチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却冷房モードの低温側熱媒体回路30では、制御装置60が、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、低温側ポンプ31を作動させる。このため、低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20の熱媒体通路、バッテリ80の冷却水通路80a、低温側ポンプ31の吸入口の順に循環する。
また、冷却冷房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却冷房モードのヒートポンプサイクル10bでは、室内凝縮器14および室外熱交換器16を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却冷房モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体がチラー20へ流入して冷却される。そして、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
冷却冷房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の冷房が実現される。
(b-1)単独直列除湿暖房モード
単独直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを絞り状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とし、室外器圧力調整弁19bを全閉状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁23cを閉じ、第2開閉弁23dを開く。
このため、単独直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、絞り状態になっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、第2固定絞り25b、レシーバ部24、内部熱交換部26の高圧側通路、温度式膨張弁27、室内蒸発器18、内部熱交換部26の低圧側通路、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独直列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、室内凝縮器14および室外熱交換器16を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独直列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が室内蒸発器18にて冷却されて除湿される。室内蒸発器18にて冷却されて除湿された送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくように室内凝縮器14にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
ここで、本実施形態の車両用空調装置1bでは、レシーバ部24を有しているので、直列除湿暖房モードは、室外熱交換器16における冷媒の飽和温度が外気温Tamよりも高くなる温度範囲で実行するようにしている。
(b-2)冷却直列除湿暖房モード
冷却直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、単独直列除湿暖房モードに対して、制御装置60が、冷却用膨張弁15cを絞り状態とする。
このため、冷却直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、単独直列除湿暖房モードと同様に循環する。圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、絞り状態になっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、第2固定絞り25b、レシーバ部24、絞り状態となっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室内蒸発器18とチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却直列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側ポンプ31の作動を制御する。このため、冷却直列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側熱媒体が循環する。
従って、冷却直列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、室内凝縮器14および室外熱交換器16を、凝縮器として機能させ、室内蒸発器18およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却直列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
冷却直列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独直列除湿暖房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
(c-1)単独並列除湿暖房モード
単独並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを絞り状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とし、室外器圧力調整弁19bを全開または絞り状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁23cを開き、第2開閉弁23dを閉じる。
このため、単独除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、入口側通路22d、レシーバ部24、出口側通路22e、絞り状態になっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、暖房用通路22cの室外器圧力調整弁19b、圧縮機11の吸入口の順に循環する。圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、入口側通路22d、レシーバ部24、内部熱交換部26の高圧側通路、温度式膨張弁27、室内蒸発器18、内部熱交換部26の低圧側通路、圧縮機11の吸入口の順に循環する同時に、冷媒回路に切り替えられる。つまり、室内蒸発器18と室外熱交換器16が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、単独除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室外熱交換器16および室内蒸発器18を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が室内蒸発器18にて冷却されて除湿される。室内蒸発器18にて冷却されて除湿された送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくように室内凝縮器14にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
(c-2)冷却並列除湿暖房モード
冷却並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、単独並列除湿暖房モードに対して、制御装置60が、冷却用膨張弁15cを絞り状態とする。
このため、冷却並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、単独並列除湿暖房モードと同様に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、入口側通路22d、レシーバ部24、絞り状態となっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室外熱交換器16、室内蒸発器18およびチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却並列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側ポンプ31の作動を制御する。このため、冷却並列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側熱媒体が循環する。
また、冷却並列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却並列除湿暖房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室外熱交換器16、室内蒸発器18およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
冷却除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独除湿暖房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の除湿暖房が実現される。
(d-1)単独暖房モード
単独暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを絞り状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とし、室外器圧力調整弁19bを全開または絞り状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁23cを開き、第2開閉弁23dを閉じる。
このため、単独暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、入口側通路22d、レシーバ部24、出口側通路22e、絞り状態になっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、暖房用通路22cの室外器圧力調整弁19b、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、単独暖房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室外熱交換器16を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が、室内蒸発器18を通過する。室内蒸発器18を通過した送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて、目標吹出温度TAOに近づくように室内凝縮器14にて再加熱される。そして、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
(d-2)冷却暖房モード
冷却暖房モードのヒートポンプサイクル10では、単独暖房モードに対して、制御装置60が、冷却用膨張弁15cを絞り状態とする。
このため、冷却暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒が、単独暖房モードと同様に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、入口側通路22d、レシーバ部24、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。つまり、室外熱交換器16とチラー20が、冷媒の流れに対して並列的に接続される冷媒回路に切り替えられる。
また、冷却並列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側ポンプ31の作動を制御する。このため、冷却直列除湿暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、低温側熱媒体が循環する。
また、冷却並列除湿暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54の開度、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、冷却暖房モードのヒートポンプサイクル10では、室内凝縮器14を、凝縮器として機能させ、室外熱交換器16およびチラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
冷却暖房モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
冷却暖房モードの室内空調ユニット50では、単独暖房モードと同様に、温度調整された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
(e-1)ホットガス暖房モード
ホットガス暖房モードでは、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを絞り状態とし、室外器圧力調整弁19bを全閉状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁23cを開き、第2開閉弁23dを閉じる。
このため、ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、室内凝縮器14、入口側通路22d、レシーバ部24、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、絞り状態となっているホットガス用通路22aのホットガス流量調整弁15d、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31を停止させる。また、ホットガス暖房モードの室内空調ユニット50では、単独冷房モードと同様に、エアミックスドア54、内外気切替装置53、および吹出モードドアの作動が制御される。また、制御装置60は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。
従って、ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒の流れが、第1内部三方継手部13aにて分岐される。
第1内部三方継手部13aにて分岐された一方の冷媒は、室内凝縮器14へ流入して、送風空気へ放熱する。これにより、送風空気が加熱される。室内凝縮器14から流出した冷媒は、入口側通路22dを介して、レシーバ部24へ流入する。レシーバ部24から流出した冷媒は、冷却用膨張弁15cへ流入して減圧される。
冷却用膨張弁15cにて減圧された比較的エンタルピの低い冷媒は、第4内部三方継手部13dを介して、チラー20へ流入する。ここで、温度式膨張弁27は、低外気温時に全閉状態となる。従って、レシーバ部24から内部熱交換部26側へ冷媒が流出することはない。
一方、第1内部三方継手部13aにて分岐された他方の冷媒は、ホットガス流量調整弁15dにて流量調整されて減圧される。ホットガス流量調整弁15dにて減圧された比較的エンタルピの高い冷媒は、チラー20へ流入する。
チラー20では、冷却用膨張弁15cにて減圧された冷媒とホットガス流量調整弁15dにて減圧された冷媒が混合される。この際、低温側ポンプ31が停止しているので、チラー20では、冷媒と低温側熱媒体が熱交換することはない。チラー20から流出した冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
ホットガス暖房モードの高温側熱媒体回路40では、ヒータコア45へ流入した高温側熱媒体が、送風空気に放熱する。
ホットガス暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が、室内蒸発器18を通過する。室内蒸発器18を通過した送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じてヒータコア45にて加熱される。そして、ヒータコア45にて加熱された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
(e-2)暖機ホットガス暖房モード
暖機ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30では、制御装置60が、予め定めた基準圧送能力を発揮するように、低温側ポンプ31を作動させる。このため、低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、チラー20の熱媒体通路、バッテリ80の冷却水通路80aの順で循環する。その他の作動は、ホットガス暖房モードと同様である。
従って、暖機ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10bでは、チラー20へ流入した冷媒が低温側熱媒体に放熱する。これにより、低温側熱媒体が加熱される。暖機ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30では、チラー20にて加熱された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通する。これにより、バッテリ80が暖機される。
(f)単独冷却モード
単独冷却モードのヒートポンプサイクル10bでは、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを全開状態とし、冷却用膨張弁15cを絞り状態とし、ホットガス流量調整弁15dを全閉状態とし、室外器圧力調整弁19bを全閉状態とする。また、制御装置60は、第1開閉弁23cを閉じ、第2開閉弁23dを開く。
このため、単独冷却モードのヒートポンプサイクル10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、全開状態になっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、第2固定絞り25b、レシーバ部24、絞り状態になっている冷却用膨張弁15c、チラー20、圧縮機11の吸入口の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、単独冷却モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31から圧送された低温側熱媒体が、冷却冷房モードと同様に循環する。また、単独冷却モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52停止させる。
従って、単独冷却モードのヒートポンプサイクル10では、室外熱交換器16を、凝縮器として機能させ、チラー20を、蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
単独冷却モードの低温側熱媒体回路30では、冷却冷房モードと同様に、チラー20にて冷却された低温側熱媒体がバッテリ80の冷却水通路80aを流通することによって、バッテリ80が冷却される。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1bでは、運転モードを切り替えることによって、車室内の快適な空調、および車載機器であるバッテリ80の適切な温度調整を行うことができる。
また、本実施形態のヒートポンプサイクル10bでは、温度式膨張弁27を採用している。その結果、室内蒸発器18における吸熱量を増大させて、サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、圧縮機モジュール120を採用しているので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、ヒートポンプサイクル装置である車両用空調装置1bの生産性の悪化を招くことなく、圧縮機11の騒音を充分に抑制することができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第2実施形態の変形例を説明する。本実施形態では、図11の全体構成図に示すように、圧縮機モジュール110の流路ボックス111に、内部冷媒通路として、冷却通路22fが形成されている。冷却通路22fは、蒸発圧力調整弁19の出口側から第5内部三方継手部13eの一方の流入口へ至る内部冷媒通路である。
冷却通路22fは、図11に示すように、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、およびホットガス流量調整弁15dといった電気式機器の周囲を流通するように形成されている。このため、車両用空調装置1aでは、単独冷房モード、冷却冷房モード、単独除湿暖房モード、冷却除湿暖房モード時のように、低圧側冷媒が冷却通路22fを流通する運転モード時に、上記の電気式機器を冷却することができる。
換言すると、本実施形態の冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、およびホットガス流量調整弁15dは、冷却通路22fを流通する低圧側冷媒の有する冷熱によって冷却可能に配置されている。
その他の車両用空調装置1aの構成は、第2実施形態と同様である。従って、本実施形態の車両用空調装置1aによれば、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、ヒートポンプサイクル装置である車両用空調装置1aの生産性の悪化を招くことなく、圧縮機11の騒音を充分に抑制することができる。
さらに、本実施形態の圧縮機モジュール110では、冷却通路22fが形成されているので、ヒートポンプサイクル10aの低圧側冷媒によって圧縮機モジュール110に取り付けられた電気式機器を冷却することができる。従って、圧縮機モジュール110に取り付けられた電気式機器の作動を安定化させることができる。
本実施形態では、冷却通路22fのみを設けた例を説明したが、第2実施形態に対して、冷却通路22fを追加してもよい。すなわち、蒸発圧力調整弁19の出口側と第5内部三方継手部13eの一方の流入口とを直接接続する内部冷媒通路に対して並列に、冷却通路22fを設けてもよい。これによれば、冷却通路22fを流通する低圧側冷媒の流量を適切に調整することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、図12に示すように、第1実施形態で説明した車両用空調装置1に、圧縮機モジュール130を適用した例を説明する。
本実施形態の圧縮機モジュール130では、第1実施形態と同様に、ヒートポンプサイクル10の構成機器のうち、圧縮機11、マフラー部12、暖房用膨張弁15a、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、蒸発圧力調整弁19、チラー20、アキュムレータ部21、除湿用開閉弁23a、暖房用開閉弁23b等が一体化されている。
圧縮機モジュール130の基本的構成は、第1実施形態で説明した圧縮機モジュール100と同様である。圧縮機モジュール130は、図13に示すように、金属製の流路ボックス131を備えている。また、圧縮機モジュール130は、図14に示すように、樹脂製のカバー部材132を備えている。また、本実施形態のヒートポンプサイクル10では、アキュムレータ部21が、流路ボックス131に対して別部材で形成されている。
本実施形態の流路ボックス131は、複数の金属製の部材を組み合わせることによって形成されている。具体的には、本実施形態の流路ボックス131は、第1ボックス部材1311および第2ボックス部材1312を有している。第1ボックス部材1311および第2ボックス部材1312は、いずれも矩形状の板状部材で形成されている。
第1ボックス部材1311は、圧縮機モジュール130の底面を形成する。上述したヒートポンプサイクル10の構成機器のうち、圧縮機11、およびアキュムレータ部21は、第1ボックス部材1311に取り付けられることによって一体化されている。マフラー部12は、第1ボックス部材1311に一体的に形成されている。
また、暖房用膨張弁15a、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、蒸発圧力調整弁19、チラー20、除湿用開閉弁23a、および暖房用開閉弁23bは、第2ボックス部材1312に取り付けられることによって一体化されている。
第1ボックス部材1311および第2ボックス部材1312は、ボルト締め等の手段によって、互いの平坦面同士が直交するように固定されている。より詳細には、第1ボックス部材1311および第2ボックス部材1312は、第2ボックス部材1312の一つの端面が第1ボックス部材1311の平坦面に当接するように固定されている。
第1ボックス部材1311および第2ボックス部材1312の内部には、内部冷媒通路および内部熱媒体通路の少なくとも一方が形成されている。第1ボックス部材1311と第2ボックス部材1312との当接面には、図示しないシール部材が介在されている。これにより、第1ボックス部材1311と第2ボックス部材1312との接触部の隙間から冷媒や低温側熱媒体が漏れ出てしまうことはない。
第1ボックス部材1311には、圧縮機モジュール130を取付対象物(本実施形態では、車両)に取り付けるための複数(本実施形態では、4つ)の取付部131tが形成されている。取付部131tは、第1ボックス部材1311の端部から平坦面と並行に突出する部位によって形成されている。
それぞれの取付部131tには、ボルトを貫通させる貫通穴が形成されている。取付部131tに形成された貫通穴には、貫通穴の開口縁部に沿って円環状の防振ゴム131uが配置されている。防振ゴム131uは、流路ボックス131の振動が、車両に伝達されてしまうことを抑制する防振部材である。
カバー部材132は、第1実施形態と同様に、流路ボックス131に取り付けられることによって、圧縮機モジュール130の内部に圧縮機11等を収容する密閉空間である収容空間133を形成する。カバー部材132は、直方体形状の一面が開口した箱型形状に形成されている。このため、図14に示すように、圧縮機モジュール130の外観は、直方体形状となる。
圧縮機モジュール130の直方体形状の6つの外表面のうち、底面が流路ボックス131の第1ボックス部材1311によって形成されている。そして、残余の5つの面がカバー部材132によって形成されている。このため、圧縮機モジュール130では、流路ボックス131の第2ボックス部材1312についても収容空間133内に配置される。
カバー部材132の内壁面、および流路ボックス131の収容空間133側の面、すなわち圧縮機モジュール130の収容空間133側の内側面には、第1実施形態と同様に、ほぼ全域に亘って断熱材134が配置されている。
収容空間133の内部には、圧縮機11、暖房用膨張弁15a、冷房用膨張弁15b、冷却用膨張弁15c、ホットガス流量調整弁15d、蒸発圧力調整弁19、チラー20、アキュムレータ部21、除湿用開閉弁23a、暖房用開閉弁23bが収容されている。このため、圧縮機側出口131a、圧縮機側入口131b、チラー側出口131i、チラー側入口131jは、収容空間133の内部に形成されている。
より詳細には、圧縮機側出口131aは、収容空間103内に配置された構成機器であるアキュムレータ部21に形成されていることによって、収容空間133の内部に形成されている。また、圧縮機側入口131bは、流路ボックス131の収容空間103側の内側面に形成されていることによって、収容空間133の内部に形成されている。
また、室内凝縮器14、室外熱交換器16、および室内蒸発器18は、第1実施形態と同様に、外部構成機器である。
このため、凝縮器側出口131c、凝縮器側入口131d、室外器側出口131e、室外器側入口131f、蒸発器側出口131g、および蒸発器側入口131hは、流路ボックス131の外側面に形成されていることによって、収容空間133の外部に形成されている。
従って、本実施形態の凝縮器側出口131c、凝縮器側入口131d、室外器側出口131e、室外器側入口131f、蒸発器側出口131g、および蒸発器側入口131hは、外部構成機器の流入出口側が接続される外側接続口である。
また、圧縮機11は、第1実施形態と同様に、防振ゴム11cを介して、第1ボックス部材1311の収容空間133を形成する面に形成された複数(本実施形態では、4つ)の固定部131sに固定されている。
また、アキュムレータ部21は、第1ボックス部材1311の収容空間133を形成する面に形成された固定部に、ネジ締結、圧入、接着等の手段で固定されている。
また、マフラー部12は、第1ボックス部材1311に形成されている。マフラー部12は、バッファ空間を形成するために、収容空間133側に膨出する形状に形成されている。マフラー部12は、第1ボックス部材1311に、複数の固定部131sに囲まれるように配置されている。換言すると、複数の固定部131sは、マフラー部12が形成された部位の周囲に配置されている。
これにより、圧縮機モジュール130では、マフラー部12内の高圧側冷媒の有する熱を防振ゴム11cに伝熱して、防振ゴム11cを加熱することができる。換言すると、防振ゴム11cは、マフラー部12内の高圧側冷媒の有する熱によって加熱可能に配置されている。その他の構成機器の固定および電気的接続については、第1実施形態と同様である。
その他の車両用空調装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の車両用空調装置1によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、ヒートポンプサイクル装置である車両用空調装置1の生産性の悪化を招くことなく、圧縮機11の騒音を充分に抑制することができる。
また、本実施形態の圧縮機モジュール130では、箱形形状のカバー部材132を採用している。これによれば、流路ボックス131の第1ボックス部材1311の周囲にシール部材を配置することで、複雑な形状のシール部材を必要とすることなく、収容空間133を容易に密閉された空間とすることができる。
また、本実施形態の圧縮機モジュール130では、高圧側冷媒機器であるマフラー部12内の高圧側冷媒の有する熱を防振ゴム11cへ伝熱させて、防振ゴム11cを加熱することができる。これによれば、第2実施形態と同様に、防振ゴム11cの弾性の低下を抑制することができ、流路ボックス131やカバー部材132が、騒音を発生させてしまうことを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の圧縮機モジュール130では、断熱材134を、収容空間133側の内側面に配置している。これによれば、被水等によって断熱材134が剥がれ落ちてしまうことや、劣化してしまうことを抑制することができる。断熱材134を、収容空間133側の内側面に配置する際には、スプレー等で塗布することによって配置してもよい。
また、本実施形態の圧縮機モジュール130では、防振ゴム131uが配置された取付部131tを備えている。これによれば、圧縮機11と流路ボックス131との間に介在される防振ゴム11c、および流路ボックス131と車両との間に介在される防振ゴム131uによって、より一層効果的に、圧縮機モジュール130の騒音低減効果および振動抑制効果を得ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、本発明に係る圧縮機モジュールが適用されるヒートポンプサイクル装置として、車両用空調装置1、1a、1bについて説明したが、圧縮機モジュールが適用されるヒートポンプサイクル装置は、車両用空調装置に限定されない。
例えば、室内の空調を行いつつ、温度調整対象物(例えば、コンピュータ、コンピュータ用サーバ装置、その他の電気式機器)の温度を調整する温度調整機能付きの据置型空調装置であってもよい。
また、上述の実施形態では、温度調整対象物となる車載機器として、バッテリ80の温度を調整する例を説明したが、車載機器はバッテリ80に限定されない。例えば、インバータ、PCU、トランスアクスル、ADAS用の制御装置等の温度を調整するようになっていてもよい。
インバータは、モータジェネレータ等に電力を供給する。PCUは、変電や電力分配を行う電力制御ユニットである。トランスアクスルは、トランスミッションやディファレンシャルギア等を一体化させた動力伝達機構である。ADAS用の制御装置は、先進運転支援システム用の制御装置である。
(2)本発明に係る圧縮機モジュール100、110、120、130の具体的構成は、上述の実施形態に開示された構成に限定されない。
例えば、圧縮機モジュール100~130に一体化されるヒートポンプサイクル装置1、1a、1bの各構成機器は、上述の実施形態に開示された構成機器に限定されない。少なくとも収容空間103、113、123、133内に圧縮機11が収容されていれば、その他の各構成機器は、一体化されていてもよいし、一体化されていなくてもよい。さらに、圧縮機モジュール100~130に一体化されたその他の構成機器は、収容空間103~133の内部に配置されていてもよいし、外部に配置されていてもよい。
また、上述の実施形態で説明したように、圧縮機側出口101a、111a、121a、131a、および圧縮機側入口101b、111b、121b、131bは、流路ボックス101、111、121、131の内側面に形成されていることによって、収容空間103~133の内部に形成されていてもよい。
あるいは、圧縮機側出口101a~131a、および圧縮機側入口101b~131bは、収容空間103~133の内部に配置されたヒートポンプサイクル装置1、1a、1bの構成機器に形成されていることによって、収容空間103~133の内部に形成されていてもよい。
同様に、外側接続口101c~131hは、流路ボックス101~131の外側面に形成されていることによって、収容空間103~133の外部に形成されていてもよい。さらに、外側接続口101c~131hは、流路ボックス101~131に取り付けられたヒートポンプサイクル装置1、1a、1bの構成機器に形成されていることによって、収容空間103~133の外部に形成されていてもよい。
また、防振ゴム11cの配置は、上述の実施形態に開示された例に限定されない。例えば、防振ゴム11cが第3実施形態で説明したレシーバ部24内の高圧側冷媒によって加熱可能に配置されていてもよい。
また、上述の実施形態では、流路ボックス101~131を形成する材料として、アルミニウム合金を採用した例を説明したが、流路ボックス101~131の材料はアルミニウム合金に限定されない。アルミニウムよりも比重の大きい鉄、ステンレス合金を採用すれば、圧縮機モジュール100~130全体としての重量を増加させて、圧縮機モジュールの防振性を向上させることができる。
さらに、カバー部材102、122、132の材料として、ポリプロピレンを採用した例を説明したが、カバー部材102~132の材料は、他の種類の樹脂であってもよいし、流路ボックス101~131と同様の金属であってもよい。流路ボックス101~131およびカバー部材102~132として、いずれの材料を採用する場合であっても、収容空間103~133を密閉空間として形成可能であることが望ましい。
また、断熱材104、124、134は、第1~第4実施形態のように、圧縮機モジュール100~120の外側面に配置してもよいし、第5実施形態のように、圧縮機モジュール130の内側面に配置してもよい。さらに、圧縮機モジュールの外側面および内側面の双方に断熱部を配置してもよい。
また、第4実施形態で説明した冷却通路22fと同様の内部冷媒通路を、流路ボックス101、121、131に形成してもよい。また、第5実施形態で説明した防振ゴム131uの配置された取付部131tを、圧縮機モジュール100、110、120に形成してもよい。さらに、取付部131tは、流路ボックス101~131に限定されることなく、カバー部材102~132に形成してもよい。
(3)本発明に係る圧縮機モジュールが適用されるヒートポンプサイクル装置の具体的構成は、上述の実施形態に開示された構成に限定されない。
例えば、蒸発圧力調整弁19は、電気式の可変絞り機構に限定されない。蒸発圧力調整弁として、室内蒸発器18の出口側冷媒の圧力の上昇に伴って、弁開度を増加させる機械式の可変絞り機構を採用してもよい。
例えば、ヒートポンプサイクル10、10a、10bの冷媒は、R1234yfに限定されない。冷媒として、R134a、R600a、R410A、R404A、R32、R407C等を採用してもよい。または、これらのうち複数の冷媒を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
例えば、低温側熱媒体回路30、30aの低温側熱媒体、および高温側熱媒体回路40の高温側熱媒体は、エチレングリコール水溶液に限定されない。低温側熱媒体および高温側熱媒体として、ジメチルポリシロキサン、あるいはナノ流体等を含む溶液、不凍液、アルコール等を含む水系の液冷媒、オイル等を含む液媒体を採用してもよい。
(4)本発明に係る圧縮機モジュールが適用されるヒートポンプサイクル装置の作動態様は、上述の実施形態に開示された態様に限定されない。
例えば、第1実施形態で説明した車両用空調装置1において、外気吸熱ホットガス暖房モードを実行してもよい。
外気吸熱ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10では、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを絞り状態とし、冷房用膨張弁15bを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを全開状態とし、ホットガス流量調整弁15dを絞り状態とする。また、制御装置60は、除湿用開閉弁23aを閉じ、暖房用開閉弁23bを閉じる。
このため、単独暖房モードのヒートポンプサイクル10aでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、室内凝縮器14、絞り状態となっている暖房用膨張弁15a、室外熱交換器16、全開状態となっている冷却用膨張弁15c、チラー20、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する。同時に、圧縮機11から吐出された冷媒が、マフラー部12、絞り状態となっているホットガス用通路22aのホットガス流量調整弁15d、チラー20、アキュムレータ部21、圧縮機11の吸入口の順に冷媒が循環する冷媒回路に切り替えられる。
また、外気吸熱ホットガス暖房モードの低温側熱媒体回路30では、低温側ポンプ31を停止させる。
従って、外気吸熱ホットガス暖房モードのヒートポンプサイクル10では、圧縮機11から吐出された冷媒の流れが、第1内部三方継手部13aにて分岐される。
第1内部三方継手部13aにて分岐された一方の冷媒は、室内凝縮器14へ流入して、送風空気へ放熱する。これにより、送風空気が加熱される。室内凝縮器14から流出した冷媒は、暖房用膨張弁15aへ流入して減圧される。暖房用膨張弁15aにて減圧された冷媒は、室外熱交換器16へ流入する。室外熱交換器16へ流入した冷媒は、外気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器16から流出した冷媒は、チラー20へ流入する。
一方、第1内部三方継手部13aにて分岐された他方の冷媒は、ホットガス流量調整弁15dにて流量調整されて減圧される。ホットガス流量調整弁15dにて減圧された比較的エンタルピの高い冷媒は、第4内部三方継手部13dを介して、チラー20へ流入する。
チラー20では、冷却用膨張弁15cにて減圧された冷媒とホットガス流量調整弁15dにて減圧された冷媒が混合される。この際、低温側ポンプ31が停止しているので、チラー20では、冷媒と低温側熱媒体が熱交換することはない。チラー20から流出した冷媒は、アキュムレータ部21へ流入して気液分離される。アキュムレータ部21にて分離された気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
外気吸熱ホットガス暖房モードの室内空調ユニット50では、室内送風機52から送風された送風空気が、室内蒸発器18を通過する。室内蒸発器18を通過した送風空気は、エアミックスドア54の開度に応じて室内凝縮器14にて加熱される。そして、室内凝縮器14にて加熱された送風空気が車室内へ吹き出されることによって、車室内の暖房が実現される。
外気吸熱ホットガス暖房モードでは、ホットガス流量調整弁15dを絞り状態とするので、第4内部三方継手部13dを介して、チラー20へ比較的エンタルピの高い冷媒を流入させることができる。
従って、並列除湿ホットガス暖房モードの車両用空調装置1では、並列除湿暖房モードよりも圧縮機11の冷媒吐出能力を増大させても、圧縮機11の吸入口側へ流出させる吸入側冷媒を過熱度を有する気相冷媒とすることができる。さらに、圧縮機11の圧縮仕事量を増大させることによって、室内凝縮器14における冷媒から送風空気への放熱量を増大させて、暖房能力を向上させることができる。
本発明に係る圧縮機モジュールは、外気吸熱ホットガス暖房モードのように、圧縮機11の冷媒吐出能力を増加させる運転モードを有するヒートポンプサイクル装置の騒音抑制のために有効である。
また、上述の車両用空調装置1、1a、1bにおいて、極低外気温時(例えば、外気温Tamが-10℃以下の時)に、一部の構成機器および冷媒を加熱する暖機モードを実行してもよい。
暖機モードでは、制御装置60が、暖房用膨張弁15aを全閉状態とし、冷房用膨張弁15bを全閉状態とし、冷却用膨張弁15cを全閉状態とし、ホットガス流量調整弁15dを絞り状態とする。さらに、制御装置60は、除湿用開閉弁23a、暖房用開閉弁23b、第1開閉弁23c、第2開閉弁23dを閉じる。
このため、暖機モードのヒートポンプサイクル10、10a、10bでは、圧縮機11から吐出された冷媒が、ホットガス用通路22aのホットガス流量調整弁15d、チラー20、圧縮機11の吸入口側の順に循環する冷媒回路に切り替えられる。これにより、極低外気温時に温度低下している、一部の構成機器および冷媒を加熱して暖機することができる。
1、1a、1b…車両用空調装置(ヒートポンプサイクル装置)、
11…圧縮機、14…室内凝縮器(外部構成機器)、
16…室外熱交換器(外部構成機器)、18…室内蒸発器(外部構成機器)、
100、110、120、130…圧縮機モジュール、
101、111、121、131…流路ボックス(通路形成部材)、
102、122、132…カバー部材、103、113、123、133…収容空間、
101a、111a、121a、131a…圧縮機側出口、
101b、111b、121b、131b…圧縮機側入口、
101c~131h…外側接続口

Claims (8)

  1. ヒートポンプサイクル装置(1、1a、1b)に適用される圧縮機モジュールであって、
    冷媒を吸入し、圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    内部に前記冷媒を流通させる複数の内部冷媒通路が形成された通路形成部材(101、111、121、131)と、
    前記通路形成部材とともに、前記圧縮機を収容する収容空間(103、113、123、133)を形成するカバー部材(102、122、132)と、を備え、
    前記収容空間の内部には、前記内部冷媒通路に連通する圧縮機側入口(101b、111b、121b、131b)および圧縮機側出口(101a、111a、121a、131a)が形成されており、
    前記収容空間の外部には、前記内部冷媒通路に連通する外側接続口(101c~101h、111g、111h、121c~121h、131c~131h)が形成されており、
    前記圧縮機側入口には、前記圧縮機の吐出口側が接続され、
    前記圧縮機側出口には、前記圧縮機の吸入口側が接続され、
    前記外側接続口には、前記ヒートポンプサイクル装置の構成機器のうち、前記収容空間の外部に配置された外部構成機器(14、16、18)の流入出口側が接続されている圧縮機モジュール。
  2. 前記収容空間は、密閉された空間として形成されている請求項1に記載の圧縮機モジュール。
  3. 前記圧縮機側出口と前記吸入口とを接続する低圧ホース(11a)と、
    前記吐出口と前記圧縮機側入口とを接続する高圧ホース(11b)と、を備え、
    前記低圧ホース(11a)および前記高圧ホース(11b)は、可撓性を有しており、湾曲した状態で前記圧縮機および前記通路形成部材に取り付けられている請求項1または2に記載の圧縮機モジュール。
  4. 前記圧縮機は、防振部材(11c)を介して、前記通路形成部材に固定されており、
    前記通路形成部材は、前記ヒートポンプサイクル装置の構成機器のうち、前記ヒートポンプサイクル装置の高圧側冷媒を流入させる高圧側冷媒機器(12、141、24)を形成する部位を有し、
    前記防振部材は、熱可塑性を有するとともに、前記高圧側冷媒機器内の前記高圧側冷媒によって加熱可能に配置されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の圧縮機モジュール。
  5. 前記圧縮機は、防振部材(11c)を介して、前記通路形成部材に固定されており、
    前記防振部材は、熱可塑性を有するとともに、前記圧縮機が発生させた熱によって加熱可能に配置されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の圧縮機モジュール。
  6. 前記通路形成部材には、電気によって作動する電気式機器(15a~15d、19、19b、23a~23d)が固定されており、
    前記電気式機器は、前記内部冷媒通路を流通する前記ヒートポンプサイクル装置の低圧側冷媒によって冷却可能に配置されている請求項1ないし5のいずれか1つに記載の圧縮機モジュール。
  7. 前記収容空間の内部の空気と外部の空気との間の熱移動を抑制する断熱部(104、124、134)を備える請求項1ないし6のいずれか1つに記載の圧縮機モジュール。
  8. 前記ヒートポンプサイクル装置は、前記圧縮機から吐出された前記冷媒の流れを分岐する吐出側分岐部(13a)と、前記吐出側分岐部にて分岐された一方の前記冷媒を熱源として加熱対象流体を加熱する加熱部と、を有し、
    前記加熱対象流体を加熱する運転モード時に、前記加熱部から流出した前記冷媒と前記吐出側分岐部にて分岐された他方の前記冷媒とを合流させて前記圧縮機へ吸入させる請求項1ないし7のいずれか1つに記載の圧縮機モジュール。
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